JP2014001681A - 冷却システムの異常診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】凝縮水の発生を確実に回避しつつ機関始動時におけるEGRの早期導入を実現するにあたって調整弁の異常を的確に診断する。
【解決手段】機関冷却流路及びラジエータ流路を含む第1経路と、機関冷却流路及びEGR冷却流路を含み且つラジエータ流路を含まない第2経路とにおける冷却水の通水量を調整可能な調整弁を備えてなる冷却システムを備え、内燃機関の始動時に機関冷却流路に対する通水が制限され、当該通水が制限される期間において冷却水の温度が基準温度以上となる場合に第2経路への通水が開始され、通水開始後にEGRガスが導入される車両において、異常診断装置(100)は、EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を特定する特定手段と、特定されたEGRガスの温度が目標温度未満であることが検出された場合に調整弁が異常であると判定する判定手段とを具備する。
【選択図】図5
【解決手段】機関冷却流路及びラジエータ流路を含む第1経路と、機関冷却流路及びEGR冷却流路を含み且つラジエータ流路を含まない第2経路とにおける冷却水の通水量を調整可能な調整弁を備えてなる冷却システムを備え、内燃機関の始動時に機関冷却流路に対する通水が制限され、当該通水が制限される期間において冷却水の温度が基準温度以上となる場合に第2経路への通水が開始され、通水開始後にEGRガスが導入される車両において、異常診断装置(100)は、EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を特定する特定手段と、特定されたEGRガスの温度が目標温度未満であることが検出された場合に調整弁が異常であると判定する判定手段とを具備する。
【選択図】図5
Description
本発明は、冷却水の通水により内燃機関及びEGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラを含む被冷却体を冷却可能に構成された冷却システムの異常を診断する、冷却システムの異常診断装置の技術分野に関する。
この種の冷却システムとして、エンジン本体、EGRクーラ及び補機類等への通水を制御する冷却水制御弁を備え、冷間始動時に冷却水の通水を制限するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。係るシステムによれば、始動時に冷却水の循環が停止されることから、内燃機関の暖機が好適に促進され得る。
また、特許文献2には、冷却水温が所定温度以上のときにサーモスタットが開き、ラジエータを経た冷却水がEGR冷却水ポンプでEGRクーラへ導入される構成が開示されている。尚、当該文献には、EGR冷却水ポンプが故障するとEGRクーラに流れる冷却水が不足するため、高温のEGRガスがエンジンに還流されるとの記載もある。
一方、この種のシステムの異常診断に関し、特許文献3には、LPL(Low Pressure Loop)EGRやHPL(High Pressure Loop)を備えるシステムを、冷却サブシステム内で検出された動的油圧に基づいて診断するシステムが提案されている。
また、特許文献4には、冷却媒体の推定温度と検出温度との差でサーモスタットや温度検出器などの異常を診断する技術も開示されている。
始動時の通水制限は、機関暖機促進の観点から効果があるが、その一方で、内燃機関のエミッション改善の見地から、始動時におけるEGRの早期実施(即ち、EGRガスの早期導入)もまた強く望まれている。
しかしながら、EGR装置、特に触媒通過後の排気を吸気系に還流させるLPLEGR装置は、燃焼室及びエキゾーストマニホールドに近いシリンダヘッドや、当該シリンダヘッド下方でシリンダを収容するシリンダブロック等、冷却システムが冷却対象とする被冷却体の中でも比較的高温となる部分と較べて、機関始動後の温度変化が緩やかである。このため、内燃機関の暖機完了以前、特に冷間始動時において、EGR管及びこのEGR管に配設されるEGRクーラは排気に対して相対的に冷えていることが多い。
従って、始動時に通水制限を行う構成において、何らの対策も講じられぬままEGRが早期に実施されると、この冷えたEGRクーラ及びEGR管でEGRガスが冷却され、EGRガス中の水分が凝縮することによって凝縮水が発生する場合がある。排気を導くEGR通路は、高耐熱性を得られることから金属材料で構成されることが多く、凝縮水を放置すると、これら配管の腐食劣化を助長しかねない。即ち、EGRを早期に実施するためには、凝縮水に対する対策が必要となる。
一方、このような事情に鑑みると、本来の趣旨から言えばEGRガスの冷却に供すべきEGRクーラを、EGRガスの昇温に利用する構成が考えられる。即ち、上述のように始動時の通水制限を行う構成において、機関本体部の熱により冷却水温を適度に昇温させた後、EGRクーラに優先的且つ限定的に冷却水を供給する構成が考えられる。このようなEGRクーラへの通水制御は、冷却水の流路構成や、例えばCCV(Coolant Control Valve)等の調整弁における通水経路及び通水量の制御により実現可能である。
ところで、このようなEGRクーラへの優先的通水を実施するにあたっては、上記調整弁が正常に動作することが前提となる。特に、上記調整弁が、EGRクーラ側への通水経路を閉じた状態で固着等の作動不良を起こした、所謂閉じ異常状態にある場合、EGRクーラに冷却水が十分に供給されずEGRガスの昇温が期待通りに進行しないため、EGRガスが過剰に冷却されることによる凝縮水の発生を回避することが難しくなる。また、調整弁の異常により冷却水の供給が継続的に停止され続けると、然るべき時間経過の後には、EGRガスからの受熱によりEGRクーラ内の冷却水(通水による循環が生じない停滞したままの冷却水)が過剰に昇温する可能性がある。更には、調整弁の異常が、EGRクーラへの通水経路のみならず、機関本体部やラジエータを経由する冷却水の通水にも影響を与えると、内燃機関の冷却も不十分となりオーバヒートを生じる可能性もある。
ここで、上記先行技術文献に示されたものを含む従来の技術は、元より凝縮水の発生を抑制しつつEGRの早期導入を図る旨の技術思想すら有しておらず、凝縮水の発生を確実に回避する観点に立った調整弁の異常診断が困難であるという技術的問題点を有している。また当然ながら、凝縮水の発生を確実に回避する観点に立った調整弁の異常診断により、将来的に内燃機関へ与え得る影響を未然に緩和することも困難である。
本発明は、係る技術的問題点に鑑みてなされたものであり、凝縮水の発生を確実に回避しつつ機関始動時におけるEGRの早期導入を実現するにあたって調整弁の異常を的確に診断し、もって凝縮水の発生を確実に回避することが可能な、また望ましくは更に冷却水の沸騰及び内燃機関のオーバヒートを防止することが可能な冷却システムの異常診断装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る冷却システムの異常診断装置は、内燃機関と、EGR管並びに該EGR管に設けられたEGRクーラ及びEGR弁を含むEGR装置と、冷却水の通水により前記内燃機関及び前記EGR装置を含む被冷却体を冷却可能な、(1)前記内燃機関を冷却するための機関冷却流路、前記EGRクーラを冷却するための、前記機関冷却流路の下流側に位置するEGR冷却流路及びラジエータを経由するラジエータ流路を少なくとも含む、前記冷却水を通水可能な流路部と、(2)前記機関冷却流路及び前記ラジエータ流路を含む第1経路と前記機関冷却流路及び前記EGR冷却流路を含み且つ前記ラジエータ流路を含まない第2経路とにおける前記冷却水の通水量を調整可能な調整弁とを備えてなる冷却システムと、前記内燃機関の始動時に前記機関冷却流路に対する前記通水を制限する制限手段と、前記冷却水の温度を推定する冷却水温推定手段と、前記機関冷却流路に対する通水が制限される期間において、前記推定された冷却水の温度が前記EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を目標温度とするための基準温度以上となる場合に、前記第2経路への通水がなされるように前記調整弁を制御する通水制御手段と、前記第2経路への通水が開始された後に前記EGR管を経由してEGRガスが導入されるように前記EGR弁を制御するEGR制御手段とを備えてなる車両における、前記冷却システムの異常診断装置であって、前記EGRガスの導入開始後における、前記EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を特定する特定手段と、前記特定されたEGRガスの温度が、前記目標温度未満であることが検出された場合に、前記調整弁が異常であると判定する判定手段とを具備することを特徴とする(請求項1)。
