JPH06199751A - 配置異性体副産物からのl−(−)−カルニチンの製造方法 - Google Patents

配置異性体副産物からのl−(−)−カルニチンの製造方法

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JPH06199751A
JPH06199751A JP5319792A JP31979293A JPH06199751A JP H06199751 A JPH06199751 A JP H06199751A JP 5319792 A JP5319792 A JP 5319792A JP 31979293 A JP31979293 A JP 31979293A JP H06199751 A JPH06199751 A JP H06199751A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明はL−(−)−カルニチンの配置と
逆の配置であるD−(+)−カルニチンまたはその誘導
体を出発化合物としてL−(−)−カルニチンの製造方
法を提供するものである。 【構成】 D−(+)−カルニチン(1)の塩を加水分
解し、D−(+)−カルニチン(2)を得、これをエス
テル(3)へとエステル化し、式RYで示されるアシル
化剤と、有機塩基と、塩基性溶媒中または少なくとも1
種の不活性有機溶媒中で、0℃−50℃で1−24時
間、反応させることにより、アシル誘導体(4)へとア
シル化し、アシル誘導体(4)のCOR1基をカルボキ
シル基へと変換して、アシルD−(+)−カルニチン
(5)を得、塩基性環境中で処理することによって、L
−(−)−カルニチンのラクトン(6)へとラクトン化
し、塩基性溶液中で(6)を処理することによって、L
−(−)−カルニチンへと変換し、L−(−)−カルニ
チン分子内塩を単離することを特徴とするD−(+)−
カルニチンアミドからのL−(−)−カルニチンの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、L−(−)−カルニ
チンの配置と逆の配置をもつ不斉炭素原子をもつ出発化
合物からのL−(−)−カルニチンの製造方法に関す
る。この発明の方法は第一に出発化合物をアキラル中間
体、一般にクロトノベタインまたはガンマブチロベタイ
ンへと変換し、つぎにアキラル中間体をL−(−)−カ
ルニチンへと変換する常法の欠点を克服するものであ
る。この発明の方法はD−(+)−カルニチンまたはそ
の誘導体を出発化合物として使用する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】カル
ニチンは1つの不斉中心を含み、従ってD−(+)−カ
ルニチンおよびL−(−)−カルニチンと呼ばれる2つ
の鏡像体として存在する。これらのうち、L−(−)−
カルニチンのみが生物内にみられ、そこで脂肪酸をミト
コンドリア膜を通って運ぶ媒介物として機能する。L−
(−)−カルニチンは生物学的に活性な鏡像体である
が、ラセミD,L−カルニチンは従来治療用薬剤として
使用されてきた。しかし、D−(+)−カルニチンは、
カルニチンアシル転移酵素の拮抗的阻害剤であり、心筋
および骨格筋中のL−(−)−カルニチンの濃度を減少
させることが現在認められている。
【0003】したがって、血液透析処置および心臓また
は脂質代謝障害の処置を受けている患者には、L−
(−)−カルニチンのみが投与されることが不可欠であ
る。同じ条件が、大脳代謝異常、末梢神経症、末梢導管
障害などの処置に対するカルニチンのアシル誘導体の治
療上の使用に適用される。これらの疾患は代表的にアセ
チル−L−(−)−カルニチンおよびプロピオニル−L
−(−)−カルニチンによって処置されるが、それらは
L−(−)−カルニチンをアシル化することによって得
られる。
【0004】種々の多様な化学的方法がカルニチンの工
業規模の製造のために提案されてきた。残念なことに、
これらの方法は立体特異的でなく、D−(+)−および
L−(+)−異性体のラセミ混合物を生成する。
【0005】代表的には、D,L−ラセミ混合物を光学
的に活性な酸(例えば、D−(−)−酒石酸、D−
(+)−ショウノウスルホン酸、(+)−ジベンゾイル
−D−(−)−酒石酸、N−アセチル−L−(+)−グ
ルタミン酸およびD−(+)−ショウノウ酸)と反応さ
せて、お互いに分離し得る2個のジアステレオ異性体を
得る。米国特許第4254053号で公開された従来の
方法においては、D−(+)−ショウノウ酸を、D,L
−(+)−カルニチンアミドのラセミ混合物の分割剤と
して使用して、副産物としてD−(+)−カルニチンお
よび加水分解によりL−(−)−カルニチンを生むL−
(−)−カルニチンアミドを得る。
【0006】しかし、これらの分解方法は複雑で費用が
かかり、全ての場合で、L−(−)−カルニチンおよび
