JP2013529846A - 発光ダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】光抽出効率を向上させた発光ダイオードを提供すること。
【解決手段】本発明は、発光ダイオードに関し、この発光ダイオードは、基板と、基板の上部に位置する第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層の上部に位置する活性層と、活性層の上部に位置する第2の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層と活性層との間、または第2の窒化物半導体層と活性層との間に介在され、内部に複数の散乱要素を有する第3の窒化物半導体層と、基板の下部に位置する多層構造の分布ブラッグ反射器と、を備え、基板は、分布ブラッグ反射器と第3の窒化物半導体層との間に配置される。

Description

本発明は、発光ダイオードに関し、特に、光抽出効率を改善した発光ダイオードに関する。
窒化ガリウム(GaN)系発光ダイオードは、表示素子及びバックライト用に広く用いられている。また、発光ダイオードは、既存の電球または蛍光灯に比べて、消費電力が小さく、長寿命であり、白熱電球及び蛍光灯を代替し、一般照明用途としてその使用領域を広げている。特に、例えば、白色光のような混色光を放出する多様な種類の発光ダイオードパッケージが市販されている。白色光発光ダイオードは、バックライトユニット、一般照明等に用いられる。
発光ダイオードパッケージの光効率は、主に発光ダイオードの光効率に依存するので、発光ダイオードの光効率を改善するための努力が続いている。特に、発光ダイオードの光抽出効率を改善するための努力が続いている。
一般に、窒化ガリウム系窒化物半導体は、サファイアまたはシリコン炭化物のような異種基板上に成長される。特に、パターニングされたサファイア基板(PSS)上に窒化物半導体層を形成し、その窒化物半導体層を用いて発光ダイオードを製造するために前記PSSが一般に用いることができる。パターニングされたサファイア基板は、活性領域から基板側へ放射される光を散乱させ、光抽出効率を向上させる。また、サファイアのような透明基板の下部面に金属反射器を形成し、サファイア基板から放出される光を反射させることにより、光効率を向上させる技術が知られている。
しかしながら、活性層で生成した光がサファイア基板面において散乱するまで、光は、相当の距離を進行しなければならない。また、サファイア基板面において散乱した後も、光放出面まで相当の距離を進行しなければならない。また、これにより、光経路が長くなり、光損失が生じてしまい、散乱した光がさらに内部全反射により窒化物半導体層内に閉じ込められることもある。
また、サファイア基板の下部面に形成された反射金属層、例えば、アルミニウムは、可視光線のほぼ全波長領域にわたって約80%の反射率を示す。このような反射率は、相対的に高い方ではあるが、反射金属層が形成されていても依然として光損失が発生するので、さらに改善する余地がある。
一方、サファイアは、電気的に不導体であるので、発光ダイオード構造を横型構造に制限する。これにより、最近は、サファイアのような異種基板上に窒化物半導体層のようなエピ層を成長させ、前記エピ層に支持基板をボンディングした後、レーザリフトオフ技術等を用いて異種基板を分離し、垂直型構造の高効率の発光ダイオードを製造する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、従来の発光ダイオードを説明するための断面図である。
図1を参照すると、従来の垂直型構造の発光ダイオードは、成長基板(図示せず)上に窒化ガリウム系n型層23、活性層25、p型層27を順次形成し、p型層27上にp型電極39を形成し、p型電極39をボンディング金属43を介してSiサブマウント41にフリップボンディングした後、成長基板を除去し、露出したn型層23上にn‐電極37を形成することにより製造される。一方、Siサブマウント41の下部面には、n型電極45が形成される。さらには、前記特許文献1では、露出したn型層23の表面にドライまたはPECエッチング技術を用いて粗面を形成することにより、光抽出効率を向上させている。
米国登録特許公報US7,704,763号
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、光抽出効率を向上させた発光ダイオードを提供することにある。
本発明の他の目的は、光反射率を改善し、光効率をさらに高めた発光ダイオードを提供することにある。
本発明のまた他の目的は、可視光線の全波長領域にわたって高い反射率を示す反射器を採用した発光ダイオードを提供することにある。
