JP6746644B2 - 軟質ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォームに関する。
軟質ポリウレタンフォームは、家具や寝具用枕、寝具用マットレス、自動車用シートクッション、衣料用等に広く使用されている。特に寝具用の枕やマットレスには、通気性が高く、低反発性のものが好まれている。
軟質ポリウレタンフォームの低反発性については、室温で優れた低反発性を発現し、低温でも硬くならないこと、すなわちフォーム硬さの温度依存性が低いことが求められる。そして、フォーム硬さの温度依存性が低い軟質ポリウレタンフォームとしては、ポリエステルトリオールを含有し、かつエステル基濃度及び水酸基濃度等が特定の範囲であるポリオール組成物を用い、有機ポリイソシアネート成分と、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させて得られる軟質ポリウレタンフォーム(例えば特許文献1)が知られている。
しかしながら、特許文献1に記載のポリウレタンフォームは、通気性が十分ではないという問題がある。さらに、軟質ポリウレタンフォームの低反発マットレスは体にフィットしやすい反面、寝返りしにくく、就寝時の体温程度での温度で発汗による多湿状態で反発弾性が高くなること、すなわち反発弾性の温度依存性が高いことが求められる。
特開2014−185335号公報
本発明の解決しようとする課題は、25℃と40℃での反発弾性の温度依存性が高く、かつ、通気性が良好な軟質ポリウレタンフォームを提供することである。
本発明者らは、以上の問題点を解決するために鋭意検討した結果、以下に示される発明に到達した。
すなわち、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(D)と発泡剤(E)と触媒(F)と整泡剤(G)とを含む混合物(H)の反応物からなる軟質ポリウレタンフォームであって、ポリオール成分(A)がポリエーテルポリオール(B)と2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)を含み、以下の条件(1)と(2)を満足し、有機ポリイソシアネート成分(D)中のNCO基のモル数(x)と、NCO基と反応する活性水素基のモル数(y)の比率(x)/(y)が0.83〜0.98であり、40℃の反発弾性率BR40と25℃の反発弾性率BR25との比率(BR40/BR25)が1.6〜12.0である。
(1)ポリオール成分(A)の水酸基価が100〜140である。
(2)ポリオール成分(A)に含まれるオキシエチレン単位の合計重量が、(A)の重量に基づいて10〜40重量%である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性の高い温度依存性と通気性を両立する。
さらに、低温時でもフォームが硬くならず、フォーム硬さの温度依存性が低いという効果、及び、25℃での反発弾性率が低いという効果を奏する。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、以下の条件(1)と(2)を満足し、ポリエーテルポリオール(B)と2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)を含むポリオール成分(A)と、有機ポリイソシアネート成分(D)と発泡剤(E)と触媒(F)と整泡剤(G)とを含む混合物(H)の反応物からなる軟質ポリウレタンフォームである。
(1)ポリオール成分(A)の水酸基価が100〜140である。
(2)ポリオール成分(A)に含まれるオキシエチレン単位の合計重量が、(A)の重量に基づいて10〜40重量%である。
さらに、有機ポリイソシアネート成分(D)中のNCO基のモル数(x)と、NCO基と反応する活性水素基のモル数(y)の比率(x)/(y)が0.83〜0.98であり、40℃の反発弾性率BR40と25℃の反発弾性率BR25との比率(BR40/BR25)が1.6〜12.0である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームにおいて、ポリオール成分(A)は、ポリエーテルポリオール(B)と2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)を含み、以下の条件(1)と(2)を満たす。
(1)ポリオール成分(A)の水酸基価が100〜140である。
(2)ポリオール成分(A)に含まれるオキシエチレン単位の合計重量が、(A)の重量に基づいて10〜40重量%である。
ポリエーテルポリオール(B)としては、活性水素基含有化合物(a)のアルキレンオキサイド(以下、AOと略することがある)付加物が挙げられ、活性水素基含有化合物(a)としては、多価アルコール(a1)(炭素数2〜20の2価アルコール、炭素数3〜20の3価アルコール及び炭素数4〜20の4〜8価アルコール等)、多価アルコール以外の多価水酸基含有化合物(a2)、アミノ基含有化合物(a3)、チオール基含有化合物(a4)及びリン酸基含有化合物(a5)などが挙げられる。
なお、活性水素とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子等に結合した水素原子を意味し、活性水素基含有化合物とは、分子内に活性水素含有官能基(水酸基、アミノ基、チオール基及びリン酸基等)を有する化合物を意味する。
多価アルコール(a1)のうち、炭素数2〜20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)が挙げられる。
炭素数3〜20の3価アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)が挙げられる。
