JP6102245B2 - リング状ワークの変形矯正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リング状ワークの変形矯正装置に関し、より詳細には、例えば、軸受軌道輪等のリング状ワークを熱処理する際に生じる変形を矯正することができるリング状ワークの変形矯正装置に関する。
近年、軸受軌道輪等のリング状ワークを製作する際、後工程(研磨工程)の低コスト化を達成するため、熱処理工程での熱処理変形を低減することが望まれている。従来、マルテンサイト変態を伴う鋼製リング状ワークの内径側及び外径側に専用の拘束治具を挿入して変形を抑制するようにした、所謂、プレスクエンチによるリング状ワークの焼入れ変形矯正方法及び装置が知られている(特許文献1参照。)。また、リング状ワークの外径面を1対の受けローラと加圧ローラとの3点で支持し、加圧ローラで加圧しながら回転させて変形を矯正する所謂、ローリングクエンチによるリング状ワークの変形矯正装置が開示されている(特許文献2参照。)。
特許第3586888号公報 特開2009−84610号公報
ところで、特許文献1に記載のプレスクエンチは、専用の拘束治具を挿入して変形を抑制する手法のため、寸法安定性及び機械的精度が良好であることから研削取り代を大幅に削減できる半面、内外径寸法が異なるリング状ワークごとに、それぞれ専用の拘束治具が必要となり、イニシャルコストやランニングコストが嵩む問題があった。
また、特許文献2に記載のローリングクエンチによる変形矯正は、図7に示すように、焼入れにより略楕円形に変形したリング状ワーク104の外周面に接触させて配置した一対の受けローラ102と、この一対の受けローラ102に対向させて径方向に移動可能に配置した加圧ローラ101との3点でリング状ワーク104を支持し、焼入れ油の中に浸漬された状態で、リング状ワーク104を回転させながら加圧ローラ101で矯正力を付与してリング状ワーク104の変形を矯正する。特に、焼入れ開始時にリング状ワーク104を焼入れ油に浸漬することで急激な温度低下が生じ、その際に少なからずの変化が発生するので、浸漬後のリング状ワーク104に荷重を加えて矯正する。なお、図7では理解を容易にするため、変形を誇張して示している。この場合、一対の受けローラ102の間隔が容易に変更可能であるので、様々な外径サイズに対応することができる反面、プレスクエンチと比較して矯正力が弱く、寸法安定性や変形矯正量が劣り改善の余地があった。
ローリングクエンチによるリング状ワーク104の変形矯正では、焼入れ(冷却)によって鋼の体積が増加するので、ワーク径が大きくなり、加圧ローラ101の位置は前後に振動しながら後退する。そして、図8に示すように、矯正時間の経過と共に、リング状ワーク104の長径と短径との差、即ち、加圧ローラ101の荷重方向(径方向)移動量(一対の駆動ローラ102の位置は固定)が次第に小さくなり(ΔD1→ΔD2)、リング状ワーク104の変形が矯正される。
図9は、外径200mm、高さ70mmのリング状ワーク104を用い、加圧ローラ101とリング状ワーク104との接触点P1と、一対の受けローラ102とリング状ワーク104との接触点P2,P3とをそれぞれ結んだ線分L1,L2のなす矯正角度α(図7参照)を15°〜60°の範囲で変更して矯正したときの真円度を示している。
図9から分かる様に、矯正角度αは矯正に大きな影響を及ぼす因子であり、真円度が良好な矯正角度αの範囲は、略15°〜40°であることが分かる。一方、矯正角度αが15°より小さい範囲では、加圧ローラ101と1対の受けローラ102との3点によるリング状ワーク104の支持が安定しないため、真円度が低下すると考えられる。具体的に、加圧ローラ101がリング状ワーク104の変形(楕円形状)に追従して前後に変位して、短径部から長径部へ回転する際に、接触点に作用する荷重の分力が最長径部と最短径部とでは異なるため、外周方向に力が分散されてリング状ワーク104が3点の接触点から外れてしまうことによる。
また、加圧ローラ101の加圧力が一定の場合、1対の受けローラ102間のピッチAが小さくなると、即ち、矯正角度αが狭くなると、リング状ワーク104に作用する矯正力が強くなる。逆に、1対の受けローラ102間のピッチAが大きくなると、即ち、矯正角度αが広くなると、リング状ワーク104に作用する矯正力が弱くなる。
