JP2013517212A - シリコン融液の脱炭法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規なシリコン融液の脱炭法、及びシリコン、好ましくはソーラーシリコン又は半導体シリコンの製造のためのその使用に関する。

Description

本発明は、新規なシリコン融液の脱炭法、及びシリコン、好ましくはソーラーシリコン又は半導体シリコンの製造のためのその使用に関する。
二酸化ケイ素を炭素で還元することによる光アーク炉内でのシリコンの製造は、当面公知であり且つDE3013319号(Dow Corning)などの文献に記載されている。しかしながら、得られるシリコンは、出湯される時に約1000ppmの炭素を含有し、これはそこから製造される太陽電池が高効率を有するようにソーラーシリコンを製造するために、適した後処理/精製プロセスによって3ppm未満まで低下されなければならない。
炭素含有率を複数の工程で低下させる種々のプロセスが記載されている。一例は、脱炭が複数の工程で実施されるSolsilcプロセス(www.ecn.nl)である。これはSiC粒子が融液から分離する過程で、制御された条件下で出湯されたシリコンを最初に冷却することを含む。次に、これらがセラミックフィルタにおいてシリコンから除去される。その後、シリコンをアルゴン−水蒸気混合物を用いて脱酸素する。最後に、予備精製された、粗脱炭シリコンが一方向凝固に供給される。しかしながら、記載されたプロセスは、制御された冷却の過程で分離するSiC粒子がるつぼ壁に付着するので、コストがかかり且つ不便である。更に、セラミックフィルタは頻繁にSiC粒子によって遮断される。濾過が終了した後、るつぼ及びフィルタは実験室作業において、例えば、フッ化水素酸を用いる酸洗浄によって、洗浄されなければならない。フッ化水素酸の生成物特性のために、この工程は相当な潜在的危険性を構成する。
シリコンブロックの一方向凝固も同様に、報告書03E-8434-A, Silicium fuer Solarzellen [Silicon for Solar Cells], Siemens AG(1990年11月)に詳細に記載されている。このプロセスはシリコン中で2ppm未満の炭素含有率を提供できる。しかしながら、このプロセスの欠点は、炭素を除去するための一方向凝固が非常にコストと時間がかかることである。炉のサイクルが2日間続くので、10kWh/kgのシリコンのエネルギー消費が要求されている。更に、このプロセスでは、一方向凝固後に得られるシリコンブロックの80%のみが太陽電池に使用できる。このブロックの上面、下面及び側面は、非常に高い炭素含有率のために除去されなければならない。
代替的なアプローチでは、例えば、DE3883518号及びJP2856839号は、SiOをシリコン融液中に吹き込むことを提案した。添加されたSiOは融液中に溶けた炭素と反応してCOを形成し、これはシリコン融液から出て行く。このプロセスの欠点は、シリコン融液中に溶解したSiCが完全にSiOと反応しないことである。その上、更なる原材料が、原材料のコストを増大させるSiOの形でこのプロセスに導入されなければならない。
このプロセスに対する種々の改変は、JP02267110号、JP6345416号、JP4231316号、DE3403131号及びJP2009120460号に記載されている。公知になったこれらのプロセスの欠点としては、プラント部分での凝固と閉塞が挙げられる。
従って、SiOの炭素還元によって得られる、シリコン融液の脱炭のための効率的で、単純で且つコストのかからないプロセスが至急求められ続けている。
従って、本発明の課題は、たとえ先行技術のプロセスの欠点の程度が低下しただけであっても、シリコン融液の新規な脱炭法を提供することであった。特別な課題では、本発明による方法は、ソーラーシリコン及び/又は半導体シリコンの製造に利用できなければならない。
明確に記載されていない更なる課題は、以下の発明の詳細な説明、実施例及び特許請求の範囲の全体の脈絡から明らかである。
この課題は、発明の詳細な説明、それに続く、実施例及び特許請求の範囲において、詳細に記載された方法によって達成される。
本発明者らは、驚くことに、単純で、費用がかからず且つ効率的な方法で、一酸化ケイ素(SiO)をシリコン融液に吹き込む時に、該融液を脱炭できることを見出した。