本発明の追加の特徴は、以下の詳細な説明に述べられており、一部には、その説明から当業者には容易に明白であり、または、本発明を実施することによって認識されるであろう。
本発明の一実施例による発光ダイオードは、基板と、前記基板上に位置する第1の窒化物半導体層と、前記第1の窒化物半導体層上に位置する活性層と、前記活性層上に位置する第2の窒化物半導体層と、前記第1の窒化物半導体層と前記活性層との間、または前記第2の窒化物半導体層と前記活性層との間に介在され、内部に複数の散乱要素を有する第3の窒化物半導体層と、多層構造の分布ブラッグ反射器(DBR)と、を備え、前記基板は、前記分布ブラッグ反射器と前記第3の窒化物半導体層との間に位置する。
本発明の他の実施例による発光ダイオードは、支持基板上に位置する半導体スタックと、前記支持基板と前記半導体スタックとの間に位置し、前記半導体スタックにオーム接触し、前記半導体スタックの外部に露出した領域を有する第1電極と、前記第1電極の前記第1領域上に位置し、前記第1電極に電気的に接続された第1のボンディングパッドと、前記半導体スタック上に位置する第2電極と、を備える。前記第1の導電型半導体層と前記第2の導電型半導体層の少なくとも一つは、互いに離隔して配置された複数の散乱要素を有する。前記半導体スタックは、p型化合物半導体層、活性層、及びn型化合物半導体層を有する。
上述した一般の説明と、以下に提示される詳細な説明は、典型的かつ説明的なものであり、請求された発明をさらに理解させるために提供されるものと認識されなければならない。
本発明によると、活性層で発生した光を散乱させる絶縁パターンを通じて光抽出効率を向上させることができる。また、光散乱特性は、低い反射率を有するエアギャップのような絶縁パターンを形成して向上させることもできる。また、電流は、前記絶縁パターンにより水平方向に一定に広がるので、発光効率と静電放電特性を向上させることができる。さらには、多層構造の分布ブラッグ反射器(DBR)が基板の底面に位置するので、基板を通過して下方に向かう光が反射され、光抽出効率が増大する。さらに、可視光線スペクトルの全波長領域にわたって反射率の高い分布ブラッグ反射器(DBR)を採用することにより、白色光の発光ダイオードパッケージに好適な発光ダイオードを提供することができる。また、内部全反射による光損失は、粗面となった散乱パターンが用いられることにより減少し、よって、光抽出効率は極大化する。
従来技術による垂直型構造の発光ダイオードを説明するための断面図である。 本発明の一実施例による発光ダイオードを説明するための断面図である。 本発明の一実施例による発光ダイオードを説明するための図2の部分拡大断面図である。 本発明の一実施例による発光ダイオードの島状の散乱要素を説明するための図2の平面図である。 本発明の一実施例による発光ダイオードのストライプ状の散乱要素を説明するための図2の平面図である。 本発明の一実施例による発光ダイオードのメッシュ状の散乱要素を説明するための図2の平面図である。 本発明の一実施例による発光ダイオードの分布ブラッグ反射器を説明するための部分拡大断面図である。 本発明の他の実施例による発光ダイオードの分布ブラッグ反射器を説明するための部分断面図である。 本発明の更なる他の実施例による発光ダイオードを説明するための断面図である。 本発明の更なる他の実施例による発光ダイオードを説明するための断面図である。 本発明の更なる他の実施例による発光ダイオードを説明するための断面図である。 本発明の更なる他の実施例による発光ダイオードを説明するための斜視図である。
以下、添付した図面に基づき、本発明の好適な実施例について詳述する。以下に紹介される実施例は、本発明の思想を当業者に充分伝達するために、例として提供されるものである。従って、本発明は、後述する実施例に限定されず、他の形態に具体化され得る。なお、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は、説明の便宜のために誇張して表現されることもある。明細書の全体にわたって、同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
添付の図面は、発明の更なる理解を提供し、詳細な説明の一部を構成して発明の実施例を図示し、詳細な説明と一緒に発明の思想の理解を助けるために含まれたものである。
要素や層が他の要素や層の「上に」存在し、またはそれに「接続する」との表現は、前記他の要素や層が真上に存在し、または直接接続するものだけではなく、また他の要素や層がその間に介在されてもよいものと理解されなければならない。対照的に、ある要素が他の要素や層の「真上に」または「直接接続する」との表現は、その間に他の要素や層が介在されていないことを意味する。
