JP2014014763A - 塗装方法およびポリウレタン塗料用硬化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベースコート塗料を塗装した後に、クリヤコート塗料を塗装し、これら2つの塗膜を同時に硬化させる2コート1ベイク方式による塗装方法において、従来の方法に比べて、該2つの塗膜間の接着強度を上げる。
【解決手段】クリヤコート塗料において特定の硬化剤を使用する。硬化剤が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含む硬化剤であって、以下の条件の全てを満たす塗装方法:
1)硬化剤が実質的にジイソシアネートモノマーを含まない、
2)硬化剤の粘度が1000mPa・s/23℃以下である、
3)硬化剤においてHDIの3量体の含有率が60重量%以上である、および
4)硬化剤においてHDIの2量体の含有率が10重量%未満である。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車や家電等の鋼板やプラスチックへの塗装における2コート1ベイク塗装方式において、塗膜間の高い接着強度や高耐水性などの優れた物性を有する塗料に関する。
自動車や家電等の鋼板やプラスチックへの塗装においては、塗装工程の短縮や省エネルギー化を目的として、ウエットオンウエット方式、あるいは2コート1ベイク(場合によっては3コート1ベイクなども)方式と呼ばれる塗装方法が広く採用されている。これらの塗装方式では同時にVOC(揮発性有機化合物)削減を目的として、ベース層や中塗り層に用いる塗料に低VOC性の塗料、例えば水性塗料が多く用いられることが多い。
しかしながら、ベース層や中塗り層に用いる塗料は塗膜性能において2液反応型塗膜のレベルには達していないため、接着性や耐溶剤性、耐水性が劣るなどの問題が発生し、これらの欠点を改善する方法が求められてきた。
特許文献1や2ではベースコートとして水酸基やカルボキシル基を含有する樹脂と触媒からなる塗料を塗装し、次いで水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物を主成分とするクリヤコートを塗装してクリヤコート塗料中のイソシアネート化合物をベースコートへ一部浸透させて硬化する方法が記載されている。
また、特許文献3では、同様なクリヤコート中のイソシアネート化合物をベースコートへ一部移行させる効果をねらって、クリヤコートの硬化剤として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと称することがある)の2量体(ウレトジオンとも言う)を1重量%以上、70重量%以下含有するポリイソシアネートをNCO/OH比が1.2〜3.0の範囲で使用することが記載されている。
特開昭61−161179号公報 特開平9−271714号公報 特開2001−226626号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2の方法にはベースコートを架橋させるに十分なイソシアネート化合物が浸透しない場合もあり、塗膜層間の接着性、耐溶剤性などに問題のある場合があった。また、特許文献3の方法では1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの2量体はイソシアネート官能度が2であるため、塗膜層の架橋度が低く、耐溶剤性、耐候性などに劣る問題がある。
本発明者らは、クリヤコート塗料における硬化剤として特定のポリイソシアネートを使うことによって、クリヤコート中のポリイソシアネートが下層のベースコートに効率よく良好に浸透し、ベースコート中のイソシアネート反応性成分と反応するため、クリヤコート層とベースコート層との間の接着強度が大幅に上がることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の態様は、次のとおりである。
[項1]
活性水素含有樹脂を含むベースコート塗料を塗装し、これを架橋硬化することなく次いでベースコートの上に硬化剤と活性水素含有樹脂とを含むクリヤコート塗料を塗装した後、ベースコートとクリヤコートを同時に架橋硬化することを含んでなる2コート1ベイク方式の塗装方法であって、クリヤコート塗料が、NCO/H(活性水素)モル比が0.9〜2.0の2液型ポリウレタン塗料であり、その硬化剤が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含み、以下の条件の全てを満たす塗装方法。
1)硬化剤が実質的にジイソシアネートモノマー(単量体)を含まない
2)硬化剤の粘度が1000mPa・s/23℃以下である
