JP2014012817A - 発熱剤 - Google Patents

発熱剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2014012817A
JP2014012817A JP2013113375A JP2013113375A JP2014012817A JP 2014012817 A JP2014012817 A JP 2014012817A JP 2013113375 A JP2013113375 A JP 2013113375A JP 2013113375 A JP2013113375 A JP 2013113375A JP 2014012817 A JP2014012817 A JP 2014012817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
weight
parts
exothermic
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013113375A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6256969B2 (ja
Inventor
Taido Matsumoto
泰道 松本
Tatsunobu Sakamoto
達宣 坂本
Yasunori Takagi
泰憲 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAKAMOTO SEKKAI KOGYOSHO KK
Kumamoto University NUC
Original Assignee
SAKAMOTO SEKKAI KOGYOSHO KK
Kumamoto University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SAKAMOTO SEKKAI KOGYOSHO KK, Kumamoto University NUC filed Critical SAKAMOTO SEKKAI KOGYOSHO KK
Priority to JP2013113375A priority Critical patent/JP6256969B2/ja
Publication of JP2014012817A publication Critical patent/JP2014012817A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6256969B2 publication Critical patent/JP6256969B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cookers (AREA)

Abstract

【課題】酸化カルシウムとアルミニウムを含み、水と反応して発熱する発熱剤であって、発熱反応に伴う水素ガスの発生量を従来と比較して少なくしながら、加熱に必要な熱量を確保した発熱剤を提供する。
【解決手段】発熱剤は、粉状及び/又は粒状の酸化カルシウムと粉状及び/又は粒状のアルミニウムを主剤とし、水との反応によって熱を発生するもので、配合が酸化カルシウム粉30〜95重量部、アルミニウム粉10〜50重量部、アルミニウムの反応を活性化する金属塩2〜12重量部である。
【選択図】なし

Description

本発明は、発熱剤に係り、更に詳しくは、酸化カルシウムとアルミニウムを含み、水と反応して発熱する発熱剤であって、水素ガスの発生量を従来より少なくしながら加熱に必要な熱量を確保したものに関する。
例えば、鉄道の駅等で販売されている弁当には、購入者が購入後に所定の操作をすることにより、加熱容器内で火力を使用せずに調理済み食品の加熱を行い、食品を温めて食べることができるものがある。このように火力を使用せずに加熱調理を行う加熱容器には、一般に酸化カルシウム(以下、「生石灰」ということがある)と水を反応させる化学的な発熱反応を利用した発熱剤が採用されている。
このような発熱剤としては、当初は主剤として前記酸化カルシウムが主に使用されていたが、主剤が酸化カルシウムだけでは、発熱量、発熱温度及び発熱時間等のコントロールがしにくいので、食品を十分な温度で効率よく加熱するために、近年においては、更にアルミニウムの粉末を混合したものが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示された発熱剤は、粉体アルミニウムと粉体生石灰とから成り、発熱剤の総重量当たり粉体アルミニウムが70乃至85%及び粉体生石灰が15乃至30%である。この発熱剤を水と接触させると粉体生石灰が水と反応して反応熱を発生させると共に水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を生成させ、生じた水酸化カルシウムが加水分解することにより強塩基水溶液が生じ、この強塩基水溶液と粉体アルミニウムとを反応させて反応熱を発生させ、両反応熱の総和を利用し、短時間で約100℃に到達させ、その温度を所要時間維持させるというものである。
特開2001−226668号公報
しかしながら、前記特許文献1の食品加熱剤には次のような課題があった。
すなわち、特許文献1に記載の食品加熱剤は、配合が粉体アルミニウムが70乃至85%及び粉体生石灰が15乃至30%であり、アルミニウムの使用量が粉体生石灰(酸化カルシウム)と比較して相当に多くなっている。
このため、前記強塩基水溶液と粉体アルミニウムとの反応による水素ガスの発生量も多くなり、引火すれば加熱容器内で水素爆発を起こす危険性がある。
水素ガスの発生量を従来より少なくするためには、使用する粉体アルミニウムの量(又は重量比)を従来より少なくし、その分、粉体生石灰の量を増せば良いが、そうすると、食品を加熱するための発熱量の低下を招き、食品を加熱するための十分な発熱量が得られない。
本発明者等は、発熱剤全体におけるアルミニウム粉の使用量を従来より少なくして水素ガスの発生量も同様に少なくしながら、必要な発熱量を確保するための研究を重ね、アルミニウム粉、生石灰粉の混合物に塩化ナトリウム等の金属塩や活性炭粉を配合することによって、前記課題が解決できることを知見した。本発明は、この知見に基づいて完成したものである。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、酸化カルシウムとアルミニウムを含み、水と反応して発熱する発熱剤であって、発熱反応に伴う水素ガスの発生量を従来と比較して少なくしながら、加熱に必要な熱量を確保した発熱剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
(1)本発明は、
粉状及び/又は粒状の酸化カルシウム(CaO)と粉状及び/又は粒状のアルミニウム(Al)を主剤とし、水との反応によって熱を発生する発熱剤であって、
配合が、酸化カルシウムが30〜95重量部、アルミニウムが10〜50重量部、発熱反応におけるアルミニウムの反応を活性化する粉状及び/又は粒状の金属塩が2〜12重量部である、
発熱剤である。
(2)本発明は、
金属塩が、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化カルシウム(CaCl)及び塩化マグネシウム(MgCl)の群から選ばれた一又は二以上である、
前記(1)の発熱剤である。
(3)本発明は、
粉状及び/又は粒状の炭酸塩を1〜20重量部添加した、
前記(1)又は(2)の発熱剤である。
(4)本発明は、
炭酸塩が、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)及び炭酸水素カリウム(KHCO3)の群から選ばれた一又は二以上である、
前記(3)の発熱剤である。
(5)本発明は、
粉状及び/又は粒状の多孔質材料を2〜10重量部添加した、
前記(1)、(2)、(3)又は(4)の発熱剤である。
(6)本発明は、
多孔質材料が、活性炭、カーボンブラック、ゼオライト、リモナイト、ベントナイト、シラス、モンモリロナイト、カオリン、黒雲母の群から選ばれた一又は二以上である、
前記(5)の発熱剤である。
(7)本発明は、
鉄粉を添加した、
前記(1)、(2)、(3)又は(4)の発熱剤である。
酸化カルシウムが30重量部未満の場合、発熱量が不足する傾向がある。
酸化カルシウムが95重量部超の場合、発熱剤の量が増えすぎる傾向があり嵩張るために、加熱容器内に収容するのに支障が出る等、実用性に劣る。
アルミニウムが10重量部未満の場合、発熱量の確保のために酸化カルシウムが多く必要になり、嵩張るために、前記と同様、実用性に劣る。
アルミニウムが50重量部超の場合、従来の発熱剤の配合に近付き、水素の発生量が増えて水素爆発が起こりやすくなる傾向がある。
金属塩が2重量部未満の場合、発熱反応におけるアルミニウムの反応を十分に活性化することができない。
金属塩が12重量部超の場合、超えた分が実質的に発熱反応におけるアルミニウムの反応の活性化に寄与することはなく、超えた分の金属塩が無駄になる。
炭酸塩が1重量部未満の場合、包装体が反応熱で溶けないようにする作用において十分な効果が出ない傾向がある。
炭酸塩が5重量部超の場合、包装体が反応熱で溶けないようにする作用において、超えた分が実質的に前記作用に寄与することはなく、超えた分の炭酸塩が無駄になる。
多孔質材料が2重量部未満の場合、発熱反応におけるアルミニウムの反応等、発熱剤と水との発熱反応をより活性化する作用において、配合しない場合と比較して実質的にその効果は変わらない。
多孔質材料が10重量部超の場合、発熱反応におけるアルミニウムの反応等、発熱剤と水との発熱反応をより活性化する作用において、超えた分が実質的に前記作用に寄与することはなく、超えた分の多孔質材料が無駄になる。
鉄粉は、例えば1〜200重量部の範囲で添加することができる。
この場合、鉄粉が1重量部未満の場合、発熱反応におけるアルミニウムの反応等、発熱剤と水との発熱反応をより活性化する作用において、配合しない場合と比較して実質的にその効果は変わらない。
また、鉄粉が200重量部超の場合、発熱剤と水との発熱反応をより活性化する作用において、超えた分が実質的に前記作用に寄与することはなく、超えた分の鉄粉が無駄になる。なお、鉄粉の配合を増やす場合、むしろ、その重量分だけ酸化カルシウムとアルミニウムの量を増やす方が発熱反応を活性化する上でより有効であり合理的である点を勘案するのが望ましい。
特許請求の範囲及び本明細書にいう「活性化」の用語は、発熱温度を高くする、発熱反応の持続時間を長くする等の意味を含むものである。
また、特許請求の範囲及び本明細書にいう「加熱容器」の用語は、少なくとも調理済み食品や未調理食品等の被加熱物を内部で発生する熱及び水蒸気等によって加熱することが可能な程度の耐熱性や密閉性を有するもので、その構造、材料を特に限定するものではない。
なお、前記各発熱剤を使用し、例えば弁当を温める容器等の加熱装置を構成することもできる。
加熱装置は、酸化カルシウム(CaO)粉とアルミニウム(Al)粉を主剤とする発熱剤と水を加熱容器内で反応させて発熱させ、当該発熱を前記加熱容器内の被加熱物の加熱に利用する加熱装置であって、
前記加熱容器は、水を保持できる熱発生体収容空間と、当該熱発生体収容空間とつながっており被加熱物を収容する被加熱物収容空間を備えており、前記熱発生体収容空間に、前記(1)乃至(7)の何れか一つの発熱剤を通気性及び通水性を有する包装体に入れて構成された熱発生体が収容されている加熱装置であるのが好ましい。
また、加熱装置は、酸化カルシウム(CaO)粉とアルミニウム(Al)粉を主剤とする発熱剤と水を加熱容器内で反応させて発熱させ、当該発熱を前記加熱容器内の被加熱物の加熱に利用する加熱装置であって、
前記加熱容器は、水を保持できる熱発生体収容空間と、当該熱発生体収容空間とつながっており被加熱物を収容する被加熱物収容空間を備えており、
前記熱発生体収容空間に熱発生体と不燃性ガス発生体が収容されており、
前記熱発生体は、前記(1)乃至(7)の何れか一つの発熱剤を通気性及び通水性を有する包装体に収容した構成を有し、