本方法は、光アーク炉内でのSiOとCとの反応によるシリコンの製造から得られる副生物が、シリコン1キログラム当たり約0.6kgのSiOであるため、特に有利である。このSiOは、本発明の有利な実施態様において、回収され、場合により炭素が含まれず、且つ融液の脱炭に再び使用することができる。従って、原材料コストと廃棄コストの両方が下がる。更に、SiOは非常に純度が高いので、この方法は高純度シリコンの製造に使用できる。
既に述べられた通り、光アーク還元炉由来のシリコン融液は約1000ppmの炭素含有率を有する。1800℃の出湯温度では、この炭素の大部分が融液に溶解する。しかしながら、融液を、例えば、1600℃まで冷却する場合、結果的に、炭素の大部分がSiCとして過飽和融液から析出する。炭素のシリコンへの溶解性は、Yanabaら、Solubility of Carbon in liquid Silicon, Materials Transactions. JIM、第38巻、第11号(1997年)、第990〜994頁に従って、
logC=3.63−9660/T
(式中、炭素含有率Cは質量パーセントで示され、温度Tは絶対温度で示される)
によって温度の関数として記載されている。
以下の表1は1000ppmの融液の関係性を示す:
Figure 2013517212
表1はSiCも効率的に除去される方法の重要性を示す。
特定の理論により拘束されないが、本発明者らは、SiOの添加の結果として、溶解した炭素がシリコン融液から除去されて、その結果、SiCの再溶解が起こると考える。SiOが十分な時間シリコン融液に供給されるか又はSiCが溶液に戻される1回以上の保持時間が観察される本発明による方法が実施される場合、本発明による方法は非常に効率的な脱炭を達成できる。この文脈では、SiOがSiOよりも有意に反応性であることは、先行技術の方法に対する本発明の特別な利点である。それとは別の実施態様では、本発明による方法は、それゆえに、シリコン融液中に溶解した炭素だけでなく溶解したSiCも効率的に除去できるという利点を有する。
従って、本発明は、一酸化ケイ素をシリコン融液に添加して融液の炭素含有率を低減する方法を提供する。
一酸化ケイ素は、原則的に任意の物質状態で添加されてよい。しかしながら、固体の一酸化ケイ素、更に好ましくは粉末又は顆粒を使用することが好ましい。平均粒径は好ましくは1mm以下、更に好ましくは500μm未満、最も好ましくは1〜100μmである。この一酸化ケイ素は任意の源に由来してよい。特別な実施態様では、使用される一酸化ケイ素は、シリコン製造における副生物として得られ且つ場合により炭素フラクションから遊離される(以下「SiO副生物」として記載)。SiO副生物を回収し、これをシリコン融液に直接導入して戻し、特に好ましい方法で閉回路をもたらすことが特に好ましい。
本発明の好ましい実施態様では、一酸化ケイ素、特に粉末としての一酸化ケイ素は、ガス流れによって、好ましくは希ガス又は不活性ガス流れ、更に好ましくはアルゴン、水素、窒素又はアンモニア流れ、最も好ましくはアルゴン流れ又は上記ガスの混合物から構成される流れによってシリコン融液中に吹き込まれる。
SiOは異なる位置で添加できる。例えば、SiOは、出湯される前に還元反応器内でシリコン融液に添加できる。しかしながら、シリコンを出湯し、次いで、例えば、融液るつぼ又は溶融タンク内で、SiOをシリコン融液に添加することも可能である。これらの方法の変種の組み合わせも同様に考えられる。
一酸化ケイ素の添加時に、融液の温度は1412℃〜2000℃の間、好ましくは1412℃〜1800℃、更に好ましくは1450℃〜1750℃の間でなければならない。温度に応じて、シリコン融液中のC及びSiCの含有率は表1に示す通りに変わる。
融液中の炭素が、もっぱら又は少なくともほぼ、即ち、全炭素含有率の95質量%を上回る程度まで溶解した形態で存在する場合、一酸化ケイ素の添加は、第1の好ましい変法では、3ppm未満の十分に低い炭素含有率が達成されるまで中断なしに行われる。