3)硬化剤において1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体の含有率が60重量%以上である
4)硬化剤において1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの2量体の含有率が10重量%未満である
[項2]
クリヤコート塗料用硬化剤が1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイミノオキサジアジンジオン環を13モル%以上含有する項1に記載の方法。
[項3]
ベース塗料が活性水素含有樹脂とブロックイソシアネートを含むことを特徴とする、項1または2に記載の方法。
[項4]
項1〜3のいずれかに記載の方法において用いるクリヤコート塗料用硬化剤。
[項5]
項1〜3のいずれかに記載の方法によって得られる、ベースコート層とクリヤコート層からなる複層塗膜。
ベースコート層とクリヤコート層の間の接着強度が大幅に向上し、優れた塗膜物性(例えば、優れた耐溶剤性、耐水性、接着性)が得られる。これは、クリヤコートのポリイソシアネートが下にあるベースコートに効率よく良好に浸透し、ベースコート中のイソシアネート反応性成分と反応するためであると考えられる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明における塗装方法は、活性水素含有樹脂を含むベースコート塗料を塗装してベースコートを形成し、ベースコートを架橋硬化させることなく、次いでベースコート上に、硬化剤と活性水素含有樹脂とを含むクリヤコート塗料(2液反応型ポリウレタン塗料)を塗装してクリヤコートを形成し、ベースコートとクリヤコートを同時に架橋硬化する2コート1ベイク方式の塗装方法である。この塗装方法はウエットオンウエット方式と呼ばれることもある。また場合によっては、ベースコートを2層化するなどして3コート1ベイク方式とする、あるいはそれ以上に多層化させることも本発明の塗装方法に含まれる。
ベースコート塗装後には、通常、後から塗装するクリヤコートとの混層を避けるために、ベースコートに含まれる揮発分(例えば、溶剤や水)をある程度揮発させ、JIS K 5600−1−1による指触乾燥あるいは半硬化の程度まで乾燥させることが好ましい。揮発性の高い溶剤なら室温で1〜10分程度(特に3分間程度)、揮発性の低い溶剤や水を含む場合は約50〜100℃で1〜10分程度(特に3分間程度)の条件で乾燥が行われる。
クリヤコート塗装後の加熱条件は、一般に、約80〜180℃の温度で1分〜3時間程度(特に10〜60分間程度)である。加熱条件に制限のある場合には、本発明のクリヤコート塗装用硬化剤は室温反応性であるので、加熱することなく室温で長時間かけて硬化させることも可能である。
本発明はこの塗装方法において、ポリウレタン複層塗膜を形成するクリヤコート用硬化剤および形成されたポリウレタン樹脂塗膜に関するものである。発明者等は、この塗装方法において効果的な硬化剤につき鋭意検討した結果、特定のポリイソシアネートをクリヤコート用硬化剤として選択することにより、その硬化剤がベースコートまで十分に浸透、さらに架橋し、その結果、得られたポリウレタン複層塗膜が優れた接着性を含む塗膜物性を形成できることを発見し、本発明を完成した。
ベースコート塗料は、活性水素含有樹脂を含んでなる。クリヤコート塗料(2液反応型ウレタン塗料)は硬化剤と活性水素含有樹脂を含んでなる。
ここで言う特定の硬化剤とは、以下の条件をすべて満たすポリイソシアネートである。
硬化剤は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)単独から誘導されるポリイソシアネートを含んでおり、HDI以外の脂肪族または脂環式ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含んでもよい硬化剤であって、
1)硬化剤が実質的にHDIジイソシアネートモノマーを含まない、
2)硬化剤の粘度が1000mPa・s/23℃以下である、
3)硬化剤においてHDIの3量体の含有率が60重量%以上である、および
4)硬化剤においてHDIの2量体の含有率が10重量%未満である。
硬化剤は、ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートである。硬化剤は、HDIモノマー(HDIの単量体)から誘導されたポリイソシアネートを主成分とする。HDIから合成されたポリイソシアネートが、硬化剤に対して、60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、例えば95重量%以上である。HDI以外のジイソシアネートモノマー(例えばイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂肪族または脂環族式ジイソシアネートモノマー類)から誘導されるポリイソシアネートも本発明の硬化剤の条件を満足する範囲内で使用可能である。
