JP2013523797A - 気相中での不斉第二級tert−ブチルアミンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、気相中での連続的なアミノ化による不斉第二級tert−ブチルアミンの製造方法であって、tert−ブチルアミンをアルコールまたはアルデヒドおよび水素の存在下で、水素化触媒上で変換させる、前記方法に関する。

Description

発明の詳細な説明
本願は、気相中での連続的なアミノ化による不斉第二級tert−ブチルアミンの製造方法において、tert−ブチルアミンをアルコールまたはアルデヒドおよび水素の存在下で、水素化触媒上で変換する、前記製造方法に関する。
第二級アミンは、工業的に利用される重要な物質である。それらは例えば、エポキシドおよびポリウレタンに基づくプラスチック成形体を製造するための重合触媒および硬化触媒として、腐食防止剤として、および凝集剤および洗浄剤のための出発物質として役立つ。さらに第二級アミンは、農産物保護剤における中間生成物として使用される。
tert−ブチル基およびアルキル基を有する不斉アミンは、ゴムの加硫促進剤の製造のための出発物質としてWO−A2009/084538号内に記載され、且つ、特に興味深い。
第二級アミンは、ハロゲン化アルキルを用いた第一級アミンのアルキル化によって、第一級アミンのアセチル化および引き続く水素化アルミニウムリチウムを用いたカルボニル基の還元によって、および、第一級アミンを用いた、アルデヒドの還元性の、殊に水素化によるアミノ化によって得られる。
これは原理的に、tert−ブチル基を含有する不斉第二級アミンについてもあてはまる:
J.C.Bottaroらは、Journal of Organic Chemistry、1991、56、1305〜1307ページにおいて、tert−ブチルアミンを、臭化エチルと共にモル比3:1で変換することによって、85%の収率で、エチル−tert−ブチルアミンを製造できることを記載している。この方法の欠点は、生じる臭化水素が中和後に塩の発生をもたらし、経済的な理由のために過剰なtert−ブチルアミンが取り出され、且つ返送されなければならないこと、および腐食の問題が生じることである。
これに対して、M.NewcombらはJournal of the American Chemical Society、1990、112、5186〜5193ページにおいて、tert−ブチルアミンと酢酸無水物とをアセチル化すること(収率40%)、およびその得られたN−tert−ブチルアセトアミドを、水素化アルミニウムリチウムを用いてエチル−tert−ブチルアミンへと還元することについて記載している。しかしながら、該方法は2段階であり、低い収率しか可能ではなく、且つ、酸素含有アルミニウム化合物の発生が問題である。
Yu.Smirnowらは、Zhurnal Organicheskoi Khimii (1992)、28 (3)、461〜467ページ内に、エチル−tert−ブチルアミンを、鉛カソードにおけるtert−ブチルアミンを用いたアセトアルデヒドの電気化学的な還元的アミノ化によっても、収率60%で製造可能であることを記載している。欠点は、とりわけ、低い収率である。
水素化触媒の存在下で、アルコールを、第一級アミンおよび水素と共に、アミノ化して相応の不斉第二級アミンにすることが同様に公知である。例えば、EP−A 233.317号内には既に、第二級および第三級アミンを、1〜5個の炭素原子を含有する第一級または第二級アルコールを、第一級または第二級アミンと共に、気相中、水素および銅およびクロム酸化物(42質量%のCuO、38質量%のCr23、20質量%のAl23)を含有する触媒の存在下で変換することによって製造できることが記載されている。不斉tert−ブチルアミンを高い収率で製造するための方法は記載されていない。第二級アミンの合成についての唯一の実施例は、n−ブタノールとエチルアミンとを、モル比3対1にて、174〜180℃で、N−エチル−n−ブチルアミンにする変換である。その際、該n−ブタノールの変換率は、52.9%であり、N−エチル−n−ブチルの選択率は81.6%である。欠点は、水素化搬出物の後処理のための蒸留の費用が高いことでもあり、前記搬出物は、69.2%が未変換のn−ブタノールから、8.1質量%が未変換のエチルアミンから、および16.7質量%のみが目標生成物のN−エチル−n−ブチルアミンからなる。さらなる欠点は、クロム含有率に基づき、環境汚染の観点で問題がある触媒の使用である。
DE−A19859776号は、アミノ化を、気相中、80〜300℃、好ましくは120〜270℃、特に好ましくは160〜250℃の温度で実施することを記載している。圧力は、1〜400bar、好ましくは1〜100bar、特に好ましくは1〜50barである。触媒負荷は、触媒1リットル(かさ容積)あたり且つ1時間あたり、0.01〜2、好ましくは0.05〜0.5kgの範囲のアルコールである。アルコールまたはアルデヒド1モルあたり、化学量論組成量の、化学量論組成を下回る量または上回る量の第一級または第二級アミンを用いて、好ましくはほぼ化学量論組成量を用いて作業する。触媒として、銅および酸素を含有するチタン化合物が成形体として用いられ、それは金属銅を添加しながら製造される。tert−ブチルアミンはたしかにDE−A19859776号の一般式IIIに含まれるが、しかし好ましいアミノ化剤としては、それはちょうど一連のC4−アルキルアミンにおいて明示的に除かれている。
