JP2013531720A - 可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく材料およびそれを用いて製造された製品 - Google Patents

可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく材料およびそれを用いて製造された製品 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1つの可塑剤を備えるセルロースアセテートに基づく可塑材料であって、前記可塑剤が、クエン酸エステルを備える第1の可塑剤と、有機リン酸、グリセロールエステルおよびトリメリット酸エステルのグループから選択された少なくとも1つの第2の可塑剤との混合物を備えており、第1の可塑剤の含有量が第2の可塑剤と同等あるいはそれ以上であり、前記可塑剤の混合物が全体で前記可塑材料の25−35重量%を構成する可塑材料に関する。

Description

本発明は、可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく材料に関し、特に、メガネ類および宝石類の分野で使用されるよう適合された材料およびそれを用いて作製された関連する製品に関するものである。
セルロースアセテートは、1900年代初頭から工業的に使用されてきた生産物である。最初の応用は、フィルム、ラッカーおよび毛糸に関連するものであった。現代、セルロースアセテートの生産物の多くが用いられている製品は、紙巻きたばこのフィルターおよび織物のための繊維を含む。
ある程度は、セルロースアセテートの生産物は、それが透明な熱可塑性材料として使用される領域に狙いを定め、簡単に着色可能であり良好な機械的特性を有し並外れた透明性を有する物品を作製する。セルロースアセテートはより近年市販されるようになったポリマーよりも高いが、この熱可塑性材料は、今なお、老化防止性、透明性、衝撃強度性、耐化学および溶剤性、良好なフィーリングなどの特性を増進する特定の混合物として開発されたすき間市場を占有している。これらすき間市場における応用のいくつかの例は、自動車産業および家具製造産業を含む種々の産業における一連のアクセサリーや部品に加えて、以下の記載で焦点を合わせて説明する、メガネ類の分野(メガネおよびゴーグルのフレーム、フェースガードのためのバイザーおよびレンズなど)および宝石類である。
これらの応用の多くは、グルコース単位当たり平均2.2−2.4水酸基がアセチル化したセルロースアセテートを使用する。
可塑剤としての使用のために、特に、珍しい色/美学上の効果(例えば、ブロックから切り出された厚板から作製された物体)を得るために、塑性的な特徴を活かすことを希望する応用において、セルロースアセテートに可塑剤を添加し、その軟化温度を下げ、それにより暗色の部分的な分解および形成が起こる融点以下の温度での塑性加工を可能としている。使用される可塑剤は、明らかにセルロースアセテートのかなりの量と互換性がなければならず、適正な寿命を与えるために製品中で長期にわたって安定に残らなければならず、(選択した顔料の発色に影響を与えないように)無色でなければそして無色で残らなければならず、酸性となってはならない。
以下の材料が可塑剤として使用できることは周知のことである:とりわけ、フタル酸類(フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル)、トリメリット酸類(トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリブチル)、正リン酸のエステル類(リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸エチルエキシルジフェニル、リン酸イソデシルジフェニル)、クエン酸塩類(クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル)、安息香酸エステル類(安息香酸ジエチレングリコール、安息香酸ジプロピレングリコール)、アジピン酸類(アジピン酸ジメチル)、酒石酸類、オレイン酸類、セバシン酸類、アゼライン酸塩類、リシノール酸塩類、グリセロールエステル類(トリアセチンとして市場で知られているグリセリルトリアセテート、トリプロピオンとして市場で知られているクリセリルトリプロピン酸)。