炭素数4〜20の4〜8価アルコールとしては、脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等)及び糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)が挙げられる。
多価アルコール以外の多価水酸基含有化合物(a2)としては、多価フェノール(ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン及び1−ヒドロキシピレン等)、ポリブタジエンポリオール、ひまし油系ポリオール、水酸基含有単量体の重合体[水酸基数が2〜100のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等]、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック等)及び米国特許3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
アミノ基含有化合物(a3)としては、アンモニア、アミン、ポリアミン及びアミノアルコール等が挙げられる。具体的には、アンモニア、炭素数1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)、アニリン、脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等)、複素環式ポリアミン(ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等)、脂環式ポリアミン(ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等)、芳香族ポリアミン(フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等)、ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン、ポリエーテルポリアミン、ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等)及びジシアンジアミド等が挙げられる。
チオール基含有化合物(a4)としては、ポリチオール化合物が挙げられる。ポリチオールとしては、2〜8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
リン酸基含有化合物(a5)としてはリン酸、亜リン酸及びホスホン酸等が挙げられる。
活性水素基含有化合物(a)に付加重合させるAOとしては炭素数2〜4のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイドが挙げられる。
これらのうち、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2−ブチレンオキサイドが好ましい。
AOを2種以上使用する場合の付加形式としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオール(B)の数平均官能基数は、耐久性の観点から2.6以上が好ましく、さらに好ましくは2.7以上、最も好ましくは2.8以上である。
ポリエーテルポリオール(B)の数平均官能基数は、通気性の観点から4.0以下が好ましく、さらに好ましくは3.8以下、最も好ましくは3.6以下である。
ポリエーテルポリオール(B)の水酸基価は、反発弾性の観点から103以上が好ましく、さらに好ましくは105以上、最も好ましくは107以上である。
ポリエーテルポリオール(B)の水酸基価は、フォーム硬さの温度依存性の観点から140以下が好ましく、さらに好ましくは137以下、最も好ましくは135以下である。
水酸基価とは、試料1gをアセチル化した場合に、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であり、「JIS K 1557−1 プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方」に記載の方法で測定される。
2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)としては、水酸基が2〜6個有する飽和又は不飽和の脂肪族アルコールであれば特に制限されないが、ハンドリングの観点よりエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリンなどが好ましい。
ポリオール成分(A)の重量に基づいて2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)の含有量が0.1〜5.0重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では反発弾性の温度依存性が低下し、5.0重量%を超えると通気性が低下する。
ポリオール成分(A)の水酸基価は、100〜140であり、好ましくは105〜138であり、さらに好ましくは110〜135である。この範囲にあると25℃の反発弾性が低く、また、0℃でもフォームが硬くならずフォーム硬さの温度依存性が低くなる。
なお、このポリオール成分(A)としては、ポリエーテルポリオール(B)、2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)だけでなく、後述する任意成分のポリエステルポリオール(I)、ポリマーポリオール(P)及びその他の水酸基を含む化合物のすべてを指す。
