JP2008156311A - Brd2ブロモドメイン結合剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】BRD2の機能解析、特にブロモドメインを介した転写活性能やウィルス感染・増殖に対する影響等を解析するために有効な物質、及び、該物質を用いたBRD2依存の転写を阻害する方法の提供。
【解決手段】BRD2のタンデム配列された2つのブロモドメイン(bromodomain)のうち、N末側のブロモドメインと結合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤、1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルチオ)エチル]−1,3−ジヒドロ−3−メチル−2H−ベンゾイミダゾール−2−チオンを有効成分とすることを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤、及び、該BRD2ブロモドメイン結合剤を用いることを特徴とするBRD2依存の転写を阻害する方法。
【選択図】なし
【解決手段】BRD2のタンデム配列された2つのブロモドメイン(bromodomain)のうち、N末側のブロモドメインと結合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤、1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルチオ)エチル]−1,3−ジヒドロ−3−メチル−2H−ベンゾイミダゾール−2−チオンを有効成分とすることを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤、及び、該BRD2ブロモドメイン結合剤を用いることを特徴とするBRD2依存の転写を阻害する方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、タンパク質BRD2のブロモドメイン(bromodomain)と結合する、BRD2ブロモドメイン結合剤、及び、該結合剤を用いたBRD2依存の転写を阻害する方法に関する。
BET(Bromodomains and Extra Terminal domain)ファミリータンパク質は、ブロモドメインにおいてアセチル化された染色体タンパク質ヒストン(Histone)を認識することにより、転写活性化因子として機能することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。ブロモドメインは、BETファミリー以外にも、ATP−dependent chromatin−remodeling factors等の様々な染色体結合因子に存在しており、近年、ブロモドメインの遺伝的変異による転写機能不全が癌化の原因となるという報告もなされている(例えば、非特許文献2参照。)。
BETファミリータンパク質の1つであるBRD2は、タンデム配列の2つのブロモドメインと、C末に1つのETドメインを有するタンパク質である。BRD2は、元々ヒトMHC(major histocompatibility complex)class IIの制御に関与する新規遺伝子として同定されたものであり、初めはRING3(Really Interesting New Gene−3)と名付けられたが、その後、BRD2(Bromodomain−containing protein 2)と新たに命名されたものである(例えば、非特許文献3参照。)。哺乳培養細胞にBRD2のみを単独で発現させても、転写活性はあまり変化しないが、BRD2と活性型Rasとを共発現した場合に、転写活性が顕著に増大することから、BRD2は、Rasシグナリングにおいて転写活性化因子として機能すると考えられている(例えば、非特許文献4参照。)。
また、近年、BRD2はカポジ肉腫関連ヘルペスウィルス(KSHV)のLANA−1タンパク質と結合することが判明した(例えば、非特許文献5及び6参照。)。LANA−1は潜伏感染状態で発現している数少ないウィルス遺伝子の一つであり、潜伏感染維持に極めて重要な多機能因子である。他のブロモドメインファミリーに属するタンパク質には、パピローマウィルスのタンパク質と相互作用し、哺乳類細胞内を伝播するための核内レセプターとして働くことが明らかになってきているものもある(例えば、非特許文献7参照。)。従って、BRD2は、ヘルペスウィルス等の細胞内伝播において重要な役割を果たしている可能性がある。
BRD2のブロモドメインは、アセチル化されたヒストンのうち、ヒストンH4の12番目のリジンがアセチル化されたもの(以下、K12Acとする)を特異的に認識することが知られている(例えば、非特許文献8参照。)。他の多くのブロモドメイン含有染色体結合因子が、有糸分裂期には染色体から脱離する(例えば、非特許文献9参照。)にも関わらず、BRD2のブロモドメインは、有糸分裂期間中にも強固に染色体に結合しているという特徴を有する(例えば、非特許文献8及び10参照。)。BRD2のブロモドメインの該特徴から、BRD2が、エピジェネティックな転写制御や、ウィルスが細胞分裂後の娘細胞へ継承される機構において、重要な役割を果たしていることが推察される。
すなわち、ブロモドメインを介したBRD2の機能解析、特に、転写活性能やヘルペスウィルス等との結合能等の解析は、転写機構、癌化機構、及びウィルス等の細胞内伝播機構等のさらなる解明に役立つことが期待される。しかしながら、BRD2のブロモドメインの機能については、ヒストンH4のK12Acを特異的に認識することは分かっているものの、転写、細胞周期、及びウィルス細胞内伝播等における具体的な役割については、ほとんど明らかにされていない。