L−(−)−カルニチンの配置と反対の配置をもつ等モ
ル量のD−(+)−カルニチンまたはそれの前駆物質を
副産物として産出することになる。最近、L−(−)−
カルニチンの工業生産における副産物として生じた莫大
な量のD−(+)−カルニチン(またはD−(+)−カ
ルニチンアミドなどのその前駆物質 )から得たアキラ
ル誘導体の立体特異的変換によるL−(−)−カルニチ
ンの製造のための微生物学的方法が提起されている。
【0007】これらの方法は一般にクロトンベタインの
L−(+)−カルニチンへの立体特異的水和によってな
され、おもにその生物学的変換を成し遂げるために使用
される特定の微生物によって異なる。例えば、EP01
21444(ハマリ)、EP0122794(味の素)
EP148132(シグマ−タウ)、JP275689
/87(バイオール)、JP61067494(セイテ
ツ)、JP61234794(セイテツ)、JP612
34788(セイテツ、JP61271996(セイテ
ツ)、JP61271995(セイテツ)、EP041
0430(ロンザ)、EP0195944(ロンザ)、
EP0158194(ロンザ)、およびEP04577
35(シグマ−タウ)に公開されている方法を参照され
たい。
【0008】他方、JP62044189(セイテツ)
は、クロトノベタインから酵素的に得られる、ガンマ−
ブチロベタインから出発するL−(−)−カルニチン、
を立体選択的に製造する方法を公開している。これらの
方法の全てはいくつかの欠点をもつ。第一に、D−
(+)−カルニチンは、前述の微生物学的方法の全てに
おける出発化合物として使用され得る前に先ずアキラル
化合物(クロトノベタイン、ガンマ−ブチロベタイン)
へと変換されなければならない。
【0009】さらに、これまでに提起された微生物学的
方法は、1つ以上の下記の理由のために工業規模でL−
(−)−カルニチンを製造するのに実用的でないことが
判明している。 (i) L−(−)−カルニチンの収量が非常に低
い。 (ii) 微生物が、高価な栄養培地中で培養されなけ
ればならない。 (iii) 微生物が低濃度のクロトノベタイン(2−3
%(重量/体積)まで)にしか耐えられない。 (iv) ガンマ−ブチロベタインへのクロトノベタイ
ンの還元またはL−(−)−カルニチンの3−デヒドロ
カルニチンへの酸化などの副反応が起こる。これらの副
反応はL−(−)−カルニチンの最終収量を減少せる。
【0010】
【発明の要約】従って、この発明の1つの目的は、D−
(+)−カルニチンの誘導体からのL−(−)−カルニ
チンの有効な製造方法を提供することである。この発明
の方法は、既知の方法の前述の欠点を克服し、最初に出
発副産物をアキラル中間体へと変換する必要なく、L−
(−)−カルニチンの配置と反対の配置をもつ副産物か
ら出発して得られるL−(−)−カルニチンの収率を向
上させる。
【0011】
【課題を解決するための手段】好ましい具体例の詳細な
記述この発明の方法を下記の反応式で表わす。
【化14】
【0012】反応式について、D−(+)−カルニチン
アミド塩(1)(式中、Xは適当な対イオンである)は
常法によりD−(+)−カルニチン(2)へと加水分解
される(例えば引用して、この明細書に入れられている
JP287065/1989を参照)。Xはハロゲンが
適当であり、好ましくは塩化物、リン酸塩、過塩素酸
塩、メタ過ヨウ素酸塩、テトラフェニルボラート、1−
12個の炭素原子をもつアルキルスルホナート、好まし
くはドデシルスルホナート、トリフルオロアセタート、
テトラハロゲンボラート、フマラートまたは10−14
個の炭素原子をもつアルキルスルファートである。
【0013】ついで、D−(+)−カルニチン(2)を
カルボキシル基を保護するためにエステル(3)へと変
換する。適当なエステル(3)は、式中のR1が(1)
1−11個の炭素原子をもつ直鎖または分枝アルコキシ
基または(2)式中のアリールが単環または二環のアリ
ールでありアルキルが1−4個の炭素原子をもつアリー
ルアルコキシまたはジアリールアルコキシ基のものであ
る。適当な単環または二環アリール基は5−12個の炭
素原子をもち、所望により1−4個の炭素原子をもつ低
級アルキル基、1−4個の炭素原子をもつアルコキシ
基、ハロゲン、好ましくはフッ素または塩素、ニトロ基
またはアミノ基で置換されていてもよい。特に好ましい
アリールアルコキシ基はベンジルオキシである。
【0014】(2)から(3)へのエステル化を常法で
行なう。例えば、R1がベンジルオキシであるとき、D
−(+)−カルニチンベンジルエステルの製造を、引用
してこの明細書に入れられている、バイオキミカ・バイ
オフィジカ・アクタ(Biochima et Biophysica Acta)
(1967年)137巻、98頁中に記載と同様に行な
う。
【0015】ついで、エステル(3)をアシル誘導体
(4)へと変換する。Xと同じであり得るYは、好まし
