JP2012084755A - 熱処理方法および熱処理装置 - Google Patents

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幸司 金山
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Abstract

【課題】膜形成処理を行うための前処理に要する時間を短くしてスループットを向上させることができる熱処理方法および熱処理装置を提供する。
【解決手段】反射防止膜の形成処理を行う前の基板WがフラッシュベークユニットFLBに搬送される。冷却プレート81の上面に保持された基板Wの表面にフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射して瞬間的に加熱し、基板Wの表面に付着している水分を乾燥させる。続いて、チャンバー70内を減圧してからヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気を噴霧し、ヘキサメチルジシラザンの蒸気雰囲気中にて再度フラッシュ光照射を行って基板Wの表面の密着強化処理を行う。これらのフラッシュ光照射によるフラッシュ加熱処理は処理時間が1秒以下の極めて短時間の処理であるため、膜形成のための前処理に要する時間を短くしてスループットを向上させることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等の薄板状の精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)に反射防止膜やレジスト膜などの膜形成処理を行うための前処理を行う熱処理方法および熱処理装置に関する。
半導体デバイスや液晶ディスプレイなどの製品は、上記基板に対して洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、層間絶縁膜の形成、熱処理、ダイシングなどの一連の諸処理を施すことにより製造されている。これらの諸処理のうち、基板にレジスト塗布処理を行ってその基板を露光ユニットに渡すとともに、該露光ユニットから露光後の基板を受け取って現像処理を行う基板処理装置がいわゆるコータ&デベロッパとして広く使用されている。特許文献1には、このような基板処理装置の一例が開示されている。
コータ&デベロッパでは、基板上に反射防止膜やレジスト膜を形成する前に、基板上に付着している水分等を乾燥させる脱水処理が行われることがある。また、基板をヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気雰囲気中にて加熱することにより、基板の表面と反射防止膜またはレジスト膜との密着性を強化する処理が行われることもある。特許文献1には、HMDSの蒸気雰囲気で基板を熱処理する密着強化処理および基板に脱水のための加熱処理(デハイドベーク)を行うことが記載されている。
特開2008−235535号公報
従来、膜形成処理を行うための前処理として行う密着強化処理およびデハイドベークは、特許文献1にも記載されているように、所定の加熱温度に管理されたホットプレート上に基板を所定時間載置することによって行われてきた。一般的なホットプレートの加熱温度は、密着強化処理では100℃前後であり、デハイドベークでは200℃以上である。
しかしながら、ホットプレートに載置して基板を加熱する場合には、その基板の温度が目標の加熱温度にまで到達するのに少なくとも30秒以上を要していた。このため、装置のスループットを向上させるためには、基板処理装置に複数のホットプレートを搭載して並行処理を行う必要があり、特許文献1に記載の基板処理装置にも複数のホットプレートが多段に搭載されている。
また、ホットプレートでは急速な温度変更が困難であるため、加熱温度が200℃以上のデハイドベークと100℃前後の密着強化処理とを同一のホットプレートで実行することは実質的に不可能であった。よって、密着強化処理用のホットプレートとデハイドベーク用のホットプレートとをそれぞれ個別に複数搭載する必要があった。
その結果、基板処理装置には多数のホットプレートが搭載されることとなり、装置サイズが増大するとともに、消費電力も増加するという問題が生じていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、膜形成処理を行うための前処理に要する時間を短くしてスループットを向上させることができる熱処理方法および熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に膜形成処理を行うための前処理を行う熱処理方法において、基板をチャンバー内に収容する収容工程と、前記チャンバー内に収容された前記基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面に付着している水分を乾燥させるフラッシュ照射工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理方法において、前記チャンバーから排気を行う排気工程と、前記チャンバー内に不活性ガスを供給するガス供給工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理方法において、前記基板を前記チャンバー内の冷却プレート上に保持しつつフラッシュ光の照射を行うことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射による加熱処理時間は1秒以下であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、基板に膜形成処理を行うための前処理を行う熱処理方法において、基板をチャンバー内に収容する収容工程と、前記基板を収容した前記チャンバー内を大気圧よりも低い気圧に減圧する減圧工程と、減圧された前記チャンバー内にヘキサメチルジシラザン(HMDS)を導入するHMDS導入工程と、前記基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面を疎水化するフラッシュ照射工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る熱処理方法において、前記基板を前記チャンバー内の冷却プレート上に保持しつつフラッシュ光の照射を行うことを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項5または請求項6の発明に係る熱処理方法において、前記フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射による加熱処理時間は1秒以下であることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、基板に膜形成処理を行うための前処理を行う熱処理方法において、基板をチャンバー内に収容する収容工程と、前記チャンバー内に収容された前記基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面に付着している水分を乾燥させる第1フラッシュ照射工程と、第1フラッシュ照射工程の後、前記チャンバー内を大気圧よりも低い気圧に減圧する減圧工程と、減圧された前記チャンバー内にヘキサメチルジシラザン(HMDS)を導入するHMDS導入工程と、前記基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面を疎水化する第2フラッシュ照射工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項8の発明に係る熱処理方法において、前記基板を前記チャンバー内の冷却プレート上に保持しつつ第1フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射および第2フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射を行うことを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項8または請求項9の発明に係る熱処理方法において、第1フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射の強度は第2フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射の強度よりも大きいことを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項8から請求項10のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記第1フラッシュ照射工程および第2フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射による加熱処理時間は1秒以下であることを特徴とする。
また、請求項12の発明は、基板に膜形成処理を行うための前処理を行う熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて前記基板を載置して保持する冷却プレートと、前記チャンバーから排気を行う排気手段と、前記チャンバー内に不活性ガスを供給するガス供給手段と、前記チャンバー内にヘキサメチルジシラザン(HMDS)を供給するHMDS供給手段と、前記冷却プレートに保持されている前記基板にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、を備えることを特徴とする。
