JP2013528385A - 核酸の配列を決定する組成物及び方法 - Google Patents

核酸の配列を決定する組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】核酸の配列を決定する組成物と方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、ヌクレオチド類似体及び校正活性を有する核酸酵素又は酵素複合体の使用を含む、核酸の配列を決定する方法を提供する。ヌクレオチド類似体は、複製鎖に取り込まれてもよく、ポリメラーゼ酵素の校正活性を誘導してもよく、それによりヌクレオチドの取り込みと関係したシグナルの持続時間を延長する。
【選択図】図3

Description

優先権情報
本願は、2010年6月2日に出願された、米国出願番号第61/350,693に対する優先権を主張する。
技術分野
本願は、核酸の配列決定方法に関するものである。さらに、本願は、ヌクレオチド類似体および核酸配列決定におけるその使用に関する。
背景
各種の技術および方法が、遺伝子コードの離散マーカー(discrete marker)の広範囲の遺伝子プロファイリングまたは識別パターンおよび全ゲノムのヌクレオチドレベル配列決定などの、遺伝子情報を得るために開発されている。DNA配列の知識は、バイオテクノロジー、法生物学、診断、システムバイオロジー、合成生物学および個人の健康などの多種の応用領域での基礎生物学的研究に不可欠となっている。DNA配列決定の出現は、生物学的研究および発見を有意に促進している。いくつかの技術は、ヌクレオチドレベルで遺伝子配列を読み取るまで開発されているが、このような方法は、時間がかかり、費用もきわめて高い。
次世代配列決定の最新技術(非特許文献1において概説される)は、電気泳動ベースの方法からチップベースの配列決定へのシフトによって、配列決定のコストを大幅に減少しており、増幅した標的分子の集団から配列情報を得る代わりに、単一標的分子の配列決定を通常含む。連続したヌクレオチドの取り込み進行がモニターされ、同時に、核酸重合プロセスが起こる、リアルタイムの配列決定の導入により、配列決定の効率が改善されている。
リアルタイム単一分子配列決定の一般的な戦略は、パイロシークエンスの概念から派生し、ヌクレオチド三リン酸モノマーのPPi部分が、光検出可能な標識で標識される。パイロシークエンス反応では、各モノマーが成長鎖に取り込まれるポリメラーゼ伸張中に、光子信号が放出され、検出される(例えば、非特許文献2;非特許文献3;特許文献1及び特許文献2を参照)。ゼロモード導波路(ZMW)を用いて、単一分子配列決定の信号対雑音比を増加する単一分子検出方法が、特許文献3及び特許文献4に記述されている。
あらゆる酵素媒介の鋳型依存性配列決定法において、取り込みプロセスの全体の忠実度、処理能力、および正確性は、直接、配列決定に影響を与え得る。低い正確性の標的配列読み取りは、高レベルの信頼度を有する標的配列を決定するための多重被覆率(multiple−fold coverage)を必要とする。近年の開発にもかかわらず、各配列決定反応の正確性を高くする配列決定スキームを提供する必要が存在する。
米国特許第6,255,083号 米国特許第7,329,492号 米国特許第7,170,050号 米国特許第7,056,676号
Metzker,M.L.,NATURE REVIEWS GENETICS 11: 31〜45(2010) Ronaghi,et al.,SCIENCE,281:363〜365(1998) Hyman,ANAL.BIOCHEM.,174:423〜436(1988)
本発明は、核酸の配列決定の組成物および方法を提供することを課題とする。
本明細書に記載される態様は、単一分子信号検出の観察期間を拡張して、単一分子配列決定の正確性を改善する新規の方法を提供する。態様としては、標的核酸のヌクレオチド配列の決定方法が挙げられる。ある態様において、方法は、(a)標的核酸配列を含む鋳型核酸、鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、および5’〜3’重合活性および校正3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体を含む反応複合体を提供する工程、(b)反応複合体と複数のヌクレオチド類似体を接触させる工程、ここで前記複数のヌクレオチド類似体の個々のヌクレオチド類似体が、少なくとも一つの塩基対合部分および塩基対合部分を特定するための光検出可能な標識を含む少なくとも一つの標識部分を含む、(c)酵素又は酵素複合体の5’〜3’重合活性により、鋳型依存性の方式で、酵素または酵素複合体に、ヌクレオチド類似体を新生鎖に取り込ませ、これにより標識部分を新生鎖に結合させる工程、(d)取り込まれたヌクレオチド類似体の光検出可能な標識を検出する工程、(e)酵素または酵素複合体のプルーフリーディング3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により、酵素または酵素複合体に、新生鎖から、取り込まれたヌクレオチド類似体の標識部分を除去させる工程、(f)工程(c)〜(e)を繰り返して、標的核酸の配列を決定する工程を含む。
本明細書に記述される方法としては、核酸重合反応において、ポリメラーゼ酵素または酵素複合体により取り込まれるヌクレオチド塩基を決定する方法が挙げられ、本方法は、(a)ポリメラーゼ酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性および3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性の両方を利用し、鋳型依存性の方式で新生鎖を生成する、核酸重合反応を実行する工程、および(b)光検出可能な標識を検出する工程を含み、ここで、前記反応は、(i)標的核酸配列を含む鋳型核酸、(ii)鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、(iii)5’〜3’重合活性および3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体、(iv)個々のヌクレオチド類似体が、少なくとも一つの塩基対合部分および光検出可能な標識を含む少なくとも一つの標識部分を含む、複数のヌクレオチド類似体が存在する時に実行され、ここで、前記標識が、酵素または酵素複合体により新生鎖に取り込まれるヌクレオチド類似体に存在する1つまたは複数の塩基の同一性を示す。
態様としては、更に、標的核酸の核酸配列の決定方法が挙げられ、本方法は、(a) (i)標的核酸配列を含む鋳型核酸、(ii)鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、(iii)鋳型依存性の方式で、ヌクレオチド類似体を組み込む反応部位を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体、(iv)個々のヌクレオチド類似体が、少なくとも一つの塩基対合部分および光検出可能な標識を含む少なくとも一つの標識部分を含む、複数のヌクレオチド類似体、の存在時に、核酸重合反応を実行する工程、および(b)それぞれ連続して取り込まれた標識部分を検出する工程を含み、類似体が酵素または酵素複合体により、鋳型依存性の方式で新生鎖に取り込まれると、類似体は新生鎖の生成を終了せず、前記ヌクレオチド類似体が、酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性により除去される標識を含むヌクレオチド類似体と比較すると、少なくとも一つの延長された検出時間と延長されたインターパルス期間を提供する。
本明細書に記述されるあらゆる配列決定法で使用される光検出可能な標識は、蛍光物質又は光検出器により検出可能なその他の適当な標識であり得る。本明細書に記述されるあらゆる方法に使用されるヌクレオチド類似体は、少なくとも一つの蛍光消光部分を含んでもよい。蛍光消光部分は、鋳型依存性の方式で、酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性により、ヌクレオチド類似体の取り込み時にヌクレオチド類似体から除去されてもよい。ある態様では、蛍光消光部分は、必要に応じてリンカーを介してヌクレオチド類似体の5’末端に結合している。ある態様では、蛍光消光部分は、ヌクレオチド類似体の5’末端で、三リン酸基のβリン酸またはγリン酸に結合している。
ある態様では、標識部分は、光検出可能な標識、および光検出可能な標識をリン酸エステル結合に結合する任意のリンカーを含む。ある別の態様において、標識部分は、(a)1つ以上の非相補的ヌクレオチド残基、(b)光検出可能な標識、および(c)光検出可能な標識を1つ以上の非相補的ヌクレオチド残基に結合する任意のリンカーを含む。1つ以上の非相補的ヌクレオチド残基は、脱塩基ヌクレオチド残基、およびアデニン、シトシン、グアニン、チミンまたはウラシルのいずれかと塩基対を形成する能力を実質的に欠く塩基を含むヌクレオチド残基から独立して選択され得る。
ヌクレオチド類似体の塩基対合部分は、反応複合体の取り込み部分で鋳型核酸の対応する塩基と塩基対を形成することができる塩基を一般に含む。ある態様では、塩基対合部分の3’末端は、リン酸エステル結合を介して標識部分に結合している。ある態様では、塩基対合部分は、5’末端に少なくとも3個のリン酸基を含み、塩基対合部分(αリン酸)に最も接近するリン酸基は、チオリン酸エステル(phosphorothioate)、メチルリン酸(methylphosphonate)、又はボラノリン酸(boranophospate)である。
態様としては、さらに、式Iを有する化合物または製薬上許容できるその塩またはその水和物が挙げられ:
式中、nは1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;
1および各R2はO-
から選択され、
i)R1および各R2はO-であり; または
ii)R1
であり、各R2はO-であり;または
iii)R1はO-であり、1つのR2
であり、残りのR2は、それぞれ独立してO-、S-、BH3 -またはCH3であり;
3は、蛍光色素Fを含むヌクレオチド部分であり;
4は、H,OH、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む)、アルキル(CH3、CH2CH3を含む)または(両置換と非置換の両方の)アルコキシ(OCH3とOCH2CH3を含む)であり;
1およびY3は、それぞれ独立して、O-、S-、BH3 -およびCH3から選択され;
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、エステル、アミノおよびスルホニルから選択され;
Qは蛍光消光部分であり; および
1は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、ヒポキサンチンおよび5−メチルシトシンから選択される。
前記方法は、反応複合体の取り込み部分でのヌクレオチド類似体の結合と、新生鎖からの標識部分の除去との間での時間の長さが、約50〜250ミリ秒、または本明細書に記述されるいずれの他の範囲の条件下で実行され得る。
前記方法は、二つの連続した検出工程の間の時間の長さが、約0.2秒〜1秒、約0.2〜0.6秒、約0.3〜0.5秒、または本明細書に開示されるいずれかの他の範囲の条件下で実行され得る。
さらに、本明細書に開示される配列決定法の実行に適する装置が提供される。この装置は、本明細書に開示される検出器または検出器システムおよび反応複合体を置く支持体を含む。
前記一般的な記載および以下の詳細な説明の両方は単なる例示であり、説明のためのものであり、特許請求される態様に制限されるものではないことが理解される。
添付図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するが、本発明の幾つかの態様を説明し、本発明の原理を説明するのに役立つ。
本発明によれば、単一分子信号検出の観察期間を拡張して、単一分子配列決定の正確性を改善する新規の方法が提供される。
図1は、本明細書に記載され、使用され得る検出システムの一態様の一般的概略図を示す。 図2は、オリゴヌクレオチドプライマーにより、半球上で修飾されるナノスケール球体の光カプラー粒子を含む検出システムの例を示す。ナノスケール球体の光カプラー100は、DNA合成反応複合体200の複製DNA鎖に取り込まれる配列にハイブリダイスすることができるオリゴヌクレオチドプライマーにより、その表面の半分が修飾される。光カプラーのオリゴヌクレオチド修飾表面が導波管のコア層に面する、導波管のアダプター部位104での光カプラー100のポジショニングによって、反応複合体200は、ナノウェルアダプター部位104底部の限定空間170に限定される。かかる態様において、導波管のコア層に沿って伝播する光波を励起光145が提供する場合、光カプラーは、アダプター部位のコア層表面付近で誘発されるエバネセント光領域と一緒になり、これにより移動可能な光カプラーと導波管のコア層との間の限定された空間、および光カプラー表面周辺に、有効な励起領域160が形成される。光学フィルターは118で示され、検出器は102で示される。米国特許出願番号13/046,457を参照。 図3は、ジヌクレオチド類似体(binucleotide analog)を用いた合成による配列決定の工程における、蛍光信号パルス幅の延長を示す。 図4は、ジヌクレオチド類似体を用いた合成による配列決定工程におけるパルス持続期間を示す。 図5は、蛍光消光部分を含むジヌクレオチド類似体を用いた合成による配列決定工程におけるパルス持続期間を示す。図4と比較すると、消光体の使用は、取り込まれてないヌクレオチド類似体からのバックグラウンド信号を減少させ、消光部分を含むピロリン酸基が放出される場合に、ポリメラーゼの反応部位中の類似体が伸張するヌクレオチド鎖に組み込まれるまで、信号の開始が遅延する。
1.方法
本明細書に開示される組成物および方法は、単一分子配列決定、特に、リアルタイム単一分子配列決定の実行に有効な手段を提供する。本明細書に提供される配列決定は、以下の、1つ以上の独特な特徴を具体化してもよい。まず、ポリメラーゼ酵素または酵素複合体により、鋳型依存性の方式で取り込まれるヌクレオチドからの信号の検出時間が延長されてもよい。これは、例えば、標識され、無限であるヌクレオチド類似体を使用することにより達成することができ、その標識は、取り込まれたヌクレオチド残基と共に存在してもよく、新生鎖の一部として維持されてもよく、その後次の塩基の取り込み前に、酵素または酵素複合体により切断される。次に、連続したヌクレオチドの取り込みに対応する信号パルス時間が、延長されたインターパルス期間(例えば、“信号なし”または“暗”期間)によりさらに分離される。これは、例えば、酵素または酵素複合体が3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性から5’〜3’重合活性へ切り替わるのに必要な時間を利用することにより達成され得る。これらの二つの属性の組み合わせによって、検出器が取り込みを検知するための長い“信号”期間、および各連続した取り込みの間での明白な“信号なし”または“暗”期間が提供されてもよく、検出器に、取り込みの終了を正確に登録させる。
従って、態様としては、標的核酸のヌクレオチド配列の決定方法が挙げられる。ある態様において、前記方法は、(a)標的核酸配列を含む鋳型核酸、鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、ならびに5’〜3’重合活性およびプルーフリーディング3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体を含む反応複合体を提供する工程、(b)反応複合体と複数のヌクレオチド類似体を接触させる工程、ここで、複数のヌクレオチド類似体の個々のヌクレオチド類似体が、少なくとも一つの塩基対合部分および塩基対合部分を特定するための光検出可能な標識を含む少なくとも一つの標識部分を含む、(c) 酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性により、鋳型依存性の方式で、酵素または酵素複合体に、ヌクレオチド類似体を新生鎖に取り込ませて、標識部分が新生鎖に結合する工程、(d)取り込まれたヌクレオチド類似体の光検出可能な標識を検出する工程、(e)酵素または酵素複合体のプルーフリーディング3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により、酵素または酵素複合体に、取り込まれたヌクレオチド類似体の標識部分を新生鎖から除去させる工程、(f)工程(c)〜(e)を繰り返して、標的核酸の配列を決定する工程を含む。
態様としては、さらに、核酸重合反応において、ポリメラーゼ酵素または酵素複合体により取り込まれるヌクレオチド塩基の決定方法が挙げられ、前記方法は、(a)ポリメラーゼ酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性と3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性の両方を使用し、鋳型依存性の方式で新生鎖を生成する核酸重合反応を実行する工程、および、(b)光検出可能な標識を検出する工程を含み、ここで前記反応は(i)標的核酸配列を含む鋳型核酸、(ii)鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、(iii)5’〜3’重合活性および3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体、(iv)個々のヌクレオチド類似体が、少なくとも一つの塩基対合部分および光検出可能な標識を含む少なくとも一つの標識部分を含む、複数のヌクレオチド類似体、の存在時に実行され、前記標識は、酵素または酵素複合体により、新生鎖に取り込まれるヌクレオチド類似体に存在する1つまたは複数の塩基の同一性を示す。
態様としては、標的核酸の核酸配列の決定方法が挙げられ、前記方法は、(a) (i)標的核酸配列を含む鋳型核酸、(ii)鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、(iii)鋳型依存性の方式で、ヌクレオチド類似体を取り込む反応部位を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体、(iv)個々のヌクレオチド類似体が、少なくとも一つの塩基対合部分、および光検出可能な標識を含む少なくとも一つの標識部分を含む、複数のヌクレオチド類似体、の存在時に核酸重合反応を実行する工程、および(b)それぞれ連続して取り込まれる標識部分を検出する工程を含み、類似体が酵素または酵素複合体により、鋳型依存性の方式で新生鎖に取り込まれると、類似体は新生鎖の生成を終了せず、ヌクレオチド類似体により、酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性により除去される標識を含むヌクレオチド類似体と比較すると、少なくとも一つの延長された検出時間および延長されたインターパルス期間が提供される。
態様には、合成による配列決定のヌクレオチド基質としてのヌクレオチド類似体の使用が含まれ、類似体は、(i)核酸重合反応複合体の取り込み部分において、標的核酸の対応する塩基と塩基対を形成することが出来る塩基をそれぞれ含む1つ以上のヌクレオチド残基を類似体の5’末端に含む塩基対合部分、(ii)例えば、リン酸エステル結合により、塩基対合部分の3’末端の標識部分を含んでいてもよく、標識部分は、標的鎖と非相補的であり、光検出可能な標識を含む。本発明によるポリメラーゼ酵素または酵素複合体は、鋳型に依存した複製により、ヌクレオチド類似体を成長鎖に取り込んでもよく、これにより、類似体の5’末端の塩基対合部分は、鋳型鎖の1つ以上の対応する塩基と塩基対を形成し、類似体と酵素の結合および類似体の複製鎖への取り込みが類似体の標識部分で光検出可能な標識により検出される。光検出可能な標識の検出は、標識部分が、重合酵素のプルーフリーディング3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により切除されるまで継続されてもよく、標識部分は光検出可能な標識を含み、標的鎖と塩基対を形成することができない。よって、光検出可能な標識の検出が、合成反応の速度を遅くするヌクレオチド類似体基質の濃度を減少させることなく、延長され得る。酵素または酵素複合体は、その後、合成の次のステップに進んでもよく、酵素または酵素複合体は、5’末端で鋳型鎖の以下の1つ以上の塩基と塩基対を形成する塩基対合部分を含む、別の類似体を取り込んでもよい。配列決定の精度は、合成反応中に標識された反応物の一時的な結合により生じるノイズと区別される信号が延長されることにより、増加する。重合複合体と結合する標識された反応物から可視化される、信号の時間の長さは、ポリメラーゼが重合活性からエキソヌクレアーゼ活性に切り替わり、ミスマッチのヌクレオチド残基を切断することができる時間の長さに等しくてもよい。ある態様において、ヌクレオチド類似体の核酸−合成反応複合体の取り込み部分との結合と、新生 (“プライマー”)鎖から類似体の標識部分の除去との間の時間の長さは、50〜250ミリ秒である。ある態様において、時間の長さは、50ミリ秒未満であり、または、250ミリ秒より大きい。
1.1 配列決定複合体と関連材料
本明細書に提供される方法の実行には、一般に、ポリメラーゼ酵素または酵素複合体、標的核酸配列を含む鋳型核酸、プライマー、および1つ以上の種類のヌクレオチド類似体を含む反応混合物が必要とされる。重合反応に適する各種バッファと金属イオンも用いられ得る。
本明細書で使用される“配列決定複合体”または“反応複合体”(交換して使用される)は、ポリメラーゼ酵素または酵素複合体、鋳型分子、およびプライマー分子を含む複合体のことを指す。配列決定複合体は、固体支持体に結合されてもよい。結合は、以下でさらに詳述されるように、ポリメラーゼ、鋳型分子、プライマー分子などの配列決定複合体の1つ以上の成分により生じてもよく、または、配列決定複合体のあらゆる成分と結合する分子により間接的に生じてもよい。
