JP2013206897A - 熱処理用サセプタおよび熱処理装置 - Google Patents

熱処理用サセプタおよび熱処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フラッシュランプからのフラッシュ光照射時に基板が割れるのを防止することができる熱処理用サセプタおよび熱処理装置を提供する。
【解決手段】サセプタ72の凹部78の凹面形状の表面のうち通気溝21が形成された領域によって半導体ウェハーの周端部が支持される。保持した半導体ウェハーが加熱されて昇温すると次第に軟化し、半導体ウェハーの中央部近傍が若干沈み込むとともに、周縁部は凹部78の凹面形状の表面に沿うように変形する。また、半導体ウェハーの裏面と凹部78の表面との間の空間で熱対流が生じ、この対流は半導体ウェハーの中央に向けてのみならず、通気溝21を通って半導体ウェハーの周縁部よりも外方に向かって流れる。その結果、半導体ウェハーの周縁部が凹部78の表面に吸着されることが防がれ、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWが割れるのを防止することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、フラッシュランプから半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等の薄板状の精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ光を照射することによって該基板の熱処理を行うときにその処理対象となる基板を保持する熱処理用サセプタおよびその熱処理用サセプタを備えた熱処理装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
しかし、フラッシュランプアニールでは、極めて高いエネルギーのフラッシュ光を瞬間的に半導体ウェハーの表面に照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇し、ウェハー表面に急激な熱膨張が生じて半導体ウェハーが高い確率で割れていた。このようなフラッシュランプアニールにおける特有の割れを解決するために、特許文献1には、半導体ウェハーを保持するサセプタに、ウェハー平面サイズよりも大きな凹面形状の凹部を備えることが記載されている。このようなサセプタを用いることによって、フラッシュ光照射時の半導体ウェハーへの機械的衝撃を緩和し、ウェハー割れを低減することができる。
特開2007−5532号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるような凹面形状の凹部を備えるサセプタ(コンケーブサセプタ)を用いたとしても、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーが粉々に割れる現象(シャッタリング)を完全に防止することはできなかった。その原因は次にように考えられる。特許文献1に開示されるコンケーブサセプタは、半導体ウェハーの端縁部のみを全周にわたって支持しているため、熱処理時に自重によってウェハー中央部が若干沈み込むとともに、ウェハー周縁部はサセプタの表面に沿うように近接して弱く吸着されたような状態となる。このウェハー周縁部の吸着状態が半導体ウェハーを拘束することとなり、半導体ウェハーが自由に動けなくなった結果としてウェハー割れが生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュランプからのフラッシュ光照射時に基板が割れるのを防止することができる熱処理用サセプタおよび熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、フラッシュランプから基板にフラッシュ光を照射することによって該基板の熱処理を行うときに該基板を保持する熱処理用サセプタにおいて、平面視で基板の平面サイズよりも大きな凹面形状の表面を有する凹部と、前記凹部の前記表面に形成され、前記凹部に保持される基板の周縁部と前記表面との間の空間と、前記周縁部よりも外方の空間と、の間で気体が通過する気体通過流路と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理用サセプタにおいて、前記気体通過流路は、前記表面のうち前記保持される基板の前記周縁部に対向する領域から前記周縁部よりも外方の領域にわたって形成された通気溝であることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る熱処理用サセプタにおいて、前記通気溝は格子状に形成されることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1の発明に係る熱処理用サセプタにおいて、前記気体通過流路は、前記表面のうち前記保持される基板の前記周縁部に対向する領域から前記周縁部よりも外方の領域にわたって形成された凹凸パターンであることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、フラッシュランプから基板にフラッシュ光を照射することによって該基板の熱処理を行うときに該基板を保持する熱処理用サセプタにおいて、平面視で基板の平面サイズよりも大きな凹面形状の表面を有する凹部と、前記凹部の前記表面に形成され、前記凹部に室温の基板を保持したときには先端が当該基板に近接する凸状ピンと、を備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る熱処理用サセプタにおいて、前記基板は直径300mmの半導体ウェハーであり、前記凸状ピンは、前記表面のうち中心から半径100mm〜135mmの円環状領域に形成されることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、を備え、前記保持手段は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る熱処理用サセプタと、前記熱処理用サセプタを支持するホットプレートと、を備えることを特徴とする。
