JP2013503631A - 糸状菌におけるリンゴ酸生成の改良方法 - Google Patents

糸状菌におけるリンゴ酸生成の改良方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013503631A
JP2013503631A JP2012527943A JP2012527943A JP2013503631A JP 2013503631 A JP2013503631 A JP 2013503631A JP 2012527943 A JP2012527943 A JP 2012527943A JP 2012527943 A JP2012527943 A JP 2012527943A JP 2013503631 A JP2013503631 A JP 2013503631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
dicarboxylic acid
host cell
malate dehydrogenase
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012527943A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5833553B2 (ja
Inventor
ブラウン スティーブン
ルットリンガー シェリル
イェイバー デビー
ベリー アラン
Original Assignee
ノボザイムス,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノボザイムス,インコーポレイティド filed Critical ノボザイムス,インコーポレイティド
Publication of JP2013503631A publication Critical patent/JP2013503631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5833553B2 publication Critical patent/JP5833553B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/40Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a carboxyl group including Peroxycarboxylic acids
    • C12P7/44Polycarboxylic acids
    • C12P7/46Dicarboxylic acids having four or less carbon atoms, e.g. fumaric acid, maleic acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/37Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from fungi
    • C07K14/38Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from fungi from Aspergillus
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

本発明は、(a)C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択されたポリヌクレオチドを含む糸状菌宿主細胞を培養し、ここで前記糸状菌宿主細胞が、同じ条件下で培養される場合、前記異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸を分泌でき;そして(b)C4ジカルボン酸を回収することを含む、C4ジカルボン酸を生成するための方法に関する。本発明はまた、C4ジカルボン酸生成を高めるための方法、糸状菌宿主細胞及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体にも関する。

Description

本発明は、糸状菌におけるC4ジカルボン酸生成の改良方法に関する。
有機酸は種々の産業における商業的使用の長い歴史を有する。例えば、有機酸(クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸及びグルコン酸)は、種々のポリマーの生成のためのモノマー(アジピン酸、乳酸、アクリル酸及びイタコン酸)として、金属キレート剤(グルコン酸)として、及び“無公害”溶媒(酢酸)として食品及び飼料産業において使用される(Sauer など., 2008, Trends in Biotechnology 26 : 100-108)。有機酸はそれ自体、市販の製品であるか、又はそれらは他の化学薬品の製造に使用される化学構築ブロックであり得る。特殊用途の他に、C4ジカルボン酸はまた、多量の産業薬品、例えば、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン及びγ−ブチロラクトンの製造のための構築ブロックとして使用され得ることは長く認識されて来た。従来の石油化学ルートによるそれらの多量の産業薬品の製造費用は、石油由来の構築ブロックの高い費用のために、有意に高まって来た。
