JP2014009634A - 冷却システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EGR装置における凝縮水の発生を防止しつつ、効率的な内燃機関の暖機を実現する。
【解決手段】冷却システムの制御装置(100)は、内燃機関(200)の機関本体部を冷却する第1経路(CCVo1)と、冷却水を昇温する熱源(800)を有する第2経路(CCVo2)と、EGRクーラを冷却する第3経路(LEGR)と、冷却水の通水量を制御可能な制御弁(510)と、第3経路におけるEGRクーラより上流側の冷却水温を検出する水温センサ(400)とを備える冷却システムを制御する。冷却システムの制御装置は、内燃機関の暖機時に、第1経路の通水を停止させると共に第2経路の通水を実行させて第1通水状態を実現する第1通水制御手段と、検出水温がEGRガスの露点温度以上となった場合に、EGRガスの還流を開始させるEGR制御手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷却水の循環により内燃機関及びEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置を含む被冷却体を冷却可能に構成された冷却システムを制御する、冷却システムの制御装置の技術分野に関する。
この種の装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された装置によれば、排熱回収器で昇温された冷却水がEGRクーラを流れるような構成とすることで、低温始動時においてもEGRガスが凝縮してしまうことを防止できるとされている。
また特許文献2には、エンジン側を通る第1経路と、エンジンをバイパスさせて熱源(スロットル、EGR装置、排熱回収器)を通る第2経路とを備える冷却システムが開示されている。特許文献2に開示された装置では、第1経路と第2経路との合流地点に設けられた水温センサを用いて、ヒータコアに流入する冷却水の温度が推定される。
また特許文献3から5には、冷却水の温度が所定温度以上になってからEGRガスを導入するという技術が夫々開示されている。
特開2009−138558号公報 特開2011−179454号公報 特開平11−125151号公報 特開平11−082184号公報 特開2004−245133号公報
EGR装置においては、例えば低温始動時において冷却水の温度がEGRガスの露点温度を下回ると、EGRガスの凝縮が発生してしまうおそれがある。特に、LPL(Low Pressure Loop)−EGRのような比較的低温の排気を還流する装置においては、EGRガスの凝縮が発生してしまう可能性が高い。
ここで特許文献1では、上述したように熱源から得られる熱によって冷却水を昇温できるとされている。しかしながら、熱源による冷却水の昇温中においてエンジンにも冷却水が流れ続けるため、早期に暖機すべきエンジンまでもが冷却されてしまい、暖機完了までの期間が長くなってしまう。
一方、特許文献2では、エンジンをバイパスさせて熱源を通る第2経路について開示しているが、水温センサによってEGR装置に流れる冷却水の温度を正確に検出することができない。このため、仮に第2経路を用いてエンジンの暖機性能に影響を与えることなく冷却水を昇温できたとしても、冷却水がEGRガスの凝縮を防止できる温度になっているか否かを判定することが困難である。
以上のように、上述した特許文献を含む従来技術は、EGR装置における凝縮水の発生を確実に防止できない、或いは効率的な内燃機関の暖機を実現することができないという技術的問題点を有している。
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであり、EGR装置における凝縮水の発生を防止しつつ、効率的な内燃機関の暖機を実現可能な冷却システムの制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る冷却システムの制御装置は、通水される冷却水により内燃機関の機関本体部を冷却する第1経路と、通水される前記冷却水を昇温する熱源を有し、前記機関本体部の下流側で前記第1経路と合流する第2経路と、前記第1経路及び前記第2経路の合流部の下流側に位置し、通水される前記冷却水によりEGR装置に含まれるEGRクーラを冷却する第3経路と、前記第1経路及び前記第2経路に対する前記冷却水の通水量を夫々制御可能な制御弁と、前記第3経路における前記EGRクーラより上流側の前記冷却水の温度を検出する水温センサとを備える冷却システムの制御装置であって、前記内燃機関の暖機時に、前記第1経路に対する前記冷却水の通水を停止すると共に、前記第2経路に対する前記冷却水の通水を実行するように前記制御弁を制御して第1通水状態を実現する第1通水制御手段と、前記第1通水状態において、前記水温センサで検出される水温が前記EGR装置により還流されるEGRガスの露点温度以上となった場合に、前記EGRガスの還流を開始するように前記EGR装置を制御するEGR制御手段とを備える。
本発明に係る冷却システムには、冷却水の通水経路として、内燃機関の機関本体部(例えば、シリンダブロック及びシリンダヘッド等)を冷却するための第1経路と、内燃機関の機関本体部をバイパスする第2経路とが備えられている。第1経路は、例えば内燃機関の機関本体部に設けられたウォータジャケットを通過するような経路として配置されている。一方、第2経路には、通水される冷却水を昇温するための熱源(例えば、排熱回収器等)が配置されている。
第1経路と第2経路とは、内燃機関の機関本体部の下流側において合流しており、合流部の下流側にはEGRクーラを冷却する第3経路が配置されている。即ち、第1経路に通水された冷却水は、第1経路を通過後に第3経路に通水される。同様に、第2経路に通水された冷却水は、第2経路を通過後に第3経路に通水される。
