JP5799886B2 - 冷却システムの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却水の循環により内燃機関及びEGR装置を含む被冷却体を冷却可能に構成された冷却システムを制御する、冷却システムの制御装置の技術分野に関する。
この種の装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された装置によれば、電動W/P(ウォータポンプ)を低流量で制御し、W/P駆動後の熱衝撃を防止することができるとされている。尚、ポンプ自体の流量制御が難しい機械式W/Pにおいては、クラッチ機構を利用することにより同様の低流量制御が実現可能であるとされている。
また、特許文献2には、冷間時はエンジンをバイパスさせ、EGRクーラ、熱交換器及びヒータ等に冷却水を通水する構成が開示されている。エンジンへの通水は、エンジン暖機完了後にサーモスタット等により実現される。
また、特許文献3には、始動時にエンジンへの冷却水通水を停止し、通水停止中は、電動W/Pを停止させるか或いは冷却水をバイパス経路内で循環させる構成が開示される。
国際公開2011−148464号公報 特開2011−179454号公報 特開2010−007570号公報
クラッチ機構を有さない機械式W/Pでは、冷却水の吐出量が機関負荷に応じて一義的に定まるため、クラッチ機構等のコスト増を招く特別な機構を付帯させない限り、流量制御にCCV(Coolant Control Valve)等の流量制御弁を必要とする。即ち、流量制御弁により冷却水流路の流路面積を可変とすることにより、理論的には流量の制御が可能である。
ところで、上述した従来技術を含め、機関始動時に冷却水の通水を停止或いは大きく制限して、機関暖機を促進する技術思想が公知である。機械式W/Pにより冷却水を通水する構成において、機関始動時における通水制限を行う場合、冷却水流路を全閉鎖する場合は勿論、少量の通水を許可したとしても、機械式W/Pと流量制御弁との間の水圧の上昇は避け難い。
ここで、流量制御弁を介した流量制御においては、冷却水の流量が流量制御弁の弁開度のみに依存しない。具体的には、流量制御弁の上下流の圧力差が冷却水の流量に大きく影響する。このため、流量制御弁の上流側の圧力上昇を伴うこの種の通水制限を解除すべき場合において、冷却水の通水量に良好な制御性を付与することは容易でない。即ち、流量制御弁の弁開度を小開度に抑えたとしても、冷却水の流量は必ずしも小さくならない。
このため、例えば、LPLEGR装置のEGRクーラにおける凝縮水の発生を防止すべく機関暖機中にEGRクーラにのみ冷却水を通水する構成等を考えた場合、機関暖機効果が不要に阻害される可能性がある。また、冷却水の通水量が非連続的に変化する結果、一種の熱衝撃が生じ、冷却水温が一時的にせよ低下する可能性がある。冷却水温の低下は、機関暖機の観点から望ましくない。
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであり、クラッチ機構等の流量制御機構を有さない機械式W/Pを使用する場合において、冷却水の通水量を精細に制御可能な冷却システムの制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る冷却システムの制御装置は、内燃機関と、EGRクーラを含むEGR装置と、冷却水の通水により前記内燃機関、EGR装置及び補機装置を含む比冷却体を冷却可能な冷却システムとを備え、前記冷却システムが更に、前記内燃機関の機関本体部を冷却するための機関冷却流路、前記EGR装置を冷却するためのEGR冷却流路及び前記補機装置を冷却するための補機冷却流路を含む流路部と、前記流路部に前記冷却水を通水可能なポンプ装置と、前記ポンプ装置、前記機関冷却流路及び前記EGR冷却流路を含む主通水経路と、前記ポンプ装置及び前記補機冷却流路を含み且つ前記機関冷却流路及び前記EGR流路を含まない補機通水経路とにおける前記冷却水の通水量を制御可能な制御弁とを備えてなる車両において前記冷却システムを制御する、冷却システムの制御装置であって、前記内燃機関の始動時に前記制御弁を介して前記主通水経路における前記冷却水の通水制限を行う制限手段と、前記流路部における冷却水温を特定する特定手段と、前記特定された冷却水温に対応付けられた前記通水制限の解除条件が満たされた場合に、前記制御弁を介して前記補機通水経路における前記冷却水の通水量を増加させる増量手段と、前記補機通水経路における通水量が増加した後に前記通水制限を解除して前記主通水経路に対し前記冷却水を通水する解除手段とを具備することを特徴とする(請求項1)。
本発明に係る冷却システムにおいては、例えばCCV等の制御弁により、ポンプ装置から吐出される冷却水の通水経路を、当該ポンプ装置、機関冷却流路及びEGR冷却流路を含む主通水経路と、当該ポンプ装置及び補機冷却流路を含み且つ機関冷却流路及びEGR冷却流路を含まない補機通水経路との間で切り替えることが出来る。また、この通水経路の切り替えがなされる過程において、各通水経路における冷却水の通水量(流量)を連続的に変化させることが出来る。通水量は、制御弁の弁開度と一対一、一体多、多対一又は多対多に対応する。
本発明に係る冷却システムの制御装置によれば、機関始動時において、機関暖機を促進させる目的から主通水経路における冷却水の通水が制限される。