WO−A2005/110969号には、アルコール、しかし殊にアルデヒドが、気相中で第一級または第二級アミンと共に、水素および銅含有触媒の存在下で、等温的に、第二級または第三級アミンへと変換させられることが開示されている。該アミノ化は、80〜300℃、好ましくは150〜250℃、特に好ましくは170〜230℃で、且つ、絶対圧1〜300bar、好ましくは1〜50bar、特に好ましくは1〜30barで実施される。触媒負荷は、触媒1リットルあたり且つ1時間あたり、0.1〜2.0、好ましくは0.1〜1.0、特に好ましくは0.2〜0.6kgの範囲のアルコールである。触媒前駆体の触媒活性材料は、水素を用いた還元前に、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタンおよび/または二酸化ケイ素を含有する。アミン成分は、それぞれ用いられるアルコールまたはアルデヒドに対して、好ましくは0.9〜100倍モル量、殊に1〜10倍モル量で用いられる。アルコールまたはアルデヒド、およびtert−ブチルアミンから出発する第二級アミンIの製造についての実施例は、その12個の例の中には含まれない。
Advanced Synthesis & Catalysis, 2002, 344、1041ページ、3.1章、第一段落内には、カルボニル化合物を用いたアミンの変換の際、収率および選択性は、高い度合いで、出発化合物の立体障害性に依存することが記載されている。立体障害性は、Advanced Synthesis & Catalysisによれば、アミン官能基の領域においても役割を果たす(第3.1章、第三段落)。例えば、2,4,6−トリメチルアニリンを用いたアセトンの還元的アミノ化は、36%だけの収率で第二級アミンを生じ、これに対し、98%の収率を有するアニリンを有する(第3.1章、第三段落および図10)。それゆえ、Advanced Synthesis & Catalystsから、当業者は、tert−ブチルアミンを用いたアルコールもしくはアルデヒドのアミノ化の際には、式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンについての低い収率且つ選択率が予期されるという教示を導出する。
それゆえ、本課題は、水素化触媒存在下でのtert−ブチルアミンおよび水素を用いたアルコールまたはアルデヒドのアミノ化のための連続的な方法であって、立体障害性の高い、式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンが良好な収率且つ高い選択率で得られ、環境汚染触媒を用いないで可能にする前記方法を提供することであった。
該方法のさらなる課題は、該工程生成物の、単純且つ生産的な後処理を確実にすることである。
該課題は、式I
Figure 2013523797
の不斉第二級tert−ブチルアミンの製造方法であって、前記Rは水素、直鎖または分枝鎖の、1〜15個の炭素原子を有する脂肪族基、5〜10個の炭素原子を有する脂環式基、o位、m位および/またはp位において、1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基によって置換されていることがあるアラルキル基またはフェニル基の群から選択され、
tert−ブチルアミンおよび水素を用いた、気相中、水素化触媒の存在下での式IIのアルコールまたは式IIIのアルデヒドの連続的なアミノ化により、以下の工程、
(i) 水素化触媒を充填された反応器を準備する工程、
(ii) 該反応器を60〜240℃の範囲の温度に加熱し、且つ、1〜100barの範囲の圧力を印加する工程、
(iii) 水素、tert−ブチルアミンおよび式II
Figure 2013523797
のアルコール、または式III
Figure 2013523797
のアルデヒドを、工程(ii)による反応器に連続的に添加し、ここで、式IIのアルコールまたは式IIIのアルデヒドのtert−ブチルアミンに対するモル比は、0.5対1〜1.4対1の範囲であり、且つ、Rは式IIのアルコールについても式IIIのアルデヒドについても、式IのRと同じ意味を有する
(iv) 反応器を冷却および放圧し、且つ工程(iii)から取得された水素化搬出物を取り出す工程
を含む方法によって解決される。
式IIのアルコールを用いた本発明の変換は、以下の式によって記載される:
Figure 2013523797
アミノ化は、気相中で連続的に実施される。
1013mbarで沸点44℃を有するtert−ブチルアミン、式II
Figure 2013523797
のアルコール、または式III
Figure 2013523797
のアルデヒド、および随意に溶剤を、水素化反応器に気体状で供給し、その際、式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンも、式IIのアルコールおよび式IIIのアルデヒドも、Rが水素、直鎖または分枝鎖の、1〜15個の炭素原子を有する脂肪族基、5〜10個の炭素原子を有する脂環式基、o位、m位および/またはp位において、1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基によって置換されていることがあるアラルキル基またはフェニル基から選択される。好ましくは、アルキルまたはフェニル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、およびまたはtert−ブチル基の群から選択される脂肪族基で置換されている。
好ましい式IIの第一級アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、ピバリンアルコール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、n−オクタノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、2−フェニルエタノール、2−シクロペンチルエタノール、2−シクロヘキシルエタノール、2−シクロヘプチルエタノール、メチルフェニルエタノール、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコールまたはそれらのアルコールの混合物の群から選択され、適している。
