JP2004504319A - 4−フェニルピペリジン誘導体の新規製造方法 - Google Patents

4−フェニルピペリジン誘導体の新規製造方法 Download PDF

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Abstract

中間生成物を単離するかまたは単離せずに化合物(A)から化合物(E)を製造する方法であって、以下の工程:(1)相間移動触媒および塩基の存在下にてスルホネート化合物(B)と置換フェノールとを反応させること、(2)化合物(C)とハロホルメートとを反応させ、HCl捕捉塩基を添加すること、(3)化合物(D)を含有する反応溶液をクエン酸、リン酸、酢酸およびギ酸から選択される水性酸で洗浄すること、(4)化合物(D)を水酸化ナトリウムと一緒に加熱してカルバメート基を除去することの1つまたはそれ以上により特徴付けられる製造方法。好ましくは、該反応は、トルエン中にて行われ、パロキセチンの商業生産に対して有利な方法を提供する。

Description

【0001】
本発明は、医薬上活性な化合物およびその中間体の新規製造方法に関する。
【0002】
抗うつ薬および抗パーキンソン特性を有する医薬は、米国特許第3912743号および米国特許第4007196号に記載されている。これらの開示されている化合物のうち特に重要な化合物は、4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’,4’−メチレンジオキシ−フェノキシメチル)−ピペリジンの(−)トランス異性体であるパロキセチンである。この化合物は、塩酸塩として治療に使用されて、とりわけ、うつ病、強迫性障害(OCD)およびパニックを治療することができる。
【0003】
従前に公表されたパロキセチンの製造方法は、Engelstoft and Hansen in Acta Chemica Scandinavica 1996: 50: 164−169および米国特許第4007196号に例示されているように、重要な中間体として、ピペリジン窒素がR、通常、アルキル(典型的には、メチル)またはアラルキル(例えば、ベンジル)基により保護されているカルビノール(A):
【化6】
Figure 2004504319
を利用する。該N−置換ピペリジンをセサモールとカップリングさせてN−置換パロキセチンアナログ(C’):
【化7】
Figure 2004504319
を製造し、窒素保護基の除去によりパロキセチン(以下、化合物(E’)と記す):
【化8】
Figure 2004504319
に転換しなければならない。
【0004】
上記参考文献において、アルコールとのカップリングは、スルホネートエステル中間体(B):
【化9】
Figure 2004504319
[式中、Rは、典型的には、低級アルキル、アラルキルまたはアリール基であり、例えば、メチル、ベンジルまたはフェニルである]
を経由して進行する。
【0005】
米国特許第3 912 743号の実施例1においては、3−ヒドロキシメチル−1−メチル−4−フェニルピペリジンのピリジン中溶液をメタンスルホニルクロリドと反応させる。ピリジンを除去し、得られた粗製スルホネートエステルを還流下にてメタノール中のナトリウムメトキシドおよび4−メトキシフェノールで処理する。EP 0 152 273の実施例5においては、4−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピリジンをトリエチルアミンと一緒にトルエンに溶解し、冷却する。この混合物にベンゼンスルホニルクロリドを添加する。次いで、得られたベンゼンスルホン酸エステルの溶液をメチルイソブチルカルビノール中にてナトリウムメトキシドおよび4−メトキシフェノールと混合し、加熱する。
【0006】
上記参考文献において、窒素保護基の除去は、カルバメート中間体を経由して行われる。以下のスキームは、合成を例示する:
【0007】
【化10】
Figure 2004504319
は、典型的には、低級アルキル(例えば、メチル)またはアラルキル(例えば、ベンジル)基であり、
は、典型的には、低級アルキル(例えば、メチル)、アリール(例えば、フェニル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、またはアルケニル(例えば、ビニル)であり、
は、置換フェニル基(特に、3,4−メチレンジオキシフェニル)である。
【0008】
パロキセチンの従来技術の製造方法は、次工程に進む前に各工程の生成物を単離および精製する。これは、式(C)で示される化合物と式(E)で示される化合物との間の物理的類似性のために不可欠であると理解されていた。例えば、上記工程2の最後まで通過してくる未反応化合物(C)は、慣用的な再結晶技法を用いて除去することが不可能である。比較的、化合物(C)と化合物(D)とは、全く異なっており、工程1の最後で結晶化により分離するのが比較的容易である。工程1において生成された不純物は、除去されなければ、工程2のプロセスにおいて少なくとも予め知られていない不純物の除去をさらに困難にするという一般的な関係もある。
【0009】
米国特許第4 007 196号の実施例2においては、4−フルオロフェニル−3−(3’,4’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジンのジクロロメタン中溶液を0〜5℃でジクロロメタン中のクロロギ酸フェニルで処理した。一夜放置後、該溶液を1M NaOH、次いで、1M HClで洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。固体残留物をベンゼンに懸濁し、濾過し、蒸発させた。蒸発残留物を還流させながらKOHおよび2−メトキシエタノールと一緒に4時間加熱し、次いで、蒸発させた。水を添加し、該混合物をベンゼンで抽出し、乾燥させ、蒸発させて、N−脱保護化合物を得た。
【0010】
EP 0 152 273の実施例9においては、4−(4’−フルオロフェニル)−3−(4’−メトキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジンをトルエンに溶解し、0℃にて1.9当量のクロロギ酸フェニルのトルエン中溶液で30分間にわたって処理した。該混合物を室温で20時間放置した。さらに1.9当量のクロロギ酸フェニルを添加し、該混合物を72時間放置した。該溶液を2N NaOH、次いで、水、次いで、1N HCl、最後に、NaCl飽和水溶液で洗浄した。有機相を乾燥させ、濃縮して油状物を得、次いで、これを96%エタノールから白色結晶として結晶化させた。この中間体をKOHおよび2−メトキシエタノールと混合し、130〜140℃で4時間撹拌し、水とトルエンとの間で分配させた。有機相を乾燥させ、蒸発させて、油状物としてN−脱保護化合物を得、次いで、酢酸塩に転換させた。
【0011】
本発明は、工業規模生産に適している反応条件を提供するために、上記スルホン化、カップリング工程および脱保護工程における個々の改良およびこれらの工程を合わせることによる改良の発見に基づいている。
【0012】
一の態様において、本発明は、構造式(E):
【化11】
Figure 2004504319
[式中、Rは、置換フェニル基(特に、3,4−メチレンジオキシフェニル)である]
で示される化合物の製造方法であって、
(a) 構造式(A):
【化12】
Figure 2004504319
で示されるカルビノール化合物を準備すること、
(b) 該カルビノールと構造式RSOClで示されるスルホニルクロリドとを反応させて構造式(B):
【化13】
Figure 2004504319
で示されるスルホネート誘導体を製造すること、
(c) 該スルホネートと置換フェノールROHとを塩基の存在下にて反応させて構造式(C):
【化14】