ここで、「制限」とは、好適な一形態としては停止を意味するが、概念としては、通常の冷却水の通水制御がなされる場合と較べて通水量の減少を伴う態様を包含する。主通水経路の通水が制限されると、シリンダブロック及びシリンダヘッド等の機関本体部を冷却するための機関冷却流路に冷却水が流れない(尚、流れない、とは流路に冷却水が滞留している状態も、流路に冷却水が充填されていない状態も含む)ことから、機関暖機が促進される。このような機関暖機促進効果は、冷間始動時において顕著である。
尚、この通水制限は、好適な一形態として、主通水経路及び補機通水経路の双方における冷却水の通水を停止させる、所謂全停止を含む。
一方、この通水制限措置は、冷却水温に対応付けられた解除条件が満たされた場合に、解除手段により解除される。ここで、「通水制限が解除される」とは、少なくとも主通水経路に対する通水が制限無く行われ得ることを意味する。
尚、冷却水温は、水温センサ等の検出手段による検出値が使用されてもよいし、予め設定された水温推定アルゴリズムに従って推定されてもよい。この際、推定プロセスにおける初期値として検出手段による検出値が使用されてもよい。更に、初期値の精度を向上させる目的から通水制限に先立って主通水経路への一時的な通水が行われてもよい。
ここで、通水制限期間中は、制御弁が主通水経路を少なからず閉鎖しており、制御弁とポンプ装置との間の冷却水流路の水圧、即ち制御弁の背圧が高い状態となっている。このように制御弁の背圧が高い状態で通水制限を解除して主通水経路を開放すると、冷却水が勢い良く主通水経路に流れ込むことから、制御弁の開度に対して通水量が大きく変化し易い。即ち、通水量の制御精度が相対的に低下し易い。また、このような傾向は小開度領域程顕著であり、とりわけ通水量を少量に抑制することが困難となる。また、冷却水が勢い良く流入することにより、一種の熱衝撃が生じ、熱源である機関本体部を冷却するための機関冷却流路における冷却水の温度が一時的に低下して機関暖機効果が無用に低下し易い。
そこで、本発明に係る冷却システムの制御装置によれば、解除手段により通水制限が解除されるのに先立って、増量手段により補機通水経路の通水量が増量される。尚、「増量」とは、通水が行われていない状態から通水が開始されることも、ある通水量で通水されている状態から通水量が増量されることも含む。即ち、概念的に言えば、通水制限時における補機通水経路の通水量は、主通水経路の通水量と較べれば制限の度合いが緩やかである。但し、通水制限とは、好適には通水の全面的停止に類する措置を意味するから、通水制限解除時において、補機通水経路には十分な通水容量が残されている。
補機通水経路に対する通水量増量措置が主通水経路に対する通水制限の解除に先立って実行されると、制御弁とポンプ装置との間の冷却水流路に滞留する高圧の冷却水の一部は、補機通水経路に流れ込む。補機通水経路は、冷却水による冷却を要する被冷却体ではあるが、基本的に通水量、通水速度及び水圧等に対する許容幅が広く、また元々これらは熱源ではないため、熱衝撃による水温低下が生じ難い。その一方で、制御弁の背圧は、この補機通水経路に対する通水量増量措置により確実に低下する。即ち、増量手段による通水量増量措置は、一種の圧力開放措置となる。
本発明に係る冷却システムの制御装置において、解除手段は、この補機通水経路への通水量増量措置が開始された後に主通水経路の通水制限を解除する構成となっている。従って、解除手段により通水制限が解除され主通水経路への通水が開始された時点において、冷却水が熱衝撃による水温低下を招く程度に勢い良く主通水経路に流れ込む事態は生じない。その結果、制御弁の弁開度に対する通水量の変化が相対的にリニアとなり、通水量の制御精度が担保される。また、熱衝撃が生じないため、冷却水温の一時的な低下も好適に防止される。
尚、解除条件とは、冷却水の通常の通水制御を開始すべく設定される条件であってもよいし、通常の通水制御に先立って冷却水が蓄積した熱の一部を被冷却体の一部に付与すべく設定される条件であってもよい。前者は、機関暖機が完了した場合等を意味し、例えば、冷却水温が概ね80℃内外の温度領域に達したこと等を意味する。後者は、例えば、EGRクーラ付近に滞留する排気からの凝縮水の発生を抑制すべく設定される条件等を含み、この場合、冷却水温が排気露点温度以上の温度領域に達したことをもって解除条件が満たされてもよい。
本発明に係る冷却システムの制御装置の一の態様では、前記機関本体部は、シリンダヘッド及びシリンダブロックを含み、前記機関冷却流路は、前記シリンダヘッドを冷却するための第1機関冷却流路と、前記シリンダブロックを冷却するための第2機関冷却流路とを含み、前記主通水経路は、前記ポンプ装置、前記第1機関冷却流路及び前記EGR冷却流路を含む第1通水経路と、前記ポンプ装置、前記第2機関冷却流路及び前記EGR冷却流路を含む第2通水経路とを含み、前記制御弁は、前記第1通水経路の通水量と前記第2通水経路の通水量とを独立して制御可能に構成されており、前記解除手段は、前記通水制限を解除する場合に前記第2通水経路に先立って前記第1通水経路の通水制限を解除する(請求項2)。
この態様によれば、主通水経路の通水制限が解除されるにあたり、シリンダブロックを冷却するための第2機関冷却流路への通水に先立って、シリンダヘッドを冷却するための第1機関冷却流路への通水が開始される。シリンダヘッドは、高温の燃焼室に近く、EGR冷却流路へ供給される冷却水の熱源として好適である。一方で、この態様によれば、第1機関冷却流路を含む第1通水経路への通水が開始された段階において、第2機関冷却流路を含む第2通水経路への通水を継続して制限状態に置くことが出来るため、機関暖機効果の減少幅を可及的に縮小することが出来る。