通常、タンパク質の機能解析の方法として、例えば、(1)解析対象であるタンパク質やその変異体等を、細胞用発現ベクター等を用いて、培養細胞内に過剰発現することによる影響を観察することが行われている。また、(2)RNA干渉等により解析対象のタンパク質の発現を抑制することによる影響を観察することも行われている。その他、(3)抗体等の解析対象のタンパク質と結合する物質のインジェクション等により、細胞内に発現している解析対象のタンパク質を捕捉することによる影響を観察することも行われている。
Ladurner et al.(2003)Molecular cell 11(2):p365〜376 Panagopoulos et al.(2001)Human molecular genetics 10(4):p395〜404 Okamoto et al.(1991)Human immunology 32(3):p221〜228 Denis et al.(2000)Cell growth & differentiation : the molecular biology journal of the American Association for Cancer Research 11(8):p417〜424 Platt et al.(1999)Journal of Virology 73(12):p9789〜9795 Viejo-BorBolla et al.(2003)Journal of Virology 79(21):p13618〜13629 You et al.(2004)Cell 117(3):p349〜360 Kanno et al.(2004)Molecular cell 13(1):p33〜43 Kruhlak et al.(2001)The Journal of biological chemistry 276(41):p38307〜38319 Dey et al.(2003)Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 100(15):p8758〜8763
Ladurner et al.(2003)Molecular cell 11(2):p365〜376 Panagopoulos et al.(2001)Human molecular genetics 10(4):p395〜404 Okamoto et al.(1991)Human immunology 32(3):p221〜228 Denis et al.(2000)Cell growth & differentiation : the molecular biology journal of the American Association for Cancer Research 11(8):p417〜424 Platt et al.(1999)Journal of Virology 73(12):p9789〜9795 Viejo-BorBolla et al.(2003)Journal of Virology 79(21):p13618〜13629 You et al.(2004)Cell 117(3):p349〜360 Kanno et al.(2004)Molecular cell 13(1):p33〜43 Kruhlak et al.(2001)The Journal of biological chemistry 276(41):p38307〜38319 Dey et al.(2003)Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 100(15):p8758〜8763
しかしながら、上記(1)の方法では、解析に用いる全ての培養細胞に、目的の発現ベクターをトランスフェクションできるわけではないため、解析効率が劣ることがある。また、細胞用発現ベクターを細胞内にトランスフェクションするための試薬は一般的に高価であり、経済的にも好ましくない。
一方、上記(2)の方法では、解析対象のタンパク質の発現が全体的に抑制されてしまうため、ある特定の機能のみを阻害した影響を観察することはできない。例えば、ヒストンH4と結合していないBRD2の機能はそのままの状態で、アセチル化したヒストンH4との結合のみを阻害した影響を観察したい場合には、該(2)の方法は不適切である。
また、上記(3)の方法では、一つ一つの細胞にインジェクションしなくてはならないため、非常に作業が煩雑となる。
一方、上記(2)の方法では、解析対象のタンパク質の発現が全体的に抑制されてしまうため、ある特定の機能のみを阻害した影響を観察することはできない。例えば、ヒストンH4と結合していないBRD2の機能はそのままの状態で、アセチル化したヒストンH4との結合のみを阻害した影響を観察したい場合には、該(2)の方法は不適切である。
また、上記(3)の方法では、一つ一つの細胞にインジェクションしなくてはならないため、非常に作業が煩雑となる。