図2は、本発明の一実施例による発光ダイオードを説明するための断面図である。図3aは、図2の部分拡大断面図である。
図2を参照すると、前記発光ダイオードは、基板121、第1の窒化物半導体層125、活性層127、第2の窒化物半導体層131、第3の窒化物半導体層126、及び多層構造の分布ブラッグ反射器145を備える。前記第3の窒化物半導体層126は、絶縁パターン126aを有する。また、前記発光ダイオードは、バッファ層123、クラッド層129、反射金属層151、及び保護金属層153をさらに有してもよい。
前記基板121は、透明基板であれば特に限定されない。例えば、サファイアまたはSiC基板であってもよい。また、前記基板121は、パターニングされたサファイア基板(PSS)のように、上部面に所定のパターンを有してもよい。一方、前記基板121の面積は、発光ダイオードチップの全体面積を決定する。本発明の実施例において、前記発光ダイオードの面積が相対的に大きいほど、散乱及び反射効果が増加する。前記基板121は、90,000μm以上であることが好ましく、より好ましくは1mm以上である。
前記基板121の上部に、第1の窒化物半導体層125、第3の窒化物半導体層126、活性層127、クラッド層129、及び第2の窒化物半導体層131が位置する。活性層127は、前記第1及び第2の窒化物半導体層125、131間に位置する。ここで、第1の窒化物半導体層125と第2の窒化物半導体層131は、それぞれ互いに反対の導電型である。例えば、それぞれは、n型及びp型であってもよく、またはその反対であってもよい。
前記第1の窒化物半導体層125、活性層127、クラッド層129、及び第2の窒化物半導体層131は、窒化ガリウム系化合物半導体物質、すなわち、(Al、In、Ga)Nで形成されてもよい。前記活性層127は、要求される波長の光、例えば、紫外線または青色光を放出するように組成元素及び組成比が決定される。前記第1の窒化物半導体層125及び/または第2の窒化物半導体層131は、図示のように、単一層で形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、多層構造で形成されてもよい。前記第1及び第2の窒化物半導体層125、131は、それぞれn型コンタクト層及びp型コンタクト層であってもよい。また、活性層127は、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造で形成されてもよい。また、前記基板121と第1の窒化物半導体層125との間にバッファ層123が介在されてもよい。
一方、第3の窒化物半導体層126は、第1の窒化物半導体層125と活性層127との間に位置し、内部に散乱要素126aを有する。散乱要素126aは、シリコン酸化物またはシリコン窒化物で絶縁層を形成し、絶縁層をフォト及びエッチング技術を用いてパターニングすることにより形成されてもよい。散乱要素126aが第1の窒化物半導体層125や第3の窒化物半導体層126の一部分に形成された後、第3の窒化物半導体層126は、選択横方向成長(ELOG)法のような方法で成長されてもよい。これとは異なり、図3aに示すように、下部窒化物半導体層126bを成長させた後、ナノインプリント等のようなフォト及びエッチング技術を用いて下部窒化物半導体層126bをパターニングし、さらに上部窒化物半導体層126cを再成長させることにより、例えば、エアギャップからなる散乱要素126aを形成することができる。前記散乱要素126aは、島状(図3b参照)、ストライプ状(図3c参照)、メッシュ状(図3d参照)等の多様な形状で形成されてもよい。散乱要素126a、例えば、エアギャップは、活性層127で生成した光を散乱することによって、窒化物半導体層内に前記生成光が閉じ込められることを防止し、光抽出効率を向上させる。さらには、前記散乱要素126aは、絶縁パターンの役割をし、垂直方向に電流が集中して流れることを防止することにより、水平方向に電流を分散させて電流の分散を増加させる。上部窒化物半導体層126cにおける前記散乱要素126aの上方に位置する部分と、下部窒化物半導体層126bにおける前記散乱要素126aの下方に位置する部分は、前記散乱要素126aの無い領域を通じて互いに電気的に連結され、電流通路を提供する。
さらに図3aに戻って参照すると、散乱要素126a、例えば、エアギャップは、前記活性層127から所定の距離Dだけ離れて位置する。例えば、前記距離Dは、100nm〜1000nmの範囲内であってもよい。距離Dが100nm未満であれば、再成長された上部窒化物半導体層126cの厚さが薄過ぎ、良質の活性層127を成長させることが困難である。また、距離Dが1000nm以上であれば、前記散乱要素126aにより光を散乱させて光抽出効率を向上させる効果が減少する。