本発明に係る冷却システムの制御装置の他の態様では、前記ポンプ装置は、前記内燃機関の駆動力を利用して前記冷却水を循環させる機械式ポンプ装置である(請求項3)
本発明に係る冷却システムの制御装置は、機械式ポンプ装置に限らず電動W/P等の電気駆動型ポンプ装置においても効果があるが、特に機械式ポンプ装置を備えた構成において効果的である。
本発明に係る冷却システムの制御装置の他の態様では、前記EGR装置は、LPLEGR装置であり、前記EGR冷却流路は、前記LPLEGR装置におけるEGRクーラを冷却するための流路であり、前記通水制限の解除条件は、前記特定された冷却水温が排気露点温度以上である場合に満たされる(請求項4)
冷却水温が排気露点温度以上であれば、冷却水をEGR冷却流路に供給することによりEGRクーラ近傍の排気を排気露点温度以上の温度領域に維持することが出来る。従って、始動時の機関暖機中において、冷却水温が排気露点温度に達した場合に通水制限を解除する構成とすることは、凝縮水の発生抑制の観点から効果的である。
一方、機関暖機中の一期間において冷却水の通水量を大きくすると、機関から熱が奪われることから機関暖機の点で好ましくない。即ち、冷却水流路に冷却水を限定的に通水するこの種の状況では、通水量を過不足無い範囲に抑制することが顕著に望まれる。本発明に係る冷却システムの制御装置によれば、流量制御弁の弁開度、或いは当該弁開度により変化する冷却水流路の流路面積に対する冷却水の通水量の変化をよりリニアな特性に近付けることが出来るため、とりわけこの種の精細な通水量制御が要求される状況において効果的である。
本発明に係る冷却システムの制御装置の他の態様では、前記補機装置は、ヒータ、EGR弁及び排熱回収装置の少なくとも一つを含む(請求項5)
補機装置としては、補機冷却流路における冷却水の通水量が、補機装置本来の性能に影響し難いものが公的である。ヒータ、EGR弁及び排熱回収装置等は、係る観点から、本発明に係る補機装置として適当である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムのブロック図である。 図1のエンジンシステムにおけるエンジンの概略図である。 CCV回転角と通水経路の開度との関係を表す図である。 冷却装置の動作モードと冷却水温との関係を例示する図である。 実施形態の効果に係り、通水経路の開度と流量比との関係を例示する図である。 実施形態の効果に係り、冷却水温と通水量との関係を例示する図である。 実施形態の効果に係り、始動後経過時間と冷却水温との関係を例示する図である。
<発明の実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10のブロック図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載されるシステムであり、ECU(Electronic Control Unit)100、エンジン200、LPLEGR装置300、水温センサ400、冷却装置500、ヒータ600及びHPLEGR装置700を備える。
ECU100は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジンシステム10の動作全体を制御可能に構成された、本発明に係る「冷却システムの制御装置」の一例たるコンピュータ装置である。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)である。ここで、図2を参照し、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、エンジン200の概略断面図である。尚、図2において、図1と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、エンジン200は、金属製のシリンダブロック201A内に収容されたシリンダ201を有する。
このシリンダ201の内部に形成される燃焼室には、直噴インジェクタ202の燃料噴射弁の一部が露出しており、燃焼室に燃料の高圧噴霧を供給可能に構成されている。シリンダ201の内部にはピストン203が往復運動可能に設置されており、圧縮行程において燃料(軽油)と吸入空気との混合気が自着火することによって生じるピストン203の往復運動は、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換される構成となっている。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転角であるクランク角θcrを検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。クランクポジションセンサ206は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたクランク角θcrは、一定又は不定の周期でECU100に供出される構成となっている。ECU100は、クランクポジションセンサ206によって検出されたクランク角θcrに基づいて、直噴インジェクタ202の燃料噴射時期等を制御する構成となっている。また、ECU100は、この検出されたクランク角θcrを時間処理することによって、エンジン200の機関回転速度NEを算出可能に構成されている。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、絞り弁208及び吸気ポート209を順次介し、吸気バルブ210の開弁時にシリンダ201の内部に吸入される。
