JP2014001500A - 外構部材および外構構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】疎水性を有する接着層3と、接着層3の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなる多孔質材層4と、を備える外構部材1と、この外構部材1によって構成される外構構造物10。これによって、多孔質材層に含まれた水の気化熱を利用して外構部材を冷却でき、これに伴って周囲の気温を低下できる。そして、このような外構部材によって外構構造物を構成すれば、外構構造物の周囲の空気を冷却する効果を発揮できるので、建物内の自然換気を行う際に、冷却された外気を建物内に導入できることとなる。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載の外構構造物は、建物の開口部を遮蔽するルーバーであり、このルーバーを構成する建材(すなわち、外構部材)として、複数のフィンが用いられている。このようなルーバーによれば、複数のフィンによって外部からの視線を遮蔽しつつ、複数のフィンの隙間から通風と採光を得ることができる。
特許文献2に記載の技術によれば、水の気化を利用して外壁全体を冷却し、さらに、通気路内に空気を通して、その空気を加湿すると同時に冷却することにより、室内に涼しい空気を供給することができる。
ところが、夏場においては建物内に導入する外気が温暖であるため、さらに市街地においてはヒートアイランド化現象による気温上昇のため、自然換気による効果を得にくい場合があった。
疎水性を有する接着層3と、前記接着層3の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなる多孔質材層4と、を備えることを特徴とする。
また、外構部材1(1A)は、前記接着層3と、前記多孔質材層4とを備えてなるものであるため、該外構部材1(1A)は、新規に製造した部材に限られるものではなく、既存の部材にも適用することが可能となる。つまり、既存の外構部材1(1A)であっても、この既存の外構部材1(1A)に対して接着層3と多孔質材層4とを備えさせ、この多孔質材層4に水を含ませることで容易に冷却効果を得ることができる。
さらに、前記多孔質材層4は、前記接着層3の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなるので、前記多孔質材層4に水を供給すれば、毛細管現象により水の拡散性を向上することができる。これによって、前記多孔質材層4を少量の水で効率良く濡らすことができるので、水の節約や省エネルギーに貢献できる。
また、前記接着層3は、この接着層が表面に設けられる基材(例えば、基材2,2A)と前記多孔質材層4との間に介在し、疎水性を有するので、例えば基材が耐水性の低い製品であったとしても、この基材の耐水性に関わりなく、前記多孔質材層4に水を供給することができ、冷却効果を発揮させることができる。そして、このように外構部材1(1A)の表面性状を変えるだけで保水性を向上できるので、基材自体の構造強度や耐久性は維持される。また、前記多孔質材層だけに水が含まれるので、凍結融解による基材の破損を防ぐことができる。
互いに間隔をあけて配置される複数の支柱11,11と、
前記複数の支柱11,11間にわたって長尺に形成されており、前記複数の支柱11,11間に横方向に架設されるとともに、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置される前記複数の外構部材1…(1A…)と、を備えることを特徴とする。
また、前記複数の外構部材1…(1A…)は、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置されることにより、例えば前記複数の外構部材1…(1A…)が間隔をあけずに並列配置された場合に比して、空気に接触する面を増やすことができるので、空気の冷却効果を高めることができる。
そして、このような外構構造物10を、建物の窓等の開口部前方や開口部周囲に配置すれば、外部からの視線を遮蔽しつつ、建物内に冷却された外気と採光とを同時に導入することができる。これによって、建物内の居住環境の快適性をより向上することが可能となる。