請求項1から請求項4の発明によれば、平面視で基板の平面サイズよりも大きな凹面形状の凹部の表面に形成され、凹部に保持される基板の周縁部と表面との間の空間と、周縁部よりも外方の空間と、の間で気体が通過する気体通過流路を備えるため、基板の周縁部が凹部の表面に吸着することが防がれ、フラッシュランプからのフラッシュ光照射時に基板が割れるのを防止することができる。
また、請求項5および請求項6の発明によれば、平面視で基板の平面サイズよりも大きな凹面形状の凹部の表面に形成され、凹部に室温の基板を保持したときには先端が当該基板に近接する凸状ピンを備えるため、昇温した基板が軟化してもその周縁部が凹部の表面に吸着することが防がれ、フラッシュランプからのフラッシュ光照射時に基板が割れるのを防止することができる。
また、請求項7の発明によれば、熱処理装置の保持手段が請求項1から請求項6のいずれかの発明に熱処理用サセプタを備えるため、該熱処理装置にてフラッシュ光照射により熱処理を行うときの基板の割れを防止することができる。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 図1の熱処理装置のガス路を示す断面図である。 保持部の構成を示す断面図である。 ホットプレートを示す平面図である。 図1の熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 第1実施形態のサセプタの平面図である。 サセプタに半導体ウェハーが保持されて加熱される状態を示す図である。 第2実施形態のサセプタの部分平面図である。 第3実施形態のサセプタの断面図である。 第3実施形態のサセプタの平面図である。 室温の半導体ウェハーが保持された第3実施形態のサセプタの部分拡大図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明に係る熱処理装置の全体構成について概説する。図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。熱処理装置1は基板として略円形の半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射してその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容する略円筒形状のチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するランプハウス5と、を備える。また、熱処理装置1は、チャンバー6およびランプハウス5に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、ランプハウス5の下方に設けられており、略円筒状の内壁を有するチャンバー側部63、および、チャンバー側部63の下部を覆うチャンバー底部62によって構成される。また、チャンバー側部63およびチャンバー底部62によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。熱処理空間65の上方は上部開口60とされており、上部開口60にはチャンバー窓61が装着されて閉塞されている。
チャンバー6の天井部を構成するチャンバー窓61は、石英により形成された円板形状部材であり、ランプハウス5から出射された光を熱処理空間65に透過する石英窓として機能する。チャンバー6の本体を構成するチャンバー底部62およびチャンバー側部63は、例えば、ステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて形成されており、チャンバー側部63の内側面の上部のリング631は、光照射による劣化に対してステンレススチールより優れた耐久性を有するアルミニウム(Al)合金等で形成されている。
また、熱処理空間65の気密性を維持するために、チャンバー窓61とチャンバー側部63とはOリングによってシールされている。すなわち、チャンバー窓61の下面周縁部とチャンバー側部63との間にOリングを挟み込むとともに、クランプリング90をチャンバー窓61の上面周縁部に当接させ、そのクランプリング90をチャンバー側部63にネジ止めすることによって、チャンバー窓61をOリングに押し付けている。
チャンバー底部62には、保持部7を貫通して半導体ウェハーWをその下面(ランプハウス5からの光が照射される側とは反対側の面)から支持するための複数(本実施の形態では3本)の支持ピン70が立設されている。支持ピン70は、例えば石英により形成されており、チャンバー6の外部から固定されているため、容易に取り替えることができる。