シリンダ201内部で燃焼した混合気は排気となり吸気バルブ210の開閉に連動して開閉する排気バルブ211の開弁時に排気ポート212を介して排気管213に導かれる構成となっている。この排気ポート212及び排気ポート212と排気管213との間に介装された排気マニホールド(図示略)は、シリンダヘッド201Bに収容されている。
排気管213には、DPF214が設置される。DPF214は排気中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕捉可能に構成されたフィルタである。DPF214は、金属製の筐体にコージェライトやSiC等のセラミック担体によって構成されたフィルタが収容された構造を有する。このフィルタは、排気の流れる方向に伸長し且つ排気の流れる方向と垂直な断面がハニカム状をなす複数の排気通路を形成している。この排気通路は、排気の入口側と出口側とのうち一方が、相互に隣接しないように互い違いに目封じされており、所謂セラミックウォールフロー型のフィルタ構造となっている。
尚、このような排気浄化装置の構成は一例であり、エンジン200には、DPF214に加えて、CCO(酸化触媒)、SCR或いはNSR(Nox Storage Reduction)触媒(リーンNOx触媒とも称される)等の各種触媒が設けられていてもよい。或いは、エンジン構成(例えば、直噴ガソリンエンジン等)によっては、DPF214に替えて、これら各種触媒装置が設けられていてもよい。
尚、CCOは、例えば、アルミナ等の多孔質塩基性担体に白金等の貴金属を担持してなり、排気中のCO、HC(主としてSOF)及びNO等を酸化することが可能に構成された触媒である。また、NSR触媒は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等のNOx吸蔵材と貴金属をアルミナ等の多孔質担体に担持してなるNOx吸蔵還元型触媒である。NSR触媒は、リーン雰囲気中で排気中のNOを貴金属上でNOxに酸化し、塩基性物質であるNOx吸蔵材がNOxと中和反応して硝酸塩や亜硝酸塩を形成することによりNOxを吸蔵可能に構成される。また、燃料リッチ雰囲気中で、吸蔵されていた硝酸塩や亜硝酸塩が分解しNOxが放出された際に、貴金属の触媒作用によりこのNOxをHCやCO等の還元剤と反応させ、Nとして浄化可能に構成される。
一方、排気管213における、DPF214の下流側には、金属材料で構成されたLPLEGR管320の一端部が接続されている。このLPLEGR管320の他端部は、絞り弁208の上流側において吸気管207に連結されており、排気の一部は、EGRガスとして吸気系に還流される構成となっている。
LPLEGR管320には、LPLEGRクーラ310が設けられている。LPLEGRクーラ310は、LPLEGR管320に設けられた、EGRガスの冷却装置であり、冷却水が封入されたウォータジャケットが周囲に張り巡らされ、この冷却水との熱交換を行うことによってEGRガスを冷却可能に構成されている。
更に、LPLEGR管320における、このLPLEGRクーラ310の下流側には、LPLEGRバルブ330が設けられている。LPLEGRバルブ330は電磁駆動弁であり、ECU100を介してなされるソレノイドへの通電により弁開度が連続的に変化する構成となっている。LPLEGR管320を流れるEGRガスの流量、即ち、EGR量は、吸気管207と排気管213との差圧とこの弁開度とに応じて連続的に変化する。
LPLEGR管320、LPLEGRクーラ310及びLPLEGRバルブ330は、エンジンシステム10に備わるLPL(Low Pressure Loop)EGR装置300を構成する。LPLEGR装置300は、本発明に係る「LPLEGR装置」の一例である。
他方、排気管213における、DPF214の上流側には、金属材料で構成されたHPLEGR管720の一端部が接続されている。このHPLEGR管720の他端部は、絞り弁208の下流側において吸気ポート209に連結されており、排気の一部は、EGRガスとして吸気系に還流される構成となっている。
HPLEGR管720には、HPLEGRバルブ710が設けられている。HPLEGRバルブ710は、本発明に係る「EGR弁」の一例たる電磁駆動弁であり、ECU100を介してなされるソレノイドへの通電により弁開度が連続的に変化する構成となっている。HPLEGR管320を流れるEGRガスの流量、即ち、EGR量は、吸気ポート209と排気管213との差圧とこの弁開度とに応じて連続的に変化する。
HPLEGR管720及びHPLEGRバルブ710は、エンジンシステム10に備わるHPL(High Pressure Loop)EGR装置700を構成する。
図1に戻り、水温センサ400は、冷却水であるLLC(Long Life Coolant)の温度たる冷却水温Tclを検出可能に構成されたセンサである。水温センサ400は、後述する冷却水の流路のうち、後述するCCV510の出力ポートに連結された流路CCVo1に、より具体的には、流路CCVo1におけるシリンダヘッド210Bよりも下流側の接続点P1に設置されており、この接続点P1において、流路CCVo1における冷却水温Tclを検出可能である。また、水温センサ400は、ECU100と電気的に接続されており、検出された冷却水温Tclは、ECU100が常時参照可能である。
