JP2013534506A - 過酸化物ラジカルの長期「乾燥」保存のためのナノ粒子の使用 - Google Patents

過酸化物ラジカルの長期「乾燥」保存のためのナノ粒子の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、空気中で過酸化物イオンを安定化させるための薬剤に関する。前記薬剤は、本発明によれば、イモゴライトおよび/またはアロフェン等のアルミノシリケートポリマーである。本発明は、特に、抗菌剤および酸化剤の分野において使用することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気中で過酸化物イオンを安定化させるための薬剤としての、イモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケート(aluminosilicate)ポリマーの粒子の使用に関する。
また、本発明は、空気中で過酸化物イオンを安定化させる方法、および前記方法により得られる基材(substrate)に関する。
最後に、本発明は、本発明による基材を備えるデバイス、特に熱交換器に関する。
過酸化物ラジカル(イオン)は、非常に反応性が高く、多くの化合物を酸化させることができることが知られている。
そのため、過酸化物ラジカルは、特に抗菌剤として、および多くの酸化反応を行うために使用される。
しかしながら、これらの過酸化物ラジカルは、溶液中での平衡状態でのみ存在し得る。
しかしながら、媒体が開放されると、すなわち空気と接触すると、以下の反応に従い不均化反応が開始する。
+2H+2e=2HO(この場合Hは酸化剤である)
=O+2H+2e(この場合Hは還元剤である)
2H→2HO+O
酸素の放出により平衡が速やかに移動するため、過酸化物ラジカルは消失する。
不均化現象の反応速度は、容器の表面上に存在するある特定の化学的不純物の存在により、大幅に増加され得る。
したがって、現在まで、開放された環境中において、材料の表面上に利用可能な過酸化物イオンを保存することは不可能であった。
さらに、イモゴライト型またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーが知られている。
これらのアルミノシリケートポリマーは、様々な形態で知られている。
例えば、アルミノシリケートポリマーは、イモゴライト等の繊維形態で知られている。
イモゴライトは、フィラメント状の管状アルミノシリケートであり、火山灰中およびある特定の土壌中で自然に生じる。
天然イモゴライトは純粋ではなく、アロフェンおよび/またはベーマイト等の他のアルミノシリケートと混在している。
しかしながら、天然の状態では、イモゴライトは不純生成物であり、したがって、抗菌剤または高純度を必要とする反応における酸化剤としての用途に使用することができない。
様々な純度のイモゴライトの合成の様々な方法がある。例えば、Farmerの米国特許第4,152,404号および米国特許第4,252,779号は、天然イモゴライトに類似した無機材料を調製する方法を説明している。
塩等の荷電種は、透析により、得られたイモゴライトから除去される。しかしながら、この技術は、電荷を有さないアロフェンを除去することができない。
さらに、WADAらは、Journal of Sol Science、1979、30、347において、2に近いAl/Siモル比を有する純粋なイモゴライトを説明している。ここで、「非常に高い純度」または「極めて高い純度」は、少なくとも80wt%、好ましくは少なくとも90wt%のイモゴライトを含有する水溶液を指すことが明記される。
欧州特許第0741668号は、極めて高い純度を有するイモゴライトを得るための長くて詳細な方法を説明している。特に、分解またはフィラメントの成長ステップ中、pHおよびAl+Si濃度を非常に正確な値の範囲に維持することが絶対に必要である。非制御合成において、シリカゲル、ベーマイトまたはアロフェンの形成が観察される。ベーマイトは、非繊維構造を有し、Al:Siモル比は4を超える。
したがって、合成が適切に制御されていない場合、得られるイモゴライトは、抗菌剤または高純度を必要とする反応における酸化剤としての用途には十分に純粋ではない。
フランス特許出願第2817488号は、欧州特許第0741668号に記載の方法に従い得られるアルミノシリケートのコロイド粒子の混合物の水性ディスパーションの精製によるポリマー材料の調合に使用可能な、高純度のイモゴライト型のアルミノシリケートポリマーを得るための方法を説明している。したがって、コロイド粒子の混合物は、限外濾過により精製され、保持液中に、1.8から2.5の間のAl/Siモル比を有するイモゴライト型の繊維状アルミノシリケートポリマーが得られる。好ましくは、限外濾過は、接線限外濾過であり、また好ましくはポリエーテルスルホンベースの膜を使用する。好ましくは、保持液中の層流は、1mの膜表面積当たりおよそ1L.min−1に等しい。粒子の混合物はまた、限外濾過ステップを行う前に事前濾過されてもよい。
