JP2013507389A - 2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物を調製する方法 - Google Patents

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Abstract

2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物を調製する方法が記載されている。

Description

本明細書に示されているのは、哺乳類における腫瘍壊死因子αの濃度または活性の低下にとって有用な2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物の調製方法である。そのような2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物としては、7−ニトロ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オン、7−アミノ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オン、およびシクロプロピル−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−オキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミドが挙げられる。
腫瘍壊死因子α(すなわちTNF−α)は、多くの免疫刺激物質に応答して、単核食細胞によって主に放出されるサイトカインである。動物またはヒトに投与されると、TNF−αは、炎症、発熱、心血管作用、出血、凝集、ならびに急性感染症およびショック状態の間に見られるような急性期応答を引き起こす。したがって、過剰なTNF−α産生または制御を受けていないTNF−α産生は、多くの疾患の状態と関連している。これらの疾患の状態としては、内毒素血症および/または毒素性ショック症候群(Tracey et al., Nature 330, 662-664 (1987) and Hinshaw et al., Circ. Shock30, 279-292 (1990));リウマチ様関節炎、クローン氏病、悪液質(Dezube et al., Lancet, 335(8690), 662 (1990))、ならびに12000pg/mLを超えるTNF−α濃度がARDS患者からの肺の吸引液において検出される成人呼吸窮迫症候群(ARDS)(Millar et al., Lancet 2(8665), 712-714 (1989))が挙げられる。また、組換えTNF−αの全身性の注入は、ARDSにおいて一般的に見られる変化をもたらす(Ferrai-Baliviera et al., Arch. Surg. 124(12), 1400-1405 (1989))。特定の2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物は、文献(例えば、その全体が参照によって本明細書に援用される米国特許第6,667,316号、米国特許第6,020,358号、米国特許出願公開第2004/0254214号、および米国特許出願公開第2004/0204448号)に、TNF−αの濃度を低下させると示されている。
2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物を合成する既存の方法は、米国特許第6,667,316号、米国特許第6,020,358号、米国特許出願公開第2004/0254214号、および米国特許出願公開第2004/0204448号に記載されている。これらの方法は2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物の調製に有用であるが、2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物を調製する、特に工業規模の製造のための、代替的な方法が望まれている。
本願の本項目における任意の文献の引用は、そのような文献が本願の従来技術であることの自認であると解釈されるべきではない。
本明細書に示されているのは、2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物(例えば、7−ニトロ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オン、7−アミノ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オン、およびシクロプロピル−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−オキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミド)の効率的な調製方法である。
一局面において、本明細書に示されているのは、式(I):
Figure 2013507389
のイソインドリン−1−オン化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは同質異像を調製する方法である。当該方法は、式(II):
Figure 2013507389
の第1級アミンまたはその塩を、式(III):
Figure 2013507389
の2−(ブロモメチル)安息香酸エステルと、無機塩基の存在下において反応させる工程を包含している。ここで、式(I)〜(III)において、
Rはアルキルまたはアリールであり;
およびRのそれぞれは独立して、水素、1〜4の炭素原子のアルキル、1〜4の炭素原子のアルコキシ、シアノまたは炭素原子が3〜18のシクロアルコキシであり;
は、ヒドロキシ、1〜8の炭素原子のアルキル、フェニル、ベンジルまたはNRであり;
、X、XおよびXのそれぞれは独立して、水素、ハロ、1〜4の炭素原子のアルキル、1〜4の炭素原子のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシもしくは−NR4’5’であるか;または隣接する炭素原子におけるX、X、XおよびXのいずれか2つは、示されているフェニレン環をともなってナフチリデンであり;
およびRのそれぞれは独立して、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、フェニルもしくはベンジルであるか;RおよびRの一方は水素であり、他方は−CORもしくは−SOであるか;またはRおよびRはともに、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンまたは−CHCHCHCH−であり、ここで、Xは−O−、−S−または−NH−であり;
4’およびR5’のそれぞれは独立して、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、フェニルもしくはベンジルであるか;R4’およびR5’の一方は水素であり、他方は−COR6’もしくは−SO6’であるか;またはR4’およびR5’はともに、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンまたは−CHCH5’CHCH−であり、ここで、X5’は、−O−、−S−または−NH−であり;
およびR6’のそれぞれは独立して、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキルまたはフェニルである。
いくつかの実施形態において、式(I)におけるRおよびRのそれぞれは独立して、1〜4の炭素原子のアルコキシである。特定の実施形態において、Rはメトキシであり、Rはエトキシである。他の実施形態において、式(I)におけるX、XおよびXのそれぞれは水素であり;Xは、ニトロ、−NHまたは−NHCOR6’であり、ここで、R6’は、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキルまたはフェニルである。一実施形態において、Xは−NHCOR6’であり、R6’はシクロプロピルである。いくつかの実施形態においてRはメチルである。他の実施形態においてRはメチルである。
特定の実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は、7−ニトロ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オンであり、ここで、Xはニトロであり;X、XおよびXのそれぞれは水素であり;Rはメチルであり;Rはメトキシであり;Rはエトキシである。
他の実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は、7−アミノ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オンであり、ここで、Xは−NHであり;X、XおよびXのそれぞれは水素であり;Rはメチルであり;Rはメトキシであり;Rはエトキシである。
他の実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は、シクロプロピル−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−オキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミドであり、ここで、XはNHCO−シクロプロピルであり;X、XおよびXのそれぞれは水素であり;Rはメチルであり;Rはメトキシであり;Rはエトキシである。
(1.定義)