冷却装置500は、流路内に封入された冷却水を、後述するCCV510の作用により適宜選択される流路内で循環供給することによって被冷却体たるエンジン200、LPLEGRクーラ310、ヒータ600、HPLEGRバルブ710を冷却する、本発明に係る「冷却システム」の一例である。
冷却装置500は、CCV510、機械式W/P520、ラジエータ530、サーモスタット540及び図示実線で示された複数の流路(CCVi1、CCVo1、CCVo2、CCVo3、CCVo4、LEGR、HEGR、HT、BP、RG、WPi及びWPo)を備える。これら流路は、本発明に係る「流路部」の一例である。
流路CCViは、機械式W/P520の出力ポートに連結された流路WPoと、CCV510の入力ポートとを繋ぐ冷却水流路である。機械式W/P520から吐出された冷却水は、流路WPo及び流路CCViを順次経由してCCV510に流入する。
流路CCVo1は、CCV510の第1出力ポートに接続された、シリンダヘッド201Bを経由する不図示のウォータジャケットを含む冷却水流路であり、本発明に係る「第1機関冷却流路」の一例である。流路CCVo1は、後述する流路LEGRに接続されている。
流路CCVo2は、CCV510の第2出力ポートに接続された、シリンダブロック201Aを経由する不図示のウォータジャケットを含む冷却水流路であり、本発明に係る「第2機関冷却流路」の一例である。流路CCVo2は、シリンダブロック201Aの下流側において流路CCVo1(図1では、シリンダヘッド201Bのウォータジャケット)に接続されている。
流路CCVo3は、CCV510の第3出力ポートに接続された冷却水流路である。流路CCVo3は、ヒータ600を冷却するための流路HTに接続されており、流路HTと共に、本発明に係る「補機冷却流路」の一例を構成している。流路HTは、接続点P3において流路WPiに接続される。
流路CCVo4は、CCV510の第4出力ポートに接続された冷却水流路である。流路CCVo4は、先述したHPLEGRバルブ710を冷却するための流路HEGRに接続されており、流路HEGRと共に、本発明に係る「補機冷却流路」の他の一例を構成している。流路HEGRは、接続点P4において流路WPiに接続される。
尚、ヒータ600は、冷却水との熱交換により暖められた空気を車内に供給する公知の暖房装置である。ヒータ600とHPLEGRバルブ710は、本発明に係る「補機装置」の一例である。
流路LEGRは、LPLEGRクーラ310を経由する不図示のウォータジャケットを含む冷却水流路であり、本発明に係る「EGR冷却流路」の一例である。流路LEGRは上述したように流路CCVo1と接続されている。
流路LEGRは、LPLEGRクーラ310の下流側において、サーモスタット540に接続されている。
サーモスタット540は、予め設定された温度(例えば、摂氏80度程度)で開弁状態が変化する公知の温度調整弁である。サーモスタット540は一の開弁状態において流路LEGRと流路BPを接続し、他の開弁状態において流路LEGRと流路RGとを接続する。上記設定温度は、上記一の開弁状態から上記他の開弁状態への開弁状態の変化が生じる温度である。
ラジエータ530は、インレットパイプ及びアウトレットパイプに連通する複数のウォータパイプが配列してなると共に、当該ウォータパイプの外周に多数の波板状のフィンを備えた公知の冷却装置である。ラジエータ530は、インレットパイプから流入した冷却水を当該ウォータパイプに導くと共に、当該ウォータパイプを流れる過程において当該フィンを介した大気との熱交換により冷却水から熱を奪う構成となっている。熱を奪われることによって相対的に冷却された冷却水は、アウトレットパイプから排出される構成となっている。インレットパイプ及びアウトレットパイプは、夫々流路RGに接続される。
従って、流路LEGRからサーモスタット540に流入した冷却水は、設定温度以上であれば流路RGを経由してラジエータ530で冷却され、設定温度未満であればラジエータ530をバイパスする流路BPを経由してラジエータ530で冷却されることなく循環する。流路BP及び流路RGは、接続点P2において流路WPiに接続される。
機械式W/P520は、本発明に係る「ポンプ装置」の一例たる公知の機械式ポンプである。機械式W/P520は、ポンププランジャがエンジン200のクランクシャフト205に間接的に連結された構成を有しており、入力ポートを介して流路WPiから入力される冷却水を、エンジントルクの一部を利用したポンププランジャの往復動作に伴うポンプ作用により吸引し、出力ポートを介して流路WPoに吐出可能に構成されている。即ち、機械式W/P520は、それ自体は冷却水の通水量を制御する機構を有さない。冷却システム500における冷却水の通水量は、CCV510により制御される。
CCV510は、冷却水の通水経路を、冷却装置500の後述する各動作モードに応じて切り替え可能な、ロータリーバルブ装置であり、本発明に係る「制御弁」の一例である。
CCV510は、流路CCViに接続された、冷却水の入力側インターフェイスである入力ポートと、冷却水の出力側インターフェイスである4つの出力ポートとを有する。各出力ポートは、上述したように流路CCVo1、CCVo2、CCVo3及びCCVo4のうちいずれか一の流路に接続される。
ここで、入力ポートと各出力ポートとを繋ぐ筒状の集約部には、当該集約部において一方向に回転可能な筒状の樹脂バルブが収容されている。この樹脂バルブの側面部分には、各出力ポートに対応する複数の切り欠き部が形成されており、一の切り欠き部と対応する各出力ポートとの連通面積が、樹脂バルブの回転角であるCCV回転角Accvに応じて連続的に変化する構成となっている。樹脂バルブが一周すると、即ちCCV回転角Accvが360°に達すると、CCV510の状態は従前の状態に復帰する。
