から選択される基であり、
Xは、CHまたはNを表し、
Yは、CHまたはNを表すが、ただしXがNであるとき、YはCHであり、
Rxは、OまたはSを表し、
R1は、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、5員もしくは6員のヘテロシクリル、芳香族基または複素芳香族基を表し、ここでこの芳香族基または複素芳香族基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルオキシ、C1−4アルキルスルホニルC1−4アルキルおよびC1−4アルキルスルホンアミドから選択される1−3つの基により置換されていてもよく、
R2は水素またはC1−6アルキルであり、
R2aは、
H、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、(CH2)mシアノ、(CH2)mOH、(CH2)mC1−6アルコキシ、(CH2)mC1−6ハロアルコキシ、(CH2)mC1−6ハロアルキル (CH2)mC(O)NRaRb、(CH2)mNRaRb、(CH2)mC(O)CH3、
C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ ハロC1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルにより置換されていてもよい(CHR6)pフェニル、
(CHR6)pヘテロ芳香族または(CHR6)pヘテロシクリル、
を表し、ここで
Raは、H、C1−6アルキル、またはヘテロシクリルを表し、
Rbは、HまたはC1−6アルキルを表すか、または
RaおよびRbは、それらが結合するNと一緒に5員もしくは6員のヘテロシクリルを形成し、
R2bは、H、C1−6アルキル、(CH2)2C1−6アルコキシ、(CH2)2シアノまたは(CH2)mフェニル、(CH2)2ヘテロシクリルを表し、
R3は水素を表し、
R4は、水素、シアノまたはC1−6アルキルを表し、
ZはOを表すか、またはR4が水素を表し、Aが(i)または(ii)から選択される基であり、RxがOを表す場合、ZはさらにNHを表してもよく、
R5は、水素またはC1−6アルコキシを表し、
R6は、水素またはC1−6アルキルを表し、
mは、1、2または3を表し、
nは、0、1または2を表し、
pは、0、1または2を表す。
本発明で使用する用語「芳香族基」は、フェニルなどの5−7員の単環式芳香族基、またはナフチル、インデニルもしくはアズレニルなどの8−11員の二環式芳香族基を指す。
本発明で使用するヘテロシクリルは、1個、2個、もしくは3個の、O、NおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の非芳香族の飽和または不飽和の環を指す。ヘテロシクリルの例としては、モルホリニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、およびピペラジニルが挙げられる。
本発明で使用する用語「複素芳香族基」は、炭素原子のうちの1個、2個、3個、4個が、独立にO、SおよびNから選択されるヘテロ原子によって置き換えられている5員もしくは6員の単環式芳香族基、または炭素原子のうちの1個、2個、3個、4個または5個が、独立にO、SおよびNから選択されるヘテロ原子によって置き換えられている8−11員の二環式芳香族基を指す。
5員もしくは6員の単環式複素芳香族基の例としては、ピロリニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、ピリミジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリルおよびピリミジニルが挙げられる。8−11員の二環式複素芳香族基の例としては、6H−チエノ[2,3−b]ピロリル、イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾリル、イミダゾ[5,1−b][1,3]チアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、[1,3]チアゾロ[3,2−b][1,2,4]トリアゾリル、ベンゾオキサゾリル 例えばベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ナフチリジニル、キノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニルおよびイソキノリルが挙げられる。
本発明で使用する用語「アルキル」は、特定数の炭素原子を含有する線状もしくは分岐状の炭化水素鎖を指す。例えば、C1−6アルキルは、少なくとも1個、および多くとも6個の炭素原子を含有する線状もしくは分岐状のアルキルを意味する。本発明で使用する「アルキル」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソブチル、イソプロピル、t−ブチルおよび1,1−ジメチルプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
C3−6シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
本発明で使用する用語「アルコキシ」は、特定数の炭素原子を含有する線状もしくは分岐状のアルコキシ基を指す。例えば、C1−6アルコキシは、少なくとも1個、および多くとも6個の炭素原子を含有する線状もしくは分岐状のアルコキシ基を意味する。本発明で使用する「アルコキシ」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロパ−2−オキシ、ブトキシ、ブタ−2−オキシ、2−メチルプロパ−1−オキシ、2−メチルプロパ−2−オキシ、ペントキシまたはヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で使用する用語「ハロゲン」は、元素のフッ素、塩素、臭素およびヨウ素、例えば、フッ素、塩素および臭素を指す。
本発明で使用する用語「置換された」は、挙げられた置換基(1つまたは複数)による置換を意味し、特段の記載がない限り多重度の置換が許容される。置換基がヘテロ原子を含む環の上にあるとき、その置換基は、炭素の上に存在し得、またはヘテロ原子の上に存在することが適切な場合、ヘテロ原子の上に存在し得る。
1つの実施形態では、XはCHである。
1つの実施形態では、YはCHである。
1つの実施形態では、ZはOである。
別の実施形態ではZは、NHである(その結果、R4は水素を表し、Aは上で定義された(i)または(ii)から選択される基であり、RxはOを表す)。
1つの実施形態では、RXはOである。
1つの実施形態では、nは0または1、例えば1である。
1つの実施形態では、Aは上記の式(i)または(ii)の基である。
R1の代表例としては、ピリジン−2−イルなどのピリジニル、1つまたは2つの基、例えば1つの置換基により置換されていてもよいフェニルが挙げられ、この置換基は、独立にメチル、t−ブチル、フルオロ、クロロ、および−OCF3から選択される。このフェニル上の存在してもよい置換基は、例えばオルト位またはパラ位にあり得る。
1つの実施形態では、R1は、1つまたは2つの、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシC1−4アルキルおよびC1−4アルコキシC1−4アルキルから選択される基により置換されていてもよい複素芳香族基である。1つの実施形態では、この複素芳香族基はピリジルである。さらなる実施形態では、この複素芳香族基は、フラニル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピラジニルおよびピリミジニルから選択される。
1つの実施形態では、nは0であり、R1はC1−6アルキルによって置換されたフェニル(t−ブチルによって置換されたフェニルなど)、またはハロC1−6アルコキシ(OCF3など)によって置換されたフェニルである。
1つの実施形態では、nは1であり、R1は非置換フェニルである。
1つの実施形態では、nは1または2、例えば1であり、R1は、例えば1つまたは2つのハロゲン(塩素、および/またはフルオロなど)により置換されていてもよいフェニルである。
1つの実施形態では、R2は水素またはメチルである。
1つの実施形態では、R2aは、H、C1−3アルキル、(CH2)mOH、(CH2)mC1−3アルコキシ、(CH2)mNRaRbまたは(CHR6)pヘテロシクリルであり、
式中、
Raは、H、C1−3アルキル、またはヘテロシクリルを表し、
Rbは、HまたはC1−3アルキルを表すか、または
RaおよびRbは、それらが結合するNと一緒に、5員または6員のヘテロシクリルを形成し、
R6は、HまたはC1−3アルキルを表し、
mは、1、2または3を表し、
pは、0、1、2を表す。
1つの実施形態では、R2aは、水素、メチル、イソプロピルもしくはt−ブチルなどのC1−6アルキル、または−(CH2)2OCH3などのC1−6アルコキシC1−6アルキルである。
1つの実施形態では、R2aはテトラヒドロピラニルである。
1つの実施形態では、R2bは水素である。
1つの実施形態では、R2bは、(CH2)2OMeなどの(CH2)2C1−6アルコキシである。
1つの実施形態では、RaおよびRbは、それらが結合するNと一緒に、モルホリン、ピペリジンまたはピロリジンなどの5員または6員のヘテロシクリルを形成する。
1つの実施形態では、R4は水素である。
1つの実施形態では、R5は水素、または−OCH3などの−OCH3である。
1つの実施形態では、XはCHであり、YはCHであり、R5は、例えば8位にある−OCH3である。
1つの実施形態では、XはNであり、YはCHであり、R5は、例えば8位にある−OCH3である。
1つの実施形態では、本発明の化合物は式(IA)を有する。
式中、AおよびR4は、式(I)について定義されるとおりである。
1つの実施形態では、本発明の化合物は式(IB)を有する。
式中、R1、R2、R3、R5およびnは、式(I)の化合物について定義されるとおりである。
本発明のこの態様では、nは、例えば1を表し得る。
本発明のこの態様では、R1は、例えばピリジン−2−イルなどのピリジニルまたはフェニルを表し得る。
本発明のこの態様では、R5は、例えば−OCH3を表し得る。
1つの実施形態では、本発明の化合物は式(IC)を有する。
式中、R1、R2、R3、R2aおよびnは、式(I)の化合物について上で定義されるとおりである。
本発明は、本明細書中にこれまで記載された好適な、好都合のおよび好ましい基のすべての組み合わせを包含することは理解されるべきである。従って、式(I)のすべての特徴および実施形態は、式(IA)、(IB)および(IC)に適用され得る。
具体的な式(I)の化合物としては、本明細書に記載される実施例1−226またはその塩、特にその薬学上許容可能な塩が挙げられる。
1つの実施形態では、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンである化合物またはその塩が提供される。別の実施形態では、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンである化合物またはその薬学上許容可能な塩が提供される。別の実施形態では、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンである化合物が提供される。
本発明が、遊離塩基としての、およびその塩としての、例えばその薬学上許容可能な塩としての式(I)の化合物を包含することは理解されるであろう。1つの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩に関する。
医薬における式(I)の化合物の塩の使用可能性のため、式(I)の化合物の塩は、望ましくは薬学上許容可能なものである。好適な薬学上許容可能な塩としては、酸付加塩または塩基付加塩を挙げることができる。本発明で使用する用語「薬学上許容可能な塩」は、レシピエントへの投与の際に(直接的にまたは間接的に)与えることができる式(I)の化合物のいずれかの薬学上許容可能な塩または溶媒和物を意味する。1つの実施形態では、用語「薬学上許容可能な塩」は、レシピエントへの投与の際に(直接的にまたは間接的に)与えることができる式(I)の化合物のいずれかの薬学上許容可能な塩を意味する。好適な塩に関する総説として、Bergeら、J. Pharm. Sci., 66:1−19, (1977)を参照のこと。典型的には、薬学上許容可能な塩は、所望の酸または塩基を適宜使用することにより、容易に調製され得る。得られる塩は、溶液から沈殿され、ろ過によって集められてもよく、または溶媒のエバポレートによって回収されてもよい。
薬学上許容可能な塩基付加塩は、好適な溶媒の中で行われてもよい、式(I)の化合物と、好適な無機または有機の塩基、(例えばトリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、コリン、アルギニン、リジンまたはヒスチジン)との反応で塩基付加塩を得て、この塩基付加塩を、例えば結晶化およびろ過によって通常単離することによって形成されてもよい。薬学上許容可能な塩基塩としては、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウムの塩などのアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウムの塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにイソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミンおよびN−メチル−D−グルカミンなどの第一級、第二級および第三級アミンの塩を含めた有機塩基との塩が挙げられる。
薬学上許容可能な酸付加塩は、有機溶媒などの好適な溶媒の中で行われてもよい、式(I)の化合物と、好適な無機または有機の酸(例えば、臭化水素酸、塩化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、コハク酸、マレイン酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸などのナフタレンスルホン酸、またはヘキサン酸)との反応で塩を得て、この塩を、例えば結晶化およびろ過によって通常単離することによって形成されてもよい。式(I)の化合物の薬学上許容可能な酸付加塩は、例えば、臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(例えば2−ナフタレンスルホン酸塩)またはヘキサン酸塩を含み得、またはこれらであり得る。
他の薬学上許容可能でない塩、例えばギ酸塩、シュウ酸塩またはトリフルオロ酢酸塩は、例えば式(I)の化合物の単離において使用され得るので、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、その範囲内に、式(I)の化合物の塩のすべての可能な化学量論形態および非化学量論形態を含む。
多くの有機化合物が、その多くの有機化合物の反応が行われるかまたは多くの有機化合物が沈殿もしくは結晶化する際に使用される溶媒と複合体を形成し得ることは理解されるであろう。これらの複合体は「溶媒和物」として知られる。例えば、水との複合体は「水和物」として知られる。高沸点を有しかつ/または水素結合を形成することができる溶媒、例えば水、キシレン、N−メチルピロリジノン、メタノールおよびエタノールは、溶媒和物を形成するために使用され得る。溶媒和物の同定のための方法としては、NMRおよび微量分析が挙げられるが、これらに限定されない。式(I)の化合物の溶媒和物は本発明の範囲内にある。
本発明は、その範囲内に、式(I)の化合物の溶媒和物のすべての可能な化学量論形態および非化学量論形態を含む。
本発明は、レシピエントへの投与の際に(直接的にまたは間接的に)式(I)の化合物もしくはその薬学上許容可能な塩、またはその活性な代謝産物もしくはまたは残基を与えることができる、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩のすべてのプロドラッグを包含する。このような誘導体は、当業者にとって、過度の実験をすることなく認識できる。しかし、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1: Principles and Practiceの教示が参照される。この文献は、このような誘導体を教示する範囲まで、参照により本明細書に援用したものとする。
式(I)の化合物は、結晶性形態または非晶性形態にあり得る。さらに、式(I)の化合物のこの結晶性形態のうちのいくつかは、多形として存在し得、この多形は本発明の範囲内に含まれる。式(I)の化合物の多形形態は、特に限定されないがX線粉末回折(XRPD)パターン、赤外(IR)スペクトル、ラマンスペクトル、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)および固体状態核磁気共鳴(SSNMR)などのいくつかの従来の分析技法を使用して特徴づけおよび区別され得る。
本明細書に記載される一部の化合物は1以上のキラル原子を含有し得、そのため、光学異性体、例えば鏡像異性体またはジアステレオ異性体が形成され得る。従って、本発明は、実質的に他の異性体を含まない(すなわち純粋である)ものとして単離された個々の異性体としてであろうと、または混合物(すなわちラセミ化合物およびラセミ混合物)としてであろうと、式(I)の化合物のすべての異性体を包含する。実質的に他の異性体を含まない(すなわち純粋である)ものとして単離された個々の異性体は、他の異性体が10%未満、特に約1%未満、例えば約0.1%未満しか存在しないように単離され得る。
異性体の分離は、当業者に公知の従来の技法によって、例えば分別晶出、クロマトグラフィーまたはHPLCによって成し遂げられ得る。
一部の式(I)の化合物は、いくつかの互変異性体のうちの1つとして存在し得る。本発明は、個々の互変異性体としてであろうと、またはこれらの混合物としてであろうと、式(I)の化合物のすべての互変異性体を包含することは理解されるであろう。
式(I)の化合物およびその塩の溶媒和物、異性体および多形形態が本発明の範囲内に包含されることは、上記の記載から理解されるであろう。
式(I)の化合物またはその塩は、標準的な化学を含めた様々な方法によって作製され得る。特段の記載がない限り、これまでに定義された可変要素のいずれも、これまでに定義された意味を持ち続ける。例示的な一般的な合成方法が以下に示され、次いで、具体的な式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩が、作業実施例で調製される。これらのプロセスは、本発明のさらなる態様を形成する。
本明細書全体を通して、一般式は、ローマ数字(I)、(II)、(III)、(IV)などによって指定される。
別の態様では、本発明は、ZがOを表す式(I)の化合物の製造方法を提供し、この方法は、式(II)の化合物:
(式中、X、Y、R1、R2およびR3は式(I)の化合物について定義されたとおりである)を、
a)R2aCOOH、R2aCHOもしくはR2aCOCl(式中、R2aは式(I)の化合物について上で定義されたとおりである)、または
b)(t−ブチルOCO)2O、または
c)CS2、または
d)NaNO2
と適切な条件下で反応させる工程を含む。
工程a)は、酢酸などの好適な溶媒の中で還流することによって行われ得る。
R2aCOOHが試薬である場合、酢酸中での還流に先立って、HOBTなどの試薬を用いたこの出発物質の活性化が必要とされ得る。このカップリング反応は、好適な溶媒、例えばジクロロメタンなどの極性の非プロトン性溶媒の中で、EDCIなどのカップリング剤およびトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、実施され得る。
酸塩化物R2aCOClが用いられる場合、酢酸中での還流に先立って、この酸塩化物は、好適な溶媒、例えばジクロロメタンなどの極性の非プロトン性溶媒の中で、トリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、式(II)の化合物と反応させられる。
工程b)は、80℃で約2時間の間実施され、次にジフェニルエーテルなどの溶媒中、高められた温度、例えば、180℃で約3時間の間、処理され得る。
工程c)は、好適な溶媒、例えばエタノールなどのアルコールの中で、塩基性条件下、例えばトリエチルアミンの存在下で、高められた温度で、例えば50℃を超えて、例えば80℃で行われ得る。
工程d)は低温で行われ得、例えば亜硝酸ナトリウムが0℃で添加され、その後、反応混合物は室温まで加温され、約18時間反応が継続される。
下記のスキームでは、X、Y、R1、R2、R3、nなどは、式(I)の化合物について上で与えられた定義を有する。
R4がHまたはアルキルを表し、Aがイミダゾール誘導体である式(I)の化合物は、下記のスキーム1に示されるようにして調製され得る。
一般式(IE)のイミダゾール誘導体は、酢酸中、還流状態でアミノ誘導体(IIA)をアルデヒド(R2CHO)と反応させるか、またはジクロロメタン中、トリエチルアミンの存在下でHOBT、EDCIを用いて誘導体(IIA)を一般式R2COOHのカルボン酸とカップリングし、次に酢酸中、還流状態で環化させるか、またはトリエチルアミンの存在下で一般式R2COClの酸塩化物とカップリングし、次に酢酸中、還流状態で環化させることにより調製され得る(スキーム1)。
R4がHまたはアルキルを表し、Aがイミダゾロンを表す式(I)の化合物は、下記のスキーム2に示されるようにして調製され得る。
一般式(IF)のイミダゾロン化合物は、化合物(IIA)をBoc無水物と反応させ、次にジフェニルエーテル中、180℃で環化させることにより、スキーム2に従って調製され得る。
イミダゾロン化合物(IF)は、Hoffman型の転位条件(スキーム3)を使用して調製され得る。この場合、化合物(IIB)はビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンとの反応に供され、内部環化後にイミダゾロン化合物(IF)を与える。
イミダゾロン化合物(IF)はまた、Curtius転位条件を使用して調製され得る(スキーム4)。この場合、酸化合物(IIC)は、トリエチルアミンの存在下で、およそ2−18時間の間、ジフェニルホスホリルアジドとの反応に供され、イミダゾロン化合物(IF)を与える。
R4がHであり、Aがイミダゾール−2−チオン誘導体である式(I)の化合物は、下記のスキーム5に示されるようにして調製され得る。
一般式(IG)のイミダゾール−2−チオン誘導体は、エタノールなどの溶媒中、トリエチルアミンの存在下で、60℃−80℃でおよそ18時間、一般式(IIA)の化合物を二硫化炭素と反応させることにより調製され得る。
R4がHまたはアルキルであり、Aがトリアゾール誘導体である式(I)の化合物は、下記のスキーム6に示されるようにして調製され得る。アミノ誘導体(IIA)は、0℃で、水の中で亜硝酸ナトリウムと、およびDMFなどの溶媒の中で酢酸との反応に供される。反応混合物は、次に、室温でおよそ18時間撹拌される。
R4がシアノでありAがイミダゾール誘導体である式(I)の化合物は、改変したReissert−Henze反応(Harusawa, Sら, Heterocycles, 1981, 15, 981−984)を使用する、下記のスキーム7に示されるようにして調製され得る。化合物(IE)は、ジクロロメタン中、室温でおよそ2時間、m−クロロ過安息香酸との反応に供される。得られたN−オキシド中間体は、次に、アセトニトリルなどの非プロトン性溶媒の中、トリエチルアミンの存在下でシアノホスホン酸ジエチルとの反応に供され、反応混合物は、次に、還流下で4時間加熱される。
スキーム7の中の出発物質(IE)は、スキーム1に上記された方法と同様の方法によって調製され得る。
R4が水素およびアルキルである一般式(IIA)の化合物は、スキーム8に従って調製され得る。化合物(IIIA)は、エタノール中、還流下で5時間、水酸化ナトリウムとの反応に供される。HCl Nを用いた処理の後、得られた一般式(VA)の化合物は、ジフェニルエーテル中、還流下で2時間脱カルボキシル化される。化合物(VA)のニトロ化は、プロパン酸中、室温で硝酸を用いて実施され、次に、反応混合物は100−125℃の範囲の温度に、1−2時間加熱される。化合物(VIA)は、トルエン中、還流下でおよそ18時間、POCl3との反応に供される。クロロ化合物(VIIA)は、次に、アセトニトリルなどの溶媒中、60℃で2時間、一般式R1(R2R3C)nNH2のアミンとの反応に供される。得られた化合物は、次に、エタノール/HClまたはエタノール/THF中、40℃から還流の範囲の温度で、およそ1−3時間、SnCl2,2H2Oを用いて還元されて、一般式(IIA)の化合物を与え得る。
XおよびYがCHであり、R4が水素である一般式(VA)の化合物はまた、スキーム9に従って調製され得る。
この3−ヨードアニリン誘導体は、オルトギ酸メチルの存在下、還流下でおよそ1時間、メルドラム酸との反応に供され、次に、沸騰ジフェニルエーテル中でおよそ10分間環化される。R4がアルキル、例えばメチルである一般式(VA)の化合物は、メルドラム酸をアセト酢酸エチルによって置き換えて、同じ合成経路に従って調製され得る。
R5が環上の異なる位置に存在する式VAの化合物は、適切な出発物質から出発して、スキーム8に示される方法と同様の方法によって調製され得る。