フランス特許出願第2802912号は、高純度のイモゴライト型のアルミノシリケートポリマーを調製するための方法を説明している。
この方法は、
a)ケイ素およびアルミニウムの混合アルコキシド、またはアルミニウムおよびケイ素の混合化合物の前駆体を、アルカリ水溶液で、4.5から6.5の間(これらの値を含む)のpHで、アルミニウムのモル濃度を5.10−4mol.L−1から10−2mol.L−1の間(これらの値を含む)に、またAl/Siモル比を1から3の間(これらの値を含む)に維持しながら、シラノール基の存在下で処理するステップと、
b)室温で、好ましくは5日から15日の間(これらの値を含む)の期間、より好ましくは8日から10日の間(これらの値を含む)の期間、熟成ステップを行うステップと、
c)ステップa)において得られた混合物を、100℃未満の温度で、好ましくは96〜98℃の温度で、24時間加熱するステップと、
d)ステップc)において得られた混合物から、例えば限外濾過により残留イオンを除去するステップと
を含む。
この方法の詳細は、フランス特許出願第2802912号に示されている。
したがって、本文章において、「イモゴライト型の純粋なアルミノシリケートポリマー(複数可)」という用語は、フランス特許出願第2817488号およびフランス特許出願第2802912号に記載の方法により得られるアルミノシリケートポリマーを指し、本発明において、高純度が必要である場合、特に、用途が、抗菌用途である、または高純度の生成物が得られる酸化反応のためである場合に使用されるものである。
アロフェン等の球状粒子の形態のアルミノシリケートポリマーもまた知られている。
上述のように、アロフェンもまた、天然イモゴライトと組み合わされて自然に生じる。
しかしながら、天然の状態では、アロフェンは不純生成物であり、したがって、抗菌剤として、および高純度を必要とする反応における酸化剤としての用途に使用することができない。
米国特許出願第US−A−6,254,845号は、アロフェン型のアルミノシリケートポリマーの中空球を調製する方法を説明している。しかしながら、使用される製造方法のために、得られるアルミノシリケートポリマーは、その形成に使用される塩を高い割合で含有する。
フランス特許出願第2842514号は、多くのポリマー材料の調合に使用することができる、イモゴライト型またはアロフェン型の非常に純粋なアルミノシリケートポリマーを調製するための方法を説明している。
この方法は、
a)加水分解性官能基のみを有する(すなわち、プロセス中に、特にアルカリ水溶液による処理で加水分解により除去される置換基のみを有する)アルミニウムおよびケイ素の混合アルコキシド、または加水分解性官能基のみを有する、アルミニウム化合物およびケイ素化合物の混合物の加水分解により得られるアルミニウムおよびケイ素の混合前駆体を、アルカリ水溶液で、シラノール基の存在下で処理するステップであって、アルミニウムの濃度は、0.3mol.L−1未満に維持され、Al/Siモル比は、1から3.6の間に維持され、アルカリ/Alモル比は、2.3から3の間に維持される、ステップと、
b)シラノール基の存在下、アルミノシリケートポリマーを形成するのに十分な時間、得られた混合物を室温で撹拌するステップと、最後に、
c)上記ステップ中に形成された副生成物を、反応混合物から除去するステップと
からなる。副生成物は、洗浄または透析濾過または限外濾過、好ましくは接線限外濾過等の、本質的に知られている様々な方法により除去することができる。
この方法の詳細は、フランス特許出願第2842514号に示されている。
得られたイモゴライト型またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーは、200〜600cm−1の範囲内に、250±5cm−1に位置するブロードなバンド、359±4cm−1に位置する強いブロードなバンド、407±7cm−1に位置する肩、および501±2cm−1に位置するバンドを含むラマンスペクトルにより特徴付けられ、ラマンスペクトルは、ステップa)およびb)中に形成された副生成物が反応混合物から除去されるステップの直前に得られた材料に対して行われる。
フランス特許出願第2842514号は、この方法およびラマンスペクトルを得るための条件を説明している。
添付の図1から3は、本発明において使用される3種のアルミノシリケートポリマーのラマンスペクトルを示す。これらの図から、本発明において使用されるアルミノシリケートポリマーのラマンスペクトルが、確かに上述のように特徴付けられることが分かる。
したがって、「イモゴライト型またはアロフェン型の純粋なアルミノシリケートポリマー(複数可)」という用語は、本文章において、フランス特許出願第2802912号に記載の方法により、またはフランス特許出願第2817488号に記載の方法により、またはフランス特許出願第2842514号に記載の方法により得られるアルミノシリケートポリマーを指す。