ポリオール成分(A)の水酸基価は、ポリエーテルポリオール(B)、2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)、ポリエステルポリオール(I)、ポリマーポリオール(P)のそれぞれの水酸基価にそれぞれの重量比による含有比率をかけ算して得られた値の合計値(相加平均値)である。なお、ポリマーポリオール(P)の重量には重合体粒子(J)の重量も含める。
具体的には、前記の「JIS K 1557−1 プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方」に準拠して測定される。
一方、2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)を除いたポリオール成分(A)の水酸基価は100〜130が好ましく、さらに好ましくは105〜125である。この範囲にあると40℃の反発弾性が高く、また、0℃でもフォームが硬くならずフォーム硬さの温度依存性が低くなる。
ポリオール成分(A)に含まれるオキシエチレン単位の合計重量は、前記のポリオール成分(A)の合計重量に基づいて、通気性、反応性及び圧縮残留歪の観点から、10〜40重量%であり、好ましくは14〜36重量%である。
ポリオール成分(A)のオキシエチレン単位の合計重量は、ポリエーテルポリオール(B)、後述する任意成分のポリエステルポリオール(I)、ポリマーポリオール(P)のそれぞれのオキシエチレン単位の重量含有率にそれぞれの重量比による含有比率をかけ算して得られた値の合計値(相加平均値)である。ポリマーポリオール(P)の重量には重合体粒子(J)の重量も含める。
なお、ポリオール成分(A)に含まれるオキシエチレン単位の量は、プロトン核磁気共鳴分析(H−NMR)を測定し、オキシエチレン単位に由来するシグナルの積分比から算出することができる。
2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)を除いたポリオール成分(A)の数平均官能基数は、通気性及び耐久性の観点から2.6〜4.0が好ましく、さらに好ましくは2.7〜3.8である。
数平均官能基数は、ポリオール成分(A)に含まれるポリエーテルポリオール(B)、後述する任意成分のポリエステルポリオール(I)、ポリマーポリオール(P)のそれぞれの官能基数にそれぞれのモル比による含有比率をかけ算して得られた値の合計値(相加平均値)である。
2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)を除いたポリオール成分(A)の数平均官能基数は、ポリオール成分(A)に含まれるポリオール1分子あたりの数平均官能基数であり、核磁気共鳴分析13C−NMRから算出することができる。
ポリオール成分(A)は、フォーム硬さの温度依存性及び反発弾性率等の観点から、さらにポリエステルポリオール(I)を含むことが好ましい。
この目的で含有させるポリエステルポリオール(I)としては、多価水酸基含有化合物とポリカルボン酸との縮合反応生成物(I1)(多価水酸基含有化合物とポリカルボン酸の低級アルキルエステルとのエステル交換反応生成物を含む)、前記のポリエーテルポリオール(B)にさらにカルボン酸無水物とAOとを付加したエステル基含有反応生成物(I2)、ポリラクトンポリオール(I3)[例えば前記の多価アルコール(a1)を開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの]、ポリカーボネートポリオール(I4)[例えば前記の多価アルコール(a1)とアルキレンカーボネートとの反応物]、及びこれらの(I1)〜(I4)にさらにAOを付加した反応物等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(I1)に用いる多価水酸基含有化合物としては、前記の多価アルコール(a1)及び前記のポリエーテルポリオール(B)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(I1)に用いるポリカルボン酸としては、芳香族ポリカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸及びこれらの分子環状無水物等が挙げられ、ポリカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、芳香族ポリカルボン酸又は脂肪族ポリカルボン酸と炭素数1〜4の脂肪族アルコールとのエステル等が挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2’−ビベンジルジカルボン酸、トリメリット酸、ヘミリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4ジカルボン酸、ナフタレン−2,3,6−トリカルボン酸、ジフェン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、2,3,6−アントラセントリカルボン酸及びピレンジカルボン酸等の炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
脂肪族ポリカルボン酸としては、コハク酸、フマル酸、セバシン酸及びアジピン酸等が挙げられる。
ポリカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、フタル酸ジメチルエステル及びテレフタル酸ジメチルエステル等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールにカルボン酸無水物とAOとを付加した反応生成物(I2)は、例えば、ポリエーテルポリオール(B)と芳香族ジカルボン酸無水物を反応させてエステル化物とし、さらにPOやEOなどのAOを付加したポリエステルポリオールである。
