JPH0871593A - 水処理方法 - Google Patents

水処理方法

Info

Publication number
JPH0871593A
JPH0871593A JP23595194A JP23595194A JPH0871593A JP H0871593 A JPH0871593 A JP H0871593A JP 23595194 A JP23595194 A JP 23595194A JP 23595194 A JP23595194 A JP 23595194A JP H0871593 A JPH0871593 A JP H0871593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
membrane
hydrogen peroxide
biologically treated
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23595194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3221801B2 (ja
Inventor
Masahiro Eguchi
正浩 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Organo Corp, Japan Organo Co Ltd filed Critical Organo Corp
Priority to JP23595194A priority Critical patent/JP3221801B2/ja
Publication of JPH0871593A publication Critical patent/JPH0871593A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3221801B2 publication Critical patent/JP3221801B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 好気性生物膜処理装置による処理を行った生
物処理水を膜分離装置で処理する場合において、膜分離
装置の運転を停止することなく、膜分離処理を行いなが
ら、分離膜の膜ろ過効率を改善する。そして、膜分離装
置の高フラックスの維持、薬品洗浄の頻度低減を図り、
水処理効率の向上、水処理システムの安定運転を達成す
る。 【構成】 好気性生物膜処理装置20による処理を行っ
た生物処理水に、過酸化水素水注入ユニット26から過
酸化水素水を添加し、生物処理水中の過酸化水素濃度を
1〜100mg/リットルとする。次いで、この生物処
理水を膜分離装置34に導入する。あるいは、膜分離装
置34の逆洗時において、逆洗用洗浄水に過酸化水素濃
度が1〜100mg/リットルとなるように過酸化水素
水を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、好気性生物膜処理装置
による処理を行った生物処理水をさらに分離膜を用いた
膜分離装置で処理する水処理方法に関し、特に、半導体
工場等における洗浄用超純水の回収、再利用に有効に使
用することができる水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体工場や液晶工場では、洗浄用等の
プロセス用水として超純水が使用されているが、近年、
水資源の確保及びコストダウンの観点から、この超純水
の排水を回収して再利用することが行われている。この
際、超純水の回収水中には、TOCとして1〜10mg
C/リットル程度の有機物が含有されているため、回収
水から有機物を除去した後、分離膜、活性炭、イオン交
換樹脂などによる処理を行い、純水あるいは超純水とし
て再利用している。回収水中に含まれる有機物の除去手
段としては、かっては高圧UV酸化装置が多用されてい
たが、最近では、ランニングコストのより低い好気性生
物膜処理装置の使用が提案されている。
【0003】超純水回収システムに好気性生物膜処理装
置を組み込む場合、菌体分離を目的として、好気性生物
膜処理装置の後段に精密ろ過膜装置、限外ろ過膜装置等
の膜分離装置を設置するが、このように好気性生物膜処
理装置の後段に膜分離装置を設置した場合、膜分離装置
の分離膜が汚染され、膜ろ過効率が低下しやすい。すな
わち、超純水回収システムにおける好気性生物膜処理の
ような低有機物濃度の生物膜処理では、低栄養性細菌が
優先し、その特性として蛋白類、多糖類等の菌体代謝産
物を多く分泌するため、菌体及び菌体代謝産物によって
分離膜の目詰まりが生じると考えられる。