くは(4)に溶解性を与える対イオンである。ORは、
Rが1−12個の炭素原子をもつアルキルスルホニル
基、ホルミルまたはトリフルオロアセチルである脱離基
である。好ましくは、アルキルスルホニル基は、メタン
スルホニル(メシル)、p−トルエンスルホニル(トシ
ル)、p−ブロモベンゼンスルホニル(ブロシル)、p
−ニトロベンゼンスルホニル(ノシル)、トリフルオロ
メタンスルホニル(トリフリル)、ノナフルオロメタン
スルホニル(ノナフリル)および2、2、2−トリフル
オロエタンスルホニル(トレシル)から選択される。メ
シルが特に好ましい。
【0016】(3)から(4)へのアシル化を、エステ
ル(3)とアシル化剤RY[式中、Yはハロゲンである
か、またはRY自身が無水物であり、Rは上記で定義さ
れたアシル基である]と反応させることによって行な
う。好ましくはRYは選択されるアシル基の塩化物であ
る。
【0017】アシル化反応は適当ならば、ピリジン、ア
ルキルピリジン、またはトリエチルアミンのような他の
塩基性溶媒またはアセトニトリルまたは塩化メチレンの
ような無水の不活性有機溶媒とピリジン、ルチジン、ピ
コリンまたはポリビニルピリジンなどの塩基との混合物
中で行なう。
【0018】アシル化剤は適当ならば1:1から1:1
0、好ましくは1:3の割合で加える。生成反応混合物
を攪拌しながら0℃から50℃の間の温度に1−24時
間保つ。化合物(4)を、エチルエーテルまたはヘキサ
ンなどの適当な溶媒による沈澱によって分離し、それを
水に溶解することによって精製し、有機溶媒で抽出す
る。
【0019】カルボキシル基を既知の方法によって化合
物(4)に戻し、アシルD−(+)−カルニチン(5)
を生成させる。場合によっては、必要ならば、化合物
(4)を水素添加に処す。
【0020】(4)の水素添加は、適当ならばpH2−
4の水溶液中、または0℃−25℃のメタノール中で1
−8時間、1−4水素雰囲気下で、5%または10%P
d/Cなどの水素添加触媒の存在下で行なう。アシルD
−(+)−カルニチン(5)は、触媒を濾取し、水溶液
を凍結乾燥または濃縮することによって分離し得る。
【0021】ついで、アシルD−(+)−カルニチン
(5)をL−(−)−カルニチンのラクトン(6)へと
変換する。ラクトン化は、適当ならば、NaHCO
(比率1:1)またはHCO3 -中で活性化されたアン
バーライト IRA−402(ドイツのローム&ハース
カンパニー社製)塩基性樹脂またはLA2樹脂(ロー
ム&ハース)により、水性塩基性環境下で行なうのが適
当である。ラクトンは、水溶液を蒸発させることによ
り、または塩として(例えば、テトラフェニルホウ酸塩
またはライネッケ塩として)沈澱させることにより単離
する。
【0022】最後に、適当ならばラクトン(6)をL−
(−)−カルニチン分子内塩(7)へと変換する。ラク
トンを水に溶解し、生成溶液をNaHCO3のような塩
基で(比率1:1)8−24時間処理する。
【0023】L−(−)−カルニチンを適当ならばX-
陰イオン、もしあれば、アシルハロゲン化物の過剰、ピ
リジンその他から形成される塩類から、IR120(ロ
ーム&ハース)などの強酸性の樹脂上に水溶液をクロマ
トグラフにかけ、水で、次にNH4OHで溶離するか、
または別法として最初にOH形で活性化されたアンバー
ライト IRA 402(ローム&ハース)などの強塩
基性樹脂で、その後アンバーライト IRC−50(ロ
ーム&ハース)などの弱酸性樹脂で溶離することによっ
て精製し得る。
【0024】上記の方法は、明瞭にするために、一連の
6つの別個の操作段階として記載されているが、この発
明の工業的方法は4段階のみから成ることは理解される
べきである。この発明の方法を工業的方法として行なう
とき、アシルD−(+)−カルニチンエステル(4)
は、アシルD−(+)−カルニチン(5)またはラクト
ン(6)のいずれかを単離することなく、直接L−
(−)−カルニチン分子内塩(7)へと変換され得る。
【0025】実際、アシルD−(+)−カルニチン
(4)のエステルを水素添加し、水素添加触媒を濾取す
る。得られた水溶液をpH7−9、好ましくは8−9に
し、30−50時間このpH値に保ってL−(−)−カ
ルニチンを生成する。このようにして得たL−(−)−
カルニチンを酸性および塩基性樹脂での処置により塩類
を除去することによって精製する。
【0026】この発明の方法の1つの具体例を記載する
下記の実施例において、中間体化合物(4)、(5)お
よび(6)を、これらの中間体が新規化合物である限
り、それらを物理化学的見地から詳細に確認するために
分離した。
【0027】しかし、有機合成における熟練者にとっ
て、工業的方法が下記の段階のみを含むことは明かであ
る。 (a) D−(+)−カルニチンアミド(1)のD−
(+)−カルニチン(2)への加水分解 (b) カルボキシル基を保護するためのD−(+)−