有意な割合の炭素、即ち、全炭素含有率の5質量%を上回る炭素が、SiC不純物の形態で存在する場合、第2の好ましい変法では、SiOの添加を1回以上中断し、次いでこれを再開することが可能である。添加時間内では、SiOの添加により溶解した炭素が融液から除去され、不飽和融液が生じる。中断時間(保持時間)内では、SiCは再びシリコン融液に溶解できる。これは再び溶解した炭素をもたらし、この炭素はその後、新たなSiOの添加によって融液から除去することができる。1分〜5時間、好ましくは1分〜2.5時間、更に好ましくは5〜60分間でそれぞれ1〜5回の中断を実施することが好ましい。特に、上記の時間の間に1回中断することが好ましい。更に特に、最初にSiOをシリコン融液に添加し、0.1分〜1時間、好ましくは0.1分〜30分間、更に好ましくは0.5分〜15分間、特に好ましくは1分〜10分間の添加時間後に、1分〜5時間、好ましくは1分〜2.5時間、更に好ましくは5〜60分間の持続時間(保持時間)にわたり添加を中断して、SiC粒子が融液中に溶解できるようにすることが好ましい。保持時間の終了後、SiOの添加を再開し、所望の低い全炭素含有率、好ましくは3ppm以下が達成されるまで継続する。全プロセス期間にわたり、融液の温度は好ましくは上記の範囲内に保持される。
融液の温度が、一酸化ケイ素の添加が終了する前に、好ましくは1〜30分前に、更に好ましくは1〜10分前に、これが予め低下される場合、1600℃以上、好ましくは1650〜1800℃、更に好ましくは1700〜1750℃まで上昇される時に特に有利であることが見出された。これによりシリコン中に溶解した炭素とSiCとの間の平衡が、溶解した炭素に向けてシフトされる。
本発明による方法は、泡形成剤を融液に通すことによって又は該形成剤を融液に添加することによって、更に効率的にできる。使用される泡形成剤はガス又はガス放出物質であってよい。泡形成剤は、気泡数を増大させて、COガスの融液からの追い出しを改善する。融液を通過したガスは、例えば、希ガス又は不活性ガス、好ましくは希ガス、水素、窒素又はアンモニアガス、更に好ましくはアルゴン又は窒素又は上記ガスの混合物であってよい。
ガス放出物質、好ましくは固体は、好ましくは一酸化ケイ素に添加され、更に好ましくは一酸化ケイ素とガス形成剤との混合物を基準として1〜10質量%の割合で添加される。この目的に適した物質は炭酸アンモニウム粉末である。なぜなら、これが融液中に吹き込まれる時に残留物なしでガスに分解し且つ融液を汚染しないからである。
更に好ましくは、流動助剤を、一酸化ケイ素、好ましくは高純度の非晶質の二酸化ケイ素、例えば、高純度のフュームドシリカ又は析出したシリカ又は高純度のシリカゲルに添加してよい。流動助剤の割合は、添加される一酸化ケイ素の量を基準として、好ましくは5質量%まで、更に好ましくは2.5質量%まで、更に一層好ましくは2質量%まで、特に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
本発明はまた、SiOが添加される前に、シリコン融液中の全炭素含有率が、好ましくは500ppm未満、更に好ましくは250ppm未満、特に好ましくは150ppm未満になるように、最初に粗脱炭を行ってからSiOをシリコン融液に添加する方法も包含する。粗脱炭に適した方法、例えば、融液を冷却してSiCを析出させて融液を濾過することは、当業者に公知である。好適な酸化剤による融液の酸化前処理は、例えば、酸化剤含有ガス又はSiOの添加である。
本発明による方法は、冶金シリコンを製造するだけではなく、ソーラーシリコン又は半導体シリコンを製造するために使用することもできる。ソーラーシリコン又は半導体シリコンの製造の前提条件とは、使用する反応物、即ち、SiO、C及びSiOが適正な純度を有することである。
好ましくは、ソーラーシリコン及び/又は半導体シリコンの製造方法において、精製された、純粋な又は高度に純粋な使用される原材料、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素及び炭素は、以下の含有率を特徴とする:
a. 5ppm以下のアルミニウム、好ましくは5ppm〜0.0001ppmの間、特に3ppm〜0.0001pptの間、好ましくは0.8ppm〜0.0001pptの間、更に好ましくは0.6ppm〜0.0001pptの間、更に一層0.1ppm〜0.0001pptの間、更に一層好ましくは0.01ppm〜0.0001pptの間、更に一層好ましくは1ppb〜0.0001pptであり、
b. 10ppm未満〜0.0001pptのボロン、特に5ppm〜0.0001pptの範囲、好ましくは3ppm〜0.0001pptの範囲又は更に好ましくは10ppb〜0.0001pptの範囲、更に一層好ましくは1ppb〜0.0001pptの範囲、