本発明において使用されるイモゴライト型のアルミノシリケートポリマーは、直径2nm、および長さ数ミクロンの中空ナノチューブである。既に述べたように、それらは、アルミニウム塩およびケイ素アルコキシドの制御された共加水分解により得られる。この加水分解の次に、フィラメントの成長を可能とする熱処理が続く。次いで、これらのフィラメントが洗浄され、限外濾過により濃縮される。これらのイモゴライト型のアルミノシリケートポリマーの構造は非常に特異であり、チューブの外側はAl−OHで覆われ、一方チューブの内部はSi−OHで覆われている。したがって、水はチューブの内側に永久的に捕捉されたままとなる。
本発明において使用されるアロフェン型のアルミノシリケートポリマーは、直径5nmの中空ナノスフェアであり、同じくアルミニウムおよびケイ素の塩の制御された共加水分解により得られる。しかしながら、この場合、加水分解の次に熱処理は行われず、イモゴライトまたはアロフェンのいずれかを得ることができる主なパラメータは、アルミニウム塩の濃度である。このアロフェン型のアルミノシリケートポリマーもまた、イモゴライト型のアルミノシリケートポリマーと同様に、外側がAl−OHで覆われ、内側がSi−OHで覆われている。同様に、このアロフェン型のアルミノシリケートポリマーにおいて、粒子のコアは水で充填されている。
イモゴライト型のアルミノシリケートポリマーおよびアロフェン型のアルミノシリケートポリマーは、両方とも非晶質である。それらは300℃まで安定であり、それ以上では急速にHO、AlおよびSiOに分解する。
米国特許第4,152,404号 米国特許第4,252,779号 欧州特許第0741668号 フランス特許出願第2817488号 フランス特許出願第2802912号 米国特許出願第US−A−6,254,845号 フランス特許出願第2842514号
Journal of Sol Science、1979、30、347
これに関して、本発明は、開放された環境中において、すなわち空気中で、非常に長期間過酸化物イオンを安定化させるための薬剤を供給することを目的とする。
このために、本発明は、空気中で過酸化物イオンを安定化させるための薬剤としての、特に基材上に堆積される場合の、イモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの粒子の使用を提案する。
また、本発明は、空気中で過酸化物イオンを安定化させる方法であって、
a)溶媒と、イモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子と、過酸化物イオン源と、必要に応じて結合剤とを含む懸濁液を調製するステップと、
b)乾燥させるステップと
を含むことを特徴とする方法を提案する。
好ましい実施形態において、本発明の方法は、ステップa)とステップb)との間に、ステップa)において得られた懸濁液を、少なくとも1つの基材表面上に堆積させるステップをさらに含む。
本発明の方法の全ての実施形態において、懸濁液は、好ましくは、3から0.5の間(これらの値を含む)の過酸化物イオンに対するイモゴライトおよび/またはアロフェンの質量比を有する。
本発明の方法の好ましい実施形態において、基材表面積1m当たり5グラムから340グラムの間(これらの値を含む)のイモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子が堆積される。
抗菌剤としての用途においては、最大堆積量が特に好適である。
本発明の方法の全ての実施形態において、過酸化物イオン源は、好ましくは過酸化水素であり、溶媒は、水であり、必要に応じて、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンおよび動物性ゼラチンから選択され得るフィルム形成有機結合剤を含んでもよい。ポリビニルアルコールが好ましい。
実際に、ディスパーション中の結合剤の存在は、溶媒が水である場合、過酸化物イオン源を所定位置に保持するために必要となり得る。
イモゴライトまたはアロフェンポリマーに対する有機結合剤のモル比は、層が機械的に強固となるように選択される。熱交換器の場合、モル比は、典型的には、0.5から1の間(これらの値を含む)であり、1よりはるかに小さい。不飽和オレフィンの重合の場合等、機械的強固性が必要ではない場合には、結合剤は必要でなくてもよい。また、コロイド状シリカ、焼成シリカ、アルミナまたはクレイ(カオリン)等の、層の形成に関与する無機充填剤を添加することができる。これらの充填剤は、層の形成に関与するのみであり、層に対しいかなる影響も与えない。最後に、結合剤は、層に堅牢性を付与するために、ホウ砂またはホルモルを添加することにより架橋されてもよい。
本発明は、さらに、イモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子と、過酸化物イオン源とを含む層でコーティングされた少なくとも1つの表面を備えることを特徴とする基材を提案する。
好ましくは、前記層は、1m当たり5グラムから340グラムの間(これらの値を含む)のイモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子を含む。
好ましくは、前記層は、3から0.5の間(これらの値を含む)の過酸化物イオンに対するイモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの比を有する。
