JP2014004524A - 印刷装置、及び印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印刷方法は、液状体を液滴として吐出する吐出ノズルを備える吐出ヘッドと被印刷媒体とを相対移動させると共に、吐出ノズルから液滴を吐出させることによって、被印刷媒体上に液状体を配置し、画像を形成する印刷方法であって、被印刷媒体の変形形状パターンを記憶するパターン形状記憶工程と、被印刷媒体の少なくとも一点の位置情報を検出する検出工程と、検出された位置情報を変形形状パターンと照合して、被印刷媒体の変形形状を算出し、変形形状から、ノズル面と被印刷面との距離を算出するヘッド距離算出工程と、ノズル面と被印刷面との距離に応じて液滴の着弾位置を制御して被印刷面に着弾させる液状体配置工程と、を有する。
【選択図】図11
Description
吐出ヘッドは、被印刷媒体に対して相対移動しながら、着弾させる位置に対応する地点(タイミング)で、液滴を吐出する。吐出ヘッドから吐出された液滴は、被印刷媒体まで飛行し、被印刷媒体における着弾位置に着弾する。飛行時間は、吐出ヘッドの吐出孔からの液滴の吐出方向における吐出孔と被印刷媒体における着弾位置との距離(以降、「ヘッドギャップ」と表記する。)を液滴の飛行速度で除した時間である。吐出ヘッドと被印刷媒体との相対移動方向における、吐出孔と着弾位置との距離は、相対移動速度と飛行時間との積である。したがって、着弾位置の位置精度を高精度に維持するためには、相対移動速度と飛行時間とを一定に維持することが必要である。
しかし、自重や印刷の前処理工程における加熱などに起因して反りが発生するなど、被印刷媒体が変形する場合がある。被印刷媒体が変形してしまった場合には、ヘッドギャップが一定ではなくなるため、液滴の飛行時間が一定ではなくなる。これに起因して、着弾位置精度が損なわれる場合があった。
被印刷媒体の変形形状と、媒体保持手段と吐出ヘッドとの位置関係とから、ノズル面と被印刷面との距離を算出することができる。ノズル面と被印刷面との距離を直接計測する場合にくらべて、当該距離を迅速に求めることができる。また、ノズル面と被印刷面との距離の算出は、吐出ヘッドからの吐出に先立って予め実施できるため、距離の算出を実施することに起因して印刷速度が低下することを、実質的になくすることができる。
制御手段によって、変形形状に対応するノズル面と被印刷面との距離に応じて吐出ヘッド及び相対移動手段の少なくとも一方を制御することで、被印刷媒体が変形することによって生じたノズル面と被印刷面との距離の変化に対応して、液滴の着弾位置を補正することができる。これにより、当該距離の変化に起因する着弾位置のずれを抑制することができる。すなわち、被印刷媒体が変形することに起因して印刷品質が損なわれることを抑制することができる。
被印刷媒体の変形形状と、媒体保持手段と吐出ヘッドとの位置関係とから、ノズル面と被印刷面との距離を算出することができる。ノズル面と被印刷面との距離を直接計測する場合にくらべて、当該距離を迅速に求めることができる。また、ノズル面と被印刷面との距離の算出は、吐出ヘッドからの吐出に先立って予め実施できるため、距離の算出を実施することに起因して印刷速度が低下することを、実質的になくすることができる。
液状体配置工程において、変形形状に対応するノズル面と被印刷面との距離に応じて液滴の着弾位置を制御することで、被印刷媒体が変形することによって生じたノズル面と被印刷面との距離の変化に対応して、液滴の着弾位置を補正することができる。これにより、当該距離の変化に起因する着弾位置のずれを抑制することができる。すなわち、被印刷媒体が変形することに起因して印刷品質が損なわれることを抑制することができる。
最初に、画像の印刷に用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を精度よく配置できるという利点を有する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。
このうち、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって液状の材料を貯留した空間に可撓性を有する材料で形成された部材を介して圧力を与え、この空間から液状材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。ピエゾ方式は、液状材料を加熱することがないため、材料の組成などへの影響が少ないという利点を有する。また、駆動電圧を調整することによって液滴の大きさを容易に調整することができたり、駆動波形の形状を調整することによって、液滴の飛行速度を調整することができたりするなどの利点を有する。本実施形態では、材料の組成などに影響を与えないため液状材料選択の自由度が高いこと、及び液滴の大きさや飛行速度を容易に調整することができるため液滴の制御性がよいことから、上記ピエゾ方式を用いる液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置を例にして説明する。
次に、被印刷媒体としてのマーキング対象物について、図1を参照して説明する。図1は、マーキング対象物と、マーキング対象物に印刷されたマーキング画像とを示す説明図である。図1(a)は、マーキング画像が印刷された半導体パッケージを示す説明図であり、図1(b)は、半導体パッケージが保持基板上に整列させられたパッケージ印刷体を示す説明図であり、図1(c)は、半導体チップに印刷されたマーキング画像を示す説明図であり、図1(d)は、半導体チップが保持基板上に整列させられた状態を示す説明図である。
図1(b)に示したように、半導体パッケージ11を保持基板12の上に整列させて仮固定し、パッケージ印刷体10を構成する。パッケージ印刷体10に印刷する画像を、パッケージ印刷画像110Aと表記する。パッケージ印刷体10を、液滴吐出装置1(図3参照)の媒体載置台30(図3参照)に載置して、パッケージ印刷体10にパッケージ印刷画像110Aを印刷することで、半導体パッケージ11にパッケージ画像110を印刷する。パッケージ印刷体10が、被印刷媒体に相当する。
図1(d)に示したように、半導体チップ16を保持基板17の上に整列させて仮固定し、チップ印刷体15を構成する。チップ印刷体15に印刷する画像を、チップ印刷画像150Aと表記する。チップ印刷体15を、液滴吐出装置1の媒体載置台30に載置して、チップ印刷体15にチップ印刷画像150Aを印刷することで、半導体チップ16にチップ画像150を印刷する。チップ印刷体15が、被印刷媒体に相当する。
次に、上述したチップ印刷体15のような印刷対象物に、チップ印刷画像150Aのような画像を印刷する印刷システムについて、図2を参照して説明する。図2は、印刷システムの構成を示す説明図である。
チップ印刷体15などは、所定の格納棚(図示省略)に装着される。チップ印刷体15などが装着された格納棚をロード装置105に装填することで、チップ印刷体15などが、印刷システム100に供給される。
印刷システム100における印刷が終了したチップ印刷体15などは、アンロード装置106の待機テーブル(図示省略)上に移動され、アンロード装置106に装填された格納棚に装着される。当該格納棚をアンロード装置106から取り出すことによって、印刷済みのチップ印刷体15などが、印刷システム100から除材される。
入出力装置108は、印刷システム制御装置107に接続されている。入出力装置108は、印刷システム制御装置107の記憶装置に記憶させるプログラムやデータなどを入力するための入力手段として機能する。印刷システム制御装置107は、記憶装置に記憶されたプログラムやデータなどにしたがって、上記した各装置などを制御する。また、入出力装置108は、各装置などの稼働にともなって取得されるデータの出力手段としても、機能する。
表示装置109は、各装置などの稼働状態などを表示する手段として機能する。
次に、液滴吐出装置1の構成の全般について、図3を参照して説明する。図3は、液滴吐出装置の概略構成を示す図である。図3(a)は、液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。図3(b)は、液滴吐出装置の媒体機構部の構成を示す説明図である。
移動枠22を、Y軸走査機構26によってY軸方向に移動させることで、液滴吐出ヘッド20をY軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。
媒体機構部3は、媒体載置台30を、X軸走査機構31によって、X軸方向に移動させることで、媒体載置台30に載置されたワークWをX軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。媒体載置台30が、媒体保持手段に相当する。X軸走査機構31が、相対移動手段に相当する。
発光部33aは、射出した光束330の光軸がY軸方向となる姿勢で、センサー昇降機構34aに保持されている。受光部33bは、光検出面を発光部33a側に向けて、センサー昇降機構34bに保持されている。発光部33aと受光部33bとのZ軸方向の高さ関係は、光束330の光軸が受光部33bの光検出面の中心に一致する状態を、発光部33aと受光部33bとが同じ高さであると表記する。
液滴吐出ヘッド20の検査や保守を実施する際には、ヘッドユニット21(液滴吐出ヘッド20)が、Y軸走査機構を用いて保守装置部5に臨む位置に移動させられる。また、実施する検査又は保守に対応する検査装置又は保守装置が、保守装置走査機構によって、ヘッドユニット21(液滴吐出ヘッド20)に臨む位置に移動させられる。
次に、液滴吐出ヘッド20について、図4を参照して説明する。図4は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す図である。図4(a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図であり、図4(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図であり、図4(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図である。図4に示したY軸方向、及びZ軸方向は、液滴吐出ヘッド20が液滴吐出装置1に装着された状態において、図3に示したY軸方向、又はZ軸方向と一致している。
圧力室プレート51には、液滴吐出ヘッド20に供給される機能液が常に充填される液たまり55が形成されている。液たまり55は、振動板52と、ノズル基板25と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。機能液は、機能液供給部4から液滴吐出ヘッド20に供給され、振動板52の液供給孔53を経由して液たまり55に供給される。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズル基板25と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
圧電素子59は、電極層と圧電材料とを積層した活性部を有している。圧電素子59は、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図4(b)又は(c)における振動板52の厚さ方向)に縮む。電極層に印加されていた駆動電圧が解除されることで、活性部が元の長さに戻る。
次に、上述したような構成を有する液滴吐出装置1を駆動するための電気的構成について、図5を参照して説明する。図5は、液滴吐出装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図である。
液滴吐出装置1は、上述した印刷システム制御装置107を介してデータの入力や、稼働開始や停止などの制御指令の入力を行うことで、制御される。印刷システム制御装置107は、演算処理を行うホストコンピューター66を有し、インターフェイス(I/F)67を介して吐出装置制御部7と接続されている。
駆動機構ドライバー40dには、Y軸走査機構26のヘッド移動モーターと、X軸走査機構31のX軸駆動モーターと、センサー昇降機構34の駆動源と、各種駆動源を有する各種駆動機構を含む駆動機構41とが接続されている。各種駆動機構は、アライメントカメラを移動するためのカメラ移動モーターや、媒体載置台30のθ駆動モーターなどである。駆動機構ドライバー40dは、CPU44からの制御信号に従って上記モーターなどを駆動して、液滴吐出ヘッド20とチップ印刷体15のような印刷対象物とを相対移動させて印刷対象物の任意の位置と液滴吐出ヘッド20とを対向させ、ヘッドドライバー20dと協働して、印刷対象物上の任意の位置に機能液の液滴を着弾させる。
保守検査ドライバー5dは、CPU44からの制御信号に従って、吸引ユニット、又はワイピングユニットを駆動して、液滴吐出ヘッド20の保守作業を実施させる。また、吐出検査ユニットを駆動して、吐出の有無や着弾位置精度などの、液滴吐出ヘッド20の吐出状態の検査を実施させる。また、重量測定ユニットを駆動して、液滴吐出ヘッド20から吐出される機能液の液滴の重量である吐出重量の測定を実施させる。
次に、液滴吐出装置1における液滴吐出ヘッド20からの液滴の吐出制御方法について、図6を参照して説明する。図6は、液滴吐出ヘッドの電気的構成と信号の流れを示す説明図である。
図6に示すように、ヘッドドライバー20dは、FFCケーブルを介して各液滴吐出ヘッド20と電気的に接続されている。また、液滴吐出ヘッド20は、吐出ノズル24(図4参照)ごとに設けられた圧電素子59に対応して、シフトレジスター(SL)85と、ラッチ回路(LAT)86と、レベルシフター(LS)87と、スイッチ(SW)88とを備えている。
次に、圧電素子59に印加する駆動信号(COM)の駆動波形、及び当該駆動波形の駆動信号を印加された圧電素子59の動作による吐出動作について、図7を参照して説明する。図7は、駆動波形の基本波形及び駆動波形に対応した圧電素子の動作を示す図である。図7(a)は、圧電素子に印加する駆動信号の駆動波形の基本波形を示す図であり、図7(b)は、駆動波形に対応した圧電素子の動作による液滴吐出ヘッドの吐出動作を示す模式断面図である。
圧電素子59を中間電位に維持した待機状態では、圧電素子59がわずかに縮んでいる。上述したように、圧電素子59は、一端が振動板52に固定されており、もう一端が固定板54に固定されている。図7(b)に示すように、圧電素子59がわずかに縮むことによって、振動板52が圧電素子59の側に引張られることで、振動板52が圧力室58の反対側に撓んでいる(図7(b)のA)。
また、圧電素子59は、高電位の電圧値によって圧電素子59の変位が一気に零になる際の時間が異なる。このため、当該高電位の電圧値を変えることによって、吐出ノズル24から吐出される液滴の吐出速度を調整することができる。すなわち、吐出された液滴の飛行速度を調整することができる。さらに、吐出前待機状態の時間や、高電位の電圧値や、電圧を降圧させる時間などを総合的に調整することによって、吐出量を一定に維持しながら液滴の吐出速度を調整することも可能である。
圧電素子59の機械振動が収まる時間だけ吐出後待機状態を維持した後、圧電素子59に印加する電圧を中間電位に引き上げて(図7(a)のF)、再び待機状態(中間電位)にする。
次に、液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24と、それぞれの吐出ノズル24から吐出された液滴の着弾位置と、の関係について、図8を参照して説明する。図8は、吐出ノズルと、それぞれの吐出ノズルから吐出された液滴の着弾位置と、の関係を示す説明図である。図8(a)は、吐出ノズルの配置位置を示す説明図であり、図8(b)は、液滴をノズル列の延在方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図8(c)は、液滴を主走査方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図8(d)は、液滴を面状に着弾させた状態を示す説明図である。図8に示したX軸方向及びY軸方向は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図3に示したX軸方向又はY軸方向と一致している。X軸方向が主走査方向であって、図8に示した矢印aの方向に吐出ノズル24(液滴吐出ヘッド20)を相対移動させながら、任意の位置において機能液の液滴を吐出することによって、X軸方向の任意の位置に液滴を着弾させることができる。
最小着弾距離dは、主走査方向の相対移動速度を調整することによって調整可能である。また、最小着弾距離dは、最小吐出間隔を調整することによって調整可能である。
次に、着弾位置に影響を及ぼす各要素を調整することによって、着弾位置を制御する例を、図9及び図10を参照して説明する。図9及び図10は、液滴吐出ヘッドからの吐出位置と被印刷面における着弾位置との関係を、着弾位置に影響を及ぼす各要素とともに示す説明図である。図9(a)は、被印刷面が通常状態の場合の着弾位置と、被印刷面が傾いた場合の着弾位置とを示す説明図であり、図9(b)は、液滴の飛行速度を調整して着弾位置を制御する方法を示す説明図であり、図10(c)は、液滴の吐出周期を調整して着弾位置を制御する方法を示す説明図である。図10(d)は、液滴吐出ヘッドと被印刷物との相対移動速度を調整して着弾位置を制御する方法を示す説明図であり、図10(e)は、液滴吐出ヘッドと被印刷物との距離を調整して着弾位置を制御する方法を示す説明図である。図9及び図10に示したX軸方向、及びZ軸方向は、図3に示したX軸方向、又はZ軸方向と一致している。
液滴吐出ヘッド20と、被印刷面F0との相対移動速度を相対速度U0と表記する。吐出ノズル24から吐出された液滴のZ軸方向の速度を、飛行速度V0と表記する。被印刷面F0に着弾させる場合、吐出位置X1で吐出された液滴は、飛行経路S0を、飛行時間t0(秒)間飛行して、被印刷面F0における着弾位置X0に着弾する。吐出位置X1と着弾位置X0とのX軸方向の距離を距離D0と表記する。X1及びX0は、吐出位置X1又は着弾位置X0のX軸方向の座標値を示している。相対速度U0と、飛行速度V0と、吐出位置X1と、着弾位置X0と、飛行時間t0との関係は、以下のように表せる。
D0=X0−X1
D0=t0×U0
G0=t0×V0
t0=D0/U0=G0/V0
G10=G01−G0
G20=G21−G0
V1=V0×(G01/G0)
飛行速度V1でG01の距離を飛行する飛行時間t2は、以下のように求められる。
t2=G01/V1=G01/(V0×(G01/G0))=G0/V0=t0
したがって、t2=t0であり、この間の相対移動方向(X軸方向)における移動量は、t0×U0=D0である。このように、吐出位置X1において飛行速度V1で吐出された液滴は、飛行経路S2を、飛行時間t0(秒)間飛行して、被印刷面F1における着弾位置X0に着弾する。
このように、液滴のZ軸方向の飛行速度を調整することによって、着弾位置を制御して、ヘッドギャップの変化に起因する着弾位置のずれを抑制することができる。
吐出ノズル24が吐出位置X1に位置する時点を時点T1と表記し、吐出位置X3に位置する時点を時点T3と表記する。吐出位置X3から吐出位置X1まで相対移動する時間を、移動時間t31と表記する。t31=T1−T3である。
吐出位置X3から吐出位置X1までの相対移動距離を移動距離D31と表記する。
D31=t31×U0である。
吐出位置X3から着弾位置X0までの相対移動距離を移動距離D3と表記する。
D3=D31+D0である。
移動時間t31は、飛行速度V0でG10の距離を飛行する時間である。
t31=G10/V0で求められる。
飛行速度V0でG01の距離を飛行する時間を飛行時間t3と表記する。
t3=t31+t0である。
飛行時間t3の間の相対移動距離は、U0×t3である。
U0×t3=U0×(t31+t0)=U0×t31+U0×t0=D31+D0=D3である。
飛行時間t3の間のZ軸方向の移動距離は、V0×t3である。
V0×t3=V0×(t31+t0)=V0×t31+V0×t0=G10+G0=G01である。
液滴の吐出周期を調整することで液滴を吐出する位置を調整することによって、着弾位置を制御して、ヘッドギャップの変化に起因する着弾位置のずれを抑制することができる。
U1=U0×(G0/G01)
相対移動速度U1で相対移動方向(X軸方向)に距離D0飛行する時間を飛行時間t4と表記する。
U1×t4=D0
飛行時間t4の間のZ軸方向の飛行距離は、V0×t4である。
上述したように、次の関係がある。
D0=t0×U0
G0=t0×V0
この関係から、V0×t4を求める。
V0×t4=V0×(D0/U1)=V0×(D0/(U0×(G0/G01)))=V0×(t0×U0)×G01/(U0×t0×V0)=G01
液滴吐出ヘッド20と被印刷面F1との相対移動速度を調整することで液滴を吐出する位置を調整することによって、着弾位置を制御して、ヘッドギャップの変化に起因する着弾位置のずれを抑制することができる。
ヘッドギャップの変化に対応して液滴吐出ヘッド20と被印刷面F1とのヘッドギャップを調整することによって、着弾位置を制御して、ヘッドギャップの変化に起因する着弾位置のずれを抑制することができる。
次に、液滴吐出装置1を用いて、チップ印刷体15などの被印刷媒体に印刷する印刷工程について、図11乃至図14を参照して説明する。ここで説明する印刷工程は、変形した被印刷媒体に対応する印刷工程である。図11は、印刷工程における各工程を示すフローチャートである。図12乃至図14は、被印刷媒体の変形形状パターンを示す説明図である。図12乃至図14に示したX軸方向及びZ軸方向は、図3に示したX軸方向、又はZ軸方向と一致している。
図12に示した変形形状パターン201は、被印刷媒体が円弧状に反った変形形状パターンである。円弧状に反って、両端が媒体載置台30に当接し、中央が高くなったパターンである。
図13に示した変形形状パターン211は、被印刷媒体が中央付近で折れ曲がった変形形状パターンである。両端が媒体載置台30に当接し、中央が高い三角形状の山形になったパターンである。例えば、図1(a)を参照して説明したパッケージ印刷体10は、保持基板12に溝穴が形成されており、強度が小さい溝穴の部分が主に変形し易いため、変形形状パターン211のように変形する可能性がある。
図14に示した変形形状パターン202は、被印刷媒体が円弧状に反った変形形状パターンである。円弧状に反って、中央部分が媒体載置台30に当接し、両端が高くなったパターンである。
ステップS3が、検出工程に相当する。高さ検出ユニット32が、検出手段に相当する。センサー昇降機構34が、距離変更手段に相当する。被印刷媒体の高さを計測する位置を、高さ検出センサー33の位置にあわせるために用いる場合のX軸走査機構31が、位置変更手段に相当する。
被印刷媒体が変形していない(ステップS4でNO)場合には、ステップS5に進む。被印刷媒体が変形していた(ステップS4でYES)場合には、ステップS6に進む。
例えば、記憶した変形形状パターンが変形形状パターン201及び変形形状パターン211である場合には、被印刷面の中央の高さ及び中央と端との間の位置の高さから、被印刷面が直線状であるか円弧状であるかを判定して、変形形状パターン201又は変形形状パターン211を該当する変形形状パターンとして選択する。例えば、記憶した変形形状パターンが変形形状パターン201及び変形形状パターン202である場合には、被印刷面の中央の高さ及び両端の高さから、中央又は両端が高くなっていることが判定でき、変形形状パターン201又は変形形状パターン202を該当する変形形状パターンとして選択する。
変形形状パターン201において、最高点高さh1と幅W1とは半径rとは、以下の式の関係を有する。
G01=GP−z
x<0の場合。
G01=GP−z
座標xに対応する媒体高さzは、次の式で求められる。
G01=GP−z
液滴の飛行速度の調整は、予め入力されているプログラムに従って、CPU44が実施する。この場合のCPU44が、制御手段に相当し、吐出速度調整手段にも相当する。
ステップS8又はステップS5を実施して、液滴吐出装置1を用いて、チップ印刷体15などの被印刷媒体に印刷する印刷工程を終了する。
次に、液滴吐出装置1と構成の一部が異なる液滴吐出装置101の構成の全般について、図15を参照して説明する。図15は、液滴吐出装置の概略構成を示す図である。図15(a)は、液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図であり、図15(b)は、高さ検出ユニットの構成を示す平面視の説明図であり、図15(c)は、高さ検出ユニットの構成を示す側面視の説明図である。
発光部33aは、射出した光束330の光軸がX軸方向となる姿勢で、センサー保持機構234aに保持されている。受光部33bは、光検出面を発光部33a側に向けて、センサー保持機構234bに保持されている。発光部33aと受光部33bとのZ軸方向の高さ関係は、光束330の光軸が受光部33bの光検出面の中心に一致する状態を、発光部33aと受光部33bとが同じ高さであると表記する。
高さ検出ユニット232と、高さ検出ユニット32とを用いることによって、被印刷媒体の形状を、高さ検出ユニット32のみを用いる場合にくらべて、より詳細に検出することができる。図16は、被印刷媒体の変形形状パターンを示す説明図である。図16に示した変形形状パターン203は、X軸方向における断面の断面形状及びY軸方向の断面における断面形状が湾曲している形状を有している。高さ検出ユニット32とともに高さ検出ユニット232を用いることによって、被印刷媒体が、変形形状パターン201のように、Y軸方向において形状が一様であるような形状であるか、変形形状パターン203のように、X軸方向及びY軸方向において形状が変化している形状であるかを、識別することができる。
次に、被印刷媒体上における着弾位置間距離の制御について説明する。図9及び図10を参照して説明したように、液滴吐出装置1における走査方向(X軸方向)において、被印刷媒体の変形に起因する着弾位置のずれを、補正することができる。しかし、X軸方向の距離に対応する被印刷面F1に沿った距離は、X軸方向の距離より長くなる。したがって、印刷を実施する際に正確な位置に着弾させた液滴の着弾位置間隔は、被印刷媒体上では、僅かに正確な着弾位置間隔より広くなる。言い換えると、印刷結果としては、着弾位置間隔が僅かに正確な着弾位置間隔より広くなる。
あるいは、図8(c)を参照して説明したように、X軸方向における最小着弾距離dは、X軸方向(主走査方向)の相対移動速度と、吐出ノズル24の最小吐出間隔との積である。例えば、印刷を実施する際の相対移動速度を、被印刷面に沿った距離に対応するX軸方向の距離に対応させた相対移動速度にする。これにより、最小着弾距離dを、X軸方向の距離と被印刷面に沿った距離との差を補正するような最小着弾距離にすることができる。
例えば、印刷を実施する際の最小吐出間隔(吐出周期)を、被印刷面に沿った距離に対応するX軸方向の距離に対応させた最小吐出間隔にする。これにより、最小着弾距離dを、X軸方向の距離と被印刷面に沿った距離との差を補正するような最小着弾距離にすることができる。
(1)液滴吐出装置1は、高さ検出ユニット32を備えている。高さ検出ユニット32によって、媒体載置台30に載置された被印刷媒体の高さを計測することができる。
吐出ヘッドと被印刷媒体との吐出走査方向の相対移動を、吐出ヘッドを吐出走査方向に移動させることで実施してもよい。吐出ヘッドと被印刷媒体との改行方向の相対移動を、被印刷媒体を改行方向に移動させることで実施してもよい。あるいは、吐出ヘッドと被印刷媒体との、吐出走査方向及び改行方向の相対移動を、吐出ヘッド、又は被印刷媒体のどちらか一方を、吐出走査方向及び改行方向に移動させることで実施してもよいし、吐出ヘッド、及び被印刷媒体の両方を、吐出走査方向及び改行方向に移動させることで実施してもよい。
Claims (11)
- 被印刷媒体を保持する媒体保持手段と、
液滴を吐出する吐出ノズルが開口したノズル面を備え、前記ノズル面を前記媒体保持手段における前記被印刷媒体を保持する保持面に対向可能に配設された吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドと前記媒体保持手段とを、相対移動させる相対移動手段と、
前記被印刷媒体の変形形状パターンを記憶するパターン形状記憶手段と、
前記媒体保持手段に保持された前記被印刷媒体の少なくとも一点の位置情報を検出する検出手段と、
検出された前記少なくとも一点の位置情報を前記変形形状パターンと照合して、前記被印刷媒体の変形形状を算出し、前記変形形状から、前記ノズル面と前記被印刷媒体の被印刷面との距離を算出するヘッド距離算出手段と、
前記変形形状に応じて前記吐出ヘッド及び前記相対移動手段の少なくとも一方を制御する制御手段と、を備える、
ことを特徴とする印刷装置。 - 前記ヘッド距離算出手段は、前記変形形状から、前記相対移動手段による相対移動方向における距離と前記被印刷面に沿った距離との関係をさらに算出し、
前記制御手段は、相対移動方向における距離と前記被印刷面に沿った距離との関係に基づいて、前記被印刷面における着弾位置の間の距離が所定の距離となる着弾位置に前記液滴を着弾させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の印刷装置。 - 前記検出手段は、
少なくとも前記保持面に平行な方向に進行する光を射出する発光部と、
前記発光部から射出された光を検出する受光部と、
前記発光部から前記受光部に至る光路と、前記保持面との、前記保持面に垂直な方向における距離を変更する距離変更手段と、を備える、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の印刷装置。 - 前記検出手段は、前記受光部と前記発光部との組みを複数備える、
ことを特徴とする、請求項3に記載の印刷装置。 - 前記検出手段は、前記受光部及び前記発光部と、前記保持面との、前記保持面に平行な方向における相対位置を変更する位置変更手段をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の印刷装置。 - 前記制御手段は、前記吐出ノズルから吐出された前記液滴の飛行速度を調整する吐出速度調整手段を備え、前記液滴の飛行速度を調整することによって着弾位置を制御する、
ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記制御手段は、前記吐出ノズルからの吐出周期を調整する吐出周期調整手段を備え、前記液滴の吐出周期を調整することによって着弾位置を制御する、
ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記制御手段は、前記相対移動手段による相対移動速度を調整する相対移動速度調整手段を備え、前記相対移動速度を調整することによって着弾位置を制御する、
ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記制御手段は、前記吐出ヘッドと前記媒体保持手段とを、前記ノズル面に垂直な方向において離接させるヘッド離接手段を備え、前記ノズル面と前記被印刷面との距離を調整することによって着弾位置を制御する、
ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 液状体を液滴として吐出する吐出ノズルが開口したノズル面を備える吐出ヘッドと、被印刷媒体とを、相対移動させると共に前記吐出ノズルから前記液滴を吐出させることによって、前記被印刷媒体上に前記液状体を配置し、画像を形成する印刷方法であって、
前記被印刷媒体の変形形状パターンを記憶するパターン形状記憶工程と、
前記被印刷媒体の少なくとも一点の位置情報を検出する検出工程と、
検出された前記少なくとも一点の位置情報を前記変形形状パターンと照合して、前記被印刷媒体の変形形状を算出し、前記変形形状から、前記ノズル面と前記被印刷媒体の被印刷面との距離を算出するヘッド距離算出工程と、
前記変形形状に応じて前記液滴の着弾位置を制御して前記被印刷面に着弾させる液状体配置工程と、を有する、
ことを特徴とする印刷方法。 - 前記ヘッド距離算出工程では、前記変形形状から、相対移動方向における距離と前記被印刷面に沿った距離との関係をさらに算出し、
前記液状体配置工程では、前記相対移動方向における距離と前記被印刷面に沿った距離との関係に基づいて、前記被印刷面における前記着弾位置間の距離が所定の距離となる着弾位置に前記液滴を着弾させる、
ことを特徴とする、請求項10に記載の印刷方法。
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