カルニチン(2)のエステル(3)へのエステル化 (c) エステル(3)のヒドロキシル基のアシル化剤
RY[式中、YがハロゲンであるかまたはRY自体が無
水物である]によるアシル化、脱離基OR[Rは前記の
意味である]を有する生成物、すなわち、D−(+)−
カルニチンのエステル(4)を得ること、および (d) (4)のL−(−)−カルニチン分子内塩
(7)への変換。
【0028】この発明を一般的に記載したが、さらに深
い理解を得られるよう、より詳細な実施例を提供する
が、それらはこの明細書に説明のためにのみ提供される
ものであって、発明の範囲を限定するものでない。
【0029】下記の実施例において、D−(+)−カル
ニチンアミドのD−(+)−カルニチンへの変換および
D−(+)−カルニチンのエステル(3)への変換は簡
潔にするために記載しておらず、したがってそれらの変
換は有機合成の熟練者には既知の方法により行なわれ得
る。さらに、反応式中に示される化合物の番号につい
て、小文字「a」、「b」および「c」をそれぞれX-
=過塩素酸塩、塩化物およびメタンスルホナートを示す
のに実施例中で使用する。
【0030】実施例 メタンスルホニルD−(+)−カルニチンベンジルエス
テル過塩素酸塩(4a) 塩化メタンスルホニル(25.77g、225モル)
を、氷浴で冷却された無水ピリジン(100mL)中の
D−(+)−カルニチンベンシルエステル過塩素酸塩
(24.4g、75ミリモル)の溶液に5分間隔で添加
した。添加の最後に、溶液を攪拌しながら1時間45分
間室温に維持した。つぎに溶液を、500mLのEt2
Oを含むエルレンマイヤーフラスコに攪拌しながら注入
した。Et2Oの傾しゃにより得られた油状の沈澱物を
CH2Cl2(300mL)に取り、溶液を2N HCl
(4x5mL)で洗浄し、NaCl(1x20mL)溶
液を飽和し、無水Na2SO4で乾燥した。
【0031】有機相の蒸発の後、22gの無定形固体を
得た。収率70%。示差熱分析:約180℃で分解。 [α]D 25=+20.0℃[c=1% MeOH] TLC=シリカゲル 溶離剤=CHCl3/MeOH/
iPrOH/H2O/AcOH 42/28/7/10.5/10.5 Rf=0.5
【0032】 C1524ClNO9Sの元素分析 C% H% N% Cl% 計算値 41.91 5.63 3.25 8.25 実測値 41.81 4.72 3.28 8.101 H NMR((CD32CO):δ7.45−7.30
(m,5H,芳香族);5.71−5.62(m,1H,
−CHOMs);5.20(s,2H,−CH2Ph);
4.24−4.02(m,2H,−CH2+Me3);3.
47(s,9H,−N+Me3);3.30(s,3H,
CH3SO3−);3.20(2H,d,−CH2CO
-
【0033】13C NMR((CD32CO):δ16
9.413;136.685;129.153;71.90
2;67.496;54.683;39.387;38.6
40IR(KBr)=ν(cm-1)1735(−C=
O),1341および1174(CH3SO3 -
【0034】HPLC カラム=ヌクレオシル 5−SA、直径=4mm、長さ
=200mm 溶離剤=CH3CN/KH2PO4 50mM(65/3
5)H3PO4でpH=3.5 流率=0.75ml/分 保持時間=9.35分 検出器=RI ウォーターズ 410
【0035】メタンスルホニル D−(+)−カルニチ
ンベンジルエステルクロリドの製造(4b) 18.3g(42.6ミリモル)のメタンスルホニルD−
(+)−カルニチンベンジルエステル過塩素酸塩をCH
3OH300mLおよびCH3CN数mL中に(完全に溶
解するまで)溶解した。こうして得た溶液を、1N H
Cl、つぎにH2Oを中和するまで、最後にCH3OHを
浸出することによって活性化されたアンバーリスト A
−21樹脂(300g)を通して浸出させた。メタノー
ル蒸発の後、15.5の固形生成物を得た。 収率:定量的
【0036】示差熱分析:約150℃で分解 [α]D 25=+22.6℃[c=1% MeOH] TLC=シリカゲル 溶離剤=CHCl3/MeOH/
iPrOH/H2O/AcOH 42/28/7/10.5/10.5 Rf=0.5
【0037】 C1524ClNO5Sの元素分析 C% H% N% Cl% 計算値(+3.3% di・H2O) 47.62 6.76 3.70 9.37 実測値 47.88 7.52 3.77 9.041 H NMR(D2O):δ7.50−7.45(m,5
H,芳香族);5.70−5.62(m,1H,−CHO
Ms);5.40−5.30(m,2H,−CH2
h);4.03−3.72(m,2H,−CH2+
3);3.25(s,3H,CH3SO3−)3.22
(s,9H,−N+Me3);3.15(2H,d,−C
zCOO-
【0038】13C NMR(D2O):δ172.78