第1経路及び第2経路に対する冷却水の通水は、例えばCCV(Coolant Control Valve)等の制御弁により制御される。この制御弁によれば、例えば第1経路にのみ冷却水を通水する態様、第2経路にのみ通水する態様、第1経路及び第2経路の両方に通水する態様、及び第1経路及び第2経路の両方に通水しない態様を夫々実現できる。
なお、上述した第1経路、第2経路及び第3経路に加えて、他の経路(例えば、補機類を冷却するための経路等)が備えられていてもよく、そのような場合には、制御弁が他の経路に対する通水を制御可能に構成されても構わない。
また本発明に係る冷却システムには、第3経路(即ち、第1経路と第2経路都の合流部の下流側の経路)におけるEGRクーラより上流側に、冷却水の温度を検出する水温センサが設けられている。このような水温センサによれば、EGRクーラに通水される冷却水の温度を正確に検出することができる。
本発明に係る冷却システムの制御装置の動作時には、例えば機関始動直後における暖機時に、第1経路に対する冷却水の通水を停止すると共に、第2経路に対する冷却水の通水を実行するように制御弁が制御される。これにより、冷却システムでは、第2経路にのみ冷却水が通水される第1通水状態が実現される。ただし、ここでの「停止」とは、好適な一形態としては第1経路の冷却水の通水を完全にゼロとする状態を意味するが、概念としては、内燃機関の暖機性能を悪化させない程度に第1経路の冷却水の通水量が減少される状態を包含する。
第1通水状態が実現されると、水温センサで検出される水温(即ち、第2経路から第3経路に通水された後、EGRクーラに通水されようとする冷却水の温度)が、EGR装置で還流するEGRガスの露点温度以上となっているか否かが判定される。そして、検出された水温がEGRガスの露点温度以上であると判定された場合には、EGR装置によるEGRガスの還流が開始される。言い換えれば、検出された水温がEGRガスの露点温度未満である場合には、EGRガスの還流は実行されない。
上述したようにEGRガスの還流を開始するタイミングを決定すれば、EGRクーラがEGRガスの露点温度未満の状態であるにもかかわらず、EGRガスの還流が開始されてしまうことを防止できる。これにより、還流されたEGRガスが凝縮し、EGR装置内部に凝縮水が発生してしまうことを確実に防止しつつ、早期にEGRガスの還流を開始できる。特に、LPL−EGRのように比較的低い温度の排気を還流する装置では凝縮水が発生する可能性が高いため、上述した本発明の効果は顕著に発揮される。
本発明では更に、上述したように内燃機関の暖機時に第1通水状態が実現されるため、暖機中には内燃機関の機関本体部を冷却する第1経路に冷却水が通水されない(尚、「通水されない」とは、第1経路に冷却水が滞留している状態を含む)。このため、暖機中の内燃機関が冷却され、暖機性能が悪化してしまうことを防止できる。即ち、できるだけ早く内燃機関の温度を高めることが求められる状況であるにもかかわらず、冷却水による機関本体部の冷却が実行され、結果として暖機完了が遅れてしまうことを防止することができる。
以上説明したように、本発明に係る冷却システムの制御装置によれば、EGR装置における凝縮水の発生を防止しつつ、効率的な内燃機関の暖機を実現可能である。
本発明に係る冷却システムの制御装置の一の態様では、前記第1通水状態を実現する直前に、前記第1経路及び前記第2経路に対する前記冷却水の通水を実行するように前記制御弁を制御して第2通水状態を実現する第2通水制御手段と、前記第2通水状態において前記水温センサで検出された水温、及び前記第1通水状態の実現後に前記機関本体部内の前記冷却水が受け取った受熱量を用いて、前記第1通水状態の実現後における前記機関本体部の内部水温を推定する水温推定手段と、前記水温推定手段により推定された水温が所定の閾値以上となった場合に、前記第1経路に対する前記冷却水の通水を開始するように前記制御弁を制御して第3通水状態を実現する第3通水制御手段と、前記第3通水状態において、前記水温センサで検出される水温が安定した後に、前記水温推定手段により推定される水温及び前記水温センサで検出される水温の差分から、前記水温推定手段が用いるべき補正値を学習する学習手段とを備える。
この態様によれば、第1通水状態が実現される直前に、第1経路及び第2経路に対する冷却水の通水を実行するように制御弁が制御される。これにより、冷却システムでは、第1経路及び第2経路の両方に冷却水が通水される第2通水状態が実現される。
第2通水状態が実現されると、水温センサによる冷却水の温度の検出が実行される。ここで検出される水温は、例えばメモリ等の記憶手段に格納され、後述する機関本体部の内部温度の推定に用いられる。水温の検出が終了すると、第1経路に対する冷却水の通水が停止され、第1通水状態が実現される。
第1通水状態の実現後には、第1経路における機関本体部内に滞留した冷却水が受け取った受熱量(例えば、内燃機関の燃焼によって得られる受熱量)が推定される。この受熱量は、例えば内燃機関に対する燃料の噴射量等に基づいて推定できる。
推定された受熱量を用いることで、第1通水状態の実現後においても(即ち、第1経路に通水された冷却水が水温センサを通過しなくなった状態でも)、機関本体部内に滞留した冷却水の温度を推定できる。具体的には、第2通水状態(即ち、第1通水状態が実現される直前)において水温センサで検出された水温に対して、推定された受熱量から求められる温度上昇分を加算することで、第1通水状態の実現後における機関本体部の内部水温を推定できる。
上述したように機関本体部の内部水温が推定されると、推定された水温が所定の閾値以上であるか否かが判定される。なお、ここでの「所定の閾値」とは、内燃機関の機関本体部に冷却水が通水されても不都合が殆ど或いは全くない状態を判定するための閾値であり、例えば内燃機関が暖機状態に移行したと判断し得る温度(即ち、完全暖機温度)よりも低い温度として設定されている。より具体的には、所定の閾値は、例えば機関本体部におけるシリンダヘッドの信頼性を確保できる最高温度として設定されている。このような温度まで暖機できれば、シリンダ周りの効果的な昇温が実現され、フリクション低減による燃費向上等が期待できる。