前記各外構部材1…(1A…)の上面部5は、前記複数の支柱11,11の高さ方向に対して一定の角度で傾斜していることを特徴とする。
前記各外構部材1…(1A…)は、前記上面部5と、
前記上面部5と一体形成されるとともに該上面部5の傾斜方向下端部から斜め下方に折り返される側面部6と、を有することを特徴とする。
前記複数の支柱11,11の上端部に取り付けられるとともに、前記複数の外構部材1…(1A…)のうち最も上方に位置する外構部材1(1A)の上方に配置される天板17をさらに備えており、
前記天板17は、前記各外構部材1…(1A…)の前記上面部5と略等しい角度で傾斜しており、傾斜方向下端部には、前記各外構部材1…(1A…)の前記側面部6と略等しい角度で傾斜する折返し部17aが一体形成されていることを特徴とする。
また、前記天板17は、前記各外構部材1…(1A…)の前記上面部5と略等しい角度で傾斜しており、傾斜方向下端部には、前記各外構部材1…(1A…)の前記側面部6と略等しい角度で傾斜する折返し部17aが一体形成されているので、前記天板17上の水を、傾斜方向上端部から下端部に向かって流すことができる。さらに、前記天板17上からの水を前記折返し部17aに伝わせて下方に流し、該折返し部17aの下端部から前記最も上方に位置する外構部材1(1A)に滴下させることができる。
したがって、例えば夏場の雨天時等においては、前記天板17によって前記複数の外構部材1…(1A…)の劣化を抑制しつつ、雨水による水の供給によって前記複数の外構部材1…(1A…)に対して十分に水を含ませることができる。
前記複数の外構部材1…(1A…)に対して水を供給する供給手段18をさらに備えており、
前記供給手段18は、給水源18aと、前記給水源18aから前記複数の外構部材1…(1A…)のうち最も上方に位置する外構部材1(1A)よりも上方に配管される給水管(例えば支管18c)と、を有しており、
前記天板17の直下には、前記給水管が収納される収納部17cが設けられており、
前記収納部17cは、下方に向かって開口する開口部17dを備えることを特徴とする。
また、外構部材は、接着層と、多孔質材層とを備えてなるものであるため、該外構部材は、新規に製造した部材に限られるものではなく、既存の部材にも適用することが可能となる。つまり、既存の外構部材であっても、この既存の外構部材に対して接着層と多孔質材層とを備えさせ、この多孔質材層に水を含ませることで容易に冷却効果を得ることができる。
図1において符号1は、外構部材を示す。なお、外構部材とは、住宅等の建物の外回りにある各種外構構造物等に使用される建材を指している。また、外構構造物としては、例えばフェンスや門扉、柵、手摺、ルーバー、垣根、塀、車庫、ガレージ、土間、アプローチ、アクセントウォール、パーゴラ、デッキ、舗装材、各種柱、物置等、様々なものが挙げられる。さらに、このような外構構造物としては、建物の庭等の敷地に設置されるものだけでなく、バルコニーの柵や手摺等も含むものとする。
本実施の形態の外構部材1は、以上のような外構構造物10を構成するものであり、疎水性を有する接着層3と、前記接着層3の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなる多孔質材層4と、を備える。
また、前記接着層3は、前記外構部材1自体を構成する基材2の表面に設けられているものとする。つまり、この基材2とは、前記接着層3を設けるための支持体、または基盤としての役割を果たすものである。
したがって、この基材2が新規に製造されたものであるか、既存ものであるかについては何ら限定されるものではない。逆説的に言えば、本実施の形態の外構部材1は、新規製造したものであってもよく、既存の基材2の表面に前記接着層3と前記多孔質材層4とを設けたものであってもよい。すなわち、本実施の形態の外構部材1は、前記外構構造物10の新設時にも利用でき、リフォーム時にも利用できることとなる。
なお、この基材2の種類としては、アルミニウム等の金属だけでなく、外構用の建材として市場に流通しているもの、既存の製品の全てを採用することができるとともに、その形状も限定されるものではない。すなわち、その他の金属製のものや木製のもの、樹脂製のもの、セラミック等、様々なものが挙げられる。