好ましい実施形態において、本発明による基材は、イモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子と、過酸化物イオン源とを含む層上に、乾性油、好ましくは亜麻仁油または天然もしくは合成起源の他の任意の不飽和ポリオレフィンの層をさらに備える。
また、本発明は、本発明による少なくとも1つの基材、または本発明による方法もしくは使用を適用することにより得られる少なくとも1つの基材を備えることを特徴とするデバイスを提案する。
最後に、本発明は、本発明による少なくとも1つの基材、または本発明の方法もしくは使用を適用することにより得られる少なくとも1つの基材を備えることを特徴とする熱交換器を提案する。
本発明において使用されるアルミノシリケートポリマーのラマンスペクトルを示す。 本発明において使用されるアルミノシリケートポリマーのラマンスペクトルを示す。 本発明において使用されるアルミノシリケートポリマーのラマンスペクトルを示す。
以下の説明の記述を読めば、本発明がより良く理解され、また本発明の他の詳細および利点がより明確となる。
本発明は、材料の表面上に過酸化物イオンを安定化することを目的とし、前記材料は、次いで乾燥され、室温で、周囲湿度と平衡状態で、数年までの非常に長期間にわたり保存され得る。
このようにして安定化された過酸化物イオンは、酸化反応、特に細菌の酸化または不飽和ポリオレフィンの二重結合の酸化反応の実行への利用可能性を維持する。
実際に、不飽和オレフィンは、細菌および他の微生物の二重膜の形成に関与し、この酸化は、形成された層の表面上での生体膜の形成を阻害する。
実際に、本発明者らは、単独または互いに組み合わされて使用される、イモゴライト型またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマー、特に合成または非天然起源のものが、その表面上の過酸化物イオンを安定化させるのに特に好適な材料であることを発見した。
これは、アルミノシリケートポリマーが、中空ではあるが空ではない物体であることに起因する。
アルミノシリケートポリマーは、最初は合成媒体の母液で充填されており、次いで、洗浄および精製ステップ中に、脱イオン水で充填される。
したがって、アルミノシリケートポリマーは、水のナノ貯蔵部を構成する。
この型のアルミノシリケートポリマーの別の重要な構造的特徴は、その化学的異方性である。
実際に、それらの外側表面は、アルミノール基:Al−OHで覆われ、一方内側表面は、シラノール基:Si−OHで覆われている。
したがって、アルミノシリケートポリマーは、塩基性型の外側表面および酸性型の内側表面を有する。
この型のアルミノシリケートを、過酸化物イオンの液体源、特に水溶液源に含浸させると、アルミノシリケートポリマーの粒子内の水と過酸化物イオンの液体源との交換が迅速にもたらされる。
すると、イモゴライト型またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの粒子は、過酸化物イオンのナノ貯蔵部を構成する。
シラノール基で覆われた表面の非常に酸性の特徴は、これらの過酸化物イオンの安定化に寄与する。
次いで、これらの粒子は、そのようなものとして、当業者にとって好適とみなされる任意の手法で使用され得るか、または過酸化物イオンで処理される材料の表面上に堆積され得る。
この場合、堆積物は、処理される材料の表面上で乾燥するが、貯蔵部である「過酸化物イオンの貯蔵部」は、水で、したがって過酸化物イオンで充填されたままとなる。
実際に、本発明者らにより行われた実験では、これらの貯蔵部が200℃を超える温度で空となることが示された。
したがって、本発明の第1の目的は、空気中で過酸化物イオンを安定化させるための薬剤としての、単独または互いに組み合わされたイモゴライト型またはアロフェン型のポリマーの粒子の使用であり、これらのアルミノシリケートポリマーの粒子は、次いで、基材上に堆積されても、または堆積されなくてもよい。
粒子、上述のようなナノ粒子、すなわちイモゴライトは、直径約2nm、および長さ500nmから1μmの中空管状粒子として理解され、アロフェン型のポリマーに関しては、5nmの直径を有し、表面に直径0.7nmの4個から6個の細孔を有する中空球として理解される。
本発明において使用されるアルミノシリケート型のポリマーのこれらの粒子上に含有され得る過酸化物イオンの量は、当然ながら、過酸化水素イオン源に依存する。
しかしながら、概して言えば、3から0.5の間(これらの値を含む)の過酸化物イオンに対するイモゴライト型および/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの質量比を導入することが可能である。
過酸化水素は、イモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの粒子の細孔内に含有される水とより容易に交換され得るため、過酸化物イオン源として、過酸化水素、好ましくは過酸化水素を使用することができる。