リストした可塑剤および可塑剤のファミリーのすべてが、セルロースアセテートとの十分な互換性を有するわけではなく、また、十分な可塑化能力を有するわけではない。例えば、あるクエン酸が十分な可塑化を達成して十分にセルロースアセテートの軟化温度を下げるためには、最終製品の機械的特性を損ない、本特許出願の対象となるような応用においてそれを使用できない程度の大量の可塑剤が添加されなければならない。さらにまた、それらのうちのいくつか例えばクエン酸は、高い純度が選択されなければ(しかしながら、その場合はコストが増加する)、半製品に望ましくない色彩をもたらすため、工業的に使用することができない。
特に、(メガネ類または宝石類の品物のために)ブロックから切り出されたりあるいは押し出し成形により作製された厚板の製品の分野において、最も一般的に使用されている可塑剤はフタル酸ジメチル(DEP)である。
しかしながら、メガネフレームの製造のために可塑剤を有するセルロースアセテートを使用するときは特に、フタル酸ジメチルの使用は完全には満足できない。実際、DEPは、セルロースアセテートから、壊れないメガネレンズを製造するために、メガネ類のいくつかの部品で使用される材料であるポリカーボネートを含む、近くに位置する他の可塑剤に向かって移動しがちであることがわかっている。そのため、可塑剤としてフタル酸ジエチルを添加したセルロースアセテートからなるフレームにおいて、この可塑剤はレンズ中に長期間の間に移動し、レンズを半透明とし、クラックを形成するため、ポリカーボネートを使用することができない。同じ問題が、ポリカーボネート部品がセルロースアセテートからなるレンズやバイザーと一緒に使用される反対の場合においても起きている(例えば、スポーツ活動または個人保護のためのフェースガードやゴーグルにおいて、または、保護ヘルメットのバイザーとして)。
セルロースアセテートに基づく製品で一般的に使用することができる他の可塑剤は、特許文献1、特許文献2および特許文献3の文献に記載されている。しかしながら、これらの文献で与えられた提案は、特別で厳しい要求を有するメガネ類や宝石類の分野における特別な応用に関する本発明の状況に直接適用することができない。
米国特許第5,376,708号明細書 欧州特許第1,057,858号明細書 米国特許第2,109,593号明細書
出願人は、それに対し、適切な割合で、材料の良好な機械的性能をもたらし、工業的な加工において十分に経済的であり、それら自身の色合いを与えることなく、特に上述したようなポリカーボネート基の材料に対する移動の問題を含まない、セルロースアセテートに基づく可塑材料および可塑剤の選択を特定することを目的とする。
本発明の第1の目的は、そのため、可塑剤の移動の問題を含まず、DEPの添加を有するセルロースアセテートに匹敵するあるいはそれ以上の機械的特性を同程度のコストで提供する、可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく可塑材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、帯、厚板、コイルまたは他の形状の半製品の製造のため、「ブロック」または以下の押し出しのいずれかの加工に好適なセルロースアセテートに基づく可塑材料を提供することにある。
他の目的は、可塑剤の移動のためダメージを受ける材料(ポリカーボネートなど)とともに使用するために、特にメガネ類の分野において好適な、セルロースアセテートに基づく製品を提供することにある。
これらの目的は、その基本的な特徴が添付したメインクレームに記載されている製品によって達成される。
他の発明の構成となる特徴は従属クレームに記載される。
特に、本発明の第1の態様によれば、可塑剤を備えるセルロースアセテートに基づいて、前記可塑剤が、クエン酸エステルを備える第1の可塑剤と、有機リン酸、グリセロールエステルおよびトリメリット酸エステルのグループから選択された少なくとも1つの第2の可塑剤との混合物を備えており、第1の可塑剤の含有量が第2の可塑剤と同等あるいはそれ以上であり、前記可塑剤の混合物が全体で前記可塑材料の25−35重量%を構成する可塑材料が提供される。
本発明のある態様によれば、前記第1の可塑剤がクエン酸アセチルトリエチル(CTR)である。
第2の好ましい態様によれば、前記第2の可塑剤が、リン酸トリフェニル、リン酸アルキルジアリール、リン酸トリフェニル、リン酸エチルエキシルジフェニルおよびリン酸イソデシルジフェニルから選択され、好ましくはリン酸トリフェニル(TPP)である。
好ましい択一的な態様によれば、前記第2の可塑剤が、トリメリット酸トリメチル(TMTM)およびトリメリット酸トリエチルから選択される。
さらに別の択一的な態様によれば、前記第2の可塑剤が、グリセリルトリアセテートおよびグリセリルトリプロピン酸から選択される。