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“ハロ”または“ハロゲン”という用語などは、−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味する。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“アルキル”または“アルキル基”という用語は、1〜8の炭素原子を含んでいる直鎖状または分枝鎖状の飽和した一価の炭化水素鎖を意味する。当該アルキル基の非限定的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルである。アルキル基は、1つ以上の好適な置換基を用いて置換され得るか、または非置換であり得る。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“アルコキシ”または“アルコキシ基”という用語は、エーテル性の酸素原子を介して分子の残余部分と結合しているアルキル基を意味する。当該アルコキシ基の非限定的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシである。アルコキシル基は、1つ以上の好適な置換基を用いて置換され得るか、または非置換であり得る。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“シクロアルキル”または“シクロアルキル基”という用語は、飽和または不飽和の一価の環状炭化水素鎖を意味する。特に記載がない限り、そのような鎖は、3〜18の炭素原子を含み得、当該鎖としては、モノシクロアルキル、ポリシクロアルキルおよびベンゾシクロアルキルの構造が挙げられる。モノシクロアルキルは単一の環を有している基を指す。ポリシクロアルキルは、1つ以上の環炭素原子を共有している2つ以上の環系を含んでいる炭化水素系(すなわちスピロ構造、縮合構造または架橋構造)を意味する。ベンゾシクロアルキルはベンゾ基と縮合している単環式のアルキル基を意味する。モノシクロアルキル基の非限定的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、シクロトリデシル、シクロテトラデシル、シクロペンタデシル、シクロヘキサデシル、シクロヘプタデシルおよびシクロオクタデシルである。ポリシクロアルキルの非限定的な例としては、デカヒドロナフタレン、スピロ[4.5]デシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ピナニル、ノルボミルおよびビシクロ[2.2.2]オクチルが挙げられる。ベンゾシクロアルキルの非限定的な例としては、テトラヒドロナフチル、インダニルおよび1.2−ベンゾシクロヘプタニルが挙げられる。シクロアルキル基は、1つ以上の好適な置換基を用いて置換され得るか、または非置換であり得る。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“シクロアルコキシ”または“シクロアルコキシ基”という用語は、エーテル性の酸素原子を介して分子の残余部分と結合している上述のようなシクロアルキル基(すなわちモノシクロアルキル構造、ポリシクロアルキル構造またはベンゾシクロアルキル構造)を意味する。シクロアルコキシ基は、1つ以上の好適な置換基を用いて置換され得るか、または非置換であり得る。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、化合物または化学部分を説明するために使用されるような“置換”という用語は、当該化合物または化学部分の少なくとも1つの水素原子が他の化学部分に置き換えられていることを意味する。他の化学部分は、本明細書に記載の化合物またはそれらの調製に有用な中間体の合成上の有用性または薬学的な有用性を消失させない好適な任意の置換基であり得る。好適な置換基の例としては、アルキル;アルケニル;アルキニル;アリール;シクロアルキル;アルコキシ;CN;OH;ハロ、C(O)OH;COハロ;O(CO)ハロ;CF、N;NO、NH;NH(アルキル);N(アルキル);NH(アリール);N)アリール);(CO)NH;(CO)NH(アルキル);(CO)N(アルキル);(CO)NH(アリール)および(CO)N(アリール)が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書に記載の化合物の安定性、薬学的活性および合成活性に基づいて好適な置換基を容易に選択し得る。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、ある化合物を“実質的に含んでいない”組成物は、約20重量%未満、好ましくは約10重量%未満、より好ましくは約5重量%未満、さらに好ましくは約3重量%未満の当該化合物を含有している組成物を意味する。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“立体化学的に純粋な”という用語は、化合物の単一の立体異性体を含んでおり、当該化合物の他の立体異性体を実質的に含んでいない組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有している、化合物の立体異性的に純粋な組成物は、当該化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含んでいない。2つのキラル中心を有している、化合物の立体異性的に純粋な組成物は、当該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含んでいない。標準的な立体異性的に純粋な化合物は、約80重量%を超える上記化合物の1つの立体異性体および約20重量%未満の上記化合物の他の立体異性体、好ましくは約90重量%を超える上記化合物の1つの立体異性体および約10重量%未満の上記化合物の他の立体異性体、より好ましくは約95重量%を超える上記化合物の1つの立体異性体および約5重量%未満の上記化合物の他の立体異性体、さらに好ましくは約97重量%を超える上記化合物の1つの立体異性体および約3重量%未満の上記化合物の他の立体異性体を含んでいる。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“鏡像異性的に純粋な”という用語は、1つのキラル中心を有している、化合物の立体異性的に純粋な組成を意味する。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“ラセミの”または“ラセミ体”という用語は、分子におけるすべてのキラル中心に関して、約50%の1つの鏡像異性体および約50%の対応する鏡像異性体を意味する。本明細書に示されている化合物は、当該化合物のすべての、鏡像異性的に純粋な混合物、鏡像異性体について濃縮されている混合物、ジアステレオマーについて純粋な混合物、ジアステレオマーについて濃縮されている混合物、およびラセミ混合物を包含している。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“調製する(複数の)方法”または“(複数の)調製方法”という用語は、本明細書に示されている化合物を調製するために有用な、本明細書に開示されている方法を指す。また、本明細書に開示されている方法に対する変更(例えば、出発物質、試薬、保護基、溶媒、温度、反応時間、精製)が包含されている。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“加える”または“反応させる”などという用語は、1つの反応物質、試薬、溶媒、触媒または反応性基などを、他の反応物質、試薬、溶媒、触媒または反応性基などと接触させることを意味する。反応物質、試薬、溶媒、触媒または反応性基などは、個々にか、同時にか、または単独に加えられ得、任意の順序において加えられ得る。それらは、加熱または非加熱の条件下において加えられ得、必要に応じて不活性雰囲気の条件下において加えられ得る。“反応させる”は、反応性基が同一分子に存在している場合にインシチュ形成または分子内反応を指す。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“実質的に完了している”反応、または“実質的な完了”に至っている反応は、反応物が収量の約80%を超える所望の生成物、好ましくは収量の約90%を超える所望の生成物、より好ましくは収量の約95%を超える所望の生成物、最も好ましくは収量の約97%を超える所望の生成物を含んでいることを意味する。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“薬学的に受容可能な塩”という用語は、本明細書に示されている化合物に存在し得る酸性基または塩基性基の塩を包含しているが、これらに限定されない。本質的に塩基性を有している本明細書に示されている化合物は、種々の無機酸および有機酸をとともに広範な塩を形成可能である。そのような塩基性化合物の薬学的に受容可能な塩の調製に使用され得る酸は、薬学的に受容可能なアニオンを含んでいる塩(酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、クエン酸塩、塩化二水素、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトエート、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、メチル硫酸塩、ムスケート(muscate)、ナプシレート、硝酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/2リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、3−エチルヨード化合物およびパモ酸塩が挙げられるが、これらに限定されない)を形成する酸である。また、本明細書に示されているアミノ基を含んでいる化合物は、上述の酸以外に種々のアミノ酸をともなって薬学的に受容可能な塩を形成し得る。本質的に酸性を有している本明細書に示されている化合物は、種々の薬学的に受容可能なカチオンをともなって塩基性塩を形成可能である。そのような塩の非限定的な例としては、アルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩、および特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛の塩、カリウム塩、鉄の塩が挙げられる。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“水和物”という用語は、非共有結合的な分子間力によって結合されている化学量論的な量または化学量論的ではない量の水をさらに含んでいる本明細書に示されている化合物またはその塩を意味する。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“溶媒和物”という用語は、本明細書に示されている化合物に対する1つ以上の溶媒の会合に基づいて形成されている溶媒和物を意味する。“溶媒和物”という用語は、水和物(例えば、1水和物、2水和物、3水和物および4水和物など)を包含している。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“同質異像”という用語は、本明細書に示されている化合物の固体の結晶形態またはその複合体を意味する。同じ化合物の異なる同質異像は、異なる物理的性質、化学的性質および/または分光特性を示し得る。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“TNF−αの異常に高い濃度または異常に高い活性に関連する疾患または障害”という表現は、TNF−αの濃度もしくは活性が低い場合に生じないか、許容し得るか、もしくは症状を起こさない疾患もしくは障害、またはTNF−αの濃度または活性を低下させることによって予防され得るか、もしくは処置され得る疾患もしくは障害を意味する。
