JP2013536172A - カルニチンの製造のためのプロセス - Google Patents

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Abstract

本発明は、L−カルニチンの製造方法であって、キラルなβ−ラクトンカルニチン前駆体が、キラル触媒の存在下でのケテンとアルデヒドX−CH−CHO(式中、XはCl、Br、Iおよびトリメチルアミンから選択される)との[2+2]環化付加によって得られる製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、L−カルニチンの製造方法に関する。
カルニチン(ビタミンBt;3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオ−ブタノエート)は、アミノ酸のリジンおよびメチオニンから生合成される第四級アンモニウム化合物である。生細胞では、カルニチンは、代謝エネルギーの生成のための脂質の分解の際に、サイトゾルからミトコンドリアへの脂肪酸の輸送のために必要とされる。カルニチンは、栄養補助食品として使用される。カルニチンは2つの立体異性体として存在する。生物活性のある形態は、L−カルニチンであり、他方でその鏡像異性体のD−カルニチンは生物学的に不活性である。L−カルニチンを工業的プロセスで製造するとき、生物活性のあるL体を高純度で製造することが望ましい。
L−カルニチンの工業生産について種々の方法が記載されている。L−カルニチンが細菌によって直接産生される微生物プロセスが知られている。他のプロセスでは、有機合成によってラセミ化合物が生成され、その後、鏡像異性体へ分離される。
不斉触媒の存在下でのキラル合成によってL−カルニチンを製造するための方法が記載されている。これに関しては、Santanielloら(非特許文献1)は、種々の前駆体からのキラルなL−カルニチンの直接製造を開示する。具体的なアプローチでは、カルニチンに対応するケトエステルが不斉触媒の存在下で還元され、続いて、L−カルニチンを得るために、その還元の生成物はトリメチルアミンとの反応に供される。この著者らは、β−ラクタム環状前駆体からL−カルニチンを製造することも示唆する。
β−ラクトン中間体からL−カルニチンを合成するという試みが行われた。原則として、β−ラクトン類は、ケテンおよびアルデヒドの[2+2]環化付加によって入手できる。キラルなβ−ラクトンを得るためのキラル触媒は、もともとWynbergら(非特許文献2)によって記載された。この著者らは、キラルなキニジン触媒の存在下で環化付加反応を実施することができるということを見出した。しかしながら、カルニチン合成に好適なβ−ラクトンの入手可能性は、大幅に制限されている。なぜなら、この反応には、通常、活性化されたケトンまたはアルデヒドが必要とされるからである。
Wynbergらの知見に基づき、Songら(非特許文献3)は、クロラール(トリクロロエタナール)およびケテンから出発するL−カルニチンの完全合成を開発した。全体の反応は下記のスキーム1に示される。
Figure 2013536172
開環反応の後、2つの塩素原子が、このカルニチン前駆体から脱離させられる必要がある。トリクロラールエステルを、カルニチンへの最終変換の前の対応するモノ塩素化相当物へと変換するために、いくつかの工程が必要である。このため、この全体のプロセスは、時間がかかりかつ複雑である。さらには、この方法はクロラールおよび有機スズ反応物質を必要とするが、これらは有毒である。カルニチンは、通常、食物または飼料の用途に必要とされるので、このような有毒物質を回避することが望ましい。さらには、n−BuSnHは、系中で生成される必要があるが、このことは、比較的複雑である。これらの欠点を考慮すると、この経路の工業的応用は、大幅に制限される。
キラルなL−カルニチンは重要な工業製品であるので、その製造のための代替の効率的なプロセスを提供することが望ましいであろう。特に、比較的簡便でかつ高収率のL−カルニチンの製造を可能にするプロセスを提供することが望ましいであろう。
Santanielloら、「Chiral Synthesis of a Component of Amanita muscaria, (−)−4−Hydroxypyrrolidin−2−one, and Assessment of its Absolute Configuration」、J.Chem.Res.(S)、1984年、132−133頁 WynbergおよびStaring、「Asymmetric Synthesis of S− and R−Malic Acid from Ketene and Chloral」、J.Am.Chem.Soc.、1982年、第104巻、166頁 Songら、「Mew Method for the Preparation of R−Carnitine」、Tetrahedron Asym.、1995年、第6巻、1063頁
本発明の根底にある課題は、上記の欠点を克服する、L−カルニチンを製造するための方法を提供することである。具体的には、課題は、L−カルニチンの製造のための効率的で簡便なプロセスを提供することである。
全体収率およびキラル収率は高くあるべきである。さらには、必要な化学物質は、容易に入手できるものであるべきであり、あまりに高価ではないものであるべきである。具体的には、貴金属、例えば白金、を含む触媒の使用は回避されるべきである。
プロセス工程の数は比較的少なくあるべきであり、そのプロセスは、複雑な装置を必要としないものであるべきである。全体として、そのプロセスは、費用効率が高く労働効率がよいものであるべきである。
驚くべきことに、本発明の根底にある課題は、請求項に係るプロセスによって解決される。さらなる本発明の実施形態は、説明全体にわたって開示される。
本発明の主題は、L−カルニチンの製造のためのプロセスであって、キラルなβ−ラクトンカルニチン前駆体が、キラル触媒の存在下でのケテンとアルデヒドX−CH−CHO(式中、XはCl、Br、Iおよびトリメチルアンモニウムから選択される)との[2+2]環化付加によって得られるプロセス、である。
ケテン(エテノン、式CO)は無色のガスであり、これは、分子中にある2つの隣接する二重結合のため、非常に反応性が高い。
本発明によれば、カルニチンの直接的で簡便な合成は、[2+2]環化付加においてモノハロゲン化アセトアルデヒドから、またはトリメチルアンモニウムアセトアルデヒドから出発して実施される。これにより得られるキラルなβ−ラクトンは、L−カルニチンへと直接変換することができる。
驚くべきことに、L−カルニチンへと簡便に変換することができるキラルなβ−ラクトンが、キラル触媒の存在下で得ることができるということが見出された。キラル触媒は、通常、少なくとも1つの不斉原子を含む。しかしながら、キラルであるがキラルなC原子を含まない他のキラル触媒、例えばBINAPが公知である。このような触媒は、ラセミ化合物ではなくキラルな生成物が得られるように、反応物質と相互作用する。このキラル触媒の存在下での[2+2]環化付加においてこのケテンがアルデヒドと反応すると、キラルなβ−ラクトンが得られる。このキラルなβ−ラクトンは置換4−メチルオキセタン−2−オンであり、これは、メチル基に結合した残基Rを有する。従って、反応生成物は、残基Rに応じて、4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン、4−(ブロモメチル)オキセタン−2−オン、4−(ヨードメチル)オキセタン−2−オンまたは4−[(トリメチルアンモニウム)メチル]オキセタン−2−オンである。