また、本発明は、空気中で過酸化物イオンを安定化させる方法であって、イモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの粒子を、好ましくは上述の比で、溶媒および過酸化物イオン源に懸濁させる第1のステップと、次いで溶媒を蒸発させるステップとを含む方法を提案する。
溶媒は、イモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの粒子を溶解しない、または分解しない、過酸化物イオン源と適合する任意の過酸化物イオン源の溶媒から選択され得る。特に、溶媒は、水であり、必要に応じて水/アルコール混合物である。
空気中で過酸化物イオンを安定化させる方法の好ましい実施形態において、イモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子と、過酸化物イオン源とを溶媒に懸濁させた後、ならびに乾燥させる前、懸濁液を少なくとも1つの基材表面上に堆積させる。
この場合、好ましくは、溶媒はまた、有機結合剤、好ましくは水溶性およびフィルム形成性、すなわち溶媒の蒸発中フィルムを形成する有機結合剤を含む。
この種の水溶性有機結合剤の例は、ポリビニルアルコール(PVA)である。
好ましくは、本発明の方法のこの実施形態において、被覆表面1m当たり5グラムから340グラムの間(これらの値を含む)の、過酸化物イオン源を有するイモゴライトおよび/またはアロフェンの粒子が堆積される。
一般に、溶媒は水である。しかしながら、数年間の機械的安定性を示さなければならないが水溶性有機結合剤を含有する水溶液を堆積させることにより得られる静菌フィルムを形成するために、イモゴライトおよび/またはアロフェンのポリマーは、過酸化物イオン、および乾燥操作後に層を強化することを意図する化学添加剤(架橋剤)、および必要に応じて別の「中性」無機充填剤を含有する。一方、不飽和オレフィンの(内側から外側への)「遠心的」重合のため、過酸化物イオンのナノ貯蔵部の特定の機械的耐久性を有する必要はなく、過酸化物イオンを含有するアロフェンポリマーおよび/またはイモゴライトの水性コロイドゾルで十分である。次いで、基材を乾燥させて溶媒を蒸発させ、重合させる不飽和オレフィンを含浸させる。
したがって、本発明による使用または本発明による方法によって得られる基材は、イモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの粒子と、過酸化物イオン源とを含む層でコーティングされた少なくとも1つの表面を備える。
過酸化物イオンは、空気中であっても、この基材上に保存および安定化される。
「空気中での安定化」とは、開放空気中、すなわち開放された環境中での安定性を意味する。
好ましくは、過酸化物イオンの貯蔵部として機能するイモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの粒子で被覆された基材の表面積1m当たりの量は、5グラムから340グラムの間(これらの値を含む)である。
より正確には、基材の少なくとも1つの表面をコーティングする層の、過酸化物イオンに対するイモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの質量比は、3から0.5の間である。
基材は、例えば、特にニスが亜麻仁油である場合の、ニス塗りされる表面であってもよい。
次いで、過酸化物イオンは、亜麻仁油または他の任意の乾性油、例えば天然または合成脂肪族オレフィンの重合に役立つ。天然乾性油として、主にα−リノレン酸、またはリノレン酸、またはオレイン酸、またはこれらの3種の酸の混合物で構成される天然油を挙げることができる。
実際に、亜麻仁油は、不飽和部位を含有するポリオレフィンである。
ニスの形成には、これらの二重結合の酸化が必要である。
亜麻仁油および同じ種類の他の天然油は、毒性であるだけでなく先進工業国において採用される持続可能な開発の方針に調和しない、石油から得られるポリマーを置き換えるために使用される。
したがって、かなり近い将来、例えば木に関する処理および安定化において、乾性油は、この市場区分において現在使用されているニスに置き換わるだろう。
しかしながら、主な酸化剤である空気の酸素は、より深い層に拡散するのが困難であり、ニスの表面とニスのより深い層との間の不均質な重合をもたらすため、特に厚いコーティングを得るために乾性油の重合を制御することは困難である。
したがって、本発明に基づき、ニス塗りされる表面は、過酸化物イオンを有するアロフェンおよび/またはイモゴライト型のアルミノシリケートポリマーの懸濁液で事前に処理され、次いで、例えばストーブにより乾燥され、次いで乾性油が含浸される。
アロフェンおよび/またはイモゴライト型のアルミノシリケートポリマーのナノ貯蔵部に含有される過酸化物イオンは、次いで、内部から外部に拡散して油の重合に関与し、一方ニスの表面は空気により酸化される。
すると、重合は、過酸または鉛塩等の有害な生成物を油に添加する必要なく均質となる。
