JP2014019815A - 硬化性樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、およびその硬化物 Download PDF

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Akira Tsufuku
亮 津布久
Taketo Ikeno
健人 池野
Masayuki Katagiri
誠之 片桐
Keita Tokuzumi
啓太 徳住
Yuichi Sugano
菅野  裕一
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Abstract

【課題】低粘度で流動性に優れ、低熱膨張性を有する硬化物が得られる樹脂組成物を提供する。
【手段】分子内に2個以上のエポキシ基を有する脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)および硬化促進剤(C)を含有する脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物およびその硬化物に関し、より詳細には、低粘度で流動性に優れ、低温での硬化が可能で、得られた硬化物が低熱膨張性である硬化性樹脂組成物およびその硬化物に関する。
近年、半導体関連材料の分野においては携帯電話、超薄型の液晶やプラズマTV、軽量ノート型パソコンなど、軽・薄・短・小がキーワードとなるような電子機器があふれ、これによりパッケージ材料にも非常に高い特性が求められてきている。特に先端パッケージはその構造が複雑になり、液状封止でなくては封止が困難な素子が増加している。例えば、EBGAのようなキャビティーダウンタイプの構造を有する素子は部分封止を行う必要があり、トランスファー成型では対応できない。このような理由により、封止材としての高機能な液状の硬化性樹脂材料の開発が求められている。
液状封止材は、粉粒状封止材と異なり、フィラーの高充填化や、マトリクス樹脂そのものの高Tg(ガラス転移温度)化が困難なため、封止材の熱膨張係数が大きくなる傾向がある。そのため、液状封止材は、トランスファー成型される粉粒状封止材に比べて半田耐熱性や耐ヒートショック性が劣り、その結果、チップとの熱膨張係数の差によって発生する応力によって、樹脂やチップにクラックが生じやすく、半導体装置の信頼性が低下してしまう問題があった。そのため、高Tgで、かつ熱膨張係数の小さな液状封止材用の樹脂が求められている。
半導体素子を封止する液状封止用樹脂組成物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等を主成分とし、硬化剤として液状の酸無水物やフェノールノボラックを含み、無機充填材等の添加物を含有するエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等を主成分とする樹脂組成物はTgが低く、高い温度領域での熱膨張係数が大きい。また、これらの樹脂組成物は、粘度が高く、配合可能な充填材の量が限られてしまい、低熱膨張化が更に困難になる。
2個の原子と1本の結合を共有する複数の脂環構造をもったエポキシ化合物である、脂環式縮合エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等に比べ低粘度で、硬化物のTgが高く、耐トラッキング性に優れることが知られている。そのため、液状封止材やモールド機器等の電気材料分野への適用が期待できる。
しかしながら、脂環式縮合エポキシ化合物は、アミン、アミド、フェノール樹脂等の硬化剤を用いることができないことが知られている。これは、アミン類がエポキシ基と反応する際にはSN2反応で反応するが、脂環式縮合エポキシ化合物のエポキシ基の後方が環構造でふさがれており、反応することができないためである。
また、硬化方法としては前記の硬化剤を用いるもの以外にカチオン触媒を用いたものもあるが、塗料用途では実施可能だが、注型物のような厚物の場合は、硬化方法に工夫が必要となるため、使用が困難となる。これは、得られた硬化物のガラス転移温度が硬化条件によって大きく左右されてしまうためである(非特許文献1参照)。そのため、脂環式エポキシ化合物を注型物に使用する際に用いることができる硬化剤は、酸無水物に限られるが、酸無水物を用いた樹脂組成物は、吸水性が高く、高温領域の熱膨張係数は大きいので、更なる低吸水化、低熱膨張化が望まれている。
一方、シアン酸エステル樹脂は、耐熱性に優れるほか、低誘電率、低誘電損失である熱硬化性樹脂として古くから知られた樹脂であり、特に、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂とビスマレイミド化合物とを併用した樹脂組成物はBTレジンと称され、電気特性、機械特性、耐薬品性などに優れた特性を有するため、半導体素子の封止材料として適している(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、ビスフェノールA型シアン酸エステルは、融点が80℃の結晶性化合物であるため、液状封止材料としてそのまま使用することができず、常温で液状である他の成分と併用する必要がある。
また、シアン酸エステル樹脂を単独で完全硬化させるためには、200℃を超える、高い硬化温度が必要となる(例えば、特許文献5〜7参照)。
特開2002−241469号公報 特開2003−160639号公報 特開2007−5750号公報 特開平7−70315号公報 特開平6−73177号公報 特開平8−176299号公報 特開2011−6683号公報
総説エポキシ樹脂、基礎編I、エポキシ樹脂技術協会編、76ページ、2003年
本発明の課題は、樹脂組成物として液状であり、低温で十分硬化させることができ、かつその硬化物の外観、吸水率に優れ、さらにその硬化物の線膨張係数を低くすることである。
本発明者らは、分子内に2個以上のエポキシ基を有する脂環式縮合エポキシ化合物、シアン酸エステル化合物および硬化促進剤を使用することにより、これら課題を解決することができるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
本発明によれば、低粘度で低温硬化性を有する樹脂組成物を実現することができる。また、本発明の樹脂組成物により、外観、吸水率、熱膨張率に優れる硬化物等を実現することができる。
合成例1で得たジシアナトジフェニルメタンのH−NMRチャート。 合成例2で得た1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタンのH−NMRチャート。 合成例3で得たビス(4−シアナトフェニル)フェニルメタンのH−NMRチャート。 合成例4で得た1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタンのH−NMRチャート。
本発明による硬化性樹脂組成物は、分子内に環状脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)および硬化促進剤(C)を含有する。
また、本発明の別の態様においては、前記樹脂組成物成分に加え、無機充填材(D)を含有する樹脂組成物である。
さらに本発明の別の態様においては、前記樹脂組成物成分に加え、脂環式縮合エポキシ化合物(A)以外のエポキシ化合物を含有する樹脂組成物である。
さらに本発明の別の態様においては、前記樹脂組成物成分に加え、マレイミド化合物(F)を含有する樹脂組成物である。
さらに本発明の別の態様においては、前記樹脂組成物からなる硬化物、封止材料、接着剤、絶縁材料、塗料、プリプレグ、積層板および繊維強化複合材料も提供される。
本発明における分子内に2個以上のエポキシ基を有する脂環式縮合エポキシ化合物(A)は、2個の原子と1本の結合を共有する二つの脂環構造、例えばシクロアルカンとオキシラン環が縮合した構造と、2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば一般に公知のものを用いることができる。
例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ピメレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、1,2,5,6−ジエポキシヘキサヒドロインダン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)テレフタレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(6−{6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(6−{6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(6−{6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、α−(4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジイルジカルボニル)−ω−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメトキシ)ビスポリ(n=0〜20)(オキシ−6−オキソヘキサメチレン)3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートのヘキサヒドロ無水フタル酸エステル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ジシクロペンタジエンジエポキシド、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、2,3−エポキシシクロヘキシルメチル−2,3−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,3−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−2,3−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−2,3−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−2,3−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,3−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−2,3−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2,3−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−2,3−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(2,3−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(2,3−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロヘキシルメチル)ピメレート、2−(2,3−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−2,3−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、2,3,2’、3’−ジエポキシビシクロヘキシル、ビス(2,3−エポキシシクロヘキシルメチル)テレフタレート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(2,3−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノアート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(2,3−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(2,3−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(6−{6−[6−(2,3−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノアート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(6−{6−[6−(2,3−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(6−{6−[6−(2,3−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(6−{6−[6−(6−{6−[6−(2,3−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノアート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(6−{6−[6−(6−{6−[6−(2,3−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(6−{6−[6−(6−{6−[6−(2,3−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、α−(4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジイルジカルボニル)−ω−ビス(2,3−エポキシシクロヘキシルメトキシ)ビスポリ(n=0〜20)(オキシ−6−オキソヘキサメチレン)2,3−エポキシシクロヘキシルメチル(2,3−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートのヘキサヒドロ無水フタル酸エステルビス(2,3−エポキシシクロヘキシル)エーテルが挙げられ、これらの中でも3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ピメレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、1−エポキシエチルー3,4−エポキシシクロヘキサン、3,4,3’、4’−ジエポキシビシクロヘキシル、1,2,5,6−ジエポキシ−シクロオクタン、1,2,5,6−ジエポキシヘキサヒドロインダン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)テレフタレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(6−{6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(6−{6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(6−{6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、α−(4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジイルジカルボニル)−ω−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメトキシ)ビスポリ(n=0〜20)(オキシ−6−オキソヘキサメチレン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートのヘキサヒドロ無水フタル酸エステル、ビス(2,3−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ジシクロペンタジエンジエポキシド、1,2:8,9