前記不燃性ガス発生体は、水と反応して不燃性ガスを発生させる不燃性ガス発生剤を通気性及び通水性を有する包装体に収容した構成を有しており、
前記不燃性ガス発生体の包装体の通気性及び通水性は、前記熱発生体の包装体の通気性及び通水性と比較してより優れており、
前記発熱剤と水との反応による水素ガスの発生前に、不燃性ガス発生剤を先に水と反応させて不燃性ガスを発生させるようにした加熱装置であるのが好ましい。
なお、通気性及び通水性を有する包装体の素材は、例えば和紙、織布、不織布の他、多数の微細な貫通孔を有するPET/PE/PEフィルム、ナイロンフィルム等であり、形態としては、例えば袋、箱等をあげることができる。
(作用)
本発明に係る発熱剤及びそれを使用した加熱装置の作用を説明する。
発熱剤は、配合が、酸化カルシウム30〜95重量部、アルミニウム10〜50重量部、アルミニウムの反応を活性化する金属塩2〜12重量部であり、金属塩を助剤として添加することによって、食品等の被加熱物を加熱するための十分な発熱性能を維持しながら、アルミニウムの使用量を従来より少ない量に抑えることができる。
このように、アルミニウムの使用量を従来と比較して少なくすることによって、後記段落〔0057〕の説明から分かるように、理論上、水素ガスの発生量も同様に少なくすることができ、加熱容器内で発熱反応をする際に水素ガスが発生しても、その量は比較的少量であり、加熱容器内部の水素ガスの濃度も低くなるので引火しにくく、水素爆発も起こりにくい。
更に、炭酸塩を1〜20重量部添加した発熱剤によれば、反応熱により温度が上がりすぎた場合でも、後記実施例20、実施例21で説明するように発熱剤が収容されている包装体が反応熱で溶けないようにすることができる。その理由は明かではないが、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩を添加することで、炭酸ガスがより多く発生し、これによるガスの圧力で袋の材料と発熱剤の間に隙間が生じやすくなることで、高温になっている反応物質が直接触れにくくなるために、包装体の材料の熱による溶融が起こらなくなると思われる。
多孔質材料を2〜10重量部添加した発熱剤によれば、理由は明かではないが、発熱剤と水との発熱反応がより活性化されるので、後記実施例7乃至実施例18で説明するように、加熱に好適な温度をより長く維持することができ、食品等の被加熱物を十分に加熱することが可能になる。
鉄粉を添加した発熱剤によれば、後記実施例22乃至実施例27で説明するように、発熱剤と水との反応がより活性化されるので、加熱に好適な温度をより長く維持することができ、被加熱物を十分に加熱することが可能になる。
例えば、前記段落〔0026〕、〔0027〕で説明したような熱発生体と不燃性ガス発生体を備えた加熱装置を使用して、未調理食品又は調理済食品等の被加熱物の加熱を行う際には、まず、被加熱物を加熱容器の被加熱物収容空間に収容する。次に、被加熱物を濡らさないように熱発生体収容空間に水を注水する。熱発生体と不燃性ガス発生体が水に浸漬されると、熱発生体と不燃性ガス発生体の各包装体の内部に水が入り始める。
そして、先に、包装体の通気性及び通水性がより優れた側の不燃性ガス発生体の包装体の内部に水が入り、包装体の内部の不燃性ガス発生剤と水が反応を始める。これにより、炭酸ガス等の不燃性ガスが発生し、包装体から出て熱発生体収容空間と被加熱物収容空間に溜まる。その後、遅れて熱発生体の包装体の内部に水が入り、包装体の内部の発熱剤と水が反応を始める。これにより、発熱反応が起こり、それと共に水素ガスが発生し、水素ガスが包装体から外へ出る。
また、前記発熱反応で発生した熱により、水が加熱されて蒸発することで水蒸気が発生し、前記被加熱物収容空間にある被加熱物が、前記熱及び水蒸気によって加熱される。
更に、前記水素ガスは、前記各収容空間にあらかじめ不燃性ガスが溜まっているために、包装体から出ると同時に不燃性ガスで希釈され、水蒸気発生後は不燃性ガスの発生が停止した後でも、残留した不燃性ガスや発生している水蒸気によって希釈される。
これにより、前記各収容空間内の水素ガスの濃度は、引火等による水素爆発が起こらない濃度(例えば4%以下)となり、水素爆発の発生を防止できる。
(a)本発明にかかる発熱剤は、配合が、酸化カルシウム30〜95重量部、アルミニウム10〜50重量部、アルミニウムの反応を活性化する金属塩2〜12重量部であり、金属塩を助剤として添加することによって、十分な発熱性能を維持しながら、アルミニウムの使用量を従来より少ない量に抑えることができる。
このように、アルミニウムの使用量を従来と比較して少なくすることによって、理論上、水素ガスの発生量も同様に少なくすることができる。したがって、加熱容器内で発熱反応をする際に水素ガスが発生しても、その量は比較的少量であり、加熱容器内部の水素ガスの濃度も低くなるので引火しにくく、水素爆発も起こりにくい。
(b)炭酸塩を1〜20重量部添加した発熱剤によれば、反応熱により温度が上がりすぎた場合でも、発熱剤が収容されている包装体が反応熱で溶けることを防止できる。
(c)多孔質材料を2〜10重量部添加した発熱剤によれば、発熱剤と水との反応がより活性化されるので、加熱に好適な温度をより長く維持することができ、被加熱物を十分に加熱することが可能になる。
(d)鉄粉を添加した発熱剤によれば、発熱剤と水との反応がより活性化されるので、加熱に好適な温度をより長く維持することができ、被加熱物を十分に加熱することが可能になる。
本発明に係る加熱機能付き食品容器の一実施の形態を示す分解斜視説明図である。 本発明に係る加熱機能付き食品容器の断面説明図である。 本発明に係る発熱剤の実施例1と比較例1の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 本発明に係る発熱剤の実施例2と比較例2の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 本発明に係る発熱剤の実施例3を使用量を違えて使用した場合の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 本発明に係る発熱剤の実施例4を発熱剤の使用量を違えて使用した場合の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 発熱剤の比較例3を使用量を違えて使用した場合の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 本発明に係る発熱剤の実施例5と実施例6の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表である。 本発明に係る発熱剤の実施例7、実施例8(活性炭粉添加)及び比較例4(活性炭粉無添加)の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 本発明に係る発熱剤の実施例9、実施例10(カーボンブラック粒添加)及び比較例5(カーボンブラック粒無添加)の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 本発明に係る発熱剤の実施例11、実施例12(ゼオライト粉添加)及び比較例6(ゼオライト粉無添加)の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフ。 本発明に係る発熱剤の実施例13、実施例14(リモナイト粉添加)及び比較例7(リモナイト粉無添加)の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 本発明に係る発熱剤の実施例15、実施例16(ベントナイト粉添加)及び比較例8(ベントナイト粉無添加)の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 本発明に係る発熱剤の実施例17、実施例18(シラス粉添加)及び比較例9(シラス粉無添加)の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表及びグラフである。 本発明に係る比較例12、実施例22、実施例23、実施例24、実施例25、実施例26及び実施例27の発熱反応に伴う加熱容器内の温度の推移を示す表である。
〔実施の形態〕
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1及び図2を参照する。
加熱装置である加熱機能付き食品容器Aは、耐熱性を有する合成樹脂製であり、下容器1と上容器2及び巻き簀3(巻き簾ともいう)を備えている。
下容器1と上容器2は、竹様外観をもって、すなわち孟宗竹を所要長さに切り、これを縦に半分に割った形状を象って形成されており、合体させることによって容器又は包装容器である加熱容器を形成するものである。
(下容器1)
下容器1は、円筒体を縦に半分に切断した形状の外輪体11と、その長さ方向の両端寄りに設けられ、竹の節に似せて形成された半円形の封鎖板12、13を有している。下容器1には、各封鎖板12、13の内方側に所要の間隔をおいて、前記巻き簀3を載置するための支持棒14、15が取り付けられている。
支持棒14、15は、封鎖板12、13の上辺と平行になるように、かつ上辺よりやや低くなるように両端部を外輪体11の内面側に固定して取り付けられている。また、外輪体11の外面側の下部には、下容器1を平面に置いたときに安定させるための切欠部17が、長さ方向の両端側の節を象った部分に形成されている。
(上容器2)
上容器2は、前記下容器1と同様に円筒体を縦に半分に切断した形状の外輪体21と、その長さ方向の両端寄りに設けられ、竹の節に似せて形成された半円形の封鎖板22、23を有している。上容器2は、各封鎖板22、23の内方側かつ外輪体21の湾曲した外周方向の両端縁の内面側に、係合片24、25が突出して形成されている。係合片24、25は、前記下容器1と上容器2を合わせたときに、下容器1の外輪体11の湾曲した外周方向の両端縁の内面側に内嵌めされる。
加熱機能付き食品容器Aは、前記下容器1と上容器2を組み合わせたものの内部に、巻き簀3、熱発生体4及び不燃性ガス発生体である炭酸ガス発生体5を収容して構成されている。下容器1と上容器2を前記のように組み合わせることによって、外輪体11、12及び各封鎖板12、13、22、23によって、内部に空間部が形成される。また、前記したように、巻き簀3は下容器1の支持棒14、15の上に拡げて載置される。
これにより巻き簀3の下側に形成される空間部は後記熱発生体4を収容する熱発生体収容空間部16となり、巻き簀3の上側に形成される空間部は、被加熱物である後記被加熱食品6を収容する食品収容空間部26となる。なお、本実施の形態では、取り扱いの容易性等を考慮して、丸めることができる巻き簀を採用したが、これに限定するものではなく、例えば簀の子やパンチングメタルのような剛性の高い通気性材料を採用することもできる。前記熱発生体4と炭酸ガス発生体5は、前記熱発生体収容空間部16に一緒に収容されている。
(熱発生体4)
熱発生体4は、不織布等で形成された容器又は包装体である袋の内部に、アルミニウム粉(又は粒)と酸化カルシウム(生石灰)粉(又は粒)を主剤として、助剤等の添加剤と共にあらかじめ決められた割合及び量で配合され収容されたものである。
袋の素材は、本実施の形態では、不織布〔商標名:「ユニセル」、「メルフィット」(ユニセル株式会社)、スパンボンド「エルタス」(旭化成せんい株式会社)等〕の他、多数の微細な貫通孔を有するPET/PE/PEフィルム、ナイロンフィルム等である。また、素材の通気量は、10(cm3/cm2/sec)のものが使用されており、後記炭酸ガス発生体5の袋より通気性及び通液性がより小さく、ガス及び水を通しにくくなっている。
なお、後記炭酸ガス発生体5の袋は、熱発生体4の袋に対して反応開始までの時間に十分な差をつけて、先に炭酸ガスが発生するようにするために、例えば前記熱発生体4の袋の通気量、10(cm3/cm2/sec)に対し、炭酸ガス発生体5の袋には、後記するように通気量が25(cm3/cm2/sec)のものを採用している。又は、熱発生体4の袋として、例えば通気量が25(cm3/cm2/sec)のものを採用し、炭酸ガス発生体5の袋として通気量が50(cm3/cm2/sec)のものを採用することもできる。
