JP2013535440A - β−ラクトンからのカルニチンの製造のためのプロセス - Google Patents

β−ラクトンからのカルニチンの製造のためのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、L−カルニチンの製造のための方法であって、4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンであるβ−ラクトンが、トリメチルアミン(TMA)を用いてカルニチンへと変換され、このβ−ラクトンは、トリメチルアミンと接触する前には、塩基性加水分解工程にはかけられない方法に関する。本発明は、独特の不純物プロファイルを有するカルニチンにも関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、L−カルニチンの製造のための方法および独特の不純物プロファイルを有するL−カルニチンに関する。
カルニチン(ビタミンBt;3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオ−ブタノエート)は、アミノ酸のリジンおよびメチオニンから生合成される第四級アンモニウム化合物である。生細胞では、カルニチンは、代謝エネルギーの生成のための脂質の分解の際に、サイトゾルからミトコンドリアへの脂肪酸の輸送のために必要とされる。カルニチンは、栄養補助食品として使用される。カルニチンは2つの立体異性体として存在する。生物活性のある形態は、L−カルニチンであり、他方でその鏡像異性体のD−カルニチンは生物学的に不活性である。L−カルニチンを工業的プロセスで製造するとき、生物活性のあるL体を高純度で製造することが望ましい。
L−カルニチンの工業生産について種々の方法が記載されている。L−カルニチンが細菌によって直接産生される微生物プロセスが知られている。他のプロセスでは、有機合成によってラセミ化合物が生成され、その後、鏡像異性体へ分離される。
さらには、キラル前駆体からL−カルニチンを直接合成するための試みがなされてきた。一群の可能性のある前駆体はキラルな環状ラクトンである。キラルなラクトンを得るための方法は原則として公知であるので、L−カルニチンはラクトン環の加水分解によって入手できる。
特許文献1は、(S)−3−ヒドロキシブチロラクトンからのL−カルニチンの調製のためのプロセスを開示する。このプロセスは2工程プロセスであり、第1の工程で、(S)−3−ヒドロキシブチロラクトンは、環構造を維持しながら、対応するヒドロキシ活性化ラクトンへと変換される。第2の工程で、この活性化ラクトンの環は開かれ、トリメチルアミンを用いてトリメチルアンモニウム基が導入される。まとめると、この反応は、刺激性の化学物質を用いた中間体の活性化を必要とするので、この反応は比較的複雑である。
特許文献2は、キラルな2−オキセタノンが2工程プロセスでL−カルニチンへと変換される、β−ラクトン前駆体からL−カルニチンを製造するためのプロセスを開示する。第1の工程で、4−(クロロメチル)−2−オキセタノンが加水分解工程にかけられ、この工程で、環は開かれ、4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸が得られる。引き続く工程で、この酸は、トリメチルアミンを用いてL−カルニチンへと変換される。しかしながら、この反応は2工程反応であり、従って比較的労力および時間がかかる。さらには、複数工程の反応は、一般に、変動をより受けやすく、比較的低い生成物収率を伴う。
キラルなL−カルニチンは重要な工業製品であるので、その製造のための代替の効率的なプロセスを提供することが望ましいであろう。特に、比較的簡便でかつ高収率のL−カルニチンの製造のためのプロセスを提供することが望ましいであろう。
米国特許第5,473,104号明細書 スイス特許出願公開第680 588(A5)号明細書
本発明の根底にある課題は、上記の欠点を克服する、L−カルニチンを製造するための方法を提供することである。具体的には、課題は、L−カルニチンの製造のための効率的で簡便なプロセスを提供することである。
全体収率およびキラル収率は高くあるべきである。さらには、必要な化学物質は、容易に入手できるものであるべきであり、あまりに高価ではないものであるべきである。具体的には、貴金属、例えば白金、を含む高価な触媒の使用は回避されるべきである。
プロセス工程の数は比較的少なくあるべきであり、そのプロセスは、複雑な装置を必要としないものであるべきである。全体として、そのプロセスは、アトムエコノミーが高いものであるべきであり、かつ費用効率が高く労働効率がよいものであるべきである。
驚くべきことに、本発明の根底にある課題は、請求項に係るプロセスによって解決される。さらなる本発明の実施形態は、説明全体にわたって開示される。
本発明の主題は、カルニチンの製造のためのプロセスであって、4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンであるβ−ラクトンが、トリメチルアミン(TMA)を用いてカルニチンへと変換され、このβ−ラクトンは、トリメチルアミンと接触する前には、加水分解工程にはかけられないプロセス、である。この加水分解工程は、β−ラクトン環を開くいずれの加水分解工程、例えば酸性条件または塩基性条件の下での加水分解工程であってもよい。しかしながら、エステルは、一般に、塩基性加水分解において塩基性条件下で加水分解される。