所望される場合、ポリメラーゼは、溶液中に存在し得るか、または、支持体上に固定され得る。ポリメラーゼは、従来知られている任意の方法、例えば、直接吸着、親和結合、および、分子の結合による共有結合または非共有結合により、支持体上に固定することができる。このような結合の非制限的ないくつかの例は、ビオチン−ストレプトアビジン、抗体−ハプテン、レクチン-サッカリド、シランカップリング、カルボジイミド、マレイミド、ペプチド、炭水化物、エステル、置換エステル、無水物、置換無水物、および、ポリラクチドの結合である。使用されてもよい多くの結合分子が、当該技術分野で広く説明されている。非制限的ないくつかの例としては: ジチオスレイトール、ジスクシンイミジルグルタレート、ジスクシンイミジルスベレート、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート、ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート、エチレングリコビス(スクシンイミジルスクシネート)、エチレングリコビス(スルホスクシンイミジルスクシネート、酒石酸塩ジスクシンイミジル、酒石酸塩ジスルホスクシンイミジル、ビス[2−(スクシンイミジルオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、ビス[2−(スルホスクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、スクシンイミジル4−(N−マレイミド−メチル)シクロヘキサン−l−カルボン酸塩、スルホ−スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−カルボン酸塩、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4−(p−マレイミド−フェニル)−ブチレート、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)−ブチレート、ビスマレイミドヘキサン、N−(y−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル、N−(y−マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノ安息香酸塩、スルホスクシンイミジル(4−ヨードアセチル)−アミノ安息香酸、1,4−ジ-[3’−2’−ピリジルジチオ(プロピオンアミド)ブタン]、4−スクシンイミジルオキシカルボニル−a−(2−ピリジルジチオ)トルエン、スルホスクシンイミジル−6−[a−メチル−a−(2−ピリジルジチオ)−トルアミド]へキサノエート、N−スクシンイミジル−3(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート、スクシンイミジル6−[3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド)ヘキサノエート、スクシンイミジル6−[3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド)へキサノエート、3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオニルヒドラジド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、4−(p−アジドサリチルアミド)−ブチルアミン、アジドベンゾイルヒドラジド、N−5−アジド−2−ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド、N−[4−(p−アジドサリチルアミド)ブチル]−3’(2’−ピリジルジチオ)プロピオンアミド、p−アジドフェニルグルオキサル一水和物、4−(p−アジドサリチルアミド)ブチルアミン、1−(p−アジドサリチルアミド)−4−(ヨードアセトアミド)ブタン、ビス−[(3−4−アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、n−ヒドロキシスルホ−スクシンイミジル4−アジドベンゾエート、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドサリチル酸、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドサリチル酸、スルホスクシンイミジル−(4−アジドサリチルアミド)−へキサノエート、p−ニトロフェニル−2−ジアゾ−3,3,3−トリフルオロプロピオネート、2−ジアゾ−3,3,3,−トリフルオロ−プロピオニルクロリド、N−スクシンイミジル−(4−アジドフェニル)1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル−(4−アジドフェニルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル−2−(7−アジド−4−メチルクマリン−3−アセトアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル7−アジド−4−メチルクマリン−3−アセテート、スルホスクシンイミジル2−(m−アジド−oニトロベンゾアミド)−エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、N−スクシンイミジル−6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)へキサノエート、スルホスクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)へキサノエート、スルホスクシンイミジル2−(pアジドサリチルアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル4−(p−アジドフェニル)−ブチレートが挙げられる。
ポリメラーゼは、核酸重合反応を妨げない任意の支持体上に固定されてもよい。支持体の材料、形状、および/またはサイズは、反応複合体からの信号を検出するのに用いられる検出システムに依存してもよい。多種の支持体は、限定されないが、金属、金属酸化物、シリコン、ガラス、石英、ポリマー、炭水化物、樹脂とそれらの複合材料により製造されるものが用いられ得る。材料は、プラスに帯電、マイナスに帯電、または、電荷を含まなくてもよく、修飾されていないか、または、複合体の固定化を補助するコーティングで誘導体化されてもよい。支持体は、さらに、あらゆる適当な形状とサイズであってもよく、限定されないが、プレート、ビーズ、球体、スライド、ウェハ、チップ、および各種容器、例えばウェル、キャピラリー、ピペット、チャネル、チューブ、ポア、キュベットおよびマイクロ流体チャネル、チャンバーおよびウェルの表面が挙げられる。支持体は、あらゆる適切な形式を採用することができ、限定されないが、マルチウェルプレートとナノサイズウェルのアレイが挙げられる。ポリメラーゼ固定化は、画像化する限定空間、例えば、ゼロモード導波管画像化(zero mode waveguide imaging)のアトリットル(attoliter)またはゼプトリットル(zeptoliter)スケール体積内にポリメラーゼを局在させてもよい。
ポリメラーゼは、ポリメラーゼサブユニットまたはポリメラーゼに含まれる任意の他のサブユニットにより、支持体に結合されてもよい。ポリメラーゼは、ポリメラーゼを固定支持体に結合する以外の機能を果たさないサブユニットを含んでもよい。ポリメラーゼは、支持体上にランダムに固定されてもよく、支持体表面上にアレイでまたは任意の他のパターンで固定されてもよい。
本明細書に開示される配列決定法において、5’〜3’重合および3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を有する任意のポリメラーゼが用いられ得る。用語“3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性”とは、新生鎖の3’末端にホスホジエステル結合の加水分解のことを指す。3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性は、新生(即ち、成長)鎖に取り込まれる塩基のエラーを校正する(即ち、プルーフリーディング)ために用いられ得る。一般に、該用語は、鋳型特異的核酸ポリメラーゼと関連するので、鋳型とワトソン−クリック塩基対を形成しないヌクレオチドは、連続的方法で、新生鎖の3’末端から除去される。エラーを校正する活性を有するポリメラーゼの例は、限定されないが、Pyrococcus furiosus,Thermococcus litoralis およびThermotoga maritimeからのポリメラーゼである。“ミスマッチヌクレオチド”または“ミスマッチ”とは、その位置の標的核酸配列に相補的ではないヌクレオチドを指す。
本明細書で使用される用語“ポリメラーゼ”とは、DNAまたはRNAを鋳型として使用し、ヌクレオチドユニットをヌクレオチド鎖に加えることにより、ポリヌクレオチド合成を触媒する酵素または酵素複合体のことを指す。この用語は、単量体酵素と多量体酵素(例えば、酵素複合体)を含む。酵素複合体は、単一酵素または複数酵素を含んでもよく、非酵素タンパク質または別のサブユニットもさらに含んでもよい。例えば、酵素複合体の1つ以上のサブユニットにより、二種の酵素活性を達成することができる。複合体は、サブユニット(例えば、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力、および疎水性相互作用による)または共有結合(例えば、ジスルフィド結合またはラクタム架橋による)間の非共有結合により一緒に固定されてもよい。このような複合体の非制限的ないくつかの例としては、核酸ポリメラーゼの少なくとも一つの触媒サブユニット、例えば野生型、組み換え型、突然変異体および工学的ポリメラーゼが挙げられてもよい。一般に、ポリメラーゼは、ポリヌクレオチド鋳型配列にアニールするプライマーの3’末端で、合成を開始し、鋳型鎖の5’末端に進む。“DNAポリメラーゼ”は、デオキシヌクレオチドの重合を触媒する。“RNAポリメラーゼ”は、リボヌクレオチドの重合を触媒する。
上で述べたように、いくつかのポリメラーゼは、プルーフリーディング活性、例えば、5’〜3’重合活性を達成する同一のサブユニットに3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性も含んでもよい。この種類のポリメラーゼとしては、限定されないが、原核性DNA pol I、IIおよびIII、真核性DNA pol およびファージレプリカーゼが挙げられる。
プルーフリーディングポリメラーゼは、デオキシリボヌクレオチドからのDNA(または、リボヌクレオチドからのRNA)の鋳型指向合成を触媒する能力、および3’〜5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を有し、よって、鋳型にハイブリダイズする場合、新生鎖の3’末端かその近くで、ミスマッチのヌクレオチドを切断することができる。ある態様において、5’〜3’ポリメラーゼ活性および3’〜5’エキソヌクレアーゼは、ポリメラーゼ複合体の別々のサブユニット、例えば、E.coli DNAポリメラーゼIII複合体のサブユニットそれぞれに存在する(A.Kornberg & T.A.Baker,“DNA Replication”,第二版,University Science Books,U.S.A.,2005)。ある態様において、プルーフリーディングポリメラーゼは、Pfu、KOD、Tgo、Vent、Deep Vent、phi29 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ(例えば、Reha−Krantz,L.J.,GENETICS,148:1551〜1557(1998)を参照)またはT7 DNAポリメラーゼである。適切なプルーフリーディング酵素は、B型ポリメラーゼであってもよい。B型ポリメラーゼは、熱安定性ポリメラーゼ、例えば、Pyrococcusポリメラーゼ、例えば、Pfu、Pwo、Pho、Pab、Pko、Pglポリメラーゼ;Thermococcusポリメラーゼ、例えば、Thermococcus litoralis,Thermococcus barossiiおよびThermococcus gorgonariusポリメラーゼ; および、Pyrodictium sppからのポリメラーゼであってもよい。3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を有する熱安定性ポリメラーゼは、真正細菌目種、例えば、Thermotogaから分離することができる。また、ポリメラーゼは、天然ポリメラーゼに由来してもよく、5’〜3’ポリメラーゼ活性および3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性の両方を含むように設計されてもよく、修飾された3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性は、上記式Iの標識部分R3を加水分解で切断することができ、R3は、ヌクレオチド部分またはヌクレオチド類似体構造を含まない。
有用な核酸ポリメラーゼは、非熱安定性または好熱性であってもよい。好熱性ポリメラーゼ(“耐熱性”または“熱安定性”ポリメラーゼとも称される)は、DNAまたはRNAを鋳型として、ヌクレオチドユニットをヌクレオチド鎖に加えることにより、ポリヌクレオチド合成を触媒し、45℃以上の温度で最適活性を有し、高温、例えば90℃以上で、非可逆的に変性しない任意の酵素のことを指す。熱安定性ポリメラーゼの非制限的な例は、TaqおよびPfu DNAポリメラーゼならびにそれらの誘導体、ならびに好熱性生物、例えば、Thermus aquaticus,Thermus thermophilus,Thermococcus litoralis,Bacillus sterothermophilus,Thermotoga maritimeおよびその他のThermus,Bacillus,ThermotogaおよびPyrococcus種に由来するものである。熱安定性ポリメラーゼとしては、限定されないが、好熱性バクテリオファージ、例えば、PyroPhage 3173 DNAポリメラーゼ(Lucigen)に由来するものが挙げられる。
ある態様において、ポリメラーゼは非熱安定性ポリメラーゼであり、限定されないが、phi29およびBST DNAポリメラーゼを含む。別の実例は、3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を有し、5’〜3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くE.coli DNAポリメラーゼI(Klenow)の大きいフラグメントである。この酵素または同様な酵素は、例えば、一定温度のPCR中などの、高温で合成反応を実行しない態様で使用することができる。ある態様において、ポリメラーゼは、古細菌DNAポリメラーゼである。
本発明に適する複合体は、3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くポリメラーゼも含んでもよく、例えばエキソヌクレアーゼ活性を天然で欠くポリメラーゼ、例えば特定のRNAポリメラーゼ、逆転写酵素、およびエキソヌクレアーゼ活性を含まないように切断されたまたは修飾されたポリメラーゼを含む。このような酵素複合体は、本発明で用いる場合、一般に、3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を実現することができるさらなるサブユニットをさらに含む。
本発明に適するポリメラーゼは、重合中に、下流DNAを置換するポリメラーゼの能力を指す鎖置換活性も有していてもよい。鎖置換ポリメラーゼは、5’〜3’エキソヌクレアーゼ活性を低減していてもよいし、または本質的に5’〜3’エキソヌクレアーゼ活性を有していなくてもよい。鎖置換ポリメラーゼは、環形鋳型分子上で、鋳型配列のタンデムリピートを生成して、同じ鋳型を実質的に再度配列決定してもよい。このことは、配列情報がタンデム方式により同じ分子から繰り返し派生することができるため、単一分子配列決定にとって特に有利である。本発明に適切な鎖置換ポリメラーゼの非制限的な例としては、限定されないが、Phi29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、T5 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼホロ酵素、ファージ M2 DNAポリメラーゼ、ファージ PRD1 DNAポリメラーゼ、およびDNAポリメラーゼIのKlenowフラグメントが挙げられる。
ある態様において、ポリメラーゼは、重合領域および3’〜5’エキソヌクレアーゼを含むハイブリッドタンパク質である。用語“ハイブリッドタンパク質”は、複数の親配列からのアミノ酸残基を含むタンパク質を説明するために使用される。ハイブリッドポリメラーゼタンパク質およびハイブリッドタンパク質の生成方法の例は、国際特許公開番号WO2004/011605に開示されている。よって、このようなポリメラーゼは、非天然で生じるポリメラーゼの変異である。
ある態様において、処理能力(processivity)が高いポリメラーゼを使用することは有利である。これらの例としては、国際特許公開番号WO01/92501および米国特許番号7,666,645に記載されるポリメラーゼが挙げられる。これらの改善されたポリメラーゼは、ポリメラーゼまたはポリメラーゼの酵素領域に結合している配列非特異的な二本鎖DNA結合領域が存在するため、高い処理能力を示す。ある態様において、結合領域は熱安定性生物に由来し、高温、例えば、45℃以上の温度で高い活性を提供する。例えば、Sso7dおよびSac7dは、超好熱性始原細菌 Sulfolobus solfataricusおよびS.acidocaldariusそれぞれに由来する小さい(約7,000kd MW)、塩基性染色体タンパク質である(例えば、Choli et al.,BIOCHIMICA ET BIOPHYSICA ACTA 950:193〜203(1988);Baumann et al.,STRUCTURAL BIOL.1:808〜819(1994); およびGao,et al.,NATURE STRUC.BIOL.5:782〜786(1998)を参照)。これらのタンパク質は、配列に依存しない方式でDNAと結合し、結合する場合、ある条件下で、最大40℃で、DNAのTmを増大させる(McAfee et al.,BIOCHEMISTRY 34:10063〜10077(1995))。これらのタンパク質およびそれらのホモログは、改善されたポリメラーゼ融合タンパク質において、配列非特異的なDNA結合領域として使用されてもよい。Sso7d、Sac7d、Sac7eおよび関連する配列(本明細書では、“Sso7 配列”または“Sso7 領域”という)は、従来技術で公知である (例えば、アクセッション番号(P39476(Sso7d);P13123(Sac7d);およびP13125(Sac7e)を参照)。別の配列非特異的な二本鎖核酸結合タンパク質は、トポイソメラーゼ、ヘリカーゼ、またはPCNAである。さらなる例は、Motz,et al.,J.BIOL.CHEM.277:16179〜88(2002);Pavlov,et al.,PROC.NATL.ACAD.SCI.USA,99:13510〜13515(2002))に記載されている。
適当な核酸ポリメラーゼは、核酸ポリメラーゼの機能フラグメントを含む。ポリメラーゼの“機能フラグメント”とは、ポリメラーゼの全アミノ酸配列より少なく、少なくとも一連の条件下で、ポリヌクレオチドの重合を触媒し、プルーフリーディング3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性によりミスマッチのヌクレオチドを切断する能力を保持する、野生型または突然変異型ポリメラーゼの任意の部分のことを指す。
本発明の別の態様は、新生鎖を合成する別のメカニズム、例えば、鋳型媒介ライゲーションを利用する複合体を使用してもよく、または非ホスホジエステル結合、例えば、ペプチド結合の形成により、相補的ヌクレオシド付加してもよい。本発明の目的のため、このような合成方法も5’〜3’重合と見なされる。
ある態様において、本発明の核酸合成は、限定されないが、タンパク質、例えば、ヘリカーゼ、一本鎖DNA結合タンパク質、アデノウイルスDNA−結合タンパク質、HSVタンパク質ICP8、およびBMRF1ポリメラーゼ付属サブユニットなどの別の要素の添加により促進されてもよい。
1.2 配列決定プライマー
配列決定プライマーは、検出される核酸のセグメントに相補的なオリゴヌクレオチド、またはポリメラーゼにより核酸合成の開始点として役立つことができるその結合末端リンクプライマーである。ある態様において、配列決定プライマーの長さは、少なくとも8、10、15、20、25、30、35、40、45、50個以上のヌクレオチドであってもよい。特定の態様において、配列決定プライマーの長さは、8〜25、10〜20、10〜30、または10〜50個のヌクレオチドであってもよい。配列決定プライマーは、あらゆる種類のヌクレオチド、例えば天然ヌクレオチド、天然に存在しないヌクレオチド類似体、または修飾ヌクレオチドから形成されてもよい。
プライマーは、増幅中の最大効率のために、好ましくは一本鎖であるが、自己アニーリング、例えば、“ヘアピン”プライマー、または別の相補配列へのアニールにより、二本鎖でもあってもよい。このような二本鎖プライマーは、“ホットスタート”PCRを用いる態様に特に有用である。