図10は、1対の受けローラ102間のピッチAを矯正力に変換して真円度との関係を示したグラフであり、矯正力が弱い領域では当然に矯正効果が少ないが、矯正力が強い領域でも矯正効果が少ないことが分かる。矯正力が強い領域で真円度が悪い理由としては、矯正力が強すぎるとリング状ワーク104が座屈することによると考えられる。上記から、良好な真円度を得るためには、適正な矯正角度と矯正力を設定する必要があることが分かる。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸受軌道輪等のリング状ワークの熱処理による変形を精度よく効果的に矯正することができるリング状ワークの変形矯正装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 載置台上に載置されたリング状ワークの外周面と接触し、該リング状ワークに押圧力を付与する第1ローラと、第1ローラの押圧方向に沿って延びる仮想線に対して線対称にそれぞれ配置され、リング状ワークの外周面と接触する一対の第2ローラと、を備え、第1ローラと第2ローラのいずれか一方がリング状ワークを回転駆動し、第1ローラがリング状ワークに押圧力を付与することで、リング状ワークの変形を矯正するリング状ワークの変形矯正装置であって、リング状ワークを介して第1ローラと対向する側で、一対の第2ローラとの間に配置される少なくとも一つの第3ローラと、をさらに備え、第1ローラとリング状ワークとの接触点及び一対の第2ローラとリング状ワークとの接触点をそれぞれ結ぶ線分のなす角度は15°〜40°であり、変形矯正開始時には前記第1及び第2ローラによる3点で矯正を行い、変形矯正途中からは前記第1、第2、及び第3ローラによる少なくとも4点で矯正を行うことができるように、前記第1ローラ及び前記第3ローラは、前記仮想線に沿って進退可能に配置されることを特徴とするリング状ワークの変形矯正装置。
(2) 一対の第2ローラは、リング状ワークを回転駆動することを特徴とする(1)に記載のリング状ワークの変形矯正装置。
(3) 第3ローラは、リング状ワークをさらに回転駆動することを特徴とする(1)又は(2)に記載のリング状ワークの変形矯正装置。
(4) 第3ローラは、仮想線に対して線対称にそれぞれ配置される一対の第3ローラからなり、第1ローラとリング状ワークとの接触点及び一対の第3ローラとリング状ワークとの各接触点とを結ぶ線分は、第1ローラとリング状ワークとの接触点及び第2ローラとリング状ワークとの接触点を結ぶ線分と、仮想線とのなす角度を等分することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のリング状ワークの変形矯正装置。
(5) 第3ローラは、リング状ワークに付与する変形矯正力の大きさを変更可能であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のリング状ワークの変形矯正装置。
本発明のリング状ワークの変形矯正装置によれば、リング状ワークを介して第1ローラと対向する側で、一対の第2ローラとの間に配置される少なくとも一つの第3ローラをさらに備え、第1ローラとリング状ワークとの接触点及び一対の第2ローラとリング状ワークとの接触点をそれぞれ結ぶ線分のなす角度は15°〜40°であり、変形矯正開始時には第1及び第2ローラによる3点で矯正を行い、変形矯正途中からは第1、第2、及び第3ローラによる少なくとも4点で矯正を行うことができるように、前記第1ローラ及び前記第3ローラは、前記仮想線に沿って進退可能に配置されるため、リング状ワークを安定して支持しながら真円度の良好な矯正角度で変形を矯正することができ、軸受軌道輪等のリング状ワークの熱処理による変形を精度よく矯正することができる。
また、一対の第2ローラは、リング状ワークを回転駆動するため、第1ローラの押圧力に伴う摩擦力が大きくても、この摩擦力に打ち勝って安定してリング状ワークを回転させることができる。
また、第3ローラが、リング状ワークをさらに回転駆動するため、より安定してリング状ワークを回転させることができる。
更に、第3ローラは、仮想線に対して線対称にそれぞれ配置される一対の第3ローラからなり、第1ローラとリング状ワークとの接触点及び一対の第3ローラとリング状ワークとの各接触点とを結ぶ線分は、第1ローラとリング状ワークとの接触点及び第2ローラとリング状ワークとの接触点を結ぶ線分と、仮想線とのなす角度を等分するため、第1ローラの押圧力をリング状ワークと接触する各ローラに分散することができ、効果的且つ精度よくリング状ワークの変形を矯正することができる。
また、第3ローラは、リング状ワークに付与する変形矯正力の大きさを変更可能であるため、リング状ワークの変形量に応じて変形矯正力を調整することができ、効果的にリング状ワークの変形を矯正することができる。
