JP2014005441A - 軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温下においてもフォーム硬さの変化が小さい、つまりフォーム硬さの温度依存性が低い、低反発の軟質ポリウレタンフォームを製造するためのポリオール組成物を提供する。
【解決手段】1分子あたり3〜4官能の水酸基を有するポリエステルポリオール(A)をポリオール組成物(B)の重量を基準として5〜39重量%含有してなり、(B)のエステル基濃度(mmol/g)が0.1〜7.0である軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(B)。(A)の水酸基価(mgKOH/g)が50〜150であることが好ましい。(B)の水酸基価(mgKOH/g)が40〜150であることが好ましい。(B)のエチレンオキサイド単位含量が、(B)の重量を基準として1〜15重量%であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物に関する。
軟質ポリウレタンフォームは、家具や寝具用マットレス、自動車用シートクッション、衣料用等に広く使用されており、特に寝具用の枕やマットレスには、低反発性のものが好まれている。
従来技術としては、ポリオール100部に対して、水酸基価が400(mgKOH/g)以上である、一般式HO−(R−O−)n−H(nは1以上の整数を表し、Rは炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジオール化合物を0.1〜10重量部の量で含有することで、−70℃〜−20℃の温度範囲と0℃〜60℃の温度範囲にそれぞれ少なくとも1つのガラス転移点を有し、−70℃〜−20℃の温度範囲におけるtanδのピーク値が0.15以上であり、0℃〜60℃の温度範囲におけるtanδのピーク値が0.3以上である低反発性ウレタンフォームが知られている(特許文献1)。
特開2004−285152号公報
上記特許文献のポリウレタンフォームでは、『室温において優れた低反発性を有し、かつ、低温でも硬度の上昇が少ない』ものを目指しているものの、室温での反発弾性が約20%と比較的高い反発弾性を示し、また低温でのフォーム硬さが高く性能が十分でない。本発明の解決しようとする課題は、低温下においてもフォーム硬さの変化が小さい、つまりフォーム硬さの温度依存性が低い、低反発の軟質ポリウレタンフォームを製造するためのポリオール組成物を提供することである。
本発明者らは、以上の問題点を解決するために鋭意検討した結果、以下に示される発明に到達した。
すなわち、本発明の軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物は、1分子あたり3〜4官能の水酸基を有するポリエステルポリオール(A)をポリオール組成物(B)の重量を基準として5〜39重量%含有してなり、(B)のエステル基濃度(mmol/g)が0.1〜7.0であることを要旨とする。
本発明の軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物を使用することにより、フォーム硬さの温度依存性が低い、低反発のポリウレタンフォームが製造できる。
本発明の軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物は、1分子あたり3〜4官能の水酸基を有するポリエステルポリオール(A)をポリオール組成物(B)の重量を基準として5〜39重量%含有してなり、(B)のエステル基濃度(mmol/g)が0.1〜7.0である。
本発明の軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(B)が含有するポリオールとしては、下記の多価アルコール、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等の公知のポリオールが挙げられる。
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール、炭素数3〜20の3価アルコール及び炭素数5〜20の4〜8価アルコールが挙げられる。
炭素数2〜20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)が挙げられる。
炭素数3〜20の3価アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)が挙げられる。
炭素数5〜20の4〜8価の多価アルコールとしては、脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等並びに糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、前記多価アルコール、多価アルコール以外の下記の多価水酸基含有化合物、下記アミノ基含有化合物、下記チオール基含有化合物及び下記リン酸基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の活性水素基含有化合物のアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)付加物が挙げられる。AOとしては炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2ブチレンオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイドが挙げられる。これらのうち、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2-ブチレンオキサイドが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
多価アルコール以外の多価水酸基含有化合物としては多価フェノール等が含まれる。具体的にはヒドロキノン、ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン及び1−ヒドロキシピレン等の多価フェノ―ル;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)並びに米国特許3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
アミノ基含有化合物としては、アミン、ポリアミン及びアミノアルコール等が含まれる。具体的には、アンモニア;炭素数1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)及びアニリン等のモノアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ポリアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルカノールアミン;ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等);ジシアンジアミド等;が挙げられる。
チオール基含有化合物としては、ポリチオール化合物が含まれる。ポリチオールとしては、2〜8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエタンジチオール及び1、6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