−ジエポキシリモネンが好ましく、特に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4,3’、4’−ジエポキシビシクロヘキシル、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、1,2,5,6−ジエポキシヘキサヒドロインダン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)テレフタレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノアート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−[6−(6−{6−[6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノイルオキシ}ヘキサノイルオキシ)ヘキサノイルオキシ]ヘキサノアート、α−(4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジイルジカルボニル)−ω−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメトキシ)ビスポリ(n=0〜20)(オキシ−6−オキソヘキサメチレン)3,4エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートのヘキサヒドロ無水フタル酸エステルビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジシクロペンタジエンジエポキシド、1,2:8,9−ジエポキシリモネンがより好ましく、さらには、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、 ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル、1,2,5,6−ジエポキシ−シクロオクタン、1,2,5,6−ジエポキシヘキサヒドロインダン、1,2−エポキシ−4−(2−メチルオキシラニル)−1−メチルシクロヘキサン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノアート、α−(4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジイルジカルボニル)−ω−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメトキシ)ビスポリ(n=0〜20)(オキシ−6−オキソヘキサメチレン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートのヘキサヒドロ無水フタル酸エステルビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジシクロペンタジエンジエポキシド、1,2:8,9−ジエポキシリモネンがより一層好ましい。これらの脂環式縮合エポキシ化合物(A)は1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明におけるシアン酸エステル化合物(B)は、下記一般式(I)〜(IV)で示される化合物を好適に使用することができる。

(式中、Rは、下記一般式(i)〜(v):

[式中、R、Rは各々独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基またはトリフルオロメチル基であり、lは4〜7の整数である。]からなる群から選択されるいずれかである。)、
下記一般式(II):

(式中、Rは水素またはメチル基を示し、mは平均値として1〜50である。)、
下記一般式(III):

(式中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を示し、nは平均値として1〜50である。)
または、下記一般式(IV):

(式中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を示し、pは平均値として1〜50である。)
上記式(I)で示されるシアン酸エステル化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば下記式(V)で示されるフェノールからシアネート合成法として公知の方法を適用することにより得ることができる。

