JP2023053042A - N-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多段階の工程や煩雑な処理を必要とせず、目的とするイソシアヌル酸誘導体の選択的な製造をワンポットにて可能とする新たな製造方法を提供する。【解決手段】イソシアヌル酸を含有する溶液を調製する工程であって、イソシアヌル酸を溶媒に添加し80℃以上にて加熱溶解し、均一名用液状とする段階、その後60℃以下に冷却する段階を含む、イソシアヌル案含有溶液を調製する工程、及び前記溶液に、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基とを添加する工程、を含むイソシアヌル酸を出発物質とするN-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明はN-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸の製造方法の新規な製造方法に関する。
イソシアヌル酸誘導体は、半導体分野を含めた様々な分野で用いられてきており(例えば、特許文献1~2)、その合成方法については、古くから種々の報告がなされている(例えば、非特許文献1~3)。
この状況の下、これまで本発明者らは、1つの炭化水素基を有するイソシアヌル酸誘導体の製造方法に関する報告をしている(特許文献3)。
国際公開第02/086624号 国際公開第2013/035787号 国際公開第2017/208910号
Journal of American Chemical Society,75,pp.3617-3618(1953) Tetrahedron Letters,44,pp.4399-4402(2003) Journal of Organic Chemistry,80,pp.11200-11205(2015)
従来知られている、1つのアルキル基を有するイソシアヌル酸誘導体の製造方法は、イソシアヌル酸の有機溶媒への溶解度が低い為、150℃以上の高温で長時間の加熱が必要となる。しかし高温反応では原料と生成物の分解による収率低下、及び逐次反応による収率と選択性の低下などが起こり、工業的に有用とはいえない。また高温で低沸点の試剤を使用する場合には密閉式の高圧反応装置が必要になるという問題もある。一方、低温反応ではイソシアヌル酸を溶解させるには大過剰の有機溶媒が必要となるので、容積効率が悪化し廃液が増加する問題が有った。
これらの問題の解決を図った特許文献3に記載の方法は、多段階の反応工程を経る必要があり、低コスト化、時間短縮化等の要因を考慮した場合、改善の余地があった。
本発明は、工業的製造に適するイソシアヌル酸誘導体の製造方法の提供を目的とし、すなわち、多段階の工程や煩雑な処理を必要とせず、目的とする誘導体の選択的な製造をワンポットにて可能とする新たな製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、少量の溶媒に溶解させたイソシアヌル酸の過飽和溶液に、炭化水素基を導入するアルキル化剤等と塩基とを投入することにより、ワンポットにて、選択的にモノ置換体であるN-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、第1観点として、イソシアヌル酸を出発物質とするN-モノ(炭化
水素)イソシアヌル酸の製造方法であって、イソシアヌル酸の過飽和溶液を調製する工程、及び前記過飽和溶液に、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基とを添加する工程、を含む製造方法に関する。
第2観点として、前記過飽和溶液が、イソシアヌル酸とアミド系溶媒とを含む、
第1観点に記載の製造方法に関する。
第3観点として、前記添加工程が、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基に加えて、さらに相間移動触媒の添加を含む、第1観点又は第2観点に記載の製造方法に関する。
なお本願明細書には、以下の[1]~[3]の発明の態様も包含されている。
[1]イソシアヌル酸を出発物質とするN-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸の製造方法であって、
イソシアヌル酸を含有する溶液を調製する工程であって、イソシアヌル酸を溶媒に添加し80℃以上にて加熱溶解し、均一な溶液状とする段階、その後60℃以下に冷却する段階を含む、イソシアヌル酸含有溶液を調製する工程、及び
前記溶液に、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基とを添加する工程、
を含む製造方法、
[2]前記溶液が、イソシアヌル酸とアミド系溶媒とを含む、[1]に記載の製造方法、[3]前記添加工程が、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基に加えて、さらに相間移動触媒の添加を含む、[1]又は[2]に記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、多段階の工程や煩雑な処理を必要とせず、ワンポットにて、N-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸を選択的に製造することができ、量産化を見据えた工業的に有用な製造方法を提供するこができる。
本発明は、(1)イソシアヌル酸の過飽和溶液を調製する工程、及び、(2)前記過飽和溶液に、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基とを添加する工程を含む、N-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸の製造方法を対象とする。
