JP2013530140A - ジニトロトルエンの水素化によるトリレンジアミンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、反応器の下流に接続された生成物分離部をもつ反応器中で、懸濁したニッケル含有触媒の存在下で水素を用いてジニトロトルエンを液相水素化して、反応器からニッケル含有触媒が懸濁したトルエンジアミンとジニトロトルエンを含む液相を含む排出生成物を得るトルエンジアミンの連続的な製造方法であって、反応器から排出される生成物の液相中のジニトロトルエンの濃度が、反応器と下流の生成物分離部の間の領域において、反応器から排出される生成物の液相の総重量に対して1〜200重量ppmの範囲に設定される方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジニトロトルエンを水素化してトリレンジアミンを製造する方法に関する。
トルエンジアミン(以下、TDAと称す)は、工業的に多用される芳香族アミンである。
特に、主にポリウレタンの製造に用いられるトリレンジイソシアネートにまでさらに加工される。TDAは、工業的にジニトロトルエン(以下、DNTと称す)の触媒的水素化で製造されている。
本反応で非常に高い収率と選択性を達成するために、また比較的高い反応温度で安定な触媒を発見するために、本反応用の多くの触媒が開発されている。
DNTの水素化は、強発熱性の反応である。したがって、常に反応熱を、例えば水蒸気の形で利用しようとしている。
反応熱の除去に特に好適な反応器として、WO00/35852A1には、内部循環流路と外部循環流路とをもちまた上端部に駆動用ジェットノズルを持つ垂直に配置された装置であって、このノズルから反応底から取り出された反応混合物が、発熱性ループを経由して反応器の上部に注入され、次いで反応器の長さ方向に設けられた中央のプラグインチューブの中を上から下向きに流れ、そらせ板により向きが変えられて、もう一度プラグインチューブの外側で内部循環流路内を上向きに流れる反応器が提案されている。反応熱を除くために、熱交換器が、特にフィールドチューブ、即ち反応器の長さ方向に垂直に設けられた二重チューブで、内側のチューブが末端で外側のチューブに開放されており、外側のチューブが底で反応空間から閉鎖されているもので、内部を熱伝達媒体、特に水が流れで反応熱を除くものが、この反応器の内部に設けられている。反応器の内側に設けた熱交換器による熱の除去に加えて、外部循環流路中に熱交換器を設けてもよい。WO00/35852A1に記載の方法により、高い空時収率で副反応を大きく抑えながら芳香族アミンが製造されるといわれる。
しかしながら、特に低触媒含量を使用した場合には、反応器中の、特にDNTが導入される位置での下向流中で、しばしばニトロ芳香族化合物の含量が増加することがあることが明らかとなった。
DE19844901C1には、液相法での芳香族アミンの製造方法で、複数の孔をもつ環状の導管からニトロ芳香族化合物を反応器中に供給する方法が記載されている。過熱を防ぐため、したがってニトロ芳香族化合物の熱分解のリスクを除くために、この環状導管を外部の熱交換器で冷やすこともできる。この方法では、特に良くニトロ芳香族化合物を反応混合物中に分布させることができるといわれている。適当とされる反応器は、例えばループ反応器や気泡塔であり、好ましくは攪拌容器である。DE19844901C1に記載の方法の長所は、触媒不活性化と副生成物形成の両方が大きく低下することである。
上記のTDA製造方法の目標は、触媒不活性化と副生成物形成が少ない方法を提供することである。したがって本発明の目的は、DNTを触媒的水素化してTDAを製造する経済的に魅力のある方法であって、触媒の運転寿命が長く、DNTからTDAへの変換の選択性を確保できる方法を提供することである。
したがって、本発明は、反応器の下流に生成物分離部をもつ反応器中で、懸濁したニッケル含有触媒の存在下で水素を用いてジニトロトルエンを液相水素化して、反応器からニッケル含有触媒が懸濁したトルエンジアミンとジニトロトルエンを含む液相を含む排出生成物を得るトルエンジアミンの連続的な製造方法であって、反応器から排出される生成物の液相中のジニトロトルエンの濃度が、反応器と下流の生成物分離部の間の領域において、反応器から排出される生成物の液相の総重量に対して1〜200重量ppmの範囲に設定される方法を提供する。
例えば反応温度、水素分圧、滞留時間、触媒濃度または触媒活性を下げることにより、あるいはジニトロトルエンの供給量を増加することにより、DNT最小濃度を少なくとも1ppmに維持すると、副生成物の形成を大きく減少させることができることが明らかとなった。
また、DNT濃度を200ppm以下に制限することにより、触媒の不活性化を大きく避けることができることが明らかとなった。
要するに、ジニトロトルエン濃度を1〜200ppmの範囲の値に設定することにより副生成物形成を減少させるとともに触媒不活性化をほとんど避けることができることが明らかとなった。
反応器から排出される液状生成物中のジニトロトルエン濃度は、反応器から排出される液状生成物の総重量に対して好ましくは1〜100重量ppm範囲の値に設定することが好ましく、反応器から排出される液状生成物の総重量に対して2〜50重量ppm値に設定することがより好ましく、反応器から排出される液状生成物の総重量に対して3〜30重量ppm値に設定することが特に好ましい。