(a)は本発明に係る第1実施形態のリング状ワークの変形矯正装置の概略構成を示す平面図、(b)は側面図である。 図1に示すリング状ワークの変形矯正装置により変形矯正する手順を示すフローチャートである。 図1に示すリング状ワークの変形矯正装置により変形矯正したリング状ワークの矯正角度と真円度の関係を示すグラフである。 図1に示すリング状ワークの変形矯正装置により変形矯正する他の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態の変形例のリング状ワークの変形矯正装置を示す概略構成平面図である。 (a)は本発明に係る第2実施形態のリング状ワークの変形矯正装置の概略構成を示す平面図、(b)は図6(a)に示すリング状ワークの変形矯正装置により変形矯正する手順を示すフローチャートである。 従来の変形矯正装置により矯正されるリング状ワークの模式図である。 図7に示す変形矯正装置により変形矯正されるリング状ワークの矯正時間と長短径差を示すグラフである。 図7に示す変形矯正装置により変形矯正されるリング状ワークの矯正角度と真円度の関係を示すグラフである。 図7に示す変形矯正装置により変形矯正される矯正力と真円度の関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るリング状ワークの変形矯正装置の各実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のリング状ワークの変形矯正装置を示す概略構成図である。リング状ワークの変形矯正装置10は、軸受軌道輪等のリング状ワーク14を載置する載置台15と、リング状ワーク14の外周面14aと接触し、該リング状ワーク14に押圧力を付与する第1ローラである加圧ローラ11と、加圧ローラ11の押圧方向に沿って延びる仮想線Xに対して線対称にそれぞれ配置される第2ローラである一対の駆動ローラ12a、12bと、加圧ローラ11に対向して一対の駆動ローラ12a、12bの間に配置された第3ローラである矯正補助ローラ13と、を備える。
載置台15は、平行に並んで配設された複数のころ15aを有し、載置されるリング状ワーク14を移動自在に支持する。また、載置台15は、各ローラ11、12a、12b、13及び後述する可動機構及び回転機構と共に、セットで昇降する。載置台15が上昇位置にあるときには、各ローラ11、12a、12b、13は、さらに上方または側方に退避し、リング状ワーク14の搬送が行われる。そして、ワーク搬入後は、載置台15は下降して、油槽20に浸される(図1(b)参照)。
加圧ローラ11は、不図示の可動機構により仮想線Xに沿う方向に進退可能に配置されており、リング状ワーク14の外周面14aに接触する押圧位置と、リング状ワーク14から離間した待機位置との間を移動可能となっている。加圧ローラ11は、押圧位置において、仮想線Xに沿う方向に押圧力F1でリング状ワーク14を押圧している。
また、加圧ローラ11は、載置台15が上昇位置に配置され、リング状ワーク14を搬入する際には、リング状ワーク14を押圧する際の高さよりもさらに上方に退避しているか、または側方(待機位置)に退避している。
一対の駆動ローラ12a、12bは、不図示の回転機構により回転駆動され、載置台15上に載置されるリング状ワーク14の外周面14aに接触してリング状ワーク14を回転駆動する。
また、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と一方の駆動ローラ12aとリング状ワーク14との接触点P2とを結ぶ線分L1と、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と他方の駆動ローラ12bとリング状ワーク14との接触点P3とを結ぶ線分L2とのなす矯正角度αは15°〜40°の範囲に設定されている。
矯正補助ローラ13は、加圧ローラ11の押圧方向に沿って延びる仮想線X上に配置される。矯正補助ローラ13も、不図示の可動機構により仮想線Xに沿う方向に進退可能に配置されており、リング状ワーク14の外周面14aに接触する押圧位置と、リング状ワーク14から離間した待機位置との間を移動可能となっている。矯正補助ローラ13は、押圧位置において、仮想線Xに沿う、押圧力F1と逆方向に押圧力F2でリング状ワーク14を押圧している。
矯正補助ローラ13も、加圧ローラ11と同様、載置台15が上昇位置に配置され、リング状ワーク14を搬入する際には、リング状ワーク14を押圧する際の高さよりもさらに上方に退避しているか、または側方(待機位置)に退避している。