Figure 2004504319
で示される化合物を得ること、
(d) 該化合物(C)とハロホルメートROCOClとを反応させて構造式(D):
【化15】
Figure 2004504319
で示される化合物を得ること、
(e) 該化合物(D)を塩基で処理してカルバメート基ROCO−を除去し、化合物(E)を得ること
を含む製造方法であって、
上記反応シーケンスが、化合物(A)の溶液で開始し、中間化合物(B)、(C)および(D)を単離せずに逐次反応溶液に試薬RSOCl、ROH、ROCOClおよび塩基、ならびに必要な場合には適当な反応助剤を添加して行われることを特徴とする製造方法を提供する。
【0013】
上記プロセスにおいて:
は、適当には、アルキル、アリールアルキル、アリル、アリールアルキルオキシカルボニル、アシルまたはアルキニル基であり(ここで、アルキル基は、炭素原子1〜6個を有している)、好ましくは、アルキル(典型的には、メチル)またはアラルキル(例えば、ベンジル)基であり、
は、適当には、置換されていてもよいアルキル、アリール、アリル、アルケニルまたはアリールアルキル基であり(ここで、アルキル基は、炭素原子1〜6個を有している)、好ましくは、フェニル、メチル、エチル、tert−ブチル、ビニルまたはベンジル基であり、
は、適当には、アルキル、アラルキル、アルクアリールまたはアリール基であり(ここで、アルキル基は、炭素原子1〜6個を有している)、好ましくは、Ph、CF、CH、CHPh、CHCOPh、C−4−MeO、C−2,4,6−Me、C−4−Me、CHPh、またはCH−4−Me基であり、
は、適当には、C1−4アルキル、アルキルチオ、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、アシルアミノ、メチルスルホニル、または、好ましくは、メチレンジオキシにより置換されている置換フェニル基である。
【0014】
化合物(E)は、遊離塩基として単離することができるが、より好ましくは、単離前に医薬上許容される酸で塩に転換される。
【0015】
最も適当には、上記反応シーケンスは、化合物(A)のトルエン中溶液で開始し、試薬をそのままでまたはトルエン中溶液として添加するか、または、適宜、後処理としてさらにトルエンを添加して、トルエン中にて行われる。
【0016】
典型的には、上記反応シーケンスは、化合物(A)の該溶液に、ベンゼンスルホニルクロリドのようなスルホニルクロリドの反応溶媒中溶液、適当には、そのトルエン中溶液を、塩基、好ましくは、ジメチルエチルアミンのようなアミンと一緒に添加し、該反応を低温、適当には、20℃未満、例えば、−10〜+5℃で行わせることにより行われる。好ましくは、該反応溶液は、進行させる前に水性洗浄、最も適当には、水酸化ナトリウム水溶液を用いる水性洗浄に付される。水性相を除去した後、該反応溶液にセサモールのような置換フェノールを水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液のような適当な塩基と一緒に添加する。適当には、反応溶媒としてトルエンを使用する場合、相間移動触媒を添加する。温度は、適当には、この反応の間、約60〜100℃に維持される。典型的には、この反応の後にさらなる水性洗浄が行われ、所望により、該反応溶液を、例えば、共沸蒸留により、乾燥させる。次いで、クロロギ酸フェニルのようなクロロホルメートを添加する。適当には、該温度を50〜100℃に維持する。好ましくは、該反応溶液を、さらに水性洗浄、適当には、希硫酸で水性洗浄する。最後に、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような塩基を添加して窒素保護カルバメートを、適当には、還流下にて該反応溶液を加熱することにより除去する。溶媒の蒸発、非溶媒の添加による沈澱または塩を形成させるための塩酸のような酸の添加および塩の結晶化などの種々の手段により該溶液から生成物を回収する。
【0017】
商業プロセスにおいては、生産記号論理学のために、化合物(C)および/または(D)をさらなる反応の前に単離するのが望ましい場合がある。この場合、なおも、工程(a)および(b)が化合物(B)を単離せずに行われることが利点である。化合物(B)を単離せずに、工程(a)、(b)および(c)を共通溶媒中で、最も適当には、トルエンを用いて行うことによる化合物(C)の製造は、本発明のもう1つの態様をなす。
【0018】
本発明のこの態様において、工程(d)は、適当には、化合物(C)を含有する反応溶液にクロロホルメートを添加することにより行われる。別法として、化合物(C)を固体形態または反応溶媒との溶液で、反応溶媒中のクロロホルメートに添加することができる。
【0019】
本発明のさらなる態様として、本発明者らは、化合物(A)から化合物(E)を製造するための上記プロセスにおける工程(b)〜(e)の各々について改良された方法を考案した。これらの方法は、プロセスが非単離プロセスとして上記した共通塩基溶媒中にて行われる場合、または、該工程が次工程に進む前に中間化合物を逐次単離しながら行われる場合の両方に有効に用いられる。
【0020】
したがって、本発明は、また、上記工程(a)、(b)、(c)、(d)および(e)により化合物(A)から化合物(E)を製造する方法であって、以下の改良:
(1)工程(c)において、相間移動触媒および塩基の存在下にてスルホネート化合物(B)と置換フェノールとを反応させること、
(2)工程(d)において、化合物(C)とハロホルメートとを反応させ、HCl捕捉塩基を添加すること、
(3)工程(d)において、化合物(D)を含有する反応溶液をクエン酸、リン酸、酢酸およびギ酸から選択される水性酸で洗浄すること、
(4)工程(e)において、化合物(D)を水酸化ナトリウムと一緒に加熱してカルバメート基を除去すること
の1つまたはそれ以上により特徴付けられる製造方法を提供する。
【0021】
個々の工程(1)〜(4)は、また、本発明の別個の態様をなす。
したがって、本発明は、また、以下のものを提供する:
相間移動触媒および塩基の存在下にてスルホネート化合物(B)と置換フェノールROHとを反応させることを含む化合物(C)の製造方法。
化合物(C)およびハロホルメートROCOClを反応させること、およびHCl捕捉塩基を添加することを含む化合物(D)の製造方法。
化合物(C)とハロホルメートROCOClとを反応させること、および化合物(D)を含有する反応溶液をクエン酸、リン酸、酢酸およびギ酸から選択される水性酸で洗浄することを含む化合物(D)の製造方法。
化合物(D)を水酸化ナトリウムと一緒に加熱してカルバメート基を除去することを含む化合物(E)の製造方法。
【0022】
相間移動触媒
上記改良点(1)を操作するにおいて、典型的には、化合物(B)の溶液を反応容器中に準備し、該容器に、適当な量の置換フェノール、例えば、セサモール、相間移動触媒、例えば、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロミド、および塩基、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、および、所望により、さらなる溶媒を添加する。該混合物を加熱し、撹拌して反応を行う。
【0023】
このプロセスのための適当な相間移動触媒は、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロミドであり、これは、該反応が商業生産における使用に特に適当な溶媒であるトルエン中で行われる場合に有効に用いられる。
【0024】
このプロセスのためのさらなる適当な相間移動触媒は、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドであり、これは、該反応がトルエン中にて行われる場合に有効に用いられ、有利には、収率の低下を伴わずに工程(c)の後に該反応溶液から除去できる。