本明細書において特に断りなく使用されているとき、“処置する”、“処置すること”および“処置”という用語は、患者が特定の疾患もしくは障害に罹っているときに生じる、当該疾患もしくは障害の重症度もしくは症状を和らげる作用、または当該疾患もしくは障害の進行を遅らせる作用もしくは症状を緩徐させる作用が意図されている。
官能基または試薬にとっての頭字語または記号は、以下の定義を有している。HPLC=高速液体クロマトグラフィー、CHCN=アセトニトリル;DMF=ジメチルホルムアミド、DMSO=ジメチルスルホキシド、THF=テトラヒドロフラン、CHOAc=酢酸メチル、EtOAc=酢酸エチル、AIBN=2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、DBH=1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、およびDIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン。
示されている構造と当該構造に与えられている名称との間に矛盾がある場合、示されている構造がより重視されるべきである。さらに、構造またはその部分の立体化学が、例えば太字体または点線を用いて、示されていない場合、当該構造またはその部分は、すべてまたは任意のその立体異性体を包含していると解釈されるべきである。
本明細書に示されている方法は、非限定的な実施形態を例示を意図されている以下のより詳細な説明および例証としての実施例を参照することによって、よりよく理解され得る。
(2.製法)
本明細書に示されているのは、2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物の調製方法である。ある実施形態において、本明細書に示されている上記方法は、2−(1−フェニルエチル)イソインドリン−1−オン化合物の大規模の生成または工業的な生成にとって有効な手段を包含すべきである。
いくつかの所定の実施形態において、本明細書に示されているのは、式(I):
Figure 2013507389
のイソインドリン−1−オン化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物(水和物が挙げられる)もしくは同質異像を調製する方法である。当該方法は、式(II):
Figure 2013507389
の第1級アミンまたはその塩を、式(III):
Figure 2013507389
の2−(ブロモメチル)安息香酸エステルと、無機塩基の存在下において反応させる工程を包含している。ここで、上記式(I)〜(III)において、
Rはアルキルまたはアリールであり;
およびRのそれぞれは独立して、水素、1〜4の炭素原子のアルキル、1〜4の炭素原子のアルコキシ、シアノまたは炭素原子が3〜18のシクロアルコキシであり;
は、ヒドロキシ、1〜8の炭素原子のアルキル、フェニル、ベンジルまたはNRであり;
、X、XおよびXのそれぞれは独立して、水素、ハロ、1〜4の炭素原子のアルキル、1〜4の炭素原子のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシもしくは−NR4’5’であるか;または隣接する炭素原子におけるX、X、XおよびXのいずれか2つは、示されているフェニレンをともなって、ナフチリデンであり;
およびRのそれぞれは独立して、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、フェニルもしくはベンジルであるか;またはRおよびRの一方は水素であり、他方は−CORもしくは−SOであるか;またはRおよびRはともに、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンもしくは−CHCHCHCH−であり、ここで、Xは−O−、−S−または−NH−であり;
4’およびR5’のそれぞれは独立して、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、フェニルもしくはベンジルであるか;R4’およびR5’の一方は水素であり、他方は−COR6’もしくは−SO6’であるか;またはR4’およびR5’はともに、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンもしくは−CHCH5’CHCH−であり、ここで、X5’は−O−、−S−または−NH−であり;
およびR6’のそれぞれは独立して、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキルまたはフェニルである。
ベンジルの臭化物および第1級アミンの間における求核置換反応(例えば、式(II)および式(III)の間における一次反応)を触媒し得るか、または促進させ得る任意の無機塩基が使用され得る。好適な無機塩基の非限定的な例としては、金属の水酸化物(例えば、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム)、金属の炭酸塩(例えば、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウム)、金属の炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム)、金属の水素化物およびこれらの組合せが挙げられる。一実施形態において、上記無機塩基は炭酸水素ナトリウムである。他の実施形態において、上記無機塩基は炭酸カリウムである。上記無機塩基と式(I)とのモル比は、約1:1〜約3:1の範囲であり得る。上記無機塩基と式(I)とのモル比は、約1.5:1〜約2.5:1の範囲であり得る。上記無機塩基と式(I)とのモル比は、約2.0:1〜約2.2:1の範囲であり得る。
式(II)および式(III)の間の反応は、溶媒(例えば、アセトニトリル、酢酸エチル、ケトン(例えば、アセトンおよびメチルエチルケトン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフラン)、ジクロロメタン、クロロホルム、N−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびこれらの組合せ)において起こり得る。好適な溶媒の選択は、多くの要因(例えば、上記無機塩基の安定性、上記溶媒の塩基性度または酸性度、上記無機塩基の塩基性度に対する上記溶媒の影響)に一般的に基づき得る。一実施形態において、上記溶媒はアセトニトリルであり、上記無機塩基は炭酸カリウムである。他の実施形態において、上記溶媒はジメチルホルムアミドであり、上記無機塩基は炭酸水素ナトリウムである。
反応温度は、当業者にしたがう、式(II)および式(III)の間の反応にとって有用な任意の温度であり得る。例えば、ある実施形態において、上記反応温度は約20℃〜120℃である。いくつかの所定の実施形態において、上記反応温度は約50℃〜約100℃である。所定の他の実施形態において、上記反応温度約70℃〜約100℃である。特定の実施形態において、上記溶媒はアセトニトリルであり、上記反応温度はアセトニトリルの沸点(すなわち81〜82℃)である。
反応時間は、当業者にしたがう、式(II)および式(III)の間の反応にとって有用な任意の時間であり得る。反応温度が高いほど、反応時間は一般的に短くなる。例えば、ある実施形態において、上記反応時間は約1時間〜約24時間である。いくつかの所定の実施形態において、上記反応時間は約1時間〜約5時間である。所定の特定の実施形態において、上記反応時間は80℃〜82℃において約2時間〜約4時間である。
式(II)の第1級アミンに対する式(III)の2−(ブロモメチル)安息香酸エステルの比率は、当業者にしたがう、式(II)および式(III)の間の反応にとって有用な任意のモル比であり得る。例えば、ある実施形態において、式(III)と式(II)とのモル比は、約1:0.8〜約1:1.3であり得る。他の実施形態において、式(III)と式(II)とのモル比は、約1:0.9〜約1:1.2であり得る。さらなる実施形態において、式(III)と式(II)とのモル比は、約1:1〜約1:1.1であり得る。
式(I)のラセミ混合物が所望される場合、式(II)のラセミ混合物が使用され得る。逆に、鏡像異性的に純粋な式(I)が所望される場合、鏡像異性的に純粋な式(II)使用され得る。式(II)のいくつかの非限定的な例としては、(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニル−エチルアミン、および(1R)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニル−エチルアミンが挙げられる。代替的に、鏡像異性的に純粋な式(I)が所望される場合、式(I)ラセミ混合物が調製され得、それから従来の分離技術(例えば、生物学的な分離および化学的な分離)によって鏡像異性体に分離され得る。生物学的な分離は、一方の特定の鏡像異性体を代謝して、他方の鏡像異性体のみを残す微生物を一般的に利用する。化学的分解においてラセミ混合物は、従来の技術(例えば、分別結晶およびクロマトグラフィー)によって分離され得る2つのジアステレオマーに変換される。いったん分離されると、2つのジアステレオマーの形態は、鏡像異性体へと別々に変換され得る。一実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物はラセミ混合物である。他の実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は(+)−鏡像異性体である。さらなる実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は(−)−鏡像異性体である。
式(I)のイソインドリン−1−オン化合物のいくつかの実施形態において、RおよびRのそれぞれは独立して、1〜4の炭素原子のアルコキシである。特定の実施形態において、Rはメトキシであり、Rはエトキシである。他の実施形態において、X、XおよびXのそれぞれは水素であり;Xは、ニトロ、−NHまたは−NHCOR6’であり、ここで、R6’は水素であり、1〜8の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキルまたはフェニルである。一実施形態において、Xは−NHCOR6’であり、R6’はシクロプロピルである。いくつかの実施形態において、Rはメチルである。他の実施形態において、Rはメチルである。