重合した乾性油は極めて耐久性であり、ルネサンスの時代にニスとして使用された。
重合した乾性油は、非常に耐光性である。
また、重合した乾性油は、湿度に対する保護を提供するために、ソーラーパネルの包装に使用することができる。
したがって、本発明はまた、アロフェンおよび/またはイモゴライト型のアルミノシリケートポリマーの粒子と、過酸化物イオン源とを含む層でコーティングされた少なくとも1つの表面を備えることを特徴とする基材を提案し、前記層自体は、乾性油、好ましくは亜麻仁油の層でコーティングされている。
これらの用途において、イモゴライトおよび/またはアロフェンのポリマーは、高純度ではないイモゴライトおよび/またはアロフェンの天然または合成ポリマーであってもよい。
しかしながら、空気中での安定化のための本発明の薬剤はまた、長期的使用のための静菌表面を形成するために使用されてもよい。
実際に、表面をあらゆる微生物が存在しないように維持することは、取扱者および使用者にとって多少なりとも毒性である殺生物剤の混合物を使用せずに、または銀塩等の高価な化合物を使用せずに達成するのが非常に困難な課題である。
特に、熱交換器の領域において、細菌、酵母、黴、またはさらにシアノバクテリア等の微生物の増殖が壁に見られる場合、微生物は交換器の壁を空気側で隔離し、熱性能が低下する。
さらに、細菌および他の微生物は、エアコンディショナーの場合のように、分解して臭気的な汚染を発生させるか、またはさらに細菌性腐食による金属の劣化に関与する。

ここで、微生物は、過酸化物イオンの存在に非常に敏感であるが、これは、過酸化物ラジカルが、微生物の膜を形成する脂肪酸の二重結合を酸化するため、微生物が前記化学官能基を有する表面上で成長することができないためである。
したがって、本発明の方法により、過酸化物イオンを有するイモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの粒子の、交換器の表面への噴霧、浸漬、または塗膜による堆積によって、長期間微生物の成長を制御することができるはずである。
この堆積物は、自動車のエアコンおよび空気清浄器に使用することができる。
したがって、本発明はまた、今度は、イモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子と、過酸化物イオン源とを含む層でコーティングされた少なくとも1つの表面を備える少なくとも1つの基材を備えるデバイスを提案する。
このデバイスは、特に、熱交換器である。
これらの用途において、使用されるイモゴライトおよび/またはアロフェンのポリマーは、純粋である。
ここで、本発明のより良い理解のために、純粋に例示を目的として、限定することなくいくつかの実用的な例を説明する。
乾燥フィルム上の過酸化物ラジカルの非常に長期的な保存のための、イモゴライト型および/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの独自の容量を実証するために、以下のプロトコルを使用した。
過酸化水素およびデンプンまたはデンプンの化合物の存在下では、ヨウ化物イオンがヨウ素に酸化されることが知られている。
この反応は、強い橙黄色の着色をもたらす。
この酸化は、過酸化水素の存在下でのみ生じる。
したがって、以下の4つの異なる種類のアルミノシリケートを含有する水性懸濁液から薄層を生成した。
1)純粋なイモゴライト型のアルミノシリケートポリマー、
2)純粋なアロフェン型のアルミノシリケートポリマー、
3)Al/Si=2の比のシリカ−アルミナ混合物、
4)ハロサイト。ハロサイトは、Aldrich社から販売されている、Al/Si=2のモル比を有するアルミノシリケートの中空粒子である。
また、懸濁液は、長期間、亀裂を生じることなく機械的に安定な層を得るために、水溶性結合剤を含有する。
以下の例において、この結合剤は、ゼラチンまたはポリビニルアルコール(PVA)である。
また、懸濁液は、デンプン誘導体としてのシクロデキストリン、および30vol%の過酸化水素を含有する。
以下に示される例における様々な構成物質の割合は、同一である。
浸漬により、または顕微鏡スライド上への液滴の直接堆積により層を形成し、室温で、および空気中で2日間乾燥を行った。
2日間の乾燥後、ヨウ化ナトリウム(2wt%)の水溶液の液滴を、周囲水蒸気と平衡状態で、乾燥した層上に堆積させる。
薄層が利用可能な過酸化物イオンを含有する場合、薄層は深い橙色に変化する。
同じ条件下で保存された層に対して、5週間にわたり実験を繰り返す。
例1
3.12gのPVA(PVA4−88;M約31000;[CAS:9002−89−5];Batch:454841/2;Fluka社)、1gのβ−シクロデキストリン(供給元:Aldrich社)および3mlの30vol%Hを、純粋アロフェン(Al+Siとして9.6g/l)のポリマーの溶液75mlに添加する。アロフェン/過酸化物イオンの質量比は、0.7である。この反応混合物を加熱して、ポリビニルアルコールを溶解させる。5つのガラス板をコーティングし、次いで室温および50%の相対湿度で保存および乾燥させる。ガラス板の表面1m当たり、「過酸化物イオンを有する」アロフェンポリマー113gを堆積させた。
