JP2015196780A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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【課題】硬化物の高いガラス転移温度(Tg)と、未硬化時の貯蔵安定性を両立することのできる、シアネートエステルを含んで成る硬化性樹脂組成物に関する。【解決手段】以下の(A)〜(C)成分を含んで成る硬化性樹脂組成物を用いることにより、硬化物における高いガラス転移温度と貯蔵安定性の両立を実現することができる。(A)分子内にシアネートエステル基を2個以上有する、シアネートエステル化合物(B)エポキシ樹脂 前記(A)成分100質量部に対し、25〜75質量部(C)チタン錯体化合物 前記(A)、(B)成分の合計100質量部に対し、0.01〜10質量部【選択図】なし

Description

本発明は、硬化物の高いガラス転移温度(Tg)と、未硬化時の貯蔵安定性を両立することのできる、硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来、電子材料の実装や、内燃機関の封止、その他熱負荷の大きい部材に対する接着、被覆、充填等の用途において、高い耐熱性を有した各種の硬化性樹脂組成物が用いられてきた。当該硬化性樹脂組成物としては、エポキシ樹脂組成物が最も一般的に用いられているが、エポキシ樹脂組成物の耐熱性を高める上では、硬化物のガラス転移温度(Tg)を上げる、という手法が採られ、その場合は組成物中に充填剤を処方することが欠かせず、結果粘度が高まることにより作業性が低下する、あるいは透明性が損なわれるため、透明性が求められる用途に適用できないという弊害が生じていた。
係る問題を解決するため、特許文献1では電気・電子分野の固定用途等に用いる材料として、シアン酸エステル化合物、エポキシ樹脂、金属錯体触媒等からなる硬化性樹脂組成物が提案されている。当該シアン酸エステル化合物を含んで成る硬化性樹脂組成物は、常温において液性状であり、また硬化物のTgについても良好な値となっている。しかしながら当該組成物においては、シアネートエステルの反応性に起因する貯蔵安定性については何ら言及がない。
一方で特許文献2では、予めシアネートエステルを反応させてなる化合物である、トリアジン環含有の化合物等及びエポキシ樹脂などを含んで成る組成物を用いることにより、安定性を向上させることを試みている。しかしながら当該組成物においては、前記トリアジン環含有の化合物を用いることにより粘性が非常に高いものとなるため取扱い性が低下してしまい、またTgも十分高くできるものではない。
また特許文献3には、シアネートエステル化合物、脂環式エポキシなどのエポキシ樹脂、金属化合物触媒などからなる、回路基板の絶縁となどに用いられる硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら当該組成物が前記成分を含有するのは、誘電率や誘電正接といった電気特性の向上を狙ったものであり、Tgや貯蔵安定性については何ら言及がない。
特許文献4には、ノボラックタイプなどのシアネートエステル化合物、エポキシ樹脂、金属触媒などからなる絶縁組成物が開示されている。しかしながら当該組成物において前記成分を含有させる目的は、Tgを高めて耐熱性を向上させる点にあり、やはり貯蔵安定性についての言及はない。
特許文献5には、熱硬化性樹脂としてシアネートエステルとエポキシ樹脂を含み、さらに各種金属アセトアセトネート(チタンアセトアセトネートを含む)から選ばれる化合物を遷移金属触媒として含有するフラクシング組成物が開示されている。しかしながら当該組成物においてシアネートエステルを用いるのは、酸性条件に感受性があることを目的としたに過ぎず、添加量においてもエポキシ樹脂より少なく副次的な作用を狙ったものである。また、金属触媒としてチタンアセトアセトネートを例示に挙げているが、同列に並べた他の金属アセトアセトネートと比して特段の効果を示すことの言及はない。
特開2010−254838号公報 特開2001−206931号公報 特開2003−138133号公報 特開2002−338786号公報 特開2006−334669号公報
如上の如く、従来Tgを向上させる目的でシアネートエステル化合物を含む硬化性樹脂組成物を用いる場合には、貯蔵安定性の点で問題を有する可能性のあるものであった。
そこで本発明は上記課題を解決すべく検討を行い成されたものであり、未硬化の状態での低い粘度特性及び良好な貯蔵安定性、硬化物の高いTgという特性を兼ね備えた硬化性樹脂組成物に関する発明を完成するに至った。
以下より本発明の要旨について詳説する。
本発明の第一の実施形態は、以下の(A)〜(C)の各成分を含んで成る、硬化性樹脂組成物である。
(A)分子内にシアネートエステル基を2個以上有する、シアネートエステル化合物
(B)エポキシ樹脂 前記(A)成分100質量部に対し、25〜75質量部
(C)チタン錯体化合物 前記(A)、(B)成分の合計100質量部に対し、0.01〜10質量部
第二の実施形態は、前記(A)成分が、分子内にシアネートエステル基を2個有するものと3個有するものの混合物である、硬化性樹脂組成物に関する。
第三の実施形態は、前記(B)成分が、脂環式エポキシ樹脂である、硬化性樹脂組成物に関する。
第四の実施形態は、前記(C)成分が、アセチルアセトン誘導体を配位子として含むチタン錯体化合物である、硬化性樹脂組成物に関する。