前記接着層3を構成する接着剤としては、例えば前記基材2への密着性、耐水性、耐候性に優れ、長期の屋外暴露においても劣化が少ないシリコーン樹脂系組成物を応用したものが用いられている。このような接着剤によれば、シリコーン樹脂系組成物を応用したものであるため優れた疎水性を有し、長期の屋外暴露においても劣化が少ないので、前記基材2の表面を保護するのに好適である。
前記シリコーン樹脂系組成物としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン樹脂の硬化触媒、変成シリコーン樹脂または/およびエポキシ樹脂を含有するもの等が用いられている。
このような接着層3によれば、前記多孔質材層4に供給された水が前記接着層3に到達した場合に、この水を撥水することができるので、前記外構部材1が少しでも傾斜さえしていれば、水を前記外構部材1の傾斜方向下端部に向かって流すことができる。
前記多孔質材層4を構成する前記多孔質材としては、例えば、珪藻土を焼き固めたイソライトや蛭石、ガラスを主原料とした無機質発泡バルーンが好適に用いられる。このような多孔質材は、親水性で表面張力が大きく、かつ一つ一つに数μm〜数十μmの多数の細孔があり、これら細孔が吸水するため、吸水性を有する。また、前記多数の細孔に入った水は、水の表面張力により細孔内に保持されることになり、これら細孔内に入った水や隣接する多孔質材間に溜まった水が蒸発することになる。
また、前記多孔質材は、前記接着層3の表面に密集して設けられている。すなわち、前記多孔質材は、前記接着層3の表面に隙間無くびっしりと集まり、密度が高い状態となっている。したがって、前記外構部材1の表面視においては、前記接着層3は、密集する前記多孔質材の隙間からは略見えない状態となっている。
そして、このような物性と意匠的な観点から、部材表面に0.1〜1mm程度の粒度の骨材を塗布すると効果的である。
骨材は、ミクロレベルの細孔を有する多孔質材であり、その細孔に水が保持される素材であることが望ましい。吸水率が10%以上であると、灌水停止後も、細孔内にたまった水が蒸発し、蒸発冷却効果を任意の時間、維持することができる。また、空隙率によって吸水率が異なるため、蒸発冷却効果の持続時間の期待値によって任意の空隙率を持つ多孔質材を選定して塗布することで蒸発冷却効果を調整できる。
多孔質材の粒径分布は孔径が小さいほど毛細管力が大きく、また径が大きいほど毛細管力が小さいが、細孔に溜まった水が屋外環境下で適度に蒸発散を繰り返すためには、毛細管力の大きさから、孔径が1〜100μ程度の間で分布していることが望ましい。
また、外構部材1は、前記接着層3と、前記多孔質材層4とを備えてなるものであるため、該外構部材1は、新規に製造した部材に限られるものではなく、既存の部材にも適用することが可能となる。つまり、既存の外構部材1であっても、この既存の外構部材1に対して接着層3と多孔質材層4とを備えさせ、この多孔質材層4に水を含ませることで容易に冷却効果を得ることができる。
また、このように水の拡散性が高いので、例えば前記外構部材1の前記多孔質材層4を鉛直面に配置した場合でも所謂“水みち”ができにくい。すなわち、水みちができると、蒸発冷却面が限定的になり、冷却効果が低下することに加え、雨染みのように部分的に色が変わってしまうため、前記多孔質材層4の水の拡散性が高ければ、このような部分的な変色を防ぎ、景観性の低下を防ぐことができる。
本実施の形態の外構構造物10は、図2〜図4に示すように、外構部材1を複数並列してなるルーバーである。このルーバー10は、前記複数の外構部材1…と、互いに間隔をあけて配置される複数の支柱11,11と、複数のブラケット16,16と、天板17と、水の供給手段18と、を備える。
なお、前記ルーバー10は、住宅等の建物のテラスTに設けられている。また、建物の前記テラスTに面する外壁には、出入り用の窓が設けられている。
また、これら複数の外構部材1…は、前記複数の支柱11,11間に横方向に、かつ水平に架設されるとともに、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置される。すなわち、上下方向に隣り合う前記外構部材1,1間には隙間Sが形成されることになる。