本発明の特定の実施形態では、当該β−ラクトンは4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン、4−(ブロモメチル)オキセタン−2−オンまたは4−(ヨードメチル)オキセタン−2−オンである。4−(クロロメチル)オキセタン−2−オンの使用が好ましい。好ましくは、このβ−ラクトンはキラルなβ−ラクトンであり、カルニチンはL−カルニチンである。(R)−β−ラクトンが使用されるとき、L−カルニチンが入手できる。
本発明によれば、当該β−ラクトン環は塩基性加水分解反応で開き、当該ハロゲン原子は、求核置換反応においてトリメチルアミン基によって置換される。これは、新規な1工程経路で成し遂げられる。当該ハロゲン化β−ラクトンは、TMAの添加の前の加水分解なしにL−カルニチンへと変換されてもよい。TMAは、塩基性加水分解のためのさらなる塩基と一緒にβ−ラクトンに接触させられてもよいし、または当該反応は、さらなる塩基をまったく加えることなく実施されてもよいし、または塩基性加水分解のためのさらなる塩基は、β−ラクトンをTMAと接触させた後に加えられてもよい。下記のスキーム1は、カルニチンの製造のための例示的な本発明の反応を示す。この反応では、塩素化β−ラクトンは、TMAおよび加水分解用塩基としてのNaOH水溶液の組み合わせに接触させられる。
Figure 2013535440
スイス特許出願公開第680 588(A5)号明細書に開示される先行技術は、2工程経路を必要とする。第1の工程で、ハロゲン化β−ラクトンは、通常は塩基性条件下で加水分解され、4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸が得られる。第2の工程で、この酸は、TMAを用いてL−カルニチンへと変換される。1工程反応では、所望の反応と同時に起こってカルニチン形成を阻害するかもしくは少なくとも収率および効率を大きく低下させる数多くの副反応が観察されるかまたは予想されるため、この2工程アプローチが当該技術分野で使用された。
1つの単独の工程で塩基性加水分解およびTMAによるハロゲン置換を実施するときに実際に観察されそして当然予想される副反応および副生成物は、下記のスキーム2に要約されている。スキーム2は、4−(クロロメチル)オキセタン−2−オンがNaOHおよびTMAと反応するときに、起こるかまたは理論上起こる可能性があるすべての副反応を説明する。従って、スキーム2は、1つの単独の反応バッチで観察される反応経路を示す。生成物のうちのいくつか、例えばラクトン13、は、過渡的な中間体である可能性がある。他の化合物、とりわけヒドロキシクロトン酸8、クロトノベタイン10ならびに環状ラクトン6およびフラノン7は、競合的な最終生成物である。1つの反応の生成物の混合物を分析すると、この合成の中の主要な不純物はヒドロキシクロトン酸8およびクロトノベタイン10であるということが見出された。原理上、4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン4は、NaOHおよびTMAの存在下で2つの反応経路に入る可能性がある。第1の経路は、クロロヒドロキシ酪酸5へのβラクトン4の塩基性加水分解で始まり、このクロロヒドロキシ酪酸5は環化してヒドロキシブチロラクトン6を与えるかまたは水の脱離後にフラノン7を形成する可能性がある。ヒドロキシ酪酸8の形成は、化合物5からの水の脱離から生じる中間体9を介して進行する。加えて、フラノン7は、中間体9の環化反応によっても形成される可能性がある。クロトノベタイン10は、L−カルニチン1が水を脱離することによるか、または化合物9が反応してトリメチルアミンによる塩化物の求核置換を経るかのいずれかにより得ることができる。また、エポキシ酸11は、L−カルニチン1または5からアルコール基による塩化物またはアンモニウムの分子内求核置換により形成する可能性がある。5の中の第一級アルキルハロゲン化物およびL−カルニチン1の中のアンモニウム基の両方は、良好な脱離基であるので、1つの副反応は、水酸化物アニオンによるそれらの求核置換であり、この求核置換はジオール12を与える。第2の経路は、中間体13へのクロロ−β−ラクトン4のアミノ化で始まり、この中間体13は、水酸化ナトリウムでL−カルニチン1へと加水分解される。とりわけ、正しい反応条件を用いなければ、L−カルニチン1は、環化および脱離(副生成物6および7を与える)または上記の脱離(化合物10をもたらす)などのさらなる反応も起こす可能性がある。
Figure 2013535440
要約すれば、スキーム2は、β−ラクトンの塩基性加水分解およびTMAを用いた求核置換反応を1つのバッチの中で同時に実施するときに、多数の反応が起こること、または少なくとも当然に予想されるということを示す。当業者なら、両方の反応を同じバッチの中で同時に効率的に実施することができるということ、すなわちTMAおよびさらなる塩基を一緒に添加するとカルニチンを高収量で得られるだろうということは、予想しなかったであろう。対照的に、当業者なら、とりわけヒドロキシクロトン酸8ならびにクロトノベタイン10ならびに環状ラクトン6および7がかなりの高収率で得られるだろうと予想したであろう。実際、初期の実験で、NaOHとTMAとの組み合わせをβ−ラクトン前駆体に添加することではL−カルニチンは実用的な量で得られず、代わりに、スキーム2に示される種々の副生成物が得られるということが見出された。驚くべきことに、さらなる実験において、(以降でさらに概略を示すように、そして実施例で示すように)プロセス条件を変えるうちに、全体的な反応が高い収量のL−カルニチン生成へと選択的にシフトするということが見出された。上で概略を述べたとおり、そしてスキーム2によって説明したとおりに複雑である反応において、2つの異なるプロセス工程を1つの単独の工程で組み合わせることができるということはまれである。
