JP2014014866A - ワークの形状調整装置及び形状調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワークWを移動させつつ形状を調整する形状調整装置であり、ワークWを移動方向と交差する方向に加圧する加圧手段32,33を備え、加圧手段32,33は、ワークWに一方側から当接する第1ローラ41と、第1ローラ41と移動方向にずれた位置に配置されてワークWに反対側から当接する第2ローラ42と、第1ローラ41と第2ローラ42とを移動方向と交差する方向に相対的に加圧する加圧具43と、を備えている。
【選択図】図4
Description
下記特許文献1では、リング状のワークの形状を矯正する装置が開示されている。この装置は、リング状のワークを載せる配置台と、配置台に配置されたリング状のワークの外周面に径方向に接触させる転動自在な一対のロールと、これら一対のロールにリング状のワークを介して対向して設けられた一個の加圧ロールと、を備えている。
環状のワークの形状調整装置は、環状のワークを回転しつつ形状を調整する形状調整装置であって、回転するワークを径方向に加圧する径方向加圧手段と、回転するワークを軸方向に加圧する軸方向加圧手段と、を備え、軸方向加圧手段は、ワークの軸方向一端側に当接する第1ローラと、第1ローラと周方向にずれた位置に配置されてワークの軸方向他端側に当接する第2ローラと、第1ローラと第2ローラとを軸方向に相対的に加圧する軸方向加圧具と、を備えているのがよい。
径方向加圧手段の形状調整領域と軸方向加圧手段の形状調整領域とは、互いに近接又は重複して設けられているのが好適である。
環状のワークの形状調整方法は、加熱された環状のワークを回転及び冷却しつつ形状を調整する形状調整方法であって、回転するワークを径方向に加圧すると共に軸方向に加圧することで、ワークの径方向及び軸方向の形状を調整する工程を備え、この工程でワークの軸方向一端側に第1ローラを当接させると共に第1ローラと周方向にずれた位置でワークの軸方向他端側に第2ローラを当接させ、第1ローラと第2ローラとを軸方向に相対的に加圧するのがよい。
本実施形態では、断面円形の内周面及び外周面を有すると共に、平坦な下端面及び上端面を有する円環形状のワークWを熱処理する。
[熱処理装置]
図1及び図2に示すように、熱処理装置1は、ワークWを加熱する加熱部10と、加熱されたワークWを冷却する冷却部20と、を備えている。加熱部10と冷却部20とは上下に配置され、仮想の加熱部軸線L1と冷却部軸線L2とが鉛直方向の同一の線となっている。
ワークWを支持した支持部12が所定の上昇位置に配置されると、加熱コイル11に対してワークWが精度よく所定高さに配置されて、ワークWと加熱コイル11とが同軸に配置される。支持部12が十分に下降すると、支持部12に支持されたワークWが冷却部20のワーク保持部23に移動する。
この実施形態では、載置ローラ25として、形状調整装置30の後述する第1ローラ41をそのまま用いている。図1中に仮想線で示すように、第1ローラ41とは別にワークWの周方向に回転自在な載置ローラ25を配置してもよい。
ワークの形状調整装置30は、加熱されたワークWを回転及び冷却しつつ形状を調整するもので、ワークWの周方向の複数位置に設けられている。
ここでワークWの形状を調整するとは、ワークWが所望の形状となるようにワークWを加圧して外形形状を整えることで、ワークWに存在する形状の歪みを低減又は払拭して矯正すること、熱処理中や矯正中に新たに生じる形状の歪みを抑制することなどが含まれる。この実施形態では、加熱されたワークWに存在する設計形状との差や冷却時や矯正時に生じる変形を低減することで、径方向の形状の歪みと軸方向の形状の歪みとを低減又は無くしており、ワークWの真円度を向上させると共にワークWの両端面の平面度を向上している。