(式中、Rは上記の定義と同じである。)
前記シアネート合成法として例えば、IAN HAMERTON,“Chemistry and Technology of Cyanate Ester Resins”,BLACKIE ACADEMIC & PROFESSIONALに記載された方法により、上記式(V)のフェノールをシアネート化して上記式(I)のシアン酸エステル化合物を得ることができる。また、溶媒中、塩基の存在下で、ハロゲン化シアンが常に塩基より過剰に存在するようにして反応させる方法(米国特許3553244号公報)や、塩基として3級アミンを用い、これをハロゲン化シアンよりも過剰に用いながら合成する方法(特開平7−53497号公報)、連続プラグフロー方式で、トリアルキルアミンとハロゲン化シアンを反応させる方法(特表2000−501138号公報)、フェノールとハロゲン化シアンとを、tert−アミンの存在下、非水溶液中で反応させる際に副生するtert−アンモニウムハライドを、カチオンおよびアニオン交換対で処理する方法(特表2001−504835号公報)、フェノール化合物を、水と分液可能な溶媒の存在下で、3級アミンとハロゲン化シアンとを同時に添加して反応させた後、水洗分液し、得られた溶液から2級または3級アルコール類もしくは炭化水素の貧溶媒を用いて沈殿精製する方法(特許2991054号公報)、さらには、ナフトール類、ハロゲン化シアン、および3級アミンを、水と有機溶媒との二相系溶媒中で、酸性条件下で反応させる方法(特開2007−277102号公報)等が知られており、本発明においては、これらの方法を好適に使用して、シアン酸エステル化合物を得ることができる。上記のような方法により得られたシアン酸エステル化合物は、NMR等の公知の方法により同定することができる。
また、上記一般式(II)で示されるシアン酸エステル化合物は、下記一般式(VI)で示されるフェノールから同様の方法によりシアネート化することにより得ることができる。

(式中、R、mは上記の定義と同じである。)
また、上記一般式(III)で示されるシアン酸エステル化合物は、下記一般式(VII)で示されるフェノールから同様の方法によりシアネート化することにより得ることができる。

(式中、R、nは上記の定義と同じである。)
また、上記一般式(IV)で示されるシアン酸エステル化合物は、下記一般式(VIII)で示されるフェノールから同様の方法によりシアネート化することにより得ることができる。

(式中、R、pは上記の定義と同じである。)
上記一般式(I)で表わされるシアン酸エステル化合物(A)としては、例えば、ビス(4−シアナトフェニル)メタン、2,4’−ジシアナトジフェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3−ジメチルブタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)ヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)オクタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルペンタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルペンタン、4,4−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,4−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2,4−トリメチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−シアナトフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−1−フェニルエタン、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3−ビス(4’−シアナトフェニル)フタリド、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)フタルイミジン、2−(4−メチルフェニル)−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)インドリン−2−オン、1,1,−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサンが挙げられる。これらの中でも、ビス(4−シアナトフェニル)メタン、2,4’−ジシアナトジフェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3−ジメチルブタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−シアナトフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−1−フェニルエタン、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3−ビス(4’−シアナトフェニル)フタリド、1,1,−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましく、特に、ビス(4−シアナトフェニル)メタン、2,4’−ジシアナトジフェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサンが好ましい。
また、上記一般式(II)で示されるシアン酸エステル化合物としては、従来公知のナフトールアラルキル型シアネート樹脂が挙げられる。これらの中でも、式中のR15が水素原子またはメチル基であるシアン酸エステル化合物を好適に使用することができる。
また、上記一般式(III)で示されるシアン酸エステル化合物としては、従来公知のフェノールノボラック型シアネート樹脂、クレゾールノボラック型シアネート樹脂、フェノールアラルキル型シアネート樹脂が挙げられる。これらの中でも、フェノールノボラック型シアネート樹脂、クレゾールノボラック型シアネート樹脂が好ましく、特にフェノールノボラック型シアネート樹脂が好ましい。
また、上記一般式(IV)で示されるシアン酸エステル化合物としては、従来公知のジシクロペンタジエン型シアネート樹脂が挙げられる。
これらのシアン酸エステル化合物(B)は1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明における硬化促進剤(C)は、一般に公知のものを使用することができる。例えば、有機金属塩、イミダゾール誘導体、アミン化合物、N,N−ジメチル尿素誘導体、リン化合物等を使用することができる。これらの硬化促進剤(C)は1種または2種以上混合して用いることができる。硬化促進剤(C)を添加することによって、硬化温度を下げるとともに、硬化物の線膨張係数が高温下でも小さく、耐熱性に優れた硬化性樹脂組成物とすることができる。
有機金属塩の硬化促進剤としては、例えば、オクチル酸、ステアリン酸、ナフテン酸、アセチルアセトネート等のZn、Cu、Fe、Co、Mn、Al、Ti、Zr、Ni等の有機金属塩等が挙げられ、これらの中でもオクチル酸亜鉛、オクチル酸銅、オクチル酸コバルト、オクチル酸アルミニウム、オクチル酸マンガン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸銅、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸アルミニウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸アルミニウム、ナフテン酸マンガン、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトン銅(II)、アセチルアセトンコバルト(II)、アセチルアセトンコバルト(III)、アセチルアセトン鉄(III)、アセチルアセトンマンガン(II)、アセチルアセトンマンガン(III)、アセチルアセトンアルミニウム(III)、アセチルアセトンジルコニウム(IV)、アセチルアセトン(II)ニッケル、テトラブトキシジルコニウム、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン等が好ましく、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトン銅(II)、アセチルアセトンコバルト(II)、アセチルアセトンコバルト(III)、アセチルアセトンマンガン(II)、アセチルアセトンマンガン(III)、アセチルアセトンジルコニウム(IV)、アセチルアセトン(II)ニッケルがより好ましい。
イミダゾール誘導体の硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等が挙げられ、これらの中でも2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等が好ましく、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールがより好ましい。
アミン化合物の硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリ−n―オクチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられ、これらの中でもトリブチルアミン、トリ−n―オクチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、4−ジメチルアミノピリジン等が好ましく、トリブチルアミン、トリ−n―オクチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等がより好ましい。
N,N−ジメチル尿素誘導体としては、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジメチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素3−(P−クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素等が挙げられ、これらの中でも、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジメチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素が好ましい。
リン化合物の硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン、テトラフェニルホスホニウムジシアナミド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート等が挙げられ、これらの中でもトリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムジシアナミド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート等が好ましく、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート等がより好ましい。
本発明における樹脂組成物中の任意成分として含有される無機充填材(D)としては特に限定されないが、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。これらの中でも特に、シリカまたはアルミナが好ましい。これらは、その形状(球状あるいは破砕型)、または大きさの異なるものを混合して充填量を増して使用することもできる。
前記無機充填材(D)は、さらに予め表面処理する処理剤で処理されたものであってよい。処理剤としては、官能基含有シラン類、環状オリゴシロキサン類、オルガノハロシラン類、およびアルキルシラザン類からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を好適に使用することができる。これらのなかでも、オルガノハロシラン類およびアルキルシラザン類を用いて球状シリカの表面処理することは、シリカ表面を疎水化するのに好適であり、樹脂組成物中における球状シリカの分散性に優れる点において好ましい。
本発明における樹脂組成物の任意性分として含有される脂環式縮合エポキシ化合物(A)以外のエポキシ樹脂(E)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する脂環式縮合エポキシ化合物(A)以外のエポキシ化合物であれば、一般に公知のものを用いることができる。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。これらのなかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等がより好ましい。これらのエポキシ樹脂は1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明における樹脂組成物中の任意性分として含有されるマレイミド化合物(F)は特に限定されないが、下記一般式(IX)で示される化合物を好適に使用することができる。