一方、前記散乱要素126aの各個体の幅W及び高さHが、それぞれ50nm〜1000nmの範囲内であってもよい。すなわち、散乱要素126aの寸法は、活性層127で生成した光を散乱させることができるナノスケールのサイズを有する。前記散乱要素126aの寸法が、50nm未満または1000nm以上であれば、光散乱が発生することが困難である。
また、前記散乱要素126aの相互間の間隔Lは、100nm〜1000nmの範囲内であってもよい。間隔Lが100nm未満であれば、前記散乱要素126aによる抵抗増加のために順方向電圧が高くなり過ぎ、1000nmを超えると、前記散乱要素126aによる散乱効果が減少する。
一方、分布ブラッグ反射器145が基板121の下部面に位置する。分布ブラッグ反射器145は、屈折率の相違した層が交互に積層された多層構造を有する。例えば、SiOの第1層とTiOまたはNbの第2層を交互に積層して形成してもよい。前記第1層と第2層の厚さは、活性層127で生成した光の波長に対して高い反射率を示すように選択されるが、交互に積層される第1層または第2層が全て同一の厚さを有する必要はない。
さらには、活性層127で生成した光の波長だけでなく、可視光線の広い波長領域にわたって相対的に高い反射率、例えば、90%以上の反射率を有するように、多数の分布ブラッグ反射器140、150が積層されてもよい。前記多数の分布ブラッグ反射器を積層することにより、可視領域の広い波長に対して高い反射率を示すことができる。例えば、本発明による発光ダイオードを実装して白色光を具現するパッケージの場合、前記活性層127で生成した光とは異なる波長の光が、前記発光ダイオードに入射される。この際、前記異なる波長の光を反射することによって、パッケージの光抽出効率を改善することができる。
図4及び図5は、可視光線の広い波長領域にわたって高い反射率を示す分布ブラッグ反射器を説明するための部分拡大断面図である。
図4を参照すると、前記基板121の下部に分布ブラッグ反射器145が位置する。前記分布ブラッグ反射器145は、第1の分布ブラッグ反射器140及び第2の分布ブラッグ反射器150を有する。
第1の分布ブラッグ反射器140は、第1の材料層140aと第2の材料層140bの複数個の対が繰り返して形成され、第2の分布ブラッグ反射器150は、第3の材料層150aと第4の材料層150bの複数個の対が繰り返して形成される。前記第1の材料層140a及び前記第2の材料層140bの複数個の対は、青色波長領域の光に比べて、緑色または赤色波長領域の光、例えば、550nmまたは630nmの光に対する反射率が相対的に高く、前記第2の分布ブラッグ反射器150は、赤色または緑色波長領域の光に比べて、青色波長領域の光、例えば、460nmの光に対する反射率が相対的に高い。本実施例において、前記第1の分布ブラッグ反射器140内の材料層140a、140bの光学厚さが、前記第2の分布ブラッグ反射器150内の材料層150a、150bの光学厚さよりも厚い。しかし、これに限定されるものではなく、その反対であってもよい。
前記第1の材料層140aは、前記第3の材料層150aと同一の材料、すなわち、同一の屈折率を有してもよく、前記第2の材料層140bは、前記第4の材料層150bと同一の材料、すなわち、同一の屈折率を有してもよい。例えば、前記第1の材料層140a及び第3の材料層150aは、TiO(屈折率n:約2.5)で形成されてもよく、前記第2の材料層140b及び第4の材料層150bは、SiO(屈折率n:約1.5)で形成されてもよい。
一方、本実施例において、前記第1の材料層140aの光学厚さ(屈折率×厚さ)は、第2の材料層140bの光学厚さと実質的に整数倍の関係にあり、これらの光学厚さは、実質的に互いに同一であってもよい。また、前記第3の材料層150aの光学厚さは、第4の材料層150bの光学厚さと実質的に整数倍の関係にあり、これらの光学厚さは、実質的に互いに同一であってもよい。
また、前記第1の材料層140aの光学厚さが前記第3の材料層150aの光学厚さよりも厚く、前記第2の材料層140bの光学厚さが前記第4の材料層150bの光学厚さよりも厚い。前記第1乃至第4の材料層140a、140b、150a、150bの光学厚さは、各材料層の屈折率及び/または実際の厚さを調節して制御することができる。
さらに図2を参照すると、前記分布ブラッグ反射器145の下部にAl、AgまたはRh等の反射金属層151が形成されてもよく、前記分布ブラッグ反射器145を保護するための保護層153が形成されてもよい。前記保護層153は、例えば、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、及びAuから選ばれたいずれか一つの金属層またはこれらの合金で形成されてもよい。前記保護層153は、分布ブラッグ反射器145を外部の衝撃や汚染から保護する。