本発明の特定な態様は、前記可塑剤の混合物内において、前記第1の可塑剤が60−70重量%であり、前記第2の可塑剤が40−30重量%の量の有機リン酸またはグリセロールエステルであることを提供する。
あるいは、前記可塑剤の混合物内において、前記第1の可塑剤が60−85重量%であり、前記第2の可塑剤が40−15重量%のトリメリット酸エステルである。
別の態様によれば、本発明は、少なくとも1部分に上述した可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく材料を備えるメガネフレームを提供する。特に、それは上述したフレームとポリカーボネート基材料からなるレンズとを備えることを特徴とするメガネ類を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、少なくとも1部分に上述した可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく材料を備える、メガネ類/ゴーグル類またはフェースガード類のためのレンズ、または、電子部品を含む装置のための支持プレートまたはカバーを提供する。
本発明に従った製品および製造された物品のさらなる特徴および効果は、実施例により与えられ、添付した図面を参照して描かれた、好ましい実施形態の以下の詳細な記載からより明らかになるであろう、ここで:
可塑剤の添加を有するセルロースアセテートの試料と接触して配置されたポリカーボネートのサンプルの重量(移動)におけるパーセント増加の、DEP可塑剤およびCTR/TPPでの、比較カーブを示すグラフであり; 可塑剤の添加を有するセルロースアセテートの試料内の可塑剤の蒸発に寄与し得る重量(揮発度)におけるパーセント減少の、DEP可塑剤およびCTR/TPPでの、比較カーブを示すグラフであり; 可塑剤の添加を有するセルロースアセテートの試料と接触して配置されたポリカーボネートのサンプルの重量(移動)におけるパーセント増加の、DEP可塑剤およびCTR/TMTMでの、比較カーブを示すグラフであり;そして 可塑剤の添加を有するセルロースアセテートの試料内の可塑剤の蒸発に寄与し得る重量(揮発度)におけるパーセント減少の、DEP可塑剤およびCTR/TMTMでの、比較カーブを示すグラフである。
自分自身の研究に基づき、出願人は、上述した目的を達成するために好適な材料が、−好ましくはグルコース単位当たり平均2.2−2.4水酸基がアセチル化した−クエン酸エステルから構成された第1の成分と、有機リン酸、グリセロールエステルおよびトリメリット酸エステルのグループから選択された第2の成分と、を備える可塑剤の混合物の添加を有し、第1の成分の含有量が第2の成分と同等あるいはそれ以上である、セルロースアセテートに基づく材料であることを決定することができた。セルロースアセテート/可塑剤全体における可塑剤の2成分混合物の含有量は25−35重量%であり;この量を以下「可塑化度」として簡潔に参照する。
以下に示すパーセント比における、この特定の可塑剤の組合せは、この材料がメガネ類の領域(フレーム、フェースガード、レンズ、バイザーなど)および宝石類の同様の領域で特に使用されると、セルロースアセテートに対し可塑剤の理想的な混合物を構成する。それによって製造された材料は、実際に、受け入れることができる原料および加工のコストとともに、優れた機械的および美的特性を有し、ポリカーボネート中への移動はなく(あるいは無視できる程度存在する)、それ自身の着色は無視でき、全体の揮発度は低く、−そのため、製品の十分な安定性を有している−。
特に、本発明の材料に対し可塑剤として使用される2つの成分は、クエン酸アセチルトリアルキルおよび好ましくはクエン酸アセチルトリエチル(CTR)またはクエン酸アセチルトリブチルなどのクエン酸エステル−、および、リン酸トリアリールおよびリン酸アルキルジアリール好ましくはリン酸トリフェニル(TPP)、リン酸エチルヘキシルジフェニルおよびリン酸イソデシルジフェニルなどの有機リン酸塩−、または、好ましくはグリセリルトリアセテートおよびグリセリルトリプロピン酸などのグリセロールエステル−、または、トリメリット酸メチルおよびトリメリット酸トリエチル好ましくはトリメリット酸トリメチル(TMTM)のようなトリメリット酸エステル、によって構成される。
望ましい結果を与える可塑剤の混合物は、クエン酸エステルからなる第1の成分を50−90重量%と、グリセロールまたはトリメリット酸からなる第2のリン酸成分を50−10%と、を含む。最も好ましい混合物は、クエン酸を60−70%および有機リン酸またはグリセロールエステルを40−30%、または、クエン酸を60−85%およびトリメリット酸エステルを40−15%、の範囲内における2成分含有量を含む。