本発明によれば、この塩基性加水分解(開環反応)およびトリメチルアミン(TMA)との反応は、1つのプロセス工程で実施される。塩基性加水分解のためにTMAとは異なるさらなる塩基が加えられてもよい。あるいは、塩基であるTMA自体が塩基性加水分解を開始するように条件が調整されてもよい。この実施形態では、さらなる塩基を加えることは必要ではない。
好ましい実施形態では、好ましくは金属水酸化物であるさらなる塩基が加えられる。この実施形態では、β−ラクトンは、このさらなる塩基およびトリメチルアミンと実質的に同時に接触させられるべきである。好ましくは、このさらなる塩基およびトリメチルアミンは、好ましくは金属水酸化物およびトリメチルアミンの混合物、例えば溶液もしくは懸濁液、の形態で、または金属水酸化物溶液を加えてガス状のTMAを反応混合物に通すことにより、同時に加えられる。
同時に加えられる場合、金属水酸化物が塩基性加水分解を開始し、トリメチルアミンは、求核置換でハロゲン原子を置き換えることによりβ−ラクトンと反応する。用語「実質的に」は、両方の成分が正確に同時に加えられる必要はないということを表す。原理上、両方の成分は、短い時間内で交互に反応混合物に加えられてもよい。しかしながら、金属水酸化物は、トリメチルアミンが求核置換において十分に反応する前に加えられるべきであり、または逆に、トリメチルアミンは、金属水酸化物が開環反応において十分に反応する前に加えられるべきである。従って、両方の反応が同時に実施されること、または少なくとも、当該反応の90%もしくは95%が同時に実施されることが確保されるかぎり、両方の成分は交互に加えられてもよい。とりわけ、例えば低温のため、当該反応が進行しないかまたはゆっくり進行することが確実である場合、1つの成分を最初に加え、第2の成分をその後に加えることが可能である。TMAの前に金属水酸化物を加える場合、TMAが加えられる前には塩基性加水分解が起こらないこと、または無視できるほどの、例えば全β−ラクトンの5%未満の塩基性加水分解しか起こらないことが確保されるべきである。
本発明の好ましい実施形態では、この塩基性加水分解は、金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムを加えることにより実施される。原理上、塩基性加水分解はエステル加水分解反応であり、当該技術分野で公知の反応物質をこの工程で使用することができる。従って、この塩基性加水分解は、他の塩基、例えば水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを用いて実施することもできる。
好ましくは、本発明に従って使用される溶媒は水である。あるいは、当該反応は、水および有機溶媒を含む二相系で実施することができる。別の実施形態では、この反応は、水を用いずに有機溶媒、例えばアルコール、例えばエタノール、の中で実施されてもよい。この実施形態では、水を含まないか、または実質的に水を含まない塩基が添加される。
本発明の好ましい実施形態では、このさらなる塩基、とりわけ金属水酸化物の量、は、β−ラクトンの初期量に基づき1.1〜1.6当量、好ましくは1.2〜1.4当量である。上で概略を示したように、この塩基性加水分解は、原理上は当該技術分野で周知であるエステル加水分解反応である。しかしながら、現状技術によるエステルの塩基性加水分解は、一般に、大過剰の塩基を用いて、例えば水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物を約3〜4当量という過剰に用いて実施される。驚くべきことに、本発明によって、そのような化学量論的に大過剰の塩基が加えられるとカルニチンの収率は低いということが見出された。本発明によれば、カルニチンを選択的に得るため、および副生成物の形成を抑制するために、小過剰の塩基が有利であるということが見出された。
本発明の好ましい実施形態では、この反応は、−20℃〜40℃、好ましくは0℃〜25℃、好ましくは約0℃および/または約25℃の温度で実施される。好ましい実施形態では、この温度は、当該プロセスの間に、例えば約0℃から約25℃へと上昇される。好ましい実施形態では、この反応は、標準圧力で実施される。従って、エネルギーを節約することができ、このことは、工業規模での製造にとって重要である。
本発明の好ましい実施形態では、上記β−ラクトンは、金属水酸化物およびTMAを含む水溶液に接触させられる。この水溶液中の金属水酸化物の濃度は、1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%であってもよい。この水溶液中のTMAの濃度は、2〜15重量%、好ましくは3〜10重量%であってもよい。当該β−ラクトンは、純粋な形態で与えられてもよいし、または例えば濃度1〜80%、好ましくは5〜50%の水溶液として与えられてもよい。水溶液中でのβ−ラクトンとTMAおよび金属水酸化物との反応は、室温でまたは0〜40℃で実施されることが好ましい。反応時間は、20分間〜5時間、好ましくは30分間〜3時間であってもよい。この実施形態では、高められた圧力は必要ではない。従って、この反応は、低温でかつ高められた圧力なしに実施することができ、エネルギー効率的である。
