JP2013538201A - アルキルアニリンの選択的なメタ位クロル化の方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記方法は、
(a) 式(2)のアルキルアニリンを溶媒としての硫酸との混合物中でアニリニウムの形態で用意するステップと、
(b) ステップ(a)の混合物を塩素(Cl2)で処理して、式(1)のアルキルアニリンを硫酸塩の形態で得、任意選択でその後、塩基で処理して、遊離アルキルアニリンを得るステップと
を含む。
以下の例は、硫酸の存在下、閉鎖系(例1〜11)または開放系(例12〜14)における多様な条件下での、2,6−ジアルキルアニリンのクロル化を例示する。Agilent 6850の装置、および分離カラムとしてジメチルポリシロキサン毛管(30m×0.32mm×0.35μm;90℃、3K/分、135℃、30K/分、300℃)を使用して、ガスクロマトグラフィー(GC)を実施した。
2,6−ジエチルアニリン13.0g(87.1ミリモル)および硫酸26.4g(258ミリモル)(96重量%)を、Hastelloy(登録商標)HC22で製作されたオートクレーブ中へ導入した。オートクレーブを30℃に加熱し、窒素でフラッシュして気密性を確認した。窒素を放出した後、塩素ガス6.2g(87.4ミリモル)を、この混合物中へ導入した。反応混合物を、30℃で3時間撹拌し、次いで氷50g中へ注入した。この懸濁液を、水酸化ナトリウム10%水溶液200gで中和した。相が分離した後、水層を、酢酸エチル75gで抽出し、合わせた有機層を、減圧下で蒸発させて粗生成物15.7gを得、これは、ガスクロマトグラフィーによる測定で、94.4%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および4.4%の2,6−ジエチルアニリンを含有していた。3−クロロ−2,6−ジエチルアニリンを、蒸留して精製した。
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ1.16(t, J=7.5Hz, 3H, CH3), 1.23(t, J=7.5Hz, 3H, CH3), 2.47(q, J=7.5Hz, 2H, CH2), 2.73(q, J=7.5Hz, 2H, CH2), 3.73(br s, 2H, NH2), 6.76(d, J=8.3Hz, 1H, 4-Ar-H), 6.84(d, J=8.3Hz, 1H, 5-Ar-H).
13C NMR(CDCl3, 500MHz): δ11.8, 12.6, 21.5, 23.9, 118.7, 125.0, 126.1, 126.2, 131.8, 142.8.
GC: tR=15.9分.
例2
反応時間を1時間とし、例1を繰り返した。得られた生成物は、(GCによると)91.9%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および3.3%の出発材料を含有していた。
反応時間を0.5時間とし、例1を繰り返した。得られた粗生成物は、(GCによると)90.9%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および7.9%の出発材料を含有していた。
反応時間を6時間、Cl2対2,6−ジエチルアニリンのモル比を1.05:1とし、例1を繰り返した。得られた粗生成物は、(GCによると)94.9%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および1.3%の3,5−ジクロロ−2,6−ジエチルアニリンを含有していた。出発材料は、検出できなかった。
硫酸対2,6−ジエチルアニリンのモル比を15:1、Cl2対2,6−ジエチルアニリンのモル比を0.95:1とし、例1を繰り返した。この反応は、オートクレーブ中、15℃で、撹拌しながら実施した。得られた粗生成物は、(GCによると)90.4%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および8.7%の出発材料を含有していた。
硫酸50.8g(497ミリモル)(96重量%)中の2,6−ジエチルアニリン5.0g(33.5ミリモル)と3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン6.1g(33.2ミリモル)との混合物を、Hastelloy(登録商標)HC22で製作されたオートクレーブ中へ導入した。オートクレーブを30℃に加熱し、窒素でフラッシュして気密性を確認した。窒素を放出し、塩素ガス2.3g(32.4ミリモル)を、この混合物中へ導入した。反応混合物を、30℃で1時間撹拌し、次いで氷50g中へ注入した。この懸濁液を、水酸化ナトリウム30%水溶液120gで中和した。相が分離した後、水層を、酢酸エチル60gで抽出し、合わせた有機層を、減圧下で蒸発させて粗生成物10.9gを得、これは、92.5%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、3.2%の2,6−ジエチルアニリン、および0.5%の3,5−ジクロロ−2,3−ジエチルアニリン(GCによる測定)を含有していた。
2,6−ジエチルアニリン10.0g(67.0ミリモル)およびクロロスルホン酸54.7g(469ミリモル)を、Hastelloy(登録商標)HC22で製作されたオートクレーブ中へ導入した。オートクレーブを30℃に加熱し、窒素でフラッシュして気密性を確認した。窒素を放出し、塩素ガス4.7g(66.3ミリモル)を、この混合物へ導入した。反応混合物を、30℃で3時間撹拌し、次いで氷50g中へ注入した。この懸濁液を、水酸化ナトリウム30%水溶液60gで中和した。相が分離した後、水層を、酢酸エチル50gで抽出し、合わせた有機層を、減圧下で蒸発させて粗混合物12.1gを得、これは、18.6%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および10.5%の3,5−ジクロロ−2,6−ジエチルアニリン(GCによる)を含有していた。