有機酸は、石油由来の原料(例えば、フマル酸、リンゴ酸、アクリル酸及びアジピン酸)からの化学合成、又は微生物発酵(例えば、クエン酸、乳酸、グルコン酸及びイタコン酸)のいずれかにより商業的に製造される。いくつかの有機酸、例えばフマル酸及びリンゴ酸もまた、微生物発酵により製造され得るが、しかし現在、低製造費用のために石油化学原料からの化学合成により商業的に製造される。しかしながら、石油由来の構築ブロック薬品の上昇する費用、原油価額に影響を及ぼす地理的不安定性、及び循環再生資源に由来する原料を用いる製造方法を実用化するための必要性が、微生物発酵による有機酸及び他の化学薬品の製造における興味を刺激して来た。
リンゴ酸は石油化学原料から化学合成により今日、商業的に製造されるが、それはまた、微生物発酵によって製造され得る。リンゴ酸は、遺伝学的に構築された酵母(サッカロミセス・セレビシアエ)(Zelle など., 2008, Appl. Environ. Microbiol. 74 : 2766-2777)及び天然に存在する糸状菌、例えばアスペルギラスspp.(アメリカ特許第3,063,910号;Bercovitz など. , 1990, Appl. Environ. Microbiol. 56: 1594-1597)において高レベルで製造されて来た。Abe など. (アメリカ特許第3,063,910号)及びBercovitz など. (1990, Appl. Environ. Microbiol. 56: 1594-1597)は、アスペルギラスのいくつかの種における高レベルのリンゴ酸生成を報告している。さらに、Battat など. (1991, Biotechnol. Bioengineering 37: 1108-1116)は、最適化された条件下で撹拌発酵器におけるアスペルギラス・フラバス(Aspergillus flavus)による113g/lほどの高いリンゴ酸生成を報告している。酵母における微生物発酵によるジカルボン酸生成が、WO2010/003728号に記載されている。微生物発酵によるリンゴ酸生成がまた、WO2009/011974号及びWO2009/155382号に記載されている。アスペルギラスの遺伝子工学によるリンゴ酸生成の改良が、発酵による経済的な商業用リンゴ酸生成を可能にするであろう。
アスペルギラスspp.におけるリンゴ酸過剰生成が、特定の培養条件(好気性条件及び高いC:N比;炭酸カルシウムがまた、リンゴ酸生合成のための中和剤として及びCO2の源として添加される)下で生じる。それらの条件下で、サイトゾル還元性トリカルボン酸(TCA)サイクルを通しての越流代謝が高められたリンゴ酸生合成及び培養培地中への分泌をもたらす。高められたリンゴ酸生成が、遺伝子工学を用いてピルビン酸カルボキシラーゼ(Bauer など. , 1999, FEMS Microbiol Lett. 179: 107-113)又はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(Pines など., 1997, Appl. Microbiol. Biotechnol. 48 : 248-255)のレベルを高め、そしてリンゴ酸トランスポーター(Zelle など. , 2008, 前記)の発現を高めることにより、サッカロミセス・セレビシアエにおいて報告されている。リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性がアスペルギラス・フラバス(Aspergillus flavus)株ATCC13697においてリンゴ酸生成を制限していることが、生化学的証拠に基づいて提案されている(Peleg など., 1988, Appl. Microbiol. Biotechnol. 28: 69-75)。しかしながら、リンゴ酸生成における直接的改良性が、組換えDNA技法を用いて、遺伝子工学の結果としてアスペルギラスにおいて示されたことはない。
本発明は、糸状菌においてC4ジカルボン酸生成、例えばリンゴ酸生成を改良するための方法に関する。
本発明は、(a)C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択された1又は複数(いくつか)のポリヌクレオチドを含む糸状菌宿主細胞を培養し、ここで前記糸状菌宿主細胞が、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸を分泌し(又は分泌することができ);そして(b)C4ジカルボン酸を回収することを含んで成る、C4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を生成するための方法に関する。
本発明はまた、(a)C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択された1又は複数(いくつか)のポリヌクレオチドを用いて、糸状菌宿主細胞を形質転換し、ここで前記糸状菌宿主細胞は、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸を分泌し(又は分泌することができ);(b)前記形質転換された糸状菌宿主細胞を培地において培養し;そして(c)C4ジカルボン酸を回収することを含んで成る、親宿主細胞に対してC4ジカルボン酸生成(例えば、リンゴ酸生成)を高めるための方法にも関する。
本発明はまた、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択された1又は複数(いくつか)のポリヌクレオチドを含む糸状菌宿主細胞にも関し、ここで前記糸状菌宿主細胞は、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を分泌する。