本発明に係る冷却システムは、例えばCCV等の調整弁により、機械式又は電動式の各種ポンプ装置から吐出される冷却水の通水経路を、機関冷却流路及びラジエータ流路を少なくとも含む第1経路と、機関冷却流路及びEGR冷却流路を少なくとも含み且つラジエータ流路を含まない第2経路との間で切り替え可能に構成される。尚、調整弁の作用により選択され得る通水経路は、必ずしも第1経路及び第2経路のみに限定されないし、第1経路及び第2経路が含み得る流路も上記概念の範囲において限定されない。また、この通水経路の切り替えがなされる過程において、各通水経路における冷却水の通水量(流量)を連続的に又は段階的に変化させることが出来る。通水量は、調整弁の開度と一対一、一体多、多対一又は多対多に対応する。
尚、EGR冷却流路は、機関冷却流路の下流側に位置する。ここで、「下流側」とは、冷却水の通水経路上で定義される方向概念であり、端的には冷却水の循環を促すポンプ装置を基点とした方向概念である。即ち、「EGR冷却流路が機関冷却流路の下流側に位置する」とは、典型的には、機関冷却流路を経由した冷却水がポンプ装置に到達する前にEGR冷却流路に導かれる物理構成を意味する。理想的には、機関冷却流路で受熱した冷却水が、十分に冷却される前にEGR冷却流路に導かれる物理構成を意味する。
本発明に係る車両においては、内燃機関の始動時(以下、適宜「機関始動時」と表現する)、とりわけ冷間始動時において、機関暖機を促進させる目的から機関冷却流路に対する冷却水の通水が制限される。ここで、「制限」とは、好適な一形態としては停止を意味するが、概念としては、通常の冷却水の通水制御がなされる場合と較べて通水量を減少させる態様を包含する。通水が制限されると、主としてシリンダブロック及びシリンダヘッド等の機関本体部を冷却するための機関冷却流路に冷却水が流れない(尚、流れない、とは流路に冷却水が滞留している状態も、流路に冷却水が充填されていない状態も含む)ことから、機関暖機が促進される。このような機関暖機促進効果は、冷間始動時において顕著である。尚、冷間始動の定義は設計事項的側面を有するが、例えば実践的には、外気温が所定温度未満である場合、冷却水温が所定温度未満である場合、所定時間以上の停止期間を経て始動する場合等として定義される。また、広義において冷間始動とは、内燃機関が暖機状態にない場合の始動全般を含んでもよい。
一方、機関始動時、とりわけ外気温又は冷却水温が数℃〜氷点下である場合等には、内燃機関の燃焼が不安定となり易く、エミッション低減の観点から吸気系に対する早期のEGR導入が望まれる。しかしながら、上述した通水制限により機関始動時においてEGRクーラへの通水が停止された状態では、EGRクーラも冷えた状態となっている。従って、単にEGRガスを吸気系に導入すると、EGRクーラによってEGRガスが過剰に冷却されて凝縮水を生じる懸念がある。
そこで、本発明に係る車両では、機関冷却流路に対する通水制限がなされる期間において、調整弁の制御により第2経路への優先的(或いは限定的)通水が行われる。即ち、通水制御手段は、冷却水温が基準温度以上となる場合に、第2経路への通水がなされるように調整弁を制御する。
尚、「基準温度」とは、EGRクーラ下流側のEGRガスの温度(以下、適宜「下流側EGRガス温」と表現する)を目標温度とするために予め設定される温度であるが、基準温度と目標温度との関係は、EGR装置の熱伝導特性等の物理的要素や設計的要素を含み得るため必ずしも一義的でない。即ち、基準温度は、目標温度と等しい値でもよいし、目標温度未満の値でもよいし、目標温度以上の値でもよい。
一方、目標温度は、好適には、EGR管を経由してEGRガスを吸気系に導入するにあたり、実践上の不都合を顕在化させない温度である。例えば、目標温度とは、排気露点温度或いは排気露点温度近傍の値であってもよい。排気露点温度は、厳密には凝縮が生じる温度としての物性値であるが、燃料性状等に由来する排気組成等により、ある程度の幅を有し得る。ここで定義される排気露点温度とは、このようなある程度の幅を許容し包含する概念であって、実践的な定義に関しては、予め実験的な、経験的な又は理論的なプロセスを含む設計的側面を有していてもよい。尚、目標温度がこのように好適には排気露点温度に関連付けられた値であるところ、基準温度もまた好適には排気露点温度と関連性を有する値である。
通水制御手段は、推定された冷却水温が基準温度以上となる場合に第2経路への通水を行うが、その実践的制御態様は、冷却水温が基準温度に到達したことをトリガとして第2経路を開放する態様を好適に含みつつも、必ずしも一義的ではない。即ち、第2経路が段階的に開放される構成においては、基準温度において所定の開放状態(例えば、全開)となるように、基準温度未満の温度領域から徐々に第2経路を開放せしめてもよい。また逆に、第2経路への通水の結果EGRクーラに供給される冷却水の温度が確実に基準温度以上となるように、基準温度に対して高温側に一定のマージンが付与された、基準温度よりも高温側の温度において第2経路への通水が許可されてもよい。尚、機関暖機が進行する過程で、このような通水制限そのものが解除され第1及び第2経路の双方へ制限なく冷却水の通水が許可されるよりも前の段階であって、EGRクーラへの優先的通水により基準温度未満のEGRクーラの暖機を促進せしめ得る限りにおいて、第2経路への優先的通水は効果的である。
第2経路への優先的通水がなされると、第2経路上でEGR冷却流路よりも上流側にある機関冷却流路において熱源を含む機関本体部から受熱した冷却水が、EGRクーラに優先的に供給され、EGRクーラの暖機に供される。このため、EGRクーラの暖機が促進される。特に、この優先的通水が、下流側EGRガス温を目標温度とするための基準温度に相当する冷却水温で開始されることから、通水開始直後の過渡期間を除く定常期間において、下流側EGRガス温は、目標温度以上の温度領域に維持され得る。従って、EGR制御手段が、例えば第2経路への優先的通水開始時点から所定時間の経過後に(意味合いとしては、上記過渡期間を脱した後の定常期間内に)EGRガスの導入を開始すれば、EGRガスから凝縮水が発生することを防止しつつEGRガスを可及的早期に吸気系へ導入し、もってエミッションの向上を実現することができる。
ところで、このような通水制限時の第2経路への優先的通水措置は、調整弁が正常に動作することを前提として成立する。別言すると、調整弁に異常が生じているにもかかわらず、第2経路への通水が行われると、実際には第2経路への通水が行われないままEGRガスがEGRクーラを通過することになる。この場合、冷却水はEGRクーラに対する熱源として機能せず、必然的にEGRクーラはEGRガスに対する熱源として機能しない。逆に、EGRクーラは、EGRガスを冷却する冷媒として機能することになって、凝縮水の発生を助長する可能性すらある。即ち、第2経路への優先的通水によりEGRガスの早期導入を実現するためには、調整弁の異常、とりわけ第2経路を所定以上に閉塞させた状態での作動不良(固着や動作渋り等)である閉じ側異常を迅速且つ正確に検出する必要がある。
係る点に鑑み、本発明に係る冷却システムの異常診断装置は、特定手段と判定手段とを備える。より具体的には、本発明に係る冷却システムの異常診断装置は、特定手段により、EGRガスの導入開始後における下流側EGRガス温が特定され、この特定された下流側EGRガス温が目標温度未満であることが検出された場合に、判定手段により調整弁が異常であるとの判定がなされる構成となっている。
EGRクーラに供給される冷却水に係る冷却水温は、優先的通水の開始直後を除けば(場合によっては直後であっても)基準温度以上の温度に維持されている。従って、調整弁が閉じ側異常(尚、通水制限措置が前提となるため、診断対象となる異常は必然的に閉じ側異常である)でなく、正常に通水が行われていれば、EGRクーラ下流側のEGRガスの温度は、目標温度以上の温度に維持される。一方、調整弁が閉じ側異常である場合、EGRクーラはEGRガスに対して十分に冷えた状態にあるため、下流側EGRガス温は、目標温度まで上昇しない。従って、下流側EGRガス温が目標温度未満となったことが検出された場合、調整弁が異常であるとの判定が成立する。このような調整弁の異常判定効果が得られることにより、本発明によれば、例えば、調整弁が閉じ側異常であると判定された場合において、EGRガスの導入を停止する等の措置を講じることができ、EGRガスを早期に導入するにあたって、凝縮水の発生を確実に防止することができる。
また、本発明に係る冷却システムの異常診断装置によれば、内燃機関に対する冷却水の通水が必要とされない通水制限過程において調整弁の異常診断が可能となる。調整弁が、第2経路への通水機能に関してのみ異常を生じているとは限らず、第1経路、即ち機関暖機後に利用される通水経路への通水にも影響を及ぼす場合、調整弁の異常は、機関暖機後のオーバヒート等を惹起する可能性がある。本発明によれば、第1経路への通水が必要とされない期間において、調整弁の異常診断が完了するため、オーバヒートの生じる可能性を察知し、事前に然るべき対策を講じることもまた可能となる。従って、車両全体のフェールセーフに顕著に効果的である。
