JP4353290B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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本発明は、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッドおよびそれを用いた液体噴射装置全般に関する。以下、液体の一つであるインクを用い主走査方向に連続する画像パターンを形成する印刷装置において説明する。
圧力発生室を満たす液体の圧力を変化させて、この圧力発生室に接続するノズルから液体を液体ジェットとして噴射させるインクジェット式の印刷装置が知られている。
広く利用されているこのインクジェット式の印刷装置では、圧力発生室の圧力発生手段として圧電素子の変位を利用する方法、液体を発熱抵抗体で沸騰させた時の蒸気圧力を利用する方法がある。特に圧電素子を利用した方法は、液体に沸騰現象のような物理的あるいは化学的変化を必要としないため、非常に多様な液体を噴射できると言う特徴がある。また、圧電素子は駆動信号に線形に応答するデバイスであるため、圧力を自在に制御することが容易に行え、ノズルから噴射する液体ジェットの形態、量、速度を比較的自由に変えることが可能である。
このインクジェット式の印刷装置、特に圧電素子を用いた印刷装置は、数ピコリットルと言う極めて微小な液滴を記録画素として印刷媒体上に選択的に配置させることができるため、写真画像の印刷以外に電子回路のパターン形成にも利用可能である。
ところが、インクジェット式の印刷ヘッドから噴射される液体ジェットは球状の液滴では無く、ノズルから細長い柱状に噴出する液体ジェットが印刷媒体へ向けて飛行する過程で液体の表面張力により複数の液滴に分裂した後に印刷媒体に着滴して画素を形成する。最も一般的な噴射形態では、図5に示すように、液体ジェットの液柱は大きな主液滴と細長いテール部に分裂した後、更にテール部は表面張力で小さなサテライト液滴となり、合計2つの液滴として飛翔したり、細長いテール部が複数の微小液滴に更に分裂する場合がある。
これらのサテライト液滴はノイズとして精巧なパターン形成を妨げると言う問題がある。特に電子回路のパターンを形成する場合には不要な回路形成が回路の誤動作を引き起こし、致命的な欠陥となる。また、サテライト液滴は非常に微小なため、空気抵抗や空気流の影響を受けて失速し浮遊飛散して印刷装置や印刷媒体を汚染してしまうと言う問題も生じる。
このようなサテライト液滴による印刷品質低下の問題を解消するため、例えば特開昭59-133066号公報や米国特許5,285,215号明細書に示されたように1つのドットを形成する複数のインク滴を途切れさすこと無くノズル開口から吐出させ、飛翔中に1つの液滴に合体させて印刷媒体に着滴させるものが提案されている。
すなわち、複数の連続した駆動パルスを圧力発生手段に付与し、それらの駆動パルス列内において後続パルスは直前の駆動パルスより大きな電圧変化率を持ち、かつパルス間隔を順次小さくする。このような駆動パルス列を用いることで、連続的に順次速度の速くなる液滴群がオリフィスから噴射し、液滴群が空中を飛翔している間に合体して単一の液滴として印刷媒体に画素を形成することになる。
一方、これらの従来技術において、駆動信号が極めて複雑で最適な状態に制御することが困難であると言う問題に鑑みて、特開平8-336970公報には複数の独立した液滴をノズルから噴射し、最後に吐出された液滴が飛翔中に最初に吐出された液滴に合体する速度となるように駆動信号を調整する技術が開示されている。
特開昭59−133066号公報 米国特許第5285215号明細書 特開平8−336970号公報
しかしながら、可及的に細い線パターンを印刷媒体に描画する場合、上記従来技術は複数の液滴を合体させて画素を形成するため、ノズルから吐出可能な最小液滴を画素として用いていない。従って、印刷ヘッドが本来持っている最高の解像度を生かしていない。