特定の実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は、化合物(1)(すなわち(1S)−7−ニトロ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オン)であり、ここで、Xはニトロであり;X、XおよびXのそれぞれは水素であり;Rはメチルであり;Rはメトキシであり;Rはエトキシである。以下の手順Aを参照して、化合物(1)は、化合物(2)(すなわち(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニル−エチルアミン)および化合物(3)(すなわち2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチル)の間の、無機触媒(例えば、炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウム)の存在下における反応から調製され得る。他の実施形態において、(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニル−エチルアミンは、(1N)−7−ニトロ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オンを形成するために、(1R)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニル−エチルアミンに置き換えられる。
Figure 2013507389
化合物(2)および化合物(3)の間の反応は溶媒において起こり得る。いくつかの実施形態において、上記溶媒はアセトニトリルであり、反応時間は約1時間〜24時間であり、上記無機触媒は炭酸カリウムである。他の実施形態において、上記反応時間は約2時間〜約4時間であり、上記反応は還流しているアセトニトリルにおいて生じる。さらなる実施形態において、上記反応は、約70〜100℃のDMFにおいて15〜18時間にわたって、炭酸水素ナトリウムの存在下において起こる。
必要に応じて、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は、例えば1:1のモル比において、式(I)を酸と反応させることによって、酸性塩に変換され得る。好適な酸の非限定的な例としては、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、4−(トリフルオロメチル)安息香酸、p−トルエンスルホン酸、塩化水素酸、硝酸、硫酸およびリン酸が挙げられる。一実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は、約0℃〜約22℃の温度において12規定の塩酸を用いて塩酸塩に変換される。
式(II)の第1級アミンは、スルホンおよびベンズアルデヒドの誘導体の間の反応、および当該分野に公知の他の方法によって調製され得る。スルホンおよびベンズアルデヒドの誘導体の間の反応は、いずれも参照によって本明細書に援用される米国特許第6,020,358号および米国特許出願公開第2004/0204448号に開示されている。
式(III)の2−(ブロモメチル)安息香酸エステルは、当業者にとって公知の方法によって調製され得る。ある実施形態において、式(III)の2−(ブロモメチル)安息香酸エステルは、式(IV):
Figure 2013507389
の2−メチル安息香酸エステルを、臭化剤と反応させることによって調製され得る。ここで、R、X、X、XおよびXの定義は上述の通りである。
上記臭化剤は、ベンジル性の水素をブロモ基に置換し得る公知の任意の臭化剤であり得る。好適な臭化剤の非限定的な例としては、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−ブロモコハク酸イミド、ブロモトリクロロメタン、スチレン−ビニルピリジン共重合体の臭素錯体、臭素、臭化銅(II)、臭化ナトリウムおよびブロモトリメチルシランの混合物、ならびにこれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、上記臭化剤は1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインである。いくつかの有用な臭化剤は、例えば、参照によって本明細書に援用されるBaldwin et al., Synthetic Commun., 1976, 6(2), 109;Lee et al., Bull. Korean. Chem. Soc., 1995, 16, 371; Stephenson, Org. Synth., 1963, Collective Vol. 4, 984;Pizey, Synthetic Reagent, Halsted Press, New York, 1974, Vol. 2, 1-63; Sket et al., J. Org. Chem., 1986, 51, 929;およびChaintreau et al., Synth. Comm., 1981, 11, 669に記載されている。
必要に応じて、式(IV)および上記臭化剤の間におけるベンジルの臭素化反応は、遊離ラジカル反応開始剤の存在下において起こり得る。遊離ラジカルは、一般的に少なくとも1つの不対電子を有している原子または原子団である。遊離ラジカル反応開始剤は、一般的に遊離ラジカルの生成を開始可能な物質である。当該分野に公知の任意の遊離ラジカル反応開始剤は、式(IV)および臭化剤の間におけるベンジルの臭素化反応に使用され得る。好適な遊離ラジカル反応開始剤の非限定的な例としては、アゾ化合物、ジアルキルの過酸化物、ヒドロペルオキシド、有機の重酸化物、ジアシルの過酸化物、ペルオキシ酸エステル、多原子の過酸化物、有機金属の過酸化物およびこれらの組合せが挙げられる。いくつかの遊離ラジカル反応開始剤は、参照によって本明細書に援用されるDenisov et al, Handbook of Free Radical Initiators, 2003, John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, New Jersey, に記載されている。いくつかの実施形態において、遊離ラジカル反応開始剤は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(メトキシジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シアノシクロヘキサン)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)またはベンゾイルの過酸化物である。これらの遊離ラジカル反応開始剤のすべては、供給業者(例えばDupontおよびAldrich Chemicals)から購入可能であるか、または公知の合成方法にしたがって調製され得る。特定の実施形態において、遊離ラジカル反応開始剤は2,2’−アゾビスイソブチロニトリルである。
臭化剤に対する遊離ラジカル反応開始剤の比率は、当業者にしたがう、臭化剤および式(IV)の間におけるベンジルの臭素化反応にとって有用な任意のモル比であり得る。例えば、ある実施形態において、遊離ラジカル反応開始剤と臭化剤とのモル比は、約0.01:1〜約0.5:1である。他の実施形態において、遊離ラジカル反応開始剤と臭化剤とのモル比は、約0.05:1〜約0.25:1である。さらなる実施形態において、遊離ラジカル反応開始剤と臭化剤とのモル比は、約0.07:1〜約0.15:1である。
反応温度は、当業者にしたがう、臭化剤および式(IV)の間の反応にとって有用な任意の温度であり得る。例えば、ある実施形態において、上記反応温度は約20℃〜約120℃である。いくつかの所定の実施形態において、上記反応温度は約40℃〜約90℃である。所定の他の実施形態において、上記反応温度は約50℃〜約70℃である。特定の実施形態において、溶媒は酢酸メチルであり、上記反応温度は酢酸メチルの還流温度(すなわち約55℃〜60℃)である。
反応時間は、当業者にしたがう、臭化剤および式(IV)の間の反応にとって有用な任意の時間であり得る。一般的に、反応温度が高いほど、反応時間は短くなる。例えば、ある実施形態において、上記反応時間は約1時間〜24時間である。いくつかの所定の実施形態において、上記反応時間は約1時間〜10時間である。所定の特定の実施形態において、上記反応時間は約55℃〜60℃において約6時間〜8時間である。
式(IV)に対する臭化剤の比率は、当業者にしたがう、臭化剤および式(IV)の間の反応にとって有用な任意のモル比であり得る。例えば、ある実施形態において、臭化剤と式(IV)とのモル比は約0.5:1〜約1.5:1である。他の実施形態において、上記モル比は約0.75:1〜約1:1である。さらなる実施形態において、上記モル比は約0.55:1〜約0.75:1である。
ベンジルの臭素化反応は溶媒において起こり得る。臭化剤と反応しない任意の溶媒が使用され得る。好適な溶媒の非限定的な例としては、酢酸メチル、アセトニトリル、酢酸エチル、エーテル(例えば、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフラン)、ジクロロメタン、クロロホルム、N−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびこれらの組合せが挙げられる。
式(IV)の2−メチル安息香酸エステルのいくつかの実施形態において、
、XおよびXのそれぞれは水素であり;Xは、ニトロ、−NHまたは−NHCOR6’であり、ここで、R6’は水素、1〜8の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキルまたはフェニルである。他の実施形態において、Xは−NHCOR6’であり、R6’はシクロプロピルである。さらなる実施形態においてRはメチルである。
式(IV)の2−メチル安息香酸エステルの特定の実施形態は、化合物(3)(すなわち2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチル)である。ここで、Xはニトロであり;X、XおよびXのそれぞれは水素であり;Rはメチルである。以下の手順Bを参照して、化合物(3)は、遊離ラジカル反応開始剤(例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN))の存在下の、酢酸メチルにおける化合物(4)(すなわち2−メチル−6−ニトロ安息香酸メチル)および1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBH)の間の反応から調製され得る。特定の実施形態において、化合物(4)とDBHとAIBNとのモル比は、約1.02:約0.57:約0.05である。
Figure 2013507389
式(IV)の2−メチル安息香酸エステルは、商業的な供給業者から購入され得るか、またはエステル化剤を、式(V):
Figure 2013507389
の2−メチル安息香酸と反応させることによって調製され得る。ここで、X、X、XおよびXの定義は上述の通りである。