9;137.950;131.695;73.929;7
0.651;56.831;41.475;40.920 IR(純)=ν(cm-1)1734(−C=O),13
40および1174(CH3SO3 -
【0039】HPLC カラム=ヌクレオシル 5−SA、直径=4mm、長さ
=200mm 溶離剤=CH3CN/KH2PO4 50mM(65/3
5)H3PO4でpH=3.5 流率=0.75ml/分 保持時間=9.41分 検出器=RI ウォーターズ 410
【0040】メタンスルホニルD−(+)−カルニチン
過塩素酸塩の製造(5a) 10%のPd/C(300mg)を、CH3OH(50
mL)中のメタンスルホニルD−(+)−カルニチンベ
ンジルエステル過塩素酸塩溶液に添加した。生成混合物
を45p.s.i(219.7kg/m2)で水素雰囲気下
で4時間パール器中に入れて攪拌しながら維持した。触
媒を濾取し、溶媒を蒸発させた後、2.3gの白色固形
生成物を得た。 収率:定量的
【0041】示差熱分析:約170℃で分解開始 [α]D 25=+19.6℃[c=1% MeOH] TLC=シリカゲル 溶離剤=CHCl3/MeOH/
iPrOH/H2O/AcOH 42/20/7/10.5/10.5 Rf=0.15
【0042】 C818ClNO9Sの元素分析 C% H% N% Cl% 計算値 28.28 5.34 4.12 10.43 実測値 28.78 5.34 4.15 10.231 H NMR(D2O):δ5.68−5.59(m,1
H,−CHOMs);4.05−3.75(m,2H,−
CH2+Me3);3.33(s,3H,CH3SO
3−);3.27(s,9H,−N+Me3);3.15−
3.00(m,2H,−C 2COOH)
【0043】13C NMR(D2O):δ175.19
2;74.423;70.838;56.971;41.6
62;40.774 IR(KBr)=ν(cm-1)1731(C=O)、1
340および1174(CH3SO3−)
【0044】HPLC カラム=ヌクレオシル 5−SA、直径=4mm、長さ
=200mm 溶離剤=CH3CN/KH2PO4 50mM(65/3
5) H3PO4でpH=3.5 流率=0.75ml/分 保持時間=11.33分 検出器=RI ウォーターズ 410
【0045】メタンスルホニル D−(+)−カルニチ
ンクロリドの製造(5b) 10%のPd/c(500mg)を1N HClでpH
4の酸性にしたH2O(60mL)中のメタンスルホニ
ル D−(+)−カルニチンベンジルエステルクロリド
溶液に添加した。得られた混合物を、パール器中で4時
間、45p.s.i(219.7kg/m2)で、水素雰囲
気中で攪拌しながら保つ。触媒を濾取し、水溶液を凍結
乾燥し、3.8gの白色固形生成物を得た。 収率:定量的
【0046】示差熱分析:約150℃で分解 [α]D 25=+29.5℃[c=1% H2O] TCL=シリカゲル 溶離剤=CHCl3/MeOH
/iPrOH/H2O/AcOH 42/20/7/10.5/10.5 Rf=0.15
【0047】 C818ClNO5Sの元素分析 C% H% N% Cl% 計算値 34.84 6.58 5.10 12.86 実測値 35.37 6.82 5.24 12.451 H NMR(D2O):δ5.70−5.60(m,1
H,−CHOMs);4.06-3.75(m,1H,−CH
2+Me3);3.33(s,3H,CH3SO3 -);3.
27(s,9H,−N+Me3);3.15−3.00
(m,2H,−C 2COOH)
【0048】13C NMR(D2O):δ175.32
6;74.530;70.851;56.964;41.6
68;40.914 IR(KBr)=ν(cm-1)1720(C=O),1
335および1175(CH3SO3−)
【0049】HPLC カラム=ヌクレオシル 5−SA、直径=4mm、長さ
=200mm 溶離剤=CH3CN/KH2PO4 50mM(65/3
5)H3PO4でpH=3.5 流率=0.75ml/分 保持時間=11.38分 検出器=RI ウォーターズ 410
【0050】L−(−)−カルニチンクロリドのラクト
ンの製造(6b) NaHCO3(0.46g、5.4ミリモル)を、H2
(25mL)中のメタンスルホニルD−(+)−カルニ
チンクロリド(1.5g、5.4ミリモル)溶液に添加
し、得られた溶液を20時間攪拌しながら保つ。つい
で、溶液を凍結乾燥し、残留物をCH3CNに取り、不
溶性固体を濾取した。溶媒の蒸発後、0.98gの標題
の化合物を得た。 収率:定量的
【0051】TLC=シリカゲル 溶離剤=CHCl3
/MeOH/iPrOH/H2O/AcOH 42/28/7/10.5/10.5 Rf=0.11 H NMR(D2O):δ5.33−5.24(m,1
H,−CHOCO−);3.96−3.88(m,3H,
−CH2+Me3,−CHCOO−);3.53−3.