第五の実施形態は、前記(C)成分が、エトキシイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタネートである、硬化性樹脂組成物に関する。
第六の実施形態は、前記硬化性樹脂組成物が電子部品実装に用いるものである、電子部品実装用硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、未硬化の状態での低い粘度特性及び良好な貯蔵安定性と、硬化物の高いTgという特性を兼ね備えた硬化性樹脂組成物を実現することができる。
以下より本発明の構成要件について詳説する。
本発明で用いる(A)成分:分子内にシアネートエステル基を2個以上有するシアネートエステル化合物であれば、適宜選択して用いることができる。本発明では特に、分子内にシアネートエステル基を2個有するものと3個有するものの混合物が好適に用いることができる。また本発明においては前記(A)成分として、常温(25℃程度)で液状のものが特に好ましく用いることができる。常温で液状でないものを用いた場合、組成物の粘性が高まるため、塗布工程における作業性が低下してしまい、他方で作業性向上のため有機溶媒で溶解、希釈を行った場合、加熱硬化時に溶剤が揮散し、作業環境を汚染すると共に、溶媒が揮散した跡がフクレ、ピンホールとなり、さらに硬化時の収縮による応力残留等が発生することにより、硬化物の信頼性低下に繋がってしまう虞がある。
市販の工業製品としては、LONZA社製品の2,2−ビス(4−シアナトフェニル)エタン(商品名:Primaset LECY)、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(商品名:Primaset BADCY)、2,2−ビス(4−シアナト−3,5−メチルフェニル)メタン(商品名:Primaset METHYLCY)、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(商品名:PT30)、ビスフェノールAジシアネートの一部または全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(商品名:BA230)、三菱瓦斯化学社製品の2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(商品名:スカイレックスCA200)、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンの部分架橋物(商品名:2160RX)、Huntsman社製品のフェノールジシクロペンタジエン共重合物のシアネートエステル(商品名:XU−71787−02)及びこれにゴム微粒子を10%添加したもの(商品名:XU−71787−07)、Vantico社製品の4,4’−エチリデンビスフェニレンシアネート(商品名:AroCy L−10)、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート(商品名:Arocy−40S)、ビスフェノールMジシアネート(商品名:RTX−366)、ノボラック樹脂変性の多官能シアネートエステル(XU366)、Oakwood Products社製品の2−アリルフェノールシアネートエステル、4−メトキシフェノールシアネートエステル、ビスフェノールAシアネートエステル、4−フェニルフェノールシアネートエステル、4−クミルフェノールシアネートエステル、4,4’−ビスフェノールシアネートエステル、2,2−ビス(4−シアナトフェノール)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジアリルビスフェノールAシアネートエステル、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、2,2,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタンジオールジシアネートエステル等を例示することが出来る。
本発明における当該(A)成分の役割は、充填剤成分を加えることなく硬化性組成物のTgを上げることを目的としたベース樹脂としてのものである。当該(A)成分の反応性基であるシアネートエステル基は、分子間、場合により分子内で3つ会合することでトリアジン環を形成する。従って分子内にシアネートエステル基を2個以上有するシアネートエステル化合物の反応により、トリアジン環を介したネットワークポリマーが形成するものであり、当該成分を熱硬化性樹脂として用いることで、高いTgの硬化物が得られることが知られている。
本発明で用いる(B)成分:エポキシ樹脂としては、公知の材料、即ち分子内にエポキシ基を有する化合物であれば適宜用いることができるが、硬化物の外観や貯蔵安定性の観点から特に脂環式エポキシ樹脂を好適に用いることができる。本発明で言うところの脂環式エポキシとは、分子内に1個以上の脂肪族環状構造を有し、当該脂肪族環中の炭素原子2個と酸素原子が環となってエポキシ基を形成した構造の化合物のことを言うが、該エポキシ基を分子中に含むのであれば、それ以外の構造のエポキシ基を同一分子中に含むことを妨げない。分子中に存在する前記エポキシ基の数は、1個以上であればその数を限定しないが、望ましくは2個以上有することが好適である。当該(B)成分として具体的には、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン等を例示することができる。