請求項1から請求項4の発明によれば、基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面に付着している水分を乾燥させており、フラッシュ加熱処理は極めて短時間の処理であるため、膜形成処理を行うための前処理に要する時間を短くしてスループットを向上させることができる。
また、請求項5から請求項7の発明によれば、チャンバー内にヘキサメチルジシラザンを導入し、基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面を疎水化しており、フラッシュ加熱処理は極めて短時間の処理であるため、膜形成処理を行うための前処理に要する時間を短くしてスループットを向上させることができる。
また、請求項8から請求項11の発明によれば、基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面に付着している水分を乾燥させ、その後チャンバー内を減圧してからヘキサメチルジシラザンを導入し、基板の表面に再度フラッシュ光を照射して当該表面を疎水化しており、フラッシュ加熱処理は極めて短時間の処理であるため、膜形成処理を行うための前処理に要する時間を短くしてスループットを向上させることができる。
また、請求項12の発明によれば、冷却プレートに保持されている基板にフラッシュ光を照射するフラッシュランプを備えており、短時間のフラッシュ光照射によって前処理が実行されるため、膜形成処理を行うための前処理に要する時間を短くしてスループットを向上させることができる。
本発明に係る熱処理装置を組み込んだ基板処理装置の平面図である。 図1の基板処理装置の液処理部の正面図である。 図1の基板処理装置の熱処理部の正面図である。 図1の基板処理装置の搬送ロボットおよび基板載置部の配置構成を示す図である。 フラッシュベークユニットの要部構成を示す図である。 フラッシュベークユニットにおける基板の処理手順を示すフローチャートである。 基板の表面温度の変化を示す図である。 バークブロックにおける基板の搬送順序を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に係る熱処理装置を組み込んだ基板処理装置の全体構成について説明する。図1は、本発明に係る熱処理装置を組み込んだ基板処理装置1の平面図である。また、図2は基板処理装置1の液処理部の正面図であり、図3は熱処理部の正面図であり、図4は搬送ロボットおよび基板載置部の配置構成を示す図である。なお、図1および以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を適宜付している。また、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
本実施形態の基板処理装置1は、半導体ウェハー等の基板Wにフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、パターン露光後の基板Wに現像処理を行う装置(いわゆるコータ&デベロッパ)である。なお、本発明に係る基板処理装置1の処理対象となる基板Wは半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示装置用ガラス基板やフォトマスク用ガラス基板等であっても良い。
本実施形態の基板処理装置1は、インデクサブロック10、バークブロック20、レジスト塗布ブロック30、現像処理ブロック40およびインターフェイスブロック50の5つの処理ブロックを一方向(X方向)に連設して構成されている。インターフェイスブロック50には基板処理装置1とは別体の外部装置である露光ユニット(ステッパ)EXPが接続配置されている。
インデクサブロック10は、装置外から受け取った未処理基板を装置内に搬入するとともに、現像処理の終了した処理済み基板を装置外に搬出するための処理ブロックである。インデクサブロック10は、複数のキャリアC(本実施形態では4個)を並べて載置する載置台11と、各キャリアCから未処理の基板Wを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの基板Wを収納するインデクサロボットIRと、を備えている。
インデクサロボットIRは、載置台11に沿って(Y軸方向に沿って)水平移動可能であるとともに昇降(Z軸方向)移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能である可動台12を備えている。可動台12には、基板Wを水平姿勢で保持する2つの保持アーム13a,13bが搭載されている。保持アーム13a,13bは相互に独立して前後にスライド移動可能とされている。よって、保持アーム13a,13bのそれぞれは、Y軸方向に沿った水平移動、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、インデクサロボットIRは、保持アーム13a,13bを個別に各キャリアCにアクセスさせて未処理の基板Wの取り出しおよび処理済みの基板Wの収納を行うことができる。なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
インデクサブロック10に隣接してバークブロック20が設けられている。インデクサブロック10とバークブロック20との間には、雰囲気遮断用の隔壁15が設けられている。この隔壁15にインデクサブロック10とバークブロック20との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS1,PASS2が上下に積層して設けられている。
上側の基板載置部PASS1は、インデクサブロック10からバークブロック20へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS1は3本の支持ピンを備えており、インデクサブロック10のインデクサロボットIRはキャリアCから取り出した未処理の基板Wを基板載置部PASS1の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS1に載置された基板Wを後述するバークブロック20の搬送ロボットTR1が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS2は、バークブロック20からインデクサブロック10へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS2も3本の支持ピンを備えており、バークブロック20の搬送ロボットTR1は処理済みの基板Wを基板載置部PASS2の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS2に載置された基板WをインデクサロボットIRが受け取ってキャリアCに収納する。なお、後述する基板載置部PASS3〜PASS10の構成も基板載置部PASS1,PASS2と同じである。
基板載置部PASS1,PASS2は、隔壁15の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、インデクサロボットIRや搬送ロボットTR1が基板載置部PASS1,PASS2に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
次に、バークブロック20について説明する。バークブロック20は、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、フォトレジスト膜の下地に反射防止膜を塗布形成するための処理ブロックである。バークブロック20は、基板Wの表面に反射防止膜を塗布形成するための下地塗布処理部21と、反射防止膜の塗布形成に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー22,23と、下地塗布処理部21および熱処理タワー22,23に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR1とを備える。
バークブロック20においては、搬送ロボットTR1を挟んで下地塗布処理部21と熱処理タワー22,23とが対向して配置されている。具体的には、下地塗布処理部21が装置正面側((−Y)側)に、2つの熱処理タワー22,23が装置背面側((+Y)側)に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー22,23の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。下地塗布処理部21と熱処理タワー22,23とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー22,23から下地塗布処理部21に熱的影響を与えることを回避しているのである。