44(m,1H,−CHCOO−);3.24(s,
9H,−N+Me3
【0052】13C NMR(D2O):δ172.42
8;70.671;68.094;56.991;41.3
94 IR(KBr)=ν(cm-1)1850(C=O)
【0053】HPLC カラム=ヌクレオシル5−SA、直径4mm、長さ=2
00mm 溶離剤=CH3CN/KH2PO4 50mM(65/3
5)H3PO4でpH=3.5 流率=0.75ml/分 保持時間=19.23分 検出器=RI ウォーターズ 410
【0054】L−(−)−カルニチンメタンスルホン酸
塩のラクトンの製造(6c) D−(+)−メタンスルホニルカルニチンクロリドの水
溶液(1.5g、5.4ミリモル)を、HCO3 -型に活性
化され、5℃に冷却されたIRA−402樹脂(30
g)によって過塩素酸塩化し、完全な溶離(TCLによ
り調節)まで5℃の水で溶離した。溶離剤を4時間室温
に保った。水溶液の蒸発の後、CH3CNに取った原製
品を得た。有機溶媒の蒸発により1gの白色固体を得
た。 収率:80%
【0055】示差熱分析:160℃で分解開始 [α]D 25=+24.7℃(c=1% MeOH)
【0056】TCL=シリカゲル 溶離剤=CHCl3
/MeOH/iPrOH/H2O/AcOH 42/28/7/10.5/10.5 Rf=0.1
【0057】 C817NO5Sの元素分析 C% H% N% 計算値 40.16 7.16 5.85 実測値 39.61 7.13 5.771 H NMR(D2O):δ5.35−5.25(m,1
H,−CHOCO−);3.98−3.89(m,3H,
−CH2+Me3,−CHCOO−);3.54−3.
46(m,1H,−CHCOO−);3.26(s,
9H,−N+Me3);2.81(s,3H,CH3SO3
−)
【0058】13C NMR(D2O):δ172.42
8;70.671;68.094;56.991;45.3
20;41.394 IR(KBr)=ν(cm-1)1835(C=O)
【0059】HPLC カラム=ヌクレオシル 5−SA、直径=4mm、長さ
=200mm 溶離剤=CH3CN/KH2PO4 50mM(65/3
5) H3PO4 でpH=3.5 流率=0.75ml/分 保持時間=19.48分 検出器=RI ウォーターズ 410
【0060】L−(−)−カルニチンメタンスルホン酸
塩(6c)のラクトンからのL−カルニチン分子内塩
(7)の製造 NAHCO3(0.34g、4ミリモル)をH2O(20
mL)中のL−(−)−カルニチンメタンスルホン酸塩
のラクトンの溶液(0.96g、4ミリモル)に添加
し、生成溶液を20時間攪拌しながら室温に保つ。つぎ
に溶液をアンバーライト IR−120樹脂(20g)
を通して浸出させ、最初に中和になるまで水で溶離して
メタンスルホン酸を除去し、つぎに2%NH3 水性溶液
でL−(−)−カルニチン分子内塩が完全に溶離(TL
Cにより調節)するまで溶離液を捕集した。水溶液の蒸
発後、0.64gのL−(−)−カルニチン分子内塩を
得た。
【0061】別法として、反応混合物を、OH-型に活
性化されたIRA−402樹脂(20g)を通して浸出
し、中性になるまでこれをH2Oで溶離させた。水溶液
の蒸発後、0.64gのL−(−)−カルニチン分子内
塩を得た。 収率:定量的
【0062】鏡像体過剰率(e.e.)を、L−(+)−
カルニチンをキラル試薬により誘導体とした後、下記の
HPLC法により評価した。キラル試薬として、(+)
−(9−フルオレニル)エチルクロロホーマート(FL
EC)を使用した。 カラム:ノバ−パク C18(4μ)カートリッジ 長さ:100mm 直径:5.0mm 溶離剤: 溶液A:5mMの水酸化テトラブチルアンモニウム(T
BA+OH-)、 50mM KH2POH4 75mL アセトニトリル 25mL 1N KOH でpH7にする。 溶液B:アセトニトリル 75mL 5mM KH2PO4 25mL 検出器=パーキン−エルマー蛍光分析 励起=2
60nm スリット=10nm 発光=315nm スリット=5nm
【0063】L−(−)−カルニチン溶液を下記の方法
によりFLECで誘導体にした。50μLのL−(−)
−カルニチン溶液(濃縮H3PO4 によりpH7にした
50mLの50mMのTBA+OH-中にカルニチン10
mgを溶解することによって製造した)および3mLの
アセトン中に1mLのFLECを含む200μLの溶液
を80℃で20分間攪拌しながら保った。溶液を冷却
し、4mLの溶液Aをそれに添加し、得られた溶液の5
μLを注入した。 L−(−)−カルニチンK1=5.79 D−(+)−カルニチンK1=4.82 存在せず e.e.=(L−D)×100/(L+D)=100
【0064】メタンスルホニル−D−カルニチンクロリ
ド(5b)からのL−カルニチン分子内塩(7)の製造 NaHCO3(0.46g、5.4ミリモル)を、H2
(25mL)中のメタンスルホニル−D−カルニチンク
ロリド溶液(1.5g、5.4ミリモル)に添加し、得ら
れた溶液を攪拌しながら20時間室温に保った。さらに
NaHCO3(0.46g、5.4ミリモル)を添加し、
溶液を攪拌しながらさらに20時間室温に保った。標題