本発明における当該(B)成分添加の目的は、基材に対する接着性、硬化物の靱性、耐薬品性等の特性を付加するためである。本発明において好適な組成量は、前記(A)成分100質量部に対して25〜75質量部であることが望まく、より好適には30〜70質量部、さらに好適には35〜60質量部である。25質量部未満であると、本発明の硬化性樹脂組成物は硬化物に十分な強度を出すことができず、外力により破断する等して信頼性を確保することができない。他方75質量部を超過すると、Tgを十分に高めることができず、本発明の目的を達成することができない。なお、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基は、前記(A)成分に含まれるシアネートエステル基と反応して、オキサゾリン構造またはオキサゾリジン構造を形成することが知られている。従って(B)成分の組成量が増加することにより前記(A)成分のシアネートエステル基間の反応が阻害され、結果として架橋密度の低い構造が多数形成されるため、Tgも低下するものと考えられる。
本発明で用いる(C)成分:チタン錯体化合物としては、チタンに配位子が配位した公知の錯体化合物を用いることができる。具体的には、ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタネート、ジイソプロポキシビス(メチルアセチルアセテート)チタネート、ジイソプロポキシビス(エチルアセチルアセテート)チタネート、ジエトキシビス(アセチルアセテート)チタネート、ジエトキシビス(メチルアセチルアセテート)チタネート、ジエトキシビス(エチルアセチルアセテート)チタネート、ジ−n−ブトキシビス(アセチルアセテート)チタネート、ジ−n−ブトキシビス(メチルアセチルアセテート)チタネート、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセチルアセテート)チタネート、エトキシイソプロポキシビス(アセトアセテート)チタネート、エトキシイソプロポキシビス(メチルアセトアセテート)チタネート、エトキシイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタネート、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミン)チタネート、ジヒドロキシビス(ラクティクアシド)チタネート、テトラオクチレングリコールチタネート、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸エチル)チタネート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等を例示することができる。本発明においては、アセチルアセトン誘導体を配位子として含むチタン錯体化合物を好適に用いることができ、特に望ましくはエトキシイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタネートを好適に用いることができる。
本発明における当該(C)成分添加の目的は、本発明の前記(A)及び(B)成分の硬化触媒であり、特に未硬化状態における組成物の貯蔵安定性を向上するためのものである。前記(A)、(B)両成分の硬化触媒として、金属錯体化合物を用いることができることは従来知られているが、特に錯体金属としてチタンを選択することにより、格段に貯蔵安定性の向上を果たすことが実現できたのが本発明の最大の特長である。当該成分による貯蔵安定性の詳細な機構は明確ではないが、通常前記(A)、(B)両成分を含む組成物の硬化剤として、本発明の範囲外の金属錯体化合物を用いた場合、製造後即時、或いは常温で1週乃至1月貯蔵する間に、その安定性が損なわれるのに対し、本発明の(C)成分であるチタン錯体化合物を用いることでこれが劇的に改善されるのである。なお本発明で言うところの貯蔵安定性とは、即ち常温環境下で未硬化の組成物を1週乃至1月貯蔵した際の沈殿、ゲル化、著しい変色のいずれかの発生の有無を示す。
本発明における当該(C)成分の好適な組成量は、前記(A)、(B)成分の合計100質量部に対して0.01〜10質量部であることが望まく、より好適には0.03〜5質量部、さらに好適には0.05〜3質量部である。0.01質量部未満であると、本発明の組成物は十分に硬化することができず、他方10質量部以上であると、反応性が高まりすぎ、本発明の目的を達成することができない。
さらに本発明においては前記(A)〜(C)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、組成物に適切な特性を付与するための成分をさらに添加しても良い。例えば、反応性または非反応性希釈剤、老化防止剤、増粘剤、界面活性剤、粘着性付与剤、難燃剤、安定剤、顔料、染料などの着色剤、金属粉、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機充填剤、有機充填剤、難燃剤、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、カップリング剤等の添加剤を選択いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[評価方法]
実施例にて用いた硬化性樹脂組成物の特性は、以下の方法にてそれぞれ評価を行った。
[粘度特性]
組成物の粘度特性は25℃環境下において、以下の条件で評価を行った。
・測定装置:東機産業株式会社製 VISCOMETER TV−33
・コーン:1°34’×R24
・回転数:20rpm/3min
上記条件における測定値は1桁に丸め、100mPa・s単位での評価値とした。