以下、熱発生体4の袋の内部に収容される発熱剤の主剤及び添加剤の配合について説明する。なお、本実施の形態では、アルミニウムの使用量を従来の一般的な配合と比較して1/2〜1/3に減少させ、なおかつ後記各実施例1乃至実施例21で説明するように十分な発熱量を確保している。このようにアルミニウムの使用量を従来と比較して少なくすることにより、発熱反応に伴う水素ガスの発生量も同様に少なくすることができる。
発熱剤は、アルミニウム(Al)と酸化カルシウム(CaO)からなる主剤に、助剤として金属塩である塩化ナトリウム粉を添加したものである。なお、発熱剤には、更に発熱剤と水との反応をより活性化する活性炭粉を添加することができ、熱発生体4の袋の素材である不織布又はフィルム等の反応熱による溶融を防止する炭酸水素ナトリウム粉(重曹:NaHCO3)又は炭酸ナトリウム粉(Na2CO3)を添加することもできる。
なお、発熱剤の配合割合を重量部で表すと、例えばアルミニウムが10〜50重量部、酸化カルシウムが30〜95重量部、塩化ナトリウムが2〜12重量部、活性炭粉が2〜10重量部、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムの群から選ばれた一又は二以上を合計で1〜20重量部である。
なお、熱発生体4の発熱剤が水と反応すると、熱が発生すると共に水素ガスが発生するが、水素ガス発生量の理論上の計算は次の通りである。
2Al +3Ca(OH)2 = 3CaO・Al2O3 + 3H2↑ + 196.6kj
これより、アルミ1モルから,水素3/2モルが得られる。アルミニウム分子量:26.98で22.4Lの水素が発生する。
アルミ6gの場合 0.22モル 0.22×3/2×22.4=7.47L
(アルミ11.7gの場合は同様に14.6L)
が、アルミニウムが全部反応すると発生することとなる。
これを30分で割ると、おおまかではあるが1分当たりの発生量を求められる。
6g・・・・0.249L/min
11.7g・・・0.487L/min
また、助剤として添加する塩化ナトリウム粉は、発熱反応におけるアルミニウム粉の反応を活性化するものである。これにより、発熱反応による加熱調理に適した温度が十分に長い時間維持できる。更に、助剤として添加する活性炭粉は、塩化ナトリウム粉等の金属塩による前記作用を更に高めるものである。
(炭酸ガス発生体5)
炭酸ガス発生体5は、不織布等で形成された袋に炭酸ガス発生剤である炭酸水素ナトリウムの粉体とクエン酸(C6H8O7)の粉体が、あらかじめ決められた割合及び量で配合され収容されたものである。なお、炭酸水素ナトリウムは、例えば同量の炭酸ナトリウムで代替することができる。
使用するアルミニウム粉、酸化カルシウム粉、塩化ナトリウム粉、炭酸水素ナトリウム粉、クエン酸粒の粒度は、アルミニウム粉、酸化カルシウム粉、塩化ナトリウム粉、炭酸水素ナトリウム粉は例えば1〜100μmであり、クエン酸粒は例えば0.5mmである。しかし、この粒度は適宜調整が可能であり、クエン酸粒の粒度を1〜100μmとする等、前記粒度に限定するものではない。
袋の素材は、本実施の形態では、前記熱発生体4の袋と同様で、不織布〔商標名:「ユニセル」、「メルフィット」(ユニセル株式会社)、スパンボンド「エルタス」(旭化成せんい株式会社)〕等の他、多数の微細な貫通孔を有するPET/PE/PEフィルム、ナイロンフィルム等である。また、素材の通気量は、25(cm3/cm2/sec)のものが使用されており、前記熱発生体4の袋より通気性及び通液性に優れ、ガス及び水を通しやすくなっている。
(作用)
次に、加熱機能付き食品容器Aを使用し、被加熱食品6を食するのに適した温度まで加熱する試験を行った場合を例にとり、発熱剤の各実施例1乃至実施例21について説明する。使用した加熱機能付き食品容器Aにおいて、下容器1の熱発生体収容空間部16と上容器2の食品収容空間部26を合わせた容積(被加熱食品6の体積を除いた実質的容積)は、ほぼ1000cc(ml)である。
図3を参照する。なお、図3の表においては、便宜上、アルミニウム粉をアルミ、酸化カルシウム粉を生石灰、塩化ナトリウム粉を食塩、炭酸水素ナトリウム粉を重曹と表記している。また、これについては後記図4乃至図14も同様である。
以下の実施例1、2では、金属塩である塩化ナトリウムが発熱反応においてアルミニウムの反応を活性化する点についての有効性を検証した。
実施例1における熱発生体4の発熱剤の配合量は、
アルミニウム粉6g、
酸化カルシウム粉31g、
炭酸水素ナトリウム粉2g、
塩化ナトリウム粉1g、
である。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉18重量部、
酸化カルシウム粉93重量部、
炭酸水素ナトリウム粉6重量部、
塩化ナトリウム粉3重量部、
である。
また、実施例1でのアルミニウム粉と酸化カルシウム粉の配合割合は、主剤の総量を基準とすると、アルミニウム粉16.2重量%(発熱剤の総量を基準とすると15重量%)、酸化カルシウム粉83.8重量%(発熱剤の総量を基準とすると77.5重量%)であり(主剤総量で100重量%)、塩化ナトリウム粉の配合割合は、発熱剤の総量を基準とすると2.5重量%である。なお、反応させる水の量は100cc(ml)である。
比較例1
比較例1における熱発生体の発熱剤の配合量は、
アルミニウム粉17.5g、
酸化カルシウム粉7.5gであり、
塩化ナトリウムは含まない。
本比較例1でのアルミニウム粉と酸化カルシウム粉の配合割合は、主剤(発熱剤)の総量を基準として、
アルミニウム粉70重量%、
酸化カルシウム粉30重量%である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
(考察)
図3に示す表及びグラフから分かるように、実施例1の発熱剤を使用した加熱容器内の温度は、水を入れて発熱反応が始まってから6分経過後に最高温度に到達した。また、比較例1の発熱剤を使用した加熱容器内の温度は、水を入れて発熱反応が始まってから4分経過後に最高温度に到達した。その温度は、実施例1では94.9℃、比較例1では94.4℃であったが、90℃付近までの温度の立ち上がりは、実施例1の方がやや早く、しかも被加熱食品6を加熱するのに好適な90℃以上の温度を維持する時間も長かった。
また、発熱反応が始まってから30分経過後の加熱容器内の温度は、実施例1では62.6℃、比較例1では71.3℃であり、13分経過以降の温度は、実施例1の発熱剤は比較例1の発熱剤と比較してやや低くなっているが、加熱後の保温に十分な温度を維持しており、実用上支障がないことが確認できた。
このように、実施例1の発熱剤は、比較例1の発熱剤よりアルミニウムの使用量を少なくしながら、金属塩である塩化ナトリウムを添加することで、発熱反応におけるアルミニウムの反応を十分に活性化していることが認められ、発熱剤としての十分な発熱性能を有していることが分かった。また、使用するアルミニウムが比較例1と比較して少ない分だけ、発熱反応に伴う水素ガスの発生量が少なくなり、加熱容器内の水素ガスの濃度も低くなるので、引火による水素爆発を起こしにくくなる。
図4を参照する。
実施例2における熱発生体4の発熱剤の配合量は、
アルミニウム粉12g、
酸化カルシウム粉23g、
炭酸水素ナトリウム粉1.5g、
塩化ナトリウム粉3.5g、
である。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉36重量部、
酸化カルシウム粉69重量部、
炭酸水素ナトリウム粉4.5重量部、
塩化ナトリウム粉10.5重量部、
である。
また、実施例2でのアルミニウム粉と酸化カルシウム粉の配合割合は、主剤の総量を基準とすると、アルミニウム粉34.3重量%(発熱剤の総量を基準とすると30重量%)、酸化カルシウム粉65.7重量%(発熱剤の総量を基準とすると57.5重量%)であり(主剤総量で100重量%)、塩化ナトリウム粉の配合割合は、発熱剤の総量を基準とすると8.75重量%である。なお、反応させる水の量は100ccである。
比較例2
比較例2における熱発生体の発熱剤の配合量は、
アルミニウム粉24.5g、
酸化カルシウム粉10.5gである。
本比較例1でのアルミニウム粉と酸化カルシウム粉の配合割合は、主剤(発熱剤)の総量を基準として、
アルミニウム粉70重量%、
酸化カルシウム粉30重量%である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
(考察)
図4に示す表及びグラフから分かるように、実施例2の発熱剤を使用した加熱容器内の温度は、水を入れて発熱反応が始まってから8分経過後に最高温度に到達した。また、比較例2の発熱剤を使用した加熱容器内の温度は、水を入れて発熱反応が始まってから7分経過後に最高温度に到達した。その温度は、実施例2では95.3℃、比較例2では95.1℃であったが、90℃付近までの温度の立ち上がりは、実施例2の方が早く、しかも11分経過までの温度は、比較例2よりやや高い温度で維持できた。
また、発熱反応が始まってから30分経過後の加熱容器内の温度は、実施例2では69.3℃、比較例2では77.0℃であり、12分経過以降の温度は、実施例2の発熱剤は比較例2の発熱剤と比較してやや低くなっているが、加熱後の保温に十分な温度を維持しており、実用上支障がないことが確認できた。
このように、実施例2の発熱剤は、比較例2の発熱剤よりアルミニウムの使用量を少なくしながら、金属塩である塩化ナトリウムを添加することで、発熱反応におけるアルミニウムの反応を十分に活性化していることが認められ、発熱剤としての十分な発熱性能を有していることが分かった。また、使用するアルミニウムが比較例2と比較して少ない分だけ、発熱反応に伴う水素ガスの発生量が少なくなり、加熱容器内の水素ガスの濃度も低くなるので、引火による水素爆発を起こしにくくなる。
次に、発熱剤の実施例3、実施例4と、比較例3のそれぞれの使用量を違えて使用した場合の発熱反応に伴う発熱反応が始まってから30分が経過するまでの加熱容器内の温度の推移を計測した。
以下の実施例3、実施例4では、金属塩である塩化カリウムが発熱反応においてアルミニウムの反応を活性化する点についての有効性を検証すると共に、それぞれのアルミニウムの配合量が、実施例3では本発明の上限値(50重量部)で検証し、実施例4では本発明の下限値(10重量部)で検証した。
また、比較例3では、アルミニウムの配合量を本発明の下限値より少ない値(5重量部)としたときに、発熱剤としての実用性があるかどうかについて検証した。
図5を参照する。
実施例3の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉100g(総量200gのうち50重量%)、
酸化カルシウム粉64g、
塩化カリウム粉16g、
炭酸水素ナトリウム粉10g、
活性炭粉10g、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉50重量部、
酸化カルシウム粉32重量部、
塩化カリウム粉8重量部、
炭酸水素ナトリウム粉5重量部、
活性炭粉5重量部である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
そして、実施例3では、前記配合の発熱剤を25g、30g、35gに分けて三種類の試料を用意し、更に次に示す配合の基準例の発熱剤40gを用意し、実施例3の各試料と基準例とを比較した。なお、この基準例の発熱剤40gは、後記実施例4及び比較例3においても同様に表及びグラフに示した。
基準例の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉12g(総量40gのうち30重量%)、
酸化カルシウム粉23g、
塩化カリウム粉2g、
炭酸水素ナトリウム粉1g、
活性炭粉2g、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉24重量部、
酸化カルシウム粉46重量部、
塩化カリウム粉4重量部、
炭酸水素ナトリウム粉2重量部、