1つの観点においては、異種第2ポリヌクレオチドは、(i)配列番号18の位置2〜17に相当する位置又はその一部での欠失、及び(ii)配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含む、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体をコードし、ここで前記欠失及び置換はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体のミトコンドリア移入をインビボで低め、それによりサイトゾルにおけるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体のレベルを高め、そして前記糸状菌宿主細胞は、同じ条件下で培養される場合、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードするポリヌクレオチドを含まない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのリンゴ酸を分泌する(又は分泌できる)。
本発明はまた、(i)配列番号18の位置2〜17に相当する位置又はその一部での欠失、及び(ii)配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含む、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体にも関し、ここで前記変異体はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する。
本発明はまた、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする単離されたポリヌクレオチド、及び前記ポリヌクレオチドを含む核酸構造体、ベクター及び宿主細胞にも関する。
定義:
C4ジカルボン酸トランスポーター:用語“C4ジカルボン酸トランスポーター”とは、リンゴ酸、琥珀酸、オキサロ酢酸、マロン酸及び/又はフマル酸を細胞外に輸送できるジカルボン酸ペルメアーゼとして、本明細書において定義される(Grobler など., 1995, Yeast 11 : 1485-1491 ; Camarasa など., 2001, Applied and Environmental Microbiology 67: 4144-4151)。ミトコンドリア移入されたタンパク質及びそれらの標的配列を予測するためのコンピューター方法は、Claros and Vincens, 1996, Eur. J. Biochem. 241 : 779-786により記載されている。
C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号8、34及び/又は36のリンゴ酸トランスポーター活性の少なくとも20%、例えば少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の活性を有する。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ:用語“リンゴ酸デヒドロゲナーゼ”とは、NADH+Hの存在下でのオキサロ酢酸のリンゴ酸及びNADへの還元を触媒するリンゴ酸:NAD+オキシドレダクターゼ(EC1.1.1.37)として、本明細書において定義される。本発明のためには、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性は、次の方法に従って定義される。アッセイ溶液は、1 mMのオキサロ酢酸、100 mMのトリス pH 8.0、10 mMの NaHC03、5 mMの MgCl2及び0.1 mMの NADHから成る(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO, USA)。基質としてオキサロ酢酸を有さないアッセイ溶液は、バックグラウンドNADH分解速度を測定するための対照として作動される。個々の上清液の1/100、1/500、1/2500及び1/12500の希釈溶液は、再蒸留水により調製される。アッセイ溶液の270μlのアリコートが96ウェルポリスチレン平底プレート中に分配される。個々の希釈された上清液の30μlサンプルが添加され、アッセイが開始される。反応は、次の設定:340nmの動的読み取りによりSPECTRAMAX(登録商標) 340PC プレートリーダー (Molecular Devices, Sunnyvale, CA, USA)を用いてモニターされた。NADHの濃度シリーズを用いて、標準曲線を構成し、そして精製されたリンゴ酸デヒドロゲナーゼの希釈シリーズ(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO, USA)を、正の対照として使用する。1単位のリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性は、pH8.0、25℃で1分当たり1μモルのオキサロ酢酸及びNADH+Hをリンゴ酸及びNADに転換できる酵素の量に等しい。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18又は20のリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも20%、例えば少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の活性を有する。