本発明の好ましい実施形態では、当該キラル触媒は、ルイス酸−ルイス塩基二元機能性金属触媒およびホスフィン触媒から選択される。
好ましくは、当該キラル触媒は、ルイス酸−ルイス塩基二元機能性金属触媒である。このルイス酸およびルイス塩基は、別々の化合物であってもよいし、またはイオン的相互作用、共有結合的相互作用もしくは他の相互作用によって、例えば金属錯体の中で、互いに会合していてもよい。別々の成分である場合、当該ルイス酸およびルイス塩基は、このエナンチオ選択的反応を触媒するために、少なくとも触媒的な状態で互いに会合している。このルイス酸は、好ましくは金属原子、金属イオンまたは金属塩であり、ルイス塩基は、通常はアミン、ホスフィン、アルコールおよび/またはアミド基を含むキラルな有機配位子である。これらの触媒は二元機能性である。なぜなら、キラリティは当該配位子の特性であり、従って当該ルイス塩基とは独立であるからである。それゆえ、この二元機能性触媒は、配位子自体ではなく錯体全体がキラルであるにすぎない、Wilkinson触媒などのキラル金属錯体触媒とは明確に異なる。
本発明の好ましい実施形態では、当該ルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、ルイス酸としての金属原子を含む。このルイス酸は、イオン、塩または金属錯体の形態で提供されてもよい。1つ、2つ、または3つ以上の配位子が当該金属に結合され、金属錯体が形成されてもよい。本発明の好ましい実施形態では、この金属は、周期表のI族およびII族の金属、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムから選択される。銀、金、コバルト、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム、鉄、スズ、亜鉛、マンガン、スカンジウム、チタンおよびホウ素は、さらに好ましい。より好ましい実施形態では、この金属は、リチウム、アルミニウムまたはコバルト、とりわけコバルト(II)またはコバルト(III)である。好ましくは、中心のコバルトイオンは、それに結合した2つの配位子を有し、これらの配位子は、互いに共有結合していてもよい。
当該ルイス酸−ルイス塩基二元機能性金属触媒は、当該金属が固定された位置に結合されている金属キレート錯体であってもよい。あるいは、このルイス酸およびルイス塩基は、別々の存在物であってもよく、この別々の存在物は、反応物質に別々に加えられてもよい。この実施形態では、金属錯体は、少なくとも一過性に系中で形成される。
当該ルイス酸が、銀または周期表のI族およびII族の金属、好ましくはリチウムのイオンまたは塩である場合、このルイス酸は、好ましくは、塩、とりわけ過塩素酸リチウム、の形態で反応混合物に加えられる。好ましくは、この塩のアニオンは、それが当該反応を妨げないように選ばれる。このアニオンは、当該ルイス酸/ルイス塩基錯体の中で配位性の存在物になるべきではない。これは、このアニオンは当該触媒的錯体の一部となるべきではなく、当該触媒的錯体に結合するべきでもなく、かつ当該触媒的反応に寄与するべきではなく、阻害するべきでもないということを意味する。好ましいこのようなイオンは、過塩素酸アニオン、メシル酸アニオン、PF またはBF である。また、好適なアニオンは、イオン液体の中で使用されるアニオンである。
好ましくは、当該キラル触媒は、キラルアミン、キラルホスフィン、キラルアルコールおよびキラルアミドから選択されるルイス塩基を含む。
このキラルアミンは、好ましくはアルカロイド、好ましくはキニーネまたはキニジン、ジアミン、トリアミンまたはサレン(salen)である。当該キラルホスフィンは、好ましくはSEGPHOSまたはTUNEPHOSである。このキラルホスフィンは、好ましくはBINAPである。当該キラルアミドは、好ましくはビススルホンアミドである。当該キラル触媒は、上記のもののいずれかの誘導体であってもよい。
キニーネ(CAS 130−95−0)およびその立体異性体キニジン(CAS 56−54−2)は、式C2024の複素環式芳香族化合物である。キニーネは、薬剤学的特性を有する天然のアルカロイドである。
サレン(CAS 94−93−9)は、配位化学および均一系触媒反応で使用されるキレート性配位子である。名称のサレンは、サリチルアルデヒドおよびエチレンジアミンの短縮形である。
当該ルイス塩基は、上記の配位子の誘導体であってもよい。用語「誘導体」は、化学的に変更されているが、錯体の中でまだ配位子として機能し、触媒活性を与える配位子に関する。例えば、誘導体は、基本分子構造に結合したさらなる残基、例えばアルキル、ハロゲンまたはアリール基、を有するものであってもよい。さらには、この分子の一部分は、他の基によって置き換えられてもよい。例えば、アリール環はヘテロアリール環によって置き換えられてもよい。しかしながら、この誘導体またはこの誘導体を含む触媒は、上記の化合物と同じかまたは実質的に同じ触媒活性を有するべきである。好ましくは、この誘導体の触媒活性は、原型の化合物の少なくとも50%または少なくとも100%であるべきである。誘導体は、当該キラル触媒の安定性または触媒活性を向上させるように設計されてもよい。
本発明の特定の実施形態では、互いに共有結合された2つの配位子を有するルイス酸−ルイス塩基二元機能性金属触媒が使用される。例えば、サレン分子は、具体的にはエステル結合によって、キニーネまたはキニジン分子に共有結合されている。
本発明の非常に好ましい実施形態では、当該ルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、リチウム塩と組み合わせたキラルアルカロイドである。好ましいそれぞれのルイス酸/ルイス塩基触媒系は、Calter(1996)、Zhuら(2004)、およびShenら(2006)によって開示されている。これらの触媒は、ルイス酸としての過塩素酸リチウムと組み合わせたキナアルカロイドルイス塩基およびその誘導体を含む。通常、当該ルイス塩基および塩は、別々に反応混合物へと加えられる。従って、当該触媒は系中で形成される。本発明によれば、このアルカロイドは、好ましくは、キラルな9位で嵩高い置換基によって置換されているキニーネまたはキニジンの誘導体である。好ましくは、この嵩高い置換基は、3〜15個、より好ましくは4〜8個の炭素原子および/またはケイ素原子を含む。好ましい実施形態では、この嵩高い置換基は、分枝状アルキル基、例えばiso−ブチルおよびtert−ブチル、ならびにアルキルおよび/またはアリール置換基を有する分枝状シリル基、好ましくはトリアリールシリル基およびトリアルキルシリル基から選択される。過塩素酸リチウムと組み合わせた(トリメチルシリル)キニーネはとりわけ好ましい。
これらのアルカロイドは、好ましくは、キニーネ、キニジンまたはこれらの誘導体である。好ましい誘導体はプロピオニルキニジンおよびプロピオニルキニーネであり、とりわけ好ましいものは、(トリメチルシリル)キニーネ(TMSQ、下記のスキーム2a)で示されている)および(トリメチルシリル)キニジン(TMSq)である。これらの文献に開示される触媒は、参照により本願明細書に援用したものとする。特に、表1のCalter(1996)の触媒、図1のZhuら(2004)の触媒および図1のShenら(2006)の触媒は、参照により援用したものとする。さらに、それらの使用の方法および条件は、好ましくは、本発明に応じて適用される。