式(V)の−COH基を−COR基に変換し得る任意のエステル化剤が、エステル化反応に使用され得る。いくつかの実施形態において、エステル化反応は、ブレンステッド酸、ルイス酸、イオン交換樹脂およびゼオライトなどを用いて触媒され得るか、または促進され得る。他の実施形態において、エステル化反応は、塩基性の触媒(例えば、アミン、金属の炭酸塩、金属の炭酸水素塩および金属の水酸化物など)用いて触媒され得るか、または促進され得る。好適なエステル化剤の非限定的な例としては、アルコール、金属アルコキシド、エステル、ハロゲン化アルキル、ジアゾメタンおよびオルトエステルが挙げられる。エステルを形成するための酸のエステル化は、参照によって本明細書に援用されるJunzo Otera, “Esterification: Methods, Reactions, and Applications,” Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, p. 3-174, (2003)に記載されている。オルトエステルを用いたカルボン酸エステル化は、文献(例えば、参照によって本明細書に援用されるYoshino et al., Synlett, 2004, 9, 1604;およびTrujillo et al., Tetrahedron Lett., 1993, 34, 7355)に記載されている。好適なオルトエステルの非限定的な例としては、オルト酢酸トリメチル、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチル、オルト酢酸トリエチル、およびオルトプロピオン酸トリエチルなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、エステル化剤はオルトエステルである。さらなる実施形態において、オルトエステルはオルト酢酸トリメチルである。
エステル化反応の温度は、当業者にしたがう、エステル化剤および式(V)の間の反応にとって有用な任意の温度であり得る。例えば、ある実施形態において、エステル化反応の温度は約0℃〜約120℃である。いくつかの所定の実施形態において、エステル化反応の温度は約20℃〜約100℃である。所定の他の実施形態において、エステル化反応の温度は約80℃〜約120℃である。特定の実施形態において、エステル化剤はオルト酢酸トリメチルであり、反応の温度は約95℃〜100℃である。
反応時間は、当業者にしたがう、エステル化剤および式(V)の間の反応にとって有用な任意の時間であり得る。一般的に反応温度が高いほど、反応時間は短くなる。例えば、ある実施形態において、上記反応時間は約1時間〜約24時間である。いくつかの所定の実施形態において、上記反応時間は約1時間〜約10時間である。所定の特定の実施形態において、上記エステル化剤はオルト酢酸トリメチルであり、上記反応時間は約95℃〜100℃において約1時間〜約2時間である。
式(V)に対するエステル化剤のモル比は、当業者にしたがう、エステル化反応にとって有用な任意のモル比であり得る。例えば、ある実施形態において、エステル化剤と式(V)とのモル比は約2:1〜約0.5:1である。他の実施形態において、上記モル比は1.75:1〜約0.75:1である。さらなる実施形態において、上記モル比は1.5:1〜約1:1である。
上記エステル化反応は溶媒の存在下または非存在下において生じ得る。いくつかの実施形態において、上記エステル化反応は溶媒の非存在下において生じる。他の実施形態において、上記エステル化反応は溶媒の存在下において生じる。上記エステル化剤と反応しない任意の溶媒が使用され得る。好適な溶媒の非限定的な例としては、酢酸メチル、アセトニトリル、酢酸エチル、エーテル(例えば、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフラン)、ジクロロメタン、クロロホルム、N−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、イオン性の液体およびこれらの組合せが挙げられる。一般的に、イオン性の液体は、低い融点、好ましくは100℃未満の融点、より好ましくは室温未満の融点を有している任意の有機塩であり得る。溶媒としてのイオン性の液体の使用によってエステル化反応の収率を向上させることが報告されている。好適なイオン性の液体の非限定的な例としては、ハロゲンを含んでいないイオン性の液体(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトシレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムオクチルの硫酸塩、および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム2−(2−メトキシエトキシ)エチルの硫酸塩)、イミダゾリウム化合物(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムの臭化物、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸塩、および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムのヘキサフルオロリン酸塩)、ピリニジウム化合物(例えば、1−ブチル−4−メチルピリニジウムの塩化物および1−ブチル−4−メチルピリニジウムのヘキサフルオロリン酸塩)、ホスホニウム化合物、tertアルキルアンモニウム化合物、およびこれらの組合せが挙げられる。いくつかのイオン性の液体は、参照によって本明細書に援用されるWasserscheid et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39, 3772; Welton, Chem. Rev. 1999, 99, 2071;Sheldon, Chem. Commun. 2001, 2399;およびDupont et al., Chem. Rev. 2002, 102, 3667に記載されている。
式(V)の2−メチル安息香酸エステルのいくつかの実施形態において、XおよびXのそれぞれは水素であり;Xは、ニトロ、−NHまたは−NHCOR6’であり、ここで、R6’は水素、1〜8の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキルまたはフェニルである。他の実施形態において、Xは−NHCOR6’であり、R6’はシクロプロピルである。
特定の実施形態において、式(IV)の2−メチル安息香酸エステルは、化合物(4)(すなわち2−メチル−6−ニトロ安息香酸メチル)である。ここで、Xはニトロであり;X、XおよびXのそれぞれは水素であり;Rはメチルである。以下の手順Cを参照して、化合物(4)は、溶媒または触媒の非存在下における、化合物(5)(すなわち2−メチル−6−ニトロ安息香酸)およびオルト酢酸トリメチルの間の反応に基づいて調製され得る。オルト酢酸トリメチルおよび式(V)の2−メチル安息香酸の間における反応の温度は、約80℃〜約120℃である。オルト酢酸トリメチルと式(V)とのモル比は、約1:1〜約2:1である。特定の実施形態において、上記反応温度は約95℃〜約100℃であり、オルト酢酸トリメチルと式(V)とのモル比は約1.5:1である。
Figure 2013507389
特定の一実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は、以下の式:
Figure 2013507389
を有している7−ニトロイソインドリン−1−オン化合物である。ここで、X、X、X、R、RおよびRの定義は上述の通りである。いくつかの実施形態において、X、XおよびXのそれぞれは水素であり;RおよびRのそれぞれは独立して、1〜4の炭素原子のアルコキシであり;Rは1〜8の炭素原子のアルキルである。さらなる実施形態において、Rはメトキシであり;Rはエトキシであり;Rはメチルである。
他の実施形態において、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は、以下の式:
Figure 2013507389
を有している7−アミノイソインドリン−1−オン化合物である。ここで、X、X、X、R、RおよびRの定義は上述の通りである。式(VII)の7−アミノイソインドリン−1−オン化合物は、式(II)の第1級アミンを、式(III)の2−(ブロモメチル)安息香酸エステルと反応させることによって調製され得る。ここで、XはNHである。式(II)の第1級アミン基は、求核置換反応において、式(VII)の芳香族アミン基より一般的に反応性が高い。しかし、式(VII)の芳香族アミン基は反応の前に保護基によって保護され得、当該反応の後に当該保護基が除去され得る。当業者に公知の任意の保護基が使用され得る。好適なアミン保護基の非限定的な例としては、アシル基(例えば、ホルミル、アセチルおよびベンゾイル)、尿素およびウレタンの誘導体、ならびにアルキルの誘導体およびアリールの誘導体が挙げられる。いくつかのアミン保護基は、参照によって本明細書に援用されるJif MacOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry,” Plenum Pub. Corp., Chapter 2 (1973)に記載されている。式(II)および式(III)の間の反応については以下に説明されている。
代替的に、式(VII)の7−アミノイソインドリン−1−オン化合物は、式(VI)の7−ニトロイソインドリン−1−オン化合物を還元剤と反応させることによって調製され得る。上記還元剤は、ニトロ基を第1級アミンに還元させ得る当該技術において公知の任意の還元剤であり得る。そのような還元剤の非限定的な例としては、水素および触媒(触媒性の水素化)、酸(例えば、塩化水素酸および酢酸)における還元性金属、水酸化アンモニウム溶液における硫酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム溶液における亜鉛、ヒドラジニウム蟻酸塩溶液におけるマグネシウム、および希塩酸における二塩化スズが挙げられる。好適な水素化触媒の非限定的な例としては、パラジウム(Pd)およびプラチナ(Pt)が挙げられる。好適な還元性金属の非限定的な例としては、鉄、亜鉛アマルガム、亜鉛およびスズが挙げられる。特定の実施形態において、上記還元剤は水素を加えた触媒である。さらなる実施形態において、上記触媒はPd触媒である。他の実施形態において、上記触媒は5%のPd/Cである。他の実施形態において、上記触媒は10%のPd/Cである。
触媒性の水素化は、反応を実質的に完了させる水素圧において一般的に実施される。特定の実施形態において、触媒性の水素化は、約2.7〜3.5バール(約40〜50psiまたは5332〜6666パスカル)の水素圧において実施される。
一実施形態において、触媒性の水素化は室温において実施される。触媒性の水素化は、反応が実質的に完了するまで一般的に実施される。特定の実施形態において、触媒性の水素化は、約15℃〜約50℃の温度において約1〜24時間にわたって実施される。さらなる実施形態において、触媒性の水素化は、約35℃〜約45℃の温度において約4〜6時間にわたって実施される。