【0025】
この反応に用いることができる他の相間移動触媒としては、テトラ−n−ドデシルアンモニウムクロリド、Aliquat/Adogen(R)464、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、およびテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド・水和物が挙げられる。
【0026】
相間移動触媒反応は、また、ベンゼン、キシレン、メシチレンおよび他の炭水化物などの他の溶媒中にて行われてもよい。
【0027】
しかしながら、該反応は、好ましくは、トルエン中にて行われる。この場合、化合物(B)もまたトルエン中での反応により、例えば、アミンのような塩基の存在下にて化合物(A)のトルエン中溶液にトルエン中のスルホニルクロリドを添加することにより形成されるのが有利である。水性塩基、例えば、10%NaOHでの洗浄のような適当な後処理の後、トルエン中に化合物(B)を含有する反応溶液を、化合物(B)の中間単離を必要とせずに、フェノールROHとの反応に直接用いることができる。
【0028】
化合物(B)の形成において、該塩基は、好ましくは、アミン、例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミンまたはジメチルエチルアミンである。より好ましくは、該アミンは、ジメチルエチルアミンである。
【0029】
最も適当には、反応温度を20℃以下に維持しながら、ベンゼンスルホニルクロリドのトルエン中溶液を化合物(B)、特に、トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリジン(R=メチル)、およびジメチルエチルアミンのトルエン中溶液に滴下する。次いで、該反応混合物を、好ましくは、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。該トルエン溶液にセサモールのような置換フェノール、適当には、1〜5mol%、典型的には、1〜3mol%の相間移動触媒(好ましくは、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロミド)、および水酸化ナトリウム水溶液(典型的には、30〜50w/w%)を添加する。該混合物を、反応のために、典型的には、70〜100℃で加熱する。次いで、トルエン溶液を分取し、所望により、水で洗浄し、濃縮する。該生成物を、化合物(D)を形成するためのさらなる反応のために単離するか、または、該反応溶液を上記の非単離プロセスにおいて直接使用してもよい。
【0030】
本発明者らは、本発明の上記プロセスが、非触媒法と比べて高い収率で行われるが、低い添加量で活性な低コスト触媒を用いるという利点を有しており、トルエンおよび水酸化ナトリウムのような容易に入手可能な物質を用いて行われることを見出した。
【0031】
HCl捕捉塩基
本発明のこの態様は、化合物(D)を製造するためのハロホルメートと置換フェノール誘導体(C)との間の反応が、反応混合物中に存在するHClが出発物質と反応してその塩酸塩を形成するので、常に完全に進行するというわけではないという発見に由来する。これは、溶液から沈澱し、故に、反応生成物に寄与しない。結果として、本発明者らは、種々の量、典型的には、5〜12%の出発物質が反応の最後に未反応のままであることを見出した。
【0032】
本発明のこの態様は、HCl捕捉塩基、特に、Hunig塩基(エチルジイソプロピルアミン)のようなヒンダードアミン塩基を用いて成功裏に該反応を完全に行わせることができるという意外な発見に基づいている。これにより、化合物(D)の生成において高い転換率および収率が得られる。
【0033】
有利には、クロロホルメートと化合物(C)との間の反応が開始された後、最も適当には、初期反応が完了した後、例えば、クロロホルメートの添加の約30分後に該塩基を添加する。該ヒンダードアミンは、HClを捕捉するのに十分な塩基性を有するが、クロロホルメートと反応するには求核性が不十分であることへの言及により選択され得る。本発明者らは、HCl捕捉塩基を使用する従前の試みは、該反応の開始時にそれらが存在しているため、および結果として生じるクロロホルメートとの反応のために失敗したと考えている。適当には、該塩基は、0.1〜1当量の量で添加される。
【0034】
酸洗浄
非単離プロセスとして行われようと、分離工程として行われようと、化合物(C)とハロホルメートとの反応から得られる化合物(D)を含有する反応溶液は、典型的には、後処理工程の一部として水性洗浄に付される。未反応の出発物質を、油状物として分取される硫酸塩または硫酸水素塩に転換する硫酸水溶液で洗浄することが提案されている。該油状物は、後処理の間に、例えば、Celite濾過により除去されなければならない。上記HCl捕捉プロセスにより未反応の出発物質の量を減少させることにより、また、後処理の間に除去される油状物の量を減少させるという効果がもたらされる。
【0035】
本発明者らは、この度、反応溶液をクエン酸、リン酸、酢酸およびギ酸から選択される水性酸で洗浄して、化合物(D)をさらに処理する前に極微量の未反応の化合物(C)を除去することがより有利であることを見出した。
【0036】
本発明のこの態様は、水性洗浄におけるクエン酸、リン酸、酢酸およびギ酸の使用が未反応の出発物質を水性相に十分に溶解する塩に転換して油状物の形成を回避し、洗浄液中に抽出することができるという意外な発見に基づいている。
【0037】
好ましくは、選択された酸は、洗浄において0.5〜2Mで提供され、洗浄は、約20〜60℃で洗浄溶液を用いて行われる。好ましい酸は、クエン酸およびリン酸であり、特に、クエン酸である。
【0038】
脱保護
化合物(E)の製造を完了するために、化合物(D)を塩基で処理してカルバメート基を除去する。好ましくは、これは、化合物(D)を含有する反応溶液に塩基を添加することにより行われる。しかしながら、所望により、化合物(D)は、溶媒の蒸発により単離でき、塩基で処理された該蒸発残留物、または、単離された化合物(D)を反応前に新鮮な溶媒に溶解させることができる。
【0039】
例えば、典型的な方法において、化合物(D)の溶液に水酸化カリウムを添加することができ、該混合物を還流下で数時間加熱する。
【0040】
しかしながら、本発明者らは、塩基として水酸化ナトリウムを用いてカルバメート基を除去することにより、化合物(E)、特に、パロキセチンの製造における最終的な脱保護工程を行うのが意外にも有利であることを見出した。
【0041】
該反応を効果的に操作させるためには、それが水の存在下にて行われることが好ましい。水の最適量は、反応濃度およびNaOHの使用量に依存する。
【0042】
存在する水の量の制御は、市販の水酸化カリウムフレークが種々の量の水を含有しているので、工業規模プロセスにおいて水酸化カリウムを使用する場合には達成するのが困難である。
【0043】
市販の水酸化ナトリウムの規格の大きい信頼度のために、本発明者らは、水酸化カリウムの使用と比較した場合、有意に少ない量の塩基および溶媒を用いて脱保護を行うことができることを見出した。例えば、7.4当量の水酸化カリウムおよび15容量のトルエンを必要とするプロセスを、7.5容量のトルエン中にて4当量の水酸化ナトリウムを用いて行なうことができ、かくして、反応容器の処理量を有効に倍増することができる。これらの条件下にて、該反応のための水の最適量は、水酸化ナトリウムに対して20〜25%(w/w)の水の使用により提供される。この水および水酸化ナトリウム(粒状)は、別々に添加できる。
【0044】
