JP2014011436A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の基板であってもフラッシュ光照射によって加熱することができる熱処理装置および熱処理方法を提供する。
【解決手段】処理対象となる基板Wはステージ10に保持されている。ステージ10の上方には、照射領域が基板Wよりも小さい照射部20のランプハウス21が移動機構40によって移動可能に設けられている。ランプハウス21には複数のフラッシュランプFLが内蔵されている。基板Wの表面全面を複数の処理領域に区分けし、各処理領域に対向する処理位置にランプハウス21を移動させ、複数の処理領域に対して順次にフラッシュ光照射を行う。このような分割照射を行えば、大幅なコストアップを生じさせることなく、大型の基板Wに対してもフラッシュ光照射によって加熱処理を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ(FPD)用途などに用いられる大型の基板の表面にフラッシュ光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理装置および熱処理方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物(ドーパント)の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。
近年、半導体デバイスのさらなる微細化の進展にともなって、より浅い接合が求められており、フラッシュランプアニール(FLA)によって不純物を極めて短時間加熱して拡散を抑制しつつ活性化させる技術が試みられている。フラッシュランプアニールは、キセノンのフラッシュランプを使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できるため、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行して浅い接合を実現することができるのである。
また、より照射時間の短いフラッシュランプアニールを行うため、特許文献1にはフラッシュランプと被照射物との間にシャッターを設け、フラッシュ光の照射時間を調節する技術が開示されている。
特開2004−303792号公報
このようなフラッシュランプアニールは、FPD用途に用いられるガラス基板上に成膜された機能層(例えば、電極層や不純物注入されたシリコン層など)の熱処理にも有効である。ところが、近年、ガラス基板のサイズは大型化の一途を辿っており、例えば、第5世代(G5)のガラス基板では1100mm×1300mm、第8世代(G8)のガラス基板では2200mm×2500mmにもなる。
フラッシュランプアニールの特長の一つは、対象物の表面全面に対して一括してフラッシュ光を照射できることであり、半導体ウェハー(一般的にはφ300mm)であれば全面一括照射が比較的容易に可能である。しかしながら、上記のような大型のガラス基板の全長をカバーできるような長さのフラッシュランプは存在していない。仮に、多数のフラッシュランプを2次元的に配列して大型のガラス基板の全面をカバーしたとしても、そのために必要となるフラッシュランプおよび電源ユニットが数が膨大となり、著しいコストアップとなって現実的ではない。このような事情によって、大型のガラス基板に対するフラッシュランプアニールは困難なものとなっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、大型の基板であってもフラッシュ光照射によって加熱することができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板の表面にフラッシュ光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理装置において、基板を保持するステージと、フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有し、前記基板の表面よりも小さな面積の範囲にフラッシュ光を照射する照射部と、前記ステージに対して前記ランプハウスを相対移動させる移動機構と、前記ステージ、前記ランプハウスおよび前記移動機構を収容するチャンバーと、前記照射部に電力を供給する複数の蓄電部と、前記複数の蓄電部と前記照射部との接続を切り替える切替部と、前記熱処理装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数の蓄電部のうちの第1の蓄電部からの電力供給によって前記照射部が前記基板の表面の第1の領域にフラッシュ光を照射した後、前記第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置に前記ランプハウスが相対移動するとともに、前記照射部への接続が前記第1の蓄電部から第2の蓄電部に切り替わり、前記第2の蓄電部からの電力供給によって前記照射部が前記第2の領域にフラッシュ光を照射するように前記熱処理装置を制御することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記照射部から出射されたフラッシュ光の前記基板の表面における照射領域を規定するマスク部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記制御部は、前記照射部への接続が前記第1の蓄電部から前記第2の蓄電部に切り替わっている間に、前記第1の蓄電部に充電するように前記基板処理装置を制御することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記チャンバーの内壁および前記ランプハウスの外壁は、フラッシュ光を吸収する物質にて被覆されていることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、基板の表面にフラッシュ光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理装置において、基板を保持するステージと、フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有し、前記基板の表面よりも小さな面積の範囲にフラッシュ光を照射する照射部と、前記ステージに対して前記ランプハウスを相対移動