R4が水素またはアルキルである一般式(IIB)の化合物は、スキーム10に従って調製され得る。化合物(IVA)は、DMFを用いて還流下で、POCl3で処理される。対応する4−クロロ−3−クロロアシル誘導体は、次に、ジオキサンなどの溶媒中で、0℃−5℃で、アンモニア(g)との反応に供され、カルボキシアミド化合物(VIIIA)を与える。このアミンとのカップリングは、スキーム8についてこれまでに記載されたとおりに実施された。
R4が水素である一般式(IIIA)の化合物は、スキーム11に従って調製され得る。
この3,5−ジメチルイソオキサゾールボロン酸は、Suzukiカップリング条件を使用する3−ヨード誘導体または3−ブロモ誘導体との反応に供され、対応するアミノ化合物を与え得る。XおよびYがCHである場合、3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)アニリンは、130℃で、20分間〜1時間の範囲の間、エトキシメチレンマロン酸ジエチルとの反応に供され得る。得られる({[3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)フェニル]アミノ}メチリデン)−プロパン二酸ジエチルは、およそ30分間〜1時間(J.Med.Chem., 1980, 23, 1358に記載される標準的な手順による)還流することにより、ジフェニルエーテル中で、環化され得る。1,5−または1,6−ナフチリジン化合物を調製するために、同じ手順が、アミノピリジン化合物に適用され得る。
R4がアルキル、例えばメチルである式(I)の化合物は、エトキシメチレンマロン酸ジエチルをアセチルマロン酸ジエチルによって置き換えることにより、スキーム11に記載される方法と同様の方法によって調製され得る。
R4が水素またはアルキルである一般式(IIC)の化合物は、スキーム12に従って調製され得る。
化合物(IIIA)はPOCl3中でおよそ18時間還流され、次に化合物(XA)は、アセトニトリルまたはジオキサンなどの溶媒中、60℃〜110℃の範囲の温度でおよそ1〜4時間、一般式R1(R2R3C)nNH2のアミンとカップリングされる。化合物(IID)の鹸化は、エタノール中でNaOH(N)を用いておよそ6〜24時間加熱して還流され、式(IIC)の化合物を与える。
ZがNHを表す(その結果、R4は水素を表し、Aは上で定義された(i)または(ii)から選択される基であり、RxはOを表す)式(I)の化合物は、下記のスキーム13〜15に示されるプロセスに従って調製され得る。
上記の化合物の1以上の官能基を保護することが好都合であり得ることは、当業者によって理解されるであろう。保護基およびそれら保護基の除去のための手段の例は、T. W. Greene 「Protective Groups in Organic Synthesis」 (4th edition, J. Wiley and Sons, 2006)に見出され得る。好適なアミン保護基としては、アシル(例えばアセチル、カルバメート(例えば2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたはt−ブトキシカルボニル)およびアリールアルキル(例えばベンジル)が挙げられ、これらの基は、適宜、加水分解(例えば、ジオキサン中の塩化水素酸もしくはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸などの酸を使用する)によって、または還元的に(例えばベンジルもしくはベンジルオキシカルボニル基の水素化分解または酢酸中で亜鉛を使用する2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル基の還元的除去)除去され得る。他の好適なアミン保護基としては、塩基触媒による加水分解によって除去され得るトリフルオロアセチル(−COCF3)が挙げられる。
上記の経路のいずれにおいても、種々の基および部分が分子へと導入される合成工程の正確な順序は変わり得ることは理解されるであろう。当該プロセスの1つの段階で導入される基または部分が、その後の変換および反応によって影響を受けないことを確実にすること、およびそれに応じて合成工程の順序を選択することは、当業者の技能の範囲内であろう。
上記の一部の中間体化合物は、新規であると考えられ、それゆえ本発明のなおさらなる態様を形成する。
式(I)の化合物およびその塩はブロモドメイン阻害剤であり、従ってブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態の治療における潜在的な利用可能性を有すると考えられる。
従って、本発明は、療法に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。1つの実施形態では、療法に使用するための、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンまたはその薬学上許容可能な塩が提供される。式(I)の化合物またはその薬学上の塩は、ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態の治療において使用され得る。
従って、本発明は、ブロモドメイン阻害剤の適応症であるいずれかの疾患または病態の治療に使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。別の実施形態では、慢性の自己免疫性のおよび/または炎症性の病態の治療に使用するための化合物またはその薬学上許容可能な塩が提供される。さらなる実施形態では、癌の治療に使用するための化合物またはその薬学上許容可能な塩が提供される。
1つの実施形態では、ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態の治療に使用するための7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンまたはその薬学上許容可能な塩が提供される。
ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態の治療のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の使用も提供される。1つの実施形態では、ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態の治療のための薬剤の製造における、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンまたはその薬学上許容可能な塩が提供される。
それを必要としている被験体において、ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態を治療する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を投与する工程を含む方法も提供される。1つの実施形態では、それを必要としている被験体において、ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態を治療する方法であって、治療有効量の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンまたはその薬学上許容可能な塩を投与する工程を含む方法が提供される。
好適には、この必要としている被験体は、哺乳動物、特にヒトである。
本発明で使用する用語「有効量」は、例えば研究者または臨床医によって求められている組織、系、動物またはヒトの生物学的応答または医学的応答を引き出すであろう、薬物または医薬品の量を意味する。さらに、用語「治療有効量」は、そのような量を投与されたことがない対応する被験体と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の改善された治療、治癒、予防、もしくは寛解、または疾患もしくは障害の前進の速度の低下を生じるいずれかの量を意味する。また、この用語は、その範囲の内に、正常な生理学的機能を亢進するために有効な量を包含する。
ブロモドメイン阻害剤は、全身性炎症または組織の炎症、感染または低酸素症に対する炎症反応、細胞の活性化および増殖、脂質代謝、線維症に関連する様々な疾患または病態の治療、ならびにウイルス感染症の予防および治療において有用であると考えられる。
ブロモドメイン阻害剤は、慢性関節リウマチ、変形性関節症、急性痛風、乾癬、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、間質性肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚症、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病および移植された器官の急性拒絶反応などの実に様々な慢性の自己免疫性のおよび炎症性の病態の治療において有用であり得る。
ブロモドメイン阻害剤は、急性痛風、巨細胞性動脈炎、ループス腎炎などの腎炎、糸球体腎炎などの臓器障害を伴う血管炎、巨細胞性動脈炎などの血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎、ベーチェット病、川崎病、高安動脈炎、臓器障害を伴う血管炎および移植された臓器の急性拒絶反応などの実に様々な急性の炎症性の病態の治療において有用であり得る。
ブロモドメイン阻害剤は、細菌、ウイルス、真菌、寄生生物またはそれらの毒素による感染に対する炎症反応を伴う疾患または病態、例えば、敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック、内毒血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器不全症候群、毒素性ショック症候群、急性肺傷害、ARDS(成人呼吸促迫症候群)、急性腎不全、劇症肝炎、熱傷、急性膵炎、手術後症候群、サルコイドーシス、ヘルクスハイマー反応、脳炎、脊髄炎、髄膜炎、マラリア、ならびにインフルエンザ、帯状疱疹、単純ヘルペスおよびコロナウイルスなどのウイルス感染症と関連するSIRSの予防または治療において有用であり得る。
ブロモドメイン阻害剤は、心筋梗塞、脳血管虚血(発作)、急性冠症候群、腎臓再灌流傷害、臓器移植、冠動脈バイパス移植、心肺バイパス術、肺、腎臓、肝臓、胃腸内または肢末梢部の塞栓症などの虚血再灌流傷害と関連する病態の予防または治療において有用であり得る。
ブロモドメイン阻害剤は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症およびアルツハイマー病などのAPO−A1の調節を介する脂質代謝の障害の治療において有用であり得る。
ブロモドメイン阻害剤は、特発性肺線維症、腎臓の線維化、術後狭窄、ケロイド生成、強皮症および心臓繊維化などの繊維性の病態の治療において有用であり得る。
ブロモドメイン阻害剤は、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、アデノウイルスおよびポックスウイルスおよび他のDNAウイルスなどのウイルス感染症の予防および治療において有用であり得る。
ブロモドメイン阻害剤は、血液癌、上皮癌(肺癌を含む)、乳癌および結腸癌、上皮性悪性腫瘍(midline carcinoma)、間葉系の腫瘍、肝腫瘍、腎腫瘍および神経腫瘍などの癌の治療において有用であり得る。
1つの実施形態では、ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態は、全身性炎症反応症候群に関連する疾患、例えば敗血症、熱傷、膵炎、重症外傷、出血および虚血から選択される。この実施形態では、ブロモドメイン阻害剤は、SIRS、ショック発症、多臓器不全症候群(これは、急性肺傷害、ARDS、急性の腎臓、肝臓、心臓および胃腸内の傷害の発症を含む)の発生率ならびに死亡率を低下させるために、診断の時点で投与されるであろう。別の実施形態では、ブロモドメイン阻害剤は、高いリスクの敗血症、出血、広範囲の組織の損傷、SIRSまたはMODS(多臓器不全症候群)に関連する手術または他の術式に先だって投与され得る。特定の実施形態では、ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態は、敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショックおよび内毒血症である。別の実施形態では、ブロモドメイン阻害剤は、急性膵炎または慢性膵炎の治療に適応がある。別の実施形態では、ブロモドメインは熱傷の治療に適応がある。
1つの実施形態では、ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態は、単純ヘルペスの感染および再賦活、口唇ヘルペス、帯状疱疹(herpes zoster)の感染および再賦活、水痘、帯状疱疹(shingles)、ヒトパピローマウイルス、頸部新生物、アデノウイルス感染(急性呼吸器疾患を含む)、牛痘および天然痘およびアフリカブタ熱ウイルスなどのポックスウイルス感染から選択される。1つの特定の実施形態では、ブロモドメイン阻害剤は、皮膚または子宮頸部上皮のヒトパピローマウイルス感染の治療に適応がある。
用語「ブロモドメイン阻害剤の適応症である疾患または病態」は、上記の病状の各々またはすべてを包含することが意図されている。
療法に使用するため、式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩はそのままの化学物質として投与され得ることが可能であるが、一方で、活性成分を医薬組成物として提供することが一般的である。
それゆえ、さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物または薬学上許容可能な塩と、1以上の薬学上許容可能な担体、希釈剤および/または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。式(I)の化合物および薬学上許容可能な塩は上記のとおりである。担体(1つまたは複数)、希釈剤(1つまたは複数)または賦形剤(1つまたは複数)は、その組成物の他の成分と適合性でありかつ組成物のレシピエントにとって有害ではないという意味で許容できるものである必要がある。本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物、またはその薬学上許容可能な塩を、1以上の薬学上許容可能な担体、希釈剤または賦形剤と混合する工程を含む、医薬組成物の製造方法も提供される。この医薬組成物は、本明細書に記載される病態のうちのいずれかの治療において使用され得る。
1つの実施形態では、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンまたは薬学上許容可能な塩と、1以上の薬学上許容可能な担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
式(I)の化合物は医薬組成物に使用するために意図されるため、それらは、各々、実質的に純粋な形態、例えば少なくとも60%純粋、より好適には少なくとも75%純粋、好ましくは少なくとも85%純粋、とりわけ少なくとも98%純粋(重量基準に対する重量%)で与えられることが好ましいことはすぐに理解されるであろう。
医薬組成物は、単位用量あたり所定の量の活性成分を含有する単位用量形態で提示され得る。好ましい単位投薬量組成物は、1日用量もしくは分割日量、またはその適切な一部分、の活性成分を含有する組成物である。それゆえこのような単位用量は、1日1回よりも多く投与され得る。好ましい単位投薬量組成物は、本明細書中ですでに記載したように、1日用量または(1日1回よりも多い投与のための)分割日量、またはその適切な一部分、の活性成分を含有する組成物である。
医薬組成物は、いずれかの適切な経路による、例えば経口(口腔内または舌下を含む)、経直腸、吸入、鼻腔内、局所(口腔内、舌下または経皮を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)経路による投与のために適合し得る。このような組成物は、薬学の技術分野で公知のいずれかの方法によって、例えば当該活性成分を担体(1つまたは複数)または賦形剤(1つまたは複数)と合わせることによって調製され得る。
1つの実施形態では、この医薬組成物は、非経口投与、特に静脈内投与に適合している。
1つの実施形態では、この医薬組成物は経口投与に適応している。
非経口投与に適合させた医薬組成物としては、抗酸化剤、バッファー、静菌薬、および組成物を意図されたレシピエントの血液と等張性であるようにする溶質を含有し得る水性および非水性の滅菌注射液、ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁剤が挙げられる。この組成物は、単位用量容器または複数用量容器、例えば密封されたアンプルおよびバイアルの中で提示され得、使用直前に、注入のために、滅菌した液体担体、例えば水の添加だけを必要とするフリーズドライの(凍結乾燥された)状態で保存され得る。すぐに使用できる注射液および懸濁剤は、滅菌された粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
経口投与に適合させた医薬組成物は、カプセルもしくは錠剤、粉末もしくは顆粒、水性もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤、食用フォームまたはホイップ、または水中油型乳濁液もしくは油中水型乳濁液などの個別単位として提示され得る。
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与のために、活性薬物成分は、エタノール、グリセロール、水などの、経口用の、無毒な薬学上許容可能な不活性な担体と組み合わされ得る。錠剤またはカプセルの中へと組み込むのに好適な粉末は、当該化合物を(例えば微粉化によって)好適な微細サイズへと小さくし、例えば、デンプンまたはマンニトールなどの食用炭水化物などの、同様に調製した医薬担体と混合することにより調製される。着香剤、防腐剤、分散剤および着色剤も存在し得る。
カプセルは、粉末混合物を上記のように調製し、形成されたゼラチンシースに充填することにより作製され得る。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールなどの滑剤および潤滑剤が、充填操作の前に、この粉末混合物に添加され得る。カプセル剤が服用されるときの薬剤の利用能を改善するために、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または溶解補助剤も、加えられ得る。
さらに、所望される場合または必要な場合、好適な結合剤、滑剤、潤滑剤、甘味剤、香料、崩壊剤および着色剤も当該混合物の中へと組み込まれ得る。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはβ−ラクトースなどの天然の糖、トウモロコシ甘味料、アラビアゴム、トラガントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成のゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの剤形の中で使用される潤滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されない。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、粉末にするかまたは小塊にし、潤滑剤および崩壊剤を添加し、そして錠剤へと押し固めることにより製剤化される。粉末混合物は、当該化合物、好適には細かく砕いた当該化合物を上記のとおりの希釈剤またはベースと、そして必要に応じてカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩もしくはアルギン酸エステル、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの再吸収促進剤、および/またはベントナイト、カオリンもしくはリン酸二カルシウムなどの吸収剤と混合することにより調製される。この粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液、またはセルロース誘導体もしくは高分子物質の溶液などの結合剤を用いて湿らせ、ふるいに押し通すことにより顆粒化され得る。顆粒化に代わるものとして、粉末混合物は錠剤機に通され得、その結果物は不完全に形成された小塊であり、これが顆粒へと破壊される。この顆粒は、錠剤形成押型への付着を防止するために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油の添加によって潤滑され得る。この潤滑された混合物は、次いで、錠剤へと圧縮される。また、式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩は、自由流動性の不活性な担体と組み合わされて、顆粒化または小塊化の工程を経ることなく直接錠剤へと圧縮され得る。セラックの封止被膜、糖または高分子物質のコーティング、およびワックスの艶出しコーティングからなる透明または不透明な保護コーティングが設けられ得る。異なる単位投薬量を区別するために、色素がこれらのコーティングに添加され得る。
液剤、シロップおよびエリキシル剤などの経口用液体は、与えられた量が所定の量の当該化合物を含有するように、投薬量単位形態の中に調製され得る。シロップは、当該化合物を好適に風味付けされた水性溶液に溶解させることにより調製され得るのに対し、エリキシル剤は、無毒なアルコール性のビヒクルの使用によって調製される。懸濁剤は、当該化合物を無毒なビヒクルに分散させることにより製剤化され得る。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、防腐剤、ペパーミント油などの香料添加物、または天然甘味料もしくはサッカリンもしくは他の人工甘味料なども、添加され得る。
適宜、経口投与のための投薬量単位組成物はマイクロカプセル化され得る。この製剤は、例えば、微粒子物質をポリマー、ワックスなどでコーティングするかまたは微粒子物質をポリマー、ワックスなどの中に埋め込むことにより、放出を長期化または持続させるためにも調製され得る。
式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩は、小型単層小胞体(small unilamellar vesicle)、大型単層小胞体(large unilamellar vesicle)および多層小胞体(multilamellar vesicle)などのリポソーム送達システムの形態でも投与され得る。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成され得る。
局所投与に適合させた医薬組成物は、軟膏剤、クリーム、懸濁剤、ローション剤、粉末、液剤、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして製剤化され得る。
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の治療のために、当該組成物は、好ましくは、局所用の軟膏剤またはクリームとして塗布される。軟膏剤の中で製剤化されるとき、当該活性成分は、パラフィン系軟膏基剤または水混和性軟膏基剤のいずれかとともに用いられ得る。あるいは、その活性成分は、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤とともにクリームの中で製剤化され得る。
目への局所投与に適合させた医薬組成物としては、活性成分が好適な担体、とりわけ水性溶媒に溶解または懸濁されている点眼薬が挙げられる。
鼻内または吸入投与のための剤形は、エアロゾル、液剤、懸濁剤、ゲルまたは乾燥粉末として製剤化されることが便利であり得る。
吸入投与に好適かつ/または吸入投与に適合させた組成物について、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩は、例えば微粉化によって得られる粒子サイズを小さくした形態にあることが好ましい。サイズを小さくした(例えば、微粉化した)化合物または塩の好ましい粒径は、約0.5−約10ミクロン(例えば、レーザー回折を使用して測定される)のD50値によって規定される。
例えば吸入投与のためのエアロゾル製剤は、薬学上許容可能な水性または非水性の溶媒の中の活性物質の溶液または微細懸濁液を含み得る。エアロゾル製剤は、噴霧装置もしくは吸入器と共に使用するためのカートリッジまたは詰め替え容器の形態をとり得る密閉容器中の滅菌された形態で単回用量または複数用量の量で提示され得る。あるいは、この密閉容器は、容器の内容物を使い尽くすと処分することが意図されている、計量弁(定量吸入器)が内蔵された単回投与の鼻吸入器またはエアロゾルディスペンサーなどの単一の分注デバイスであり得る。
剤形がエアロゾルディスペンサーを含む場合、その剤形は、好ましくは、圧縮空気、二酸化炭素またはヒドロフルオロカーボン(HFC)などの有機噴霧剤などの加圧下の好適な噴霧剤を含有する。好適なHFC噴霧剤としては、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンが挙げられる。このエアロゾル剤形はポンプ噴霧器の形態をとり得る。加圧されたエアロゾルは、活性化合物の溶液または懸濁液を含有し得る。これは、懸濁液製剤の分散特性および均質性を改善するために、さらなる賦形剤、例えば共溶媒および/または界面活性剤の組み込みを必要とし得る。液剤製剤は、エタノールなどの共溶媒の添加も必要とし得る。