ピルビン酸カルボキシラーゼ:用語“ピルビン酸カルボキシラーゼ”とは、ATP及びHCO3 の存在下でピルビン酸のオキサロ酢酸、ADP及びリン酸へのカルボキシル化を触媒するピルビン酸:二酸化炭素リガーゼ(ADP−形成)(EC6.4.1.1)として本明細書において定義される。本発明のためには、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性は、ピルビン酸カルボキシラーゼについてSIGMA(登録商標) Quality Control Test手順に従って決定されるが、但しそのアッセイはpH8.0でのトリス緩衝液を使用する。1単位のピルビン酸カルボキシラーゼ活性は、pH7.8、30℃で1分当たり1μモルのピルビン酸及びCO2をオキサロ酢酸に転換できる酵素の量に等しい。
ピルビン酸カルボキシラーゼは、配列番号27のピルビン酸カルボキシラーゼ活性の少なくとも20%、例えば少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の活性を有する。
異種ポリヌクレオチド:用語“異種ポリヌクレオチド”とは、宿主細胞に対して生来
ではないポリヌクレオチド;構造的修飾がコード領域に対して行われている生来のポリヌクレオチド;その発現が組換えDNA技法、例えば異なった(外来性)プロモーターによるDNAの操作の結果として定量的に変更されている生来のポリヌクレオチド;又はその発現がポリヌクレオチドの1又は複数(いくつか)の特別コピーの宿主細胞への導入により定量的に変更されている生来のポリヌクレオチドとして、本明細書において定義される。
単離されたポリペプチド:用語“単離されたポリペプチド”とは本明細書において使用される場合、1つの源から単離されているポリペプチドを言及する。好ましい観点においては、ポリペプチドは、SDS−PAGEにより決定される場合、少なくとも1%の純度、例えば少なくとも 5% の純度、 少なくとも 10% の純度、 少なくとも 20% の純度、 少なくとも 40% の純度、 少なくとも 60% の純度、 少なくとも 80% の純度、 少なくとも 90% の純度、 少なくとも 95% の純度、 少なくとも 96% の純度、 少なくとも 97% の純度、 少なくとも 98% の純度、 少なくとも 99% の純度、 少なくとも 99.5% の純度又は100% の純度である。
実質的に純粋なポリペプチド:用語“実質的に純粋なポリペプチド”とは、本明細書において、多くとも10%、例えば多くとも8%、多くとも6%、多くとも5%、多くとも4%、多くとも3%、多くとも2%、多くとも1%又は多くとも0.5%(重量による)の天然において又は組換え的に結合される他のポリペプチド材料を含むポリペプチド調製物を示す。従って、好ましくは、実質的に純粋なポリペプチドは、調製物に存在する合計ポリペプチド材料の少なくとも92%の純度、例えば少なくとも94%の純度、少なくとも95%の純度、少なくとも96%の純度、少なくとも97%の純度、少なくとも98%の純度、少なくとも99%の純度、少なくとも99.5%の純度、又は100%(重量による)の純度である。ポリペプチドは好ましくは、実質的に純粋な形で、すなわちポリペプチド調製物が、それが天然において又は組換え的に結合される他のポリペプチド材料を実質的に有さない純粋な形で存在する。これは、例えば良く知られた組換え方法により、又は従来の精製方法によりポリペプチドを調製することにより達成され得る。
同一性:2種のアミノ酸配列間の又は2種のヌクレオチド配列間の関連性が、パラメーター“同一性”により記載される。
本発明のためには、2種のアミノ酸配列間の同一性の程度は、EMBOSSパッケージ(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice など., 2000, Trends in Genetics 16: 276-277)、好ましくはバージョン3.0.0又はそれ以上のバージョンのNeedleプログラムにおいて実施されるように、Needleman-Wunschアルゴリズム (Needleman and Wunsch, 1970, J. MoI. Biol. 48: 443-453)を用いて決定される。使用される任意のパラメーターは、10のギャップ開始ペナルティー、0.5のギャップ伸長ペナルティー、及びEBLOSUM62 (BLOSUM62のEMBOSSバージョン)代替マトリックスである。Needleラベルされた“最長同一性”(−nobriefオプションを用いて得られた)の出力が、%同一性として使用され、そして次の通りにして計算される:
(同一残基×100)/(アライメントの長さ−アライメントにおけるギャップの合計数)
本発明のために、2種のデオキシリボヌクレオチド配列間の同一性の程度が、EMBOSSパッケージ(EMBOSS : The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice など. , 2000,前記)、好ましくはバージョン3.0.0又はそれ以上のバージョンのNeedleプログラムにおいて実施されるように、Needleman-Wunschアルゴリズム (Needleman and Wunsch, 1970, 前記)を用いて決定される。使用される任意のパラメーターは、10のギャップ開始ペナルティー、0.5のギャップ伸長ペナルティー、及びENDAFULL (NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン) 代替マトリックスである。Needleラベルされた“最長同一性”(−nobriefオプションを用いて得られた)の出力が、%同一性として使用され、そして次の通りにして計算される:
(同一デオキシリボヌクレオチド×100)/(アライメントの長さ−アライメントにおけるギャップの合計数)。