適当には、溶媒の蒸発または結晶化などにより最終反応溶液から化合物(E)を回収する前に、該最終反応溶液を水、および、所望により、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。パロキセチンの場合、脱保護工程は、好ましくは、トルエン中にて行われる。洗浄後、該トルエン溶液にプロパン−2−オールまたは工業用変性アルコール(IMS)のような補助溶剤を添加し、塩酸を添加し、所望により、シード添加後、パロキセチンを塩酸塩として結晶化させる。
【0045】
構造式(E)で示される化合物は、米国特許第3912743号および米国特許第4007196号ならびに上記参考文献におけるように、精製または活性化合物もしくは塩を得るためのさらなる反応のために最終溶液から遊離塩基として単離することができる。好ましくは、上記方法を用いて、Rがセサモールの残基であるパロキセチンを製造する。
【0046】
パロキセチンは、4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’,4’−メチレンジオキシ−フェノキシメチル)−ピペリジンの(−)−トランス異性体である。EP−0 152 273の方法に従って、セサモールとのカップリングの前に光学分割を行うことができる。別法としては、他の工程で、例えば、ピペリジン窒素の脱保護の後に分割を行うことができる。
【0047】
本発明は、その範囲内に、本発明のいずれもの態様により得られる場合の、パロキセチン化合物およびその医薬上許容される塩、特に、パロキセチン塩酸塩、特に、無水物または半水和物としてのパロキセチン塩酸塩、およびパロキセチンメタンスルホン酸塩、ならびに上記方法から得られる新規中間体を包含する。
【0048】
パロキセチン遊離塩基を、メタンスルホン酸またはその不安定な誘導体、例えば、メタンスルホン酸アンモニウムのような可溶性塩で処理することにより、パロキセチンメタンスルホン酸塩に転換することができる。パロキセチン塩酸塩は、パロキセチン遊離塩基を塩化水素の供給源、例えば、塩化水素ガス、またはその溶液、または塩酸水溶液で処理することにより製造できる。
【0049】
本発明を使用して得られるパロキセチンおよびその塩は、経口または非経口用の固体処方物または液剤として、EP−A−0223403またはWO96/24595に記載されている投与剤形で治療用に処方することができる。
【0050】
本発明を使用して得られるパロキセチン、特に、パロキセチン塩酸塩またはメタンスルホン酸塩の治療的使用は、アルコール依存症、不安、うつ病、強迫性障害、パニック障害、慢性痛、肥満症、老人性痴呆症、片頭痛、病的飢餓、拒食症、社会恐怖、月経前症候群(PMS)、青年期うつ病、抜毛癖、気分変調、および物質乱用(本明細書では、「障害」ともいう)の治療を包含する。
【0051】
本発明により製造される活性化合物を使用する医薬組成物は、通常、経口投与に適しているが、非経口投与用に溶解するための処方物もまた本発明の範囲内である。
【0052】
当該組成物は、通常、ヒト患者により、遊離塩基に基づいて算出した活性成分1〜200mg、より通常には、5〜100mg、例えば、10〜50mg、例えば、10、12.5、15、20、25、30または40mgを含有する単位投与組成物として投与される。最も好ましくは、単位投与量は、遊離塩基に基づいて算出した活性成分20mgを含有する。かかる組成物は、通常、1日1〜6回、例えば、1日2、3または4回投与されて、活性成分の合計投与量は、遊離塩基に基づいて算出した活性成分5〜400mgの範囲内である。最も好ましくは、単位投与量は、1日1回投与される。
【0053】
好ましい単位投与剤形としては、徐放または遅延放出に適した処方物を包含する錠剤またはカプセル剤が挙げられる。
【0054】
本発明の組成物は、ブレンドのような混合、充填および圧縮を含む慣用的な方法により処方することができる。本発明における使用に適当な担体としては、希釈剤、結合剤、崩壊剤、着色料、フレーバー剤および/または保存剤が挙げられる。これらの薬剤は、慣用手段で、例えば、市販の抗うつ薬に既に使用されている方法と類似の方法で使用することができる。
【0055】
したがって、本発明は、以下のものを提供する:
本発明の方法を使用して得られるパロキセチンまたはメシラートもしくは塩酸塩のような医薬上許容される塩および医薬上許容される担体を含む、1つまたはそれ以上の「障害」の治療用または予防用医薬組成物;
1つまたはそれ以上の「障害」の治療用または予防用医薬を製造するための、本発明の方法を使用して得られるパロキセチンまたはメシラートもしくは塩酸塩のような医薬上許容される塩の使用;ならびに
1つまたはそれ以上の「障害」に罹患しているヒトに、有効量または予防量の、本発明の方法を使用して得られるパロキセチンまたはメシラートもしくは塩酸塩のような医薬上許容される塩を投与することを含む、「障害」の治療方法。
【0056】
以下の実施例により本発明を例示する。
【0057】
実施例1
トルエン(250ml)およびトランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリジン(63g)を300r.p.m.の撹拌速度を有する20℃の1リットルのジャケット付容器に入れた。該温度を5℃に下げ、次いで、該容器にジメチルエチルアミン(42.8ml)を入れ、該溶液温度を0℃に下げた。溶液温度を+2〜−2℃に維持しながら、該容器にベンゼンスルホニルクロリド(43.3ml)のトルエン(32ml)中溶液を120分間にわたって添加した。添加完了後、該溶液を+2〜−2℃で2時間撹拌した。該反応器に水酸化ナトリウム水溶液(10%w/w、66.3g)を15分間にわたって添加した。該混合物を20℃に加温し、15分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。該トルエン溶液にテトラ−n−オクチルアンモニウムブロミド(4.63g)、セサモール(43.25g)、トルエン(6.3ml)および水酸化ナトリウム水溶液(水201.7ml中100.7g)を添加した。該反応を70℃に加温し、300r.p.m.に速度設定した撹拌器で8時間撹拌した。該反応を水(283ml)で希釈し、10分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。該反応を30℃に冷却し、水(2×63ml)で洗浄した。次いで、減圧下での蒸留によりトルエンを除去した。得られた固体にプロパン−2−オール(315ml)を添加し、得られた懸濁液を80℃に加熱して固体を完全に溶解した。減圧下での蒸留によりプロパン−2−オールを除去して固体を得、蒸留が完了した後、これを減圧下にて50℃で1時間放置した。該固体にプロパン−2−オール(95ml)を添加し、該懸濁液を加熱還流し、固体が完全に溶解するまで撹拌した。該反応を64℃に冷却し、トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジン(20mg)をシード添加した。次いで、該反応をゆっくりと20℃に冷却し、水(378ml)を1時間にわたって添加した。該反応を15℃に冷却し、1時間撹拌した。該懸濁液を濾過し、固体を水(150ml)で洗浄し、40℃の真空オーブン中にて一夜乾燥させた。トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジンの収量は、92.5g(95.5%)であり、純度95.4%であった。
【0058】
実施例2