チャンバー側部63は、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部66を有し、搬送開口部66は、軸662を中心に回動するゲートバルブ185により開閉可能とされる。チャンバー側部63における搬送開口部66とは反対側の部位には熱処理空間65に処理ガス(例えば、窒素(N)ガスやヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス、あるいは、酸素(O)ガス等)を導入する導入路81が形成され、その一端は弁82を介して図示省略の給気機構に接続され、他端はチャンバー側部63の内部に形成されるガス導入バッファ83に接続される。また、搬送開口部66には熱処理空間65内の気体を排出する排出路86が形成され、弁87を介して図示省略の排気機構に接続される。
図2は、チャンバー6をガス導入バッファ83の位置にて水平面で切断した断面図である。図2に示すように、ガス導入バッファ83は、図1に示す搬送開口部66の反対側においてチャンバー側部63の内周の約1/3に亘って形成されており、導入路81を介してガス導入バッファ83に導かれた処理ガスは、複数のガス供給孔84から熱処理空間65内へと供給される。
また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部において半導体ウェハーWを水平姿勢にて保持しつつフラッシュ光照射前にその保持する半導体ウェハーWの予備加熱を行う略円板状の保持部7と、保持部7をチャンバー6の底面であるチャンバー底部62に対して昇降させる保持部昇降機構4と、を備える。図1に示す保持部昇降機構4は、略円筒状のシャフト41、移動板42、ガイド部材43(本実施の形態ではシャフト41の周りに3本配置される)、固定板44、ボールネジ45、ナット46およびモータ40を有する。チャンバー6の下部であるチャンバー底部62には保持部7よりも小さい直径を有する略円形の下部開口64が形成されており、ステンレススチール製のシャフト41は、下部開口64を挿通して、保持部7(厳密には保持部7のホットプレート71)の下面に接続されて保持部7を支持する。
移動板42にはボールネジ45と螺合するナット46が固定されている。また、移動板42は、チャンバー底部62に固定されて下方へと伸びるガイド部材43により摺動自在に案内されて上下方向に移動可能とされる。また、移動板42は、シャフト41を介して保持部7に連結される。
モータ40は、ガイド部材43の下端部に取り付けられる固定板44に設置され、タイミングベルト401を介してボールネジ45に接続される。保持部昇降機構4により保持部7が昇降する際には、駆動部であるモータ40が制御部3の制御によりボールネジ45を回転し、ナット46が固定された移動板42がガイド部材43に沿って鉛直方向に移動する。この結果、移動板42に固定されたシャフト41が鉛直方向に沿って移動し、シャフト41に接続された保持部7が図1に示す半導体ウェハーWの受渡位置と図5に示す半導体ウェハーWの処理位置との間で滑らかに昇降する。
移動板42の上面には略半円筒状(円筒を長手方向に沿って半分に切断した形状)のメカストッパ451がボールネジ45に沿うように立設されており、仮に何らかの異常により移動板42が所定の上昇限界を超えて上昇しようとしても、メカストッパ451の上端がボールネジ45の端部に設けられた端板452に突き当たることによって移動板42の異常上昇が防止される。これにより、保持部7がチャンバー窓61の下方の所定位置以上に上昇することはなく、保持部7とチャンバー窓61との衝突が防止される。
また、保持部昇降機構4は、チャンバー6の内部のメンテナンスを行う際に保持部7を手動にて昇降させる手動昇降部49を有する。手動昇降部49はハンドル491および回転軸492を有し、ハンドル491を介して回転軸492を回転することより、タイミングベルト495を介して回転軸492に接続されるボールネジ45を回転して保持部7の昇降を行うことができる。
チャンバー底部62の下側には、シャフト41の周囲を囲み下方へと伸びる伸縮自在のベローズ47が設けられ、その上端はチャンバー底部62の下面に接続される。一方、ベローズ47の下端はベローズ下端板471に取り付けられている。べローズ下端板471は、鍔状部材411によってシャフト41にネジ止めされて取り付けられている。保持部昇降機構4により保持部7がチャンバー底部62に対して上昇する際にはベローズ47が収縮され、下降する際にはべローズ47が伸張される。そして、保持部7が昇降する際にも、ベローズ47が伸縮することによって熱処理空間65内の気密状態が維持される。
図3は、保持部7の構成を示す断面図である。保持部7は、半導体ウェハーWを予備加熱(いわゆるアシスト加熱)するホットプレート(加熱プレート)71、および、ホットプレート71の上面に設置されるサセプタ72を有する。保持部7の下面には、既述のように保持部7を昇降するシャフト41が接続される。本実施形態のサセプタ72は石英により形成され、その上面には半導体ウェハーWの位置ずれを防止するピン75が設けられる。サセプタ72は、その下面をホットプレート71の上面に面接触させてホットプレート71上に支持される。これにより、サセプタ72は、ホットプレート71からの熱エネルギーを拡散してサセプタ72上面に載置された半導体ウェハーWに伝達するとともに、メンテナンス時にはホットプレート71から取り外して洗浄可能とされる。