(式中、RおよびR8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基を示し、q、rは、それぞれ1〜4の整数であり、Mは、単結合、もしくは炭素数1〜5のアルキレン基、アルキリデン基、炭素数6〜14のアリーレン基、または炭素数8〜16のアラルキレン基であり、qは平均値として1〜50である。)
または、下記一般式(X):

(式中、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基を示し、gは、1〜4の整数である。)
上記一般式(IX)で示されるマレイミド化合物としては、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、アニリン・1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン重縮合物と無水マレイン酸のイミド化反応生成物が好ましい。また、マレイミド化合物としては、上記したマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーなどが挙げられ、これら化合物およびプレポリマーを1種または2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
また、上記一般式(X)で示されるマレイミド化合物としては、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、m−トリレンジマレイミド、N,N’−(m−フェニレンジメチレン)ジシトラコンイミドが好適である。
本発明においては、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)の合計配合量100質量部に対して、脂環式縮合エポキシ化合物(A)を10〜95質量部、シアン酸エステル化合物(B)を5〜90質量部含んでなることが好ましい。脂環式縮合エポキシ化合物(A)とシアン酸エステル化合物(B)の含有量が上記範囲内にあれば、樹脂組成物の粘度、硬化物の硬化性、硬化物の低熱膨張性を達成することができる。
また、硬化促進剤(C)の含有量は、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)の合計配合量100質量部に対して、0.001〜5質量部であることが好ましく、0.005〜3質量部であることがより好ましく、0.01〜2質量部であることが更に好ましい。硬化促進剤(C)の含有量が上記範囲内にあれば、硬化物の硬化性と低熱膨張性を達成することができる。
また、無機充填材(D)の含量は、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)の合計配合量100質量部に対して、0〜500質量部であることが好ましく、50〜450質量部であることがより好ましく、100〜400質量部であることがさらに好ましい。無機充填材(C)の含有量が上記範囲内にあれば、樹脂組成物の粘度上昇を抑えつつも、硬化物の低熱膨張性を達成することができる。
また、脂環式縮合エポキシ化合物以外のエポキシ樹脂(E)の含量は、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)の合計配合量100質量部に対して、0〜200質量部であることが好ましく、1〜100質量部であることがより好ましく、5〜50質量部であることがさらに好ましい。無機充填材(E)の含有量が上記範囲内にあれば、樹脂組成物の粘度上昇を抑えつつも、硬化物の耐熱性、低熱膨張性を達成することができる。
また、マレイミド化合物(F)の含量は、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)の合計配合量100質量部に対して、0〜100質量部であることが好ましく、1〜50質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることがさらに好ましい。マレイミド化合物(F)の含有量が上記範囲内にあれば、樹脂組成物の粘度上昇を抑えつつも、硬化物の耐熱性、低熱膨張性を達成することができる。
本発明における樹脂組成物には、ベンゾオキサジン化合物を添加しても良い。ベンゾオキサジン化合物としては、1分子中に2個以上のジヒドロベンゾオキサジン環を有していれば一般に公知のものを用いることができる。例えば、特開2009−096874号公報に記載のベンゾオキサジン化合物が挙げられる。これらのベンゾオキサジン化合物は1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明における樹脂組成物には、重合可能な不飽和基を有する化合物を添加しても良い。不飽和基を有する化合物としては、一般に公知のものが使用でき、例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル等のビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1価または多価アルコールの(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類、ベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。これらの不飽和基を有する化合物は1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明における樹脂組成物には、シランカップリング剤を添加しても良い。シランカップリング剤は、特に限定されるものではなく、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、および2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン等のエポキシシラン化合物、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、および3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカトプロピルトリエトキシシラン、および3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、およびビニルトリクロロシラン等のビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン等のスチリルシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、および3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン、(5−ノルボルネン−2−イル)トリメトキシシラン、(5−ノルボルネン−2−イル)トリエトキシシラン、および(5−ノルボルネン−2−イル)エチルトリメトキシシラン等の(5−ノルボルネン−2−イル)アルキルシラン、フェニルトリメトキシシラン等のフェニルシラン、などを挙げることができる。
本発明における樹脂組成物には、シリコーンレジンパウダーを添加してもよい。シリコーンレジンパウダーは、シロキサン結合が(RSiO3/2で表わさせる三次元網目状に架橋した構造を持つ硬化物粉末であり、その平均粒子径は、0.1〜10μmのパウダーが好適である。具体的には、KMP−590(信越シリコーン製)、KMP−701(信越シリコーン製)、X−52−854(信越シリコーン製)、X−52−1621(信越シリコーン製)、XC99−B5664(モメンティブ・パフォーアンス・マテリアルズ製)、XC99−A8808(モメンティブ・パフォーアンス・マテリアルズ製)、トスパール120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)などが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