好ましくは、当該β−ラクトンは、TMAおよび金属水酸化物を含む水溶液に加えられる。このβ−ラクトンまたはβ−ラクトンを含む水溶液は、例えば10分間〜4時間の時間にわたってゆっくり加えられてもよく、好ましくは滴下されてもよい。
本発明の別の好ましい実施形態では、有機溶媒中のβ−ラクトンの溶液が準備され、TMAおよび金属水酸化物を含む水溶液と混合される。この実施形態では、反応は二相系で進行する。好ましい有機溶媒は、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロエチレン(DCE)、クロロホルム、クロロベンゼンまたはトルエンである。しかしながら、別々の有機相を形成しかつ当該反応を妨げない他の溶媒も適切である。理論上は、塩素化溶媒はTMAと反応する可能性がある。このことは観察されなかったが、カルニチンの製造が大幅に阻害されなければ、塩素化溶媒は許容できるであろう。有機溶媒中のβ−ラクトンの濃度は、2〜50重量%、好ましくは5〜20重量%であってもよい。この実施形態では、過剰の約1〜4当量、好ましくは1.1〜4当量、より好ましくは2〜3当量のTMAが使用されてもよい。この二相反応は、低温、例えば−20〜40℃、または0〜25℃で、好ましくは0℃で実施することができる。
本発明の好ましい実施形態では、TMAは当該プロセスの間にリサイクルされる。TMAはガス形態で利用できるので、TMAは、反応液を通して導き、集め、リサイクルすることができる。反応媒体中では、溶解したTMAは、反応が終了した後に(例えば蒸留により)混合物から分離して、当該プロセスに再導入することができる。好ましくは、このTMAは、環状プロセスで反応経路へと再導入される。TMAは、純粋なガスの形態で(Fluka Chemicals)または10〜40重量%の水溶液の形態で市販されている。反応混合物中のTMAの量は、1〜3当量、好ましくは1〜2.5当量であってもよい。しかしながら、TMAの量および過剰分は金属水酸化物の量ほどには重要ではない。なぜなら、TMAは、反応の間にリサイクルして、反応チャンバーの中へと再導入することができるからである。
本発明の好ましい実施形態では、反応混合物は、β−ラクトン、水、金属水酸化物およびTMAからなる。さらなる成分は1%未満または2%未満のレベルで存在してもよい。この組成を使用するときのみ、反応混合物は簡便で、副反応は非常に少なくなる。
本発明の特定の実施形態では、この塩基性加水分解はTMAによって媒介され、塩基性加水分解のためには、さらなる塩基は加えられない。好ましくは、この反応は、高められた圧力および/または少なくとも一部は高められた温度で実施される。特定の実施形態では、溶媒はエタノールであり、反応中間体生成物はカルニチンのエチルエステルであり、このカルニチンのエチルエステルは、その後、カルニチンへと加水分解される。本発明の特定の実施形態では、溶媒はアルコールであり、反応生成物はエステルであり、このエステルは、その後、塩基性加水分解にかけられる。
さらなる塩基を用いないこの実施形態では、高められた圧力で、好ましくはオートクレーブ中で、反応を実施することが好ましい。例えば、圧力は、2〜200bar、とりわけ5〜150barまたは10〜100barであってもよい。高められた圧力の適用は、塩基性加水分解のためのさらなる塩基を用いずに当該反応が実施されるときに好ましい。ガス状である弱塩基であるTMAを用いた加水分解反応は、高められた圧力で促進される。
さらなる塩基を用いない、そして高められた圧力でのこの実施形態では、当該反応を少なくとも一部は、高められた温度、例えば50℃〜120℃、より好ましくは80℃〜100℃で実施することが好ましい。初期温度は0℃未満であってもよく、反応の間に上げられてもよい。
本発明の好ましい実施形態では、L−カルニチンの収率は、最初の全量のβ−ラクトンに基づいて、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも85%、または少なくとも90%である。この収率は、キラル収率または全体収率を指す。
原則として、本発明の開環反応を実施するためのキラルなモノハロゲン化β−ラクトンは、当該技術分野で公知である。例えば、β−ラクトンは、スイス特許出願公開第680 588(A5)号明細書に開示されるように、水素化トリブチルスズを用いたキラルでない前駆体の塩化水素化によって得ることができる。
本発明の好ましい実施形態では、当該キラルな4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンは、キラル触媒の存在下での[2+2]環化付加反応によって得られる。具体的には、キラルなβ−ラクトンは、キラル触媒の存在下でのケテンとアルデヒドX−CH−CHO(式中、XはCl、BrおよびIから選択される)との新規な[2+2]環化付加によって得られる。
ケテン(エテノン、式CO)は無色のガスであり、これは、分子中にある2つの隣接する二重結合のため、非常に反応性が高い。
キラル触媒は、通常、少なくとも1つの不斉原子を含む。しかしながら、キラルであるがキラルなC原子を含まない他のキラル触媒、例えばBINAPが公知である。このような触媒は、ラセミ化合物ではなくキラルな生成物が得られるように、反応物質と相互作用する。