尚、第2経路への通水が十分に行われない場合、機関暖機が進行する過程でEGRクーラはEGRガスから熱を奪う側から、EGRガスからの受熱を受ける側へと立場が変化する。即ち、調整弁が閉じ側異常である場合、上述した凝縮水の発生に引き続いて、EGRクーラ付近の冷却水の沸騰が懸念される。本発明によれば、このような冷却水の沸騰も回避することができ、実践上有益である。
尚、本発明に係る冷却水温推定手段は、例えば、その時点の内燃機関の動作環境や始動以後の動作条件の変化履歴等から冷却水温を推定する。このような冷却水温推定に係る実践的態様は各種公知のものを利用可能である。冷却水の循環供給がなされない状態においては、冷却水温に局所的な温度差が生じ易いから、センサ等により検出される冷却水温を本発明に係る異常診断に利用することは難しい。その点、本発明に係る異常診断装置は、冷却水温の推定値が使用されるため、推定に係る実践的態様の如何によらず、センサ等により局地的な冷却水温を検出する構成と較べて高い信頼性を有する。
本発明に係る冷却システムの異常診断装置の一の態様では、前記判定手段は、前記特定されたEGRガスの温度が前記目標温度未満であることが検出され、且つ、その後に前記特定されたEGRガスの温度が前記目標温度以上となることが検出された場合に、前記調整弁が異常であると判定する(請求項2)。
調整弁が閉じ側異常を生じた場合、下流側EGRガス温は、EGRガスの導入初期においてはEGRクーラの過剰な冷却作用により目標温度未満に低下し、更なる時間経過の後には、EGRクーラの冷却能力が不足することにより目標温度よりも高温となる。本態様では、係る現象を利用し、下流側EGRガス温の、EGRガスの導入開始以後所定期間にわたる時間推移に基づいて、調整弁の異常診断が行われる。
即ち、下流側EGRガス温が目標温度未満であることが検出されたか否かといった、EGRガス導入開始後の比較的狭い時間領域において生じ得る現象を異常診断に利用する構成と較べて、より広範な時間領域における継続的な現象が異常診断に利用されることから、異常診断に相応の時間を要する反面、一過性の或いは偶発的な異常(勘案する必要のない異常や単なるノイズ等の影響)を除外することができ、より正確に調整弁の異常診断を実行することができる。
本発明に係る冷却システムの異常診断装置の他の態様では、前記基準温度は排気露点温度である(請求項3)。
冷却水温が排気露点温度であれば、下流側EGRガス温は定常的には排気露点温度以上の温度領域に達すると考えられる。従って、第2経路への優先的通水を開始するにあたっての判断基準を与える基準温度として排気露点温度は妥当且つ適当である。
本発明に係る冷却システムの異常診断装置の他の態様では、前記目標温度は排気露点温度である(請求項4)。
下流側EGRガス温が排気露点温度未満になると、EGRガスが凝縮する可能性が高まるため、目標温度として排気露点温度は妥当且つ適当である。尚、基準温度と目標温度とが共に排気露点温度であっても、制御上の矛盾は何ら生じることはない。
本発明に係る冷却システムの異常診断装置の他の態様では、前記特定される冷却水の温度及び前記内燃機関の動作条件に基づいて、前記目標温度として、前記調整弁が正常である場合における前記EGRクーラ下流側のEGRガスの収束温度を推定する収束温度推定手段を更に具備する(請求項5)。
この態様によれば、収束温度推定手段により下流側EGRガス温が本来収束すべき温度(言わば、制御上の狙いの温度)が推定される。この収束温度は、例えば、機関回転数、燃料噴射量及び冷却水温等を参照要素として、予め設定された演算アルゴリズムや制御マップ等を利用することにより推定される。
この態様によれば、下流側EGRガス温の採るべき温度値が、その時点の内燃機関及び冷却システムの運転状況を反映する形で正確に推定されるため、より正確に調整弁の異常を診断することができる。
本発明に係る冷却システムの異常診断装置の他の態様では、前記車両は、前記EGR管における前記EGRクーラの下流側において前記EGRガスの温度を検出するEGRガス温検出手段を備え、前記特定手段は、前記検出されたEGRガスの温度に基づいて前記EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を特定する(請求項6)。
この態様によれば、EGRガス温検出手段により検出されたEGRガスの温度に基づいて、EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を正確に特定することができる。
本発明に係る冷却システムの異常診断装置の他の態様では、前記車両は、排気系に設置されたタービン及び吸気系に設置されたコンプレッサを含む過給器と、前記コンプレッサの下流側において吸気の温度を検出する吸気温検出手段とを備え、前記EGR装置は、前記EGR管が前記コンプレッサの上流側において前記吸気系と連通するLPLEGR装置であり、前記特定手段は、前記検出された吸気の温度に基づいて前記EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を特定する(請求項7)。
EGR管の一端部がコンプレッサ上流側(外気導入側)において吸気系に接続されるこの種の車両構成においては、コンプレッサ下流側の吸気温がEGRクーラ下流側のEGRガスの温度に大きく影響を受ける。従って、予め当該吸気温とEGRクーラ下流側のEGRガスの温度との関係を実験的に、経験的に又は理論的に定めておくことにより、当該吸気温を当該EGRガスの温度の代替的指標として利用することができる。一方、吸気温は、過給器を備える車両構成においては過給器の動作制御上把握する必要があり、好適には、吸気温センサ等により検出される。従って、この態様によれば、過給器の動作制御上の必要性に鑑みて配設される吸気温検出手段をEGRクーラ下流側のEGRガスの温度の特定に利用することができ、コスト面において好適である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10のブロック図である。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10のブロック図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載されるシステムであり、ECU(Electronic Control Unit)100、エンジン200、HPLEGR装置300、過給器400、LPLEGR装置500及び冷却システム600を備える。
図1において、ECU100は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジンシステムの動作全体を制御可能に構成された、本発明に係る「冷却システムの異常診断装置」の一例たるコンピュータ装置である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するCCV異常判定制御を実行可能に構成されている。
エンジン200は、軽油を燃料とする、本発明に係る「内燃機関」の一例たる直列4気筒ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)である。エンジン200の概略について説明すると、エンジン200は、シリンダブロック201及びシリンダヘッド202からなる本体部に、4本のシリンダ203が直列に配置された構成を有している。そして、各シリンダ内において燃料を含む混合気が圧縮自着火した際に生じる力が、不図示のピストンを紙面と垂直な方向に往復運動させ、更にコネクティングロッドを介してピストンに連結されるクランクシャフト(いずれも不図示)の回転運動に変換される構成となっている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
シリンダ203の燃焼室には、筒内直噴型のユニットインジェクタ204の一部が露出しており、燃料たる軽油をシリンダ内に直接噴射可能な構成となっている。噴射された燃料は、各シリンダ内部で吸気と混合され、上述した混合気となる。尚、詳細は省略するが、燃料は、不図示の燃料タンクに貯留されている。この燃料タンクに貯留される燃料は、不図示のフィードポンプの作用により燃料タンクから汲み出され、不図示の低圧配管を介して公知の各種態様を採り得高圧ポンプ(不図示)に圧送される構成となっている。この高圧ポンプは、コモンレール205に対し、燃料を供給可能に構成されている。
コモンレール205は、ECU100と電気的に接続され、上流側(即ち、高圧ポンプ側)から供給される高圧燃料をECU100により設定される目標レール圧まで蓄積することが可能に構成された、高圧貯留手段である。尚、コモンレール205には、レール圧を検出することが可能なレール圧センサ及びレール圧が上限値を超えないように蓄積される燃料量を制限するプレッシャリミッタ等が配設されるが、ここではその図示を省略することとする。前述したユニットインジェクタ204は、シリンダ203毎に搭載されており、夫々が高圧デリバリを介してコモンレール205に接続されている。