リン酸化合物としてはリン酸、亜リン酸及びホスホン酸等が挙げられる。
活性水素含有化合物としては、分子内に2種以上の活性水素含有官能基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基及びリン酸基等)を有する化合物も使用できる。
ポリエステルポリオールとしては、多価水酸基含有化合物(前記の多価アルコール及び前記ポリエーテルポリオール等を含む)とポリカルボン酸(芳香族ポリカルボン酸及び脂肪族ポリカルボン酸)又は無水物及びこの低級アルキル(アルキル基の炭素数が1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(無水フタル酸及びテレフタル酸ジメチル等)との縮合反応生成物;前記多価アルコールのカルボン酸無水物及びAOの付加反応物;これらのAO(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール{例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの};並びにポリカーボネートポリオール(例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物)等が挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2’-ビベンジルジカルボン酸、トリメリット酸、ヘミリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸及びナフタレン−1,4ジカルボン酸、ナフタレン−2,3,6トリカルボン酸、ジフェン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、2,3,6−アントラセントリカルボン酸及びピレンジカルボン酸等の炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
脂肪族ポリカルボン酸としては、コハク酸、フマル酸、セバシン酸及びアジピン酸等が挙げられる。
これら以外の各種ポリオールとしては、重合体ポリオール、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオール及びそれらの水添物;アクリル系ポリオール、特開昭58−57413号公報及び特開昭58−57414号公報等に記載された水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;天然油系ポリオールの変性物;等が挙げられる。
本発明の軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(B)が含有するポリオールとしては、ポリオール組成物のハンドリング及びフォーム硬さの温度依存性の観点から、多価アルコールとしては、炭素数2〜10の2〜8価アルコールが好ましく、さらに好ましくは2〜4価アルコールである。
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコール及び/又はアミノ基含有化合物のAO付加物が好ましく、さらに好ましくは、プロピレングリコールのPO付加物、グリセリンのPO付加物、グリセリンのPOEO付加物、ペンタエリスリトールのPO付加物である。
ポリエステルポリオールとしては、多価水酸基含有化合物とポリカルボン酸又はエステル形成性誘導体との縮合反応生成物が好ましく、さらに好ましくはグリセリンPO付加物と無水フタル酸との縮合反応生成物である。
その他のポリオールとしては、重合体ポリオールが好ましい。
本発明のポリオール組成物(B)が含有する、(A)以外のポリオールの官能基数としては、2〜8が好ましく、さらに好ましくは2〜4である。
(A)以外のポリオールの水酸基価(mgKOH/g)としては、30〜300が好ましく、さらに好ましくは40〜285である。
本発明のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(B)は、上記のポリエステルポリオールのうち、1分子あたり3〜4官能の水酸基を有するポリエステルポリオール(A)を必須成分として含有してなる。なお、本発明においては、使用する重合体ポリオールにポリエステルポリオール(A)が含まれている場合も、ポリオール組成物(B)に(A)が含有されているものとして取り扱う。
ポリエステルポリオール(A)の水酸基の官能基数は、3〜4であり、ポリオール組成物のハンドリングの観点から、好ましくは3官能である。
ポリエステルポリオール(A)としては、ポリオール組成物のハンドリング及びフォーム硬さの温度依存性の観点から、水酸基価(mgKOH/g)は50〜150、エステル基濃度(mmol/g)は1.0〜10.0が好ましく、さらに好ましくは、水酸基価は52〜140、エステル基濃度は1.5〜8.0である。
ポリオール組成物(B)中のポリエステルポリオール(A)の含有量は、(B)の重量を基準として5〜39重量%であり、ポリオール組成物のハンドリングの観点から、好ましくは10〜30重量%である。ポリエステルポリオール(A)の含有量が5重量%未満ではフォーム硬さの温度依存が高くなり、39重量%を超えるとポリオール組成物のハンドリングが悪く、またフォームの成形性が悪化する。
ポリオール組成物(B)のエステル基濃度(mmol/g)は、0.1〜7.0であり、フォーム硬さの温度依存性の観点から0.2〜6.0が好ましく、さらに好ましくは0.3〜5.0、特に好ましくは0.5〜3.0である。エステル基濃度が0.1を下回ると、低温でのフォーム硬さが高くなる。
ポリオール組成物(B)の水酸基価(mgKOH/g)は、成形時のハンドリング(粘度)及び反発弾性の観点から、40〜150が好ましく、さらに好ましくは45〜135、次にさらに好ましくは50〜130である。
なお本発明において、水酸基価はJISK−1557に準拠して測定される。
ポリオール組成物(B)のエチレンオキサイド単位含量(重量%)は、反応性及び圧縮残留歪の観点から、1〜15が好ましく、さらに好ましくは2〜13、次にさらに好ましくは3〜10である。
ポリオール組成物(B)の数平均官能基数は、耐久性の観点から2.3〜4.0が好ましく、さらに好ましくは2.6〜3.3である。
軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(B)は、ポリエステルポリオール(A)とその他のポリオールを混合することにより容易に得られる。(B)を製造するに当たって、ポリエステルポリオール(A)とその他のポリオールとを混合する方法は公知のいかなる方法でも良い。
本発明の軟式ポリウレタンフォームの製造方法において、本発明の軟式ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(B)と有機ポリイソシアネート成分(C)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させて軟式ポリウレタンフォームを形成させる。
有機ポリイソシアネート成分(C)としては、軟式ポリウレタンフォームに使用される有機ポリイオシアネートはすべて使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)が6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート並びにトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
