JP2014001500A - 外構部材および外構構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物内に導入される外気を冷却する効果を発揮する外構部材および外構構造物を提供することを目的とする。
【解決手段】疎水性を有する接着層3と、接着層3の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなる多孔質材層4と、を備える外構部材1と、この外構部材1によって構成される外構構造物10。これによって、多孔質材層に含まれた水の気化熱を利用して外構部材を冷却でき、これに伴って周囲の気温を低下できる。そして、このような外構部材によって外構構造物を構成すれば、外構構造物の周囲の空気を冷却する効果を発揮できるので、建物内の自然換気を行う際に、冷却された外気を建物内に導入できることとなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅等の建物の外回りに使われる建材である外構部材と、この外構部材によって構成される外構構造物に関する。
住宅等の建物には、庭やバルコニー等の外回りに、例えばフェンスや門、柵、手摺、ルーバー等の外構構造物が設けられる場合がある。これら外構構造物によれば、例えば敷地の内外を分け隔てたり、外部からの視線を遮ったり、建物と外部との境界で様々な機能を発揮することができる。
特許文献1に記載の外構構造物は、建物の開口部を遮蔽するルーバーであり、このルーバーを構成する建材(すなわち、外構部材)として、複数のフィンが用いられている。このようなルーバーによれば、複数のフィンによって外部からの視線を遮蔽しつつ、複数のフィンの隙間から通風と採光を得ることができる。
さらに、従来、建物の外壁の少なくとも一部を、通風路を備え、かつ保水性のある多孔質壁材によって構成する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、多孔質壁材として、例えばレンガが用いられており、このレンガを上下左右に多数積み上げることによって外壁が構成されている。
特許文献2に記載の技術によれば、水の気化を利用して外壁全体を冷却し、さらに、通気路内に空気を通して、その空気を加湿すると同時に冷却することにより、室内に涼しい空気を供給することができる。
特開2000−110232号公報 特開平08−042013号公報
ところで、近年、省エネルギーや地球温暖化対策の観点から、空調機器や換気装置を用いずに、建物の各部屋の窓やドアを開放して自然換気を行うことによって建物内に快適な居住環境を形成したいという要望がある。
ところが、夏場においては建物内に導入する外気が温暖であるため、さらに市街地においてはヒートアイランド化現象による気温上昇のため、自然換気による効果を得にくい場合があった。
また、従来のようにレンガ等の多孔質壁材を用いる場合、一定以上の奥行きを必要とする上、壁体として使用するためにはレンガ等の多孔質壁材を支えるための鉄筋が必要となる。さらに、給水量の多さから大型の貯水タンクを必要とするなど、重量・体積ともに大きくなってしまう場合がある。このため、スペースが限られる戸建住宅等では、蒸発冷却効果のみを目的として、大きく重い部材を導入することは、空間利用上問題があった。
本発明の課題は、建物内に導入される外気を冷却する効果を発揮できるとともに、周辺環境よりも体感温度の低いクールスポットを形成することが可能であり、さらに、スペースが限られる戸建住宅等であっても導入しやすい外構部材および外構構造物を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、外構部材1(1A)であって、例えば図1〜図7に示すように、外構構造物10を構成しており、
疎水性を有する接着層3と、前記接着層3の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなる多孔質材層4と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建物内に導入される外気を冷却する効果を発揮できるとともに、周辺環境よりも体感温度の低いクールスポットを形成することが可能であり、さらに、スペースが限られる戸建住宅等であっても導入しやすい。すなわち、前記多孔質材は多数の細孔があるため、表面張力が大きく、かつ吸水性を有するので、前記多孔質材層4に水が供給された場合に、この多孔質材層4に水を十分に含ませることができる。これによって、前記多孔質材層4に含まれた水の気化熱を利用して外構部材1(1A)を冷却することができ、これに伴って周囲の気温を低下させることができる。そして、このような外構部材1(1A)によって前記外構構造物10を構成すれば、前記外構構造物10の周囲の空気を冷却する効果を発揮できるので、建物内の自然換気を行う際に、冷却された外気を建物内に導入できることとなる。したがって、たとえ夏場であっても、空調機器や換気装置を用いずに、建物内に快適な居住環境を形成することができ、延いては省エネルギーや地球温暖化対策に貢献することが可能となる。しかも、例えば従来のようなレンガ等の多孔質壁材に比して軽量であり、かつ形状の自由度が高い。このため広範囲にわたって用いることが可能であり、冷却対象空間における冷却面の形態係数を大きく取ることができる。これによって、住宅等の建物の外回りに、体感温度が周辺環境よりも低くなるクールスポット(涼しい微気候空間)を形成できる。そして、このように外回りに涼しい環境を形成できれば人の滞在時間が長くなることが期待され、屋内から屋外に出て過ごす時間が増えることで空調機器の稼働時間を短縮し、結果的に、省エネルギーや地球温暖化対策に貢献することが可能となる。