好ましい群の触媒は、2つのスルホンアミド基および1つのさらなる残基が結合している中心のAl(III)原子を含む。このさらなる残基は、好ましくは有機残基、好ましくはメチル、エチルもしくはフェニル、または無機残基、例えばハロゲン化物、とりわけCl、またはCNである。これにより、このAl(III)は、それぞれのスルホンアミド基のN原子によって配位される。これらのスルホンアミド基は、好ましくはアリール基またはアルキル基で、置換されていてもよい。好ましくは、これらのスルホンアミド基は、橋架け基を介して互いに連結されている。キラリティは、スルホンアミド基の窒素原子に隣接した1以上の立体中心か、または橋架け基によって、触媒もたらされる。好ましくは、このような触媒は以下の式:
Figure 2013536172
式中、
R1は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピルもしくはブチル;またはアリール、好ましくはフェニル;またはハロゲン化物、例えばCl、またはCNであり、
R2およびR3は、互いに独立に、上記のR1と同義であるか、またはハロゲン化アルキル、例えば−CFであり、
Xは、1〜20個、好ましくは1〜6個の原子を含む有機橋架け基であり、この有機橋架け基は、好ましくは、アリール、とりわけフェニル、もしくはアルキルによって置換されていてもよく、
かつ/またはXは、任意に、少なくとも1つのヘテロ原子、例えばN、OまたはSを含み;かつ/またはXは任意に、環状基、例えばシクロアルキル、好ましくはシクロヘキシルである)
を有する。
本発明の別の実施形態では、当該二元機能性触媒は、ルイス塩基に結合されているルイス酸(これは中心のアルミニウム(III)である)を含む。好ましい実施形態では、このルイス塩基は、任意にさらなる非キラル配位子と組み合わせたキラルトリアミン化合物である。このような触媒は、Nelsonら(1999)、NelsonおよびSpencer(2000)およびNelsonら(2002)によって開示されている。具体的には、本発明によれば有用なアルミニウム(III)触媒は、Nelsonら、1999、9742頁の図(III)に開示されており、これを参照により本願明細書に援用したものとする。Nelsonら、1999の触媒は、下記のスキーム2c)に示されている。さらには、スキーム2のNelsonおよびSpencer(2000)に開示される特定の触媒は、本発明に従って適用可能であり、参照により援用したものとする。同じ部類からの触媒は、Nelsonら、2002、図2に開示されており、これも参照により援用したものとする。さらには、Nelsonおよび共同研究者による触媒の使用の方法および条件は、好ましくは、本発明に応じて適用される。
別の好ましい実施形態では、中心のアルミニウム(III)は、キラルアルコールにより、またはキラルホスフィン、例えばBINAP、SEGPHOS(5,5’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)またはTUNEPHOS((R)−1,13−ビス(ジフェニルホスフィノ)−7,8−ジヒドロ−6H−ジベンゾ[f,h][1,5]ジオキソニン;CAS 301847−89−2)またはこれらの誘導体により配位される。
別の好ましい実施形態では、中心のアルミニウム(III)は、キラルアミド、好ましくは、キレート錯体の中に2つのアミド基を含むアミドにより配位される。好ましくは、この配位子はビススルホンアミドであり、触媒はビススルホンアミドアルミニウム錯体である。このような錯体および[2+2]環化付加についてのそれらの使用は、KullおよびPeters、2007に開示されている。その中に、とりわけスキーム1およびスキーム3に開示されたキラル触媒は、参照により本願明細書に援用したものとする。このルイス酸は、有機アルミニウム化合物、具体的にはアルキルアルミニウム化合物、例えばDIBAL(水素化ジイソブチルアルミニウム)またはトリエチルアルミニウムから誘導されてもよい。好ましいアミド触媒はスキーム2e)に示されている。他の有用なアミド触媒、例えば(1R,2R)−1,2−N,N−ビス(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルアミノ)−1,2−ジフェニルエタンのアルミニウム錯体は、米国特許第6040465号明細書および特開平11−255759号公報に開示されており、これらも参照により本願明細書に援用したものとする。
BINAPは、有機リン化合物2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル((S)体のCAS番号:76189−56−5)についての略号である。BINAPは、不斉合成で使用されるキラル配位子である。BINAPは、1および1’位で連結された一対の2−ジフェニルホスフィノナフチル基からなる。下記の式(I)では、BINAPは、すべてのRがHである化合物である。
本発明の別の実施形態では、当該ルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、式:
Co(II)LまたはCo(III)L
(式中、
はサレンまたはその誘導体であり、
は、キニーネもしくはキニジンまたはそれらの誘導体であり、
Yは一価のアニオンであり、
およびLは、好ましくはエステル結合を介して共有結合されている)
を有する。
好ましい実施形態では、一価のアニオンYは、アンチモンを含み、より好ましくは[SbFである。中心のコバルト原子を含むこのようなルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、Linら(2007a、2007b)およびChidaraおよびLin(2009、下記のスキーム2b)参照)に開示されている。具体的には、Linら(2007a)、図1(568頁)によって開示されたルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、参照により本願明細書に援用したものとする。569頁のLinら(2007a)のスキーム2に開示される、中心のコバルト原子を有する特定の不斉二元機能性触媒は、参照によりさらに援用される。これらの触媒もLinら(2007b)で検討されている。これらの触媒では、中心のコバルト原子、好ましくはコバルト(II)または(III)、はサレンおよびキニジン配位子に結合されており、これらサレンおよびキニジン配位子の両方は、エステル結合を介して互いに共有結合されている。従って、この触媒は、アルデヒドの求電子的活性化をもたらすルイス酸としての中心金属原子を含む。キニジンである当該キラルルイス塩基は、この反応における不斉誘導をもたらす。このサレン部分は、平面キレート剤としてコバルト原子に結合する。さらに、ChidaraおよびLin(2009)によって開示された特定の触媒を、参照により援用したものとする。この刊行物のスキーム3に示されるように、この触媒は、エステル結合によってキニーネまたはキニジンに共有結合で結合されているサレン配位子に結合されている中心のコバルト(III)イオンを含む。このコバルトは酸化状態(III)にあるため、このコバルトは正電荷を有し、従ってアニオンが含まれる。このアニオンは[SbFである。Linおよび共同研究者らに係る触媒の使用の一般的な方法および条件は、好ましくは、本発明に応じて適用される。
本発明の別の非常に好ましい実施形態では、当該触媒はキラルな有機ホスフィンである。通常、このような触媒は、1つの分子の中に、1個、2個、または3個以上のリン原子および1以上の芳香環系を含む。このようなホスフィン類のうちで、BINAPHANE((R,R)−1,2−ビス[(R)−4,5−ジヒドロ−3H−ビナフト(1,2−c:2’,1’−e)ホスフェピノ]ベンゼン;CAS 253311−88−5;スキーム2d)を参照)が、R体またはS体のいずれも好ましい。BINAPHANEの開発および使用は、Mondalら、2010によって開示されている。好ましくは、その文献の中に開示された一般的な触媒プロセス条件は本発明に従って使用され、参照により本願明細書に援用したものとする。キラルホスフィン触媒を使用するとき、ルイス酸の添加は、原理上可能であるが、必ずしも必要ではない。