推定された機関本体部の内部水温が所定の閾値以上であると判定されると、第1経路に対する冷却水の通水を開始するように制御弁が制御される。これにより、第3通水状態が実現される。なお、第3通水状態は、第1経路に冷却水が通水されている状態であれば、第2経路に冷却水が通水されているか否かは問わない。即ち、第3通水状態は、第1経路及び第2経路の両方に冷却水が通水されている状態(即ち、第2通水状態と同様の状態)であってもよいし、第1経路にのみ冷却水が通水されている状態であってもよい。
第3通水状態が実現された後、水温センサで検出される水温が安定すると、機関本体部の内部水温の推定に用いられる補正値の学習が実行される。なお、検出される水温が安定しているか否かは、水温の単位時間の辺りの変化率又は変動幅等に基づいて判定できる。より具体的には、例えば水温の変動幅が所定量以下である場合に水温が安定したと判定すればよい。水温が安定してから学習を行なうことで、通水状態の変化による一時的な水温変動の影響を低減し、学習される補正値をより適切な値とすることができる。
補正値の学習は、学習時点において推定される機関本体部の内部水温及び水温センサで検出される水温の差分を用いて行われる。即ち、推定値と実測値との差分から推定値のずれを求めることで、より適切な推定を行うための補正値を学習できる。補正値は、例えば推定された温度に乗算される補正係数や、推定された温度に加算される補正量として学習される。
補正値が学習されると、次回からの機関本体部の内部水温の推定時に、補正値を用いた推定が実行される。よって、より正確に機関本体部の内部水温を推定することが可能となる。
なお、補正値の学習は、上述したように、機関本体部の内部水温が所定閾値以上となってから実行される。よって、機関本体部の暖機を優先的に行うべき状態であるにもかかわらず、第1経路への通水(即ち、機関本体部の冷却)が開始され、結果として燃費の悪化等が発生してしまうことを防止できる。
上述した水温推定手段が用いる補正値を学習する態様では、前記熱源から受け取った受熱量による前記冷却水の水温変化分を算出する水温変化算出手段を備え、前記学習手段は、前記第3通水状態において前記第2経路に対する前記冷却水の通水が停止されていない場合に、前記水温センサで検出される水温から前記水温変化分を差し引いた上で前記補正値を学習するように構成してもよい。
第3通水状態が、第1経路及び第2経路の両方に通水を行う状態である場合、水温センサで検出される水温は、第1経路に通水された冷却水の温度とはならず、第1経路に通水された冷却水及び第2経路に通水された冷却水が合流した後の温度となる。このため、仮に推定された機関本体部の内部水温と、水温センサで検出された水温との差分から補正値を学習しようとすると、第2経路に通水された冷却水の温度に応じたずれが生じてしまう。
しかるに本態様では、補正値の学習時において、水温センサで検出された水温から、第2経路の熱源から受け取った受熱量による水温変化分が差し引かれる。これにより、第1経路に通水された冷却水(即ち、機関本体部に通水された冷却水)に対して、第2経路に通水された冷却水(即ち、熱源によって昇温された冷却水)が合流することによる水温変化の影響をなくすことができる。従って、より適切な補正値を学習することが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
第1実施形態に係るエンジンシステムのブロック図である。 図1のエンジンシステムにおけるエンジンの概略図である。 第1実施形態に係る冷却装置の動作モードと冷却水温との関係を例示する図である。 第1実施形態に係る冷却装置の制御動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る冷却装置の制御タイミングを示すタイムチャートである。 第2実施形態に係る冷却装置の動作モードと冷却水温との関係を例示する図である。 第3実施形態に係る冷却装置の動作モードと冷却水温との関係を例示する図である。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
先ず、本発明の一実施形態に係るエンジンシステム10の構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係るエンジンシステムのブロック図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載されるシステムであり、ECU(Electronic Control Unit)100、エンジン200、LPLEGR装置300、水温センサ400、冷却装置500及び補機類600を備える。
ECU100は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジンシステム10の動作全体を制御可能に構成された、本発明に係る「冷却システムの制御装置」の一例たるコンピュータ装置である。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)である。以下では、エンジン200の詳細な構成について、図2を参照して説明する。ここに図2は、エンジン200の概略断面図である。尚、図2において、図1と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、エンジン200は、金属製のシリンダブロック201A内に収容されたシリンダ201を有する。