[ガラス転移温度]
組成物のガラス転移温度は25℃環境下において、以下の条件で評価を行った。
・測定装置:リガク社製、Thermo Plus TMA8310
・温度範囲:−50〜300℃
・昇温設定:10℃/min
直径5mmの円筒形に組成物を流し込み、硬化条件として120℃×15min+150℃×30minで加熱して硬化物を作成した。上記条件の下、引張りモードで2回の測定を行い、2回目の測定における寸法変化シグナルの傾きが変化する点からガラス転移温度(℃)を算出した。実施例1での測定値である212℃を基準とし、この値以上の測定値となったものを合格として○にて表記、これ未満の測定値となったものを不合格として×にて表記した。
[貯蔵安定性]
組成物の粘度は次の条件で評価を行った。
調製した組成物を透明なガラス瓶に密封し、25℃環境下に静置した。静置後30分経過したものを「30min」、1週経過したものを「1week」、1月経過したものを「1month」とした。各サンプルを目視にて確認し、液中に沈殿、ゲル状物、著しい変色等の有無について確かめ、これらのいずれも認められなければ合格として○にて表記し、いずれかが認められた場合には不良として×にて表記した。
[硬化性樹脂組成物の調製]
実施例に用いた各組成物は、以下に示す材料を用い、(A)、(B)成分を予め均一に混合、攪拌後、(C)成分を添加、混合、攪拌を行うという手順で調製した。実施例、比較例で評価した各組成物の処方は、表1に質量基準で記載した。
(A)成分
・LECY:2,2−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、商品名Primaset LECY、LONZA社製品
・PT−30:フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂、ノボラック樹脂の水酸基をシアネートエステル基に置換したもの、商品名Primaset PT−30、LONZA社製品
(B)成分
・OC1005:3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、商品名OMINI LANE OC1005、I.G.M.Resins社製品
(C)成分
・AA−105:エトキシイソプロポキシビス(エチルアセトアセトン)チタン、商品名Tyzor AA−105、DuPont社製品
比較(C)成分 表中(C’)として表記
・V−AcAc:アセチルアセトンバナジウム、試薬
・Cu−AcAc:アセチルアセトン銅、試薬
・Ni−AcAc・2HO:アセチルアセトンニッケル二水和物、試薬
・Co−AcAc:アセチルアセトンコバルト、試薬
・Zr−AcAc:アセチルアセトンジルコニウム、試薬
Figure 2015196780
本発明の技術範囲に含まれる実施例においては、いずれも常温における貯蔵安定性が良好であり、1月の間は貯蔵安定性が損なわれないことが認められた。他方で本発明の技術範囲外、即ち(C)成分としてチタン以外の錯体化合物を用いた場合には、早いものでは「30min」の時点で不良が発生しており、少なくとも「1week」の時点では不良が発生することが確かめられた。なお実施例2では、(B)成分の組成量が少なく、希釈作用が小さいため、粘度値がやや大きくなってしまった。実施例3においては、(B)成分の組成量が多く、硬化物の架橋度が減少することに起因すると思われるTg値の低下が認められた。
本発明の硬化性樹脂組成物は、充填剤を含むことなく高いガラス転移温度を実現させることができながら、常温未硬化状態における組成物の貯蔵安定性が良好な、取扱い性に優れたものである。そのため、硬化性樹脂組成物として従来のシアネートエステル組成物では実現が難しかった用途、例えば電気素子等の発熱性の高い部材の実装、接着、充填、コーティングなどに適した材料として、その利用範囲を拡げることができる有益なものである。

Claims (6)

  1. 以下の(A)〜(C)の各成分を含んで成る、硬化性樹脂組成物。
    (A)分子内にシアネートエステル基を2個以上有する、シアネートエステル化合物
    (B)エポキシ樹脂 前記(A)成分100質量部に対し、25〜75質量部
    (C)チタン錯体化合物 前記(A)、(B)成分の合計100質量部に対し、0.01〜10質量部
  2. 前記(A)成分が、分子内にシアネートエステル基を2個有するものと3個有するものの混合物である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(B)成分が、脂環式エポキシ樹脂である、請求項1、2のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分が、アセチルアセトン誘導体を配位子として含むチタン錯体化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(C)成分が、エトキシイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタネートである、請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記硬化性樹脂組成物が電子部品実装に用いるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子部品実装用硬化性樹脂組成物。
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