上記のような形状調整装置30が装着された熱処理装置1を用いてワークWを熱処理するには、ワークWを加熱する工程を行い、その後加熱されたワークWを回転及び冷却しつつ形状を調整する工程を行う。加熱工程では、ワークWをワーク支持部12に略水平に載置し、加熱部10の加熱コイル11に対して精度よく所定位置に配置する。加熱コイル11により囲んだ状態で高周波誘導加熱により所定温度まで加熱する。この実施形態ではワークWの内部まで加熱している。
ワーク保持部23の載置ローラ25の上端位置より下方まで支持部12を下降させると、ワークWが載置ローラ25上に乗り移り、ワークWがワーク保持部23に精度よく配置される。この状態で、載置ローラ25と共用の第1ローラ41にワークWの下端面が当接すると共に、インナーローラ34がワークWの内周面に当接した状態となる。
以上のように熱処理装置1の形状調整装置30によれば、回転するワークWを径方向に加圧する径方向加圧手段32と、軸方向に加圧する軸方向加圧手段33と、を備えているので、加熱されたワークWを径方向の形状と軸方向の形状とを合わせて調整できる。そのため径方向の形状調整による軸方向の変形を防止し、軸方向の形状調整による径方向の変形を防止でき、ワークWの形状を効率よく調整することが可能である。
図5及び図6は、第2実施形態に係るワークの形状調整装置が装着された熱処理装置を示す。本実施形態では、形状調整装置30の構造が異なる他は、第1実施形態と略同様に構成されている。
径方向加圧手段32は、ワークWの外周面に当接する複数のローラだけでワーク全体を加圧したり、ワークWの内周面に当接する複数のローラだけでワーク全体を加圧したりするものでもよい。径方向加圧手段32及び軸方向加圧手段33を構成するローラの数は何ら限定されない。例えば第1ローラ41と第2ローラ42とをそれぞれ複数有していてもよく、その場合、周方向に沿って第1ローラ41と第2ローラ42とが交互に配置されていてもよい。図4及び図8に仮想線で示すように、第1ローラ41と第2ローラ42とを複数配置してもよく、径方向形状調整領域R1や軸方向形状調整領域R2を種々の位置に設定してもよい。
ワークWを回転させるために、アウターローラ35を回転駆動してもよく、第1ローラ41及び第2ローラ42の一方又は双方を回転駆動させてもよい。さらに径方向加圧手段32や軸方向加圧手段33とは別に、ワークWを回転駆動する機構を設けることも可能である。冷却部20は冷却ジャケットを配置して冷却液を噴射してもよく、空気中で放熱するものであってもよい。
本実施形態は直線的に延びる長尺のワークの形状を調整する例である。
本実施形態の装置には、図9及び図10に示すように、複数の直線状の形状調整ライン61,62が設けられ、各形状調整ライン61,62に形状調整装置60が設けられている。
調整機構82は、移動用基部77と位置調整用基部81との間の距離を形状調整ライン61,62と交差する方向に微少量ずつ調整可能な調整ネジ軸83と、移動用基部77と位置調整用基部81との間の距離の調整量を測定可能なマイクロメータ84と、を備えている。
この状態で駆動ローラ64を下降させて載置ローラ63に載置されたワークWに圧接する。またマイクロメータ84で確認しつつ調整ネジ軸83を回転させて位置調整用基部81の移動用基部77に対する位置を精密に調整すると共に、作動機構78により位置調整用基部81及び移動用基部77を前進させる。これにより位置調整用基部81に支持された第2ローラ72を前進させてワークWに当接させる。
しかも長尺のワークWを長手方向に移動させつつ加圧手段70により加圧するので、長手方向の広い範囲で形状を調整できる。そのためワークWの形状を簡易な構造で効率よく調整することが可能である。
L1 加熱部軸線
L2 冷却部軸線
R1 径方向形状調整領域
R2 軸方向形状調整領域
1 熱処理装置
10 加熱部
11 加熱コイル
12 支持部
20 冷却部
21 冷却槽
22 昇降ベース
23 ワーク保持部
24 昇降装置
25 載置ローラ
30 形状調整装置
31 基部
32 径方向加圧手段
33 軸方向加圧手段
34 インナーローラ
35 アウターローラ
36 径方向加圧具
37 揺動片
38 作動機構
41 第1ローラ
42 第2ローラ
43 軸方向加圧具
44 支柱
45 弾性体
51 内側支持体
52 外側支持体
53 ネジ軸
60 形状調整装置
61 第1の形状調整ライン
62 第2の形状調整ライン
63 載置ローラ
64 駆動ローラ
70 加圧手段
71 第1ローラ
72 第2ローラ
73 加圧具
75 支持ベース
77 移動用基部
78 作動機構
79 ストッパ
81 位置調整用基部
82 調整機構
83 調整ネジ軸
84 マイクロメータ
Claims (9)
- ワークを移動させつつ形状を調整するワークの形状調整装置であって、
上記ワークを移動方向と交差する方向に加圧する加圧手段を備え、
該加圧手段は、上記ワークに一方側から当接する第1ローラと、該第1ローラと上記移動方向にずれた位置に配置されて上記ワークに反対側から当接する第2ローラと、上記第1ローラと上記第2ローラとを上記移動方向と交差する方向に相対的に加圧する加圧具と、を備えて成る、ワークの形状調整装置。 - 環状のワークを回転しつつ形状を調整するワークの形状調整装置であって、
回転する上記ワークを径方向に加圧する径方向加圧手段と、回転する上記ワークを軸方向に加圧する軸方向加圧手段と、を備え、
上記軸方向加圧手段は、上記ワークの軸方向一端側に当接する第1ローラと、該第1ローラと周方向にずれた位置に配置されて上記ワークの軸方向他端側に当接する第2ローラと、上記第1ローラと上記第2ローラとを上記軸方向に相対的に加圧する軸方向加圧具と、を備えて成る、ワークの形状調整装置。 - 長尺のワークを長手方向に沿って移動させつつ形状を調整するワークの形状調整装置であって、
長手方向に沿って移動する上記ワークを上記長手方向と交差する交差方向に加圧する加圧手段を備え、
該加圧手段は、上記ワークに一方側から当接する第1ローラと、該第1ローラと上記長手方向にずれた位置に配置されて上記ワークに反対側から当接する第2ローラと、上記第1ローラと上記第2ローラとを上記交差方向に相対的に加圧する加圧具と、を備えて成る、ワークの形状調整装置。 - 前記加圧手段は、加熱された前記ワークを冷却しつつ加圧するものである、請求項1乃至3の何れかに記載のワークの形状調整装置。
- 前記加圧手段は、前記ワークの長手方向に互いに離間して配置された複数の前記第1ローラと、該複数の第1ローラの間に配置された前記第2ローラと、を備えている、請求項1乃至3の何れかに記載のワークの形状調整装置。
- 互いに異なる前記加圧手段の形状調整領域同士が近接又は重複して設けられている、請求項1乃至3の何れかに記載のワークの形状調整装置。
- 前記加圧手段は、前記ワークの長手方向の互いに離間した位置に複数設けられている、請求項1乃至3の何れかに記載のワークの形状調整装置。
- ワークを移動させつつ形状を調整するワークの形状調整方法であって、
上記ワークを移動方向と交差する方向に加圧することで、該ワークの形状を調整する工程を備え、
該工程では、上記ワークの一方側に第1ローラを当接させると共に該第1ローラ上記移動方向にずれた位置で上記ワークの反対側に第2ローラを当接させ、上記第1ローラと上記第2ローラとを上記移動方向と交差する方向に相対的に加圧する、ワークの形状調整方法。 - 加熱された環状のワークを回転及び冷却しつつ形状を調整するワークの形状調整方法であって、
回転する上記ワークを径方向に加圧すると共に軸方向に加圧することで、該ワークの径方向及び軸方向の形状を調整する工程を備え、
該工程では、上記ワークの軸方向一端側に第1ローラを当接させると共に該第1ローラと周方向にずれた位置で上記ワークの軸方向他端側に第2ローラを当接させ、上記第1ローラと上記第2ローラとを上記軸方向に相対的に加圧する、ワークの形状調整方法。
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