吸入投与に好適かつ/または吸入投与に適合させた医薬組成物について、医薬組成物は、乾燥粉末吸入用組成物であり得る。このような組成物は、ラクトース、グルコース、トレハロース、マンニトールまたはデンプンなどの粉末基剤と、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩(好ましくは、粒子サイズを小さくした形態、例えば微粉化した形態にある)と、必要に応じて性能調整剤、例えばL−ロイシンまたは別のアミノ酸および/またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなどのステアリン酸の金属塩とを含み得る。好ましくは、この乾燥粉末吸入用組成物は、ラクトース、例えばラクトース一水和物と、式(I)の化合物またはその塩との乾燥粉末混合物を含む。このような組成物は、例えば英国特許出願公開第2242134(A)号明細書に記載されている、GlaxoSmithKlineによって販売されているDISKUS(登録商標)デバイスなどの好適なデバイスを使用することによって、患者に投与され得る。
式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩は、液体ディスペンサー、例えば、使用者が加えた力を液体ディスペンサーのポンプ機構に加えられた際に定量の液体製剤が分注されるときに通る分注用ノズルまたは分注用オリフィスを有する液体ディスペンサーからの送達のための液体製剤として製剤化され得る。このような液体ディスペンサーは、一般に、液体製剤の複数定量のタンクを具え、用量は連続的なポンプ操作によって分注することができる。分注用のノズルまたはオリフィスは、鼻腔の中への液体製剤のスプレー分注のために、使用者の鼻孔の中へと挿入するように構成され得る。上述のタイプの液体ディスペンサーは、国際公開第2005/044354号パンフレットに記載、説明されている。
式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の治療有効量は、例えば当該動物の年齢および体重、治療を必要とする正確な病態および病態の重症度、製剤の性質、ならびに投与経路を含めたいくつかの要因に依存するであろう。最終的には、この治療有効量は、主治医または主治獣医の判断によることになろう。当該医薬組成物では、経口投与または非経口投与のための各投薬量単位は、遊離塩基として算出して、好ましくは0.01−3000mg、より好ましくは0.5−1000mgの式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含有する。鼻内投与または吸入投与のための各投薬単位は、遊離塩基として算出して、好ましくは0.001−50mg、より好ましくは0.01−5mgの式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含有する。
薬学上許容可能な式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩は、遊離塩基として算出して、例えば、1日あたり0.01mg−3000mgもしくは1日あたり0.5−1000mgの式(I)の化合物もしくはその薬学上許容可能な塩の経口用量もしくは非経口用量、または1日あたり0.001−50mgもしくは1日あたり0.01−5mgの式(I)の化合物もしくはその薬学上許容可能な塩の鼻内用量もしくは吸入用量の(成人の患者についての)1日用量で投与され得る。この量は、1日あたり単回投与で、またはより通常は、合計の1日用量が同じであるように1日あたりある数(2、3、4、5または6など)の分割日量で与えられ得る。その塩の有効量は、式(I)の化合物自体の有効量の比例として決定され得る。
式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩は、単独でまたは他の治療薬と組み合わせて用いられ得る。従って、本発明に係る併用療法は、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の投与、および少なくとも1つの他の薬学的に活性な薬剤の使用を含む。好ましくは、本発明に係る併用療法は、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩、および少なくとも1つの他の薬学的に活性な薬剤の投与を含む。式(I)の化合物(1つまたは複数)およびその薬学上許容可能な塩、ならびに上記他の薬学的に活性な薬剤(1つまたは複数)は、単一の医薬組成物の中で一緒にまたは別々に投与され得、別々に投与されるとき、これは、同時にまたは任意の順序で連続的に行われ得る。式(I)の化合物(1つまたは複数)およびその薬学上許容可能な塩、ならびに上記他の薬学的に活性な薬剤(1つまたは複数)の量ならびに相対的な投与のタイミングは、所望の複合的な治療効果を成し遂げるように選択されるであろう。従って、さらなる態様では、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩と、少なくとも1つの他の薬学的に活性な薬剤とを含む組み合わせが提供される。
従って、1つの態様では、本発明に係る、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩、および式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含む医薬組成物は、例えば抗生物質、抗ウイルス薬、グルココルチコステロイド、ムスカリンアンタゴニストおよびβ−2アゴニストから選択される1以上の他の治療薬と組み合わせて使用され得、またはこのような1以上の他の治療薬を含み得る。
吸入経路、静脈内経路、経口経路または鼻腔内経路によって通常投与される他の治療薬と組み合わせて式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩が投与されるとき、得られる医薬組成物は同じ経路によって投与され得ることは理解されるであろう。あるいは、その組成物の個々の構成成分は、異なる経路によって投与され得る。
本発明の1つの実施形態は、1つまたは2つの他の治療薬を含む組み合わせを包含する。
適宜、上記他の治療成分(1つまたは複数)の活性および/または安定性および/または物理的特徴(溶解性など)を最適化するために、その治療成分は、例えばアルカリ金属塩もしくはアミン塩として、または酸付加塩としての塩の形態で、またはプロドラッグ、またはエステル、例えば低級アルキルエステルとして、または溶媒和物、例えば水和物として使用され得ることは、当業者には明らかであろう。適宜、この治療成分は純粋であってもよい形態で使用され得ることも明らかであろう。
上記の組み合わせは、医薬組成物の形態で使用のために提供されることが便利であり得、従って、薬学上許容可能な希釈剤または担体と一緒に、上で定義された組み合わせを含む医薬組成物は本発明のさらなる態様を表す。
式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩は、以下に記載される方法によって、または類似の方法によって調製され得る。従って、以下の中間体および実施例は、式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な塩の調製を例証する働きをするが、決して、本発明の範囲を限定すると考えられるべきではない。
中間体および実施例
以下の非限定的な実施例は本発明を例証する。
分析用HPLCを2種類の装置で行った。
a)水の中の0.1% HCO2Hおよび0.01M 酢酸アンモニウム(溶媒A)、および水の中の95% アセトニトリルおよび0.05% HCO2H(溶媒B)を用いて、3ml/分の流量で、0−0.7分 0%B、0.7−4.2分 0→100%B、4.2−5.3分 100%B、5.3−5.5分 100→0%Bの溶出グラジエントを使用して溶出するSupelcosil LCABZ+PLUSカラム(3μm、3.3cm×4.6mm内径)にて。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレー正イオン化[(ES+ve、[M+H]+および[M+NH4]+分子イオンを与える]またはエレクトロスプレー負イオン化[(ES−ve、[M−H]−分子イオンを与える]モードを使用してFisons VG Platform質量分析装置で記録した。この装置から得た分析データは、以下の形式で与えられる:[M+H]+または[M−H]−。
b)水の中の0.01M 酢酸アンモニウム(溶媒A)および100% アセトニトリル(溶媒B)を用いて、5ml/分の流量で、0−4分 0→100% B、4−5分 100% Bの溶出グラジエントを使用して溶出するChromolith Performance RP 18カラム(100×4.6mm内径)にて。質量スペクトル(MS)は、大気圧化学正イオン化[AP+ve、MH+分子イオンを与える]または大気圧化学負イオン化[AP−ve、(M−H)−分子イオンを与える]モードを使用してmicromass Platform−LC質量分析装置で記録した。この装置から得た分析データは、以下の形式で与えられる:両方の質量分析源を特定するために、頭文字APCIを前に付けた[M+H]+または[M−H]−。
LC/HRMS: 水の中の0.01M 酢酸アンモニウム(溶媒A)および100% アセトニトリル(溶媒B)を用いて、1.3ml/分の流量で、0−0.5分 5% B、0.5−3.75分 5→100% B、3.75−4.5 100% B、4.5−5 100→5% B、5−5.5 5% Bの溶出グラジエントを使用して溶出するUptisphere−hscカラム(3μm 33×3mm内径)で分析用HPLCを行った。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレー正イオン化[ES+ve、MH+分子イオンを与える]またはエレクトロスプレー負イオン化[ES−ve、(M−H)−分子イオンを与える]モードを使用してmicromass LCT質量分析装置で記録した。
質量分析を指標とするauto−prep HPLCは、物質が、水の中の0.1% HCO2Hおよび95% MeCN、5% 水(0.5% HCO2H)を用いて、8ml/分の流量で、0−1.0分 5%B、1.0−8.0分 5→30%B、8.0−8.9分 30%B、8.9−9.0分 30→95%B、9.0−9.9分 95%B、9.9−10分 95→0%Bのグラジエント溶出条件を利用して、HPLCABZ+ 5μmカラム(5cm×10mm内径)で、高性能液体クロマトグラフィーによって精製される方法を指す。Gilson 202フラクションコレクターは、注目する質量を検出した際に、VG Platform質量分析装置によって起動された。
TLC(薄層クロマトグラフィー)は、シリカゲル60 F254でコーティングされたMerckによって販売されているTLCプレートの使用を指す。
LC/MS方法
分析用HPLCは、水の中の0.01M 酢酸アンモニウム(溶媒A)および100% アセトニトリル(溶媒B)を用いて、1.1ml/分の流量で、0−4分 0−100% B、4−5分 100% Bの溶出グラジエントを使用して溶出するX−Terra MS C18カラム(2.5μm 30×3mm内径)で行った。質量スペクトル(MS)は、大気圧化学正イオン化[AP+ve、MH+分子イオンを与える]または大気圧化学負イオン化[AP−ve、(M−H)−分子イオンを与える]モードを使用してmicromass Platform−LC質量分析装置で記録した。
LC/HRMS
分析用HPLCは、水の中の0.01M 酢酸アンモニウム(溶媒A)および100% アセトニトリル(溶媒B)を用いて、1.3ml/分の流量で、0−0.5分 5% B、0.5−3.75分 5−100% B、3.75−4.5 100% B、4.5−5 100−5% B、5−5.5 5% Bの溶出グラジエントを使用して溶出するUptisphere−hscカラム(3μm 33×3mm内径)で行った。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレー正イオン化[ES+ve、MH+分子イオンを与える]またはエレクトロスプレー負イオン化[ES−ve、(M−H)−分子イオンを与える]モードを使用してmicromass LCT質量分析装置で記録した。
LCMS
a)方法 ギ酸塩
LC条件
UPLC分析は、40℃で、Acquity UPLC BEH C18カラム(50mm×2.1mm、内径 1.7μm 充填直径)で行った。
用いた溶媒は以下のとおりであった。
A=水の中のギ酸の0.1% v/v 溶液
B=アセトニトリル中のギ酸の0.1% v/v 溶液
用いたグラジエントは以下のとおりである。
UV検出は、210nm−350nmの波長からの総和シグナルであった。
b)方法 HpH
LC条件
UPLC分析は、40℃で、Acquity UPLC BEH C18カラム(50mm×2.1mm、内径1.7μm 充填直径)で行った。
用いた溶媒は以下のとおりであった。
A=アンモニア溶液を用いてpH10に調整した水の中の10mM炭酸水素アンモニウム
B=アセトニトリル
用いたグラジエントは以下のとおりである。
UV検出は、210nm−350nmの波長からの総和シグナルであった。
MDAP方法論
方法 ギ酸塩
LC条件
HPLC分析は、周囲温度で、Sunfire C18カラム(100mm×19mm、内径 5μm 充填直径)またはSunfire C18カラム(150mm×30mm、内径 5μm 充填直径)のいずれかで行った。
用いた溶媒は以下のとおりであった。
A=水の中のギ酸の0.1% v/v 溶液
B=アセトニトリル中のギ酸の0.1% v/v 溶液
20ml/分(100mm×19mm、内径 5μm 充填直径)または40ml/分(150mm×30mm、内径 5μm 充填直径)の流量で、15または25分(延長したラン)のいずれかにわたるグラジエントとして実行した。
UV検出は、210nm−350nmの波長からの総和シグナルであった。
以下に示す手順では、各出発物質のあと、典型的には、数字による中間体への言及が行われる。これは、化学の当業者への助けだけのために与えられる。出発物質は、必ずしも、言及されたバッチから調製されていなくてもよい。
当業者に理解されるであろうように、「類似の」手順の使用に言及される場合、このような手順は、小さな変更、例えば反応温度、試薬/溶媒量、反応時間、ワークアップ条件またはクロマトグラフィーによる精製条件が伴い得る。
中間体1:4−ヨード−3,5−ジメチルイソオキサゾール
硝酸(13ml)を3,5−ジメチルイソオキサゾール(31.3g、320mmol)およびヨウ素(37.3g、150mmol)の混合物に滴下し(発熱反応)、この混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物を氷および水の混合物で加水分解し、DCMで抽出した。有機相をNa2S2O3の溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、標記の化合物を黄色固体(60g、83%)として得た。[APCI MS] m/z:224 MH+、Rt 2.17分。
中間体2:3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)アニリン
DME(600ml)中の4−ヨード−3,5−ジメチルイソオキサゾール(調製については中間体1を参照のこと。142g、640mmol、1当量)および(3−アミノフェニル)ボロン酸(100g、640mmol、1当量)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18.5g、16mol)および水(750ml)中のNa2CO3(203.5g,192mmol、3当量)の溶液を加えた。この混合物を、還流下で24時間加熱した。この反応を完結させるために中間体1(0.2当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5g)を加え、この混合物を一晩還流させた。冷却した混合物を水の中へと注ぎ込み、DCMで抽出した。有機相を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過した。真空中で溶媒をエバポレートして粗製油状物を得て、これを、iPr2Oを用いて沈殿させ、標記の化合物をベージュ色の固体(102g、85%)として得た。[ES−MS] m/z:189 MH+、Rt 2.20分。
中間体3:3,5−ジメチル−4−[2−(メトキシ)−5−ニトロフェニル]イソオキサゾール
DME(44ml)および水(7ml)中の2−ヨード−1−(メトキシ)−4−ニトロベンゼン(2g、7.17mmol、1当量)および(3,5−ジメチルイソオキサゾール)ボロン酸(3.03g、21.5mmol、3当量)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.415g、0.05当量)およびBa(OH)2.8H2O(4.52g,14.33mmol、2当量)を加えた。この混合物を80℃で16時間加熱した。この反応を完結させるために(3,5−ジメチルイソオキサゾール)ボロン酸(1当量)を加え、この混合物を4時間加熱した。冷却した混合物をろ過し、DCMで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過した。真空中で溶媒をエバポレートして粗製油状物を得て、これを、iPr2Oを用いて沈殿させ、標記の化合物を赤褐色固体(1.735g、97%)として得た。GC/MS m/z:248。
中間体4:3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−(メトキシ)アニリン
エタノール中(170ml)中の3,5−ジメチル−4−[2−(メトキシ)−5−ニトロフェニル]イソオキサゾール(調製については中間体3を参照のこと。1.7g、6.85mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(炭素上10%、85mg)を加え、この反応液を水素下で4時間撹拌した。AcOH(1.7ml)を加え、この反応液を20時間水素化した。ろ過後、溶媒を真空中でエバポレートした。粗製化合物をDCMに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、エバポレートした。標記の化合物を赤色油状物(1.38g、88%)として得た。GC/MS m/z:218。
中間体5:({[3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)フェニル]アミノ}メチリデン)−プロパン二酸ジエチル
3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)アニリン(調製については中間体2を参照のこと。80g、420mmol)およびエトキシメチレンマロン酸ジエチル(92g、425mmol)を一緒に混合し、130℃に20分間加熱し、エタノールを遊離させ、これを減圧下でエバポレートした。この反応混合物をiPr2O(1L)の中へと注ぎ込み、生成した沈殿物をろ過して分け、iPr2Oで洗浄した。得られた固体をアセトニトリルから再結晶し、標記の化合物を褐色の固体(78g、52%)として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO,ppm) δ : 10.8(d,J=13.9Hz,1H),8.50(d,J=13.9Hz,1H),7.62−7.41(m,3H),7.26(d,J=7.7Hz,1H),4.3(q,J=7.2Hz,2H),4.21(q,J=7.2Hz,2H),2.51(s,3H),2.34(s,3H),1.35(t,J=7.2Hz,3H),1.33(s,J=7.2Hz,3H)。
中間体7:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−ヒドロキシ−3−キノリンカルボン酸エチル
({[3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)フェニル]アミノ}メチリデン)−プロパン二酸ジエチル(調製については中間体5を参照のこと。75g、210mmol)を沸騰ジフェニルエーテル(1L)に懸濁させ、30分間加熱して還流させた。この反応混合物を冷却し、iPr2Oを用いて沈殿させ、標記の化合物を茶色粉末(50g、76%)として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ: 12.45(brs,1H),8.76(s,1H),8.34(d,J=8.6Hz,1H),7.76(s,1H),7.59(d,J=8.6Hz,1H),4.36(q,J=7.1Hz,2H),2.62(s,3H),2.43(s,3H),1.43(s,J=7.1Hz,3H)。
中間体9:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−ヒドロキシ−3−キノリンカルボキシレート
水酸化ナトリウム 1N(80ml)の水溶液中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−ヒドロキシ−3−キノリンカルボン酸エチル(調製については中間体7を参照のこと。5.5g、17.6mmol)の懸濁液を5時間加熱して還流させた。この反応混合物をHCl 1Nで処理し、得られた白色沈殿物をろ過し、MeOHを用いて取り込み、乾固するまで濃縮し、標記の化合物を黄色粉末(4.27g、85.3%)として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO,ppm) δ : 8.81(brs,1H),8.22(d,J=8.5Hz,1H),7.72(brs,1H),7.52(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),2.36(s,3H),2.16(s,3H)。
中間体11:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−キノリノール
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−ヒドロキシ−3−キノリンカルボキシレート(調製については中間体9を参照のこと。10g、35.21mmol)を、少量ずつ沸騰ジフェニルエーテル(200ml)に懸濁させ、2時間還流させた。この反応混合物を、0℃でヘキサン(500ml)の中へと注ぎ込み、沈殿物をろ過し、ヘキサンで数回洗浄し、標記の化合物を白色固体(6.8g、86%)として得た。[APCI−MS] m/z:240 MH+、Rt 1.89分。1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm) δ : 12.44(brs,1H),8.67(d,J=8.5Hz,1H),8.10(d,J=7.2Hz,1H),7.80(s,1H),7.62−7.55(m,1H),7.25(d,J=8.5Hz,1H),6.61(d,J=7.4Hz,1H),2.64(s,3H),2.49(s,3H)。
中間体12:5−({[3−ヨード−4−(メトキシ)フェニル]アミノ}メチリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン
2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(203g、1.4mol)およびトリメトキシメタン(1.5l)の混合物を1時間加熱して還流させ、次に3−ヨード−4−メトキシ−アニリン(349.2g、1.402mol)を少しずつ加えた。この反応混合物を還流状態で1時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。得られた沈殿物をろ過して分け、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥し、標記の化合物をベージュ色粉末(485g、85.9%)として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ : 11.2(d,J=14.6Hz,1H),8.50−8.39(m,1H),8.05(d,J=2.7Hz,1H),7.60(dd,J=8.9,2.7Hz,1H),7.05(d,J=8.9Hz,1H),3.84(s,3H),1.67(s,6H)。
中間体13:6−ヨード−7−(メトキシ)−1−キノリノール
5−({[3−ヨード−4−(メトキシ)フェニル]アミノ}メチリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(調製については中間体12を参照のこと。200g、0.496mol)を、260℃でジフェニルエーテル(2l)に加えた。この反応混合物を260℃で10分間撹拌した。次いでこの黒色溶液を100℃で冷却し、予め0℃に冷却したジイソプロピルエーテル(8l)の中へと注ぎ込んだ。沈殿物をろ過して分け、シクロヘキサン(1l)の中へと注ぎ込み、次いで1時間加熱して還流させた。固体をろ過して分け、メタノール(250ml)の中へと注ぎ込み、45℃で15分間加熱した。次にこの固体をろ過して分け、パレットポンプ(pallets pump)で乾燥し、標記の化合物(105g、70%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ 1H NMR(300MHz,D6DMSO,ppm) δ: 8.07(s,1H),7.88(d,J=7.3Hz,1H),7.45(s,1H),6.06(d,J=7.3Hz,1H),3.90(s,3H)。