樹脂バルブを回転駆動する駆動ユニットは、励磁電流により電磁力を生じる公知のソレノイドと、当該励磁電流を付与する駆動装置とを含む公知の電磁駆動型アクチュエータであり、この駆動装置はECU100と電気的に接続されている。従って、CCV510の状態、即ち冷却水の通水経路は、ECU100により制御される構成となっている。
尚、このようなCCV510は、本発明に係る「制御弁」の採り得る態様の一形態に過ぎず、制御弁は他の態様を有していてもよい。例えば、制御弁は、各出力ポートに独立した電磁駆動弁を備えていてもよい。
CCV510の動作状態に応じて定まる冷却水の通水経路は、冷却装置500の動作モードに対応する。冷却装置500は、動作モードとして動作モードM0、動作モードM1、動作モードM2及び動作モードM3の四種類の動作モードを備える。
ここで、図3を参照し、冷却装置500の動作モードについて説明する。ここに、図3は、CCV回転角Accvと通水経路の開度との関係を例示する図である。尚、通水経路の開度とは、上述した樹脂バルブの切り欠き部の作用により変化する、入力ポートと出力ポートとの連通面積と等価であり、連通面積が最大である場合を100%として規格化した値である。即ち、通水経路の開度が0%である場合とは、当該通水経路が閉鎖されて冷却水の通水が停止されていることを意味する。
冷却装置500の採り得る通水経路は下記(1)乃至(4)の四種類ある。第1通水経路及び第2通水経路は、本発明に係る「主通水経路」の一例であり、第1補機通水経路及び第2補機通水経路は、本発明に係る「補機通水経路」の一例である。
(1)WPo→CCVi1→CCVo1→LEGR→WPoを経由する第1通水経路
(2)WPo→CCVi1→CCVo2→LEGR→WPoを経由する第2通水経路
(3)WPo→CCVi1→CCVo3→HT→WPoを経由する第1補機通水経路
(4)WPo→CCVi1→CCVo4→HEGR→WPoを経由する第2補機通水経路
尚、本実施形態において、第1補機通水経路及び第2補機通水経路の開度は、CCV回転角Accvに対して等しく変化するように樹脂バルブの切り欠き部が形成されている。従って、これ以降は、これらを総括して適宜「補機通水経路」なる言葉を使用することとする。
一方、冷却装置500の動作モードは、下記の通りである。
動作モードM0:全ての通水経路が閉鎖される動作モード
動作モードM1:補機通水経路のみ開放される動作モード
動作モードM2:補機通水経路と第1通水経路とが開放される動作モード
動作モードM3:全ての通水経路が開放される動作モード
図3において、冷却装置500は、CCV回転角Accvが0〜A1(A1>0)である間は動作モードM0を採る。またCCV回転角AccvがA1〜A2(A2>A1)である間は動作モードM1を採る。また、CCV回転角AccvがA2〜A3(A2>A3)である間は動作モードM2を採る。また、CCV回転角AccvがA3〜A4(A4>A3)である間は動作モードM3を採る。
尚、CCV回転角AccvがA4〜A5(360°>A5>A4)となる期間は、各通水経路が夫々閉鎖状態に移行する期間であり、一種の準備期間である。CCV回転角AccvがA5〜360°(0°)となる期間において、冷却装置500は動作モードM0を採る。
これら動作モードは、ECU100が冷却水温Tclに応じてCCV510を制御することにより選択される。
<実施形態の動作>
実施形態の動作について説明する。
始めに、図3を参照して説明した冷却装置500の動作モードと冷却水温Tclとの関係について、図4を参照して説明する。ここに、図4は、冷却水温Tclと冷却装置500の動作モードとの関係を例示する図である。尚、図4において、縦軸が動作モードに、横軸が冷却水温Tclに夫々対応している。
図4において、冷却水温Tclが予め設定された温度値a未満である場合、ECU100は、冷却装置500の動作モードとして動作モードM0を選択する。動作モードM0が選択される場合、冷却水は冷却装置500の流路内で停止した全停止状態となる。
温度値aは、予め実験的に、経験的に又は理論的に、冷間始動時の冷却水温Tclよりも高温側で設定された温度である。従って、冷間始動時において、冷却装置500の動作モードは、始動時点から暫時の期間について、動作モードM0に維持される。動作モードM0が選択されている期間は、冷却水による冷却効果は実質的に作用しないため、機関暖機が促進される。
冷却水温Tclが温度値aに到達すると、ECU100は、冷却装置500の動作モードとして動作モードM1を選択する。動作モードM1が選択された場合、冷却水は先述したように補機通水経路にのみ通水される。動作モードM1は、冷却水温Tclが温度値b(b>a)となるまで継続される。
冷却水温Tclが温度値bに到達すると、ECU100は、冷却装置500の動作モードとして動作モードM2を選択する。動作モードM2が選択された場合、冷却水は先述したように補機通水経路と第1通水経路とに通水される。
ここで、温度値bは、排気露点温度である。排気露点温度は、それ未満の温度領域において、LPLEGR管320内のEGRガスから凝縮水が生じる(尚、実際に生じるか否かとは必ずしも関係ない)温度値として設定されている。このように温度値b以上の温度領域、即ち、排気露点温度以上の温度領域にある冷却水が、流路LEGRを含む第1通水経路に供給されることによって、LPLEGRクーラ310の暖機が促進され、LPLEGRクーラ310付近のEGRガスの温度が排気露点温度以上に維持される。従って、温度値bにおいて動作モードM2が選択されることによって、LPLEGR装置300における腐食等の懸念が払拭される。