例2(比較例)
1gのβ−シクロデキストリンおよび3mlの30vol%Hを、4wt%のPVA(PVA4−88;M約31000;[CAS:9002−89−5];Batch:454841/2;Fluka社)の溶液75mlに添加する。一連の5つのガラス板をコーティングし、次いで室温および50%の相対湿度で保存および乾燥させる。
これらの板は、空気乾燥された層において過酸化物イオンを保存することの困難さを実証するブランクである。
例3
例1における手順に従うが、水溶性結合剤としてゼラチンを使用する(ウシ皮膚由来ゼラチン、B型;[CAS:9000−70−8];Batch:115K0144;Sigma−Aldrich社製)。無機充填剤/結合剤の質量比は、0.24である。
この例は、有機結合剤の性質が、観察される過酸化物イオンの保存および安定化の現象を説明するものではないことを示す。
例4
例1における手順に従ったが、この場合β−シクロデキストリンを添加しない。一連の5つのガラス板をコーティングし、次いで室温および50%の相対湿度で保存および乾燥させる。
過酸化物イオンの存在は、ヨウ化物イオンおよびβ−シクロデキストリンを含有する溶液をガラス板に添加することにより明らかとなる。
この例は、観察される過酸化物の安定化の効果が、アロフェンとβ−シクロデキストリンとの特定の相互作用に起因するものではないことを検証するために行った。
例5(比較例)
シリカおよびアルミナのナノ粒子(LUDOX(登録商標)CLコロイド状シリカHO中30wt%懸濁液;[CAS:7631−86−9];Batch:13701KE;Sigma−Aldrich社製)ならびにAlのナノ粒子(酸化アルミニウム、NanoTek(登録商標)AL−6050、HO中23%、コロイドディスパーション;[CAS:1344−28−1];Batch:1107896;ABCR社製)を含有するコロイド懸濁液75mlを調製し、ナノ粒子のディスパーションのAl/Siモル比は2であり、コロイド懸濁液のpHは4.16(アロフェンおよび/またはイモゴライトの懸濁液のpHと同様)であり、3.12gのPVA(PVA4−88;M約31000;[CAS:9002−89−5];Batch:454841/2;Fluka社製)をこの懸濁液に添加し、無機充填剤/結合剤の質量比は0.24である。次いで、1gのβ−シクロデキストリンおよび3mlの30vol%Hを添加する。反応混合物を加熱してPVAを完全に溶解し、次いでそれをガラス板上にコーティングする。5つのガラス板をコーティングし、次いで室温および50%の相対湿度で保存および乾燥させる。
例5の目的は、シリカまたはアルミナのナノ粒子を有するという事実が、観察される現象を説明するものではないことを示すことである。
例6
ハロサイト(0.75g)のコロイド懸濁液75mlを調製するが、ハロサイトは、Aldrich社により販売されている、Al/Siモル比=1であるアルミノシリケートの中空ナノ粒子であり、ナノ粒子の質量割合は、例1におけるアロフェンの質量割合と同一であり、無機充填剤/有機結合剤の比は0.24である。このために、次いで、3.12gのPVA(PVA4−88;M約31000;[CAS:9002−89−5];Batch:454841/2;Fluka社製)、1gのβ−シクロデキストリン(供給元:Aldrich社)、1gのβ−シクロデキストリンおよび3mlの30vol%Hを添加する。反応混合物を加熱して、ポリビニルアルコールを溶解させる。
5つのガラス板をコーティングし、次いで室温および50%の相対湿度で保存および乾燥させる。
この例の目的は、充填剤がアルミノシリケートであるという事実、およびナノ粒子が中空物体であるという事実が、観察される特性を説明するものではないことを示すことである。
例7
3.12gのポリビニルアルコール(PVA4−88;M約31000;[CAS:9002−89−5];Batch:454841/2;Fluka社)、1gのβ−シクロデキストリン(供給元:Aldrich社)および3mlの30vol%Hを、純粋イモゴライト(Al+Siとして27.9g/l)のポリマーの溶液75mlに添加する。イモゴライト/過酸化物イオンの質量比は、2である。この反応混合物を加熱して、ポリビニルアルコールを溶解させる。5つのガラス板をコーティングし、温度および50%の相対湿度で乾燥、次いで保存する。330g/m(板の表面積)の過酸化物イオンを有する純粋なイモゴライトポリマーを堆積した。
この例は、イモゴライト型のアルミノシリケートポリマーの、過酸化物イオンの保存および安定化に対する有効性を示す。
例8
結果
以下の表は、例1から7における実験の結果をまとめたものである。
Figure 2013534506
1週目は時間0であり、すなわち、コーティングには、温度および50%の相対湿度での2日間の乾燥が行われる。
他の週に関しては、各試験の間に1週間の熟成の増分がある。
この表において、1の評点は、強い着色に相当する。
この強い着色は、大量の利用可能な過酸化物イオンが存在することの証拠である。
表において、例2は、5週間後、4の評点に相当する。