ホットプレート71は、ステンレススチール製の上部プレート73および下部プレート74にて構成される。上部プレート73と下部プレート74との間には、ホットプレート71を加熱するニクロム線等の抵抗加熱線76が配設され、導電性のニッケル(Ni)ロウが充填されて封止されている。また、上部プレート73および下部プレート74の端部はロウ付けにより接着されている。
図4は、ホットプレート71を示す平面図である。図4に示すように、ホットプレート71は、保持される半導体ウェハーWと対向する領域の中央部に同心円状に配置される円板状のゾーン711および円環状のゾーン712、並びに、ゾーン712の周囲の略円環状の領域を周方向に4等分割した4つのゾーン713〜716を備え、各ゾーン間には若干の間隙が形成されている。また、ホットプレート71には、支持ピン70が挿通される3つの貫通孔77が、ゾーン711とゾーン712との隙間の周上に120°毎に設けられる。
6つのゾーン711〜716のそれぞれには、相互に独立した抵抗加熱線76が周回するように配設されてヒータが個別に形成されており、各ゾーンに内蔵されたヒータにより各ゾーンが個別に加熱される。保持部7に保持された半導体ウェハーWは、6つのゾーン711〜716に内蔵されたヒータにより加熱される。また、ゾーン711〜716のそれぞれには、熱電対を用いて各ゾーンの温度を計測するセンサ710が設けられている。各センサ710は略円筒状のシャフト41の内部を通り制御部3に接続される。
ホットプレート71が加熱される際には、センサ710により計測される6つのゾーン711〜716のそれぞれの温度が予め設定された所定の温度になるように、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が制御部3により制御される。制御部3による各ゾーンの温度制御はPID(Proportional,Integral,Derivative)制御により行われる。ホットプレート71では、半導体ウェハーWの熱処理(複数の半導体ウェハーWを連続的に処理する場合は、全ての半導体ウェハーWの熱処理)が終了するまでゾーン711〜716のそれぞれの温度が継続的に計測され、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が個別に制御されて、すなわち、各ゾーンに内蔵されたヒータの温度が個別に制御されて各ゾーンの温度が設定温度に維持される。なお、各ゾーンの設定温度は、基準となる温度から個別に設定されたオフセット値だけ変更することが可能とされる。
6つのゾーン711〜716にそれぞれ配設される抵抗加熱線76は、シャフト41の内部を通る電力線を介して電力供給源(図示省略)に接続されている。電力供給源から各ゾーンに至る経路途中において、電力供給源からの電力線は、マグネシア(マグネシウム酸化物)等の絶縁体を充填したステンレスチューブの内部に互いに電気的に絶縁状態となるように配置される。なお、シャフト41の内部は大気開放されている。
図6は、第1実施形態のサセプタ72の平面図である。サセプタ72には、平面視で半導体ウェハーWの平面サイズよりも大きな凹面形状の表面を有する凹部78が形設されている。本実施形態において、処理対象となる半導体ウェハーWの直径はφ300mmであり、凹部78の外径はφ310mmである。また、サセプタ72の外径はφ340mmである。凹部78を規定する凹面形状は所定の曲率半径を有している。このような凹部78が形成されたサセプタ72によって半導体ウェハーWを保持するときには、凹部78の中心と半導体ウェハーWの中心とが一致するように保持する。
また、凹部78の外周円に沿って60°毎に6本のピン75が設けられている。ピン75は、半導体ウェハーWの位置ずれを防止するための部材である。凹部78の内側には、支持ピン70が挿通される3つの貫通孔79が穿設されている。3つの貫通孔79は、凹部78の外周円と同心円上に120°毎に穿設されている。3つの貫通孔79が配置される円の径はφ160mmである。
また、第1実施形態においては、凹部78の凹面形状の表面のうち、保持される半導体ウェハーWの周縁部に対向する領域から当該周縁部よりも外方の領域にわたって通気溝21が形成されている。具体的に第1実施形態では、通気溝21は、凹部78の凹面形状の表面のうち、凹部78の中心から半径100mm〜155mmの領域に形成される。すなわち、半導体ウェハーW(半径150mm)の外周より5mm外側から50mm内側に対向する領域に通気溝21は刻設される。
通気溝21は、凹部78の径方向に沿って設けられた縦溝21aと、凹部78の外周円と同心円状の横溝21bと、を有する。すなわち、通気溝21は、格子状に形成されている。図6では図示の便宜上、本数を少なくして描いているが、縦溝21aおよび横溝21bは双方ともに、例えば幅0.2mm〜1mm、深さ1mmで5mmピッチにて形成される。このような通気溝21の形成手法としては、例えば、マスク材を図6のようなパターンで凹部78の表面に印刷し、マスクをしていない部分をエッチングによって削り取るようにすれば良い。
サセプタ72の凹部78に半導体ウェハーWを保持すると、凹部78の凹面形状の表面のうち通気溝21が形成された領域によって半導体ウェハーWの周端部が支持されることとなる。室温の半導体ウェハーWが凹部78に保持されたときには、半導体ウェハーWの中心と凹部78の中心との間の間隔は約0.48mmとなる。