また、外構部材1(1A)は、前記接着層3と、前記多孔質材層4とを備えてなるものであるため、該外構部材1(1A)は、新規に製造した部材に限られるものではなく、既存の部材にも適用することが可能となる。つまり、既存の外構部材1(1A)であっても、この既存の外構部材1(1A)に対して接着層3と多孔質材層4とを備えさせ、この多孔質材層4に水を含ませることで容易に冷却効果を得ることができる。
さらに、前記多孔質材層4は、前記接着層3の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなるので、前記多孔質材層4に水を供給すれば、毛細管現象により水の拡散性を向上することができる。これによって、前記多孔質材層4を少量の水で効率良く濡らすことができるので、水の節約や省エネルギーに貢献できる。
また、前記接着層3は、この接着層が表面に設けられる基材(例えば、基材2,2A)と前記多孔質材層4との間に介在し、疎水性を有するので、例えば基材が耐水性の低い製品であったとしても、この基材の耐水性に関わりなく、前記多孔質材層4に水を供給することができ、冷却効果を発揮させることができる。そして、このように外構部材1(1A)の表面性状を変えるだけで保水性を向上できるので、基材自体の構造強度や耐久性は維持される。また、前記多孔質材層だけに水が含まれるので、凍結融解による基材の破損を防ぐことができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図7に示すように、請求項1に記載の外構部材1(1A)を複数並列してなる外構構造物10であって、
互いに間隔をあけて配置される複数の支柱11,11と、
前記複数の支柱11,11間にわたって長尺に形成されており、前記複数の支柱11,11間に横方向に架設されるとともに、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置される前記複数の外構部材1…(1A…)と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記複数の支柱11,11と前記複数の外構部材1…(1A…)とによって、例えばフェンスや柵、ルーバー等の外構構造物10を形成することができる。このような外構構造物10によれば、該外構構造物10の周囲の空気を全体的に冷却できるだけでなく、前記複数の外構部材1,1間の隙間(例えば隙間S)を通過する空気を冷却することができる。
また、前記複数の外構部材1…(1A…)は、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置されることにより、例えば前記複数の外構部材1…(1A…)が間隔をあけずに並列配置された場合に比して、空気に接触する面を増やすことができるので、空気の冷却効果を高めることができる。
そして、このような外構構造物10を、建物の窓等の開口部前方や開口部周囲に配置すれば、外部からの視線を遮蔽しつつ、建物内に冷却された外気と採光とを同時に導入することができる。これによって、建物内の居住環境の快適性をより向上することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、例えば図3,図4,図7に示すように、請求項2に記載の外構構造物10において、
前記各外構部材1…(1A…)の上面部5は、前記複数の支柱11,11の高さ方向に対して一定の角度で傾斜していることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記各外構部材1…(1A…)の上面部5は、前記複数の支柱11,11の高さ方向に対して一定の角度で傾斜しているので、前記上面部5上の水を、傾斜方向上端部から下端部に向かって流すことができ、さらに、下方へと滴下させることができる。つまり、前記複数の外構部材1…(1A…)に対して水を供給する際は、最も上方に位置する前記外構部材1(1A)に対して水を供給すれば、水を下方への滴下させることができる。そして、下方に滴下された水が、下方の前記外構部材1(1A)に当たれば、この下方の外構部材1(1A)に対しても水を供給でき、これによって、下方の前記複数の外構部材1…に対して順々に水を供給できることになるので、前記複数の外構部材1…(1A…)に対して効率良く水を含ませることができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図1,図3,図4,図7に示すように、請求項3に記載の外構構造物10において、
前記各外構部材1…(1A…)は、前記上面部5と、
前記上面部5と一体形成されるとともに該上面部5の傾斜方向下端部から斜め下方に折り返される側面部6と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記側面部6は、前記上面部5と一体形成されるとともに該上面部5の傾斜方向下端部から斜め下方に折り返されているので、前記上面部5を流れる水を前記側面部6に伝わせて下方に流し、該側面部6の下端部から滴下させることができる。これによって、前記上方の外構部材1(1A)の前記上面部5を流れる水を、より確実に前記下方の外構部材1(1A)の前記上面部5へと滴下させることができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図3,図4,図7に示すように、請求項2〜4のいずれか一項に記載の外構構造物10において、
前記複数の支柱11,11の上端部に取り付けられるとともに、前記複数の外構部材1…(1A…)のうち最も上方に位置する外構部材1(1A)の上方に配置される天板17をさらに備えており、
前記天板17は、前記各外構部材1…(1A…)の前記上面部5と略等しい角度で傾斜しており、傾斜方向下端部には、前記各外構部材1…(1A…)の前記側面部6と略等しい角度で傾斜する折返し部17aが一体形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、前記複数の支柱11,11の上端部に前記天板17が取り付けられているので、この天板17の下方に位置する前記最も上方に位置する外構部材1(1A)が、雨や日射を直接受けにくくなる。これによって、天候等による前記複数の外構部材1…(1A…)の劣化を抑制することが可能となる。