本発明の目的では、「反応器と生成物分離部の間の領域に排出される液状生成物」は、これを経由して生成物が反応器から排出される単一または複数の液体流を意味する。この排出生成物は、低DNT濃度の場所で排出されることが好ましく、即ち例えば、触媒除去装置のDNT供給口の反対側の位置で排出されることが好ましい。攪拌槽反応器の場合には、このために、単純なオーバフローがしばしば触媒除去装置として用いられる。他方、ループ反応器の場合、排出生成物は通常外部ループから排出される。
したがって、この「反応器と生成物分離部の間の領域に排出される液状生成物」中のDNT濃度を正確に1〜200ppmに維持することは、同時に前の反応器中での混合と反応プロセスに最終の制御を行っていることとなる。直接反応器中のいろいろな点でDNT濃度を適度に維持することは、技術的に極めて複雑な仕事であるということに留意されたい。この場合、DNTが導入される位置(及び/又は流動が比較的弱い反応器の領域)に近いほど、設定する濃度範囲は大きく増加する。
生成物分離部または触媒除去装置は、一般的にはフィルター(例えばメンブランフィルター/クロスフローフィルター)、スタチックデカンター(例えば重力セパレータまたはセトラー、しばしば板状のクラリファイヤ)またはダイナミックデカンター(例えば、遠心器またはジェットセパレータ)である。この触媒は、生成物から分離された後、反応器に(一般的には、濃縮懸濁液として)再循環される。この排出生成物は、触媒を保持したまま排出されることが特に好ましい。次いでこのアミンを、従来から既知の方法で、例えば蒸留または抽出で精製することができる。
反応器から排出される液状生成物中のジニトロトルエン濃度の繰り返し測定して、反応器と下流の生成物分離部の間の領域において反応器から排出される液状生成物中のDNT濃度を設定するが、この測定は、≦24時間の時間間隔で行われる。この測定は、≦12時間の時間間隔で連続的に繰り返すことが好ましく、≦4時間が特に好ましく、≦1時間が極めて好ましい。測定に用いられる時間間隔は、反応器と生成物分離部の間の領域におけるDNT濃度の変化が迅速に検出できるように選択されるべきである。測定用の試料は、(例えばセトラーを用いる場合には)通常生成物分離部の上流で抜き出され、(例えば、フィルターを用いる場合には)生成物分離部の下流で抜き出される。DNT濃度の測定は、インラインで行ってもオンラインまたはオフラインで行ってもよい。
本発明の方法が実施可能な反応器として、ニトロ芳香族化合物の連続的な水素化に適した反応器なら原則として全ての反応器が使用できる。本発明の方法に適当な反応器は、連続運転型の攪拌槽反応器や循環流反応器またはループ反応器であり、気泡塔も同様に好適である。例えばWO00/35852A1に記載されているように、本発明の方法では、内部循環流路と外部循環流路をもつ攪拌槽反応器、ループ反応器、気泡塔あるいはジェットループ反応器を使用することが好ましい。
本発明の方法でDNTがTDAに水素化される。特に副産物形成と触媒不活性化の低下が認められる。
本発明の方法では、この水素化が、5〜50barの範囲の圧力で、好ましくは10〜40barの範囲の圧力、特に好ましくは20〜30barの範囲の圧力で行われる。ジニトロトルエンのトルエンジアミンへの水素化の運転温度は、一般的には50〜250℃の範囲にあり、好ましくは80〜200℃の範囲、好ましくは105〜130℃の範囲にある。
本発明の他の好ましい実施様態においては、本発明の方法は、反応器と生成物分離部の間の領域において、部分的に水素添加した中間体アミノニトロトルエン(以下、短縮してANTと称す)の濃度も、0〜2000ppmの範囲、好ましくはANT濃度が0.5〜1000ppmの範囲、特に好ましくはANT濃度が1〜200ppmの範囲となるように制御されるように運転される。この部分水素添加の中間体の濃度を最初に述べた範囲に設定することにより、更なる触媒不活性化の低下と、更なる副生成物形成の減少をさせることができる。一般にDNTとANTの濃度は概ね平衡に動く。
TDAの製造には多くの触媒が使用可能である。
本発明の第一の一般的な実施様態においては、本発明の方法は、上述のように触媒の存在下で、特に活性成分としてニッケルを単独で含むか周期律表の遷移族I、V、VI及び/又はVIIIの少なくとも一種の金属と共に含む担持触媒の存在下で行われる。本発明で用いる触媒は、ニッケルと、必要なら少なくとも一種の上記の他の金属を適当な担体に塗布して工業的に生産できる。
本発明のある好ましい実施様態においては、この触媒のニッケル含量は、触媒の総重量に対して0.1〜99重量%の範囲にあり、好ましくは1〜90重量%の範囲、特に好ましくは25〜85重量%、極めて好ましくは60〜80重量%の範囲にある。
周期律表の遷移族I、II、V、VI及び/又はVIIIの金属として、パラジウム、白金、ロジウム、鉄、コバルト、亜鉛、クロム、バナジウム、銅、銀、またはこれらの二つ以上の混合物を使用することが好ましい。
本発明のある好ましい実施様態においては、この触媒がNiと白金を含む。本発明の他の好ましい実施様態においては、この触媒がNiとAlを含む。他の特に好ましい実施様態においては、この触媒がニッケルとパラジウムと鉄を含む。