させる移動機構と、前記ステージ、前記ランプハウスおよび前記移動機構を収容するチャンバーと、前記照射部から出射されたフラッシュ光の前記基板の表面における照射領域を規定するマスク部と、前記熱処理装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記マスク部によって照射領域を前記基板の表面の第1の領域に規定した状態で前記照射部がフラッシュ光を出射した後、前記第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置に前記ランプハウスが相対移動し、前記マスク部によって照射領域を前記第2の領域に規定した状態で前記照射部がフラッシュ光を出射するように前記熱処理装置を制御することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、基板の表面にフラッシュ光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理方法において、(a)フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有する照射部がステージに保持された基板の表面の第1の領域に対向する工程と、(b)第1の蓄電部からの電力供給によって前記照射部が前記基板の表面の第1の領域にフラッシュ光を照射する工程と、(c)前記第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置に前記ランプハウスが前記ステージに対して相対移動する工程と、(d)前記照射部への接続を前記第1の蓄電部から第2の蓄電部に切り替える工程と、(e)前記第2の蓄電部からの電力供給によって前記照射部が前記基板の表面の前記第2の領域にフラッシュ光を照射する工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項6の発明に係る熱処理方法において、前記照射部への接続が前記第1の蓄電部から前記第2の蓄電部に切り替わっている間に、前記第1の蓄電部に充電することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、基板の表面にフラッシュ光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理方法において、(a)フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有する照射部がステージに保持された基板の表面の第1の領域に対向する工程と、(b)マスク部によって前記照射部の照射領域を前記第1の領域に規定した状態で前記照射部がフラッシュ光を出射する工程と、(c)前記第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置に前記ランプハウスが前記ステージに対して相対移動する工程と、(d)前記マスク部によって前記照射部の照射領域を前記第2の領域に規定した状態で前記照射部がフラッシュ光を出射する工程と、を備えることを特徴とする。
請求項1から請求項4の発明によれば、複数の蓄電部のうちの第1の蓄電部からの電力供給によって照射部が基板の表面の第1の領域にフラッシュ光を照射した後、第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置にランプハウスが相対移動するとともに、照射部への接続が第1の蓄電部から第2の蓄電部に切り替わり、第2の蓄電部からの電力供給によって照射部が第2の領域にフラッシュ光を照射するため、基板表面の複数の領域に順次にフラッシュ光を照射することとなり、大型の基板であってもフラッシュ光照射によって加熱することができる。また、フラッシュ光を照射する領域を変更するときに蓄電部も切り替えているため、ランプハウスの相対移動後に直ちにフラッシュ光照射を行うことができ、基板の加熱処理に要する時間を短くすることができる。
特に、請求項2の発明によれば、照射部から出射されたフラッシュ光の基板の表面における照射領域を規定するマスク部をさらに備えるため、基板表面の他の領域にフラッシュ光が到達するのを防止することができる。
特に、請求項4の発明によれば、チャンバーの内壁およびランプハウスの外壁がフラッシュ光を吸収する物質にて被覆されているため、ランプハウスから漏れた光がチャンバーの内壁面やランプハウスの外壁面で反射して基板に到達するのを防止することができる。
また、請求項5の発明によれば、マスク部によって照射領域を基板の表面の第1の領域に規定した状態で照射部がフラッシュ光を出射した後、第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置にランプハウスが相対移動し、マスク部によって照射領域を第2の領域に規定した状態で照射部がフラッシュ光を出射するため、基板表面の複数の領域に順次にフラッシュ光を照射することとなり、大型の基板であってもフラッシュ光照射によって加熱することができる。また、マスク部によって照射領域を規定しているため、基板表面の他の領域にフラッシュ光が到達するのを防止することができる。
また、請求項6および請求項7の発明によれば、フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有する照射部がステージに保持された基板の表面の第1の領域に対向する工程と、第1の蓄電部からの電力供給によって照射部が基板の表面の第1の領域にフラッシュ光を照射する工程と、第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置にランプハウスがステージに対して相対移動する工程と、照射部への接続を第1の蓄電部から第2の蓄電部に切り替える工程と、第2の蓄電部からの電力供給によって照射部が基板の表面の第2の領域にフラッシュ光を照射する工程と、を備えるため、基板表面の複数の領域に順次にフラッシュ光を照射することとなり、大型の基板であってもフラッシュ光照射によって加熱することができる。また、フラッシュ光を照射する領域を変更するときに蓄電部も切り替えているため、ランプハウスの相対移動後に直ちにフラッシュ光照射を行うことができ、基板の加熱処理に要する時間を短くすることができる。