なお、前記複数の外構部材1…は、同一の向き、同一の角度、横方向の位置も同一となるように前記複数の支柱11,11に架設されている。
また、前記複数の外構部材1…は、前記複数の支柱11,11の側面のうち、前記テラスT中央側の側面に固定されている。
また、前記側面部6,6aのうち、一方の側面部6は前記テラスT中央側に配置されており、他方の側面部6aは前記支柱11側に配置されている。
また、前記外構部材1の長さ方向両端部の開口部には、図示しないキャップが設けられており、該開口部は閉塞されている。
また、前記支柱11は、支柱本体12と、補強芯材13と、ベースプレート14と、ベースコンクリート15と、を有する。
また、前記支柱本体12のうち、前記テラスT中央側の側面と直交する方向に配置された側面の一方には、図5および図6に示すように、この支柱本体12の長さ方向に沿って、前記支柱本体12の側方に向かって開口する溝部12aが形成されている。
前記溝部12aには、この溝部12aの開口部を閉塞するカバー12bが着脱自在とされており、前記カバー12bは、前記溝部12aの開口部を閉塞した状態で前記支柱本体12の側面と面一となるように設定されている。なお、前記溝部12aおよび前記カバー12bは互いに係合する爪部を備える。
なお、前記支柱本体12の前記テラスT側の側面は、複雑な凹凸形状とされている(図5・図6中の上方に位置する側面)。
また、前記補強芯材13には、この補強芯材13の長さ方向に沿って複数のボルト孔(図示せず)が形成されている。また、各ボルト孔には雌ネジが形成されている。
前記支柱本体12の前記溝部12aの底部には、前記補強芯材13の複数のボルト孔に対応する位置にボルト挿通孔が形成されている。これによって、前記支柱本体12と前記補強芯材13は、図5に示すように、ボルト軸の外周面に雄ネジが形成された複数のボルト13a…によって連結することができる。また、これら複数のボルト13a…は前記カバー12bによって遮蔽することができる。
前記ベースプレート14には、前記テラス基礎Kから突出する二本のアンカーボルト14a,14aが挿通されるボルト挿通孔が二つ形成されており、これら二つのボルト挿通孔に挿通された前記アンカーボルト14a,14aのそれぞれには、ナット14b,14bが螺合される。これによって、前記ベースプレート14は前記テラス基礎Kに対して固定されることになる。
また、図示はしないが、前記テラスTの床を構成する根太や床材等の床構成体は、前記ベースコンクリート15上に設置されている。
すなわち、前記複数の外構部材1…は、これら複数のブラケット16,16を介して前記複数の支柱11,11間に架設された状態となっている。
そして、このブラケット16は、波形状の凹部に該当する平板状体であり、かつ前記支柱11に当接する複数の当接部16a…と、波形状の凸部に該当し、かつ前記外構部材1が取り付けられる複数の支持部16b…と、を有する。
前記外構部材1は、前記他方の側面部6aが前記下側の傾斜面16dに当接されており、これら他方の側面部6aと下側の傾斜面16dはリベット16eによって連結固定されている。なお、これら他方の側面部6aと下側の傾斜面16dのそれぞれには、前記リベット16eを挿通させるリベット孔が形成されているものとする。
また、前記下側の傾斜面16dは、前記上側の傾斜面16cよりも長尺に形成されており、略三角形状の前記支持部16bの頂点が若干上方にずれた状態になっている。そして、前記下側の傾斜面16dの角度は、前記他の側面部6aに対応する角度に設定されている。
つまり、前記複数の外構部材1…の全てが、同一の角度で傾斜するようにして前記複数のブラケット16,16に取り付けられている。また、前記各下側の傾斜面16d…は、前記上面部5を一定の角度に傾斜できる角度に設定されている。
したがって、前記上面部5上の水を、傾斜方向上端部から下端部に向かって流すことができ、さらに、下方へと滴下させることができる。つまり、前記複数の外構部材1…に対して水を供給する際は、最も上方に位置する前記外構部材1に対して水を供給すれば、水を下方への滴下させることができる。そして、下方に滴下された水が、下方の前記外構部材1に当たれば、この下方の外構部材1に対しても水を供給でき、これによって、下方の前記複数の外構部材1…に対して順々に水を供給できることになるので、前記複数の外構部材1…に対して効率良く水を含ませることができる。