担体材料として、活性炭、カーボンブラック、グラファイトまたは酸化物系担体成分(例えば、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム及び/又はハフニウムジオキシドまたはこれらの2つ以上の混合物)を使用することが好ましく、特に二酸化ジルコニウム、ZrO2、HfO2及び/又はSiO2、ZrO2及び/又はSiO2、ZrO2、HfO2使用することが好ましい。
用いる担体はメソポーラスであり、平均気孔径が35〜50nmで、比表面積が50〜250m2/gであることが好ましい。担体の表面積は、BET法でN2吸着により、特にDIN66131に従って求められる。平均気孔径と孔径分布は、Hgポロシメトリーにより、特にDIN66133に従って求められる。
ニッケルと必要なら少なくとも一種の他の金属の塗布は、触媒技術分野の熟練者には既知の常用の適当な方法で実施可能である。金属または金属塩の共沈または含浸により被覆された担体を、次いで既知の方法で乾燥し、焼成する。次いで、この被覆担体を水素含有ガス流中で処理して活性化させる。この活性化は、通常30〜600℃の範囲の温度で行われ、好ましくは80〜150℃の範囲、特に好ましくは100℃で行われる。このガス流は、50〜100%の水素と0〜50体積%の窒素を含むことが好ましい。本発明で使用するために製造されたこの触媒の還元度は、100℃で1時間の還元後で少なくとも70%である。
このようにして得られた担持触媒のニッケル金属表面積は、一般的には約10〜約50m2/gであり、好ましくは約20〜約60m2/gである。本発明の方法で使用する触媒のニッケル含量は、一般的には使用する触媒の総重量に対して0.1〜99重量%の範囲にあり、好ましくは1〜90重量%の範囲、特に好ましくは25〜85重量%の範囲にある。
この実施様態の適当な触媒が、例えば公開特許のEP1161297A1とEP1165231A1に記載されている。
本発明の第二の実施形態においては、例えばWO2008/145179A1に記載の活性化ニッケル触媒が本発明の方法で用いられる。したがって、本発明のある好ましい実施様態においては、Ni/AI合金系の活性化されたニッケル触媒で、MgとCe、Ti、V、Nb、Cr、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Biからなる群から選ばれる一種以上の金属を含むものが使用される。ドーピングの程度は、各々ドープ元素で0.05重量%〜20重量%である。触媒の平均粒度は<25μmである。
本発明の第三の実施様態においては、例えばWO2008/138784A1に記載の触媒が本発明の方法で用いられる。したがって本発明のある好ましい実施様態においては、本発明はさらに、担体上にニッケルとパラジウムと、さらにはコバルトと鉄、バナジウム、マンガン、クロム、白金、イリジウム、金、ビスマス、モリブデン、セレン、テルル、スズ、アンチモンからなる群から選ばれる他の元素の混合物を活性成分として含む水素化触媒の、ニトロ化合物の触媒的水素化による相当する芳香族アミンの製造への利用特にジニトロトルエンの水素化によるトルエンジアミンの製造への利用を提供する。この他の元素は、好ましくは、コバルトと鉄、バナジウム、ビスマス、スズからなる群から選ばれる。
触媒用担体として、この目的で従来から使用されている既知の材料を用いることができる。活性炭やカーボンブラック、グラファイトまたは金属酸化物、好ましくは水熱的に安定な金属酸化物(例えば、ZrO2、TiO2、Al23)の使用が好ましい。グラファイトの場合、表面積が50〜300m2/gであるHSAG(高表面積グラファイト)が特に好ましい。活性炭、特に物理的または化学的に活性化された活性炭、またはアセチレンブラックなどのカーボンブラックが特に好ましい。
本発明の触媒は、例えば、最初に担体を荷電させ、これをパラジウム塩とニッケル塩と他の元素を含む水溶液に接触させて製造される。なお、塩類を溶解するのに使われる水の量は、混練可能なペーストができる量とする必要がある。水は、担体の質量の100〜200重量%の量で使用することが好ましい。金属塩としては特に硝酸塩または塩化物が使用され、硝酸源が腐食性が少ないため好ましい。このペーストを混合し、次いで水を減圧下で50〜100℃の範囲の温度で、例えばロータリーエバボレータまたは炉中で蒸発させる。安全のためこの蒸発を窒素気流中で行うことができる。金属塩として塩化物を使用する場合、金属の担体への固定を水素による還元で行うことができる。しかしながら、ここで腐食が起こることがある。したがって、これらの金属類はアルカリ性条件下で固定されることが好ましい。これは特に、炭酸アルカリ水溶液を添加し、続いてアニオンが消失するまで担体を洗浄して行われる。あるいは、アルカリ性条件下で、特にpHが8〜9の範囲で、上澄液溶液から金属類を担体上に沈殿させることもできる。次いでこの担体を、好ましくは上述のように乾燥して水素により還元する。これは、例えば球状の回転炉中で行われる。炉から触媒を取り出す前に、例えば不活性ガス下で、具体的には微量の空気を含む窒素、好ましくは10体積%以内の空気を含む窒素下でこの触媒を不動態化させる。