トルエン(400ml)およびトランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリジン(100g)を300r.p.m.の撹拌速度を有する20℃の1リットルのジャケット付容器に入れた。該温度を5℃に下げ、次いで、該容器にジメチルエチルアミン(68.4ml)を入れ、該溶液温度を0℃に下げた。溶液温度を+2〜−2℃に維持しながら、該容器にベンゼンスルホニルクロリド(69.1ml)のトルエン(50ml)中溶液を65分間にわたって添加した。添加完了後、該溶液を+2〜−2℃で2時間撹拌した。該反応器に水酸化ナトリウム水溶液(10%w/w、水で100mlに調整された40%w/w NaOH 25ml)を15分間にわたって添加した。該混合物を20℃に加温し、15分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。該トルエン溶液にテトラ−n−オクチルアンモニウムブロミド(2.49g)、セサモール(69.07g)、トルエン(10ml)および水酸化ナトリウム水溶液(47%w/w溶液228g)を添加した。該反応を75℃に加温し、360r.p.m.に速度設定した撹拌器で3時間撹拌した。該反応を水(500ml)で希釈し、15分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。該反応を40℃に冷却し、水(100ml)で洗浄した。次いで、減圧下での蒸留によりトルエンを除去した。得られた固体にプロパン−2−オール(500ml)を添加し、得られた懸濁液を80℃に加熱して固体を完全に溶解した。減圧下での蒸留によりプロパン−2−オールを除去して固体を得、蒸留が完了した後、これを減圧下にて50℃で1時間放置した。該固体にプロパン−2−オール(150ml)を添加し、該懸濁液を加熱還流し、固体が完全に溶解するまで撹拌した。該反応を64℃に冷却し、トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジン(20mg)をシード添加した。該反応をゆっくりと20℃に冷却し、水(600ml)を1時間にわたって添加した。該反応を15℃に冷却し、1時間撹拌した。該懸濁液を濾過し、固体を水(240ml)で洗浄し、40℃の真空オーブン中にて一夜乾燥させた。トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジンの収量は147.7g(96.0%)であり、純度96.8%であった。
【0059】
実施例3
トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジン(20g、58.2mmol)をトルエン(120ml)中にてスラリー化し、溶媒20mlの共沸蒸留により乾燥させた。次いで、該スラリーを65℃に冷却し、反応温度を60〜65℃に維持しながらクロロギ酸フェニル(8.0ml、63.7mmol)を約40分間にわたって添加した。添加完了後、該反応混合物を60〜65℃で1時間撹拌した。
該反応混合物を60℃にて2Mクエン酸(2×60ml)、次いで、水(2×30ml)で洗浄し、次いで、蒸発乾固させて油状物を得た。これを熱プロパン−2−オール(110ml)に溶解し、再度、蒸発乾固させて白色固体を得た。該残留物を熱プロパン−2−オール(144ml)に再度溶解し、冷却した。得られた固体を濾過により集めてトランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−フェノキシカルボニルピペリジン19.9g(76%)を得た。
【0060】
実施例4
トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジン(22.5g、0.066mol)およびトルエン(130ml)を500mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該混合物をトルエン(20ml)の蒸留により乾燥させ、60〜65℃に冷却した。クロロギ酸フェニル(9ml、0.072mol、1.1当量)を45分間にわたって添加し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(2.3ml、0.013mol、0.2当量)を添加し、該混合物を60〜65℃で1時間撹拌した。20℃に冷却した後、該混合物を10%硫酸(2×30ml)および水(2×38ml)で洗浄した。該混合物をセライト(0.63g)で処理し、濾過し、溶媒を蒸発させた。プロパン−2−オール(125ml)を添加し、溶媒を再度蒸発させた。新鮮なプロパン−2−オール(160ml)を添加し、該混合物を加熱して溶液を得た。これを0〜5℃に冷却し、2時間撹拌し、濾過した。該生成物をプロパン−2−オール(20ml)で洗浄し、40℃で真空乾燥させた。トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−フェノキシカルボニルピペリジンの収量は、27.05g(91.8%)であり、純度98.3%であった。
【0061】
実施例5
トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−フェノキシカルボニルピペリジン(75g)およびトルエン(560ml)を1Lのジャケット付容器に入れ、撹拌器を400rpmの速度に設定した。水(8.6ml)および水酸化ナトリウム粒(29.53g)を添加し、該混合物を還流させながら60分間加熱し、次いで、75℃に冷却した。水(170ml)を添加し、該混合物を70〜75℃で5分間撹拌し、次いで、5分間沈降させた。下部水性層を除去し、次いで、さらに水(170ml)を添加し、該混合物を70〜75℃で5分間撹拌し、次いで、5分間沈降させた。下部水性層を除去した後、トルエン相を40℃に冷却し、工業用変性アルコール(16.5ml)を添加した。該混合物をさらに18℃に冷却した後、トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−ピペリジン・塩酸塩・半水和物(27mg)をシード添加し、直ぐ後に濃塩酸(23ml)を添加した。次いで、該混合物を20〜22℃に再度冷却し、1時間撹拌した。トルエンスラリーを濾過し、得られたケークを新鮮なトルエン(75ml)で洗浄した。該生成物を真空オーブン(55℃)中にて一夜乾燥させた。トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−ピペリジン・塩酸塩・半水和物の収量は、61.44g(98.2%)であり、純度98.4%であった。
【0062】
実施例6
トルエン(375ml)およびトランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリジン(63g)を300r.p.m.の撹拌速度を有する20℃の1リットルのジャケット付容器に入れた。温度を5℃に下げ、次いで、該容器にジメチルエチルアミン(46ml)を入れ、該溶液温度を0℃に下げた。溶液温度を0〜+2℃に維持しながら、該容器にベンゼンスルホニルクロリド(43ml)のトルエン(51ml)中溶液を1時間45分間にわたって添加した。添加完了後、該溶液を1℃で3時間撹拌した。該反応器に水酸化ナトリウム水溶液(水300ml中6g)を15分間にわたって添加した。該混合物を20℃に加温し、15分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。該トルエン溶液にテトラ−n−オクチルアンモニウムブロミド(4.62g)、セサモール(43g)、トルエン(300ml)および水酸化ナトリウム水溶液(水405ml中203.4g)を添加した。該反応を70℃に加温し、300r.p.m.に速度設定した撹拌器で18時間撹拌した。該反応を室温に冷却し、水(600ml)で希釈し、15分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。次いで、蒸留により該反応からトルエン(330ml)を除去した。次いで、該反応溶液を、洗浄液としてトルエン(75ml)を用いて清浄な1リットルのジャケット付容器に移した。蒸留によりさらにトルエン(80ml)を除去した。該混合物を60℃に冷却し、クロロギ酸フェニル(42ml)を45分間にわたって添加した。次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(10ml)を添加し、該混合物を60℃で1時間撹拌した。該反応を20℃に冷却し、2Mクエン酸溶液(2×380ml)および水(2×160ml)で洗浄した。該溶液をBuchiフラスコに移し、溶媒を真空蒸発させた。該フラスコにプロパン−2−オール(540ml)を入れ、また、真空蒸発させた。該残留物にさらにプロパン−2−オール(700ml)を添加し、これを、固体が完全に溶解するまで加熱した。加熱浴を取り外し、該混合物を冷却した。0〜5℃に1時間冷却した後、白色固体を濾過し、プロパン−2−オール(2×100ml)で洗浄し、40℃で一夜真空乾燥させた。トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−フェノキシカルボニルピペリジンの収量は、102.8g(81%)であり、純度98%であった。