このシリンダ201の内部に形成される燃焼室には、直噴インジェクタ202の燃料噴射弁の一部が露出しており、燃焼室に燃料の高圧噴霧を供給可能に構成されている。シリンダ201の内部にはピストン203が往復運動可能に設置されており、圧縮行程において燃料(軽油)と吸入空気との混合気が自着火することによって生じるピストン203の往復運動は、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換される構成となっている。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転角であるクランク角θcrを検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。クランクポジションセンサ206は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたクランク角θcrは、一定又は不定の周期でECU100に供出される構成となっている。ECU100は、クランクポジションセンサ206によって検出されたクランク角θcrに基づいて、直噴インジェクタ202の燃料噴射時期等を制御する構成となっている。また、ECU100は、この検出されたクランク角θcrを時間処理することによって、エンジン200の機関回転速度NEを算出可能に構成されている。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、絞り弁208及び吸気ポート209を順次介し、吸気バルブ210の開弁時にシリンダ201の内部に吸入される。
シリンダ201内部で燃焼した混合気は排気となり吸気バルブ210の開閉に連動して開閉する排気バルブ211の開弁時に排気ポート212を介して排気管213に導かれる構成となっている。この排気ポート212及び排気ポート212と排気管213との間に介装された排気マニホールド(図示略)は、シリンダヘッド201Bに収容されている。
排気管213には、DPF214が設置される。DPF214は排気中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕捉可能に構成されたフィルタである。DPF214は、金属製の筐体にコージェライトやSiC等のセラミック担体によって構成されたフィルタが収容された構造を有する。このフィルタは、排気の流れる方向に伸長し且つ排気の流れる方向と垂直な断面がハニカム状をなす複数の排気通路を形成している。この排気通路は、排気の入口側と出口側とのうち一方が、相互に隣接しないように互い違いに目封じされており、所謂セラミックウォールフロー型のフィルタ構造となっている。
尚、このような排気浄化装置の構成は一例であり、エンジン200には、DPF214に加えて、CCO(酸化触媒)、SCR或いはNSR(Nox Storage Reduction)触媒(リーンNOx触媒とも称される)等の各種触媒が設けられていてもよい。或いは、エンジン構成(例えば、直噴ガソリンエンジン等)によっては、DPF214に替えて、これら各種触媒装置が設けられていてもよい。
尚、CCOは、例えば、アルミナ等の多孔質塩基性担体に白金等の貴金属を担持してなり、排気中のCO、HC(主としてSOF)及びNO等を酸化することが可能に構成された触媒である。また、NSR触媒は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等のNOx吸蔵材と貴金属をアルミナ等の多孔質担体に担持してなるNOx吸蔵還元型触媒である。NSR触媒は、リーン雰囲気中で排気中のNOを貴金属上でNOxに酸化し、塩基性物質であるNOx吸蔵材がNOxと中和反応して硝酸塩や亜硝酸塩を形成することによりNOxを吸蔵可能に構成される。また、燃料リッチ雰囲気中で、吸蔵されていた硝酸塩や亜硝酸塩が分解しNOxが放出された際に、貴金属の触媒作用によりこのNOxをHCやCO等の還元剤と反応させ、Nとして浄化可能に構成される。
一方、排気管213における、DPF214の下流側には、金属材料で構成されたLPLEGR管320の一端部が接続されている。このLPLEGR管320の他端部は、絞り弁208の上流側において吸気管207に連結されており、排気の一部は、EGRガスとして吸気系に還流される構成となっている。
LPLEGR管320には、LPLEGRクーラ310が設けられている。LPLEGRクーラ310は、LPLEGR管320に設けられた、EGRガスの冷却装置であり、冷却水が封入されたウォータジャケットが周囲に張り巡らされ、この冷却水との熱交換を行うことによってEGRガスを冷却可能に構成されている。
更に、LPLEGR管320における、このLPLEGRクーラ310の下流側には、LPLEGRバルブ330が設けられている。LPLEGRバルブ330は電磁駆動弁であり、ECU100を介してなされるソレノイドへの通電により弁開度が連続的に変化する構成となっている。LPLEGR管320を流れるEGRガスの流量、即ち、EGR量は、吸気管207と排気管213との差圧とこの弁開度とに応じて連続的に変化する。
LPLEGR管320、LPLEGRクーラ310及びLPLEGRバルブ330は、エンジンシステム10に備わるLPLEGR装置300を構成する。LPLEGR装置300は、本発明に係る「LPLEGR装置」の一例であり、LPLEGRクーラ310は、本発明に係る「EGRクーラ」の一例である。
他方、排気管213における、DPF214の上流側には、金属材料で構成されたHPLEGR管720の一端部が接続されている。このHPLEGR管720の他端部は、絞り弁208の下流側において吸気ポート209に連結されており、排気の一部は、EGRガスとして吸気系に還流される構成となっている。
HPLEGR管720には、HPLEGRバルブ710が設けられている。HPLEGRバルブ710は、ECU100を介してなされるソレノイドへの通電により弁開度が連続的に変化する構成となっている。HPLEGR管320を流れるEGRガスの流量、即ち、EGR量は、吸気ポート209と排気管213との差圧とこの弁開度とに応じて連続的に変化する。