特に好ましい式IIの第一級アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、n−ペンタノールまたはそれらの化合物の混合物の群から選択される。
とりわけ特に好ましくは、式IIの第一級アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、またはそれらのアルコールの混合物の群から選択される。殊に、とりわけ特に好ましくは、式IIの第一級アルコールは、エタノールまたはn−ブタノールである。
第一級アルコールIIの代わりに、アルコールIIの脱水素によって生じるアルデヒドIIIを、出発化合物として気相中で用いることもでき、この場合、少なくとも1当量の水素が、水素化の間に反応器中に存在しなければならない。
しかしながら、式IIの第一級アルコールの使用が好ましい。本発明による方法のアミノ化は、60〜240℃の範囲、好ましくは80〜230℃の範囲の温度で実施される。式IIのアルコールのアミノ化は、温度150〜240℃、好ましくは170〜230℃、特に好ましくは180〜220℃で行われる。出発化合物として式IIIのアルデヒドを用いてアミノ化が実施される場合、60〜200℃、好ましくは80〜170℃、特に好ましくは100〜150℃の温度が保持される。
アミノ化の化学量論組成によれば、アルコールから出発し、水素は必要とされない。しかしながら、水素を、触媒1リットルあたり且つ1時間あたり好ましくは150〜250NLの量、特に好ましくは180〜220NLの量の水素を供給することが推奨される。式IIIのアルデヒドの使用の際は、アルデヒドIII 1モルあたり、少なくとも1モルの水素が存在していなければならない。
それぞれの温度の際の反応容器内の総圧は、装入物質の分圧、および反応生成物の分圧、つまり水素、tert−ブチルアミン、式IIのアルコールまたは式IIIのアルデヒド、不斉第二級tert−ブチルアミンI、水および随意に併用される溶剤の分圧から構成される。水素の圧入によって、圧力を所望の反応圧力に高める。水素の消費量を補充するために、反応時間の間、水素の追加的な圧入によって総圧を一定に保つ。
総圧は、1〜100bar、好ましくは1〜50bar、特に好ましくは1〜25bar、殊に好ましくは1〜20barである。
式IIのアルコールまたは式IIIのアルデヒドの、tert−ブチルアミンに対するモル比は、好ましくは1.4対1〜0.5対1の範囲、特に好ましくは1.0対1〜0.5対1の範囲、とりわけ特に好ましくは0.8対1〜0.5対1の範囲である。このモル比を選択することによって、式IIのアルコールまたは式IIIのアルデヒドの高い変換率が達成される。同時に、このモル比を選択することによって、式Iの第二級アミンについての高い選択率がもたらされる。
本発明による方法を、反応条件下で不活性な溶剤の存在下で実施することが有利であることがある。この場合、この不活性な溶剤は、N−メチルピロリドンまたはエーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルの群から選択される。
しかしながら、溶剤の不在下で作業することが好ましい。
触媒の装填量は一般に、触媒1リットル(かさ容積)あたり且つ1時間あたり、式IIのアルコールまたは式IIIのアルデヒド0.05〜0.5,好ましくは0.1〜0.4、特に好ましくは0.2〜0.3kgの範囲である。
本発明による方法のための触媒として、当業者に公知の全ての水素化触媒、例えばHouben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、第4版、第11/1巻、602ページ、およびHandbook of heterogeneous catalysis、第2版、第7巻、3548ページ、Wiley VCH内に記載されているものを使用できる。従って、触媒として、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金および銅の金属および/または該金属の酸素化合物、またはそれらの金属および/またはそれらの金属の酸素含有化合物の混合物が考慮に入れられる。コバルト、銅およびニッケルは、ラネー触媒としても適している。
式IIのアルコールの使用下での本発明による方法のために好ましいのは、銅酸化物を含有する触媒であり、ここで、該銅酸化物は酸化物担体上に施与されている。その際、銅酸化物の量は、CuOとして計算して、酸化物触媒前駆体の総質量に対して1〜70質量%、好ましくは2〜65質量%、特に好ましくは3〜60質量%である。この触媒前駆体は、水素化前に、または水素化の初めの段階においてのいずれかで、アルコールIIまたはアルデヒドIIIの存在下で元素の銅へと水素化される。触媒担体として、例えば酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、および/または活性炭が適している。本文脈において、触媒活性材料とは、酸素含有銅化合物および酸化物担体からの全体のことであると理解される。特に好ましいのは、1〜70質量%の酸化銅、および100%までの残りが酸化アルミニウムからなる触媒前駆体である。
本発明による方法において用いられる触媒の触媒活性材料は、さらに、元素周期律表のIA族〜VIA族およびIB族〜VIIB族およびVIII族から選択される、酸化数0の1つまたはそれより多くの元素、またはその無機または有機化合物を含有できる。
担持された銅触媒の製造は、特許出願WO2005/110969号およびDE19859776号内に詳細に記載されている。この特許出願の内容は、全体が本願に取り入れられるものとする。