冷却水温Tclが温度値bに達すると、冷却水温Tclが温度値d(d>b)に達するまでの暫時の期間について、ECU100は、冷却装置500の動作モードを動作モードM2に維持する。
冷却水温Tclが更に上昇し、その上昇の過程において温度値dに到達すると、ECU100は、冷却装置500の動作モードとして動作モードM3を選択する。動作モードM3が選択された場合、冷却水は先述したように補機通水経路、第1通水経路及び第2通水経路の全てに通水され、所謂全通水状態となる。
ここで、温度値dは、エンジン200が暖機状態に移行したと判断し得る温度としての暖機判定温度値e(例えば、摂氏80度)よりも低温側の値に設定されており、オーバヒート防止の観点に立ったより安全側の配慮がなされている。
次に、このような冷却装置500の動作制御の効果について、図5乃至図7を参照して説明する。
ここに、図5は通水経路の開度と流量比との関係を例示する図である。また、図6は冷却水温と通水量との関係を例示する図である。また、図7は始動後経過時間と冷却水温との関係を例示する図である。
図5において、縦軸に第1通水経路における流量比Rclが、横軸に通水経路の開度が示される。尚、第1通水経路における流量比Rclとは、機械式W/P520の一駆動状態(一吐出量)における最大通水量を100(%)として、通水量を規格化してなる指標値である。即ち、理想的には、通水経路の開度がC(%)であれば、流量比RclもまたC(%)となる(即ち、両者がリニアな関係となる)。係る理想的な特性は、図示Lrclid(細い破線参照)として表わされる。
ここで、本実施形態に係る動作制御がなされない場合、より具体的には、動作モードM1を経由することなく動作モードM0から動作モードM2へと動作モードが移行された場合の特性が、図示Lrclcmp(太い破線参照)として表わされる。
即ち、動作モードM0(全停止)から動作モードM2(LPLEGRクーラ310冷却)へ切り替わると、動作モードM0において水圧が上昇した流路CCVi内の冷却水が勢い良く流路CCVo1に流れ込む。このため、第1通水経路における流量比Rclは、小開度領域において顕著に大きくなる。即ち、小開度領域において冷却水の通水量を精細に制御することが難しくなる。
これに対して、本実施形態に係る動作制御が実行された場合の流量比Rclの特性が図示Lrcl(実線参照)として示される。動作モードM0から動作モードM2への移行に際して動作モードM1を経由した場合、水圧が上昇した冷却水は、動作モードM1において補機通水経路に流れ込む。その結果、流路CCViにおける冷却水の水圧は低下する。冷却水の水圧が低下することから、通水経路の開度に対する流量比Rclの変化は、上記比較例と較べて緩やかとなり理想的なリニア特性に近付く。即ち、第1通水経路における冷却水の通水量をより精細に制御することが可能となる。
尚、補機通水経路は、この場合単なる冷却水のバッファとして機能するに過ぎず、補機通水経路に冷却水が過剰に流れ込んだとしても、エンジン200の始動特性には影響がない。
次に、図6において、縦軸に第1通水経路における冷却水の通水量Qcl(L/min)が、横軸に冷却水温Tclが夫々示される。
ここで、図5と同様な比較例を定義すると、比較例に係る通水量の特性が図示Lqclcmp(破線参照)として示される。即ち、冷却水温Tclが温度値aに達したことをもって動作モードM2が選択され、冷却水が一気に第1通水経路に流入して通水量の制御精度が低下した結果、比較例では、冷却水の通水量を十分に低減することが出来ない。従って、本来必要とされる通水量を得るべくCCV回転角Accvを所定の値に制御しても、通水量は必要値よりも大きくなる。
第1通水経路は、LPLEGRクーラ310を冷却するための流路LEGRを経由する前段階として、流路CCVo1を経由している。従って、通水量に応じてシリンダヘッド201Bから熱が奪われる。通水量が必要以上に大きければ、その分、機関暖機効果が低下してしまう。
これに対し、本実施形態に係る動作制御が適用された場合の通水量の特性が図示Lqcl(図示実線参照)として表わされる。図示するように、本実施形態によれば、動作モードM2の選択に先んじて補機通水経路を利用した圧力低減措置に相当する動作モードM1が選択されるため、動作モードM2により第1通水経路が選択された段階で、通水量の制御精度が確保されている。その結果、第1通水経路における冷却水の通水量を、比較例に対して顕著に低減することが出来る。即ち、機関暖機効果を最大限確保しつつLPLEGR装置300の暖機を促進することが出来る。
次に、図7において、縦軸に第1通水経路における冷却水温Tclが、横軸にエンジン200の始動時点からの経過時間である始動後経過時間が夫々示される。
ここで、図5及び図6と同様な比較例を定義すると、比較例に係る冷却水温の特性が図示Ltclcmp(破線参照)として示される。即ち、冷却水温Tclが温度値aに達したことをもって動作モードM2が選択され、冷却水が一気に第1通水経路に流入すると、熱衝撃により第1通水経路内の冷却水温が一時的に低下する。従って、機関暖機効果が低下する。