相同配列:用語“相同配列”とは、配列番号8、 34又は36のアスペルギラス・オリザエC4ジカルボン酸トランスポーター、配列番号18又は20のアスペルギラス・オリザエリンゴ酸デヒドロゲナーゼ又は配列番号27のアスペルギラス・オリザエピルビン酸カルボキシラーゼに関して、tfasty調査(Pearson, W.R., 1999, in Bioinformatics Methods and Protocols, S. Misener and S. A. Krawetz, ed., pp. 185-219)において0.001以下のE値(又は見込み評点)を与える予測されるタンパク質として、本明細書において定義される。
ポリペプチドフラグメント:用語“ポリペプチドフラグメント”とは、配列番号8、18、20、27、34又は36のアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失される1又は複数(いくつか)のアミノ酸を有するポリペプチド、又はその相同配列として、本明細書において定義され;ここで前記フラグメントはC4ジカルボン酸トランスポーター活性(配列番号8、34又は36のフラグメントに関する)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性(配列番号18又は20のフラグメントに関する)、又はピルビン酸カルボキシラーゼ活性(配列番号27のフラグメントに関する)を有する。
副配列:用語“副配列”とは、配列番号7、 17、19、26、 33、35又は37の5’及び/又は3’末端から欠失される1又は複数(いくつか)のヌクレオチドを有するヌクレオチド配列;又はその相同配列として、本明細書において定義され;ここで前記副配列は、C4ジカルボン酸トランスポーター活性(配列番号7、33、35又は37の副配列について)、リンゴ酸でヒドロゲナーゼ活性(配列番号17又は19の副配列について)、又はピルビン酸カルボキシラーゼ活性(配列番号26の副配列について)を有するポリペプチドフラグメントをコードする。
対立遺伝子変異体:本明細書においては、用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数のオルターナティブ形のいずれかを示す。対立遺伝子変動は、天然においては、突然変異を通して発生し、そして集団内の多形現象をもたらすことができる。遺伝子突然変異はサイレントであり得るか(コードされるポリペプチドの変化が存在しない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子によりコードされるポリペプチドである。
単離されたポリヌクレオチド:用語“単離されたポリヌクレオチド”とは本明細書において使用される場合、1つの源から単離されているポリヌクレオチドを言及する。1つの観点においては、ポリヌクレオチドは、アガローズ電気泳動により決定される場合、少なくとも1%の純度、例えば少なくとも 5% の純度、 少なくとも 10% の純度、 少なくとも 20% の純度、 少なくとも 40% の純度、 少なくとも 60% の純度、 少なくとも 80% の純度、 少なくとも 90% の純度、 少なくとも 95% の純度、 少なくとも 96% の純度、 少なくとも 97% の純度、 少なくとも 98% の純度、 少なくとも 99% の純度、 少なくとも 99.5% の純度又は100% の純度である。
実質的に純粋なポリヌクレオチド:用語“実質的に純粋なポリペプチド”とは、本明細書において使用される場合、他の外来性の又は所望しないヌクレオチドを有さず、そして遺伝子構築されたタンパク質生成システム内での使用のために適切な形で存在するポリヌクレオチド調製物を言及する。従って、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、それが天然において又は組換え的に結合される他のポリヌクレオチド材料の、多くとも10重量%、例えば多くとも8重量%、多くとも6重量%、多くとも5重量%、多くとも4重量%、多くとも3重量%、多くとも2重量%、多くとも1重量%、又は多くとも0.5重量%含む。しかしながら、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、天然に存在する5’及び3’未翻訳領域、例えばプロモーター及びターミネーターを含むことができる。1つの観点においては、実質的に純粋なポリペプチドは、調製物に存在する合計ポリペプチド材料の少なくとも90%の純度、例えば少なくとも92%の純度、少なくとも94%の純度、少なくとも95%の純度、少なくとも96%の純度、少なくとも97%の純度、少なくとも98%の純度、少なくとも99%の純度、少なくとも99.5%の純度、又は100%(重量による)の純度である。ポリペプチドは好ましくは、実質的に純粋な形で、すなわちポリペプチド調製物が、それが天然において又は組換え的に結合される他のポリペプチド材料を実質的に有さない純粋な形で存在する。前記ポリヌクレオチドは、ゲノム、cDNA、RNA、半合成、合成起源、又はそれらのいずれかの組合せのものであり得る。
コード配列:本明細書において使用される場合、用語“コード配列”とは、そのタンパク質生成物のアミノ酸配列を直接的に特定するヌクレオチド配列を包含する。コード配列の境界は一般的に、ATG開始コドン又は他の開始コドン、例えばGTG及びTTGにより通常開始し、そして停止コドン、例えばTAA、TAG及びTGAで終結する読取枠により決定される。コード配列は、DNA、cDNA、又は組換えヌクレオチド配列であり得る。
cDNA:用語“cDNA”とは、本発明において使用される場合、真核細胞に由来する成熟のスプライスされたmRNA分子から逆転写により調製され得るDNA分子を包含する。cDNAは、その対応するゲノムDNAに通常存在するイントロン配列を欠いている。初期一次RNA転写体は、mRNAに対する前駆体であり、そしてそれは、成熟のスプライスされたmRNAとして出現する前、一連のプロセッシング現象を通して進行する。それらの段階は、スプライシングと呼ばれる工程によるイントロン配列の除去を包含する。従って、mRNAに由来するcDNAはいずれのイントロン配列も欠いている。ある場合、cDNA配列は、ゲノムDNA配列と同一であり得る。
