JP2014005585A - 不織布とこれを用いた皮革様シート状物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維直径が0.05〜5.0μmの極細繊維で構成された不織布である。極細繊維の直径の0.1μm刻みで作成した分布は、互いに異なる2つ以上のピークを有する。より大径側に位置するピークの中心値は、その小径側に隣接するピークの中心値の1.3倍よりも大きい。各ピークの中心値±30%の範囲内に存在する繊維本数の合計は、総繊維本数の90%以上を占める。上記不織布の内部に弾性重合体を含有させて皮革様シート状物にしてある。
【選択図】図1
Description
また、本発明で用いられる極細繊維を構成するポリマーには、他の成分が共重合されていても良いし、粒子、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させても良い。
また、弾性重合体には、必要に応じて着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、分散剤、柔軟剤、凝固調整剤、難燃剤、抗菌剤、防臭剤などの添加剤が配合されていてもよい。
極細繊維束が絡合した繊維絡合体等の不織布を得る手段としては、極細繊維発生型繊維を用いることが好ましい。極細繊維から直接繊維絡合体等の不織布を製造することは困難であるが、極細繊維発生型繊維から繊維絡合体を製造し、この繊維絡合体における海島型複合繊維から極細繊維を発生させることにより、極細繊維束が絡合してなる不織布を得ることができる。
上記の易溶解性ポリマー(海成分)を溶解する溶剤としては、海成分がポリエチレンなどのポリオレフィンやポリスチレン等であればトルエンやトリクロロエチレン等の有機溶媒が用いられ、海成分がポリ乳酸や共重合ポリエステルであれば水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いることができる。また、極細繊維発生加工(脱海処理)は、溶剤中に極細繊維発生型繊維からなる不織布を浸漬し、窄液することによって行うことができる。
また、極細繊維発生加工には、連続染色機、バイブロウォッシャー型脱海機、液流染色機、ウィンス染色機或いはジッガー染色機等の公知の装置を用いることができる。
(1)極細繊維発生型の海島型複合繊維で構成された不織布に、前記弾性重合体溶液を含浸し、水もしくは有機溶媒水溶液中で凝固させた後、海島型複合繊維の海成分を、弾性重合体は溶解しない溶剤で溶解除去する方法や、
(2)極細繊維発生型の海島型複合繊維で構成された不織布に、鹸化度が好ましくは80%以上のポリビニルアルコールを付与し、繊維の周囲の大部分を保護した後、海島型複合繊維の海成分を、ポリビニルアルコールは溶解しない溶剤で溶解除去し、次いで弾性重合体の溶液を含浸し、水もしくは有機溶剤水溶液中で凝固させた後、ポリビニルアルコールを除去する方法、
などを好ましく用いることができる。
そして基板を連続回転させた状態で、上記のテープ状とした洗浄加工布を研磨加工後の基板に押し付けながら、基板の径方向に洗浄加工布または基板を往復運動させ、連続的に洗浄加工布を走行させる。その際に、水および/または有機酸系洗浄剤の水溶液を洗浄加工布表面に供給し、表面の極細繊維にて基板表面を洗浄する方法が好適である。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、各物性の測定と評価に用いる加工は、以下の方法による。
パーキンエルマー社(Perkin Elmer)製DSC−7を用いて、2nd runでポリマーの溶融を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は16℃/分で、サンプル量は10mgとした。
試料ペレット4〜5gを、MFR計電気炉のシリンダーに入れ、株式会社東洋精機製作所製、メルトインデクサー(S101)を用いて、荷重2160gf、温度285℃の条件で、10分間に押し出される樹脂の質量(g)を測定した。同様の測定を3回繰り返し、平均値をMFRとした。
シート状物の極細繊維を含む厚み方向に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡(SEM、株式会社キーエンス製、VE−7800型)を用いて3000倍で観察し、30μm×30μmの視野内で観察可能な1つの極細繊維束を抽出し、その極細繊維束を構成する全ての単繊維直径をμm単位でそれぞれ有効数字3桁で測定し、四捨五入により有効数字2桁で求めた。ただし、これを10カ所で行った。極細繊維が異形断面の場合は、まず単繊維の断面積を測定し、当該断面を円形と見立てた場合の直径を算出することによって単繊維の直径を求めた。このようにして求めた単繊維直径について、さらに小数点第2位を四捨五入し、0.1μm単位とした後、0.1μm刻みで繊維直径分布の度数分布を作成した。この度数分布を直線もしくは曲線でグラフ化した際、上に凸となる点を繊維直径分布のピークと定義し、その際の繊維直径を0.1μm単位で求め、さらにその個数をカウントした。この時、ある1つのピークの中心値+30%の範囲に他のピークが存在する場合は、両者のうち度数の大きい方をピークとして採用し、他方はピークにカウントしないものとした。また、両者の度数が等しい場合は、各ピーク中心値の平均値をピーク中心値として採用した。
上記(3)で求めた各ピークの中心値から、ピーク中心値±30%の範囲内に存在する極細繊維の本数を測定し、重複分を除いたこれらの合計本数が総繊維本数に占める割合を算出した。