また、前記天板17は、前記各外構部材1…(1A…)の前記上面部5と略等しい角度で傾斜しており、傾斜方向下端部には、前記各外構部材1…(1A…)の前記側面部6と略等しい角度で傾斜する折返し部17aが一体形成されているので、前記天板17上の水を、傾斜方向上端部から下端部に向かって流すことができる。さらに、前記天板17上からの水を前記折返し部17aに伝わせて下方に流し、該折返し部17aの下端部から前記最も上方に位置する外構部材1(1A)に滴下させることができる。
したがって、例えば夏場の雨天時等においては、前記天板17によって前記複数の外構部材1…(1A…)の劣化を抑制しつつ、雨水による水の供給によって前記複数の外構部材1…(1A…)に対して十分に水を含ませることができる。
請求項6に記載の発明は、例えば図2〜図4,図7に示すように、請求項5に記載の外構構造物10において、
前記複数の外構部材1…(1A…)に対して水を供給する供給手段18をさらに備えており、
前記供給手段18は、給水源18aと、前記給水源18aから前記複数の外構部材1…(1A…)のうち最も上方に位置する外構部材1(1A)よりも上方に配管される給水管(例えば支管18c)と、を有しており、
前記天板17の直下には、前記給水管が収納される収納部17cが設けられており、
前記収納部17cは、下方に向かって開口する開口部17dを備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、前記複数の外構部材1…(1A…)に対して水を供給する前記供給手段18を備えるので、前記複数の外構部材1…(1A…)に容易かつ確実に水を含ませることができる。さらに、前記天板17の直下に設けられた前記収納部17cに前記給水管(例えば支管18c)を収納した状態で、前記開口部17dから確実に水を滴下させることができる。つまり、前記給水管によって前記複数の外構部材1…(1A…)に対して確実に水を供給しつつ、前記給水管によって周囲の景観性が損なわれることを防ぐことができる。
本発明によれば、建物内に導入される外気を冷却する効果を発揮できるとともに、周辺環境よりも体感温度の低いクールスポットを形成することが可能であり、さらに、スペースが限られる戸建住宅等であっても導入しやすい。
また、外構部材は、接着層と、多孔質材層とを備えてなるものであるため、該外構部材は、新規に製造した部材に限られるものではなく、既存の部材にも適用することが可能となる。つまり、既存の外構部材であっても、この既存の外構部材に対して接着層と多孔質材層とを備えさせ、この多孔質材層に水を含ませることで容易に冷却効果を得ることができる。
本発明に係る外構部材を示す斜視図である。 本発明に係る外構構造物が設置されたテラスを示す概略平面図である。 図2に示す外構構造物の側断面図である。 図3に示す外構構造物の上端部を示す拡大図である。 支柱の断面を示す断面図である。 支柱の他の断面を示す断面図である。 図3に示す外構構造物の上端部の他の例を示す拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1において符号1は、外構部材を示す。なお、外構部材とは、住宅等の建物の外回りにある各種外構構造物等に使用される建材を指している。また、外構構造物としては、例えばフェンスや門扉、柵、手摺、ルーバー、垣根、塀、車庫、ガレージ、土間、アプローチ、アクセントウォール、パーゴラ、デッキ、舗装材、各種柱、物置等、様々なものが挙げられる。さらに、このような外構構造物としては、建物の庭等の敷地に設置されるものだけでなく、バルコニーの柵や手摺等も含むものとする。
本実施の形態の外構部材1は、以上のような外構構造物10を構成するものであり、疎水性を有する接着層3と、前記接着層3の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなる多孔質材層4と、を備える。
また、前記接着層3は、前記外構部材1自体を構成する基材2の表面に設けられているものとする。つまり、この基材2とは、前記接着層3を設けるための支持体、または基盤としての役割を果たすものである。
したがって、この基材2が新規に製造されたものであるか、既存ものであるかについては何ら限定されるものではない。逆説的に言えば、本実施の形態の外構部材1は、新規製造したものであってもよく、既存の基材2の表面に前記接着層3と前記多孔質材層4とを設けたものであってもよい。すなわち、本実施の形態の外構部材1は、前記外構構造物10の新設時にも利用でき、リフォーム時にも利用できることとなる。
前記基材2は、本実施の形態においてはアルミニウム等の金属からなる長尺な押出成形品が採用されており、中空筒状に形成されるとともに、断面形状が平行四辺形に形成されている。
なお、この基材2の種類としては、アルミニウム等の金属だけでなく、外構用の建材として市場に流通しているもの、既存の製品の全てを採用することができるとともに、その形状も限定されるものではない。すなわち、その他の金属製のものや木製のもの、樹脂製のもの、セラミック等、様々なものが挙げられる。
前記接着層3は、前記基材2と前記多孔質材層4との間に介在し、前記多孔質材を前記基材2の表面に接着する接着剤からなる層である。
前記接着層3を構成する接着剤としては、例えば前記基材2への密着性、耐水性、耐候性に優れ、長期の屋外暴露においても劣化が少ないシリコーン樹脂系組成物を応用したものが用いられている。このような接着剤によれば、シリコーン樹脂系組成物を応用したものであるため優れた疎水性を有し、長期の屋外暴露においても劣化が少ないので、前記基材2の表面を保護するのに好適である。