触媒性の水素化は溶媒において起こり得る。一実施形態において、触媒性の水素化は、プロトン性の溶媒(例えば、アルコール、水およびこれらの組合せ)において実施される。さらなる実施形態において、アルコール溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールおよびこれらの組合せからなる群から選択される。他の実施形態において、触媒性の水素化は、非プロトン性の無極性溶媒(例えば、1,4−ジオキサン)において実施される。さらなる他の実施形態において、触媒性の水素化は、非プロトン性の極性溶媒(例えば、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、DMSO、DMFおよびTHF)において実施される。所定の一実施形態において、溶媒はプロトン性の溶媒である。所定のさらなる実施形態において、触媒性の水素化のための溶媒は酢酸エチルである。
式(VII)の7−アミノイソインドリン−1−オン化合物のいくつかの実施形態において、X、XおよびXのそれぞれは水素である。他の実施形態において、RおよびRのそれぞれは独立して、1〜4の炭素原子のアルコキシであり;Rは1〜8の炭素原子のアルキルである。他の実施形態において、Rはメトキシであり、Rはエトキシである。さらなる実施形態において、Rはメチルである。
特定の実施形態において、式(VII)の7−アミノイソインドリン−1−オン化合物は化合物(6)である。ここで、Xは−NHであり;XおよびXのそれぞれは水素であり;Rはメトキシであり;Rはエトキシであり;Rはメチルである。以下の手順Dを参照して、化合物(6)は、10%のPd/C触媒の存在下における水素を用いた化合物(1)の還元によって調製され得る。触媒性の水素化は、10%のPd/C触媒の存在下において約4〜6時間にわたって約40℃において起こり得る。さらなる実施形態において、触媒性の水素化は、約40〜45psiまたは2.7〜3.1バールの水素圧において起こる。
Figure 2013507389
化合物(6)のラセミ混合物が所望される場合、化合物(1)のラセミ混合物が使用され得る。逆に、鏡像異性的に純粋な化合物(6)が所望される場合、鏡像異性的に純粋な化合物(1)が使用され得る。代替的に、鏡像異性的に純粋な化合物(6)が所望される場合、化合物(6)のラセミ混合物が、調製され得、それから従来の分離技術(例えば、生物学的な分離および化学的な分離)によって鏡像異性体に分離され得る。一実施形態において、化合物(6)はラセミ混合物である。他の実施形態において、化合物(6)は(+)−鏡像異性体である。さらなる実施形態において、化合物(6)は(−)−鏡像異性体である。
必要に応じて、式(VII)の7−アミノイソインドリン−1−オン化合物は、1:1のモル比において式(VII)を酸と反応させることによって、酸性塩に変換され得る。好適な酸の非限定的な例としては、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、4−(トリフルオロメチル)安息香酸、p−トルエンスルホン酸、塩化水素酸、硝酸、硫酸およびリン酸が挙げられる。一実施形態において、式(VII)は、0℃〜22℃の温度において12規定の塩酸を用いて塩酸塩に変換される。
他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下の式:
Figure 2013507389
を有しているアミド化合物である。ここで、X、X、X、R、RおよびRの定義は上述の通りであり;R6’は、1〜8の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキルまたはフェニルである。式(VIII)のアミド化合物は、式(II)の第1級アミンを式(III)の2−(ブロモメチル)安息香酸エステルと反応させることによって調製され得る。ここで、Xは−NHCOR6’である。式(II)および式(III)の間の反応については上述されている。
代替的に、式(VIII)のアミド化合物は、式(VII)7−アミノイソインドリン−1−オンまたはその酸性塩を、式R6’−C(O)−Haを有しているハロゲン化アシルと反応させることによって、調製され得る。ここで、R6’の定義は上述の通りであり、Haは、F、Cl、BrまたはIである。式(VII)の化合物またはその塩とハロゲン化アシルとの間の反応は、溶媒(例えば、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびこれらの混合物)において起こる。一実施形態において溶媒は酢酸エチルである。
アシル化反応の反応温度は、当業者にしたがう、アシル化反応にとって有用な任意の温度であり得る。例えば、ある実施形態において、ハロゲン化アシルと式(VII)またはその塩との間におけるアシル化反応の反応温度は、約0℃〜約50℃である。所定の一実施形態において、上記反応温度は約15℃〜約25℃である。
必要に応じて、アシル化反応は、塩基性触媒(例えば、有機アミン)の存在下において起こり得る。有機アミンの非限定的な例としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンおよびDBU、イミダゾール、ならびにこれらの混合物が挙げられる。所定の一実施形態において、触媒はトリエチルアミンである。所定の他の実施形態において、触媒はイミダゾールである。所定のさらなる実施形態において、触媒はN,N−ジイソプロピルエチルアミンである。
アシル化反応の反応時間は、当業者にしたがう、アシル化反応にとって有用な任意の期間であり得る。一般的に反応温度が高いほど、反応時間は短くなる。例えば、ある実施形態において、アシル化反応の反応時間は1〜24時間の間において変化する。所定の一実施形態において、上記反応時間は20℃〜25℃において約4〜約6時間である。
一実施形態において、ハロゲン化アシルは、塩基性触媒を加えた後に、式(VII)の化合物の溶液に加えられる。他の実施形態において、塩基性触媒は、ハロゲン化アシルを加えた後に、式(VII)の化合物の溶液に加えられる。他の実施形態において、塩基性触媒と式(VII)との化合物のモル比は、約2;1〜約1:2である。さらなる実施形態において、上記モル比は約1.4:1〜約1:1である。
一般的に、第1級アミンまたは第2級アミンと反応し得る任意のハロゲン化アシルが、この実施形態のために使用され得る。好適なハロゲン化アシルの非限定的な例としては、シクロプロパンカルボニルの塩化物、シクロブタンカルボニルの塩化物、シクロペンタンカルボニルの塩化物、シクロヘキサンカルボニルの塩化物、シクロペンチルアセチルの塩化物、1−メチルシクロヘキサンカルボニルの塩化物、3−シクロペンチルプロパノイルの塩化物およびシクロヘプタンカルボニルの塩化物が挙げられる。これらのすべては、供給業者(例えば、Aldrich Chemicals, Milwaukee, WI)から購入され得るか、またはハロゲン化剤を用いて対応するカルボン酸をハロゲン化することによって調製され得る。ハロゲン化剤は、PY3、PYまたはSOYであり得、ここで、Yは、F、Cl、BrまたはIである。例えば、塩化アシル(例えば、シクロヘプタンカルボニルの塩化物)は、対応するカルボン酸(シクロヘプタンカルボン酸)をSOClまたはPClと反応させることによって調製され得る。同様に、臭化アシルは、対応するカルボン酸をPBrと反応させることによって調製され得る。
式(VII)に対するハロゲン化アシルの比率は、当業者にしたがう、アシル化反応にとって有用な任意のモル比であり得る。例えば、ある実施形態において、ハロゲン化アシルと式(VII)とのモル比は約2:1〜約0.5:1である。他の実施形態において、上記モル比は約1.75:1〜約0.75:1である。さらなる実施形態において、上記モル比は約1.2:1〜約1:1である。
式(VIII)のアシル化化合物は、溶媒を用いた結晶化によって精製され得る。一実施形態において、上記溶媒は、テトラヒドロフラン、エタノール、N−メチルピロリジノン、メタノール、酢酸エチル、イソプロパノール、酢酸、水またはこれらの組合せである。さらなる実施形態において、上記溶媒は3:1〜1:3の容積比におけるテトラヒドロフランおよびエタノールの混合物である。
式(VIII)のアミド化合物のいくつかの実施形態において、R6’は、3〜8の炭素原子のシクロアルキルである。さらなる実施形態において、R6’はシクロプロピルである。他の実施形態において、RおよびRのそれぞれは独立して、1〜4の炭素原子のアルコキシであり;Rは1〜8の炭素原子のアルキルである。さらなる実施形態において、Rはメトキシであり、Rはエトキシである。他の実施形態において、X、XおよびXのそれぞれは水素である。他の実施形態において、Rはメチルである。
特定の実施形態において、式(VIII)のアミド化合物は、化合物(7)である。ここで、Xは−NHCO−シクロプロピルであり;X、XおよびXのそれぞれは水素であり;Rはメトキシであり;Rはエトキシであり;Rはメチルである。以下の手順Eを参照して、化合物(7)は、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下において化合物(6)をシクロプロピルカルボニルの塩化物と反応させることによって、調製され得る。アシル化反応は、例えば20℃〜25℃の反応温度において約4〜約6時間にわたって酢酸エチルにおいて、起こる。化合物(6)とシクロプロピルカルボニルの塩化物とN,N−ジイソプロピルエチルアミンとのモル比は、約1:1.05:1.2である。
Figure 2013507389
化合物(7)のラセミ混合物が所望される場合、化合物(6)のラセミ混合物が使用される。逆に、鏡像異性的に純粋な化合物(7)が所望される場合、鏡像異性的に純粋な化合物(6)が使用される。代替的に、鏡像異性的に純粋な化合物(7)が所望される場合、化合物(7)のラセミ混合物が、調製され得、それから従来の分離技術(例えば、生物学的な分離および化学的な分離)によって鏡像異性体に分離され得る。
式(I)のイソインドリン−1−オン化合物は、広範な疾患および障害を処置する薬学的組成物を調製するために使用され得る。当該疾患および障害としては、炎症性疾患、自己免疫疾患、がん、心疾患、遺伝的疾患、アレルギー性疾患、骨粗鬆症および狼蒼が挙げられるが、これらに限定されない。
一般的に、上記薬学的組成物は、式(I)のイソインドリン−1−オン化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは立体異性体を少なくとも含み得、広範な疾患および障害を処置すべき患者に投与され得る。