この方法で生産された本発明の水素化触媒は、0.5〜5重量%のパラジウムと、10〜20重量%のニッケルと0.5〜5重量%の他の元素を含むことが好ましい。
本発明で使用する水素化触媒の製造の他の実施様態においては、触媒の還元が、還元作用を持つ塩類の添加により行われ、例えばカルボン酸アンモニウムまたはカルボン酸アルカリ金属、より具体的にはギ酸アンモニウムまたはギ酸ナトリウムの添加により行われる。このために、担体を水中に懸濁させ、金属塩の溶液を懸濁液と同時に、あるは懸濁液の後に添加する。金属塩として、特に硝酸塩または塩化物が使用され、硝酸塩が腐食性が少ないため好ましい。これらの還元作用をもつ塩類をこの溶液に添加し、その懸濁液を例えば還流下で沸騰させて加熱する。これらの触媒を次いで、洗浄してアニオンを除き、例えばフィルタープレスまたは遠心器で濾過して湿ペーストとして使用する。使用が好ましい触媒の製造の他の例が、WO2005/037768A1に見出される。
本発明の方法では、2,4−DNTまたは、その工業用混合物でさらに2,6−DNTを含むもの(これらの混合物は、好ましくは全重量に対して最大で35重量%の2,6−DNTと、1〜4%のビシナルDNT、0.5〜1.5%の2,5−および3,5−DNTを含む)が、相当するアミンに水素化される。トルエンのジニトロ化で得られた異性体比率のDNT異性体が、しばしば使用される。
本発明の方法では、2,4−DNTまたは2,4−DNT/2,6−DNT混合物が、純粋な形で、水との混合物として、水とアルコール系溶媒との混合物、あるいは水とアルコール系溶媒と触媒再活性化添加物との混合物として用いられる。また、触媒と、水及び/又はアルコール系溶媒またはこれらの混合物を一緒にあるいは個別に、DNTと共にあるいは個別に投入してもよい。
上の説明から明らかなように、本発明の方法の水素化は、アルコール系溶媒と触媒活性化添加物の存在下で行っても非存在下で行ってもよい。
アルコール系溶媒と触媒再活性化添加物を使用する場合、もちろんこれらの二種以上の混合物を添加することもできる。
用いるアルコール系溶媒は、1〜6個の炭素原子をもつ低級脂肪族アルコールであり、好ましくはメタノール、エタノールまたはプロパノール、またはこれらの二種以上の混合物である。
触媒活性化添加物として非プロトン性溶媒を使用することが好ましく、特にアセトン、ジメチルホルムアミド、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン、またはこれらの二種以上の混合物を使用することが好ましい。
本発明の方法において用いるアルコール系溶媒と触媒再活性化添加物の量はなんら制限されるわけではなく、必要条件に合わせて当業界の熟練者により自由に選択される。
上述のように、本発明のある好ましい実施様態においては、水素化は、水素を含む気相と、懸濁触媒と、0〜40体積%のアルコールと、10〜60体積%の水と20〜70体積%のTDAを含む液相とからなる三相混合物中で行われる。触媒の含量は、用いる三相混合物の総重量に対して約0.1〜15重量%であり、好ましくは2〜8重量%である。
以下の実施例をもとに本発明を説明する。
実施例1
直列に配された二台の遠心ポンプにより駆動され、反応器の上部中央に設けられ、外部回路に開かれている駆動ジェットノズルと、同心円状のプラグインチューブと、反応器下部に設けられたループ流(内部回路)の向きを変えるためのそらせ板(機能的な原理については、WO2000/35852A1を参照)を有する円筒形ループ反応器を用いた。反応器の反応体積は約14m3であった。この反応器は、反応熱除去用の平行に配列された束状のフィールドチューブを備えていた。反応器の温度が約120℃に維持されるような量の冷却水を、これらのフィールドチューブ内に供給した。ループ流を維持するため、600m3/hの体積流を外部生成物回路に循環させた。その結果として駆動ジェットノズルには約2.5barの圧力損失が発生した。この反応器は、約12m3の液状水素化浴を含んでいた。これは、実質的に質量比が0.58:0.42のTDAと水の混合物であり、この中には、SiO2とZrO2に担持された約5重量%の金属Ni触媒(EP1161297の実施例2の方法により製造し、攪拌ミルで微粉砕したもの;なお、水中に攪拌後にレーザー光散乱(モルバーン・マスターサイザーS)で求めた直径において、10体積%の直径が≦約5μm、50体積%が≦約10μmで、90体積%が≦約15μmの粒子からなる触媒)が懸濁されており、また水素が溶解していた。液面は駆動ジェットノズル開口部の直下にあった。この上には、小量の排ガス流を連続的に抜き出して(N2などの不活性ガスに加えて)水素含量を90〜95体積%に維持したガス雰囲気が約2m3の量で存在していた。7.5t/hの、約80℃に加熱された溶融DNT(約80:20の比率で2,4−と2,6−DNT異性体を含む混合物と約5%の残留DNT異性体と微量のモノニトロトルエンを含むもの含んでいる)を、ダイアフラム型計量ポンプにより反応器のガス空間中に注入した。約0.5t/hの水素(約2kg/hのN2で希釈されて)を同時に投入して、反応器の内圧を25barとした。そらせ板の上のノズルリングから95%の水素を水素化浴中に投入し、5%を反応器出口に投入した。この反応は、概ね等温条件で進行した。反応温度は全体の反応器中で116〜126℃の範囲であった。また、625kg/hの上述の触媒の水懸濁液(後処理部の水素化生成物から部分的に分離されたもの)を、同様に連続的にダイアフラムポンプにより投入した。DNT濃度を特定の値に設定するため、この懸濁液に含まれる触媒の量を0〜5kg/hの範囲の中で所望のように変化させた。その値は、平均して約1kg/hであった。