活性炭粉4重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
(考察)
図5の表及びグラフに示すように、金属塩である塩化カリウムを添加した実施例3の発熱剤の各試料を使用した加熱容器内の温度は、基準例の発熱剤が水を入れて発熱反応が始まってから11分経過後に最高温度の93.1℃に達したのに対し、実施例3の25gの試料では10分経過後の最高温度は87.3℃、30gの試料では13分経過後の最高温度は89.8℃、35gの試料では9分経過後の最高温度は93.1℃であり、各試料の最高温度は全体にやや低い傾向にあった。
しかし、実施例3の各試料では、アルミニウムの配合量(重量部)を50重量部(本発明の上限値)として基準例より多くしており、最高温度に達して以降は、それぞれ急激な温度の下降はなく、基準例の発熱剤より少ない量で基準例とほぼ同等の発熱性能を示すことが確認できた。つまり、発熱剤としての十分な発熱性能は発揮できており、実用的に問題はなかった。
図6を参照する。
実施例4の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉10g(総量100gのうち10重量%)、
酸化カルシウム粉77g、
塩化カリウム粉8g、
炭酸水素ナトリウム粉5g、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉10重量部、
酸化カルシウム粉77重量部、
塩化カリウム粉8重量部、
炭酸水素ナトリウム粉5重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
そして、実施例4では、前記配合の発熱剤を50g、60g、70gに分けて三種類の試料を用意し、前記実施例3の場合と同様に基準例の発熱剤40gと比較した。
(考察)
図6の表及びグラフに示すように、金属塩である塩化カリウムを添加した実施例4の発熱剤の各試料を使用した加熱容器内の温度は、基準例の発熱剤が水を入れて発熱反応が始まってから11分経過後に93.1℃に達したのに対し、実施例4の50gの試料では7分経過後の最高温度が92.5℃、60gの試料では14分経過後の最高温度が92.7℃、70gの試料では9分経過後の最高温度が95.0℃であり、理由は不明であるが60gの試料については温度の立ち上がりがやや遅かった。
実施例4の60gと70gの各試料は、最高温度に達して以降は、それぞれ急激な温度の下降はなく、基準例の発熱剤より総量が多くなってはいるが、使用するアルミニウムの配合量(重量部)を10重量部(本発明の下限値)まで減らしても、基準例の発熱剤とほぼ同等の発熱性能を示すことが確認できた。なお、実施例4の50gの試料は、やや急な温度低下を示し、発熱性能が劣っていた。つまり、実施例4の配合で十分な発熱性能を得ようとすれば、発熱剤の量を60〜70gあるいはそれ以上にする必要があることが分かった。
比較例3
図7を参照する。
比較例3の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉10g(総量100gのうち5重量%)、
酸化カルシウム粉164g、
塩化カリウム粉16g、
炭酸水素ナトリウム粉10g、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉5重量部、
酸化カルシウム粉82重量部、
塩化カリウム粉8重量部、
炭酸水素ナトリウム粉5重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
そして、比較例3では、前記配合の発熱剤を60g、70gに分けて二種類の試料を用意し、前記と同様に基準例の発熱剤40gを用意し、これら各試料を比較した。
(考察)
図7の表及びグラフに示すように、比較例3の発熱剤の各試料を使用した加熱容器内の温度は、基準例の発熱剤が水を入れて発熱反応が始まってから11分経過後に93.1℃に達したのに対し、比較例3の60gの試料では8分経過後の最高温度が91.0℃、70gの試料では9分経過後の最高温度が91.2℃であり、どちらの試料も基準例の試料と比較して最高温度が低く、それ以降の温度の低下もやや急であった。つまり、比較例3のアルミニウムの配合量(本発明の下限値より少ない5重量部)では、発熱剤の量を60〜70gと相当に増やしても、十分な発熱性能を得ることが難しいことが分かった。
次に、金属塩として塩化カルシウムを添加した実施例5及び塩化マグネシウムを添加した実施例6により、これらの金属塩が発熱反応においてアルミニウムの反応を活性化する点についての有効性を検証した。
図8に示す表及びグラフは、実施例5及び実施例6において、発熱反応が始まってから30分が経過するまでの加熱容器内の温度の推移を計測したものである。
実施例5における熱発生体4の発熱剤の配合量は、
酸化カルシウム粉16g、
アルミニウム粉12.2g、
塩化カルシウム粉2.6g、
炭酸水素ナトリウム粉9.2g、
である。
この配合を重量部で表せば、
酸化カルシウム粉32重量部、
アルミニウム粉24.4重量部、
塩化カルシウム粉5.2重量部、
炭酸水素ナトリウム粉18.4重量部、
である。
また、実施例5での酸化カルシウム粉とアルミニウム粉の配合割合は、主剤の総量を基準とすると、酸化カルシウム粉56.7重量%(発熱剤の総量を基準とすると69.5重量%)、アルミニウム粉43.3重量%(発熱剤の総量を基準とすると30.5重量%)であり(主剤総量で100重量%)、塩化カルシウム粉の配合割合は、発熱剤の総量を基準とすると6.5重量%である。反応させる水の量は100ccである。
実施例6における熱発生体4の発熱剤の配合量は、
酸化カルシウム粉16g、
アルミニウム粉12.2g、
塩化マグネシウム粉2.6g、
炭酸水素ナトリウム粉9.2g、
である。
この配合を重量部で表せば、
酸化カルシウム粉32重量部、
アルミニウム粉24.4重量部、
塩化マグネシウム粉5.2重量部、
炭酸水素ナトリウム粉18.4重量部、
である。
また、実施例6での酸化カルシウム粉とアルミニウム粉の配合割合は、主剤の総量を基準とすると、酸化カルシウム粉56.7重量%(発熱剤の総量を基準とすると69.5重量%)、アルミニウム粉43.3重量%(発熱剤の総量を基準とすると30.5重量%)であり(主剤総量で100重量%)、塩化マグネシウム粉の配合割合は、発熱剤の総量を基準とすると6.5重量%である。反応させる水の量は100ccである。
なお、実施例5及び実施例6の説明では、前記比較例2(図4参照)の発熱剤を比較例として援用する。
(考察)
図8の表に示すように、金属塩である塩化カルシウムを添加した実施例5及び塩化マグネシウムを添加した実施例6の発熱剤を使用した加熱容器内の温度は、何れも発熱反応が始まってから2分経過後には最高温度に達し、実施例5では97℃、実施例6では96℃であり、前記比較例2と比較して温度の立ち上がりが早く、最高温度もより高かった。
また、最高温度に達して以降は、実施例5は15分過ぎまで80℃以上を維持し、実施例6では20分過ぎまで80℃以上を維持し、それぞれ実用的な範囲で十分な温度を維持しており、使用するアルミニウムの重量比を従来より減らしても比較例2と大きな差のない発熱性能を示すことが確認できた。これにより、発熱剤に金属塩である塩化カルシウム又は塩化マグネシウムを添加することで、発熱反応におけるアルミニウムの反応を十分に活性化していることが認められた。
次に、金属塩を添加している発熱剤に、更に多孔質材料を添加した後記実施例7乃至実施例18において、多孔質材料が発熱反応においてアルミニウムの反応をより活性化する点についての有効性を検証した。
図9に示す表及びグラフは、多孔質材料が活性炭であり、発熱剤の実施例7、実施例8及び比較例4の発熱反応が始まってから30分が経過するまでの加熱容器内の温度の推移を表したものである。
使用する発熱剤の実施例7、実施例8及び比較例4の配合は次のとおりである。
実施例7の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉21.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
活性炭粉2.0g(総量40gのうち5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉63.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
活性炭粉6重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
実施例8の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉22.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
活性炭粉1.0g(総量40gのうち2.5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、 酸化カルシウム粉66.9重量部、
炭酸水素ナリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
活性炭粉3重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
比較例4
比較例4の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、 酸化カルシウム粉23.3g、 炭酸水素ナトリウム粉3.3g、 塩化ナトリウム粉1.7g、
であり、活性炭粉は含まない。
なお、反応させる水の量は100ccである。
(考察)
図9に示す表及びグラフから分かるように、発熱剤の実施例7、実施例8を使用した加熱容器内の温度は、何れも水を入れて発熱反応が始まってから8分経過後に最高温度に到達した。その温度は、実施例7では93.7℃、実施例8では94.2℃であった。また、比較例4では4分経過後に最高温度である91.6℃に達した。すなわち、活性炭粉を添加した実施例7及び実施例8は、どちらも活性炭粉を添加していない比較例4と比較して発熱反応が活性化したと思われ、より高い温度まで上昇した。
また、発熱反応が始まってから30分経過後の加熱容器内の温度は、実施例7では85.3℃、実施例8では74.7℃、比較例4では62.0℃であった。すなわち、活性炭粉を添加した実施例7及び実施例8は、何れも活性炭粉を添加していない比較例4と比較して時間経過に伴う温度の下降が緩やかであり、より長い時間加熱調理又は保温に必要な十分な温度を維持しており、実用上支障がないことが確認できた。また、実施例7と実施例8を比較した場合、活性炭粉の配合量が多い実施例7の方が温度の下降が緩やかであり、より長い時間加熱調理又は保温に必要な温度を維持できることが分かった。
図10に示す表及びグラフは、多孔質材料がカーボンブラックであり、発熱剤の実施例9、実施例10及び比較例5の発熱反応が始まってから30分が経過するまでの加熱容器内の温度の推移を表したものである。なお、カーボンブラックは、取り扱い性を良くするため例えば粒度が0.5mm程度のものを使用するが好ましいが、この粒度に限定はせず更に細かい粉状のものを使用してもよい。
使用する発熱剤の実施例9、実施例10及び比較例5の配合は次のとおりである。
実施例9の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉23.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
カーボンブラック粒1.0g(総量40gのうち2.5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉69.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
カーボンブラック粒3重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