本発明の好ましい実施形態では、当該キラル触媒は、ルイス酸−ルイス塩基二元機能性金属触媒およびホスフィン触媒から選択される。
好ましくは、当該キラル触媒は、ルイス酸−ルイス塩基二元機能性金属触媒である。このルイス酸およびルイス塩基は、別々の化合物であってもよいし、またはイオン的相互作用、共有結合的相互作用もしくは他の相互作用によって、例えば金属錯体の中で、互いに会合していてもよい。別々の成分である場合、当該ルイス酸およびルイス塩基は、このエナンチオ選択的反応を触媒するために、少なくとも触媒的な状態で互いに会合している。このルイス酸は、好ましくは金属原子、金属イオンまたは金属塩であり、ルイス塩基は、通常はアミン、ホスフィン、アルコールおよび/またはアミド基を含むキラルな有機配位子である。この触媒は二元機能性である。なぜなら、キラリティは当該配位子の特性であり、従って当該ルイス塩基とは独立であるからである。それゆえ、この二元機能性触媒は、配位子自体ではなく錯体全体がキラルであるにすぎない、Wilkinson触媒などのキラル金属錯体触媒とは明確に異なる。
好ましくは、当該キラル触媒は、キラルアミン、キラルホスフィン、キラルアルコールおよびキラルアミドから選択されるルイス塩基を含む。このキラルアミンは、好ましくはアルカロイド、好ましくはキニーネまたはキニジン、トリアミンまたはサレン(salen)である。当該キラルホスフィンは、好ましくはSEGPHOS、TUNEPHOS、BINAPである。当該キラルアミドは、好ましくはビススルホンアミドである。当該キラル触媒は、上記のもののいずれかの誘導体であってもよい。
好ましい実施形態では、当該ルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、ルイス酸としての金属原子を含む。このルイス酸は、イオン、塩または金属錯体の形態で提供されてもよい。1つ、2つ、または3つ以上の配位子が当該金属に結合され、金属錯体が形成されてもよい。本発明の好ましい実施形態では、この金属は、周期表のI族およびII族の金属、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムから選択される。銀、金、コバルト、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム、鉄、スズ、亜鉛、マンガン、スカンジウム、チタンおよびホウ素は、さらに好ましい。
好ましい実施形態では、当該ルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、リチウム塩と組み合わせたキラルアルカロイドである。好ましいそれぞれのルイス酸/ルイス塩基触媒系は、Calter(1996)、Zhuら(2004)、およびShenら(2006)に開示されている。これらの触媒は、ルイス酸としての過塩素酸リチウムと組み合わせたキナアルカロイドルイス塩基およびその誘導体を含む。通常、当該ルイス塩基および塩は、別々に反応混合物へと加えられる。従って、当該触媒は系中で形成される。本発明によれば、このアルカロイドは、好ましくは、キラルな9位で嵩高い置換基によって置換されているキニーネまたはキニジンの誘導体である。好ましくは、この嵩高い置換基は、3〜15個、より好ましくは4〜8個の炭素原子および/またはケイ素原子を含む。好ましい実施形態では、この嵩高い置換基は、分枝状アルキル基、例えばiso−ブチルおよびtert−ブチル、ならびにアルキルおよび/またはアリール置換基を有する分枝状シリル基、好ましくはトリアリールシリル基およびトリアルキルシリル基から選択される。過塩素酸リチウムと組み合わせた(トリメチルシリル)キニーネはとりわけ好ましい。
好ましい群の触媒は、2つのスルホンアミド基および1つのさらなる残基が結合している中心のAl(III)原子を含む。このさらなる残基は、有機残基または無機残基であってもよい。これにより、このAl(III)は、それぞれのスルホンアミド基のN原子によって配位される。これらのスルホンアミド基は、好ましくはアリール基またはアルキル基で、置換されていてもよい。好ましくは、これらのスルホンアミド基は、橋架け基を介して互いに連結されている。キラリティは、スルホンアミド基のキラルな窒素原子か、または当該橋架け基のC原子によって、触媒もたらされる。例えば、このような触媒はNelsonら、1999によって記載されている。
別の好ましい実施形態では、当該触媒はキラルな有機ホスフィンである。通常、このような触媒は、1つの分子の中に、1個、2個、または3個以上のリン原子および1以上の芳香環系を含む。このようなホスフィンのうちで、BINAPHANE((R,R)−1,2−ビス[(R)−4,5−ジヒドロ−3H−ビナフト(1,2−c:2’,1’−e)ホスフェピノ]ベンゼン;CAS 253311−88−5;スキーム2d)を参照)が、R体またはS体のいずれも好ましい。BINAPHANEの開発および使用は、Mondalら、2010によって開示されている。
本発明に係るプロセスは、L−カルニチンが電気透析およびその後の再結晶処理にかけられる、さらなる精製工程を含んでもよい。このような技法は、一般に当業者に公知である。