本発明の不織布を有する皮革様シート状物を、30mm幅のテープとし、研磨布として用いた。研磨対象として、表面粗さが0.2nm以下に制御されたコニカミノルタガラステック株式会社製のアモルファスガラスからなる基板を用いた。基板の両面を一度に研磨すべく、上記のテープ状研磨布を基板の両面にセットして、洗浄加工布表面に1次粒子径1〜10nmの単結晶ダイヤモンド粒子が平均径50nmにクラスター化した遊離砥粒を0.01%含む研磨剤を、15mL/分で両面側に滴下し、基板へのテープの押付圧を1000g重、基板回転数を400rpm、基板揺動数を5Hz、テープ走行速度2.5cm/分として、10秒間研磨した。
上記のテープ状皮革様シート状物を洗浄加工布として用い、研磨加工直後の基板を、研磨剤を洗浄剤(三洋化成株式会社製、ケミクリーンPR−122)に代えて、テープ状洗浄加工布の押付圧を750g重、加工時間を30秒とする以外は研磨加工と同じ条件で洗浄加工し、流水で洗浄した。
洗浄加工後のガラス基板に磁性層を形成し、磁気欠点やエラー欠陥という、基板表面上に残存する異物起因の不良ディスク発生率を算出した。測定は、ディスク100枚を1セットとし、計3セット実施した。それぞれのセット毎に、ディスク表面の異物起因の不良ディスク発生率を算出し、3セットにおける発生率の平均値を、不良ディスク発生率とした。不良ディスク発生率が1%以下を加工性良好とし、1%を超える場合は加工性不良とした。
(原綿の海成分と島成分)
融点220℃、MFR58.3g/10分のナイロン6を島成分とし、融点53℃、MFR300g/10分のアクリル酸2−エチルヘキシルを22mol%共重合した共重合ポリスチレン(co−PSt)を海成分とした。
上記の島成分と海成分を用い、計量する複数の計量孔を有する計量板と、複数の計量孔からの吐出ポリマー流を合流する合流溝に複数の分配孔を有する分配板と、均一に分配したポリマー流の一部を8個ずつ合流させることで、繊維直径が互いに異なる2種類の極細繊維を、本数比率1:1で作製可能な400島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量1.2g/分・ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、単繊維繊度が3.6dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用い、カード工程とクロスラッパー工程を経て、積層繊維ウェブを形成した。次いで、得られた積層繊維ウェブを、スロートデプス60μm、キックアップ0μm、アンダーカットアングル27度、スロートレングス0.8mmのニードル1本を植込んだニードルパンチ機を用いて、針深度8mm、パンチ本数3200本/cm2でニードルパンチし、目付が710g/m2、見掛け密度が0.223g/cm3の極細繊維発生型不織布を作製した。この極細繊維発生型不織布を95℃の温度で熱水収縮処理させたのち、ポリビニルアルコールを繊維質量に対し34質量%付与し、その後乾燥させた。次に、この極細繊維発生型不織布に、トリクロロエチレンを含浸させ、海成分を溶解除去する極細繊維発生加工を施して、極細繊維で構成された不織布を得た。
上記のようにして得られた不織布に、ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%とからなるポリウレタンを、繊維質量に対して固形分で31質量%付与し、液温35℃の30%DMF水溶液でポリウレタンを凝固させ、約85℃の温度の熱水で処理し、DMFおよびポリビニルアルコールを除去した。その後、エンドレスのバンドナイフを有する半裁機により厚み方向に半裁してシートを得た。得られたシートの非半裁面を、JIS#320番のサンドペーパーを用いて、サンドペーパーの回転と逆方向にシートを進行させ、シート速度5m/分で、3段バッフィングにて研削し、立毛を有する、実施例1の皮革様シート状物を作製した。
得られた実施例1の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は、0.5%と加工性が良好であり、満足のいくものであった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、合流板にて島成分のポリマー流の一部を4個ずつ合流させることで、繊維直径が互いに異なる2種類の極細繊維を本数比率1:1で作製可能な36島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量2.1g/分・ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、単繊維繊度が6.6dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
実施例1と同様にして、目付が650g/m2、見掛け密度が0.230g/cm3の極細繊維発生型不織布を作製し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、実施例2の皮革様シート状物を得た。
得られた実施例2の皮革様シート状物は、2つある繊維直径分布のピークの中心が1.8μmと3.6μmである極細繊維の立毛を有し、厚さが0.52mm、目付が182g/m2、見かけ密度が0.350g/cm3であった。両ピークの中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の94.5%を占めていた。
得られた実施例2の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は0.6%と加工性が良好であり、実施例1より若干悪かったものの、満足のいくものであった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、合流板にて島成分のポリマー流の一部を4個ずつ合流させ、他の一部を8個ずつ合流させることで、繊維直径が互いに異なる3種類の極細繊維を本数比率1:1:1で作製可能な480島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量1.4g/分・ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、単繊維繊度が4.4dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