【0063】
実施例7
トルエン(380ml)およびトランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリジン(63g)を300r.p.m.の撹拌速度を有する20℃の1リットルのジャケット付容器に入れた。該温度を5℃に下げ、次いで、該容器にジメチルエチルアミン(43.8ml)を入れ、該溶液温度を0℃に下げた。該溶液温度を+2〜−2℃に維持しながら、該容器にベンゼンスルホニルクロリド(42.6ml)のトルエン(51ml)中溶液を2時間45分間にわたって添加した。添加完了後、該溶液を1℃で3時間撹拌した。該反応器に水酸化ナトリウム水溶液(水300ml中6g)を15分間にわたって添加した。該混合物を20℃に加温し、15分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。該トルエン溶液にテトラ−n−オクチルアンモニウムブロミド(4.62g)、セサモール(42.9g)、トルエン(25ml)および水酸化ナトリウム水溶液(水204ml中101.7g)を添加した。該反応を70℃に加温し、300r.p.m.に速度設定した撹拌器で18時間撹拌した。該反応を室温に冷却し、水(283ml)で希釈し、15分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。該反応にトルエン(300ml)を添加し、次いで、蒸留により該反応からトルエン(300ml)を除去した。次いで、該反応溶液を、洗浄液としてトルエン(100ml)を用いて清浄な1リットルのジャケット付容器に移した。蒸留によりさらにトルエン88mlを除去した。該混合物を60℃に冷却し、クロロギ酸フェニル(39ml)を45分間にわたって添加した。次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(10ml)を添加し、該混合物を60℃で1時間撹拌した。次いで、該反応を20℃に冷却し、2Mクエン酸(2×380ml)および水(2×166ml)で洗浄した。次いで、トルエン(468ml)を添加し、蒸留により除去した(100ml)。該反応を50℃に冷却し、撹拌器を400rpmの速度に設定した。水(19.5ml)および水酸化ナトリウム粒(45.3g)を添加し、該混合物を還流させながら75分間加熱し、次いで、80℃に冷却した。水(285ml)を添加し、該混合物を80℃で5分間撹拌し、次いで、60分間沈降させた。下部水性層を除去し、次いで、さらに水(285ml)を添加し、該混合物を80℃で5分間撹拌し、次いで、5分間沈降させた。下部水性層を除去した後、トルエン相を40℃に冷却し、工業用変性アルコール(28ml)を添加した。該混合物をさらに18℃に冷却し、トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−ピペリジン・塩酸塩・半水和物(0.086g)をシード添加し、直ぐ後に濃塩酸(39ml)を添加した。次いで、該混合物を20〜22℃に冷却し、1時間撹拌した。トルエンスラリーを濾過し、得られたケークを新鮮なトルエン(80ml)で洗浄した。該生成物を55℃の真空オーブン中にて一夜乾燥させた。トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−ピペリジン・塩酸塩・半水和物の収量は、93.66g(88.6%)であり、純度97.5%であった。
【0064】
実施例8
(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−N−メチルピペリジン(67.5g)およびトルエン(340ml)を500mlの三角フラスコに入れ、撹拌して濁った溶液を得た。該溶液をセライトで濾過し、新鮮なトルエン(70ml)で洗浄した。濾過したトルエン溶液を、ディーン・スターク蒸留装置を装備した500mlの三つ口丸底フラスコに移した。トルエン溶液を加熱還流し、大気圧下でのトルエンの共沸蒸留により乾燥させて蒸留物70mlを集めた。蒸留が完了した後、該トルエン溶液を60〜65℃に冷却し、次いで、該温度を60〜65℃に維持しながら、シリンジポンプを用いてクロロギ酸フェニル(26ml)を45分間にわたって滴下した。添加完了後、該混合物を60〜65℃で30分間撹拌し、次いで、エチルジイソプロピルアミン(3.3ml)を一度に添加し、該混合物をさらに30分間撹拌した。次いで、該混合物を1Lのジャケット付容器に移し、温度を40〜45℃に調節した。2Mクエン酸(170ml)を添加し、該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、5分間沈降させた。下部水性層を除去し、さらに2Mクエン酸(170ml)を添加した。該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、5分間沈降させ、下部層を除去した。次いで、水(70ml)を添加し、該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、10分間沈降させた。下部水性層を除去し、さらに水(70ml)を添加した。該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、10分間沈降させ、下部層を除去した。内部温度を約40〜50℃に維持しながらトルエン溶液を真空濃縮させて濃い油状物を得た。該油状物にIPA(300ml)を添加し、溶液が得られるまで約70℃に加熱した。内部温度を約40〜50℃に維持しながらIPA溶液を真空濃縮して固体を得た。該固体にIPA(405ml)を添加し、加熱還流し、溶解が完了するまで撹拌した。IPA溶液を60〜65℃に冷却し、30分間撹拌し、次いで、20〜22℃に冷却し、1時間撹拌した。IPAスラリーを濾過し、得られたケークを新鮮なIPA(70ml)で洗浄した。該生成物を真空オーブン(55℃)中にて一夜乾燥させた。 (−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−N−フェノキシカルボニルピペリジンの収量:79.9g、90.4重量%。純度98.1%。
【0065】
実施例9
(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−N−フェノキシカルボニルピペリジン(22g)およびトルエン(165ml)を250mlのジャケット付容器に入れ、撹拌器を400rpmの速度に設定した。水(2.5ml)および水酸化ナトリウム粒(8.7g)を添加し、該混合物を95℃で60分間加熱し、次いで、75℃に冷却した。水(50ml)を添加し、該混合物を70〜75℃で5分間撹拌し、次いで、5分間沈降させた。下部水性層を除去し、次いで、さらに水(50ml)を添加し、該混合物を70〜75℃で5分間撹拌し、次いで、5分間沈降させた。下部水性層を除去した後、トルエン相を40℃に冷却し、工業用変性アルコール(4.8ml)を添加した。該混合物をさらに18℃に冷却した後、シード(約10mg)を添加し、直ぐ後に濃塩酸(6.8ml)を添加した。次いで、該混合物を20〜22℃に再度冷却し、1時間撹拌した。トルエンスラリーを濾過し、得られたケークを新鮮なトルエン(22ml)で洗浄した。該生成物を真空オーブン(55℃)中にて一夜乾燥させた。