本発明における樹脂組成物には、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤は、特に限定されるものでなく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤等を使用することができる。これらの酸化防止剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−s−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、ビタミンE、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−ブチルフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3'−t−ブチル−5'−メチル−2'−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、プロピルガレート、オクチルガレート、ラウリルガレート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6− シクロヘキシルフェノール)、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、2,2'−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−ブチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t −ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、カテコール、t− ブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)]メタン、3,9−ビス〔2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド〕、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ホスホネート、3,3',3",5,5',5"−ヘキサ−t−ブチル−a,a',a"−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス〔〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ホスホネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス〔(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル〕−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,6−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ピクリン酸等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェニル)・エチルホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフエニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイトなどが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジスチアリル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などが挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、2,2,4−トリメチルキノリン重合体、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α、α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
また、本発明における樹脂組成物には、難燃剤を添加してもよい。難燃剤は、特に限定されるものでなく、例えば、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の無機物、ブロモ化エポキシ樹脂等の臭素化合物、リン酸エステル等のリン化合物、メラミンおよびその誘導体、トリアジン骨格を有する化合物、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素化合物、シクロホスファゼン、特開2008−248066号公報記載のホスファゼン化合物等のリンおよび窒素含有化合物が挙げられる。これらの難燃剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)、硬化促進剤(C)および必要に応じて各種添加剤を、公知の方法、例えば高速ミキサー、プラネタリーミキサー、ナウターミキサー、リボン型ブレンダー、ニーダー、インテンシブミキサー、万能ミキサー、ディゾルバー、スタティックミキサー、ロールなどを用いて混合して得ることができる。混合の際は溶媒を使用することもでき、加温することも可能である。また、脂環式縮合エポキシ化合物、シアン酸エステル化合物、硬化促進剤、各種添加剤、溶媒の添加方法は、特に限定されるものではない。
本発明における硬化性樹脂組成物は、熱や光などによって硬化させることにより硬化物とすることができる。硬化物は、硬化性樹脂組成物を溶融または溶媒に溶解させた後、型内に流し込み、必要に応じて減圧することにより溶媒を除去した後、通常の条件で硬化させることにより得ることができる。熱硬化の場合、硬化性樹脂組成物を65〜230℃で硬化させることが好ましく、120〜200℃で硬化させることがより好ましく、150〜180℃で硬化させることがさらに好ましい。上記した温度で硬化させることにより、より一層、硬化物の貯蔵弾性率の低下が抑制され、硬化物の線膨張係数が高温化でも小さく、耐熱性に優れた硬化性樹脂組成物とすることができる。熱硬化の際の、硬化温度は、特に限定されるものでなく、一定の硬化温度で硬化させても、加熱過程が一定温度で一定時間2回以上保持するステップキュアで硬化させてもよい。
<硬化性樹脂組成物の用途>
上記した硬化性樹脂組成物を用いて封止材料を製造することができる。封止材料の製造方法は特に限定されるものでなく、上記した各成分を、公知のミキサーを用いて混合して得ることができる。混合の際の、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)、硬化促進剤(C)、各種添加剤、溶媒の添加方法は、特に限定されるものではない。
上記した硬化性樹脂組成物を用いて接着剤を製造することができる。接着剤の製造方法は特に限定されるものでなく、上記した各成分を、公知のミキサーを用いて混合して得ることができる。混合の際の、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)、硬化促進剤(C)、各種添加剤、溶媒の添加方法は、特に限定されるものではない。
上記した硬化性樹脂組成物を用いて塗料を製造することができる。塗料の製造方法は特に限定されるものでなく、上記した各成分を、公知のミキサーを用いて混合して得ることができる。混合の際の、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)、硬化促進剤(C)、各種添加剤、溶媒の添加方法は、特に限定されるものではない。
また、本発明による硬化性樹脂組成物を用いて、プリント配線板の絶縁材料となる無機および/または有機繊維基材プリプレグを製造することができる。プリプレグの製造方法は、特に限定されるものではなく、プリント配線材料に使用される周知の方法が適用可能である。例えば、樹脂組成物ワニスを無機および/または有機繊維基材に含浸させて乾燥し、Bステージ化してプリプレグとする方法などが適用できる。
また、本発明による硬化性樹脂組成物は、金属張積層板および多層板の製造に使用することができる。これらの積層板等の製造方法は、特に限定されるものでなく、上記したプリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱加圧成形することで積層板を得ることができる。加熱する温度は、特に限定されるものではないが、65〜230℃が好ましく、65〜230℃がより好ましく、120〜200℃がより好ましく、150〜180℃で硬化させることがさらに好ましい。い。また、加圧する圧力は、特に限定されるものではないが、0.5〜5MPaであることが好ましく、2〜4MPaであることがより好ましい。
また、本発明による硬化性樹脂組成物を用いて繊維強化複合材料を製造することができる。強化繊維の形態や配列については、特に限定されず、織物、不織布、マット、ニット、組み紐、一方向ストランド、ロービング、チョップド等から適宜選択できる。また、強化繊維の形態としてプリフォーム(強化繊維からなる織物基布を積層したもの、またはこれをステッチ糸により縫合一体化したもの、あるいは立体織物・編組物などの繊維構造物)を適用することもできる。これら繊維強化複合材料の製造方法として、具体的には、リキッド・コンポジット・モールディング法、レジン・フィルム・インフュージョン法、フィラメント・ワインディング法、ハンド・レイアップ法、プルトルージョン法等が挙げられる。これらのなかでも、リキッド・コンポジット・モールディング法の一つであるレジン・トランスファー・モールディング法は、金属板、フォームコア、ハニカムコア等、プリフォーム以外の素材を成形型内に予めセットしておくことができることから、種々の用途に対応可能であるため、比較的、形状が複雑な複合材料を短時間で大量生産する場合に好ましく用いられる。