図1に戻り、ランプハウス5は、チャンバー6の上方に設けられている。ランプハウス5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、ランプハウス5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。ランプハウス5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状部材である。ランプハウス5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53がチャンバー窓61と相対向することとなる。ランプハウス5は、チャンバー6内にて保持部7に保持される半導体ウェハーWにランプ光放射窓53およびチャンバー窓61を介してフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することにより半導体ウェハーWを加熱する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。複数のフラッシュランプFLの配列によって形成される平面の平面エリアは少なくとも保持部7に保持される半導体ウェハーWよりも大きい。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。このような粗面化加工を施しているのは、リフレクタ52の表面が完全な鏡面であると、複数のフラッシュランプFLからの反射光の強度に規則パターンが生じて半導体ウェハーWの表面温度分布の均一性が低下するためである。
また、制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にフラッシュランプFLおよびホットプレート71から発生する熱エネルギーによるチャンバー6およびランプハウス5の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6のチャンバー側部63およびチャンバー底部62には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ランプハウス5は、内部に気体流を形成して排熱するための気体供給管55および排気管56が設けられて空冷構造とされている(図1,5参照)。また、チャンバー窓61とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、ランプハウス5およびチャンバー窓61を冷却する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板である。その不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(フラッシュランプアニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、保持部7が図5に示す処理位置から図1に示す受渡位置に下降する。「処理位置」とは、フラッシュランプFLから半導体ウェハーWに光照射が行われるときの保持部7の位置であり、図5に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。また、「受渡位置」とは、チャンバー6に半導体ウェハーWの搬出入が行われるときの保持部7の位置であり、図1に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。熱処理装置1における保持部7の基準位置は処理位置であり、処理前にあっては保持部7は処理位置に位置しており、これが処理開始に際して受渡位置に下降するのである。
保持部7はチャンバー6に固定設置された支持ピン70に対して昇降するものであり、図1に示すように、保持部7が受渡位置にまで下降するとチャンバー底部62に近接し、支持ピン70の先端がホットプレート71の貫通孔77およびサセプタ72の貫通孔79を貫通して保持部7の上方に突出する。
次に、保持部7が受渡位置に下降した後、ガスバルブ82が開かれてチャンバー6の熱処理空間65内に不活性ガス(本実施形態では、窒素ガス)が供給される。それと同時に、ガスバルブ87が開かれて熱処理空間65内の気体が排気される。チャンバー6に供給された窒素ガスは、熱処理空間65においてガス導入バッファ83から図2中に示す矢印AR4の方向へと流れ、排出路86およびガスバルブ87を介してユーティリティ排気により排気される。また、チャンバー6に供給された窒素ガスの一部は、べローズ47の内側に設けられる排出口(図示省略)からも排出される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入され、複数の支持ピン70上に載置される。半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されると、ゲートバルブ185により搬送開口部66が閉鎖される。そして、保持部昇降機構4により保持部7が受渡位置からチャンバー窓61に近接した処理位置にまで上昇する。保持部7が受渡位置から上昇する過程において、半導体ウェハーWは支持ピン70から保持部7のサセプタ72へと渡され、サセプタ72の凹部78内に保持される。このときには、サセプタ72の凹部78の内壁面のうち通気溝21が形成された領域によって半導体ウェハーWの周端部が支持される。保持部7が処理位置にまで上昇するとサセプタ72に保持された半導体ウェハーWも処理位置に保持されることとなる。