また、請求項8の発明によれば、フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有する照射部がステージに保持された基板の表面の第1の領域に対向する工程と、マスク部によって照射部の照射領域を第1の領域に規定した状態で照射部がフラッシュ光を出射する工程と、第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置にランプハウスがステージに対して相対移動する工程と、マスク部によって照射部の照射領域を第2の領域に規定した状態で照射部がフラッシュ光を出射する工程と、を備えるため、基板表面の複数の領域に順次にフラッシュ光を照射することとなり、大型の基板であってもフラッシュ光照射によって加熱することができる。また、マスク部によって照射領域を規定しているため、基板表面の他の領域にフラッシュ光が到達するのを防止することができる。
本発明に係る熱処理装置の全体概略構成を示す縦断面図である。 ステージおよび移動機構を上方から見た平面図である。 フラッシュランプの発光回路を示す図である。 アパーチャ板によってフラッシュ光の照射領域が規定される様子を説明する図である。 基板の表面を複数の処理領域に区分けした状態を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る熱処理装置1の全体概略構成を示す縦断面図である。この熱処理装置1は、いわゆる大型ガラス基板を含む基板Wに対してフラッシュ光を照射することによって、当該基板Wを加熱するフラッシュランプアニール装置である。なお、図1および以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を適宜付している。また、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
熱処理装置1は、主たる要素として、基板Wを保持するステージ10と、基板Wにフラッシュ光を照射する照射部20と、照射部20のランプハウス21をステージ10に対して相対移動させる移動機構40と、これらを収容するチャンバー15と、を備える。また、熱処理装置1は、装置に設けられた各種動作機構を制御して処理を進行させる制御部9を備える。
チャンバー15は、中空の箱状の筐体である。チャンバー15は金属材料(例えば、アルミニウム合金など)にて形成されている。チャンバー15には、図示省略の搬出入口が設けられており、当該搬出入口を介して基板Wの搬出入が行われる。その搬出入口を閉鎖した状態では、チャンバー15内が密閉空間とされる。また、チャンバー15の内壁面には光を吸収する黒色塗装が施されている。黒色塗装としては、例えばチャンバー15がアルミニウム合金にて形成されている場合には、黒アルマイト処理を用いることができる。
ステージ10は、矩形の平板状の部材である。ステージ10は、金属材料(例えば、ステンレススチールなど)にて形成されており、少なくともその上面はXY平面と平行な平坦面とされている。ステージ10の平面サイズは、処理対象となる基板Wの平面サイズよりも若干大きい。ステージ10には、図示省略の真空吸着機構が設けられており、上面に載置された基板Wを吸着保持する。また、ステージ10には、フラッシュ光照射前に基板Wを予備加熱するためのヒータを設けるようにしても良い。さらに、ステージ10には、XY平面内における角度を微調整するためのθ補正機構を設けるようにしても良い。
照射部20は、ランプハウス21、複数のフラッシュランプFLおよびリフレクタ22を備える。ランプハウス21は、箱状の筐体であり、金属材料(例えば、アルミニウム合金など)にて形成されている。複数のフラッシュランプFLおよびリフレクタ22はランプハウス21の内側に収容されている。また、ランプハウス21の底部には放射窓23が装着されている。放射窓23は、石英により形成された板状の石英窓であり、照射部20はこの放射窓23を介してフラッシュ光を照射する。さらに、ランプハウス21の外壁面には、チャンバー15の内壁面に対するのと同様の光を吸収する黒色塗装が施されている。なお、放射窓23に黒色塗装が施されていないことは勿論である。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向がY方向に沿って互いに平行となるように平面状に配列されている。各フラッシュランプFLのランプ長は、100mm〜1500mmであり、本実施形態では500mmである。また、ランプハウス21に収容されるフラッシュランプFLの本数は5本〜100本であり、本実施形態では30本である(図1では、図示の便宜上5本のみ示している)。ランプハウス21に収容されるフラッシュランプFLのランプ長および本数は、処理対象となる基板Wのサイズ、および、基板Wから面取りするパネルのサイズ(例えば、基板Wから42インチディスプレイ用のパネルを採取する場合のそのパネルサイズ)に応じて上述の範囲内で適宜に設定することができる。そして、フラッシュランプFLのランプ長および本数に応じてランプハウス21の平面サイズも適宜に設定することができる。本実施形態のランプハウス21の平面サイズは600mm×600mmである。
また、本実施形態では、フラッシュランプFLとしてキセノンフラッシュランプを用いている。図3は、フラッシュランプFLの発光回路を示す図である。フラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部に陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)82と、該ガラス管82の外周面上に付設されたトリガー電極81とを備える。フラッシュランプFLの陽極および陰極には、コイル84、スイッチ85、コンデンサ86a,86bが接続されている。コンデンサ86a,86bは同一種のものであり、同じ容量を有している。コンデンサ86a,86bには、それぞれ電源ユニット87a,87bによって所定の電圧が印加され、その印加電圧(充電電圧)に応じた電荷が充電される。コイル84は、フラッシュランプFLの発光時に、コンデンサ86aまたはコンデンサ86bからフラッシュランプFLに流れる電流のパルス長を規定する。
スイッチ85は、フラッシュランプFLの接続先をコンデンサ86aまたはコンデンサ86bのいずれかに択一的に切り替える。スイッチ85が図3の実線に示す状態であれば、フラッシュランプFLはコンデンサ86bと接続される。一方、スイッチ85が図3の二点鎖線に示す状態であれば、フラッシュランプFLはコンデンサ86aと接続される。スイッチ85の動作は制御部9によって制御される。