HPLEGR管720及びHPLEGRバルブ710は、エンジンシステム10に備わるHPL(High Pressure Loop)EGR装置700を構成する。
図1に戻り、水温センサ400は、冷却水であるLLC(Long Life Coolant)の温度たる冷却水温Tclを検出可能に構成されたセンサである。水温センサ400は、後述する冷却水の流路のうち、LPLEGRクーラ310に冷却水を供給する流路LEGRにおける接続点P2に設定されており、この接続点P2において、流路LEGRにおける冷却水温Tclを検出可能である。また、水温センサ400は、ECU100と電気的に接続されており、検出された冷却水温Tclは、ECU100が常時参照可能である。
冷却装置500は、流路内に封入された冷却水を、後述するCCV510の作用により適宜選択される流路内で循環供給することによって被冷却体たるエンジン200、LPLEGRクーラ310、ヒータ600、HPLEGRバルブ710を冷却する、本発明に係る「冷却システム」の一例である。
冷却装置500は、CCV510、機械式W/P520、ラジエータ530、サーモスタット540及び図示実線で示された複数の流路(CCVi、CCVo1、CCVo2、CCVo3、LEGR、HK、BP、RG、WPi及びWPo)を備える。
流路CCViは、機械式W/P520の出力ポートに連結された流路WPoと、CCV510の入力ポートとを繋ぐ冷却水流路である。機械式W/P520から吐出された冷却水は、流路WPo及び流路CCViを順次経由してCCV510に流入する。
流路CCVo1は、CCV510の第1出力ポートに接続された、エンジン200のウォータジャケットを含む冷却水流路であり、本発明に係る「第1経路」の一例である。
流路CCVo2は、CCV510の第2出力ポートに接続された、エンジン200をバイパスする冷却水流路であり、本発明に係る「第2経路」の一例である。流路CCVo2は、エンジン200下流の接続点P2において、流路CCVo1と合流している。流路CCVo2には、エンジン200からの排気の熱を回収する排熱回収器800が設置されている。排熱回収器800は、本発明に係る「熱源」の一例である。
流路CCVo3は、CCV510の第3出力ポートに接続された冷却水流路である。流路CCVo3は、補機類600(例えば、社内に暖められた空気を供給するヒータ等を含む)を冷却するための流路HKに接続されている。流路HKは、接続点P4において流路WPiに接続される。
流路LEGRは、LPLEGRクーラ310を経由する不図示のウォータジャケットを含む冷却水流路であり、本発明に係る「第3経路」の一例である。流路LEGRは上述したように、接続点P1において流路CCVo1及び流路CCV02と接続されている。また、流路LEGRは、LPLEGRクーラ310の下流側において、サーモスタット540に接続されている。
サーモスタット540は、予め設定された温度(例えば、摂氏80度程度)で開弁状態が変化する公知の温度調整弁である。サーモスタット540は一の開弁状態において流路LEGRと流路BPを接続し、他の開弁状態において流路LEGRと流路RGとを接続する。上記設定温度は、上記一の開弁状態から上記他の開弁状態への開弁状態の変化が生じる温度である。
ラジエータ530は、インレットパイプ及びアウトレットパイプに連通する複数のウォータパイプが配列してなると共に、当該ウォータパイプの外周に多数の波板状のフィンを備えた公知の冷却装置である。ラジエータ530は、インレットパイプから流入した冷却水を当該ウォータパイプに導くと共に、当該ウォータパイプを流れる過程において当該フィンを介した大気との熱交換により冷却水から熱を奪う構成となっている。熱を奪われることによって相対的に冷却された冷却水は、アウトレットパイプから排出される構成となっている。インレットパイプ及びアウトレットパイプは、夫々流路RGに接続される。
従って、流路LEGRからサーモスタット540に流入した冷却水は、設定温度以上であれば流路RGを経由してラジエータ530で冷却され、設定温度未満であればラジエータ530をバイパスする流路BPを経由してラジエータ530で冷却されることなく循環する。流路BP及び流路RGは、接続点P2において流路WPiに接続される。
機械式W/P520は、公知の機械式ポンプである。機械式W/P520は、ポンププランジャがエンジン200のクランクシャフト205に間接的に連結された構成を有しており、入力ポートを介して流路WPiから入力される冷却水を、エンジントルクの一部を利用したポンププランジャの往復動作に伴うポンプ作用により吸引し、出力ポートを介して流路WPoに吐出可能に構成されている。即ち、機械式W/P520は、それ自体は冷却水の通水量を制御する機構を有さない。冷却システム500における冷却水の通水量は、CCV510により制御される。
CCV510は、冷却水の通水経路を、冷却装置500の後述する各動作モードに応じて切り替え可能な、ロータリーバルブ装置であり、本発明に係る「制御弁」の一例である。
CCV510は、流路CCViに接続された、冷却水の入力側インターフェイスである入力ポートと、冷却水の出力側インターフェイスである3つの出力ポートとを有する。各出力ポートは、上述したように流路CCVo1、CCVo2及びCCVo3のうちいずれか一の流路に接続される。
ここで、入力ポートと各出力ポートとを繋ぐ筒状の集約部には、当該集約部において一方向に回転可能な筒状の樹脂バルブが収容されている。この樹脂バルブの側面部分には、各出力ポートに対応する複数の切り欠き部が形成されており、一の切り欠き部と対応する各出力ポートとの連通面積が、樹脂バルブの回転角であるCCV回転角Accvに応じて連続的に変化する構成となっている。樹脂バルブが一周すると、即ちCCV回転角Accvが360°に達すると、CCV510の状態は従前の状態に復帰する。