ある態様において、配列決定プライマーは、修飾ヌクレオチド、例えば、ロック核酸(LNAs;修飾リボヌクレオチド、ポリ核酸中で高い塩基スタック相互作用を提供する)を含んでいてもよい。LNAの有用性の説明として、Levin et al.(NUCKEIC ACID RESEARCH 34(20):142(2006))では、LNA−含有プライマーが、改善された特異性を有し、対応するアンロックプライマーに対する強い結合を示すことが示された。プライマー中の異なる位置で、3 LNAヌクレオチド(キャップ中)を含むMCP1プライマー(5’−cttaaattttcttgaat−3’;配列番号1)の三種の改変体が形成された:MCP1−LNA−3’(5’−cttaaattttCtTgaAt−3’;配列番号2);MCP1−LNA−5’(5’−CtTaAattttcttgaat−3’;配列番号3);およびMCP1−LNA−均等(5’−ctTaaatTttctTgaat−3’;配列番号4)。全LNA−置換プライマーは高いTmを有し、MCP1−LNA−5’プライマーは、特に高い配列決定精度を示した(Phred Q30 カウント)。従って、特定の態様において、配列決定プライマー は、その5’領域、即ち、配列決定プライマーの5’の半分、三分の一、または四分の一で、少なくとも一つのロックヌクレオチドを含んでいてもよい。ある態様において、プライマーは、さらなる分子基、限定されないが、検出可能な標識、5’保護基(blocking group)、または、ポリメラーゼ又は別の酵素と結合する結合領域を含んでいてもよい。
配列決定プライマーおよびサンプル核酸は、サンプル核酸と1モル過剰の配列決定プライマーを、塩含有溶液、例えば、10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaCl,および1mM EDTAバッファ中で混合することによりハイブリダイズさせてもよい。混合物は、65℃で少なくとも5分間加熱し、ゆっくりと室温まで冷却して、プライマー/鋳型をアニーリングさせてもよい。例えば、分子篩などの適当な方法により、残りのプライマーを除去してもよい。
両末端リンクと配列決定プライマーの両方を含むプライマーが、配列の外観調査または、コンピュータ支援プライマー設計などの適切な方法により、設計されてもよい。多くのソフトウェアパッケージは、DNAStarTM(DNAStar,Inc.,Madison,WI),OLIGO 4.0(National Biosciences,Inc.),Vector NTI(登録商標)(Invitrogen),Primer Premier 5(Premierbiosoft)、およびPrimer3(Whitehead Institute for Biomedical Research,Cambridge,MA)などのプライマー設計の補助に利用可能である。プライマーは、例えば、配列決定される分子、特異性、長さ、所望の溶解温度、二次構造、プライマー二量体、GC含量、バッファ溶液のpHとイオン強度、および使用される酵素(即ち、ポリメラーゼまたはリガーゼ)を考慮して設計されてもよい。例えば、Sambrook and Russell,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,COLD SPRING HARBOR LABORATORY PRESS;第3版(2001)を参照。ある態様において、プライマーは、例えば、マルチプレックスPCRまたは未知の配列を有する鋳型分子を増幅する場合、異なる配列の混合物からなってもよい。後者の場合、プライマー設計は不要であってもよく、ランダム配列の混合物がプライマーの代わりに使用されてもよい。
1.3 末端リンクプライマー
ある態様において、線形核酸は、さらに、核酸の5’末端、3’末端、または5’末端と3’末端の両方に結合する1つ以上の末端リンクプライマーを含んでいてもよい。特定の態様において、末端リンクプライマーは核酸の3’末端に固定されてもよい。末端リンクプライマーは、配列決定プライマーに相補的な配列を提供するために使用されてもよい。
末端リンクプライマーは短い核酸分子で、通常、100個より少ないヌクレオチドから構成される。ある態様において、末端リンクプライマーの長さは、少なくとも5、10、15、20、25、30、50、75、90個以上のヌクレオチドであってもよい。幾つかの態様において、末端リンクプライマーの長さは、 8〜25、10〜20、10〜30、または10〜50個のヌクレオチドであってもよい。ある態様において、末端リンクプライマーは分岐しなくてもよいが、別の態様において分岐していてもよい。
末端リンクプライマーは、配列決定プライマーに相補する作用がある。ある態様において、末端リンクプライマーの5’末端は、配列決定プライマーに相補する配列を含む。ある態様において、配列決定プライマーに相補する末端リンクプライマー配列が定位されて、配列決定プライマー の3’末端は、配列決定される核酸中の第一ヌクレオチドに直接隣接する。
ある態様において、末端リンクプライマーは、リガーゼ、例えば、DNAリガーゼにより検出される核酸の末端に付加されてもよい。ある態様において、検出される末端リンクプライマーと核酸は、ライゲーション前に共に一本鎖であってもよい。別の態様において、両者は二本鎖であってもよい。更に別の態様において、一つは一本鎖であってもよく、もう一つは二本鎖であってもよい。ライゲーションは従来技術分野で周知である。例えば、ポロニー配列決定法において、Shendure et al.(SCIENCE,309:1728〜1732(2005))は、New England Biolabs’(NEB)クイックライゲーションキットにより、T30末端リンクプライマー(32bp)をサンプルDNAセグメントにライゲートした。ライゲーション反応液は、1X クイックライゲーションバッファ中に、0.26pmoleのDNA、0.8pmoleのT30末端リンクプライマー、4.0μl T4 DNAリガーゼを含んでいた。混合後、反応液は室温で約10分間インキュベートされ、その後、氷上に放置した。サンプルを65℃で10分間加熱することにより、ライゲーション反応を停止した。
別の態様において、末端リンクプライマーは、配列決定される核酸上に合成される。例えば、末端リンクプライマーは、例えば、ターミナルトランスフェラーゼにより加えられるホモポリマーであってもよい。例えば、Harris et al.,(SCIENCE 320:106〜109)(2008))では、ポリ−AテールがDNA鋳型に付加され、ウイルスゲノムの単一分子配列決定においてポリ−T配列決定プライマーに対する補完物として働いた。
1.4 ヌクレオチド類似体
態様は、合成による核酸配列決定の基質としてのヌクレオチド類似体の使用を含む。ある態様において、個々の類似体は、塩基対合部分と標識部分を含む。塩基対合部分は、反応複合体の取り込み部分中の鋳型核酸鎖の対応する塩基と塩基対を形成することができる塩基(例えば、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、ヒポキサンチン、または、5−メチルシトシン)をそれぞれ含む1つ以上のヌクレオチド残基を類似体の5’末端に含んでいてもよい。類似体の標識部分は、リン酸エステル結合を介して塩基対合部分の3’末端に結合していてもよく、標識部分は、(1)光検出可能な標識と光検出可能な標識をリン酸に結合する任意のリンカー、および(2)1つ以上の非相補的ヌクレオチド残基、光検出可能な標識、および光検出可能な標識を1つ以上の非相補的ヌクレオチド残基に結合する任意のリンカーを含む基から選択される。ヌクレオチド類似体に適用される用語“非相補的”とは、ヌクレオチドが、鋳型配列中の対応する塩基とワトソンクリック塩基対(例えば、A−T、C−G、またはA−Uの対)を形成する能力を実質的に欠くことを意味する。非相補的ヌクレオチド類似体としては、限定されないが、脱塩基ヌクレオチド残基、およびアデニン、シトシン、グアニン、チミン、または、ウラシルのいずれかと塩基対を形成する能力を実質的に欠く塩基を含むヌクレオチド残基が挙げられる。非相補的ヌクレオチド残基は、“ミスマッチ”(“ミスマッチのヌクレオチド”)となり、次に本発明のポリメラーゼの3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により切断される。
態様には、式Iに示される構造を有する複数のヌクレオチド類似体および複数ヌクレオチド類似体の個々の類似体または製薬上許容できるその塩類またはその水和物の使用が含まれ:
式中、
nは、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;
1および各R2は、O-
から選択され、
i)R1および各R2はO-であり; または
ii)R1
であり、
各R2はO-であり; または
iii)R1はO- であり、一つのR2
であり、残りのR2は、それぞれ独立して、O-、S-、BH3 -またはCH3であり;
3は、蛍光色素Fを含むヌクレオチド部分であり;
4は、H,OH、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む)、アルキル(CH3、CH2CH3を含む)、または(置換と非置換の両方の)アルコキシ(OCH3とOCH2CH3を含む)であり;
1およびY3は、それぞれ独立して、O-、S-、BH3 -およびCH3から選択され;
1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、エステル、アミノ、およびスルホニルから選択され;
Qは、蛍光消光部分であり; および
B1は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、ヒポキサンチン、および5−メチルシトシンから選択される。
一つの態様において、例えば、nは1、2、3、4、5または6である。ある態様において、nは1、2、3または4である。例えば、nは1、2または3である。幾つかの態様において、nは1である。
3基として適切なヌクレオチド部分は、モノ、ジ、および、トリヌクレオチドを含む。ある態様において、R3は: F、
から選択され;
式中、
2は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、ヒポキサンチンおよび5−メチルシトシンから選択され;
1は、メチレン; L2; アデニン、シトシン、グアニン、チミン、および、ウラシルのいずれかと塩基対を形成しない塩基;ならびにアデニン、シトシン、グアニン、チミン、およびウラシルのいずれかと塩基対を形成しない塩基およびL2を含む基; から選択され、
2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、エステル、アミノ、およびスルホニルから選択され;
2は、H、CH3、およびアデニン、シトシン、グアニン、チミン、およびウラシルのいずれかと塩基対を形成しない塩基から選択され;
各R4は、H、OH、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む)、アルキル(CH3、CH2CH3を含む)、または(置換と非置換の両方の)アルコキシ(OCH3とOCH2CH3を含む)であり;および
2は、O-、S-、BH3 -およびCH3から選択される。
例えば、R3は:
から選択される。
塩基B1とB2は、それぞれ独立して、例えば、プリンまたはピリミジンであってもよい。例えば、B1またはB2は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、またはヒポキサンチンであってもよい。塩基B1とB2は、それぞれ、例えば、天然または合成の塩基、例えばピラゾロ(3,4−d)−ピリミジン; 5−メチルシトシン(5−me−C); 5−ヒドロキシメチルシトシン;キサンチン;ヒポキサンチン; 2−アミノアデニン; 6−メチルまたは別のアルキル誘導体のアデニンまたはグアニン;2−プロピルまたは別のアルキル誘導体のアデニンまたはグアニン; 2−チオウラシル; 2−チオチミン; 2−チオシトシン; 5−プロピニルウラシル; 5−プロピニルシトシン; 6−アゾウラシル; 6−アゾシトシン; 6−アゾチミン; シュードウラシル; 4−チオウラシル; 8−ハロ(例えば、8−ブロモ)、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび別の8−置換アデニンまたはグアニン; 5−ハロ(例えば、5−ブロモ)、5−トリフルオロメチルおよび別の5−置換ウラシルまたはシトシン; 7−メチルグアニン; 7−メチルアデニン; 8−アザグアニン; 8−アザアデニン; デアザグアニン; 7−デアザグアニン; 3−デアザグアニン; デアザアデニン; 7−デアザアデニン; 3−デアザアデニン; ピラゾロ(3,4−d)ピリミジン;イミダゾ(l,5−a)−1,3,5トリアジノン; 9−デアザプリン ;イミダゾ(4,5−d)−ピラジン; チアゾロ(4,5−d)−ピリミジン; ピラジン−2−オン; 1,2,4−トリアジン;ピリダジン; 1,3,5 トリアジン;などであってもよい。
本明細書に記述されるヌクレオチド類似体で有用な塩基および方法では、ポリメラーゼにより新生鎖に取り込まれ、鋳型鎖上の1つ以上の塩基と1つ以上の塩基対を形成する塩基B1(および、ある態様による塩基B2)を含むヌクレオチド類似体が許容される。用語“塩基対”には、標準のAT、AUまたはGC塩基対だけではなく、非標準または修飾塩基を含むヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド類似体間で形成される塩基対も含まれ、水素結合供与体と水素結合受容体の配列では、非標準塩基と標準塩基間の、または二個の相補する非標準の塩基構造間での水素結合が許容される。このような非標準の塩基対の一例は、塩基類似体ヒポキサンチンおよびアデニン、シトシンまたはウラシルのどれかの間の塩基対であり、二個の水素結合が、塩基対中に形成される。
ヌクレオチド類似体は、重合を持続させるために、類似体が新生鎖または成長鎖に取り込まれた後、プルーフリーディングポリメラーゼの3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により除去される基を含んでいてもよい。ある態様において、本発明の方法に用いられるヌクレオチド類似体は、モノヌクレオチド類似体であり、該類似体は、基R3中に標識部分を含む。所望される場合、標識部分には、光検出可能な標識、または、光検出可能な標識および光検出可能な標識を3’リン酸に結合するリンカーが含まれる。例えば、リンカーは、本明細書に定義されるL2である。このような態様において、類似体がポリメラーゼにより成長鎖中に取り込まれた後、リン酸、任意のリンカーおよび光検出可能な標識が除去されて、続く取り込みステップで入ってくるヌクレオチド類似体の5’リン酸との結合のための3’−OHを遊離する。この除去は、プルーフリーディング酵素のプルーフリーディング3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により触媒されてもよい。
ある態様において、本発明の方法に使用されるヌクレオチド類似体はモノヌクレオチド類似体であり、該類似体は、標識部分として基R3を含み、基R3は、光検出可能な標識、または光検出可能な標識および光検出可能な標識を3’リン酸に結合するリンカーを含むが、リンカーは切断され、3’リン酸から光検出可能な標識を遊離させることができる。例えば、リンカーは、本明細書に定義されるL2である。
ある態様において、式Iの構造を有するヌクレオチド類似体は、ジヌクレオチド類似体(binucleotide)であり、該類似体は、構造
を有する基R3を標識部分として含む。ある態様において、式Iの構造を有するヌクレオチド類似体は、トリヌクレオチド類似体であり、該類似体は、
の構造を有する基R3を標識部分として含む。このようなジヌクレオチドまたはトリヌクレオチドの態様において、Fは光検出可能な標識であり、Y2はO、CH3、BH2またはSであり、各基X1とX2は、鋳型鎖の対応する塩基と塩基対を形成することが出来ない基である。ある態様において、基X1はリンカーである。適当なリンカーとしては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、エステル、アミノ、スルホニルリンカー等が挙げられる。ある態様において、リンカーは、置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアミノである。ある態様において、リンカーは、ヘテロ原子を含むアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアミノである。ある態様において、例えば、リンカーは、ポリエチレングリコールである。リンカーは、反応せず、光検出可能な標識と残りのヌクレオチド類似体との間の立体障害を最小化する適当なリンカーであってもよい。ある態様において、基X1とX2の一つまたは両方は、天然または合成のピリミジンまたはプリン誘導体などの塩基であり、標的核酸鎖であらゆる塩基対に相補的ではない。ある態様において、X2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、エステル、アミノ、またはスルホニル基である。ある態様において、X2は水素である。類似体は塩基B2を含むトリヌクレオチド類似体であり、基Y2はS-、CH3またはBH3 -である態様において、塩基B2を含むヌクレオチド残基の持続的3’〜5’切除が妨げられて、トリヌクレオチド類似体が成長鎖に取り込まれる。
各R4は、独立して、H,OH,ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、および、ヨウ素を含む)、アルキル(CH3、CH2CH3を含む)、または(置換と非置換の両方の)アルコキシ(OCH3とOCH2CH3を含む)であってもよい。別の態様において、R4は、独立してH、OH、フッ素、またはOCH3である。例えば、全R4基はHであってもよい。或いは、全R4基はOHであってもよい。
光検出可能な標識Fは、ヌクレオチド類似体に結合することができ、検出可能な信号を提供するように機能する任意の部分であってもよい。ある態様において、標識は低分子蛍光標識などの蛍光標識である。蛍光標識として適切で有用な蛍光分子(蛍光物質)としては、限定されないが: 1,5 IAEDANS; 1,8−ANS; 4−メチルウンベリフェロン; 5−カルボキシ−2,7−ジクロロフルオレセイン ; 5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM); フルオレセインアミダイト(FAM); 5−カルボキシナフトフルオレセイン; テトラクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(TET); ヘキサクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(HEX);2,7−ジメトキシ−4,5−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE);VIC(登録商標);NEDTM;テトラメチルローダミン(TMR); 5−カルボキシテトラメチルローダミン (5−TAMRA);5−HAT (ヒドロキシトリプタミン ); 5−ヒドロキシトリプタミン(HAT); 5−ROX(カルボキシ−X−ローダミン); 6−カルボキシローダミン6G; 6−JOE; Light Cycler(登録商標)red 610; Light Cycler(登録商標)red 640;Light Cycler(登録商標)red 670;Light Cycler(登録商標)red 705; 7−アミノ−4−メチルクマリン; 7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD); 7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン; 9−アミノ−6−クロロ−2−メトキシアクリジン ; ABQ; 酸性フクシン; ACMA(9−アミノ−6−クロロ−2−メトキシアクリジン); アクリジンオレンジ; アクリジンレッド; アクリジンイエロー; アクリフラビン; アクリフラビンヒュールゲンSITSA; AFPs−自家蛍光タンパク質−(Quantum Biotechnologies); テキサスレッド; テキサスレッド−X複合体; チアジカルボシアニン(DiSC3); チアジンレッドR; チアゾールオレンジ;チオフラビン5; チオフラビンS; チオフラビンTCN; チオライト; チオゾールオレンジ; Tinopol CBS(Calcofluor White);TMR;TO−PRO−1;TO−PRO−3;TO−PRO−5;TOTO−1;TOTO−3;TriColor(PE−Cy5);TRITC(テトラメチルローダミン−イソチオシアネート);True Blue;TruRed;ウルトラライト(Ultralite); ウラニン(Uranine)B;Uvitex SFC;WW 781;X−ローダミン;XRITC;キシレン オレンジ;Y66F;Y66H;Y66W;YO−PRO−1;YO−PRO−3;YOYO−1; 挿入色素(interchelating dyes)、例えば、YOYO−3,Sybr Green,チアゾール オレンジ;広域スペクトルに及び、共通の励起源の主要出力波長と一致するAlexa Fluor(登録商標)色素シリーズ(Molecular Probes/Invitrogen)、例えば、Alexa Fluor 350,Alexa Fluor 405、430,488,500,514,532,546,555、568,594,610,633,635、647、660,680,700および750;広範囲のスペクトルに及ぶCy色素蛍光物質シリーズ(GE Healthcare)、例えば、Cy3,Cy3B,Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7;Oyster(登録商標)色素蛍光物質(Denovo Biolabels)、例えば、 Oyster−500,−550,−556,645、650,656;例えば、最大吸収範囲が418nm(DY−415)から844nm(DY−831)に及ぶ、DY−標識シリーズ(Dyomics)、例えば、DY−415、−495、−505、−547、−548,−549,−550,−554,−555、−556,−560,−590,−610,−615、−630,−631,−632,−633,−634,−635、−636,−647、−648,−649,−650,−651,−652,−675、−676,−677、−680,−681,−682,−700,−701,−730,−731,−732,−734,−750,−751,−752,−776,−780,−781,−782,−831,−480XL,−481XL,−485XL,−510XL,−520XL,−521XL;ATTOシリーズの蛍光標識(ATTO−TEC GmbH)、例えば、ATTO 390,425、465、488,495、520,532,550,565、590,594,610,611X,620,633,635、637、647、647N,655、680,700,725、740;CAL Fluor(登録商標)シリーズ、または、Quasar(登録商標)シリーズの色素(Biosearch Technologies)、例えば、CAL Fluor(登録商標)Gold 540,CAL Fluor(登録商標)Orange 560,Quasar(登録商標)570,CAL Fluor(登録商標)Red 590,CAL Fluor(登録商標)Red 610,CAL Fluor(登録商標)Red 635、 Quasar(登録商標)570およびQuasar(登録商標)670が挙げられる。