実施例10の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉21.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
カーボンブラック粒2.0g(総量40gのうち5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉63.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
カーボンブラック粒6重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
比較例5
比較例5の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉23.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7gであり、
カーボンブラック粒は含まない。
なお、反応させる水の量は100ccである。
(考察)
図10に示す表及びグラフから分かるように、発熱剤の実施例9、実施例10及び比較例5を使用した加熱容器内の温度は、水を入れて発熱反応が始まってから実施例9では7分経過後、実施例10では5分経過後、比較例5では4分経過後に最高温度に到達した。その温度は、実施例9では94.2℃、実施例10では95.2℃、比較例5で91.7℃であった。
すなわち、カーボンブラック粒を添加した実施例9及び実施例10は、どちらもカーボンブラック粒を添加していない比較例5と比較して発熱反応が活性化したと思われ、より高い温度まで上昇した。
また、発熱反応が始まってから30分経過後の加熱容器内の温度は、実施例9では71.1℃、実施例10では68.0℃、比較例5では62.0℃であった。すなわち、カーボンブラック粒を添加した実施例9及び実施例10は、何れもカーボンブラック粒を添加していない比較例5と比較して時間経過に伴う温度の下降が緩やかであり、より長い時間加熱調理又は保温に必要な十分な温度を維持していることが確認できた。
図11に示す表及びグラフは、多孔質材料がゼオライトであり、発熱剤の実施例11、実施例12及び比較例6の発熱反応が始まってから30分が経過するまでの加熱容器内の温度の推移を表したものである。
使用する発熱剤の実施例11、実施例12及び比較例6の配合は次のとおりである。
実施例11の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉21.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
ゼオライト粉2.0g(総量40gのうち5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉63.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
ゼオライト粉6重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
実施例12の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉19.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
ゼオライト粉4.0g(総量40gのうち10重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉57.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
ゼオライト粉12重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
比較例6
比較例6の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉23.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7gであり、
ゼオライトは含まない。
なお、反応させる水の量は100ccである。
(考察)
図11に示す表及びグラフから分かるように、発熱剤の実施例11、実施例12及び比較例6を使用した加熱容器内の温度は、水を入れて発熱反応が始まってから実施例11では8分経過後、実施例12も同じく8分経過後、比較例6では4分経過後に最高温度に到達した。その温度は、実施例11では90.6℃、実施例12では95.3℃、比較例6で91.7℃であった。実施例11については、ゼオライト粉を添加していない比較例6よりやや低い温度となったが実用的には問題がなく、実施例12については、比較例6と比較して発熱反応が活性化したと思われ、より高い温度まで上昇した。
なお、発熱反応が始まってから30分経過後の加熱容器内の温度は、実施例11では67.2℃、実施例12では68.1℃、比較例6では62.0℃であった。すなわち、ゼオライト粉を添加した実施例11及び実施例12は、何れもゼオライト粉を添加していない比較例6と比較して時間経過に伴う温度の下降が緩やかであり、より長い時間加熱調理又は保温に必要な十分な温度を維持していることが確認できた。
図12に示す表及びグラフは、多孔質材料がリモナイトであり、発熱剤の実施例13、実施例14及び比較例7の発熱反応が始まってから30分が経過するまでの加熱容器内の温度の推移を表したものである。
使用する発熱剤の実施例13、実施例14及び比較例7の配合は次のとおりである。
実施例13の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉21.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
リモナイト粉2.0g(総量40gのうち5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉63.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
リモナイト粉6重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
実施例14の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉22.3g、
炭酸水素ナトリウム3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
リモナイト粉1.0g(総量40gのうち2.5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉66.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
リモナイト粉3重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
比較例7
比較例7の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉23.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7gであり、
リモナイトは含まない。
なお、反応させる水の量は100ccである。
(考察)
図12に示す表及びグラフから分かるように、発熱剤の実施例13、実施例14及び比較例7を使用した加熱容器内の温度は、水を入れて発熱反応が始まってから実施例13では5分経過後、実施例14では7分経過後、比較例7では4分経過後に最高温度に到達した。その温度は、実施例13では95.7℃、実施例14では95.1℃、比較例7では91.7℃であった。すなわち、リモナイト粉を添加した実施例13及び実施例14は、どちらもリモナイト粉を添加していない比較例7と比較して発熱反応が活性化したと思われ、より高い温度まで上昇した。
また、発熱反応が始まってから30分経過後の加熱容器内の温度は、実施例13では65.4℃、実施例14では65.4℃、比較例7では62.0℃であった。すなわち、リモナイト粉を添加した実施例13及び実施例14は、何れもリモナイト粉を添加していない比較例7と比較して時間経過に伴う温度の下降が緩やかであり、より長い時間加熱調理又は保温に必要な十分な温度を維持していることが確認できた。
図13に示す表及びグラフは、多孔質材料がベントナイトであり、発熱剤の実施例15、実施例16及び比較例8の発熱反応が始まってから30分が経過するまでの加熱容器内の温度の推移を表したものである。
使用する発熱剤の実施例15、実施例16及び比較例8の配合は次のとおりである。
実施例15の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉21.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
ベントナイト粉2.0g(総量40gのうち5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉63.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
ベントナイト粉6重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
実施例16の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉22.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
ベントナイト粉1.0g(総量40gのうち2.5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉66.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
ベントナイト粉3重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
比較例8
比較例8の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉23.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7gであり、
ベントナイトは含まない。
なお、反応させる水の量は100ccである。
(考察)
図13に示す表及びグラフから分かるように、発熱剤の実施例15、実施例16及び比較例8を使用した加熱容器内の温度は、水を入れて発熱反応が始まってから実施例15では7分経過後、実施例16では6分経過後、比較例8では4分経過後に最高温度に到達した。その温度は、実施例15では95.4℃、実施例16では95.7℃、比較例8で91.7℃であった。すなわち、ベントナイト粉を添加した実施例15及び実施例16は、どちらもベントナイト粉を添加していない比較例8と比較して発熱反応が活性化したと思われ、より高い温度まで上昇した。
また、発熱反応が始まってから30分経過後の加熱容器内の温度は、実施例15では70.5℃、実施例16では69.5℃、比較例8では62.0℃であった。すなわち、ベントナイト粉を添加した実施例15及び実施例16は、何れもベントナイト粉を添加していない比較例8と比較して時間経過に伴う温度の下降が緩やかであり、より長い時間加熱調理又は保温に必要な十分な温度を維持していることが確認できた。
図14に示す表及びグラフは、多孔質材料がシラスであり、発熱剤の実施例17、実施例18及び比較例9の発熱反応が始まってから30分が経過するまでの加熱容器内の温度の推移を表したものである。
使用する発熱剤の実施例17、実施例18及び比較例9の配合は次のとおりである。
実施例17の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム21.3g、
炭酸水素ナトリウム3.3g、
塩化ナトリウム1.7g、
シラス2.0g(総量40gのうち5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉63.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