本発明による硬化性樹脂組成物は、優れた低熱膨張性、および高い耐熱性を有するため、高機能性高分子材料として極めて有用であり、熱的、電気的および機械物性に優れた材料として電気絶縁材料、封止材料、接着剤、積層材料、レジスト、ビルドアップ積層板材料のほか、土木・建築、電気・電子、自動車、鉄道、船舶、航空機、スポーツ用品、美術・工芸などの分野における固定材、構造部材、補強剤、型どり材などに好ましく使用される。これらの中でも、低熱膨張性、耐燃性および高度の機械強度が要求される半導体封止材料や電子部品の接着剤、航空機構造部材、衛星構造部材および鉄道車両構造部材に好適である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。
<シアン酸エステル化合物の合成>
合成例1:ジシアナトジフェニルメタン(Bis−F CNと略記)の合成
ビスフェノールF(本州化学工業株式会社製)20.0g(100mmol)およびトリエチルアミン 28.3g(280mmol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解させた(溶液1)。塩化シアン18.4g(300mmol)の塩化メチレン溶液46.2gとテトラヒドロフラン100mLを混合させた液に−10℃ で溶液1を1.5時間かけて滴下した。反応の完結が確認されたところで反応液を濃縮し、得られた粗製物を塩化メチレン300mLに溶解した。これを1M塩酸、蒸留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メチレンを留去することで、目的とするジシアナトフェニルジフェニルメタンを23.0g得た。上記のようにして得られた化合物の構造をNMRスペクトルにより同定した。NMRスペクトルは、図1に示される通りであった。
1H−NMR:(270MHz、クロロホルム−d、内部標準TMS)
δ(ppm)4.02−4.06(complex,2H)、7.16−7.53(complex,8H)
合成例2:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタン(Bis−IB CNと略記)の合成
ビスフェノールFの代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン(和光純薬工業株式会社製)を用いた以外は合成例1と同様に実施し、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタンを28.3g得た。上記のようにして得られた化合物の構造をNMRスペクトルにより同定した。NMRスペクトルは、図1に示される通りであった。
1H−NMR:(270MHz、クロロホルム−d、内部標準TMS)
δ(ppm)0.88 (d,6H)、2.41(m,1H)、3.51(d,1H)、7.20−7.35(complex,8H)
合成例3:ビス(4−シアナトフェニル)フェニルメタン(Bis−BA CNと略記)の合成
ビスフェノールFの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン(和光純薬工業株式会社製)を用いた以外は合成例1と同様に実施し、ビス(4−シアナトフェニル)フェニルメタンを30.1g得た。上記のようにして得られた化合物の構造をNMRスペクトルにより同定した。NMRスペクトルは、図2に示される通りであった。
1H−NMR:(270MHz、クロロホルム−d、内部標準TMS)
δ(ppm)5.59(s,1H)、7.04(d,2H)、7.06−7.36(complex,11H)
合成例4:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン(Bis−E CNと略記)の合成
ビスフェノールFの代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(和光純薬工業株式会社製)を用いた以外は合成例1と同様に実施し、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタンを23.1g得た。上記のようにして得られた化合物の構造をNMRスペクトルにより同定した。NMRスペクトルは、図2に示される通りであった。
1H−NMR:(270MHz、クロロホルム−d、内部標準TMS)
δ(ppm)1.62 (d,3H)、4.22(q,1H)、7.42(complex,8H)
実施例1
<硬化性樹脂組成物の調製>
2,2−ビス(4-シアナトフェニル)プロパン(三菱ガス化学株式会社製、Bis−A CNと略記)30質量部と、3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(和光純薬工業株式会社製、脂環式縮合エポキシ化合物1と略記)70質量部と、オクチル酸亜鉛(日本化学産業株式会社製、商標ニッカオクチック酸亜鉛、金属含有量18%)0.02質量部と、シリカ(株式会社龍森製 商標MSR−25)300質量部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)1.5質量部とをセパラブルフラスコに投入し、真空ポンプで減圧下、加熱、撹拌混合して組成物を得た。得られた組成物について、25℃における粘度を測定した。
樹脂組成物の粘度は、動的粘弾性測定装置(AR2000、ティー・エイ・インスツルメント社製)を用い、角速度10rad/s、ジオメトリーギャップ1mmの測定条件における粘度を求めた。
<硬化物の調製>
上記のようにして得られた組成物を真空脱泡し、フッ素系離型スプレー(ダイフリーGA−7550、ダイキン工業株式会社製)により離型処理した2枚のガラス板(120mm×120mm×5mm)と、PTFE板(厚さ2mmおよび5mm)を、スペーサーとしてコの字に組んで作製した型に流し込み、120℃にて1時間、180℃にて1時間加熱して、硬化物を得た。
実施例2
実施例1において、オクチル酸亜鉛の代わりにアセチルアセトンコバルト(III)(和光純薬工業株式会社製)を0.02質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例3
実施例1において、オクチル酸亜鉛の代わりにアセチルアセトンアルミニウム(III)(東京化成工業株式会社製)を0.02質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例4
実施例1において、オクチル酸亜鉛の代わりにアセチルアセトン銅(II)(東京化成工業株式会社製)を0.02質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例5
実施例1において、オクチル酸亜鉛の代わりにアセチルアセトンマンガン(II)(和光純薬工業株式会社製)を0.02質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例6
実施例1において、オクチル酸亜鉛の代わりにアセチルアセトンジルコニウム(IV)(東京化成工業株式会社製)を0.02質量部用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例7
実施例1において、オクチル酸亜鉛の代わりにアセチルアセトンニッケル(II)(東京化成工業株式会社製)を0.02質量部用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例8
実施例1において、オクチル酸亜鉛の代わりに2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京化成工業株式会社製)を2質量部用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例9
実施例1において、オクチル酸亜鉛の代わりにテトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート(東京化成工業株式会社製、ホスホニウム塩硬化促進剤と略記)を2質量部用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例10
実施例1において、Bis−A CNの代わりに合成例1で得られたBis−F CNを30質量部用い、シリカと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例11
実施例1において、シリカと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例12
実施例1において、Bis−A CNの代わりに合成例2で得られたBis−IB CNを30質量部用い、シリカと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例13
実施例1において、Bis−A CNの代わりに合成例3で得られたBis−BA CNを30質量部用い、シリカと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例14
実施例1において、Bis−A CNの代わりに合成例4で得られたBis−E CNを10質量部用い、脂環式縮合エポキシ化合物1の使用量を90質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例15