ユニットインジェクタ204の構成について補足すると、ユニットインジェクタ204は、ECU100から供給される指令に基づいて作動する電磁弁と、この電磁弁への通電時に燃料を噴射するノズル(いずれも不図示)とを備える。当該電磁弁は、コモンレール205の高圧燃料が印加される圧力室と、当該圧力室に接続された低圧側の低圧通路との間の連通状態を制御することが可能に構成されており、通電時に当該加圧室と低圧通路とを連通させると共に、通電停止時に当該加圧室と低圧通路とを相互に遮断する。一方、ノズルは、噴孔を開閉するニードルを内蔵し、圧力室の燃料圧力がニードルを閉弁方向(噴孔を閉じる方向)に付勢している。従って、電磁弁への通電により加圧室と低圧通路とが連通し、圧力室の燃料圧力が低下すると、ニードルがノズル内を上昇して開弁する(噴孔を開く)ことにより、コモンレール205より供給された高圧燃料を噴孔より噴射することが可能である。また、電磁弁への通電停止により加圧室と低圧通路とが相互に遮断されて圧力室の燃料圧力が上昇すると、ニードルがノズル内を下降して閉弁することにより、噴射が終了する。尚、燃料は、個々のシリンダ202において、ユニットインジェクタ204を介し、目標噴射量に相当する燃料が、燃焼室内の急激な温度上昇を防止するための、或いは燃料と吸気とを十分に予混合するためのパイロット噴射と、目標噴射量とパイロット噴射量との差分に相当するメイン噴射とに分割して噴射される構成となっている。
一方、エンジン200において、エアフィルタ207を介して外部から吸入された新気(吸入空気)は、吸気管206に導かれる。吸気管206における、エアフィルタ207の下流側には、吸入空気量Gaを検出するためのエアフローメータ208が設置されている。エアフローメータ208はECU100と電気的に接続されており、検出された吸入空気量Gaは、ECU100により適宜参照される構成となっている。
吸気管206における、後述するLPLEGR管510との合流部位たるLPL合流部よりも下流側には、後述する過給器400のコンプレッサ420が設置されている。また、コンプレッサ420の下流側には、空冷インタークーラ209が設けられている。空冷インタークーラ209は、放熱フィンを介してコンプレッサ通過後の吸入ガス(本発明に係る「吸気」の一例であり、LPLEGR装置500を介したEGRが行われていれば、吸入空気とLPLEGRガスとの混合気であり、EGRが行なわれていなければ吸入空気である)を冷却可能に構成される。また、空冷インタークーラ209の下流側には、当該吸入ガスの温度たる吸気温Tintを検出可能な吸気温センサ210が設置されている。吸気温センサ210はECU100と電気的に接続されており、検出された吸気温Tintは、ECU100により適宜参照される構成となっている。
吸気管206には、吸入ガスの量を調節可能なディーゼルスロットルバルブ211が配設されている。このディーゼルスロットルバルブ211は、ECU100と電気的に接続され且つECU100により上位に制御されるスロットルバルブモータ(不図示)から供給される駆動力により回転可能に構成された回転弁であり、ディーゼルスロットルバルブ211を境にした吸気管206の上流部分と下流部分とをほぼ遮断する全閉位置から、ほぼ全面的に連通させる全開位置まで、その回転位置が連続的に制御される構成となっている。尚、エンジン200は、ディーゼルエンジンであり、その出力は、ガソリン等を燃料とするエンジンにおける空燃比制御(吸入空気量に応じた制御)と異なり、噴射量の増減制御を介してコントロールされる。従って、ディーゼルスロットルバルブ211は、エンジン200の動作期間において、基本的に全開位置に制御される。
吸気管206は、ディーゼルスロットルバルブ211の下流側において、吸気マニホールド212と接続され、その内部において連通している。吸気マニホールド212に導かれる吸入ガスは、吸気マニホールド212の入り口付近に設けられた、後述するHPLEGR管310との合流部位たるHPL合流部において、後述するHPLEGRガスと適宜混合され(HPLEGRの実行時)、吸気ポートとシリンダ内部とを連通可能に構成された不図示の吸気バルブの開弁時にシリンダ203内に吸入される。
上述した混合気は、圧縮行程において自着火して燃焼し、燃焼済みガスとして、或いは一部未燃の混合気として、吸気バルブの開閉に連動して開閉する排気バルブ(不図示)の開弁時に排気ポートを介して排気マニホールド213に導かれる構成となっている。この排気マニホールド213は、排気管214に連通しており、排気の大部分は、この排気管214に導かれる構成となっている。
一方、排気管214には、過給器400のタービン410が設置されている。タービン410は、排気管214に導かれた排気の圧力(即ち、排気圧)により所定の回転軸を中心として回転可能に構成されている。このタービン410の回転軸は、コンプレッサハウジングに収容される形で吸気管206に設置されたコンプレッサ420と共有されており、タービン410が排気熱を回収して回転すると、コンプレッサ420も当該回転軸を中心として回転する構成となっている。
コンプレッサ420は、上述した吸入ガスを、その回転に伴う圧力により上述した吸気マニホールド212へ圧送供給可能に構成されており、このコンプレッサ420による吸入ガスの圧送効果により、所謂過給が実現される構成となっている。即ち、タービン410とコンプレッサ420を含む過給器400は、一種のターボチャージャを構成する。
排気管214には、DOC(酸化触媒)215及びDPF(Diesel Particulate Filter)216が設置されている。
DOC215は、アルミナ等の多孔質塩基性担体に白金等の貴金属を担持してなり、排気中のCO、HC(主としてSOF)及びNO等を酸化可能に構成された触媒である。
DPF216は、排気中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕捉可能に構成されたフィルタである。DPF216は、金属製の筐体にコージェライトやSiC等のセラミック担体によって構成されたフィルタが収容された構造を有する。このフィルタは、排気の流れる方向に伸長し且つ排気の流れる方向と垂直な断面がハニカム状をなす複数の排気通路を形成している。この排気通路は、排気の入口側と出口側とのうち一方が、相互に隣接しないように互い違いに目封じされており、DPF216は、所謂セラミックウォールフロー型のフィルタ構造を有している。
尚、ここでは図示を省略するが、エンジン200には、CCO215及びDPF216に加えて、NSR触媒が設けられていてもよい。NSR触媒は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等のNOx吸蔵材と貴金属をアルミナ等の多孔質担体に担持してなるNOx吸蔵還元型触媒である。NSR触媒は、リーン雰囲気中で排気中のNOを貴金属上でNOxに酸化し、塩基性物質であるNOx吸蔵材がNOxと中和反応して硝酸塩や亜硝酸塩を形成することによりNOxを吸蔵可能に構成されており、また燃料リッチ雰囲気中で、吸蔵されていた硝酸塩や亜硝酸塩が分解しNOxが放出されると共に、貴金属の触媒作用によりHCやCO等の還元剤と反応してN2に浄化される構成となっている。
排気管214におけるDPF216の下流側には、排気絞り弁217が設置される。排気絞り弁217は、背圧を一時的に高めて一種のエンジンブレーキ効果を得るための弁装置であり、ECU100により適宜その弁開度が制御される構成となっている。
HPLEGR装置300は、排気の一部をHPLEGRガスとして吸気系に導入可能に構成された排気再循環装置である。HPLEGR装置300は、HPLEGR管310及びHPLEGR弁320を備える。
HPLEGR管310は、排気マニホールド213から分岐すると共に、排気マニホールド213と吸気管206とを連通させる金属製且つ中空の管状部材であり、上述した吸気マニホールド212入口付近のHPL合流部において吸気管206と連通する構成となっている。HPLEGR管310を介して導入された排気は、HPLEGRガスとして、係るHPL合流部に導入される。
HPLEGR弁320は、HPLEGR管310に設置された開閉可能な弁と、当該弁を駆動する駆動装置を含むバルブ機構である。HPLEGR弁320の弁は、当該駆動装置により開閉状態が連続的に変化するように構成されており、当該開閉状態に応じて、HPLEGR管310を流れるHPLEGRガスの流量、即ち、HPLEGR量を制御可能に構成されている。HPLEGR弁320の駆動装置は、ECU100と電気的に接続されており、HPLEGR弁320の弁の開閉状態は、ECU100により上位に制御される構成となっている。