の化合物を、前記の(6b)からの(7)の分離と同様
にして分離した。
【0065】最初のNaHCO3添加20時間後、溶液
部分を凍結乾燥させることによって得られた試料にNM
R、HPLC、IRおよびTLC分析を行うことにより
証明されるように、ラクトン(6)の形成を経てメタン
スルホニル−D−カルニチンからL−カルニチンが得ら
れた。
【0066】この発明を十分に記載したが、当技術の熟
練者にとって、この明細書に記述された発明の主旨また
は範囲から離れなければ、多くの変更および修正がなさ
れ得ることは明白である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ファビオ・ジャネッシ イタリア00189ローマ、ビア・アッバディ ア・サン・サルバトーレ16番 (72)発明者 マリア・ラウラ・ボロニェーシ イタリア40133ボローニャ、ビア・ベレッ タ54番 (72)発明者 マリア・オルネーラ・チンチ イタリア00182ローマ、ビア・エルネス ト・バージレ81番 (72)発明者 フランチェスコ・デ・アンジェリス イタリア00136ローマ、13、ピアッツァ・ ア・フリッジェリ13番

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 D−(+)−カルニチンアミドからのL
    −(−)−カルニチンの製造方法であって、 (a)式 【化1】 [式中、X-は、対イオンである]で示されるD−
    (+)−カルニチン(1)の塩を加水分解し、 【化2】 で示されるD−(+)−カルニチン(2)を得、 (b)上記D−(+)−カルニチン(2)を、 【化3】 [式中、R1は(i)1−11個の炭素原子をもつ直鎖
    または分枝アルコキシ基であるかまたは(ii)アリー
    ルアルコキシまたはジアリールアルコキシ基(式中、ア
    リール基が5から12個の炭素原子を含む単環または二
    環のアリール基であり、アルキル基が1−4個の炭素原
    子を有し、上記アリールアルコキシまたはジアリールア
    ルコキシ基が所望により1−4個の炭素原子をもつ低級
    アルキル基、1−4個の炭素原子をもつアルコキシ基、
    ハロゲン、ニトロ基またはアミノ基で置換されていても
    よい)である]で示される式のエステル(3)へとエス
    テル化し、 (c)上記エステル(3)を、式RY[式中、Yはハロ
    ゲンであるかまたはRYは無水物であり、Rは上記で定
    義された意味をもつ]で示されるアシル化剤と、有機塩
    基と、塩基性溶媒中または少なくとも1種の不活性有機
    溶媒中で、0℃−50℃で1−24時間、反応させるこ
    とにより、式 【化4】 [式中、Y-(X-と同じかまたは異なる)は、溶解性を
    (4)に与える対イオンであり、OR(式中、Rは1−
    12個の炭素原子をもつアルキルスルホニル、ホルミル
    およびトリフルオロアセチルから選択される)脱離基で
    ある]で示されるアシル誘導体(4)へとアシル化し、 (d)上記アシル誘導体(4)のCOR1基をカルボキ
    シル基へと変換して式 【化5】 で示されるアシルD−(+)−カルニチン(5)を得、 (e)上記アシルD−(+)−カルニチン(5)を、塩
    基性環境中で処理することによって、式 【化6】 で示されるL−(−)−カルニチンのラクトン(6)へ
    とラクトン化し、 (f)塩基性溶液中で(6)を処理することによって、
    上記ラクトン(6)をL−(−)−カルニチンへと変換
    し、L−(−)−カルニチン分子内塩を単離することを
    特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 段階(d)が、水素添加触媒の存在下
    で、pH2−4、0℃−25℃で、1−8時間、1−4
    水素雰囲気下に上記アシル誘導体(4)を水素添加する
    ものである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 段階(d)、(e)および(f)を、上
    記中間化合物(5)および(6)を単離することなく、
    単一の段階として行なう、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 Xはハロゲン、リン酸塩、過塩素酸塩、
    メタ過ヨウ素酸塩、テトラフェニルホウ酸塩、または1
    −12個の炭素原子をもつアルキルスルホン酸塩であ
    り、 R1はベンジルオキシであり、 Rはメタンスルホニル(メシル)、p−トルエンスルホ
    ニル(トシル)、p−ブロモベンゼンスルホニル(ブロ
    シル)、p−ニトロベンゼンスルホニル(ノシル)、ト
    リフルオロメタンスルホニル(トリフリル)、ノナフル
    オロメタンスルホニル(ノナフリル)または2、2、2
    −トリフルオロエタンスルホニル(トレシル)である、
    請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 L−(−)−カルニチンの製造方法であ
    って、 (a)D−(+)−カルニチンを、式 【化7】 [式中、R1は(i)1−11個の炭素原子をもつ直鎖