本発明による方法のために、触媒1リットルあたり1時間あたり0.1〜0.3kgの範囲のtert−ブチルアミンの触媒負荷に調節することが好ましい。この範囲において、式Iの第二級アミンについての選択率も、用いられたtert−ブチルアミンの変換率も好ましい。より高い触媒負荷の場合は、用いられるtert−ブチルアミンの変換率が低く、且つ、より低い触媒負荷の場合は、増大した量の副生成物(式IVの第三級アミン)が形成され、それと共に、生成物(式Iの第二級アミン)についての選択率が後退する。特に好ましくは、触媒1リットルあたり1時間あたり、0.15〜0.25kgのtert−ブチルアミンの触媒負荷に調節される。特に好ましくは、この触媒負荷を、CuO含有触媒の使用、殊に触媒前駆体が、1〜70質量%が酸化銅からなり、且つ100%までの残りの割合が酸化アルミニウムからなる触媒と組み合わせて調節する。
反応器としては管型反応器が好ましく、その際、本発明による方法は、好ましくは循環ガス方式で実施される。その際、循環ガス方式とは、未変換の水素が工程から排出されるのではなく、水素化搬出物縮合の反応条件下で気体状である化合物と共に、水素化反応器に返送されることであると理解される。
酸化物触媒の前駆体を粉砕し、成形助剤と混合して、錠剤、球、輪、またはひも状に成形し、且つ、反応器の外側または反応器内で、水素を用いて還元し、且つ、反応器内で固定して配置する。
出発材料を蒸発させ、且つ連続的に、アップフロー(Sumpf)方式またはダウンフロー(Riesel)方式で、反応器内にある触媒を介して導く。
本発明による方法を、舞い上がるおよび舞い落ちる動きを有する触媒材料を備えた流動床内で実施することも可能である。
気体状の反応搬出物の縮合の際に生じるガス流(過剰な水素および随意に出発化合物を含有する)は、水素化に返送される(循環ガス)。好ましい実施態様においては、該循環ガスは、出発材料の蒸発のために使用でき、且つ、同時に、本発明による方法のための反応相手の水素も含有する。
循環ガスは、好ましくは少なくとも10、特に好ましくは50〜100、とりわけ特に好ましくは80〜100容積%の水素を含有する。
循環ガス量は、稼働圧力で、好ましくは触媒1m3あたり且つ1時間あたり40〜1000m3、殊に触媒1m3あたり且つ1時間あたり100〜700m3の範囲である。出発物質は、循環ガス内での蒸発後、反応器に気体状で供給される。しかし、出発材料を蒸発させ、且つ循環ガスに気体状で混合することも可能である。
循環流から排出される排出ガス量は、1時間あたり、5〜800ノルマル立方メートル、殊に1時間あたり20〜300ノルマル立方メートルの範囲である。
循環ガス方式のために適した反応器は、Ullmanns Encylopedia of Industrial Chemistry、第5版 B4巻、199〜238ページ、「Fixed−Bed Reactors」内に記載されている。DE19859776号内の図2は、出発材料が循環ガスにみちびかれる、連続稼働可能な気相圧力装置を示している。
とりわけ特に好ましくは、アミノ化を、管束反応器または単独流設備(Monostranganlage)において実施する。単独流設備の際、管型反応器は、相前後して接続されている複数、例えば2つまたは3つの個々の管型反応器からなる。
本発明による方法については、水素化搬出物が本発明による方法の工程(iv)の後にさらに適切に後処理される場合が有利である。冷却および放圧後に生じる液体の水素化搬出物は、目標生成物、式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンの他に、副生成物として少量の式IV
Figure 2013523797
の第三級tert−ブチルアミン、さらに過剰なtert−ブチルアミンおよび随意に少量の式IIのアルコールを含有する。ここで、少量とは、それぞれ上記の化合物が5質量%未満、好ましくは3質量%未満、特に好ましくは1質量%未満であると理解される。
アミノ化の際、触媒を含まない水素化搬出物の量に対して、約5〜20質量%の水が生じる。式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンは、水と共に共沸物を形成する。それゆえ、水素化搬出物から、反応水およびアミンIを含有する混合物のみを蒸留できる。
EP−B1312599号およびEP−B1312600号内に、1つまたはそれより多くのアミン、水、易沸性物質および難沸性物質を含有する、アミン含有混合物の分離が記載されている。該分離は、
(i) 易沸性物質をアミン含有混合物から蒸留により除去すること、
(ii) 随意に、難沸性物質をアミン含有混合物から蒸留により除去すること、
(iii) 苛性ソーダを用いてアミン含有混合物を抽出し、苛性ソーダ水溶液を含有する第一の相と、アミンを含有する、水性で有機の第二の相とを取得すること、
(iv) 該水性で有機の第二の相を蒸留し、アミンと水との共沸物、および本質的に無水のアミンを取得し、且つ、アミンと水との共沸物を抽出工程(iii)に返送することによって行われる。
本質的に無水のアミンを、蒸留によりさらに精製しなければならない。1つの実施態様においては、アンモニアを用いた、1,5−ペンタンジオールの還元的アミノ化によりピペリジンを形成することにより得られた水素化搬出物の後処理の部分工程が実証されている。
本発明の方法のために、同様に水素化搬出物の後処理を行うことが好ましく、前記後処理は、蒸留も、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物水溶液を用いたアミンと水との共沸物の破壊も含む。蒸留もアミンと水との共沸物の破壊も、断続的または連続的に実施できる。