LPLEGR装置500は、排気の一部をLPLEGRガス(本発明に係る「EGRガス」の一例)として吸気系に導入可能に構成された排気再循環装置であり、本発明に係る「EGR装置」及び「LPLEGR装置」の一例である。LPLEGR装置500は、LPLEGR管510、LPLEGRクーラ520及びLPLEGR弁530を備える。
LPLEGR管510は、DPF216の下流側且つ排気絞り弁217の上流側の分岐位置において排気管214から分岐する金属製且つ中空の管状部材であり、上述した、コンプレッサ420上流側に設けられたLPL合流部において上述した吸気管206に連通する構成となっている。LPLEGR管510に導かれた排気は、LPLEGRガスとして、係るLPL合流部に導入される。
LPLEGRクーラ520は、LPLEGR管510に設けられた冷却装置である。LPLEGRクーラ520は、外周部に、後述する流路WF2が張り巡らされた冷却装置であり、LPLEGR管510に導かれるLPLEGRガスは、このLPLEGRクーラ520を通過する過程で、このEGR冷却流路WF2に通水される冷却水との間接的な熱交換により冷却され、下流側(即ち、吸気管206側)へ導かれる構成となっている。
LPLEGR弁530は、LPLEGRクーラ520下流側においてLPLEGR管510に設置された開閉可能な弁と、当該弁を駆動する駆動装置を含むバルブ機構である。LPLEGR弁530の弁は、当該駆動装置により開閉状態が連続的に変化するように構成されており、当該開閉状態に応じて、LPLEGR管510を流れるLPLEGRガスの流量、即ち、LPLEGR量を制御可能に構成されている。LPLEGR弁530の駆動装置は、ECU100と電気的に接続されており、LPLEGR弁530の弁の開閉状態は、ECU100により上位に制御される構成となっている。
EGRガス温センサ540は、LPLEGRクーラ520の下流側においてLPLEGRガスの温度たるLPLEGRガス温Tegrを検出可能に構成された温度センサであり、本発明に係る「EGRガス温検出手段」の一例である。EGRガス温センサ540は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたLPLEGRガス温Tegrは、ECU100により適宜参照される構成となっている。尚、この検出されるLPLEGRガス温Tegrは、本発明に係る「EGRクーラ下流側のEGRガスの温度」の一例である。
尚、図示は省略するが、エンジンシステム10には外気温Tairを検出可能な外気温センサが備わる。外気温センサはECU100と電気的に接続されており、ECU100は、常時外気温Tairを参照可能である。
また、同じく図示は省略するが、エンジンシステム10には、吸気管206におけるコンプレッサ420の下流側に、コンプレッサ420の過給圧Pcmpを検出可能な過給圧センサが備わっている。この過給圧センサは、ECU100と電気的に接続されており、検出された過給圧Pcmpは、ECU100により適宜参照可能である。
冷却システム600は、流路部に封入された冷却水(例えば、LLC)を後述するCCV620の作用により適宜選択される通水経路内で循環させることによってエンジンシステム10の各部を冷却する、本発明に係る「冷却システム」の一例である。
ここで、図2を参照し、冷却システム600の構成について説明する。ここに、図2は冷却システム600のブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、冷却システム600は、ウォータポンプ610、CCV620、冷却水温センサ630、ラジエータ640、リザーバタンク650及びサーモスタット660並びに流路WF1、流路WF2、流路WF3及び流路WF4を含む流路部を備える。
W/P610は、公知の電気駆動型渦巻き式ポンプである。W/P610は、入力ポートWPiを介して流路WF4から入力される冷却水を、不図示のモータの回転力によって吸引し、モータ回転速度Nwpに応じた量の冷却水を、出力ポートWPoを介して流路WF1に吐出可能に構成されている。このモータは、不図示の電力供給源(例えば、車載用12Vバッテリ、或いは他のバッテリ)等から電力の供給を受ける構成となっており、その回転速度たるポンプ回転速度Nwpは、不図示のモータ駆動系を介して供給される制御電圧(又は制御電流)のデューティ比DTYに応じて増減制御される構成となっている。また、このモータ駆動系は、ECU100と電気的に接続された状態にあり、ECU100によって上述したデューティ比DTYを含む動作状態が制御される構成となっている。即ち、W/P610は、ECU100によってその動作状態が制御される構成となっている。
CCV620は、冷却水の通水経路を、冷却システム600の後述する各動作モードに応じて切り替え可能なロータリーバルブ装置であり、本発明に係る「調整弁」の一例である。
CCV620は、冷却水の入力側インターフェイスである入力ポートCCViと、冷却水の出力側インターフェイスである、出力ポートCCVo1、CCVo2及びCCVo3の各出力ポートとを有する。入力ポートCCViは、流路WF1に接続されており、出力ポートCCVo1は流路WF2に、出力ポートCCVo2は流路WF3に、出力ポートCCVo3は流路WF4に、夫々接続されている。
ここで、入力ポートCCViと各出力ポートとを繋ぐ筒状の集約部には、当該集約部において一方向に回転可能な筒状の樹脂バルブが収容されている。この樹脂バルブの側面部分には、各出力ポートに対応する複数の切り欠き部が形成されており、一の切り欠き部と対応する各出力ポートとの連通面積が、樹脂バルブの回転角であるCCV回転角Accvに応じて連続的に変化する構成となっている。樹脂バルブが一周すると、即ちCCV回転角Accvが360°に達すると、CCV620の状態は従前の状態に復帰する。樹脂バルブを回転駆動する駆動ユニットは、励磁電流により電磁力を生じる公知のソレノイドと、当該励磁電流を付与する駆動装置とを含む公知の電磁駆動型アクチュエータであり、この駆動装置はECU100と電気的に接続されている。従って、CCV620の状態、即ち冷却水の通水経路は、ECU100により制御される構成となっている。尚、このようなCCV620は、本発明に係る「調整弁」の採り得る態様の一形態に過ぎず、本発明に係る調整弁は、ここに例示されるものに限らず他の態様を有していてもよい。例えば、制御弁は、各出力ポートにおいて相互に独立した電磁駆動弁を備えていてもよい。
冷却水温センサ630は、冷却水の温度たる冷却水温Tclを検出可能に構成されたセンサである。冷却水温センサ630は、流路WF1における計測点P1に設置されており、流路WF1における冷却水温Tclを検出可能である。また、冷却水温センサ630は、ECU100と電気的に接続されており、検出された冷却水温Tclは、ECU100により適宜参照される。
ラジエータ640は、流路WF3に設置され、入力ポート及び出力ポートに連通する複数のウォータパイプが配列してなると共に、当該ウォータパイプの外周に多数の波板状のフィンを備えた公知の冷却装置である。ラジエータ640は、入力ポートRGiから流入した冷却水を当該ウォータパイプに導くと共に、当該ウォータパイプを流れる過程において当該フィンを介した大気との熱交換により冷却水から熱を奪う構成となっている。熱を奪われることによって相対的に冷却された冷却水は、出力ポートRGoから排出される。即ち、流路WF3は、本発明に係る「ラジエータ流路」の一例である。
リザーバタンク650は、流路WF3にラジエータ640と並列に設置された、余剰な冷却水をプールする貯留手段である。リザーバタンク650は、入力ポートRTiを介して冷却水が流入し、出力ポートRToを介して冷却水が排出される構成となっている。尚、流路WF3は、接続点P5においてラジエータ640側とリザーバタンク650側とに分岐し、接続点P6において再び合流する構成となっている。
サーモスタット650は、入力ポートTSi1、入力ポートTSi2及び出力ポートTSoの各ポートと、入力ポートTSi2に設けられた、予め設定されたサーモ閉弁温度において閉弁するサーモ弁(不図示)とを有する公知の温度調整弁である。サーモスタット660において、入力ポートTSi1は流路WF2に接続されており、入力ポートTSi2は流路WF3に接続されている。また、出力ポートTSoは流路WF4に接続されている。
流路WF1は、シリンダブロック201及びシリンダヘッド202を順次経由する不図示のウォータジャケットを含む流路であり、本発明に係る「機関冷却流路」の一例である。流路WF1は、W/P610の出力ポートWPoとシリンダブロック201の入力ポートEGiとを繋ぐ流路部分、上記ウォータジャケット及びシリンダヘッド202の出力ポートEGoとCCV620の入力ポートCCViとを繋ぐ流路部分から構成される。