本発明は、BRD2の機能解析、特にブロモドメインを介した転写活性能やウィルス感染・増殖に対する影響等を解析するための有効な物質、及び、該物質を用いたBRD2依存の転写を阻害する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、BRD2のタンデム配列された2つのブロモドメインのうち、N末側のブロモドメインの結晶構造解析を行って、BRD2ブロモドメインの立体構造情報を明らかにし、該立体構造情報に基づきBRD2ブロモドメイン結合剤を選択することにより、BRD2の機能解析に有用であることを見出し、本発明を完成させた。特に、結晶構造解析により明らかになったBRD2のN末側のブロモドメインにあるヒストンH4のK12Ac認識ポケットと結合する低分子化合物であれば、細胞内に導入することにより、簡便に、BRD2とヒストンH4のK12Acとの結合のみを阻害することができるため、より生理的な条件で、BRD2の転写機構やウィルス等の細胞内伝播機構等におけるBRD2の機能解析を行うことができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、BRD2のタンデム配列された2つのブロモドメインのうち、N末側のブロモドメインと結合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2がヒトタンパク質BRD2であることを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインとの結合において、アセチル化されたヒストンH4と競合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインの、ヒストンH4のアセチル化リジン認識ポケットと結合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルチオ)エチル]−1,3−ジヒドロ−3−メチル−2H−ベンゾイミダゾール−2−チオン(1−[2−(1H−Benzimidazol−2−ylthio)ethyl]−1,3−dihydro−3−methyl−2H−benzimidazole−2−thione)を有効成分とすることを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、BRD2のタンデム配列された2つのブロモドメインのうち、N末側のブロモドメインと結合することを特徴とする、前記有効成分を有するBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2がヒトタンパク質BRD2であることを特徴とする、前記有効成分を有するBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインとの結合において、アセチル化されたヒストンH4と競合することを特徴とする、前記有効成分を有するBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインの、ヒストンH4のアセチル化リジン認識ポケットと結合することを特徴とする、前記有効成分を有するBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記いずれか記載のBRD2ブロモドメイン結合剤を用いることを特徴とする、BRD2依存の転写を阻害する方法を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2がヒトタンパク質BRD2であることを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインとの結合において、アセチル化されたヒストンH4と競合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインの、ヒストンH4のアセチル化リジン認識ポケットと結合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルチオ)エチル]−1,3−ジヒドロ−3−メチル−2H−ベンゾイミダゾール−2−チオン(1−[2−(1H−Benzimidazol−2−ylthio)ethyl]−1,3−dihydro−3−methyl−2H−benzimidazole−2−thione)を有効成分とすることを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、BRD2のタンデム配列された2つのブロモドメインのうち、N末側のブロモドメインと結合することを特徴とする、前記有効成分を有するBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2がヒトタンパク質BRD2であることを特徴とする、前記有効成分を有するBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインとの結合において、アセチル化されたヒストンH4と競合することを特徴とする、前記有効成分を有するBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインの、ヒストンH4のアセチル化リジン認識ポケットと結合することを特徴とする、前記有効成分を有するBRD2ブロモドメイン結合剤を提供するものである。
また、本発明は、前記いずれか記載のBRD2ブロモドメイン結合剤を用いることを特徴とする、BRD2依存の転写を阻害する方法を提供するものである。
本発明のBRD2ブロモドメイン結合剤は、簡便に、アセチル化したヒストンH4との結合のみを阻害することができるため、ブロモドメインを介したBRD2の機能解析に非常に有用であるばかりではなく、より効果的な抗癌剤やウィルス感染・増殖阻害剤の開発に役立つことが期待できる。
また、本発明のBRD2依存の転写を阻害する方法は、簡便に、BRD2がヒストンH4のK12Acと結合することによる影響が観察し得るため、BRD2依存の転写機構の解明に有用である。
また、本発明のBRD2依存の転写を阻害する方法は、簡便に、BRD2がヒストンH4のK12Acと結合することによる影響が観察し得るため、BRD2依存の転写機構の解明に有用である。
本発明のBRD2は、特に限定されるものではないが、哺乳動物由来のBRD2が好ましく、ヒト由来のBRD2がより好ましい。BRD2のアミノ酸配列は公知であり、公知のデータベースより配列情報を入手することが可能である。例えば、ヒトBRD2は、