図2に示すように、下地塗布処理部21は同様の構成を備えた4つの塗布処理ユニットBRCを上下に積層配置して構成されている。それぞれの塗布処理ユニットBRCは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック26、このスピンチャック26上に保持された基板W上に反射防止膜用の塗布液を吐出する塗布ノズル27、スピンチャック26を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック26上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、熱処理タワー22には、基板Wを所定の温度にまで加熱するホットプレートを備えた2個の加熱ユニットHP、および、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクーリングプレートを備えた2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。また、熱処理タワー22には、フラッシュ光を照射して基板Wの表面を瞬間的に加熱する1個のフラッシュベークユニットFLBが配置されている。このフラッシュベークユニットFLBについてはさらに後述する。一方、熱処理タワー23にも2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。なお、図3において「×」印で示した箇所には配管配線部や、予備の空きスペースが割り当てられている(後述する他の熱処理タワーについても同じ)。
図4に示すように、搬送ロボットTR1は、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム24a,24bを上下2段に近接させて備えている。搬送アーム24a,24bのそれぞれは、先端部が平面視で「C」字形状になっており、この「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピンで基板Wの周縁を下方から支持するようになっている。搬送アーム24a,24bは搬送ヘッド28に搭載されている。搬送ヘッド28は、図示省略の駆動機構によって鉛直方向(Z軸方向)に沿った昇降移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能である。また、搬送ヘッド28は、図示省略のスライド機構によって搬送アーム24a,24bを互いに独立して水平方向に進退移動させることができる。よって、搬送アーム24a,24bのそれぞれは、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、搬送ロボットTR1は、2個の搬送アーム24a,24bをそれぞれ個別に基板載置部PASS1,PASS2、熱処理タワー22,23に設けられた熱処理ユニット(加熱ユニットHP、冷却ユニットCPおよびフラッシュベークユニットFLB)、下地塗布処理部21に設けられた4つの塗布処理ユニットBRCおよび後述する基板載置部PASS3,PASS4に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、レジスト塗布ブロック30について説明する。バークブロック20と現像処理ブロック40との間に挟み込まれるようにしてレジスト塗布ブロック30が設けられている。このレジスト塗布ブロック30とバークブロック20との間にも、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられている。この隔壁25にバークブロック20とレジスト塗布ブロック30との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS3,PASS4が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS3,PASS4は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS3は、バークブロック20からレジスト塗布ブロック30へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、バークブロック20の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS3に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS4は、レジスト塗布ブロック30からバークブロック20へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS4に載置した基板Wをバークブロック20の搬送ロボットTR1が受け取る。
基板載置部PASS3,PASS4は、隔壁25の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS3,PASS4には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR1,TR2が基板載置部PASS3,PASS4に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
レジスト塗布ブロック30は、反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジストを塗布してレジスト膜を形成するための処理ブロックである。なお、本実施形態では、フォトレジストとして化学増幅型レジストを用いている。レジスト塗布ブロック30は、下地塗布された反射防止膜の上にレジストを塗布するレジスト塗布処理部31と、レジスト塗布処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー32,33と、レジスト塗布処理部31および熱処理タワー32,33に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR2とを備える。
レジスト塗布ブロック30においては、搬送ロボットTR2を挟んでレジスト塗布処理部31と熱処理タワー32,33とが対向して配置されている。具体的には、レジスト塗布処理部31が装置正面側に、2つの熱処理タワー32,33が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー32,33の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。レジスト塗布処理部31と熱処理タワー32,33とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー32,33からレジスト塗布処理部31に熱的影響を与えることを回避しているのである。
図2に示すように、レジスト塗布処理部31は同様の構成を備えた4つの塗布処理ユニットSCを上下に積層配置して構成されている。それぞれの塗布処理ユニットSCは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック36、このスピンチャック36上に保持された基板W上にフォトレジストの塗布液を吐出する塗布ノズル37、スピンチャック36を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック36上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、熱処理タワー32には、基板Wを所定の温度にまで加熱するホットプレートを備えた2個の加熱ユニットHPおよび加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクーリングプレートを備えた2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。一方、熱処理タワー33にも2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。
図4に示すように、搬送ロボットTR2は、搬送ロボットTR1と同様の構成を備えており、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム34a,34bを上下2段に近接させて備えている。搬送アーム34a,34bは、「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピンで基板Wの周縁を下方から支持する。搬送アーム34a,34bは搬送ヘッド38に搭載されている。搬送ヘッド38は、図示省略の駆動機構によって鉛直方向(Z軸方向)に沿った昇降移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能である。また、搬送ヘッド38は、図示省略のスライド機構によって搬送アーム34a,34bを互いに独立して水平方向に進退移動させることができる。よって、搬送アーム34a,34bのそれぞれは、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、搬送ロボットTR2は、2個の搬送アーム34a,34bをそれぞれ個別に基板載置部PASS3,PASS4、熱処理タワー32,33に設けられた熱処理ユニット、レジスト塗布処理部31に設けられた4つの塗布処理ユニットSCおよび後述する基板載置部PASS5,PASS6に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、現像処理ブロック40について説明する。レジスト塗布ブロック30とインターフェイスブロック50との間に挟み込まれるようにして現像処理ブロック40が設けられている。この現像処理ブロック40とレジスト塗布ブロック30との間にも、雰囲気遮断用の隔壁35が設けられている。この隔壁35にレジスト塗布ブロック30と現像処理ブロック40との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS5,PASS6が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS5,PASS6は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS5は、レジスト塗布ブロック30から現像処理ブロック40へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS5に載置した基板Wを現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS6は、現像処理ブロック40からレジスト塗布ブロック30へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS6に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が受け取る。