流路WF2は、LPLEGRクーラ520及びヒータ700を順次経由する流路であり、本発明に係る「EGR冷却流路」の一例である。流路WF2は、CCV620の出力ポートCCVo1とLPLEGRクーラ520の入力ポートEGRCiとを繋ぐ流路部分、LPLEGRクーラ520を取り巻く流路部分、LPLEGRクーラ520の出力ポートEGRCoとヒータ700の入力ポートHTiとを繋ぐ流路部分、ヒータ700の内部を通過する流路部分及びヒータ700の出力ポートHToとサーモスタット660の入力ポートTSi1とを繋ぐ流路部分から構成される。従って、流路WF1と流路WF2とが繋がるようにCCV620が制御された場合、冷却水の通水経路は、本発明に係る「第2経路」の一例となる。尚、この通水経路をこれ以降適宜「第2経路」と表現することとする。また、このような流路構成は、本発明に係る「EGR冷却流路が機関冷却流路の下流側に位置する」構成の一例である。
尚、ヒータ700は、所謂ルームヒータであり、冷却水の熱を室内暖房等に利用する公知の暖房装置である。
流路WF3は、既に述べたように、ラジエータ640を経由する、本発明に係るラジエータ流路の一例である。流路WF3は、CCV620の出力ポートCCVo2とラジエータ640の入力ポートRGiを繋ぐ流路部分、接続点P5から接続点P6までラジエータ640を迂回してリザーバタンク650に繋がる流路部分、ラジエータ640内部の流路部分及びラジエータ640の出力ポートRGoとサーモスタット660の入力ポートTSi2とを繋ぐ流路部分から構成される。従って、流路WF1と流路WF3とが繋がるようにCCV620が制御された場合、冷却水の通水経路は、本発明に係る「第1経路」の一例となる。尚、この通水経路をこれ以降適宜「第1経路」と表現することとする。
流路WF4は、補機としてのHPLEGR弁320及びオイルクーラ800を冷却するための冷却水の流路である。尚、オイルクーラ800は、エンジン潤滑油の冷却装置である。
流路WF4は、CCV620の出力ポートCCVo3とHPLEGR弁320の入力ポートEGRViとを繋ぐ流路部分、HPLEGR弁320内部の流路部分、HPLEGR弁320の出力ポートEGRVoと流路WF2とを接続点P3において繋ぐ流路部分、CV620の出力ポートCCVo3とHPLEGR弁320の入力ポートEGRViとを繋ぐ流路部分において接続点P2から分岐してオイルクーラ800の入力ポートOCiに接続される流路部分、オイルクーラ800内部の流路部分及びオイルクーラ800の出力ポートOCoと流路WF2とを接続点P4において繋ぐ流路部分から構成される。
ここで、CCV620の動作について補足する。
CCV620の樹脂バルブは、初期状態(CCV回転角Accv=0°)において入力ポートCCViと全ての出力ポートとの連通を遮断している。この全出力ポートの連通が遮断されている状態に対応する冷却システム600の動作モードを動作モードM1と定義する。動作モードM1においては、冷却水の通水は全停止され、本発明に係る「通水が制限された」状態が実現される。
一方、樹脂バルブが回転する過程において、入力ポートCCViは、先ず出力ポートCCVo1と連通し始め、回転角が増大する過程で徐々にその連通面積が拡大する。その結果、流路WF2が徐々に開放されることによって冷却水の通水経路が第2経路となる。尚、本実施形態では、入力ポートCCViと出力ポートCCVo1との連通面積が最大となり、且つ他の出力ポートの連通が遮断されている状態に対応する冷却システム600の動作モードを「動作モードM2」と定義する。動作モードM2及びその前段階として入力ポートCCViと出力ポートCCVo1とが連通している状態においては、冷却水は第2経路のみに通水される。
更に樹脂バルブが回転すると、それに続いて、流路WF2が開放されたまま、入力ポートCCViと出力ポートCCVo3との連通面積が順次拡大し流路WF4が徐々に開放される。この状態から更に樹脂バルブが回転すると、流路WF2及び流路WF4が最大限に開放されたまま、入力ポートCCViと出力ポートCCVo2との連通面積が順次拡大し、流路WF3が徐々に開放される。即ち、冷却水の通水経路として上述した第1経路が加わる。尚、第1経路と第2経路(本実施形態では、流路W4を介した通水経路も含まれる)との双方が最大の流路面積で開放されている状態に対応する冷却システム600の動作モードを「動作モードM3」と定義する。
<実施形態の動作>
<冷却システム600の基本動作>
次に、実施形態の動作として、先ず冷却システム600の動作モードの選択について説明する。
<冷却システム600の基本動作>
次に、実施形態の動作として、先ず冷却システム600の動作モードの選択について説明する。
冷却システム600は、上述したように動作モードM1、M2及びM3の三種類の動作モードを備えており、選択される動作モードに応じて冷却水の通水経路が変化する構成となっている。この動作モードの選択は、ECU100が冷却水温Tclに基づいて実行する構成となっている。尚、この際参照される冷却水温Tclは、冷却水温センサ630により検出された冷却水温ではなく、ECU100が本発明に係る「冷却水温推定手段」の一例として機能することによりエンジン200の運転状態に基づいて推定した推定値である。尚、冷却水温Tclを推定するにあたっては、例えばエンジン200の燃料噴射量に基づいた発熱量の推定結果と、エンジン各部からの放熱量の推定結果とが参照されてもよい。但し、このような冷却水温の推定手法としては公知の各種手法を適用可能であることは言うまでもない。
ここで、図3を参照し、冷却システム600の動作モードと冷却水温Tclとの関係について説明する。ここに、図3は、冷却水温Tclと選択される動作モードとの関係を例示する図である。尚、図3において、縦軸が動作モードに、横軸が冷却水温Tclに夫々対応している。
図3において、冷却水温Tclが予め設定された温度値a未満である場合、ECU100は、冷却システム600の動作モードとして上述した動作モードM1を選択する。温度値aは、予め実験的に、経験的に又は理論的に、冷間始動時の冷却水温Tclよりも高温側で設定された温度であり、本発明に係る「基準温度」の一例である。従って、冷間始動時において、冷却システム600の動作モードは、始動時点から暫時の期間について、動作モードM1に維持される。
冷却水温Tclが温度値aに到達すると、ECU100は、CCV620の樹脂バルブを回転させ、入力ポートCCViと出力ポートCCVo1との連通面積を徐々に拡大させる。この拡大措置は、冷却水温Tclの増減に対応して実行される。即ち、動作モードは動作モードM1から徐々に動作モードM2に向かって変化する。この連通面積の拡大措置は、冷却水温Tclが温度値Tref(Tref>a)となるまで継続される。
一方、冷却水温Tclが温度値Trefに到達してから、温度値b(b>Tref)に達するまでの暫時の期間については、ECU100は、冷却システム600の動作モードを動作モードM2に維持する。動作モードM2では、先述したように、冷却水の通水経路が第2経路となり、冷却水がLPLEGRクーラ520に供給される。尚、このように冷却システム600の動作モードが完全に動作モードM2に移行するのは、冷却水温Tclが温度値Trefに到達した時点である。その点に鑑みれば、狭義において、温度値Trefは本発明に係る「基準温度」の一例である。
尚、ここで、図4を参照し、動作モードM2について説明する。ここに、図4は、動作モードM2が選択された場合の冷却システム600における冷却水の通水経路を説明する図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4から明らかなように、動作モードM2においては、冷却水がラジエータ640を経由しない。そのため、エンジン200の機関本体部(シリンダブロック、シリンダヘッド)の暖機に供される冷却水の温度を極力低下させずに、LPLEGRクーラ520の暖機を促進することができる。
図3に戻り、温度値Trefは、本発明に係る「排気露点温度」の一例であり、それ未満の温度領域において、流路内のEGRガスが過度に冷却されて凝縮水を生じる(尚、実際に生じるか否かとは必ずしも関係ない)温度値として設定されている。また、温度値Trefは、本発明に係る「目標温度」の一例である。温度値Tref以上の温度領域においてLPLEGRクーラ520に冷却水を介して熱供与を行うことにより、LPLEGRクーラ520周辺に滞留するEGRガスの温度は徐々に昇温し、理想的には温度値Tref以上の温度領域に維持される。
更に、本実施形態では、冷却水温Tclが温度値Trefに到達する以前から(温度値a以上の温度領域で)徐々に冷却水の通水が行われるため、EGRガスの温度は、温度値Tref以上の温度領域に迅速に移行する。従って、動作モードM2の選択により、LPLEGRクーラ520付近における凝縮水の発生は的確に防止され、LPLEGR管510の腐食等を効果的に防止することが出来る。