したがって、前記上面部5を流れる水を前記側面部6に伝わせて下方に流し、該側面部6の下端部から滴下させることができる。これによって、前記上方の外構部材1の前記上面部5を流れる水を、より確実に前記下方の外構部材1の前記上面部5へと滴下させることができる。すなわち、前記上方の外構部材1の前記側面部6の下端部は、前記下方の外構部材1の前記上面部5のうち、より支柱11側に寄せられた状態となっている。
つまり、前記天板17は、前記複数の支柱11,11の上端部間に架設された状態となっており、前記ルーバー10にとって屋根のような機能を発揮することができる。
なお、前記天板17は上述のように、前記各外構部材1…の前記上面部5と略等しい角度で傾斜しているので、前記複数の支柱11,11の上端面も、前記各外構部材1…の前記上面部5と略等しい角度で傾斜している。
さらに、中空筒状体である前記支柱11の長さ方向両端部は開口しているが、前記天板17によって、この支柱11の上端部の開口部を閉塞することができる。
また、前記天板17は、前記各外構部材1…の前記上面部5と略等しい角度で傾斜しており、傾斜方向下端部には、前記各外構部材1…の前記側面部6と略等しい角度で傾斜する折返し部17aが一体形成されているので、前記天板17上の水を、傾斜方向上端部から下端部に向かって流すことができる。さらに、前記天板17上からの水を前記折返し部17aに伝わせて下方に流し、該折返し部17aの下端部から前記最も上方に位置する外構部材1に滴下させることができる。
したがって、例えば夏場の雨天時等においては、前記天板17によって前記複数の外構部材1…の劣化を抑制しつつ、雨水による水の供給によって前記複数の外構部材1…に対して十分に水を含ませることができる。
前記支持プレート17bは側面視において略L字型に形成されており、鉛直面部が前記複数の支柱11,11に当接されるとともにビス固定されており、水平面部が前記複数の支柱11,11から前記テラスT中央側に向かって突出している。
そして、この支持プレート17bと前記天板17と前記折返し部17aとで囲まれる空間が、後述する給水管の支管18cが収納される収納部17cとされている。つまり、前記天板17の直下に収納部17cが設けられた状態となっている。
また、前記支持プレート17bの水平面部は、例えばパンチングメタル等のように、該水平面部を厚さ方向に貫通する複数の孔を備えた構成としてもよい。
前記給水源18aは、前記給水管が接続される散水栓を収納した散水栓ボックスを指しており、この散水栓ボックスは前記テラスTの床の下方に設置されている。
なお、前記散水栓ボックス内には前記散水栓の他に、この散水栓の開閉を制御する制御装置が収納されているものとする。このような制御装置によれば、前記散水栓の開閉をタイマー制御したり、温湿度等の周囲の環境に基づいて制御したりすることができる。
前記支管18cは樹脂製のチューブであり、弾力性を有する。そして、前記複数の支管18c,18cは、図6に示すように、前記支柱本体12の前記溝部12aに収納されて、前記支柱11に沿って上方に向かって配管されている。また、前記支柱本体12の上端部もしくは前記カバー12bには前記支管18cを挿通できる挿通孔(図示せず)が形成されており、前記複数の支管18c,18cは、この挿通孔を通って、前記溝部12aから前記天板17直下の収納部17c内へと配管されている。
さらに、前記支管18cのうち、前記収納部17cに収納される部分には複数の孔が形成されており、これら複数の孔から水を排出できるように構成されている。
前記給水源18aから供給された水は、図2〜図4,図6に示すように、前記本管18b内を流れるとともに前記複数の支管18c,18cへと分かれて流れ、前記支柱11に沿って上方へと昇っていく。
前記支柱11の上端部まで到達した水は、前記収納部17c内に収納された支管18cを通過するとともに前記複数の孔から水を排出する。
前記複数の孔から排出された水は、前記開口部17d(および前記支持プレート17bの複数の孔)から下方へと落ち、前記複数の外構部材1…のうち最も上方に位置する外構部材1の前記上面部5へと落ちる。
前記支管18cから順次供給される水は、前記最も上方に位置する外構部材1の前記多孔質材層4の最大含水量よりも多く供給されるため、前記上面部5から前記側面部6へと伝わり、さらに下方へと流れていく。なお、前記外構部材1の下面部7の多孔質材層4にも水が含まれるが、この下面部7も前記上面部5と同じ傾斜角度に設定されているため、前記多孔質材層4の最大含水量よりも多く供給された分の水は、前記側面部6の下方に向かって流れるように設定されている。
そして、前記最も下方の外構部材1の前記側面部6の下端部に到達した水は、前記最も下方の外構部材1の下方に設けられる植栽帯に滴下されて浸透し、さらにその下方の排水ドレインより外部に排水される。ただし、供給水量は、予め設定した散水栓の開閉タイマーにより、必要最少量となるように調節しておく。
そして、以上のような本実施の形態のルーバー10によれば、該ルーバー10の周囲の空気を全体的に冷却できるだけでなく、前記複数の外構部材1,1間の隙間Sを通過する空気を冷却することができる。
また、前記複数の外構部材1…は、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置されることにより、例えば前記複数の外構部材1…が間隔をあけずに並列配置された場合に比して、空気に接触する面を増やすことができるので、空気の冷却効果を高めることができる。
そして、このようなルーバー10を、建物の窓等の開口部前方や開口部周囲に配置すれば、外部からの視線を遮蔽しつつ、建物内に冷却された外気と採光とを同時に導入することができる。これによって、建物内の居住環境の快適性を向上することが可能となる。
例えば図7に示すように、断面形状が台形状に形成された基材2Aを備える外構部材1Aを採用してもよいし、その他の形状の外構部材を採用してもよい。
なお、前記外構部材1Aによってルーバー10Aを構成する際には、この外構部材1Aの形状に対応した複数のブラケット160,160が用いられることになる。このようなブラケット160も、前記支柱11に当接固定される当接部160aと、前記外構部材1Aがリベット160cによって取り付けられる支持部160bとを有しているが、この支持部160bは、前記外構部材1Aの形状に合わせて鉛直面とされている。
2 基材
3 接着層
4 多孔質材層
5 上面部
6 側面部
10 外構構造物
11 支柱
16 ブラケット
17 天板
18 供給手段
S 隙間
T テラス
Claims (6)
- 外構構造物を構成しており、
疎水性を有する接着層と、前記接着層の表面に吸水性を有する多孔質材が密集して設けられてなる多孔質材層と、を備えることを特徴とする外構部材。 - 請求項1に記載の外構部材を複数並列してなる外構構造物であって、
互いに間隔をあけて配置される複数の支柱と、
前記複数の支柱間にわたって長尺に形成されており、前記複数の支柱間に横方向に架設されるとともに、上下方向に互いに間隔をあけて並列配置される前記複数の外構部材と、を備えることを特徴とする外構構造物。 - 請求項2に記載の外構構造物において、
前記各外構部材の上面部は、前記複数の支柱の高さ方向に対して一定の角度で傾斜していることを特徴とする外構構造物。 - 請求項3に記載の外構構造物において、
前記各外構部材は、前記上面部と、
前記上面部と一体形成されるとともに該上面部の傾斜方向下端部から斜め下方に折り返される側面部と、を有することを特徴とする外構構造物。 - 請求項2〜4のいずれか一項に記載の外構構造物において、
前記複数の支柱の上端部に取り付けられるとともに、前記複数の外構部材のうち最も上方に位置する外構部材の上方に配置される天板をさらに備えており、
前記天板は、前記各外構部材の前記上面部と略等しい角度で傾斜しており、傾斜方向下端部には、前記各外構部材の前記側面部と略等しい角度で傾斜する折返し部が一体形成されていることを特徴とする外構構造物。 - 請求項5に記載の外構構造物において、
前記複数の外構部材に対して水を供給する供給手段をさらに備えており、
前記供給手段は、給水源と、前記給水源から前記複数の外構部材のうち最も上方に位置する外構部材よりも上方に配管される給水管と、を有しており、
前記天板の直下には、前記給水管が収納される収納部が設けられており、
前記収納部は、下方に向かって開口する開口部を備えることを特徴とする外構構造物。
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