ジイソシアネートモノマーからポリイソシアネートを合成するための副原料(一般に、硬化剤の30重量%以下)としては、当該業界で公知なポリイソシアネート合成に使用される触媒、助触媒、活性水素化合物、反応停止剤などが挙げられ、必要に応じて使用してよい。
また硬化剤にポリイソシアネートと反応しない溶剤類(酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ソルベントナフサなど)を混合することも可能であるが、VOC削減の観点から、溶剤類は使用しないことが好ましい。
本発明のポリイソシアネートを産業的に使用するためには、作業衛生上の観点から実質的にジイソシアネートモノマー(ジイソシアネートの単量体)を含まないことが好ましい。ポリイソシアネートに含まれるジイソシアネートモノマー量は、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下、特に0.2重量%以下である。通常、反応終了後に得られる粗生成物を減圧条件下でジイソシアネートモノマーを除去する工程により、この条件が満たされる。
本発明で使用するポリイソシアネートは、主成分としてはHDIの3量体である。この3量体には、HDIのイソシアヌレート構造またはHDIのイミノオキサジアジンジオン構造、あるいはその両方の構造が含まれる。
本発明でいうHDIの3量体とは、HDIが3分子付加して形成されたイソシアヌレート基、またはイソシアヌレート基の異性体構造であるイミノオキサジアジンジオン基を有するポリイソシアネートを意味する。当該業界ではHDIからなるポリイソシアネート成分として従来よりビゥレット基や、アロファネート基も広く利用されているが、これらビゥレット基や、アロファネート基の形成にはCO脱離やアルコール類の付加が伴うため、本発明ではHDIの3量体とは呼ばない。またウレトジオンはHDIが2分子付加して形成された2量体である。
また、ポリイソシアネートの実際の合成においては、3量体を超える高分子側の組成物も同時に生成されることも多い。例えばイソシアヌレート基を有するHDIの5量体や7量体が考えられるが、これらはイソシアヌレート構造ではあるが当然ながら3量体ではないので本発明のいうHDIの3量体には該当しない。
本発明で使用する1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)から誘導されるポリイソシアネートの製造方法は、HDIを用いてイソシアヌレート基および/またはイミノオキサジアジンジオン基を生成する製造方法であればどのような方法であってもよい。例えば、特開平11−152320号公報、特開2000−086640号公報、特表2004−534870号公報、US2011/0281965号公報などに記載されている公知の方法が挙げられる。
ポリイソシアネートの製造方法の具体例は、水素ポリ弗化物オリゴマー化触媒の存在下にオリゴマー化させることを特徴とする製造方法(特開平11−152320号公報)、第四アンモニウムおよびホスホニウムフルオライド三量化触媒の存在下に三量化させる方法(特開2000−086640号公報)、1,2,3-および/または1,2,4-トリアゾレート構造を有する塩様化合物である触媒の存在下に三量化させる方法(特表2004−534870号公報)が挙げられる。
HDIの3量体の量が硬化剤に対して60重量%以上であれば、クリヤコートからベースコートへのポリイソシアネートの浸透が十分起こり、官能度が3であるために加熱硬化後の塗膜物性が十分なものとなる。
硬化剤において、HDIのイミノオキサジアジンジオン環の量が、イソシアヌレート環およびイミノオキサジアジンジオン環の合計に対して、13モル%以上、特に25モル%以上、例えば30〜80モル%であることが好ましい。本発明で特にイミノオキサジアジンジオン構造は、硬化剤の粘度低下、下層への浸透性向上、塗膜物性の向上に効率よく寄与できることが判明した。
硬化剤は、
・硬化剤においてHDIの2量体が10重量%未満である、および
・硬化剤の粘度が1000mPa・s/23℃以下である、
の条件をも満たす必要がある。
HDIの2量体の量が硬化剤に対して10重量%を超えると、2量体(ウレトジオン)は2官能であるため、塗膜の架橋性が悪く、耐水性、層間接着性などが劣る。粘度が1000mPa・s/23℃を超える場合は、クリヤコートのポリイソシアネートがベースコートへ移行する割合が小さくなる(より高分子量のポリイソシアネートが下層への浸透を阻害するためと推測される)ため、耐水性、接着性などに十分な性能を発現しない。