先行技術とは対照的に、本発明による方法のために、まず、式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンと水との共沸物の破壊を、水素化搬出物をアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物水溶液を用いて処理することによって行う。水溶液中のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物濃度は、1〜75質量%、好ましくは25〜50質量%であってよい。好ましいアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物水溶液は、苛性ソーダ、苛性カリ(Kalilauge)、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムの群から選択される。苛性ソーダが好ましい。50質量%の苛性ソーダが特に好ましい。
水素化搬出物をアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物水溶液で抽出した後、これを相分離によって取り出す。有機相の残留水含分は、例えばKarl−Fischer滴定によって測定できる。水の取り出しのために必要なアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液の量は、わずかな予備試験によって決定できる。
アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液を用いた抽出のために用いられる抽出装置は、1または多段式で構成されてよく、例えば単独のミキサーセトラー抽出器である。多段式抽出は、例えば抽出塔または抽出カスケードである。抽出塔として、例えば充填塔、多孔板塔、カスケード塔、パルス塔、回転塔、および遠心塔が適している。抽出カスケードは、例えば、複数が次々に接続されたミキサーセトラー抽出器であり、それは、塔型抽出器または箱型抽出器としてスペース効率良く構成され得る。抽出器が多段である場合、一般に1〜25、好ましくは4〜10の理論分離段を有する向流抽出塔が好ましい。これは一般に、抽出混合物の全ての成分がそれらの沸点未満で存在し、さらに2つの相の粘度が、その2つの相の分散が問題なく可能である粘度に調節される圧力で稼働される。その温度は、一般に5〜200℃、好ましくは20〜70℃、特に好ましくは40〜50℃である。相分離後に、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水溶液を含有する相を、工程から排出する。
取り出されたアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物水溶液が、本質的な量の式Iの不斉第二級tert−ブチルアミン、式IIのアルコールおよび/または式IIIのアルデヒドおよび/またはtert−ブチルアミンを含有する場合、この化合物を、有機溶剤を用いて抽出することによって再回収できる。ここで、本質的な量とは、上述の化合物の合計が、水および触媒を含まない水素化搬出物に対して10質量%より多く、好ましくは5質量%より多く、特に好ましくは2質量%より多い場合を表す。
ここで、有機溶剤としては、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物水溶液との混和ギャップを有する、例えば脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素が考慮に入れられる。かかる炭化水素についての例は、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、トルエンおよびエチルベンゼンまたはこれらの化合物の混合物である。
アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物水溶液相は、炭化水素相から相分離によって取り出される。炭化水素相から、炭化水素が蒸留により除去される。再回収された式Iの不斉第二級tert−ブチルアミン、式IIのアルコールおよび/または式IIIのアルデヒドおよび/またはtert−ブチルアミンを、第一の有機相から抽出による相分離後に取得された主要量の式Iの粗製不斉第二級tert−ブチルアミンと一緒にし、且つ蒸留により精製できる。
さらには、式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンと水との共沸物を、水素化搬出物に炭化水素を添加し、炭化水素と水との異相共沸混合物を水素化搬出物から留去し、水相を炭化水素相から除去し、且つ、炭化水素相を蒸留に返送することによって、破壊することが可能である。
さらには、まず式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンと水との共沸物を蒸留により取り出し、その後初めて、苛性ソーダ処理、または炭化水素を用いた蒸留によって水分の除去を実施することが可能である。
最終的に、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液処理による水の除去を、炭化水素を用いた蒸留による水の除去と合わせて行うことができる。この際、水素化搬出物内の主要量の水を、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液処理によって、例えばアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液を用いた一段式の抽出によって除去し、相を分離し、取り出された炭化水素相と、触媒を含まない水素化搬出物とを一緒にし、且つ、まだ残っている水またはその一部を、共沸蒸留によって除去する。