また本発明は、(1)イソシアヌル酸を含有する溶液を調製する工程であって、イソシアヌル酸を溶媒に添加し80℃以上にて加熱溶解し、均一な溶液状とする段階、その後60℃以下に冷却する段階を含む、イソシアヌル酸含有溶液を調製する工程、及び(2)前記溶液に、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基とを添加する工程を含む、N-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸の製造方法を対象とする。以下の各工程に係る説明において、「(イソシアヌル酸)の過飽和溶液」を「(イソシアヌル酸)含有溶液」と読み替え、当該製造方法を実施することができる。
本発明に係るN-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸は、1つの炭化水素基を有するイソシアヌル酸誘導体を指し、イソシアヌル酸の窒素原子と結合する置換基として1つの炭化水素基が導入された下記式(1)で表される化合物を指す。
Figure 2023053042000001
上記式(1)において、Rは、例えば炭素原子数1乃至10の炭化水素基を表す。当該
炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状いずれでもよく、二重結合又は三重結合を少なくとも1つ有してもよい。前記炭化水素基がアルキル基である場合、当該アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ペンチル基、n-ノニル基、n-デシル基、シクロヘキシルメチル基、及びシクロペンチルメチル基が挙げられる。アルキル基を除く前記炭化水素基として、例えば、ベンジル基、アリル基、及びプロパルギル基が挙げられる。
以下、本発明に係る各工程について説明する。
(1)イソシアヌル酸の過飽和溶液を調製する工程
本工程は、出発物質であるイソシアヌル酸の過飽和溶液を調製する工程である。
当該過飽和溶液の調製に使用する溶媒として、特にアミド系溶媒を好適な溶媒として挙げることができる。
アミド系溶媒としては、例えば、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N-メチル-2-ピロリドン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等を挙げることができるが、これらに限定されない。これら溶媒は一種を単独で、また二種以上を混合して使用してもよい。
また、アミド系溶媒に加えて、本発明の効果を損ねない範囲において、アミド系溶媒以外のその他溶媒を併用してもよい。
当該過飽和溶液を調製するには、上記アミド系溶媒に、後述する冷却時において過飽和となる量のイソシアヌル酸を添加した後、系内を加熱してイソシアヌル酸を完全に溶解させ、その後、冷却すればよい。
このときの加熱温度は、使用するアミド系溶媒の沸点以下の温度とすることができ、例えば80℃~150℃である。
イソシアヌル酸が完全に溶解し、均一な溶液状となったことを確認した後、イソシアヌル酸の析出が生じないように系内を徐々に冷却し、イソシアヌル酸の過飽和溶液を得る。
このときの最終的な冷却温度は、後述する(2)工程で使用するハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物の融点以上乃至沸点以下の温度とすることができる。上記ハロゲン化又は擬ハロゲン化炭化水素化合物の選択にもよるが、最終的な冷却温度は、例えば30℃乃至60℃程度とすることができる。最終的な冷却温度は、目的とするN-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸の製造に係る選択性を考慮するとより低温であることが好ましいが、低温下でのイソシアヌル酸析出の発生を考慮し、適宜選択すればよい。
(2)前記過飽和溶液に、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基とを添加する工程
本工程は、前述の(1)工程で得た過飽和溶液に、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基とを添加する工程である。
上記ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物は、いわゆるアルキル化剤等と呼ばれる炭化水素基を導入することを目的として用いられる化合物を挙げることができる。
ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物としては、下記式(2)で表される化合物を挙げることができる。
R-X (2)
式中、Rは式(1)で例示したように、炭素原子数1乃至10の炭化水素基を表し、当該炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状いずれでもよく、二重結合又は三重結合を少なくとも1つ有してもよい。
またXはハロゲン原子又は擬ハロゲン基を表す。
上記ハロゲン原子としては、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子及びフッ素原子から選ぶことができる。
Xがハロゲン原子を表す場合、式(2)で表される化合物はハロゲン化炭化水素化合物であり、例えばヨウ化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化アリル、及び臭化プロパルギルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記擬ハロゲン基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基;トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ基等のフルオロアルキルスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等の芳香族スルホニルオキシ基等が挙げられる。