尚、第2経路に対する冷却水の通水が開始されてから冷却システム600の動作モードが動作モードM2に移行するまでの通水態様は、図3に例示する態様を含め、排気露点温度以上の温度領域で動作モードM2が選択される限りにおいて限定されない。
本実施形態では、この動作モードM2の選択後、LPLEGRクーラ520の温度が概ね安定したとみなされ得る所定時間が経過した後に、ECU100によりLPLEGR弁530の開弁及びそれに伴うLPLEGRガスの導入が開始される。この際、LPLEGRクーラ520の温度は排気露点温度以上に維持されているため、LPLEGRクーラ520下流側のEGRガスの温度もまた排気露点温度以上に維持される。
一方、冷却水温Tclが、その上昇の過程において温度値bに到達すると、ECU100は、冷却システム600の動作モードとして動作モードM3を選択する。動作モードM3では、第1経路と第2経路との双方が、最大の流路面積で開放状態となる。即ち、動作モードM3は、エンジン200が暖機状態に移行するのに相前後して選択される。尚、温度値bは、エンジン200が暖機状態に移行したと判断し得る温度としての暖機温度値(例えば、摂氏80度)よりも低温側の値に設定されており、より安全側の配慮がなされている。即ち、このように暖機温度値未満の温度領域においてラジエータ640による冷却作用をアクティブとすれば、暖機温度値以上の温度領域で動作モードM3が選択される場合と較べてエンジン200がオーバヒートする可能性は著しく低下する。
<CCV異常判定制御の詳細>
次に、図5を参照し、ECU100により実行されるCCV異常判定制御の詳細について説明する。ここに、図5は、CCV異常判定制御のフローチャートである。尚、CCV異常判定制御は、CCV620の閉じ側異常を診断する制御であり、ECU100が所定周期で繰り返し実行する制御である。
次に、図5を参照し、ECU100により実行されるCCV異常判定制御の詳細について説明する。ここに、図5は、CCV異常判定制御のフローチャートである。尚、CCV異常判定制御は、CCV620の閉じ側異常を診断する制御であり、ECU100が所定周期で繰り返し実行する制御である。
図5において、ECU100は、エンジンシステム10の各種運転条件を読み込む(ステップS110)。この運転条件には、エンジン200の機関回転数NE、エンジン200の燃料噴射量、冷却水温Tcl、CCV620の動作状態、冷却システム600の動作モード、LPLEGR装置500の動作状態等が含まれる。
ECU100は、ステップS110で読み込まれた運転条件が、異常判定許可条件に該当するか否かを判定する(ステップS120)。異常判定許可条件とは、冷却システム600の動作モードとして動作モードM2が選択されており(即ち、冷却水温Tclが排気露点温度以上であることを潜在的に含む)、且つ、LPLEGR装置500によるLPLEGRガスの導入が開始されていることとして定義される。異常判定許可条件が成立しない場合(ステップS120:NO)、CCV異常判定制御は終了する。但し、上述したように、CCV異常判定制御は、所定周期で繰り返し実行されるため、再びステップS110から実行される。
異常判定許可条件が成立する場合(ステップS120:YES)、ECU100は、検出されるLPLEGRガス温Tegrが、上記温度値Tref(即ち、排気露点温度であり、本発明に係る「目標温度」の一例である)未満であるか否かを判定する(ステップS130)。LPLEGRガス温Tegrが温度値Tref以上である場合(ステップS130:NO)、ECU100は、CCV620の異常状態を表すCCV異常フラグFgccvflを、CCV620が正常であることを意味する「OFF」に設定して(ステップS150)、CCV異常判定制御を終了する。
一方、LPLEGRガス温Tegrが温度値Tref未満である場合(ステップS130:YES)、ECU100は、CCV620の異常状態を表すCCV異常フラグFgccvflを、CCV620が異常であることを意味する「ON」に設定して(ステップS150)、CCV異常判定制御を終了する。尚、CCV異常判定フラグFgccvflがONである場合、ステップS120の異常判定許可条件は成立しないものと判定される。また、ECU100は、迅速にLPLEGRガスの導入を停止し、MIL(Multi Information Lamp)等の情報告知手段を介して運転者に冷却システム600に異常が発生した旨を告知する。
本実施形態によれば、冷却システム600の動作モードとして動作モードM2が選択された場合にはLPLEGRクーラ520が排気露点温度以上の温度領域に維持されLPLEGRクーラ520下流側のEGRガスの温度が排気露点温度未満の温度領域にまで低下しないことを利用して、冷却システム600の異常が的確に診断される。即ち、LPLEGRガス温Tegrが排気露点温度未満であることが検出された場合には、CCV620が閉じ側異常を生じている、即ち、樹脂バルブの回転不良により流路WF2の流路面積が拡大しない状態にあるとの判定がなされる。従って、CCV620に異常が生じているにもかかわらずLPLEGRガスの導入が継続されることによる、凝縮水の発生や、それに引き続く冷却水の沸騰及びエンジン200のオーバヒート等を未然に防ぐことが可能となる。
<第2実施形態>
次に、図6を参照し、第1実施形態よりも正確にCCV620が異常であるか否かを診断し得る本発明の第2実施形態に係るCCV異常判定制御について説明する。ここに、図6は、第2実施形態に係るCCV異常判定制御のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
次に、図6を参照し、第1実施形態よりも正確にCCV620が異常であるか否かを診断し得る本発明の第2実施形態に係るCCV異常判定制御について説明する。ここに、図6は、第2実施形態に係るCCV異常判定制御のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、ECU100は、異常判定許可条件が成立すると(ステップS120:YES)、目標EGRガス温Tegrtgを算出する(ステップS121)。目標EGRガス温Tegrtgは、CCV620が正常に作動している場合における、LPLEGRクーラ520下流側のEGRガスの狙いの温度である。目標EGRガス温Tegrtgは、機関回転数NE、燃料噴射量及び冷却水温Tclに基づいて推定されるが、推定手法は特に限定されない。目標EGRガス温Tegrtgは、本発明に係る「目標温度」の他の一例であり、また「収束温度」の一例である。
例えば、これら各パラメータを引数とする演算アルゴリズムや演算式が規定されている場合には、ECU100が当該演算アルゴリズムや演算式に従って算出してもよい。或いは、これら各パラメータと目標EGRガス温Tegrtgとの関係が、予めマップ等に規定されている場合には、ECU100は、これらパラメータに該当する数値を当該マップから選択することによって目標EGRガス温Tegrtgを推定してもよい。尚、この目標EGRガス温Tegrtgは、エンジンシステム10の運転条件に応じて適宜変化し得る。
目標EGRガス温Tegrtgが算出されると、LPLEGRガス温Tegrが、この算出された目標EGRガス温Tegrtg未満であるか否かが判定される(ステップS131)。LPLEGRガス温Tegrが目標EGRガス温Tegrtg未満である場合(ステップS131:YES)、ECU100は、ガス温低下フラグFggaslを「ON」に設定し(ステップS132)、処理をステップS133に移行する。LPLEGRガス温Tegrが目標EGRガス温Tegrtg未満でない場合(ステップS131:NO)、ECU100は、ガス温低下フラグFggaslをその時点の値に維持したまま処理をステップS133に移行する。尚、ガス温低下フラグFggaslの初期値は「OFF」である。
ステップS133では、LPLEGRガス温Tegrが、算出された目標EGRガス温Tegrtgよりも高いか否かが判定される。LPLEGRガス温Tegrが目標EGRガス温Tegrtgよりも高い場合(ステップS133:YES)、ECU100は、ガス温上昇フラグFggashを「ON」に設定し(ステップS134)、処理をステップS135に移行する。LPLEGRガス温Tegrが目標EGRガス温Tegrtg以下である場合(ステップS133:NO)、ECU100は、ガス温上昇フラグFggashをその時点の値に維持したまま処理をステップS135に移行する。尚、ガス温上昇フラグFggashの所期値は「OFF」である。
ステップS135では、ガス温低下フラグFggasl及びガス温上昇フラグFggashの双方が「ON」に設定されているか否かが判定される。ガス温低下フラグFggaslとガス温上昇フラグFggashとのうち少なくとも一方が「OFF」である場合(ステップS135:NO)、CCV異常判定フラグFgccvflは「OFF」とされ(ステップS150)、ガス温低下フラグFggaslとガス温上昇フラグFggashとの双方が「ON」である場合(ステップS135:YES)、CCV異常判定フラグFgccvflは「ON」とされる(ステップS140)。第2実施形態に係るCCV異常判定制御はこのように実行される。