ホットプレート71の6つのゾーン711〜716のそれぞれは、各ゾーンの内部(上部プレート73と下部プレート74との間)に個別に内蔵されたヒータ(抵抗加熱線76)により所定の温度まで加熱されている。保持部7が処理位置まで上昇して半導体ウェハーWが保持部7と接触することにより、その半導体ウェハーWはホットプレート71に内蔵されたヒータによって予備加熱されて温度が次第に上昇する。
この処理位置にて約60秒間の予備加熱が行われ、半導体ウェハーWの温度が予め設定された予備加熱温度T1まで上昇する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし600℃程度、好ましくは350℃ないし550℃程度とされる。また、保持部7とチャンバー窓61との間の距離は、保持部昇降機構4のモータ40の回転量を制御することにより任意に調整することが可能とされている。
約60秒間の予備加熱時間が経過した後、保持部7が処理位置に位置したまま制御部3の制御によりランプハウス5のフラッシュランプFLから半導体ウェハーWへ向けてフラッシュ光が照射される。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内の保持部7へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。
すなわち、ランプハウス5のフラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからの閃光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
また、フラッシュ加熱の前に保持部7により半導体ウェハーWを予備加熱しておくことにより、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面温度を処理温度T2まで速やかに上昇させることができる。
フラッシュ加熱が終了し、処理位置における約10秒間の待機の後、保持部7が保持部昇降機構4により再び図1に示す受渡位置まで下降し、半導体ウェハーWが保持部7から支持ピン70へと渡される。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、支持ピン70上に載置された半導体ウェハーWは装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWのフラッシュ加熱処理が完了する。
第1実施形態においては、保持部7が上昇して支持ピン70から半導体ウェハーWを受け取る際に、サセプタ72の凹部78の凹面形状の表面のうち通気溝21が形成された領域によって半導体ウェハーWの周端部が支持される。室温の半導体ウェハーWが凹部78に保持されたとき、半導体ウェハーWの中心と凹部78の中心との間の間隔、つまり半導体ウェハーWの裏面と凹部78の表面との間の最大距離は約0.48mmである。
室温の半導体ウェハーWが保持部7と接触することによる予備加熱によって、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1にまで昇温する。半導体ウェハーWの温度が上昇するにつれて次第に軟化し、半導体ウェハーWの中央部近傍が若干沈み込むとともに、周縁部は凹部78の凹面形状の表面に沿うように変形する。また、半導体ウェハーWの裏面と凹部78の表面との間の空間で対流が生じる。
図7は、サセプタ72に半導体ウェハーWが保持されて加熱される状態を示す図である。同図に示すように、ホットプレート71による予備加熱によって、ウェハー周縁部が凹部78の凹面形状の表面に沿うように半導体ウェハーWが若干撓むとともに、半導体ウェハーWと凹部78の表面との間には熱対流も生じる。ここで、撓んだ半導体ウェハーWの周縁部と凹部78の表面とが密着していると、対流は半導体ウェハーWの周縁部から中央部に向けてのみ流れることとなり、その結果半導体ウェハーWの周縁部が凹部78の表面に弱く真空吸着された状態となる。そして、半導体ウェハーWの周縁部が真空吸着された状態でフラッシュランプFLからフラッシュ光が照射されると、急激な熱膨張が生じたときに半導体ウェハーWが動けないために割れが生じるおそれがある。
第1実施形態では、サセプタ72の凹部78の凹面形状の表面のうち、保持される半導体ウェハーWの周縁部に対向する領域から当該周縁部よりも外方の領域にわたって通気溝21が形成されている。この通気溝21によって、凹部78に保持される半導体ウェハーWの周縁部と凹部78の表面との間の空間と、半導体ウェハーWの周縁部よりも外方の空間と、の間で気体が通過可能となる。このため、半導体ウェハーWと凹部78の表面との間で生じた熱対流は、半導体ウェハーWの中央に向けてのみならず、矢印AR7に示すように、通気溝21を通って半導体ウェハーWの周縁部よりも外方に向かって流れる。これにより、半導体ウェハーWの周縁部が凹部78の表面に吸着されることが防がれ、その結果フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射時にウェハー表面に急激な熱膨張が生じたときにも半導体ウェハーWが拘束されていないためにウェハー割れを防止することができる。なお、半導体ウェハーWと凹部78の表面との間の空間には支持ピン70が通るための貫通孔79から外気が導入される。