また、描画した線に信号を伝播させる場合、断線は決して許容することは出来ない。極めて小さな液滴では体積に対する表面の割合が大きいため、表面張力や短時間での乾燥により、印刷媒体上に着滴した時点で前の液滴と合体していなければ連続した液滴が孤立してしまい信号線が断線すると言う欠陥を生じてしまう。
この発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、連続した画素が印刷媒体上で必ず連結し、かつサテライト液滴がノイズとして発生しない印刷装置により、極めて高い解像度のパターンを印刷媒体上に形成することが可能な技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の液体噴射装置は、次の構成を採用した。
すなわち、液体ジェットを噴射する液体噴射ヘッドをターゲットに対して相対的に移動し主走査を行う液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドが噴射する前記液体ジェットの最小単位において、この最小単位の液体ジェットの先頭に形成される主液滴と後続の副液滴が前記ターゲット上で同一位置に着滴するよう構成され、連続する前記最小単位の液体ジェットにおいて、後続の前記液体ジェットはその先頭が前記ターゲットに着滴する前に、先行する前記液体ジェットのテール部に追突するように構成されていることを要旨とする。
かかる本発明の第1の印刷装置においては、印刷媒体上で隣接するこれらの液体ジェットによる画素は必ず接合することになり、最小単位の液体ジェットで欠陥の無い画像を形成することが可能となる。
また、本発明の第2の液体噴射装置は、液体ジェットを噴射する液体噴射ヘッドをターゲットに対して相対的に移動し主走査を行う液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドが噴射する前記液体ジェットの最小単位において、この最小単位の液体ジェットが複数の液滴に分裂する前に前記液体ジェットの先頭が前記ターゲットに着滴するように構成され、連続する前記最小単位の液体ジェットにおいて、後続の前記液体ジェットはその先頭が前記ターゲットに着滴する前に、先行する前記液体ジェットのテール部に追突するように構成されていることを要旨とする。
かかる本発明の第2の液体噴射装置においては、先行する液体ジェットは分裂する前にターゲットに到達し、後続の液体ジェットはターゲットに到達する前に先行する液体ジェットに繋がるため、種々の外乱や主走査方向の液体噴射ヘッドの相対速度の変化に対して、ターゲット上で隣接するこれらの液体ジェットによる画素は必ず接合することになり、最小単位の液体ジェットで欠陥の無い画像を形成することが可能となる。
本発明の第3の液体噴射装置は、前記連続する液体ジェットが液体噴射ヘッドからターゲットまで連続する液柱を形成して噴射することを特徴とする。
かかる本発明の第3の液体噴射装置においては、連続して飛翔する液体ジェットが常時、あるいは一時的に液体噴射ヘッドとターゲットとの間に液柱のブリッジを形成するため、液体ジェットの流れが安定し、ターゲット上に連続した細線パターンを確実に形成することができる。
また、本発明の第4の液体噴射装置は、前記液体ジェットによる液滴パターンが信号を伝播させる回路パターンである構成に先の第1乃至第3の印刷装置を適用したことを要旨とする。
かかる本発明の第4の液体噴射装置においては、液体ジェットを用いた液体噴射装置と言う小型で簡便な装置で高精細な回路パターンを歩留まり良く形成することが可能となる。
更に、本発明の第5の液体噴射装置は、前述した課題を解決するために、前記液体噴射ヘッドをノズルと、このノズルに接続する圧力発生室と、この圧力発生室の容積を拡大縮小させる圧電素子とから構成されるようにした。
かかる本発明の第5の液体噴射装置においては、入力信号に対する応答の線形性が高く制御性が高い圧電素子を圧力発生素子として用いたため、吐出する液体ジェットの形態、速度、量、タイミングを高精度に調整することが可能であり、本発明の液体噴射装置の構成を最適に達成することができる。
また、本発明の第6の液体噴射装置は、前記液体噴射装置が連続する前記液体ジェットを噴射している時、電気抵抗測定手段により前記液体噴射ヘッドと前記ターゲット間の電気抵抗を測定できるようにした。
かかる本発明の第6の液体噴射装置においては、連続した液体ジェットが液体噴射ヘッドからターゲットまでの大部分に連続した液柱を形成した時に、電気抵抗が低下することを利用して、液体噴射装置の液体ジェットの噴射状態をモニタすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施例の印刷装置のハードウェア構成を示した説明図である。以下、本発明の印刷装置が画像パターンを印刷する様子について、図1を参照しながら簡単に説明する。図示されているように、本実施例の印刷装置10は、印刷媒体16上でキャリッジ12を往復動させながら微細な液体ジェットを吐出することによって、印刷媒体16上に画素を形成してパターンを印刷する装置である。キャリッジ12には、液体ジェットを吐出するための印刷ヘッドが搭載されている。画像パターンを印刷する場合には、通常、キャリッジ12の上面側にインクカートリッジを装着して、印刷ヘッドにインクを供給する。印刷媒体16は媒体送りローラ14によってキャリッジ12の下側の所定位置に搬送される。印刷媒体16が所定位置にセットされると、キャリッジ12は印刷媒体16上を往復動しながら印刷ヘッドから液体ジェットを吐出させる。キャリッジ12は、図示するように2本のガイドレール18に導かれ、駆動ベルト20を介してキャリッジモータ22によって駆動される。このように、キャリッジ12を往復動させる動作は主走査と呼ばれる。キャリッジ12の主走査に同期させて媒体送りローラ14を駆動し、印刷媒体16を主走査方向と直角方向に少しずつ移動させる。このように、主走査方向と交差する方向に、印刷ヘッドと印刷媒体とを相対的に移動させる動作は副走査と呼ばれる。こうして、キャリッジ12の主走査と印刷媒体16の副走査とを組み合わせ、これにあわせて液体ジェットを適切なタイミングで吐出することで印刷媒体16上にインク画素を形成し、これによって印刷装置は画像パターンを印刷している。
本実施例の印刷装置10では、大量処理に対応して、インクカートリッジはキャリッジ12上ではなく大容量のインク容器30に収納されていて、チューブ24を介して、キャリッジ12に設けられたインク供給口26から印刷ヘッドに供給される。
また、図示するように、本実施例の印刷装置10には、ノズルの目詰まりを防止するために、液体ジェットを吐出しない場合に印刷ヘッドを覆うキャップ32や、印刷ヘッドからインクを吸い出すための吸引ポンプ34も設けられている。
図2は、キャリッジ12の下面側、すなわち印刷媒体16の側からキャリッジ12を見た様子を示した説明図である。キャリッジ12の下面に搭載された印刷ヘッド4は、ノズル2A,2A...,と2B,2B,...,と2C,2C,...,と2D,2D,...,とがそれぞれノズル列3A、3B、3C、3Dに形成されている。これら4列のノズル列は相互にノズルの並び方向にオフセットした千鳥状に配置されており、主走査方向から見た場合に重ならず、個々のノズルピッチの4倍の密度の単一ノズル列として機能するようになっている。
本実施例の印刷ヘッド4では、吐出する液体ジェットの形態、速度、量、タイミングを精度良く制御することが可能な圧電素子を用いている。圧電素子を用いた印刷ヘッドで液体ジェットを吐出させるメカニズムについて図3を参照しながら説明する。
印刷ヘッド4は、図3に示すように、例えばプラスチックからなる箱体状のケース71の収納室72内に、櫛歯状の圧電素子21が一方の開口から挿入されて櫛歯状先端部21aが他方の開口に臨んでいる。その他方の開口側のケース71の表面(下面)には流路ユニット74が接合され、櫛歯状先端部21aは、それぞれ流路ユニット74の所定部位に当接固定されている。
圧電素子21は、圧電体21bを挟んで共通内部電極21cと個別内部電極21dとを交互に積層した板状の圧電素子基板を、ノズルと圧力発生室形成密度に対応させて櫛歯状に切断して構成してある。そして、共通内部電極21cと個別内部電極21dとの間に駆動電圧を与えることにより、各圧電素子21は、積層方向と直交する圧電素子長手方向に伸縮する。
流路ユニット74は、流路形成板75を間に挟んでノズルプレート6と弾性板77を両側に積層することにより構成されている。
流路形成板75は、ノズルプレート6に複数開設したノズル開口2とそれぞれ連通して圧力発生室隔壁を隔てて列設された複数の圧力発生室81と、各圧力発生室81の少なくとも一端に連通する複数のインク供給部82と、全インク供給部82が連通する細長い共通インク室83と、が形成された板材である。例えば、シリコンウエハーをエッチング加工することにより、細長い共通インク室83が形成され、共通インク室83の長手方向に沿って圧力発生室81がノズル開口2のピッチに合わせて形成され、各圧力発生室81と共通インク室83との間に溝状のインク供給部82が形成され得る。なお、この場合、圧力発生室81の一端にインク供給部82が接続し、このインク供給部82とは反対側の端部近傍でノズル開口2が位置するように配置されている。また、共通インク室83は、インクカートリッジに貯留されたインクを圧力発生室81に供給するための室であり、その長手方向のほぼ中央にインク供給口26が連通している。
弾性板77は、ノズルプレート6とは反対側の流路形成板75の面に積層され、ステンレス板87の下面側にPPS等の高分子体フィルムを弾性体膜88としてラミネート加工した二重構造である。そして、圧力発生室81に対応した部分のステンレス板87をエッチング加工して、圧電素子21を当接固定するためのアイランド部89が形成されている。
上記の構成を有する印刷ヘッド4では、圧電素子21を圧電素子長手方向に伸長させることにより、アイランド部89がノズルプレート6側に押圧され、アイランド部89周辺の弾性体膜88が変形して圧力発生室81が収縮する。また、圧力発生室81の収縮状態から圧電素子21を長手方向に収縮させると、弾性体膜88の弾性により圧力発生室81が膨張する。圧力発生室81を一旦膨張させてから収縮させることにより、圧力発生室81内のインク圧力が高まって、ノズル開口2からインクが液体ジェットとして吐出される。
すなわち、記録ヘッド4では、圧電素子21に対する充放電に伴って、対応する圧力発生室81の容量が変化する。このような圧力発生室81の圧力変動を利用して、ノズル開口2からインクを吐出させたり、メニスカス(ノズル開口2で露出しているインクの自由表面)を微振動させたりすることができる。
なお、上記の縦振動モードの圧電素子21に代えて、いわゆる撓み振動モードの圧電素子を用いることも可能である。たわみ振動モードの圧電素子は、充電による変形で圧力発生室を収縮させ、放電による変形で圧力室を膨張させる圧電素子である。
また、もちろん圧力発生手段として圧電素子以外でも、例えば圧力発生室内に形成された発熱抵抗素子でインクを急加熱してインクの一部を沸騰させて、その蒸気圧力を利用する方式や、非常に狭いギャップを挟んで対向する電極間に電圧を印加し、一方の電極が形成された圧力発生室の壁を静電気力で撓ませる方式も採用することができる。しかしながら、これらの圧力発生手段の方式は一方向にしか制御ができないとか、入力に対する変位としての出力が非常に非線形性が高く精密な制御が困難であるとか、圧電素子を用いた方式に比較して扱いは困難である。
図4は、圧電素子21に印加する駆動信号の電圧波形の実施例を示したものである。
図4に示す駆動パルス(駆動信号)において、駆動パルスの最初の立ち上がりPE1により圧電素子21は収縮し圧力発生室81の容積を急速に拡大すると、共通インク室83とノズル2から圧力発生室81内にインクが吸入される。この時、メニスカスはノズル内部に大きく引き込まれる。この駆動パルスの立ち上がりPE1で誘起されたインクの流れは、その後、インクの持つ慣性と圧力発生室81の剛性とで決まる固有周期で振動を開始する。この誘起されたインクの振動の初めの逆流時、すなわち圧力発生室81からノズル2の方向の流れの発生に同期して駆動パルスの立ち下がりPE2が作用すると、圧電素子21は伸長し圧力発生室81の容積を急速に収縮させ、圧力発生室81からノズル2の方向へ強い流れが生じ、ノズルからインクが液体ジェットとして噴射される。
ノズル2から噴射した液体ジェットの形態は後で詳細するが、細長い液柱状に噴射する液体ジェットの後端部の切れるタイミングと、圧力発生室81内のインクの強い残留振動を抑制するため、適切なタイミングと強さで駆動パルスの立ち上がりPE3が入り、駆動電圧は初期状態に復帰し、次の駆動に備える。
このように、一連の動作によりノズル2から噴射する液体ジェットが、噴射・非噴射のオン・オフの最小単位であり、制御可能な液体ジェットによる最小単位の画素を与える。
駆動信号に関する上記説明では、正の電圧変化に対して圧力発生室の容積を拡大させる縦振動モードの圧電素子を用いたが、撓み振動モードの圧電素子では圧力発生室に対する変形方向が逆であるため、上記説明で用いた動作を行うには、パルス変化方向を逆にする必要がある。
次に、図4の駆動信号に対し、ノズル2から噴射する液体ジェットの形態を図5を用いて詳細に説明する。
図4において、各コマの境界に挿入されたティックは100μm間隔でノズル開口から距離を示しており、図示領域の上端はノズル開口からおよそ250μmである。
印刷ヘッドは前述の駆動信号において、パルスの立ち上がりにより図5(A)に示すようにノズルメニスカスはノズルの奥に一旦強く引き込まれ、引き続くパルスの立ち下がり後に図5(B)に示すように細長い柱状の液体ジェットがノズルから噴射する。この柱状の液体ジェットは図5(C)の時点でノズルを満たす液体部分から分離(ピンチオフ)した後、液体の持つ表面張力によりくびれを生じ、図5(D)に示すように液体ジェットの先頭がノズル開口からおよそ200μmの地点で先頭部に主液滴が分離する。更に液体ジェットが飛翔を続けると、図5(F)以降では主液滴に続くテール部が一つ或いは複数の微小液滴に分離する。これらのテール部から形成される副液滴はサテライト液滴とも呼ばれ、液体ジェットが印刷媒体上に形成する画素形状を乱したり、主液滴が形成する画素と分離した画素を形成してノイズを与える事になる。また、微小なサテライト液滴は空気抵抗により失速し、印刷ヘッドと印刷媒体間を浮遊してこれらの汚染の最大の原因となる。
このように分離した主液滴とサテライト液滴は、印刷ヘッドと印刷媒体との距離が広く、これらの間の主走査方向の相対速度が大きいと、図6(A)に示すように印刷媒体上で分離した画素を形成する。またこのような場合、連続して噴射する液体ジェットで細線を形成するには、図6(B)に示すように連続液体ジェットの主液滴同士が印刷媒体上で結合する条件で印刷装置を動作させなければならない。しかし、微小な液体ジェットはノズル開口部の液体とノズル表面との濡れの影響を極めて強く受けるため、非常に僅かな濡れの不均一さが液体ジェットの直進性を著しく低下させる。特に細長く微小な液体ジェットのテール部は濡れの影響を大きく受け、サテライト液滴の着弾位置は大きく変動する場合がある。
このように直進安定性が低い状態で印刷装置を動作させると、後続の液体ジェットの主液滴は不適切な方向に飛翔する先行する液体ジェットのサテライト液滴に追突することで偏向され、図6(C)に示すように印刷媒体上で目的とする着滴位置から多く外れて先行する画素と分離してしまう。この細線パターンが信号を伝達する目的で形成された場合には、このような欠陥は信号線の断線として致命的な不具合を生じてしまう。
そこで、本発明の実施例においては、図7に太線で示す位置、即ちノズル開口部から180μmの位置に印刷媒体表面が来るように印刷装置を構成した。本実施例のこの構成では、図7(D)のように液体ジェットが複数の液体部分に分離する前に液体ジェットが印刷媒体に到達するため、主液滴を形成する液体ジェットの先頭部分とテール部が図8(A)に示すように一体の画素を形成する。この本構成ではテール部が分離する前に液体ジェットが印刷媒体に到達するため、ノズルの濡れの不均一さや印刷ヘッドの個体差に因らず安定した画素形成が行える。また主走査方向の相対速度の広い範囲で単一画素が得られるため、装置構成が柔軟に行える。更に本実施例では、図9に示すように液体ジェットを連続して噴射するパルス間隔T1を適切に短くすることで、連続する最小単位の液体ジェットにおいて、後続の前記液体ジェットの先頭が印刷媒体に着滴する前に、先行する液体ジェットのテール部に追突するように構成されている。即ちこの駆動信号により、図7(C)に示すように一つ目の液体ジェットが飛翔中に、第2の液体ジェットに対する駆動パルスによって印刷ヘッドは後続液体ジェットの形成動作を行っており、メニスカスは大きく引き込まれている。そして、図7(E)に示すように後続する液体ジェットの先端は先行する液体ジェットのテール部と接続して、一体化した液柱状をなす。このような構成によって後続する液体ジェットは確実に先行する液体ジェットと連結した画素を形成できるため、図8(B)に示すような非常に微細な細線を不良が全く無く描画することができる。これにより、特に信号線パターン形成へのインクジェット応用の可用性を格段に高めることができる。
上記実施例に対して、駆動信号のパルス間隔T1を更に短くすると、液体ジェットがノズルから噴射する時点で先行する液体ジェットのテール部と結合し、連続する液体ジェットが印刷ヘッドから印刷媒体まで常時連続した一本の液柱ブリッジのように流出するようになる。このような構成では、先行する流れにより極めて安定化された噴射状態を維持することができる。そのために極めて描画精度の高い印刷装置を構成できる。
また、上記実施例に対して、印刷ヘッドと印刷媒体の距離を離して行くと、液体ジェットの先端が印刷媒体に到達する前に、主液滴とテール部が分離するようになる。このような飛翔状態でも印刷ヘッドと印刷媒体との距離がある程度近く、かつ主走査方向の相対速度がある程度小さい条件では、主液滴とテール部は印刷媒体上で結合した単一の画素を形成できる。後続する液体ジェットは先行する液体ジェットのテール部に衝突して一体化して飛翔するため、このような条件でも安定して細線パターンを形成することができる。しかし、究極的な安定性を得るには、先の実施例のように主液滴が分離する前に印刷媒体に到達する条件が有効である。
本発明にある先行する液体ジェットのテール部と後続する液体ジェットの先頭とが、飛翔中に衝突して連結するように構成するには、液体ジェットの噴射形態と、連続して噴射する液体ジェットの時間差を最適に調整することが極めて重要である。
液体ジェットの噴射形態は液体ジェット中の速度分布に支配される。この速度分布を制御するには、圧力発生室の圧力変化を制御することになるが、このような制御を行うには圧電素子を圧力発生手段として用いた印刷ヘッドが極めて有効である。圧電素子は、応答の周波数の範囲内であれば、入力信号パルスに対して線形に応答するため、圧力発生室の容積を拡大することも縮小することもできる。更にパルスの立ち上がり立ち下がりの時間や高さ、そしてパルス幅を変えることで、拡大と縮小の速度と大きさを精密に設定することができる。この事は圧電素子により圧力発生室の圧力パターンを精密に設定できることを意味しており、本発明の印刷ヘッドに対して圧電素子は極めて有効である。また、個々の最小単位の液体ジェットの噴射量を決め、噴射状態を良好に維持しながら、噴射間隔を短くするのにも、圧電素子が最も適していることは、同じ理由により明確である。
圧電素子に対して、発熱抵抗素子や静電アクチュエータを用いたインクジェット方式では、正あるいは負の圧力変化の一方しか制御することができないため、本発明の構成を得るには、極めて限られた動作条件においてのみ可能であり、描画パターンに関する柔軟性が得られない。
さて、以上説明したような本発明の構成により極めて安定な描画性能が得られるが、装置として動作状態を最適に設定したり維持するには、動作状態をモニタする手段が必要である。しかし、本発明の構成では印刷ヘッドと印刷媒体との距離は極めて小さく、直接的に液体ジェットの噴射状態を観察することは困難である。
これに対して、以下の構成により間接的に噴射状態を見極めることが可能である。即ち、連続した液体ジェットの噴射時には、先の本発明の構成では、印刷ヘッドから印刷媒体まで液体流のブリッジが形成される、あるいは印刷ヘッドから印刷媒体までのギャップの大部分を液体柱が占めている。これらの状態において、印刷媒体の位置に置かれた導体と印刷ヘッドとの間に電圧を印加すると、液体ジェットを伝わって電流が流れるため、この電流値、即ち抵抗値を測定することにより液体ジェットの状態を知ることができる。
例えば、図1においてキャップ32の近傍に印刷媒体と同じギャップにおかれた電極板を設置し、この位置で印刷ヘッドを動作させながら抵抗値測定を行い、動作状態を最適化するシステムを構築する。また、印刷媒体上に噴射状態チェック用の電極を予め形成しておき、描画動作中にチェックをする方法も有効である。
本実施例の印刷装置の構成を例示する説明図である。 本実施例の印刷ヘッドの構成を例示する説明図である。 本実施例の印刷ヘッドの内部構造を例示する説明図である。 印刷ヘッドの動作を説明する駆動信号の例である。 印刷ヘッドから噴射する液体ジェットの説明図である。 従来技術の印刷装置で形成した描画パターンの説明図である。 本実施例の印刷ヘッドから噴射する液体ジェットの説明図である。 本実施例の印刷装置で形成した描画パターンの説明図である。 本発明の印刷ヘッドの駆動信号の例である。
符号の説明
2…ノズル、4…印刷ヘッド、6…ノズルプレート、10…印刷装置、12…キャリッジ、16…印刷媒体、21…圧電素子、30…インク容器、32…キャップ、34…吸引ポンプ、81…圧力発生室、82…インク供給部、83…共通インク室。

Claims (5)

  1. 圧力室の収縮により液体ジェットを噴射する液体噴射ヘッドをターゲットに対して相対的に移動し主走査を行う液体噴射装置であって、
    前記液体噴射ヘッドから前記液体ジェットを噴射するために用いる駆動パルスによって噴射される液体ジェットが飛翔中に複数の液滴に分裂する位置よりも前記ヘッドに近い位置であり、かつ、連続する前記駆動パルスにおいて後続の前記駆動パルスによる前記液体ジェットが前記ヘッドから分離した先行する前記液体ジェットのテール部に追突する位置よりも前記ヘッドから遠い位置に、前記ターゲットが保持され、
    前記主走査により、連続する前記駆動パルスにおいて、後続の前記駆動パルスによる前
    記液体ジェットが、先行する前記液体ジェットと異なる位置で有りかつ連結する位置に着
    弾することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記連続する駆動パルスは、同じ形状のパルスの繰り返しであることを特徴とする請求
    項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記連続する液体ジェットは、液体噴射ヘッドからターゲットまで連続する液柱を間欠的に形成して噴射することを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記ターゲット上に形成される前記液体ジェットによる液滴パターンは信号を伝播させ
    る回路パターンであることを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
  5. 前記液体噴射ヘッドは、ノズルと、このノズルに接続する圧力発生室と、この圧力発生
    室の容積を拡大縮小させる圧電素子とから構成されることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれか一項に記載の液体噴射装置。
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