これらの中で、反応性及び反発弾性の観点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは、TDI、粗製TDI、MDI、粗製MDI及びこれらのイソシアネートの変性物、特に好ましくは、TDI、MDI及び粗製MDIである。
発泡剤としては、水、液化炭酸ガス及び沸点が−5〜70℃の低沸点化合物が含まれる。
低沸点化合物には、水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素等が含まれる。 水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素の具体例としては、塩化メチレン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)(HCFC−123、HCFC−141b及びHCFC−142b等);HFC(ハイドロフルオロカーボン)(HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc等)、ブタン、ペンタン及びシクロペンタン等が挙げられる。
これらのうち、成形性の観点から、水、液化炭酸ガス、塩化メチレン、シクロペンタン、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfc及びこれらの2種以上の混合物を発泡剤として使用するのが好ましい。
発泡剤のうち、水の使用量は、反発弾性の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分{軟式ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(B)}100重量部に対して、1.0〜8.0重量部が好ましく、さらに好ましくは1.5〜4.0重量部である。低沸点化合物の使用量は、成形不良の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5〜25重量部である。液化炭酸ガスは、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは1〜25重量部である。
触媒としては、ウレタン化反応を促進するすべての触媒を使用でき、3級アミン{トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、ジエチルエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアミノビシクロオクタン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル及びN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等}、及び/又はカルボン酸金属塩(酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ及びオクチル酸鉛等)が挙げられる。触媒の使用量は、反発弾性の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは0.05〜2.0重量部である。
整泡剤としては、通常の軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)社製の「SRX−253」、「PRX−607」等]及びポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)社製の「SZ−1142」、「SRX−294A」、「SH−193」、「SZ−1720」、「SZ−1675t」、「SF−2936F」、「SF−2904」、日本ユニカー(株)社製の「L−540」、「L−3601」、及びエボニックデグサジャパン(株)社製「B−4900」等]が挙げられる。
整泡剤の使用量は、反発弾性の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは0.7〜3.0重量部である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法においては、必要により、さらに以下に述べるその他の助剤を用い、その存在下で反応させてもよい。
その他の助剤としては、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等の公知の補助成分が挙げられる。
これら助剤の添加量としては、ポリオール成分100重量部に対して、着色剤は、1重量部以下が好ましい。可塑剤は、10重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5重量部以下である。有機充填剤は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは30重量部以下である。難燃剤は、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは2〜20重量部である。老化防止剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。抗酸化剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。助剤の合計使用量は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜30重量部である。
本発明の製造方法において、軟質ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数(インデックス)[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、反発弾性の観点から、70〜150が好ましく、さらに好ましくは75〜130、特に好ましくは80〜120である。
本発明の方法による軟質ポリウレタンフォームの製造方法の具体例の一例を示せば、下記の通りである。まず、軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分、発泡剤、触媒、整泡剤並びに必要によりその他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタンフォーム発泡機又は攪拌機を使用して、この混合物と有機ポリイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を連続発泡してポリウレタンフォームを得ることができる。また、密閉型又は開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型して軟質ポリウレタンフォームを得ることもできる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの反発弾性率は、座り心地及び寝心地の観点から、0〜15%が好ましく、さらに好ましくは0〜14%である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの0℃と25℃とのフォーム硬さの比は、特に冬場など気温が低い日における座り心地及び寝心地の観点から1.0〜2.0が好ましく、1.2〜1.8がさらに好ましい。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、家具や寝具用枕、寝具用マットレス、自動車用シートクッション、衣料用等に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1〜13、比較例1〜3