中間体14:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−キノリノール
3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−ボロン酸(49.2g、0.349mol)およびBa(OH)2.8H2O(91.8g、0.291mol、Acros)を、水(180ml))および1,2−ジメトキシエタン(600ml)の混合物中の中間体13(35g、0.116mol)の溶液に加えた。この反応液を窒素下に15分間置き、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加えた(4.1g、3.55mmol、Aldrich)。この反応混合物を105℃で一晩撹拌した。室温で冷却後、この混合物を水の中へと注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。水層を、濃HClを用いてpH 7まで酸性にし、酢酸エチルで抽出した。この水層を、水酸化ナトリウム 5Nを用いてpH 10まで塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥した。次にこの粗製の褐色の油状物を、DCM/MeOH(9:1)を用いて溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、標記の化合物を褐色の固体(31.4g、43.9%)として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ: 11.72(bs,1H),7.88(d,J=7.7Hz,1H),7.61(s,1H),7.42(s,1H),6.03(d,J=7.3Hz,1H),3.86(s,3H),2.31(s,1H),2.11(s,1H)。
中間体15:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−3−ニトロ−4−キノリノール
プロパン酸(442ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−キノリノール(調製については中間体11を参照のこと。8.5g、35mmol)の溶液に、室温で硝酸(7ml)を加え、次にこの反応混合物を125℃に2時間加熱した。冷却後、この混合物をろ過し、イソプロピルエーテルで洗浄し、標記の化合物を黄色固体(7.5g、75%)として得た。[APCI−MS] m/z:283 [M−H]−、Rt 2.41分。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ : 13.01(brs,1H),9.28(s,1H),8.33(d,J=8.3Hz 1H),7.73(s,1H),7.57(d,J=8.3Hz,1H),2.50(s,3H),2.31(s,3H)。
中間体16:4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−3−ニトロキノリン
POCl3(50ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−3−ニトロ−4−キノリノール(調製については中間体15を参照のこと。5g、17mmol)の懸濁液を一晩還流させた。冷却後、溶媒を真空中でエバポレートした。得られた残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ込み、DCMで抽出し、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下でエバポレートし、標記の化合物を薄褐色の固体(4g、75%)として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm) δ : 9.23(s,1H),8.45(d,J=8.9Hz,1H),8.04(d,J=1.5Hz,1H),7.67(dd,J=8.9,1.5Hz,1H),2.47(s,3H),2.32(s,3H)。
中間体17:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロ−4−キノリノール
硝酸(10ml)を、室温で、プロパン酸(450ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−キノリノール(調製については中間体14を参照のこと。(28g、104mmol)の溶液にゆっくり加えた。次にこの反応混合物を100℃に1時間加熱した。氷浴を用いて冷却した後、沈殿物をろ過して分け、ペンタンで洗浄し、標記の化合物を黄色粉末(27g、82%)として得た。[APCI−MS] m/z:314 [M−H]−、Rt 2.12分。1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ : 13.06(s,1H),9.26(s,1H),7.84(s,1H),7.67(s,1H),3.98(s,3H),2.39(s,3H),2.19(s,3H)。
中間体18:4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロキノリン
POCl3(20ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロ−4−キノリノール(調製については中間体17を参照のこと。5g、16mmol)の懸濁液を一晩還流させた。冷却後、この混合物を乾固するまでエバポレートした。得られた残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ込み、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下でエバポレートし、標記の化合物を薄茶色の粉末(5g、94%)として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ: 9.27(s,1H),8.15(s,1H),7.73(s,1H),4.05(s,3H),2.36(s,3H),2.16(s,3H)。
中間体19:N−[2−(tert−ブチル)フェニル]−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−3−ニトロ−4−キノリンアミン
CH3CN(20ml)中の、4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−3−ニトロキノリン(調製については中間体16を参照のこと。)(2.2g、7.2mmol)および2−tert−ブチルアニリン(1.2g、8mmol)の混合物を1時間還流させた。溶媒を真空中でエバポレートし、残渣を水酸化ナトリウム Nの水溶液で処理し、DCMで抽出し、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。残渣を、DCM/MeOH(99:1)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、標記の化合物を黄色固体(2.4g、80%)として得た。[APCI−MS] m/z:417 MH+、Rt 3.73分。NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ : 9.87(brs,1H),8.92(s,1H),8.34(d,J=8.7Hz,1H),7.82(s,1H),7.50(d,J=8.9Hz,1H),7.25−6.91(m,4H),2.32(s,3H),2.15(s,3H)。
中間体28:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−N
4−(フェニルメチル)−3,4−キノリンジアミン
エタノール(60ml)およびTHF(20ml)の混合物中のN−[2−(tert−ブチル)フェニル]−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−3−ニトロ−4−キノリンアミン(中間体19を参照、2.4g、5.77mmol)の溶液にSnCl2,2H2O(7.81g、34.6mmol)を加えた。この反応混合物を3時間還流させ、次いで乾固するまで濃縮した。得られた残渣を水酸化ナトリウム水溶液の中へと注ぎ込んだ。有機相をEtOAcで抽出し、水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、標記の化合物を黄色固体(2g、71%)として得た。[APCI−MS] m/z:387 MH+、Rt 3.37分。
以下の中間体を、対応するニトロ誘導体から中間体28と同様にして調製した。
中間体37:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−N
4−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−3,4−キノリンジアミン
CH3CN(20ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロキノリン(調製については中間体18を参照のこと。0.4g、1.2mmol)および(1R)−1−(2−ピリジニル)エタンアミン(2当量、0.293g)の混合物を60℃で2時間加熱した。この混合物をDCMで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下でエバポレートし、残渣をジエチルエーテルの中に取り込んだ。沈殿物をろ過して分け、真空中で乾燥して7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロ−N−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−4−キノリンアミン(0.4g)を得て、これを、精製せずに次の工程で使用した。
エタノール(20ml)およびHCl(3.8ml)の混合物中のこの中間体(0.4g、0.95mmol)の溶液にSnCl2.2H2O(0.89g、3.96mmol)を加えた。この反応混合物を40℃に1時間加熱し、次に水酸化ナトリウム Nで加水分解し、DCMで抽出した。有機相を水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5)によって精製し、得られた化合物をジイソプロピルエーテルの中で粉末にし、標記の化合物を茶色粉末(0.25g、53.5%)として得た。[APCI−MS] m/z:390 MH+、Rt 2.62分。1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ : 8.54(d,J=4.7Hz,1H),8.30(s,1H),7.73(dd,J=7.8,7.6Hz,1H),7.52(s,1H),7.52−7.48(m,1H),7.33(s,1H),7.27−7.21(m,1H),5.29−5.10(m,3H),3.81(s,3H),2.28(s,3H),2.08(s,3H),1.56(d,J=6Hz,3H)。
中間体38:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−N
4−(2−ピリジニルメチル)−3,4−キノリンジアミン
CH3CN(30ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロキノリン(調製については中間体18を参照のこと。2.5g、7.5mmol)および2−アミノメチルピリジン(2当量、1.41g)の混合物を60℃で2時間加熱した。この混合物をDCMで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下でエバポレートし、残渣をジエチルエーテルの中に取り込んだ。沈殿物をろ過して分け、真空中で乾燥し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロ−N−(2−ピリジニルメチル)−4−キノリンアミン(2.5g)を得て、これを、精製せずに次の工程で使用した。
エタノール(20ml)およびHCl(3.8ml)の混合物中のこのニトロ中間体(2.5g、24.82mmol)の溶液に、SnCl2.2H2O(5.6g、24.82mmol)を少しずつ加えた。この反応混合物を40℃に1時間加熱し、次に水酸化ナトリウム Nで加水分解し、およびDCMで抽出した。有機相を水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、標記の化合物を茶色粉末(0.5g、17.8%)として得た。(APCI−MS) m/z:376 MH+、Rt 2.46分。1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ: 8.56(d,1H),8.29(s,1H),7.77(dd,J=7.8,7.6Hz,1H),7.54(s,1H),7.53−7.51(m,1H),7.31−7.25(m,1H),5.31(s,2H),4.46(d,J=7.2Hz,2H),3.78(s,3H),2.28(s,3H),2.09(s,3H)。
中間体39:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−N
4−[(1R)−1−フェニルエチル]−3,4−キノリンジアミン
CH3CN(30ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロキノリン(調製については中間体18を参照のこと。2.5g、7.5mmol)および(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(2当量、1.82g、Aldrich)の混合物を60℃で2時間加熱した。この混合物をDCMで抽出した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下でエバポレートし、残渣をジエチルエーテルの中に取り込んだ。沈殿物をろ過して分け、真空下で乾燥し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロ−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−4−キノリンアミン(2.5g)を得て、これを、精製せずに次の工程で使用した。
エタノール(20ml)およびHCl(3.8ml)の混合物中のこのニトロ中間体(2.5g、24.82mmol)の溶液に、SnCl2.2H2O(5.6g、24.82mmol)を少しずつ加えた。この反応混合物を40℃に1時間加熱し、次に水酸化ナトリウム Nで加水分解し、DCMで抽出した。有機相を水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、標記の化合物を茶色粉末(0.5g、17%)として得た。(APCI−MS) m/z:389 MH+、Rt 2.95分。
中間体40:4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−キノリンカルボキシアミド
POCl3(250ml)中の中間体10(27.7g、0.079mol)および10滴の無水DMFの混合物を5時間還流させた。次に、この混合物を真空下で乾固するまで濃縮した。残渣を100mlのトルエンで2回処理し、乾固するまでエバポレートし、POCl3を最後まで除去した。得られた乾燥したフォーム状物を、氷浴を用いて0/5℃に冷却したアンモニアの水溶液(25%、300ml)に、少しずつ加えた。添加終了後、激しい撹拌をこの温度で1時間維持した。次に、茶色固体物質をろ過して分け、水(3×200ml)、ジイソプロピルエーテル(2×200ml)およびペンタン(100ml)でそれぞれ洗浄し、乾燥後に粗生成物を得た。この物質を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液=CH2Cl2/MeOH、95/5)によって精製し、標記の化合物(16.8g、64.7%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm) δ : 8.96(s,1H),7.86(s,1H),7.54(s,1H),3.95(s,3H),2.30(s,3H),2.15(s,3H)。
中間体41:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−クロロ−3−キノリンカルボン酸エチル
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−ヒドロキシ−3−キノリンカルボン酸エチル(調製については中間体7を参照のこと。20g、64.04mmol)を塩化チオニル(326ml)と反応させ、一晩加熱して還流させた。過剰の塩化チオニルをトルエンと共エバポレートした。粗生成物をiPr2Oで粉末にし、ろ過し、標記の化合物を茶色粉末(20.15g、95%)として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO,ppm) δ: 9(s,1H),8.2(d,1H),8.0(s,1H),7.8(d,1H),4.25(q,2H),2.2(s,3H),2.1(s,3H),1.2(t,3H)。
中間体42:4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−キノリンカルボン酸エチル
中間体8(5g、14.62mmol)をオキシ塩化リン(50ml)と反応させ、一晩加熱して還流させた。過剰のオキシ塩化リンをトルエンとともにエバポレートした。粗生成物を1N 水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、DCMで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下でエバポレートし、標記の化合物を褐色の固体(5.1g、96.9%)として得た。
APCI−MS: m/z 361 MH+、Rt=3.31分。
中間体43:4−{[2−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]アミノ}−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−キノリンカルボン酸エチル
ジオキサン(50ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−キノリンカルボン酸エチル(調製については中間体42を参照のこと。(3.3g、9.2mmol)および2−tert−ブチルアニリン(2.7ml、18.4mmol)の混合物を2日間還流させた。冷却後、この反応混合物を減圧下でエバポレートし、沈殿物を、DCM/MeOH(95/5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、標記の化合物を固体(1.2g、27.7%)として得た。
HRMSターゲット質量:474.2393 MH+。実測値:474.2379;Rt 3.82分。
以下の中間体を、中間体43と同様にして中間体42から調製した。
中間体49:4−{[2−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]アミノ}−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−キノリンカルボン酸塩酸塩
エタノール中の4−{[2−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]アミノ}−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−キノリンカルボン酸エチル(調製については中間体43を参照のこと。1.2g、2.54mmol)および1N 水酸化ナトリウム(3ml)の混合物を、1日加熱して還流させた。この反応混合物を濃縮し、水の中に取り込み、1N HClを用いて中和した。沈殿物をろ過し、乾燥し、標記の化合物を黄色粉末(0.96g、85%)として得た。C26H27N3O4について算出したLC/HRMSターゲット質量:446.2080 MH+。実測値:446.2038;Rt 2.39分。
以下の中間体を、対応するエステル誘導体から中間体49と同様にして調製した。
中間体55:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−{[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]アミノ}−3−キノリンカルボキシアミド
4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体56を参照のこと。50g、151mmol)および[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]アミン(35.3g、181mmol、NetChem)を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、250ml)に溶解させた。DIPEA(79ml、452mmol)を加え、この溶液を120℃で一晩加熱し、冷却し、酢酸エチル(1l)で希釈した。この溶液を水(2×1l)、ブライン(500ml)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒をエバポレートし、暗茶色のガム状物を得た。水性洗液をDCM(2×600ml)で抽出した。合わせた抽出液を飽和ブライン(300ml)および水(1l)の混合物で洗浄すると、濃厚なエマルジョンが得られ、このエマルジョンは分離するのに約2時間かかった。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、エバポレートすると、茶色の液体が残った。この液体を酢酸エチル(200ml)に溶解させ、水(2×200ml)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、エバポレートし、茶色のガム状物を得た。この物質をこれまでの茶色のガム状物と合わせ、DCM(150ml)に溶解させ、シリカカラム(750g)にロードし、これを、メタノール中の2M アンモニア/DCMグラジエント(0−12%)を用いて溶出して、真空中で溶媒をエバポレートした後に、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−{[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]アミノ}−3−キノリンカルボキシアミドをベージュ色フォーム状物(45.1g)として得た。さらに精製することなくあとの工程(実施例36)で使用した。
1H NMR CDCl3: δH 9.44(1H,d),8.71(1H,s),8.62(1H,d),7.74(1H,m),7.68(1H,s),7.65(1H,d),7.34(1H,s),7.23(1H,m),6.06(2H,b),5.36(1H,m),3.51(3H,s),2.32(3H,s),2.17(3H,s),1.73(3H,d,一部は水に隠れている)。
カラムからの混合分画を集め、エバポレートし、茶色のガム状物を得た。これをDCM(20ml)に溶解させ、シリカカラム(330g)にロードし、メタノール中の2M アンモニア/DCMグラジエント(0−10%)を用いて溶出して、溶媒のエバポレート後に7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−{[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]アミノ}−3−キノリンカルボキシアミドをベージュ色のガム状物(3.4g)として得た。
1H NMR CDCl3: δH 9.44(1H,d),8.71(1H,s),8.62(1H,d),7.74(1H,m),7.68(1H,s),7.65(1H,d),7.34(1H,s),7.23(1H,m),6.07(2H,b),5.36(1H,m),3.51(3H,s),2.32(3H,s),2.17(3H,s),1.73(3H,d,一部は水に隠れている)。
LCMS(方法HpH):MH+ 418、Rt 0.87分。
中間体56:4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボン酸(調製については中間体57を参照のこと。54g、172mmol)をオキシ塩化リン(80ml、859mmol)の中で4時間加熱し、次に室温まで冷却し、一晩放置した。この混合物を乾固するまで真空中で濃縮し、茶色残渣をトルエン(2×300ml)と共沸させた。得られた暗茶色のガム状物を、加熱および超音波処理を施しながらTHF(300ml)に溶解させ、得られた溶液を、氷浴で冷却しながら、水酸化アンモニウム(33% w/w、500ml)に滴下した。この混合物を30分間撹拌し、次に半分の体積まで濃縮し、水(100ml)で希釈し、得られた暗褐色の固体をろ過によって集めた。この固体を水(100ml)で洗浄し、真空下、50℃で3日間乾燥し、4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミドを褐色の固体(50.8g)として得た。
1H NMR D6−DMSO: δH 8.75(1H,s),8.19(1H,bs),8.01(1H,s),7.98(1H,bs),7.62(1H,s),4.00(3H,s),2.34(3H,s),2.14(3H,s)。
LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 332/334、Rt 0.76分。
中間体57:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボン酸
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−ヒドロキシ−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボン酸エチル(調製については中間体58を参照のこと。70.2g、205mmol)を、エタノール(200ml)および水酸化ナトリウム(2M、308ml、615mmol)の混合物に懸濁させ、この混合物を還流状態で一晩加熱した。この反応液を真空中で約200mlまで濃縮し、水(500ml)で希釈した、得られた溶液を酢酸エチル(200ml)で洗浄した。水相を、塩酸(1M)を用いてpH4まで酸性にし、得られた懸濁液を10分間激しく撹拌した。固体をろ過によって集め、水(200ml)で洗浄し、真空中、40℃で一晩乾燥し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−ヒドロキシ−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボン酸をベージュ色の固体(54.7g)として得た。さらに精製することなく使用した。
1H NMR D6−DMSO: δH 15.51(1H,s),13.36(1H,b),8.88(1H,s),7.77(1H,s),7.71(1H,s),3.94(3H,s),2.33(3H,s),2.13(3H,s)。
LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 315、Rt 0.80分。
中間体58:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−ヒドロキシ−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボン酸エチル
({[3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}メチリデン)プロパン二酸ジエチル(調製については中間体59を参照のこと。50g、129mmol)を、15分にわたって、沸騰ジフェニルエーテル(300ml)(温度約255℃)に少量ずつ加えた。この混合物をさらに30分加熱し、この混合物を50℃まで冷却した。この反応液をシクロヘキサン(300ml)で希釈し、さらに冷却し、濃厚なタール状の残渣を得た。上澄み溶媒をデカンテーションし、残渣を酢酸エチル(300ml)中で20分間、還流状態で加熱し、次にシクロヘキサン(200ml)で希釈し、室温まで冷却した。固体残渣をろ過によって集め、ジエチルエーテル(200ml)で洗浄し、真空中、40℃で乾燥し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−ヒドロキシ−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボン酸エチルを茶色粉末(28.1g)として得た。あとの反応(中間体57)では、さらに精製することなく使用した。
1H NMR D6−DMSO: δH 12.28(1H,s),8.55(1H,s),7.69(1H,s),7.51(1H,s),4.22(2H,q),3.88(3H,s),2.31(3H,s),2.11(3H,s),1.29(3H,t)。
中間体59:({[3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}メチリデン)プロパン二酸ジエチル
[3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−(メチルオキシ)フェニル]アミン(調製については中間体60を参照のこと。27.4g、126mmol)を[(エチルオキシ)メチリデン]プロパン二酸ジエチル(27.1g、126mmol)に溶解させ、130℃に加熱した。この溶液を1時間加熱し、次に室温まで冷却し、真空中で乾固するまで濃縮し、({[3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}メチリデン)プロパン二酸ジエチル(50.1g)を得た。この化合物は、一晩放置した後には茶色の結晶性の固体となった。
1H NMR CDCl3: δH 11.02(1H,d),8.44(1H,d),7.16(1H,dd),6.98(1H,d),6.91(1H,d),4.34−4.22(4H,m),3.81(3H,s),2.32(3H,s),2.17(3H,s),1.40−1.31(6H,m)。
LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 389、Rt 1.17分。
中間体60:[3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−(メチルオキシ)フェニル]アミン
3,5−ジメチル−4−[2−(メチルオキシ)−5−ニトロフェニル]イソオキサゾール(調製については中間体61を参照のこと。68g、274mmol)を酢酸エチル(1l)に溶解させ、この溶液を亜硫酸ナトリウム溶液(5%、500ml)で洗浄した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、3cmのシリカゲルのパッドに通してろ過した。ろ液をエタノール(1l)で希釈し、5lの窒素/真空パージした水素化フラスコの中のPd/C(E101 タイプ NO/W、10g)に、真空下で加えた。この混合物を24時間撹拌した。この混合物を真空/窒素サイクル(×3)でパージし、窒素下でセライトに通してろ過し、ろ液を真空中でエバポレートし、[3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−(メチルオキシ)フェニル]アミン 3−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−(メチルオキシ)アニリン(62.3g)を得た。
1H NMR CDCl3: δH 6.82(1H,d),6.71(1H,dd),6.50(1H,d),3.71(3H,s),3.46(2H,b),2.31(3H,s),2.18(3H,s)。
LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 219、Rt 0.48分。
中間体61:3,5−ジメチル−4−[2−(メチルオキシ)−5−ニトロフェニル]イソオキサゾール
3−ヨード−4−(メトキシ)ニトロベンゼン(65g、233mmol、Matrix Scientific)、(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)ボロン酸(36.1g、256mmol)および炭酸セシウム(152g、466mmol)をDME(80ml)および水(40ml)と合わせ、この混合物を、窒素を用いて10分脱気し、次にPEPPSI(商標)触媒(3.96g、5.82mmol)を加え、この混合物を90℃で4時間加熱し、次に冷却し、酢酸エチル(800ml)で希釈した。得られた懸濁液をセライトに通してろ過し、ろ液を水(2×500ml)で洗浄した。溶媒を乾燥し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、エバポレートし、褐色の固体を得、これをエーテル(30ml)を用いて粉末にした。この固体生成物をエーテル(100ml)で洗浄し、3,5−ジメチル−4−[2−(メチルオキシ)−5−ニトロフェニル]イソオキサゾールをベージュ色の固体(48.2g)として得た。
1H NMR CDCl3: δH 8.30(1H,dd),8.06(1H,d),7.07(1H,d),3.94(3H,s),2.33(3H,s),2.17(3H,s)。LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 249、Rt 1.01分。
中間体62:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−{[1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)エチル]アミノ}−3−キノリンカルボキシアミド
4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体56を参照のこと。200mg、0.603mmol)および[1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)エチル]アミン(113mg)を、DIPEA(0.326ml、1.869mmol)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)(15ml)の混合物の中、120℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、水(300ml)で希釈し、酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層を水(300ml)およびブライン(200ml)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、エバポレートした。得られたガム状物をDCM(3ml)に溶解させ、シリカカートリッジ(100g)にロードし、次にこれを、2M メタノール性アンモニア/DCMグラジエント(0−12%)を用いて溶出して、生成物を含有する画分を真空中でエバポレートした後、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−{[1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)エチル]アミノ}−3−キノリンカルボキシアミド(110mg)を得た。
LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 421、Rt 0.62分。
中間体63:7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−6−メトキシ−N4−(ピリジン−2−イルメチル)キノリン−3,4−ジアミン
アセトニトリル(30ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロキノリン(調製については中間体18を参照のこと。2.5g)および(2−ピリジニルメチル)アミン(1.41g)の溶液を80℃で2時間加熱した。この混合物をDCMで抽出し、有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。残渣をジエチルエーテルの中に取り込み、ろ過し、真空下で乾燥した。残渣をエタノール(20ml)およびHCl(3.8ml、濃酸)に溶解させた。次に塩化スズ(II)二水和物(5.6g)を4回に分けて加え、この反応混合物を40℃で1時間撹拌した。この混合物を、水酸化ナトリウム(1N)を使用して加水分解し、DCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥した。この混合物をセライトに通してろ過し、乾固するまで濃縮した。粗生成物を、DCM/メタノール(56.5/3.5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−6−メトキシ−N4−(ピリジン−2−イルメチル)キノリン−3,4−ジアミン(500mg)を透明な茶色のフォーム状物として得た。
中間体64:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−N
4−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−3,4−キノリンジアミン
アセトニトリル(30ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロキノリン(調製については中間体18を参照のこと。400mg)および(R)−1−(ピリジン−2−イル)エタンアミン(293mg)の溶液を60℃で2時間加熱した。この反応混合物をDCMで抽出し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。得られた化合物をエーテルの中に取り込み、ろ過し、真空中で乾燥した。残渣をエタノール(20ml)およびHCl(3.8ml)に溶解させた。次に塩化スズ(II)二水和物(0.89g)を4回に分けて加え、この反応混合物を40℃で1時間撹拌した。この反応混合物を、水酸化ナトリウム(1N)の溶液を使用して加水分解した。この混合物をDCMで抽出し、この有機層をNa2SO4で乾燥し、セライトでろ過し、乾固するまで濃縮した。粗生成物を、DCM/MeOH(95/5)を用いて溶出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、得られた生成物をジイソプロピルエーテルの中に取り込み、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−N4−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−3,4−キノリンジアミン(250mg)を茶色粉末として得た。LC/MS: Rt 2.62分。
中間体65:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド
アセトニトリル(50ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体56を参照のこと。0.5g)の溶液に、アセトニトリル(10ml)中の[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]アミン(0.64g、Matrix Scientificから入手できる二塩酸塩)の溶液を加えた。この反応混合物を還流状態で3時間加熱し、その後もう1回分のアミン(0.5g)を加えた。この反応混合物を一晩還流させ、次に水の中へと注ぎ込んだ。この混合物相をDCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、乾固するまで濃縮し、黄色の粘着性のある固体を得た。これを、アセトニトリル中で再結晶し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(0.33g)を白色結晶として得た。
LC/MS: MH+ 438.06、[M−H]− 436.13。
中間体66:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−N
4−[1−(2−ピリジニル)エチル]−3,4−キノリンジアミン
アセトニトリル(30ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロキノリン(調製については中間体18を参照のこと。1g)および(2−ピリジニルメチル)アミン(810mg)の溶液を80℃で2時間加熱した。この混合物をDCMで抽出し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。粗製化合物をジエチルエーテルの中に取り込み、ろ過し、ろ液を真空下で乾燥した。
この固体をエタノール(20ml)および塩酸(3.8ml、濃酸)に溶解させた。塩化スズ(II)二水和物(5.6g)を4回に分けて加え、この反応液を40℃で1時間加熱した。この反応液を水酸化ナトリウム(1N)で加水分解し、DCMで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、セライトに通してろ過し、乾固するまでエバポレートした。残渣をDCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−N4−[1−(2−ピリジニル)エチル]−3,4−キノリンジアミン(600mg)を橙色油状物として得た。
中間体67:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(5−メチル−3−イソオキサゾリル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド
ブタノール(20ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体56を参照のこと。331mg)および[(5−メチル−3−イソオキサゾリル)メチル]アミン(2.5当量)の溶液を110℃に4時間加熱した。この反応混合物を乾固するまでエバポレートし、水で加水分解した。この混合物をDCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した(280mg)。精製せずにあとの反応(実施例52)で使用した。
中間体68:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−N
4−(2−チエニルメチル)−3,4−キノリンジアミン
シュレンク管中のアセトニトリル(10ml)の中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体56を参照のこと。1.5g)の磁気的に撹拌した溶液に、(2−チエニルメチル)アミン(1.53g)を加えた。このシュレンク管を密閉し、この反応混合物を80℃で24時間加熱した。水を、この反応液に加え、次に炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加えた。この混合物をDCMで抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。得られた粗製化合物を、DCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲル(25g)でのクロマトグラフィーによって精製し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−N4−(2−チエニルメチル)−3,4−キノリンジアミン(1.493g)をクリーム色の粉末として得た。LC/MS: MH+ 409.12、[M−H]− 407.17、Rt 2.70分。
中間体69:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−N−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−6−(メチルオキシ)−3−ニトロ−4−キノリンアミン
アセトニトリル中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−ニトロキノリン(調製については中間体18を参照のこと。1.5g)の溶液に、[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]アミン(1.6g)を加え、得られた混合物を80℃で一晩撹拌した。もう1回分のアミン(0.64g)を加え、この混合物を80℃で6時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥し、乾固するまで濃縮し、暗赤色油状物を得た。残渣を、DCM/メタノール(99:1、次に95:5)を用いて溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−N−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−6−(メチルオキシ)−3−ニトロ−4−キノリンアミン(1.13g)を橙色油状物として得た。
LC/MS: MH+ 440.05、[M−H]− 438.11。
中間体70:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−N
4−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−6−(メチルオキシ)−3,4−キノリンジアミン
エタノール中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−N−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−6−(メチルオキシ)−3−ニトロ−4−キノリンアミン(調製については中間体69を参照のこと。1.13g)の溶液に、塩酸(2ml、濃酸)を加えた。塩化スズ(II)二水和物(2.32g)を加え、この混合物を40℃で1時間撹拌した。この反応混合物を冷却し、水で希釈し、水酸化ナトリウム溶液(1N)を使用して塩基性にした。生成した沈殿物をセライトに通してろ過し、DCMで洗った。ろ液を水で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥し、乾固するまでエバポレートした。残渣を、DCM/メタノール(98:2、次に93:7)を用いて溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−N4−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−6−(メチルオキシ)−3,4−キノリンジアミン(0.6g)をベージュ色のフォーム状物として得た。
LC/MS: MH+ 410.10、[M−H]− 408.18。
中間体71:N−[7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシアミド
DCM(60ml)中のテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸(0.381g、中間体69)の溶液に、トリエチルアミン(0.41ml)、次にHATU(1.115g)を連続的に加え、得られた混合物を室温で20分撹拌した。7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−N4−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−6−(メチルオキシ)−3,4−キノリンジアミン(0.6g、中間体69)を加え、この混合物を周囲温度で一晩撹拌した。この反応混合物を水の中へと注ぎ込み、DCMで抽出した。有機相を希水酸化ナトリウム溶液で、次いで水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、乾固するまで濃縮した。粗製残渣を、DCM/メタノール(99:1、次に95:5)で溶出するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物をベージュ色の粘着性のある固体(0.71g)として得た。この固体を、熱ジイソプロピルエーテルを用いて粉末にし、N−[7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシアミド(0.6g)をクリーム色の結晶として得た。
LC−HRMS: ES+ C27H32N5O4S1についての計算精密質量 522.2175 MH+、実測値: 522.2225。
中間体72:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(5−メチル−2−フラニル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド
1,4−ジオキサン中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体56を参照のこと。200mg)および[(5−メチル−2−フラニル)メチル]アミン(200mg)の混合物を一晩加熱して還流させた。この反応混合物を、乾固するまでエバポレートし、残渣をDCMの中に取り込み、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、クロマトグラフィーによって精製し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(5−メチル−2−フラニル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(177mg)をベージュ色粉末として得た。
LC/MS: Rt 2.75、MH+ 406.99、[M−H]− 405.05。
実施例1:1−[2−(tert−ブチル)フェニル]−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−N4−(フェニルメチル)−3,4−キノリンジアミン(調製については中間体28を参照のこと。0.2g、0.52mmol)、Boc無水物(2g、9.17mmol)およびトリエチルアミン(0.1g)の混合物を80℃で2時間加熱した。次にジフェニルエーテル(3g)を加え、この反応混合物を180℃に3時間加熱した。冷却後、この混合物を水酸化ナトリウム水溶液で処理し、DCMで洗浄した。水相を、酢酸を用いて酸性にし、DCMで抽出し、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣を、DCM/ヘキサンの混合物を用いて沈殿させ、標記の化合物(0.044g、20%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm) δ : 10.47(brs,1H),8.85(s,1H),7.93(s,1H),7.78(d,J=8.3Hz,1H),7.58(dd,J=8.3 7.4Hz,1H),7.39(dd,J=7.7,7.4Hz,1H),7.17(d,J=8.9Hz,1H),7.05(d,J=8.9Hz,1H),6.82(d,J=8.7Hz,1H),2.37(s,3H),2.24(s,3H),1.24(s,9H)。(APCI−MS) m/z 413 MH+、Rt 2.92分。LC−HRMS ES+ C25H24N4O2についての計算精密質量 413.1978 MH+、実測値:413.2018、Rt 2.67分。