特に好ましい方法においては、水を、水素化搬出物の蒸留による後処理の前に完全には除去しない。水素化搬出物の含水率は、5質量%未満、好ましくは3質量%未満、特に好ましくは0.9質量%未満である場合が好ましい。わずかな残留水しか存在しない場合、蒸留の際に、水との共沸物としてわずかな式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンしか排出されない。少量の共沸物、例えば、用いられたtert−ブチルアミンに対して1モル未満の式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンを含有するものを、随意に排出できる。しかし、共沸物を、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液による抽出に返送することも可能である。水素化搬出物の一段式のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液処理ですむことが有利である。その際、最終的に残留する水を除去するためにも、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液量の微調整を行なう必要がない。
水を含まないか、またはまだ5質量%未満、好ましくは3質量%未満、特に好ましくは1質量%未満のみの水を含有する水素化搬出物を、分別蒸留によってさらに精製できる。蒸留を、蒸留されるべき量に依存して、連続的または断続的に実施できる。その際、最初の混合留分において、存在する場合、未変換のtert−ブチルアミン、未変換の式IIのアルコール、および式IIIのアルデヒドから生じるアルコールを、塔頂部を介して排出する。その次に、式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンが、同様に塔頂部を介して留去される。塔底部には、存在する場合、式IVの第三級アミンおよび高沸点物が残っている。GC分析による97面積%未満、特に好ましくは98面積%未満、特に好ましくは99面積%未満の第二級アミンを含有する留分を蒸留に返送できる。
分別蒸留のために、通常の装置、例えばKirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第7巻、John Wiley and Sons、New York、1979、870〜881ページ内に記載されるものが考慮に入れられる。その際、シーブトレイ塔、泡鐘塔、規則充填塔、または不規則充填塔が好ましい。
分別蒸留によって、(GC分析にて)98面積%より高い、殊に99面積%より高い、特に好ましくは99.5面積%より高い、殊に99.9面積%より高い、式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンの純度が達成される。
EP−B1312599号およびEP−B1312600号(図1および2)の開示による連続的な後処理のためには、3〜4つのカスタムメイドの蒸留塔および1つの抽出装置が必要である。
これに対し、本発明による断続的な後処理の場合、1つの蒸留塔および1つの抽出装置しか使用されない。
実施例
実施例 1
気相中でのtert−ブチルアミンを用いたエタノールのアミノ化
該試験を、油加熱されたガラス製反応器(長さ1m、直径40mm)内、大気圧で実施した。反応器を、ダウンフロー方式で稼働させた。反応器の下方部分には、300mlのV2A−ネットリング(直径5mm)、その上に180〜200℃で水素により還元され次に酸素により不動態化された銅触媒(3×3mm錠)、200ml(180g)が充填された。銅触媒は、還元および不動態化前、55質量%が酸化銅(CuO)、45質量%が酸化アルミニウムからなる。反応器の上方部分は、500mlのV2A−ネットリングで充填された。反応器を、オイル循環によって加熱した。水素、およびtert−ブチルアミンと式IIのアルコールとの混合物を、連続的に反応器にポンピングした。水素化搬出物を冷却し、放圧し、且つガスクロマトグラフィーによって分析した(DB 1−カラム、温度プログラム 60〜280℃、10℃毎分)。選択率および変換率のデータは、GCの面積パーセントに関する。
実施例1において、1時間あたり40gのtert−ブチルアミン(0.55mol)、20gのエタノール(0.44mol)および40NLの水素を210℃で、銅触媒を介して流した。その際、tert−ブチルアミンのアルコールに対するモル比は、1:0.8であり、触媒負荷は、触媒1Lあたり且つ1時間あたり、tertブチルアミン0.2kgであった。
反応条件およびガスクロマトグラフィーによる分析結果を表1に要約する。
本発明による実施例1は、目標生成物のエチルtert−ブチルアミンの選択率が97%であり、副生成物のジエチル−tert−ブチルアミンの選択率が1%であり、且つ、tert−ブチルアミンの変換率が75%であることを示す。
実施例 2
a) 気相中でのtert−ブチルアミンを用いたエタノールのアミノ化
アミノ化を、管型反応器(長さ3.5m、内径40mm)内、220℃且つ総圧20barで実施した。反応器を、ダウンフロー方式で稼働させた。前記反応器は、実施例1において使用された、180〜200℃で水素により還元され次に酸素により不動態化された銅触媒(H3−82、3×3mm錠)の新規装入物1000ml(900g)を含有した。
1時間あたり300gのtert−ブチルアミン(4.1mol)、96gのエタノール(2.05mol)および300NLの水素を気体状で、ダウンフロー方式で銅触媒を介してみちびいた。循環量は、3.2Nm3/hであった。その際、tert−ブチルアミンのエタノールに対するモル比は、1:0.5であり、触媒負荷は、触媒1Lあたり且つ1時間あたり、tertブチルアミン0.3kgであった。
反応条件およびガスクロマトグラフィーによる分析結果を、表1の実施例2に要約する。
本発明による実施例2は、目標生成物のエチルtert−ブチルアミンの選択率が97%であり、副生成物のジエチル−tert−ブチルアミンの選択率が1%であり、且つ、tert−ブチルアミンの変換率が59%であることを示す。
b) 水素化搬出物の水の除去