シラス粉6重量部である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
実施例18の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム粉22.3g、
炭酸水素ナトリウム粉3.3g、
塩化ナトリウム粉1.7g、
シラス粉1.0g(総量40gのうち2.5重量%)、
を含むものである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉35.1重量部、
酸化カルシウム粉66.9重量部、
炭酸水素ナトリウム粉9.9重量部、
塩化ナトリウム粉5.1重量部、
シラス粉3重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
比較例9
比較例9の配合は、
アルミニウム粉11.7g(総量40gのうち29.3重量%)、
酸化カルシウム23.3g、
炭酸水素ナトリウム3.3g、
塩化ナトリウム1.7gであり、
シラスは含まない。
なお、反応させる水の量は100ccである。
(考察)
図14に示す表及びグラフから分かるように、発熱剤の実施例17、実施例18及び比較例9を使用した加熱容器内の温度は、水を入れて発熱反応が始まってから実施例17では4分経過後、実施例18では7分経過後、比較例9では4分経過後に最高温度に到達した。その温度は、実施例17では96.1℃、実施例18では95.1℃、比較例9で91.7℃であった。すなわち、シラス粉を添加した実施例17及び実施例18は、どちらもシラス粉を添加していない比較例9と比較して発熱反応が活性化したと思われ、より高い温度まで上昇した。
また、発熱反応が始まってから30分経過後の加熱容器内の温度は、実施例17では65.3℃、実施例18では64.9℃、比較例9では62.0℃であった。すなわち、シラス粉を添加した実施例17及び実施例18は、何れもシラス粉を添加していない比較例9と比較して時間経過に伴う温度の下降が緩やかであり、より長い時間加熱調理又は保温に必要な十分な温度を維持していることが確認できた。
なお、データは示していないが、モンモリロナイト、カオリン、黒雲母についても前記各多孔質材料と同様に発熱剤に添加してそれぞれ実験を行ったところ、モンモリロナイト、カオリン、黒雲母を添加していない場合と比較して、時間経過に伴う温度の下降が緩やかであり、より長い時間加熱調理又は保温に必要な十分な温度を維持しているという同様の結果が得られた。
Figure 2014012817
表1を参照する。
実施例19は、本発明に係る発熱剤を含む熱発生体4と炭酸ガス発生体5を組み合わせて使用した例である。
実施例19における熱発生体4の発熱剤の配合量は、
アルミニウム粉9g、
酸化カルシウム粉18g、
塩化ナトリウム粉2gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉27重量部、
酸化カルシウム粉54重量部、
塩化ナトリウム粉6重量部である。
実施例19でのアルミニウム粉と酸化カルシウム粉の配合割合は、主剤の総量を基準とすると、
アルミニウム粉33.3重量%(発熱剤の総量を基準とすると31重量%)、
酸化カルシウム粉66.7重量%(発熱剤の総量を基準とすると62重量%)であり(主剤総量で100重量%)、
塩化ナトリウム粉の配合割合は、発熱剤の総量を基準とすると7重量%である。
また、炭酸ガス発生体5の炭酸ガス発生剤の配合量は、
炭酸水素ナトリウム粉4g、
クエン酸粒4gである。
加熱機能付き食品容器Aを使用した食品の加熱は次のように行った。まず、下容器1に熱発生体4と炭酸ガス発生体5を入れ、支持棒14、15の上に巻き簀3を置き、巻き簀3の上に被加熱食品6(未調理食品又は調理済食品)を置いた。熱発生体4は、前記したようにアルミニウムの使用量を従来と比較して少なくすることにより、発熱反応に伴う水素ガスの発生量も同様に少なくすることができる。
次に、下容器1側の熱発生体収容空間部16に水80ccを入れて熱発生体4と炭酸ガス発生体5を水に浸漬すると、熱発生体4と炭酸ガス発生体5の各袋の内部に水が入り始めた。そして、上容器2を下容器1に被せ、被加熱食品6が上容器2側の食品収容空間部26に収まるようにした。
そして、先に、袋の通水性がより大きい側の炭酸ガス発生体5の袋内に水が入り、袋内の炭酸ガス発生剤と水が反応を始めた。これにより、炭酸ガスが発生し、袋を通過して熱発生体収容空間部16と食品収容空間部26に充満した。
炭酸ガスが発生し始めてから60秒後、袋の通水性がより小さい側の熱発生体4の袋内に水が入り、袋内の発熱剤と水が反応を始めた。これにより、被加熱食品6を加熱する熱が発生し、それと共に水素ガスが発生した。
発生した水素ガスは袋を通過し、当初は前記のように熱発生体収容空間部16と食品収容空間部26に充満している炭酸ガスと混じり、炭酸ガスで希釈され、熱発生体収容空間部16と食品収容空間部26内の水素ガスの濃度は、発生した炭酸ガスの量が十分に多かったために、引火等による水素爆発が起こらない濃度(例えば4%以下)に維持されたと思われ、ライターの火を近付けても水素爆発は起こらず、水素爆発を防止できた。
更に、発生した熱により、熱発生体収容空間部16内の水が加熱されて蒸発し水蒸気が発生した。水蒸気もまた、熱発生体収容空間部16と食品収容空間部26に充満し、熱発生体収容空間部16と通じている食品収容空間部26にある被加熱食品6が、前記発生熱及び発生熱を含む水蒸気によって加熱調理された。また、水蒸気が発生して以降は、炭酸ガスの発生が停止しても、発熱反応中に継続して発生している水素ガスは、残留している炭酸ガスや水蒸気によって希釈され、熱発生体収容空間部16と食品収容空間部26内の水素ガスの濃度は、前記と同様に水素爆発が起こらない濃度に維持されたと思われ、ライターの火を近付けても水素爆発は起こらず、水素爆発を防止できた。
なお、実施例19では、発熱反応が続き、加熱をする約30分間に調理などに必要な熱を集中的に発生させることができた。具体的には、アルミニウムの使用量を抑え、酸化カルシウムの量を増やしているにも関わらず、助剤である塩化ナトリウムの使用でアルミニウムの反応を活性化しているので、30分間のうち加熱に必要な温度80℃以上を15分間程度保持でき、十分な加熱調理を行うことができた。
また、前記実施例19においては、アルミニウムの配合割合が主剤の総量の33.3重量%と、比較的多い値で設定したが、アルミニウムの配合割合を比較的少ない値(具体的には主剤の総量の16.2重量%)に設定し、発熱剤に袋の溶融防止のための助剤として炭酸水素ナトリウム粉を添加し実施例20及び実施例21として試験を行った。
同じく表1を参照する。
実施例20は、本発明に係る発熱剤を含む熱発生体4と炭酸ガス発生体5を組み合わせて使用した例である。
熱発生体4の発熱剤の配合量は、
アルミニウム粉6g、
酸化カルシウム粉31g、
塩化ナトリウム粉1g、
炭酸水素ナトリウム粉2gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉18重量部、
酸化カルシウム粉93重量部、
塩化ナトリウム粉3重量部である。
実施例20でのアルミニウム粉と酸化カルシウム粉の配合割合は、主剤の総量を基準とすると、
アルミニウム粉16.2重量%(発熱剤の総量を基準とすると15重量%)、
酸化カルシウム粉83.8重量%(発熱剤の総量を基準とすると77.5重量%)である(主剤総量で100重量%)。
また、塩化ナトリウム粉と炭酸水素ナトリウム粉の配合割合は、発熱剤の総量を基準とすると、
塩化ナトリウム粉2.5重量%、
炭酸水素ナトリウム粉5重量%である。
また、炭酸ガス発生体5の炭酸ガス発生剤の配合量は、
炭酸水素ナトリウム粉4g、
クエン酸粒4gである。
実施例20では、以下、前記実施例19と同様の工程を経て水素爆発を防止できると共に、被加熱食品6の加熱調理を30分程度の比較的短い時間で十分に行うことができた。
また、実施例20では、アルミニウムの使用量を更に抑えているが、酸化カルシウムの配合量を増やし、助剤である塩化ナトリウムの使用でアルミニウムの反応を十分に活性化しているので、図3に示した実施例1と同様に最高到達温度がより高くなり、十分な加熱調理を行うことができた。
なお、発熱剤に炭酸水素ナトリウム粉2gを添加することにより、前記のように最高到達温度がより高くなるにも関わらず、熱発生体4の袋が破れていないのを確認できた。
前記炭酸水素ナトリウム粉の配合により、袋の不織布又はフィルムの溶融を防止できる理由は明かではないが、発熱反応に伴い炭酸ガスがより多く発生し、これによるガスの圧力で袋の材料と発熱剤の間に隙間が生じやすくなり、高温になっている反応物質が直接触れにくくなるために、袋の材料の熱による溶融が起こらなくなると思われる。
同じく表1を参照する。
熱発生体4の発熱剤の配合量は、
アルミニウム粉8g、
酸化カルシウム粉31g、
塩化ナトリウム粉1g、
炭酸水素ナトリウム粉2gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉24重量部、
酸化カルシウム粉93重量部、
塩化ナトリウム粉3重量部である。
実施例21でのアルミニウム粉と酸化カルシウム粉の配合割合は、主剤の総量を基準とすると、
アルミニウム粉20.5重量%(発熱剤の総量を基準とすると19重量%)、
酸化カルシウム粉79.5重量%(発熱剤の総量を基準とすると73.8重量%)である(主剤総量で100重量%)。
また、塩化ナトリウム粉と炭酸水素ナトリウム粉の配合割合は、発熱剤の総量を基準とすると、
塩化ナトリウム粉2.4重量%、
炭酸水素ナトリウム粉4.8重量%である。
また、実施例21においては炭酸ガス発生体は使用しなかった。
実施例21では、以下、炭酸ガス発生体5に関する部分を除き前記実施例19と同様の工程(過程)を経て被加熱食品6の加熱調理を行った。その結果、前記したように炭酸ガス発生体を使用していないが、水素爆発は起こらず、被加熱食品6の加熱調理を30分程度の比較的短い時間で十分に行うことができた。
そして、実施例21では、発熱剤に炭酸水素ナトリウム粉2gを添加することにより、前記実施例20と同様に最高到達温度が十分に高くなるにも関わらず、熱発生体4の袋が破れていないのを確認できた。
比較例10
同じく表1を参照する。
比較例10は、本発明に係る発熱剤を含む熱発生体4と炭酸ガス発生体5を組み合わせて使用した例である。
本比較例10における熱発生体4の発熱剤の配合量は、
アルミニウム粉9g、
酸化カルシウム粉18g、
塩化ナトリウム粉2gである。
本比較例10でのアルミニウム粉と酸化カルシウム粉の配合割合は、主剤の総量を基準とすると、
アルミニウム粉33.3重量%(発熱剤の総量を基準とすると31重量%)、
酸化カルシウム粉66.7重量%(発熱剤の総量を基準とすると62重量%)である(主剤総量で100重量%)。
また、炭酸ガス発生体5の炭酸ガス発生剤の配合量は、
炭酸水素ナトリウム粉2g、
クエン酸粒2gである。
加熱機能付き食品容器Aを使用した食品の加熱は、前記実施例19と同様の工程を経て行った。これにより、先に、袋の通水性がより大きい側の炭酸ガス発生体5の袋内に水が入り、袋内の炭酸ガス発生剤と水が反応を始め、炭酸ガスが発生し、袋を通過して熱発生体収容空間部16と食品収容空間部に充満した。
炭酸ガスが発生し始めてから60秒後、袋の通水性がより小さい側の熱発生体4の袋内に水が入り、袋内の発熱剤と水が反応を始め、被加熱食品6を加熱する熱が発生し、それと共に水素ガスが発生した。
発生した水素ガスは袋を通過し、当初は前記のように熱発生体収容空間部16と食品収容空間部26に充満している炭酸ガスと混じり、炭酸ガスで希釈された。しかしながら、熱発生体収容空間部16と食品収容空間部26内の水素ガスの濃度は、発生した炭酸ガスの量が足りなかったために、引火等による水素爆発が起こらない濃度(例えば4%以下)を超えていたと思われ、ライターの火を近付けると水素爆発が起こり、上容器2が下容器1から分離した。これにより、最終的に被加熱食品6の加熱調理を行うことができなかった。