また、トリガー電極81にはトリガー回路83から高電圧を印加することができる。トリガー回路83がトリガー電極81に電圧を印加するタイミングは制御部9によって制御される。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサ86(コンデンサ86aとコンデンサ86bとを特に区別しない場合にはコンデンサ86と総称する)に電荷が蓄積されてガラス管92の両端電極に高電圧が印加されたとしても、通常の状態ではガラス管82内に電気は流れない。しかしながら、トリガー回路83がトリガー電極81に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサ86に蓄えられた電気が両端電極間の放電によってガラス管82内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサ86に蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリ秒ないし100ミリ秒という極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯のランプに比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。なお、図3に示す発光回路は、複数のフラッシュランプFLのそれぞれについて設けられている。
図1に戻り、リフレクタ22は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ22の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を放射窓23の側に反射するというものである。
照射部20のランプハウス21は、移動機構40によってステージ10に対して相対移動される。図2は、ステージ10および移動機構40を上方から見た平面図である。移動機構40は、X方向駆動機構45およびY方向駆動機構55を備える。X方向駆動機構45は、第1ガイド46および第1駆動ブロック47を備えた直線駆動機構である。また、X方向駆動機構45は、第1ガイド46がステージ10の上方を跨ぐ架橋構造を有する。第1ガイド46はX方向に沿って直線状に延設されている。第1ガイド46に取り付けられた第1駆動ブロック47の下側にはランプハウス21が固設されている。第1駆動ブロック47は、ステッピングモータを内蔵しており、ガイド46に沿ってX方向に沿って移動することができる。第1駆動ブロック47の移動距離および移動速度は、制御部9が第1駆動ブロック47に内蔵されたステッピングモータの動作を制御することによって規定される。X方向駆動機構45によってランプハウス21はX方向に沿って直線移動される。
一方、Y方向駆動機構55は、第2ガイド56および第2駆動ブロック57(図1)を備えた直線駆動機構である。第2ガイド56は、ステージ10のX方向の両側部にY方向に沿って直線状に延設されている。X方向駆動機構45の架橋構造の下端部は、第2ガイド56に取り付けられた第2駆動ブロック57に固設されている。第2駆動ブロック57は、ステッピングモータを内蔵しており、第2ガイド56に沿ってY方向に沿って移動することができる。第2駆動ブロック57の移動距離および移動速度は、制御部9が第2駆動ブロック57に内蔵されたステッピングモータの動作を制御することによって規定される。Y方向駆動機構55によってランプハウス21およびX方向駆動機構45がY方向に沿って直線移動される。
このような構造を有する移動機構40によって、照射部20のランプハウス21はステージ10の上方のXY平面(ステージ10の上面と平行な平面)内にて二次元的に移動して任意の位置に到達することができる。なお、X方向駆動機構45およびY方向駆動機構55としては、上記の例に限定されるものではなく、リニアモータ、ベルト駆動機構、ベールネジを用いたネジ送り機構など、公知の種々の直線駆動機構を採用することができる。
また、図1に示すように、照射部20のランプハウス21にはアパーチャ板60が付設されている。アパーチャ板60は、正方形の開口65を有する板状部材であり、照射部20の放射窓23から所定の距離を隔ててXY平面に設置されている。アパーチャ板60の平面サイズ(外寸)はランプハウス21の平面サイズよりも大きく、開口65の平面サイズはランプハウス21の平面サイズよりも小さい。本実施形態においては、アパーチャ板60がランプハウス21とともに移動機構40によってステージ10に対して移動される。このアパーチャ板60によって、照射部20から出射されたフラッシュ光の基板W表面における照射領域を規定するのであるが、これについてはさらに後述する。
また、熱処理装置1は、チャンバー15内に処理ガスを供給するガス供給機構70およびチャンバー15から雰囲気の排気を行う排気機構75を備える。ガス供給機構70は、処理ガス供給源71、供給配管72および供給バルブ73を備える。供給配管72の先端側はチャンバー15内に連通接続され、基端側は処理ガス供給源71に接続される。供給配管72の経路途中に供給バルブ73が設けられる。供給バルブ73を開放することによって、処理ガス供給源71からチャンバー15内に処理ガスが供給される。処理ガス供給源71は、基板Wの処理目的に応じた適宜の処理ガスを供給することが可能であるが、本実施形態では窒素ガス(N)を供給する。
排気機構75は、排気装置76、排気配管77および排気バルブ78を備える。排気配管77の先端側はチャンバー10内に連通接続され、基端側は排気装置76に接続される。排気配管77の経路途中に排気バルブ78が設けられる。排気装置76としては、真空ポンプや熱処理装置1が設置される工場の排気ユーティリティを用いることができる。排気装置76を作動させつつ、排気バルブ78を開放することによって、チャンバー15内の雰囲気を装置外に排出することができる。これらガス供給機構70および排気機構75によって、チャンバー15内の雰囲気を調整することができる。
制御部9は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部9のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部9は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部9のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。