本実施例によると、長波長の可視光線に対して反射率が相対的に高い第1の分布ブラッグ反射器140と、短波長の可視光線に対して反射率が相対的に高い第2の分布ブラッグ反射器150とが互いに積層された構造の分布ブラッグ反射器145が積層される。分布ブラッグ反射器145は、これらの第1の分布ブラッグ反射器140と第2の分布ブラッグ反射器150の組合せにより、可視光線領域の大部分の領域にわたって光に対する反射率を高くすることができる。
一般に、分布ブラッグ反射器は、特定波長の範囲の光に対する反射率は高いが、他の波長範囲の光に対する反射率が相対的に低い。そのため、白色光を放出する発光ダイオードパッケージにおいては、光効率の向上に限界がある。しかし、本実施例によると、分布ブラッグ反射器145が青色波長領域の光だけでなく、緑色波長領域の光及び赤色波長領域の光に対しても高い反射率を有することができるので、発光ダイオードパッケージの光効率を改善することができる。
本実施例において、第1の分布ブラッグ反射器140と第2の分布ブラッグ反射器150の2つの反射器について説明しているが、さらに多数の反射器が用いられてもよい。さらに多数の反射器が用いられる場合、長波長に対して反射率の相対的に高い反射器が、発光構造体に相対的に近く位置することが好ましい。
また、本実施例において、前記第1の分布ブラッグ反射器140内の第1の材料層140aの厚さは互いに相違してもよく、また、第2の材料層140bの厚さも互いに相違してもよい。また、前記第2の分布ブラッグ反射器150内の第3の材料層150aの厚さは互いに相違してもよく、また、第4の材料層150bの厚さも互いに相違してもよい。前記各材料層の厚さは、可視光線の全波長領域にわたって90%以上の反射率を有するように選択される。
本実施例において、前記材料層140a、140b、150a、150bがSiOまたはTiOで形成されるものと説明しているが、これらに限定されず、他の材料層、例えば、Si、Nb、化合物半導体等で形成されてもよい。但し、前記第1の材料層140aと前記第2の材料層140bの屈折率差及び前記第3の材料層150aと前記第4の材料層150bの屈折率差が、それぞれ0.5よりも大きいことが好ましい。
さらには、前記分布ブラッグ反射器145の第1層及び最終層はSiOであってもよい。SiO層を分布ブラッグ反射器145の第1層及び最終層に配置することにより、第1の分布ブラッグ反射器140を安定的に基板121に付着し、また、第2の分布ブラッグ反射器150を保護することができる。
図5は、本発明の他の実施例による分布ブラッグ反射器155を説明するための断面図である。上述した図4では、分布ブラッグ反射器145が第1の分布ブラッグ反射器140と第2の分布ブラッグ反射器150の積層構造であるものと図示及び説明されている。これとは異なり、本実施例による分布ブラッグ反射器155では、第1の材料層140aと第2の材料層140bの複数個の対と、第3の材料層150aと第4の材料層150bの複数個の対が混ざっている。すなわち、第3の材料層150aと第4の材料層150bの少なくとも一対が、第1の材料層140aと第2の材料層140bの複数個の対間に位置し、また、第1の材料層140aと第2の材料層140bの少なくとも一対が、第3の材料層150aと第4の材料層150bの複数個の対間に位置する。ここで、前記第1乃至第4の材料層140a、140b、150a、150bの光学厚さは、可視光線領域の広い範囲にわたって光に対する高い反射率を有するように制御される。
以上、可視光線の広い波長領域にわたって反射率の高い分布ブラッグ反射器についていくつかの例を挙げて説明したが、屈折率の相違した層を繰り返して積層することにより、多様な構造の分布ブラッグ反射器を形成することができる。これらの層の光学厚さを制御することにより、可視光線領域の全体波長領域にわたって高い反射率を有する分布ブラッグ反射器を形成することができる。
図6は、本発明のまた他の実施例による発光ダイオードを説明するための断面図である。
図6を参照すると、本実施例による発光ダイオードは、図2を参照して説明した発光ダイオードとほぼ類似している。但し、内部に絶縁パターン、例えば、エアギャップのような散乱要素130aを有する第3の窒化物半導体層130が、第2の窒化物半導体層131と活性層127との間に位置することが、図2のLEDに対して異なる。
すなわち、第3の窒化物半導体層130が活性層127の上部のクラッド層129上に位置し、第3の窒化物半導体層130上に第2の窒化物半導体層131が位置する。前記散乱要素130aは、前記散乱要素126aと同様に、活性層127で生成した光を散乱させて光抽出効率を向上させ、第3の窒化物半導体層130の抵抗を増加させて電流分散を助ける。
図7は、本発明のまた他の実施例による発光ダイオードを説明するための断面図である。