HDIの3量体や2量体以外の成分として、前述のビゥレット基や、アロファネート基を有するポリイソシアネートがあるが、ビゥレット構造が主成分となるポリイソシアネートでは、粘度が1000mPa・s/23℃以上となり、下層(ベースコート)への浸透が不十分となる。アロファネート構造が主成分となるポリイソシアネートでは粘度は下げられるが、2量体と同様に官能度が下がるため塗膜の架橋性が悪く、耐水性、層間接着性などが劣る。またその下層への浸透度合いも低い。
本発明の硬化剤の条件を満たさない場合は、官能度が低下、あるいは下層への浸透度合いが不十分なため、塗膜の耐水性、層間接着性などが十分に得られない。
一方、HDIの3量体や2量体以外の各種変性タイプのポリイソシアネートは、本発明の硬化剤の条件を満たす範囲内であれば使用できる。各種変性タイプのポリイソシアネートを混合して、本発明の硬化剤の条件を満たす硬化剤を調製しても良い。
本発明で使用されるポリイソシアネートとクリヤコートに使用される活性水素含有樹脂との比率はNCO/H(イソシアネート基/活性水素原子)で表されるモル比で0.9〜2.0、特にNCO/H比0.9〜1.2の範囲が好ましい。さらに好ましくはNCO/Hモル比1.0〜1.2の範囲である。
モル比が0.9未満の場合、クリヤコートからベースコートに移行するポリイソシアネートの量が少なくなるため、十分な架橋を形成できず、耐水性、接着性などの低下が起こる。本発明のポリイソシアネートは官能度が高く、少量の浸透量で高性能の塗膜を形成できるため、過剰なNCO/Hモル比を必要としない。一方、2.0を超えた場合は、過剰なポリイソシアネートによる反応性の遅延が起こり、また経済的にも好ましくない。NCO/Hモル比0.9〜1.2で十分に高い塗膜物性を発現することができる。
ベース塗料に用いられる樹脂はイソシアネート反応性の活性水素を含有する樹脂を含んでなる。具体的には水酸基やカルボキシル基を有する樹脂が挙げられる。当該業界で使用される活性水素を含有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂などが使用できる。特にVOC削減の観点から、水分散性の水酸基含有アクリル樹脂が好適である。例えば、活性水素含有率は0.01〜2重量%であることが好ましい。本明細書において、「活性水素含有率」とは、樹脂の重量に対する活性水素原子の重量比率(重量%)を意味する。一般に、水酸基含有率は0.1〜15重量%、好ましくは0.2〜10重量%である。一般に、酸価は0〜60mgKOH/g、好ましくは0〜40mgKOH/g、数平均分子量は500〜100,000、好ましくは5,000〜300,000の範囲の樹脂が使用される。
これらの樹脂とメラミン樹脂を組合せて使用することもできる。メラミン樹脂としては水溶性化に適したアルキルエーテル化メラミン樹脂も好ましい。これらの活性水素含有樹脂とメラミン樹脂の混合比率は、不揮発分重量比で100:3〜60が好ましい。
ベース塗料は、活性水素含有樹脂の単独、または必要に応じてブロックポリイソシアネートと併用した一液型塗料が使用される。ブロックポリイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはイソホロンジイソシアネートから得られるビゥレット、イソシアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネート基のいずれかを有するポリイソシアネートを公知のブロック化剤であるオキシム類、ラクタム類、活性メチレン、ピラゾール類化合物などでブロック化したものであり、例えば、2−ブタノンオキシム、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル、ジメチルピラゾールなどの化合物でブロックすることができる。これらのブロックポリイソシアネートは、焼き付け条件に応じて任意に選択することができる。
ブロックポリイソシアネートを使用する場合、活性水素含有樹脂とブロックポリイソシアネートの比率は、有効NCO/Hモル比で0.8以下が好ましい。また、ベースコート塗料には通常当該分野で使用される無機および有機系顔料を使用したソリッドカラー塗料や、鱗片状のアルミニウムなどの金属微粉、雲母状酸化鉄などを使用したメタリック塗料、パール塗料を使用することもできる。
ベースコート塗料の樹脂には、クリヤコートから移行してくるポリイソシアネートの硬化およびベース塗料に調合されているブロックポリイソシアネートの硬化を促進するために、当該分野で使用されている硬化触媒、例えば、有機金属系化合物、酸性燐酸エステルや第3級アミン化合物を使用してもよい。これらの化合物として、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラブチルジアセトキシジスタノキサン、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブトキシエステル、トリエチレンジアミンなどを使用することができる。