次に、上記構成を有する熱処理装置1における基板Wの処理手順について説明する。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部9が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、熱処理装置1のチャンバー15に処理対象となる基板Wが搬入される。基板Wの搬入は、例えば装置外部の搬送ロボットによって行うようにすれば良い。本実施形態の基板Wは、ガラス基板の上面に電極層やシリコン層などの機能層を形成して構成される。また、本実施形態の基板Wの平面サイズは、1300mm×1500mm(G5.7)である。
チャンバー15内に搬入された基板Wはステージ10の上面に載置されて水平姿勢(XY平面に沿う姿勢)にて吸着保持される。基板Wは表面を上面側に向けてステージ10に保持される。基板Wの表面とは機能層が形成された側の面であり、裏面とはその反対側(ガラス基板側)の面である。
また、基板Wがチャンバー15に搬入されて、チャンバー15内が密閉空間とされた後、ガス供給機構70からチャンバー10内に窒素ガスを供給するとともに、排気機構75による排気を行う。これにより、チャンバー15内に窒素ガスの気流が形成されて窒素雰囲気に置換される。
次に、移動機構40によって照射部20のランプハウス21がステージ10に保持された基板W上方の処理位置にまで移動する。ここで、本実施形態の基板Wの平面サイズが1300mm×1500mmであるのに対してランプハウス21の平面サイズは600mm×600mmである。すなわち、ランプハウス21の平面サイズに比較して基板Wのサイズは顕著に大きく、アパーチャ板60が存在しない場合に照射部20から基板Wの表面にフラッシュ光が照射される範囲は基板Wの平面サイズよりも小さな面積である。従って、ランプハウス21を基板W上方の如何なる位置に移動させたとしても、照射部20から基板Wの表面の全面にフラッシュ光を一括照射することは不可能である。
このため、本実施形態においては、ステージ10に保持された基板W上方の複数の処理位置にランプハウス21を順次に移動させ、各処理位置にてフラッシュ光照射を行うようにしている。この際に、フラッシュ光を照射すべき領域とは異なる領域に光が到達しないように、アパーチャ板60によって基板W表面におけるフラッシュ光の照射領域を規定している。
図4は、アパーチャ板60によってフラッシュ光の照射領域が規定される様子を説明する図である。複数のフラッシュランプFLのそれぞれは円筒形状の棒状ランプであり、各フラッシュランプFLから出射されるフラッシュ光は周囲に放射状に拡がる拡散光である。各フラッシュランプFLから上方に向けて出射されたフラッシュ光はリフレクタ22によって下方に反射される。これら複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光(リフレクタ22による反射光を含む)が合成された結果、図4(a)に示すように、照射部20の放射窓23から下方に向けて出射されるフラッシュ光も下方に向かうほど拡がる拡散光となる。
照射部20のランプハウス21と基板Wとの間にはアパーチャ板60が配設されている。アパーチャ板60には正方形の開口65が形成されている。照射部20の放射窓23から下方に向けて出射されるフラッシュ光のうちアパーチャ板60の開口65を通過した光が基板Wの表面に到達する。そして、基板Wの表面において、開口65を通過したフラッシュ光が到達する領域がアパーチャ板60によって規定されるフラッシュ光の照射領域LAである。
開口65は正方形であるため、基板Wの表面におけるフラッシュ光の照射領域も正方形となる。図4(b)に、フラッシュ光の照射領域LAとランプハウス21の平面形状との対比を示す。上述したように、ランプハウス21の平面サイズは600mm×600mmである。一方、照射部20から出射され、アパーチャ板60によって規定された基板Wの表面におけるフラッシュ光の照射領域LAは500mm×500mmの正方形であり、ランプハウス21の平面形状よりも小さい。
本実施形態においては、ステージ10に保持された基板Wの表面を500mm×500mmの正方形の照射領域LAに対応させるべく複数の処理領域PAに区分けしている。図5は、基板Wの表面を複数の処理領域PAに区分けした状態を示す図である。基板Wの平面サイズが1300mm×1500mmであり、これを500mm×500mmの正方形の照射領域LAを基本単位として区分けすると、X方向およびY方向ともに3分割される。すなわち、1300mm×1500mmの基板Wの表面全面を500mm×500mmの正方形の照射領域LAによって隙間無く、かつ、重複部分無く覆うためには、X方向およびY方向ともに3つの照射領域LAを並べる必要がある。複数の照射領域LAによって基板Wの表面全面を隙間無く、かつ、重複部分無く覆うのは、基板Wの表面全面に均一にフラッシュ光を照射するためである。
そして、X方向およびY方向ともに3つずつ配列された照射領域LAに対応して、基板Wの表面全面が9つの処理領域PAに区分けされる。Y方向に関しては過不足無く3分割され、全ての処理領域PAのY方向長さは500mmとなる、一方、X方向に関しては中央の処理領域PAの長さは照射領域LAと同じ500mmとなるが、両端の処理領域PAの長さは照射領域LAよりも短い400mmとなる。
基板Wがステージ10に保持された後、移動機構40によって照射部20のランプハウス21が図5の紙面で左上の処理領域PAに対向する処理位置に移動する。また、ランプハウス21とともにアパーチャ板60も左上の処理領域PAに対向する位置に移動する。これにより、照射部20からのフラッシュ光の照射領域LAが左上の処理領域PAに規定されることとなる。そして、ランプハウス21が当該処理位置に停止している状態にて、照射部20の複数のフラッシュランプFLが一斉に点灯する。この最初の照射時には、各フラッシュランプFLはコンデンサ86aと接続されており(図3の二点鎖線の接続)、コンデンサ86aからフラッシュランプFLに電力供給が行われる。なお、コンデンサ86aには、予め電源ユニット87aによって所定の充電電圧にて充電されている。
フラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光(リフレクタ22によって反射されたフラッシュ光を含む)は、アパーチャ板60の開口65を通過してステージ10に保持された基板Wの表面へと向かい、図5の左上の処理領域PAに到達する。なお、当該処理領域PAは、X方向長さが400mmであり、照射領域LAよりも短い。よって、処理領域PAの左端から100mmの余剰照射領域が生じることとなり、その余剰照射領域ではステージ10の上面に直接フラッシュ光が照射されることとなる。
フラッシュランプFLから出射されるフラッシュ光は、コンデンサ86aに予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリ秒以上100ミリ秒以下程度の極めて短く強い閃光である。すなわち、コンデンサ86aからの電力供給によって照射部20は図5左上の処理領域PAに照射時間0.1ミリ秒以上100ミリ秒以下のフラッシュ光照射を行う。これにより、基板Wの当該処理領域PAにおいては、表面の機能層が瞬間的にフラッシュ加熱されて必要な処理温度にまで昇温され、その後急速に降温する。
フラッシュランプFLの照射時間は0.1ミリ秒以上100ミリ秒以下程度の極めて短時間であるため、基板Wの表面側に形成された機能層のみが必要な処理温度にまで昇温され、ガラス基板はほとんど昇温しない。従って、機能層を高温にフラッシュ加熱する場合であっても、ガラス基板に熱的ダメージを与えることを最小限に抑制することができる。また、短時間の加熱処理が要求されている場合(例えば、機能層がシリコン層である場合のドーパントの活性化処理)であっても、フラッシュ加熱であればその要求を満足することができる。
次に、図5左上の処理領域PAに対するフラッシュ光照射が終了した後、移動機構40によって照射部20のランプハウス21が(+X)方向に移動し、図5の左上の処理領域PAから上側中央の処理領域PAに対向する処理位置に移動する。ランプハウス21とともにアパーチャ板60も上側中央の処理領域PAに対向する位置に移動する。これにより、照射部20からのフラッシュ光の照射領域LAが上側中央の処理領域PAに規定されることとなる。また、これと並行して制御部9の制御によってスイッチ85が作動し、各フラッシュランプFLへの接続がコンデンサ86aからコンデンサ86bに切り替わる(図3の実線)。コンデンサ86bには予め電源ユニット87bによって所定の充電電圧にて充電されている。なお、コンデンサ86aおよびコンデンサ86bの充電電圧は等しい。
続いて、ランプハウス21が図5の上側中央の処理領域PAに対向する処理位置に移動後に停止している状態にて、照射部20の複数のフラッシュランプFLが再び一斉に点灯する。この2回目の照射時には、各フラッシュランプFLはコンデンサ86bと接続されており、コンデンサ86bからフラッシュランプFLに電力供給が行われる。すなわち、コンデンサ86bからの電力供給によって照射部20は図5上側中央の処理領域PAに照射時間0.1ミリ秒以上100ミリ秒以下のフラッシュ光照射を行う。これにより、基板Wの当該処理領域PAにおいては、表面の機能層が瞬間的にフラッシュ加熱されて必要な処理温度にまで昇温され、その後急速に降温する。
また、照射部20の各フラッシュランプFLへの接続がコンデンサ86aからコンデンサ86bに切り替えられている間に、電源ユニット87aによってコンデンサ86aの充電が行われる。このときの充電電圧は、初期のコンデンサ86aおよびコンデンサ86bに対する充電電圧と等しい。
次に、図5上側中央の処理領域PAに対するフラッシュ光照射が終了した後、移動機構40によって照射部20のランプハウス21が(+X)方向にさらに移動し、図5の上側中央の処理領域PAから右上の処理領域PAに対向する処理位置に移動する。ランプハウス21とともにアパーチャ板60も右上の処理領域PAに対向する位置に移動する。これにより、照射部20からのフラッシュ光の照射領域LAが右上の処理領域PAに規定されることとなる。また、これと並行して制御部9の制御によってスイッチ85が作動し、各フラッシュランプFLへの接続がコンデンサ86bから再充電されたコンデンサ86aに切り替わる。
そして、ランプハウス21が右上の処理領域PAに対向する処理位置に停止している状態にて、照射部20の複数のフラッシュランプFLが再び一斉に点灯する。この3回目の照射時には、各フラッシュランプFLは再びコンデンサ86aと接続されており、コンデンサ86aからフラッシュランプFLに電力供給が行われる。すなわち、コンデンサ86aからの電力供給によって照射部20は図5右上の処理領域PAに照射時間0.1ミリ秒以上100ミリ秒以下のフラッシュ光照射を行う。これにより、基板Wの当該処理領域PAにおいては、表面の機能層が瞬間的にフラッシュ加熱されて必要な処理温度にまで昇温され、その後急速に降温する。また、照射部20の各フラッシュランプFLへの接続がコンデンサ86bからコンデンサ86aに切り替えられている間に、電源ユニット87bによってコンデンサ86bの充電が行われる。
以降、同様の手順が繰り返されて基板Wの表面の9つの処理領域PAに対して順次に照射部20からフラッシュ光照射が行われる。そして、最後に図5の右下の処理領域PAに対するフラッシュ光照射が終了することによって、基板Wの全面に対するフラッシュ光照射が完了する。その後、ステージ10による基板Wの吸着保持が解除され、チャンバー15から処理後の基板Wが搬出される。これにより、熱処理装置1における一連の熱処理が完了する。なお、基板Wを搬出する前に、チャンバー15内を大気雰囲気に置換するようにしても良い。
本実施形態においては、処理対象となる基板Wの表面全面を複数の処理領域PAに区分けし、各処理領域PAに対向する処理位置にランプハウス21を移動させ、複数の処理領域PAに対して順次にフラッシュ光照射を行っている。1300mm×1500mmの基板Wに対してフラッシュ光の一括照射を行うためには、フラッシュランプFLのランプ長および本数を著しく増大しなければならず、それにともなって大幅なコストアップが生じる。本実施形態のように複数の処理領域PAに対して順次にフラッシュ光照射を行う分割照射を行えば、大型の基板Wに対してフラッシュ加熱を行う場合であっても、大幅なコストアップを抑制することができる。