押し出しまたはブロックから作製された、本発明に係る材料のいくつかの実施例を、いくつかの比較例とともに、以下に示す。後に、本発明に係る材料から得られた試料で得られた技術的特徴を、周知技術から得られた比較例と比較して、記載する。
押し出された材料およびクエン酸/リン酸またはクエン酸/トリアセチン可塑剤
実施例1(研究室テストNo.32、CTR/TPP組成65/35、可塑化度28%に対応)
研究室の混合器において、39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテートを、546gのクエン酸アセチルトリエチル(CTR)および294gのリン酸トリフェニルと混合した。材料を60℃まで昇温し、混合器で3時間混合した。室温に冷却した後、混合物は、自由流動の粒子の形態となり、ホッパーを通過して単軸スクリュー押し出し機に導入された。押し出し機のジャケットは、約210℃まで加熱され、頭部に直径2mmの穴を有する金型を有していた。押し出し機のシリンダー中の溶解した材料は、押し出し機の頭部において糸の形状に金型から放出され、放出された糸は約2mm長さのペレットに切断された。
実施例2(研究室テストNo.4、CTR/TPP組成68/32、可塑化度28%に対応)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、570gのクエン酸アセチルトリエチルおよび270gのリン酸トリフェニル。
実施例3(研究室テストNo.53、CTR/TPP組成65/35、可塑化度31%に対応)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2070gのパウダー状のセルロースアセテート、604.5gのクエン酸アセチルトリエチルおよび325.5gのリン酸トリフェニル。
実施例4(研究室テストNo.21、CTR/TPP組成60/40、可塑化度28%に対応)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、504gのクエン酸アセチルトリエチルおよび336gのリン酸トリフェニル。
実施例5(研究室テストNo.65、CTR/EDPP組成65/35、可塑化度28%に対応)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、リン酸トリフェニルをリン酸エチルヘキシルジフェニル(EDPP)に置き換えた。そして以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、546gのクエン酸アセチルトリエチルおよび294gのリン酸エチルヘキシルジフェニル。
実施例6(工業適用性テスト、CTR/TPP組成65/35、可塑化度28%に対応)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、従来方法によって可塑化したペレットを作製するために通常使用される−研究室のそれらよりは−工業的な装置および方法を使用した。そして以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する144kgのパウダー状のセルロースアセテート、36.4kgのクエン酸アセチルトリエチルおよび19.6kgのリン酸トリフェニル。
実施例6の2(研究室テスト、CTR/トリアセチン組成65/35、可塑化度28%に対応)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、546gのクエン酸アセチルトリエチルおよび294gのトリアセチン。
比較例C1(研究室テストNo.5、28%の可塑化度を有する標準的なDEPの添加を示す)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、840gのフタル酸ジエチル。
比較例C2(研究室テストNo.20、CTR/TPP組成80/20、すなわち、最も好ましい範囲外を示す)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、672gのクエン酸アセチルトリエチルおよび168gのリン酸トリフェニル。
比較例C2a(100%クエン酸アセチルトリエチレン可塑剤および28%の可塑化度)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、840gのクエン酸アセチルトリエチル(CTR)。室温に冷却した後、混合物は、自由流動の粒子の形態となり、ホッパーを通過して単軸押し出し機に導入された。十分な可塑化は達成できず、押し出し機のジャケットを約210℃まで再加熱したが、金型頭部の直径2mmの穴から材料を放出することは大変難しいことがわかった。