表1に示した配合処方に従って、下記の発泡条件により発泡して軟質ポリウレタンフォームを作製し、一昼夜(温度25℃、湿度50%にて24時間)放置後のフォームのコア密度(kg/m)、0℃と25℃の硬さ(25%ILD、N/314cm)、引張強度(N/cm)、反発弾性率(%)を測定した。結果を表1に示す。なお、TDI以外の配合処方の表1中の数値は、重量部数を意味する。
Figure 2014005441
(発泡条件)
型サイズ :250mm×250mm×250mm
材質 :木材
ミキシング方法 :ハンドミキシング(必要試薬を所定の容器に必要量仕込んだ後、攪拌羽を容器中に挿入し回転数5000回転/分で6〜20秒間攪拌させる発泡方法)
ミキシング時間 :6〜20秒
撹拌羽回転数 :5000回転/分
実施例1〜13及び比較例1〜3におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
(1)ポリオール
P−1:ジプロピレングリコールPO付加物、水酸基価280.5、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−2:ジプロピレングリコールPO付加物、水酸基価112.2、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−3:グリセリンPO付加物、水酸基価280.5、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−4:グリセリンPO付加物、水酸基価112.2、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−5:グリセリンPOEO付加物、水酸基価112.2、EO単位の含有量70重量%、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−6:グリセリンPO付加物、水酸基価56、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−7:グリセリンPOEO付加物、水酸基価56、EO単位の含有量20重量%、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−8:グリセリンPOEO付加物、水酸基価56、EO単位の含有量7重量%、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−9:グリセリンPO付加物、水酸基価56、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−10:ペンタエリスリトールPO付加物、水酸基価249、エステル基濃度(mmol/g)=0
P−11:グリセリンPO付加物と無水フタル酸とPOのコポリマー、水酸基価56、エステル基濃度(mmol/g)=4.0、グリセリンPO付加物の分子量1700
P−12:グリセリンPOEO付加物と無水トリメリット酸とEOのコポリマー、水酸基価149.6、エステル基濃度(mmol/g)=3.9、グリセリンPOEO付加物の分子量900
なお、P−1〜P−10は、本発明のポリエステルポリオール(A)に該当しない物であり、P−11及びP−12は(A)に該当するものである。
(2)有機ポリイソシアネート成分(D−1)
TDI:NCO%=48.3重量%(商品名:コロネートT−80、日本ポリウレタン工業(株)製)
(3)発泡剤
発泡剤−1:水
(4)触媒
触媒−1:エアプロダクツジャパン(株)社製「DABCO−33LX」(トリエチレンジアミン)
触媒−2:オクチル酸スズ(商品名:日東化成(株)社製「ネオスタンU−28」(オクチル酸第1スズ)
触媒−3:エアプロダクツジャパン(株)社製「DABCO NE300」
(5)整泡剤
整泡剤−1:東レ・ダウコーニング(株)社製「SF−2904」
<試験方法>
各項目の測定方法は下記の通りである。
・フォーム物性の測定方法及び単位を以下に示す。
コア密度:JIS K6400に準拠、単位はkg/m
硬さ(25%−ILD):JIS K6400に準拠、単位はN/314cm
引張強度:JIS K6400に準拠、単位はN/cm
反発弾性:JIS K6400に準拠、単位は%
表1から明らかなように、ポリエステルポリオール(A)を適量含有するポリオール組成物を用いた実施例1〜13では、反発弾性率が低く、かつ低温での硬さ変化が小さい(フォーム硬さの温度依存性が低い)軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
一方、ポリエステルポリオール(A)を含有していない比較例1及び2では、反発弾性が高い上に低温での硬さ変化が大きく(フォーム硬さの温度依存性が高い)、ポリエステルポリオール(A)の使用量が適当でない比較例3では、フォームの独立気泡が多く、物性測定可能なフォームが得られない。
本発明のポリオール組成物を使用することで得られる軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性が低く、かつ温度依存性の低いため、特に寝具(マットレス、枕)に好適であることが分かる。
本発明のポリオール組成物を使用して得られる軟質ポリウレタンフォームは、低反発弾性及び低温特性に優れ(低温での温度依存性が低く)、シートクッション、寝具、家具等に適する。

Claims (7)

  1. 1分子あたり3〜4官能の水酸基を有するポリエステルポリオール(A)をポリオール組成物(B)の重量を基準として5〜39重量%含有してなり、(B)のエステル基濃度(mmol/g)が0.1〜7.0である軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(B)。
  2. ポリエステルポリオール(A)の水酸基価(mgKOH/g)が50〜150である請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  3. ポリオール組成物(B)の水酸基価(mgKOH/g)が40〜150である請求項1又は2に記載の軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  4. ポリオール組成物(B)のエチレンオキサイド単位含量が、(B)の重量を基準として1〜15重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物と、有機ポリイソシアネート成分(C)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させてなる軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法により得られる反発弾性率が0〜15%である軟質ポリウレタンフォーム。
  7. 0℃と25℃とのフォーム硬さの比が1.0〜2.0である請求項6に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
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