これらのポリエステルポリオール(I)のうち、多価水酸基含有化合物とポリカルボン酸又はポリカルボン酸の低級エステルとの縮合反応生成物(I1)、及び前記のポリエーテルポリオール(B)にカルボン酸無水物とAOとを付加した反応生成物(I2)が好ましい。
さらに好ましくは3官能のポリエーテルポリオール(好ましくはグリセリンのPO20〜50モル付加物)に芳香族ジカルボン酸無水物(好ましくは無水フタル酸)とPOとを付加した反応生成物である。
ポリエステルポリオール(I)の水酸基価は、ポリオール成分(A)のハンドリング及びフォーム硬さの温度依存性の観点から、25〜100が好ましく、さらに好ましくは40〜80である。
ポリエステルポリオール(I)のエステル基濃度(mmol/g)は、ポリオール成分(A)のハンドリング及びフォーム硬さの温度依存性の観点から、ポリエステルポリオール(I)の重量に基づいて0.5〜10.0mmol/gが好ましく、さらに好ましくは0.5〜7.0mmol/gである。
ポリオール成分(A)がポリエステルポリオール(I)を含む場合、前記ポリオール成分(A)中に含まれるエステル基濃度が前記ポリオール成分(A)の重量に基づいて0.02〜0.40mmol/gであることが好ましく、0.05〜0.40mmol/gがさらに好ましい。
ポリエステルポリオール(I)を含むと25℃での反発弾性が低くなり、また、0℃でもフォームが硬くならずフォーム硬さの温度依存性が低くなる。一方、ポリエステルポリオール(I)の含有量が多いと通気性が悪化する。
ポリエステルポリオール(I)のエステル基濃度及びポリオール成分(A)のエステル基濃度は、ポリエステルポリオール(I)及びポリオール成分(A)の赤外線分光分析(IR)を測定し、エステル基に由来するピークの強度と、エステル基濃度が既知のサンプルを用いて作成したピーク強度とエステル基濃度との検量線とを用いて算出することができる。
ポリオール成分(A)がポリエステルポリオール(I)を含む場合、ポリオール成分(A)中のポリエステルポリオール(I)の含有量は、フォーム硬さの温度依存性、ポリオール成分のハンドリング及びフォームの成形性の観点から、ポリオール成分(A)の合計重量を基準として1〜20重量%であることが好ましく、2〜18重量%がさらに好ましく、ポリオール組成物のハンドリングの観点から、特に好ましくは3〜15重量%である。
ポリオール成分(A)は、フォーム硬さの観点から、さらにエチレン性不飽和化合物を構成単量体とする重合体粒子(J)を含むポリマーポリオール(P)を含むことが好ましい。
ポリマーポリオール(P)は、エチレン性不飽和化合物を構成単量体とする重合体粒子(J)を含む。ポリマーポリオール(P)は、ポリエーテルポリオール(B)中でラジカル重合開始剤の存在下でエチレン性不飽和化合物を重合させて得られる。
ポリエーテルポリオール(B)中で重合した重合体粒子(J)は、安定して分散しており、均質なポリマーポリオール(P)が得られるため好ましい。
重合体粒子(J)の構成単量体であるエチレン性不飽和化合物としては、特開2016−176071号公報に記載のビニルモノマーを用いることができ、なかでもスチレン及びアクリロニトリルを含むことが好ましい。
スチレン及びアクリロニトリルを併用する場合、スチレンの重量割合はポリウレタンフォームの難燃性及びフォーム硬さの観点から、好ましくはスチレン及びアクリロニトリルの合計重量に基づいて30〜70重量%である。
ポリオール成分(A)として重合体粒子(J)を含むポリマーポリオール(P)を用いる場合、ポリマーポリオール中に含まれる重合体粒子(J)の含有割合は、フォームの硬さ等の観点から、ポリマーポリオール(P)の重量に基づいて35〜55重量%が好ましく、さらに好ましくは38〜50重量%である。
なお、ポリマーポリオール(P)に含まれる重合体粒子(J)の含有量は、下記の方法で測定される。
<重合体粒子(J)の含有量>
遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、重量(W1)とする。メタノール50gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、5℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、3〜4kPaで80℃×3時間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。
次式で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とする。
重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
ポリオール成分(A)中に含まれる前記重合体粒子(J)の含有量は前記ポリオール成分(A)の重量に基づいて、フォームの硬さ等の観点から、0.8〜9.0重量%が好ましく、さらに好ましくは1.3〜5.0重量%である。
ポリオール成分(A)中に含まれる重合体粒子(J)の含有量は、前記の重合体粒子(J)の含有量の測定方法において用いるポリマーポリオールに代えてポリオール成分(A)を用いることで測定される。
ポリオール成分(A)は、ポリエーテルポリオール(B)、2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)、必要により用いるポリエステルポリオール(I)、ポリマーポリオール(P)及びその他のポリオールを混合することにより容易に得られる。
混合する際の混合方法は公知の混合装置(撹拌装置付き容器等)を用いることができ、重合体粒子(J)はポリマーポリオール(P)に含まれる重合体粒子を用い、ポリマーポリオール(P)として他の原料と混合し、軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分(A)を製造することが好ましい。
また、保存安定性等の観点から、混合する際には容器内部の酸素濃度を下げておくことが好ましい。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、前記のポリオール成分(A)、有機ポリイソシアネート成分(D)、発泡剤(E)、触媒(F)及び整泡剤(G)を含む混合物(H)の発泡体からなる軟質ポリウレタンフォームである。
有機ポリイソシアネート成分(D)としては、軟質ポリウレタンフォームに使用される公知の有機ポリイソシアネートはすべて使用でき、芳香族ポリイソシアネート(D1)、脂肪族ポリイソシアネート(D2)、脂環式ポリイソシアネート(D3)、芳香脂肪族ポリイソシアネート(D4)、これらの変性物(D5)(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート(D1)としては、NCO基中の炭素を除く炭素数(以下のポリイソシアネートにおいて、炭素数と記載した場合にはNCO基中の炭素を除くものとする)が6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート及びトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート(D2)としては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネートが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネート(D3)としては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート(D4)としては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
変性ポリイソシアネート(D5)としてはウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基の変性が挙げられ、具体例としては、カルボジイミド変性MDIが挙げられる。
これらの有機ポリイソシアネート成分(D)の中で、反応性及び反発弾性の観点から、芳香族ポリイソシアネート(D1)が好ましく、さらに好ましくは、TDI、粗製TDI、MDI、粗製MDI及びこれらのイソシアネートの変性物であり、特に好ましくは、TDI、MDI及び粗製MDIである。
ポリウレタンフォームは、ポリオール組成物と有機イソシアネート成分(D)とを反応することで得られ、用いられる有機イソシアネート成分(D)の量は原料中の活性水素原子に対するイソシアネート基(NCO基)の割合を調整することでポリウレタンフォームの物性が調整される。
本発明の軟質ポリウレタンフォームにおいては、有機ポリイソシアネート成分(D)中のNCO基のモル数(x)と、NCO基と反応する活性水素基のモル数(y)の比率(x)/(y)は、反発弾性の観点から、0.83〜0.98であり、好ましくは0.84〜0.97、さらに好ましくは0.85〜0.96である。
発泡剤(E)としては、水、液化炭酸ガス及び沸点が−5〜70℃の低沸点化合物等が挙げられる。
低沸点化合物としては、水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素等が挙げられる。水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素の具体例としては、塩化メチレン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)(HCFC−123、HCFC−141b及びHCFC−142b等);HFC(ハイドロフルオロカーボン)(HFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc等)、ブタン、ペンタン及びシクロペンタン等が挙げられる。
これらのうち、成形性の観点から、水、液化炭酸ガス、塩化メチレン、シクロペンタン、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfc、及びこれらの2種以上の混合物を発泡剤(E)として使用するのが好ましい。
発泡剤(E)としての水の使用量は、フォーム密度の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分(A)100重量部に対して、1.0〜8.0重量部が好ましく、さらに好ましくは1.5〜4.0重量部である。
低沸点化合物の使用量は、成形不良の観点から、ポリオール成分(A)100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5〜25重量部である。
液化炭酸ガスは、ポリオール成分(A)100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは1〜25重量部である。
触媒(F)としては、ウレタン化反応を促進するすべての触媒を使用できるが、成形性の観点から、3級アミン{トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、N,N−ジメチルアミノエタノール及びN−(N’,N’,−2−ジメチルアミノエチル)モルフォリン等}及びカルボン酸金属塩(酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ及びオクチル酸鉛等)が挙げられる。
これらの中でフォーム硬さ及び反発弾性率の観点から、トリエチレンジアミン、オクチル酸第一スズ及びジラウリル酸ジブチル第二スズが好ましい。