実施例1と同様にして、目付が720g/m2、見掛け密度が0.221g/cm3の極細繊維発生型不織布を作製し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、実施例3の皮革様シート状物を得た。
得られた実施例3の皮革様シート状物は、3つある繊維直径分布のピークの中心が0.3μmと0.6μmと1.0μmである極細繊維の立毛を有し、厚さが0.55mm、目付が185g/m2、見かけ密度が0.336g/cm3であった。各ピークの中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の95.7%を占めていた。
得られた実施例3の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は、0.4%と加工性が良好であり、実施例1より良い結果となった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、合流板にて島成分のポリマー流の一部を4個ずつ合流させ、他の一部を8個ずつ合流させ、さらに他の一部を64個ずつを合流させることで、繊維直径が互いに異なる4種類の極細繊維を本数比率1:1:1:1で作製可能な120島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量1.7g/分・ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、単繊維繊度が5.3dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
実施例1と同様にして、目付が700g/m2、見掛け密度が0.222g/cm3の極細繊維発生型不織布を作製し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、実施例4の皮革様シート状物を得た。
得られた実施例4の皮革様シート状物は、4つある繊維直径分布のピークの中心が0.3μmと0.6μmと1.0μmと2.7μmである極細繊維の立毛を有し、厚さが0.53mm、目付が185g/m2、見かけ密度が0.349g/cm3であった。各ピークの中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の94.7%を占めていた。
得られた実施例4の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は、0.2%と加工性が良好であり、実施例1より若干良い数値となった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、合流板にて島成分のポリマー流の一部を4個ずつ合流させ、他の一部を16個ずつ合流させ、さらに他の一部を64個ずつ合流させ、さらに他の一部を128個ずつ合流させることで、繊維直径が互いに異なる5種類の極細繊維を本数比率1:1:1:1:1で作製可能な100島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量2.0g/分・ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、繊度が6.2dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
実施例1と同様にして、目付が710g/m2、見掛け密度が0.228g/cm3の極細繊維発生型不織布を作製し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、実施例5の皮革様シート状物を得た。
得られた実施例5の皮革様シート状物は、5つある繊維直径分布のピークの中心が0.3μmと0.7μmと1.3μmと2.6μmと3.7μmである極細繊維の立毛を有し、厚さが0.54mm、目付が180g/m2、見かけ密度が0.333g/cm3であった。各ピークの中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の96.5%を占めていた。
得られた実施例5の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は、0.1%と加工性がさらに良好であり、実施例1に比べて良い数値となった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、繊維直径が互いにほぼ等しい1種類の極細繊維を島成分が作製可能な450島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量0.7g/分・ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、繊度が2.2dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
さらに、上記の島成分と海成分を用い、繊維直径が上記の極細繊維とは異なるが、互いにほぼ等しい1種類の極細繊維を島成分が作製可能な18島/ホールの海島複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量1.3g/ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。ついで上記と同じ延伸条件を適用して、繊度が4.0dtex、繊維長が51mmの、第2の原綿を得た。