比較例C2b(100%クエン酸アセチルトリエチル(CTR)可塑剤および30%の可塑化度)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2100gのパウダー状のセルロースアセテート、900gのクエン酸アセチルトリエチル(CTR)。
比較例C3(研究室テストNo.22、CTR/TPP組成50/50、すなわち、最も好ましい範囲外を示す)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、420gのクエン酸アセチルトリエチルおよび420gのリン酸トリフェニル。
比較例C4(研究室テストNo.71、20%の可塑化度を有するCTR/TPP組成65/35を示す)
実施例No.1を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2400gのパウダー状のセルロースアセテート、390gのクエン酸アセチルトリエチルおよび210gのリン酸トリフェニル。
実施例1、2、3、4、5、6の2および比較例C1、C2、C2b、C3およびC4で得られたペレットを使用して、関連する基準で要求される機械的、形状的およびサイズ的な特性を有する適当な試料を射出成形によって作製した。以下の機械的特性が試料に対し特定された:
ASTM基準D638に従った引張強度
ASTM基準D790に従った弾性率
ASTM基準D785に従ったロックウェル硬さ
ISO基準179に従ったシャルピー衝撃強度
これらの試料に対し実施された機械的特性のテスト結果を、以下の表1に示す。
以上のことから、本発明にかかる実施例1−6の2で得られた材料の機械的特性は、先行技術すなわち比較例C1で得られた材料と同等あるいはそれ以上である。特に、本発明にかかる可塑剤がより大きい表面硬度を与えることが推測できる。本発明で最も好ましいと示された範囲外の組成物に関する比較例C2およびC3は、受け入れることはできるがそれほど望ましくないとの結果を与えている。特に、過度の量のCTRは最大引張応力を減少させ;さらにまた、最も好ましいと示された範囲外では、衝撃強度特性が劣化することに注目すべきである。
また、好ましい範囲よりも低い可塑化度により、すなわち、20重量%可塑剤のみを使用する比較例C4において、より剛性が高く脆い製品が得られることに注目すべきである。
比較例C2bは、十分(30%)に押し出される材料を可能とする可塑化を得るために、十分な量のCTRのみを使用することによって、本特許出願の対象となる応用にとって好適でない大変低い弾性率を有する最終製品が得られることを示している。
さらなるテストが、本発明に係る材料で使用される可塑剤の混合物の揮発度のレベルを、および、全ての試料に対するポリカーボネートに向かう移動の程度を、それぞれチェックするために実行された。
テストは、押し出しにより作製された厚さ約5mmの厚板から得られた、可塑化したセルロースアセテートの試料の2つの異なるタイプについて実行された:
A.実施例6に従って得られた可塑剤を有するセルロースアセテートのペレット;
B.可塑剤として28%リン酸ジフェニルの添加を有する、一般的な工業方法で作製されたセルロースアセテートのペレット。
厚さ約5mmの板によって構成された、可塑化されたセルロースアセテートの試料との組合せとして、厚さ約1mmの厚板から得られた、ポリカーボネートの試料を準備した。
可塑剤を有するセルロースアセテートの試料およびポリカーボネートの試料を、一緒に重ね合わせて、テストに使用した。
特に、2つの塑性AおよびBのそれぞれに対し、「ポリカーボネート/セルロースアセテート/ポリカーボネート」のサンドウィッチ構造を準備し、次に、5kgの重量とされた2つの金属シート間に配置し、そして、70℃に温度制御されたオーブン中に配置した。アセテートおよびポリカーボネートの試料の重量を、テスト開始時、1、2、5および9日経過後において、測定した。
表2は、DEPの添加を有するセルロースアセテートの試料およびそれと接触するポリカーボネートの試料のそれぞれの重さを示している。
表3は、実施例6から得られた材料で準備された、本発明に係る可塑剤を有するセルロースアセテートの使用およびそれと接触するポリカーボネートの試料のそれぞれの重さを示している。