また、半導体ウェハーWの周縁部が凹部78の表面に吸着されていないため、フラッシュ加熱処理終了後に保持部7が下降して支持ピン70が半導体ウェハーWを受け取る際にも、凹部78の表面から半導体ウェハーWを容易に持ち上げることができる。よって、支持ピン70から半導体ウェハーWに局所的な応力が作用して接触部位にダメージを与えるのを防止することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、凹部78の表面に施す加工の形態が第1実施形態と異なり、残余の点については第1実施形態と同様である。図8は、第2実施形態のサセプタ172の部分平面図である。第2実施形態のサセプタ172にも、平面視で半導体ウェハーWの平面サイズよりも大きな凹面形状の表面を有する凹部78が形設されている。第1実施形態と同じく、処理対象となる半導体ウェハーWの直径はφ300mmであり、サセプタ172の外径はφ340mmであり、凹部78の外径はφ310mmである。また、凹部78を規定する凹面形状は所定の曲率半径を有している。
第2実施形態においては、凹部78の凹面形状の表面のうち、保持される半導体ウェハーWの周縁部に対向する領域から当該周縁部よりも外方の領域にわたって凹凸パターン22が形成されている。具体的に第2実施形態では、凹凸パターン22は、凹部78の凹面形状の表面のうち、凹部78の中心から半径100mm〜155mmの領域に形成される。すなわち、半導体ウェハーW(半径150mm)の外周より5mm外側から50mm内側の領域に凹凸パターン22は形成される。このような凹凸パターン22は、例えば、テクスチャー加工によって形成すれば良い。なお、凹凸パターン22のパターン形状については種々の形態のものを採用することができる。
第2実施形態においては、保持部7が上昇して支持ピン70から半導体ウェハーWを受け取る際に、サセプタ72の凹部78の凹面形状の表面のうち凹凸パターン22が形成された領域によって半導体ウェハーWの周端部が支持される。この凹凸パターン22によって、凹部78に保持される半導体ウェハーWの周縁部と凹部78の表面との間の空間と、半導体ウェハーWの周縁部よりも外方の空間と、の間で気体が通過可能となる。このため、第1実施形態と同様に、半導体ウェハーWと凹部78の表面との間で生じた熱対流は、半導体ウェハーWの中央に向けてのみならず、凹凸パターン22を通って半導体ウェハーWの周縁部よりも外方に向かって流れる。これにより、半導体ウェハーWの周縁部が凹部78の表面に吸着されることが防がれ、その結果フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射時にウェハー表面に急激な熱膨張が生じたときにも半導体ウェハーWが拘束されていないためにウェハー割れを防止することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第1および第2実施形態では凹部78の表面に気体通過流路を形成していたが、第3実施形態においては凹部78の表面に凸状ピンを形成している。図9は、第3実施形態のサセプタ272の断面図である。第3実施形態のサセプタ272にも、平面視で半導体ウェハーWの平面サイズよりも大きな凹面形状の表面を有する凹部78が形設されている。第1実施形態と同じく、処理対象となる半導体ウェハーWの直径はφ300mmであり、サセプタ272の外径はφ340mmであり、凹部78の外径はφ310mmである。また、凹部78を規定する凹面形状は所定の曲率半径を有している。
第3実施形態においては、凹部78の凹面形状の表面に石英の凸状ピン25が立設されている。図10は、第3実施形態のサセプタ272の平面図である。凹部78の凹面形状の表面において、凹部78の中心から半径100mmの円周上に120°間隔で3つの凸状ピン25が立設され、凹部78の中心から半径135mmの円周上に120°間隔で3つの凸状ピン25が立設されている。各凸状ピン25は、凹部78の表面に嵌め込むようにして設けても良いし、溶接によって接合するようにしても良い。また、凸状ピン25の形状は特に限定されるものではないが、先端の面積が小さい方が好ましい。なお、図10では、図示の便宜上、半導体ウェハーWの位置ずれ防止のためのピンおよび支持ピン70が通る貫通孔の記載を省略している。
第3実施形態においては、保持部7が上昇して支持ピン70から半導体ウェハーWを受け取る際に、サセプタ72の凹部78の凹面形状の表面によって半導体ウェハーWの周端部が支持される。図11は、室温の半導体ウェハーWが保持されたときのサセプタ272の部分拡大図である。室温の半導体ウェハーWが凹部78に保持されたとき、6つの凸状ピン25の先端は半導体ウェハーWの裏面に非接触で近接している。このときのそれぞれの凸状ピン25の先端と半導体ウェハーWの裏面との間隔は約0.1mmである。