図7を参照すると、本実施例による発光ダイオードは、図6を参照して説明した発光ダイオードとほぼ類似している。但し、内部に散乱要素130a、例えば、エアギャップを有する第3の窒化物半導体層130がクラッド層129と活性層127との間に位置することが、図6のLEDに対して異なる。本実施例によると、図6を参照した実施例に比べて、前記散乱要素130aを活性層127にさらに近く配置することができる。
図6及び図7の実施例において、前記散乱要素130aは、活性層127が成長した後、第3の窒化物半導体層130内に形成されるので、第3の窒化物半導体層126が第1の窒化物半導体層125と活性層127との間に位置する場合に比べて、前記散乱要素130aは活性層127にさらに近く位置することができる。例えば、前記散乱要素130aは、50nm〜1000nmの範囲内で活性層127から離れて位置することができる。
上述した実施例において、散乱要素130aが活性層127の下方または上方に配置された発光ダイオードについて説明した。しかし、前記散乱要素130aは、活性層127の両方に配置されてもよい。
上述した説明において、エアギャップの幅W及び高さH、エアギャップの間隔L及び離隔距離Dの範囲について説明した。しかし、これらの寸法範囲は、エアギャップだけでなく、シリコン窒化物またはシリコン酸化物で形成された絶縁パターンについても同様に適用される。
図8及び図9は、それぞれ本発明のまた他の実施例による発光ダイオードを説明するための断面図及び斜視図である。
図8及び図9を参照すると、前記発光ダイオードは、支持基板271、ボンディング金属273、半導体スタック250、p‐電極260、n‐電極269、p‐ボンディングパッド265を有する。
支持基板271は、化合物半導体層を成長させるための成長基板から区別され、既に成長された化合物半導体層に付着した2次基板である。前記支持基板は、導電性である必要がなく、前記支持基板は、例えば、サファイア支持基板であってもよい。前記支持基板271は、サファイア基板であってもよいが、これに限定されず、他種の絶縁または導電基板であってもよい。特に、支持基板271としてサファイア基板を用いる場合、前記支持基板271は、サファイア成長基板と同一の熱膨張係数を有する。そのため、支持基板をボンディングし、成長基板を除去するとき、ウエハの反りを防止することができる。また、堅い基板が支持基板として用いられてもよく、これは、LEDが変形することを防止し、半導体スタック250は、支持基板271により支持される。
半導体スタック250は、支持基板271上に位置し、p型化合物半導体層257、活性層255、及びn型化合物半導体層253を有する。ここで、前記半導体スタック250は、p型化合物半導体層257がn型化合物半導体層253に比べて支持基板271側に近く位置しており、垂直型発光ダイオードを形成する。前記半導体スタック250は、支持基板271の一部領域上に位置する。すなわち、支持基板271が半導体スタック250に比べて相対的に広い面積を有し、半導体スタック250は、前記支持基板271の周縁で取り囲まれた領域内に位置する。
n型化合物半導体層253、活性層255、及びp型化合物半導体層257は、III‐N系化合物半導体、例えば、(Al、Ga、In)Nの半導体で形成されてもよい。n型化合物半導体層253及びp型化合物半導体層257は、それぞれ単一層または多重層であってもよい。例えば、n型化合物半導体層253及び/またはp型化合物半導体層257は、コンタクト層とクラッド層を有してもよく、さらに超格子層を有してもよい。また、前記活性層255は、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造であってもよい。抵抗が相対的に小さなn型化合物半導体層253が、支持基板271の反対側に位置することにより、n型化合物半導体層253の上部面に粗面が形成されてもよい。粗面は、活性層255で生成した光の抽出効率を向上させる。
n型化合物半導体層253は、表面に粗面を有してもよい。すなわち、n型化合物半導体層253の表面に、ドライエッチングまたは光電気化学(PEC)エッチング技術を用いて粗面を形成することにより、光抽出効率を向上させることができる。
一方、n型化合物半導体層253は、内部に互いに離隔して形成された複数の散乱要素263を有してもよい。前記散乱要素263は、図2、図3a、図6、また図7を参照した実施例の散乱要素126a、130aと同一の特徴を有する。
散乱要素263は、活性層255で生成した光を散乱させ、内部全反射臨界角を拡大させることができる。このように散乱要素263を通じて光を散乱させ、以降、前記散乱要素263の表面上に形成された粗面を通じて光を散乱させ、内部全反射臨界角を2次にわたって拡大させることにより、光抽出効率を向上させることができる。
散乱要素263は、島の行列形状、複数個のライン、または網状等の様々な形状であってもよい。
散乱要素263による光の散乱は、散乱要素263とn型化合物半導体層253の屈折率差に起因する。したがって、散乱要素263は、n型化合物半導体層253と屈折率の異なる材質を用いて形成されてもよい。例えば、散乱要素263は、酸化物または空気層であってもよい。また、散乱要素263は、反射ブラッグ反射器(DBR)であってもよい。
散乱要素263は、相違した屈折率を有する2つ以上の絶縁層が交互に積層されて形成されてもよい。例えば、SiO層とSi層が交互に積層される。
散乱要素263は、n型化合物半導体層253を一部成長させた後、屈折率の相違した2つ以上の絶縁層を交互に多数の層で積層し、フォトリソグラフィ技術を用いて積層された絶縁層をパターニング、エッチングして形成される。散乱要素263を構成する絶縁層は、反射膜の形態で交互に積層される。例えば、前記絶縁槽は、SiO層とSi層が繰り返して交互に多数の層で積層される。
一部成長されたn型化合物半導体層253に散乱要素263が形成された後は、残りのn型化合物半導体層253を形成する。
散乱要素263は、屈折率の相違した2つ以上の絶縁層を交互に多数層で積層して生成することにより、DBR(Distributed Bragg Reflector)の機能を行う。こうして、実施例と同様に、活性層255で発生した光が、散乱要素263により反射されて散乱が効率的に行われるようにする。
p‐電極260は、p型化合物半導体層251と支持基板271との間に位置し、p型化合物半導体層257にオーム接触する。p‐電極260は、反射層259及び保護金属層261を有してもよい。反射層259が、半導体スタック250と支持基板271との間に埋め込まれるように、保護金属層261が反射層259を取り囲むことができる。前記反射層259は、例えば、Agのような反射金属で形成され、保護金属層261は、例えば、Niで形成される。前記保護金属層261は、支持基板271の全面上に位置してもよい。したがって、前記保護金属層261は、半導体スタック250の外部に露出した領域を有する。
保護金属層261上にp型ボンディングパッド265が位置してもよい。p型ボンディングパッド265は、p‐電極260を介してp型化合物半導体層257に電気的に接続する。
一方、ボンディング金属273は、支持基板271とp‐電極260との間に位置し、半導体スタック250と支持基板271を結合させる。ボンディング金属273は、例えば、共融ボンディング等を用いてAu‐Snで形成される。
p‐電極260は、ボンディング金属273を介して支持基板271にフリップボンディングされ、n型化合物半導体層253は、成長基板の除去を通じて露出する。
一方、n‐電極269は、半導体スタック250上に位置し、前記n型化合物半導体層253に電気的に接続する。
露出したn型化合物半導体層253は、ドライエッチングまたはPECエッチング技術を用いて表面に粗面を有し、光抽出効率を向上させる。
上述した実施例において、p型化合物半導体層257が、n型化合物半導体層253に比べて、支持基板271側に近く位置するものと説明した。しかし、本発明は、これに限定されず、それらの層がその逆で配置されてもよい。この場合、n‐電極269とp‐電極260及びp型ボンディングパッド265は、極性が互いに入れ替わる。
本発明のいくつかの実施例について例示的に説明したが、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正及び変更が可能であろう。したがって、上述した実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、単に更なる理解のためのものと認識されなければならない。
121 基板
123 バッファ層
125 第1の窒化物半導体層
126 第3の窒化物半導体層
127 活性層
129 クラッド層
131 第2の窒化物半導体層
140 第1の分布ブラッグ反射器
150 第2の分布ブラッグ反射器
145 分布ブラッグ反射器
151 反射金属層
153 保護層

Claims (20)

  1. 基板と、
    前記基板上に位置する第1の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層上に位置する活性層と、
    前記活性層上に位置する第2の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層と前記活性層との間、または前記第2の窒化物半導体層と前記活性層との間に介在され、内部に複数の散乱要素を有する第3の窒化物半導体層と、