ある態様において、光検出可能な標識Fは、第二光検出可能部分と作用して、第一標識または第二標識、例えば、蛍光共鳴エネルギー移動(“FRET”;Foerster resonance energy transferとしても知られる)により提供される検出可能な信号を修飾する。ある態様において、新生鎖に取り込まれるヌクレオチドは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)系の検出を用いて検出される。例えば、ある態様において、米国特許出願番号2010/0035268に記載されるFRET系方法が用いられ得る。このような態様において、蛍光供与体として作用することができる量子ドットは、配列決定プライマーに結合してもよく、成長鎖の合成に用いられるヌクレオチド類似体は蛍光受容体である標識Fを有する。核酸重合酵素反応部位での蛍光物質−標識ヌクレオチド類似体の成長ヌクレオチド鎖への取り込みは、励起した量子ドット蛍光供与体からの蛍光共鳴エネルギー移動後に類似体−結合蛍光受容体の発光を検出することにより、リアルタイムで検出される。それぞれ取り込まれたヌクレオチド類似体の特定は、その蛍光標識により決定され、類似体が成長鎖に取り込まれ、蛍光標識を含む類似体の非相補部分が、プルーフリーディングポリメラーゼの3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により除去されるまで、蛍光標識は検出可能である。
ある態様において、ヌクレオチド類似体は、蛍光消光部分Qを含む。蛍光消光部分は、蛍光標識に近接する位置にある場合励起蛍光標識のエネルギーを吸収することができ、可視光の放出がなくても前記エネルギーを消失することができる任意の部分を含む。適当な蛍光消光部分としては、例えば、Deep Dark Quencher I(DDQ−I); 4−((4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)安息香酸、スクシンイミジルエステル(DABCYL);Eclipse(登録商標)dark quencher; Iowa Black(登録商標)FQ;BHQ−1;QSY−7;BHQ−2;Deep Dark Quencher II(DDQ−II);Iowa Black(登録商標)RQ;QSY−21;BHQ−3などが挙げられる。蛍光消光部分Qは、ヌクレオチド類似体のγまたはβリン酸と結合してもよい。蛍光消光部分は、リンカーL1により、ヌクレオチド三リン酸類似体のγまたはβリン酸に結合してもよい。適当なリンカーとしては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、エステル、アミノ、スルホニル、ポリエチレングリコール(PEG)のリンカーなどが挙げられる。リンカーは、反応せず、蛍光消光部分と残りのヌクレオチド類似体との間の立体障害を最小化する任意の適切なリンカーであってもよい。
本明細書で使用される用語“アルキル”とは、飽和直鎖または分岐炭化水素、例えば、1〜22個、1〜8個または1〜6個の炭素原子の直鎖または分岐基、(C1〜22)アルキル、(C1〜8)アルキルおよび(C1〜6)アルキルそれぞれのことをいう。アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。
本明細書で使用する用語“アルケニル”とは、少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和直鎖または分岐炭化水素、例えば、2〜22個、2〜8個または2〜6個の炭素原子の直鎖または分岐基のことを指し、それぞれ(C2〜22)アルケニル、(C2〜8)アルケニルおよび(C2〜6)アルケニルのことをいう。アルケニル基の例としては、限定されないが、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2−エチルヘキシル、2−プロピル−2−ブテニル、4−(2−メチル−3−ブテン)−ペンテニル等が挙げられる。
本明細書で使用する用語“アルキニル”は、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和直鎖または分岐炭化水素、例えば、2〜22個、2〜8個または2〜6個の炭素原子の直鎖または分岐基のことを指し、それぞれ(C2〜22)アルキニル、(C2〜8)アルキニルおよび(C2〜6)アルキニルそれぞれのことをいう。アルキニル基の例としては、限定されないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4−メチル−1−ブチニル、4−プロピル−2−ペンチニルおよび4−ブチル−2−ヘキシニル等が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語“アリール”は、単炭素環式、二炭素環式または、その他の多炭素環式の、芳香族環系のことを指す。アリール基は、必要に応じて、アリール、シクロアルキル、および、ヘテロシクリルから選択される1つ以上の環に縮合することができる。アリール基は、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドおよびチオケトンから選択される基で置換することができる。アリール基の例としては、限定されないが、フェニル、トリル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニルおよびナフチル、ならびにベンゾ縮合炭素環式部分、例えば5,6,7,8−テトラヒドロナフチルが挙げられる。アリール基の例としては、限定されないが、単環の芳香族環系が挙げられ、環は6個の炭素原子を含み、“(C6)アリール”と呼ばれる。
本明細書で使用される用語“ヘテロアリール”は、1つ以上のヘテロ原子、例えば、1〜3個のヘテロ原子、例えば、窒素、酸素および硫黄を含む単環、二環または多環式の芳香族環系のことを指す。ヘテロアリールは、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドおよびチオケトンを含む1つ以上の置換基で置換することができる。ヘテロアリールは、非芳香族環に縮合することもできる。ヘテロアリール基を説明する例としては、限定されないが、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジル、トリアジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、(1,2,3)−および(1,2,4)−トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、フェニル、イソオキサゾリルおよびオキサゾリルが挙げられる。ヘテロアリール基の例としては、限定されないが、単環の芳香環が挙げられ、環は、2〜5個の炭素原子および1〜3個のヘテロ原子を含み、“(C2〜C5)ヘテロアリール.”と呼ばれる。
本明細書で使用される用語“ヘテロシクリル”または“ヘテロ環”は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和の3員、4員、5員、6員または7員環のことを指す。ヘテロ環は、芳香族(ヘテロアリール)または非芳香族であり得る。ヘテロ環は、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドおよびチオケトンを含む1つ以上の置換基で置換することができる。ヘテロ環としては、上述のあらゆる複素環が、アリール、シクロアルキルおよびヘテロ環から独立して選択される1つまたは2つの環に縮合される、二環式、三環式および四環式基が挙げられる。ヘテロ環の例としては、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ビオチニル、シンノリニル、ジヒドロフリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジチアゾリル、フリル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリル、イソキノリル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリジニル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリジニル、ピロリジン−2−イル、ピロリニル、ピロリル、キノリニル、キノキサロイル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、チオモルホリニル、チオピラニルおよびトリアゾリルが挙げられる。
用語“エステル”とは、構造−C(O)O−、−C(O)O−Rj−、−RkC(O)O−Rj−または−RkC(O)O−のことを指し、Oは水素に結合せず、RjとRkは、独立して、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、エーテル、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルから選択され得る。Rkは水素であり得、Rjは水素ではあり得ない。エステルは環状であってもよく、例えば、炭素原子とRj、酸素原子とRk、またはRjとRkが結合し、3〜12員環を形成してもよい。エステルの例としては、限定されないが、アルキルエステルが挙げられ、RjまたはRkの少なくとも1つは、アルキル、例えば、−O−C(O)−アルキル−、−C(O)−O−アルキル−、−アルキル−C(O)−O−アルキル−等である。エステルの例としては、アリールまたはヘテロアリールエステルが挙げられ、例えば、RjまたはR kの少なくとも1つは、ヘテロアリール基、例えば、ピリジン、ピリダジン、ピリミジンおよびピラジン、例えば、ニコチン酸エステルである。エステルの例としては、構造−RkC(O)O−を有する反対のエステルが挙げられ、酸素が親分子基に結合している。反対のエステルの例としては、スクシネート、D−アルギネート、L−アルギネート、L−リシナートとD−リシナートを含む。エステルとしては、カルボン酸無水物および酸ハロゲン化物が挙げられる。
本明細書で使用される用語“アミノ”は、形式−NRdeまたは−N(Rd)Re−のことを指し、RdとReは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、カルバメート、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよび水素から独立して選択される。アミノは、窒素により、親分子基に結合され得る。アミノも環状であってもよく、例えば、RdとReは、Nと共に結合するか、またはNと3〜12員環、例えば、モルホリノまたはピペリジニルを形成してもよい。用語アミノには、あらゆるアミノ基の対応する第4級アンモニウム塩も含まれる。アミノ基の例としては、アルキルアミノ基が挙げられ、RdとReの少なくとも1つはアルキル基である。
本明細書に使用される用語“スルホニル”は、構造RSO−のことを指し、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリル、例えば、アルキルスルホニルであり得る。本明細書で使用される用語“アルキルスルホニル”は、スルホニル基に結合するアルキル基のことを指す。“アルキルスルホニル”基は、必要に応じて、アルケニル基またはアルキニル基を含み得る。
“アルキル”基、“アルケニル”基、アルキニル”基および“アミノ”基は、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミド、チオケトン、ウレイド、窒素から選択される少なくとも一つの基により置換され、中断され、または分岐され得る。置換基は分岐して、置換または非置換ヘテロ環またはシクロアルキルを形成してもよい。リンカーは、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子、例えば、酸素を含むアルキルであってもよい。ある態様において、リンカーはポリエチレングリコール(PEG)である。
本明細書で使用されるように、適切な置換基”とは、ヌクレオチド類似体またはそれらを製造するのに用いられる中間体の合成または酵素有用性がなくならない基のことを指す。適切な置換基の例としては、限定されないが、: C1〜22、C1〜8およびC1〜6アルキル、アルケニルまたはアルキニル; C1〜6アリール、C2〜5ヘテロアリール; C3〜7シクロアルキル;C1〜22、C1〜8およびC1〜6アルコキシ; C6アリールオキシ; −CN; −OH; オキソ; ハロ、カルボキシ;アミノ、例えば、−NH(C1〜22、C1〜8またはC1〜6アルキル),−N(C1〜22、C1〜8およびC1〜6アルキル)2、−NH((C6)アリール),または −N((C6)アリール)2; ホルミル; ケトン、例えば、−CO(C1〜22、C1〜8およびC1〜6アルキル)、−−CO((C6 アリール)エステル、例えば、−CO2(C1〜22、C1〜8およびC1〜6アルキル)と−CO2(C6 アリール)が挙げられる。当業者は、ヌクレオチド類似体の安定性、生化学的活性および合成活性に基づいて、適切な置換基を容易に選択することが出来る。
用語“許容され得る塩類”は、本発明の組成物に使用される化合物で存在してもよい、酸性または塩基性基の塩類のことを指す。許容され得る塩類には、本明細書で考慮される反応を妨げず、その他では不適切ではない塩類が含まれる。許容され得る塩類は、それらの遊離塩基からの活性で区別されず、遊離塩基の生物学的活性を保持する非毒性の塩類であり、製薬上許容できる塩類と一般に呼ばれる塩を含んでいてもよい。本発明の組成物に含まれ、天然で酸性の化合物は、各種陽イオンと塩基性塩を形成できる。このような塩の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、およびカリウムの塩が挙げられる。許容され得る塩類は、亜鉛、鉄、アンモニウム、銅、マンガン、アルミニウムの塩等も含んでいてもよい。許容され得る塩類は、有機非毒性塩基から由来するものであってもよく、一次、二次および三次アミン、置換アミンの塩類、例えば天然の置換アミン、環状アミン、および塩基イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、グルタミン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂等の塩を含んでいてもよい。この他、塩類は、プリン、特に、グアニンまたはピリミジン塩基を中心に有する特定の有機と無機酸の酸付加物から形成されてもよい。最後に、本明細書に記載される化合物の態様には、イオン化していないもの、および、両性イオンのもの、および/または、水和物または溶媒和のものが含まれる。
蛍光物質と反応分子またはその部分との組み合わせは、消光分子またはその部分を含み、“FRET対”として知られる。FRET−対相互作用のメカニズムには、対の一つのメンバーの吸収スペクトルが、その他のメンバー、第一蛍光物質の放出スペクトルと重複することを必要とする。相互作用の分子または部分が消光基である場合、その吸収スペクトルは、蛍光物質の放出スペクトルと重複する必要がある(Stryer,L.,ANN.REV.BIOCHEM.47:819〜846(1978);C.R.Cantor and P.R.Schimmel,“Biophysical Chemistry−part II:Techniques for the Study of Biological Structure and Function,“ W.H.Freeman and Co.,San Francisco,U.S.A.,1980(ページ448〜455);およびSelvin,P.R.,METHODS IN ENZYMOLOGY,246:300〜335(1995))。有効なFRET相互作用には、対の吸収スペクトルと放出スペクトルが、重複の程度が大きいことが必要である。FRET相互作用の効率はこの重複と線形的に比例する(Haugland,R.P.,et al.PROC.NATL.ACAD.SCI.USA,63:24〜30(1969)を参照)。一般に、大きい規模の信号(即ち、高い程度の重複)が要求される。よって、この基礎に基づいて、蛍光物質−消光基対を含むFRET対が選択される。
実施の指針は、特定のプローブに適するFRET供与体−受容体の対を選択するための文献において容易に入手でき、以下の参考文献によって例示される:Pesce et al.,Eds.,“Fluorescence Spectroscopy,”Marcel Dekker,New York,1971;White et al.,“Fluorescence Analysis: A Practical Approach,” Marcel Dekker,New York,1970。前記文献はまた、蛍光分子および色原体(chromogenic)分子の包括的リストならびにレポーター−消光体対を選択するそれらの関連光学特性を提供する参考文献を含む(例えば、Berlman,HANDBOOK OF FLUORESCENCE SPECTRA OF AROMATIC MOLECULES,第2版,ACADEMIC PRESS,New York,1971;Griffiths,COLOUR AND CONSTITUTION OF ORGANIC MOLECULES,Academic Press,New York,1976;Bishop,Ed.,INDICATORS,PERGAMON PRESS,OXFORD,1972;Haugland,HANDBOOK OF FLUORESCENT PROBES AND RESEARCH CHEMICALS,MOLECULAR PROBES,EUGENE,1992;Pringsheim,FLUORESCENCE AND PHOSPHORESCENCE, Interscience Publishers,New York,1949を参照)。更に、文献は、ヌクレオチド類似体に付加することができる一般反応基による共有結合のため、リポーターと消光体分子を誘導体化する十分な指針を提供する(例えば、Haugland(上掲); 米国特許番号第3,996,345と4,351,760を参照)。
ある態様において、ヌクレオチド類似体は、反応複合体の反応部位において、標的核酸の対応する塩基と塩基対を形成することができる塩基を含むヌクレオチド類似体を含む塩基対部分をそれらの5’末端にそれぞれ含む。ヌクレオチド類似体の新生鎖への取り込み時、取り込まれたヌクレオチド類似体の第一塩基の同一性は、標識部分中の対応する光検出可能な標識の検出により決定されてもよい。
ある態様において、ヌクレオチド類似体は、それぞれ、2個のヌクレオチド残基を含む塩基対部分をそれらの5’末端に含み、各ヌクレオチド残基は、反応複合体の反応部位において、標的核酸の対応する塩基と塩基対を形成することが出来る塩基を含む。ヌクレオチド類似体の新生鎖への取り込み時、取り込まれたヌクレオチド類似体の最初の二個の塩基の同一性は、標識部分中の対応する光検出可能な標識の検出により決定されてもよい。
ある態様において、ヌクレオチド類似体は、それぞれ、それらの5’末端に3個のヌクレオチド残基を含む塩基対部分を有し、ヌクレオチド類似体は、それぞれ、反応複合体の反応部位において、標的核酸の対応する塩基と塩基対を形成することが出来る塩基を含む。ヌクレオチド類似体の新生プライマー鎖への取り込み時、取り込まれたヌクレオチド類似体の最初の3個の塩基の同一性は、標識部分中の対応する光検出可能な標識の検出により決定されてもよい。
本明細書に記述される方法で使用されるヌクレオチド類似体の種類の数は、4Nタイプヌクレオチド類似体であり、Nは、各類似体の5’末端の塩基対合部分中のヌクレオチド残基の数であり、類似体は、標的核酸の対応する塩基と塩基対を形成することができる。例えば、類似体は、標的核酸の対応する塩基と塩基対を形成することができる一塩基B1をそれぞれ含むモノヌクレオチドであってもよい(例えば、実施例5、以下と式VIを参照)。複数の種類のモノヌクレオチドが、配列決定反応に用いられる場合、相補的塩基B1の数Nは1であり、鋳型核酸は、ポリメラーゼと配列決定プライマーと共に、41または4種のモノヌクレオチド類似体と接触し、各種類は、4種の塩基アデニン、シトシン、チミン(または、ウラシル)およびグアニンの一つを塩基B1として含む。所望される場合、4種の類似体、それぞれ、塩基B1の同一性に対応する特有の蛍光標識Fを含むことがある。