図1は、グラフ形式で、すなわち、一方ではDEP添加を有するセルロースアセテートと接触するよう、他方では本発明の可塑剤の混合物添加を有するセルロースアセテートと接触するよう、配置されたポリカーボネートの試料の重量におけるパーセント変化の観点で、同じ比較を示している。先行技術のセルロースアセテートと接触したポリカーボネートの試料は、ポリカーボネート中へのDEPの移動のため、重量が増加した。ポリカーボネートの試料は不透明となった。一方、本発明のセルロースアセテートに基づく材料と接触して配置されたポリカーボネートの試料は、初期フェーズにおいてほんの僅かの重量減少が起こる(蒸発の初期的なロスと関連して)が、セルロースアセテートからポリカーボネートへの可塑剤の移動によるいかなる重量の増加も示さなかった。この結果は、ポリカーボネートと組合せた場合あるいは接触した場合の使用を比較して、本発明の製品の優れた特性を確認できた。
上述したものと同じテスト中、サンドウィッチ構造の重量減もまた測定された。図2は、グラフ形式で、可塑剤の蒸発によるサンドウィッチ構造の重量におけるパーセントロスを示している(初期フェーズでは、ポリカーボネートの重量における初期ロスの大きな影響があるが、これは試料の両タイプにおいて同じである)。図2は、本発明の材料の重量におけるパーセントロスが、先行技術の材料(すなわちDEPを含む可塑剤)の約半分であること、を示している。
ブロックから切断された材料およびクエン酸/リン酸可塑剤
実施例7(研究室テスト「ブロック12」、CTR/TPP組成70/30、可塑化度28%に対応)
研究室の混合器において、39.8%のアセチル化度を有する5.04kgのパウダー状のセルロースアセテートを、1.37kgのクエン酸アセチルトリエチル、0.59kgのリン酸トリフェニルおよび3.0kgの溶媒と混合した。材料を、約100℃まで昇温し、約1/2時間の間混合器内で混合した。それにより得られたペーストを、90℃で約2時間加熱したプレス中で、断面約40×20cmの形状に成形した。冷却後、ブロックを厚さ6mmの厚板に切断し、溶媒を除去するためにそれをさらに乾燥した。
機械的特性テストのための試料を、上述した機械的テストのために示されたものと同様の方法で、得られた厚板から直接切断した。
実施例8(研究室テスト「ブロック14」、CTR/TPP組成65/35、可塑化度28%に対応)
実施例7を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する5.04kgのパウダー状のセルロースアセテート、1.27kgのクエン酸アセチルトリエチル、0.69kgのリン酸トリフェニルおよび3.0kgの溶媒。
比較例C5(研究室テストNo.13、可塑化度28%を有する標準DEP可塑剤の添加に対応)
実施例7を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する5.04kgのパウダー状のセルロースアセテート、1.96kgのクエン酸フタル酸ジエチルおよび3.0kgの溶媒。
サンプル7−8およびC5のブロックから得られた試料に対し実行された機械的特性テストの結果を、以下の表4に示す。
表から、本発明の製品は、たとえブロックから切り出したとしても、先行技術の製品に近似した機械的特性を有し、また、大きな表面硬度を有することは、明らかである。
可塑剤の移動および蒸発テストは、押し出しによって得られた材料の上述したサンプルに対するテスト結果と実質的に同じであることを確認した。
押し出された材料およびクエン酸/トリメリット酸トリメチル可塑剤
実施例9(研究室テストNo.66、CTR/TPP組成80/20、可塑化度28%に対応)
研究室の混合器において、39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテートを、672gのクエン酸アセチルトリエチル(CTR)および168gのトリメリット酸トリメチルと混合した。材料を60℃まで昇温し、混合器で3時間混合した。室温に冷却した後、混合物は、自由流動の粒子の形態となり、ホッパーを通過して単軸スクリュー押し出し機に導入された。押し出し機のジャケットは、約210℃まで加熱され、頭部に直径2mmの穴を有する金型を装着していた。押し出し機のシリンダー中の溶解した材料は、押し出し機の頭部において糸の形状に金型から放出され、放出された糸は約2mm長さのペレットに切断された。
実施例10(研究室テストNo.37、CTR/TPP組成60/40、可塑化度28%に対応)
実施例No.9を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、504gのクエン酸アセチルトリエチルおよび336gのトリメリット酸トリメチル。
実施例11(研究室テストNo.54、CTR/TPP組成60/40、可塑化度31%に対応)