上記の2種類の海島型複合繊維を質量比率1:1の割合で混綿したこと以外は実施例1と同様にして、目付が750g/m2、見掛け密度が0.233g/cm3の極細繊維発生型不織布を作製し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、実施例6の皮革様シート状物を得た。
得られた実施例6の皮革様シート状物は、2つある繊維直径分布のピークの中心が0.5μmと3.1μmである極細繊維の立毛を有し、厚さが0.55mm、目付が184g/m2、見かけ密度が0.345g/cm3であった。各ピークの中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の96.6%を占めていた。
得られた実施例6の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は、0.8%と加工性が良好であり、実施例1に比べて若干悪い値となったが、満足のいく結果であった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、合流板にて島成分のポリマー流の一部を64個ずつ合流させることで、繊維直径が互いに異なる2種類の極細繊維を本数比率1:1で作製可能な120島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率30/70、吐出量0.8g/分・ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、単繊維繊度が2.4dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
実施例1と同様にして、目付が800g/m2、見掛け密度が0.220g/cm3の極細繊維発生型不織布を作製し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、実施例7の皮革様シート状物を得た。
得られた実施例7の皮革様シート状物は、2つある繊維直径分布のピークの中心が0.2μmと1.3μmである極細繊維の立毛を有し、厚さが0.51mm、目付が180g/m2、見かけ密度が0.353g/cm3であった。両ピークの中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の98.2%を占めていた。
得られた実施例7の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は0.3%と加工性が良好であり、満足のいくものであった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、繊維直径が互いにほぼ等しい1種類の極細繊維を島成分が作製可能な2500島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量1.1g/分・ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、繊度が3.3dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
(不織布と皮革様シート状物)
上記の海島型複合繊維と、実施例6で得た第2の原綿を質量比率1:1の割合で混綿したこと以外は実施例1と同様にして、目付が780g/m2、見掛け密度が0.232g/cm3の極細繊維発生型不織布を作製し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、実施例8の皮革様シート状物を得た。
得られた実施例8の皮革様シート状物は、2つある繊維直径分布のピークの中心が0.2μmと3.1μmである極細繊維の立毛を有し、厚さが0.55mm、目付が189g/m2、見かけ密度が0.344g/cm3であった。各ピークの中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の97.1%を占めていた。
得られた実施例8の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は、0.7%と加工性が良好であり、満足のいく結果であった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、繊維直径が互いにほぼ等しい1種類の極細繊維を島成分が作製可能な450島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量0.7g/分・ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、繊度が2.2dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いたこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維発生型不織布を作成し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、比較例1の皮革様シート状物を得た。
得られた比較例1の皮革様シート状物は、0.5μmに1つの繊維直径分布のピークを有する極細繊維の立毛を有し、厚さが0.55mm、目付が181g/m2、見かけ密度が0.329g/cm3であった。上記のピーク中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の97.0%を占めていた。
得られた比較例1の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は1.2%と加工性が不良であり、本発明の実施例1〜8のいずれと比べても悪い値となった。結果を表1に示す。