また、前記各実施例19、実施例21及び比較例10に加えて、念のため水素爆発が起こらない炭酸ガス発生剤の配合の範囲を確認する試験を行った。この試験では、炭酸ガス発生剤のクエン酸:炭酸水素ナトリウムの配合量を(a)1g:4g、(b)2g:4g、(c)3g:4gとした。
この結果、前記(c)クエン酸:炭酸水素ナトリウムが3g:4gの場合ではライターの火を近付けても引火せず水素爆発は起こらなかったが、(b)クエン酸:炭酸水素ナトリウムが2g:4gと(a)クエン酸:炭酸水素ナトリウムが1g:4gの場合では、何れも炭酸ガスの発生量が不足したと思われ、ライターの火を近付けると引火して水素爆発が起こった。
このように、加熱機能付き食品容器Aの熱発生体収容空間部16と食品収容空間部26の容積では、少なくともクエン酸:炭酸水素ナトリウム=3g:4gが必要であることがわかった。
比較例11
同じく表1を参照する。
熱発生体4の発熱剤の配合量は、
アルミニウム粉8g、
酸化カルシウム粉31g、
塩化ナトリウム粉1gであり、
前記実施例21と異なり水素ナトリウム粉は添加されていない。
本比較例11でのアルミニウム粉と酸化カルシウム粉の配合割合は、主剤の総量を基準とすると、
アルミニウム粉20.5重量%(発熱剤の総量を基準とすると20重量%)、
酸化カルシウム粉79.5重量%(発熱剤の総量を基準とすると77.5重量%)である(主剤総量で100重量%)。
また、塩化ナトリウム粉の配合割合は、
発熱剤の総量を基準とすると塩化ナトリウム粉2.5重量%である。
また、比較例11においては炭酸ガス発生体は使用しなかった。
比較例11では、以下、炭酸ガス発生体5に関する部分を除き前記実施例19と同様の工程(過程)を経て被加熱食品6の加熱調理を行った。その結果、理由は明かではないが、比較例11では前記したように炭酸ガス発生体を使用していないにもかかわらず、ライターの火を近づけても水素爆発は起こらなかった。そして、被加熱食品6の加熱調理を30分程度の比較的短い時間で十分に行うことができた。
また、比較例11では、発熱剤に発熱による袋の溶融を防止する炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウム等の炭酸塩を添加していなかったため、熱発生体4の袋が溶融して破れており、加熱機能を備えた食品容器Aの熱発生体収容空間部16及び食品収容空間部26の内部に、発熱剤の反応残渣が飛散して汚れているのが確認できた。
比較例12
図15を参照する。
比較例12の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉16g、
酸化カルシウム粉22g、
炭酸水素ナトリウム粉0.8g、
塩化ナトリウム粉1.2g、
を含むものであり、全重量は40gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉40重量部、
酸化カルシウム粉55重量部、
炭酸水素ナトリウム粉2重量部、
塩化ナトリウム粉3重量部、
である。
なお、反応させる水の量は100ccである。
鉄粉を配合していない比較例12の発熱剤では、水との反応が始まって2分経過後に、加熱容器内の温度が95℃まで上昇し、5分経過後には最高温度96℃に到達した。その後、13分経過後に80℃台に下がり、18分経過まで80℃以上を維持した。
同じく図15を参照する。
実施例22の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉16g、
酸化カルシウム粉22g、
炭酸水素ナトリウム粉0.8g、
塩化ナトリウム粉1.2g、
鉄粉0.2g、
を含むものであり、全重量は40.2gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉40重量部、
酸化カルシウム粉55重量部、
炭酸水素ナトリウム粉2重量部、
塩化ナトリウム粉3重量部、
鉄粉0.5重量部、
である。
なお、反応させる水の量は120ccである。
実施例22の発熱剤では、水との反応が始まって2分経過後に、加熱容器内の温度が96℃の最高温度に到達した。その後、5分経過で95℃と、5分経過まで90℃台を維持し、10分経過したところで80℃台に下がり、18分経過で82℃と、18分経過まで80℃台を維持した。
(考察)
実施例22の発熱剤と比較例12の発熱剤を比較すると、温度は、測定時点それぞれで僅かな差異はあるものの、概ね同じ経過をたどり推移した。このように、実施例22の発熱剤では、鉄粉を0.5重量部添加したことによる発熱量の増加はほとんど認められなかった。
同じく図15を参照する。
実施例23の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉16g、
酸化カルシウム粉22g、
炭酸水素ナトリウム粉0.8g、
塩化ナトリウム粉1.2g、
鉄粉0.5g、
を含むものであり、全重量は40.5gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉40重量部、
酸化カルシウム粉55重量部、
炭酸水素ナトリウム粉2重量部、
塩化ナトリウム粉3重量部、
鉄粉1.25重量部、
である。
なお、反応させる水の量は120ccである。
実施例23の発熱剤では、水との反応が始まって2分経過後に、加熱容器内の温度が97℃まで上昇し、5分経過後に99℃の最高温度に到達した。その後、10分経過で92℃と、10分経過まで90℃台を維持し、13分経過したところで80℃台に下がった。そして、20分経過で81℃と、20分経過まで80℃台を維持した。
(考察)
実施例23の発熱剤と比較例12の発熱剤を比較すると、5分経過後の最高温度は、実施例23の発熱剤が3℃高く、80℃台以上を維持した時間は比較例12の発熱剤より長かった。また、25分経過後及び30分経過後の温度も、実施例23の発熱剤の方が比較例12の発熱剤より高かった。このように、実施例23の発熱剤では、上記配合中、鉄粉を1.25重量部添加したことにより発熱量の増加が認められた。
同じく図15を参照する。
実施例24の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉16g、
酸化カルシウム粉16g、
炭酸水素ナトリウム粉0.8g、
塩化ナトリウム粉2.2g、
鉄粉5g、
を含むものであり、全重量は40gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉40重量部、
酸化カルシウム粉40重量部、
炭酸水素ナトリウム粉2重量部、
塩化ナトリウム粉5.5重量部、
鉄粉12.5重量部、
である。
なお、反応させる水の量は120ccである。
実施例24の発熱剤では、水との反応が始まって2分経過後に、加熱容器内の温度が96℃の最高温度に到達した。その後、13分経過で90℃と、13分経過まで90℃台を維持し、15分経過したところで80℃台に下がった。そして、20分経過で84℃と、20分経過まで80℃台を維持した。
(考察)
実施例24の発熱剤と比較例12の発熱剤を比較すると、2〜5分経過後の最高温度はほとんど変わりがなかったが、実施例24の発熱剤の方が、90℃台以上を維持した時間も、80℃台以上を維持した時間も比較例12の発熱剤より長かった。また、25分経過後及び30分経過後の温度も、実施例24の発熱剤の方が比較例12の発熱剤より高かった。このように、実施例24の発熱剤では、上記配合中、鉄粉を12.5重量部添加したことにより発熱量の増加が認められた。
同じく図15を参照する。
実施例25の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉16g、
酸化カルシウム粉22g、
炭酸水素ナトリウム粉0.8g、
塩化ナトリウム粉1.2g、
鉄粉60g、
を含むものであり、全重量は100gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉40重量部、
酸化カルシウム粉55重量部、
炭酸水素ナトリウム粉2重量部、
塩化ナトリウム粉3重量部、
鉄粉150重量部、
である。
なお、反応させる水の量は150ccである。
実施例25の発熱剤では、水との反応が始まって2分経過後に、加熱容器内の温度が97℃の最高温度に到達した。その後、15分経過で91℃と、15分経過まで90℃台を維持し、18分経過したところで80℃台に下がった。そして、20分経過で86℃と、20分経過まで80℃台を維持した。
(考察)
実施例25の発熱剤と比較例12の発熱剤を比較すると、2〜5分経過後の最高温度はほとんど変わりがなかったが、実施例25の発熱剤の方が、90℃台以上を維持した時間も、80℃台以上を維持した時間も比較例12の発熱剤より長かった。また、25分経過後及び30分経過後の温度も、実施例25の発熱剤の方が比較例12の発熱剤より高かった。このように、実施例25の発熱剤では、上記配合中、鉄粉を150重量部添加したことにより発熱量の増加が認められた。
同じく図15を参照する。
実施例26の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉20g、
酸化カルシウム粉12g、
炭酸水素ナトリウム粉0.8g、
塩化ナトリウム粉2.2g、
鉄粉5g、
を含むものであり、全重量は40gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉50重量部、
酸化カルシウム粉30重量部、
炭酸水素ナトリウム粉2重量部、
塩化ナトリウム粉5.5重量部、
鉄粉12.5重量部、
である。
なお、反応させる水の量は120ccである。
実施例26の発熱剤では、水との反応が始まって2分経過後に、加熱容器内の温度が94℃まで上昇し、5分経過後に95℃の最高温度に到達した。その後、15分経過で90℃と、15分経過まで90℃台を維持し、18分経過したところで80℃台に下がった。そして、25分経過で82℃と、25分経過まで80℃台を維持した。
(考察)
実施例26の発熱剤と比較例12の発熱剤を比較すると、2〜5分経過後の最高温度はほとんど変わりがなかったが、実施例26の発熱剤の方が、90℃台以上を維持した時間も、80℃台以上を維持した時間も比較例12の発熱剤より長かった。また、25分経過後及び30分経過後の温度も、実施例26の発熱剤の方が比較例12の発熱剤より高かった。このように、実施例26の発熱剤では、上記配合中、鉄粉を12.5重量部添加したことにより発熱量の増加が認められた。
同じく図15を参照する。
実施例27の発熱剤の配合は、
アルミニウム粉20g、
酸化カルシウム粉18g、
炭酸水素ナトリウム粉0.8g、
塩化ナトリウム粉1.2g、
鉄粉80g、
を含むものであり、全重量は120gである。
この配合を重量部で表せば、
アルミニウム粉50重量部、
酸化カルシウム粉45重量部、
炭酸水素ナトリウム粉2重量部、
塩化ナトリウム粉3重量部、
鉄粉200重量部、
である。
なお、反応させる水の量は160ccである。
実施例27の発熱剤では、水との反応が始まって2分経過後に、加熱容器内の温度が95℃まで上昇し、5分経過後に96℃の最高温度に到達した。その後、13分経過で90℃と、13分経過まで90℃台を維持し、15分経過したところで80℃台に下がった。そして、20分経過で84℃と、20分経過まで80℃台を維持した。
(考察)
実施例27の発熱剤と比較例12の発熱剤を比較すると、5分経過後の最高温度は同じであったが、実施例27の発熱剤の方が、90℃台以上を維持した時間も、80℃台以上を維持した時間も比較例12の発熱剤より長かった。また、25分経過後及び30分経過後の温度も、実施例27の発熱剤の方が比較例12の発熱剤より高かった。このように、実施例27の発熱剤では、上記配合中、鉄粉を200重量部添加したことにより発熱量の増加が認められた。
なお、前記各実施例1乃至実施例27及び各比較例1乃至比較例12で使用したアルミニウム粉、酸化カルシウム粉、塩化ナトリウム粉、炭酸水素ナトリウム粉、クエン酸粒及び鉄粉の粒度は、例えばアルミニウム粉、酸化カルシウム粉、塩化ナトリウム粉、炭酸水素ナトリウム粉及び鉄粉は平均粒度で50μmであり、クエン酸粒は0.5mmであるが、この粒度に限定されるものではない。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形が可能であるということは言うまでもない。