配列番号1に示すアミノ酸配列からなるタンパク質であるが、アクセッション番号NP_005095.1としてNCBI ProteinDBに登録されている。マウスBRD2はアクセッション番号Q7JJ13としてNCBI ProteinDBに登録されている。ラットBRD2はアクセッション番号Q6MGA9としてNCBI ProteinDBに登録されている。
配列番号1に示すアミノ酸配列からなるタンパク質であるが、アクセッション番号NP_005095.1としてNCBI ProteinDBに登録されている。マウスBRD2はアクセッション番号Q7JJ13としてNCBI ProteinDBに登録されている。ラットBRD2はアクセッション番号Q6MGA9としてNCBI ProteinDBに登録されている。
本発明のBRD2のブロモドメインは、BRD2に存在するブロモドメインのアミノ酸配列からなるペプチドである。該ペプチドは、ブロモドメインとして公知のアミノ酸配列からなるペプチドであってもよく、アミノ酸配列情報からブロモドメインと推定されるアミノ酸配列からなるペプチドであってもよい。ここで、アミノ酸配列情報から推定されるドメインとは、例えば、タンパク質モチーフデータベースPFAM(version7.1)に含まれる配列プロファイルと相同性が検出される(例えばE−valueが0.1以下である)アミノ酸配列である。
本発明のBRD2のブロモドメインは、天然のペプチドであってもよく、遺伝子組換え技術を利用した組換えペプチドであってもよい。天然のペプチドは、例えば、マウス等の組織をホモジナイズして得た可溶性成分から、常法により、分離・精製することができる。遺伝子組換え技術を利用した組換えペプチドは、例えば、本発明のBRD2のブロモドメインペプチドをコードするDNA配列を挿入した発現用ベクターを用いて形質転換した細胞の培養液から、常法により、分離・精製することができる。
また、ブロモドメインの機能を阻害しない限り、天然のアミノ酸配列に対して、1又は複数のアミノ酸の欠失、置換、付加等がなされたアミノ酸配列からなるブロモドメインであってもよい。ここで、本発明におけるブロモドメインの機能とは、アセチル化されたヒストンH4との結合能をいう。通常、一次配列上の僅かな差異を有しているペプチドであっても、生体内において、天然のBRD2と同様の働きをなし得る場合があるためである。例えば、BRD2のブロモドメインが、遺伝子組換え技術を利用した組換えペプチドである場合に、精製を簡便にするため、通常用いられているタグやプロテアーゼ切断部位等を付加したものであってもよい。
本発明のBRD2ブロモドメイン結合剤は、BRD2のタンデム配列された2つのブロモドメインのうち、N末側のブロモドメイン(以下、ブロモドメインBD1とする)と結合することを特徴とするものである。該ブロモドメインBD1とは、ヒトBRD2では、例えば、配列番号1のアミノ酸配列のうち、74〜194残基の領域をいう。
BRD2のブロモドメインとの結合において、アセチル化されたヒストンH4と競合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤であることが好ましい。BRD2ブロモドメインとアセチル化されたヒストンH4との結合を効果的に阻害することができるためである。特に、BRD2のブロモドメインBD1の、ヒストンH4のアセチル化リジン認識ポケットと結合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤であることが好ましい。該アセチル化リジン認識ポケットと結合する結合剤であれば、アセチル化されたヒストンH4との結合以外のBRD2の機能に与える影響を最大限抑え得ると推察されるためである。
ここで、BRD2のブロモドメインBD1の、ヒストンH4のアセチル化リジン認識ポケットは、ブロモドメインBD1のタンパク質の分子表面に存在する、周囲を残基で囲まれている空洞のような凹領域であり、ヒストンH4のK12Acを認識する領域である。具体的には、例えば、ヒトBRD2のブロモドメインBD1においては、配列番号1に示すアミノ酸配列の、Trp97、Pro98、Gln101、Pro102、Val03、Asp104、Lys107、Leu108、Leu110、Tyr155、Asn156、Asp160、Ile162、Met165の残基からアセチル化リジン結合ポケットが形成されている。上記のアセチル化リジン認識ポケットを形成する残基は、本願発明者らによる結晶構造解析により明らかにされたものである(Nakamura et al.(2006)The Journal of biological chemistry Manuscript M5971200参照)。なお、該結晶構造解析により明らかにされた原子座標等の構造情報は、プロテイン・データ・バンク(Protein Data Bank、PDB)に、PDBコードID:1X0Jとして登録されている。
本願発明のBRD2ブロモドメイン結合剤は、目的物質に結合する物質を得るために通常用いられている方法によって得ることができる。該方法として、例えば、免疫沈降法、酵母ツーハイブリッド法、構造情報を用いたin silicoスクリーニング法等がある。特異性に優れた結合剤をより効率よく得ることができるため、構造情報を用いたin silicoスクリーニング法が好ましい。
上記方法により得られたBRD2ブロモドメイン結合剤の、BRD2ブロモドメイン結合能は、通常、2つの物質の結合性を確認するために用いられる方法によって確認することができる。該確認方法として、例えば、pull−down法や、表面プラズモン共鳴原理(SPR)を用いた方法等がある。検出のための標識を用いることなく、分子間の相互作用をリアルタイムに測定できること、及び、解離定数(KD)等をも求めることができることから、SPRを用いた方法が好ましい。