電気透析(ED)は、液体混合物の中の有機生成物を精製するために使用される膜技術である。このEDは、任意のやり方で混合物の中の塩濃度を低下させるために使用することができる。この分離のための駆動力は、膜にわたる電場である。逆浸透、ナノ濾過、限外濾過または精密濾過法などの圧力によって駆動される膜プロセスを適用して、有機化合物を濃縮/保持することができる。この塩は、使用される膜の種類によっては、部分的にのみ濃縮/保持されるであろう。
当該ベタイン(L−カルニチン)は、当該技術分野で公知の方法を使用して単離および精製することができる。過剰の第三級アミン、および溶媒として使用される水の一部分は、好ましくは減圧下での蒸留によって除去することができる。この過剰のアミンは回収されてリサイクルされてもよい。
塩副生成物は、好ましくは、膜技術(例えば電気透析、逆浸透、ナノ濾過、限外濾過または精密濾過法)によって除去され、これは、上記のとおりの揮発性化合物の除去の後に行うことが有利である。当該ベタイン(L−カルニチン)は、従来の方法により、例えば電気透析の後に得られる希釈物から水を留去し、その後に再結晶することにより、単離することができる。
本発明のプロセスは、本発明の根底にある課題を解決する。当該プロセスは、比較的簡便で経済的であり、少ない数のプロセス工程しか必要としない。従って、副反応が回避され、全体収率およびエナンチオマー収率は高い。食品および飼料製品においては問題となるスズ有機化合物または他の有毒な反応物質を使用することなくL−カルニチンを得ることができる。貴金属触媒の使用は必要ではない。代替の経路が利用可能であり、このことは、プロセスを実施することについてのより大きい融通性を与える。
具体的には、スイス特許出願公開第680588(A5)号明細書のプロセスと比較すると、本発明のプロセスは、1工程反応で実施されるのに対し、先行技術のプロセスは、2工程反応で実施される。さらには、本発明のプロセスは、従来のエステル加水分解と比較して、比較的少ない量の塩基しか必要としない。TMAはリサイクルして当該プロセスに再導入することができる。本発明の反応は、温度を高めることなく、かつ標準圧力で実施することができる。要約すれば、本発明のプロセスは、エネルギー、時間および化学物質の使用に関して、非常に効率的である。
本発明の別の態様は、上記のプロセスによって得られるL−カルニチンである。このL−カルニチンは、独特の不純物プロファイルを持つことを特徴とする。具体的には、本発明に係るL−カルニチンは、ヒドロキシクロトン酸を主な不純物として呈する。好ましくは、ヒドロキシクロトン酸の量は、0.1重量%以下、より好ましくは0.5〜0.1重量%の範囲、最も好ましくは0.5〜0.005重量%の範囲にあり、他方で、他の不純物は無視できる。
主な不純物としてのヒドロキシクロトン酸しか存在しないため、本発明に係るL−カルニチンは、現状技術よりも優れる。ヒドロキシクロトン酸は無毒、非発癌性および非変異原性(エームズ試験(Ames−Test)陰性、LD50(ラット)>2000mg/kg bw)であるので、ヒドロキシクロトン酸は、当該L−カルニチンを食品組成物および飼料組成物に加える前に、除去される必要がない。
当該L−カルニチンの独特の不純物プロファイルは、本発明に係るプロセスの直接的な結果である。このことは、例えば米国特許第5,473,104号明細書に係る2工程の、現状技術のプロセス(これは、さらに、本発明と比べて異なる原料を用いて出発する)またはスイス特許出願公開第680 588号明細書を用いては成し遂げることはできない。なぜなら、上記現状技術のプロセスは、様々な異なる、多くの場合有害な副生成物を生じる傾向があるからである。
L−カルニチンをクロロエタナールおよびケテンから製造した。反応経路を下記のスキーム4に示す。
Figure 2013535440
分析方法:
当該反応およびEDは、UV検出および電導度検出を用いて、陽イオン交換カラムでのHPLCによってモニターする。
アッセイカルニチン:HPLC、陽イオン交換カラム、UV検出および電導度検出
溶離液:酸性化した水/アセトニトリル;D−およびL−カルニチンの両方を標品として使用する。
鏡像異性体純度:キラルな蛍光性試薬を使用して生成物を誘導体化する。この反応混合物を、ODSカラムおよび蛍光検出を使用してHPLCによって分析する。
実施例1:β−ラクトンの合成
TMSQ触媒(上記のスキーム2b)を参照)を、Michael A.Calter、J.Org.Chem.、1996年、第61巻、8006−8007頁の方法に従って調製した。この触媒を以下の[2+2]環化付加反応において使用した。窒素雰囲気下の500mlの二重ジャケット付き反応器(オーバーヘッド撹拌機、冷却のための低温保持装置、窒素注入口;ケテン浸漬管を具える)の中に、塩化メチレンおよび塩化メチレン中のクロロアセトアルデヒドの溶液(135gのDCMに溶解させた10.0g)を投入する。この溶液を−50℃に冷却し、その後、5.16gのTMSキニーネ(55.17gの塩化メチレンに溶解させた)および4.09gのLiClO(54.1gのDCMおよび18.0gのTHFに溶解させた)を加える。ケテンをこの溶液に2時間吹き込む(7g/時間)。この反応を、インラインIR(生成物の特性波数は約1832)によって追跡する。この反応を飽和炭酸水素塩水溶液(579.1g)でクエンチする。層の分離後、有機層をMgSOで乾燥し、真空中で乾固するまでエバポレーションする。この粗製β−ラクトンを、さらに精製することなく次の工程のために使用する。
実施例2:反応生成物の、L−カルニチンへの変換