クリヤコート塗料に用いられる樹脂はイソシアネート反応性の活性水素を含有する樹脂を含んでなる。具体的には水酸基やカルボキシル基を有する樹脂が挙げられる。当該業界で使用される活性水素を含有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂などが使用できる。クリヤコート塗料に用いられる活性水素含有樹脂における活性水素は水酸基であることが好ましい。特に水酸基含有アクリル樹脂が好適である。例えば、活性水素含有率は0.01〜2重量%、酸価は0〜60mgKOH/g、好ましくは0〜40mgKOH/g、数平均分子量は500〜100,000,好ましくは5,000〜300,000の範囲のものが使用される。例えば、活性水素含有樹脂が水酸基を有する場合に、水酸基含有率は0.1〜15重量%、好ましくは0.2〜10重量%であることが好ましい。
ベース塗料と同様に当該分野で使用されている硬化触媒、例えば、有機金属系化合物、酸性燐酸エステルや第3級アミン化合物を加えてもよい。
塗装方法については特に制限されることなく、霧化方式、ハケ塗り、ロール方式、浸漬方式、ドクターブレード方式などが適応できる。このうち特にエアスプレー、エアレススプレー、静電塗装などの霧化方式が好ましい。乾燥膜厚をベースコート層であれば5〜100μm、好ましくは10〜30μm、クリヤコート層であれば5〜200μm、好ましくは20〜80μmになるよう塗装することが好ましい。
塗装される基材は、種々の材料であってよく、例えば、金属、樹脂(例えば、プラスチック)である。
次に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例によりなんら限定されるものではない。「%」の表示は特記ない限り「重量%」を意味する。
評価方法は以下の基準に従って各特性の評価を行った。
<ポリイソシアネート中のHDIの3量体および2量体の含有量測定>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定で得られる流出面積百分率で求めた。HDIの3量体あるいは2量体相当の分子量のピークを3量体あるいは2量体として規定した。測定条件は、次のとおりである。
測定器 :東ソー(株)製 HLC−8120GPC
カラム :Shodex KF601,602,603を各1本、
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折率検出器
前処理:活性NCO基はメタノールと反応させ、不活性化した後に測定した。
分子量:PPG(ポリプロピレングリコール)換算
<ポリイソシアネート中のイソシアヌレート環およびイミノオキサジアジンジオン環の定量>
NMR分光法(13C−NMR)により環構造に特定の吸収域を観察することにより定量を行った。測定器はブルカー社製DPX400を用いた。乾燥CDCl中約50%の試料を用いて100M Hzの振動数にて行った。振動数のリファレンスは、溶媒(CDCl)の77.0ppmを用いた。対象化合物の化学シフトについてのデータは、文献(Die Angewandte Makromolekulare Chemie1986, 141, 173-183およびこれに引用された文献参照)から取ったか、またはモデル物質について行った測定から得た。結果は、イソシアヌレート環とイミノオキサジアジンジオン環のモル比(モル%)で表される。
<クリヤコートからベースコートへのポリイソシアネートの浸透性評価>
ポリプロピレン板に塗装されたベースコート上に、クリヤコート塗料を塗装する。これを加熱焼付けし、得られた塗膜を常温に保ったのちポリプロピレン板から剥離した。加熱焼付け後から1時間以内にポリプロピレン板面側のベースコート塗膜の赤外線吸収スペクトル(IR)吸収を以下の波長のピーク高さで測定し、それぞれ2930cm−1と700cm−1に対する2270cm−1のIR吸収ピーク高さ比(%)を計算した。これらの比が高いほど、ポリイソシアネートの浸透率が高いことを示す。
・波長2930cm−1(C−H伸縮振動吸収)
・波長2270cm−1(イソシアネート基−N=C=Oの伸縮振動吸収)
・波長700cm−1(芳香環吸収)
赤外線吸収スペクトル(IR)吸収測定において、測定器として、サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製 Nicolet 6700FT−IRを用いた。
判定として、ピーク高さ比(%)が、クリヤコートを塗装しないブランク試験の3倍以上になる場合(浸透性が高い)を「○」、ブランクの3倍未満の場合(浸透性が低い)を「×」と示す。