前記シリコーン樹脂系組成物としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン樹脂の硬化触媒、変成シリコーン樹脂または/およびエポキシ樹脂を含有するもの等が用いられている。
このような接着層3によれば、前記多孔質材層4に供給された水が前記接着層3に到達した場合に、この水を撥水することができるので、前記外構部材1が少しでも傾斜さえしていれば、水を前記外構部材1の傾斜方向下端部に向かって流すことができる。
前記多孔質材層4は、前記吸水性を有する多孔質材によって前記接着層3の表面を塗膜することによって構成されている。なお、前記多孔質材は、前記接着層3の表面に対して吹き付けられている。
前記多孔質材層4を構成する前記多孔質材としては、例えば、珪藻土を焼き固めたイソライトや蛭石、ガラスを主原料とした無機質発泡バルーンが好適に用いられる。このような多孔質材は、親水性で表面張力が大きく、かつ一つ一つに数μm〜数十μmの多数の細孔があり、これら細孔が吸水するため、吸水性を有する。また、前記多数の細孔に入った水は、水の表面張力により細孔内に保持されることになり、これら細孔内に入った水や隣接する多孔質材間に溜まった水が蒸発することになる。
また、前記多孔質材は、前記接着層3の表面に密集して設けられている。すなわち、前記多孔質材は、前記接着層3の表面に隙間無くびっしりと集まり、密度が高い状態となっている。したがって、前記外構部材1の表面視においては、前記接着層3は、密集する前記多孔質材の隙間からは略見えない状態となっている。
ここで、前記外構部材1の表面形状は、上述のように親水性であり、表面張力が大きいものが良い。具体的には、前記外構部材1表面に水を滴下した時の接触角θが90度以下である必要がある。接触角θが90度以下であれば、ウェンゼル理論により、表面を粗面化することによって部材の表面張力を高め、水の拡散性を向上することができる。
そして、このような物性と意匠的な観点から、部材表面に0.1〜1mm程度の粒度の骨材を塗布すると効果的である。
骨材は、ミクロレベルの細孔を有する多孔質材であり、その細孔に水が保持される素材であることが望ましい。吸水率が10%以上であると、灌水停止後も、細孔内にたまった水が蒸発し、蒸発冷却効果を任意の時間、維持することができる。また、空隙率によって吸水率が異なるため、蒸発冷却効果の持続時間の期待値によって任意の空隙率を持つ多孔質材を選定して塗布することで蒸発冷却効果を調整できる。
多孔質材の粒径分布は孔径が小さいほど毛細管力が大きく、また径が大きいほど毛細管力が小さいが、細孔に溜まった水が屋外環境下で適度に蒸発散を繰り返すためには、毛細管力の大きさから、孔径が1〜100μ程度の間で分布していることが望ましい。
以上のような本実施の形態の外構部材1によれば、建物内に導入される外気を冷却する効果を発揮できるとともに、周辺環境よりも体感温度の低いクールスポットを形成することが可能であり、さらに、スペースが限られる戸建住宅等であっても導入しやすい。すなわち、前記多孔質材は多数の細孔があるため、表面張力が大きく、かつ吸水性を有するので、前記多孔質材層4に水が供給された場合に、この多孔質材層4に水を十分に含ませることができる。これによって、前記多孔質材層4に含まれた水の気化熱を利用して前記基材2を冷却することができ、これに伴って周囲の気温を低下させることができる。そして、このような外構部材1によって前記外構構造物10を構成すれば、前記外構構造物10の周囲の空気を冷却する効果を発揮できるので、建物内の自然換気を行う際に、冷却された外気を建物内に導入できることとなる。したがって、たとえ夏場であっても、空調機器や換気装置を用いずに、建物内に快適な居住環境を形成することができ、延いては省エネルギーや地球温暖化対策に貢献することが可能となる。しかも、例えば従来のようなレンガ等の多孔質壁材に比して軽量であり、かつ形状の自由度が高い。このため広範囲にわたって用いることが可能であり、冷却対象空間における冷却面の形態係数を大きく取ることができる。これによって、住宅等の建物の外回りに、体感温度が周辺環境よりも低くなるクールスポット(涼しい微気候空間)を形成できる。そして、このように外回りに涼しい環境を形成できれば人の滞在時間が長くなることが期待され、屋内から屋外に出て過ごす時間が増えることで空調機器の稼働時間を短縮し、結果的に、省エネルギーや地球温暖化対策に貢献することが可能となる。
また、外構部材1は、前記接着層3と、前記多孔質材層4とを備えてなるものであるため、該外構部材1は、新規に製造した部材に限られるものではなく、既存の部材にも適用することが可能となる。つまり、既存の外構部材1であっても、この既存の外構部材1に対して接着層3と多孔質材層4とを備えさせ、この多孔質材層4に水を含ませることで容易に冷却効果を得ることができる。
さらに、前記多孔質材層4は、前記接着層3の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなるので、前記多孔質材層4に水を供給すれば、毛細管現象により水の拡散性を向上することができる。これによって、前記多孔質材層4を少量の水で効率良く濡らすことができるので、水の節約や省エネルギーに貢献できる。
また、このように水の拡散性が高いので、例えば前記外構部材1の前記多孔質材層4を鉛直面に配置した場合でも所謂“水みち”ができにくい。すなわち、水みちができると、蒸発冷却面が限定的になり、冷却効果が低下することに加え、雨染みのように部分的に色が変わってしまうため、前記多孔質材層4の水の拡散性が高ければ、このような部分的な変色を防ぎ、景観性の低下を防ぐことができる。