水素化搬出物は12質量%の水を含有していた。前記水素化搬出物を、1時間の間、室温で、苛性ソーダの50%水溶液と共に攪拌した(容積比 水素化搬出物:苛性ソーダ=1:1)。その後、相を分離した。有機相の含水率は、このとき、0.9質量%であった。
c) 水素化搬出物の蒸留による後処理
水素化a)からの水素化搬出物2.811g(その含水率は、b)による水の除去によって0.9質量%に低下された)を、蒸留により後処理した。充填塔(2×1.2mの塔、直径43mm、充填物: Montz A 3−1000)を取り付けられた6Lの蒸留窯を使用した。理論分離段の数は30であり、還流比は10:1であった。蒸留を断続的に、圧力950mbarで行った。底部温度は、蒸留の過程で77℃から151℃に上昇した。蒸留の際、2.612gの留出物(92.9質量%)、150gの蒸留残留物(5.3質量%)、および9gのコールドトラップ含分(0.3質量%)が得られた(蒸留において用いられた水素化搬出物の量に対する)。留分1(288g)は、99.7面積%がtert−ブチルアミンからなった。それを、水素化a)に返送できる。留分2〜7(809g)は、大部分のエチル−tert−ブチルアミンと、さらにエタノールと水との混合物であった。この留分を随意に先行する水の除去b)後の、蒸留c)に返送できる。留分8〜15(1.515g)は、99.1〜99.9面積%がエチル−tert−ブチルアミンからなった。この留分の82%は、純度>99.8面積%であった。
蒸留残留物は、42%がエチル−tert−ブチルアミンから、且つ35%がジエチル−tert−ブチルアミンからなった。
実施例2c)の蒸留による後処理は、水素化a)の際にアルコールに対して過剰なtert−ブチルアミンからもたらされる利点を示す: 過剰なtert−ブチルアミンを問題なく塔頂留出物として残りの水素化搬出物から取り出し、且つ水素化に返送することができる。その上、実施例2c)は、第三級tert−ブチルアミンIVが定性的に、第二級tert−ブチルアミンIから取り出され、且つ第二級アミンIの純度99.8面積%またはそれより上が達成可能であることを実証する。
比較例 1
実施例1を、tert−ブチルアミン対エタノールのモル比を1対2.5に変更して、繰り返した。表1は、目標生成物のエチル−tert−ブチルアミンの選択率が90%に低下し、且つ、副生成物のジエチル−tert−ブチルアミンの選択率が7%に上昇したことを示す。tert−ブチルアミンの変換率は98%であった。
実施例 3
実施例1を、水素化のためにCu触媒の代わりにCu/Ni触媒(3×3mm錠、46%のCuO、11%のNiO、44%のAl23を有する前触媒から製造)を使用するという変更をして、繰り返した。表1は、副生成物のジエチル−tert−ブチルアミンについての選択率が3%である際、目標生成物のエチル−tert−ブチルアミンについての選択率が95%であることを示す。tert−ブチルアミンの変換率は75%であった。
実施例 4
実施例1を、触媒1リットルあたり且つ1時間あたり0.1kgのみのtert−ブチルアミン触媒負荷に調節するという変更をして繰り返した。このために、1時間あたり20gのtert−ブチルアミン(0.275mol)、10gのエタノール(0.22mol)および20NLの水素を、銅触媒を介して流した。表1は、副生成物のジエチル−tert−ブチルアミンについての選択率が3%である際、目標生成物のエチル−tert−ブチルアミンについての選択率が96%であることを示す。tert−ブチルアミンの変換率は79%であった。
実施例 5
実施例1を、触媒水素化を210℃の代わりに170℃で実施するという変更をして、繰り返した。表1は、副生成物のジエチル−tert−ブチルアミンについての選択率が0%である際、目標生成物のエチル−tert−ブチルアミンについての選択率が94%であることを示す。tert−ブチルアミンの変換率は40%であった。
実施例 6
実施例1を、tert−ブチルアミン対エタノールのモル比を1対1に変更して、繰り返した。表1は、副生成物のジエチル−tert−ブチルアミンについての選択率が2%である際、目標生成物のエチル−tert−ブチルアミンについての選択率が95%であることを示す。tert−ブチルアミンの変換率は82%であった。
実施例 7
実施例1を、エタノールの代わりにn−ブタノールをtert−ブチルアミンと共にアミノ化するという変更をして繰り返した。表1は、副生成物のジ−n−ブチル−tert−ブチルアミンについての選択率が0%である際、目標生成物のn−ブチル−tert−ブチルアミンについての選択率が97%であることを示す。tert−ブチルアミンの変換率は82%であった。
Figure 2013523797
Advanced Synthesis & Catalysis, 2002, 344、1041ページ、3.1章、第一段落内には、カルボニル化合物を用いたアミンの変換の際、収率および選択性は、高い度合いで、出発化合物の立体障害性に依存することが記載されている。立体障害性は、Advanced Synthesis & Catalysisによれば、アミン官能基の領域においても役割を果たす(第3.1章、第三段落)。例えば、2,4,6−トリメチルアニリンを用いたアセトンの還元的アミノ化は、36%だけの収率で第二級アミンを生じ、これに対し、98%の収率を有するアニリンを有する(第3.1章、第三段落および図10)。それゆえ、Advanced Synthesis & Catalystsから、当業者は、tert−ブチルアミンを用いたアルコールもしくはアルデヒドのアミノ化の際には、式Iの不斉第二級tert−ブチルアミンについての低い収率且つ選択率が予期されるという教示を導出する。