また、上記方法により得られたBRD2ブロモドメイン結合剤の、BRD2ブロモドメイン結合能、及び、BRD2依存の転写阻害能は、培養細胞を用いた実験によっても確認することができる。例えば、得られたBRD2ブロモドメイン結合剤を培養液に添加する等により、培養細胞の転写活性へ及ぼす効果を確認することができる。なお、培養細胞の転写活性の測定は、常法により行うことができる。
例えば、以下の方法により、本願発明のBRD2ブロモドメイン結合剤を得ることができる。まず、BRD2のブロモドメインBD1の構造情報を用いて、in silicoスクリーニングを行うことにより、アセチル化リジン認識ポケットと結合する候補化合物を得る。その後、得られた上位化合物とBRD2のブロモドメインBD1の結合を、SPRを用いた方法により確認する。該方法について、以下に詳述する。
1.in silicoスクリーニング
(1)データベースの最適化
低分子化合物データベースの対象データベースとしては、CMC(MDL社)、CSD(Cambridge Crystallographic Data Centre)、LIGAND(KEGG)、MDDR(MDL社)、CC(Maybridge社)、HTS(Maybridge社)、NCI(MDL社)、SPECS(SPECS社)から提供されている低分子化合物カタログデータベースを用いた。
1エントリーに複数分子を含むものは1分子毎に分割した上で、重複を除いたライブラリーをスクリーニングの母集団として用いた。このデータベースには1,001,935分子が含まれていた。
(1)データベースの最適化
低分子化合物データベースの対象データベースとしては、CMC(MDL社)、CSD(Cambridge Crystallographic Data Centre)、LIGAND(KEGG)、MDDR(MDL社)、CC(Maybridge社)、HTS(Maybridge社)、NCI(MDL社)、SPECS(SPECS社)から提供されている低分子化合物カタログデータベースを用いた。
1エントリーに複数分子を含むものは1分子毎に分割した上で、重複を除いたライブラリーをスクリーニングの母集団として用いた。このデータベースには1,001,935分子が含まれていた。
次に、Lipinski’s Rule of 5に基づき、上記低分子化合物データベースについてのターゲット非依存最適化を行った。ここで用いた絞込み条件は以下の通りである。
1.分子量100以上500以下。
2.計算LogP値(o/w)5以下(XLOG−1アルゴリズム使用)。
3.水素結合アクセプター原子数(低分子化合物に含まれるNとOの数) 10以下。
4.水素結合ドナー原子数(低分子化合物に含まれるNHとOHの数) 5以下。
更に、ドッキング計算を適切に行うために以下のような分子を除外した。
1.回転可能な単結合数が21以上のもの。
2.ラジカルを含むもの。
3.H、C、N、O、F、S、P、Cl、Br、I以外の元素を含むもの。
以上の絞りこみ後の分子数は628,402となった。
1.分子量100以上500以下。
2.計算LogP値(o/w)5以下(XLOG−1アルゴリズム使用)。
3.水素結合アクセプター原子数(低分子化合物に含まれるNとOの数) 10以下。
4.水素結合ドナー原子数(低分子化合物に含まれるNHとOHの数) 5以下。
更に、ドッキング計算を適切に行うために以下のような分子を除外した。
1.回転可能な単結合数が21以上のもの。
2.ラジカルを含むもの。
3.H、C、N、O、F、S、P、Cl、Br、I以外の元素を含むもの。
以上の絞りこみ後の分子数は628,402となった。
(2)結合部位の予測
BRD2のブロモドメインBD1のアセチル化リジン認識ポケットの立体構造情報に基づき、結合部位を予測する。具体的には、アセチル化リジン認識ポケットを形成するアミノ酸残基、すなわち、PDB ID:1X0JのTrp25、Pro26、Gln29、Pro30、Val31、Asp32、Lys35、Leu36、Leu38、Tyr83、Asn84、Asp88、Ile90、Met93(それぞれ、配列番号1に示すアミノ酸配列の、Trp97、Pro98、Gln101、Pro102、Val03、Asp104、Lys107、Leu108、Leu110、Tyr155、Asn156、Asp160、Ile162、Met165に相当する)の原子座標情報を用いた。SPHGENにより生成したスフィア(クラスター#1)のうち、MOEのASF第1、3、7位の結合部位を表すダミー原子との中心間距離が4.5オングストローム以内にあるものを選択した。なお、使用したソフトについては、デフォルトのパラメーターを用いている。
BRD2のブロモドメインBD1のアセチル化リジン認識ポケットの立体構造情報に基づき、結合部位を予測する。具体的には、アセチル化リジン認識ポケットを形成するアミノ酸残基、すなわち、PDB ID:1X0JのTrp25、Pro26、Gln29、Pro30、Val31、Asp32、Lys35、Leu36、Leu38、Tyr83、Asn84、Asp88、Ile90、Met93(それぞれ、配列番号1に示すアミノ酸配列の、Trp97、Pro98、Gln101、Pro102、Val03、Asp104、Lys107、Leu108、Leu110、Tyr155、Asn156、Asp160、Ile162、Met165に相当する)の原子座標情報を用いた。SPHGENにより生成したスフィア(クラスター#1)のうち、MOEのASF第1、3、7位の結合部位を表すダミー原子との中心間距離が4.5オングストローム以内にあるものを選択した。なお、使用したソフトについては、デフォルトのパラメーターを用いている。