樹脂バルブを回転駆動する駆動ユニットは、励磁電流により電磁力を生じる公知のソレノイドと、当該励磁電流を付与する駆動装置とを含む公知の電磁駆動型アクチュエータであり、この駆動装置はECU100と電気的に接続されている。従って、CCV510の状態、即ち冷却水の通水経路は、ECU100により制御される構成となっている。
尚、このようなCCV510は、本発明に係る「制御弁」の採り得る態様の一形態に過ぎず、制御弁は他の態様を有していてもよい。例えば、制御弁は、各出力ポートに独立した電磁駆動弁を備えていてもよい。
CCV510の動作状態に応じて定まる冷却水の通水経路は、冷却装置500の動作モードに対応する。冷却装置500は、動作モードとして動作モードM1、動作モードM2及び動作モードM3の3種類の動作モードを備える。冷却装置500の動作モードは、下記の通りである。
動作モードM1:流路CCVo2にのみ冷却水を通水する動作モード
動作モードM2:流路CCVo1、CCVo2及びCCVo3の全てに冷却水を通水する動作モード
動作モードM3:流路CCVo1及びCCVo3に冷却水を通水する動作モード
なお、上記動作モード以外にも他の動作モード(例えば、全ての通水経路が閉鎖される動作モード等)を実現可能とされてもよい。
これら動作モードは、ECU100が冷却水温Tclに応じてCCV510を制御することにより選択される。
<実施形態の動作>
次に、本実施形態の動作について説明する。
先ず、冷却装置500の動作モードと冷却水温Tclとの関係について、図3を参照して説明する。ここに図3は、第1実施形態に係る冷却水温Tclと冷却装置500の動作モードとの関係を例示する図である。尚、図3では、縦軸が動作モードに、横軸が冷却水温Tclに夫々対応している。
図3において、冷却水温Tclが温度値a未満である場合、ECU100は、冷却装置500の動作モードとして動作モードM1を選択する。動作モードM1が選択された場合、冷却水はCCV510から流路CCVo2にのみに通水される。
ここで、温度値aは、排気露点温度である。排気露点温度は、それ未満の温度領域において、LPLEGR管320内のEGRガスから凝縮水が生じる(尚、実際に生じるか否かとは必ずしも関係ない)温度値として設定されている。
冷却水温Tclが温度値a以上である温度値bとなると、LPLEGR装置300によるEGRガスの導入が開始される。即ち、温度値bは、EGR導入温度である。排気露点温度aより高い温度である温度値bの状態でEGRガスが導入されれば、LPLEGR装置300における凝縮水の発生を防止できる。なお、EGRの導入が開始されても、冷却装置500の動作モードは変更されない(即ち、動作モードM1のまま維持される)。
冷却水温Tlcが更に上昇し温度値d以上になると、ECU100は、冷却装置500の動作モードとして動作モードM3を選択する(即ち、動作モードM1から動作モードM3へと切替えられる)。動作モードM3が選択された場合、冷却水はCCV510から流路CCVo1及びCCVo3に通水される(言い換えれば、流路CCVo2に通水されない状態となる)。
ここで、温度値dは、シリンダヘッド201Bの信頼性を確保できる最高温度として設定されている。このため、温度値dの状態でエンジン200に冷却水が通水されたとしても、暖機性能に与える影響は小さい。
動作モードM3は、冷却水温Tclが完全暖機温度e(即ち、暖機が終了したと判定する温度)に達した以降も維持される。
次に、このような冷却装置500の動作制御について、図4及び図5を参照して具体的に説明する。ここに、図4は、第1実施形態に係る冷却装置の制御動作を示すフローチャートである。また図5は、第1実施形態に係る冷却装置の制御タイミングを示すタイムチャートである。
図4及び図5において、車両のイグニッションがONとされると(ステップS101)、エンジン200が始動し、機械式W/P520の回転数も上昇を開始する。
ここで、図3では図示を省略しているが、本実施形態では、エンジン200の始動直後において、ECU100により動作モードM2が選択される(ステップS102)。動作モードM2が選択された場合、冷却水はCCV510から全ての流路(即ち、流路CCVo1、CCVo2及びCCVo3)に通水される。
動作モードM2が実現されると、水温センサ400により初期水温Tsが検出される(ステップS103)。初期水温Tsは、後述するエンジン200の内部水温の推定に用いられる。
初期水温Tsの検出後には、ECU100により動作モードM1が選択される(ステップS104)。これにより、エンジン200に対する冷却水の通水が停止される。以下では、エンジン200に対する通水の停止を「水止め」と称することがある。
水止め中には、水温センサ400により検出される冷却水温Tclが、排気露点温度a以上となっているか否かが判定される(ステップS105)。そして、冷却水温Tclが、排気露点温度a以上となると(ステップS105:YES)、LPLEGR装置300によるEGRガスの導入が開始される(ステップS106)。
本実施形態では、水止めされた状態で(即ち、エンジン200に冷却水が通水されない状態で)、排熱回収器800による冷却水の昇温を実現できる。このため、エンジン200の暖機性能を悪化させることなく、冷却水を排気露点温度a以上にまで高めることができる。
ちなみに、水止め中のエンジン200内部の水温(即ち、エンジン200のウォータジャケットに対流した冷却水の温度)は、水温センサ400では検出することができない。このため、水止め中には、エンジン200の始動直後に検出された初期水温Tsと冷却水の受熱量Q1を用いてエンジン200の内部水温T1が推定される。内部水温T1は、例えば以下の数式(1)により算出できる。
T1=Ts+Q1/C1 ・・・(1)
なお、C1は、エンジン200内の冷却水の熱容量である。