触媒(F)の使用量は、成形性の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分(A)100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは0.05〜2.0重量部である。触媒(F)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
整泡剤(G)としては、ポリウレタンフォームの製造に用いられる公知の整泡剤(シリコーン系整泡剤及び非シリコーン系整泡剤等)が使用でき、東レ・ダウコーニング(株)社製の「SZ−1959」、「SF−2904」、「SZ−1142」、「SZ−1720」、「SZ−1675t」、「SF−2936F」、「SZ−3601」、「SRX−294A」、「SH−193」、日本ユニカー(株)社製の「L−540」、「L−3601」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「L−626」、エボニックデグサジャパン(株)社製「B8715 LF2」等として市場から入手できるものが挙げられる。
整泡剤(G)の使用量は、成形性及び反発弾性の観点から、ポリオール成分(A)100重量部に対して、0.4〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは0.4〜3.0重量部である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、さらに以下に述べるその他の助剤を用いてウレタン化反応を行ったフォームでもよい。
その他の助剤としては、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)及び酸化防止剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等の公知の補助成分が挙げられる。
これら助剤の添加量としては、ポリオール成分(A)100重量部に対して、着色剤は、1重量部以下が好ましい。可塑剤は、10重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5重量部以下である。有機充填剤は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは30重量部以下である。難燃剤は、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは2〜20重量部である。老化防止剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。酸化防止剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。助剤の合計使用量は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜30重量部である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは公知の方法で製造できる。
一例を示せば、まず、ポリオール成分(A)、発泡剤(E)、触媒(F)、整泡剤(G)並びに必要によりその他の添加剤を所定量混合し、混合物(H)を得る。
次いで、ポリウレタンフォーム発泡機又は攪拌機を使用して、この混合物(H)と有機ポリイソシアネート成分(D)とを急速混合する。
得られた混合液(発泡原液)を連続発泡して軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
また、密閉型又は開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型して軟質ポリウレタンフォームを得ることもできる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの25℃反発弾性率は、座り心地および寝心地の観点から5〜15%が好ましく、さらに好ましくは6〜13%である。この範囲であるとフォーム硬さが良好であり、座り心地および寝心地に優れる。
就寝時の体温程度での温度で発汗による多湿状態で反発弾性が高く寝返りしやすいという観点から、本発明の軟質ポリウレタンフォームの40℃の反発弾性率BR40と25℃の反発弾性率BR25との比率(BR40/BR25)は、1.6〜12.0であり、好ましくは1.7〜10.0、さらに好ましくは1.8〜8.0、特に好ましくは1.9〜5.0である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、家具や寝具用枕、寝具用マットレス、自動車用シートクッション、衣料用等に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<ポリオール組成物の作製>
表1及び表2に記載の各成分を混合容器中で均一に混合し、実施例1〜16及び比較例1〜8のポリオール組成物を作製した。
Figure 0006746644
Figure 0006746644
表1及び表2に記載した実施例1〜16及び比較例1〜8に用いる各成分はそれぞれ下記の通りである。
<ポリエーテルポリオール(B)>
ポリエーテルポリオール(B−1)
グリセリンとPOとのモル比が1:83.8となる様に、水酸化カリウムを触媒として[触媒使用量0.3重量%(反応生成物重量基準)]用いて反応温度95℃〜130℃にてグリセリンにPOを付加した後、常法によって水酸化カリウムを除去することで得られる、水酸基価34であり、1級水酸基の割合が2%であり、Mnが4950であるグリセリンのPO付加物である。
ポリエーテルポリオール(B−2)