反応器中の液体レベルを一定に保つため、適当な量の水素化生成物を外部生成物回路から連続的に第二の遠心ポンプの加圧側に抜き出し、液体体積が約50m3でガス体積が約10m3である板状クラリファイヤ中に投入した。このクラリファイヤの下部で触媒が濃縮された。18標準m3/hの適度に濃縮された懸濁液を、次いで第一遠心ポンプの吸引側に再循環させた。同時に約8.6t/hの水素化生成物を、オーバフローにより板状クラリファイヤから抜き出した。この生成物は、約4.9t/hのTDA(用いたDNTに相当する異性体分布をもつ)と、約0.1t/hの低沸点物と高沸点物(比率:約20:80)と、約3.6t/hの水と、最大約1kg/hの触媒(ほとんどが微粉)を含んでいた。この水素化生成物を、他の反応器の水素化生成物と同様に、より低圧の連結した中間体容器中に輸送し、ここから連続的に蒸留による後処理に送った。生成物と接触する部品の一部は標準スチール(通常、St37)製であり、一部はステンレス鋼(1.4571)製であった。
水素化浴中のDNTとANTの含量を測定するために、ループ反応器の外部生成物回路から板状クラリファイヤに向かうラインから懸濁液の試料を4時間以内の間隔で抜き出した。これらの試料から懸濁物質を濾過で除き、含まれるニトロ化合物の濃度をポーラログラフィーにより測定した。反応器に供給される水懸濁液中の触媒濃度を調整して、DNT濃度を3〜30ppm(平均して:10ppm)に設定し、ANT濃度を1〜200ppm(平均して:3ppm)に設定した(上記を参照)。
上記の条件下でこの反応器を3ヶ月間、ほとんど停止させることなく連続運転した。この間に、いずれの場合も、上記の懸濁液試料から濾過して得たNi触媒のエックス線粉末回折で求めた結晶子の大きさが、熱により9nmから14nmへ増加した。これらの条件下ではその後の3ヶ月の間に、結晶子の大きさはさらに15nmに増加した。全体の6ヶ月にわたって、触媒の化学組成またはその触媒性能に検知できる変化は認められず、またNi種の酸化物(例えば、酸化的被毒によるNi(OH)2の形成)の形成はなかった。
実施例2
反応器の壁面領域の内側に小さな担体で結合された冷却コイルと二枚傾斜羽根攪拌器をもつ攪拌槽反応器(直径:2.8m、高さ:4.7m、体積:23m3、材料:St37)を用いた。大きな上側の傾斜羽根が水素化浴を反応器内部に押し下げ、次いでこの浴が冷却コイルに沿って上向きに流れた。他方、下側の傾斜羽根は、ここでも使用されている板状クラリファイヤから返流する濃縮懸濁液を吸引し、上側の羽根で生成した流れの中に上向きに押し出された。冷却コイル中に供給される冷却水の量は、反応器の温度が116〜126℃の範囲に維持されるように設定した。この反応器は約18m3の液状水素化浴を含んでいた。この浴は、実質的に質量比が0.58:0.42のTDAと水の混合物であり、この中には、実施例1で記載のように、SiO2とZrO2に担持された金属Ni触媒が約5重量%の量で懸濁されており、また水素が溶解していた。その液体の表面の上には、約5m3の、小量の排ガス流を排出して水素含量が90〜99体積%(N2などの不活性ガスに加えて)に維持されたガス雰囲気が存在していた。
5t/hの約80℃に加熱された溶融DNT(約80:20の比率の2,4−と2,6−DNT異性体の混合物と約5%の残留DNT異性体と微量のモノニトロトルエンを含むもの)を、ダイアフラム型計量ポンプによりガス空間の方向に開放されている漏斗に投入し、このDNTをラインを経由して二枚の傾斜羽根間の水素化浴に輸送した。約330t/hの水素(約2kg/hのN2で希釈されたもの)を同時に投入して、反応器の内圧を25barとした。二枚の傾斜攪拌羽根の間で中央に設けられフレーム担体で固定されたノズルリングを経由して、この水素を水素化浴に投入した。この反応は、概ね等温条件下で進行した。また、435kg/hの上述の触媒水懸濁液(後処理部の水素化生成物から部分的に分離されたもの)を、ダイアフラムポンプにより同様に連続的に投入した。DNT濃度を特定の値に設定するため、この懸濁液に含まれる触媒の量を、0〜5kg/hの範囲の中で所望のように変化させた。その値は、平均して約1kg/hより少し小さかった。
反応器中の液体レベルを一定に保つため、適当な量の水素化生成物を連続的にオーバフローにより抜き出し、液体体積が約16m3でガス体積が約4m3である板状クラリファイヤ中に投入した。この触媒はこのクラリファイヤの下部領域で濃縮された。次いで、傾斜羽根攪拌器の下の羽根により約30標準m3/hの適度に濃縮された懸濁液を吸引して攪拌槽中に戻した。同時に、約5.8t/hの水素化生成物を、板状クラリファイヤからオーバフローで抜き出した。この生成物は、約3.3t/hのTDA(用いたDNTに相当する異性体分布をもつ)と、約0.07t/hの低沸点物と高い沸点物(比率:約10:60)と、約2.4t/hの水と最大1kg/hの触媒(主に微粉)を含んでいた。この水素化生成物を、他の反応器の水素化生成物と同様に、低圧力の連結した中間体容器中に輸送し、ここから連続的に蒸留による後処理に送った。