c. 2ppm以下のカルシウム、好ましくは2ppm〜0.0001pptの間、特に0.3ppm〜0.0001pptの間、好ましくは0.01ppm〜0.0001pptの間、更に好ましくは1ppb〜0.0001pptの間、
d. 20ppm以下の鉄、好ましくは10ppm〜0.0001pptの間、特に0.6ppm〜0.0001pptの間、好ましくは0.05ppm〜0.0001pptの間、更に好ましくは0.01ppm〜0.0001pptの間、及び最も好ましくは1ppb〜0.0001ppt;
e. 10ppm以下のニッケル、好ましくは5ppm〜0.0001pptの間、特に0.5ppm〜0.0001pptの間、好ましくは0.1ppm〜0.0001pptの間、更に好ましくは0.01ppm〜0.0001pptの間、及び最も好ましくは1ppb〜0.0001pptの間、
f. 10ppm未満〜0.0001pptのリン、好ましくは5ppm〜0.0001pptの間、特に3ppm未満〜0.0001ppt、好ましくは10ppb〜0.0001pptの間、及び最も好ましくは1ppb〜0.0001pptの間、
g. 2ppm以下のチタン、好ましくは1ppm以下〜0.0001ppt、特に0.6ppm〜0.0001pptの間、好ましくは0.1ppm〜0.0001pptの間、更に好ましくは0.01ppm〜0.0001pptの間、及び最も好ましくは1ppb〜0.0001pptの間、
h. 3ppm以下の亜鉛、好ましくは1ppm以下〜0.0001ppt、特に0.3ppm〜0.0001pptの間、好ましくは0.1ppm〜0.0001pptの間、更に好ましくは0.01ppm〜0.0001pptの間、及び最も好ましくは1ppb〜0.0001pptの間、
また、これらは更に好ましくは10ppm未満、好ましくは5ppm未満、更に好ましくは4ppm未満、更に一層好ましくは3ppm未満、特に好ましくは0.5〜3ppm、更に特に好ましくは1ppm〜3ppmの上記不純物の合計を有する。それぞれの要素について、検出制限範囲内の純度が目標である。
ソーラーシリコンは99.999質量%の最小限のシリコン含有率を特徴とし、半導体シリコンは99.9999質量%の最小限のシリコン含有率を特徴とする。
本発明による方法は、構成要素プロセスとして、シリコンの製造のための冶金プロセス、例えば、US4,247,528号によるプロセス又はDow CorningによるDow Corningプロセス、"Solar Silicon via the Dow Corning Process", Final Report, 1978; Technical Report of a NASA Sponsored project; NASA-CR 157418又は15706; DOE /JPL- 954559-78 / 5 ; ISSN: 0565-7059又はAulichらによるSiemensによって開発されたプロセス、"Solar-grade silicon prepared by carbothermic reduction of silica"; JPL Proceedings of the Flat-Plate Solar Array Project Workshop on Low-Cost Polysilicon for Terrestrial Photovoltaic Solar-Cell Applications, 02/1986, 第267〜275頁(N86−26679 17−44を参照のこと)に組み込むことができる。同様に、このプロセス工程をDE102008042502号又はDE102008042506号によるプロセスに組み込むことが好ましい。
試験法
上記の不純物の測定は、ICP−MS/OES(誘導結合分光分析−質量分析/光学電子分光分析)及びAAS(原子吸光分析)によって行われる。
冷却後のシリコン又はシリコン融液中の炭素含有率は、LECO(CS244又はCS600)元素分析器によって測定される。これは約100〜150mgのシリカをセラミックるつぼに秤量し、これに燃焼添加剤を与え且つ誘導オーブン内で酸素流れの下で加熱することによって行われる。試料材料を約1gのLecocel II(タングステン−錫(10%)合金の粉末)及び約0.7gの鉄やすり粉で覆う。その後、るつぼを蓋で閉じる。炭素含有率が低ppm範囲である時、測定の正確性は、シリコンの出発質量を500mgまで増大させることによって向上する。添加剤の出発質量は変化しないままである。元素分析器のための操作指示及びLecocel IIの製造業者からの指示に留意すべきである。