A 加熱機能を備えた食品容器
1 下容器
11 外輪体
12、13 封鎖板
14、15 支持棒
16 熱発生体収容空間部
17 切欠部
2 上容器
21 外輪体
22、23 封鎖板
24、25 係合片
26 食品収容空間部
3 巻き簀
4 熱発生体
5 炭酸ガス発生体
6 被加熱食品

Claims (7)

  1. 粉状及び/又は粒状の酸化カルシウムと粉状及び/又は粒状のアルミニウムを主剤とし、水との反応によって熱を発生する発熱剤であって、
    配合が、酸化カルシウムが30〜95重量部、アルミニウムが10〜50重量部、発熱反応におけるアルミニウムの反応を活性化する粉状及び/又は粒状の金属塩が2〜12重量部である、
    発熱剤。
  2. 金属塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムの群から選ばれた一又は二以上である、
    請求項1記載の発熱剤。
  3. 粉状及び/又は粒状の炭酸塩を1〜20重量部添加した、
    請求項1又は2記載の発熱剤。
  4. 炭酸塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムの群から選ばれた一又は二以上である、
    請求項3記載の発熱剤。
  5. 粉状及び/又は粒状の多孔質材料を2〜10重量部添加した、
    請求項1、2、3又は4記載の発熱剤。
  6. 多孔質材料が、活性炭、カーボンブラック、ゼオライト、リモナイト、ベントナイト、シラス、モンモリロナイト、カオリン、黒雲母の群から選ばれた一又は二以上である、
    請求項5記載の発熱剤。
  7. 鉄粉を添加した、
    請求項1、2、3又は4記載の発熱剤。
JP2013113375A 2012-06-04 2013-05-29 発熱構造 Expired - Fee Related JP6256969B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013113375A JP6256969B2 (ja) 2012-06-04 2013-05-29 発熱構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012127228 2012-06-04
JP2012127228 2012-06-04
JP2013113375A JP6256969B2 (ja) 2012-06-04 2013-05-29 発熱構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014012817A true JP2014012817A (ja) 2014-01-23
JP6256969B2 JP6256969B2 (ja) 2018-01-10

Family

ID=50108694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013113375A Expired - Fee Related JP6256969B2 (ja) 2012-06-04 2013-05-29 発熱構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6256969B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017115059A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 太平洋マテリアル株式会社 加水発熱剤
KR101810164B1 (ko) * 2015-09-07 2017-12-19 주식회사 쓰리스타 발열체 조성물 제조방법
WO2019137743A1 (en) * 2017-12-18 2019-07-18 Ihod Limited Composition for generating hydrogen
JP2020089815A (ja) * 2018-12-03 2020-06-11 古河電気工業株式会社 合成ガスの製造装置および合成ガスの製造方法
KR20210130949A (ko) * 2020-04-23 2021-11-02 이석도 콘크리트 시공용 발열체 조성물 및 이를 이용하여 제조된 철근 콘크리트 구조물 시공용 스페이서
KR20220074413A (ko) * 2020-11-27 2022-06-03 이석도 동절기 콘크리트 타설용 발열체 조성물

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5095186A (ja) * 1973-12-26 1975-07-29
JPH0391588A (ja) * 1989-09-05 1991-04-17 Paudaa Tec Kk 発熱組成物および発熱方法
JPH11146835A (ja) * 1997-11-18 1999-06-02 Kaihatsu Kogyo Kk レトルト食品加熱剤
JP2002053851A (ja) * 2000-08-10 2002-02-19 Kao Corp 温熱組成物
JP2002060741A (ja) * 2000-08-21 2002-02-26 Showa Denko Kk 発熱体組成物
JP2006241418A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Kyodo:Kk 発熱剤
JP2008231392A (ja) * 2006-10-02 2008-10-02 Energy Dyne Corp 発熱剤
WO2012070112A1 (ja) * 2010-11-24 2012-05-31 株式会社協同 発熱助剤、これを利用した発熱剤および加熱セット

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5095186A (ja) * 1973-12-26 1975-07-29
JPH0391588A (ja) * 1989-09-05 1991-04-17 Paudaa Tec Kk 発熱組成物および発熱方法
JPH11146835A (ja) * 1997-11-18 1999-06-02 Kaihatsu Kogyo Kk レトルト食品加熱剤
JP2002053851A (ja) * 2000-08-10 2002-02-19 Kao Corp 温熱組成物
JP2002060741A (ja) * 2000-08-21 2002-02-26 Showa Denko Kk 発熱体組成物
JP2006241418A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Kyodo:Kk 発熱剤
JP2008231392A (ja) * 2006-10-02 2008-10-02 Energy Dyne Corp 発熱剤
WO2012070112A1 (ja) * 2010-11-24 2012-05-31 株式会社協同 発熱助剤、これを利用した発熱剤および加熱セット

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101810164B1 (ko) * 2015-09-07 2017-12-19 주식회사 쓰리스타 발열체 조성물 제조방법
JP2017115059A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 太平洋マテリアル株式会社 加水発熱剤
WO2019137743A1 (en) * 2017-12-18 2019-07-18 Ihod Limited Composition for generating hydrogen
CN111788148A (zh) * 2017-12-18 2020-10-16 爱霍德有限公司 用于产生氢的组合物
JP2021506724A (ja) * 2017-12-18 2021-02-22 アイホッド リミテッド 水素を生成するための組成物
CN111788148B (zh) * 2017-12-18 2024-01-26 爱霍德有限公司 用于产生氢的组合物
JP2020089815A (ja) * 2018-12-03 2020-06-11 古河電気工業株式会社 合成ガスの製造装置および合成ガスの製造方法
JP7327929B2 (ja) 2018-12-03 2023-08-16 古河電気工業株式会社 合成ガスの製造装置および合成ガスの製造方法
KR20210130949A (ko) * 2020-04-23 2021-11-02 이석도 콘크리트 시공용 발열체 조성물 및 이를 이용하여 제조된 철근 콘크리트 구조물 시공용 스페이서
KR102547433B1 (ko) 2020-04-23 2023-06-22 이석도 콘크리트 시공용 발열체 조성물 및 이를 이용하여 제조된 철근 콘크리트 구조물 시공용 스페이서
KR20220074413A (ko) * 2020-11-27 2022-06-03 이석도 동절기 콘크리트 타설용 발열체 조성물
KR102481187B1 (ko) 2020-11-27 2022-12-23 이석도 동절기 콘크리트 타설용 발열체 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JP6256969B2 (ja) 2018-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6256969B2 (ja) 発熱構造
JP5928919B2 (ja) 投てき消火具用消火剤の製造方法
JP5725500B2 (ja) 消火液剤及びそれを充填した簡易消火用具
JPH09253231A (ja) 手投げ消火液弾
JP3901660B2 (ja) 水蒸気発生具
JPS60174455A (ja) 屈曲性電気化学加熱具
JP2008231392A (ja) 発熱剤
Zhang et al. Hot aerosol fire extinguishing agents and the associated technologies: a review
JP2016504425A (ja) 酸素活性式携帯型ヒータ向けの電解液の調製
JP2014128467A (ja) 温熱具
CN111635742A (zh) 一种自热食品发热包
JP2008542678A (ja) 低速調理用加温配合剤
US9150772B2 (en) Flameless heating composition
WO2017061459A1 (ja) 水蒸気発生体および温熱具
JP5648068B2 (ja) 発熱助剤、これを利用した発熱剤および加熱セット
KR101277378B1 (ko) 발열체 조성물 및 이를 이용한 식품 가열기구
CN108130054A (zh) 一种火山灰高效能食品级发热包的发热芯
JP2013195035A (ja) 水素ガスによる爆発を防止する方法及び加熱装置
JP6823332B1 (ja) 消火用具・消火器に充填される液体消火剤・防火剤、該液体消火剤・防火剤の製造方法、及び消火用具・消火器
JP5840554B2 (ja) 温熱具
JPH0391588A (ja) 発熱組成物および発熱方法
JP2004016753A (ja) 水蒸気発生体
JP2012000344A (ja) 発熱体の製造方法
JP4630682B2 (ja) 消火剤、消火器ならびに難燃剤、防炎シート、難燃繊維
JPH10298542A (ja) 食品加熱剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170522

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6256969

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees