JP2012192665A - 印刷ヘッドのバイアス電圧設定方法、印刷装置の制御方法および印刷装置 - Google Patents

印刷ヘッドのバイアス電圧設定方法、印刷装置の制御方法および印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バイアス電圧の印加によりノズルからインクを噴射する印刷ヘッドを測定精度の高いパラメータでランク分けし、動作バイアス電圧を設定する。
【解決手段】印刷ヘッドごとに、所定のバイアス電圧に対する印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度と、その印刷ヘッドのノズル径と、を測定し、その測定結果に基づき、印刷ヘッドに印加する動作バイアス電圧値を設定する。印刷装置では、印刷ヘッドに設定された動作バイアス電圧値に基づいて、バアイス電源回路の動作バイアス電圧値を決定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、印刷ヘッドのバイアス電圧設定方法、印刷装置の制御方法および印刷装置に関する。
印刷ヘッドを製造する際は、マイクロメートル単位の極めて微細な加工や組立てが行われている。このため、例えば圧電素子(ピエゾ素子)を用いて圧力を加えることによりインクを噴射させるタイプの印刷ヘッド(ピエゾヘッド)では、弾性板の厚さや面積、圧力発生室の形状、ノズル開口の大きさ(ノズル径)等が印刷ヘッドごとにばらつき、圧力発生室内のインクの噴射特性に悪影響を与える場合があった。また、発熱体によりインクを加熱して噴射させるタイプの印刷ヘッド(サーマルヘッド)では、発熱体の抵抗値や、ノズル径のばらつきがあり、インクの噴射特性に影響を与える場合があった。
このような事情に鑑み、印刷ヘッドの大量生産を可能にしつつ、印刷ヘッドの品質のばらつきをなくし、インクの噴射を安定して行うための方法が提案されている。例えば特許文献1には、ピエゾヘッドの圧力発生室内におけるインク圧力の固有振動周期を測定し、これに基づき定めたランクを付与し、当該ランクに応じた駆動信号を印刷ヘッドに設定する方法が提案されている。また、特許文献2には、液体噴射ヘッド(印刷ヘッド)のバイアス電圧に対する特性を検出し、その検出結果に基づき、圧電アクチュエータに印加するバイアス電圧値を、その液体噴射ヘッドごとに設定する方法が提案されている。
特許文献1に開示の方法では、同じ仕様(材料や工程など)で製造された液体噴射ヘッドは、同じ特性をもっているということを前提としている。しかし、バイアス電圧に対する圧電素子の変位量特性には、液体噴射ヘッドごとにばらつきがあることがわかっている。このことから、特許文献2に開示の方法では、液体噴射ヘッドのバイアス電圧値に対する圧電素子の変位量特性を液体噴射ヘッドごとに検出し、圧電アクチュエータに印加するバイアス電圧値を、液体噴射ヘッドごとに設定している。
特開2002−154212号公報 特開2006−321200号公報
特許文献1、2に記載の方法では、ピエゾヘッドにおける構造的な特性から、最適バイアス電圧値を求めてランク分けしている。一方、印刷ヘッドの機能からすると、所望の色や濃度を再現するにはインク重量を合わせる必要があり、その印刷ヘッドから噴射されるインク重量でランク分けすることも考えられる。
しかし、インク重量を測定するには、印刷ヘッドから1度に噴射されるインク重量は小さく、繰り返しインクを噴射させて、その平均値を求めることになる。しかし、それでも、重量測定の繰り返し精度には限界がある。
本発明は、このような課題を解決し、測定精度の高いパラメータで印刷ヘッドをランク分けして印刷ヘッドのバイアス電圧を設定する設定方法、印刷装置の制御方法および印刷装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点によると、バイアス電圧の印加によりノズルからインクを噴射する印刷ヘッドの動作バイアス電圧値をその印刷ヘッドごとに設定する方法であって、印刷ヘッドごとに、所定のバイアス電圧に対する印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度と、印刷ヘッドのノズル径と、を測定し、その測定結果に基づき、印刷ヘッドに印加する動作バイアス電圧値を設定することを特徴とする印刷ヘッドのバイアス電圧設定方法が提供される。ノズルからのインク滴の噴射速度は、例えば、噴射されるインク滴をストロボスコープにより撮影することで、簡単かつ高精度に測定することができる。また、ノズル径は、ノズルヘッドを写真にとり、その写真から測定することができる。これらの測定結果に基づいて、印刷ヘッドをランク分けする。印刷ヘッドが、測定精度の高いパラメータでランク分けされる。
測定結果から、インク滴の噴射速度と噴射速度、ノズル径およびインク滴の噴射量の既知の相関関係に基づいて、印刷ヘッドのバイアス電圧に対する印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射量を算出し、その算出結果に基づき、印刷ヘッドの動作バイアス電圧値を設定することができる。インク滴の噴射速度と噴射量とは、その印刷ヘッドの構造、特にノズル径から、経験的に求めることができる。インク滴の噴射速度の精度は非常に高く、ノズル径の計測制度も高いので、その噴射速度からの噴射量の算出値も、重量を直接測定する場合より精度が必ずしも低いわけではない。しかも、高速に測定および算出することができる。
本発明の第2の観点によると、バイアス電圧の印加によりノズルからインクを噴射する印刷ヘッドと、印刷ヘッドに対し動作バイアス電圧を印加するバイアス電源回路と、を備えた印刷装置の制御方法であって、印刷ヘッドは、所定のバイアス電圧に対するノズルからのインク滴の噴射速度の測定結果およびノズルの径の測定結果に基づいてランク付けされており、印刷ヘッドに付けられたランクに基づき、印刷ヘッドに印加すべき動作バイアス電圧値を決定するステップと、決定したバイアス電圧値をバイアス電源回路に設定するステップと、を有することを特徴とする印刷装置の制御方法が提供される。
バイアス電源回路に設定された動作バイアス電圧値に対する印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度に基づいて、印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射タイミングを設定するステップをさらに有することができる。また、これとは別に、バイアス回路に設定された動作バイアス電圧値に対する印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度に基づいて、印刷ヘッドのノズルとインク滴の噴射対象である印刷媒体との距離を調整するステップをさらに有することもできる。インク滴の噴射タイミングまたはノズルと印刷媒体との距離を調整することで、インク滴の着弾点を正確に制御し、インク滴速度の違いによる文字や罫線などのずれを防ぐことができる。
印刷装置には複数の印刷ヘッドが設けられ、動作バイアス電圧を決定するステップでは、複数の印刷ヘッドのそれぞれについて個別に動作バイアス電圧値を決定することができる。インク滴速度の異なる印刷ヘッドを用いると、印刷ヘッド間で、印刷媒体上でインク滴の着弾点のずれが生じる可能性がある。個別に動作バイアス電圧値を決定することにより、そのようなずれを防止することができる。
本発明の別の観点によると、バイアス電圧の印加によりノズルからインクを噴射する印刷ヘッドと、印刷ヘッドに対し動作バイアス電圧を印加するバイアス電源回路と、を備え、印刷ヘッドは、所定のバイアス電圧に対するノズルからのインク滴の噴射速度の測定結果および印刷ヘッドのノズル径に基づいてランク付けされており、バイアス電源回路は、印刷ヘッドに付与されたランクに基づき、印刷ヘッドに印加すべき動作バイアス電圧値が設定されたことを特徴とする印刷装置が提供される。
印刷ヘッドを複数備え、印刷ヘッドごとに、印刷ヘッドのノズル端面の位置が、印刷ヘッドに設定された動作バイアス電圧値における印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度に応じて調整された構成とすることもできる。印刷ヘッド間でのインク滴の着弾点のずれを防止することができる。
本発明の実施の形態に係る印刷ヘッドの分解斜視図である。 図1に示す印刷ヘッドの平面図および断面図である。 印刷ヘッドのバイアス電圧設定方法の処理の流れを示すフローチャートである。 インク滴の噴射速度と、ノズル径と、噴射量(インク重量)との関係の一例を示す図である。 印刷装置の構成例を示すブロック図である。 図5に示す印刷装置を制御する処理の流れを示すフローチャートである。 印刷装置の別の構成例を示すブロック図である。 図7に示す印刷装置を制御する処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下では、バイアス電圧の印加によりノズルからインクを噴射する印刷ヘッドとして、圧電素子を用いるピエゾヘッドを例に説明する。
[印刷ヘッドの構成]
図1は、印刷ヘッドを示す分解斜視図である。図2は、図1に示す印刷ヘッドの平面図および断面図である。
この印刷ヘッドは、流路形成基板10を備える。この流路形成基板10は、この例では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。この流路形成基板10には、複数の隔壁により区画された圧力発生室12が、その長手方向に2列並設されている。また各列の圧力発生室12の長手方向外側には、連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。なお、連通部13は、後述する封止基板30のリザーバ部33と連通して、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側(エッチング加工された側、図面下側)には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば0.03〜0.3mmで、300℃以下での線膨張係数が例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板または不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、流路形成基板10であるシリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば約0.4μmの絶縁体膜55が形成され、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば約1μmの圧電体層70と、厚さが例えば約0.05μmの上電極膜80とが積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70および上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極および圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極および圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。この例では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、この例では、弾性膜50、絶縁体膜55および下電極膜60が振動板として作用する。
ここで、圧電素子300の個別電極である上電極膜80には、圧電素子300の長手方向端部近傍から圧力発生室12の外側の領域まで引き出されるリード電極90がそれぞれ接続されている。このリード電極90は、例えば金(Au)等からなり、この例では、圧電素子300の長手方向端部近傍から圧力発生室12の列間に対応する領域(他方の列の圧電素子300に近接する領域)まで延設されている。また、圧電素子300の共通電極である下電極膜60は、この例では、圧力発生室12の長手方向両端部近傍に対向する領域でそれぞれパターニングされ、かつ圧力発生室12の並設方向に沿って圧力発生室12の列の外側の領域まで延設されている。そして、各圧力発生室12の列に対応する領域の下電極膜60は、圧力発生室12の列の外側の領域で連続している。
流路形成基板10の圧電素子300側には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封する圧電素子保持部31を有する封止基板30が接合されている。この圧電素子保持部31は、この例では、各圧電素子300に対向する領域、すなわち、各圧力発生室12の列に対向する領域のそれぞれに設けられた圧電素子300の列(図2における300aおよび300b参照)をそれぞれ封止している。また、圧電素子保持部31の間、すなわち、封止基板30の中央部に対応する領域には、この封止基板30を厚さ方向に貫通する貫通部32が設けられている。そして、上電極膜80から引き出されたリード電極90の先端部がこの貫通部32内に露出され、各リード電極90はこの貫通部32内に延設された駆動配線120を介して電気的に接続されている。
また、この封止基板30には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部33が設けられている。リザーバ部33は、この例では、封止基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、弾性膜50および絶縁体膜55を貫通して設けられた貫通孔を介して流路形成基板10の連通部13と連通されて、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。また、この封止基板30上の貫通部32の両側には、圧電素子300を列毎に駆動する2つの駆動IC110が、それぞれ実装されている。そして、駆動IC110と各リード電極90の貫通部32内に露出した端部近傍とが、ボンディングワイヤからなる駆動配線120によって、電気的に接続されている。
なお、封止基板30のリザーバ部33に対応する領域には、封止膜41および固定板42からなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部33の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成されている。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このように構成した印刷ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC110からの記録信号に従い、上電極膜80と下電極膜60との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60および圧電体層70をたわみ変形させることにより、圧力発生室12内の圧力が高まり、ノズル開口21からインク滴が噴射される。
[印刷ヘッドのバイアス電圧設定方法]
同一の仕様で製造された印刷ヘッドであっても、製造上のばらつきから、所定のバイアス電圧を印加したときのインク滴の噴射速度や、噴射されるインク重量に、ばらつきがでる。インク重量にばらつきがでると、印刷される色の再現性に影響がでる。そこで、本実施の形態では、ノズル開口21からと出されるインク重量で、印刷ヘッドをランク分けする。しかし、インク重量の促成精度は低い。そこで、測定精度の高いインク滴速度を測定し、それをランク分けに用いる。そして、印刷装置において、個々の印刷ヘッドに付加されたランクに応じて、その印刷ヘッドの動作バイアス電圧を設定する。
図3は、印刷ヘッドのバイアス電圧設定方法の処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、簡単にいうと、印刷ヘッドごとに、所定のバイアス電圧に対する印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度と、当該印刷ヘッドのノズル径と、を測定し、(ステップS1〜S3)、その測定結果に基づき、印刷ヘッドに印加する動作バイアス電圧値を設定する(ステップS4,S5)ものである。インク滴の噴射速度の測定は、例えば不図示のストロボスコープにより撮影することにより行われる。また、ノズル径の測定は、例えば不図示のディジタルカメラにより撮影し、それをディジタル処理してノズルのエッジを検出,することで、簡単に測定することができる。ここでいうノズル径は、ノズルの開口の面積に相当するものであり、ノズルの開口形状が円形以外の場合には、その形状の面積に相当する円の直径に相当する値である。
この処理では、印刷装置において印刷ヘッドのバイアス電圧を設定するために、印刷ヘッドの検査工程において、印刷ヘッドをランク分けし、そのランクの情報を印刷ヘッドに付加しておく。すなわち、印刷ヘッドごとに、所定のバイアス電圧に対する印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度を測定する(ステップS1)。そして、測定結果から、インク滴の噴射速度、ノズル径および噴射量との既知の相関関係に基づいて、所定のバイアス電圧に対する印刷ヘッドのノズルからの、インク滴の噴射量(インク重量)を算出する(ステップS2)。そして、その算出結果で、印刷ヘッドをランク分けし、個々の印刷ヘッドにランクを付加する(ステップS3)。
印刷装置では、印刷ヘッドに付加されたランク(ステップS2の計算結果)に基づき、その印刷ヘッドに印加する動作バイアス電圧値Vbsを決定し(ステップS4)、印刷ヘッドごとに、印刷装置内のバイアス電源回路に動作バイアス電圧値Vbsを設定する(ステップS5)。
図4は、図1および図2に示す印刷ヘッドにおけるノズル開口21から噴射されるインク滴の噴射速度と、ノズル径と、噴射量(インク重量)との関係の一例を示す。同一の仕様で製造された印刷ヘッドであれば、インク滴の噴射速度と噴射されるインク重量とには、図4に示すような相関がある。この相関関係を事前に求めておくことで、測定結果から、印刷ヘッドのバイアス電圧に対する印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射量(インク重量)を算出することができる。表1に、ランク分けの一例を示す。
Figure 2012192665
ここで、表1においては、ノズル径が小さい場合、噴射されるインク重量は最も小さく、ノズル径が大きい場合は、噴射されるインク重量は最も大きく、ノズル径が中程度の場合、噴射されるインクの重量は中程度となっている。なお、表1におけるランク分けでは、ノズル径の大きさに応じて3段階に分けているが、2段階に分けてもよいし、4段階以上にランク分けしてもよい。
[印刷装置の制御方法]
図5は、上述の印刷ヘッドを用いる印刷装置の構成を示すブロック図である。この印刷装置はインクジェットプリンタであり、印刷ヘッドのランクによりこの印刷装置を制御する方法について説明する。
図5に示す印刷装置は、制御部1001と、印刷ヘッド1002とを備える。制御部1001は、ホストコンピューター(図示せず)などからの多値階層情報を含む印字データなどを受信する外部インターフェース1003と、多値階層情報を含む印字データなどの各種データの記憶を行うRAM1004と、各種データ処理を行うためのルーチンなどを記憶したROM1005と、CPU(中央処理部)1006と、印刷ヘッド1002にバイアス電圧を印加するバイアス電源回路(Vbs回路)1007と、印刷ヘッドのバイアス電圧特性を検出する検出部1008と、バイアス電源回路(Vbs回路)1007から印加されたバイアス電圧を印刷ヘッド1002に印加するなどの機能を担う内部インターフェース1009とを備えている。印刷装置はまた、印刷のための各種の機構を備える。これらの各種の機構のうち、図5では、プラテンギャップ調整機構1010のみを示し、他は省略する。
図6は、印刷ヘッド1002に付加されたランクに基づき印刷装置を制御する処理の流れを示すフローチャートである。印刷ヘッド1002は、所定のバイアス電圧に対するノズルからのインク滴の噴射速度の測定結果に基づいてランク付けされているものとする。検出部1008は、CPU1006の制御により動作し、印刷ヘッド1002に付与されたランクに基づき、その印刷ヘッド1002に印加すべき動作バイアス電圧値Vbsを決定する(ステップS4)。CPU1006は、決定された動作バイアス電圧値Vbsをバイアス電源回路1007に設定する(ステップS5a)。
また、印刷ヘッド1002にインク噴射速度に関する情報が付与されている場合に、CPU1006は、その情報に基づいて内部インターフェース1009を介してプラテンギャップ調整機構1010を制御し、印刷ヘッド1002のノズルとインク滴の噴射対象である印刷媒体との距離、すなわちプラテンギャップを調整する(ステップS6)。
写真印刷などでは、所望の色や濃度を再現するにはインク重量を合わせる必要があり、その印刷ヘッド1002から噴射されるインク重量が重要である。一方、文字や罫線を印刷する場合、高速印刷のために印刷ヘッド1002を高速に移動させると、インク滴の噴射速度によっては、双方向印刷時にずれが生じることがある。たとえば、ある噴射速度のとき、印刷ヘッド1002の往路と復路とでインク滴の着弾点が一致しているとする。しかし、噴射速度が異なると、同じ噴射条件では、印刷ヘッド1002の往路と復路とでインク滴の着弾点がずれることになる。このずれは、罫線印刷で特に顕著となる。これを防止するために、ステップS6において、プラテンギャップを設定する。インク滴の噴射タイミングを調整することもできる。
図7は、印刷装置の別の構成例を示すブロック図である。この印刷装置は、ラインインクジェットプリンタであり、複数の印刷ヘッド1002a〜1002dから構成されるラインヘッド1003を有する。その他の構成は、図5に示す印刷装置と同等である。この印刷装置は、印刷のための各種の機構を備えるが、これらの機構については、プラテンギャップ調整機構1010を含めて図示を省略する。
図8は、印刷ヘッド1002a〜1002dに付加されたランクに基づき印刷装置を制御する処理の流れを示すフローチャートである。印刷ヘッド1002a〜1002dは、所定のバイアス電圧に対するノズルからのインク滴の噴射速度の測定結果に基づいてそれぞれランク付けされているものとする。検出部1008は、CPU1006の制御により動作し、印刷ヘッド1002a〜1002dに付与されたランクに基づき、それぞれの印刷ヘッド1002a〜1002dに印加すべき動作バイアス電圧値Vbsを個別に決定する(ステップS4a)。CPU1006は、決定された動作バイアス電圧値Vbsをバイアス電源回路1007に設定する(ステップS5)。
また、印刷ヘッド1002にインク噴射速度に関する情報が付与されている場合には、その情報に基づいて、バイアス電源回路1007に設定された動作バイアス電圧値に対しして、印刷ヘッド1002a〜1002dのそれぞれのノズルからのインク滴の噴射タイミングを設定する(ステップS6)。
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば、インク滴の噴射速度とその印刷ヘッドのノズル径とで印刷ヘッドをランク分けするので、測定精度の高いパラメータでランク分けされる。また、インク滴の噴射速度およびノズル径から噴射量(インク重量)を求め、それによりランク分けすることもできる。印刷ヘッドの噴射量は、インク滴の噴射速度とノズル径とから経験的に求めることができる。
以上の説明では、印刷ヘッドとして、圧電素子を用いるピエゾヘッドを用いる場合を例に説明したが、サーマルヘッドでも同様に実施することができる。また、紙への印刷だけでなく、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造や、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられるヘッドや、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射するヘッド等を含むことができる。
10…流路形成基板、12…圧力発生室、13…連通部、14…インク供給路、20…ノズルプレート、21…ノズル開口、30…封止基板、31…圧電素子保持部、32…貫通部、33…リザーバ部、40…コンプライアンス基板、41…封止膜、42…固定板、43…開口部、50…弾性膜、55…絶縁体膜、60…下電極膜、70…圧電体層、80…上電極膜、90…リード電極、100…リザーバ、120…駆動配線、300…圧電素子、110…駆動IC、1001…制御部、1002…印刷ヘッド、1003…外部インターフェース、41004…CPU、1005…ROM、1007…RAM、1007…バイアス電源回路、1008…検出部、1009…内部インターフェース、1010…プラテンギャップ調整機構

Claims (8)

  1. バイアス電圧の印加によりノズルからインクを噴射する印刷ヘッドのバイアス電圧をその印刷ヘッドごとに設定する方法であって、
    前記印刷ヘッドごとに、
    所定のバイアス電圧に対する前記ノズルからのインク滴の噴射速度と、当該印刷ヘッドのノズル径と、を測定し、
    それらの測定結果に基づき、当該印刷ヘッドに印加する動作バイアス電圧値を設定する
    ことを特徴とする印刷ヘッドのバイアス電圧設定方法。
  2. 請求項1記載のバイアス電圧設定方法において、
    前記測定結果から、インク滴の噴射速度、ノズル径およびインク滴の噴射量の既知の相関関係に基づいて、該印刷ヘッドのバイアス電圧に対する該印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射量特性を算出し、
    その算出結果に基づき、該印刷ヘッドに印加するバイアス電圧値を設定する
    ことを特徴とする印刷ヘッドのバイアス電圧設定方法。
  3. バイアス電圧の印加によりノズルからインクを噴射する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに対しバイアス電圧を印加するバイアス電源回路と、を備えた印刷装置の制御方法であって、
    前記印刷ヘッドは、所定のバイアス電圧に対する前記ノズルからのインク滴の噴射速度の測定結果および前記ノズルの径の測定結果に基づいてランク付けされており、
    前記バイアス電源回路は、前記印刷ヘッドに付けられたランクに基づき、前記印刷ヘッドに印加すべき動作バイアス電圧値を決定するステップと、
    決定した動作バイアス電圧値を前記バイアス電源回路に設定するステップと、
    を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
  4. 請求項3記載の印刷装置の制御方法において、
    前記バイアス回路に設定された動作バイアス電圧値に対する該印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度に基づいて、該印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射タイミングを設定するステップ
    をさらに有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
  5. 請求項3記載の印刷装置の制御方法において、
    前記バイアス回路に設定された動作バイアス電圧値に対する該印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度に基づいて、該印刷ヘッドのノズルとインク滴の噴射対象である印刷媒体との距離を調整するステップ
    をさらに有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
  6. 請求項3から5のいずれか1項記載の印刷装置の制御方法において、
    前記印刷装置には複数の印刷ヘッドが設けられ、
    前記決定するステップでは、前記複数の印刷ヘッドのそれぞれについて個別に動作バイアス電圧を決定する
    ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
  7. バイアス電圧の印加によりノズルからインクを噴射する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドに対しバイアス電圧を印加するバイアス電源回路と、
    を備え、
    前記印刷ヘッドは、所定のバイアス電圧に対する前記ノズルからのインク滴の噴射速度と、当該印刷ヘッドのノズル径と、の測定結果に基づいてランク付けされており、
    前記バイアス電源回路は、前記印刷ヘッドに付けられたランクに基づき、前記印刷ヘッドに印加すべきバイアス電圧値が設定された
    ことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項7記載の印刷装置において、
    前記印刷ヘッドを複数備え、
    前記印刷ヘッドごとに、該印刷ヘッドのノズル端面の位置が、前記印刷ヘッドに設定された動作バイアス電圧値における該印刷ヘッドのノズルからのインク滴の噴射速度に応じて調整された
    ことを特徴とする印刷装置。
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