Xが擬ハロゲン基を表す場合、式(2)で表される化合物は擬ハロゲン化炭化水素化合物であり、例えば、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸エチル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物は、前記イソシアヌル酸過飽和溶液中のイソシアヌル酸1モル当量に対して、0.3モル当量乃至1.5モル当量にて使用することができる。
上記塩基としては、無機塩基を好適に用いることができる。
上記無機塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などが挙げられる。これらの中でもアルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸ナトリウムを好ましく用いることができる。これら無機塩基は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、無水物を用いてもよいし、水和物を用いてもよい。
上記無機塩基は、前記過飽和溶液中のイソシアヌル酸1モル当量に対して、0.3モル当量乃至1.5モル当量にて使用することができる。
また(2)工程において、更に相間移動触媒を添加してもよい。
相間移動触媒としては、例えばベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラn-ブチルアンモニウムブロミド、硫酸水素テトラn-ブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩;例えばテトラフェニルホスホニウムブロミド等の四級ホスホニウム塩;例えば12-クラウン-4、18-クラウン-6等のクラウンエーテル類などが挙げられる。これらの中でも、四級アンモニウム塩を好ましい相間移動触媒として挙げることができる。これら相間移動触媒はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記相間移動触媒を使用する場合、その使用量は、前記過飽和溶液中のイソシアヌル酸1モル当量に対して、0.01モル当量乃至1.5モル当量にて使用することができる。
上記ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と塩基、また所望により相間移動触媒の添加は、前述の(1)のイソシアヌル酸の過飽和溶液を得る工程に引き続いて実施する。すなわち、前記(1)工程にて最終的に到達した冷却温度にて、上記ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物、塩基、そして所望により相間移動触媒を添加する。
これらを添加終了後、系内で、N-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸が生成する反応が
進行する。添加後、系内を撹拌することにより、N-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸の生成をより進行させることができる。
添加後、反応温度(系内の温度)を前記(1)工程にて最終的に到達した冷却温度に保ってもよいし、低温下でのイソシアヌル酸析出の発生を考慮し、適宜選択すればよい。
また反応時間は、反応温度や、使用するハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物、塩基の種類、相間移動触媒の有無及び種類にもよるが、例えば0.1時間乃至10時間である。
なお、上記ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と塩基、また相間移動触媒を使用する場合の、それらの添加の順序は特に限定されない。好ましくは先に液状である成分を添加し、その後に固体の成分を添加すること、例えばハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物を添加し、その後、塩基、並びに使用する場合には相間移動触媒を添加することで、イソシアヌル酸の析出が発生し難いものとすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお実施例において、試料の調製及び物性の分析に使用した装置及び条件は、以下のとおりである。
(1)HPLC:(株)島津製作所製 LC-2010A HTシステム
・カラム:HyperCarb(Thermo)、5μm、4.6×100mm
・オーブン:40℃
・検出器:UV210nm
・流速:1.0mL/分
・溶離液及び条件:A液=HPLC用アセトニトリル、B液=0.1質量%リン酸水溶液
0min B液90%→20min B液5%(グラジエーション)
20min~25min B液5%(継続)
25min B液5%→25.1min B液50%(グラジエーション)
25.1min~30min B液90%(継続)
・定量分析用内部標準物質:p-キシレン(モノメチルイソシアヌル酸の収率を内部標準で定量し、ジメチルイソシアヌル酸とトリメチルイソシアヌル酸の収率はピークの面積から感度比=1として計算した。)
・保持時間:イソシアヌル酸…2.3分、モノメチルイソシアヌル酸3.5分、ジメチルイソシアヌル酸7.0分、トリメチルイソシアヌル酸12.2分、p-キシレン16.0分
(2)H-NMR:日本電子株式会社製 JNM-ECA500
[実施例1] 過飽和条件での反応
ガラス製反応容器に、イソシアヌル酸(日産化学(株)製、商品名CA-P、以下同様。)1.04gとN,N-ジメチルホルムアミド(関東化学(株)製、特級、以下同様。)20.0gを入れ、120℃で撹拌し均一に溶解させた。その後、得られた溶液を徐々に40℃まで冷却していった。
過飽和となりイソシアヌル酸の固体が析出していないことを確認してから、ヨウ化メチル(東京化成工業(株)、以下同様。)1.14g、炭酸ナトリウム(関東化学(株)、特級、以下同様。)0.21gを順次加えた。
その後、得られた混合物を40℃のまま7時間撹拌したが、反応容器の底部に炭酸ナトリウムの溶け残りがあるものの、反応が進行して溶解度が低いイソシアヌル酸が減少し、溶解度が高いジメチルイソシアヌル酸(DMe-ICA)に変化した為、反応液からイソシアヌル酸の固体の析出は無く、淡黄色の溶液のままであった。