【0004】したがって、好気性生物膜処理装置の後段
に膜分離装置を設置した超純水回収システムでは、好気
性生物膜処理装置からの生物処理水のTOCは0.3〜
1mgC/リットル程度に低下しているにもかかわら
ず、菌体及び菌体代謝産物による汚染によって分離膜に
急激な膜間差圧が生じることがある。
【0005】そのため、従来、上述した超純水回収シス
テムの膜分離装置の運転方法としては、膜透過水や圧縮
空気等を用いた分離膜の洗浄(逆洗)を一定時間間隔で
間欠的に行うと共に、分離膜にある程度以上の膜間差圧
が生じた時点で、薬品を用いた分離膜洗浄を実施して膜
間差圧を回復している。すなわち、従来の超純水回収シ
ステムでは、一定の時間間隔で行われる逆洗と、この逆
洗では除去できない程度に分離膜が汚染された場合に行
われる薬品洗浄とによって、分離膜の膜ろ過効率を改善
し、回収水の処理効率を向上させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した薬品
洗浄工程は、膜分離装置への通水を止めて行う必要があ
り、しかも約3〜6時間という長時間を要する。したが
って、薬品洗浄を行うことは、回収水の処理効率を低下
させることになる。そのため、薬品洗浄を行うことなく
分離膜の膜ろ過効率を改善し得る手段が望まれる。
【0007】一方、生物処理水の膜分離を行う際の膜ろ
過効率を改善する方法として、生物処理水に次亜塩素酸
ナトリウム等の塩素剤を添加して膜分離装置に供給する
方法が提案されている。しかし、この方法では、水中で
塩素剤と有機物とが反応してトリクロロエチレン等の有
機塩素化合物を生成することがある。このように有機塩
素化合物が生成した場合、超純水回収システムにおいて
膜分離装置の後段に設置したイオン交換装置や逆浸透膜
装置では、有機塩素化合物の除去率が悪いため、得られ
る純水あるいは超純水の水質が低下する。また、この方
法は、塩素に対して耐久性の高い分離膜にしか適用でき
ない上、超純水回収システムにて使用する場合、塩素を
添加することは後段のイオン交換樹脂に対してイオン負
荷を与えることになり、好ましくない。
【0008】本発明は、これらの実情を解決する手段と
して開発されたもので、好気性生物膜処理装置による生
物処理水を膜分離装置で膜分離処理する場合において、
膜分離装置の運転を停止することなく膜分離処理を行い
ながら分離膜の膜ろ過効率を改善することができ、しか
も生物処理水に塩素剤を添加する方法のように有機塩素
化合物を生成させることのない水処理方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意検討を行った結果、膜分離装置に導
入する水に過酸化水素水を添加し、この水中の過酸化水
素濃度を特定の範囲としてから膜分離装置に供給した場
合、分離膜の膜ろ過効率が効果的に改善されることを見
い出し、本発明をなすに至った。
【0010】すなわち、本発明は、第1発明として、好
気性生物膜処理装置による処理を行った生物処理水を膜
分離装置で処理する水処理方法において、前記生物処理
水に過酸化水素濃度が1〜100mg/リットルとなる
ように過酸化水素水を添加した後、該生物処理水を膜分
離装置に供給することを特徴とする水処理方法を提供す
る(請求項1)。
【0011】また、本発明は、第2発明として、好気性
生物膜処理装置による処理を行った生物処理水を膜分離
装置で処理する水処理方法において、前記膜分離装置の
分離膜の逆洗を行うに当たり、逆洗用洗浄水に過酸化水
素濃度が1〜100mg/リットルとなるように過酸化
水素水を添加した後、該逆洗用洗浄水で分離膜の逆洗を
行うことを特徴とする水処理方法を提供する(請求項
2)。
【0012】以下、本発明につきさらに詳しく説明す
る。本発明では、好気性生物膜処理装置による処理を行
った生物処理水を膜分離装置で処理する。この場合、好
気性生物膜処理装置としては、例えば、粒状活性炭、球
状活性炭、繊維状活性炭等の微生物付着担体上に好気性
生物膜を形成したものを用いた生物膜処理装置が挙げら
れる。また、膜分離装置としては、例えば、分離膜とし
て精密ろ過膜(MF)、限外ろ過膜(UF)、逆浸透膜
(RO)等を用いたものが挙げられる。分離膜の形状と
しては、中空糸状、スパイラル状、管状等が挙げられ
る。
【0013】本発明では、生物処理水中(第1発明)あ
るいは逆洗用洗浄水中(第2発明)の過酸化水素濃度が
1〜100mg/リットルとなるようにこれらの水に過
酸化水素水を添加する。過酸化水素濃度が1mg/リッ
トル未満では膜ろ過効率の改善効果が不十分である。ま
た、過酸化水素濃度が100mg/リットルを超えると
菌体の破壊が著しくなり、かえって膜ろ過効率が悪くな
ると共に、膜透過水の水質が低下する。生物処理水ある
いは逆洗用洗浄水の過酸化水素濃度のより好ましい値は
5〜80mg/リットル、特に40〜60mg/リット
ルである。
【0014】第1発明において、生物処理水への過酸化
水素水の添加は、連続的に行ってもよく、間欠的に行っ
てもよい。これらは、生物処理水への過酸化水素水の添
加による膜ろ過効率の改善の度合いを考慮して適宜決定
する。また、間欠的に過酸化水素水の添加を行う場合の
添加時間間隔、添加時間も、同様に膜ろ過効率の改善の
度合いを考慮して決定する。
【0015】生物処理水に過酸化水素水を添加する態様
としては、分離膜の膜間差圧が所定値より上昇した後に
生物処理水への過酸化水素水の添加を開始し、引き続き
膜間差圧が好ましい値に低下するまで生物処理水に過酸
化水素水を連続的に添加する態様を採用することもでき
る。この態様によれば、膜分離装置への通水を行いなが
ら膜間差圧を回復し、膜ろ過効率を改善することが可能
である。
【0016】第2発明において、過酸化水素水を添加す
る逆洗用洗浄水としては、膜分離装置の膜透過水や被処
理水、あるいは他の洗浄水が挙げられる。定期的な逆洗
は、所定時間間隔で所定時間行うもので、例えば30〜
60分位膜分離を行ってから2〜3分程度行うものであ
る。第2発明では、全ての逆洗時において逆洗用洗浄水
に過酸化水素水を添加することが好ましい。すなわち、
逆洗は高い頻度で行われるので、逆洗の度毎に逆洗用洗
浄水に過酸化水素水を添加することにより、膜ろ過効率
の改善を効果的に達成することができる。ただし、逆洗
用洗浄水への過酸化水素水の添加は一部の逆洗時にのみ
行ってもよく、これらは逆洗用洗浄水への過酸化水素水
の添加による膜ろ過効率の改善の度合いを考慮して選択
する。
【0017】本発明では、膜分離処理時における生物処
理水への過酸化水素水の添加及び逆洗時における逆洗用
洗浄水への過酸化水素水の添加の両方を行うようにして
もよい。
【0018】本発明の水処理方法は、超純水の回収水を
処理して再利用する場合に特に有効な方法である。ま
た、排水の高度処理や浄水場の処理などのように、比較
的TOC濃度の低い水の処理にも適用可能である。
【0019】
【作用】半導体工場や液晶工場で使用される超純水の回
収水には、TOCとして1〜10mgC/リットル程度
の有機物が含有されている。これらの有機物を分解する
手段としては、低栄養性細菌を利用した好気性生物膜処
理が有効な手段であるが、その生物処理水中には後段の
分離膜の目詰まりを起こしやすい菌体及び菌体代謝産物
が多量に含有されている。このような生物処理水の膜分
離を行う場合、膜ろ過効率を挙げる方法として生物処理
水に塩素剤を添加する方法があるが、この方法では有機
塩素化合物を生成する可能性があり、また後段のイオン
交換樹脂にイオン負荷を与える。
【0020】これに対して、好気性生物膜処理装置によ
る処理を行った生物処理水に過酸化水素水を注入し、過
酸化水素濃度を1〜100mg/リットルにした後、膜
ろ過装置に通水することにより、微生物の増殖作用及び
膜への付着力を弱めることができ、また過酸化水素によ
り膜面上のゲル及び膜中の目詰まり物質の酸化分解を行
うことができる。そして、これらの効果により膜ろ過効
率が向上し、分離膜の薬品洗浄頻度の低減及び高フラッ
クスの維持が可能となる。しかも、処理水の水質を低下
させる有機塩素化合物が生成することもない。
【0021】また、膜分離装置の通常の逆洗時に使用す
る逆洗用洗浄水、例えば膜透過水や被処理水に過酸化水
素濃度が1〜100mg/リットルとなるように過酸化
水素水を添加した後、この逆洗用洗浄水で分離膜の逆洗
を行う方法においても、同様の効果を得ることができ
る。
【0022】なお、従来、分離膜が目詰まりしたときに
行う薬品洗浄の成分として過酸化水素を1%以上の濃度
で使用することは知られている。また、過酸化水素の殺
菌作用も知られているが、効果を期待するためには10
%以上の高濃度を必要とする。しかし、生物処理水や逆
洗用洗浄水への1〜100mg/リットル程度の微量の
過酸化水素水の注入が膜ろ過効率に及ぼす効果について
は、これまで検討されていなかった。
【0023】そこで、本発明者は、生物処理水や逆洗用
洗浄水への微量の過酸化水素水の注入及びそのときの過
酸化水素濃度と膜ろ過特性改善効果との関係について検
討を行った。その結果、膜ろ過効率を向上させるのに最
適な過酸化水素濃度が存在し、したがって生物処理水や
逆洗用洗浄水の過酸化水素濃度を上記の最適な範囲とし
てから膜分離装置に導入することにより、生物処理水の
膜分離装置への通水と分離膜の逆洗とからなる通常の膜
分離処理を行いながら膜ろ過特性を改善できることを見
い出し、本発明を完成したものである。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。図
1は、本発明方法の実施に用いる水処理システムの一例
を示すフロー図である。この水処理システムは、半導体
製造プロセスにおいて、半導体ウェハ等の洗浄に用いた
超純水の回収水を原水として水処理を行う超純水回収シ
ステムである。
【0025】図1において、2は原水導入管、4は原水
槽、6は連結配管、8はポンプ、10はpH調整槽、1
2はpH調整槽10に接続された酸・アルカリ注入ユニ
ット、14は連結配管、16はポンプ、18は連結配管
14に接続された窒素・リン注入ユニット、20は好気
性生物膜処理装置、22は好気性生物膜処理装置20に
接続された空気導入管、24は連結配管、26は連結配
管24に接続された過酸化水素水注入ユニット、28は
生物処理水槽、30は連結配管、32はポンプ、34は
精密ろ過膜装置、限外ろ過膜装置、逆浸透膜装置等の膜
分離装置、36は膜分離装置34の濃縮水を生物処理水
槽28に循環する循環配管、38は連結配管、40は処
理水槽、42は処理水排出管を示す。なお、循環配管3
6は、膜分離装置34の種類に応じて必要により設けら
れる。
【0026】本システムによる水処理は、下記のように
行われる。 (1)原水導入管2から原水槽4に導入された原水は、
pH中和槽10に送水され、ここで酸・アルカリ注入ユ
ニット12から酸又はアルカリが添加されて中和され
る。中和後の水は、窒素・リン注入ユニット18により
生物処理に必要な窒素及びリンが必要量添加された後、
好気性生物膜処理装置20に供給される。
【0027】(2)好気性生物膜処理装置20では、生
物処理に必要な酸素を供給するために空気導入管22か
ら被処理水中に空気が吹き込まれた状態で、内部に充填
されている微生物付着担体の表面に着生した微生物の働
きによって生物処理が行われる。これにより、被処理水
中の有機物が分解される。
【0028】(3)有機物が分解された生物処理水に
は、過酸化水素水注入ユニット26から過酸化水素水が
添加される。これにより、生物処理水中の過酸化水素濃
度が1〜100mg/リットルに調整される。この場
合、生物処理水への過酸化水素水の添加は、連続的に行
ってもよく、間欠的に行ってもよい。
【0029】(4)過酸化水素水が添加された生物処理
水は、生物処理水槽28を経て膜分離装置34に供給さ
れ、膜分離が行われる。この場合、本システムでは生物
処理水に濃度1〜100mg/リットルの過酸化水素が
含有されているため、膜分離装置34の膜ろ過効率が改
善され、膜分離処理が効率良く行われる。膜分離装置3
4の膜透過水は、処理水槽40を経て排出されるが、こ
の処理水には必要に応じて活性炭塔、逆浸透膜装置、イ
オン交換樹脂塔等による処理が行われ、純水、超純水と
して再利用される。
【0030】(5)また、本システムでは、前述した生
物処理水への過酸化水素水の添加と共に、あるいは生物
処理水への過酸化水素水の添加を行うことなく、逆洗時
において逆洗用洗浄水に過酸化水素濃度が1〜100m
g/リットルとなるように過酸化水素水を添加すること
ができる。なお、該逆洗は、過酸化水素濃度が上記範囲
に調整された逆洗水を、膜分離装置の透過水側から原水
供給側に逆流させることによって行う。
【0031】次に、実験例を示す。 [実験例1]生物処理水への過酸化水素水の添加が精密
ろ過膜装置の膜ろ過効率に与える効果を調べるため、下
記の条件で実験を行った。 原水:TOCとしてイソプロピルアルコール4mgC/
リットルを含有する水 生物膜処理装置:固定床式好気性生物膜処理装置 膜分離装置:孔径0.2μmのポリプロピレン製精密ろ
過膜を用いた膜分離装置
【0032】上記原水を生物膜処理装置によって生物処
理し、過酸化水素水を生物処理水に添加した後、膜分離
装置による処理を行った系[A]と、過酸化水素水を添
加しない以外は同様の処理を行った系[B]について、
それぞれ定流量運転(100リットル/m2/hr)を
行い、膜分離装置の膜間差圧を測定した。
【0033】ただし、系[A]においては、50日目ま
で過酸化水素濃度が10mg/リットルとなるように生
物処理水に連続的に過酸化水素水を添加し、51〜70
日目では過酸化水素水の添加を停止し、71〜100日
目では再び過酸化水素濃度が10mg/リットルとなる
ように生物処理水に連続的に過酸化水素水を添加した。
また、系[B]においては、膜間差圧が100KPaに
達した後、過酸化水素濃度が10mg/リットルになる
ように生物処理水に連続的に過酸化水素水を添加した。
結果を図2に示す。図2において、Aは系[A]の結
果、Bは系[B]の結果である。
【0034】系[A]及び[B]の結果より、過酸化水
素濃度が10mg/リットルになるように生物処理水に
過酸化水素水を添加することにより、過酸化水素水を添
加しない場合に比べて分離膜の膜ろ過効率が大幅に改善
されることがわかる。
【0035】また、系[A]の結果より、過酸化水素水
の供給を途中で停止してもすぐには膜間差圧が上昇せ
ず、生物処理水への過酸化水素水の添加は間欠的に行っ
ても効果があることが明らかになった。
【0036】さらに、系[B]の結果より、膜間差圧が
上昇した時点で生物処理水に過酸化水素水を注入するこ
とにより、膜間差圧の低下が認められ、したがって膜分
離装置の運転を続けながら膜の洗浄を行い、劣化した膜
間差圧を回復することが可能であることが明らかになっ
た。これまで膜の薬品洗浄は、通常1〜3ヶ月に1度の
頻度で実施していたが、上記方法により薬品洗浄の頻度
を6〜12ヶ月に1度の頻度に低減することが可能とな
り、水回収率の上昇及び回収システムの安定運転に大き
く貢献すると考えられる。
【0037】[実験例2]生物処理水中の過酸化水素濃
度と、分離膜のろ過比抵抗との関係を検討した。 生物処理水:混合培養系の菌を用いた活性汚泥処理水の
上澄み水 菌数=2×106個/ml 膜分離装置:孔径0.2μmの酢酸セルロース系精密ろ
過膜(アドバンテック社製)を用いた膜分離装置 ろ過方法:定圧加圧ろ過
【0038】上記の条件で、生物処理水への過酸化水素
水添加量を変えながらろ過を行い、過酸化水素濃度とろ
過比抵抗との関係を調べた。結果を図3に示す。図3よ
り、過酸化水素濃度が1〜100mg/リットルの範囲
で膜ろ過効率が改善され、100mg/リットルを超え
ると逆に膜ろ過効率が悪くなることが明らかである。
【0039】[実験例3]以下の条件で、生物処理水へ
の過酸化水素水の添加及び次亜塩素酸塩の添加が超純水
製造システムに及ぼす影響について検討した。 原水:TOCとしてイソプロピルアルコール4mgC/
リットルを含む水 超純水製造システム:原水→生物膜処理装置→限外ろ過
膜装置→活性炭吸着塔→逆浸透膜装置→イオン交換装
置→限外ろ過膜装置 生物膜処理装置:固定床式好気性生物膜処理装置 限外ろ過膜装置:ポリアクリロニトリル製限外ろ過
膜を用いた膜分離装置
【0040】上記の超純水製造システムにおいて、生物
膜処理装置と限外ろ過膜装置との間で生物処理水に過
酸化水素濃度が1mg/リットルとなるように過酸化水
素水を連続的に添加したシステム[X]、及び、同じ箇
所で生物処理水中に次亜塩素酸ナトリウムを残留塩素濃
度が1mg/リットルとなるように連続的に添加したシ
ステム[Y]とにより、それぞれ超純水を製造した。
【0041】その結果、末端超純水(限外ろ過膜装置
による処理後の処理水)のTOCは、システム[X]で
は1μgC/リットル、システム[Y]では3μgC/
リットルであった。これらの末端超純水中の有機塩素化
合物をそれぞれGC−MSで測定したところ、システム
[X]の超純水からは、有機塩素化合物は検出されなか
った。これに対し、システム[Y]の超純水からは、T
OCとして約2μgC/リットルのトリクロロエチレン
が検出された。
【0042】上記の結果から、生物処理水への次亜塩素
酸塩の添加により有機塩素化合物が生成し、これが末端
超純水にリークしてその水質を低下させることが明らか
になった。一方、生物処理水への過酸化水素水の添加
は、末端超純水の水質を低下させないものであった。
【0043】
【発明の効果】本発明の水処理方法によれば、好気性生
物膜処理装置による生物処理水を膜分離装置で処理する
場合において、膜分離装置の運転を停止することなく、
通常の膜分離処理を行いながら、分離膜の膜ろ過効率を
改善することができる。したがって、本発明によれば、
膜分離装置の高フラックスの維持、薬品洗浄の頻度低減
が可能となり、水処理効率の向上、水処理システムの安
定運転を達成することができる。さらに、膜ろ過効率を
向上させて高いフラックスを得ることにより、システム
のコストダウン及びスペースダウンにもつながる。
【0044】また、本発明方法は、塩素剤を用いる方法
のように有機塩素化合物を生成させることがなく、超純
水回収システムに適用した場合に得られる純水あるいは
超純水の水質低下を生じさせることがない上、塩素に対
して耐久性のない分離膜にも適用できる。したがって、
本発明は、半導体工場や液晶工場のプロセス用水として
使用される超純水の回収システムにおいてきわめて有効
な水処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施に用いる水処理システム
の一例を示すフロー図である。
【図2】図2は、生物処理水に過酸化水素水を添加した
場合及び添加しない場合における分離膜の膜間差圧の変
化を示すグラフである。
【図3】図3は、生物処理水の過酸化水素濃度とろ過比
抵抗との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
4 原水槽 10 pH調整槽 12 酸・アルカリ注入ユニット 18 窒素・リン注入ユニット 20 好気性生物膜処理装置 26 過酸化水素水注入ユニット 28 生物処理水槽 34 膜分離装置 40 処理水槽

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 好気性生物膜処理装置による処理を行っ
    た生物処理水を膜分離装置で処理する水処理方法におい
    て、前記生物処理水に過酸化水素濃度が1〜100mg
    /リットルとなるように過酸化水素水を添加した後、該
    生物処理水を膜分離装置に供給することを特徴とする水
    処理方法。
  2. 【請求項2】 好気性生物膜処理装置による処理を行っ
    た生物処理水を膜分離装置で処理する水処理方法におい
    て、前記膜分離装置の分離膜の逆洗を行うに当たり、逆
    洗用洗浄水に過酸化水素濃度が1〜100mg/リット
    ルとなるように過酸化水素水を添加した後、該逆洗用洗
    浄水で分離膜の逆洗を行うことを特徴とする水処理方
    法。
JP23595194A 1994-09-05 1994-09-05 水処理方法 Expired - Fee Related JP3221801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23595194A JP3221801B2 (ja) 1994-09-05 1994-09-05 水処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23595194A JP3221801B2 (ja) 1994-09-05 1994-09-05 水処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0871593A true JPH0871593A (ja) 1996-03-19
JP3221801B2 JP3221801B2 (ja) 2001-10-22

Family

ID=16993636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23595194A Expired - Fee Related JP3221801B2 (ja) 1994-09-05 1994-09-05 水処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3221801B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003024754A (ja) * 2001-07-17 2003-01-28 Maezawa Ind Inc 膜モジュールの洗浄方法
JP2005058934A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Kurita Water Ind Ltd 生物処理水含有水の処理方法
JP2007152285A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Kurita Water Ind Ltd 液処理方法及び装置
JP2011183274A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Kurita Water Ind Ltd 水処理方法及び超純水製造方法
JP2014094335A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 有機物含有水の処理方法及び処理システム
US8916048B2 (en) 2010-03-05 2014-12-23 Kurita Water Industries Ltd. Water treatment method and method for producing ultrapure water
CN105771689A (zh) * 2016-04-26 2016-07-20 福州大学 一种高抗菌的PVDF/GO/Ag复合膜及其制备方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003024754A (ja) * 2001-07-17 2003-01-28 Maezawa Ind Inc 膜モジュールの洗浄方法
JP2005058934A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Kurita Water Ind Ltd 生物処理水含有水の処理方法
JP2007152285A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Kurita Water Ind Ltd 液処理方法及び装置
JP4591703B2 (ja) * 2005-12-07 2010-12-01 栗田工業株式会社 液処理方法及び装置
JP2011183274A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Kurita Water Ind Ltd 水処理方法及び超純水製造方法
US8916048B2 (en) 2010-03-05 2014-12-23 Kurita Water Industries Ltd. Water treatment method and method for producing ultrapure water
JP2014094335A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 有機物含有水の処理方法及び処理システム
CN105771689A (zh) * 2016-04-26 2016-07-20 福州大学 一种高抗菌的PVDF/GO/Ag复合膜及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3221801B2 (ja) 2001-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1900417B1 (en) Method of bacteriostasis or disinfection for permselective membrane
JP2001070967A (ja) 洗濯排水の浄化システム
JPH0663592A (ja) 超純水製造装置
JP3227863B2 (ja) 超純水の製造方法
CN110104902A (zh) 一种阳极氧化废水处理系统
KR101279695B1 (ko) 생물 처리수 함유수의 처리 방법 및 처리 장치
JPH05329477A (ja) 膜分離方法
JP2009006209A (ja) 中空糸膜モジュールの洗浄方法
JP3221801B2 (ja) 水処理方法
JP2001038390A (ja) 超純水の製造方法
JPH0649190B2 (ja) 高純度水の製造装置
JP3651306B2 (ja) 微量有機物含有水の処理方法及び処理装置
JPH10192851A (ja) 浄水処理装置
JPH08150400A (ja) 有機物含有酸性排水処理装置
JP2009189943A (ja) 水処理方法および水処理装置
JP3387311B2 (ja) 超純水製造装置
JP3746803B2 (ja) 半導体洗浄排水の回収方法
KR101054613B1 (ko) 생물처리공정과 막분리공정이 결합된 단일반응조를 이용한 하폐수 재활용수 생산장치
JP3896687B2 (ja) マンガン含有水処理装置
JP2003340247A (ja) 水処理装置および方法
WO2014087991A1 (ja) 有機性汚水の処理方法および処理装置
JPH09294977A (ja) 純水製造装置
JPS6331592A (ja) 超純水製造方法
JP2002035554A (ja) 水処理方法および水処理装置
JP3609470B2 (ja) 水の浄化方法および浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080817

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080817

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090817

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090817

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120817

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees