JP5494562B2 - 曲面印刷装置及び曲面印刷装置の印刷制御方法 - Google Patents
曲面印刷装置及び曲面印刷装置の印刷制御方法 Download PDFInfo
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Description
インクジェット方式の印刷装置の場合、記録ヘッドを印刷対象物の上方において水平方向に移動させながらで印刷を行うことが一般的である。
すなわち、印刷対象面の端部が傾斜している場合には、印刷対象面を上方から平面的に見た場合の見かけ上の爪幅寸法よりも、傾斜分も含めた実際の爪幅寸法は大きくなる。このため、印刷すべき画像のデータを見かけ上の爪幅寸法にしたがって均等に割り付けると、爪の端部では爪の中央部よりも印字濃度が薄くなり、印刷すべき画像(デザイン)が高さ方向に伸びてしまう。
また、測定や演算処理に要する処理時間が多く必要となるため、印刷処理に要する時間が長くなり、使い勝手が悪いという問題もあった。
印刷対象物の湾曲形状を有する印刷対象面に印刷を行う曲面印刷装置において、
前記印刷対象面の湾曲形状を、予め設定された、湾曲の程度が互いに異なる複数の形状パターンのうちの何れか1つの特定の形状パターンに分類し、前記印刷対象面の一の方向に沿った中央部は前記印刷対象面の前記一の方向に沿った両端側より盛り上がっている、
選択部と、
前記印刷対象面にインクを塗布する記録ヘッドを有する印刷部と、
前記印刷部を制御して、前記印刷対象面の前記両端側に塗布する前記インクの量を、前記特定の形状パターンに対応して予め設定された量に設定する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記印刷対象面の、前記一の方向の端部から前記一の方向に沿って、中央部に向かって所定の基準距離だけ寄った位置での、前記端部からの高さを、高さ寸法として測定する高さ寸法測定部を備え、
前記選択部は、前記高さ寸法の値と、予め設定された高さ寸法の閾値と、の比較に基づいて、前記印刷対象面の湾曲形状の分類を行い、
前記高さ寸法の閾値は、前記複数の形状パターンの各々に対応して、互いに異なる値に設定されていることを特徴としている。
前記印刷対象物の前記印刷対象面を撮影して、印刷対象領域画像を得る撮影部を、更に有し、
前記高さ寸法測定部は、前記印刷対象領域画像の解析に基づいて、前記高さ寸法を測定することを特徴としている。
前記記録ヘッドは、前記印刷対象面に対し、前記1の方向に沿って移動しながら、インク滴を間欠的に噴射して、前記印刷対象面に、1又は複数の前記インク滴によるドットを複数形成し、
前記制御部は、前記印刷対象面の前記両端側に対する前記印刷部の印刷ピッチの値を、前記特定の形状パターンに対応して設定された値に設定し、前記一の方向に沿って前記記録ヘッドが前記印刷ピッチに対応する距離だけ移動する毎に前記ドットを形成するように、前記記録ヘッドを制御することを特徴としている。
前記制御部は、前記印刷ピッチに対応する、前記記録ヘッドから噴射する前記インク滴の噴射回数を設定するための噴射回数基本テーブルを記憶する、基本テーブル記憶部を有し、
前記噴射回数基本テーブルは、前記印刷対象面の一端から中央部に向かう予め設定された第1の距離までの間の領域を、前記第1の方向に沿って、一定の長さ毎に複数の分割領域に分割し、前記各分割領域に対する前記噴射回数の第1の設定値を、前記複数の形状パ
ターンの各々に対して格納しており、
前記第1の設定値は、前記各分割領域に対応する前記印刷対象面の、前記第1の方向に対する傾斜角度の増加に対応して、噴射回数基準値に対する比率が1より大きい値に増加する値に設定され、
前記噴射回数基準値は、前記印刷対象面が前記第1の方向に平行であるときに前記記録ヘッドに設定される前記噴射回数に設定されていることを特徴としている。
前記印刷対象面の、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って設けられた複数の測定ポイントでの、前記第1の方向の両端間の複数の幅寸法を測定する幅寸法測定部を、更に備え、
前記制御部は、前記各測定ポイントに対応する複数の噴射回数調整テーブルを作成する調整テーブル作成部を有し、
前記各噴射回数調整テーブルは、前記印刷対象面の前記各測定ポイントに対応する前記第1の方向の両端間を前記第1の方向に沿って複数の前記分割領域毎に分割し、前記各分割領域に対する噴射回数の第2の設定値を格納しており、
前記調整テーブル作成部は、前記噴射回数基本テーブルにおける前記特定の形状パターンに対応して格納されている前記第1の設定値に基づいて、前記複数の測定ポイントのうちの一つの特定の測定ポイントに対応する第1の噴射回数調整テーブルを作成し、前記複数の測定ポイントにおける前記特定の測定ポイントを除く他の測定ポイントに対応する第2の噴射回数調整テーブルを、前記第1の噴射回数調整テーブルを、前記特定の測定ポイントにおける第1の幅寸法の値と前記他の測定ポイントにおける第2の幅寸法の値との比率に応じて補正して、生成することを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の曲面印刷装置において、
前記制御部は、
前記印刷対象面に印刷すべき画像の画像データを、元画像データとして記憶する元画像データ記憶部と、
前記各噴射回数調整テーブルを参照して、前記元画像データから、前記幅寸法に対応し、前記噴射回数が、前記各噴射回数調整テーブルに格納されている前記第2の設定値に対応した値に設定された印刷用データを生成する印刷用データ生成部と、
前記各噴射回数調整テーブルに格納されている前記第2の設定値に基づいて前記印刷用データの一部を間引きし、間引きした後の前記印刷用データを前記印刷部に供給する印刷制御部と、
を有することを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の曲面印刷装置において、
前記制御部は、
前記印刷対象面に印刷すべき画像の画像データを、元画像データとして記憶し、前記画像データは複数の印刷画素により形成され、1つの前記印刷画素は1つの前記インク滴に対応している、元画像データ記憶部と、
前記元画像データの前記複数の印刷画素を再配分するための画像変換基本テーブルを記憶する、基本テーブル記憶部を有し、
前記画像変換基本テーブルは、前記1の方向に沿って、前記印刷対象面の一端から中央部に向かう第1の距離までの間の領域を、前記第1の方向に一定の長さ毎に複数の分割領域に分割し、前記各分割領域に割り付ける前記印刷画素の割り付け数を、前記複数の形状パターンの各々に対して格納しており、
前記印刷画素の割り付け数は、前記各分割領域に対応する前記印刷対象面の、前記第1の方向に対する傾斜角度の増加に対応して、大きくなる値に設定されていることを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の曲面印刷装置において、
前記印刷対象面の、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って設けられた複数の測定ポイントでの、前記第1の方向の両端間の複数の幅寸法を測定する幅寸法測定部を、更に備え、
前記制御部は、前記各測定ポイントに対応する複数の画像変換調整テーブルを作成する調整テーブル作成部を有し、
前記各画像変換調整テーブルは、前記印刷対象面の前記測定ポイントに対応する前記第1の方向の両端間を前記第1の方向に沿って複数の前記分割領域に分割して、前記各分割領域に割り付ける前記印刷画素の数を格納しており、
前記調整テーブル作成部は、前記画像変換基本テーブルにおける前記特定の形状パターンに対応して格納されている前記印刷画素の割り付け数に基づき、前記複数の測定ポイントのうちの一つの特定の測定ポイントに対応する第1の画像変換調整テーブルを作成し、前記第1の画像変換調整テーブルを、前記特定の測定ポイントにおける第1の幅寸法の値と前記他の測定ポイントにおける第2の幅寸法の値との比率に応じて補正して、前記複数の測定ポイントにおける前記特定の測定ポイントを除く他の測定ポイントに対応する第2の画像変換調整テーブルを生成することを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の曲面印刷装置において、
前記制御部は、
前記各画像変換調整テーブルを参照して、前記元画像データから、前記幅寸法に対応し、前記複数の印刷画素が、前記各分割領域に対して、前記各画像変換調整テーブルに格納されている前記印刷画素の数に再配分された印刷用データを生成する印刷用データ生成部と、
生成された前記印刷用データを前記印刷部に供給する印刷制御部と、
を有することを特徴としている。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の曲面印刷装置において、
前記印刷対象物は人の指の爪部であり、
前記印刷対象面は爪領域であり、
前記印刷部は、人の爪部の表面にネイルプリントを施すものであることを特徴としている。
印刷対象物の湾曲形状を有する印刷対象面に印刷を行う曲面印刷装置の印刷制御方法であって、
前記印刷対象面の、前記一の方向の端部から前記一の方向に沿って、中央部に向かって所定の基準距離だけ寄った位置での、前記端部からの高さを、高さ寸法として測定し、
前記高さ寸法の値と、予め設定された高さ寸法の閾値と、の比較に基づいて、前記印刷対象面の湾曲形状を、予め設定された、湾曲の程度が互いに異なる複数の形状パターンのうちの何れか1つの特定の形状パターンに分類し、前記高さ寸法の閾値は、前記複数の形状パターンの各々に対応して、互いに異なる値に設定され、前記印刷対象面の一の方向に沿った中央部は前記印刷対象面の前記一の方向に沿った両端側より盛り上がっており、
前記印刷対象面に印刷を行うとき、前記印刷対象面にインクを塗布する記録ヘッドを有する印刷部を制御して、前記印刷対象面の前記両端側に塗布する前記インクの量を、前記特定の形状パターンに対応して予め設定された量に設定することを特徴としている。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法において、
前記記録ヘッドを、前記印刷対象面に対し、前記1の方向に沿って移動させながら、インク滴を間欠的に噴射させて、前記印刷対象面に、1又は複数の前記インク滴によるドットを複数形成して、前記印刷を行い、
前記印刷対象面の前記両端側に対する印刷ピッチの値を、前記特定の形状パターンに対応して設定された値に設定し、前記一の方向に沿って前記記録ヘッドを前記印刷ピッチに対応する距離だけ移動させる毎に前記ドットを形成することを特徴としている。
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法において、
前記印刷対象面の、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って設けられた複数の測定ポイントでの、前記第1の方向に沿った両端間の複数の幅寸法を測定し、
噴射回数基本テーブルと、前記各測定ポイントに対応した複数の噴射回数調整テーブルと、を作成し、
前記噴射回数基本テーブルは、前記各測定ポイントに対応する前記1の方向に沿って、前記印刷対象面の一端から中央部に向かう第1の距離までの間の領域を、前記第1の方向に沿って、一定の長さ毎の複数の分割領域に分割し、前記各分割領域に対する、前記記録ヘッドから噴射する前記インク滴の噴射回数の第1の設定値を、前記複数の形状パターンの各々に対して格納し、
前記各噴射回数調整テーブルは、前記印刷対象面の前記各測定ポイントに対応する前記第1の方向の両端間を前記第1の方向に沿って複数の前記分割領域毎に分割し、前記各分割領域に対する噴射回数の第2の設定値を格納し前記第1の設定値は、前記各分割領域に対応する前記印刷対象面の、前記第1の方向に対する傾斜角度の増加に対応して、噴射回数基準値に対する比率が1より大きい値に増加する値に設定され、前記噴射回数基準値は、前記印刷対象面が前記第1の方向に平行であるときに前記記録ヘッドに設定される前記噴射回数に設定されており、
前記複数の噴射回数調整テーブルを作成する工程は、前記噴射回数基本テーブルにおける前記特定の形状パターンに対応して格納されている前記第1の設定値に基づいて、前記複数の測定ポイントのうちの一つの特定の測定ポイントに対応する第1の噴射回数調整テーブルを作成する工程と、前記複数の測定ポイントにおける前記特定の測定ポイントを除く他の測定ポイントに対応する第2の噴射回数調整テーブルを、前記第1の噴射回数調整テーブルを、前記特定の測定ポイントにおける第1の幅寸法の値と前記他の測定ポイントにおける第2の幅寸法の値との比率に応じて補正して、生成する工程と、を含むことを特徴としている。
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法において、
前記各噴射回数調整テーブルを参照して、前記印刷対象面に印刷すべき画像の画像データから、前記幅寸法に対応し、前記噴射回数が、前記各噴射回数調整テーブルに格納されている前記第2の設定値に対応した値に設定された印刷用データを生成し、
前記各噴射回数調整テーブルに格納されている前記第2の設定値に基づいて前記印刷用データの一部を間引きし、
間引きした後の前記印刷用データを前記印刷部に供給して、前記印刷対象面への印刷を行うことを特徴としている。
また、請求項15に記載の発明は、請求項12に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法において、
前記印刷対象面の、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って設けられた複数の測定ポイントでの、前記第1の方向に沿った両端間の複数の幅寸法を測定し、
画像変換基本テーブルと、前記各測定ポイントに対応する複数の画像変換調整テーブルと、を作成し、
前記画像変換基本テーブルは、前記1の方向に沿って、前記印刷対象面の一端から中央部に向かう第1の距離までの間の領域を、前記第1の方向に一定の長さ毎に複数の分割領域に分割し、前記各分割領域に割り付ける前記印刷画素の割り付け数を、前記複数の形状パターンの各々に対して格納し、
前記画像変換調整テーブルは、前記印刷対象面の前記各測定ポイントに対応する前記第1の方向の両端間を前記第1の方向に沿って複数の前記分割領域に分割して、前記各分割領域に割り付ける前記印刷画素の数を格納し、
前記画像変換基本テーブルにおける前記印刷画素の割り付け数は、前記各分割領域に対応する前記印刷対象面の、前記第1の方向に対する傾斜角度の増加に対応して、大きくな
る値に設定されており、
前記複数の画像変換調整テーブルを作成する工程は、前記調整テーブル作成部は、前記画像変換基本テーブルにおける前記特定の形状パターンに対応して格納されている前記印刷画素の割り付け数に基づき、前記複数の測定ポイントのうちの一つの特定の測定ポイントに対応する第1の画像変換調整テーブルを作成する工程と、前記複数の測定ポイントにおける前記特定の測定ポイントを除く他の測定ポイントに対応する第2の画像変換調整テーブルを、前記第1の画像変換調整テーブルを、前記特定の測定ポイントにおける第1の幅寸法の値と前記他の測定ポイントにおける第2の幅寸法の値との比率に応じて補正して、生成する工程と、を含むことを特徴としている。
また、請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法において、
前記各画像変換調整テーブルを参照して、前記印刷対象面に印刷すべき画像の画像データから、前記幅寸法に対応し、前記複数の印刷画素が、前記各分割領域に対して、前記各画像変換調整テーブルに格納されている前記印刷画素の割り付け数に再配分された印刷用データを生成し、
生成された前記印刷用データを前記印刷部に供給して、前記印刷対象面への印刷を行うことを特徴としている。
このため、湾曲形状をなす印刷対象面の形状を正確に測定するための特別な装置やカメラ等により取得した情報を演算処理して数値化するための手段を必要とせず、装置コストのかからない簡易な手法により高精細な印刷を実現することができる。
また、測定や演算処理等に要する処理時間が短くて済むため、迅速な印刷処理を実現することができる。
先ず、図1から図23を参照しつつ、本発明に係る曲面印刷装置の第1の実施形態について説明する。
ここで、曲面印刷装置とは、印刷手段である記録ヘッドのインク噴射方向における印刷手段との距離が幅方向の中央部では小さく、幅方向の端部に行くほど大きくなる湾曲形状をなす印刷対象面を有する印刷対象物に対して印刷を行う印刷装置である。この印刷装置によって印刷することにより、印刷対象物の印刷対象面が平面でなく、例えば人の爪部のように一端側から見た場合に左右両端部が低く中心部近傍が高く盛り上がっていて全体に丸みを帯びた湾曲形状をしている場合にも、端部まで高精細な印刷を行うことができる。
なお、以下の実施形態においては、曲面印刷装置が、人の指の爪部に印刷を施すネイルプリント装置である場合を例として説明するが、曲面印刷装置は、ネイルプリント装置に限定されず、印刷対象面が湾曲形状を含む曲面形状である対象物に対して印刷を施すものであれば広く適用することが可能である。
また、ケース本体2の天板2fには後述する操作部12が設置されており、天板2fのほぼ中央部には表示部13が設定されている。
なお、ケース本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。
なお、機枠11は下部機枠11a及び上部機枠11bによって構成されている。そして、下部機枠11aは箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置され、上部機枠11bは下部機枠11aの上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている。
ここで、印刷指挿入部20aは、印刷しようとする爪部Tに対応する指(以下「印刷指」という。)U1を挿入するめための指挿入部である(図3参照)。印刷指挿入部20aの底面(印刷指載置面)は、印刷指U1を載置する指載置手段として機能する。印刷指U1の撮影や印刷は、印刷指U1がこの指載置手段としての印刷指挿入部20aの印刷指載置面に載置された状態で行われる。
また、非印刷指挿入部20bは、印刷指以外の指(以下「非印刷指」という。)U2を挿入するための指挿入部である(図3参照)。
また、掴み部20cは、印刷指挿入部20aに挿入された印刷指U1と、非印刷指挿入部20bに挿入された非印刷指U2とで挟持することが可能な部分である。本実施形態において、この掴み部20cは印刷指挿入部20aと非印刷指挿入部20bとを仕切る隔壁21によって構成されている。
また、親指のみが印刷指U1となる場合には、親指(印刷指U1)を印刷指挿入部20aに挿入さし、親指以外の4本の指(非印刷指U2)を非印刷指挿入部20bに挿入する。この場合にも、ユーザが印刷指U1と非印刷指U2とで掴み部20cを挟持することで印刷指U1が固定される。
図4及び図5に示すように、撮影部30は、機枠11の中の上部機枠11bに設けられている。本実施形態において、撮影部30は、カメラ32、照明灯33及びスリット光照射手段35を備えている。
すなわち、上部機枠11bに設置された基板31の中央部下面には、ドライバーを内蔵した200万画素程度以上の画素を有するカメラ32が設置されている。また、基板31には、カメラ32を囲むように白色LED等の照明灯33が設置されている。
この撮影部30は、指載置手段である印刷指挿入部20aに載置された印刷指U1を照明灯33によって照明し、カメラ32によってその印刷指U1の爪部T(印刷対象物)の爪領域Ta(印刷対象面)を撮影して、印刷対象領域画像である爪領域画像を得る撮影手段として機能する。
また、本実施形態では、図6及び図7に示すように、照明灯33とは別個の照明手段として、印刷指U1の爪部Tに対してスリット光を斜め方向から照射可能に構成されたスリット光照射手段35が設けられている。スリット光を照射することにより爪部Tの表面にスリット像が表出し、これをカメラ32で撮影してスリット像を含む爪領域画像を取得するようになっている。取得されたスリット像は後述する高さ寸法測定部512に送られて分析され、爪部Tの高さが算出される。このように、本実施形態では、撮影部30と高さ寸法測定部512とにより爪部Tの高さ方向の寸法を測定する高さ寸法測定手段(爪形状取得手段)が構成されている。なお、別途スリット光照射手段35を設けずに、照明灯33の少なくとも一部が、爪部Tに対してスリット光を斜め方向から照射可能に構成されていてもよい。
この撮影部30は、後述する制御装置50の制御部51に接続され、該制御部51によって制御されるようになっている。
すなわち、図4及び図5に示すように、上部機枠11bの両側板には、2本のガイドロッド41が平行に架設されている。このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。また、図5に示すように、主キャリッジ42の前壁42aおよび後壁42bには2本のガイドロッド44が平行に架設されている。このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。この副キャリッジ45の下面中央部には、印刷ヘッド46が搭載されている。
本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、被印字媒体に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されない。
また、下部機枠11aには、印刷ヘッド46にインクを供給するためのインクカートリッジ48が設けられている。インクカートリッジ48は、図示しないインク供給管を介して印刷ヘッド46と接続されており、適宜印刷ヘッド46にインクを供給するようになっている。なお、印刷ヘッド46自体にインクカートリッジを搭載する構成としてもよい。
操作部12には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、その他各種の入力を行うための操作釦121が配置されている。
なお、表示部13の表面に、タッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、図示しないスタイラスペンや指先等によるタッチ操作により、表示部13の表面をタッチすることによっても各種の入力を行うことができるように構成される。
また、本実施形態においてROM52は、元画像データ、パターン分類用データ、ピッチ調整基本テーブルを備えている。
本実施形態では、テーブル選択部は、爪部Tの幅方向の端部が指の爪床の皮膚から離れる両サイドの部分(これを「ストレスポイントSp」という。なお、図9においては、左側のストレスポイントをSpL、右側のストレスポイントをSpRとしている。)における爪部Tの幅方向の断面において端部から1000μm中央部に寄った位置(これを以下「基準位置P」とする(図10参照)。)の高さ寸法に応じて爪部Tを3つの爪形状パターンA〜Cに分類するようになっており、パターン分類用データは、この基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法の閾値である。
すなわち、図10に示すように、爪形状パターンAは、基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法が2000μmよりも高いか否かが閾値となっており、この高さ寸法が2000μmよりも高い場合には爪形状パターンAと分類される。また、爪形状パターンBは、基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法が、1000μm以上2000μm以下であることが閾値となっており、この高さ寸法がこの範囲内の値をとる場合には爪形状パターンBと分類される。また、爪形状パターンCは、基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法が、1000μmよりも低いか否かが閾値となっており、この高さ寸法が1000μmよりも低い場合には爪形状パターンCと分類される。
また、爪形状パターンの分類のための閾値の設定の仕方は、ここに例示したものに限定されない。例えば、爪部の幅方向の断面の端部同士をつないだ直線と爪部Tの断面端部における立ち上がり角度αに応じて閾値を設定してもよい。
すなわち、図10及び図11に示すように、基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法が大きい場合には、端部における立ち上がり角度αも大きく、基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法が小さい場合には端部における立ち上がり角度αも小さくなる。例えば、本実施形態では、爪形状パターンAでは、立ち上がり角度αは60度以上であり(図11(A)参照)、爪形状パターンBでは、立ち上がり角度αは45度以上であり(図11(B)参照)、爪形状パターンCでは、立ち上がり角度αは45度未満となっている(図11(C)参照)。このため、立ち上がり角度αの値を閾値として規定することによって、基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法の値を閾値として規定する場合と同様に爪形状のパターン分類を行うことができる。
また、本実施形態では、爪形状パターンをA〜Cの3種類に分類する場合を例としたが、爪形状パターンの数はこれに限定されず、これより少なくてもよいし、さらに多くの爪形状パターンの閾値を設定しておき、より細かく爪部Tの形状を分類することができるようにしてもよい。
図11(A)に示す爪形状パターンAのように、基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法が大きく、端部における立ち上がり角度αも大きい場合には、爪部Tの端部の表面長さΔLは長くなる。
他方、図11(C)に示す爪形状パターンCのように、基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法が小さく端部における立ち上がり角度αも小さい場合には、爪部Tの端部の表面長さΔLは短くなる。
また、ΔLの値は、爪部Tの幅方向の中央部に行くにしたがって、爪部Tの断面の幅方向に水平に一定間隔を刻んだ長さ寸法であるΔxの値に近づいていく。
このため、幅方向Wtの端部においても平面部分と同様の印刷濃度で伸びや歪み等のない画像の印刷を行うためには、ΔLの値が大きい部分において、ΔLの値が小さい部分よりも印刷ピッチが細かくなるように調整する必要がある。
本実施形態では、ピッチ調整基本テーブルとして、爪領域Ta(印刷対象面)の幅方向Wtの中央部よりも幅方向Wtの両端部の方が印刷部40による印刷の際のインクの噴射回数が多くなるように対応付けられた噴射回数基本テーブルが記憶されている。
図15は、一般的な爪部Tの形状である幅方向Wtの両端部が低く中央部近傍が高く盛り上がった湾曲形状をした爪部Tについて、必要濃度を確保するために必要な濃度率を示す必要濃度率と、爪部Tの断面の高さ寸法との関係の一例を表したグラフである。なお、図15では、爪部Tの幅方向の寸法が8000μmであり、爪部Tの断面の高さ方向の寸法が最も高い中央部近傍で3000μm程度である場合を例としている。
ここで、必要濃度率とは、爪部Tの断面幅方向に水平に一定間隔Δxを刻んだ場合(図11(A)〜(C)参照)に、このΔxに対応する爪部表面の実際の長さ寸法ΔL(図11(A)〜(C)参照)を、Δxで除したもの(ΔL/Δx)である。
平面に対して印刷する場合(すなわち、爪部Tの断面幅方向に水平に刻んだ一定間隔Δxと、これに対応する爪部表面の実際の長さ寸法ΔLとがほぼ等しい場合)には、必要濃度率は「1」となり、Δxに対応する爪部表面の実際の長さ寸法ΔLが長くなるにしたがって必要濃度率の値は大きくなる。
爪部Tの高さや盛り上がり方には人により個人差があるが、爪領域が湾曲し曲面となっている部分でも、例えば図15の一点鎖線で示すように、爪部Tの両端部近傍以外では必要濃度率(ΔL/Δx)はほぼ一定の「1」を示している。すなわち、この領域では平面に対して印刷する場合とほぼ同等の記録濃度で印刷すれば足りる。これに対して、左右の端部からそれぞれ中央部に向かって1000μmまでの範囲では、必要濃度率が大きくなっており、最も端部に近いあたりでは必要濃度率の値は「4」程度となっている。
また、爪部Tは、幅方向の中央部を中心としてほぼ左右対称となっていることから、噴射回数基本テーブルは、一端部から中央部にかけての2000μm分(1項〜20項)のみで構成されており、爪部Tの逆側については噴射回数基本テーブルにおいて対応付けられた数値を左右反転させて適用することで対応する。
また、例えば、爪形状パターンBに対応する噴射回数基本テーブルでは、爪部Tの幅方向の最端部の2項(図14において「1」及び「2」)には噴射回数「3」(すなわち、平面における噴射回数である基準噴射回数の3倍)が対応付けられ、これに隣接する6項(図14において「3」から「8」)には噴射回数「2」(すなわち、平面における噴射回数である基準噴射回数の2倍)が対応付けられ、これ以外には全て基準噴射回数である「1」がそれぞれ対応付けられている。
なお、各数値(噴射回数)については、ここでは爪部Tの幅方向の最端部の1項から10項(図14において「1」から「10」)まで(すなわち、爪部Tの幅方向の端部から1000μmまで)の噴射回数の平均値が当該範囲内における「必要濃度率」の平均値になるように爪部Tの形状を考慮して決められているが、当該噴射回数の平均値は、爪形状パターンAでは3以上、爪形状パターンBでは1.5〜3.0、爪形状パターンCでは1〜1.5の範囲であるようにすることが望ましい。
また、爪部Tの幅方向の最端部の1項から10項(図14において「1」から「10」)まで(すなわち、爪部Tの幅方向の端部から1000μmまで)において、印刷部40から噴射されるべきインクの記録濃度の平均値は、爪形状パターンAでは平面部分の2倍以上、爪形状パターンBでは平面部分の1.5倍〜2倍、爪形状パターンCでは平面部分の1.5倍未満とすることが望ましい。
本実施形態においてRAM53の記憶領域には、撮影部30により撮影された印刷対象領域画像としての爪領域画像、幅寸法測定部511によって測定された爪領域画像の幅方向の長さ寸法(図9参照)、高さ寸法測定部512により取得された印刷部40のインク噴射方向における爪部Tの高さ寸法、テーブル選択部513によるユーザの爪部Tの形状のパターン分類結果、調整テーブル作成部514により噴射回数基本テーブルに基づいて生成されたユーザの爪部Tの形状に対応したピッチ調整テーブルとしての噴射回数調整テーブル(図16から図19参照)、印刷用データ生成部515によって生成された印刷用データ等が記憶される。
幅寸法測定部511が爪領域画像の幅方向の長さ寸法を測定する手法は特に限定されないが、例えば、事前に基準となる長さの画素数を測定してROM52等に記憶させておき、撮影部30により取得された爪領域画像の画素数をこの基準となる長さの画素数と比較することにより爪領域画像の画素数から爪領域画像の幅方向の長さ寸法を求める等の手法による。
本実施形態において、幅寸法測定部511は、まず、爪領域画像から左右のストレスポイントSpL,SpRを結んだライン(これを「基準ラインa0,b0」とする。)の長さ(すなわちa0,b0間の長さ寸法)を基準ラインa0,b0の幅寸法として取得する。さらに、この基準ラインa0,b0の上下複数個所について爪領域画像の幅寸法を基準ラインa0,b0の幅寸法を取得したのと同様の手法で取得する。例えば、図9では、基準ラインa0,b0の幅寸法の他、この基準ラインa0,b0より下のラインa1,b1、ラインa2,b2、ラインa3,b3について幅寸法を取得した例を示しており、基準ラインa0,b0の幅寸法が10000μmであり、ラインa1,b1の幅寸法が8000μmであり、ラインa2,b2の幅寸法が5000μmであり、ラインa3,b3の幅寸法が200μmとなっている。
なお、幅寸法測定部511により何箇所のラインの幅寸法を取得するかは特に限定されないが、多くの箇所について幅寸法を取得するほど爪領域画像の形状を正確に把握することができ、精度の高い印刷を行うことができる。
高さ寸法測定部512が印刷部40のインク噴射方向における爪部Tの高さ寸法を測定する手法は特に限定されないが、本実施形態では、高さの違いによるスリット像の現れ方の違いから爪部Tの高さを算出するようになっている。なお、前述のように高さ寸法測定手段が爪部Tの高さ寸法を測定する手法は特に限定されず、例えば撮影部30によって爪部Tの側面にスポット光を照射して撮影を行った場合には、高さ寸法測定部512は、得られたスポット光像に基づいて爪部Tの高さを算出する。
なお、より精度の高い印刷を行うために、高さ寸法測定部512は、印刷対象物である爪部Tについて複数個所の高さ寸法を測定して、爪部Tの複数個所の高さ寸法を取得することが好ましい。この場合には、撮影部30は爪部Tの複数箇所においてスリット光を照射して撮影を行い、高さ寸法測定部512は、得られたスリット像に基づいて各部の爪部Tの高さを算出する。
前述のように、本実施形態では、3種類の爪形状パターンA〜Cに対応して3種類の噴射回数基本テーブルがROM52に記憶されており、テーブル選択部513は、爪部Tの高さ寸法に応じて当該爪部Tの形状を分類し、その形状に最も適合する噴射回数基本テーブルを選択するようになっている。例えば、印刷対象となる爪部Tの基準位置Pの高さが2000μmより高ければ爪形状パターンAに分類され(図10参照)、テーブル選択部513は爪形状パターンAに対応するパターンAの噴射回数基本テーブル(図14参照)を選択する。また、爪部Tの基準位置Pの高さが1000μm以上200以下であれば爪形状パターンBに分類され(図10参照)、テーブル選択部513は爪形状パターンBに対応するパターンBの噴射回数基本テーブル(図14参照)を選択する。また、爪部Tの基準位置Pの高さが1000μmより低ければ爪形状パターンCに分類され(図10参照)、テーブル選択部513は爪形状パターンCに対応するパターンCの噴射回数基本テーブル(図14参照)を選択する。
調整テーブル作成部514は、まず、基準となる噴射回数調整テーブルを作成し、これに基づいて各ラインについての噴射回数調整テーブルを作成するようになっている。
具体的には、ax,bxの幅寸法が基準となる噴射回数調整テーブルを作成したa0,b0よりも大きい場合(ax,bx長さ>a0,b0長さ)には、噴射回数調整テーブルa0,b0における噴射回数の値「1」が割り当てられる部分(すなわち、噴射回数「1」が割り当てられる項)を必要な長さ分だけ増やし、長さax,bxの噴射回数調整テーブルax,bxを作成する。
逆に、ax,bxの幅寸法が基準となる噴射回数調整テーブルを作成したa0,b0よりも小さい場合(ax,bx長さ<a0,b0長さ)には、ax,bx長さ/a0,b0長さの比によって噴射回数調整テーブルa0,b0全体を縮小する。すなわち、噴射回数調整テーブルa0,b0の中心部分の噴射回数の値「1」が割り当てられている箇所を必要数減らす。また、噴射回数の値「2」以上が割り当てられている両端部の部分については全体の数をax,bx長さ/a0,b0長さの比によって縮小する。ただし縮小方法としては両端部の噴射回数の値の大きな部分から削減していく。
また、例えば図18に示すように、幅寸法が5000μmであるラインa2,b2の場合には、5000μm/10000μmの比によって全体のテーブルを縮小し、噴射回数調整テーブルa0,b0では14項から87項までの74項あった噴射回数の値「1」が割り当てられた部分を8項から43項までの37項に減少させる。また、端部については、噴射回数調整テーブルa0,b0では両端部に1項から13項まで及び88項から100項まで、それぞれ13項あった噴射回数の値「1」以上が割り当てられた部分を1項から7項まで及び44項から50項まで、それぞれ7項に減少させる。そして、項数を減少させる際には、端部の噴射回数の値「4」、「3」が割り当てられている部分から削減する。
さらに、例えば図19に示すように、幅寸法が200μmであるラインa3,b3の場合には、噴射回数調整テーブル全体で2項となり、200μm/10000μmの比によって全体のテーブルを縮小する。その結果、噴射回数調整テーブルa0,b0では14項から87項までの74項あった噴射回数の値「1」が割り当てられた部分が全て削除され、2項分にはそれぞれ噴射回数の値「3」が割り当てられる。
なお、ax,bxの幅寸法が基準となる噴射回数調整テーブルを作成したa0,b0の幅寸法と同じである場合には、噴射回数調整テーブルa0,b0をそのまま噴射回数調整テーブルax,bxとする。
本実施形態では、印刷用データ生成部515は、噴射回数基本テーブルに基づいて作成された各ラインごとの噴射回数調整テーブルに応じて印刷用データを生成するようになっている。
例えば、幅寸法a2,b2の部分に解像度20μmでインクを噴射していく場合、図18に示す噴射回数調整テーブルa2,b2を参照し、記録ヘッド46が爪部Tの左端部から右側方向に向かう際には、爪領域Taへの最初のインク噴射回数は噴射回数調整テーブルa2,b2の値「3」となる。そこで、例えば1画素あたりの噴射回数が4回である場合、12回(4回×3)インクを噴射して100μm分(噴射回数調整テーブルa2,b2における1項分)の印刷を行う。そして、次の噴射回数調整テーブルa2,b2の値「3」を参照し、同様に印刷を行う。このように爪領域Taの幅寸法に応じて爪領域Taの全体について印刷を行う。
そこで、本実施形態では、印刷制御部516は、印刷用データ生成部515によって生成された印刷用データを印刷部40に出力する際に、印刷用データを適宜間引くことにより、端部におけるデザインの伸びや歪みを生じないようにしている。
また、複数の印刷指U1について撮影部30により複数の印刷指U11に対応する複数の指爪画像(爪部Tについての爪領域画像を含む印刷指U1の画像)が取得された場合に、各指爪画像から各指の種類を検出する指種類検出手段としての指種類検出部を制御部51に設けてもよい。この場合、指種類検出部は、例えば指爪画像の配置、長さ寸法や幅寸法等に基づいて各指爪画像の指種類を検出する。
そして、撮影部30により得られた画像を高さ寸法測定部512が分析することにより基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法を測定する(ステップS2)。そして、得られた爪部Tの高さ寸法はRAM53等に記憶される(ステップS3)。さらに、テーブル選択部513が、基準位置Pにおける爪部Tの高さ寸法に基づいてユーザの爪部Tを爪形状パターンA〜Cのいずれに当たるかを分類し(ステップS4)、この分類パターンをRAM53等に記憶させる(ステップS5)。そして、テーブル選択部513は、ROM53に記憶されている複数の噴射回数基本テーブルの中から分類された爪形状パターンに対応する噴射回数基本テーブルを、当該ユーザの爪部Tに適用される噴射回数基本テーブルとして選択する(ステップS6)。そして、噴射回数基本テーブルが選択されると、ユーザの爪部Tの爪領域Taにネイルデザインを印刷する爪印刷処理(図23参照)が行われる(ステップS7)。
次に、調整テーブル作成部514は、噴射回数基本テーブルに基づいて、まず、基準となるライン(本実施形態では、基準ラインa0,b0)の長さに応じた噴射回数調整テーブルa0,b0(図16参照)を作成する(ステップS13)。さらに、調整テーブル作成部514は、印刷するそれぞれの箇所について当該箇所の幅方向の長さ寸法に対応する噴射回数調整テーブル(図17から図19参照)を作成する(ステップS14)。そして、印刷用データ生成部515は、作成された噴射回数調整テーブルを参照しつつ、元画像データから印刷用データを生成し(ステップS15)、印刷制御部516は、この印刷用データを印刷部40に出力して、記録ヘッド46から噴射回数調整テーブルに応じた噴射回数インクを噴射させ、各ラインについて順次印刷を行う(ステップS16)。なお、この際、印刷制御部516は印刷用データを適宜間引いて印刷部40に出力することにより、爪部Tの端部において伸びのない良好な画像を印刷することができる。制御部51は、全ての指について印刷が完了したか否かを判断し(ステップS17)、全ての指について印刷が完了している場合(ステップS17;YES)には、処理を終了し、全ての指について印刷が完了してない場合(ステップS17;NO)にはステップS14からステップS16の処理を繰り返す。
また、ピッチ調整基本テーブルとしての噴射回数基本テーブルを、印刷対象物(爪部T)の高さに応じて複数(本実施形態では爪形状パターンAからCに対応した3種類)備えており、ユーザの爪部Tの高さに合う噴射回数基本テーブルを選択できるようになっている。このため、ユーザの爪部Tの形状を3種類のパターンに分類するだけでユーザの爪部Tの形状に合ったピッチ調整(噴射回数調整)を行うことができ、簡単な高さ形状認識機構である高さ測定手段を準備すれば足り、低コストと装置の小型化を実現しつつ、印刷濃度の低下やデザインの伸びや歪み等のない高精細な画像を印刷することができる。
また、本実施形態では、調整テーブル作成部514により、噴射回数基本テーブル(ピッチ調整基本テーブル)に基づいて、爪領域画像(印刷対象領域画像)の幅方向の長さ寸法に対応した当該印刷対象面の印刷に適用される個別の噴射回数調整テーブル(ピッチ調整テーブル)を作成するため、印刷用データを生成する際に個別の噴射回数調整テーブル(ピッチ調整テーブル)を参照すればよく、簡易に処理を行うことができる。
また、本実施形態では、ピッチ調整基本テーブルとして、印刷対象面の幅方向の中央部よりも幅方向の両端部の方が前記印刷手段による印刷の際のインクの噴射回数が多くなるように対応付けられた噴射量調整基本テーブルである噴射回数基本テーブルを備えている。このため、人の指の爪部Tのように、インク噴射方向における印刷部40との距離が幅方向の中央部では小さく、幅方向の端部に行くほど大きくなる湾曲形状をなす印刷対象面(爪領域Ta)を有する印刷対象物(爪部T)に対して印刷を行う場合でも、印刷濃度の低下のない高精細な画像を印刷することができる。
また、この場合、さらに印刷用データを間引いて印刷部40に出力し、印刷しているため、爪部Tのような曲面に印刷する場合でも端部におけるデザインの伸びや歪み等を抑えることができ、簡易な手法で曲面に対して高精細な画像を印刷することができる。
次に、図24から図30を参照しつつ、本発明に係る曲面印刷装置の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、曲面印刷装置が備えているピッチ調整基本テーブルが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図24に示すように、画像変換基本テーブルは、噴射回数基本テーブルと同様に、爪形状パターンA〜Cに応じて3種類用意されている。画像変換基本テーブルは、幅方向の両端部が低く中央部近傍が高く盛り上がった湾曲形状をなす印刷対象面である爪領域Taを有する爪部Tの全域において印刷に必要な記録濃度(以下「必要濃度」とする。)が確保されるように単位画素データの割り付け量を調整するものである。
調整テーブル作成部514は、第1の実施形態と同様に、まず爪部Tの基準ラインa0,b0についての画像変換調整テーブルを作成する。図25及び図26は、基準ラインa0,b0が10000μmの場合の画像変換調整テーブルの例を示したものである。例えば図25における「a1」は、図24に示す画像変換基本テーブルにしたがって、図26に示すように「4」に対応付けられており、図25における「a2」は、図24に示す画像変換基本テーブルにしたがって、図26に示すように「3」に対応付けられている。
すなわち、調整テーブル作成部514は、画像変換基本テーブルの1項から20項の各項に割り当てられた単位画素データ数の値を、基準ラインa0,b0の左右の端部にそれぞれ端部から中央部に向かって1項から20項の順となるように割り当てる(図26参照)。これにより、図26に示すように、幅寸法が10000μmである基準ラインa0,b0の1項から20項及び81項から100項についての単位画素データ数の値が決定され、残りの21項から80項の部分については、単位画素データ数「1」が割り当てられる。この結果、両端部から1300μmの位置(すなわち、1項〜13項と88項〜100項)には単位画素データ数「2」以上が割り当てられ、これ以外の爪部Tの中央部分(すなわち、14項〜87項)には単位画素データ数「1」が割り当てられた画像変換調整テーブルa0,b0が作成される。
さらに、調整テーブル作成部514は、この基準となる基準ラインa0,b0についての画像変換調整テーブルを縮小等することにより、各幅寸法ax,bxの部分も対応した個々の画像変換調整テーブルを作成する。
なお、図27は、a2,b2の幅寸法が5000μmの場合(図9参照)の画像変換調整テーブルの例を示したものである。なお、幅寸法ax,bxの部分に対応した画像変換調整テーブルの作成手法は第1の実施形態で説明したものと同様であることから、その説明を省略する。
例えば、図28(A)及び図28(B)に示すように、画像変換調整テーブルがT1からT8までの8項で構成され、爪部Tの端部に当たるT1とT8には「3」、T2とT7には「2」、それ以外の中央部分には「1」の単位画像データを割り付けるように対応付けられている場合、各項に割り付けられている割り付け数の和は「14」となっている。
そこで、この場合には、爪領域Taに印刷すべき元画像データを14ブロックに分割し、単位画素データの総数を「14」とする。そして、画像変換テーブルのT1の項には「3」の値が対応付けられていることから、14ブロックに分割された単位画素データのうち、3ブロック分のイメージデータが割り付けられる。この結果、図28(A)に示すように、T1の項に対応する爪部T上の領域では、「1」の値が対応付けられているT3やT4に比べて、印刷の精細性が3倍の精細さで印刷されることとなる。
すなわち、図28(A)に示すように、インク噴射方向における印刷部40との距離が幅方向の中央部では小さな距離L1であり、幅方向の端部に行くほど大きな距離L2となる湾曲形状をなす爪領域Taを有する爪部Tに対して印刷を行うにあたり、爪領域Taの幅方向の中央部の印刷ピッチP1よりも幅方向の両端部の方の印刷ピッチP2が印刷部40による印刷の際の印刷ピッチが細かくなるように対応付けられたピッチ調整基本テーブルに応じて、爪領域Taに印刷すべき画像の元画像データから爪領域画像の幅寸法に対応した印刷用データを生成し、この印刷用データにしたがって爪領域Taに印刷を施す。
このように画像変換基本テーブルに基づいて元画像データを変換することにより、爪部Tの形状に応じた印刷が可能になり、印刷すべきデザイン(元画像データの表されているデザイン)を爪部T上に印刷した際に、例えば図30に示すような、伸びや歪み等の変形や印刷濃度の低下等が生じず、高精細な画像を印刷することができる。
なお、印刷制御処理の全体の流れは、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、調整テーブル作成部514は、画像変換基本テーブルに基づいて、まず、基準となるライン(本実施形態では、基準ラインa0,b0)の長さに応じた画像変換調整テーブルa0,b0(図25及び図26参照)を作成する。さらに、調整テーブル作成部514は、印刷するそれぞれの箇所について当該箇所の幅方向の長さ寸法に対応する画像変換調整テーブル(図27参照)を作成する。そして、印刷用データ生成部515は、作成された画像変換調整テーブルを参照しつつ、元画像データから印刷用データを生成し、印刷制御部516は、この印刷用データを印刷部40に出力して、記録ヘッ46ドから画像変換調整テーブルに応じた単位画素データ数に応じてインクを噴射させ、各ラインについて順次印刷を行う。
なお、その他の処理については第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
また、ピッチ調整基本テーブルとしての画像変換基本テーブルを、印刷対象物(爪部T)の高さに応じて複数(本実施形態では爪形状パターンAからCに対応した3種類)備えており、ユーザの爪部Tの高さに合う画像変換基本テーブルを選択できるようになっているため、ユーザの爪部Tの形状に合ったピッチ調整(単位画素データの割り当て数調整)を行うことができ、より確実に印刷濃度の低下やデザインの伸びや歪み等のない高精細な画像を印刷することができる。
また、本実施形態では、調整テーブル生成部514により、画像変換基本テーブル(ピッチ調整基本テーブル)に基づいて、爪領域画像(印刷対象領域画像)の幅方向の長さ寸法に対応した当該爪領域(印刷対象面)の印刷に適用される個別の画像変換調整テーブル(ピッチ調整テーブル)を作成するため、印刷用データを生成する際に個別の画像変換調整テーブル(ピッチ調整テーブル)を参照すればよく、簡易に処理を行うことができる。
例えば、ピッチ調整基本テーブルとしての噴射回数基本テーブル又は画像変換基本テーブルを1種類だけ備え、これに基づいて印刷対象面である爪領域の幅方向の中央部よりも幅方向の両端部の方が印刷部40による印刷の際の印刷ピッチが細かくなるようにピッチ調整を行うようにしてもよい。
この場合には、爪部Tの高さ方向の寸法を取得する必要もなく、撮影部30により爪領域画像を取得したら、ピッチ調整基本テーブルを参照して元画像データからユーザの爪領域Taの幅方向の長さ寸法に応じた印刷用データを生成し、この印刷用データに従って爪印刷処理を行うことができる。
基準となる噴射回数調整テーブル又は画像変換調整テーブルを作成したら、印刷時に、この基準となる噴射回数調整テーブル又は画像変換調整テーブルを参照して、印刷箇所ごとの幅寸法に応じて噴射回数や単位画素データの割り付け数を設定し、印刷を行うようにしてもよい。
さらに、基準となる噴射回数調整テーブル又は画像変換調整テーブルも作成せずに、ピッチ調整基本テーブルとしての噴射回数基本テーブル又は画像変換基本テーブルを直接参照して、元画像データからユーザの爪領域Taの幅方向の長さ寸法に応じた印刷用データを生成し、この印刷用データに従って爪印刷処理を行うようにしてもよい。
すなわち、ピッチ調整基本テーブルの値と印刷幅、印刷位置から毎回噴射回数や単位画素の割り当て数を求めてもよい。また、この場合には、毎回噴射回数や単位画素の割り当て数が印刷位置に対してリニアに変化するようにしてもよい。この場合には、調整テーブル作成部514を設ける必要がない。
また、印刷用データ生成部515を設けずに、印刷制御部516が、印刷時に、随時ピッチ調整基本テーブル又はこれに基づいて生成されたピッチ調整テーブルを参照しつつ印刷用データを印刷部40に出力するようにしてもよい。
例えば、ピッチ調整基本テーブルとして画像変換基本テーブルを備える場合に、画像データの間引きを行うことなく印刷した場合には噴射回数の調整を行うことは不要であり、全て平面の部分と同じように印刷すれば足りるが、印刷部40の印刷解像度が不足している場合には、画像データの間引きを行う必要がある。この場合には噴射回数基本テーブルを合わせて適用し、インクの噴射回数を調整することによって、画像データの間引きが行われた部分の印刷濃度が低下しないように調整することが好ましい。
例えば、図31(A)及び図32(A)に示すように、爪部TのストレスポイントSpL、SpRを結ぶ線上の中心点を基準点Cpとして、カメラ32等により認識し、その画像を取得する。このままユーザが指を時計回り又は反時計回りに回転させ、カメラ32等により基準点Cpの位置を追尾する。そして、図31(B)及び図32(B)に示すように、基準点Cpが端部に来た状態、すなわち、指が真横になった状態を認識して撮影し、この画像から爪部Tの高さ方向の寸法を取得してもよい。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
印刷対象物に対してインクを噴射して印刷を施す印刷手段を備え、インク噴射方向における前記印刷手段との距離が幅方向の中央部では小さく、幅方向の端部に行くほど大きくなる湾曲形状をなす印刷対象面を有する印刷対象物に対して印刷を行う曲面印刷装置であって、
前記印刷対象面を撮影して印刷対象領域画像を得る撮影手段と、
前記撮影手段によって得られた印刷対象領域画像の幅方向の長さ寸法を測定する幅寸法測定手段と、
前記印刷対象面に印刷すべき画像の元画像データを記憶する元画像データ記憶手段と、
前記印刷対象面の幅方向の中央部よりも幅方向の両端部の方が前記印刷手段による印刷の際の印刷ピッチが細かくなるように対応付けられたピッチ調整基本テーブルを記憶する基本テーブル記憶手段と、
前記基本テーブル記憶手段に記憶されている前記ピッチ調整基本テーブルに応じて、前記元画像データ記憶手段に記憶されている元画像データから前記幅寸法測定手段によって測定された印刷対象領域画像の幅寸法に対応した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データ生成手段により生成された前記印刷用データにしたがって前記印刷対象物の印刷対象面に印刷を施すように前記印刷手段を制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴とする曲面印刷装置。
<請求項2>
前記基本テーブル記憶手段は、前記印刷手段のインク噴射方向における印刷対象物の高さ寸法に応じて前記ピッチ調整基本テーブルを複数種類記憶しており、
前記印刷手段のインク噴射方向における印刷対象物の高さ寸法を測定する高さ寸法測定手段と、
この高さ寸法測定手段により取得された前記印刷対象物の高さ寸法に応じて、当該印刷対象物に適合する前記ピッチ調整基本テーブルを前記基本テーブル記憶手段に記憶されている複数種類の中から選択するテーブル選択手段をさらに備え、
前記印刷用データ生成手段は、前記テーブル選択手段により選択された前記ピッチ調整基本テーブルに基づいて前記印刷用データを生成することを特徴とする請求項1に記載の曲面印刷装置。
<請求項3>
前記高さ寸法測定手段は、前記印刷対象物について複数個所の高さ寸法を測定して、前記印刷対象物について複数個所の高さ寸法を取得するものであることを特徴とする請求項2に記載の曲面印刷装置。
<請求項4>
前記基本テーブル記憶手段に記憶されている前記ピッチ調整基本テーブルに基づいて、前記幅寸法測定手段によって測定された印刷対象領域画像の幅方向の長さ寸法に対応した当該印刷対象面の印刷に適用される個別のピッチ調整テーブルを作成するピッチ調整テーブル作成手段をさらに備え、
前記印刷用データ生成手段は、前記ピッチ調整テーブル作成手段により作成された前記ピッチ調整テーブルに基づいて前記印刷用データを生成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の曲面印刷装置。
<請求項5>
前記基本テーブル記憶手段に記憶されている前記ピッチ調整基本テーブルは、前記印刷対象面の幅方向の中央部よりも幅方向の両端部の方が前記印刷手段による印刷の際のインクの噴射回数が多くなるように対応付けられた噴射量調整基本テーブル、及び/又は、前記印刷対象面の幅方向の中央部よりも幅方向の両端部の方が多くの単位画素データが割り付けられるように前記元画像データ記憶手段に記憶されている元画像データにおける画素を再配分する画像変換基本テーブルであり、
前記印刷用データ生成手段は、前記噴射量調整基本テーブル及び前記画像変換基本テーブルの少なくともいずれか1つに応じて、前記元画像データ記憶手段に記憶されている元画像データから前記幅寸法測定手段によって測定された印刷対象領域画像の幅寸法に対応した印刷用データを生成するものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の曲面印刷装置。
<請求項6>
前記印刷対象物は人の指の爪部であり、
前記印刷対象面は爪領域であり、
前記印刷手段は、人の爪部の表面にネイルプリントを施すものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の曲面印刷装置。
<請求項7>
印刷対象物に対してインクを噴射して印刷を施す印刷手段を備え、インク噴射方向における前記印刷手段との距離が幅方向の中央部では小さく、幅方向の端部に行くほど大きくなる湾曲形状をなす印刷対象面を有する印刷対象物に対して印刷を行う曲面印刷装置の印刷制御方法であって、
前記印刷対象面を撮影して印刷対象領域画像を得る撮影ステップと、
前記撮影ステップにおいて得られた印刷対象領域画像の幅方向の長さ寸法を測定する幅寸法測定ステップと、
前記印刷対象面の幅方向の中央部よりも幅方向の両端部の方が前記印刷手段による印刷の際の印刷ピッチが細かくなるように対応付けられたピッチ調整基本テーブルに応じて、前記印刷対象面に印刷すべき画像の元画像データから前記幅寸法測定ステップにおいて測定された印刷対象領域画像の幅寸法に対応した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データ生成ステップにおいて生成された前記印刷用データにしたがって前記印刷対象物の印刷対象面に印刷を施すように前記印刷手段を制御する印刷制御ステップと、
を含んでいることを特徴とする印刷制御方法。
2 ケース本体
20a 印刷指挿入部
30 撮影部
40 印刷部
50 制御装置
52 ROM
53 RAM
51 制御部
511 幅寸法測定部
512 高さ寸法測定部
513 テーブル選択部
514 調整テーブル作成部
515 印刷用データ生成部
516 印刷制御部
T 爪
Ta 爪領域
U1 印刷指
U2 非印刷指
Claims (16)
- 印刷対象物の湾曲形状を有する印刷対象面に印刷を行う曲面印刷装置において、
前記印刷対象面の湾曲形状を、予め設定された、湾曲の程度が互いに異なる複数の形状パターンのうちの何れか1つの特定の形状パターンに分類し、前記印刷対象面の一の方向に沿った中央部は前記印刷対象面の前記一の方向に沿った両端側より盛り上がっている、選択部と、
前記印刷対象面にインクを塗布する記録ヘッドを有する印刷部と、
前記印刷部を制御して、前記印刷対象面の前記両端側に塗布する前記インクの量を、前記特定の形状パターンに対応して予め設定された量に設定する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記印刷対象面の、前記一の方向の端部から前記一の方向に沿って、中央部に向かって所定の基準距離だけ寄った位置での、前記端部からの高さを、高さ寸法として測定する高さ寸法測定部を備え、
前記選択部は、前記高さ寸法の値と、予め設定された高さ寸法の閾値と、の比較に基づいて、前記印刷対象面の湾曲形状の分類を行い、
前記高さ寸法の閾値は、前記複数の形状パターンの各々に対応して、互いに異なる値に設定されていることを特徴とする曲面印刷装置。 - 前記印刷対象物の前記印刷対象面を撮影して、印刷対象領域画像を得る撮影部を、更に有し、
前記高さ寸法測定部は、前記印刷対象領域画像の解析に基づいて、前記高さ寸法を測定することを特徴とする請求項1に記載の曲面印刷装置。 - 前記記録ヘッドは、前記印刷対象面に対し、前記1の方向に沿って移動しながら、インク滴を間欠的に噴射して、前記印刷対象面に、1又は複数の前記インク滴によるドットを複数形成し、
前記制御部は、前記印刷対象面の前記両端側に対する前記印刷部の印刷ピッチの値を、前記特定の形状パターンに対応して設定された値に設定し、前記一の方向に沿って前記記録ヘッドが前記印刷ピッチに対応する距離だけ移動する毎に前記ドットを形成するように、前記記録ヘッドを制御することを特徴とする請求項1に記載の曲面印刷装置。 - 前記制御部は、前記印刷ピッチに対応する、前記記録ヘッドから噴射する前記インク滴の噴射回数を設定するための噴射回数基本テーブルを記憶する、基本テーブル記憶部を有し、
前記噴射回数基本テーブルは、前記印刷対象面の一端から中央部に向かう予め設定された第1の距離までの間の領域を、前記第1の方向に沿って、一定の長さ毎に複数の分割領域に分割し、前記各分割領域に対する前記噴射回数の第1の設定値を、前記複数の形状パターンの各々に対して格納しており、
前記第1の設定値は、前記各分割領域に対応する前記印刷対象面の、前記第1の方向に対する傾斜角度の増加に対応して、噴射回数基準値に対する比率が1より大きい値に増加する値に設定され、
前記噴射回数基準値は、前記印刷対象面が前記第1の方向に平行であるときに前記記録ヘッドに設定される前記噴射回数に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の曲面印刷装置。 - 前記印刷対象面の、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って設けられた複数の測定ポイントでの、前記第1の方向の両端間の複数の幅寸法を測定する幅寸法測定部を、更に備え、
前記制御部は、前記各測定ポイントに対応する複数の噴射回数調整テーブルを作成する調整テーブル作成部を有し、
前記各噴射回数調整テーブルは、前記印刷対象面の前記各測定ポイントに対応する前記第1の方向の両端間を前記第1の方向に沿って複数の前記分割領域毎に分割し、前記各分割領域に対する噴射回数の第2の設定値を格納しており、
前記調整テーブル作成部は、前記噴射回数基本テーブルにおける前記特定の形状パターンに対応して格納されている前記第1の設定値に基づいて、前記複数の測定ポイントのうちの一つの特定の測定ポイントに対応する第1の噴射回数調整テーブルを作成し、前記複数の測定ポイントにおける前記特定の測定ポイントを除く他の測定ポイントに対応する第2の噴射回数調整テーブルを、前記第1の噴射回数調整テーブルを、前記特定の測定ポイントにおける第1の幅寸法の値と前記他の測定ポイントにおける第2の幅寸法の値との比率に応じて補正して、生成することを特徴とする請求項4に記載の曲面印刷装置。 - 前記制御部は、
前記印刷対象面に印刷すべき画像の画像データを、元画像データとして記憶する元画像データ記憶部と、
前記各噴射回数調整テーブルを参照して、前記元画像データから、前記幅寸法に対応し、前記噴射回数が、前記各噴射回数調整テーブルに格納されている前記第2の設定値に対応した値に設定された印刷用データを生成する印刷用データ生成部と、
前記各噴射回数調整テーブルに格納されている前記第2の設定値に基づいて前記印刷用データの一部を間引きし、間引きした後の前記印刷用データを前記印刷部に供給する印刷制御部と、
を有することを特徴とする請求項5に記載の曲面印刷装置。 - 前記制御部は、
前記印刷対象面に印刷すべき画像の画像データを、元画像データとして記憶し、前記画像データは複数の印刷画素により形成され、1つの前記印刷画素は1つの前記インク滴に対応している、元画像データ記憶部と、
前記元画像データの前記複数の印刷画素を再配分するための画像変換基本テーブルを記憶する、基本テーブル記憶部を有し、
前記画像変換基本テーブルは、前記1の方向に沿って、前記印刷対象面の一端から中央部に向かう第1の距離までの間の領域を、前記第1の方向に一定の長さ毎に複数の分割領域に分割し、前記各分割領域に割り付ける前記印刷画素の割り付け数を、前記複数の形状パターンの各々に対して格納しており、
前記印刷画素の割り付け数は、前記各分割領域に対応する前記印刷対象面の、前記第1の方向に対する傾斜角度の増加に対応して、大きくなる値に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の曲面印刷装置。 - 前記印刷対象面の、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って設けられた複数の測定ポイントでの、前記第1の方向の両端間の複数の幅寸法を測定する幅寸法測定部を、更に備え、
前記制御部は、前記各測定ポイントに対応する複数の画像変換調整テーブルを作成する調整テーブル作成部を有し、
前記各画像変換調整テーブルは、前記印刷対象面の前記測定ポイントに対応する前記第1の方向の両端間を前記第1の方向に沿って複数の前記分割領域に分割して、前記各分割領域に割り付ける前記印刷画素の数を格納しており、
前記調整テーブル作成部は、前記画像変換基本テーブルにおける前記特定の形状パターンに対応して格納されている前記印刷画素の割り付け数に基づき、前記複数の測定ポイントのうちの一つの特定の測定ポイントに対応する第1の画像変換調整テーブルを作成し、前記第1の画像変換調整テーブルを、前記特定の測定ポイントにおける第1の幅寸法の値と前記他の測定ポイントにおける第2の幅寸法の値との比率に応じて補正して、前記複数の測定ポイントにおける前記特定の測定ポイントを除く他の測定ポイントに対応する第2の画像変換調整テーブルを生成することを特徴とする請求項7に記載の曲面印刷装置。 - 前記制御部は、
前記各画像変換調整テーブルを参照して、前記元画像データから、前記幅寸法に対応し、前記複数の印刷画素が、前記各分割領域に対して、前記各画像変換調整テーブルに格納されている前記印刷画素の数に再配分された印刷用データを生成する印刷用データ生成部と、
生成された前記印刷用データを前記印刷部に供給する印刷制御部と、
を有することを特徴とする請求項8に記載の曲面印刷装置。 - 前記印刷対象物は人の指の爪部であり、
前記印刷対象面は爪領域であり、
前記印刷部は、人の爪部の表面にネイルプリントを施すものであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の曲面印刷装置。 - 印刷対象物の湾曲形状を有する印刷対象面に印刷を行う曲面印刷装置の印刷制御方法であって、
前記印刷対象面の、前記一の方向の端部から前記一の方向に沿って、中央部に向かって所定の基準距離だけ寄った位置での、前記端部からの高さを、高さ寸法として測定し、
前記高さ寸法の値と、予め設定された高さ寸法の閾値と、の比較に基づいて、前記印刷対象面の湾曲形状を、予め設定された、湾曲の程度が互いに異なる複数の形状パターンのうちの何れか1つの特定の形状パターンに分類し、前記高さ寸法の閾値は、前記複数の形状パターンの各々に対応して、互いに異なる値に設定され、前記印刷対象面の一の方向に沿った中央部は前記印刷対象面の前記一の方向に沿った両端側より盛り上がっており、
前記印刷対象面に印刷を行うとき、前記印刷対象面にインクを塗布する記録ヘッドを有する印刷部を制御して、前記印刷対象面の前記両端側に塗布する前記インクの量を、前記特定の形状パターンに対応して予め設定された量に設定することを特徴とする曲面印刷装置の印刷制御方法。 - 前記記録ヘッドを、前記印刷対象面に対し、前記1の方向に沿って移動させながら、インク滴を間欠的に噴射させて、前記印刷対象面に、1又は複数の前記インク滴によるドットを複数形成して、前記印刷を行い、
前記印刷対象面の前記両端側に対する印刷ピッチの値を、前記特定の形状パターンに対応して設定された値に設定し、前記一の方向に沿って前記記録ヘッドを前記印刷ピッチに対応する距離だけ移動させる毎に前記ドットを形成することを特徴とする請求項12又は請求項11に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法。 - 前記印刷対象面の、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って設けられた複数の測定ポイントでの、前記第1の方向に沿った両端間の複数の幅寸法を測定し、
噴射回数基本テーブルと、前記各測定ポイントに対応した複数の噴射回数調整テーブルと、を作成し、
前記噴射回数基本テーブルは、前記各測定ポイントに対応する前記1の方向に沿って、前記印刷対象面の一端から中央部に向かう第1の距離までの間の領域を、前記第1の方向に沿って、一定の長さ毎の複数の分割領域に分割し、前記各分割領域に対する、前記記録ヘッドから噴射する前記インク滴の噴射回数の第1の設定値を、前記複数の形状パターンの各々に対して格納し、
前記各噴射回数調整テーブルは、前記印刷対象面の前記各測定ポイントに対応する前記第1の方向の両端間を前記第1の方向に沿って複数の前記分割領域毎に分割し、前記各分割領域に対する噴射回数の第2の設定値を格納し前記第1の設定値は、前記各分割領域に対応する前記印刷対象面の、前記第1の方向に対する傾斜角度の増加に対応して、噴射回数基準値に対する比率が1より大きい値に増加する値に設定され、前記噴射回数基準値は、前記印刷対象面が前記第1の方向に平行であるときに前記記録ヘッドに設定される前記噴射回数に設定されており、
前記複数の噴射回数調整テーブルを作成する工程は、前記噴射回数基本テーブルにおける前記特定の形状パターンに対応して格納されている前記第1の設定値に基づいて、前記複数の測定ポイントのうちの一つの特定の測定ポイントに対応する第1の噴射回数調整テーブルを作成する工程と、前記複数の測定ポイントにおける前記特定の測定ポイントを除く他の測定ポイントに対応する第2の噴射回数調整テーブルを、前記第1の噴射回数調整テーブルを、前記特定の測定ポイントにおける第1の幅寸法の値と前記他の測定ポイントにおける第2の幅寸法の値との比率に応じて補正して、生成する工程と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法。 - 前記各噴射回数調整テーブルを参照して、前記印刷対象面に印刷すべき画像の画像データから、前記幅寸法に対応し、前記噴射回数が、前記各噴射回数調整テーブルに格納されている前記第2の設定値に対応した値に設定された印刷用データを生成し、
前記各噴射回数調整テーブルに格納されている前記第2の設定値に基づいて前記印刷用データの一部を間引きし、
間引きした後の前記印刷用データを前記印刷部に供給して、前記印刷対象面への印刷を行うことを特徴とする請求項13に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法。 - 前記印刷対象面の、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って設けられた複数の測定ポイントでの、前記第1の方向に沿った両端間の複数の幅寸法を測定し、
画像変換基本テーブルと、前記各測定ポイントに対応する複数の画像変換調整テーブルと、を作成し、
前記画像変換基本テーブルは、前記1の方向に沿って、前記印刷対象面の一端から中央部に向かう第1の距離までの間の領域を、前記第1の方向に一定の長さ毎に複数の分割領域に分割し、前記各分割領域に割り付ける前記印刷画素の割り付け数を、前記複数の形状パターンの各々に対して格納し、
前記画像変換調整テーブルは、前記印刷対象面の前記各測定ポイントに対応する前記第1の方向の両端間を前記第1の方向に沿って複数の前記分割領域に分割して、前記各分割領域に割り付ける前記印刷画素の数を格納し、
前記画像変換基本テーブルにおける前記印刷画素の割り付け数は、前記各分割領域に対応する前記印刷対象面の、前記第1の方向に対する傾斜角度の増加に対応して、大きくなる値に設定されており、
前記複数の画像変換調整テーブルを作成する工程は、前記調整テーブル作成部は、前記画像変換基本テーブルにおける前記特定の形状パターンに対応して格納されている前記印刷画素の割り付け数に基づき、前記複数の測定ポイントのうちの一つの特定の測定ポイントに対応する第1の画像変換調整テーブルを作成する工程と、前記複数の測定ポイントにおける前記特定の測定ポイントを除く他の測定ポイントに対応する第2の画像変換調整テーブルを、前記第1の画像変換調整テーブルを、前記特定の測定ポイントにおける第1の幅寸法の値と前記他の測定ポイントにおける第2の幅寸法の値との比率に応じて補正して、生成する工程と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法。 - 前記各画像変換調整テーブルを参照して、前記印刷対象面に印刷すべき画像の画像データから、前記幅寸法に対応し、前記複数の印刷画素が、前記各分割領域に対して、前記各画像変換調整テーブルに格納されている前記印刷画素の割り付け数に再配分された印刷用データを生成し、
生成された前記印刷用データを前記印刷部に供給して、前記印刷対象面への印刷を行うことを特徴とする請求項15に記載の曲面印刷装置の印刷制御方法。
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