基板載置部PASS5,PASS6は、隔壁35の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS5,PASS6には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR2,TR3が基板載置部PASS5,PASS6に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
現像処理ブロック40は、露光処理後の基板Wに対して現像処理を行うための処理ブロックである。現像処理ブロック40は、パターンが露光された基板Wに対して現像液を供給して現像処理を行う現像処理部41と、現像処理後の熱処理を行う熱処理タワー42と、露光直後の基板Wに熱処理を行う熱処理タワー43と、現像処理部41および熱処理タワー42に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR3とを備える。
図2に示すように、現像処理部41は、同様の構成を備えた5つの現像処理ユニットSDを上下に積層配置して構成されている。各現像処理ユニットSDは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック46、このスピンチャック46上に保持された基板W上に現像液を供給するノズル47、スピンチャック46を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック46上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、熱処理タワー42には、基板Wを所定の温度にまで加熱するホットプレートを備えた2個の加熱ユニットHPおよび加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクーリングプレートを備えた2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。一方、熱処理タワー43にも2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。熱処理タワー43の加熱ユニットHPは露光直後の基板Wに対して露光後加熱処理(Post Exposure Bake)を行う。熱処理タワー43の加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPに対してはインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4が基板Wの搬出入を行う。
また、熱処理タワー43には、現像処理ブロック40とインターフェイスブロック50との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して組み込まれている。上側の基板載置部PASS7は、現像処理ブロック40からインターフェイスブロック50へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS7に載置した基板Wをインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS8は、インターフェイスブロック50から現像処理ブロック40へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、インターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4が基板載置部PASS8に載置した基板Wを現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が受け取る。なお、基板載置部PASS7,PASS8は、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3およびインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4の両側に対して開口している。
搬送ロボットTR3は、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム44a,44bを上下に近接させて備えている。搬送アーム44a,44bは、「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピンで基板Wの周縁を下方から支持する。搬送アーム44a,44bは搬送ヘッド48に搭載されている。搬送ヘッド48は、図示省略の駆動機構によって鉛直方向(Z軸方向)に沿った昇降移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能である。また、搬送ヘッド48は、図示省略のスライド機構によって搬送アーム44a,44bを互いに独立して水平方向に進退移動させることができる。よって、搬送アーム44a,44bのそれぞれは、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、搬送ロボットTR3は、2個の搬送アーム44a,44bをそれぞれ個別に基板載置部PASS5,PASS6、熱処理タワー42に設けられた熱処理ユニット、現像処理部41に設けられた5つの現像処理ユニットSDおよび熱処理タワー43の基板載置部PASS7,PASS8に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、インターフェイスブロック50について説明する。インターフェイスブロック50は、現像処理ブロック40に隣接して配置され、レジスト膜が塗布形成された未露光の基板Wを基板処理装置1とは別体の外部装置である露光ユニットEXPに渡すとともに、露光済みの基板Wを露光ユニットEXPから受け取って現像処理ブロック40に渡す処理ブロックである。インターフェイスブロック50は、露光ユニットEXPとの間で基板Wの受け渡しを行うための搬送機構IFRの他に、レジスト膜が形成された基板Wの周縁部を露光する2つのエッジ露光ユニットEEWと、現像処理ブロック40の熱処理タワー43およびエッジ露光ユニットEEWに対して基板Wを受け渡しする搬送ロボットTR4とを備える。
エッジ露光ユニットEEWは、図2に示すように、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック56およびスピンチャック56に保持された基板Wの周縁に光を照射して露光する光照射器57などを備えている。2つのエッジ露光ユニットEEWは、インターフェイスブロック50の中央部に上下に積層配置されている。また、エッジ露光ユニットEEWの下側には、基板送り用のセンドバッファSBF、基板戻し用のリターンバッファRBF、および、2つの基板載置部PASS9,PASS10、が上下に積層配置されている。上側の基板載置部PASS9は搬送ロボットTR4から搬送機構IFRに基板Wを渡すために使用するものであり、下側の基板載置部PASS10は搬送機構IFRから搬送ロボットTR4に基板Wを渡すために使用するものである。
リターンバッファRBFは、何らかの障害によって現像処理ブロック40が露光済みの基板Wの現像処理を行うことができない場合に、現像処理ブロック40の熱処理タワー43で露光後加熱処理を行った後に、その基板Wを一時的に収納保管しておくものである。一方、センドバッファSBFは、露光ユニットEXPが未露光の基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収納保管するものである。リターンバッファRBFおよびセンドバッファSBFはいずれも複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。なお、リターンバッファRBFに対しては搬送ロボットTR4がアクセスを行い、センドバッファSBFに対しては搬送機構IFRがアクセスを行う。
現像処理ブロック40の露光後ベーク処理部43に隣接して配置されている搬送ロボットTR4は、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム54a,54bを上下に近接させて備えており、その構成および動作機構は搬送ロボットTR1〜TR3と全く同じである。また、搬送機構IFRは、Y軸方向の水平移動、昇降移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能な可動台52を備え、その可動台52に基板Wを水平姿勢で保持する2つの保持アーム53a,53bを搭載している。保持アーム53a,53bは相互に独立して前後にスライド移動可能とされている。よって、保持アーム53a,53bのそれぞれは、Y軸方向に沿った水平移動、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。
露光ユニットEXPは、基板処理装置1にてレジスト塗布された露光前の基板Wを搬送機構IFRから受け取って露光処理を行う。露光ユニットEXPにて露光処理の行われた基板Wは搬送機構IFRによって受け取られる。なお、露光ユニットEXPは、投影光学系と基板Wとの間に屈折率の大きな液体(例えば、屈折率n=1.44の純水)を満たした状態で露光処理を行う、いわゆる「液浸露光処理」に対応したものであっても良い。また、露光ユニットEXPは、電子線露光やEUV(Extreme Ultra Violet)露光など真空中で露光処理を行うものであっても良い。
次に、熱処理タワー22に設けられているフラッシュベークユニットFLBについて説明する。図5は、フラッシュベークユニットFLBの要部構成を示す図である。フラッシュベークユニットFLBは、基板W上に反射防止膜を形成するための前処理を行う熱処理ユニットである。ここで、「前処理」とは、適切な膜形成処理を行うために必要な予備処理であり、具体的には、基板W上に付着している水分等を乾燥させる脱水処理および基板Wの表面と反射防止膜との密着性を強化する密着強化処理である。
フラッシュベークユニットFLBは、基板Wを収容するチャンバー70と、チャンバー70内にて基板Wを載置して保持する冷却プレート(クーリングプレート)81と、チャンバー70から排気を行う排気部77と、チャンバー70内に不活性ガスを供給するガス供給部74と、チャンバー70内にヘキサメチルジシラザン(HMDS)を噴霧するHMDS供給部71と、基板Wにフラッシュ光を照射するフラッシュ照射部60と、を備えている。また、フラッシュベークユニットFLBは、これらの各部を制御して反射防止膜形成のための前処理を実行させるユニットコントローラ90を備える。
チャンバー70は、フラッシュ照射部60の下方に設けられており、基板Wを収容可能な筐体である。チャンバー70の上部開口にはチャンバー窓69が装着されて閉塞されている。チャンバー70の側壁および底壁とチャンバー窓69とによって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。チャンバー70の天井部を構成するチャンバー窓69は、石英により形成された板状部材であり、フラッシュ照射部60から出射されたフラッシュ光を熱処理空間65に透過する石英窓として機能する。
チャンバー70の側壁には、基板Wの搬入および搬出を行うための搬送開口部68が設けられている。搬送開口部68は、図示を省略するシャッターによって開閉可能とされている。搬送開口部68が開放されると、搬送ロボットTR1によってチャンバー70に対する基板Wの搬入および搬出が可能となる。また、搬送開口部68が閉鎖されると、熱処理空間65が外部との通気が遮断された密閉空間となる。
冷却プレート81は、冷却機構82を内蔵した金属製(例えば、アルミニウム)の略円板形状の部材であり、チャンバー70内にて基板Wを載置して水平姿勢(主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢)に保持する。冷却機構82としては、水冷管やペルチェ素子などを用いることができる。冷却機構82は、少なくとも冷却プレート81のうちの載置する基板Wに対向する領域には均一な配設密度にて設けられている。このため冷却機構82は、当該領域を均一に冷却することができる。冷却機構82による冷却温度はユニットコントローラ90によって制御されており、本実施形態では半導体製造技術分野における常温である23℃を維持するように制御されている。
また、冷却プレート81の内部には熱電対を用いて構成された温度センサ83が配設されている。温度センサ83は冷却プレート81の上面近傍の温度を測定する。温度センサ83による測定結果はユニットコントローラ90に伝達される。温度センサ83によって測定される冷却プレート81の温度が予め設定された所定温度(本実施形態では23℃)となるように、冷却機構82がユニットコントローラ90によって制御される。すなわち、ユニットコントローラ90は、温度センサ83の測定結果に基づいて、冷却プレート81の温度をフィードバック制御する。なお、温度センサ83は、冷却プレート81が載置する基板Wが対向する領域に複数設けるようにしても良い。
冷却プレート81の上面には、図示を省略する複数個(3個以上)のプロキシミティボールが配設されている。プロキシミティボールは、例えばアルミナ(Al23)等の部材によって構成され、その上端が冷却プレート81の上面から微少量だけ突出する状態で配設される。このため、複数個のプロキシミティボールによって基板Wを支持したときには、基板Wの裏面と冷却プレート81の上面との間にいわゆるプロキシミティギャップと称される微小間隔が形成される。なお、冷却プレート81の上面にサセプタを設置し、そのサセプタを介して基板Wを支持するようにしても良い。
複数個のプロキシミティボールを介して冷却プレート81に載置された基板Wは、冷却プレート81によって常温(23℃)に温調される。すなわち、基板Wの温度が常温よりも高温であれば、常温にまで冷却される。また、常温近傍の基板Wについては、そのまま基板Wを安定して常温に維持する。
冷却プレート81には、その上面に出没する複数本(本実施の形態では3本)のリフトピン84が設けられている。3本のリフトピン84の上端高さ位置は同一水平面内に含まれる。3本のリフトピン84はエアシリンダ85によって一括して鉛直方向に沿って昇降される。各リフトピン84は、冷却プレート81に上下に貫通して設けられた挿通孔の内側に沿って昇降する。エアシリンダ85が3本のリフトピン84を上昇させると、各リフトピン84の先端が冷却プレート81の上面から突出する。また、エアシリンダ85が3本のリフトピン84を下降させると、各リフトピン84の先端が冷却プレート81の挿通孔の内部に埋入する。
ガス供給部74は、チャンバー70内に不活性ガスとして窒素ガス(N2)を供給する。ガス供給部74は、窒素供給源75とバルブ76とを備えており、バルブ76を開放することによってチャンバー70内の熱処理空間65に窒素ガスを供給する。また、HMDS供給部71は、チャンバー70内にヘキサメチルジシラザンを供給する。HMDS供給部71は、HMDS供給源72とバルブ73とを備えており、バルブ73を開放することによってチャンバー70内にヘキサメチルジシラザンを噴霧し、熱処理空間65をヘキサメチルジシラザンの蒸気雰囲気とする。なお、窒素供給源75およびHMDS供給源72としては、基板処理装置1に設けられたタンクと送給ポンプなどによって構成するようにしても良いし、基板処理装置1が設置される工場の用力を用いるようにしても良い。
排気部77は、排気装置78およびバルブ79を備えており、バルブ79を開放することによってチャンバー70内の雰囲気を排気する。排気装置78としては、真空ポンプや基板処理装置1が設置される工場の排気ユーティリティを用いることができる。排気装置78として真空ポンプを採用し、ガス供給部74およびHMDS供給部71から何らのガス供給を行うことなく密閉空間である熱処理空間65の雰囲気を排気すると、チャンバー70内を真空雰囲気にまで減圧することができる。また、排気装置78として真空ポンプを用いていない場合であっても、ガス供給部74およびHMDS供給部71からガス供給を行うことなく排気を行うことにより、チャンバー70内を大気圧よりも低い気圧に減圧することができる。
フラッシュ照射部60は、チャンバー70の上方に設けられている。フラッシュ照射部60は、複数本のフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ62と、を備えて構成される。フラッシュ照射部60は、チャンバー70内にて冷却プレート81に保持される基板Wに石英のチャンバー窓69を介してフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が冷却プレート81に保持される基板Wの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
フラッシュ照射部60には電源ユニット63が接続されており、この電源ユニット63から複数のフラッシュランプFLのそれぞれに電力供給がなされる。電源ユニット63は、フラッシュ発光のための電荷を蓄積するコンデンサー、フラッシュランプFLに流れる電流波形を調整するコイルなどを備えている。
本実施形態では、フラッシュランプFLとしてキセノンフラッシュランプを用いている。キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部に電源ユニット63のコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気が両端電極間の放電によってガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。
また、リフレクタ62は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ62の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ62はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。
ユニットコントローラ90は、フラッシュベークユニットFLBに設けられた上記の種々の動作機構を制御する。ユニットコントローラ90のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、ユニットコントローラ90は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えて構成される。ユニットコントローラ90のCPUが所定の処理プログラムを実行することによってフラッシュベークユニットFLBにおける処理が進行する。なお、ユニットコントローラ90は、基板処理装置1の全体を管理するメインコントローラの下位コントローラとして設けられていても良い。
次に、上記の構成を有する基板処理装置1における基板処理の手順について説明する。ここでは、まず、基板処理装置1における全体の処理手順を簡単に説明した後、フラッシュベークユニットFLBでの処理について説明する。
装置外部から未処理の基板WがキャリアCに収納された状態でAGV等によってインデクサブロック10に搬入される。続いて、インデクサブロック10から未処理の基板Wの払い出しが行われる。具体的には、インデクサロボットIRが所定のキャリアCから未処理の基板Wを取り出し、上側の基板載置部PASS1に載置する。基板載置部PASS1に未処理の基板Wが載置されると、バークブロック20の搬送ロボットTR1がその基板Wを受け取って熱処理タワー22のフラッシュベークユニットFLBに搬送する。詳細は後述するが、フラッシュベークユニットFLBでは、基板Wの表面に付着している水分を乾燥させる乾燥処理および反射防止膜との密着性を向上させる密着強化処理が実行される。
密着強化処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によってフラッシュベークユニットFLBから取り出され、下地塗布処理部21のいずれかの塗布処理ユニットBRCに搬送される。塗布処理ユニットBRCでは、基板Wの表面に反射防止膜の塗布液が供給されて回転塗布される。
塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR1によって熱処理タワー22,23のいずれかの加熱ユニットHPに搬送される。加熱ユニットHPにて基板Wが加熱されることによって、塗布液が乾燥されて基板W上に下地の反射防止膜が焼成される。その後、搬送ロボットTR1によって加熱ユニットHPから取り出された基板Wは熱処理タワー22,23のいずれかの冷却ユニットCPに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって基板載置部PASS3に載置される。
次に、反射防止膜が形成された基板Wが基板載置部PASS3に載置されると、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2がその基板Wを受け取って熱処理タワー32,33のいずれかの冷却ユニットCPに搬送して所定温度に温調する。続いて、搬送ロボットTR2が温調済みの基板Wをレジスト塗布処理部31のいずれかの塗布処理ユニットSCに搬送する。塗布処理ユニットSCでは、基板Wにレジスト膜の塗布液が回転塗布される。本実施形態においては、レジストとして化学増幅型レジストが使用される。
レジスト塗布処理が終了した後、塗布処理ユニットSCから搬出された基板Wは搬送ロボットTR2によって熱処理タワー32,33のいずれかの加熱ユニットHPに搬送される。加熱ユニットHPにて基板Wが加熱(Post Applied Bake)されることによって、塗布液が乾燥されて基板W上にレジスト膜が形成される。その後、搬送ロボットTR2によって加熱ユニットHPから取り出された基板Wは熱処理タワー32,33のいずれかの冷却ユニットCPに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR2によって基板載置部PASS5に載置される。
レジスト膜が形成された基板Wが基板載置部PASS5に載置されると、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってそのまま基板載置部PASS7に載置する。そして、基板載置部PASS7に載置された基板Wはインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4によって受け取られ、上下いずれかのエッジ露光ユニットEEWに搬入される。エッジ露光ユニットEEWにおいては、基板Wの端縁部の露光処理(エッジ露光処理)が行われる。エッジ露光処理が終了した基板Wは搬送ロボットTR4によって基板載置部PASS9に載置される。そして、基板載置部PASS9に載置された基板Wは搬送機構IFRによって受け取られ、露光ユニットEXPに搬入され、パターン露光処理に供される。本実施形態では化学増幅型レジストを使用しているため、基板W上に形成されたレジスト膜のうち露光された部分では光化学反応によって酸が生成する。
パターン露光処理が終了した露光済みの基板Wは露光ユニットEXPから再びインターフェイスブロック50に戻され、搬送機構IFRによって基板載置部PASS10に載置される。露光後の基板Wが基板載置部PASS10に載置されると、搬送ロボットTR4がその基板Wを受け取って現像処理ブロック40の熱処理タワー43のいずれかの加熱ユニットHPに搬送する。熱処理タワー43の加熱ユニットHPでは、露光時の光化学反応によって生じた生成物を酸触媒としてレジストの樹脂の架橋・重合等の反応を進行させ、現像液に対する溶解度を露光部分のみ局所的に変化させるための露光後加熱処理(Post Exposure Bake)が行われる。
露光後加熱処理が終了した基板Wは、加熱ユニットHP内部の機構によって冷却されることにより上記化学反応が停止する。続いて基板Wは、搬送ロボットTR4によって熱処理タワー43の加熱ユニットHPから取り出され、基板載置部PASS8に載置される。
基板載置部PASS8に基板Wが載置されると、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取って熱処理タワー42のいずれかの冷却ユニットCPに搬送する。冷却ユニットCPにおいては、露光後加熱処理が終了した基板Wがさらに冷却され、所定温度に正確に温調される。その後、搬送ロボットTR3は、冷却ユニットCPから基板Wを取り出して現像処理部41のいずれかの現像処理ユニットSDに搬送する。現像処理ユニットSDでは、基板Wに現像液を供給して現像処理を進行させる。やがて現像処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR3によって熱処理タワー42のいずれかの加熱ユニットHPに搬送され、さらにその後いずれかの冷却ユニットCPに搬送される。
その後、基板Wは搬送ロボットTR3によって基板載置部PASS6に載置される。基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2によってそのまま基板載置部PASS4に載置される。さらに、基板載置部PASS4に載置された基板Wは、バークブロック20の搬送ロボットTR1によってそのまま基板載置部PASS2に載置されることにより、インデクサブロック10に格納される。基板載置部PASS2に載置された処理済みの基板WはインデクサロボットIRによって所定のキャリアCに収納される。その後、所定枚数の処理済み基板Wが収納されたキャリアCが装置外部に搬出されて一連のフォトリソグラフィー処理が完了する。
フラッシュベークユニットFLBでの処理についてさらに説明を続ける。図6は、フラッシュベークユニットFLBにおける基板Wの処理手順を示すフローチャートである。また、図7は、基板Wの表面温度の変化を示す図である。以下に説明するフラッシュベークユニットFLBの処理手順は、ユニットコントローラ90がフラッシュベークユニットFLBの各動作機構を制御することにより進行する。
まず、図示省略のシャッターが開いて搬送開口部68が開放され、搬送ロボットTR1により搬送開口部68を介して未処理の基板Wがチャンバー70内に搬入される(ステップS1)。具体的には、未処理の基板Wを保持した搬送ロボットTR1の搬送アーム24b(または24a)が搬送開口部68からチャンバー70内に進入し、冷却プレート81の直上にて停止する。続いて、3本のリフトピン84が上昇して搬送アーム24bから基板Wを受け取る。その後、搬送ロボットTR1の搬送アーム24bがチャンバー70から退出するとともに、搬送開口部68が閉鎖されることによってチャンバー70内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
また、搬送ロボットTR1の搬送アーム24bが退出した後、未処理の基板Wを支持する3本のリフトピン84が下降して冷却プレート81の挿通孔の内部に埋入する。リフトピン84が下降する過程において、時刻t1にて基板Wはリフトピン84から冷却プレート81の上面に渡され、その上面に水平姿勢にて載置・保持される。冷却プレート81に受け渡された時刻t1の時点での基板Wの温度は、基板処理装置1が設置されている雰囲気の温度と同じであり、概ね常温である。
熱処理空間65が密閉空間とされて基板Wが冷却プレート81に保持された後、チャンバー70内が不活性ガス雰囲気に置換される(ステップS2)。すなわち、ガス供給部74からチャンバー70内に不活性ガスとして窒素ガスを供給するとともに、排気部77によるチャンバー70からの排気を行う。これにより、チャンバー70内の空気が排出されて窒素ガスに置き換わり、熱処理空間65が不活性ガス雰囲気となる。なお、ガス供給部74から窒素ガスを供給する前に排気部77による排気を行ってチャンバー70内を一旦大気圧よりも低い気圧に減圧してから、窒素ガスの供給を開始するようにしても良い。このようにすれば、雰囲気置換の効率を高めることができる。