Figure 2013536172
Figure 2013536172
上記の触媒のうちで、リチウム塩と組み合わせたキラルアルカロイドに基づく触媒およびキラルホスフィン触媒がとりわけ好ましい。なぜなら、それらの触媒は、比較的容易に入手でき、従って工業規模での合成のために好適であるからである。
好ましい実施形態では、当該触媒はリサイクルされる。そのあと、この触媒は、複数回の反応で再使用することができる。反応混合物または溶媒は、公知の方法、例えばパーベーパレーション、ナノ濾過、膜分離、膜濾過、電気透析、透析濾過、逆浸透、液体クロマトグラフィー(LC)、HPLC、抽出、結晶化などによって、当該触媒から分離することができる。当該触媒を固相、例えばシリカ担体の上に固定することも好ましい。例えば、遊離のビニル基、例えばキニーネまたはキニジンのビニル基を有する触媒であれば、ヒドロシリル化によってシリカ担体に結合することができよう。
本発明の別の主題は、キラルなβ−ラクトンの製造のためのプロセスであって、このキラルなβ−ラクトンが、キラル触媒の存在下でのケテンとアルデヒドX−CH−CHO(式中、XはCl、Br、Iおよびトリメチルアミンから選択される)との[2+2]環化付加によって得られるプロセスである。このβ−ラクトンはL−カルニチン前駆体であり、従ってL−カルニチンの合成における貴重な中間体である。この実施形態に関する反応物質、触媒、条件などは、L−カルニチンの合成について上で概略を示したとおりに選択される。
本発明の好ましい実施形態では、アルデヒドX−CH−CHOは、先行する工程で、2,4,6−(X−CH−1,3,5−トリオキサン(式中、XはCl、Br、Iおよびトリメチルアンモニウムから選択される)から得られる。ハロゲン化エタナールは対応するハロゲン化1,3,5−トリオキサンから得ることができるということが見出された。好ましい実施形態では、各メチル基に1つのハロゲン原子を保有するこのハロゲン化トリオキサンは、先行する工程で、2,4,6−メチル−1,3,5−トリオキサンから得られる。好ましくは、この反応は、分子状塩素を用いて実施される。好ましい反応経路は下記のスキーム3の左側に示されている。
本発明の特定の実施形態では、このβ−ラクトンは、4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン、4−(ブロモメチル)オキセタン−2−オンまたは4−(ヨードメチル)オキセタン−2−オンであり、このβ−ラクトンは、4−[(トリメチルアンモニウム)メチル]オキセタノン−2−オンへと変換される。好ましくは、この反応は、トリメチルアミン(TMA)を用いて実施される。
本発明のプロセスに従って得られるβ−ラクトンは、L−カルニチンへと変換される。この反応は、このβ−ラクトン環の開環を必要とする。
本発明の特定の実施形態では、β−ラクトンは4−[(トリメチルアンモニウム)メチル]オキセタノン−2−オンであり、これは、直接L−カルニチンを得るために、開環反応で加水分解される。この開環反応は、公知の方法に従って、例えば塩基の存在下で、好ましくは水酸化ナトリウム溶液中で実施することができる。
本発明の好ましい実施形態では、β−ラクトンは4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン、4−(ブロモメチル)オキセタン−2−オンまたは4−(ヨードメチル)オキセタン−2−オンである。4−(クロロメチル)オキセタン−2−オンの使用が好ましい。このβ−ラクトンはキラルなβ−ラクトンである。(R)−β−ラクトンが使用されるとき、L−カルニチンが入手できる。ラクトン環は加水分解によって開き、当該ハロゲン原子は、トリメチルアミン(TMA)の存在下でトリメチルアンモニウム基によって置換される。
本発明の反応に従って得られるβ−ラクトンは、この開環反応の前に単離または精製されてもよい。あるいは、当該環化付加の反応生成物は、β−ラクトンの精製なしで、必要に応じて前処理、例えばクエンチ工程または中和工程のあとに、開環反応にかけられてもよい。この実施形態では、β−ラクトンを含む反応生成物を金属水酸化物およびTMAを含む水性混合物に加えることが好ましい。好ましくは、この反応は、現状技術である2工程経路で、または新規な1工程経路で実施される。
スイス特許出願公開第680 588(A5)号明細書に開示される2工程経路では、当該ハロゲン化β−ラクトンは、第1の工程で、通常、塩基性条件下で加水分解され、4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸が得られる。第2の工程では、この酸が、TMAを用いてL−カルニチンへと変換される。
驚くべきことに、当該β−ラクトンの加水分解およびTMAとの反応が1工程で実施できるということが本発明によって見出された。好ましくは、このβ−ラクトンは、トリメチルアミンと接触する前には、塩基性加水分解工程にはかけられない。この反応では、β−ラクトン環が開かれ、ハロゲン原子は求核置換反応においてトリメチルアミン基で置換される。このハロゲン化β−ラクトンは、TMA添加の前の塩基性加水分解なしにL−カルニチンへと変換することができる。このTMAは、塩基性加水分解のためのさらなる塩基と一緒にβ−ラクトンに接触させられてもよいし、またはこの反応は、さらなる塩基をまったく添加することなく実施されてもよいし、または塩基性加水分解のためのさらなる塩基は、β−ラクトンをTMAと接触させた後に加えられてもよい。下記のスキーム1は、カルニチンの製造のための例示的な本発明の反応を示す。この反応では、塩素化β−ラクトンは、TMAおよび加水分解用塩基としてのNaOH水溶液の組み合わせに接触させられる。
Figure 2013536172
スイス特許出願公開第680 588(A5)号明細書に開示される上記先行技術は、β−ラクトンの開環のために2工程経路を必要とする。第1の工程で、ハロゲン化β−ラクトンは、塩基性条件下で加水分解され、4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸が得られる。第2の工程で、この酸は、TMAを用いてL−カルニチンへと変換される。1工程反応では、所望の反応と同時に起こってカルニチン形成を阻害するかもしくは少なくとも収率を大きく低下させる数多くの副反応が観察されるかまたは予想されるため、この2工程アプローチが使用された。1つの単独の工程で塩基性加水分解およびTMAによるハロゲン置換を実施するときに実際に観察されそして当然予想される副反応および副生成物は、下記のスキーム2に要約されている。スキーム2は、4−(クロロメチル)オキセタン−2−オンがNaOHおよびTMAと反応するときに、起こるかまたは理論上起こる可能性があるすべての副反応を説明する。従って、スキーム2は、1つの単独の反応バッチで観察される反応経路を示す。生成物のうちのいくつか、例えばラクトン13、は、過渡的な中間体である可能性がある。他の化合物、とりわけヒドロキシクロトン酸8、クロトノベタイン10ならびに環状ラクトン6およびフラノン7は、競合的な最終生成物である。1つの反応の生成物の混合物を分析すると、この合成の中の主要な不純物はヒドロキシクロトン酸8およびクロトノベタイン10であるということが見出された。原理上、4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン4は、NaOHおよびTMAの存在下で2つの反応経路に入る可能性がある。