ある態様において、類似体はジヌクレオチドであり、類似体の5’末端の塩基対部分は、相補的塩基B1を有するヌクレオチド残基であり、塩基対合部分の3’位置に結合した標識部分は、本明細書に記述されるように、非相補基X1と蛍光標識Fを含むヌクレオチド残基である(例えば、実施例1、以下と式IIを参照)。このような態様によれば、相補的塩基B1の数Nは1である、標的核酸は、ポリメラーゼと配列決定プライマーと共に、41または4種のジヌクレオチド類似体と接触し、各種は、4種の塩基アデニン、シトシン、チミンおよびグアニンの一つを塩基B1として含む。所望される場合、4種の類似体は、それぞれ、塩基B1の同一性に対応する独特な蛍光標識Fを含む。
ある態様において、ヌクレオチド類似体はトリヌクレオチド類似体であり、類似体の5’末端の塩基対合部分は、それぞれ、相補的塩基B1とB2を有する2個のヌクレオチド残基を含み、塩基対合部分の3’位置に結合する標識部分は、本明細書に記述されるように、非相補基X1と蛍光標識Fを含むヌクレオチド残基である(例えば、実施例9、以下と 式 Xを参照)。このような態様によれば、相補的塩基B1とB2の数Nは2であり、標的核酸は、プルーフリーディングポリメラーゼと配列決定プライマーと共に、42または16種のジヌクレオチド類似体と接触する。所望される場合、各種は、アデニン、シトシン、チミン、またはグアニンの2個の連続した塩基の16種の組み合わせのひとつを塩基B1とB2として含み、16種の類似体は、それぞれ、塩基B1とB2の連続組み合わせに対応する独特な蛍光標識Fを含む。
1.5 類似体の調製
塩基結合およびリン酸結合の蛍光物質および消光体は、当該技術分野で周知である。これらは、例えば、Life Technologies(San Diego,California),Sigma−Genosys(The Woodlands,Texas),AnaSpec(Fremont,CA),Eurofins MWG Operon(Huntsville,Alabama),Glen Research(Sterling,Virginia)またはIntegrated DNA Technologies(Coralville,Iowa)から得ることができる。塩基結合蛍光物質の例としては、限定されないが、修飾チミジンまたはウラシル塩基が挙げられ、蛍光物質は、例えば、ウラシル基の5位に結合する。各種長さのリンカーは、蛍光物質を塩基に結合するために用いられてもよい。
ある例において、塩基結合蛍光物質が、ヌクレオチド類似体の合成後修飾により、ヌクレオチド類似体に取り込まれ、ヌクレオチド類似体は、非相補的塩基に結合した反応基により合成される。このような反応基としては、限定されないが、アミノ基(例えば、活性化カルボン酸、または、N−ヒドロキシスクシンイミドと反応できる);アジドまたはアルキン基(“クリック(click)” トリアゾール形成反応中、アルキンまたはアジドそれぞれと反応できる); または、アルデヒド(アミノ基と反応して、シッフ塩基を形成し、ヒドラジノ基と反応してヒドラゾンを形成し、セミカルバジドと反応してセミカルバゾンを形成してもよい)が挙げられる。
配列決定反応混合物中のヌクレオチド類似体の濃度は、適合するインターパルス期間となる任意の適切な濃度であってもよい。“インターパルス期間”とは、ポリメラーゼの取り込み部分中の成長鎖との結合および成長鎖中に取り込まれる、標識ヌクレオチド類似体から検出される連続した信号の時間のことを指す。PCRによる核酸増幅のヌクレオチド濃度は、通常、約200マイクロモルであり、サイクル配列決定の濃度は、約400マイクロモルであり、単一分子配列決定に用いられる標識ヌクレオチドの濃度は、通常、かなり低く、例えば、約250nMである。ある態様において、配列決定反応に用いられるヌクレオチド類似体の濃度は、約50nM〜10マイクロモルである。ある態様において、ヌクレオチド類似体の濃度は、50nM未満であり、10マイクロモルより大きい。ある態様において、ヌクレオチド類似体の濃度は、約50nM〜約500nM、約75nM〜約400nM、約100nM〜約300nM、または、約125nM〜約250nMである。ある態様において、ヌクレオチド類似体の濃度は約250nMである。ある態様において、インターパルス期間は約0.2秒〜1秒である。ある態様において、インターパルス期間は、0.2秒未満であり、1秒より大きい。ある態様において、インターパルス期間は約0.2秒〜0.6秒である。ある態様において、インターパルス期間は約0.3秒〜0.5秒である。
ある態様において、配列決定は、本明細書に開示される4種のヌクレオチド類似体を用いて実行され、各種は、その独特な検出可能な標識により区別できる異なる塩基(アデニン、シトシン、グアニン、チミン/ウラシル)を含む。取り込み部分から検出可能な4種の独特な標識の時間的順序または時間配列によって、新生鎖に取り込まれる1つ以上の種の塩基の配列が示され、標的分子の配列を有する鋳型の核酸配列が導き出される。
ある態様において、配列決定工程は、4種類より少ない標識を用いて実行される。例えば、配列決定は、本明細書に開示される3種類のモノヌクレオチドまたはジヌクレオチド類似体を用いて実行され、各種は、その独特の検出可能な標識により区別可能な異なる塩基を含み、4番目のヌクレオチド類似体は、検出可能な標識を含まない。配列は、3種類の標識を検出することにより決定することができ、4番目のヌクレオチドが、2個の標識ヌクレオチド類似体を観察する間の長い遅延として検出可能になる。
配列決定法は、本明細書に開示される二種のモノ−またはジ−ヌクレオチド類似体により実行され、各種類は、その独特な検出可能な標識により区別可能な異なる塩基を含み、三番目と四番目のヌクレオチド類似体は、検出可能な標識を含まない。鋳型および標的核酸の配列は、鋳型鎖とその補完物(complement)の配列決定により導き出すことができる。或いは、鋳型鎖は、異なる対の標識ジヌクレオチド類似体(例えば、ピリミジンCとTを含む第一対標識ジヌクレオチド、およびプリンAとGを含む第二対標識ジヌクレオチド、またはA,T,CとGを含むヌクレオチド中で任意の他の可能な対の並び替え)により少なくとも二回配列決定されてもよい。その他の変わった方法は、一連のモノ−またはジ−ヌクレオチド類似体を使用することであり、二種類のヌクレオチド類似体は一種類の検出可能な標識を含み、もう二種類のヌクレオチド類似体は、二種類の検出可能な標識を含む。さらに、2個の検出可能な標識を利用した配列決定法の更なる説明が、Sauer et al.,“Detection and Identification of Single Dye Labelled mononucleotide Molecules Released From an Optical Fiber in a Microcapillary: First Steps Towards a New Single Molecule DNA Sequencing Technique,“PHYS.CHEM.CHEM.PHYS.1:2471〜77(1)999)に見出され得る。
配列決定法は、第一の検出可能な標識により標識される一種類のモノ−またはジ−ヌクレオチド類似体、および、第二の検出可能な標識により標識される別の三種類のモノ−またはジ−ヌクレオチド類似体を用いて実行することができる。配列は、毎回、独特な検出可能な標識を含む異なるヌクレオチド類似体により、鋳型分子を少なくとも3回配列決定することにより推定される。同等の方法は、それぞれ、同一の検出可能な標識と検出可能な標識を含まない四番目のジヌクレオチド類似体を含む3種類のモノ−またはジ−ヌクレオチド類似体を利用してもよいことに注意すべきである。
相関するが異なるある態様において、配列決定は、本明細書に記載されるトリヌクレオチド類似体を用いて実行され、各トリヌクレオチド類似体は、異なるジヌクレオチド配列に相補的であるように、鋳型分子と塩基対を形成してもよい2個のヌクレオチドを含む。よって、16種のトリヌクレオチド類似体が可能である。本発明のある態様において、16個の異なる検出可能な標識がトリヌクレオチド類似体の中で区別するために用いられる。ある態様において、標識は、異なる手段により検出可能であってもよい。蛍光標識されたトリヌクレオチド類似体について、放射波長だけでなく、別のパラメータ、例えば限定されないが、蛍光寿命と蛍光強度により標識を区別することが可能である。
ある態様において、配列決定は、16種より少ない検出可能な標識を用いて実行されてもよい。蛍光物質とその周囲の分子環境(例えば、付近の塩基)の相互作用は、蛍光物質の特性に影響し得ることが周知である。例えば、クマリン−dGTPは、クマリン−CTPより蛍光寿命が短い。その結果、複数のトリヌクレオチド類似体は、同じ蛍光標識を用いて区別されてもよい。
別の態様において、あるトリヌクレオチド類似体は同じ検出可能な標識を含んでもよくおよび/または、あるトリヌクレオチド類似体は検出可能な標識を含まなくともよい。その後、配列は、トリヌクレオチド類似体と検出可能な標識の異なる組み合わせにより、鋳型分子を複数回再配列決定することにより決定されてもよい。例えば、第一配列決定サイクルは、一組のトリヌクレオチド類似体により実行されてもよく、該類似体は、鋳型に相補的な二つの塩基例えば、5’塩基対ユニットとしてアデニン(A,C,GまたはT,A−サブセットとしてまとめる)、5’塩基対ヌクレオチドとしてシトシン(A,C,GまたはT,C−サブセットとしてまとめる)、5’塩基対ヌクレオチドとしてグアニン(A,C,GまたはT, G−サブセットとしてまとめる)、5’塩基対ヌクレオチドとしてチミン(A,C,GまたはT,T−サブセットとしてまとめる) を含む。トリヌクレオチドのこれらのサブセットは、それぞれ、異なる標識、例えば、A−サブセットのAlexa Fluor 405、C−サブセットのAlexa Fluor 488、G−サブセットのAlexa Fluor 546、およびT−サブセットのAlexa Fluor 635を有する。よって、一連のトリヌクレオチド類似体で実行される配列決定は、鋳型鎖の各第二塩基の同一性を決定する。第二配列決定サイクルは、その後、第二組の標識トリヌクレオチド類似体を用いて実行されてもよく、類似体は、第二、下流塩基対ユニットとしてアデニン(つまり、類似体は配列A,C,GまたはTを含む)、下流塩基対ユニットとしてシトシン(A,C,GまたはT)、下流塩基対ヌクレオチドとしてグアニン(A,C,GまたはT)、および、下流塩基対ヌクレオチドとしてチミン(A,C,GまたはT)を含む。第一組のように、第二回の配列決定中の各サブセットは、異なる標識を有する。この第二組のトリヌクレオチド類似体により実行される第二配列決定サイクルは、残りの鋳型鎖の同一性を表示し、よって、鋳型の完全な配列を決定する。第二配列決定サイクルの別の可能なスキームは、同じ組のトリヌクレオチド類似体を第一配列決定サイクルとして利用するが、第一配列決定サイクルに用いられるプライマーと、奇数の数のヌクレオチド、限定されないが、7個短いヌクレオチド、5個短いヌクレオチド、3個短いヌクレオチド、1個短いヌクレオチド、1個長いヌクレオチド、3個長いヌクレオチド、5個長いヌクレオチド、7個長いヌクレオチド、異なるプライマーを用いる。このスキームにおいて、奇数のヌクレオチド長異なるだけのプライマーによって、第一回の配列決定反応中で同一性が表示されない鋳型鎖の第二塩基が特定される。標識トリヌクレオチド類似体の組を変化させること、より少ない配列決定サイクルを利用すること、および/または、検出可能な標識の各種組み合わせを利用する別の代替スキームが、本発明に含まれる。
合成による単一分子配列決定にとって、本発明の方法は、単一分子を再配列決定することができる長所を提供することができる。例えば、配列決定される鋳型核酸分子は、環状形式で、配列決定プライマーと共に提供され得る。再配列決定は、鋳型核酸分子中のヌクレオチド数より大きい配列読み取りが得られるように、複数の配列決定サイクルを実行することにより達成され得る。配列決定読み取りは、従って、鋳型核酸分子中の少なくとも1つの位置の塩基を重複して同定する情報を含む。ある態様において、配列決定読み取りは、鋳型核酸分子中の塩基の少なくとも25%,50%,75%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%または100%重複して同定する情報を含む。ある態様において、配列決定読み取りは、2倍、3倍、4倍、5倍、7倍、または10倍以上の冗長性と共に、鋳型核酸分子中の塩基の少なくとも25%,50%,75%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%または100%同定する情報を含む。同じ分子の再配列決定により、配列決定エラーが、配列決定読み取りの数の累乗減少することが予測される。例えば、単一読み取りの各塩基エラー率が10-3の場合、3回の読み取り後、(10-3)3、即ち、10-9に下降する。これは、配列決定に用いられるヌクレオチド類似体がそれらの標識を失い、例えば、擬似欠失(spurious deletion)となる事象の単一分子配列決定にとって特に有利である。
所望される場合、ポリメラーゼ酵素または酵素複合体は、核酸重合反応中に、異なる酵素と代替され得る。同様に、ヌクレオチド類似体を含む試薬とバッファも、核酸重合反応中に、代替または再補充され得る。
1.6 さらなる応用
ある態様において、蛍光標識されたヌクレオチド類似体は、ポリメラーゼに結合する供与体発色団の受容体発色団として作用してもよい。従って、これらの態様において、ポリメラーゼ上に位置する供与体発色団は、標的核酸から複製される成長核酸鎖上の受容体発色団を励起してもよい。ポリメラーゼに近接しない蛍光標識されたヌクレオチド類似体は、FRET効率の迅速な減少のため励起されなくともよい。ある態様において、供与体分子は、例えば、別の蛍光物質、例えば、量子ドットであってもよい。量子ドット、例えば、半導体量子ドットは当該技術分野で知られており、例えば、国際公開番号WO03/003015に記述されている。量子ドットを、例えば、生体分子に結合する方法は、当該技術分野で知られており、例えば、Mednitz et al.,NATURE MATERIALS 4:235〜46(2005)、2006年3月30日及び2008年4月17日に公開された米国特許公開番号2006/0068506および2008/0087843それぞれで概説されている。ある態様において、量子ドットは、DNAポリメラーゼ分子に結合してもよい。当業者は、蛍光物質を、例えば、DNAポリメラーゼに結合させる場合、一次、二次、および三次構造の酵素に蛍光物質を結合する影響を軽減することにより、酵素の機能を維持することに配慮しなければならないことを理解している。
1.7 多光子励起
ある態様において、蛍光物質が二個以上の光子により励起されてもよい。例えば、ある態様において、FRET中の供与体または受容体蛍光物質の励起は、二個以上の光子によってであってもよい。二個光子と多光子の励起は、例えば、米国特許第6,344,653号および第5,034,613号でさらに記述されている。
1.8 標的配列
標的配列は、本発明の方法により決定される配列を含む。本発明は、多種多様の標的核酸の配列を決定するために使用することができる。標的配列は、完全に未知な配列(例えば、デノボ(de novo)配列決定)、部分的に未知な配列(例えば、SNP識別)を含んでいてもよく、または、完全に既知(例えば、転写産物の存在の確認、または、代替スプライス部位の識別)であってもよい。ある態様において、標的配列は、未知の回数繰り返された既知の配列を含んでいてもよく、例えば、DNAフィンガープリンティング、テロメア分析、および/または特定遺伝性疾患の診断に用いられてもよい。標的配列は、リボ核酸(RNA)、および/または、デオキシリボ核酸(DNA)、例えば、限定されないが、かかる核酸の修飾物、例えば、亜硫酸水素塩の配列決定のためのCpGメチル化を含んでいてもよい。
標的配列は、別の成分、例えば、タンパク質、脂質、糖類および非標的核酸を含む生体サンプルから単離されてもよい。サンプルは、あらゆる細胞物質、限定されないが、動物、植物、細菌、真菌との細胞培養から得ることができる。サンプルは、組織、体液サンプル、または、その他のサンプル、限定されないが、血液、リンパ液、尿、脳脊髄液、精液、唾液、痰、糞便から直接得られてもよい。サンプルは、ウィルス、または、別の細胞内病原体に感染した組織、またはウィルスの粒子、サンプル、または標本から得られてもよい。サンプルの調製と核酸配列の抽出方法は当該技術分野で周知である。
ある態様において、サンプルの核酸は、断片化され、その他の方式で修飾されてもよく、配列決定の標的配列として役立つ適当な長さまたは組成の断片を作製する。断片化と別の修飾は、従来知られている方法、例えば、限定されないが、超音波処理、制限酵素消化、別の核酸配列へのライゲーション、および別の分子または固体支持体への共有結合により実行されてもよい。
ある態様において、標的配列は、非天然配列、例えば、プラスミドの部分的または人工的に作製されるタグを含んでいてもよい。標的配列は、配列の混合物、例えば、限定されないが、生物試料から抽出される総RNA、cDNAライブラリー、またはゲノムのDNAであってもよい。標的配列は、任意の長さ、例えば、5個の塩基〜50kbの長さ、5個の塩基〜20kbの長さであってもよい。
ある態様において、標的配列は、本発明のポリメラーゼによる核酸合成の鋳型となる鎖である、鋳型鎖の全てまたは一部を構成してもよい。
鋳型は、プライマーハイブリダイゼーション、鋳型固定、プローブハイブリダイゼーション、別の目的に使用されてもよいし、または使用されなくてもよい増幅用標的核酸および任意にさらなる配列を少なくとも含む。鋳型は、任意の形状でもよく、例えば限定されないが、線形、環状および超らせん状であってもよい。鋳型は、一本鎖、二本鎖、一本鎖領域(例えば、ヘアピンループ中)を有する二本鎖、ニックまたは修飾(例えば、メチル化による)であってもよく、RNA、DNA、または非天然ヌクレオチドを含んでいてもよい。鋳型は、上記のようにポリメラーゼのために表面に固定されてもよいし、または溶液形式で遊離していてもよい。固定化は、例えば、固定され、相補的なオリゴヌクレオチド、またはその組み合わせへのハイブリダイゼーションにより、5’末端、3’末端、配列に沿ったあらゆる場所で生じてもよい。
検出に適する標的核酸は、任意の核酸、例えば、DNA、RNAまたはPNA(ペプチド核酸)を含んでいてもよく、既知と未知の両方の任意の配列、例えば天然または人工的配列を含んでいてもよい。核酸は、天然に由来し、組み換え作製され、または、化学合成されてもよい。核酸は、天然のヌクレオチド、天然に存在しないヌクレオチド類似体、または、修飾ヌクレオチドを含んでいてもよい。検出される核酸の長さは実際の用途に基づいて変化してもよい。ある態様において、核酸は、少なくとも10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、10000、20000個以上の塩基を含んでいてもよい。ある態様において、核酸は10〜20、10〜50、10〜100、50〜100、50〜500、50〜1000、50〜5000、500〜2000、500〜5000、1000〜5000個の塩基、または5個の塩基〜20kb、または5個の塩基〜50kbであってもよい。
標的核酸は検出のために一本鎖であってもよい。一本鎖核酸は、当該技術分野で知られている手段、例えば、加熱またはアルカリまたはその他の化学処理により、二本鎖分子に由来してもよい。一本鎖核酸鋳型は、例えば、化学合成またはin vitro合成により作製されてもよい。
ある態様において、検出される核酸は環状であってもよい。ある態様において、本方法は、プライマーの結合部位として用いられてもよい、既知の配列の挿入を含む環状核酸分子を提供する工程を含む。環状核酸分子は、一本鎖状態、二本鎖状態、または両方の混合状態で提供することができ、一般に、少なくとも一つの共有結合で閉じた鎖(covalently closed strand)を含む。二本鎖環状分子は、ニック鎖(nicked strand)または第二の共有結合で閉じた鎖を含んでいてもよい。
ある態様において、環状核酸分子は、その配列の一部が既知であり、核酸挿入となることが出来る場合(例えば、環状分子中に含まれる遺伝子の配列内の保存モチーフが既知であってもよく、または、分子が、高いストリンジェンシーの条件下で、既知の配列の別の核酸とハイブリダイズする能力に基づいた配列を含むことが既知であってもよい)、環状核酸分子の供給源から環状の核酸分子を単離することにより提供される。ある態様において、核酸の挿入配列は、正確には知られておらず、その場合には、配列の情報は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション特性に由来する。ある態様において、核酸の挿入配列が正確に知られており、その場合には、環状核酸分子が既知の骨格配列を有するか、または既知の配列を含むように改変されている。
ある態様において、環状核酸分子は、核酸挿入と、線形核酸サンプルとを環状分子に取り込むように、in vitro反応を実行することにより、提供される。ある態様において、in vitro反応には、リガーゼ、および/または別の鎖結合反応による、ライゲーションが含まれ得、例えば、リコンビナーゼおよびトポイソメラーゼを含む各種酵素により触媒され得る。DNAリガーゼまたはRNAリガーゼは、アダプター分子またはリンカーの有無により、線形鋳型の二端を酵素で結合して、環状を形成するために使用されてもよい。例えば、T4 RNAリガーゼは、一本鎖DNAまたはRNAを結合し、 Tessier et al.,ANAL.BIOCHEM.,158:171〜78(1986)に記述されている。CIRCLIGASE(TM)(Epicentre,Madison,Wis.)は、一本鎖核酸のライゲーションを触媒するためも使用されてもよい。或いは、二本鎖リガーゼ、例えば、E.coliまたはT4 DNAリガーゼが用いられて、環状化反応を実行してもよい。
ある態様において、環状核酸分子の提供には、相補領域を含む少なくとも一つのプライマー(核酸挿入となり得る既知の配列の5’フラップを有するランダムプライマーを含み得る)から伸長することにより、核酸鋳型を複製し、例えば、リガーゼまたはリコンビナーゼにより触媒されて、増幅核酸を環状にすることが含まれる; ある態様において、増幅核酸は、環状化の前に、例えば、制限またはリン酸化反応により、その末端が処理されてもよい。
