JP2014005226A - テレフタル酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テレフタル酸製造プロセスから発生する排水を活性汚泥処理を行いながら及び/又は活性汚泥処理を行った後に膜分離処理により膜透過水とする工程と、該膜透過水を回収する工程と、を有するテレフタル酸の製造方法とする。
【選択図】図1
Description
(A)酸化反応後に水素化精製によりテレフタル酸を製造する方法;
(B)酸化反応後に高温高圧で追加的に酸化反応を実施し、水素化精製をしないでテレフタル酸を製造する方法。
図3は、第一の代表的なテレフタル酸の製造方法における工程フロー及び物質フローを説明する図である。第一の代表的なテレフタル酸の製造方法は下記の7つの工程を有する。
(1)含水酢酸中、p−キシレンを酸化して、粗テレフタル酸スラリーを得る工程(以下、「酸化反応工程(1)」と言うことがある。);
(2)上記粗テレフタル酸スラリーを固液分離して粗テレフタル酸ケーキを回収する工程(以下、「第1固液分離工程(2)」と言うことがある。);
(3)上記粗テレフタル酸ケーキを水に溶解して、水素添加処理をする工程(以下、「水素添加処理工程(3)」と言うことがある。);
(4)上記水素添加処理液を晶析してテレフタル酸スラリーを得る工程(以下、「晶析工程(4)」と言うことがある。);
(5)上記テレフタル酸スラリーを固液分離してテレフタル酸ケーキ及び分離母液を得る工程(以下、「第2固液分離工程(5)」と言うことがある。);
(6)上記テレフタル酸ケーキを乾燥してテレフタル酸を得る工程(以下、「乾燥工程(6)」と言うことがある。);
(7)上記(1)〜(6)の工程から排出される排水の全量又は一部を好気性活性汚泥処理後、回収する排水処理工程(以下、「排水処理工程(7)」と言うことがある。)。
酸化反応工程(1)は含水酢酸中、p−キシレンを酸化して、粗テレフタル酸スラリー11’を得る酸化反応工程である。まずp−キシレンと酢酸等を含む溶媒とを混合し、酸化反応装置11に送り、溶媒中で触媒の存在下に分子状酸素を用いて、p−キシレンを酸化する。該触媒としては、コバルト、マンガン等の遷移金属の化合物及び/又は臭化水素酸等のハロゲン化水素等が挙げられる。これにより粗テレフタル酸スラリー11’が生成され、第1固液分離工程(2)に送られる。
第1固液分離工程(2)は、第1固液分離装置12において上記粗テレフタル酸スラリー11’を固液分離して粗テレフタル酸ケーキを回収した後、洗浄及び乾燥を行って粗テレフタル酸12’を得る工程である。固液分離する方法としては、そのまま固液分離機にかける方法等を例示することができる。なお、上記粗テレフタル酸スラリー11’は加圧状態にあるので、圧力を下げると、溶解している粗テレフタル酸が析出する。このため、上記スラリー11’を晶析槽(不図示)に送って、放圧冷却を行い、溶解している粗テレフタル酸を析出させてから、固液分離機にかけてもよい。なお、上記「放圧冷却」とは、対象液の圧力よりも低い圧力条件に設定した晶析槽にこの対象液を導入し、該晶析槽で放圧させることにより、膨張及び溶媒成分の気化により、冷却させることを意味する。
水素添加処理工程(3)は、水素添加処理装置13において、上記粗テレフタル酸12’を水に溶解して、水素添加により還元処理する工程である。水素添加処理工程(3)を経ることにより、上記不純物である4CBAは還元され、p−トルイル酸になる。p−トルイル酸はテレフタル酸より水溶性が高いので、後述する第2固液分離工程(5)で分離することができる。なお、分離されたp−トルイル酸は上記酸化反応工程(1)に戻され、テレフタル酸原料として使用される。水素添加処理工程(3)により生成した水素添加処理液13’は、次の晶析工程(4)に送られる。
晶析工程(4)は、晶析装置14において上記水素添加処理液13’を晶析してテレフタル酸スラリー14’を得る工程である。晶析方法としては、溶媒である水の蒸発除去及び冷却による方法や、放圧冷却する方法等を例示できる。この工程において、上記したようにp−トルイル酸は水溶性が高いため、その多くは析出せずに溶媒に溶解したままである。よって、次の第2固液分離工程(5)でp−トルイル酸とテレフタル酸とを分離することができる。
第2固液分離工程(5)は、第2固液分離装置15において、上記テレフタル酸スラリー14’を固液分離して、テレフタル酸ケーキ15’とテレフタル酸分離母液24’とに分離する工程である。分離機としては濾過、遠心分離等公知の方法を採用できる。分離されたテレフタル酸ケーキには母液24’が付着しており、母液に溶解している不純物等が品質を低下させるので水で洗浄する。洗浄により得たテレフタル酸ケーキ15’は次の乾燥工程(6)に送られる。
乾燥工程(6)は、乾燥装置16において、上記テレフタル酸ケーキ15’を乾燥させて、テレフタル酸16’を得る工程である。乾燥にあたっては、放圧蒸発による加圧乾燥機、通常の流動乾燥機等を用いることができる。
排水処理工程(7)は、好気性活性汚泥処理装置21において、上記工程(1)〜(6)から排出される排水中に含まれる有機物等の不純物を、好気性微生物群によって溶存酸素存在下に分解処理(好気性活性汚泥処理)する工程である。好気性活性汚泥処理装置21は、一般的な沈降槽及び曝気槽の組み合わせを有する。活性汚泥処理の完了した放流水27’は外部へ放流される。なお、工程(1)〜(6)から排出される排水は、必ずしも何ら処理を施さずに直接この好気性活性汚泥処理装置21に送られ処理されるとは限らない。工程毎に特有な排水組成に対応した処理を施し、好気性活性汚泥処理装置21に送られる場合もある。
酸化反応工程(1)からは、酸化反応のために酸化反応装置11に導入される分子状酸素含有ガスに伴って、溶媒の酢酸、副生する水、酢酸メチル、臭化メチル、反応中間体、一酸化炭素等、及び、未反応のp−キシレン等を含有する高温高圧ガスが排出される。該高温高圧ガスから、副生エネルギーを電気及び熱エネルギーとして回収し、さらに酢酸、酢酸メチルなどを回収した後、臭化メチルなどを燃焼処理する。燃焼処理後の排ガスをアルカリ水などと接触洗浄した後、ガスは大気放出され、酸化排ガス洗浄水17’は好気性活性汚泥処理装置21に送られる。
第1固液分離工程(2)からは、固液分離された母液が発生する。該母液の50%以上を上記酸化反応工程(1)に戻して再利用する。母液を再利用する比率は好ましくは70%以上であるが、系内での不純物蓄積による品質低下を防止するために母液を一部パージする必要がある。そのため、母液を再利用する比率は95%以下であり、好ましくは90%以下である。再利用に供されない酸化反応母液(パージ分)18’は溶媒回収装置17で蒸発濃縮され、蒸発溶媒19’と、有効成分を含む母液濃縮スラリー20’とに分けられる。母液濃縮スラリー20’は触媒回収・再生装置19に送られ、触媒が回収・再生される。回収・再生された触媒を固液分離した後、再生触媒回収分離母液22’が脱臭塔から生じる洗浄排水とともに好気性活性汚泥処理装置21に送られる。一方、蒸発溶媒19’は酢酸等回収装置18に送られ、脱水塔(不図示)で酢酸を濃縮回収され、次いで蒸留塔(酢酸メチル回収塔)(不図示)で酢酸メチルを回収される。残った酢酸メチル回収塔底液21’の一部が、好気性活性汚泥処理装置21に送られる。
通常、水素添加処理工程(3)からは排水処理対象物は発生しない。
晶析工程(4)からは、放圧冷却又は減圧冷却により晶析する際に、生じる蒸気を冷却して得られる晶析時発生凝縮水23’が発生する。晶析時発生凝縮水23’は、p−トルイル酸などの有機物を含んでおり、好気性活性汚泥処理装置21に送られる。
第2固液分離工程(5)においては、テレフタル酸ケーキ15’が固液分離されると共に、テレフタル酸分離母液24’が発生する。該母液24’はp−トルイル酸等回収装置20に送られ、母液24’に溶解しているp−トルイル酸及びテレフタル酸などが放圧冷却により析出及び濾過分離される。テレフタル酸分離母液24’から析出分離したケーキはスラリー化した後、上記酸化反応工程(1)に戻される。析出分離の残留母液に含有されるコバルト、マンガン等の遷移金属を金属回収装置(不図示)で回収した後、残るp−トルイル酸等分離母液25’は冷却され、好気性活性汚泥処理装置21に送られる。
上記第2固液分離工程(5)及び乾燥工程(6)からはこの他に、ベントガスを一括してスクラバーで処理する際に発生するベントガス洗浄水26’が好気性活性汚泥処理装置21に送られる。
図1は、上記第一の代表的なテレフタル酸の製造方法において、活性汚泥処理中に精密濾過膜分離処理を行う実施形態を説明する図である。以下、本発明の実施態様の代表例を図1に基づきさらに具体的に説明する。
活性汚泥処理装置100においては、好気性活性汚泥処理が二段階で行われる。本発明における好気性活性汚泥処理は1段処理でも十分であるが、大量の排水を少なくとも工業用水(冷却水)及び/又はプロセス水として利用可能な水質を有する水に再生することをより容易にする観点からは、このように2段処理にすることが好ましい。活性汚泥処理装置100は、一般的な曝気槽及び沈殿槽から構成される。すなわち、図1に示すように活性汚泥処理装置100は、第1曝気槽101と、第1曝気槽101に接続された第1沈殿槽102と、第1沈殿槽102に接続された第2曝気槽103と、を有する。なお、破線で表示した第2沈殿槽104は使用しないので不要である。活性汚泥処理装置100においては、排水は第1曝気槽101、第1沈殿槽102、及び第2曝気槽103をこの順に移送されつつ、活性汚泥処理される。
活性汚泥処理装置100においては膜分離にMF膜を使用する。MF膜は、概ね0.1μm〜10μmの不溶性固体を濾過する膜である。MF膜の素材としては、高分子材料、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリカーボネートなどが挙げられる。MF膜の孔径は通常0.03μm〜10μmであるが、用途に応じてさらに微細な膜を使用することも可能である。MBR用には、孔径0.03μm〜0.4μmのMF膜が好ましい。膜素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等が特に好ましい。膜モジュールの形態は、中空糸型、平膜型、チューブラー型、スパイラル型等を特に制限なく採用できるが、これらの中でも中空糸型及び平膜型を特に好ましく採用できる。これらの具体例としては、MBR用として市販されている、「ステラポアーSADF(登録商標)」(三菱レイヨン株式会社)、「メンブレイ(登録商標)」(東レ株式会社)、「マイクローザ(登録商標)」(旭化成ケミカルズ株式会社)などが挙げられる。
MF膜分離装置105で膜分離されたMBR処理水aは、中間タンク(不図示)を経て、逆浸透膜分離装置106(以下、逆浸透膜を「RO膜」といい、逆浸透膜分離装置を「RO膜分離装置」ということがある。)に移送され、RO膜による分離処理により、金属イオン類及び残存有機物等の除去を受ける。RO膜分離処理に使用されるRO膜の素材としては、ポリエチレン系、芳香族ポリアミド系や架橋芳香族ポリアミド系を含むポリアミド系、脂肪族アミン縮合系、複素環ポリマー系、ポリビニルアルコール系、及び酢酸セルロース系の高分子素材を挙げることができ、これらから適宜選択することができる。また、2種以上の素材の混合物を採用することも可能である。本発明では、この中でも特に、芳香族ポリアミド系や架橋芳香族ポリアミド系を含む、ポリアミド系高分子などが分離性能が高く、好ましいものとして推奨される。RO膜の膜形態としては、非対称膜、及び複合膜等が挙げられ、これらの中から適宜選択することができる。2種以上のRO膜を組み合わせて使用することも可能である。また、膜表面への付着抑止性能を向上させた低ファウリング膜も好ましく採用することができる。また、RO膜分離処理に用いる膜モジュールの形態としては、中空糸膜型、スパイラル膜型、チューブラー膜型、平膜型、プリーツ型などを例示でき、これらの中から選ばれる1種又は2種以上の膜モジュールを採用できる。この中でも、モジュールの膜面積が大きく、装置のコンパクト化に有利である観点から、スパイラル膜型モジュールが好ましい。これらの具体例としては、「低圧スパイラル型RO膜エレメント」シリーズ(日東電工株式会社)、「フィルムテック(登録商標)」シリーズ(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー)、「ロメンブラ(登録商標)」(東レ株式会社)等が挙げられる。なお、RO膜モジュールの入口にプレフィルターを設置し、膜の保護をすることが望ましい。
本発明で処理される排水は、MF膜分離装置105に流入する時点で、水中不溶物質の濃度がSS値にして100mg/L以下又は濁度(Turbidity)にして100NTU以下、水可溶性有機物質の濃度がCODCr値にして100mg/L以下且つBOD5値にして10mg/L以下、水可溶性無機物質の濃度の指標として電気伝導度が500〜10,000μS/cm、pHが5.0〜9.5の性状を有することが好ましい。pHは通常8以上でありアルカリ性を示しているが、本発明ではpHが5.0〜9.5の範囲であれば膜分離による処理が可能である。
RO膜透過水bをプロセス水として使用するにあたっては、吸着剤処理装置108において各種吸着剤から選ばれる吸着剤を使用して吸着剤処理を施すことにより、さらに精製度(純度)を向上させることが可能となる。このように水の純度(水質)を向上させることにより、回収再生した水の用途範囲を拡大することが可能となる。吸着剤処理装置108から回収された吸着精製水eは、テレフタル酸製造工程に供給され、プロセス水としてより好ましく利用される。吸着精製水eのプロセス水としての用途としては、例えば、上記水素添加処理工程(3)の水素添加反応時に用いる溶媒の一部として用いる用途や、上記第2固液分離工程(5)のテレフタル酸の固液分離処理における洗浄用水の一部として用いる用途などを挙げることができる。なお、吸着剤処理装置108から排出される吸着剤処理排水fは、第1曝気槽101に移送され、再度活性汚泥処理される。
また、MF膜分離装置を、1段処理方式を採用する場合にあっては第1沈殿槽の出口に、2段処理方式を採用する場合にあっては第2沈殿槽の出口に配設する形態とすることも可能である。このような形態において使用可能なMF膜の具体例としては、「ステラポアーLFB」(登録商標)、「ステラポアーG」(登録商標)(いずれも三菱レイヨン株式会社製)、「トレフィルF」(登録商標)(東レ株式会社製)、「マイクローザ」(登録商標)(旭化成ケミカル株式会社製)等を挙げることができる。ただし、沈殿槽が不要になること、及び、曝気層内のMLSS濃度の高負荷処理が可能で設備を小型化できること等の観点からは、曝気槽(1段処理方式にあっては第1曝気槽、2段処理方式にあっては第2曝気槽)中にMF膜分離装置を設置する上記MBR方式を採用することが好ましい。
図2は、上記第一の代表的なテレフタル酸の製造方法において、活性汚泥処理後に限外濾過膜(UF膜)分離処理を行う実施形態を説明する図である。図2に示すように、本実施形態に係る水回収方法においては、第1曝気槽101、第1沈殿槽102、第2曝気槽103a、及び第2沈殿槽104aを有する活性汚泥処理装置200と、第2沈殿槽104aに接続されたUF膜分離装置110と、UF膜分離装置110に接続されたRO膜分離装置106と、RO膜分離装置106に接続された再利用水槽107と、再利用水槽107に接続された吸着剤処理装置108とを用いる。これらのうち第2曝気槽103a、第2沈殿槽104a、活性汚泥処理装置200及びUF膜分離装置110以外については上記第1実施形態と同様であるため、図1におけるものと同一の符号を付し適宜説明を省略する。
活性汚泥処理装置200は、第1曝気槽101と、第1曝気槽101に接続された第1沈殿槽102と、第1沈殿槽102に接続された第2曝気槽103aと、第2曝気槽103aに接続された第2沈殿槽104aとを有する。活性汚泥処理装置200が上記活性汚泥処理装置100と異なる点は、第2曝気槽103aにMF膜分離装置105が配設されていない点、及び、第2沈殿槽104aを使用する点である。活性汚泥処理装置200においては、排水は第1曝気槽101〜第2沈殿槽104aの各槽を上記順に移送され、好気性活性汚泥処理を2段処理で施される。両曝気槽の運転条件等は上記活性汚泥処理装置100と同様である。第1曝気槽101〜第2沈殿槽104aの各槽を順に移送されて好気性活性汚泥処理を2段処理で施された活性汚泥処理水hは、第2沈殿槽104aに接続されたUF膜分離装置110に移送される。
UF膜分離装置110において、活性汚泥処理水hは限外濾過膜(UF膜)による膜分離処理を施される。UF膜を透過したUF膜透過水iは、中間タンク(不図示)を介してUF膜分離装置110に接続されたRO膜分離装置106に移送される。
特に、複数の膜分離装置(例えば本実施形態においては、UF膜分離装置110及びRO膜分離装置106。)を組み合わせて膜分離処理を行うことにより、上記効果を奏することが一層容易になる。
また、RO膜透過水kをプロセス水として使用するにあたっては、吸着剤処理装置108において各種吸着剤から選ばれる吸着剤を使用して吸着剤処理を施すことにより、さらに精製度(純度)を向上させることが可能となり、その結果回収再生した水の用途範囲を拡大することが可能となること等は、上記したRO膜透過水bにおける場合と同様である。吸着剤処理装置108から回収された吸着精製水mは、上記吸着精製水eと同様に、プロセス水としてより好ましく利用することができる。吸着剤処理装置108における吸着剤及び処理の詳細については既に述べたのと同様である。吸着剤処理装置108から排出される吸着剤処理排水nは、第1曝気槽101に移送され、再度活性汚泥処理される。
図4は、第二の代表的なテレフタル酸の製造方法における工程フロー及び物質フローを説明する図である。第二の代表的なテレフタル酸の製造方法は下記の6つの工程を有する。
(8)含水酢酸中、p−キシレンを酸化して、粗テレフタル酸スラリーを得る工程(以下、「酸化反応工程(8)」ということがある。);
(9)上記粗テレフタル酸スラリーを、p−キシレンを供給せずに、さらに高温条件下で追加的な酸化反応に供してテレフタル酸スラリーを得る工程(以下、「追酸化工程(9)」ということがある。);
(10)上記テレフタル酸スラリーを固液分離してテレフタル酸ケーキを得る工程(以下、「固液分離工程(10)」ということがある。);
(11)上記テレフタル酸ケーキを乾燥してテレフタル酸を得る工程(以下、「乾燥工程(11)」ということがある。);
(12)固液分離後の母液から触媒、溶媒などの有価物を回収再生する工程(以下、「母液回収再生工程(12)」ということがある。);
(13)上記工程(8)〜(12)から排出される排水の全量又は一部を好気性活性汚泥処理後、公共水域へ放流する排水処理工程(以下、「排水処理工程(13)」ということがある。)。
酸化反応工程(8)では、酸化反応装置511で含水酢酸を溶媒とし、触媒の存在下、分子状酸素含有ガスを用いてp−キシレンを酸化する工程である。該触媒としては、コバルト、マンガン等の遷移金属の化合物及び/又は臭化水素酸等のハロゲン化水素等が挙げられる。酸化反応工程(8)により、粗テレフタル酸スラリー51’が得られる。反応温度は通常180℃〜230℃であり、好ましくは190℃〜210℃である。反応圧力は、少なくとも反応温度において、混合物が液相を保持できる圧力以上である必要があり、具体的には0.3MPa〜10MPa(絶対圧)が好ましく、1〜3MPa(絶対圧)がより好ましい。
追酸化工程(9)は、酸化反応で得られた粗テレフタル酸スラリー51’が追酸化反応装置512に移送されて、分子状酸素含有ガスを供給して高温度でさらに酸化される工程である。追酸化工程(9)により、テレフタル酸スラリー52’が得られる。反応温度は通常235℃〜290℃、好ましくは240℃〜280℃であり、圧力は通常3MPa〜10MPa(絶対圧)が好ましい。粗テレフタル酸スラリー51’中のテレフタル酸粒子の一部が溶解し、粒子中の酸化中間体、未反応原料などが酸化されて、不純物濃度が低減され精製効果が生じる。高温高圧の排ガスは上記酸化反応工程(8)から生じる高温高圧ガスと同様に処理されて、残りの追酸化排ガス洗浄水56’は酸化反応工程(8)の酸化排ガス洗浄水55’とともに、好気性活性汚泥処理装置518に移送される。
固液分離工程(10)は、固液分離装置513においてテレフタル酸スラリー52’を固液分離してテレフタル酸ケーキ53’を得る工程である。固液分離する方法としては、テレフタル酸スラリー52’をそのまま固液分離機にかける方法等を例示できる。また上記テレフタル酸スラリー52’は加圧状態にあるので、圧力を下げると、溶解しているテレフタル酸が析出する。このため、テレフタル酸スラリー52’を晶析槽(不図示)に送って、放圧冷却を行い、溶解しているテレフタル酸を析出させてから、固液分離機にかけてもよい。なお、上記「放圧冷却」とは、対象液の圧力よりも低い圧力条件に設定した晶析槽に、この対象液を導入し、該晶析槽で放圧させることにより、膨張及び溶媒成分の気化により、冷却させることを意味する。
乾燥工程(11)は、乾燥装置514でテレフタル酸ケーキ53’を乾燥し、テレフタル酸54’を得る工程である。乾燥装置514から発生する排ガスは、洗浄塔(不図示)で洗浄され、洗浄により生じたベントガス洗浄水62’は好気性活性汚泥処理装置518に送られる。
上記工程(8)〜(12)から好気性活性汚泥処理装置518に流入する排水には浮遊物質(SS)、重金属、アルカリ金属、CODCr値の増加をもたらす化合物、全窒素の増加をもたらす含窒素化合物などが含有されている。この流入排水中の不溶物質の濃度はSS値で100mg/L以下、及び/又は濁度(Turbidity)で100NTU以下、水可溶性有機物質の濃度がCODCr値で10,000mg/L以下である。しかし、好気性活性汚泥処理工程518から流出する放流水63’は、水質の観点からそのままテレフタル酸製造プロセスで再利用することはできす、公共水域に大量に放流せざるを得ない。
図5は、上記第2の代表的なテレフタル酸の製造方法における本発明の一実施形態を説明する図である。以下、図5を参照しつつ、好気性活性汚泥処理装置518に流入する排水の公共水域への排水量を低減するための本発明の一実施形態について説明する。
好気性活性汚泥処理装置1000は、第1曝気槽1010と、第1曝気槽1010に接続された第1沈殿槽1020と、第1沈殿槽1020に接続された第2曝気槽1030とを有する。図5において破線で表示している第2沈殿槽1040は使用しないので不要である。好気性活性汚泥処理装置1000に流入した排水は、第1曝気槽1010から第2曝気槽1030までを上記順に移送されながら2段処理にて好気性活性汚泥処理を受ける。
好気性活性汚泥処理装置1000は、MBR(メンブレンバイオリアクター)の構成を有する。すなわち、第2曝気槽1030内にMF膜分離装置1050が浸漬される形で配設されており、第2曝気槽1030で2段階目の好気性活性汚泥処理を受けた排水はMF膜分離装置1050において膜分離を施される。MF膜分離装置1050が具備するMF膜を透過した水はMBR処理水rとして好気性活性汚泥処理装置1000の外部へ取り出される。MBR処理水rは、MF膜分離装置1050の出側に接続されているNF膜分離装置1060に移送される。
NF膜分離装置1060はナノ濾過膜(NF膜)を具備する膜分離装置である。NF膜分離装置1060に流入したMBR処理水rは、NF膜による膜分離処理を受け、NF膜透過水sとNF膜濃縮水tとを生じる。NF膜は2nmより小さい粒子や高分子を阻止する液体分離膜であり、細孔径はMF膜やUF膜よりも小さく、一般的なRO膜よりは大きい。NF膜はルーズRO膜とも称され、一般的RO膜よりも低圧での運転が可能であるという特徴を有している。
特に、複数の膜分離装置(例えば本実施形態においては、MBRにおけるMF膜分離装置1050及びNF膜分離装置1060。)を組み合わせて膜分離処理を行うことにより、上記効果を奏することが一層容易になる。
また、NF膜透過水sをプロセス水として使用するにあたっては、吸着剤処理装置1080において各種吸着剤から選ばれる吸着剤を使用して吸着剤処理を施すことにより、さらに精製度(純度)を向上させることが可能となり、その結果回収再生した水の用途範囲を拡大することが可能となること等は、上記したRO膜透過水bにおける場合と同様である。吸着剤処理装置1080において使用可能な吸着剤としては、上記吸着剤処理装置108に関して挙げたものと同様のものを挙げることができ、吸着剤処理装置1080の運用も、上記吸着剤処理装置108と同様に行うことができる。吸着剤処理装置1080から生じる吸着処理排水wは、第1曝気槽1010に戻され、再度活性汚泥処理を受ける。
(実施例1)
上記説明した図1に記載のテレフタル酸製造プロセスにより、p−キシレンを原料としてテレフタル酸を製造した。酸化反応工程においては水及び酢酸を溶媒として用い、酢酸コバルトを触媒として用いて、粗テレフタル酸スラリーを得た。該粗テレフタル酸を水素添加処理工程において水素添加により還元した。
各工程から発生した排水の排水処理システムとしては、図1に記載の排水処理システムを用いた。膜分離装置としては、MF膜分離装置105及びRO膜分離装置106を用いた。
発生した排水は第1曝気槽101で活性汚泥処理を行い、第1沈殿槽102で活性汚泥と処理水を分離し、分離された処理水は第2曝気槽103にて活性汚泥処理を行った。
続いて第2曝気槽103内に配置されたMF膜分離装置105により第2曝気槽内の水を膜濾過した。次いで、該膜濾過した水をRO膜分離装置106により膜透過水として再利用水槽107に回収した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。なお濃縮水はCODCr値を測定した後に公共水域へ放流した。
各槽の容量及び装置出口における水質等の数値を表1に示す。なお表中「HRT」とは滞留時間を表す。
RO濾過膜装置106の膜透過水量を5040m3/日とした以外は実施例1と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
排水処理システムに供した排水量を4400m3/日とし、RO濾過膜装置106の膜透過水量を2640m3/日とした以外は実施例1と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
RO濾過膜装置106の膜透過水量を3360m3/日とした以外は実施例3と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
排水処理システムに供した排水量を8300m3/日とし、RO濾過膜装置106の膜透過水量を4980m3/日とした以外は実施例1と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
RO濾過膜装置106の膜透過水量を5810m3/日とした以外は実施例5と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
実施例1において、MF膜分離装置105及びRO膜分離装置106を使用せず、代わりに第2沈殿槽104を使用して排水処理システムを構成した比較例である。第2沈殿槽104からの水回収を試みるべく第2沈殿槽104の上澄み液の水質を測定したが、テレフタル酸製造プロセスにおけるプロセス水としての使用はおろか冷却水としての使用についても好適な水質ではなかった。
第1曝気槽101の運転条件(HRT及びCOD容積負荷)を変更した以外は比較例1と同様にしてテレフタル酸を製造した。第2沈殿槽104の上澄み液の水質を測定したが、テレフタル酸製造プロセスにおけるプロセス水としての使用はおろか冷却水としての使用についても好適な水質ではなかった。
排水処理システムに供した排水量を1500m3/日に減少させた以外は比較例1と同様にしてテレフタル酸を製造した。第2沈殿槽104の上澄み液の水質を測定したが、依然として、テレフタル酸製造プロセスにおけるプロセス水としての使用はおろか冷却水としての使用についても好適な水質ではなかった。
実施例1〜6は、回収した膜透過水の水質が良好であった。また、水の滞留時間が短いため、処理する排水の量に対して設置面積を小さくできた。一方、膜分離を用いない比較例1〜3は、処理水の水質は実施例1〜6のRO膜分離装置106濃縮水と同程度であるが、第2沈殿槽を用いたために、処理する排水の量に対してより大きな設置面積が必要であった。
また、比較例1〜3では処理水を公共水域へ廃棄していたのに対し、実施例1〜6では膜透過水をテレフタル酸製造プロセスへ供給することにより、テレフタル酸製造プロセスで使用する水を大幅に削減することが可能であった。
(実施例7)
実施例1〜6とは異なり、好気性活性汚泥処理を2段処理ではなく1段処理にて行った実施例である。上記説明した図3に記載のテレフタル酸製造プロセスにより、p−キシレンを原料としてテレフタル酸を製造した。酸化反応工程においては水及び酢酸を溶媒として用い、酢酸コバルトを触媒として用いて、粗テレフタル酸スラリーを得た。該粗テレフタル酸を水素添加処理工程において水素添加により還元した。ただし一般的な曝気槽及び沈殿槽を備えてなる好気性活性汚泥処理システム21(図3)に代えて、図6に示す、沈殿槽を有しない排水処理システム210を用いた。排水処理システム210は、曝気槽1011内にMF膜分離装置105を備えている。テレフタル酸製造プロセスの各工程から発生した排水は曝気槽1011において、槽底部に備えられた散気装置(ディフューザー)132から空気が吹き込まれることによって活性汚泥処理される。なお散気装置132にはブロアー133から給気管134を介して空気が供給されており、また生じた余剰汚泥は槽底部から引き抜くことが可能にされている(経路156)。曝気槽1011においてはMF膜分離装置105により膜分離処理が行われ、該膜分離処理された水a’は送水ポンプ136を介してRO膜分離装置106に供給される。なおMF膜分離装置105の下流側系統159の水圧は圧調整ポンプ137によって調整されている。RO膜分離装置106における膜透過水b’は再利用水槽107に回収される。RO膜分離装置106における濃縮水c’(図3における27’に相当)は、公共水域へ放流されることになる。
本実施例においても上記実施例1〜6同様、濃縮水c’はCODCr値を測定した後に公共水域へ放流した。各槽の容量及び装置出口における水質等の値を表2に示す。なお表2中、実施例7〜12について「第1沈殿槽」の項目に「返送汚泥量」の数値を記載しているが、これは曝気槽から引き抜いた余剰汚泥の量を便宜的に記載したものであって、実施例7〜12においては沈殿槽は使用していない。
再利用水槽107に回収された膜透過水b’は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
RO膜分離装置の膜透過水量を5040m3/日とした以外は実施例7と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
排水処理システムに供した排水の量を6200m3/日とし、RO膜分離装置の膜透過水量を3720m3/日とした以外は実施例7と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
RO膜分離装置の膜透過水量を4340m3/日とした以外は実施例9と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
排水処理システムに供した排水の量を5430m3/日とし、RO膜分離装置の膜透過水量を3258m3/日とした以外は実施例7と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
RO膜分離装置の膜透過水量を3801m3/日とした以外は実施例11と同様にしてテレフタル酸を製造した。再利用水槽107に回収された膜透過水は、テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することができた。
実施例7において、MF膜分離装置105及びRO膜分離装置106を使用せず、上記比較例1同様に第1曝気槽、第1沈降槽、第2曝気槽及び第2沈殿槽を使用して排水処理システムを構成した比較例である。該第2沈殿槽の上澄み液の水質を測定したが、テレフタル酸製造プロセスにおけるプロセス水としての使用はおろか冷却水としての使用についても好適な水質ではなかった。
実施例7〜12は、回収した膜透過水の水質が良好であった。また、水の滞留時間が短いため、処理する排水の量に対して設置面積を小さくできた。一方、膜分離を用いない比較例4は、処理水の水質は実施例7〜12のRO膜分離装置濃縮水と同程度であるが、システムが大きいために広い設置面積が必要であった。
また、比較例4では処理水を公共水域へ廃棄していたのに対し、実施例7〜12では膜透過水をテレフタル酸製造プロセスへ供給することにより、テレフタル酸製造プロセスで使用する水を大幅に削減することが可能であった。
12 第1固液分離装置
13 水素添加処理装置
14 晶析装置
15 第2固液分離装置
16 乾燥装置
17 溶媒回収装置
18 酢酸等回収装置
19 触媒回収・再生装置
20 p−トルイル酸等回収装置
21 好気性活性汚泥処理装置
11’ 粗テレフタル酸スラリー
12’ 粗テレフタル酸
13’ 水素添加処理液
14’ テレフタル酸スラリー
15’ テレフタル酸ケーキ
16’ テレフタル酸
17’ 酸化排ガス洗浄水
18’ 酸化反応母液(パージ分)
19’ 蒸発溶媒
20’ 母液濃縮スラリー
21’ 酢酸メチル回収塔底液
22’ 再生触媒回収分離母液
23’ 晶析時発生凝縮水
24’ テレフタル酸分離母液
25’ p−トルイル酸等分離母液
26’ ベントガス洗浄水
27’ 放流水
210 排水処理システム
511 酸化反応装置
512 追酸化反応装置
513 固液分離装置
514 乾燥装置
515 溶媒回収装置
516 酢酸等回収装置
517 触媒回収・再生装置
518 好気性活性汚泥処理装置
51’ 粗テレフタル酸スラリー
52’ テレフタル酸スラリー
53’ テレフタル酸ケーキ
54’ テレフタル酸
55’ 酸化排ガス洗浄水
56’ 追酸化排ガス洗浄水
57’ 酸化反応母液(パージ分)
58’ 蒸発溶媒
59’ 母液濃縮スラリー
60’ 酢酸メチル回収塔底液
61’ 再生触媒回収分離母液
62’ ベントガス洗浄水
63’ 放流水
100、200、1000 活性汚泥処理装置
101、1010 第1曝気槽
1011 曝気槽
102、1020 第1沈殿槽
103、103a、1030 第2曝気槽
104、104a、1040 第2沈殿槽
105、1050 MF膜分離装置
106 RO膜分離装置
107、1070 再利用水槽
108、1080 吸着剤処理装置
110 UF膜分離装置
1060 NF膜分離装置
132 散気装置(ディフューザー)
133 ブロアー
136 送水ポンプ
137 圧調整ポンプ
a、r、a’ MBR処理水
b、k、b’ RO膜透過水
c、j、c’ RO膜濃縮水
d、l、u 工業用水(冷却水)
e、m、v 吸着精製水
f、n、w 吸着剤処理排水
h 活性汚泥処理水
i UF膜透過水
o UF膜洗浄排水
s NF膜透過水
t NF膜濃縮水
Claims (10)
- テレフタル酸製造プロセスから発生する排水を活性汚泥処理を行いながら、及び/又は、前記活性汚泥処理を行った後に、膜分離処理により膜透過水とする工程と、
前記膜透過水を回収する工程と、
を有することを特徴とするテレフタル酸の製造方法。 - 前記テレフタル酸製造プロセスが、
p−キシレンを酸化し粗テレフタル酸とする工程、及び、
該粗テレフタル酸を精製しテレフタル酸とする工程
を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載のテレフタル酸の製造方法。 - 前記粗テレフタル酸を精製する工程が、水素添加処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のテレフタル酸の製造方法。
- 前記粗テレフタル酸を精製する工程が、追加的な酸化反応を行う工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のテレフタル酸の製造方法。
- 前記活性汚泥処理が、好気性活性汚泥処理、又は、好気性活性汚泥処理と嫌気性活性汚泥処理との組み合わせのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
- 前記排水のCODCr値が10,000mg/L以下であり、且つBOD5値が2,000mg/L以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
- 前記膜分離処理を、メンブレンバイオリアクター、限外濾過膜装置、及び逆浸透膜装置からなる群より選ばれる少なくとも1種の膜分離装置により行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。
- 前記膜透過水の少なくとも一部に、さらに吸着剤処理を行い、吸着精製水とする工程と、
前記吸着精製水を回収する工程とをさらに有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のテレフタル酸の製造方法。 - 前記吸着剤処理を、活性炭、イオン交換樹脂、合成ゼオライト、シリカアルミナ、ベントナイト、及びアルミン酸アルカリ土類金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の吸着剤により行うことを特徴とする請求項8に記載のテレフタル酸の製造方法。
- 回収した前記膜透過水及び/又は吸着精製水の少なくとも一部を、前記テレフタル酸製造プロセスにおける冷却水及び/又はプロセス水として使用することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のテレフタル酸の製造方法。
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