グリセリン1モルに対してPO16.6モルとEO51.0モルの比率となる様に、水酸化カリウムを触媒として[触媒使用量0.3重量%(反応生成物重量基準)]用いて反応温度95℃〜130℃にてグリセリンにPOとEOとを含むPO・EO混合物をグリセリンに反応付加した後、常法によって水酸化カリウムを除去することで得られる、水酸基価51であり、1級水酸基の割合が36%であり、Mnが3300であり、オキシエチレン単位の重量割合が70重量%であるグリセリンのPO・EOランダム付加物である。
ポリエーテルポリオール(B−3)
グリセリン1モルに対してPO46.6モルとEO4.6モルの比率となる様に、水酸化カリウムを触媒として[触媒使用量0.3重量%(反応生成物重量基準)]用いて反応温度95℃〜130℃にてグリセリンにPOとEOとを含むPO・EO混合物をグリセリンに反応付加した後、常法によって水酸化カリウムを除去することで得られる、水酸基価56であり、1級水酸基の割合が2%であり、Mnが3000であり、オキシエチレン単位の重量割合が7重量%であるグリセリンのPO・EOランダム付加物である。
ポリエーテルポリオール(B−4)
グリセリンとPOとのモル比が1:50.1となる様に、水酸化カリウムを触媒として[触媒使用量0.3重量%(反応生成物重量基準)]用いて反応温度95℃〜130℃にてグリセリンにPOを付加した後、常法によって水酸化カリウムを除去することで得られる、水酸基価56であり、1級水酸基の割合が2%であり、Mnが3000であるグリセリンのPO付加物である。
ポリエーテルポリオール(B−5)
グリセリンとPOのモル比が1:16.5となる様に、水酸化カリウムを触媒として[触媒使用量0.3重量%(反応生成物重量基準)]用いて反応温度95℃〜130℃にてグリセリンにPOを付加した後、常法によって水酸化カリウムを除去することで得られる、水酸基価160であり、1級水酸基の割合が2%であり、Mnが1050であるグリセリンのPO付加物である。
ポリエーテルポリオール(B−6)
グリセリンとPOのモル比が1:11.3となる様に、水酸化カリウムを触媒として[触媒使用量0.3重量%(反応生成物重量基準)]用いて反応温度95℃〜130℃にてグリセリンにPOを付加した後、常法によって水酸化カリウムを除去することで得られる、水酸基価224であり、1級水酸基の割合が2%であり、Mnが750であるグリセリンのPO付加物である。
ポリエーテルポリオール(B−7)
プロピレングリコールとPOのモル比が1:5.9となる様に、水酸化カリウムを触媒として[触媒使用量0.3重量%(反応生成物重量基準)]用いて反応温度95℃〜130℃にてプロピレングリコールにPOを付加した後、常法によって水酸化カリウムを除去することで得られる、水酸基価270であり、1級水酸基の割合が2%であり、Mnが420であるプロピレングリコールのPO付加物である。
<2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)>
(C−1):グリセリン
(C−2):エチレングリコール
<ポリエステルポリオール(I)>
ポリエステルポリオール(I−1)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒として[触媒使用量0.3重量%(反応生成物重量基準)]用いて反応温度95℃〜130℃にてPO27.7モルを付加した後、常法によって水酸化カリウムを除去すること、水酸基価56であり、Mnが1700であるグリセリンのPO付加物を得た。次いで、グリセリンのPO付加物1モルに対して無水フタル酸6モルを混合し、さらにPOを混合して反応して得られたポリエステルトリオール[1級水酸基の割合=2重量%、水酸基価=56mgKOH/g、エステル基濃度=2.0mmol/g]である。
<ポリマーポリオール(P)>
ポリマーポリオール(P−1)
前記のポリエーテルポリオール(B−3)中でスチレンとアクリロニトリル(重量比:70/30)を共重合させて得られた重合体ポリオール(重合体含量44.0%)である。重合体粒子の体積平均粒子は0.5〜0.7μmである。
<発泡剤(E)>
(E−1):水
<触媒(F)>
(F−1):エアプロダクツジャパン(株)製「DABCO−33LX」
(F−2):エアプロダクツジャパン(株)製「DABCO−BL22」
(F−3):日東化成(株)製「ネオスタンU−28」
<整泡剤(G)>
(G−1):東レ・ダウコーニング(株)製シリコーン整泡剤「SF−2904」
<有機ポリイソシアネート成分(D)>
(D−1):2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(混合比率:80/20)(TDI)[製品名:東ソー(株)製「コロネートT−80」(イソシアネート基含有量=48.3重量%)]
<軟質ポリウレタンフォーム(UF)の作製>
実施例1〜16及び比較例1〜8で得られたポリオール組成物を用い、表1及び表2に記載の部数の有機イソシアネートのTDI(D−1)を均一混合し、下記の発泡条件により発泡して軟質ポリウレタンフォーム(UF−1)〜(UF−16)および(UF’−1)〜(UF’−8)を作製した。
なお、表1及び表2における各成分の数値は重量部数を記載し、有機ポリイソシアネート(D−1)については、別途、イソシアネート指数[(x)/(y)]も記載しており、そのイソシアネート指数に対応する重量部の有機イソシアネートを用いた。
<発泡条件>
型サイズ :250mm×250mm×250mm
材質 :木材
ミキシング方法 :
ハンドミキシング(必要試薬を所定の容器に必要量仕込んだ後、攪拌羽を容器中に挿入し、回転数5000回転/分で6〜20秒間攪拌させる発泡方法)
ミキシング時間 :6〜20秒
撹拌羽回転数 :5000回転/分