実施例1において、Bis−A CNの代わりに合成例4で得られたBis−E CNを30質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例16
実施例1において、Bis−A CNの代わりに合成例4で得られたBis−E CNを50質量部用い、脂環式縮合エポキシ化合物1の使用量を50質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例17
実施例1において、Bis−A CNの代わりに合成例4で得られたBis−E CNを70質量部用い、脂環式縮合エポキシ化合物1の使用量を30質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例18
実施例1において、Bis−A CNの代わりに合成例4で得られたBis−E CNを80質量部用い、脂環式縮合エポキシ化合物1の使用量を20質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例19
実施例1において、脂環式縮合エポキシ化合物1の使用量を65質量部に変更し、シリカの使用量を400質量部に変更し、1,2:8,9−ジエポキシリモネン(和光純薬工業株式会社製、脂環式縮合エポキシ化合物2と略記)を5質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例20
実施例1において、Bis−A CNの使用量を27質量部に変更し、脂環式縮合エポキシ化合物1の使用量を58質量部に変更し、シリカの使用量を400質量部に変更し、脂環式縮合エポキシ化合物2を5質量部用い、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(東京化成工業株式会社製、BMIと略記)10質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
実施例21
実施例1において、脂環式縮合エポキシ化合物1を使用せず、シリカの使用量を400質量部に変更し、脂環式縮合エポキシ化合物2を10質量部用い、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商標EPICLON EXA−830LVP、DGEBFと略記)を60質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例1
実施例1において、オクチル酸亜鉛を用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例2
実施例1において、オクチル酸亜鉛の代わりに2,2’−ビフェノール(東京化成工業株式会社製)を2質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例3
実施例1において、Bis−A CNを用いず、脂環式縮合エポキシ化合物の使用量を100質量部に変更し、オクチル酸亜鉛の代わりにスルホニウム塩系熱カチオン触媒(三新化学工業株式会社製、商標 サンエイドSI−100L、カチオン触媒と略記)を0.5質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例4
実施例1において、Bis−A CNとオクチル酸亜鉛とシリカと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを用いず、脂環式縮合エポキシ化合物1の使用量を45質量部に変更し、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(東京化成工業株式会社製、Me−HHPAと略記)を55質量部と、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(東京化成工業株式会社製、3級アミン促進剤と略記)を0.5質量部使用した以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例5
実施例1において、Bis−A CNの代わりにBis−F CN30を質量部用い、脂環式縮合エポキシ化合物1の代わりにDGEBFを70質量部用い、シリカと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例6
実施例1において、脂環式縮合エポキシ化合物1の代わりにDGEBFを70質量部用い、シリカと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例7
実施例1において、Bis−A CNの代わりにBis−IB CN30を質量部用い、脂環式縮合エポキシ化合物1の代わりにDGEBFを70質量部用い、シリカと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例8
実施例1において、Bis−A CNの代わりにBis−BA CN30を質量部用い、脂環式縮合エポキシ化合物1の代わりにDGEBFを70質量部用い、シリカと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例9
実施例1において、Bis−A CNとオクチル酸亜鉛を用いず、脂環式縮合エポキシ化合物1の使用量を45質量部に変更し、Me−HHPAを55質量部と、3級アミン化合物を0.5質量部とを用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例10
実施例1において、Bis−A CNと脂環式縮合エポキシ化合物1を用いず、Bis−E CNを100質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例11
実施例1において、Bis−A CNの代わりにBis−E CNを30質量部用い、脂環式縮合エポキシ化合物1の代わりに、DGEBFを70質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例12
実施例1において、Bis−A CNの使用量を50質量部に変更し、脂環式縮合エポキシ化合物1の代わりに、DGEBFを50質量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例13
実施例1において、脂環式縮合エポキシ化合物1の代わりにDGEBFを70質量部用い、シリカの使用量を400質量部に変更し、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの使用量を2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
比較例14
実施例1において、Bis−A CNの使用量を27質量部に変更し、シリカの使用量を400質量部に変更し、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの使用量を2質量部に変更し、DGEBFを63質量部と、BMIを10質量部とを使用し、脂環式縮合エポキシ化合物1を用いない以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。
<硬化物の評価>
上記のようにして得られた各硬化物について、硬化物の外観、硬化度、吸水率および線膨張係数の測定を行った。
(1)硬化物の外観:
得られた硬化物(40mm×40mm×2mm)の外観を観察し、クラック発生の有無を目視にて確認した。判定基準は以下の通りとした。
○:クラック発生が認められなかったもの。
×:クラック発生が認められたもの。
(2)硬化度:
示差走査熱量計(DSC7020、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用い、開始温度40℃、終了温度350℃、昇温速度10℃/分の測定条件において、硬化前の樹脂組成物、および硬化物の、単位質量における発熱量を測定し、以下の式により硬化度を求めた。
なお、硬化物にクラックが発生した組成物については、評価を実施せず「測定不可」と記載した。
硬化度(%)=100(1−(硬化物の発熱量)/(硬化前の樹脂組成物の発熱量))
(3)吸水率:
吸水率は、試験片(40mm×40mm×2mm)を沸騰水中に168時間浸漬したときの重量増加率を算出し、得られた値を吸水率とした。
なお、硬化物にクラックが発生した組成物については、評価を実施せず「測定不可」と記載した。
(4)線膨張係数:
JIS−K−7197−1991に準拠して、熱機械分析装置(TMA/SS7100、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)に試験片(5mm×5mm×5mm)をセットし、開始温度100℃、終了温度300℃、昇温速度5℃/分、加重0.05Nの測定条件において、膨張・圧縮モードでの熱機械分析を実施し、50℃〜260℃における平均線膨張係数の測定を行った。
なお、硬化物にクラックが発生した組成物については、評価を実施せず「測定不可」と記載した。