半導体ウェハーWが保持部7と接触することによる予備加熱によって、半導体ウェハーWの温度が室温から予備加熱温度T1にまで昇温する。半導体ウェハーWの温度が上昇するにつれて次第に軟化し、半導体ウェハーWの中央部近傍が若干沈み込むように変形する。このとき、半導体ウェハーWの裏面が凸状ピン25の先端に接触することによって、半導体ウェハーWの周縁部が凹部78の凹面形状の表面に密着することが防がれる。これにより、半導体ウェハーWの周縁部が凹部78の表面に吸着されることが防がれ、その結果フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射時にウェハー表面に急激な熱膨張が生じたときにも半導体ウェハーWが拘束されていないためにウェハー割れを防止することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、第1実施形態では凹部78の表面に通気溝21を形成し、第2実施形態では凹凸パターン22を形成するようにしていたが、これらに限定されるものではなく、気体が通過可能となるような表面加工を凹部78の表面に施せば良い。すなわち、凹部78に保持される半導体ウェハーWの周縁部と凹部78の表面との間の空間と、半導体ウェハーWの周縁部よりも外方の空間と、の間で気体が通過できる気体通過流路を凹部78の表面に形成すれば良い。
また、第1実施形態においては、通気溝21を縦溝21aと横溝21bとの格子状に形成していたが、半導体ウェハーWの周縁部の内側と外方との通気のためには、少なくとも凹部78の径方向に沿って縦溝21aが形成されていれば良い。
また、第3実施形態においては、凹部78の中心から半径100mmの円周上および半径135mmの円周上の2列に凸状ピン25を設けていたが、これらのうちいずれか1列のみを設けるようにしても良いし、これらの間にさらに凸状ピン25を設けて3列以上とするようにしても良い。すなわち、凹部78の凹面形状の表面において、凹部78の中心から半径100mm〜半径135mmに複数の凸状ピン25を設ける形態であれば良い。
また、上記実施形態においては、ランプハウス5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る技術は、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコンの結晶化に適用するようにしても良い。
1 熱処理装置
3 制御部
4 保持部昇降機構
5 ランプハウス
6 チャンバー
7 保持部
21 通気溝
21a 縦溝
21b 横溝
22 凹凸パターン
25 凸状ピン
60 上部開口
61 チャンバー窓
65 熱処理空間
71 ホットプレート
72,172,272 サセプタ
78 凹部
FL フラッシュランプ
W 半導体ウェハー

Claims (7)

  1. フラッシュランプから基板にフラッシュ光を照射することによって該基板の熱処理を行うときに該基板を保持する熱処理用サセプタであって、
    平面視で基板の平面サイズよりも大きな凹面形状の表面を有する凹部と、
    前記凹部の前記表面に形成され、前記凹部に保持される基板の周縁部と前記表面との間の空間と、前記周縁部よりも外方の空間と、の間で気体が通過する気体通過流路と、
    を備えることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  2. 請求項1記載の熱処理用サセプタにおいて、
    前記気体通過流路は、前記表面のうち前記保持される基板の前記周縁部に対向する領域から前記周縁部よりも外方の領域にわたって形成された通気溝であることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  3. 請求項2記載の熱処理用サセプタにおいて、
    前記通気溝は格子状に形成されることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  4. 請求項1記載の熱処理用サセプタにおいて、
    前記気体通過流路は、前記表面のうち前記保持される基板の前記周縁部に対向する領域から前記周縁部よりも外方の領域にわたって形成された凹凸パターンであることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  5. フラッシュランプから基板にフラッシュ光を照射することによって該基板の熱処理を行うときに該基板を保持する熱処理用サセプタであって、
    平面視で基板の平面サイズよりも大きな凹面形状の表面を有する凹部と、
    前記凹部の前記表面に形成され、前記凹部に室温の基板を保持したときには先端が当該基板に近接する凸状ピンと、
    を備えることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  6. 請求項5記載の熱処理用サセプタにおいて、
    前記基板は直径300mmの半導体ウェハーであり、
    前記凸状ピンは、前記表面のうち中心から半径100mm〜135mmの円環状領域に形成されることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  7. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された基板にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、
    を備え、
    前記保持手段は、
    請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱処理用サセプタと、
    前記熱処理用サセプタを支持するホットプレートと、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
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