ある態様において、環状核酸分子は、化学的環状化を実行することにより提供される。化学的方法には、既知のカップリング剤、例えば、BrCNおよびイミダゾールおよび二価金属、N−シアノイミダゾールとZnCl2、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3エチルカルボジイミドHCl、ならびにその他のカルボジイミドおよびカルボニルジイミダゾールが使用される。線形鋳型の末端はまた、5’−リン酸および3’−ヒドロキシル、または5’−ヒドロキシルおよび3’−リン酸を縮合することにより結合されてもよい。
ある態様において、環状核酸分子は、分子が環状であるために挿入配列が末端にはないことを除いて、末端リンクプライマーと見なされ得る(以下で議論)挿入配列を含む。
ある態様において、標的核酸は、1つ以上の配列反復を含む。“配列反復” は、少なくとも3個の同じタイプの連続ヌクレオチド塩基の伸長、または所定の標的核酸で少なくとも一回重複される、少なくとも3個の連続ヌクレオチド塩基の伸長のことを指す。例えば、配列反復は、A−含有ヌクレオチド(例えば、(A)n)、T−含有ヌクレオチド(例えば、(T)n)、C−含有ヌクレオチド(例えば、(C)n)、または、G−含有ヌクレオチド(例えば、(G)n)の伸長であり、nは、3、4、5、6、7、8、9、10以上の整数である。ある例において、nは、3〜10、3〜300、3〜15、3〜30、3〜150の整数である。
2.検出システム
本明細書に開示される配列決定法の実施には、一般に、鋳型依存性の方式でポリメラーゼ酵素または酵素複合体により取り込まれるヌクレオチド類似体からの信号を検出する検出器の使用が含まれる。このような検出が実行されて、核酸重合反応が起こっている時に、連続取り込みに対応する信号の時間的順序が登録される。
任意の適切な検出器またはそのシステムは、ポリメラーゼ酵素または酵素複合体と鋳型を含む反応複合体を含む検出位置を提供する。検出部位の標識部分の初期検出と、検出位置から標識部分の除去との間での時間が“検出時間.”となる。検出時間の長さは、例えば、反応条件、用いられるポリメラーゼおよびヌクレオチド類似体により変化してもよく、単一酵素の反応速度論の確率的変動の影響を受ける。ある態様において、本発明で使用されるヌクレオチド類似体は、標識が酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性より除去される標識ヌクレオチド類似体と比較すると、延長された検出時間を提供する。例えば、検出時間は、少なくとも1、5、10、20、50、100、200、500、1000倍以上延長され得る。ある態様では、検出時間は、約30ミリ秒〜約300ミリ秒、または、約50ミリ秒〜約250ミリ秒続く。ある態様では、検出時間は、約30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290または300ミリ秒以上であってもよい。ある態様において、二つの連続した検出工程(鋳型依存性の方式で、二つの連続取り込みに対応)は平均して、例えば、約0.2〜約1秒、約0.2〜0.6秒または約0.3〜0.5秒離れている。ある態様において、本発明の方法は、二つの連続した検出工程は、少なくとも約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1秒離れている条件下で実行されてもよい。
単一分子検出を提供することができるあらゆる検出器やシステムが本発明に用いられてもよい。検出器や検出器システムの選択は、核酸重合反応に用いられる標識の種類に基づく。検出器が設置されて、放射線、化学発光、酵素活性、導電性、電荷、および/または、蛍光を検出してもよい。
本明細書に開示される配列決定法を実行する時、多種多様の検出システムを使用することができる。それらは、限定されないが、2011年3月11日に出願され、“単一分子検出システムと方法”という題名の米国特許出願番号13/046,457に記述された検出システムを含む。簡単には、本明細書に記述される本方法を用いて配列決定される標的核酸は、核酸合成反応複合体の一部として、移動可能な光カプラー上に局在する。このようなシステムは、ゼロモード導波路(ZMW)を用いて、例えば、定義された励起光領域を作り、ナノスケールウェルを用いて反応体積を最小化することにより、単一分子検出を容易にし、これにより、バックグラウンド信号を大幅に最小化する。本明細書に記述される本方法と共に使用する、ZMWを組み込んだ適当な検出システムとしてはまた、2010年6月11日に出願された米国特許出願番号12/801,503;2010年7月29日に出願された米国特許出願番号12/805,411; 米国特許番号6,917,726;7,170,050; および7,486,865;Eid,J.,et al.,SCIENCE,323:133〜138(2009)が挙げられる。二つの他の適当な検出システムが、米国特許7,767,441および米国特許出願番号13/046,457に記述されている。ある態様において、検出システムは、照明光源、検出器および導波管を含む。ある態様において、導波管は、重合が発生する反応部位を選択的に画像化するのに十分に小さい体積で、配列決定複合体を維持し得る、ナノウェルまたはその他のマイクロ流体構造を含む。別の態様において、検出システムは、移動可能な光カプラー、検出器および導波管を含み、導波管は、移動可能な光カプラーのアダプター部位を含む。検出システムは、配列決定位置の連続または同時検出を実行してもよい。ある態様において、小さいサイズまたはフットプリントの個々のナノウェルは、効率な配列決定の並列化を非常に促進し、処理量および/または感度を増加することができる。例えば、検出システムは、それぞれが数百から数千のアダプター部位を含む1つ以上の導波管を含んでもよい。
検出システムに含まれる光源は光線を放出するよう設置することができ、対象物を励起する励起光として少なくとも部分的に導波管に接続されてもよい。光源は、例えば、レーザー、例えば、He−Neレーザーとレーザーダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、量子ドット発光ダイオード(QLED)、ファイバー光(fiber light)またはアーク放電蛍光灯ランプであってよい。検出システムは光源カプラーを含んでもよい。光源カプラーは、少なくとも一つの光源から導波管に放出される少なくとも一部の光線を結合する。光源カプラーは、例えば、プリズムカプラー、回折光子カプラー、側面注入カプラー(side−injection coupler)、垂直注入カプラー(vertical−injection coupler)、または、同方向カプラー(co−directional coupler)であってよい。図1は、本発明に適する検出システムの一例を示し、光源を制御するコントローラーユニットを含み、光源は導波管を経てサンプルを照射する光線を生成し、前記サンプルから放出する光線は光検出器により検出され、光検出器は外部装置、例えば、コンピュータサーバーに選択的に伝送されてもよいデータ信号を生成する。必要に応じて、例えば、リモートアクセスまたはリモートコントロールを可能にするため、コントローラーユニットとコンピュータサーバ間に双方向通信があってもよい。
2.1 導波管
導波管は、チャネル型導波路または平面導波路であってもよい。導波管は、コア層と少なくとも一つのクラッド層を含んでいてもよい。例えば、導波管がチャネル型導波路の場合、導波管はコア層とコア層を囲むクラッド層を含んでいてもよい。別の例として、導波管が平面導波路の場合、導波管はコア層とコア層上に設置される一つのクラッド層、または、コア層を挟む2つのクラッド層を含んでいてもよい。コア層は、少なくとも一つのクラッド層より高い屈折率を有してもよい。励起光は導波管のコア層中で伝播してもよい。検出システムの使用に適する例示的な導波管とその特定の特徴が、2010年3月9日に出願された米国特許出願番号12/720,352;2010年6月11日に出願された米国特許出願番号12/801,503;および2010年7月29日に出願された米国特許出願番号12/805,411に記述されている。
検出システムは、以下でより詳細に記載される、移動可能な光カプラーのための少なくとも一つのアダプター部位を含む導波管を含んでいてもよい。アダプター部位は、導波管の少なくとも一つのクラッド層中に少なくとも形成されてもよい。アダプター部位は、上開口と下表面を含むナノウェルであってもよく、上開口は下表面より大きくてもよい。ナノウェルは、少なくとも一つのクラッド層の部分的な厚さ、少なくとも一つのクラッド層の全体の厚さ、少なくとも一つのクラッド層の全体の厚さとコア層の部分的な厚さ、または、少なくとも一つのクラッド層の全体の厚さとコア層の全体の厚さまで広がっていてもよい。有効な励起領域の下方境界はナノウェル底部であってもよい。有効な励起領域の上方境界は、励起光が、ナノウェルアダプター部位中に、コア層の縦方向に垂直な方向(例えば、垂直方向)で到達できる距離により定義されてもよい。
検出システムの導波管部品は、複数のアダプター部位を含んでもよい。よって、このシステムはまた、大量の対象物をモニターするために使用されてもよい。ある態様において、複数のアダプター部位が導波管中に形成されてもよい。ある態様において、複数のアダプター部位のそれぞれに対し、光検出器が、アダプター部位の有効な励起領域中の対象物から放出される光線を検出するために形成されてもよい。ある態様において、一つの光検出器は、複数のアダプター部位の有効な励起領域中の対象物から放出される光線を検出するために使用されてもよい。
2.2 移動可能な光カプラー
検出システムの態様には、導波管の少なくとも一つのアダプター部位に単一分子対象物を局在させることができる移動可能な光カプラーが含まれる。移動可能な光カプラーはナノスケール粒子であってもよい。移動可能な光カプラーは、ナノスケール球体または非回転楕円体ナノスケール粒子であってもよい。移動可能な光カプラーが導波管中のアダプター部位でドッキングする時、単一分子検出に適する制限された励起空間 (有効励起空間)が形成されてもよく、検出される対象物は、限定空間内に局在してもよい。移動可能な光カプラーがアダプター部位でドッキングする時、第二移動可能な光カプラーが同じアダプター部位でドッキングするのを回避してもよい。
移動可能な光カプラーは、光カプラーがアダプター部位に引き付けられてもよい少なくとも一つの特性、例えば、ドッキングを促進する表面特性または磁性特性等を含んでいてもよい。ある態様において、光カプラーは、光カプラーが特定の配向で少なくとも一つのアダプター部位に局在してよい少なくとも一つの特性を含んでいてもよい。光カプラーが特定の配向で少なくとも一つのアダプター部位に局在してもよい適切な特性には、非対称表面特性が含まれていてもよい。ある態様において、光カプラーは、アダプター部位内の導波管のコア層表面に近接する限定空間に、単一分子対象物を局在させることができ、対象物は、導波管のコア層に沿って伝播する光波により誘導される光場からのアダプター部位内で形成される有効励起領域に局在する。
移動可能な光カプラーは、均質な固体、コロイドまたは多孔質固体または、ポリマー骨格を有する材料から構成される固体であってもよい。ある態様において、多機能の移動可能な光カプラーは、1つ以上の金属素材、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、プラチナ(Pt)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、または、金属合金を含む。ある態様において、光カプラーは、1つ以上の酸化物材料、例えば、TiO、Ta、Nb、SiO、HfO、Al、ZrO、ZnO、V、CeO、CdO、Fe、Fe、CuO、CuO、In、La、MoO又はWOを含む。さらなる態様において、光カプラーは1つ以上の硫化物材料、例えば、CdS、ZnS、PbS、Au2SまたはAg2Sを含む。ある態様において、光カプラーは、1つ以上のセレナイド材料、例えば、CdSe、ZnSeまたはPbSeを含む。ある態様において、光カプラーは、1つ以上の窒化物材料、例えば、Si34、TiN、BNおよびGaNを含む。更なる態様において、光カプラーは、1つ以上のポリマー材料、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンイミン、ポリホスファゼン、ポリラクチド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ無水物、ポリマレイン酸とその誘導体、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリ無水物オキシブチレート、ポリカーボネート、ポリオルトエステル、ポリエチレングリコール、ポリ−L−リジン、ポリグリコリド、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルピロリドン、または、そのコポリマーを含む。
ある態様において、移動可能な光カプラーは、導波管のコア層の材料の屈折率よりも、導波管の第一クラッド層の材料層の屈折率に近い屈折率を有する材料から形成される。ある態様において、移動可能な光カプラーは、導波管のコア層の材料の屈折率よりも、周辺のサンプル溶液の屈折率に近い屈折率を有する材料から形成される。ある態様において、移動可能な光カプラーは、導波管の第一クラッド層の屈折率及び導波管のコア層の屈折率間の中間である屈折率を有する材料から形成される。更なる態様において、光カプラーは、導波管のコア層の屈折率と実質的に同様な屈折率を有する材料から形成される。ある態様において、光カプラーは、コア層の屈折率に等しい屈折率を有する材料から形成される。
ある態様において、移動可能な光カプラーは、適当なサイズと、導波管のコア層の材料の屈折率に十分に類似する屈折率とを有し、光カプラーが導波管中のアダプター部位に位置するとき、導波管からの光線と結合することができる。このような態様において、誘導された光場は、移動可能な光カプラー表面の周辺で形成されてもよく、これにより、光カプラー周辺で有効励起領域が形成され、分子が励起されて、光カプラー表面の特定の距離内で、蛍光を発光することができる。
ある態様において、移動可能な光カプラーは不透明であり、且つ、その表面で励起光を集光させることができ、これにより、単一分子検出に適する限定空間が、導波管からの励起光がバルクスペースに拡散するのを回避する移動可能な光カプラーにより形成される。ある態様において、移動可能な光カプラーは光線に対し反射する。ある態様において、移動可能な光カプラーは励起光に対し反射する。ある態様において、移動可能な光カプラーは、導波管により発光される励起光を吸収することができ、検出される分子を励起することができる光線を自ら放出することができる。
ある態様において、光カプラーが、特定範囲内で、特定分子により囲まれる時、光カプラーの光学特性が変化する。ある態様において、光カプラーが、特定範囲内で、特定分子により囲まれる時に変化する光学特性は屈折率、光吸収能力、カプラーにより吸収される光線の波長、または、光カプラーにより伝播する光線の方向である。
ある態様において、移動可能な光カプラーの表面の1つ以上の領域が修飾される。例えば、ナノスケール球体の光カプラーの表面全体が修飾されてもよい。表面修飾は、コアシェル構造を有する光カプラーのシェル物質と異なり、即ち、表面修飾を含むコアシェル光カプラーは、シェル物質の外表面に修飾を有する。更なる例において、ナノスケール球体の光カプラーの一半球の表面は修飾されてもよいが、残りの半球は修飾されない。化学修飾技術により、光カプラー表面は、1つ以上の異質材料により、その表面全体またはその表面の少なくとも一部が被覆されてもよい。表面修飾は、移動可能な光カプラーをアダプター部位に局在させるのに役立ってもよい。非対称表面修飾、例えば、一表面上だけの修飾、または、反対表面上の異なる修飾は、移動可能な光カプラーを特定の配向でアダプター部位に局在させるのに役立ってもよい。表面修飾はまた、単一分子対象物を、光カプラー表面の特定領域に局在させるのに役立ってもよく、このような領域が定位されて、導波管のコア層に面し、これにより、対象物と対象物を含む反応物を、移動可能な光カプラーと導波管のコア層近くのアダプター部位の表面との間での限定空間内に局在させてもよい。オリゴヌクレオチドプライマーにより、一半球上が修飾されるナノスケール球体の光カプラー粒子を含む例示的な検出システムの略図が、図2に示される。ナノスケール球体の光カプラー100が、DNA合成反応複合体200の複製DNA鎖に取り込まれる配列にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドプライマーにより、その表面の半分が修飾される。光カプラー100をアダプター部位104に定位させ、光カプラーのオリゴヌクレオチド修飾表面が導波管のコア層に面し、反応複合体200を、ナノウェルアダプター部位104の底部の限定空間170中に局在させる。
ある態様において、移動可能な光カプラーの表面の一領域だけが修飾され、光カプラー表面の残りは修飾されない。ある態様において、移動可能な光カプラー表面の修飾領域は、移動可能な光カプラー表面の約10〜90%である。このような態様を説明するのに用いられる“移動可能な光カプラーの表面の約10〜90%”とは、移動可能な光カプラーの表面の修飾領域が、光カプラーの表面の10%弱から90%強の任意の場所であってもよいことを意味する。更なる態様において、光カプラー表面の修飾領域は、光カプラー表面の10%未満である。さらに別の態様において、光カプラー表面の修飾領域は光カプラー表面の90%より大きい。
ある態様において、操作中、複数の検出部位の一部は、一つの標的核酸分子(必要によって、光カプラーに結合した)を含み、別の検出位置は標的核酸分子を含まない。これにより、一つの配列決定の結果により、一つより多くの分子の情報が含まれることを回避するために、配列決定の完了前に、二個以上の核酸分子が検出位置に局在するというシナリオを回避してもよい。例えば、ある態様において、低濃度の生物分子が検出または同定される検出位置に局在するので、50%、40%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%以下の検出位置が信号を生成する。第一標的核酸が検出位置から分離され、第二核酸がその後、同じ検出位置で結合する例において、第一核酸の配列決定の結果は、取り込まれたヌクレオチドの検出中のあらゆるギャップにより、および/または、決定されたヌクレオチド配列中の差異により、第二核酸の配列決定の結果と区別されてもよい。
2.3 検出器
検出システムの検出器が設置されて、対象物から発射する光線を検出してもよい。このような検出器は、上に入射する光線を少なくとも一部吸収し、光線に対応して出力信号を生成することができる光学センサーを含んでもよい。光学センサーは、例えば、P−n光ダイオード、p−i−n光ダイオード、多接合光ダイオード、アバランシェ光ダイオード(APD)、光トランジスタ、量子井戸型赤外線検出器(QWIP)、光導電型光学センサー、光起電型光学センサー、ASIC上薄膜(TFA)、金属−半導体−金属(MSM)光検出器、電荷結合素子(CCD)、CMOSセンサー、または、それらの組み合わせであり得る。
ある態様において、光検出器は、光検出器の操作を制御する制御回路を含む。制御回路は、信号増幅器、A/Dコンバータ、積分器、比較器、ロジック回路、読み出し回路、メモリ、マイクロプロセッサ、クロック、および/または、アドレスの回路を含んでもよい。
光検出器は、対象物から発射する光線が到達できる場所に配置されてもよい。例えば、光検出器は、アダプター部位に対するコア層の反対側に配置されてもよい。つまり、アダプター部位が、垂直方向で、コア層の一側に設置される場合、光検出器は、垂直方向で、コア層のもう一側に設置されてもよい。検出システムは、さらに、コア層と検出器間に、少なくとも一つのフィルターを含んでもよい。
ある態様において、検出器はナノ細孔センサーであってもよい。ナノ細孔センサーは、ナノ細孔と称される直径約1nmの小孔を作製することにより形成される。検出目的で用いられるナノ細孔は、天然(たとえば、膜貫通タンパク質)または人工(たとえば、シリコンシート中のホールをエッチングし、イオンビーム彫刻方法を用いてめっきし、ナノ細孔を形成する)であり得る。ナノ細孔センサーは、通常、ナノ細孔を導電性流体に浸す、および、電圧をかけることにより作動する。ナノ細孔を流れる電流量は、ナノ細孔のサイズと形状に対し非常に敏感なので、ナノ細孔を通じるイオンの伝導による極めて少量の電流が観察され得る。分子、限定されないが、本発明に記述されるヌクレオチド類似体から切断される標識部分は、ナノ細孔を通過して、ナノ細孔を流れる電流の大きさにおいて特徴的変化を作り出すことができる。
電気泳動により、ナノ細孔を通過する分子を制御することができ、分子はナノ細孔に向かって移動する。多くの分子は、一回に一個の分子で、ナノ細孔を通過する。各分子が通過する時、分子の同一性の特徴により、ナノ細孔を塞ぐ; つまり、所定の時間中、ナノ細孔を通過する電流量は、その時のナノ細孔を塞ぐ分子によって決まる。切断された標識がナノ細孔を通過する時、本発明のヌクレオチド類似体の異なる標識は、異なる電流をナノ細孔に流れさせ、ナノ細孔を通過する標識の順序の識別を可能にし、標的配列の識別を可能にする。ナノ細孔センサーは、さらに、出版物Howorka,et al.,Nature Biotechnology,19: 636〜639(2001); Clarke, et al.,Nature Nanotechnology,4: 265〜270(2009); および、米国特許番号第5,795,782;6,362,002; 6,123,819; 及び6,413,792に開示されている。
2.4 システムのその他の光学部品
ある態様において、検出器システムは、さらに、導波管のコア層と光検出器との間に、光学フィルターを含んでもよい。ある態様において、光学フィルターは、導波管のクラッド層下側と光検出器間に配置されてもよい。ある態様において、光学フィルターは、導波管の保護層下側と光検出器間に配置されてもよい。ある態様において、保護層下側自身は光学フィルターとして役立ってもよい。光学フィルターは、特定範囲内の波長の光を通過させるが、特定範囲外の波長の光線を少なくとも部分的にブロックしてもよい。従って、光学フィルターの選択により、配列決定複合体から放出する光線を通過させてもよいが、S/N比を改善するために、励起光により生じるノイズを減少させる。