第1の経路は、クロロヒドロキシ酪酸5へのβラクトン4の塩基性加水分解で始まり、このクロロヒドロキシ酪酸5は環化してヒドロキシブチロラクトン6を与えるかまたは水の脱離後にフラノン7を形成する可能性がある。ヒドロキシ酪酸8の形成は、化合物5からの水の脱離から生じる中間体9を介して進行する。加えて、フラノン7は、中間体9の環化反応によっても形成される可能性がある。クロトノベタイン10は、L−カルニチン1が水を脱離することによるか、または化合物9が反応してトリメチルアミンによる塩化物の求核置換を経るかのいずれかにより得ることができる。また、エポキシ酸11は、L−カルニチン1または5からアルコール基による塩化物またはアンモニウムの分子内求核置換により形成する可能性がある。5の中の第一級アルキルハロゲン化物およびL−カルニチン1の中のアンモニウム基の両方は、良好な脱離基であるので、1つの副反応は、水酸化物アニオンによるそれらの求核置換であり、この求核置換はジオール12を与える。第2の経路は、中間体13へのクロロ−β−ラクトン4のアミノ化で始まり、この中間体13は、水酸化ナトリウムでL−カルニチン1へと加水分解される。とりわけ、正しい反応条件を用いなければ、L−カルニチン1は、環化および脱離(副生成物6および7を与える)または上記の脱離(化合物10をもたらす)などのさらなる反応も起こす可能性がある。
Figure 2013536172
要約すれば、スキーム2は、β−ラクトンの塩基性加水分解およびTMAを用いた求核置換反応を1つのバッチの中で同時に実施するときに、多数の反応が起こること、または少なくとも当然に予想されるということを示す。当業者なら、両方の反応を同じバッチの中で同時に効率的に実施することができるということ、すなわちTMAおよびさらなる塩基を一緒に添加するとカルニチンを高収量で得られるだろうということは、予想しなかったであろう。対照的に、当業者なら、とりわけヒドロキシクロトン酸8ならびにクロトノベタイン10ならびに環状ラクトン6および7がかなりの高収率で得られるだろうと予想したであろう。実際、初期の実験で、NaOHとTMAとの組み合わせをβ−ラクトン前駆体に添加することではL−カルニチンは実用的な量で得られず、代わりに、スキーム2に示される種々の副生成物が得られるということが見出された。驚くべきことに、さらなる実験において、(以降でさらに概略を示すように、そして実施例で示すように)プロセス条件を変えるうちに、全体的な反応が高い収量のL−カルニチン生成へと選択的にシフトするということが見出された。上で概略を述べたとおり、そしてスキーム2によって説明したとおりに複雑である反応において、2つの異なるプロセス工程を1つの単独の工程で組み合わせることができるということはまれである。
本発明によれば、この塩基性加水分解(開環反応)およびトリメチルアミンとの反応は、好ましくは、1つのプロセス工程で実施される。塩基性加水分解のためにTMAとは異なるさらなる塩基が加えられてもよい。あるいは、塩基であるTMA自体が塩基性加水分解を開始するように条件が調整されてもよい。この実施形態では、さらなる塩基を加えることは必要ではない。
好ましい実施形態では、好ましくは金属水酸化物であるさらなる塩基が加えられる。この実施形態では、β−ラクトンは、このさらなる塩基およびトリメチルアミンと実質的に同時に接触させられるべきである。好ましくは、このさらなる塩基およびトリメチルアミンは、好ましくは金属水酸化物およびトリメチルアミンの混合物、例えば溶液もしくは懸濁液、の形態で、またはガス状のTMAを反応混合物に通しながら金属水酸化物溶液を加えることにより、同時に加えられる。
同時に加えられる場合、金属水酸化物が塩基性加水分解を開始し、トリメチルアミンは、求核置換でハロゲン原子を置き換えることによりβ−ラクトンと反応する。用語「実質的に」は、両方の成分が正確に同時に加えられる必要はないということを表す。原理上、両方の成分は、短い時間内で交互に反応混合物に加えられてもよい。しかしながら、金属水酸化物は、トリメチルアミンが求核置換において十分に反応する前に加えられるべきであり、または逆に、トリメチルアミンは、金属水酸化物が開環反応において十分に反応する前に加えられるべきである。従って、両方の反応が同時に実施されること、または少なくとも、当該反応の90%もしくは95%が同時に実施されることが確保されるかぎり、両方の成分は交互に加えられてもよい。とりわけ、例えば低温のため、当該反応が進行しないかまたはゆっくり進行することが確実である場合、1つの成分を最初に加え、第2の成分をその後に加えることが可能である。TMAの前に金属水酸化物を加える場合、TMAが加えられる前には塩基性加水分解が起こらないこと、または無視できるほどの、例えば全β−ラクトンの5%未満の塩基性加水分解しか起こらないことが確保されるべきである。
好ましい実施形態では、この塩基性加水分解は、金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムを加えることにより実施される。原理上、塩基性加水分解はエステル加水分解反応であり、当該技術分野で公知の反応物質をこの工程で使用することができる。従って、この塩基性加水分解は、他の塩基、例えば水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを用いて実施することもできる。
好ましくは、本発明に従って使用される溶媒は水である。あるいは、当該反応は、水および有機溶媒を含む二相系で実施することができる。別の実施形態では、この反応は、水を用いずに有機溶媒、例えばアルコール、例えばエタノール、の中で実施されてもよい。この実施形態では、水を含まないか、または実質的に水を含まない塩基が添加される。
好ましい実施形態では、このさらなる塩基、とりわけ金属水酸化物の量、は、初期量のβ−ラクトンに基づき1.1〜1.6当量、好ましくは1.2〜1.4当量である。上で概略を示したように、この塩基性加水分解は、原理上は当該技術分野で周知であるエステル加水分解反応である。しかしながら、現状技術によるエステルの塩基性加水分解は、一般に、大過剰の塩基を用いて、例えば水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物を約3〜4当量という過剰に用いて実施される。驚くべきことに、本発明によって、そのような化学量論的に大過剰の塩基が加えられるとカルニチンの収率は低いということが見出された。本発明によれば、カルニチンを選択的に得るため、および副生成物の形成を抑制するために、小過剰の塩基が有利であるということが見出された。
好ましくは、この反応は、−20℃〜40℃、好ましくは0℃〜25℃、好ましくは約0℃および/または約25℃の温度で実施される。好ましい実施形態では、この温度は、当該プロセスの間に、例えば約0℃から約25℃へと上昇される。好ましい実施形態では、この反応は、標準圧力で実施される。従って、エネルギーを節約することができ、このことは、工業規模での製造にとって重要である。
好ましくは、上記β−ラクトンは、金属水酸化物およびTMAを含む水溶液に接触させられる。この水溶液中の金属水酸化物の濃度は、1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%であってもよい。この水溶液中のTMAの濃度は、2〜15重量%、好ましくは3〜10重量%であってもよい。当該β−ラクトンは、純粋な形態で与えられてもよいし、または例えば濃度1〜80%、好ましくは5〜50%の水溶液として与えられてもよい。水溶液中でのβ−ラクトンとTMAおよび金属水酸化物との反応は、室温でまたは0〜40℃で実施されることが好ましい。反応時間は、20分間〜5時間、好ましくは30分間〜3時間であってもよい。この実施形態では、高められた圧力は必要ではない。従って、この反応は、低温でかつ高められた圧力なしに実施することができ、エネルギー効率的である。