実施例10:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メトキシ)−1−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体40を参照のこと。6g、18mmol)の混合物を、CH3CN(100ml)中で2−アミノメチルピリジン(2.5当量、4.23g、45mmol)と反応させ、110℃で4時間撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水とDCMとの間で分配した。有機層をNa2SO4で乾燥し、乾固するまで濃縮し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−4−[(2−ピリジニルメチル)アミノ]−3−キノリンカルボキシアミド(5.84g)を得て、これを、精製せずに次の工程で使用した。
過剰の[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(19.35g、45mmol)を、上記のカルボキシアミド中間体(5.84g、15mmol)の溶液に加えた。この混合物を50℃で12時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をDCMと水との間で分配し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5)によって精製し、次にジエチルエーテルで粉末にし、標記の化合物をベージュ色粉末(3.9g、53.7%)として得た。
LC−HRMS ES+ C22H19N5O3についての計算精密質量: 402.1566 MH+。実測値 402.1574、Rt=2.14分。(APCI−MS) m/z 402.10 MH+、Rt 2.39分。
実施例11:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メトキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体40を参照のこと。6g、18mmol)の混合物を、CH3CN(100ml)中で(1R)−1−(2−ピリジニル)エタンアミン(2当量、4.43g、36mmol)と反応させ、110℃で4時間撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水とDCMとの間で分配した。有機層をNa2SO4で乾燥し、乾固するまで濃縮し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−4−{[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−アミノ}−3−キノリンカルボキシアミドを得て、これを、精製せずに次の工程で使用した。
このカルボキシアミド中間体(6g)を、CH3CN(100ml)中で過剰の[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(19.35g、45mmol)で処理し、この混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解させ、水で洗浄した。粗生成物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5)によって精製し、得られた化合物をDCMに溶解させ、ジエチルエーテルから沈殿させ、標記の化合物をオフホワイトの粉末(2.5g、33%)として得た。
LC−HRMS ES+ C23H21N5O3についての計算精密質量:416.1722 MH+。実測値 416.1736、Rt=2.22分。(APCI−MS) m/z 415.97MH +、Rt 2.5分。
この化合物の別の調製例については、実施例36を参照のこと。
実施例12:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メトキシ)−1−{2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
DMF(10ml)中の中間体50(0.1g、0.2mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(0.065g、0.24mmol)の混合物を110℃で2時間加熱した。この反応混合物を乾固するまで濃縮した。粗生成物を、DCM/MeOH(98:2)を用いて溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、得られた化合物をジイソプロピルエーテルから再結晶し、標記の化合物を黄色固体(0.02、%)として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ: 8.74(s,1H),7.99(dd,J=1.5,7.7Hz,1H),7.92(s,1H),7.89(m,2H),7.84−7.77(m,1H),6.33(s,1H),3.37(s,3H),2.33(s,3H),2.12(s,3H)。
LC−HRMS C23H17F3N4O4についての計算ターゲット質量: 471.1280 MH+、実測値: 471.1250; Rt 2.47分。
実施例18:1−[2−(tert−ブチル)フェニル]−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
DCM(10ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−N4−(フェニルメチル)−3,4−キノリンジアミン(調製については中間体28を参照のこと。0.2g、0.52mmol)の溶液に、HOBT(0.081g、0.62mmol)、EDCI(0.118g、0.62mmol)、Et3N(0.062g、0.62mmol)およびギ酸(0.025g、0.52mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に水の中へと注ぎ込み、DCMで抽出した。有機相を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗製固体をEtOAcから再結晶し、標記の化合物をオフホワイトの結晶(0.1g、48%)として得た。融点:216℃。1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm) δ : 9.36(s,1H),8.06(s,1H),8.01(s,1H),7.73(d,J=7.2Hz,1H),7.56(dd,J=8.1,8.1Hz,1H),7.34(dd,J=7.7,7.7Hz,1H),7.15−7.06(m,2H),2.36(s,3H),2.23(s,3H),1.07(s,9H)。LC−HRMS: ES+ C25H24N4Oについての計算精密質量:397.2028 MH+,実測値: 397.2021、Rt 3.03分。
以下の実施例を、実施例18と同様にして、対応する中間体から調製した。
実施例27:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メトキシ)−1−(2−ピリジニルメチル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
DCM(20ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−N4−(2−ピリジニルメチル)−3,4−キノリンジアミン(調製については中間体38を参照のこと。0.5g、1.33mmol)の溶液に、0℃でテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニルクロリド(1.1当量、1.46mmol、0.15g、Apollo Scientific)を加え、この混合物を0℃で30分間撹拌した。この反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で加水分解し、DCMで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濃縮し、粗生成物を得て、これを、精製せずに次の工程で使用した。AcOH(5ml)をこの粗生成物に加え、この混合物を100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、水酸化ナトリウム 1Nで加水分解し、DCMで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下でエバポレートした。残渣を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5)によって精製し、当該化合物をアセトニトリルから再結晶し、標記の化合物をオフホワイトの粉末(0.13g、21%)として得た。
LC−HRMS: ES+ C27H27N5O3についての計算精密質量: 470.2192(MH+)。実測値:470.2153、Rt=2.18分。(APCI−MS) m/z: 471.01 MH+、Rt=2.51分。
実施例31:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メトキシ)−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
0℃のDCM(25ml)中の中間体39(0.5g、1.28mmol)の溶液に、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニルクロリド(1.05当量、1.4mmol、0.15g、Apollo Scientific)を加え、次にこの混合物を0℃で15分間撹拌した。この反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で加水分解し、DCMで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濃縮し、粗生成物を得て、これを、精製せずに次の工程で使用した。AcOHをこの粗生成物に加え、この混合物を100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、水酸化ナトリウム 1Nで加水分解し、DCMで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下でエバポレートした。残渣を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5)によって精製し、標記の化合物を白色粉末(0.16g、26%)として得た。
(APCI−MS) m/z 483 MH+、Rt 2.93分。 [α]D 20=−38.7°(c=0.8005g/100ml、CHCl3)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ : 9.13(s,1H),7.90(s,1H),7.51−7.21(m,5H),6.73(bs,1H),6.51(s,1H),4.09−3.85(m,2H),3.69−3.45(m,2H),3.31(s,3H),2.27(s,3H),2.07(d,J=7Hz,3H),2.06(s,3H),2.04−1.92(m,2H),1.91−1.80(m,2H)。
実施例32:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メトキシ)−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]キノリン
0℃で冷却したDCM(10ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−N4−[(1R)−1−フェニルエチル]−3,4−キノリンジアミン(調製については中間体39を参照のこと。0.2g、0.515mmol)の溶液にAcOH(0.5ml)および水(1ml)中の亜硝酸ナトリウム(0.07g)の溶液を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、DCMで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下でエバポレートした。残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5)によって精製した。固体をジイソプロピルエーテルの中で粉末にし、標記の化合物を緑色粉末(0.18g、87.5%)として得た。
LC−HRMS: ES+ C23H21N5O2についての計算精密質量: 400.1773 MH+。実測値:400.1785、Rt=3.04分。(APCI−MS) m/z: 400 MH+、Rt 3.15分。
実施例34:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1−(ベンジル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−チオン
エタノール(10ml)中の中間体30(0.5g、1.45mmol)、CS2(1.6ml)およびトリエチルアミン(0.3ml)の混合物を60℃で一晩撹拌した。この反応混合物を水で加水分解し、CH2Cl2で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。粗製固体を、CH2Cl2/MeOH(95/5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、標記の化合物を茶色粉末(0.1g、17.9%)として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6,ppm) δ : 13.93(s,1H),9.01(s,1H),8.22(d,J=8.7Hz,1H),8.15(d,J=1.7Hz,1H),7.66(dd,J=8.7,1.7Hz,1H),7.48−7.27(m,5H),6.17(s,2H),2.52(s,3H),2.34(s,3H)。
TOF MS ES
+ C
22H
18N
4OSについての計算精密質量: 387.1280 MH
+、実測値:387.1308;Rt 2.59分
実施例34と同様にして以下の実施例を調製した。
以下の実施例を、上記の方法と同様の方法によって、適切な中間体化合物から調製した。
実施例36:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−{[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]アミノ}−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体55を参照のこと。45g、102mmol)をメタノール(500ml)に溶解させ、水酸化カリウム(7.47g、133mmol)を加えた。この混合物を氷浴中で撹拌し、次にヨードベンゼンジアセタート(39.6g、123mmol)を20分間にわたって少量ずつ加え、この混合物をさらに1時間撹拌した。溶媒を真空中でエバポレートし、残渣を水(1l)で希釈し、得られたガム状の懸濁液をDCM(2×300ml)で抽出した。溶媒を乾燥し(硫酸ナトリウム)、シリカカラム(750g)の上へと直接ロードし、次にこれを、メタノール中の2M アンモニア/DCMグラジエント(0−10%)を用いて溶出した。真空中で溶媒をエバポレートした後、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(32.7g)をベージュ色の固体として得た。
1H NMR CDCl3: δH 11.02(1H,bs),8.80(1H,s),8.70(1H,d),7.85(1H,s),7.67(1H,m),7.36(1H,b),7.29−7.26(1H,m,一部はクロロホルムに隠れている),6.84(1H,b),6.52(1H,m),3.55(3H,bs),2.32(3H,s),2.22(3H,d),2.16(3H,s)。
LCMS(方法 HpH):MH+ 416、Rt 0.85分。
実施例37:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−3−[2−(メチルオキシ)エチル]−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
DMF(5ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(調製については実施例36を参照のこと。100mg)をポリマーに結合された2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(300mg)およびDMF(0.5ml)中の2−ブロモエチルメチルエーテル(40mg)の溶液で処理した。この反応液を周囲温度で、大気圧中で約3時間撹拌し、次いで周囲温度で一晩放置した。この反応液をろ過し、樹脂をメタノールで洗浄した。溶媒を窒素の流れのもとでエバポレートすると、黄色のガム状物が残り、これをDMSO(1ml)に溶解させ、MDAP(方法 ギ酸塩)によって精製した。生成物画分を合わせ、真空中で乾固するまで濃縮し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−3−[2−(メチルオキシ)エチル]−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンを淡黄色のガム状物(56mg)として得た。
LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 474、Rt 0.80分。
実施例38:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−{[1−(2−ピリジニル)エチル]アミノ}−3−キノリンカルボキシアミド(0.39g、0.794mmol)をメタノール(10ml)に溶解させ、水酸化カリウム(0.089g、1.588mmol)を加え、この混合物を氷浴中で撹拌し、ビス(アセチルオキシ)(フェニル)−I3−ヨーダン(0.307g、0.953mmol)を20分間にわたって少量ずつ加え、この混合物をさらに1時間撹拌した。この混合物を、酢酸(0.2ml)を用いて酸性にし、真空中でエバポレートし、残渣を酢酸エチル(20ml)と水(20ml)との間で分配した。溶媒を乾燥し(硫酸ナトリウム)、エバポレートし、残渣をDCM(5ml)に溶解させ、シリカカートリッジ(50g)に加え、これを、メタノール/酢酸エチルグラジエント(0−20%)を用いて溶出した。適切な画分を真空中で乾固するまで濃縮し、ベージュ色の固体を得た。この固体を熱酢酸エチル(5ml)で粉末にし、冷却し、この固体をろ過によって集め、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンを淡クリーム色粉末(0.20g)として得た。
1H NMR CDCl3: δH 8.82(1H,s),8.70(1H,d),7.87(1H,s),7.67(1H,m),7.36(1H,b),7.29−7.26(1H,m,一部はクロロホルムに隠れている),6.87(1H,b),6.51(1H,m),3.56(3H,s),2.32(3H,s),2.22(3H,d),2.16(3H,s)。
LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 416、Rt 0.69分。
実施例39:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1S)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(調製については実施例38を参照のこと。約50mg)を、加温しながら3mlのエタノール(3ml)およびヘプタン(3ml)に溶解させた(3回)。これらの溶液をChiralpak IAカラム(20μm、5cm×25cm)に6回注入し(3ml)、エタノール/ヘプタン(30%、流量50ml/分、波長215nm)を用いて溶出することにより、上記の溶液をキラルHPLCによって精製した。混合した分画を真空中で乾固するまで濃縮し、上記の方法記載したとおりに再処理した。最初に溶出する鏡像異性体のまとめた画分を真空中で乾固するまで濃縮し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1S)−1−(2−ピリジニル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(61mg)を得た。
1H NMR CDCl3: δH 8.86(1H,s),8.68(1H,d),7.91(1H,s),7.67(1H,m),7.37(1H,b),7.29−7.26(1H,m,一部はクロロホルムに隠れている),6.90(1H,b),6.49(1H,m),3.58(3H,s),2.32(3H,s),2.20(3H,d),2.16(3H,s)。
LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 416、Rt 0.71分。
実施例40:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−4−{[1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)エチル]アミノ}−3−キノリンカルボキシアミド(110mg、0.262mmol、中間体61)をメタノール(10ml)に溶解させ、氷浴中で0℃に冷却し、水酸化カリウム(19mg、0.340mmol)を加え、この溶液を10分間撹拌した。ヨードベンゼンジアセタート(110mg、0.340mmol)を加え、この混合物をさらに2時間撹拌した。この溶液を酢酸エチル(50ml)で希釈し、水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、エバポレートした。残渣をDCM(4ml)に溶解させ、シリカカートリッジ(25g)に加え、このカートリッジをメタノール中の2M アンモニア/DCMグラジエント(0−10%)用いて溶出して、生成物を含有する画分を真空中でエバポレートした後に、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンをベージュ色の固体(46mg)として得た。
LCMS(方法 ギ酸塩):MH+ 419、Rt 0.62分。
実施例41:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(2−ピリジニルメチル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
アセトニトリル(100ml)中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メトキシ)−3−ニトロキノリン(調製については中間体18を参照のこと。7g)の溶液に、(2−ピリジニルメチル)アミン(6.8g)を加え、得られた混合物を60℃で1時間加熱した。次にこの反応混合物を加水分解し、DCMで抽出し、合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、乾固するまでエバポレートした。この物質の一部分(2g)をエタノール(80ml)およびHCl(1ml、濃酸)に溶解させた。次に塩化スズ(II)二水和物(1g)を2回に分けて加え、この反応混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を使用して加水分解した。mをDCMで抽出し、合わせた有機層をセライトでろ過した。ろ液を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、乾固するまで濃縮し、クロマトグラフィー後、3gの物質を得た。この物質をDCM(100ml)に溶解させ、この混合物に、HATU(3.65g)およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸(1.25g)を加えた。得られた反応混合物を室温で一晩撹拌し、炭酸水素ナトリウムの溶液を加えることによって加水分解した。この反応混合物をDCMで抽出し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、乾固するまで濃縮し、粗製中間体(2.9g)を得た。これを酢酸(30ml)に溶解し、得られた混合物を90℃に6時間加熱した。この反応混合物を乾固するまで濃縮した。炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加え、この混合物をDCMで抽出し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、乾固するまで濃縮した。粗製化合物を、DCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、次にエタノールから再結晶し、真空下で乾燥し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(2−ピリジニルメチル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンをベージュ色粉末(1.88g)として得た。