したがって、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と一方の駆動ローラ12aとリング状ワーク14との接触点P2とを結ぶ線分L1と、該接触点P1と、矯正補助ローラ13とリング状ワーク14との接触点P4とを結ぶ、仮想線X上の線分L3とのなす角度θ1と、該接触点P1と他方の駆動ローラ12bとリング状ワーク14との接触点P3とを結ぶ線分L2と、該線分L3とのなす角度θ2とは等しく設定されている。
なお、押圧位置と待機位置との間で加圧ローラ11及び矯正補助ローラ13を移動させると共に、リング状ワーク14に押圧力F1、F2を付与する可動機構の駆動源は、圧縮空気や油圧などが例示されるが、特に限定されない。また、加圧ローラ11及び矯正補助ローラ13の押圧力F1、F2は、リング状ワーク14の変形量に応じて変更可能であることが好ましい。これにより、変形量が大きいときには大きな押圧力F1、F2を付与し、変形量が小さくなるに従い押圧力F1、F2を小さくして、効率的に変形矯正することが可能となる。
このようなリング状ワークの変形矯正装置10によるリング状ワーク14の変形矯正について、図2に示す変形矯正手順のフローチャートに基づいて説明する。先ず、各ローラ11、12a、12b、13を退避させた状態で、所定の焼入れ温度まで加熱されて搬送されてきたリング状ワーク14を載置台15上に載置し(ステップS1)、リング状ワーク14を載置台15と共に油槽20の焼入れ油内に浸漬して焼入れを開始する(ステップS2)。
次いで、リング状ワーク14の外周面14aに接触している一対の駆動ローラ12a、12bを回転させ(ステップS3)、加圧ローラ11を押圧位置まで前進させ(ステップS4)、回転駆動するリング状ワーク14を押圧力F1で押圧する。これにより、加圧ローラ11と一対の駆動ローラ12a、12bとの3点でリング状ワーク14を支持しながら変形の矯正を行う(ステップS5)。
3点での変形矯正により大きな変形を矯正した後、矯正補助ローラ13を前進させてリング状ワーク14に接触させた後、押圧力F2でリング状ワーク14を押圧し(ステップS6)、加圧ローラ11、一対の駆動ローラ12a、12b、及び矯正補助ローラ13の4点でリング状ワーク14を支持しながら変形の矯正を行う(ステップS7)。そして、変形矯正が終了したリング状ワーク14は、載置台15を上昇させることで油槽20から取出し、各ローラ11、12a、12b、13を退避させて載置台15から排出して次工程に搬送する(ステップS8)。
なお、リング状ワーク14の真円度などの品質に影響を及ぼさない限り、矯正手順が変更されてもよく、例えば、図4に示すように、加圧ローラ11を前進した後(ステップS4)、矯正補助ローラ13を前進させ(ステップS6)、3点による矯正を行わずに、4点による矯正が直接行われてもよい。なお、この場合、加圧ローラ11と矯正補助ローラ13は同時に前進させてもよい。
図3は、上記の変形矯正装置10及び図2に示す矯正手順によりリング状ワーク14の変形を矯正した結果を示すグラフであり、矯正角度αが15°〜40°の範囲であれば良好な真円度が得られることが分かる。これは、矯正角度αが15°〜40°の範囲で、リング状ワーク14が安定して支持されて適正な矯正力が負荷されたことによる。なお、矯正角度αが15度未満は、実施例の設備構造上、検証は行われていない。
以上説明したように、本実施形態のリング状ワークの変形矯正装置10によれば、リング状ワーク14を介して加圧ローラ11と対向する側で、一対の駆動ローラ12a、12bとの間に配置される矯正補助ローラ13、をさらに備え、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1及び一対の駆動ローラ12a、12bとリング状ワーク14との接触点P2、P3をそれぞれ結ぶ線分L1,L2のなす矯正角度αが15°〜40°であるため、加圧ローラ11と一対の駆動ローラ12a、12bとの3点でリング状ワーク14を安定して支持しながら変形を矯正することができ、リング状ワーク14の熱処理による変形を精度よく矯正することができる。
また、一対の駆動ローラ12a、12bがリング状ワーク14を回転駆動するため、加圧ローラ11の押圧力F1に伴う各ローラ11、12a、12b、13とリング状ワーク14との間の摩擦力が大きくなっても、この摩擦力に打ち勝ってリング状ワーク14を確実に回転させることができる。
また、矯正補助ローラ13は、リング状ワーク14に付与する変形矯正力の大きさを変更可能であるため、リング状ワーク14の変形量に応じて変形矯正力を調整することができ、効果的にリング状ワーク14の変形を矯正することができる。