好ましくは、当該β−ラクトンは、TMAおよび金属水酸化物を含む水溶液に加えられる。このβ−ラクトンまたはβ−ラクトンを含む水溶液は、例えば10分間〜4時間の時間にわたってゆっくり加えられてもよく、好ましくは滴下されてもよい。
別の好ましい実施形態では、有機溶媒中のβ−ラクトンの溶液が準備され、TMAおよび金属水酸化物を含む水溶液と混合される。この実施形態では、反応は二相系で進行する。好ましい有機溶媒は、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロエチレン(DCE)、クロロホルム、クロロベンゼンまたはトルエンである。しかしながら、別々の有機相を形成しかつ当該反応を妨げない他の溶媒も適切である。理論上は、塩素化溶媒はTMAと反応する可能性がある。このことは観察されなかったが、カルニチンの製造が大幅に阻害されなければ、塩素化溶媒は許容できるであろう。有機溶媒中のβ−ラクトンの濃度は、2〜50重量%、好ましくは5〜20重量%であってもよい。この実施形態では、過剰の約1.5〜4当量、好ましくは2〜3当量のTMAが使用されてもよい。この二相反応は、低温、例えば−20〜40℃、または0〜25℃で、好ましくは0℃で実施することができる。
好ましくは、TMAは当該プロセスの間にリサイクルされる。TMAはガス形態で利用できるので、TMAは、反応液を通して導き、集め、リサイクルすることができる。反応媒体中では、溶解したTMAは、反応が終了した後に(例えば蒸留により)混合物から分離して、当該プロセスに再導入することができる。好ましくは、このTMAは、環状プロセスで反応経路へと再導入される。TMAは、純粋なガスの形態で(Fluka Chemicals)または10〜40重量%の水溶液の形態で市販されている。反応混合物中のTMAの量は、1〜3当量、好ましくは1〜2.5当量であってもよい。しかしながら、TMAの量および過剰分は金属水酸化物の量ほどには重要ではない。なぜなら、TMAは、反応の間にリサイクルして、反応チャンバーの中へと再導入することができるからである。
好ましい実施形態では、反応混合物は、β−ラクトン、水、金属水酸化物およびTMAからなる。さらなる成分は1%未満または2%未満のレベルで存在してもよい。この組成を使用するときのみ、反応混合物は簡便で、副反応は非常に少なくなる。
特定の実施形態では、この塩基性加水分解はTMAによって媒介され、塩基性加水分解のためには、さらなる塩基は加えられない。好ましくは、この反応は、高められた圧力および/または少なくとも一部は高められた温度で実施される。特定の実施形態では、溶媒はエタノールであり、反応中間体生成物はカルニチンのエチルエステルであり、このカルニチンのエチルエステルは、その後、カルニチンへと加水分解される。本発明の特定の実施形態では、溶媒はアルコールであり、反応生成物はエステルであり、このエステルは、その後、塩基性加水分解にかけられる。
さらなる塩基を用いないこの実施形態では、高められた圧力で、好ましくはオートクレーブ中で、反応を実施することが好ましい。例えば、圧力は、2〜200bar、とりわけ5〜150barまたは10〜100barであってもよい。高められた圧力の適用は、塩基性加水分解のためのさらなる塩基を用いずに当該反応が実施されるときに好ましい。ガス状である弱塩基であるTMAを用いた加水分解反応は、高められた圧力で促進される。
さらなる塩基を用いない、そして高められた圧力でのこの実施形態では、当該反応を少なくとも一部は、高められた温度、例えば50℃〜120℃、より好ましくは80℃〜100℃で実施することが好ましい。初期温度は0℃未満であってもよく、反応の間に上げられてもよい。
本発明の好ましい実施形態では、L−カルニチンの収率は、全量のβ−ラクトンに基づいて、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも85%、または少なくとも90%である。この収率は、キラル収率または全体収率を指す。好ましくは、ケテンおよびアルデヒドから出発する全体の反応におけるL−カルニチンの収率は、全量のアルデヒドに基づいて、少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%または50%である。得られる全カルニチンに基づくL−カルニチンの収率は、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%である。
Figure 2013536172
スキーム3では、本発明に係る1つの好ましい反応経路が開示されている。クロロエタナールは、先行する工程で、対応するトリオキサン(上側の経路を参照)から得ることができる。このトリオキサンは、トリメチルトリオキサンの塩素化により得ることができる。このクロロエタナールは、[2+2]環化付加でケテンと反応して、対応するキラルなβ−ラクトンを与えることができる。L−カルニチンは、TMAの存在下でのこのβ−ラクトンの塩基性加水分解によって得られる。あるいは、このキラルなβ−ラクトンは、トリメチルアンモニウムアルデヒド前駆体(下側の経路を参照)から得ることができる。例えば、トリクロロメチルトリオキサンは、対応するトリメチルアンモニウムトリオキサンに変換することができ、このトリメチルアンモニウムトリオキサンは、その後、ケテンと反応してβ−ラクトンとなる。塩基性加水分解およびTMAの添加により、L−カルニチンが得られる。
本発明のプロセスは、このように、本発明の根底にある課題を解決する。当該プロセスは、比較的簡便で経済的であり、少ない数のプロセス工程しか必要としない。従って、副反応が回避され、全体収率およびエナンチオマー収率は高い。食品または飼料製品においては問題となるスズ有機化合物または他の有毒な反応物質を使用することなくL−カルニチンを得ることができる。貴金属触媒の使用は必要ではない。代替の経路が利用可能であり、このことは、プロセスを実施することについてのより大きい融通性を与える。
全体の反応をSongらの反応(スキーム1)と比べると、全体のプロセスがより少ないプロセス工程しか必要とせず、より経済的であることは明らかである。本発明の方法は有毒なスズ系有機化学物質を必要とせず、これのため、当該方法は、食品添加物であるカルニチンを製造するためにより適切なものとなる。各々が所望の生成物を与える代替の経路が利用可能であるということは、本発明の反応のさらなる利点である。本発明によれば、前駆体分子は、環化工程の前または後のいずれにアミノ化されてもよい。
L−カルニチンをクロロエタナールおよびケテンから製造した。反応経路を下記のスキーム4に示す。
Figure 2013536172
分析方法:
当該反応およびEDは、UV検出および電導度検出を用いて、陽イオン交換カラムでのHPLCによってモニターする。
アッセイカルニチン:HPLC、陽イオン交換カラム、UVおよび電導度検出
溶離液:酸性化した水/アセトニトリル;D−およびL−カルニチンの両方を標品として使用する。
鏡像異性体純度:キラルな蛍光性試薬を使用して生成物を誘導体化する。この反応混合物を、ODSカラムおよび蛍光検出を使用してHPLCによって分析する。
実施例1:β−ラクトンの合成