(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−ピペリジン・塩酸塩・半水和物の収率:97.7重量%。純度97.7%。
【0066】
実施例10
(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−N−メチルピペリジン(67.5g)およびトルエン(340ml)を500mlの三角フラスコに入れ、撹拌して濁った溶液を得た。該溶液をセライトで濾過し、新鮮なトルエン(70ml)で洗浄した。濾過したトルエン溶液を、ディーン・スターク蒸留装置を装備した500mlの三つ口丸底フラスコに移した。トルエン溶液を加熱還流し、大気圧下でのトルエンの共沸蒸留により乾燥させ、蒸留物70mlを集めた。蒸留が完了した後、トルエン溶液を60〜65℃に冷却し、次いで、温度を60〜65℃に維持しながら、シリンジポンプを用いてクロロギ酸フェニル(25.5ml)を45分間にわたって滴下した。添加完了後、該混合物を60〜65℃で30分間撹拌し、次いで、エチルジイソプロピルアミン(3.2ml)を一度に添加し、該混合物をさらに30分間撹拌した。次いで、該混合物を1Lのジャケット付容器に移し、温度を40〜45℃に調節した。2Mクエン酸(170ml)を添加し、該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、5分間沈降させた。下部水性層を除去し、さらに2Mクエン酸(170ml)を添加した。該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、5分間沈降させ、下部層を除去した。次いで、水(70ml)を添加し、該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、10分間沈降させた。下部水性層を除去し、さらに水(70ml)を添加した。該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、10分間沈降させ、下部層を除去した。トルエン溶液をさらにトルエン(440ml)で希釈し、加熱還流し、大気圧下でのトルエンの共沸蒸留により乾燥させ、蒸留物135mlを集めた。トルエン溶液を75℃に冷却し、撹拌器を400rpmの速度に調節した。水(9.6ml)および水酸化ナトリウム粒(33.12g)を添加し、該混合物を還流させながら60分間加熱し、次いで、75℃に冷却した。水(170ml)を添加し、該混合物を70〜75℃で5分間撹拌し、次いで、5分間沈降させた。下部水性層を除去し、次いで、さらに水(170ml)を添加し、該混合物を70〜75℃で5分間撹拌し、次いで、5分間沈降させた。下部水性層を除去した後、トルエン相を40℃に冷却し、工業用変性アルコール(19ml)を添加した。該混合物をさらに18℃に冷却した後、シード(40mg)を添加し、直ぐ後に濃塩酸(25ml)を添加した。次いで、該混合物を20〜22℃に再度冷却し、1時間撹拌した。トルエンスラリーを濾過し、得られたケークを新鮮なトルエン(70ml)で洗浄した。該生成物を真空オーブン(55℃)中にて一夜乾燥させた。
(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−ピペリジン・塩酸塩・半水和物の収率:88.9重量%。純度97.4%。
【0067】
実施例11
トルエン(80ml)およびトランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリジン(20g)を20℃の250mlのジャケット付容器に入れた。該温度を10℃に下げ、次いで、該容器にジメチルエチルアミン(13.6ml)を入れ、該溶液温度を0℃に下げた。該溶液温度を+2〜−2℃に維持しながら、該容器にベンゼンスルホニルクロリド(13.7ml)のトルエン(10ml)中溶液を60分間にわたって添加した。添加完了後、該溶液を+2〜−2℃で1時間撹拌した。該反応器に水酸化ナトリウム水溶液(10%w/w、20ml)を5分間にわたって添加した。該混合物を20℃に加温し、15分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。該トルエン溶液にテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(1.45g)、セサモール(13.74g)、および水酸化ナトリウム水溶液(47%w/w溶液32ml)を添加した。該反応を75℃に加温し、2.5時間撹拌した。該反応を水(100ml)で希釈し、15分間撹拌し、次いで、沈降させた。15分後、水性相を除去した。該反応を55℃に冷却し、水(20ml)で洗浄した。次いで、減圧下での蒸留によりトルエンを除去した。得られた固体にプロパン−2−オール(100ml)を添加し、得られた懸濁液を80℃に加熱して固体を完全に溶解した。減圧下での蒸留によりプロパン−2−オールを除去して固体を得た。該固体にプロパン−2−オール(30ml)を添加し、該懸濁液を加熱還流し、固体が完全に溶解するまで撹拌した。該反応を60℃に冷却し、トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジン(5mg)をシード添加した。次いで、該反応をゆっくりと20℃に冷却し、水(120ml)を30分間にわたって添加した。該反応を15℃に冷却し、1時間撹拌した。該懸濁液を濾過し、固体を水(48ml)で洗浄し、55℃の真空オーブン中にて一夜乾燥させた。トランス−(−)−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−1−メチルピペリジンの収量は28.9g(94.0%)であり、純度98.3%であった。
【0068】
実施例12
トルエン(480ml)を1Lのジャケット付容器に入れ、80mlの共沸蒸留により乾燥させ、次いで、65℃に冷却した。該容器にクロロギ酸フェニル(35.5ml)を入れた。該溶液を60〜65℃で維持し、(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−N−メチルピペリジン(80g)を10回に均等に分けて45分間にわたって添加し、次いで、トルエン(2ml)で洗浄した。添加完了後、該混合物を60〜65℃で30分間撹拌し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(3.95ml)を一度に添加し、該混合物をさらに30分間撹拌した。次いで、該混合物を40〜45℃に冷却した。2Mクエン酸(200ml)を添加し、該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、5分間沈降させた。下部水性層を除去し、さらに2Mクエン酸(200ml)を添加した。該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、5分間沈降させ、下部層を除去した。次いで、水(80ml)を添加し、該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、10分間沈降させた。下部水性層を除去し、さらに水(80ml)を添加した。該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、10分間沈降させ、下部層を除去した。内部温度を約40〜50℃に維持しながらトルエン溶液を真空濃縮して濃い油状物を得た。該油状物にIPA(360ml)を添加し、溶液が得られるまで約70℃に加熱した。内部温度を約40〜50℃に維持しながら該IPA溶液を真空濃縮して固体を得た。該固体に該IPA(480ml)を添加し、加熱還流し、溶解が完了するまで撹拌した。該IPA溶液を約65℃に冷却し、次いで、60〜70℃で30分間撹拌した。次いで、得られたスラリーを20〜22℃に冷却し、1時間撹拌した。IPAスラリーを濾過し、得られたケークを新鮮なIPA(80ml)で洗浄した。該生成物を真空オーブン(55℃)中にて一夜乾燥させた。