LC−HRMS: ES+ C27H28N5O3についての計算精密質量 470.2192 MH+、実測値:470.2115、Rt 2.25分。
実施例43:4−(8−メトキシ−2−(メトキシメチル)−1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール
7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−6−メトキシ−N4−(ピリジン−2−イルメチル)キノリン−3,4−ジアミン(調製については中間体63を参照のこと。500mg)をDCM(20ml)に溶解させ、この反応混合物を0℃に冷却した。2−メトキシアセチルクロリド(1.1当量)を滴下し、この反応混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物を、炭酸水素ナトリウムの溶液を使用して加水分解し、DCMで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。得られた残渣を酢酸(5ml)に溶解させ、この反応混合物を130℃に16時間加熱した。この反応混合物を水酸化ナトリウム(1M)で処理し、DCMで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。残渣を、DCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。得られた化合物をアセトニトリルから再結晶し、真空下で乾燥し、4−(8−メトキシ−2−(メトキシメチル)−1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール(50mg)をクリーム色の粉末として得た。
LC−HRMS: ES+ C22H19N5O3についての計算精密質量 430.1879 MH+、実測値:430.1833、Rt 2.23分。
実施例44:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[1−(2−ピリジニル)エチル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
DCM(20ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−N4−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−3,4−キノリンジアミン(調製については中間体64を参照のこと。380mg)の溶液に、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸(240mg)、次にHATU(1.2当量)およびトリエチルアミン(1.5当量)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を使用して加水分解した。この混合物をDCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。得られた粗生成物を酢酸(5ml)で希釈し、100℃で一晩加熱した。次にこの反応混合物を、水酸化ナトリウム(1N)および水の1:1混合物(合計100ml)の中に取り込み、DCMで抽出し、得られた粗生成物を、DCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。得られた生成物をジエチルエーテルの中に取り込み、真空下で乾燥し、ラセミの7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[1−(2−ピリジニル)エチル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(400mg)を灰色の粉末として得た。
LC−HRMS: ES+ C28H30N5O3についての計算精密質量 484.2349 MH+、実測値:484.2382、Rt 2.30分。
実施例45:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R)−1−(2−ピリジニル)エチル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
および
実施例46:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1S)−1−(2−ピリジニル)エチル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[1−(2−ピリジニル)エチル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(400mg)のラセミ混合物を、ヘキサン/エタノール(85:15)を用いて溶出する[流量:18ml/分;室温;UV検出:254nm;注入量 900μL]セミ分取カラム:Chiracel OD、250×20nm、10μmを使用して分離し、下記のものを得た。
−異性体1:白色粉末としての7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1R*)−1−(2−ピリジニル)エチル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(55mg)。LC−HRMS: ES+ C28H30N5O3についての計算精密質量 484.2349 MH+、実測値:484.2393、Rt 2.46分。分析用HPLC(Chiracel ODカラム、250×4.6nm、10μm、ヘキサン/エタノール(60/40)を用いて溶出:Rt 7.868。
−異性体2:白色粉末としての7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−[(1S*)−1−(2−ピリジニル)エチル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(55mg)。LC−HRMS ES+ C28H30N5O3についての計算精密質量 484.2349 MH+、実測値:484.2394、Rt 2.43分。分析用HPLC(Chiracel ODカラム、250×4.6nm、10μm、ヘキサン/エタノール(60:40)を用いて溶出:Rt 9.377。
実施例47:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(2−ピリミジニルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
100mlのフラスコの中で、アセトニトリル中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体56を参照のこと。331mg)および(2−ピリミジニルメチル)アミン(273mg)の混合物を100℃で2時間加熱した。この反応混合物を炭酸水素ナトリウムの溶液で加水分解し、DCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮し、350mgの粗製中間体を得た。残渣をアセトニトリル(15ml)に溶解させ、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(0.5g)を加え、この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を水で洗浄し、DCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。得られた粗製化合物を、DCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、得られた残渣をアセトニトリルから再結晶し、真空中で乾燥し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(2−ピリミジニルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(70mg)をベージュ色粉末として得た。
LC−HRMS: ES+ C21H19N6O3についての計算精密質量 403.1519 MH+、実測値:403.1516、Rt 2.04分。
実施例48:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(2−ピラジニルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
100mlのフラスコの中で、アセトニトリル中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体56を参照のこと。331mg)および(2−ピラジニルメチル)アミン(2.5当量)の混合物を100℃で2時間加熱した。この反応混合物を炭酸水素ナトリウムの溶液で加水分解し、DCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮し、粗製中間体を得た。この残渣をアセトニトリル(15ml)に溶解させ、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(0.5g)を加え、この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を水で洗浄し、DCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。得られた粗製化合物を、DCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、得られた残渣をアセトニトリルから再結晶し、真空中で乾燥し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(2−ピリミジニルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(100mg)をベージュ色粉末として得た。
LC−HRMS: ES+ C21H19N6O3についての計算精密質量 403.1519 MH+、実測値:403.1550、Rt 2.06分。
実施例49:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(3−ピリジニルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
アセトニトリル中の4−クロロ−7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体56を参照のこと。332mg)および(3−ピリジニルメチル)アミン(2.5当量)の溶液を4時間加熱した。次にこの反応混合物を乾固するまで濃縮し、水で加水分解した。この混合物をDCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮し、粗製中間体を得た。この残渣を、アセトニトリル(30ml)にある程度溶解させ、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(800mg)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した。次にこの反応混合物を乾固するまで濃縮し、水で加水分解した。この混合物をDCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。残渣を、DCM/メタノール(95/5)を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。精製した残渣をジエチルエーテルの中に取り込み、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(3−ピリジニルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(70mg)を茶色粉末として得た。
LC−HRMS: ES+ C22H20N5O3についての計算精密質量 402.1566 MH+、実測値:402.1576、Rt 1.96分。
実施例50:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−8−(メチルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
アセトニトリル(50ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体65を参照のこと。0.3g)の溶液にビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(0.443g)を加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。次にこの反応混合物を水の中へと注ぎ込み、DCMで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、乾固するまで濃縮し、橙色油状物を得た。この残渣を、DCM/メタノール(98:2、次に97:3)を用いて溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、粘着性のある淡黄色固体を得て、これを熱ジイソプロピルエーテルの中で粉末にし、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−8−(メチルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(0.21g)をクリーム色の固体として得た。
LC/MS: MH+ 436.06、[M−H]− 434.12。
実施例51:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−2−[(メチルオキシ)メチル]−1−[1−(2−ピリジニル)エチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
DCM(20ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−N4−[1−(2−ピリジニル)エチル]−3,4−キノリンジアミン(調製については中間体65を参照のこと。250mg)の溶液に、(メチルオキシ)酢酸(116mg)、次にHATU(1.2当量)およびトリエチルアミン(1.5当量)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を使用して加水分解した。この混合物をDCMで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。得られた生成物をエタノール(60ml)に溶解させ、水酸化ナトリウムの溶液(1N、15ml)を加えた。この反応混合物を90℃に16時間加熱し、次に室温まで冷却した。DCM(150ml)および水(100ml)を加えた。相を分離させ、有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまでエバポレートした。残渣を、DCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。得られた残渣をアセトニトリルの中に取り込み、ジエチルエーテルで洗浄し、真空中で乾燥し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−2−[(メチルオキシ)メチル]−1−[1−(2−ピリジニル)エチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(90mg)をベージュ色粉末として得た。
LC−HRMS: ES+ C28H30N5O3についての計算精密質量 444.2036 MH+、実測値:444.2072、Rt 2.39分。
実施例52:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1−[(5−メチル−3−イソオキサゾリル)メチル]−8−(メチルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(5−メチル−3−イソオキサゾリル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体67を参照のこと。280mg)を、アセトニトリル(30ml)にある程度溶解させ、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(800mg)を加えた。この反応混合物を50℃で12時間撹拌し、次に乾固するまで濃縮した。粗生成物を水の中に取り込み、DCMで抽出した、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまでエバポレートした。残渣を、DCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、その後、得られた生成物をジエチルエーテルの中へと取り込み、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1−[(5−メチル−3−イソオキサゾリル)メチル]−8−(メチルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(200mg)を得た。
LC/MS: Rt 2.52分。
実施例53:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(2−チエニルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
還流冷却器を具えた250mlのフラスコの中で、アセトニトリル(50ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−(メチルオキシ)−N4−(2−チエニルメチル)−3,4−キノリンジアミン(調製については中間体68を参照のこと。1.5g)の磁気的に撹拌した溶液に、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(2.37g)を加えた。この反応混合物を20℃で2時間撹拌し、次に50℃で1時間加熱した。水をこの反応液に加え、この混合物をDCMで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、乾固するまで濃縮した。残渣を、DCM次いでDCM/メタノール(95:5)を用いて溶出するシリカゲル(25g、BP−SUP シリカ)でのクロマトグラフィーによって精製した。得られた残渣を熱イソプロピルエーテルの中で粉末にし、ろ過し、乾燥し、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−8−(メチルオキシ)−1−(2−チエニルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オンを、2バッチ(合計1.114g)で、茶色粉末として得た。
LC−HRMS: ES+ C21H18N4O3Sについての計算精密質量 407.1178 MH+、実測値:407.1215;Rt 2.38分。
実施例54:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−8−(メチルオキシ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン
酢酸中のN−[7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシアミド(調製については中間体71を参照のこと。0.37g)の溶液を100℃で2時間撹拌した。次にこの反応混合物を、乾固するまでエバポレートし、次に残渣を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液の中へと取り込んだ。この混合物をDCMで抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥し、乾固するまでエバポレートした。残渣を、DCM/メタノール((8:2、次いで94:6)を用いて溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、粘着性のあるベージュ色の固体(0.3g)を得た。この固体を熱ジイソプロピルエーテルを用いて粉末にし、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1−[(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−8−(メチルオキシ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(0.22g)を白色固体として得た。
LC−HRMS: ES+ C27H30N5O3S1についての計算精密質量 504.2069 MH+、実測値:504.2021。
実施例55:7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1−[(5−メチル−2−フラニル)メチル]−8−(メチルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン
アセトニトリル(10ml)中の7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−4−{[(5−メチル−2−フラニル)メチル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−3−キノリンカルボキシアミド(調製については中間体72を参照のこと。177mg)およびビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(375mg)の混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を、乾固するまでエバポレートし、残渣を水の中に取り込み、DCMで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、エバポレートし、7−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−1−[(5−メチル−2−フラニル)メチル]−8−(メチルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン(10mg)をベージュ色粉末として得た。
LC−HRMS: ES
+ C
22H
21N
4O
4についての計算精密質量 405.1563 MH
+、実測値:405.1626;Rt 2.39。
リファレンス化合物
下記のリファレンス化合物を参照する際のLC−MS方法DおよびFの実験の詳細は、以下のとおりである。
LC/MS(方法D)は、水中の0.1% HCO2Hおよび0.01M 酢酸アンモニウム(溶媒A)、ならびに水中の95% アセトニトリルおよび0.05% HCO2H(溶媒B)を用いて、3mL/分の流量で、0−0.7分 0%B、0.7−4.2分 0→100%B、4.2−5.3分 100%B、5.3−5.5分 100→0%Bの溶出グラジエントを使用して溶出するSupelcosil LCABZ+PLUSカラム(3μm、3.3cm×4.6mm内径)で行った。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレー正イオン化[(ES+ve、[M+H]+および[M+NH4]+分子イオンを与える]またはエレクトロスプレー負イオン化[(ES−ve、[M−H]−分子イオンを与える]モードを使用してFisons VG Platform質量分析装置で記録した。この装置からの分析データは、以下の形式で与えられる:[M+H]+または[M−H]−。
LC/MS(方法F)は、水中のトリフルオロ酢酸の0.1% v/v 溶液(溶媒A)およびアセトニトリル中のトリフルオロ酢酸の0.1% v/v 溶液(溶媒B)を用いて、3ml/分の流量で、0−0.1分 3%B、0.1−4.2分 3−100% B、4.2−4.8分 100% B、4.8−4.9分 100−3%B、4.9−5.0分 3% Bの溶出グラジエントを使用して溶出するSunfire C18カラム(30mm×4.6mm 内径 3.5μm 充填直径)で、30℃で行った。UV検出は、210nm−350nmの波長からの平均シグナルであり、質量スペクトルは、正のエレクトロスプレーイオン化を使用して、質量分析装置で記録した。イオン化データは、最も近い整数に四捨五入した。
LC/HRMS:分析用HPLCは、水中の0.01M 酢酸アンモニウム(溶媒A)および100% アセトニトリル(溶媒B)を用いて、1.3mL/分の流量で、0−0.5分 5% B、0.5−3.75分 5→100% B、3.75−4.5 100% B、4.5−5 100→5% B、5−5.5 5% Bの溶出グラジエントを使用して溶出するUptisphere−hscカラム(3μm33×3mm内径)で行った。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレー正イオン化[ES+ve、MH+分子イオンを与える]またはエレクトロスプレー負イオン化[ES−ve、(M−H)−分子イオンを与える]モードを使用してmicromass LCT質量分析装置で記録した。