水素化浴中のDNTとANTの含量を測定するために、ループ反応器の外部生成物回路から板状クラリファイヤに向かうラインから懸濁液の試料を4時間以内の間隔で抜き出した。これらの試料から懸濁物質を濾過で除き、含まれるニトロ化合物の濃度をポーラログラフィーにより測定した。反応器に供給される水懸濁液中の触媒濃度を調整して、DNT濃度を3〜30ppm(平均して:10ppm)に設定し、アミノニトロトルエン濃度を1〜200ppm(平均して:3ppm)に設定した(上記を参照)。
上記の条件下でこの反応器を3ヶ月間、ほとんど停止させることなく連続運転した。この間に、いずれの場合も、上記の懸濁液試料から
の濾過して得たNi触媒のエックス線粉末回折で求めた結晶子の大きさが、熱により15nmから16nmへ増加した。全体の6ヶ月にわたって、触媒の化学組成またはその触媒性能に検知できる変化は認められず、またNi種の酸化物(例えば、酸化的被毒によるNi(OH)2の形成)の形成はなかった。
実施例3
実施例2に記載の攪拌槽反応器を使用し、そこに記載の方法を用いた。触媒から反応生成物をよりよく分離するため、酸化的被毒を押さえるため、また100〜105℃の低反応温度でも水素化浴の最適な均一性を図るため、エタノールを他の溶解剤として用いた。したがって、触媒は、水懸濁液には加えず、0.5t/hのエタノール性懸濁液(ここでは、後処理部で水素化生成物から回収したエタノールを主に使用した)の形とした。DNT濃度を特定の値に設定するため、この懸濁液に含まれる触媒の量を、0〜5kg/hの範囲の中で所望のように変化させた。その値は、平均して1kg/hより少し小さかった。他の流体は実施例2に記載の通りである。
板状クラリファイヤからオーバフローで抜き出した約5.9t/hの水素化生成物は、約3.3t/hのTDA(用いたDNTに相当する異性体分布をもつ)と、約0.05t/hの低沸点物と高沸点物(比率:約10:40)と約2t/hの水と、約0.5t/hのエタノールと、最大で1kg/hの触媒(主に、微粉)を含んでいた。この水素化生成物を、他の反応器の水素化生成物と同様に、低圧力の連結した中間体容器中に輸送し、ここから連続的に蒸留による後処理に送った。水素化浴中のDNTとANTの含量を測定するために、ループ反応器の外部生成物回路から板状クラリファイヤに向かうラインから懸濁液の試料を4時間以内の間隔で抜き出した。この試料から懸濁物質を濾過で除き、含まれるニトロ化合物の濃度をポーラログラフィーにより測定した。反応器に供給される水懸濁液中の触媒濃度を調整して、DNT濃度を3〜30ppm(平均して:10ppm)に設定し、ANT濃度を1〜200ppm(平均して:3ppm)に設定した(上記を参照)。
上記の条件下でこの反応器を3ヶ月間、ほとんど停止させることなく連続運転した。この間に、いずれの場合も、上記の懸濁液試料から濾過して得たNi触媒のエックス線粉末回折で求めた結晶子の大きさが、熱により14nmから15nmへ増加した。全体の6ヶ月にわたって、触媒の化学組成またはその触媒性能に検知できる変化は認められず、またNi種の酸化物(例えば、酸化的被毒によるNi(OH)2の形成)の形成はなかった。
実施例4
実施例2と同様に、反応器の壁面領域の内側に固定された冷却コイルと二枚傾斜羽根攪拌器とを備えた攪拌槽反応器(直径:2.8m、高さ:4.7m、体積:23m、材料:St37)を使用した。しかしながら、冷却コイルと水素放出用ノズルリングの結合をより強固なものとしたため、水素化浴の混合が少し悪くなった。これ以外では、反応は実施例2に記載のようにして行った。
水懸濁液に加えるフレッシュな触媒の平均濃度が実施例2と比較して二倍(即ち、1kg/hに代えて2kg/h)であっても、即ち2倍量のフレッシュな触媒を投入したにも関わらず、反応器と板状クラリファイヤの間から抜き出した懸濁液の濾過後の試料中の平均アミノニトロトルエン濃度は、実施例2と比較して3〜25ppm増加したのみで、最大で300ppmの値が時々測定された。平均DNT濃度もまた、10ppmから15ppmに少し増加し、最大50ppmの値が時々測定された。
同様に上記条件下で、この反応器を大きな停止なく3ヶ月間運転した。この間に、いずれの場合も、上記の懸濁液試料から濾過して得たNi触媒のエックス線粉末回折で求めた結晶子の大きさが、熱により8nmから17nmへ増加した。化学組成の検知可能な変化や酸化Ni種の形成(例えば、酸化的被毒によるNi(OH)2の形成)は、いずれも起こらなかった。しかしながら、この3ヶ月後では、DNTとアミノニトロトルエンの濃度の更なる増加を防ぐために、DNTの投入量を徐々に減らす必要があった。さらに二ヵ月後、全体の触媒を交換せざるを得なかった。
比較例1
実施例4に記載の攪拌槽反応器を使用し、そこに記載の方法を用いた。実施例4とは異なり、この水素化浴は、トルエンジアミン(TDA)と水の混合物(比率:0.3:0.7)であり、これは、溶解水素に加えて、実施例1に記載のSiO2とZrO2に担持された金属Ni触媒を懸濁状態で約1.5重量%の量で含んでいた。供給した水懸濁液中に含まれるフレッシュな触媒の量は、平均して0.5kg/hより少し小さな量であった。