なお、本実施形態の変形例として、図5に示すように、一対の駆動ローラ12a,12bに加えて、矯正補助ローラ13がリング状ワーク14をさらに回転駆動するようにしてもよい。即ち、矯正補助ローラ13が不図示の回転機構によって駆動されて回転しながらリング状ワーク14の外周面14aに接触し、リング状ワーク14を回転させながら押圧力F2で押圧して変形を矯正する。
これにより、矯正補助ローラ13を回転させながらリング状ワーク14の外周面14aに接触させることで、リング状ワーク14の回転駆動力を増大させて加圧ローラ11の押圧力F1に伴う各ローラ11、12a、12b、13とリング状ワーク14との間の摩擦力が大きくても、リング状ワーク14を滑らかに回転させる。これにより、精度よく変形を矯正することができる。
(第2実施形態)
次に、図6(a)及び図6(b)を参照して、本発明の第2実施形態に係るリング状ワークの変形矯正装置について説明する。本実施形態のリング状ワークの変形矯正装置10は、一対の矯正補助ローラ13a、13bが一対の駆動ローラ12a,12b間に配置されている。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、同一又は同等部分については、同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
リング状ワークの変形矯正装置10は、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と一対の矯正補助ローラ13a、13bとリング状ワーク14との各接触点P5、P6とを結ぶ線分L4、L5が、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と一対の駆動ローラ12a、12bとリング状ワーク14との接触点P2、P3を結ぶ各線分L1、L2と、仮想線Xとのなす角度βを等分するように、一対の矯正補助ローラ13a、13bが配置されている。
また、本実施形態においても、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と一方の駆動ローラ12aとリング状ワーク14との接触点P2とを結ぶ線分L1と、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と他方の駆動ローラ12bとリング状ワーク14との接触点P3とを結ぶ線分L2とのなす矯正角度αは15°〜40°の範囲に設定されている。
したがって、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と一方の駆動ローラ12aとリング状ワーク14との接触点P2とを結ぶ線分L1と、該接触点P1と、一方の矯正補助ローラ13aとリング状ワーク14との接触点P5とを結ぶ線分L4とのなす角度θ1´と、該線分L2と仮想線Xとのなす角度θ2´と、該仮想線Xと、該接触点P1と、他方の矯正補助ローラ13bとリング状ワーク14との接触点P6とを結ぶ線分L5とのなす角度θ3´と、該線分L5と、該接触点P1と、他方の駆動ローラ12bとリング状ワーク14との接触点P3とを結ぶ線分L2とのなす角度θ4´とは、互いに等しく設定されている(θ1´=θ2´=θ3´=θ4´)。
なお、本実施形態の変形矯正装置10は、第1実施形態の変形例と同様に、一対の矯正補助ローラ13a、13bを回転させて、一対の駆動ローラ12a、12bと協働してリング状ワーク14をさらに回転駆動するようにしてもよい。
このようなリング状ワークの変形矯正装置10によるリング状ワーク14の変形矯正についても、図6(b)に示す変形矯正手順のフローチャートに基づいて矯正が行われる。すなわち、ステップS6にて、一対の矯正補強ローラ13a、13bを前進させて、押圧力F2でリング状ワーク14を押圧し、加圧ローラ11、一対の駆動ローラ12a、12b、及び一対の矯正補助ローラ13a、13bの5点でリング状ワーク14の変形矯正が行われる(ステップS7´)。
以上説明したように、本実施形態のリング状ワークの変形矯正装置10によれば、一対の矯正補助ローラ13a、13bは、仮想線Xに対して線対称にそれぞれ配置され、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と一対の矯正補助ローラ13a、13bとリング状ワーク14との各接触点P5、P6とを結ぶ線分L4、L5が、加圧ローラ11とリング状ワーク14との接触点P1と一対の駆動ローラ12a、12bとリング状ワーク14との接触点P2、P3を結ぶ各線分L1、L2と、仮想線Xとのなす角度βを等分するため、加圧ローラ11の押圧力F1をリング状ワーク14と接触する各ローラ12a、12b、13a、13bに分散することができ、効果的且つ精度よくリング状ワーク14の変形を矯正することができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