2,6−ジエチルアニリン6.0g(40.2ミリモル)および硫酸60.6g(593ミリモル)(96重量%)を、Hastelloy(登録商標)HC22で製作されたオートクレーブ中へ導入した。オートクレーブを30℃に加熱し、窒素でフラッシュして気密性を確認した。窒素を放出し、塩素ガス6.2g(87.4ミリモル)を、この混合物中へ導入した。反応混合物を、30℃で3時間撹拌し、次いで氷50g中へ注入した。この懸濁液を、水酸化ナトリウム10%水溶液470gで中和した。相が分離した後、水層を、酢酸エチル60gで抽出し、合わせた有機層を、減圧下で蒸発させて粗生成物7.4gを得、これは、40.5%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および54.5%の3,5−ジクロロ−2,6−ジエチルアニリン(GCによる)を含有していた。
Cl2対2,6−ジエチルアニリンのモル比を2.1:1、反応温度を80℃とし、例9を繰り返した。得られた粗生成物は、(GCによると)12.7%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および55.4%の3,5−ジクロロ−2,6−ジエチルアニリンを含有していた。
2,6−ジエチルアニリン3.3g(22.1ミリモル)および硫酸44.7g(438ミリモル)(96重量%)を、Hastelloy(登録商標)HC22で製作されたオートクレーブ中へ導入した。オートクレーブを35℃に加熱し、窒素でフラッシュして気密性を確認した。窒素を放出し、塩素ガス6.2g(87.4ミリモル)を、この混合物中へ導入した。反応混合物を、35℃で4.5時間撹拌し、次いで氷50g中へ注入した。この懸濁液を、水酸化ナトリウム10%水溶液360gで中和した。相が分離した後、水層を、酢酸エチル60gで抽出し、合わせた有機層を、減圧下で蒸発させて粗生成物4.7gを得、これは、8.3%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および71.2%の3,5−ジクロロ−2,6−ジエチルアニリン(GCによる)を含有していた。
1H NMR((CD3)2SO, 400MHz): δ1.02(t, J=7.5Hz, 6H, CH3), 2.66(q, J=7.5Hz, 4H, CH2), 5.19(br s, 2H, NH2), 6.66(s, 1H, 4-Ar-H).
GC: tR=17.6分.
例12
還流冷却器および撹拌子を備えた丸底フラスコに、2,6−ジエチルアニリン5.0g(33.5ミリモル)および硫酸50.8g(497ミリモル)(96重量%)を仕込み、80℃に加熱した。2時間以内に、塩素ガス23.5g(331ミリモル)を、封管を用いて反応溶液中に通した。生成した混合物を、80℃でさらに3時間撹拌し、次いで氷50g中へ注入した。この懸濁液を、水酸化ナトリウム30%水溶液130gで中和し、酢酸エチル90gを加えた。相が分離した後、有機層を減圧下で蒸発させて粗生成物5.6gを得、これは、94.8%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および2.4%の2,6−ジエチルアニリン(GCによる)を含有していた。粗生成物は、蒸留して精製することができた。
Cl2対2,6−ジエチルアニリンのモル比を5:1とし、例12を繰り返した。得られた粗生成物は、(GCによれば)60.4%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および37.8%の出発材料を含有していた。
硫酸対2,6−ジエチルアニリンのモル比を2:1、Cl2対2,6−ジエチルアニリンのモル比を5:1とし、例12を繰り返した。得られた粗生成物は、(GCによれば)16.3%の3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、および71.3%の出発材料を含有していた。
基質として、2,6−ジエチルアニリンの代わりに2−イソプロピル−6−メチルアニリン10.0g(67.0ミリモル)を使用して例1を繰り返し、非対称に置換されている2,6−ジアルキルアニリンのクロル化の方法における選択率を評価した。得られた粗生成物は、3−クロロ−6−イソプロピル−2−メチルアニリンと3−クロロ−2−イソプロピル−6−メチルアニリンとを4:1の混合比で(GCによる)含有していた。したがって、非対称に置換されているジアルキルアニリンの場合であっても、芳香族アミンのメタ位のみがクロル化されること、明らかに、隣接したアルキル置換基による立体障害がより少ない位置でクロル化が支配的であることを明示している。
米国特許4,401,833−A号により、4−クロロ−2,6−ジエチルアニリンを生成する以下の比較例が実施された。
Claims (11)
- 式(1)のクロル化されたアルキルアニリンを調製する方法であって、
前記方法は、
(a) 式(2)のアルキルアニリンを、溶媒としての硫酸との混合物中でアニリニウムの形態で用意するステップと、
(b) ステップ(a)の混合物を塩素(Cl2)で処理して、式(1)のアルキルアニリンを硫酸塩の形態で得、任意選択でその後、塩基で処理して、遊離アルキルアニリンを得るステップと
を含む、方法。 - R3が、Hである、請求項1に記載の方法。
- R1およびR2が、それぞれ独立に、アルキル基である、請求項1または請求項2に記載の方法。
- R1とR2が同一である、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
- 反応が、閉鎖系で実施される、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
- 反応が、開放系で実施される、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
- 反応が、5℃〜120℃の温度で実施される、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
- 反応が、10℃〜100℃の温度で実施される、請求項7に記載の方法。
- 硫酸が、少なくとも70重量%のH2SO4濃度を有する、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
- 硫酸が、少なくとも85重量%のH2SO4濃度を有する、請求項9に記載の方法。
- 硫酸が、少なくとも95重量%のH2SO4濃度を有する、請求項10に記載の方法。
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