TMSQ触媒(上記のスキーム2b)を参照)を、Michael A.Calter、J.Org.Chem.、1996年、第61巻、8006−8007頁の方法に従って調製した。この触媒を以下の[2+2]環化付加反応において使用した。窒素雰囲気下の500mlの二重ジャケット付き反応器(オーバーヘッド撹拌機、冷却のための低温保持装置、窒素注入口;ケテン浸漬管を具える)の中に、塩化メチレンおよび塩化メチレン中のクロロアセトアルデヒドの溶液(135gのDCMに溶解させた10.0g)を投入する。この溶液を−50℃に冷却し、その後、5.16gのTMSキニーネ(55.17gの塩化メチレンに溶解させた)および4.09gのLiClO(54.1gのDCMおよび18.0gのTHFに溶解させた)を加える。ケテンをこの溶液に2時間吹き込む(7g/時間)。この反応を、オンラインIR(生成物の特性波数は約1832)によって追跡する。この反応を飽和炭酸水素塩水溶液(579.1g)でクエンチする。層の分離後、有機層をMgSOで乾燥し、真空中で乾固するまでエバポレーションする。この粗製β−ラクトンを、さらに精製することなく次の工程のために使用する。
実施例2:反応生成物の、L−カルニチンへの変換
上記粗生成物を、NaOHおよびTMAの水溶液(水95.0g、NaOH 7.3g、水20.8g中のTMA 45%)に0℃で加える。この反応液をその温度で1時間撹拌し、室温まで加温する。撹拌を1時間続ける。HPLCおよびICは、カルニチンへの40%転化率(2工程にわたる)を示し、L−カルニチンアッセイは85.5であった。
実施例3:二相系での反応
4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン(有機溶媒のDCMまたはトルエン中10重量%)を、2.5当量のTMA(HO中10〜40重量%)および1.2〜1.4当量のNaOHの混合物で処理する。0℃での二相反応の後、室温で1時間反応させ、L−カルニチン(2工程にわたる、水相に溶解している)を約30%転化率で得る。L−カルニチンアッセイは85%であった。主な副生成物はヒドロキシクロトン酸である。
実施例4:NaOHを用いない反応
ラクトンの水溶液(50重量%)を−10℃未満で1.2当量のTMAを用いて処理し、オートクレーブに入れる。この反応混合物を90℃に加熱する。HPLCおよびICは、カルニチン(2工程にわたる)を示し、L−カルニチンアッセイは82%である。主な副生成物はヒドロキシクロトン酸である。
実施例5:低温での反応
水酸化ナトリウム(1.4当量)およびTMA(1.2当量)の水溶液を調製し、0℃に冷却する。その温度でβ−ラクトンを1時間以内に加える。この反応混合物をさらに1〜2時間撹拌し、室温まで加温し、分析する。HPLCおよびICはカルニチンへの23%転化率(2工程にわたる)を示し、L−カルニチンアッセイは84.6%であった。主な副生成物はヒドロキシクロトン酸である。
実施例6:反応生成物の、L−カルニチンへの転化率
上記粗生成物に、NaOHおよびTMA(水95.0g、NaOH 7.3g、水20.8g中のTMA 45%)の水溶液を0℃で加える。この反応液をその温度で1時間撹拌し、室温まで加温する。撹拌を1時間続ける。HPLCおよびICは、カルニチンへの40%転化率(2工程にわたる)を示し、L−カルニチンアッセイは85.5%であった。
実施例7:L−カルニチンの合成
予め冷却した二重ジャケット付き2L反応器(オーバーヘッド撹拌機、滴下ロート、内部温度制御およびインラインIRを具え、窒素でパージした)の中に、14.5gのTHF中の3.38gのLiClOおよび43.4gの塩化メチレンを投入し、続いて塩化メチレン中のTMSQ(100mlのDCM中2g)を加えた。内温が−30℃に到達すると、アルデヒド添加を開始し(量:198gの、DCM中の20重量%のクロロアセトアルデヒド、投与範囲:40分以内に198g)、続いてケテンガス添加(ケテンフロー:32g/時間;投与時間:47分)を行った。この反応をオンラインIRによって追跡する(生成物の特性波数は約1832)。この反応を炭酸水素塩水溶液(10%、254g)でクエンチする。層の分離後、有機層をMgSOで乾燥し(NMR試料はβ−ラクトンへの32%転化率を示した。シクロヘキサンを内部標準として加えた)、真空中で乾固するまでエバポレーションする。この粗製β−ラクトンを、さらに精製することなく上記の実施例6に関する次の工程のために使用する。HPLCおよびICは、カルニチンへの22%転化率(2工程にわたる)を示し、eeは62%であった。
実施例8:L−カルニチンの合成
予め冷却した二重ジャケット付き2L反応器(オーバーヘッド撹拌機、滴下ロート、内部温度制御およびインラインIRを具え、窒素でパージした)の中に、50mlアセトニトリル中の3.38gのLiClOを投入し、続いて塩化メチレン中のTMSQ(100mlのDCM中2g)および3.5mlのN,N’−ジイソプロピルエチルアミンを加えた。内温が−30℃に到達すると、アルデヒド添加を開始し(量:198gの、DCM中の20重量%のクロロアセトアルデヒド、投与量範囲:50分間以内に198g)、続いてケテンガス添加(ケテンフロー:約26.5g/時間;投与時間:約50分)を行った。この反応をインラインIRによって追跡する(生成物の特性波数は約1832)。この反応を炭酸水素塩水溶液(400mlの水中に75gの炭酸水素塩)でクエンチする。層の分離後、有機層をMgSOで乾燥し(NMR試料はβ−ラクトンへの49%転化率を示した。シクロヘキサンを内部標準として加えた)、真空中で乾固するまでエバポレーションする。この粗製β−ラクトンを、さらに精製することなく実施例6に関する次の工程のために使用する。HPLCおよびICは、カルニチンへの33%転化率(2工程にわたる)を示し、eeは76%であった。
実施例9:L−カルニチンの合成
予め冷却した二重ジャケット付き2L反応器(オーバーヘッド撹拌機、滴下ロート、内部温度制御およびインラインIRを具え、窒素でパージした)の中に、50mlのアセトニトリル中の3.38gのLiClOを投入し、続いてアセトニトリル中のTMSQ(100mlのDCM中0.5g)および7.0mlのN,N’−ジイソプロピルエチルアミンを加えた。内温が−30℃に到達すると、アルデヒド添加を開始し(量:198gの、DCM中の20重量%のクロロアセトアルデヒド、投与量範囲:50分以内に198g)、続いてケテンガス添加(ケテンフロー:約26g/時間;投与時間:約60分)を行った。この反応をインラインIRによって追跡する(生成物の特性波数は約1832)。この反応を炭酸水素塩水溶液(300mlの水中に75gの炭酸水素塩)でクエンチする。層の分離後、有機層をMgSOで乾燥し(NMR試料はβ−ラクトンへの24%転化率を示した。シクロヘキサンを内部標準として加えた)、真空中で乾固するまでエバポレーションする。この粗製β−ラクトンを、さらに精製することなく実施例6に係る次の工程のために使用する。HPLCおよびICは、カルニチンへの20%転化率(2工程にわたる)を示し、eeは58%であった。
実施例10:L−カルニチンの合成
予め冷却した二重ジャケット付き2L反応器(オーバーヘッド撹拌機、滴下ロート、内部温度制御およびインラインIRを具え、窒素でパージした)の中に、15mlのLiBF溶液(1M アセトニトリル溶液)および41mlのアセトニトリルを投入し、続いてアセトニトリル中のTMSQ(100mlのDCM中2g)を加えた。内温が−30℃に到達すると、アルデヒドを、この溶液に加えた(39.5gの、DCM中の20重量%のクロロアセトアルデヒド)。ケテンガスをこの溶液に30分間吹き込んだ(23.6g/時間)。この反応をインラインIRによって追跡する(生成物の特性波数は約1832)。この反応を炭酸水素塩水溶液でクエンチする。層の分離後、有機層をMgSOで乾燥し(NMR試料はβ−ラクトンへの81%転化率を示した。シクロヘキサンを内部標準として加えた)、真空中で乾固するまでエバポレーションする。この粗製β−ラクトンを、さらに精製することなく実施例6に関する次の工程のために使用する。HPLCおよびICは、カルニチンへの49%転化率(2工程にわたる)を示し、eeは81%であった。