    または分枝アルコキシ基であるかまたは(ii)アリール
    アルコキシまたはジアリールアルコキシ基(式中、アリ
    ール基が5−12個の炭素原子を含む単環または二環の
    アリール基であり、アルキル基が1−4個の炭素原子を
    有し、上記アリールアルコキシまたはジアリールアルコ
    キシ基が所望により1−4個の炭素原子をもつ低級アル
    キル基、1−4個の炭素原子をもつアルコキシ基、ニト
    ロ基またはアミノ基で置換され得てもよい)である]で
    示されるエステル(3)へとエステル化し、 (b) 上記エステル(3)を、式RY(式中、Yはハ
    ロゲンまたはRYは無水物であり、Rは上記で定義され
    た意味である)アシル化剤と、有機塩基と塩基性溶媒中
    または少なくとも1種の不活性有機溶媒中で、0℃−5
    0℃で1−24時間反応させることにより、式 【化8】 [式中、Y-(X-と同じであるかまたは異なる)は
    (4)に溶解性を与える対イオンを表わし、OR(式
    中、1−12個の炭素原子をもつアルキルスルホニル、
    ホルミルおよびトリフルオロアセチルから選択される)
    脱離基である]で示されるアシル誘導体(4)へとアシ
    ル化し、 (c)上記アシル誘導体(4)のCOR1基をカルボキ
    シル基へと変換し、式 【化9】 で示されるアシルD−(+)−カルニチン(5)を得、 (d)(5)を塩基性環境中で処理することによって、
    上記アシル−D−(+)−カルニチン(5)を、式 【化10】 で示されるL−(−)−カルニチンのラクトン(6)へ
    とラクトン化し、 (e)(6)を塩基性溶液中で処置することによって上
    記ラクトン(6)をL−(−)−カルニチンへと変換
    し、L−(−)−カルニチン分子内塩を分離することを
    特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 段階(c)、(d)、および(e)を上
    記中間化合物5および6を単離することなく単一の段階
    として行なう、請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 式4 【化11】 [式中、Yは対イオンであり、 R1は(i)1−11個の炭素原子をもつ直鎖または分
    枝アルコキシ基であるか、または(ii)アリールアルコ
    キシまたはジアリールアルコキシ(式中、アリール基が
    単環または二環のアリール基であり、アルキルが1−4
    個の炭素原子をもち、所望により1−4個の炭素原子を
    もつ低級アルキル、1−4個の炭素原子をもつアルコキ
    シ、ハロゲン、ニトロ、またはアミノで置換されていて
    もよい)であり、 Rが1−12個の炭素原子をもつアルキルスルホニル、
    ホルミルまたはトリフルオロセチルである]で示される
    アシル−D−(+)−カルニチンのエステル。
  8. 【請求項8】 R1がベンジルオキシであり、Rがメタ
    ンスルホニル(メシル)、p−トルエンスルホニル(ト
    シル)、p−ブロモベンゼンスルホニル(ブロシル)、
    p−ニトロベンゼンスルホニル(ノシル)、トリフルオ
    ロメタンスルホニル(トリフリル)、ノナフルオロメタ
    ンスルホニル(ノナフリル)または2、2、2−トリフ
    ルオロエタンスルホニル(トレシル)である、請求項7
    記載のエステル。
  9. 【請求項9】 Y-が過塩素酸塩、塩化物またはメタン
    スルホナートであり、Rがメタンスルホニルである、請
    求項7記載のエステル。
  10. 【請求項10】 式5 【化12】 [式中、Y-が対イオンであり、 Rが1−12個の炭素原子をもつアルキルスルホニル、
    ホルミルまたはトリフルオロアセチルである]で示され
    る、アシルD−(+)−カルニチン。
  11. 【請求項11】 式中、Rがメタンスルホニル(メシ
    ル)、p−トルエンスルホニル(トシル)、p−ブロモ
    ベンゼンスルホニル(ブロシル)、p−ニトロベンゼン
    スルホニル(ノシル)、トリフルオロメタンスルホニル
    (トリフリル)、ノナフルオロメタンスルホニル(ノナ
    フリル)または2、2、2−トリフルオロエタンスルホ
    ニル(トレシル)である、請求項8記載のアシルD−
    (+)−カルニチン。
  12. 【請求項12】 式6 【化13】 [式中、Y-は対イオンである]で示されるL−(−)
    −カルニチンのラクトン。
  13. 【請求項13】 Y-がハロゲン、スルホン酸塩、リン
    酸塩、過塩素酸塩、メタ過ヨウ素酸、テトラフェニルホ
    ウ酸塩またはアルキルスルホン酸塩である、請求項10
    記載のラクトン。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の方法によって得られた
    L−(−)−カルニチン。
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