(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−N−フェノキシカルボニルピペリジンの収量は99.0g(94.5%)であり、純度98.2%であった。
【0069】
実施例13
トルエン(350ml)および(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−N−メチルピペリジン(100g)を500mlのジャケット付容器に入れた。トルエン50mlの共沸蒸留により、該溶液を乾燥させ、次いで、約65℃に冷却した。トルエン(150ml)およびクロロギ酸フェニル(44.4ml)を1Lのジャケット付容器に入れ、60〜65℃に加熱した。次いで、このクロロギ酸フェニルのトルエン溶液に上記(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−N−メチルピペリジンのトルエン溶液を45分間にわたって添加した。添加完了後、トランスファーラインをトルエン(50ml)で洗浄した。次いで、該混合物を60〜65℃で30分間撹拌し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(4.9ml)を一度に添加し、該混合物をさらに30分間撹拌した。次いで、該混合物を40〜45℃に冷却した。2Mクエン酸(250ml)を添加し、該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、5分間沈降させた。下部水性層を除去した。次いで、水(100ml)を添加し、該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、10分間沈降させた。下部水性層を除去し、さらに水(100ml)を添加した。該混合物を40〜45℃で5分間撹拌し、10分間沈降させ、下部層を除去した。内部温度を約40〜50℃に維持しながらトルエン溶液を真空濃縮して、濃い油状物を得た。該油状物にIPA(400ml)を添加し、溶液が得られるまで約70℃に加熱した。内部温度を約40〜50℃に維持しながら該IPA溶液を真空濃縮して固体を得た。該固体にIPA(600ml)を添加し、加熱還流し、溶解が完了するまで撹拌した。IPA溶液を約65℃に冷却し、次いで、60〜70℃で30分間撹拌した。次いで、得られたスラリーを20〜22℃に冷却し、1時間撹拌した。IPAスラリーを濾過し、得られたケークを新鮮なIPA(100ml)で洗浄した。該生成物を真空オーブン(55℃)中にて一夜乾燥させた。
(−)トランス−4−(4’−フルオロフェニル)−3−(3’’,4’’−メチレンジオキシフェノキシメチル)−N−フェノキシカルボニルピペリジンの収量は124.2g(94.9%)であり、純度98.6%であった。

Claims (15)

  1. 構造式(E):
    Figure 2004504319
    [式中、Rは、置換フェニル基(特に、3,4−メチレンジオキシフェニル)である]
    で示される化合物の製造方法であって、
    (a) 構造式(A):
    Figure 2004504319
    で示されるカルビノール化合物を準備すること、
    (b) 該カルビノールと構造式RSOClで示されるスルホニルクロリドとを反応させて構造式(B):
    Figure 2004504319
    で示されるスルホネート誘導体を製造すること、
    (c) 該スルホネートと置換フェノールROHとを塩基の存在下にて反応させて構造式(C):
    Figure 2004504319
    で示される化合物を得ること、
    (d) 該化合物(C)とハロホルメートROCOClとを反応させて構造式(D):
    Figure 2004504319
    で示される化合物を得ること、
    (e) 該化合物(D)を塩基で処理してカルバメート基ROCO−を除去し、化合物(E)を得ること
    を含む製造方法であって、
    上記反応シーケンスが、化合物(A)の溶液で開始し、中間化合物(B)、(C)および(D)を単離せずに逐次反応溶液に試薬RSOCl、ROH、ROCOClおよび塩基を添加して行われることを特徴とする製造方法。
  2. 中間生成物を単離するかまたは単離せずに請求項1の工程(a)、(b)、(c)および(d)により化合物(A)から化合物(E)を製造する方法であって、以下の改良:
    (1)工程(c)において、相間移動触媒および塩基の存在下にてスルホネート化合物(B)と置換フェノールとを反応させること、
    (2)工程(d)において、化合物(C)とハロホルメートとを反応させ、HCl捕捉塩基を添加すること、
    (3)工程(d)において、化合物(D)を含有する反応溶液をクエン酸、リン酸、酢酸およびギ酸から選択される水性酸で洗浄すること、
    (4)工程(e)において、化合物(D)を水酸化ナトリウムと一緒に加熱してカルバメート基を除去すること
    の1つまたはそれ以上により特徴付けられる製造方法。
  3. 相間移動触媒および塩基の存在下にて請求項1において定義したスルホネート化合物(B)と置換フェノールROHとを反応させることを含む請求項1において定義した化合物(C)の製造方法。
  4. 請求項1において定義した化合物(C)およびハロホルメートROCOClを反応させ、HCl捕捉塩基を添加することを含む請求項1において定義した化合物(D)の製造方法。
  5. 請求項1において定義した化合物(C)とハロホルメートROCOClとを反応させ、化合物(D)を含有する該反応溶液をクエン酸、リン酸、酢酸およびギ酸から選択される水性酸で洗浄することを含む請求項1において定義した化合物(D)の製造方法。
  6. 請求項1において定義した化合物(D)を水酸化ナトリウムと一緒に加熱してカルバメート基を除去することを含む請求項1において定義した化合物(E)の製造方法。
  7. 置換フェノールROHがセサモールである上記請求項のいずれか1項記載の方法。
  8. がフェニルである上記請求項のいずれか1項記載の方法。
  9. がフェニルである上記請求項のいずれか1項記載の方法。
  10. がメチルである上記請求項のいずれか1項記載の方法。
  11. 相間移動触媒がテトラ−n−オクチルアンモニウムブロミドまたはテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドである請求項2〜10いずれか1項記載の方法。
  12. HCl捕捉塩基がHunig塩基である請求項2〜11いずれか1項記載の方法。
  13. 反応がトルエン中にて行われる上記請求項のいずれか1項記載の方法。
  14. 上記請求項のいずれか1項記載の方法によるかまたは該方法を使用して得ることができるパロキセチンまたはその医薬上許容される塩。
  15. 一またはそれ以上の「障害」に罹患しているヒトに有効量または予防量の、請求項1〜13いずれか1項記載の方法を使用して得ることができるパロキセチンまたはメシラートもしくは塩酸塩のような医薬上許容される塩を投与することを含む、「障害」の治療方法。
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