(3)1次スクリーニング
Dock4.0を用いて、結合サイトについて、先に最適化を行った低分子化合物ライブラリー全体に対してドッキングを行った。このとき、Dockのenergy scoreに基づいて低分子化合物をランク付けした。
Dock4.0を用いて、結合サイトについて、先に最適化を行った低分子化合物ライブラリー全体に対してドッキングを行った。このとき、Dockのenergy scoreに基づいて低分子化合物をランク付けした。
(4)2次スクリーニング
1次スクリーニングの結果得られた上位10,000個について、AutoDock3.0.5を用いて、詳細なドッキングを行った。その後、ドッキングの際に使用したスフィアから4オングストローム以内にある化合物に絞込み、更に計算が異常終了した分子を除去した結果、最終的に9,935個についてドッキング構造を得た。
得られた化合物のうち、△G(結合自由エネルギー変化)=−10.51、KD=約20nM以下を化合物選定の基準とし、この基準値より高い結合性を有する化合物1,000個を得た。
1次スクリーニングの結果得られた上位10,000個について、AutoDock3.0.5を用いて、詳細なドッキングを行った。その後、ドッキングの際に使用したスフィアから4オングストローム以内にある化合物に絞込み、更に計算が異常終了した分子を除去した結果、最終的に9,935個についてドッキング構造を得た。
得られた化合物のうち、△G(結合自由エネルギー変化)=−10.51、KD=約20nM以下を化合物選定の基準とし、この基準値より高い結合性を有する化合物1,000個を得た。
(5)目視確認
上記の1,000化合物から、水溶性、毒性等を考慮して目視により構造上適切な38化合物を選択し、BRD2ブロモドメイン結合剤候補化合物とした。
上記の1,000化合物から、水溶性、毒性等を考慮して目視により構造上適切な38化合物を選択し、BRD2ブロモドメイン結合剤候補化合物とした。
得られたBRD2ブロモドメイン結合剤候補化合物と、BRD2のブロモドメインBD1の結合を、後記実施例1記載の方法により確認し、最終的には、2種類のBRD2ブロモドメイン結合剤を得た。該2種類のうちの1つが、1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルチオ)エチル]−1,3−ジヒドロ−3−メチル−2H−ベンゾイミダゾール−2−チオン(CAS登録番号:433249−32−2、化学式:C17H16N4S2)であり、化1に示す化学構造を有する。
このようにして得られた1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルチオ)エチル]−1,3−ジヒドロ−3−メチル−2H−ベンゾイミダゾール−2−チオンは、BRD2のブロモドメインBD1と結合し、特にヒトタンパク質BRD2のブロモドメインBD1と結合するという機能を有する。また、BRD2のブロモドメインとの結合において、アセチル化されたヒストンH4と競合するという機能を有する。さらに、BRD2のブロモドメインの、ヒストンH4のアセチル化リジン認識ポケットと結合するという機能を有する。
本発明のBRD2依存の転写を阻害する方法は、本発明のBRD2ブロモドメイン結合剤を用いるものであれば、特に限定されるものではない。本発明のBRD2依存の転写を阻害する方法により、BRD2とアセチル化されたヒストン、すなわちヒストンH4のK12Acとの結合のみを阻害することができるため、簡便かつ効率よく、BRD2依存の転写が阻害され、転写機構の解明に寄与することができる。
例えば、培養細胞を用いた通常の実験系において、該培養細胞の培養液にBRD2ブロモドメイン結合剤を添加することにより、該培養細胞内におけるBRD2依存の転写を阻害することができる。なお、本発明のBRD2ブロモドメイン結合剤は、低分子化合物であるため、タンパク質等の高分子のBRD2ブロモドメイン結合化合物と異なり、培養液中や組織液中に添加するだけで、簡便に細胞内まで移行することができる。
例えば、培養細胞を用いた通常の実験系において、該培養細胞の培養液にBRD2ブロモドメイン結合剤を添加することにより、該培養細胞内におけるBRD2依存の転写を阻害することができる。なお、本発明のBRD2ブロモドメイン結合剤は、低分子化合物であるため、タンパク質等の高分子のBRD2ブロモドメイン結合化合物と異なり、培養液中や組織液中に添加するだけで、簡便に細胞内まで移行することができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明のBRD2ブロモドメイン結合剤である1−[2−(1H−Benzimidazol−2−ylthio)ethyl]−1,3−dihydro−3−methyl−2H−benzimidazole−2−thione(以下、結合剤1と略記する)とBRD2のブロモドメインBD1(以下、BRD2−BD1と略記する)との結合を、SPRを用いた方法により解析した。具体的には、Biacore3000(Biacore社製)を用いて測定した。
1.BRD2−BD1の調製
配列番号1に示すアミノ酸配列の74〜194残基のN末端側に、配列番号2に示す40アミノ酸からなるペプチドを付加したペプチドを、無細胞タンパク質合成系により常法に基づき発現させた。該発現したペプチドを、HisTrapカラム(GE Healthcare Biosciences社製)を用いて精製・溶出後、TEVプロテアーゼを用いてN末端のタグを切断した。切断処理後、N末端に7アミノ酸残基の切れ残り配列が付加されているBRD2−BD1ペプチド、すなわち、配列番号3に示すアミノ酸配列を有するペプチドが得られた。