また、前記接着層3は、前記基材2と前記多孔質材層4との間に介在し、疎水性を有するので、例えば前記基材2が耐水性の低い製品であったとしても、この基材2の耐水性に関わりなく、前記多孔質材層4に水を供給することができ、冷却効果を発揮させることができる。そして、このように外構部材1の表面性状を変えるだけで保水性を向上できるので、前記基材2自体の構造強度や耐久性は維持される。また、前記多孔質材層だけに水が含まれるので、凍結融解による前記基材2の破損を防ぐことができる。
また、前記基材2として、外構用の建材として市場に流通しているもの、既存の製品の全てを採用することができるので、前記外構部材1の技術は、場所や用途を選ばず、多様な面に展開することができる。このため、前記外構部材1の技術を様々な場所や用途に適用すれば、冷却面積を広く取ることもできる。これにより、人が滞在する空間において、冷却面の形態係数を高めることができるため、人の体感温度(作用温度)を下げることができる。なお、本実施の形態における冷却面もしくは蒸発冷却面とは、前記外構部材1のうち、前記多孔質材層4が露出する部分を指すものとし、前記多孔質材層4が設けられない部分、前記多孔質材層4が隠れる部分等は該当しないものとする。
次に、以上のような外構部材1を用いて構成される外構構造物10について説明する。
本実施の形態の外構構造物10は、図2〜図4に示すように、外構部材1を複数並列してなるルーバーである。このルーバー10は、前記複数の外構部材1…と、互いに間隔をあけて配置される複数の支柱11,11と、複数のブラケット16,16と、天板17と、水の供給手段18と、を備える。
なお、前記ルーバー10は、住宅等の建物のテラスTに設けられている。また、建物の前記テラスTに面する外壁には、出入り用の窓が設けられている。
前記複数の外構部材1…は、前記複数の支柱11,11間にわたって長尺に形成されており、その他の構成は、上述した図1の外構部材1と同様の設定となっている。
また、これら複数の外構部材1…は、前記複数の支柱11,11間に横方向に、かつ水平に架設されるとともに、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置される。すなわち、上下方向に隣り合う前記外構部材1,1間には隙間Sが形成されることになる。
なお、前記複数の外構部材1…は、同一の向き、同一の角度、横方向の位置も同一となるように前記複数の支柱11,11に架設されている。
また、前記複数の外構部材1…は、前記複数の支柱11,11の側面のうち、前記テラスT中央側の側面に固定されている。
また、前記外構部材1は、前記複数の支柱11,11間に架設された状態において、上面部5と、側面部6,6aと、下面部7と、を有する。前記外構部材1は、断面形状が平行四辺形状に形成されているため、前記上面部5と前記下面部7は互いに平行して配置されており、前記側面部6,6aは斜めに、かつ互いに平行に配置されている。
また、前記側面部6,6aのうち、一方の側面部6は前記テラスT中央側に配置されており、他方の側面部6aは前記支柱11側に配置されている。
また、前記外構部材1の長さ方向両端部の開口部には、図示しないキャップが設けられており、該開口部は閉塞されている。
また、前記複数の支柱11,11は、前記テラスTの周縁部に、互いに間隔をあけて配置されている。より詳細には、前記テラスTの一辺側に前記支柱11が互いに間隔をあけて三本立設されており、前記一辺側に直交する他辺側には、互いに間隔をあけて立設された一対の前記支柱11,11が二組、合計四本設けられている。
また、前記支柱11は、支柱本体12と、補強芯材13と、ベースプレート14と、ベースコンクリート15と、を有する。
前記支柱本体12は、前記テラスTの床よりも上方に突出するとともに、前記複数の外構部材1…が固定される部分である。また、この支柱本体12は、アルミニウム等の金属からなる長尺な押出成形品であり、中空筒状に形成されている。なお、前記支柱本体12の内側面の四隅には、断面略C型に形成されたビス受け部12cが一体形成されている。このビス受け部12cは、前記支柱本体12に対して上方または下方からねじ込まれるビス等を受け、保持することができる。
また、前記支柱本体12のうち、前記テラスT中央側の側面と直交する方向に配置された側面の一方には、図5および図6に示すように、この支柱本体12の長さ方向に沿って、前記支柱本体12の側方に向かって開口する溝部12aが形成されている。
前記溝部12aには、この溝部12aの開口部を閉塞するカバー12bが着脱自在とされており、前記カバー12bは、前記溝部12aの開口部を閉塞した状態で前記支柱本体12の側面と面一となるように設定されている。なお、前記溝部12aおよび前記カバー12bは互いに係合する爪部を備える。
なお、前記支柱本体12の前記テラスT側の側面は、複雑な凹凸形状とされている(図5・図6中の上方に位置する側面)。
前記補強芯材13は、帯状の鋼板であり、前記支柱本体12の中空部に挿入されるとともに前記支柱本体12を補強するためのものである。なお、この補強芯材13は、図示はしないが、後述するベースプレート14から、上端部が、後述するベースコンクリート15の上面よりも上方に位置する程度の長さに設定されている。すなわち、前記補強芯材13の上端部が、ベースコンクリート15の上面よりも上方に突出していれば、この補強芯材13による前記支柱本体12の補強効果を高めやすくなる。
また、前記補強芯材13には、この補強芯材13の長さ方向に沿って複数のボルト孔(図示せず)が形成されている。また、各ボルト孔には雌ネジが形成されている。
前記支柱本体12の前記溝部12aの底部には、前記補強芯材13の複数のボルト孔に対応する位置にボルト挿通孔が形成されている。これによって、前記支柱本体12と前記補強芯材13は、図5に示すように、ボルト軸の外周面に雄ネジが形成された複数のボルト13a…によって連結することができる。また、これら複数のボルト13a…は前記カバー12bによって遮蔽することができる。