尚、本発明は、前述した各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では、加圧ローラ11は回転せず、一対の駆動ローラ12a,12bでリング状ワーク14を回転駆動するように説明したが、これに限定されず、加圧ローラ11を回転させてリング状ワーク14を回転駆動するようにしてもよい。ただし、ワークを回転させる駆動力を大きくする上で、加圧ローラ11のみを回転させるよりも、一対の駆動ローラ12a、12bを回転させることが好ましい。また、可動機構を有する加圧ローラ11に回転機構を設けるよりも、可動機構と回転機構とを独立して加圧ローラ11と駆動ローラ12a、12bに別々に設けた方が設備コストを低減するうえで好ましい。
10 変形矯正装置
11 加圧ローラ(第1ローラ)
12a、12b 駆動ローラ(第2ローラ)
13、13a、13b 矯正補助ローラ(第3ローラ)
14 リング状ワーク
14a 外周面
15 載置台
L1、L2 第1ローラとリング状ワークとの接触点及び第2ローラとリング状ワークとの接触点を結ぶ線分
L3、L4、L5 第1ローラとリング状ワークとの接触点及び第3ローラとリング状ワークとの接触点を結ぶ線分
P1 第1ローラとリング状ワークとの接触点
P2、P3 第2ローラとリング状ワークとの接触点
P4、P5、P6 第3ローラとリング状ワークとの接触点
X 仮想線
α 矯正角度(角度)
β 第1ローラとリング状ワークとの接触点及び第2ローラとリング状ワークとの接触点を結ぶ線分と、仮想線とのなす角度

Claims (5)

  1. 載置台上に載置されたリング状ワークの外周面と接触し、該リング状ワークに押圧力を付与する第1ローラと、
    前記第1ローラの押圧方向に沿って延びる仮想線に対して線対称にそれぞれ配置され、前記リング状ワークの外周面と接触する一対の第2ローラと、
    を備え、
    前記第1ローラと前記第2ローラのいずれか一方が前記リング状ワークを回転駆動し、前記第1ローラが前記リング状ワークに押圧力を付与することで、前記リング状ワークの変形を矯正するリング状ワークの変形矯正装置であって、
    前記リング状ワークを介して前記第1ローラと対向する側で、前記一対の第2ローラとの間に配置される少なくとも一つの第3ローラと、をさらに備え、
    前記第1ローラと前記リング状ワークとの接触点及び前記一対の第2ローラと前記リング状ワークとの接触点をそれぞれ結ぶ線分のなす角度は15°〜40°であり、
    変形矯正開始時には前記第1及び第2ローラによる3点で矯正を行い、変形矯正途中からは前記第1、第2、及び第3ローラによる少なくとも4点で矯正を行うことができるように、前記第1ローラ及び前記第3ローラは、前記仮想線に沿って進退可能に配置されることを特徴とするリング状ワークの変形矯正装置。
  2. 前記一対の第2ローラは、前記リング状ワークを回転駆動することを特徴とする請求項1に記載のリング状ワークの変形矯正装置。
  3. 前記第3ローラは、前記リング状ワークをさらに回転駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載のリング状ワークの変形矯正装置。
  4. 前記第3ローラは、前記仮想線に対して線対称にそれぞれ配置される一対の第3ローラからなり、
    前記第1ローラと前記リング状ワークとの接触点及び前記一対の第3ローラと前記リング状ワークとの各接触点とを結ぶ線分は、前記第1ローラと前記リング状ワークとの接触点及び前記第2ローラと前記リング状ワークとの接触点を結ぶ線分と、前記仮想線とのなす角度を等分することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリング状ワークの変形矯正装置。
  5. 前記第3ローラは、前記リング状ワークに付与する変形矯正力の大きさを変更可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリング状ワークの変形矯正装置。
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