配列番号1に示すアミノ酸配列の74〜194残基のN末端側に、配列番号2に示す40アミノ酸からなるペプチドを付加したペプチドを、無細胞タンパク質合成系により常法に基づき発現させた。該発現したペプチドを、HisTrapカラム(GE Healthcare Biosciences社製)を用いて精製・溶出後、TEVプロテアーゼを用いてN末端のタグを切断した。切断処理後、N末端に7アミノ酸残基の切れ残り配列が付加されているBRD2−BD1ペプチド、すなわち、配列番号3に示すアミノ酸配列を有するペプチドが得られた。
2.BRD2−BD1のセンサーチップへの固定
上記切断処理後に得られたBRD2−BD1ペプチドを、CM5センサーチップ(Biacore社製)に、Biacore社推奨の標準プロトコールに従って、アミンカップリング法により固定した。
具体的には、10mMの酢酸ナトリウム溶液(pH5.0、Biacore社製)を用いて、BRD2−BD1ペプチドが最終濃度50μg/mLになるように固定化溶液を調製した。その後、アミンカップリング反応:7分、固定化:7分、エタノールアミンによる未反応チップの不活性化:7分のプログラムで、BRD2−BD1ペプチドのセンサーチップへの固定を行った。結合実験の比較対象として、10mMの酢酸ナトリウム溶液(pH5.0)のみを用いた固定化処理を行い、それぞれの結合実験の共鳴値resonance unit(以下RU)の補正化に用いた。
BRD2−BD1ペプチドの固定化直後のRU変化量は9,847RUであった。BRD2−BD1の分子量が14,916、結合剤1の分子量が340.5として、化合物の理論的な結合最大量は225RUと算出された。
上記切断処理後に得られたBRD2−BD1ペプチドを、CM5センサーチップ(Biacore社製)に、Biacore社推奨の標準プロトコールに従って、アミンカップリング法により固定した。
具体的には、10mMの酢酸ナトリウム溶液(pH5.0、Biacore社製)を用いて、BRD2−BD1ペプチドが最終濃度50μg/mLになるように固定化溶液を調製した。その後、アミンカップリング反応:7分、固定化:7分、エタノールアミンによる未反応チップの不活性化:7分のプログラムで、BRD2−BD1ペプチドのセンサーチップへの固定を行った。結合実験の比較対象として、10mMの酢酸ナトリウム溶液(pH5.0)のみを用いた固定化処理を行い、それぞれの結合実験の共鳴値resonance unit(以下RU)の補正化に用いた。
BRD2−BD1ペプチドの固定化直後のRU変化量は9,847RUであった。BRD2−BD1の分子量が14,916、結合剤1の分子量が340.5として、化合物の理論的な結合最大量は225RUと算出された。
最終濃度が20mMとなるように調製した結合剤1のDMSO(ジメチルスルホキシド)溶液を、HBS−EP running buffer(150mM NaCl、3mM EDTA、0.05% Tween−20、10mM HEPES、pH7.4、Biacore社製)を用いて希釈し、常法に基づきBiacore3000を用いてBRD2−BD1と結合剤1の結合・解離実験を行った。
具体的には、結合剤1の濃度が0〜80μMの範囲で、低濃度から順に、流速10μL/分、結合60秒、解離60秒、平衡化120秒、の条件で結合測定を行った。なお、解離はHBS−EP running bufferを用いた共鳴値の計時変化観察により行った。それぞれの測定における最大結合値の結果を表1に示す。測定は2回行った。
具体的には、結合剤1の濃度が0〜80μMの範囲で、低濃度から順に、流速10μL/分、結合60秒、解離60秒、平衡化120秒、の条件で結合測定を行った。なお、解離はHBS−EP running bufferを用いた共鳴値の計時変化観察により行った。それぞれの測定における最大結合値の結果を表1に示す。測定は2回行った。
図1は、80μMでの平均結合量を100%として、各濃度での平均結合量の比を示したものである。横軸は、測定に用いた結合剤1の濃度(M)の対数値である。
表2は、測定の結果得られた結合値から求めた結合定数を示したものである。解離定数(KD値)は、結合剤1の濃度が1.25〜20μMの範囲で、BIAevaluation4.1software(Biacore社製)のsteady−state affinity analysisにより算出した。EC50は、結合剤1の濃度が1.25〜80μMの範囲で、図1に示す結果に基づき算出した。以上の結果から、Biacore3000を用いた測定では、BRD2−BD1と結合剤1が結合することが明らかであり、その解離定数はおよそ6.9μMであることが判明した。
表2は、測定の結果得られた結合値から求めた結合定数を示したものである。解離定数(KD値)は、結合剤1の濃度が1.25〜20μMの範囲で、BIAevaluation4.1software(Biacore社製)のsteady−state affinity analysisにより算出した。EC50は、結合剤1の濃度が1.25〜80μMの範囲で、図1に示す結果に基づき算出した。以上の結果から、Biacore3000を用いた測定では、BRD2−BD1と結合剤1が結合することが明らかであり、その解離定数はおよそ6.9μMであることが判明した。
非特許文献4記載の方法に準拠してルシフェラーゼアッセイを行い、結合剤1によるBRD2依存の転写阻害を確認した。但し、非特許文献4記載の方法では、サイクリンEプロモーター等のDNA配列をレポーター遺伝子に挿入しているが、本実施例ではSV40のプロモーターを用いた。BRD2は、プロモーターのDNA配列を直接認識するDNA結合タンパク質性の転写活性化因子ではなく、DNAと複合体化しているヒストンの活性化状態(すなわち、ヒストンH4のK12Ac)を認識して転写活性化に働く因子であるため、SV40のような強力な転写活性化プロモーターでも同様に機能すると考えられるためである。