第2実施形態に係るCCV異常判定制御によれば、第1実施形態に係るCCV異常判定制御と較べて下記の利点がある。
即ち、本実施形態に係るCCV異常判定制御によれば、LPLEGRガス温Tegrの時間推移が参照されるため、一過性の或いは偶発的な要因による誤判定が回避される。これは、CCV620が異常である場合には、LPLEGRガス温Tegrが、LPLEGRガスの導入初期においては目標EGRガス温Tegrtg未満となり、相応の時間経過の後には逆に目標EGRガス温Tegrtgよりも高くなる現象を利用したものである。
尚、実際のLPLEGRガス温Tegrがある程度変動しつつ推移することを考えれば、目標EGR温Tegrtgは、ある程度の温度幅を有する値として設定されてもよい。
<第3実施形態>
次に、図7を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。ここに、図7は、第3実施形態に係るエンジンシステム11の概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
次に、図7を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。ここに、図7は、第3実施形態に係るエンジンシステム11の概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図7において、エンジンシステム11は、EGRガス温センサ540を有さぬ点において、エンジンシステム10と相違する。
ここで、EGRガス温センサ540を備えない場合、第1及び第2実施形態に例示した如くCCV異常判定制御を実施するには、EGRクーラ520下流側のEGRガスの温度(即ち、LPLRGRガス温Tegr)を他の手法で推定する必要が生じる。そこで、本実施形態では、吸気温センサ218により検出される吸気温Tintが利用される。
LPLEGR装置500において、LPLEGRガスは、コンプレッサ420の上流側で吸入空気(新気)と混合される。従って、コンプレッサ420の下流側の吸気ガスの温度である吸気温Tintには、LPLEGRガス温Tegrが反映される。従って、吸気温TintによりLPLEGRガス温Tegrを推定することができる。
より具体的には、吸気温Tintは、LPLEGRガス温Tegr、LPLEGRガスの流量、新気温度Tair、吸入空気量Ga及び過給圧Pcmpにより推定することができる。このような吸気温TintとLPLEGRガス温Tegrとの関係は、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められ、演算式や制御マップとしてROMに格納されている。
この関係をCCV異常判定制御に利用する一の手法としては、第1実施形態と同様に機関回転数NE、燃料噴射量及び冷却水温Tclに基づいて推定される目標EGR温Tegrtgをこの関係におけるLPLEGRガス温Tegrとして利用して、目標EGR温Tegrに対応する目標吸気温Tinttgを求め、検出される吸気温Tintと比較することである。即ち、この場合、LPLEGRガス温Tegrは、吸気温Tintにより潜在的且つ代替的に推定される。
例えば、図6におけるステップS121における目標EGRガス温Tegrtgを目標吸気温Tinttgに置き換え、またステップS131及びS133におけるTegr及びTegrtgを夫々Tint及びTinttgに夫々置き換えれば、吸気温センサ218を利用したCCV異常判定制御を実現可能である。
或いは、上述したように吸気温TintとLPLEGRガス温Tegrtgとの関係が既知であることに鑑みれば、検出される吸気温Tintに基づいて、現時点のLPLEGRガス温Tegrを推定することも可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う冷却システムの異常診断装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、エンジンとEGR装置を備えた車両における冷却システムの異常診断に適用可能である。
10…車両、100…ECU、200…エンジン、300…HPLEGR装置、400…過給器、500…LPLEGR装置、600…冷却システム。
Claims (7)
- 内燃機関と、
EGR管並びに該EGR管に設けられたEGRクーラ及びEGR弁を含むEGR装置と、
冷却水の通水により前記内燃機関及び前記EGR装置を含む被冷却体を冷却可能な、(1)前記内燃機関を冷却するための機関冷却流路、前記EGRクーラを冷却するための、前記機関冷却流路の下流側に位置するEGR冷却流路及びラジエータを経由するラジエータ流路を少なくとも含む、前記冷却水を通水可能な流路部と、(2)前記機関冷却流路及び前記ラジエータ流路を含む第1経路と前記機関冷却流路及び前記EGR冷却流路を含み且つ前記ラジエータ流路を含まない第2経路とにおける前記冷却水の通水量を調整可能な調整弁とを備えてなる冷却システムと、
前記内燃機関の始動時に前記機関冷却流路に対する前記通水を制限する制限手段と、
前記冷却水の温度を推定する冷却水温推定手段と、
前記機関冷却流路に対する通水が制限される期間において、前記推定された冷却水の温度が前記EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を目標温度とするための基準温度以上となる場合に、前記第2経路への通水がなされるように前記調整弁を制御する通水制御手段と、
前記第2経路への通水が開始された後に前記EGR管を経由してEGRガスが導入されるように前記EGR弁を制御するEGR制御手段と
を備えてなる車両における、前記冷却システムの異常診断装置であって、
前記EGRガスの導入開始後における、前記EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を特定する特定手段と、
前記特定されたEGRガスの温度が、前記目標温度未満であることが検出された場合に、前記調整弁が異常であると判定する判定手段と
を具備することを特徴とする冷却システムの異常診断装置。 - 前記判定手段は、前記特定されたEGRガスの温度が前記目標温度未満であることが検出され、且つ、その後に前記特定されたEGRガスの温度が前記目標温度以上となることが検出された場合に、前記調整弁が異常であると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の冷却システムの異常診断装置。 - 前記基準温度は排気露点温度である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却システムの異常診断装置。 - 前記目標温度は排気露点温度である
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷却システムの異常診断装置。 - 前記特定される冷却水の温度及び前記内燃機関の動作条件に基づいて、前記目標温度として、前記調整弁が正常である場合における前記EGRクーラ下流側のEGRガスの収束温度を推定する収束温度推定手段を更に具備する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷却システムの異常診断装置。 - 前記車両は、前記EGR管における前記EGRクーラの下流側において前記EGRガスの温度を検出するEGRガス温検出手段を備え、
前記特定手段は、前記検出されたEGRガスの温度に基づいて前記EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を特定する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の冷却システムの異常診断装置。 - 前記車両は、
排気系に設置されたタービン及び吸気系に設置されたコンプレッサを含む過給器と、
前記コンプレッサの下流側において吸気の温度を検出する吸気温検出手段と
を備え、
前記EGR装置は、前記EGR管が前記コンプレッサの上流側において前記吸気系と連通するLPLEGR装置であり、
前記特定手段は、前記検出された吸気の温度に基づいて前記EGRクーラ下流側のEGRガスの温度を特定する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の冷却システムの異常診断装置。
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-
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