前記ベースプレート14は、前記補強芯材13が一体的に固定されるとともに、テラス基礎K上に載置される鋼製の板状体である。
前記ベースプレート14には、前記テラス基礎Kから突出する二本のアンカーボルト14a,14aが挿通されるボルト挿通孔が二つ形成されており、これら二つのボルト挿通孔に挿通された前記アンカーボルト14a,14aのそれぞれには、ナット14b,14bが螺合される。これによって、前記ベースプレート14は前記テラス基礎Kに対して固定されることになる。
前記ベースコンクリート15は、前記テラス基礎K上に構築されるコンクリートブロック体であり、前記支柱本体12の下端部、前記補強芯材13、前記ベースプレート14、前記アンカーボルト14a,14aおよび前記ナット14b,14bが埋設されている。
また、図示はしないが、前記テラスTの床を構成する根太や床材等の床構成体は、前記ベースコンクリート15上に設置されている。
前記複数のブラケット16,16は、図3および図4に示すように、前記複数の外構部材1…が取り付けられるとともに、これら複数の外構部材1…を支持するためのものであり、前記複数の支柱11,11の前記テラスT中央側の側面にそれぞれ固定されている。
すなわち、前記複数の外構部材1…は、これら複数のブラケット16,16を介して前記複数の支柱11,11間に架設された状態となっている。
前記ブラケット16は、厚さの薄い帯状の鋼板であり、前記支柱11の長さ方向に沿って長尺に形成されるとともに、該支柱11の長さ方向に凹凸を繰り返す波形状に形成されている。つまり、前記ブラケット16は、鋼板を波形状に折り曲げて形成されている。
そして、このブラケット16は、波形状の凹部に該当する平板状体であり、かつ前記支柱11に当接する複数の当接部16a…と、波形状の凸部に該当し、かつ前記外構部材1が取り付けられる複数の支持部16b…と、を有する。
前記複数の当接部16a…のうち、少なくとも複数の当接部16a…は、前記支柱11に対してビス固定されている。本実施の形態においては、一つ置きにビス固定されているが、前記ブラケット16の取付強度を考慮し、最も上方に位置する当接部16aと、最も下方に位置する当接部16aは前記支柱11にビス固定されているものとする。
前記複数の支持部16b…は、上方の前記当接部16aと下方の前記当接部16aとの間に設けられるとともに、側面視において略三角形状に形成されており、上側の傾斜面16cと、下側の傾斜面16dを、を備える。
前記外構部材1は、前記他方の側面部6aが前記下側の傾斜面16dに当接されており、これら他方の側面部6aと下側の傾斜面16dはリベット16eによって連結固定されている。なお、これら他方の側面部6aと下側の傾斜面16dのそれぞれには、前記リベット16eを挿通させるリベット孔が形成されているものとする。
また、前記下側の傾斜面16dは、前記上側の傾斜面16cよりも長尺に形成されており、略三角形状の前記支持部16bの頂点が若干上方にずれた状態になっている。そして、前記下側の傾斜面16dの角度は、前記他の側面部6aに対応する角度に設定されている。
以上のような複数のブラケット16,16に架設される複数の外構部材1…は、前記上面部5が、前記複数の支柱11,11の高さ方向に対して一定の角度で傾斜した状態となっている。より詳細には、前記上面部5は、前記支柱11側から前記テラスT中央側にかけて下がるように傾斜しており、本実施の形態においては、その傾斜角が2度に設定されている。
つまり、前記複数の外構部材1…の全てが、同一の角度で傾斜するようにして前記複数のブラケット16,16に取り付けられている。また、前記各下側の傾斜面16d…は、前記上面部5を一定の角度に傾斜できる角度に設定されている。
したがって、前記上面部5上の水を、傾斜方向上端部から下端部に向かって流すことができ、さらに、下方へと滴下させることができる。つまり、前記複数の外構部材1…に対して水を供給する際は、最も上方に位置する前記外構部材1に対して水を供給すれば、水を下方への滴下させることができる。そして、下方に滴下された水が、下方の前記外構部材1に当たれば、この下方の外構部材1に対しても水を供給でき、これによって、下方の前記複数の外構部材1…に対して順々に水を供給できることになるので、前記複数の外構部材1…に対して効率良く水を含ませることができる。
さらに、前記複数のブラケット16,16に架設される複数の外構部材1…は、前記側面部6が、前記上面部5の傾斜方向下端部から斜め下方に折り返されたような状態となっている。つまり、前記側面部6は、前記上面部5の傾斜方向下端部から前記支柱11側に折り返されて、側面視においてオーバーハングした状態となっている。
したがって、前記上面部5を流れる水を前記側面部6に伝わせて下方に流し、該側面部6の下端部から滴下させることができる。これによって、前記上方の外構部材1の前記上面部5を流れる水を、より確実に前記下方の外構部材1の前記上面部5へと滴下させることができる。すなわち、前記上方の外構部材1の前記側面部6の下端部は、前記下方の外構部材1の前記上面部5のうち、より支柱11側に寄せられた状態となっている。
前記天板17は、図3および図4に示すように、前記複数の支柱11,11の上端部に取り付けられるとともに、前記複数の外構部材1…のうち最も上方に位置する外構部材1の上方に配置されている。また、この天板17は、前記複数の外構部材1…と同様に、前記複数の支柱11,11の前記テラスT側の側面から前記テラスT中央側に突出している。
つまり、前記天板17は、前記複数の支柱11,11の上端部間に架設された状態となっており、前記ルーバー10にとって屋根のような機能を発揮することができる。
また、前記天板17は、前記各外構部材1…の前記上面部5と略等しい角度で傾斜しており、傾斜方向下端部には、前記各外構部材1…の前記側面部6と略等しい角度で傾斜する折返し部17aが一体形成されている。
また、前記天板17は、後述する給水源18aをメンテナンスする際に取り外しができるよう、ビスによって着脱可能となっている。すなわち、前記天板17は、前記複数の支柱11,11の上端面に対してビス固定されている。この天板17を固定するビスは、前記支柱11の前記ビス受け部12cに対してねじ込まれている。
なお、前記天板17は上述のように、前記各外構部材1…の前記上面部5と略等しい角度で傾斜しているので、前記複数の支柱11,11の上端面も、前記各外構部材1…の前記上面部5と略等しい角度で傾斜している。
さらに、中空筒状体である前記支柱11の長さ方向両端部は開口しているが、前記天板17によって、この支柱11の上端部の開口部を閉塞することができる。
以上のような天板17によれば、前記天板17の下方に位置する前記最も上方に位置する外構部材1が、雨や日射を直接受けにくくなる。これによって、天候等による前記複数の外構部材1…の劣化を抑制することが可能となる。
また、前記天板17は、前記各外構部材1…の前記上面部5と略等しい角度で傾斜しており、傾斜方向下端部には、前記各外構部材1…の前記側面部6と略等しい角度で傾斜する折返し部17aが一体形成されているので、前記天板17上の水を、傾斜方向上端部から下端部に向かって流すことができる。さらに、前記天板17上からの水を前記折返し部17aに伝わせて下方に流し、該折返し部17aの下端部から前記最も上方に位置する外構部材1に滴下させることができる。
したがって、例えば夏場の雨天時等においては、前記天板17によって前記複数の外構部材1…の劣化を抑制しつつ、雨水による水の供給によって前記複数の外構部材1…に対して十分に水を含ませることができる。
また、前記天板17の下方には、この天板17から間隔をあけて、かつ前記折返し部17aの下端部と略等しい高さ位置に、前記複数の支柱11,11間に架設固定される支持プレート17bが設けられている。
前記支持プレート17bは側面視において略L字型に形成されており、鉛直面部が前記複数の支柱11,11に当接されるとともにビス固定されており、水平面部が前記複数の支柱11,11から前記テラスT中央側に向かって突出している。
そして、この支持プレート17bと前記天板17と前記折返し部17aとで囲まれる空間が、後述する給水管の支管18cが収納される収納部17cとされている。つまり、前記天板17の直下に収納部17cが設けられた状態となっている。
また、前記収納部17cは、下方に向かって開口する開口部17dを備える。この開口部17dは、前記折返し部17aの下端部と、前記支持プレート17bの突出方向側端部との間に形成される隙間を指している。
また、前記支持プレート17bの水平面部は、例えばパンチングメタル等のように、該水平面部を厚さ方向に貫通する複数の孔を備えた構成としてもよい。
前記供給手段18は、図2〜図4,図6に示すように、前記複数の外構部材1…に対して水を供給するためのものであり、給水源18aと、この給水源18aから供給される水を通す給水管と、を有する。
前記給水源18aは、前記給水管が接続される散水栓を収納した散水栓ボックスを指しており、この散水栓ボックスは前記テラスTの床の下方に設置されている。
なお、前記散水栓ボックス内には前記散水栓の他に、この散水栓の開閉を制御する制御装置が収納されているものとする。このような制御装置によれば、前記散水栓の開閉をタイマー制御したり、温湿度等の周囲の環境に基づいて制御したりすることができる。
前記給水管は、前記給水源18aに接続されるとともに前記テラスTの床下に配管される本管18bと、この本管18bから分かれ、前記複数の外構部材1…のうち最も上方に位置する外構部材1よりも上方に配管される複数の支管18c,18cと、を有する。
前記支管18cは樹脂製のチューブであり、弾力性を有する。そして、前記複数の支管18c,18cは、図6に示すように、前記支柱本体12の前記溝部12aに収納されて、前記支柱11に沿って上方に向かって配管されている。また、前記支柱本体12の上端部もしくは前記カバー12bには前記支管18cを挿通できる挿通孔(図示せず)が形成されており、前記複数の支管18c,18cは、この挿通孔を通って、前記溝部12aから前記天板17直下の収納部17c内へと配管されている。
さらに、前記支管18cのうち、前記収納部17cに収納される部分には複数の孔が形成されており、これら複数の孔から水を排出できるように構成されている。
なお、図示はしないが、前記支管18cを、前記溝部12a内において前記ボルト13aが設けられた部分を通過させる際には、前記溝部12aと前記ボルト13aとの隙間の形状に合わせて弾性変形させることによって、前記ボルト13aの近傍を通過させるようにしてもよい。
以上のような供給手段18および前記天板17によれば、前記複数の外構部材1…に容易かつ確実に水を含ませることができる。さらに、前記天板17の直下に設けられた前記収納部17cに前記支管18cを収納した状態で、前記開口部17dから確実に水を滴下させることができる。つまり、前記支管18cによって前記複数の外構部材1…に対して確実に水を供給しつつ、前記支管18cによって周囲の景観性が損なわれることを防ぐことができる。
次に、前記供給手段18から供給される水が、前記複数の外構部材1…に至るまでの流れ(過程)について説明する。
前記給水源18aから供給された水は、図2〜図4,図6に示すように、前記本管18b内を流れるとともに前記複数の支管18c,18cへと分かれて流れ、前記支柱11に沿って上方へと昇っていく。
前記支柱11の上端部まで到達した水は、前記収納部17c内に収納された支管18cを通過するとともに前記複数の孔から水を排出する。
前記複数の孔から排出された水は、前記開口部17d(および前記支持プレート17bの複数の孔)から下方へと落ち、前記複数の外構部材1…のうち最も上方に位置する外構部材1の前記上面部5へと落ちる。