ヒトBRD2全長遺伝子を含有するhBRD2プラスミドと、Rasの活性化型遺伝子を含有するRasV12プラスミドと、リポーター遺伝子を含有するpGL4.13−ルシフェラーゼリポータープラスミドを、トランスフェクションした培養細胞の転写活性化の度合いを、Dual−Glo Luciferase Reporter Assay System(Promega社製)を用いたルシフェラーゼアッセイを行うことにより検出した。
具体的には、12穴細胞培養用プレートにヒト培養細胞のHeLa細胞に、0.2μgのhBRD2プラスミドと、0.1μgのRasV12プラスミドと、0.05μgのpGL4.13−ルシフェラーゼリポータープラスミドの混合プラスミドを、1.5μLのFuGene6(Roche社製)を用いて、製造者により推奨される方法に基づきトランスフェクションを行った。コントロールとして、hBRD2プラスミドのみを含有しない混合プラスミドを用いてトランスフェクションを行った。
具体的には、12穴細胞培養用プレートにヒト培養細胞のHeLa細胞に、0.2μgのhBRD2プラスミドと、0.1μgのRasV12プラスミドと、0.05μgのpGL4.13−ルシフェラーゼリポータープラスミドの混合プラスミドを、1.5μLのFuGene6(Roche社製)を用いて、製造者により推奨される方法に基づきトランスフェクションを行った。コントロールとして、hBRD2プラスミドのみを含有しない混合プラスミドを用いてトランスフェクションを行った。
トランスフェクションから5時間経過後、最終濃度がそれぞれ0、5、10μMとなるように結合剤1を細胞培養液に添加し、30℃、5%CO2条件下で20時間培養した。培養終了後、細胞培養液を全て吸引除去し、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4)で2〜3回細胞を洗浄した後、400μLのGlo lysis buffer(Promega社製)を添加してライセートを調整した。チューブに10μLの該ライセートと50μLのLuciferase Assay ReagentIIを添加し、2、3回懸濁後、ルシフェラーゼ活性を定量した。測定時間は10秒とした。サンプルは全て4回独立して調製を行った。
図2は、測定結果の平均・標準偏差を示したものである。縦軸はルシフェラーゼの比活性を表している。また、横軸の数値は添加した結合剤1の最終濃度(μM)を、+と−はhBRD2プラスミドのトランスフェクションの有無を、それぞれ表している。
以上の結果から、行った測定系では、BRD2が6〜7倍の転写活性化能を持つこと、及び、該測定系に対して結合剤1を添加することにより、5〜10μMの濃度で2〜3倍にまで転写が抑制されることがわかった。したがって、結合剤1が、BRD2依存の転写を阻害することが明らかである。
本発明のBRD2ブロモドメイン結合剤及びBRD2依存の転写を阻害する方法は、ブロモドメインを介したBRD2の機能解析に利用が可能であるばかりではなく、より効果的な抗癌剤やウィルス感染・増殖阻害剤の開発の分野での利用が期待される。
Claims (10)
- BRD2のタンデム配列された2つのブロモドメイン(bromodomain)のうち、N末側のブロモドメインと結合することを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤。
- 前記BRD2がヒトタンパク質BRD2であることを特徴とする請求項1記載のBRD2ブロモドメイン結合剤。
- 前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインとの結合において、アセチル化されたヒストンH4と競合することを特徴とする請求項1又は2記載のBRD2ブロモドメイン結合剤。
- 前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインの、ヒストンH4のアセチル化リジン認識ポケットと結合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のBRD2ブロモドメイン結合剤。
- 1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルチオ)エチル]−1,3−ジヒドロ−3−メチル−2H−ベンゾイミダゾール−2−チオンを有効成分とすることを特徴とするBRD2ブロモドメイン結合剤。
- BRD2のタンデム配列された2つのブロモドメインのうち、N末側のブロモドメインと結合することを特徴とする請求項5記載のBRD2ブロモドメイン結合剤。
- 前記BRD2がヒトタンパク質BRD2であることを特徴とする請求項5又は6記載のBRD2ブロモドメイン結合剤。
- 前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインとの結合において、アセチル化されたヒストンH4と競合することを特徴とする請求項5〜7のいずれか記載のBRD2ブロモドメイン結合剤。
- 前記BRD2ブロモドメイン結合剤が、BRD2のブロモドメインの、ヒストンH4のアセチル化リジン認識ポケットと結合することを特徴とする請求項5〜8のいずれか記載のBRD2ブロモドメイン結合剤。
- 請求項1〜8のいずれか記載のBRD2ブロモドメイン結合剤を用いることを特徴とするBRD2依存の転写を阻害する方法。
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