    多層構造の分布ブラッグ反射器と、を備え、
    前記基板は、前記分布ブラッグ反射器と前記第3の窒化物半導体層との間に位置することを特徴とする発光ダイオード。
  2. 前記絶縁要素は、第3の窒化物半導体層で取り囲まれたエアギャップからなることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  3. 前記エアギャップは、前記活性層から50nm〜1000nm離れて位置することを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード。
  4. 前記エアギャップの相互間の間隔は、100nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  5. 前記エアギャップは、幅及び高さが、それぞれ50nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の発光ダイオード。
  6. 前記第3の窒化物半導体層は、前記第1の窒化物半導体層と前記活性層との間に位置し、前記エアギャップは、前記活性層から100nm〜1000nm離れて位置することを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード。
  7. 前記第3の窒化物半導体層は、前記第2の窒化物半導体層と前記活性層との間に位置し、前記エアギャップは、前記活性層から50nm〜500nm離れて位置することを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード。
  8. 前記エアギャップと前記活性層との間にクラッド層をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の発光ダイオード。
  9. 前記分布ブラッグ反射器は、青色波長領域の第1波長の光、緑色波長領域の第2波長の光、及び赤色波長領域の第3波長の光に対して少なくとも90%以上の反射率を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  10. 反射金属層をさらに有し、前記分布ブラッグ反射器は、前記基板と前記反射金属層との間に位置することを特徴とする請求項9に記載の発光ダイオード。
  11. 前記散乱要素は、シリコン酸化物またはシリコン窒化物で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  12. 前記散乱要素は、島の行列形状、複数個のライン、または網状で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  13. 第1の導電型半導体層、活性層、第2の導電型半導体層を有し、支持基板上に位置する半導体スタックと、
    前記支持基板と前記半導体スタックとの間に位置し、前記半導体スタックにオーム接触し、前記半導体積層構造の外部に露出した第1領域を有する第1電極と、
    前記第1電極の前記第1領域上に位置し、前記第1電極に電気的に接続された第1のボンディングパッドと、
    前記半導体スタック上に位置する第2電極と、を備え、
    前記第1の導電型半導体層と前記第2の導電型半導体層の少なくとも一つは、相互に離隔して位置する複数の散乱要素を有することを特徴とする発光ダイオード。
  14. 前記散乱要素は、分布ブラッグ反射器または空気層で形成されたことを特徴とする請求項13に記載の発光ダイオード。
  15. 前記第1電極は、反射層及び保護層を有し、前記反射層は、前記半導体スタックと前記保護層との間に配置されたことを特徴とする請求項13に記載の発光ダイオード。
  16. 前記反射層は、前記半導体スタック及び前記保護層で完全に覆われたことを特徴とする請求項15に記載の発光ダイオード。
  17. 前記散乱要素は空気層を有し、活性層から50nm〜1000nmの範囲内で離れて位置することを特徴とする請求項13に記載の発光ダイオード。
  18. 前記散乱要素は、幅及び高さが、それぞれ50nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とする請求項17に記載の発光ダイオード。
  19. 前記散乱要素の相互間の間隔は、100nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とする請求項17に記載の発光ダイオード。
  20. 前記散乱要素は、島の行列形状、複数個のライン、または網状で形成されたことを特徴とする請求項13に記載の発光ダイオード。
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