また、本実施形態では、各フラッシュランプFLについて2個のコンデンサ86a,86bを設けている。そして、コンデンサ86aからの電力供給によって照射部20のフラッシュランプFLが基板Wの表面の第1の処理領域PAにフラッシュ光を照射してフラッシュ加熱を行う。その後、第1の処理領域PAとは異なる基板Wの表面の第2の処理領域PAに対向する位置にランプハウス21が移動するとともに、照射部20の各フラッシュランプFLへの接続がコンデンサ86aからコンデンサ86bに切り替わる。続いて、コンデンサ86bからの電力供給によって照射部20のフラッシュランプFLが第2の処理領域PAにフラッシュ光を照射してフラッシュ加熱を行う。すなわち、処理領域PAを変更する際に、フラッシュランプFLに電力供給を行うコンデンサ86をも切り替えているのである。
極めて短く強いフラッシュ光を照射するフラッシュランプFLに電力供給を行うためのコンデンサ86は非常に容量が大きいため、1回フラッシュ光照射を行って放電した後のコンデンサ86への充電には相応の時間を要する(残留電荷にも依存するが概ね数十秒程度)。本実施形態のような分割照射を行う場合に、各フラッシュランプFLに1個のコンデンサ86しか設けていなければ、ランプハウス21が新たな処理領域PAに対向する位置に移動した後、コンデンサ86への充電が完了するまでに要する時間が待機時間となり、1枚の基板Wの処理に要する時間が長くなる。本実施形態のように、各フラッシュランプFLに2個のコンデンサ86を設け、処理領域PAを変更する毎にコンデンサ86を切り替えるようにすれば、ランプハウス21が新たな処理領域PAに対向する位置に移動した後、直ちにフラッシュ光照射を行うことができ、基板Wの処理時間を短くしてスループットを向上させることができる。
また、本実施形態では、照射部20の各フラッシュランプFLへの接続がコンデンサ86aからコンデンサ86bに切り替わっている間に、コンデンサ86aへの充電を行っている。このため、各フラッシュランプFLへの接続がコンデンサ86bから再びコンデンサ86aに切り替わったときに、直ちにフラッシュランプFLへの電力供給を行うことができる。
また、本実施形態では、照射部20から出射されたフラッシュ光の基板Wの表面における照射領域LAをアパーチャ板60によって規定している。照射領域LAのサイズはアパーチャ板60によって正確に定められる。その結果、分割照射に際して必要な複数の処理領域PAの区分けが可能となる。
また、アパーチャ板60の平面サイズはランプハウス21の平面サイズよりも大きく、照射部20の放射窓23から出射されてアパーチャ板60の開口65を通過しなかったフラッシュ光が隣接する処理領域PAに到達するのを防止することができる。これにより、部分的な二重フラッシュ光照射を防止することができ、基板Wの全面にわたって均一なフラッシュ加熱を行うことができる。
さらに、本実施形態においては、チャンバー15の内壁面およびランプハウス21の外壁面には、フラッシュ光を吸収する黒色塗装が施されている。これにより、ランプハウス21とアパーチャ板60との間から漏れた光がチャンバー15の内壁面やランプハウス21の外壁面で反射して基板Wに到達するのを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、移動機構40によってランプハウス21を固定設置されたステージ10に対して移動させるようにしていたが、固定されたランプハウス21に対して基板Wを保持するステージ10を二次元的に移動させるようにしても良い。また、ランプハウス21およびステージ10の双方を移動させるようにしても良い。すなわち、ステージ10に対してランプハウス21を相対移動させる形態であれば良い。もっとも、大型の基板Wを保持するステージ10は相応の大きさ(基板Wよりも若干大きい)となるため、上記実施形態のようにランプハウス21を移動させる方が好ましい。
また、上記実施形態においては、処理対象となる基板Wの平面サイズを1300mm×1500mm(G5.7)としていたが、これに限定されるものではなく、照射部20からの1回のフラッシュ光照射では全面を一括照射することが不可能なサイズの基板Wであれば本発明に係る熱処理技術の対象となり得る。例えば、基板Wの平面サイズはさらに大型の2200mm×2500mm(G8)であっても良い。この場合、基板Wの表面を500mm×500mmの正方形の照射領域LAを基本単位として区分けすると、X方向およびY方向ともに5分割され、その結果25の処理領域PAに区分けされる。これら25の処理領域PAに対して、上記実施形態と同様にして順次にフラッシュ光照射を行うことにより、G8の基板Wの全面に対するフラッシュ光照射が実行される。
また、上記実施形態においては、各フラッシュランプFLについて2個のコンデンサ86a,86bを設けるようにしていたが、3個以上のコンデンサ86を設けるようにしても良い。この場合であっても、処理領域PAを変更する毎に、フラッシュランプFLに電力供給を行うコンデンサ86を順次に切り替えるようにすれば良い。
また、上記実施形態においては、アパーチャ板60によって照射領域LAを規定するとともに、他の処理領域PAにフラッシュ光が到達するのを防止していたが、これに代えて液晶シャッターなどを用いるようにしても良い。すなわち、照射部20から出射されたフラッシュ光の基板Wの表面における照射領域LAを規定することができる種々のマスク部材を採用することができる。特に、照射領域LAの形状に微調整を加えたい場合には、OPC(Optical Proximity Correction)マスクなどを用いるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、黒アルマイト処理によってチャンバー15の内壁面およびランプハウス21の外壁面にフラッシュ光を吸収する黒色塗装を施していたが、これに限定されるものではなく、光を吸収する性質を有する有色の塗料を塗布するようにしても良い。すなわち、フラッシュ光を吸収する物質によってチャンバー15の内壁面およびランプハウス21の外壁面を被覆するようにすれば良い。
また、基板Wの機能層に必要な処理温度が高温である場合には、ステージ10に内蔵したヒータによって予備加熱した基板Wにフラッシュ光照射を行うようにしても良い。
また、上記実施形態では、ランプハウス21にキセノンのフラッシュランプFLを備えていたが、これに代えてクリプトンなどの他の希ガスのフラッシュランプを用いるようにしても良い。