<塗膜外観>
得られた塗膜の外観を目視により、次の基準にしたがって評価した。
○:平滑性が優れる。
△:平滑性が「優れる」と「劣る」の中間である。
×:平滑性が劣る。
<耐水層間接着性>
ポリプロピレン用プライマーを塗布して得られたクリヤコート焼付け後のポリプロピレン塗膜板(実施例1を参照)を40℃の温水に240時間浸漬後引き上げ、室温で12時間乾燥させた。塗膜を素地に達するようにカッターナイフでカットし、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100個作り、その塗面に粘着セロハンテープを貼着し、20℃においてそのテープを急激に剥離した後の塗面を次の基準にしたがって評価した。
○:ゴバン目塗膜が100個残存している。
△:ゴバン目塗膜が1〜10個剥離している。
×:ゴバン目塗膜が11個以上剥離している。
<凝集破壊性>
上記の耐水層間接着性評価後の試料について、そのゴバン目塗膜の破壊状態を、次の基準にしたがって評価した。
○:ベース塗膜内部に破壊が全く認められない。
×:ベース塗膜内部に破壊が明確に認められる。
実施例および比較例に先立ち、以下の各材料を準備した。
アクリルポリオールA(ベースコート用)
バイヒドロールA2427(バイエルマテリアルサイエンス社製)
水酸基含有水分散型アクリルポリオール、不揮発分率42%、水酸基含有率2%(不揮発分換算)、粘度100mPa・s/23℃、pH8−9、ガラス転移温度87℃、分子量Mw/Mn=240000/22000
メラミン樹脂(ベースコート用)
サイメル327(サイテック社製)、メチルエーテル化メラミン樹脂
ブロックイソシアネートA(ベースコート用)
デスモジュールBL3475(バイエルマテリアルサイエンス社製)
HDIとIPDI(イソホロンジイソシアネート)からなるポリイソシアネートを活性メチレン化合物でブロックしたブロックイソシアネート、不揮発分75%のソルベントナフサ/酢酸ブチル溶液、ブロック化イソシアネート率8.2%、粘度1000mPa・s/23℃
アルミフレーク(ベースコート用)
EMR D5660(東洋アルミニウム社製)
増粘剤(ベースコート用)
Viscalex HV30(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
界面活性剤A(ベースコート用)
BYK347(ビックケミー社製)である界面活性剤と、
Disperlon AQ320(楠本化成社製)である界面活性剤の1:1混合物
助溶剤(ベースコート用)
ブチルグリコール
中和剤(ベースコート用)
ジメチルエタノールアミン
アクリルポリオールB(クリヤコート用)
デスモフェンA870(バイエルマテリアルサイエンス社製)
不揮発分70%の酢酸ブチル溶液、有姿での水酸基率2.95%、ガラス転移温度27℃、粘度3500mPa・s/23℃、酸価7.5mgKOH/g、分子量Mw/Mn=3400/1650
界面活性剤B(クリヤコート用)
BYK331(ビックケミー社製)である界面活性剤
レべリング剤(クリヤコート用)
モダフロー(モンサント社製)
溶剤(クリヤコート用)
メトキシプロピルアセテート/酢酸ブチル=1/1溶液
作成例1
硬化剤Aの合成:
撹拌装置を備えた3つ首フラスコを窒素置換し、200gのHDIをとり、60℃に保った。次いで、触媒としてイソプロパノール/メタノール(2:1)中、50%のテトラブチルホスホニウムハイドロゲンジフルオライド溶液を、粗製反応溶液のNCO含有量が4時間かけて43%になるまで滴下した。その後、103mgのジブチルホスフェートを添加することにより反応を停止した。これを130℃/0.2ミリバールにおける薄膜蒸留によりHDIモノマーを取り除き、以下のデータを有するポリイソシアネートを得た。
不揮発分:100%(溶剤非含有)
NCO含量:2 3 .4 %
粘度 :680mPa ・s /23℃
3量体含有量 :68重量%
2量体含有量 :4.0重量%
HDIモノマー含有量:0.2重量%
イソシアヌレート環 対 イミノオキサジアジンジオン環のモル比: 55対45
作成例2
硬化剤Bの合成:
A.触媒溶液の準備
2−エチルヘキサノール600gを、メタノール中のN,N,N−トリメチル−N−ベンジルアンモニウムヒドロキシドの40%溶液100gに添加し攪拌した。次にメタノールを水流ポンプ減圧で30−40℃で充分に攪拌しつつ除去した。この原液に2−エチルヘキサノールを追加して約0.5%の触媒濃度に調整した。
B.HDIからの合成
撹拌装置を備えた3つ首フラスコを窒素置換し、3200gのHDIを取り60℃に保った。次いで、上記の触媒溶液32gを30分間にわたり滴加した。次いで60から65℃に保ちながら2時間撹拌を続けた。その時の粗生成物のNCO含量は38%であつた。次にHDI中のジブチルホスフェートの25%溶液0.32gを添加することにより反応を停止させた。液体を常温に冷却した後、未反応のHDIを130℃/0.2ミリバールにおける薄層蒸留により除去し、以下のデータを有するポリイソシアネートを得た。