EGRの導入開始後には、上述したエンジン200の内部水温T1が、シリンダヘッドの信頼性を確保できる温度d以上となっているか否かが判定される(ステップS107)。そして、推定された内部水温T1が信頼性確保温度d以上となった場合には(ステップS107:YES)、ECU100により動作モードM3が選択される(ステップS108)。これにより、エンジン200に対する冷却水の通水が開始される(即ち、水止めが解除される)。
水止めが解除されると、水温センサ400により検出される水温が安定したか否かが判定される(ステップS109)。なお、水温が安定したか否かは、例えば水温の変動幅が所定量以下となったか否かによって判定できる。そして、検出水温が安定したと判定されると(ステップS109)、内部温度T1の推定に用いられる補正係数k1の学習が実行される(ステップS110)。ここで補正係数k1は、より正確な内部水温T1’を算出するための係数であり、内部水温T1’は、補正係数k1を用いて、以下の数式(2)により算出される。
T1’=k1×T1 ・・・(2)
言い換えれば、補正係数は、より正確な内部水温T1’と現時点で推定できる内部水温T1との比である。補正係数k1は、例えば以下に説明する方法で求められる。
先ず、水止め解除直前の水温センサ300による検出水温Tgと、初期水温Tsとの差分であるΔTが以下の数式(3)を用いて求められる。
ΔT=Tg−Ts ・・・(3)
このΔTを用いると、水止め中に冷却水が排熱回収器800から得た熱量Q2は、以下の数式(4)で表すことができる。
Q2=C1×ΔT ・・・(4)
そして、水止め解除後の安定した検出水温をT2とすると、この検出水温T2から排熱回収分のQ2による温度変化分を差し引いた値が、エンジン内部のより正確な推定温度であると言える。このため、正確な推定温度と現時点での推定温度の比である補正係数k1は、以下の数式(5)を用いて算出できる。
k1=(T2−Q2/C0)/T1 ・・・(5)
なお、C0は、冷却水全体の熱容量である。
以上のように補正係数k1を学習すれば、次回からのエンジン200の内部水温の推定をより正確に行える。従って、冷却装置500の制御をより好適に実行できる。
本実施形態では特に、装置の構成上、水温センサ400によりエンジン200を通過する冷却水(即ち、流路CCVo1に通水される冷却水)だけでなく、排熱回収器800を通過する冷却水(即ち、流路CCVo2に通水される冷却水)の水温も検出される。このため、エンジン200の内部水温T1を正確に推定することが比較的困難である。
しかしながら、上述したように、水止め解除後において検出水温が安定してから学習を行なうことで、推定精度を高めることができる。また、学習はエンジン200が信頼性確保温度dにまで高められた後に行われるため、暖機性能の悪化も防止できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る冷却システムの制御装置について説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の動作が異なるのみであり、他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
先ず、冷却装置500の動作モードと冷却水温Tclとの関係について、図6を参照して説明する。ここに図6は、第2実施形態に係る冷却水温Tclと冷却装置500の動作モードとの関係を例示する図である。
図6に示すように、第2実施形態では、冷却水温Tclが信頼性確保温度dに達するまでは動作モードM1が選択され、冷却水温Tclが信頼性確保温度d以上となった時点で動作モードM3が選択される(即ち、ここまでは第1実施形態と同様の制御が行われる)。ただし、動作モードM3において補正係数の学習が行われると、暖機が終了するまで動作モードM2が選択される。そして、冷却水温Tclが完全暖機温度となると再び動作モードM3が選択される。
上述した制御によれば、補正係数の学習時に動作モードM3が選択されるため、第1実施形態と同様に好適に学習が行える。これに加え、学習後に動作モードM2が選択されるため、暖機が完全に終了するまでは、排熱回収器800が設置された流路CCVo2にも冷却水が通水される。このため、排熱回収器800により冷却水が昇温され、暖機完了までの期間を短縮することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る冷却システムの制御装置について説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と比べて一部の動作が異なるのみであり、他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1及び第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
先ず、冷却装置500の動作モードと冷却水温Tclとの関係について、図7を参照して説明する。ここに図7は、第3実施形態に係る冷却水温Tclと冷却装置500の動作モードとの関係を例示する図である。
図7に示すように、第3実施形態では、冷却水温Tclが信頼性確保温度dに達するまでは動作モードM1が選択される(即ち、ここまでは第1及び第2実施形態と同様の制御が行われる)。ただし、冷却水温Tclが信頼性確保温度d以上となると、動作モードM2が選択される。動作モードM2は暖機終了時まで維持され、補正係数の学習も動作モードM2の状態で行われる。暖機が終了すると、動作モードM3が選択される。
暖機が完全に終了するまで動作モードM2を選択すれば、上述した第2実施形態で説明したように、排熱回収器800により冷却水が昇温される分、暖機完了までの期間を短縮することができる。一方、学習時に用いられる水温センサ400による検出水温は、エンジン200を通過した冷却水だけでなく、排熱回収器800を通過した冷却水も併せたものとなる。従って、単純に第1及び第2実施形態で用いた学習方法を適用したとしても、適切な補正係数を学習することはできない。