得られた軟質ポリウレタンフォームを温度25℃、湿度50%にて24時間静置した後、それぞれの軟質ポリウレタンフォームの密度、25%圧縮硬さ、フォースゲージ硬さ、通気性、および反発弾性率を下記測定方法に基づいて測定し、結果を表1及び表2に示した。
なお、比較例5及び8は、発泡後の静置中に収縮し、比較例3及び7は、一度は発泡による見掛け体積の増加はあったが、直ぐに潰れてしまったため、ポリウレタンフォームの物性値の測定は行わなかった。
<軟質ポリウレタンフォームの試験方法>
各項目の測定方法は下記の通りである。
<密度>
JIS K6400に準拠して測定した(単位はkg/m)。
<25℃でのフォームの25%圧縮硬さ>
25℃の環境で温調したポリウレタンフォームを用いてJIS K6400に準拠して25%圧縮硬さを測定した(単位はN/314cm)。
<0℃と25℃とのフォームのフォースゲージ硬さの比率>
0℃と25℃の環境でそれぞれ温調したポリウレタンフォームを用いてフォースゲージにて20mm押し込んだ際の応力(単位はN)を測定し、0℃と25℃の硬さ比率(0℃硬さ/25℃硬さ)を算出した。
<通気性>
JIS K6400に準拠して測定した(単位はcc/cm/s)。なお、この方法で測定した軟質ポリウレタンフォームの通気性は、一般に40cc/cm/s以上が好ましい。
<反発弾性率>
湿度50%で、25℃と40℃の環境で温調したポリウレタンフォームを用いてJIS K6400に準拠して25℃の反発弾性率BR25と40℃の反発弾性率BR40のそれぞれを測定した(単位は%)。
40℃と25℃との反発弾性率の比率(BR40/BR25)を算出した。
表1及び表2から明らかなように、実施例1〜16の軟質ポリウレタンフォームはいずれも25℃の反発弾性率BR25が低く、25℃と40℃との反発弾性率の比率BR40/BR25が高く、通気性が良好であり、0℃と25℃との硬さ比率が低かった。
一方、比較例3及び7では軟質ウレタンフォームが崩壊し、比較例5及び8ではフォームが収縮したために物性が測定できなかった。
比較例1のポリウレタンフォームは通気性が低く、BR40/BR25も1.6未満と不良であった。比較例4のポリウレタンフォームは通気性がほとんどなく、BR40/BR25も1.6未満と不良で、さらに0℃と25℃の硬さ比率も高かった。
比較例2及び6のポリウレタンフォームはBR40/BR25が1.6未満と不良であり、25℃での反発弾性率BR25も高かった。
以上より、実施例1〜16の軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性が低く、25℃と40℃との反発弾性率の比率が高く、0℃と25℃とのフォースゲージ硬さの比率が低く、通気性が良好なため、特に寝具(マットレス及び枕等)に好適であると考えられる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、シートクッション、寝具及び家具等に適する。

Claims (6)

  1. ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(D)と発泡剤(E)と触媒(F)と整泡剤(G)とを含む混合物(H)の反応物からなる軟質ポリウレタンフォームであって、
    ポリオール成分(A)がポリエーテルポリオール(B)と2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)を含み、以下の条件(1)と(2)を満足し、
    ポリオール成分(A)の重量に基づいて、2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)の含有量が0.1〜5.0重量%であり、
    有機ポリイソシアネート成分(D)中のNCO基のモル数(x)と、NCO基と反応する活性水素基のモル数(y)の比率(x)/(y)が0.83〜0.98であり、
    40℃の反発弾性率BR40と25℃の反発弾性率BR25との比率(BR40/BR25)が1.6〜12.0である軟質ポリウレタンフォーム。
    (1)ポリオール成分(A)の水酸基価が100〜140である。
    (2)ポリオール成分(A)に含まれるオキシエチレン単位の合計重量が、(A)の重量に基づいて10〜40重量%である。
  2. 2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)を除いたポリオール成分(A)の水酸基価が100〜130である請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  3. 2〜6価の脂肪族多価アルコール(C)を除いたポリオール成分(A)の数平均官能基数が2.6〜4.0である請求項1又は2に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  4. さらに、ポリオール成分(A)がポリエステルポリオール(I)を含み、ポリオール成分(A)の重量に基づいてポリエステルポリオール(I)の含有量が1〜20重量%である請求項1〜3いずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  5. ポリオール成分(A)のエステル基濃度が0.02〜0.40mmol/gである請求項4に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  6. さらに、ポリオール成分(A)がポリマーポリオール(P)を含み、ポリマーポリオール(P)はエチレン性不飽和化合物を構成単量体とする重合体粒子を含む請求項1〜5いずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム。
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