粉状の一酸化ケイ素の平均粒径はレーザー回析によって測定される。粉状固体の粒径分布の測定のためのレーザー回析の使用は、粒子が、それらのサイズに応じて全ての方向で異なる強度パターンを用いて、単色レーザービームからの光を散乱又は回析する現象に基づいている。照射された粒子の直径が小さいほど、単色レーザービームの散乱又は回析角が大きくなる。
試料を調製し、分散液として脱塩水を用いて分析する。分析の開始前に、LS230レーザー回折計(ベックマンコールター社製;測定範囲:0.04〜2000μm)及び液体モジュール(Small Volume Module Plus、120ml、ベックマンコールター社)を2時間温めて、モジュールを脱塩水で3回濯ぐ。
LS230レーザー回析計の測定器ソフトウェアでは、Mie理論による評価に関する以下の光学パラメータを.rfdファイルで保存する:
分散液体R.I.の屈折率Realwater=1.332
固体(試料材料)の屈折率RealSiO=1.46
虚部=0.1
形状因子=1
更に、粒子分析に関する以下のパラメータを設定するべきである:
測定時間=60秒
測定数=1
ポンプ速度=75%
試料の特徴に応じて、試料を、粉状固体としてスパチュラを用いて直接的に、又は懸濁形態で2mlの使い捨てピペットを用いて、装置の液体モジュール(Small Volume Module Plus)に追加できる。分析に要求される試料濃度が達成された時(最適な光学的シャドウイング)、LS230レーザー回析計の測定機器ソフトウェアは「OK」のメッセージを示す。
粉砕された一酸化ケイ素を、CV181超音波変換器及び6mmの超音波チップを有するSonics社製のVibra Cell VCX130超音波プロセッサを用いて、同時ポンプ循環で70%振幅にて液体モジュールに60sの超音波処理によって分散させる。粉砕されていない一酸化ケイ素の場合、分散は、液体モジュールでの60sのポンプ循環による超音波処理なしで行われる。
測定は室温で行う。測定機器ソフトウェアはMie理論に基づいて、予め保存された光学的パラメータ(.rfdファイル)によって、粗データを使用して、粒径の体積分布及びd50値(中央値)を計算する。
ISO13320「粒径分析−レーザー回析法に関するガイド」は、粒径分布の測定のためのレーザー回析法を詳細に記載している。
粒状の一酸化ケイ素の場合、平均粒径をふるい残留分析(Alpine)によって測定する。
このふるい残留測定は、Alpine社製のS 200エアジェットふるい装置によるDIN ISO 8130-1に基づくエアジェットふるいプロセスである。微粒剤及び粒体のd50を測定するために、300μmより大きなメッシュサイズを有するふるいも、この目的に使用される。d50を測定するために、ふるいは、d50を測定できる粒径分布を提供するように選択されなければならない。図による表示及び評価は、ISO 2591−1、第8.2章と同様に行われる。
50は、粒子の50%が、d50の粒径を有する粒子よりも小さいか又は同じ粒径を有する累積の粒径分布における粒径を意味すると理解されている。
以下の実施例は、本発明によるプロセスを説明するが、決してこれらを制限しない。
実施例1:
10kgのポリシリコンを焼結したSiCるつぼ内で溶融し、これを1.2gの炭素(120ppm)でドープした。次に温度を1600℃まで上昇させた。熱平衡後、0.045mmよりも小さい粒径を有する一酸化ケイ素粉末(Merck)をアルゴン流れによって融液中に吹き込んだ。1分当たり4gの粉末を使用した。試料は、吹入れ時間の3分、6分、9分及び12分後に取出した。以下の表2は測定された炭素値を示す:
Figure 2013517212
実施例2:
実施例1の実験は、6分後に融液の温度を1700℃まで上昇させることによって変更した。以下の表3は測定された炭素値を示す:
Figure 2013517212
実施例3:
光アーク炉から出湯した直後に、シリコンを凝固した。シリコンは、溶解した形態で及びSiCの形態で1120ppmの炭素を含有した。10kgのこの材料を溶融し、温度を1700℃にした。次に一酸化ケイ素粉末を、実施例1に記載される通りにアルゴンによって吹き込んだ。6分後に処理を中断し、融液を1700℃の温度で30分間維持した。その後、試料を3分、6分、9分及び12分後に取出す過程で、一酸化ケイ素をもう一度吹き込んだ。以下の表4は測定された炭素値を示す:
Figure 2013517212
実施例4:
この実験は、SiOと泡形成剤との混合物の全質量を基準として、2質量%の炭酸アンモニウム粉末を一酸化ケイ素粉末に添加したことを除いて、実験3と同様に行った。以下の表5は測定された炭素値を示す:
Figure 2013517212

Claims (12)

  1. 一酸化ケイ素をシリコン融液に添加して融液の炭素含有率を低減することを特徴とする、シリコン融液の脱炭法。
  2. 一酸化ケイ素が、固体形態で、好ましくは粉末として添加されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 一酸化ケイ素が、ガス流れによって、好ましくは希ガス流れによって、更に好ましくはアルゴン流れによって融液中に吹き込まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 一酸化ケイ素の添加時のシリコン融液が、1412℃〜2000℃、好ましくは1412℃〜1800℃、更に好ましくは1450℃〜1750℃の間の温度を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. SiOの添加が完了する前のシリコン融液の温度が1600℃以上であるか又は1600℃以上、好ましくは1650〜1800℃、更に好ましくは1700〜1750℃まで上昇されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 一酸化ケイ素の添加が、1分〜5時間、好ましくは1分〜2.5時間、更に好ましくは5分〜60分間の間に少なくとも1回、好ましくは1〜5回中断されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. SiOの添加が、0.1分〜1時間、好ましくは0.1分〜30分間、更に好ましくは0.5分〜15分間、特に好ましくは1分〜10分間の添加時間後に、1分〜5時間、好ましくは1分〜2.5時間、更に好ましくは5分〜60分間の持続時間(保持時間)にわたり中断されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 一酸化ケイ素の添加が、シリコン融液の全炭素含有率が3ppm以下になるまで継続されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 好ましくはガス、更に好ましくは希ガス、最も好ましくはアルゴンを導入することによって、又はガス形成物質、好ましくはガス形成固体、更に好ましくは炭酸アンモニウム粉末を融液に供給することによって、最も好ましくは炭酸アンモニウム粉末を、一酸化ケイ素と炭酸アンモニウムとの混合物の質量を基準として1〜10質量%の割合で一酸化ケイ素に添加することによって、泡形成剤をシリコン融液に供給することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 炭素を用いてSiOを還元することによるシリコンの製造方法であって、シリコン融液の脱炭を請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法によって行うことを特徴とする、前記方法。
  11. シリコンがソーラーシリコン又は半導体シリコンであり、及び/又は高純度の二酸化ケイ素及び/又は高純度の炭素及び/又は高純度の一酸化ケイ素が使用されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. シリコン融液中の全炭素含有率が、好ましくは500ppm未満、更に好ましくは250ppm未満、特に好ましくは150ppm未満になるように、最初に粗脱炭を行ってからSiOをシリコン融液に添加する工程を含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
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