実施例11〜13:L−カルニチンの合成
触媒をNelsonら、1999に従って調製した。室温のアルゴン下の3つ口フラスコ中の乾燥DCM(42.7g)中のビス−スルホンアミド配位子(3.2g、5mmol、0.05当量)の溶液に、トリアルキルアルミニウム溶液(7.5mmol、0.075当量)を滴下した(AlEt:7.5mlの1M ヘキサン溶液、AlMe:3.7mlの2M トルエン溶液)。これによりガスの発生が認められたが、顕著な発熱はなかった。得られた、淡黄色溶液を室温で2時間撹拌し、次いでDCM(213g)で希釈した。
冷却用マントル、オーバーヘッド撹拌機、滴下ロート、内部温度制御およびインラインIRを具え、窒素でパージした予め冷却した2L反応器を示した温度に冷却し、次いで活性化した触媒溶液およびクロロアセトアルデヒドの溶液(DCM中20% 重量/重量、1当量)を投入した。両方の溶液を、アルゴンの圧力を使用してテフロン(登録商標)チューブを通して加えた。示した内部温度に到達すると、テフロン(登録商標)チューブを通してケテンガスをこの溶液に吹き込んだ。ケテン添加の終了後、この混合物を、示した温度でさらに1時間撹拌し、その後、この反応器から激しく撹拌した飽和塩化アンモニウム溶液の中へと注ぎ込んだ。この混合物を、30分間またはガスの発生が止むまで撹拌した。相を分離し、有機相をMgSOで乾燥した(2分撹拌)。溶媒を減圧下で除去し(浴温度45〜48℃)、橙色の油状または半固体の残渣を得た。収率を求めるために、NMRのためにシクロヘキサン(840mg、10mmol)を内部標準として加えた(特徴的なシグナル:4.75ppmの多重線、CHO)。ラクトンについての収率は10mmolシクロヘキサンを内部標準として使用するNMRによって求め、カルニチンについての収率はIC検出器を具えた定量HPLCによって求めた。すべての反応を、5mol%配位子および7.5mol% AlRを用いて実施した。3つの異なる実験についての反応条件および結果を下記の表1に要約する。
Figure 2013536172
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Claims (15)

  1. L−カルニチンの製造のためのプロセスであって、キラルなβ−ラクトンカルニチン前駆体が、キラル触媒の存在下でのケテンとアルデヒドX−CH−CHO(式中、XはCl、Br、Iおよびトリメチルアンモニウムから選択される)との[2+2]環化付加によって得られる、プロセス。
  2. 前記キラル触媒は、ルイス酸−ルイス塩基二元機能性金属触媒または有機ホスフィン触媒である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、銀、コバルト、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム、鉄、スズ、亜鉛およびホウ素から選択される、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記キラル触媒は、キラルアミン、キラルホスフィン、キラルアミドおよびキラルアルコールから選択されるルイス塩基を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記キラルアミンは、アルカロイド、好ましくはキニーネもしくはキニジン、トリアミンまたはサレンであるか、または前記キラルホスフィンはSEGPHOS、BINAPまたはTUNEPHOSであるか、または前記キラルアミドはビススルホンアミドであるか、または前記キラル触媒は上記のもののいずれかの誘導体である、請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記キラルルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、リチウム塩と組み合わせたキラルアルカロイドである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 前記キラル触媒は、過塩素酸リチウムと組み合わせた(トリメチルシリル)キニーネであるか、または前記キラル触媒はBINAPHANEである、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記キラルルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、式
    Co(II)LまたはCo(III)L
    (式中、
    はサレンまたはその誘導体であり、
    は、キニーネもしくはキニジンまたはそれらの誘導体であり、
    Yは一価のアニオンであり、
    およびLは、好ましくはエステル結合を介して共有結合されている)
    を有するか、または前記キラルルイス酸/ルイス塩基二元機能性触媒は、少なくとも1つのキラルトリアミン配位子を有するAl(III)錯体である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 前記アルデヒドX−CH−CHOは、先行する工程で、2,4,6−(X−CH−1,3,5−トリオキサン(式中、XはCl、Br、Iおよびトリメチルアンモニウムから選択される)から得られる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記β−ラクトンは4−[(トリメチルアンモニウム)メチル]オキセタノン−2−オンであり、前記β−ラクトンは、L−カルニチンを得るために、開環反応で加水分解される、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記β−ラクトンはキラルな4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンであり、前記キラルな4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンは、後に、前記β−ラクトンの加水分解およびトリメチルアミン(TMA)との反応を含む方法においてL−カルニチンへと変換される、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記β−ラクトンは、前記トリメチルアミンと接触する前には、加水分解工程にかけられない、請求項11に記載のプロセス。
  13. 塩基性加水分解およびトリメチルアミンとの反応は、1つのプロセス工程で実施される、請求項11または請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記β−ラクトンは金属水酸化物およびトリメチルアミンを含む水溶液に接触させられるか、または有機溶媒中の前記β−ラクトンの溶液が準備され、TMAおよび金属水酸化物を含む水溶液と混合される、請求項11から請求項13のいずれか1項に記載のプロセス。
  15. キラルなβ−ラクトンの製造のためのプロセスであって、前記キラルなβ−ラクトンが、キラル触媒の存在下でのケテンとアルデヒドX−CH−CHO(式中、XはCl、Br、Iおよびトリメチルアミンから選択される)との[2+2]環化付加によって得られる、プロセス。
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