必要に応じて、上記薬学的組成物およびその投与形態は、1つ以上の担体、賦形剤、希釈剤または活性物質をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、上記薬学的組成物は、個々の単回投与形態の調製物として使用され得る。単回投与形態は、患者に対する経口投与、粘膜投与(例えば、舌下投与、鼻腔投与、嚢胞性投与、直腸投与、包皮投与、接眼投与、頬側投与または耳投与)、非経口投与(例えば、皮下投与、血管内投与、静脈内大量瞬時投与、筋肉内投与または動脈内投与)、局所投与(例えば、点眼調製物または他の眼の調製物)、経真皮投与または経皮膚投与にとって好適である。投与形態の非限定的な例としては、錠剤;カプレット;カプセル剤(例えば、弾性のゼラチン軟カプセル);カシェ(cachet);口内錠;トローチ剤;分散剤;座剤;粉剤;エアロゾル(例えば、点鼻薬または吸入剤);ゲル;患者に対する経口投与または粘膜投与に好適な液体の投与形態(懸濁剤(例えば、水性もしくは非水性の液体懸濁剤、水中油型の乳化剤、または油中水方の乳化剤)、溶液剤およびエリキシル剤が挙げられる);患者に対する非経口投与に好適な液体の投与形態;局所投与に好適な点眼剤または他の眼の調製物;ならびに患者に対する非経口投与に好適な液体の投与形態をもたらすために液体状に戻され得る滅菌された固体(例えば、結晶性または非晶質の固体)が挙げられる。
本明細書に示されている特定の実施形態は、7−ニトロ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オン、およびシクロプロピル−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−オキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミドの合成によって例証されている。7−ニトロ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1−オン、およびシクロプロピル−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−オキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミドの合成の特定の実施形態における可能な変更(反応の溶媒、反応時間、反応温度、試薬、出発物質および官能基が挙げられるが、これらに限定されない)は、当業者にとって明らかである。
(実施例1:2−メチル−6−ニトロ安息香酸メチルの調製)
2−メチル−6−ニトロ安息香酸(300.0g、1.66mol、Acros Organics, Morris Plains, NJから提供されている)、およびオルト酢酸トリメチル(298.3g、2.48mol、Aldrich Chemicals, Milwauke, WIから提供されている)の混合物を、約20〜25℃において窒素のもとに3Lの3つ口フラスコに移した。反応混合物を徐々に加熱し、反応の間に生成された低沸点の成分を95〜100℃の内部温度まで蒸留して除去した。2時間後に、反応混合物を1〜2時間かけて20〜25℃まで冷却させた。ヘプタン(1.50L、Aldrich Chemicalsから提供されている)を1.0〜1.5時間かけて上記反応混合物に加え、懸濁物を生じるまで、2−メチル−6−ニトロ安息香酸メチル(0.5g)に上記反応混合物を加えた。懸濁物を0.5〜1時間かけて0〜5℃まで冷却させ、さらに1.5〜2時間にわたって0〜5℃に維持させた。固体を、真空下におけるろ過によって回収し、ヘプタン(3×300mL)を用いて洗浄し、30〜35℃における100〜120トルの真空のもとにトレイにおいて恒量まで乾燥させた。2−メチル−6−ニトロ安息香酸メチルの収量は、300.0gの2−メチル−6−ニトロ安息香酸を基準にして、292.0g(91%)であった。生成物は、面積百分率に基づくHPLCによって99%を超える純度を有しており、Karl Fisherタイトレーションによって0.1%未満の含水量を有していると分かった。
(実施例2:2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチルの調製)
2−メチル−6−ニトロ安息香酸メチル(200.0g、1.02mol、以上において調製されている)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBH、162.0g、0.57mol、Aldrich Chemicalsから提供されている)、および酢酸メチル(1.20L、Aldrich Chemicalsから提供されている)の混合物を、約20〜25℃において窒素のもとに3Lの3つ口フラスコに移した。上記反応混合物を0.5〜1時間にわたって還流した後に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、8.6g、52mmol、Aldrich Chemicalsから提供されている)の、100mLの酢酸メチルにおける溶液を、15〜30分かけて加えた。未反応の2−メチル−6−ニトロ安息香酸塩が5〜10%未満になるまで、上記反応混合物を6.5〜8時間にわたって還流させた。上記反応混合物を15〜18℃まで冷却させ、50〜60分にわたって15〜18℃に維持させた。固体を、ろ過し、冷却した(すなわち5〜10℃の)酢酸メチル(2×100mL)を用いて、当該固体に残っている2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチルが3%未満になるまで洗浄した。それから、ろ過物にヘプタン(1.00L)を加えた後に、上層にある有機相を、2%の塩性溶液(2×500mL)および脱イオン加水(1〜2×500mL)を用いて、HPLCによる測定にしたがって未反応の5,5−ジメチルヒダントインが0.5%未満(210nmにおける面積百分率)になるまで洗浄した。溶液を減圧条件下において濃縮して、1.80〜1.90Lの酢酸メチルを除去した後に、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE、300mL)を加えた。10〜15分にわたって65〜70℃において上記反応混合物を還流した後に、溶液を0.5〜1時間かけて50〜55℃まで冷却させ、当該溶液に、45〜50℃において500mgの2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチルを加えた。懸濁物を20〜25℃まで冷却させ、2〜3時間にわたって20〜25℃に維持させた。固体を、ろ過によって回収し、1:2の容積比におけるヘプタンおよびMTBEの、5〜10℃に冷却した混合物(2×100mL)を用いて洗浄し、100〜120トルの真空条件のもとに20〜25℃において恒量まで乾燥させた。2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチルの収量は、投入した200.0gの2−メチル−6−ニトロ安息香酸メチルを基準にして、185.2g(66%)であった。生成物は、面積百分率に基づくHPLCによって98%を超える純度を有しており、Karl Fisherタイトレーションによって0.1%未満の含水量を有していると分かった。
(実施例3:(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニル−エチルアミン)
(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニル−エチルアミンのN−アセチル−L−ロイシン塩(1.10kg、2.46mol)、脱イオン水(4.40L)およびジクロロメタン(DCM、5.50L)の混合物を反応容器に移した後に、水酸化ナトリウム(196.0g、4.90mol)の、1.00Lの脱イオン水における溶液を、15〜25℃において約5分かけて反応容器に加えた。生じた混合物を少なくとも10分にわたって15〜25℃において攪拌し、それから放置して水性相および有機相を分離させた。上部の水性相のpHをpH13〜14に維持させるか、または調節した。相を分離し、上部の水性相を、DCM(2×4.4L)を用いて抽出した。抽出の全体を通して、水性相のpHを13〜14に維持させた。DCM抽出と組み合わせて、水性相のpHが11以下になるまで、脱イオン水(3.3L)を用いて洗浄した。DCMを35℃未満の真空条件の下に除去した。残余の固体の含水量は、Karl Fisherタイトレーションによって0.1%(w/w)未満と測定された。残余の固体を、さらなるDCMと共沸乾燥させた。固体を、30〜35℃の真空下において恒量まで乾燥させて、白色の固体粉末として(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニル−エチルアミンを生じさせた(639.0〜672.0g、95〜100%の収量)。
(実施例4A:化合物(1)の調製)
化合物(1)を以下の手順によって調製した。2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチル(100.0g、365mmol、実施例2においてあらかじめ調製されている)、(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニルエチルアミン(104.7g、383mmol、実施例3においてあらかじめ調製されている)、炭酸水素ナトリウム(67.5g、8.03mol、Aldrich Chemicalsから提供されている)、およびジメチルホルムアミド(500mL)の混合物を、室温において窒素のもとに1Lの3つ口フラスコに加えた。上記反応混合物を、未反応の2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチルが2%未満になるまで、2時間かけて70〜75℃の内部温度に徐々に加熱した。上記反応混合物を18時間かけて95〜100℃の内部温度に徐々に加熱した。上記反応混合物を、20〜25℃まで冷却し、1Lのさらなる漏斗に移した。精製水(1500mL)を5Lの3つ口フラスコに加えた後に、上記漏斗における上記反応混合物を、5Lの3つ口フラスコに入っている水に対して、30℃未満の内部温度に維持させながら、1〜2時間かけて室温において加えた。上記反応混合物を、2時間にわたって室温において攪拌した。固体を、真空下においてろ過し、水(3×300mL)およびメタノール(2×400mL)を用いて洗浄し、それから、メタノール(1000mL)に続いて、2Lの3つ口フラスコに加えた。混合物を1時間にわたって還流させた。混合物を室温まで冷却させた。固体を、真空下におけるろ過によって回収し、200mLのメタノール(2倍の体積)を用いて洗浄し、40〜45℃における100〜120トルの真空下において、恒量まで乾燥させた。化合物(1)の収量は、投入した100.0gの2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチルに基づいて、123.0g(78%)であった。生成物は、面積百分率に基づくHPLCによって99%を超える純度を有しており、Karl Fisherタイトレーションによって0.1%未満の含水量を有していると分かった。
(実施例4B:化合物(1)の代替的な調製)
また、化合物(1)を以下の手順によって調製した。2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチル(100.0g、365mmol、実施例2においてあらかじめ調製されている)、(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メタンスルホニル−エチルアミン(104.7g、383mmol、実施例3においてあらかじめ調製されている)、および炭酸カリウムの粉末(100.8g、730mmol、Aldrich Chemicalsから提供されている)を、室温においてアセトニトリル(500mL)に懸濁させた。上記反応混合物を、未反応の2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチルが2%未満になるまで、81〜83℃において約2時間にわたって還流させた。上記反応混合物を45〜50℃まで冷却させた後に、メタノール(200mL)を5〜10分かけて加えた。混合物を、放置して20〜25℃まで冷却させ、2時間にわたって攪拌し、脱イオン水(1.40L)を0.5〜1時間かけて加え、20〜25℃において30分にわたって攪拌し、0〜5℃において1〜2時間にわたって攪拌した。固体を、ろ過し、脱イオン水(3×300mL)を用いて洗浄し、Karl Fisherタイトレーションによって10%未満の含水量と測定されるまで乾燥させた。固体を、メタノール(750mL)に懸濁させ、1〜1.5時間にわたって還流させた。懸濁物を、1.5〜2時間かけて0〜5℃まで冷却させ、1〜1.5時間にわたって0〜5℃に維持させた。固体を、ろ過し、0〜5℃のメタノール(2×200mL)およびヘプタン(200mL)を用いて洗浄し、それから40〜45℃の真空下において恒量まで乾燥させた。化合物(1)の収量は、投入した100.0gの2−ブロモメチル−6−ニトロ安息香酸メチルに基づいて、148.0g(93%)であった。生成物は、面積百分率に基づくHPLCによって99%を超える純度を有しており、Karl Fisherタイトレーションによって1.0%未満の含水量を有していると分かった。
(実施例5:化合物(7)の調製)
化合物(1)(60g、138mmol、実施例4においてあらかじめ調製されている)、10%のPd/C(50重量%、2.4g、4重量%、Johnson Matthey, London, UKから提供されている)、酢酸エチル(780mL)の混合物を、室温における窒素のもとにParr容器に加えた。上記混合物を、窒素を用いて3回にわたって浄化し、水素を用いて3回にわたって浄化した後に、上記反応混合物を40℃まで加熱し、それから熱を除いた。上記反応混合物を、ヒドロキシルアミンの中間体が3%以上になるまで、4〜6時間かけて40〜45psiの圧力において水素を用いて攪拌した。上記反応混合物を20〜25℃まで冷却させた。上記反応混合物を、セライトのベッド(1インチの厚さ)に通してろ過し、それから酢酸エチル(120mL)を用いてベッドを洗浄した。ろ過物を、50mLのさらなる漏斗を有している3Lの3つ口フラスコに移した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(29mL、165mmol)をフラスコに加えた後に、漏斗を、シクロプロピルカルボニルの塩化物(13.0mL、145mmol、Aldrich Chemicalsから提供されているによって満たした。シクロプロピルカルボニルの塩化物を、室温において1〜2時間かけて、30℃未満の内部温度にして加えた。上記反応混合物を室温において2〜4時間にわたって攪拌した。ヘプタン(300mL)を加えた後に、上記反応混合物を4〜6時間にわたって攪拌した。固体を、真空下におけるろ過によって回収し、2規定の塩酸(2×300mL)、水(2×300mL)およびそれからヘプタン(2×300mL)を用いて洗浄した。粗製の生成物を、100〜120トルの真空のもとに40〜45℃において恒量まで乾燥させた。粗製の化合物(7)の収量は、投入された60.0gの化合物(1)に基づいて、58g(88%)であった。
(実施例6:化合物(7)の再結晶化)
化合物(7)(95.2g、実施例5においてあらかじめ調製されている)およびテトラヒドロフラン(THF、1.43L)の粗製の混合物を、20〜25℃において窒素のもとに、3Lの3つ口フラスコに加えた。溶解し終わるまで、懸濁物を60〜65℃に加熱した。懸濁物を45〜50℃においてろ過し、固体を、あらかじめ45〜55℃に加熱しておいた95mLのTHFを用いてすすぎ洗いした。常圧において30〜60分かけて約950〜1150mLのTHFを蒸留して除いた後に、無水エタノール(950mL)を55〜60℃において5〜10分かけて加えた。約350〜400mLの溶媒を、72〜74℃の内部温度に上昇するまで常圧において除去した。生じた懸濁物を、72〜75℃において30〜60分にわたって還流し、1〜2時間かけて20〜25℃まで冷却し、さらに1〜2時間にわたって20〜25℃に維持させた。固体を、真空下においてろ過によって回収し、無水エタノール(240〜280mL)およびヘプタン(240〜280mL)を用いて洗浄し、それから、50〜55℃における130〜140トルの真空下のもとに、トレイにおいて恒量まで乾燥させた。黄白色の結晶生成物の収量は、88.0〜91.0g、92〜96%であった。
本開示は、例証として意図されている実施例に開示されている特定の実施形態による範囲に限定されず、機能的に等価な任意の実施形態は、本明細書に示されている範囲内にある。本発明に示されており、記載されている実施形態に加えて、種々の変更は、当業者にとって明らかになっており、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれていると意図されている。

Claims (17)

  1. 式:
    Figure 2013507389
    の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは同質異像を調製する方法であって、
    式(II):
    Figure 2013507389
    の第1級アミンまたはその塩を、式(III):
    Figure 2013507389
    の2−(ブロモメチル)安息香酸エステルと、無機塩基の存在下において反応させる工程を包含しており、ここで、上記式において、
    Rはアルキルまたはアリールであり;
    およびRのそれぞれは独立して、水素、1〜4の炭素原子のアルキル、1〜4の炭素原子のアルコキシ、シアノまたは炭素原子が3〜18のシクロアルコキシであり;
    は、ヒドロキシル、1〜8の炭素原子のアルキル、フェニル、ベンジルまたはNRであり;
    、X、XおよびXのそれぞれは独立して、水素、ハロ、1〜4の炭素原子のアルキル、1〜4の炭素原子のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシルもしくは−NRであるか;または隣接する炭素原子におけるX、X、XおよびXのいずれか2つは、示されているフェニレン環とともにナフチリジエンを形成し;
    およびRのそれぞれは独立して、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、フェニル、もしくはベンジルであるか;RおよびRの一方は水素であり、他方は−CORもしくは−SOであるか;またはRおよびRはともに、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンもしくは−CHCHCHCH−であり、ここで、Xは、−O−、−S−もしくは−NH−であり;
    4’およびR5’のそれぞれは独立して、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、フェニルもしくはベンジルであるか;R4’およびR5’の一方は水素であり、他方は−COR6’もしくは−SO6’であるか;またはR4’およびR5’はともに、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンもしくは−CHCHCHCH−であり、ここで、Xは、−O−、−S−もしくは−NH−であり;
    およびR6’のそれぞれは独立して、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、3〜8の炭素原子のシクロアルキルまたはフェニルである、方法。
  2. 上記無機塩基は、金属の水酸化物、金属の炭酸塩、金属の炭酸水素塩、金属の水素化物またはこれらの組合せである、請求項1に記載の方法。
  3. 上記金属の水酸化物は水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムである、請求項2に記載の方法。
  4. 上記金属の炭酸塩は炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムである、請求項2に記載の方法。
  5. 上記金属の炭酸水素塩は炭酸水素カリウムまたは炭酸水素ナトリウムである、請求項2に記載の方法。
  6. (II)および(III)の間に生じる反応における溶媒はアセトニトリルである、請求項1に記載の方法。
  7. 上記反応の温度はアセトニトリルの沸点である、請求項6に記載の方法。
  8. 式(III):式(II)のモル比は約1:0.8〜約1:1.3である、請求項1に記載の方法。
  9. 式(II)の鏡像異性的に純粋な(S)異性体が使用される、請求項1に記載の方法。
  10. 式(II)の鏡像異性的に純粋な(R)異性体が使用される、請求項1に記載の方法。
  11. はニトロである、請求項1に記載の方法。
  12. 還元剤を用いて上記ニトロを還元させて、以下の式(VII):
    Figure 2013507389
    の7−アミノイソインドリン−1−オン化合物を得る工程をさらに包含している、請求項11に記載の方法。
  13. 上記還元剤はPd/Cおよび水素である、請求項13に記載の方法。
  14. 式(VII)をハロゲン化アシル(R6’−C(O)−ハロゲン)と反応させて、以下の式(VIII):
    Figure 2013507389
    のアミド化合物を得る工程をさらに包含している、請求項12に記載の方法。
  15. 式(VII)の鏡像異性的に純粋な(S)異性体が使用される、請求項14に記載の方法。
  16. 式(VII)の鏡像異性的に純粋な(R)異性体が使用される、請求項14に記載の方法。
  17. 〜Xのすべては水素であり、Rはメトキシであり、Rはエトキシであり、Rはメチルである、請求項11、12および14〜16のいずれか1項に記載の方法。
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