本発明に係る熱処理装置および熱処理方法は、種々の基板のフラッシュ加熱に適用することができるが、特にフラットパネルディスプレイ(FPD)用途に用いられる大型の基板の熱処理に好適に利用することができる。
1 熱処理装置
9 制御部
10 ステージ
15 チャンバー
20 照射部
21 ランプハウス
40 移動機構
45 X方向駆動機構
55 Y方向駆動機構
60 アパーチャ板
65 開口
81 トリガー電極
85 スイッチ
86a,86b コンデンサ
FL フラッシュランプ
W 基板

Claims (8)

  1. 基板の表面にフラッシュ光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を保持するステージと、
    フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有し、前記基板の表面よりも小さな面積の範囲にフラッシュ光を照射する照射部と、
    前記ステージに対して前記ランプハウスを相対移動させる移動機構と、
    前記ステージ、前記ランプハウスおよび前記移動機構を収容するチャンバーと、
    前記照射部に電力を供給する複数の蓄電部と、
    前記複数の蓄電部と前記照射部との接続を切り替える切替部と、
    前記熱処理装置を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記複数の蓄電部のうちの第1の蓄電部からの電力供給によって前記照射部が前記基板の表面の第1の領域にフラッシュ光を照射した後、前記第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置に前記ランプハウスが相対移動するとともに、前記照射部への接続が前記第1の蓄電部から第2の蓄電部に切り替わり、前記第2の蓄電部からの電力供給によって前記照射部が前記第2の領域にフラッシュ光を照射するように前記熱処理装置を制御することを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記照射部から出射されたフラッシュ光の前記基板の表面における照射領域を規定するマスク部をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の熱処理装置において、
    前記制御部は、前記照射部への接続が前記第1の蓄電部から前記第2の蓄電部に切り替わっている間に、前記第1の蓄電部に充電するように前記基板処理装置を制御することを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記チャンバーの内壁および前記ランプハウスの外壁は、フラッシュ光を吸収する物質にて被覆されていることを特徴とする熱処理装置。
  5. 基板の表面にフラッシュ光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を保持するステージと、
    フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有し、前記基板の表面よりも小さな面積の範囲にフラッシュ光を照射する照射部と、
    前記ステージに対して前記ランプハウスを相対移動させる移動機構と、
    前記ステージ、前記ランプハウスおよび前記移動機構を収容するチャンバーと、
    前記照射部から出射されたフラッシュ光の前記基板の表面における照射領域を規定するマスク部と、
    前記熱処理装置を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記マスク部によって照射領域を前記基板の表面の第1の領域に規定した状態で前記照射部がフラッシュ光を出射した後、前記第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置に前記ランプハウスが相対移動し、前記マスク部によって照射領域を前記第2の領域に規定した状態で前記照射部がフラッシュ光を出射するように前記熱処理装置を制御することを特徴とする熱処理装置。
  6. 基板の表面にフラッシュ光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理方法であって、
    (a)フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有する照射部がステージに保持された基板の表面の第1の領域に対向する工程と、
    (b)第1の蓄電部からの電力供給によって前記照射部が前記基板の表面の第1の領域にフラッシュ光を照射する工程と、
    (c)前記第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置に前記ランプハウスが前記ステージに対して相対移動する工程と、
    (d)前記照射部への接続を前記第1の蓄電部から第2の蓄電部に切り替える工程と、
    (e)前記第2の蓄電部からの電力供給によって前記照射部が前記基板の表面の前記第2の領域にフラッシュ光を照射する工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
  7. 請求項6記載の熱処理方法において、
    前記照射部への接続が前記第1の蓄電部から前記第2の蓄電部に切り替わっている間に、前記第1の蓄電部に充電することを特徴とする熱処理方法。
  8. 基板の表面にフラッシュ光を照射することによって当該基板を加熱する熱処理方法であって、
    (a)フラッシュランプを内蔵したランプハウスを有する照射部がステージに保持された基板の表面の第1の領域に対向する工程と、
    (b)マスク部によって前記照射部の照射領域を前記第1の領域に規定した状態で前記照射部がフラッシュ光を出射する工程と、
    (c)前記第1の領域とは異なる第2の領域に対向する位置に前記ランプハウスが前記ステージに対して相対移動する工程と、
    (d)前記マスク部によって前記照射部の照射領域を前記第2の領域に規定した状態で前記照射部がフラッシュ光を出射する工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
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