したがって、表中の1から4の評点は、着色の減少する順番、したがって「乾燥」コーティングにまだ存在する過酸化物イオンの量の順番に相当する。
例1、3および4は、本発明の実施例に相当する。
5週間の乾燥後、過酸化物イオンはまだ存在することが分かる。
結合剤の性質は、ほとんど影響を与えない。過酸化物イオンは、β−シクロデキストリンおよびNaI(例4)の系において反応するために十分な移動性を有する。
例2は、PVAで構成される層における2日間の乾燥後、過酸化物イオンがもはや利用可能ではないことを示している。
例4および5は、層が、2日間の空気中での乾燥後、完全には乾燥していないこと、および過酸化物がまだ利用可能であることを示しているが、15日後には、もはやいかなる過酸化物も存在しないことを示している。したがって、過酸化物の安定化および保存の効果は、無機充填剤の存在に起因するものではなく、保存の効果は、アロフェンおよび/またはイモゴライト型のアルミノシリケートの性質に起因するものではなく、また、この保存の効果は、アロフェンまたはイモゴライト型のナノ粒子の中空の特徴のみに起因するものでもない(ハロサイトは中空のアルミノシリケートである)。

Claims (14)

  1. 空気中で過酸化物イオンを安定化させるための薬剤としての、イモゴライトおよび/またはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの粒子の使用。
  2. 空気中で過酸化物イオンを安定化させるための、基材上に堆積されるイモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子の使用。
  3. 空気中で過酸化物イオンを安定化させる方法であって、
    a)溶媒と、イモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子と、過酸化物イオン源と、必要に応じて結合剤とを含む懸濁液を調製するステップと、
    (b)乾燥させるステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  4. ステップa)とステップb)との間に、ステップa)において得られた懸濁液を、少なくとも1つの基材表面上に堆積させるステップを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 懸濁液が、3から0.5の間(これらの値を含む)のイモゴライトおよび/またはアロフェン/過酸化物イオンの質量比を有することを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
  6. 基材表面積1m当たり5グラムから340グラムの間(これらの値を含む)のイモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子が堆積されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  7. 過酸化物イオン源が、過酸化水素であることを特徴とする、請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 溶媒が水であり、結合剤がポリビニルアルコールであることを特徴とする、請求項3から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. イモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子と、過酸化物イオン源とを含む層でコーティングされた少なくとも1つの表面を備えることを特徴とする基材。
  10. 前記層が、1m当たり5グラムから340グラムの間のイモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子を含むことを特徴とする、請求項9に記載の基材。
  11. 前記層が、3から0.5の間のイモゴライトおよび/またはアロフェン/過酸化物イオンの質量比を有することを特徴とする、請求項9または10に記載の基材。
  12. イモゴライト型および/またはアロフェン型のポリマーの粒子と、過酸化物イオン源とを含む層上に、乾性油、好ましくは亜麻仁油の層をさらに備えることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の基材。
  13. 請求項9から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの基材を備えることを特徴とするデバイス。
  14. 請求項9から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの基材、または請求項4から8のいずれか一項に記載の方法、もしくは請求項2に記載の使用を適用することにより得られる少なくとも1つの基材を備えることを特徴とする、熱交換器。
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