(原綿)
(海成分と島成分)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、繊維直径が互いにほぼ等しい1種類の極細繊維を島成分が作製可能な18島/ホールの海島複合口金を用いて、紡糸温度280℃、島/海質量比率40/60、吐出量1.3g/ホール、紡糸速度1240m/分の条件で溶融紡糸した。次いで実施例1と同じ延伸条件を適用して、繊度が4.0dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いたこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維発生型不織布を作成し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、比較例2の皮革様シート状物を得た。
得られた比較例2の皮革様シート状物は、3.1μmに1つの繊維直径分布のピークを有する極細繊維の立毛を有し、厚さが0.53mm、目付が187g/m2、見かけ密度が0.353g/cm3であった。上記のピーク中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の98.0%を占めていた。
得られた比較例2の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は3.9%と加工性が不良であり、本発明の実施例1〜8に比べて大幅に悪い値となった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を、それぞれ50重量%ずつ混合して、紡糸温度280℃で海島型繊維を溶融紡糸する、いわゆる混合紡糸法により海成分中に島成分が約1000個配置された極細繊維発生型繊維を紡糸速度1000m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、繊度が9.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いたこと以外は、実施例1と同様にして極細繊維発生型不織布を作成し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、比較例3の皮革様シート状物を得た。
得られた比較例3の皮革様シート状物は、0.8μmに1つの繊維直径分布のピークを有する極細繊維の立毛を有し、厚さが0.55mm、目付が195g/m2、見かけ密度が0.355g/cm3であった。上記のピーク中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の66.8%を占めていた。
得られた比較例3の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は4.5%と加工性が不良であり、本発明の実施例1〜8に比べて大幅に悪い値となった。結果を表1に示す。
(原綿)
実施例1で用いたものと同じ島成分と海成分を用い、比較例2と同様にして得た原綿と、比較例3と同様にして得た第2の原綿とを用いた。
上記の2種類の海島型複合繊維の原綿を、質量比率1:1の割合で混綿したこと以外は実施例1と同様にして、目付が800g/m2、見掛け密度が0.239g/cm3の極細繊維発生型不織布を作製し、極細繊維発生加工を施して極細繊維で構成された不織布を得たのち、実施例1と同様にして、比較例4の皮革様シート状物を得た。
得られた比較例4の皮革様シート状物は、2つある繊維直径分布のピークの中心が0.8μmと3.1μmである極細繊維の立毛を有し、厚さが0.54mm、目付が189g/m2、見かけ密度が0.350g/cm3であった。上記の両ピーク中心値±30%の範囲内に含まれる繊維の合計本数は、総本数の75.3%を占めていた。
得られた比較例4の皮革様シート状物を用いて、研磨加工と洗浄加工を実施し、エラー性能評価を実施したところ、不良ディスク発生率は、2.8%と加工性が不良であり、本発明の実施例1〜8に比べて悪い値となった。結果を表1に示す。
また上記の実施例では、ニードルパンチにより繊維を絡合させた繊維絡合体の不織布を用いた。しかし本発明では、ウォータジェットパンチによる繊維絡合体の不織布を用いてもよく、或いはスパンボンド法やメルトブロー法、抄紙法等で得られる不織布を用いてもよい。
上記の極細繊維や弾性重合体を構成する材質は、上記の実施例のものに限定されないことは、言うまでもない。
Claims (5)
- 繊維直径0.05〜5.0μmの極細繊維で構成されたシート状物であって、前記極細繊維の直径の0.1μm刻みで作成した分布が互いに異なる2つ以上のピークを有し、より大径側に位置するピークの中心値は、その小径側に隣接するピークの中心値の1.3倍よりも大きく、かつ、各ピークの中心値±30%の範囲内に存在する繊維本数の合計が総繊維本数の90%以上を占めることを特徴とする、不織布。
- 上記の極細繊維の直径の分布は、好ましくは0.05〜1.0μmの範囲に少なくとも1つのピーク中心値を備えるとともに、1.0〜5.0μmの範囲に少なくとも1つのピーク中心値を備える、請求項1に記載の不織布。
- 上記の極細繊維は、1本の複合繊維から互いに太さの異なる極細繊維を発生させる海島型複合繊維に由来する、請求項1または請求項2に記載の不織布。
- 請求項1から3のいずれかに記載の不織布を有し、上記の不織布の内部に弾性重合体が含有されていることを特徴とする、皮革様シート状物。
- 皮革様シート状物が洗浄加工布であることを特徴とする、請求項4に記載の皮革様シート状物。
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