前記最も上方に位置する外構部材1の前記上面部5に落ちた水は、前記多孔質材層4の全体に拡散し、この多孔質材層4に十分に保水されることになる。
前記支管18cから順次供給される水は、前記最も上方に位置する外構部材1の前記多孔質材層4の最大含水量よりも多く供給されるため、前記上面部5から前記側面部6へと伝わり、さらに下方へと流れていく。なお、前記外構部材1の下面部7の多孔質材層4にも水が含まれるが、この下面部7も前記上面部5と同じ傾斜角度に設定されているため、前記多孔質材層4の最大含水量よりも多く供給された分の水は、前記側面部6の下方に向かって流れるように設定されている。
前記側面部6の下端部へと到達した水は、前記最も上方に位置する外構部材1から下方の前記外構部材1へと滴下される。以降、水は同じ経路を辿って前記複数の外構部材1…を順々に落ちていき、前記複数の外構部材1…のうち最も下方に位置する外構部材1へと到達する。
そして、前記最も下方の外構部材1の前記側面部6の下端部に到達した水は、前記最も下方の外構部材1の下方に設けられる植栽帯に滴下されて浸透し、さらにその下方の排水ドレインより外部に排水される。ただし、供給水量は、予め設定した散水栓の開閉タイマーにより、必要最少量となるように調節しておく。
以上のようにして、前記複数の外構部材1…に水を含ませることができる。
そして、以上のような本実施の形態のルーバー10によれば、該ルーバー10の周囲の空気を全体的に冷却できるだけでなく、前記複数の外構部材1,1間の隙間Sを通過する空気を冷却することができる。
また、前記複数の外構部材1…は、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置されることにより、例えば前記複数の外構部材1…が間隔をあけずに並列配置された場合に比して、空気に接触する面を増やすことができるので、空気の冷却効果を高めることができる。
そして、このようなルーバー10を、建物の窓等の開口部前方や開口部周囲に配置すれば、外部からの視線を遮蔽しつつ、建物内に冷却された外気と採光とを同時に導入することができる。これによって、建物内の居住環境の快適性を向上することが可能となる。
なお、本実施の形態においては外構構造物として前記ルーバー10を採用したが、これに限られるものではなく、フェンスや門扉、柵、手摺、縦型ルーバー、垣根、塀、車庫、ガレージ、土間、アプローチ、アクセントウォール、パーゴラ、デッキ、舗装材、各種柱、物置等、その他の外構構造物でもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態においては外構部材1として断面形状が平行四辺形に形成されたものを採用したが、これに限られるものではない。
例えば図7に示すように、断面形状が台形状に形成された基材2Aを備える外構部材1Aを採用してもよいし、その他の形状の外構部材を採用してもよい。
なお、前記外構部材1Aによってルーバー10Aを構成する際には、この外構部材1Aの形状に対応した複数のブラケット160,160が用いられることになる。このようなブラケット160も、前記支柱11に当接固定される当接部160aと、前記外構部材1Aがリベット160cによって取り付けられる支持部160bとを有しているが、この支持部160bは、前記外構部材1Aの形状に合わせて鉛直面とされている。
1 外構部材
2 基材
3 接着層
4 多孔質材層
5 上面部
6 側面部
10 外構構造物
11 支柱
16 ブラケット
17 天板
18 供給手段
S 隙間
T テラス

Claims (6)

  1. 外構構造物を構成しており、
    疎水性を有する接着層と、前記接着層の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなる多孔質材層と、を備えることを特徴とする外構部材。
  2. 請求項1に記載の外構部材を複数並列してなる外構構造物であって、
    互いに間隔をあけて配置される複数の支柱と、
    前記複数の支柱間にわたって長尺に形成されており、前記複数の支柱間に横方向に架設されるとともに、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置される前記複数の外構部材と、を備えることを特徴とする外構構造物。
  3. 請求項2に記載の外構構造物において、
    前記各外構部材の上面部は、前記複数の支柱の高さ方向に対して一定の角度で傾斜していることを特徴とする外構構造物。
  4. 請求項3に記載の外構構造物において、
    前記各外構部材は、前記上面部と、
    前記上面部と一体形成されるとともに該上面部の傾斜方向下端部から斜め下方に折り返される側面部と、を有することを特徴とする外構構造物。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の外構構造物において、
    前記複数の支柱の上端部に取り付けられるとともに、前記複数の外構部材のうち最も上方に位置する外構部材の上方に配置される天板をさらに備えており、
    前記天板は、前記各外構部材の前記上面部と略等しい角度で傾斜しており、傾斜方向下端部には、前記各外構部材の前記側面部と略等しい角度で傾斜する折返し部が一体形成されていることを特徴とする外構構造物。
  6. 請求項5に記載の外構構造物において、
    前記複数の外構部材に対して水を供給する供給手段をさらに備えており、
    前記供給手段は、給水源と、前記給水源から前記複数の外構部材のうち最も上方に位置する外構部材よりも上方に配管される給水管と、を有しており、
    前記天板の直下には、前記給水管が収納される収納部が設けられており、
    前記収納部は、下方に向かって開口する開口部を備えることを特徴とする外構構造物。
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