また、冷却プレート81は冷却機構82によって予め常温(23℃)に温調されている。ユニットコントローラ90は、温度センサ83の測定結果に基づいて、冷却プレート81の温度が23℃となるように冷却機構82を制御している。リフトピン84が下降して基板Wが常温に温調された冷却プレート81に載置されることにより、時刻t1から基板Wに対する冷却プレート81による温調が開始される。これにより、基板Wは正確に23℃に温調されることとなり、その結果ロットに含まれる複数の基板W間での温度履歴均一性を向上させることができる。
チャンバー70内の熱処理空間65が不活性ガス雰囲気とされ、基板Wが冷却プレート81に保持されて23℃に温調された後、時刻t2にてユニットコントローラ90の制御によりフラッシュ照射部60のフラッシュランプFLから冷却プレート81に保持された基板Wに向けてフラッシュ光が照射される(第1フラッシュ照射工程:ステップS3)。フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー70内の熱処理空間65へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ62により反射されてから熱処理空間65へと向かう。このようなフラッシュ光の照射によって、基板Wの表面がフラッシュ加熱される。
フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。フラッシュランプFLからフラッシュ光が照射された基板Wの表面温度は、瞬間的に処理温度T1にまで上昇し、その後急速に常温にまで下降する。このようなフラッシュ加熱によって、基板Wの表面に付着していた水分が乾燥される。乾燥処理を行うときに基板Wの表面が到達する処理温度T1は200℃以上である。また、フラッシュ光が照射されて基板Wの表面温度が昇温を開始した時刻t2から常温にまで降温した時刻t3までの時間は1秒以下である。このような1秒以下の短時間であっても、フラッシュランプFLから強度の大きなフラッシュ光を照射することによって、基板Wに付着していた水分を確実に乾燥させることができる。
フラッシュ光照射による水分の乾燥処理が終了した後、ガス供給部74からの窒素ガス供給を停止するとともに、排気部77による排気は継続して行う。これにより、チャンバー70内の熱処理空間65は大気圧よりも低い気圧に減圧される(ステップS4)。減圧を開始してから所定時間が経過、或いはチャンバー70内が所定圧にまで減圧されたら、排気部77による排気を停止する。そして、減圧雰囲気のチャンバー70内にHMDS供給部71からヘキサメチルジシラザンを噴霧する(ステップS5)。これにより、熱処理空間65はヘキサメチルジシラザンの蒸気雰囲気となる。なお、チャンバー70内を減圧してからヘキサメチルジシラザンを導入している間、基板Wは継続して冷却プレート81上に保持されているため、その温度は常温に維持され続ける。また、この間に、電源ユニット63ではコンデンサーへの再充電が行われる。なお、チャンバー70内の減圧とヘキサメチルジシラザンの導入に要する時刻t3から時刻t4までの時間間隔は、数10秒から1分程度である。
チャンバー70内の熱処理空間65がヘキサメチルジシラザンの蒸気雰囲気とされた後、時刻t4にてフラッシュランプFLから冷却プレート81に保持された基板Wに向けて再度フラッシュ光が照射される(第2フラッシュ照射工程:ステップS6)。このフラッシュ光照射によって、基板Wの表面温度は瞬間的に処理温度T2にまで上昇し、その後急速に常温まで下降する。ステップS6でのフラッシュ加熱はヘキサメチルジシラザンの蒸気雰囲気中にて行われる。これにより、通常は親水性であるシリコンの基板Wの表面が疎水化され、反射防止膜との密着性が向上する。密着強化処理を行うときに基板Wの表面が到達する処理温度T2は100℃以上である。また、ステップS3の第1フラッシュ照射工程と同じく、フラッシュ光が照射されて基板Wの表面温度が昇温を開始した時刻t4から常温にまで降温した時刻t5までの時間は1秒以下である。このような1秒以下の短時間加熱であっても、フラッシュランプFLから強度の大きなフラッシュ光を照射することによって、密着強化処理を確実に行うことができる。
乾燥処理を行うとき(第1フラッシュ照射工程)のフラッシュ光照射の強度は、密着強化処理を行うとき(第2フラッシュ照射工程)のフラッシュ光照射の強度よりも大きい。フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射の強度は、例えば電源ユニット63のコンデンサーへの充電電圧を変化させることによって変えることができる。
2回のフラッシュ光照射が終了した後、チャンバー70内が再び不活性ガス雰囲気に置換される(ステップS7)。すなわち、ガス供給部74からチャンバー70内に窒素ガスを供給するとともに、排気部77によるチャンバー70からの排気を行う。これにより、チャンバー70内に残留していたヘキサメチルジシラザンが排出されて窒素ガスに置き換わる。
また、2回目のフラッシュ光照射が終了した後、基板Wが冷却プレート81に保持され続けることによって冷却され、常温に維持される(ステップS8)。やがて、所定時間が経過して時刻t6に到達した時点にて、3本のリフトピン84が上昇し、冷却プレート81に載置されていた基板Wを突き上げて冷却プレート81から離間させる。
その後、搬送開口部68が再び開放され、搬送ロボットTR1の搬送アーム24a(または24b)が搬送開口部68からチャンバー70内に進入して基板Wの直下で停止する。続いて、リフトピン84が下降することによって、基板Wがリフトピン84から搬送アーム24aに渡される。そして、基板Wを受け取った搬送ロボットTR1の搬送アーム24aがチャンバー70から退出することにより、基板Wがチャンバー70から搬出され、フラッシュベークユニットFLBにおける乾燥処理および密着強化処理が完了する(ステップS9)。
本実施形態においては、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によって基板Wの表面に付着している水分を乾燥させる乾燥処理を行っている。また、フラッシュ光照射によって基板Wと反射防止膜との密着性を向上させる密着強化処理を行っている。これらのフラッシュ光照射によるフラッシュ加熱処理は処理時間が1秒以下の極めて短時間の処理である。ホットプレートに載置して加熱する従来の乾燥処理および密着強化処理は、いずれも基板Wが目標温度に到達するまでに少なくとも30秒以上を要していた。これと比較して、フラッシュ光照射による乾燥処理および密着強化処理に要する時間は顕著に短時間であり、その結果として基板処理装置1におけるスループットを向上させることができる。
また、乾燥処理および密着強化処理に要する時間が短時間であれば、基板処理装置1に1つのフラッシュベークユニットFLBを搭載するだけでも、これらの処理が基板処理装置1全体を律速することない。従って、従来と同等のスループットを得るために、基板処理装置1に搭載するユニット数は著しく少なくなり、装置サイズをコンパクトにできるとともに、消費電力の増加を抑制することもできる。
特に、本実施形態においては、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射の強度を変化させることによって容易に基板Wの加熱温度も変更することができるため、処理温度の異なる乾燥処理と密着強化処理とを同一のフラッシュベークユニットFLBにて実行することができる。その結果、基板処理装置1に搭載するユニット数をさらに少なくすることができ、装置サイズをよりコンパクトにすることができる。
図8は、バークブロック20における基板Wの搬送順序を示す図である。図8(a)は従来の搬送順序であり、図8(b)は本実施形態における搬送順序である。本実施形態と同様の処理を行うのに、従来であれば図8(a)に示すように、まず未処理の基板Wをデハイドベークユニット(DHB)に搬送し、その基板Wをホットプレートに載置して乾燥処理を行う。次に、乾燥処理後の基板Wを一旦搬送ロボットTR1がデハイドベークユニット(DHB)から搬出して密着強化処理ユニット(AHL)に搬送し、その基板Wをヘキサメチルジシラザンの蒸気雰囲気中にてホットプレートにより加熱して密着強化処理を行う。さらに、その後、表面が疎水化された基板Wを搬送ロボットTR1が密着強化処理ユニット(AHL)から搬出して冷却ユニットCPに搬送し、当該基板Wの冷却処理が行われる。その後は、本実施形態と同様に、塗布処理ユニットBRC、加熱ユニットHP、冷却ユニットCPの順に基板Wが搬送される。
これに比して、本実施形態では図8(b)に示すように、フラッシュベークユニットFLBにて乾燥処理および密着強化処理に加えて、その後の冷却処理までも行うことができ、従来3つの処理ユニットにて分割して行っていた処理を1つのフラッシュベークユニットFLBにて続けて実行することができる。その結果、基板処理装置1におけるスループットをさらに向上させることができるとともに、装置サイズをよりコンパクトにすることができる。
フラッシュベークユニットFLBにて基板Wの冷却処理をも行うことができるのは、冷却プレート81を備えていることによる。2回目のフラッシュ光照射による密着強化処理の後、基板Wを冷却プレート81に保持して冷却し続けることにより(ステップS8)、反射防止膜の塗布液を供給する前に基板Wを正確に常温に温調することとなり、従来冷却ユニットCPに搬送して行っていたのと同様の処理を行うことができる。また、フラッシュベークユニットFLBに冷却プレート81を備えることによって、基板Wを保持する部材への蓄熱を防止して、複数の基板W間における温度履歴を均一にすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、1つのフラッシュベークユニットFLBにて乾燥処理および密着強化処理の双方を連続して行うようにしていたが、乾燥処理または密着強化処理のいずれか一方のみを行うようにしても良い。このようにしても、乾燥処理または密着強化処理に要する時間を短くしてスループットを向上させることができる。
また、基板処理装置1に複数台のフラッシュベークユニットFLBを搭載するようにしても良い。この場合、乾燥処理専用のフラッシュベークユニットFLBと密着強化処理専用のフラッシュベークユニットFLBとを設けるようにしても良いし、一部のフラッシュベークユニットFLBを予備としても良い。
また、フラッシュベークユニットFLBから搬出した基板Wを熱処理タワー22,23のいずれかの冷却ユニットCPに搬送し、反射防止膜の塗布液を供給する前に当該基板Wの冷却処理を行うようにしても良い。
また、電源ユニット63に絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのスイッチング素子を設け、そのスイッチング素子によってフラッシュランプFLに流れる電流を制御することにより、第1フラッシュ照射工程(ステップS3)と第2フラッシュ照射工程(ステップS6)とでのフラッシュ光照射の強度を変えるようにしても良い。また、電源ユニット63に容量の異なる2種類のコンデンサーを設け、これらを切り替えることによってフラッシュ光照射の強度を変えるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、基板Wに反射防止膜の形成処理を行うための前処理としての乾燥処理および密着強化処理をフラッシュ光照射によって実行するようにしていたが、これに限定されるものではなく、他の種類の膜、例えばレジスト膜の形成処理を行うための前処理を上記実施形態と同様のフラッシュ光照射によって行うようにしても良い。すなわち、反射防止膜を形成せずに基板W上に直接レジスト膜を形成する場合には、そのレジスト膜の形成処理を行うための前処理として乾燥処理および密着強化処理を行う。このレジスト膜形成処理を行うための前処理としての乾燥処理および密着強化処理を上記実施形態と同様にフラッシュ光照射によって実行するようにしても良い。
また、露光ユニットEXPにて極端紫外光(EUV)や電子線を用いてパターン露光処理を行う場合には、基板Wに反射防止膜に代えて下層膜を形成する。この下層膜の形成処理を行うための前処理としての乾燥処理および密着強化処理をフラッシュ光照射によって実行するようにしても良い。要するに、基板Wに何らかの膜形成処理を行うための前処理として乾燥処理および密着強化処理を行うときに、本発明に係る技術を適用してフラッシュ光照射によって前処理を行うようにすれば良い。
また、基板処理装置1の構成は図1から図4に示したような形態に限定されるものではなく、基板Wに膜形成処理の前処理を行うための熱処理装置を組み込み、当該熱処理装置に搬送ロボットが基板Wを搬送する形態であれば種々の構成を採用することが可能である。
また、本発明に係る熱処理技術によって処理対象となる基板Wは半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。
1 基板処理装置
10 インデクサブロック
20 バークブロック
30 レジスト塗布ブロック
40 現像処理ブロック
50 インターフェイスブロック
60 フラッシュ照射部
65 熱処理空間
69 チャンバー窓
70 チャンバー
71 HMDS供給部
74 ガス供給部
77 排気部
81 冷却プレート
84 リフトピン
90 ユニットコントローラ
BRC,SC 塗布処理ユニット
CP 冷却ユニット
FL フラッシュランプ
FLB フラッシュベークユニット
HP 加熱ユニット
PASS1〜PASS10 基板載置部
SD 現像処理ユニット
TR1,TR2,TR3,TR4 搬送ロボット
W 基板

Claims (12)

  1. 基板に膜形成処理を行うための前処理を行う熱処理方法であって、
    基板をチャンバー内に収容する収容工程と、
    前記チャンバー内に収容された前記基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面に付着している水分を乾燥させるフラッシュ照射工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
  2. 請求項1記載の熱処理方法において、
    前記チャンバーから排気を行う排気工程と、
    前記チャンバー内に不活性ガスを供給するガス供給工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱処理方法において、
    前記基板を前記チャンバー内の冷却プレート上に保持しつつフラッシュ光の照射を行うことを特徴とする熱処理方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射による加熱処理時間は1秒以下であることを特徴とする熱処理方法。
  5. 基板に膜形成処理を行うための前処理を行う熱処理方法であって、
    基板をチャンバー内に収容する収容工程と、
    前記基板を収容した前記チャンバー内を大気圧よりも低い気圧に減圧する減圧工程と、
    減圧された前記チャンバー内にヘキサメチルジシラザン(HMDS)を導入するHMDS導入工程と、
    前記基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面を疎水化するフラッシュ照射工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
  6. 請求項5記載の熱処理方法において、
    前記基板を前記チャンバー内の冷却プレート上に保持しつつフラッシュ光の照射を行うことを特徴とする熱処理方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の熱処理方法において、
    前記フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射による加熱処理時間は1秒以下であることを特徴とする熱処理方法。
  8. 基板に膜形成処理を行うための前処理を行う熱処理方法であって、
    基板をチャンバー内に収容する収容工程と、
    前記チャンバー内に収容された前記基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面に付着している水分を乾燥させる第1フラッシュ照射工程と、
    第1フラッシュ照射工程の後、前記チャンバー内を大気圧よりも低い気圧に減圧する減圧工程と、
    減圧された前記チャンバー内にヘキサメチルジシラザン(HMDS)を導入するHMDS導入工程と、
    前記基板の表面にフラッシュ光を照射して当該表面を疎水化する第2フラッシュ照射工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
  9. 請求項8記載の熱処理方法において、
    前記基板を前記チャンバー内の冷却プレート上に保持しつつ第1フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射および第2フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射を行うことを特徴とする熱処理方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の熱処理方法において、
    第1フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射の強度は第2フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射の強度よりも大きいことを特徴とする熱処理方法。
  11. 請求項8から請求項10のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記第1フラッシュ照射工程および第2フラッシュ照射工程でのフラッシュ光照射による加熱処理時間は1秒以下であることを特徴とする熱処理方法。
  12. 基板に膜形成処理を行うための前処理を行う熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて前記基板を載置して保持する冷却プレートと、
    前記チャンバーから排気を行う排気手段と、
    前記チャンバー内に不活性ガスを供給するガス供給手段と、
    前記チャンバー内にヘキサメチルジシラザン(HMDS)を供給するHMDS供給手段と、
    前記冷却プレートに保持されている前記基板にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
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