ある態様において、マイクロ流体チャネルが用いられて、サンプル溶液をアダプター部位に導入してもよい。マイクロ流体チャネルは、フローサイトメトリーのような検出を実現するため、標的対象物が、一回で一個、アダプター部位を通過する方式で設計されてもよい。ある態様において、カバーが検出システム上に形成されて、サンプル溶液を収容する、および/または、周辺光を遮断してもよい。ある態様において、検出器システムは、検出システムの少なくとも一部、限定されないが、光源、検出器およびあらゆる流量、または、検出システムのその他の部品等を操作する制御器を含んでいてもよい。制御器は、検出システムの各種部品の制御に関して指示を含むコンピュータ読み取り可能媒体を含んでいてもよいし、データ処理と分析に対する指示も含んでいてもよい。本発明の実施に有用であろう、当該技術分野で知られている別の部品も検出システムに含まれてもよいことが理解できる。
ある態様において、配列決定反応と同時に、または、後に、信号パルスに関する情報が検出システムに保存され、任意に検索、伝送または分析されてもよい。ある態様において、この情報は1つ以上の外部デバイス、限定されないが、コンピュータシステム、サーバ、携帯電話、タブレットコンピュータシステム(tablet computing system)、分散コンピュータネットワーク(distributed computing network)およびその他の情報を保存するまたは処理することができる電子デバイスに伝送されてもよい。情報は検出と同時に伝送されてもよいし、又は、検出の後に伝送されてもよい。ある態様において、外部デバイスは、公衆、または個人用であってもよい配列のデータベースを含む。ある態様において、外部デバイスは、信号パルス情報を分析して、標的核酸の配列を生成する。ある態様において、外部デバイスは、さらなる機能、限定されないが、塩基名称のプルーフリーディング、別の配列、例えば、参照配列とのアライメント、エラー分析、報告作成、またはさらに情報を別の装置に伝送すること、例えば情報を検出システムに戻すこと等を行ってもよい。ある態様において、情報と任意に生成される配列と分析が暗号化されてもよい。ある態様において、データを外部デバイスに伝送する前、情報が暗号化されてもよい。
通信アセンブリは検出システム内に収容されてもよく、外部デバイスから情報を送受信することができる。このような通信は、有線または無線によるものであってもよい。各種通信方法が、例えば、イーサネット(登録商標)または別のローカルエリアネットワーク、USB接続、FireWire接続、モデムによるダイヤルアップ接続、直接接続、例えば、T1、ISDNまたはケーブル回線により使用することができる。無線通信は、ブルートゥースまたはRTM技術であってもよい。好ましい態様において、無線接続は、典型的な無線ネットワーク、例えば、セルラー、衛星、または、ポケベルネットワーク、GPRSまたはローカルデータ輸送システム、例えば、イーサネットまたはローカルエリアネットワーク上のトークンリング(token ring)を使用して確立される。ある態様において、情報は、個人用アドレス、例えば限定されないが、電話番号、テキストメッセージアドレス(text messaging address)、Eメールアドレス、または、オンラインアカウント等に送られてもよい。ある態様において、通信アセンブリは、情報を送受信する赤外線無線通信部品(infrared communication component)を含んでもよい。
3.1 実施例1
本実施例および以下の実施例において、例示的なヌクレオチド類似体は、塩基B1、B2、および/または、基L1、L2、Q、F、X1およびX2を含んでもよく、それぞれ、上掲の式Iの構造を有するヌクレオチド類似体の、本明細書に記述される同一性を有する。
例示的なジヌクレオチド三リン酸類似体は、式IIに示される構造を有する:
式IIの構造を有する類似体を用いて合成されるプルーフリーディング依存性配列決定の単一サイクルの略図が図3に提供される。プルーフリーディングポリメラーゼ、標的 (鋳型)鎖および複製鎖を含む反応複合体が励起光に暴露される。塩基B1等のアデニンを有するジヌクレオチド類似体は、ポリメラーゼの反応部位と結合し、標的鎖中のチミン塩基と塩基対を形成する。ポリメラーゼにより、ジヌクレオチド類似体が成長鎖に取り込まれ、蛍光標識Fが励起光により励起され、検出器により捕捉される信号を放出する。スペクトログラムに示されるように、類似体の対になってない部分(標的鎖中のその後の塩基と塩基対を形成することが出来ない基Xと蛍光標識Fを含む)が、ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性により成長鎖から切断されるまで、この信号は検出可能のままである。類似体の、標識され、対になってない部分が反応複合体から分離される時、この信号は消失する。
3.2 実施例2
蛍光消光部分Qを含む例示的なジヌクレオチド三リン酸類似体は、式IIIの構造を有する:
3.3 実施例3
三リン酸鎖のα−リン酸の代わりにチオリン酸エステルを有する、例示的なジヌクレオチド三リン酸類似体は、ポリメラーゼの持続する3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を妨げ、式IV中に示される構造を有する:
式IVの構造を有する類似体を用いて合成されたプルーフリーディング依存性配列決定の単一サイクルの略図が図4に示される。プルーフリーディングポリメラーゼ、標的(“鋳型”)鎖および複製鎖(“プライマー”)を含む反応複合体が励起光に暴露される。塩基B1となるグアニンを有するジヌクレオチド類似体は、ポリメラーゼの反応部位と結合し、鋳型鎖中のシトシン塩基と塩基対を形成し、蛍光標識Fが励起光により励起され、検出器により捕捉される信号を放出する。シグナル出現を示す図4の下部の棒で示されるように、ジヌクレオチド類似体がポリメラーゼにより成長鎖により取り込まれる時、この信号は検出可能のままであり、類似体の対になってない部分(標的鎖中の後の塩基と塩基対を形成することが出来ない基Xと蛍光標識Fを含む)が、ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性により成長鎖から切断されるまで持続する。類似体の、標識され、対になってない部分が反応複合体から分離される時、信号が消失する。
3.4 実施例4
蛍光消光部分Qと、三リン酸鎖のα−リン酸の代わりにチオリン酸エステルを有する、例示的なジヌクレオチド三リン酸類似体は、ポリメラーゼの持続する3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を妨げ、式Vに示される構造を有する:
式Vの構造を有する類似体を用いて合成されるプルーフリーディング依存性配列決定の単一サイクルの略図が図5に示される。プルーフリーディングポリメラーゼ、標的(“鋳型”)鎖および複製鎖(“プライマー”)を含む反応複合体が励起光に暴露される。塩基B1となるグアニンを有するジヌクレオチド類似体が、ポリメラーゼの反応部位と結合し、鋳型鎖中のシトシン塩基と塩基対を形成する。ジヌクレオチド類似体がポリメラーゼにより成長鎖に取り込まれるまで、蛍光消光部分Qは励起した蛍光基Fから放出する光線を消光し、ピロリン酸に結合する蛍光消光部分Qが反応複合体から放出される。信号の出現を示す図5の下部の棒で示されるように、類似体の対になってない部分(標的鎖中の後ろの塩基と塩基対を形成することができない基Xと蛍光標識Fを含む)がポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性により成長鎖から切断されるまで、取り込まれた蛍光基Fからの信号は検出可能のままである。類似体の、標識され、対になってない部分が反応複合体から分離される時、信号が消失する。
3.5 実施例5
例示的なモノヌクレオチド三リン酸類似体は 式VIに示される構造を有する:
式VIに示される構造を有するモノヌクレオチド三リン酸類似体を成長核酸鎖に取り込んだ後、リン酸−L2−F基が、プルーフリーディングポリメラーゼの3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により除去されて、次の合成ステップのために、取り込まれたモノヌクレオチド類似体の3’−OHを遊離させる。
3.6 実施例6
蛍光消光部分Qを含む例示的なモノヌクレオチド三リン酸類似体は式VIIに示される構造を有する:
3.7 実施例7
プルーフリーディングポリメラーゼの持続する3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を妨げるα−チオリン酸エステルを含む、例示的なモノヌクレオチド三リン酸類似体は、式VIIIに示される構造を有する:
3.8 実施例8
プルーフリーディングポリメラーゼの持続する3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を妨げるα−チオリン酸エステルを含み、蛍光消光部分Qを含む、例示的なモノヌクレオチド三リン酸類似体は、式IXに示される構造を有する:
3.9 実施例 9
例示的なトリヌクレオチド三リン酸は、その5’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することが出来る塩基B1とB2を含み、且つ、その3’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することが出来ない基X1を含むヌクレオチド残基を含み、式Xに示される構造を有する:
3.10 実施例10
例示的なトリヌクレオチド三リン酸類似体は、(1)その5’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができる塩基B1とB2、(2)その3’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができない基X1を含むヌクレオチド残基、および(3)蛍光消光部分Qを含み、式XIに示される構造を有する:
3.11 実施例11
例示的なトリヌクレオチド三リン酸類似体は、(1)その5’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができる塩基B1とB2、(2)その3’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができない基X1を含むヌクレオチド残基、および(3)ポリメラーゼの持続する3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を妨げるα−チオリン酸エステルを含み、式XIIに示される構造を有する:
3.12 実施例12
例示的なトリヌクレオチド三リン酸類似体は、(1)その5’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができる塩基B1とB2、(2)その3’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができない基X1を含むヌクレオチド残基、(3)蛍光消光部分Q、および(4)ポリメラーゼの持続する3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を妨げるα−チオリン酸エステルを含み、式XIIIに示される構造を有する:
3.13 実施例13
例示的なトリヌクレオチド三リン酸類似体は、(1)その5’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができる塩基B1、(2)その3’末端で、標的核酸の塩基と塩基対を形成することができない基X1−FとX2を含むヌクレオチド残基を含み、式XIVに示される構造を有する:
3.14 実施例14
例示的なトリヌクレオチド三リン酸類似体は、(1)その5’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができる塩基B1、(2)その3’末端で、標的核酸の塩基と塩基対を形成することができない基X1−FとX2を含むヌクレオチド残基、および(3)蛍光消光部分Qを含み、式XVに示される構造を有する:
3.15 実施例15
例示的なトリヌクレオチド三リン酸類似体は、(1)その5’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができる塩基B1、(2)その3’末端で、標的核酸の塩基と塩基対を形成することができない基X1−FとX2を含むヌクレオチド残基、および(3)ポリメラーゼの持続する3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を妨げるα−チオリン酸エステルを含み、式XVIに示される構造を有する:
3.16 実施例16
例示的なトリヌクレオチド三リン酸類似体は、(1)その5’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができる塩基B1、(2)その3’末端で、標的核酸の塩基と塩基対を形成することができない基X1−FとX2を含むヌクレオチド残基、(3)蛍光消光部分Q、および(4)ポリメラーゼの持続する3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を妨げるα−チオリン酸エステルを含み、式XVIIに示される構造を有する:
3.17 実施例17
例示的なトリヌクレオチド三リン酸類似体は、(1)その5’末端で、標的核酸の相補的塩基と塩基対を形成することができる塩基B1、および(2)その3’末端で、標的核酸の塩基と塩基対を形成することができない基X1−FとX2を含むヌクレオチド残基を含み、式XVIIIに示される構造を有する:
ある態様において、実施例3、4、7、8、11、12、15及び16に記述される類似体と同じ方法で、式XVIIIのトリヌクレオチド三リン酸類似体は、α−リン酸基の代わりに、プルーフリーディングポリメラーゼの持続する3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を妨げるα−チオリン酸エステル基を有する。ある態様において、実施例2、4、6、8、10、12、14と16に記述される類似体と同じ方法で、式XVIIIのトリヌクレオチド三リン酸類似体は、γリン酸に、蛍光消光部分Qを含む。
3.18 実施例18
ここに記述される本方法によると、DNA分子が配列決定される。適当な配列決定反応バッファ中アトリットル当たり0.1分子の濃度で、200ntの平均長さの環状、一本鎖DNA分子の溶液が、2011年3月11日に出願された米国特許出願番号13/046,457の“単一分子検出および方法”に記述される検出装置に加えられる。或いは、環状、一本鎖DNA分子の溶液が、2010年6月11日に出願された米国特許出願番号12/801,503;2010年7月29日に出願された米国特許出願番号12/805,411; 米国特許番号第6,917,726; 7,170,050; 7,486,865;およびEid,J.,et al.,Science、323:133〜138(2009)に記述される検出装置に加えられる。
環状DNA分子は、約20個のヌクレオチド3’の既知の挿入配列を未知のサンプル配列に含む。既知の挿入配列と相補する配列決定プライマー、および、4種の蛍光標識されたジヌクレオチド類似体が提供され、4個のジヌクレオチド類似体は、それぞれ、相補的塩基B1を含み、それぞれ、アデニン、シトシン、グアニンまたはチミンである。検出装置中の複数の検出位置で、プルーフリーディングポリメラーゼ、DNA分子および配列決定プライマーの三重複合体が形成され、ポリメラーゼは、一蛍光標識されたヌクレオチド類似体を、配列決定プライマーの3’末端に付加する。
複数の検出位置において、ポリメラーゼの反応部位と結合し、成長(プライマー) 鎖中に取り込まれる、蛍光標識されたジヌクレオチド類似体は、検出装置に接続された光源からの励起光により励起され、蛍光を放出する。この蛍光は検出装置により検出され、処理される出力信号を生成して、配列決定プライマーに付加されるジヌクレオチド類似体に含まれる塩基を同定する。ポリメラーゼが、成長鎖からの蛍光標識を含む非相補的ヌクレオチド基を切断する時、蛍光信号が消失し、次のヌクレオチド類似体の取り込みのため、塩基Bを含む相補基の3’−OHを遊離させる。
その後、ポリメラーゼは、上述のように検出される、もう一つのジヌクレオチド類似体を付加する。このサイクルは、十分な回数繰り返して、少なくとも二回のDNA分子の長さの配列決定を読み取る(即ち、DNA分子を配列決定および再配列決定する)。DNA分子の配列は、2010年5月13日の米国特許公開番号2010/0121582に記載されるように、再配列決定したものを採用するかまたは不採用とすること、および、採用される再配列決定したもののアラインメントからのコンセンサス配列を決定することにより、コンピュータで取得される。
3.19 実施例19
ここで、ラムダファージのゲノムが配列決定される。純化され、線形のゲノムが、適当な反応バッファ中にアトリットル当たり0.1分子で懸濁され、米国特許出願番号13/046,457に記述される検出システムに加えられる。或いは、ゲノムは、環状形態で純化されてもよいし、または、ライゲートされて、環状構造を形成してもよい。どの場合でも、加熱により、二本鎖ラムダゲノムを変性させ、配列決定に備える単一鋳型鎖を形成する。
配列決定プライマーが設計されて、線形化した鋳型鎖の一端と相補する、または、環状化されたゲノムの場合では、プライマーは、鋳型鎖上の任意の既知の配列と相補する。プライマーは、アトリットル当たり約1分子の濃度で懸濁され、持続するプルーフリーディングポリメラーゼと4種の蛍光標識されたジヌクレオチド類似体と共に、検出システムに加え、4種のバイヌクレオチド類似体は、それぞれ、アデニン、シトシン、グアニンまたはチミンである相補的塩基B1を含む。バイヌクレオチド類似体は、さらに、γリン酸基に結合する蛍光消光体を含む。検出装置の複数の検出部位で、プルーフリーディングポリメラーゼ、DNA分子と配列決定プライマーの三重複合体が形成され、ポリメラーゼは、一蛍光標識されたヌクレオチド類似体を配列決定プライマーの3’末端に付加する。
複数の検出部位のそれぞれにおいて、ポリメラーゼの反応部位で、蛍光標識されたジヌクレオチド類似体の成長(プライマー)鎖への取り込みには、ジヌクレオチド類似体からの蛍光消光体の切断が含まれる。ジヌクレオチド類似体上の蛍光標識は、検出装置に接続される光源からの励起光により励起され、蛍光を放出する。この蛍光は検出装置により検出され、処理される出力信号を生成して、配列決定プライマーに付加されるジヌクレオチド類似体に含まれる塩基を同定する。ポリメラーゼの3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により、成長鎖からの蛍光標識を含む非相補的ヌクレオチド基が切断される時、蛍光信号が消失し、次のヌクレオチド類似体の取り込みのために、塩基B1を含む相補基の3’−OHを遊離させる。
その後、ポリメラーゼは、上述のように検出される、別のジヌクレオチド類似体を付加する。このサイクルは、十分な回数繰り返して、ゲノムの長さ(約48kb)までの配列決定を読み取る。配列決定反応物は、その後、加熱され、または、高塩で処理されて、新たに合成された鎖を除去し、洗浄し、第二配列決定読み取りのために、配列決定混合物を新たに加える。或いは、各読み取りで、全配列を得るの代わりに、始めの読み取りにより、ラムダゲノムの一部だけをカバーしてもよい。洗浄工程後、異なる配列決定プライマーは配列決定反応物中に含まれ、ラムダゲノムの第二の重複部分を配列決定する。これらの工程は、2010年5月13日の米国特許公開番号2010/0121582に記載されるように、全ゲノムの2×被覆率が達成されるまで繰り返される。DNA分子の配列は、再配列決定を採用するかまたは不採用とすること、および、採用される再配列決定のアラインメントからのコンセンサス配列を決定することにより、コンピュータで取得される。
3.20 実施例20
検出システムの一例は、標的配列と結合するための磁気官能基により表面部分が修飾されたナノ球状の移動可能な光カプラーを利用する。ナノ球状の粒子は、磁気修飾された表面上で、ストレプトアビジンにより化学的に修飾される。配列決定プライマー(結合核酸分子)の配列に相補する配列を含むビオチン化オリゴヌクレオチドプライマーは、ストレプトアビジン修飾ナノ球状と結合し、これによりビオチン化プライマーとナノ球状とが結合する。標的配列はビオチン化プライマーにハイブリダイズし、DNAポリメラーゼが添加されて、反応複合体を形成する。アダプター部位下方に位置する微細加工コイルの使用により、ナノ球状の底部に、導波管のナノウェルの基部(アダプター部位)でのアトリットル体積中に標的配列とプライマーが限定されるように、移動可能な光カプラーをナノウェルに置く。微細加工コイルを流れる電流によりナノ球状がアダプター部位で反応複合体を吸着し捕捉する磁場を生み出し、反応複合体を吸着する磁気修飾された表面が、導波管のコア層と面する。よって、反応複合体は、導波管のコア層表面近くの限定空間のアダプター部位に局在する。
アダプター部位において、実施例に上述されるジヌクレオチドまたはトリヌクレオチド類似体を使用するDNA合成が実行される。合成反応の各ステップで、4種類の標識されたdNTPの一つは、反応複合体の反応部位で結合し、標的核酸の対応する塩基と塩基対を形成する。蛍光標識は、アダプター部位の底部で形成されるエバネセント光領域により、および/または、ナノ球状表面から放射されるエバネセント光領域により励起される。dNTP結合蛍光物質の放出を検出することにより、即時に、反応部位での蛍光物質標識ヌクレオチドポリリン酸の成長ヌクレオチド鎖への取り込みが検出される。取り込まれたヌクレオチドそれぞれの同一性は、その蛍光標識により決定され、蛍光標識が成長鎖に取り込まれる際に、ヌクレオチドから切断される。重合反応中に検出される蛍光放出信号の順序を、核酸配列に転換することにより、標的核酸の配列が導き出される。