TLC(薄層クロマトグラフィー)は、シリカゲル60 F254でコーティングされたMerckによって販売されているTLCプレートの使用を指す。
リファレンス化合物A:2−メチル−6−(メチルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
5−メトキシアントラニル酸(Lancaster)(41.8g、0.25mol)の溶液を無水酢酸(230ml)中で3.5時間還流させ、その後、減圧下で濃縮した。次に粗製化合物をトルエンの存在下で2回濃縮し、その後、ろ過し、エーテルで2回洗浄し、標記の化合物(33.7g、71%収率)を褐色の固体として得た。LC/MS(方法D):m/z 192[M+H]+、Rt 1.69分。
リファレンス化合物B:[2−アミノ−5−(メチルオキシ)フェニル](4−クロロフェニル)メタノン
0℃のトルエン/エーテル(2/1)混合物(760ml)中の2−メチル−6−(メチルオキシ)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン(調製についてはリファレンス化合物Aを参照のこと)(40.0g、0.21mol)の溶液に、臭化4−クロロフェニルマグネシウム(170ml、ジエチルエーテル中の1M、0.17mol)の溶液を滴下した。この反応混合物を室温まで加温し、1時間撹拌し、その後、1N HCl(200ml)でクエンチした。水層をEtOAc(3×150ml)で抽出し、合わせた有機層をブライン(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。次にこの粗製化合物をエタノール(400ml)に溶解させ、6N HCl(160ml)を加えた。この反応混合物を2時間還流させ、その後、3分の1の体積まで濃縮した。得られた固体をろ過し、エーテルで2回洗浄し、その後、EtOAcに懸濁させ、1N 水酸化ナトリウムを用いて中和した。水層をEtOAc(3×150ml)で抽出し、合わせた有機層をブライン(150ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。標記の化合物を、黄色固体(39g、88%収率)として得た。LC/MS(方法D):m/z 262[M+H]+、Rt 2.57分。
リファレンス化合物C:N
1−[2−[(4−クロロフェニル)カルボニル]−4−(メチルオキシ)フェニル]−N
2−{[(9H−フルオレン−9−イルメチル)オキシ]カルボニル}−L−□−アスパラギン酸メチル
メチルN−{[(9H−フルオレン−9−イルメチル)オキシ]カルボニル}−L−α−アスパルチルクロリド(Int. J. Peptide Protein Res. 1992, 40, 13−18)(93g、0.24mol)をCHCl3(270ml)に溶解させ、[2−アミノ−5−(メチルオキシ)フェニル](4−クロロフェニル)メタノン(調製についてはリファレンス化合物Bを参照のこと)(53g、0.2mol)を加えた。得られた混合物を60℃で1時間撹拌し、その後、冷却し、60%の体積に濃縮した。0℃でエーテルを加え、得られた沈殿物をろ過して捨てた。ろ液を減圧下で濃縮し、さらに精製することなく使用した。
リファレンス化合物D:[(3S)−5−(4−クロロフェニル)−7−(メチルオキシ)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]酢酸メチル
DCM(500ml)中のN1−[2−[(4−クロロフェニル)カルボニル]−4−(メチルオキシ)フェニル]−N2−{[(9H−フルオレン−9−イルメチル)オキシ]カルボニル}−L−α−アスパラギン酸メチル(調製についてはリファレンス化合物Cを参照のこと)(0.2molと想定)の溶液にEt3N(500ml、3.65mol)を加え、得られた混合物を24時間還流させ、その後、濃縮した。得られた粗製アミンを1,2−DCE(1.5L)に溶解させ、AcOH(104ml、1.8mol)を慎重に加えた。次にこの反応混合物を60℃で2時間撹拌し、その後、真空中で濃縮し、DCMに溶解させた。有機層を1N HClで洗浄し、水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機層を水で2回およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製固体をMeCN中で再結晶し、標記の化合物(51g)を淡黄色固体として得た。ろ液を濃縮し、MeCN中で再結晶し、さらに10gの所望の生成物を得ることができた。Rf=0.34(DCM/MeOH: 95/5)。
HRMS MH+ C19H18 35ClN2O4についての計算値 373.0955;実測値 373.0957。
リファレンス化合物E:[(3S)−5−(4−クロロフェニル)−7−(メチルオキシ)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]酢酸メチル
室温の1,2−DCE(700ml)中のP4S10(36.1g、81.1mmol)およびNa2CO3(8.6g、81.1mmol)の懸濁液を2時間撹拌し、その後、[(3S)−5−(4−クロロフェニル)−7−(メチルオキシ)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]酢酸メチル(調製についてはリファレンス化合物Dを参照のこと)(16.8g、45.1mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で2時間撹拌し、その後、冷却し、ろ過した。固体をDCMで2回洗浄し、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH: 99/1)によって精製し、標記の化合物(17.2g、98%収率)を黄色がかった固体として得た。LC/MS(方法D):m/z 389 [M(35Cl)+H]+、Rt 2.64分。
HRMS MH+ C19H18 35ClN2O3Sについての計算値 389.0727;実測値 389.0714。
リファレンス化合物F:[(3S)−2−[(1Z)−2−アセチルヒドラジノ]−5−(4−クロロフェニル)−7−(メチルオキシ)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]酢酸メチル
0℃のTHF(300ml)中の[(3S)−5−(4−クロロフェニル)−7−(メチルオキシ)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]酢酸メチル(調製についてはリファレンス化合物Eを参照のこと)(9.0g、23.2mmol)の懸濁液に、ヒドラジン一水和物(3.4ml、69.6mmol)を滴下した。この反応混合物を5℃〜15℃で5時間撹拌し、その後、0℃に冷却した。次にEt3N(9.7ml、69.6mmol)をゆっくり加え、塩化アセチル(7.95ml、69.6mmol)を滴下した。次にこの混合物を16時間にわたって室温まで加温し、その後、減圧下で濃縮した。粗生成物をDCMに溶解させ、水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮し、粗製の標記の化合物(9.7g、98%収率)を得て、これを、さらに精製することなく使用した。Rf=0.49(DCM/MeOH: 90/10)。
リファレンス化合物G:[(4S)−6−(4−クロロフェニル)−1−メチル−8−(メチルオキシ)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−イル]酢酸メチル
粗製の[(3S)−2−[(1Z)−2−アセチルヒドラジノ]−5−(4−クロロフェニル)−7−(メチルオキシ)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]酢酸メチル(調製についてはリファレンス化合物Fを参照のこと)(9.7gと想定)をTHF(100ml)に懸濁させ、AcOH(60ml)を室温で加えた。この反応混合物をこの温度で2日間撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。粗製固体をi−Pr2Oの中で粉末にし、ろ過し、標記の化合物(8.7g、3工程にわたって91%)をオフホワイトの固体として得た。
HRMS MH+ C21H20ClN4O3についての計算値 411.1229;実測値 411.1245。
リファレンス化合物H:[(4S)−6−(4−クロロフェニル)−1−メチル−8−(メチルオキシ)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−イル]酢酸
室温のTHF(130ml)中の[(4S)−6−(4−クロロフェニル)−1−メチル−8−(メチルオキシ)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−イル]酢酸メチル(調製についてはリファレンス化合物Gを参照のこと)(7.4g、18.1mmol)の溶液に、1N 水酸化ナトリウム(36.2ml、36.2mmol)を加えた。この反応混合物をこの温度で5時間撹拌し、その後、1N HCl(36.2ml)でクエンチし、真空中で濃縮した。次に水を加え、水層をDCMで抽出し(3回)、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、標記の化合物(7g、98%収率)を淡黄色固体として得た。
リファレンス化合物H:[5−({[(4S)−6−(4−クロロフェニル)−1−メチル−8−(メチルオキシ)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−イル]アセチル}アミノ)ペンチル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
[(4S)−6−(4−クロロフェニル)−1−メチル−8−(メチルオキシ)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−イル]酢酸(調製についてはリファレンス化合物Gを参照のこと)(1.0g、2.5mmol)、HATU(1.9g、5mmol)およびDIPEA(0.88ml、5mmol)の混合物を室温で80分間撹拌し、これに、(4−アミノブチル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(1.05ml、5.0mmol、Aldrichから入手できる)を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌し、その後、これを濃縮した。残渣をジクロロメタン中に取り込み、1N HClで洗浄した。水層をジクロロメタンで2回で抽出した。有機層を1N 水酸化ナトリウムで洗浄し、次に塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/メタノール 95/5を使用するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、標記の化合物を黄色固体(1.2g)として得た。LC/MS(方法D):rt=3.04分。
リファレンス化合物J:N−(5−アミノペンチル)−2−[(4S)−6−(4−クロロフェニル)−1−メチル−8−(メチルオキシ)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−イル]アセトアミドトリフルオロ酢酸塩
ジクロロメタン(3ml)中の[5−({[(4S)−6−(4−クロロフェニル)−1−メチル−8−(メチルオキシ)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−イル]アセチル}アミノ)ペンチル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(調製についてはリファレンス化合物Hを参照のこと)(0.2g、0.34mmol)の溶液に、0℃で、トリフルオロ酢酸(0.053ml、0.68mmol)を滴下した。この反応混合物を0℃〜室温で3時間撹拌した。この反応混合物を乾固するまで濃縮し、標記の化合物を吸湿性の黄色油状物(200mg)として得た。
LC/MS(方法D):rt=2.33分。
HRMS MH+ C25H29ClN6O2についての計算値 481.2119;実測値 481.2162。
リファレンス化合物K:Alexa Fluor 488−N−(5−アミノペンチル)−2−[(4S)−6−(4−クロロフェニル)−1−メチル−8−(メチルオキシ)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−イル]アセトアミドの5−異性体および6−異性体の混合物
N−(5−アミノペンチル)−2−[(4S)−6−(4−クロロフェニル)−1−メチル−8−(メチルオキシ)−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−イル]アセトアミドトリフルオロ酢酸塩(調製についてはリファレンス化合物Jを参照のこと)(7.65mg、0.013mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(300μl)に溶解させ、Eppendorf遠心管中のAlexa Fluor 488カルボン酸スクシンイミジルエステル(5mg、7.77μmol、5異性体および6異性体の混合物、Invitrogenから入手できる、製品番号A−20100)に加えた。Hunig’s塩基(7.0μl、0.040mmol)を加え、この混合物を一晩ボルテックスにかけて混合した。18時間後、この反応混合物を乾固するまでエバポレートし、残渣をDMSO/水(50%、合計1ml未満)に再溶解させ、分取用Phenomenex Jupiter C18カラムに加えて、150分間にわたって10ml/分の流量で95% A:5% Bから100% B(A=水の中の0.1% トリフルオロ酢酸、B=0.1% TFA/90% アセトニトリル/10% 水)のグラジエントを用いて溶出した。純粋でない画分を合わせ、同じ系を使用して再精製した。画分を合わせ、エバポレートし、標記の化合物(2.8mg)を、示した2つの位置異性体の混合物として得た。LC/MS(方法F):MH+=999、rt=1.88分。
生物学的試験方法
蛍光異方性結合アッセイ
ブロモドメインBRD2、BRD3およびBRD4への式(I)の化合物の結合を、蛍光異方性結合アッセイを使用して評価した。
ブロモドメインタンパク質、蛍光リガンド(リファレンス化合物K、上記を参照のこと)および様々な濃度の試験化合物を一緒にインキュベーションし、試験化合物の不存在下では蛍光リガンドが顕著に(>50%)結合し、十分な濃度の強力な阻害剤の存在下では、結合していない蛍光リガンドの異方性は結合した値とは測定可能に異なるような条件下で、熱力学的な平衡に到達させる。
すべてのデータを、各プレート上の16個の高い対照ウェルおよび16個の低い対照ウェルの平均に対して正規化する。次に以下の式の4パラメータ曲線フィッティングを適用した:
y=a+((b−a)/(1+(10^×/10^c)^d)
式中、「a」は最小値であり、「b」はHill勾配であり、「c」はpIC50であり、「d」は最大値である。
組み換えヒトブロモドメイン(ブロモドメインBRD2(1−473)、ブロモドメインBRD3(1−435)およびブロモドメインBRD4(1−477))を、N末端に6Hisタグを有するE.coli細胞(pET15bベクター内)において発現した。0.1mg/ml リゾチームおよび超音波処理を使用して、Hisタグ化ブロモドメインをE.coli細胞から抽出した。次に、このブロモドメインを、20Cvにわたる線形の10−500mM イミダゾールグラジエントを用いて溶出するHisTRAP HPカラムでのアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。Superdex 200分取等級サイズ排除カラムによってさらなる精製を完了した。精製したタンパク質を、20mM HEPES pH 7.5および100mM NaClの中で、−80℃で保存した。
ブロモドメインBRD2についてのプロトコル:すべての成分を、ブロモドメイン2、75nM、蛍光リガンド 5nMの最終濃度で、50mM HEPES pH7.4、150mm NaClおよび0.5mM CHAPSのバッファー組成物に溶解させた。この反応混合物の10 μlを、ミクロマルチドロップ(micro multidrop)を使用して100nlの種々の濃度の試験化合物またはDMSOビヒクル(最終1%)を含有するGreiner 384穴ブラック低容量マイクロタイタープレートのウェルに加え、暗所で、室温で60分間平衡化した。蛍光異方性をEnvision(λex=485nm、λEM=530nm;Dichroic −505nM)で読み取った。
ブロモドメインBRD3についてのプロトコル:すべての成分を、ブロモドメイン3 75nM、蛍光リガンド 5nMの最終濃度で、50mM HEPES pH7.4、150mm NaClおよび0.5mM CHAPSのバッファー組成物に溶解させた。この反応混合物の10μlを、ミクロマルチドロップを使用して100nlの種々の濃度の試験化合物またはDMSOビヒクル(最終1%)を含有するGreiner 384穴ブラック低容量マイクロタイタープレートのウェルに加え、暗所で、室温で60分間平衡化した。蛍光異方性をEnvision(λex=485nm、λEM=530nm;Dichroic −505nM)で読み取った。
ブロモドメインBRD4についてのプロトコル:すべての成分を、ブロモドメイン4 75nM、蛍光リガンド 5nMの最終濃度で、50mM HEPES pH7.4、150mm NaClおよび0.5mM CHAPSのバッファー組成物に溶解させた。この反応混合物の10μlを、ミクロマルチドロップを使用して100nlの種々の濃度の試験化合物またはDMSOビヒクル(最終1%)を含有するGreiner 384穴ブラック低容量マイクロタイタープレートのウェルに加え、暗所で、室温で60分間平衡化した。蛍光異方性をEnvision(λex=485nm、λEM=530nm;Dichroic −505nM)で読み取った。
すべての実施例(実施例22、38および210−225を除く)を上記のアッセイで試験した。すべての試験した化合物は、上記のBRD2、BRD3およびBRD4アッセイのうちの1以上においてpIC50≧5.0を有していた。実施例1、3−8、10−21、23−31、33−37、39−43、45−61、63−158、160、162−170、172、173、176−181、183−185および187は、上記のBRD2、BRD3およびBRD4アッセイのうちの1以上においてpIC50≧6.0を有していた。
LPS刺激性全血測定TNFαレベルアッセイ
細菌性リポ多糖(LPS)などのtoll様受容体のアゴニストによる単球細胞の活性化により、TNFαを含む重要な炎症メディエーターの生成が生じる。このような経路は、様々な自己免疫性および炎症性の障害の病態生理学に重要であると広く認められている。
試験する化合物を希釈して、様々な適切な濃度を得て、1μlの希釈ストックを96プレートのウェルに加える。全血(130μl)の添加後、プレートを37℃(5%CO2)にて30分間インキュベーションし、その後、10μlの2.8μg/ml LPSを添加し、完全RPMI1640に希釈し(最終濃度=200ng/ml)、1ウェルあたり140μlの全体積を得る。さらに37℃にて24時間のインキュベーション後、140μlのPBSを各ウェルに加える。プレートを密閉し、10分間振盪し、次いで遠心分離(2500rpm×10分)する。100μlの上清を除去し、TNFαレベルを、直後にまたは−20℃での保存後のいずれかで免疫学的検定により(典型的にメソスケールディスカバリー(MesoScale Discovery)技術により)アッセイする。各化合物についての用量反応曲線をデータから生成し、IC50値を算出した。
実施例11、12、15、27、31、33、36、108および126を上記のアッセイで試験し、pIC50≧5.5を有することを見出した。
全血におけるLPSによって誘導されるIL−6分泌の測定
細菌性リポ多糖(LPS)などのtoll様受容体のアゴニストによる単球細胞の活性化により、IL−6を含む重要な炎症メディエーターの生成が生じる。このような経路は、様々な自己免疫性および炎症性の障害の病態生理学に重要であると広く認められている。
試験する化合物を希釈して、様々な適切な濃度を得て、1μlの希釈ストックを96プレートのウェルに加える。全血(130μl)の添加後、プレートを37℃(5%CO2)にて30分間インキュベーションし、その後、10μlの2.8μg/ml LPSを添加し、完全RPMI1640に希釈し(最終濃度=200ng/ml)、1ウェルあたり140μlの全体積を得る。さらに37℃にて24時間のインキュベーション後、140μlのPBSを各ウェルに加える。プレートを密閉し、10分間振盪し、次いで遠心分離(2500rpm×10分)する。100μlの上清を除去し、IL−6レベルを、直後にまたは−20℃での保存後のいずれかで免疫学的検定により(典型的にメソスケールディスカバリー(MesoScale Discovery)技術により)アッセイした。各化合物についての濃度反応曲線をデータから生成し、IC50値を算出した。
実施例11、36−37、39−40、45および51を上記のアッセイで試験し、pIC50≧5.5を有することを見出した。
これらのデータは、上記の2つの全血アッセイで試験したブロモドメイン阻害剤が、重要な炎症メディエーターTNFαおよび/またはIL−6の産生を阻害したことを実証する。
インビボでのマウス内毒素血モデル
動物に投与した高用量のエンドトキシン(細菌性リポ多糖)は、強力な炎症反応、心臓血管機能の異常調節、臓器不全および最終的に死亡を含む深刻なショック症候群を生じる。このパターンの反応は、ヒトの敗血症および敗血性ショックと非常に類似しており、顕著な細菌感染に対する身体の反応は同様に生命を脅かす危険性がある。
本発明での使用のための化合物を試験するために、8匹のBalb/cオスのマウスの群に、腹腔内注射により致死量の15mg/kg LPSを与えた。90分後、動物にビヒクル(非発熱性水中の20%シクロデキストリン 1%エタノール)または化合物(10mg/kg)を静脈内投与した。動物の生存を4日目にモニターした。
4日目に生存している動物の数(多重反復実験にわたって合計した)
ビヒクル 4/66 (6%)
実施例11の化合物 55/66 (83%)
実施例31の化合物 9/24 (38%)
これらのデータは、上記のモデルで試験したブロモドメイン阻害剤が、静脈内投与後に、有意な動物生存効果を生じたことを実証する。
腫瘍学細胞成長アッセイ
ヒト細胞株(15種のヘム細胞株、14種の乳房細胞株および4種の他の細胞株を含むn=33)を、10%ウシ胎仔血清を含有するRPMI−1640中で培養し、1ウェルあたり1000生細胞を、384穴ブラック平底ポリスチレンプレート(Greiner 番号781086)で、48μlの培地中でプレーティングした。すべてのプレートを5% CO2、37℃に一晩置いた。翌日、1つのプレートを、CellTiter−Glo(CTG、Promega 番号G7573)を用いて、0に等しい時間での(T0)測定のために回収し、化合物(14.7uM−7pMの20点滴定)を残りのプレートに加えた。すべてのウェルの中のDMSOの最終濃度は0.15%であった。細胞を72時間または示した時間インキュベーションし、CellTiter−Glo試薬を、ウェル中の細胞培養液に等しい体積だけ使用して、各プレートを発色させた。プレートをおよそ2分間振盪し、化学発光シグナルをAnalyst GT(Molecular Devices)またはEnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で読み取った。
結果はT0に対する百分率として表され、化合物濃度に対してプロットされた。T0値は100%に正規化され、これは化合物添加の時の細胞数を表し、この濃度反応データは、XLfitソフトウェア(モデル205)を使用して4パラメータ曲線フィッティングを用いてフィッティングした。細胞成長を50%阻害する濃度(gIC50)は、「成長範囲」(T0とDMSO対照との間)の中間点である。Ymin−T0値は、濃度反応曲線のフィッティングから決定したYmin値(%)からT0値(100%)を差し引くことによって決定する。バックグラウンド補正のために、細胞を有しないウェルからの値をすべての試料から差し引いた。
実施例11および36の化合物を上記のアッセイに従って試験し、すべての細胞株にわたって118−11100nMの範囲の、より具体的にはヘム細胞株について118−1036nMおよび乳房細胞株について432−11100nMの範囲のgIC50を有することを見出した。
これらのデータは、上記のアッセイで試験したブロモドメイン阻害剤が、腫瘍学細胞株のパネルにおいて細胞成長を阻害したことを実証する。
本明細書で引用した、特許および特許出願(具体的にこれらに限定されるわけではない)を含むすべての刊行物は、各々の個々の刊行物が具体的かつ個々に、完全に記載されているように本明細書に参照により援用されることを示すように、参照により本明細書に援用したものとする。