これらの条件下で、この反応器は約1時間のみしか運転できなかった。水素の消費が低下するためこの反応を止めざるを得なかった。反応開始30分後に、攪拌槽反応器から板状のクラリファイヤへのラインから抜き出した懸濁液の濾過後の試料中のDNTとアミノニトロトルエンの含量をポーラログラフィーで測定した結果、DNT濃度が842ppmでアミノニトロトルエン濃度が2050ppmであった。続いて、反応停止後の懸濁液の試料から濾過して得たNi触媒を分析した結果、Ni結晶子の大きさと化学組成が測定精度内で不変であるが、ニッケルのかなりの部品が酸化された形で存在していた(主に、触媒的に不活性なNi(OH)2として)。全体の触媒を交換せざるを得なかった。
実施例5
DNTのTDAへの水素化を180mlの連続攪拌槽中で行い、その触媒を機械的に反応器内に保持させた。ノリット(R)SX活性炭担体上担持された2.8%Pt−0.7%Ni触媒(WO2005/037768)を水中に懸濁させ、上記反応器(触媒量:反応器液体体積の0.5重量%)に入れた。この反応器を125℃の温度に維持した。24barの水素圧下で、溶融状態のDNTを、触媒に対する空間速度を180kgDNT/kgcathとして連続的に投入した。試料をガスクロマトグラフィーで分析した。DNT濃度とANT濃度とTDA収率を追跡した。
実施例6
実施例5と同様である。ただし、触媒上の空間速度は229kgDNT/kgcathであった。
比較例2
実施例5と同様である。ただし、触媒上の空間速度は45kgDNT/kgcathであった。
比較例3
実施例5と同様である。ただし、触媒上の空間速度は284kgDNT/kgcathであった。
Figure 2013530140
実施例7
DNTのTDAへの水素化を180mlの連続攪拌槽で行い、触媒を機械的に反応器中に保持した。実施例1に記載の触媒を水中に懸濁させ、上記反応器(触媒量:反応器液体体積の2.5重量%)に入れた。この反応器を125℃の温度に維持した。24barの水素圧下で、溶融状態のDNTを、触媒に対する空間速度を17kgDNT/kgcathとして連続的に投入した。試料をガスクロマトグラフィーで分析した。DNT濃度とANT濃度とTDA収率を追跡した。
比較例4
実施例6と同様である。ただし、触媒状の空間速度はkgDNT/kgcathとした。
Figure 2013530140
異なるDNTとANTの分析方法の比較:
以下に水素化浴中のDNTとANTの三種の分析方法を例示して比較する。このために一連の実験を行い、分析方法を比較した。これらの例は、従来の分析方法を用いて水素化浴を分析することが可能であり、分析方法によらず同一結果が得られることを示すためのものである。これらの三つの方法、即ちガスクロマトグラフィー(GC)と高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)とポーラログラフィーは、多数の異なる可能な分光学的、クロマトグラフィー的、電気化学的方法や他の方法の例に過ぎない。以下の結果から、例えば、ポーラログラフィーの使用は原理的には可能だが、試料を速やかに測定する必要がある(サンプリング後遅くとも4時間以内、好ましくは1時間、さらに好ましくは30分間または15分間以内)ことがわかる。そうでないと、誤った極めて高いDNT値とANT値が得られる。GCとHPLCは物質の同定が可能であり、また誤った正の結果を出すことなく定量が可能である。
これらの分析方法は次のように行われることが好ましい。
ポーラログラフィーは、ジメチルホルムアミドと1mol/lの塩素酸溶液の等量溶媒混合物中で行われる。
上記の電解質中では、ジニトロトルエン(DNT)は約330mVで還元され、アミノニトロトルエンは約550mVで還元される。異性体比率の変化は、ポーラログラフィーステップの高さに影響を与えない。
>VAプロセッサー746または693ポーラログラフ、VAスタンド付き(メトローム社)
>滴下水銀電極、DME、
>参照電極 Ag/AgCl、
>主電解質、エタノール中の飽和LiCl
>容量フラスコ 100ml、50ml、25ml、
>化学天秤(読み精度:0.001gよりよいもの)、例えばザルトリウスRC250
>ピペット 5ml、
>滴定容器
ガスクロマトグラフィー(GC)は、次のように行われることが好ましい。
カラム:バリアン製ファクターフォーCP8977(10m×0.10mmID×0.20μmFT)
キャリアガス:ヘリウム
圧力:41.8psi
スプリットフロー:15.2ml/min
温度(ECD):300X
温度(インジェクタ):250℃
オーブン:初期温度:75℃−20.0°C/min→250℃−4.0min
注入体積:0.2μl
サンプルの調整:試料重量:約500mg+5mlのMeOH
高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)は次のように行われることが好ましい。
カラム:アジレント・リクロソルブRP−18(4.6×200mm、5μm)
溶離液1:水+1g/lのアンモニウムアセテート
溶離液2:メタノール
グラディエント:0分、70%の水/30%のメタノール
18分、10%の水/90%のメタノール
25分、10%の水/90%のメタノール