実施例No.9を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2070gのパウダー状のセルロースアセテート、558gのクエン酸アセチルトリエチルおよび372gのトリメリット酸トリメチル。
比較例C6(研究室テストNo.6、CTR/TPP組成50/50、可塑化度28%に対応)
実施例No.9を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する2160gのパウダー状のセルロースアセテート、420gのクエン酸アセチルトリエチルおよび420gのトリメリット酸トリメチル。
試料が実施例1−6と同様の手段で得られた時点で、機械的特性テストを実行した。機械的特性テストの結果を以下の表5に示す。
さらなるテストが、可塑剤の揮発度のレベルを、および、全ての試料に対するポリカーボネートに向かう移動の程度を、それぞれチェックするために実行された。
この目的のため、ペレットが実施例9(28%の可塑化度を有するCTR/TMTM組成80/20)に記載された手順で作製され、それらは可塑化されたセルロースアセテートの厚板を押し出すために使用され、そこから可塑剤移動テストのために試料を切り出し、それはDEPおよび65/35CTR/TPPシステムに対し上述したものと同様の方法で実行された。
表6は、CTR/TMTM組成80/20で可塑化されたセルロースアセテートの試料の重量を示している。
図3は、グラフ形式で、CTR/TMTMの添加を有するセルロースアセテートと接触して配置されたポリカーボネート試料の重量におけるパーセント変化を、DEP可塑剤を有する試料に対して行った重量におけるパーセント変化と比較して、示している。
図4は、グラフとして、同じタイプの試料における可塑剤の蒸発による重量におけるパーセントロスを示している。
そのため、CTR/TMTM可塑剤もまたCTR/TPP可塑剤と同様の性能を有し、ポリカーボネートと組み合わせたあるいは接触させた使用と比べて本発明の材料の優れた性能、および、周知技術(例えばDEP可塑剤を有する)の可塑化された製品と比較して蒸発による重量の少ないロス、を確認できることがわかる。
ブロックから切り出された材料およびクエン酸/トリメリット酸トリメチル可塑剤
実施例12(研究室テスト「ブロック7」、CTR/TPP組成67/33、可塑化度30%に対応)
研究室の混合器において、39.8%のアセチル化度を有する4.90kgのパウダー状のセルロースアセテートを、1.40kgのクエン酸アセチルトリエチル、0.70kgのトリメリット酸トリメチルおよび3.0kgの溶媒と混合した。材料を約100℃まで昇温し、混合器で1/2時間混合した。それにより得られたペーストを、90℃まで加熱したプレス中で、断面約20×40cmのブロックに成形した。冷却後、ブロックを厚さ6mmの厚板に切断し、全ての溶媒を実質的に除去するためにそれをさらに乾燥した。機械的特性のための試料を、上述した機械的テストのために示されたものと同様の方法で、得られた厚板から直接切断した。
実施例13(研究室テスト「ブロック16」、CTR/TPP組成67/33、可塑化度28%に対応)
実施例12を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する5.04kgのパウダー状のセルロースアセテート、1.31kgのクエン酸アセチルトリエチル、0.65kgのトリメリット酸トリメチルおよび3.0kgの溶媒。
実施例14(研究室テスト「ブロック17」、CTR/TMTM組成60/40、可塑化度28%に対応)
実施例12を同じ手順で繰り返したが、以下の材料の量を使用した:39.8%のアセチル化度を有する5.04kgのパウダー状のセルロースアセテート、1.18kgのクエン酸アセチルトリエチル、0.78kgのトリメリット酸トリメチルおよび3.0kgの溶媒。
上述した試料における機械的特性の結果を以下の表7に示す。
さらなるテストが、可塑剤の揮発度のレベルを、および、全ての試料に対するポリカーボネートに向かう移動の程度を、それぞれチェックするために実行された。結果は、押し出して作製した製品に対し得られた前回の結果と実質的に同じであった。
上述したように可塑化されたセルロースアセテートに基づく製品は、応用の望ましい分野において最適であることが証明され、そのため前提部分で述べられた目的は完全に達成された。
セルロースアセテートのために選択された可塑剤の混合物は、周知の可塑剤で得られた特性に少なくとも匹敵する機械的特性を有する、製品特にメガネのフレームや他の部品を作製することができ、以下のような追加の特徴を有する:
本発明の製品によって作製されたポリカーボネートと接触して配置された品物は、可塑剤のいかなる移動をも示さない;そのため、ポリカーボネートの混濁化は発生せず、および/または、クラックも形成されない;このことは、例えば、セルロースアセテートに基づく製品で作製されたメガネフレームにポリカーボネートレンズの使用を可能とする;
このような方法で選択された可塑剤の混合物は、通常使用される可塑剤よりも蒸発性が低く:長期にわたる可塑剤のロスはほとんどなく、このことは製造された品物に長寿命を与える;
本発明の製品を使用して形成された品物は:
−より大きい表面硬度を有し、そのため表面加工(例えばメガネの転動)は簡単となり、最終製品に傷がつかない;
−長期にわたりその形状を良好に保ち、そのためメガネフレームの場合、安定性および使用の効果を劣化させない。
最後に、主となる可塑剤の成分(クエン酸)と第2の成分との量の間の正しい妥協が、通常黄色の(工業グレードの)クエン酸の色が製造した品物の最終的な色に悪影響を与えない。
いずれにしても、本発明は、本発明の非限定的な例である上述した特定の構成に限定されるものではなく、それによって本発明の保護範囲外にならない限り、当業者の能力内のいていくつもの変形が可能である。
例えば、説明は明細書においてメガネ類および宝石類の分野における可塑材料の使用に対し成されているが、このことは、同じ材料を他の領域に好適に適用することを除外しておらず、例えば電子部品に追加した可塑剤の移動を避けることが重要である。

Claims (11)

  1. 少なくとも1つの可塑剤を備えるセルロースアセテートに基づく可塑材料であって、前記可塑剤が、クエン酸エステルを備える第1の可塑剤と、有機リン酸、グリセロールエステルおよびトリメリット酸エステルのグループから選択された少なくとも1つの第2の可塑剤との混合物を備えており、第1の可塑剤の含有量が第2の可塑剤と同等あるいはそれ以上であり、前記可塑剤の混合物が全体で前記可塑材料の25−35重量%を構成することを特徴とする可塑材料。
  2. 前記第1の可塑剤がクエン酸アセチルトリエチル(CTR)であることを特徴とする、請求項1に記載の可塑材料。
  3. 前記第2の可塑剤が、リン酸トリフェニル、リン酸アルキルジアリール、リン酸トリフェニル、リン酸エチルエキシルジフェニルおよびリン酸イソデシルジフェニルから選択され、好ましくはリン酸トリフェニル(TPP)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の可塑材料。
  4. 前記第2の可塑剤が、トリメリット酸トリメチル(TMTM)およびトリメリット酸トリエチルから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の可塑材料。
  5. 前記第2の可塑剤が、グリセリルトリアセテートおよびグリセリルトリプロピン酸から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の可塑材料。
  6. 前記可塑剤の混合物内において、前記第1の可塑剤が60−70重量%であり、前記第2の可塑剤が40−30重量%の量の有機リン酸またはグリセロールエステルであることを特徴とする、請求項1、3または5に記載の可塑材料。
  7. 前記可塑剤の混合物内において、前記第1の可塑剤が60−85重量%であり、前記第2の可塑剤が40−15重量%のトリメリット酸エステルであることを特徴とする、請求項1または4に記載の可塑材料。
  8. 少なくとも1部分に可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく材料を備えるメガネフレームであって、前記可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく材料が請求項1−7のいずれか1項に記載の可塑材料であることを特徴とするメガネフレーム。
  9. 請求項8に記載のフレームとポリカーボネート基材料からなるレンズとを備えることを特徴とするメガネ。
  10. 少なくとも1部分に可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく材料を備えるメガネ類またはフェースガード類のためのレンズであって、前記可塑剤を有するセルロースアセテートに基づく材料が請求項1−7のいずれか1項に記載の可塑材料であることを特徴とするレンズ。
  11. 電子部品を含む装置のための支持プレートまたはカバーであって、請求項1−7のいずれか1項に記載の可塑材料から構成されたことを特徴とする支持プレートまたはカバー。
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