このため第3実施形態では、学習時の水温センサ400による検出水温から、水止め解除後から学習時までに冷却水が排熱回収器800から得た熱量による温度変化分を差し引くことで、適切な補正係数を学習する。具体的な学習方法は以下に示す。
水止め開始から解除までに排熱回収器800から得られる単位時間当たりの熱量ΔQは、以下の数式(6)によって表される。
ΔQ=(Tex−Tw)×η×k2 ・・・(6)
なお、Texは排気ガス温度、Twは水温センサの値、ηは排熱回収器800の効率、k2は排熱回収器800に対する補正係数である。
このため、水止め開始から解除までに排熱回収器800から得られる合計熱量Qex1は、以下の数式(7)によって算出できる。
Qex1=∫ΔQ・dt ・・・(7)
他方で、流路CCVo2における冷却水の熱容量をC2、及び水止め解除直前の検出水温Tgと初期水温Tsとの差分として算出されるΔT1を用いると、冷却水が排熱回収器800から得られる熱量Qは以下の数式(8)で表される。
Q=ΔT×C2 ・・・(8)
ここで、Qex1=Qであるため、以下の数式(9)が成立する。
∫ΔQ・dt=ΔT×C2 ・・・(9)
これにより、排熱回収器800に対する補正係数k2が算出できる。
続いて、水止め解除後から学習時までに、冷却水が排熱回収器800から得る熱量Qex2は、補正係数k2を用いて、数式(6)及び(7)と同等に算出できる。
ここで、冷却水全量の熱容量をC0とすると、水止め解除後から学習時までの排熱回収器800による昇温分ΔT2は、以下の数式(10)により算出できる。
ΔT2=ΔT1+Qex2/C0 ・・・(10)
このように求められたΔT2を学習時の検出水温センサの値T2から差し引くことで、第1及び第2実施形態と同様に補正係数k1を学習できる。結果として、補正係数k1は以下の数式(11)により算出できる。
k1=(T2−ΔT2)/T1 ・・・(11)
なお、動作モードM2での学習は、エンジン200の下流側(即ち、図1における接続点P1の直前)に別の水温センサを設置すれば、上述した方法を用いずとも第1及び第2実施形態と同様の方法で実現できる。ただし、この場合には新たに水温センサを設ける分、製造コストが増大してしまう。このため、省コストの観点からすれば、上述したように排熱回収器800による温度変化分を差し引いて水温センサ1個で学習を実現する方法が好ましい。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う冷却システムの制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、201A…シリンダブロック、201B…シリンダヘッド、300…LPLEGR装置、310…LPLEGRクーラ、400…水温センサ、500…冷却装置、510…CCV、520…機械式W/P、530…ラジエータ、600…補機類、700…HPLEGR装置、710…HPLEGRバルブ、800…排熱回収器。

Claims (3)

  1. 通水される冷却水により内燃機関の機関本体部を冷却する第1経路と、
    通水される前記冷却水を昇温する熱源を有し、前記機関本体部の下流側で前記第1経路と合流する第2経路と、
    前記第1経路及び前記第2経路の合流部の下流側に位置し、通水される前記冷却水によりEGR装置に含まれるEGRクーラを冷却する第3経路と、
    前記第1経路及び前記第2経路に対する前記冷却水の通水量を夫々制御可能な制御弁と、
    前記第3経路における前記EGRクーラより上流側の前記冷却水の温度を検出する水温センサと
    を備える冷却システムの制御装置であって、
    前記内燃機関の暖機時に、前記第1経路に対する前記冷却水の通水を停止すると共に、前記第2経路に対する前記冷却水の通水を実行するように前記制御弁を制御して第1通水状態を実現する第1通水制御手段と、
    前記第1通水状態において、前記水温センサで検出される水温が前記EGR装置により還流されるEGRガスの露点温度以上となった場合に、前記EGRガスの還流を開始するように前記EGR装置を制御するEGR制御手段と
    を備えることを特徴とする冷却システムの制御装置。
  2. 前記第1通水状態を実現する直前に、前記第1経路及び前記第2経路に対する前記冷却水の通水を実行するように前記制御弁を制御して第2通水状態を実現する第2通水制御手段と、
    前記第2通水状態において前記水温センサで検出された水温、及び前記第1通水状態の実現後に前記機関本体部内の前記冷却水が受け取った受熱量を用いて、前記第1通水状態の実現後における前記機関本体部の内部水温を推定する水温推定手段と、
    前記水温推定手段により推定された水温が所定の閾値以上となった場合に、前記第1経路に対する前記冷却水の通水を開始するように前記制御弁を制御して第3通水状態を実現する第3通水制御手段と、
    前記第3通水状態において、前記水温センサで検出される水温が安定した後に、前記水温推定手段により推定される水温及び前記水温センサで検出される水温の差分から、前記水温推定手段が用いるべき補正値を学習する学習手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却システムの制御装置。
  3. 前記熱源から受け取った受熱量による前記冷却水の水温変化分を算出する水温変化算出手段を備え、
    前記学習手段は、前記第3通水状態において前記第2経路に対する前記冷却水の通水が停止されていない場合に、前記水温センサで検出される水温から前記水温変化分を差し引いた上で前記補正値を学習する
    ことを特徴とする請求項2に記載の冷却システムの制御装置。
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