上記粗生成物を、NaOHおよびTMAの水溶液(水95.0g、NaOH 7.3g、水20.8g中のTMA 45%)に0℃で加える。この反応液をその温度で1時間撹拌し、室温まで加温する。撹拌を1時間続ける。HPLCおよびICは、カルニチンへの40%転化率(2工程にわたる)を示し、L−カルニチンアッセイは85.5であった。
実施例3:二相系での反応
4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン(有機溶媒のDCMまたはトルエン中10重量%)を、2.5当量のTMA(HO中10〜40重量%)および1.2〜1.4当量のNaOHの混合物で処理する。0℃での二相反応の後、室温で1時間反応させ、L−カルニチン(2工程にわたる、水相に溶解している)を約30%転化率で得る。L−カルニチンアッセイは85%である。主な副生成物はヒドロキシクロトン酸である。
実施例4:NaOHを用いない反応
ラクトンの水溶液(50重量%)を−10℃未満で1.2当量のTMAを用いて処理し、オートクレーブに入れる。この反応混合物を90℃に加熱する。HPLCおよびICは、カルニチン(2工程にわたる)を示し、L−カルニチンアッセイは82%である。主な副生成物はヒドロキシクロトン酸である。
実施例5:低温での反応
水酸化ナトリウム(1.4当量)およびTMA(1.2当量)の水溶液を調製し、0℃に冷却する。その温度でβ−ラクトンを1時間以内に加える。この反応混合物をさらに1〜2時間撹拌し、室温まで加温し、分析する。HPLCおよびICはカルニチンへの23%転化率(2工程にわたる)を示し、L−カルニチンアッセイは84.6%であった。主な副生成物はヒドロキシクロトン酸である。
実施例6:有機溶媒中での反応
4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン(有機溶媒のエタノール中10重量%)を、2.5当量のTMA(HO中10〜40重量%)および1.2〜1.4当量のNaOHの混合物で処理する。0℃で1時間の反応後、室温まで加温し、約22%転化率でL−カルニチン(2工程にわたる)を得る。L−カルニチンアッセイは84.8%である。主な副生成物はヒドロキシクロトン酸である。
実施例7:有機溶媒中での反応
4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン(有機溶媒のエタノール中10重量%)を、2.5当量のTMA(HO中10〜40重量%)および1.2〜1.4当量のNaOHの混合物に加える。0℃で1時間の反応後、室温まで加温し、約22%転化率でL−カルニチン(2工程にわたる)を得る。L−カルニチンアッセイは84.8%である。主な副生成物はヒドロキシクロトン酸である。
実施例8:二相系での反応
4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン(有機溶媒のDCMまたはトルエン中10重量%)を、2.5当量のTMA(HO中10〜40重量%)および1.2〜1.4当量のNaOHの混合物に加える。0℃での二相反応の後、室温で1時間反応させ、L−カルニチン(2工程にわたる、水相に溶解している)を約30%転化率で得る。L−カルニチンアッセイは85%である。主な副生成物はヒドロキシクロトン酸である。
実施例9:EDによる塩除去についての一般的手順
ED処理を実施するために使用した装置は、10対の64cmのPES膜の積層物を具えるEDミニプラントからなっていた。実験をバッチモードで実施したが、しかしながら、連続操作モードも実行できる。3台のポンプが、濃縮溶液(廃水の流れ)、希釈溶液(生成物の流れ)および電解質溶液(供給の流れ)を膜積層物へ循環させることを担っていた。これらの3つの流れのフラックスを調整し、3台のロータメータを用いて測定した。プロセス収率の最大化を保証するために、濃縮流れおよび希釈流れの中のpHおよび温度の制御を実行した。このED実験の間、これらの3つの流れのpH、電導度、温度およびフラックスを制御し、記録する。
上記の装置を、液体反応混合物からL−カルニチンを脱塩および精製するためにも使用した。最適化した条件下で得たL−カルニチンの収率は88〜94%であった。生成物を含有する希釈流れを、回転蒸発装置で、真空下で乾固するまでエバポレーションする。
実施例10:再結晶についての一般的手順
実験室用反応器に、100gのカルニチンおよび300gのエタノールを投入した。この反応器を65℃まで加熱し、すべてのカルニチンが溶解するまで撹拌した。この後、反応器温度を37℃に設定する。37℃で、純粋なL−カルニチンの種晶を加える。反応器温度を20℃に下げ、900gのアセトンを2時間以内に加える。この後、この懸濁液を10℃まで冷却する。10℃で、固体を単離し、アセトンで洗浄し、55℃および100mbar未満で乾燥する。
結果として、86.1gの結晶性の白色の乾燥固体を得た。この固体は、99%(重量/重量)の全カルニチンおよび0.03〜0.01%(重量/重量)のヒドロキシクロトン酸を含んでいた。鏡像異性体純度は99.60%(e.e.)であった。残留溶媒含量は、349mg/kgのエタノールおよび386mg/kgのアセトンであった。L−カルニチンの全体収率は88.6%であった。
文献
Calter、「Catalytic, Asymmetric Dimerization of Methylketen」、J.Org.Chem.、1996年、第61巻、8006−8007頁。