Claims (23)

  1. 分子内に2個以上のエポキシ基を有する脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)および硬化促進剤(C)を含有する樹脂組成物。
  2. 前記脂環式縮合エポキシ化合物(A)が、エポキシシクロペンタン骨格またはエポキシシクロヘキサン骨格を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記シアン酸エステル化合物(B)が、
    下記一般式(I):

    (式中、
    は、下記一般式(i)〜(v):

    [式中、R、Rは各々独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基またはトリフルオロメチル基であり、nは4〜7の整数である。]からなる群から選択されるいずれかである。)、
    下記一般式(II):

    (式中、Rは水素またはメチル基を示し、nは1〜50の整数を示すが、nが異なる化合物の混合物であってもよい。)、
    下記一般式(III):

    (式中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を示し、nは平均値として1〜50である。)
    または、下記一般式(IV):

    (式中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を示し、pは平均値として1〜50である。)
    で示されるもののうち、いずれか1種以上である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記脂環式縮合エポキシ化合物(A)が、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、 ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル、1,2,5,6−ジエポキシ−シクロオクタン、1,2,5,6−ジエポキシヘキサヒドロインダン、1,2−エポキシ−4−(2−メチルオキシラニル)−1−メチルシクロヘキサン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサノアート、α−(4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジイルジカルボニル)−ω−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメトキシ)ビスポリ(n=0〜20)(オキシ−6−オキソヘキサメチレン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートのヘキサヒドロ無水フタル酸エステルビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジシクロペンタジエンジエポキシド、1,2:8,9−ジエポキシリモネンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である、請求項2または3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記硬化促進剤(C)が、金属の錯体化合物、3級アミン化合物、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩化合物、ジシアンジアミド、尿素誘導体からなる群から選ばれるいずれか1種以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. さらに無機充填材(D)を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. さらに脂環式縮合エポキシ化合物(A)以外のエポキシ化合物(E)を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記脂環式縮合エポキシ化合物(A)以外のエポキシ化合物(E)が、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートからなる群から選ばれるいずれか1種以上である、請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. さらにマレイミド化合物(F)を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記マレイミド化合物(F)が、下記一般式(IX):

    (式中、
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基を示し、
    e、fは、それぞれ1〜4の整数であり、
    Mは、単結合、もしくは炭素数1〜5のアルキレン基、アルキリデン基、炭素数6〜14のアリーレン基、または炭素数8〜16のアラルキレン基であり、qは平均値として1〜50である。)
    または、下記一般式(X)

    (式中、
    、Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基を示し、gは、1〜4の整数である。)
    で示されるもののうち、いずれか1種以上である、請求項9に記載の樹脂組成物。
  11. 前記脂環式縮合エポキシ化合物(A)の含有量が、脂環式縮合エポキシ化合物(A)およびシアン酸エステル化合物(B)の合計100質量部に対し、10〜95質量部である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  12. 前記硬化促進剤(C)の含有量が、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)の合計100質量部に対し、0.001〜5質量部である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  13. 前記無機充填材(D)の含有量が、脂環式縮合エポキシ化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)の合計100質量部に対し、500質量部以下である、請求項6〜12のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の樹脂組成物を加熱硬化してなる硬化物。
  15. 加熱硬化温度が、120〜230℃である、請求項14に記載の硬化物。
  16. 加熱硬化温度が、120〜200℃である、請求項15に記載の硬化物。
  17. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含んでなる封止材料。
  18. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含んでなる接着剤。
  19. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含んでなる絶縁材料。
  20. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含んでなる塗料。
  21. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の樹脂組成物を基材に添着させてなるプリプレグ。
  22. 請求項21に記載のプリプレグを硬化して得られる積層板。
  23. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の硬化物と強化繊維からなる繊維強化複合材料。
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