30分、70%の水/30%のメタノール
流量:0.5ml/min
オーブン温度:38℃
波長: 254nm/バンド幅:4nm、参照:550nm/バンド幅:100nm
注入体積:25μl
サンプルの調整:試料重量:約500mg+5mlのMeOH
試験法:
正確に60.00gの新たに蒸留したTDA(2,4−と2,6−異性体)と40.00gの水の混合物を、250mlのコニカルフラスコ中に作り、85℃でよく混合した。試料が均一になると直ちに、いろいろな量のDNT異性体混合物を添加し、試料を再度均一化させた。次いで、2,4−DNT異性体の含量をGCとHPLCにより測定し、全てのDNT異性体の総量をGCとポーラログラフィーで求めた。ポーラログラフィーによる測定は、まず二回目の均一化の15分後に行い、再度第二の均一化の4時間後に行った。
Figure 2013530140

Claims (16)

  1. 反応器の下流に生成物分離部をもつ反応器中で、懸濁したニッケル含有触媒の存在下で水素を用いてジニトロトルエンを液相水素化して、反応器からニッケル含有触媒が懸濁したトルエンジアミンとジニトロトルエンを含む液相を含む排出生成物を得るトルエンジアミンの連続的な製造方法であって、反応器から排出される生成物の液相中のジニトロトルエンの濃度が、反応器と下流の生成物分離部の間の領域において、反応器から排出される生成物の液相の総重量に対して1〜200重量ppmの範囲に設定される方法。
  2. 反応器から排出される液状生成物中のジニトロトルエンの濃度が、反応器から排出される液状生成物の総重量に対して1〜100重量ppmの範囲の値に、好ましくは反応器から排出される液状生成物の総重量に対して2〜50重量ppmの範囲の値に、より好ましくは反応器から排出される液状生成物の総重量に対して3〜30重量ppmの範囲の値に設定される請求項1に記載の方法。
  3. ジニトロトルエンからトルエンジアミンへの水素化が50〜250℃の範囲の温度で行われる請求項1または2に記載の方法。
  4. ジニトロトルエンからトルエンジアミンへの水素化が5〜50barの範囲の圧力で行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 排出生成物の液相がアミノニトロトルエンを含み、反応器から排出される生成物の液相中のアミノニトロトルエンの濃度が、反応器と生成物分離部の間の領域において、排出生成物の液相の総重量に対して0〜2000重量ppmの範囲の値に設定される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 上記反応器が攪拌槽反応器、ループ反応器及び気泡塔からなる群から選ばれる請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 上記反応器が外部循環と内部循環とをもつジェットループ反応器である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 上記生成物分離部が、フィルター、スタチックデカンター及びダイナミックデカンターからなる群から選ばれる請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 上記懸濁触媒が、触媒活性金属としてニッケルに加えて、周期律表の遷移族I、II、V、VI及び/又はVIIIの少なくとも一種の金属を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 上記触媒のニッケル含量が、触媒の総重量に対して0.1〜99重量%の範囲にある請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 上記触媒が少なくとも一種の酸化物系担体成分を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 上記触媒が白金とニッケルを含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 上記触媒がパラジウム、ニッケル及び鉄を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 上記触媒が反応器内の反応混合物の総重量に対して0.1〜15重量%の量で使用される請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 上記反応が、水素を含む気相と、懸濁触媒と、0〜40体積%のアルコールと10〜60体積%の水と20〜70体積%のトルエンジアミンを含む液相から構成される三相混合物中で行われる請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 反応器と下流の生成物分離部の間の領域での反応器から排出される液状生成物中のジニトロトルエン濃度の設定が、反応器から排出される液状生成物中のジニトロトルエン濃度の≦24時間の間隔での繰り返し測定を基に行われる請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
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