これに対し、本実施形態に係る動作制御が適用された場合の通水量の特性が図示Ltcl(図示実線参照)として表わされる。図示するように、本実施形態によれば、動作モードM2の選択に先んじて補機通水経路を利用した圧力低減措置に相当する動作モードM1が選択されるため、動作モードM2により第1通水経路が選択された段階で流路CCViの冷却水は減圧されている。従って、熱衝撃が生じることはなく、冷却水温Tclは安定的に上昇する。その結果、機関暖機効果を最大限確保しつつLPLEGR装置300の暖機を促進することが出来る。
尚、本実施形態では、第1通水経路と第2通水経路とで通水量を独立に制御可能な構成となっている。より具体的には、流路CCVo2への通水を行わずに流路CCVo1への通水を行うことが出来る。補機通水経路への通水による減圧効果を有する限りにおいて、機関本体部の冷却水系統がこのように独立している必要は必ずしもないが、このように流路CCVo2への通水を停止したままにすることが出来る場合、機関暖機効果をより確保し得る点において好適である。即ち、本実施形態においては、LPLEGR装置300への熱供与に要する発熱量が、燃焼室に近いシリンダブロック201Bのみから十分に供与され得る点を見出し、シリンダブロック201Aの暖機を継続する構成としているため、LPLEGR装置300の暖機を行っている期間中においても機関暖機を可及的に継続することが出来るのである。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う冷却システムの制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、エンジンとEGR装置を備えたシステムにおける冷却装置に適用可能である。
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、310…LPLEGRクーラ、400…水温センサ、500…冷却装置、510…CCV、520…機械式W/P、530…ラジエータ、600…ヒータ、710…HPLEGRバルブ。

Claims (5)

  1. 内燃機関と、EGRクーラを含むEGR装置と、冷却水の通水により前記内燃機関、EGR装置及び補機装置を含む冷却体を冷却可能な冷却システムとを備え、
    前記冷却システムが更に、
    前記内燃機関の機関本体部を冷却するための機関冷却流路、前記EGR装置を冷却するためのEGR冷却流路及び前記補機装置を冷却するための補機冷却流路を含む流路部と、
    前記流路部に前記冷却水を通水可能であり、前記冷却水の通水量を制御する流量制御機構を有さない機械式のポンプ装置と、
    前記ポンプ装置、前記機関冷却流路及び前記EGR冷却流路を含む主通水経路と、前記ポンプ装置及び前記補機冷却流路を含み且つ前記機関冷却流路及び前記EGR流路を含まない補機通水経路とにおける前記冷却水の通水量を制御可能な制御弁と
    を備えてなる車両において前記冷却システムを制御する、冷却システムの制御装置であって、
    前記内燃機関の始動時に前記制御弁を介して前記主通水経路における前記冷却水の通水制限を行う制限手段と、
    前記流路部における冷却水温を特定する特定手段と、
    前記通水制限が解除されるために前記特定された冷却水温が満たすべき条件を示す解除条件が満たされた場合に、前記制御弁を介して前記補機通水経路における前記冷却水の通水量を増加させる増量手段と、
    前記補機通水経路における通水量が増加した後に前記通水制限を解除して前記主通水経路に対し前記冷却水を通水する解除手段と
    を具備することを特徴とする冷却システムの制御装置。
  2. 前記機関本体部は、シリンダヘッド及びシリンダブロックを含み、
    前記機関冷却流路は、前記シリンダヘッドを冷却するための第1機関冷却流路と、前記シリンダブロックを冷却するための第2機関冷却流路とを含み、
    前記主通水経路は、前記ポンプ装置、前記第1機関冷却流路及び前記EGR冷却流路を含む第1通水経路と、前記ポンプ装置、前記第2機関冷却流路及び前記EGR冷却流路を含む第2通水経路とを含み、
    前記制御弁は、前記第1通水経路の通水量と前記第2通水経路の通水量とを独立して制御可能に構成されており、
    前記解除手段は、前記通水制限を解除する場合に前記第2通水経路に先立って前記第1通水経路の通水制限を解除する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却システムの制御装置。
  3. 前記ポンプ装置は、前記内燃機関の駆動力を利用して前記冷却水を循環させる機械式ポンプ装置である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却システムの制御装置。
  4. 前記EGR装置は、LPL(Low Pressure Loop)EGR装置であり、
    前記EGR冷却流路は、前記LPLEGR装置におけるEGRクーラを冷却するための流路であり、
    前記解除条件は、前記特定された冷却水温が、前記EGR装置に導入される排気から凝縮水が生じる温度値として設定されている排気露点温度以上である場合に満たされる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷却システムの制御装置。
  5. 前記補機装置は、ヒータ及び排熱回収装置の少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の冷却システムの制御装置。
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