不揮発分:100%(溶剤非含有)
NCO基 含有量: 23.0 %
粘度 :1200 m P a ・s/23℃
HDIモノマー含有量:0.2重量%
3量体含有量 :67重量%
2量体含有量 :0.5重量%
イソシアヌレート環 対 イミノオキサジアジンジオン環のモル比:95対5
作成例3
硬化剤Cの合成:
撹拌装置を備えた3つ首フラスコを窒素置換し、1000gのHDIを取り60℃に保った。これに助触媒として10gの1,3-ブタンジオール、触媒として3gのトリ-n-ブチルホスフィンを添加した。次いでこの混合物を60℃に保ち4時間反応させ、NCO含有量40%の粗製反応混合物を得た。これに2.8gのp-トルエンスルホン酸メチルエステルを添加し反応を停止させた。これを130℃および0.15mbarの圧力での薄膜蒸留後、以下のデータを有するポリイソシアネートを得た。
不揮発分:100%(溶剤非含有)
NCO含量:2 1.8 %
粘度 :200 m P a ・s /2 3 ℃
3量体含有量:24重量%
2量体含有量:38重量%
HDIモノマー含有量:0.2重量%
イソシアヌレート環 対 イミノオキサジアジンジオン環のモル比: 70対30
作成例4
硬化剤D〜Hを次のようにして調製した。
硬化剤Dの調製:硬化剤Aと硬化剤Cを85:15の重量比でブンレドした。
硬化剤Eの調製:硬化剤Aと硬化剤Cを75:25の重量比でブンレドした。
硬化剤Fの調製:硬化剤Aと硬化剤Bを50:50の重量比でブンレドした。
硬化剤Gの調製:硬化剤Aと硬化剤Bを25:75の重量比でブンレドした。
硬化剤Hの調製:硬化剤Aと硬化剤Bを15:85の重量比でブンレドした。
作成例5
硬化剤Iの合成(HDIのアロファネート変性型ポリイソシアネート):
撹拌装置を備えた3つ首フラスコを窒素置換し、302gのHDIを取り60℃に保った。これに13.3gの1−ブタノールを添加し、60℃にて1時間攪拌した。
次いで、粗製反応混合物の温度を90℃まで上昇させ、90℃の反応混合物に0.214gの2−ブタノール中、4.4%のN,N,N−トリメチル−N−ベンジル−アンモニウム水酸化物溶液を添加した。反応混合物が35%のNCO含有量に達した際、反応を0.21gのジ−(2−エチルヘキシル)ホスフェートの添加によって停止させた。未反応モノマーを130℃および0.15mbarの圧力での薄膜蒸発により除去して、以下のデータを有するポリイソシアネートを得た。
不揮発分:100%(溶剤非含有)
NCO含量: 2 0.0 %
粘度: 500 mPa・s/23℃
HDIモノマー含有量:0.2重量%
作成例6
硬化剤J(HDIのビウレット変性型ポリイソシアネート)
デスモジュールN3200、バイエルマテリアルサイエンス社製
不揮発分:100%(溶剤非含有)
NCO基含有率 :23.0%、
粘度 :2500mPa・s/23℃
HDIモノマー含有量 :0.2重量%
それぞれの硬化剤のNCO基含有率、粘度、組成等の特性値を表1,2に示す。
実施例1
表3に示すベースコート配合BC−1を調合(不揮発分約22%、フォードカップNo.4粘度50〜60秒)した。これをポリプロピレン板上に乾燥膜厚15〜20ミクロンとなるようスプレー塗工し、室温に3分間放置後、更に80℃で3分間乾燥させベースコートの塗膜を得た。次いで、表4に示すクリヤコート配合CC−1を調合(CC−1と所定量の硬化剤を混合すると、不揮発分約50%、フォードカップNo.4粘度で18〜22秒となる)した。これにNCO/OHモル比が0.9となるよう硬化剤Aを混合し、上記で得られたベースコート塗膜上に乾燥膜厚約40ミクロンになるようにスプレー塗工した。室温で3分間放置後、100℃で20分間焼付けした。室温に下げた後、塗膜をポリプロピレン板から剥離した。
ポリプロピレン板面側のベースコート塗膜のNCO基の浸透比率を先に記載した赤外線吸収スペクトラム(以下、IRと略)方法で測定し、クリヤコートからベースコートへのポリイソシアネートの浸透性の度合いを測定した。
ブランク実験として、ベースコートの塗膜だけを塗工、乾燥した塗膜を同様の操作を行いIR吸収比を測定した。
ポリプロピレン用のプライマーとして、市販の塩素化ポリオレフィン樹脂と水性ポリウレタン樹脂(ディスパコールU54、バイエルマテリアルサイエンス社製)を混合して準備した。これをポリプロピレン板上に塗装し、室温で3分間静置後、80℃で3分間乾燥させた。この後は上記に示したような方法で、ベースコート、クリヤコートを順次塗工、焼付けして目的の塗膜を得た。この塗膜を、外観、耐水層間接着性、凝集破壊性により評価した。