明細書に引用されている引用文献の教示を踏まえると、明細書を完全に理解することができる。明細書の態様は、本発明の態様を説明し、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない。当業者は、多くの別の態様が本発明に含まれることを容易に理解する。本開示で引用される全出版物、特許出願及び特許は、それらの全文を参考として援用する。参考として援用される資料と本明細書が矛盾するまたは一貫性がない程度に、本明細書は、いずれのかかる資料にとって代わる。本明細書でのいずれの引用文献の引用は、このような引用文献が本発明の先行技術であることを承認するものではない。
その他の方法で示されない限り、特許請求の範囲を含む明細書に使用される成分の量、反応条件等を表わす全ての数字は、全ての状況において、用語“約”により修飾されることが理解される。従って、その他の方法で示されない限り、数値パラメータは近似値であり、本発明により得られる所望の特性に基づいて変化してもよい。いずれにせよ、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限することを意図しないものとして、各数値パラメータは有効数字と一般の四捨五入から解釈されるべきである。明細書の有効数字と異なる一連の数値の記載は、与えられた少ない有効数字を有する数字が、与えられた多い有効数値を有する数字と同じ精度を有することを暗示すると解釈されるべきではない。
用語“1つ(a)”または“1つ(an)”の使用は、特許請求の範囲および/または明細書の用語“含む(comprising)”と共に使用される時、“1つ”を意味してもよいが、“1つ以上(one or more)”、“少なくとも1つ(at least one)”および“1つより大きい(one or more than one)”の意味と一致する。特許請求の範囲の用語“または(or)”の使用は、その開示が、二者択一だけおよび“および/または(and/or)”を示す定義を支持するが、二者択一だけのこというか、または二者択一は相容れないと明確に示されない限り、“および/または(and/or)”の意味で使用される。
その他の方法で示されない限り、一連の要素の前の用語“少なくとも”は、一連の各要素のことであると理解される。当業者は、本明細書に記述される特定の態様に対する多くの同等物を理解するかまたは日常の実験だけを使用することにより確認することができる。かかる同等物は以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
その他の方法で定義されていない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語の全ては、本発明が属する当業者が一般に理解されるのと同じ意義を有する。本明細書に記述されるのと類似するかまたは同等のあらゆる方法と材料は、本発明の実施と試験で用いることができる。
本明細書で議論される出版物は、本出願の出願日より前の開示のために提供するに過ぎない。ここで、いかなる物も、本発明が、先行発明のため、このような公開に先行する資格がないということを認めるものとして解釈されない。更に、提供される公開日時は、独立して確認される必要があってもよい実際の公開日時と異なっていてもよい。
本発明の他の態様は、本明細書及び本明細書に開示される態様の実施を考慮しても当業者に明らかである。明細書および実施例は例示するだけであるとみなされ、本発明の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲に示されることが意図される。
100…ナノスケール球体の光カプラー
102…検出器
104…アダプター部位
118…光学フィルター
145…励起光
160…有効励起領域
170…限定空間
200…DNA合成反応複合体

Claims (40)

  1. 標的核酸のヌクレオチド配列の決定方法であって、
    (a)標的核酸配列を含む鋳型核酸、前記鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、ならびに5’〜3’重合活性および3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体を含む反応複合体を提供する工程、
    (b)前記反応複合体と複数のヌクレオチド類似体を接触させる工程、ここで前記複数のヌクレオチド類似体の個々のヌクレオチド類似体が、少なくとも一つの塩基対合部分、および前記塩基対合部分を特定するための光検出可能な標識を含む少なくとも一つの標識部分を含む、
    (c)前記酵素又は酵素複合体の5’〜3’重合活性により、前記酵素又は酵素複合体が、鋳型依存性の方式で、ヌクレオチド類似体を新生鎖に取り込み、これにより、前記標識部分を前記新生鎖に結合させる工程、
    (d)取り込まれたヌクレオチド類似体の前記光検出可能な標識を検出する工程、
    (e)前記酵素又は酵素複合体の3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により、前記酵素又は酵素複合体が、前記新生鎖から、前記取り込まれたヌクレオチド類似体の前記標識部分を除去する工程、ならびに
    (f)工程(c)〜(e)を繰り返して、前記標的核酸の配列を決定する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記光検出可能な標識が、蛍光物質であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヌクレオチド類似体が、さらに、少なくとも一つの蛍光消光部分を含み、前記ヌクレオチド類似体が、前記酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性により、前記新生鎖に取り込まれる時、前記蛍光消光部分が、前記ヌクレオチド類似体から除去されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 5’末端と3’末端を有する前記少なくとも一つの塩基対合部分が、前記反応複合体の活性部位において、前記標的核酸配列の対応する塩基と塩基対を形成することが出来る塩基をそれぞれ含む1つ以上のヌクレオチド残基を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記塩基対合部分の前記3’末端が、リン酸エステル結合により、前記標識部分に結合されていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記標識部分が、光検出可能な標識、および前記光検出可能な標識を前記リン酸エステル結合に連結している任意のリンカーを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記標識部分が、さらに、
    (a)1つ以上の非相補的ヌクレオチド残基、および
    (b)前記光検出可能な標識を前記1つ以上の非相補的ヌクレオチド残基に連結している任意のリンカー、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記1つ以上の非相補的ヌクレオチド残基が、独立して、脱塩基ヌクレオチド残基、およびアデニン、シトシン、グアニン、チミンまたはウラシルのどれとも塩基対を形成する能力が実質的にない塩基を含むヌクレオチド残基から選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記蛍光消光部分が、ヌクレオチド類似体の5’末端に結合していることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  10. 前記蛍光消光部分が、リンカーを介して、前記ヌクレオチド類似体の5’末端に結合していることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記ヌクレオチド類似体が、αリン酸、βリン酸およびγリン酸を有するヌクレオチド三リン酸類似体であり、前記蛍光消光部分が、前記ヌクレオチド類似体の5’末端で三リン酸の基のβリン酸またはγリン酸に結合していることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  12. 前記少なくとも一つの塩基対合部分が、5’末端に少なくとも3個のリン酸基を含み、前記塩基対合部分(前記αリン酸)に最も隣接するリン酸基が、チオリン酸エステルであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  13. 前記少なくとも一つの塩基対合部分が、5’末端に少なくとも3個のリン酸基を含み、前記塩基対合部分(前記αリン酸)に最も隣接するリン酸基が、メチルリン酸であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  14. 前記少なくとも一つの塩基対合部分が、5’末端に少なくとも3個のリン酸基を含み、前記塩基対合部分(前記αリン酸)に最も隣接するリン酸基が、ボラノリン酸であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  15. 反応複合体の活性部位でのヌクレオチド類似体の結合と、新生鎖からの標識部分の除去との間の時間の長さが、約50〜250ミリ秒であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 二つの連続した検出工程(d)の間での時間の長さが約0.2〜1秒である条件下で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 二つの連続した検出工程(d)の間での時間の長さが約0.2〜0.6秒である条件下で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 二つの連続した検出工程(d)の間での時間の長さが約0.3〜0.5秒である条件下で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  19. 工程(f)において工程(c)〜(e)を繰り返して標的核酸の配列を決定する工程が、連続してプライマー鎖に取り込まれるヌクレオチド類似体の標識部分における、各光検出可能な標識の連続的な取り込みを、継続してモニタリングおよび記録する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  20. 各ヌクレオチド類似体が、
    (a)反応複合体の活性部位において標的核酸配列の対応する塩基と塩基対を形成することが出来る塩基をそれぞれ含む1つ以上のヌクレオチド残基を、ヌクレオチド類似体の5’末端に含む塩基対合部分、
    (b)標的核酸配列の対応する塩基と塩基対を形成する能力をそれぞれ実質的に欠く1つ以上の非相補的ヌクレオチド残基を、ヌクレオチド類似体の3’末端に任意に含む標識部分、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  21. 式Iを有する化合物、
    または、製薬上許容できるその塩もしくはその水和物であって、
    nは、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;
    1および各R2は、O-および
    から選択され、
    i)R1および各R2はO-であり;または
    ii)R1
    であり、
    各R2はO-であり; または、
    iii)R1はO-であり、1つのR2
    であり、残りのR2は、それぞれ独立して、O-、S-、BH3 -またはCH3であり;
    3は、蛍光色素Fを含むヌクレオチド部分であり;
    4は、H、OH、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む)、アルキル(CH3、CH2CH3を含む)または(置換および非置換の両方の)アルコキシ(OCH3とOCH2CH3を含む)であり;
    1とY3は、それぞれ独立して、O-、S-、BH3 -およびCH3から選択され;
    1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、エステル、アミノおよびスルホニルから選択され;
    Qは蛍光消光部分であり; および
    1は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、ヒポキサンチン、および5−メチルシトシンから選択されることを特徴とする化合物または製薬上許容できるその塩もしくはその水和物。
  22. 3は:
    から選択され、
    2は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、ヒポキサンチンおよび5−メチルシトシンから選択され;
    1は、メチレン; L2; アデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルのどれとも塩基対を形成しない塩基; ならびにアデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルのどれとも塩基対を形成しない塩基およびL2を含む基から選択され;L2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、エステル、アミノおよびスルホニルから選択され;
    2は、H、CH3、ならびにアデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルのどれとも塩基対を形成しない塩基から選択され;
    各R4は、独立してH、OH、フッ素、またはOCH3であり;および、
    2は、O-、S-、BH3 -及びCH3から選択されることを特徴とする請求項21に記載の化合物。
  23. 3は:
    から選択され;
    2は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、ヒポキサンチンおよび5−メチルシトシンから選択され;
    1は、メチレン; L2; アデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルのどれとも塩基対を形成しない塩基;ならびにアデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルのどれとも塩基対を形成しない塩基およびL2を含む基から選択され;L2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、エステル、アミノおよびスルホニルから選択され;
    2は、H、CH3ならびにアデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルのどれとも塩基対を形成しない塩基から選択され;
    2は、O-、S-、BH3 -およびCH3から選択されることを特徴とする請求項21に記載の化合物。
  24. nは1であり、R1
    であり、
    2はO-であることを特徴とする請求項22に記載の化合物。
  25. 1はS-であることを特徴とする請求項22に記載の化合物。
  26. 3
    であることを特徴とする請求項22に記載の化合物。
  27. 3
    であることを特徴とする請求項22に記載の化合物。
  28. 3はO-であることを特徴とする請求項22に記載の化合物。
  29. 標的核酸配列のヌクレオチド配列の決定方法であって、
    (a)標的核酸配列を含む鋳型核酸、前記鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、ならびに5’〜3’重合活性および3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体を含む反応複合体を提供する工程、
    b)前記反応複合体と請求項21に定義される化合物を接触させる工程、
    c)前記酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性により、前記酵素または、酵素複合体が、請求項21に定義される化合物を新生鎖に取り込み、これにより、基Fが前記新生鎖に結合する工程、
    d)塩基B1および必要に応じて存在する塩基B2の同一性および順序を示す前記基Fを検出する工程、
    e)前記酵素又は酵素複合体の3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により、前記酵素または酵素複合体が、塩基B1および必要に応じて存在するB2を取り込んだヌクレオチド残基の3’位で前記基Fを除去し、これにより、前記基Fが前記新生鎖から除去される工程;および
    f)工程(c)〜(e)を繰り返して、前記標的核酸の配列を決定する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  30. 前記複数のヌクレオチド類似体が、少なくとも4種のヌクレオチド類似体を含み、各種のヌクレオチド類似体が、特有の塩基対合部分、および前記複数のヌクレオチド類似体の他の種の蛍光物質と区別される特有の蛍光物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  31. 前記複数のヌクレオチド類似体が、さらに、ヌクレオチド類似体を新生鎖に取り込む時、ヌクレオチド類似体から除去される蛍光消光部分を有するヌクレオチド類似体を含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
  32. 核酸重合反応で、ポリメラーゼ酵素または酵素複合体により取り込まれるヌクレオチド塩基を決定する方法であって、
    (a)ポリメラーゼ酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性および3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性の両方を利用し、鋳型依存性の方式で新生鎖の生成をもたらす核酸重合反応を実行する工程、ここで前記反応が以下のものの存在下で行われる、
    (i)標的核酸配列を含む鋳型核酸、
    (ii)鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、
    (iii)5’〜3’重合活性および3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体、
    (iv)複数のヌクレオチド類似体、ここで前記複数ヌクレオチド類似体の個々のヌクレオチド類似体が、少なくとも一つの塩基対合部分および少なくとも一つの標識部分を含み、前記標識部分が光検出可能な標識を含む;
    (b)前記光検出可能な標識を検出する工程、ここで前記標識が、前記酵素または酵素複合体により前記新生鎖に取り込まれる前記ヌクレオチド類似体に存在する1つまたは複数の塩基の同一性を示す、
    を含むことを特徴とする方法。
  33. 前記検出工程が、先に取り込まれたヌクレオチド類似体の光検出可能な標識が前記酵素または酵素複合体の3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により除去された後、各連続したヌクレオチドの取り込み中に実行されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
  34. 標的核酸の核酸配列の決定方法であって、
    (a)(i)標的核酸配列を含む鋳型核酸、
    (ii)鋳型核酸の領域に相補的な配列を含むプライマー核酸、
    (iii)鋳型依存性の方式でヌクレオチド類似体を取り込む反応部位を含むポリメラーゼ酵素または酵素複合体、
    (iv)複数のヌクレオチド類似体、ここで前記複数のヌクレオチド類似体の個々のヌクレオチド複合体が、少なくとも一つの塩基対合部分、および光検出標識を含む少なくとも一つの標識部分を含み、前記類似体が、鋳型依存性の方式で、前記酵素または酵素複合体により、前記新生鎖に取り込まれると、前記類似体は、新生鎖の生成を終了せず、前記酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性により除去される標識を含むヌクレオチド類似体と比較すると、前記ヌクレオチド類似体により、少なくとも一つの延長された検出時間および延長されたインターパルス期間が提供される;
    の存在下で核酸重合反応を実行する工程、
    (b)各連続した取り込み中に、取り込まれた標識部分を検出する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  35. 検出時間が、前記酵素または酵素複合体の5’〜3’重合活性により除去される標識を含む類似体の検出時間に対して、少なくとも約10倍延長されることを特徴とする請求項34に記載の方法。
  36. 二つの連続した検出工程が、約0.2〜約1秒で分けられることを特徴とする請求項34に記載の方法。
  37. 前記ヌクレオチド類似体が、さらに、少なくとも一つの蛍光消光部分を含み、前記酵素又は酵素複合体の5’〜3’重合活性により、前記ヌクレオチド類似体を取り込む時、前記蛍光消光部分が前記ヌクレオチド類似体から除去されることを特徴とする請求項34に記載の方法。
  38. 前記標識部分が、3’〜5’エキソヌクレアーゼ活性により、前記酵素または酵素複合体により除去されることを特徴とする請求項34に記載の方法。
  39. 前記標的核酸配列が配列反復を含むことを特徴とする請求項1、32または34に記載の方法。
  40. 前記標的核酸配列が、(A)n、(T)n、(C)nまたは(G)nから選択される1つ以上の配列反復を含み、nは3より大きい整数であることを特徴とする請求項1、32または34に記載の方法。
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