反応液をHPLC用アセトニトリル(関東化学株式会社)と純水を用いてメスフラスコにて希釈し、サンプリングして内部標準物質p-キシレンを加えてHPLCにて定量分析した。
その結果、ヨウ化メチル基準での定量収率は、目的とするモノメチルイソシアヌル酸(MMe-ICA)が29.1%、そしてジメチルイソシアヌル酸(DMe-ICA)が7.9%、トリメチルイソシアヌル酸(TMe-ICA)が0.9%であった。得られた結果を表1に示す。
[実施例2] 相間移動触媒を用いた過飽和条件での反応
ガラス製反応容器に、イソシアヌル酸1.04gとN,N-ジメチルホルムアミド20.0gを入れ、120℃で撹拌し均一に溶解させた。その後、得られた溶液を徐々に40℃まで冷却していった。
過飽和となりイソシアヌル酸の固体が析出していないことを確認してから、ヨウ化メチル1.14gを加えた。その後、テトラメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業(株)製、以下同様)0.23gと炭酸ナトリウム0.21gを順次加えた。
その後、得られた混合物を40℃のまま7時間撹拌したが、反応容器の底部に炭酸ナトリウムの溶け残りがあるものの、反応が進行して溶解度が低いイソシアヌル酸が減少し、溶解度が高いジメチルイソシアヌル酸(DMe-ICA)に変化した為、反応液からイソシアヌル酸の固体の析出は無く、テトラメチルアンモニウムクロリド由来と思われる僅かな濁りがある淡黄色の溶液のままであった。
反応液をHPLC用アセトニトリル(関東化学株式会社)と純水を用いてメスフラスコにて希釈し、サンプリングして内部標準物質p-キシレンを加えてHPLCにて定量分析した。
その結果、ヨウ化メチル基準での定量収率は、目的とするモノメチルイソシアヌル酸(MMe-ICA)が33.7%、そしてジメチルイソシアヌル酸(DMe-ICA)が8.0%、トリメチルイソシアヌル酸(TMe-ICA)が0.8%であった。得られた結果を表1に示す。
[実施例3] 過飽和条件での反応
撹拌時間を7時間の代わりに1.5時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、反応及び定量分析を行った。なお、この際、同様に、イソシアヌル酸の固体の析出は確認されなかった。
その結果、ヨウ化メチル基準での定量収率は、目的とするモノメチルイソシアヌル酸が21.4%、そしてジメチルイソシアヌル酸が1.7%、トリメチルイソシアヌル酸が0.1%であった。得られた結果を表1に示す。
[実施例4] 過飽和条件での反応
撹拌時間を7時間の代わりに0.5時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、反応及び定量分析を行った。なお、この際、同様に、イソシアヌル酸の固体の析出は確認されなかった。
その結果、ヨウ化メチル基準での定量収率は、目的とするモノメチルイソシアヌル酸が12.4%、そしてジメチルイソシアヌル酸が1.8%、トリメチルイソシアヌル酸が0.1%であった。得られた結果を表1に示す。
[実施例5] イソシアヌル酸過剰量での反応
ヨウ化メチルの量を0.57gとし、撹拌時間を7時間の代わりに4時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、反応及び定量分析を行った。なお、この際、同様に、イソシアヌル酸の固体の析出は確認されなかった。
その結果、ヨウ化メチル基準での定量収率は、目的とするモノメチルイソシアヌル酸が52.5%、そしてジメチルイソシアヌル酸が10.5%、トリメチルイソシアヌル酸が
1.0%であった。得られた結果を表1に示す。
[実施例6] イソシアヌル酸過剰量での反応
ヨウ化メチルの量を0.57gとした以外は、実施例1と同様の方法で、反応及び定量分析を行った。なお、この際、同様に、イソシアヌル酸の固体の析出は確認されなかった。
その結果、ヨウ化メチル基準での定量収率は、目的とするモノメチルイソシアヌル酸が49.5%、そしてジメチルイソシアヌル酸が7.5%、トリメチルイソシアヌル酸が0.8%であった。得られた結果を表1に示す。
[実施例7] 溶媒量を削減しての反応
N,N-ジメチルホルムアミドの量を15.0gとした以外は、実施例1と同様の方法で、反応及び定量分析を行った。なお、この際、同様に、イソシアヌル酸の固体の析出は確認されなかった。
その結果、ヨウ化メチル基準での定量収率は、目的とするモノメチルイソシアヌル酸が22.7%、そしてジメチルイソシアヌル酸が5.6%、トリメチルイソシアヌル酸が0.7%であった。得られた結果を表1に示す。
Figure 2023053042000002
以上のように、本発明の製造方法によれば、ワンポットにて、目的とするイソシアヌル酸のモノ置換体であるN-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸を生産効率よく選択的に得られることが確認された。

Claims (3)

  1. イソシアヌル酸を出発物質とするN-モノ(炭化水素)イソシアヌル酸の製造方法であって、
    イソシアヌル酸を含有する溶液を調製する工程であって、イソシアヌル酸を溶媒に添加し80℃以上にて加熱溶解し、均一な溶液状とする段階、その後60℃以下に冷却する段階を含む、イソシアヌル酸含有溶液を調製する工程、及び
    前記溶液に、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基とを添加する工程、
    を含む製造方法。
  2. 前記溶液が、イソシアヌル酸とアミド系溶媒とを含む、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記添加工程が、ハロゲン化炭化水素化合物又は擬ハロゲン化炭化水素化合物と、塩基に加えて、さらに相間移動触媒の添加を含む、
    請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
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