実施例2〜10および比較例1〜6
表5,6,7のベースコート配合、クリヤコート配合、硬化剤使用量、NCO/OHモル比に示すように各成分の配合量等を変更し、実施例1に準じて実験を行った。
その結果を表5,6,7のIR吸収比率、浸透性評価、塗膜外観、耐水層間接着性、凝集破壊性に示す。
Figure 2014014763
*:イソシアネレート基とイミノオキサジアジンジオン基の総量に対するイミノオキサジアジンジオン基のモル%比
Figure 2014014763
*イソシアネレート基とイミノオキサジアジンジオン基の総量に対するイミノオキサジアジンジオン基のモル%比
−:未測定または未評価
Figure 2014014763
*:アクリルポリオールAとブロックイソシアネートAのNCO/OHモル比は0.6
Figure 2014014763
Figure 2014014763
*:クリヤコート配合CC−1、94.7部に対する硬化剤使用量
Figure 2014014763
*:クリヤコート配合CC−1、94.7部に対する硬化剤使用量
−:未測定または未評価
Figure 2014014763
*:クリヤコート配合CC−1、94.7部に対する硬化剤使用量
−:未測定または未評価
上記の結果より、実施例の1〜8は、NCO/OHモル比:0.9〜1.2にかけて、高いIR吸収比率と優れた耐水層間接着性、凝集破壊性を示すことが分かる。特にイミノオキサジアジンジオン基を13モル%以上含有する硬化剤を使用すれば、硬化剤の粘度低下や塗膜の浸透性の向上に効果が大きいことが示された。また実施例9,10ではベースコートにブロックイソシアネートを用いた配合においても、優れた塗膜性能を示すことが確かめられた。
これに対し、比較例1、4は粘度が1000mPa・s/23℃を超え、3量体中のイミノオキサジアジンジオン基を有するポリイソシアネートが13モル%未満であるため、浸透性が低く十分な耐水層間接着性が得られない。比較例2、3では浸透性は高いが、硬化剤の3量体が60%未満であり、2量体が10%を超えて含まれるため、十分な耐水層間接着性が得られない。比較例5、6はポリイソシアネートの変性タイプが本発明とは異なる硬化剤であるが、共に浸透性が低く十分な耐水層間接着性が得られない。
本発明は、自動車や家電等の鋼板やプラスチックへの塗装分野で、塗装工程短縮や省エネルギー化、VOC(揮発性有機化合物)削減を目的としたウエットオンウエット方式、あるいは2コート1ベイク方式と呼ばれる塗装方法において使用できる。クリヤコート塗料層中に特定のポリイソシアネートを使用しているので、下層のベースコート塗料層に効率よく浸透し、ベースコート塗料層中のイソシアネート反応性成分と反応するため、2層間の接着強度が大幅に向上し優れた塗膜物性を形成できる。

Claims (5)

  1. 活性水素含有樹脂を含むベースコート塗料を塗装し、これを架橋硬化することなく次いでベースコートの上に硬化剤と活性水素含有樹脂とを含むクリヤコート塗料を塗装した後、ベースコートとクリヤコートを同時に架橋硬化することを含んでなる2コート1ベイク方式の塗装方法であって、クリヤコート塗料が、NCO/H(活性水素)モル比が0.9〜2.0の2液型ポリウレタン塗料であり、その硬化剤が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含む硬化剤であって、以下の条件の全てを満たす塗装方法:
    1)硬化剤が実質的にジイソシアネートモノマーを含まない、
    2)硬化剤の粘度が1000mPa・s/23℃以下である、
    3)硬化剤において1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体の含有率が60重量%以上である、および
    4)硬化剤において1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの2量体の含有率が10重量%未満である。
  2. クリヤコート塗料用硬化剤が1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイミノオキサジアジンジオン環を13モル%以上含有する請求項1に記載の方法。
  3. ベース塗料が活性水素含有樹脂とブロックイソシアネートを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法において用いるクリヤコート塗料用硬化剤。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によって得られる、ベースコート層とクリヤコート層からなる複層塗膜。
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