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Nelsonら、「Catalytic Asymmetric Acyl Halide−Aldehyde Cyclocondensations. A Strategy for Enantioselective Catalyst Cross Aldol Reactions」、J.Am.Chem.Soc.、1999年、第121巻、9742頁。
Shenら、「Catalytic Asymmetric Assembly of Stereo−Defined Propionate Units: An Enantioselective Synthesis of (−)−Pironetin」、J.Am.Chem.Soc.、2006年、第128巻、7436−7439頁。
Zhuら、「Cinchona Alkaloid−Lewis Acid Catalyst Systems for Enantioselective Ketene−Aldehyde Cycloadditions」、J.Am.Chem.Soc.、2004年、第126巻、5352−5353頁。

Claims (18)

  1. L−カルニチンの製造のためのプロセスであって、4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンであるβ−ラクトンが、トリメチルアミン(TMA)を用いてカルニチンへと変換され、前記β−ラクトンは、前記トリメチルアミンと接触する前には、加水分解工程にはかけられない、プロセス。
  2. 塩基性加水分解およびトリメチルアミン(TMA)の添加は1つのプロセス工程で実施される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記塩基性加水分解は、金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムを用いて実施される、請求項1または請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記β−ラクトンは、前記金属水酸化物および前記トリメチルアミンに、実質的に同時に接触させられる、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記金属水酸化物の量は、β−ラクトンの初期量に基づいて、1.1〜1.6当量、好ましくは1.2〜1.4当量である、請求項3または請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記β−ラクトンは、前記金属水酸化物および前記トリメチルアミンを含む水溶液に接触させられる、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 有機溶媒中の前記β−ラクトンの溶液が準備され、TMAおよび金属水酸化物を含む水溶液と混合される、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記反応は−20℃〜40℃、好ましくは0℃〜25℃の温度で実施される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 塩基性加水分解は前記TMAによって媒介され、塩基性加水分解のためには、さらなる塩基は加えられない、請求項1、請求項2または請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記反応は、高められた圧力で、好ましくはオートクレーブ中で実施される、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記TMAは、前記プロセスの間にリサイクルされる、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記β−ラクトンはキラルなβ−ラクトンであり、前記カルニチンはL−カルニチンである、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. 前記L−カルニチンが電気透析およびその後の再結晶の組み合わせを介して精製されるさらなる工程を含む、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のプロセス。
  14. 前記再結晶は有機溶媒の中で行われる、請求項13に記載のプロセス。
  15. 前記β−ラクトンがキラル触媒の存在下でのケテンとアルデヒドX−CH−CHO(式中、XはCl、BrおよびIから選択される)の[2+2]環化付加において得られる、先行する工程を含む、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のプロセス。
  16. 前記キラル触媒は、ルイス酸−ルイス塩基二元機能性金属触媒または有機ホスフィン触媒である、請求項15に記載のプロセス。
  17. 請求項13または請求項14に記載のプロセスによって得られるL−カルニチン。
  18. 0.1重量%以下、より好ましくは0.5〜0.1重量%の範囲、最も好ましくは0.5〜0.005重量%の範囲の量のヒドロキシクロトン酸を有することを特徴とするL−カルニチン。
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