Synthesis、No.2、1974、127〜128ページにおいて、J.C.StowellおよびS.J.Padegimasは、「Preparation of Sterically Hindered Secondary Amines」との表題の出版物内で、触媒量の四塩化チタンの存在下でtert−ブチルアミンをケトンと共に変換させ、次に酸化白金上で4気圧且つ周囲温度で水素化することによって、不斉第二級tert−ブチルアミンを製造するための方法を開示している。この際、ケトンの投入をルイス酸触媒(TiCl4)の存在下で行い、そのことにより相応のイミンを形成できる。しかしながら、本発明によってtert−ブチルアミンの他にアルデヒドまたはアルコールを用いる場合にはルイス酸触媒を用いる必要がないため、本発明による方法は簡単且つ安価な方法である。

Claims (12)

  1. 式I
    Figure 2013523797
    [式中、
    Rは水素、直鎖または分枝鎖の、1〜15個の炭素原子を有する脂肪族基、5〜10個の炭素原子を有する脂環式基、o位、m位および/またはp位において1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基によって置換されていることがあるアラルキル基またはフェニル基の群から選択される]
    の不斉第二級tert−ブチルアミンを、式IIのアルコールまたは式IIIのアルデヒドをtert−ブチルアミンおよび水素と共に、気相中、水素化触媒の存在下で連続的にアミノ化することにより製造するための方法であって、以下の工程:
    (i) 水素化触媒で満たされた反応器を準備する工程、
    (ii) 反応器を60〜240℃の範囲の温度に加熱し、且つ、1〜100barの範囲の圧力を印加する工程、
    (iii) 水素、tert−ブチルアミンおよび式II
    Figure 2013523797
    のアルコール、または式III
    Figure 2013523797
    のアルデヒドを、工程(ii)による反応器に連続的に添加する工程、ここで、式IIのアルコールまたは式IIIのアルデヒドの、tert−ブチルアミンに対するモル比は、0.5対1〜1.4対1の範囲であり、且つ、Rは式IIのアルコールについても式IIIのアルデヒドについても、式IにおけるRと同じ意味を有する、
    (iv) 反応器を冷却および放圧し、且つ工程(iii)から取得された水素化搬出物を取り出す工程
    を含む前記方法。
  2. 工程(iv)による水素化搬出物を、以下の後処理工程:
    a) 工程(iv)からの水素化搬出物を、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物水溶液を用いて抽出する工程、
    b) 工程a)から取得された水相を有機相から分離する工程、および
    c) 工程a)から取得された有機相を分別蒸留する工程
    に供する、請求項1に記載の方法。
  3. α) 式Iの化合物、式IIのアルコールまたは式IIIのアルデヒドおよびtert−ブチルアミンの合計の含有率が、工程(iv)からの水素化搬出物の2質量%よりも多い場合、工程a)から取得された水相を、脂肪族、脂環式および/または芳香族炭化水素の群から選択され、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物水溶液と混和性ギャップを有する炭化水素と、もう1回混合し、
    β) 引き続き、該炭化水素相を、水相から分離し
    γ) 炭化水素を、炭化水素相から蒸留により除去し、
    δ) 且つ、蒸留残留物と工程b)から取得された有機相とを一緒にする、
    請求項2に記載の方法。
  4. 工程b)から取得された有機相の含水率が、工程b)の後に得られた有機相の総質量に対して5質量%までである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 式I、IIおよびIIIにおけるRがメチルである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程a)による抽出のためのアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液が、1〜75質量%の苛性ソーダである、請求項2から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程i)における水素化触媒として、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金および銅またはこれらの金属の混合物の群から選択される金属および/または金属の酸素化合物を用いる、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 酸化物触媒前駆体が、1〜70質量%が酸化銅からなり、且つ100%までの残りが酸化アルミニウムからなることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 式IIのアルコールを用いる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 供給される水素量が、触媒1リットルあたり且つ1時間あたり150〜250NLの範囲の水素である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 溶剤の不在下で作業する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 触媒水素化のために、触媒負荷が、水素化触媒1Lあたり1時間あたり0.1〜0.3kgのtertブチルアミンに調節される、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
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