核酸構造体:本明細粗において使用される場合、用語“核酸構造体”とは、天然に存在する遺伝子から単離され、又は他方では、天然に存在しないか又は合成である態様で核酸のセグメントを含むように修飾されている、一本鎖又は二本鎖核酸分子として定義される。用語“核酸構造体”とは、核酸構造体が本発明のコード配列の発現のために必要とされるすべての制御配列を含む場合、用語“発現カセット”と同じ意味である。
制御配列:用語“制御配列”とは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現のために必要であるすべての成分を包含するよう定義される。個々の制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列に対して生来であっても又は外来性であっても、又はお互いに対して生来であっても又は外来性であっても良い。そのような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。最少で、制御配列は、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域と制御配列との連結を促進する特定の制限部位を導入するためにリンカーを提供され得る。
操作可能的に連結される:用語“操作可能的に連結される”とは、制御配列が、ポリペプチドのコード配列の発現を指図するようポリヌクレオチド配列のコード配列に対する位置で適切に配置されている配置として本明細書において定義される。
発現:用語“発現”とは、ポリペプチドの生成に包含されるいずれかの段階、例えば転写、後−転写修飾、翻訳、後−翻訳修飾及び分泌(但し、それらだけには制限されない)を包含する。
発現ベクター:本明細書においては、用語“発現ベクター”とは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んで成り、そしてその発現を提供する追加のヌクレオチドに操作可能的に連結される線状又は環状DNA分子を包含する。
宿主細胞:用語“宿主細胞”とは、本明細書において使用される場合、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするポリヌクレオチド、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードするポリヌクレオチド及び/又はC4ジカルボン酸トランスポーターをコードするポリヌクレオチドを含む核酸構造体又は発現ベクターによる形質転換、トランスフェクション、トランスダクション及び同様のものに対して感受性であるいずれかの細胞型を包含する。
人工変異体:本明細書において使用される場合、用語“人工変異体”とは、修飾されたポリヌクレオチド配列(例えば、配列番号17を含むか又はそれから成る修飾されたポリヌクレオチド配列);又はその相同配列を発現する生物により生成されるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドを意味する。修飾されたヌクレオチド配列は、配列番号17を含むか又はそれから成るポリヌクレオチド配列;又はその相同配列の修飾により、ヒト介在を通して得られる。
変異体:用語“変異体”とは、変更/修飾、すなわち1又は複数(いくつか)の位置での1又は複数(いくつかの)のアミノ酸残基の置換、挿入及び/又は欠失を含む、活性、例えばC4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドを意味する。置換は1つの位置を占有するアミノ酸の異なったアミノ酸による置換を意味し;欠失は1つの位置を占有するアミノ酸の除去を意味し;そして挿入は1つの位置を占有するアミノ酸に隣接して、1又は複数(いくつか)、例えば1〜3個のアミノ酸を付加することを意味する。
“約”に関して、1つの値又はパラメーターは、その値又はパラメーター自体に向けられる局面を包含する。例えば、“約X”に関する記載は、局面“X”を包含する。
本明細書及び特許請求の範囲に使用される場合、単数形“1つの(a)”、“又は(or)”及び“その(the)”は、特に断らない限り、複数の対象を包含する。本明細書に記載される本発明の観点は、“成る”及び/又は“実質的に成る“の観点を包含することが理解される。
特にことわらない限り、本明細書に使用されるすべての技術及び科学用語は、当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。
発明の詳細な記載:
本発明は、ピルビン酸カルボキシラーゼによるピルビン酸のオキサロ酢酸へのカルボキシル化、リンゴ酸デヒドロゲナーゼによるオキサロ酢酸のリンゴ酸への還元、及び/又はC4ジカルボン酸トランスポーターを通しての細胞からのC4ジカルボン酸の輸送を包含する、C4ジカルボン酸生成、例えばリンゴ酸生成を増強するために、糸状菌、例えばアスパラギラスにおける特定遺伝子の過剰発現を記載する。
本発明は、(a)C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択された1又は複数(いくつか)のポリヌクレオチドを含む糸状菌宿主細胞を培地において培養し、ここで前記糸状菌宿主細胞が、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸を分泌し(又は分泌することができ);そして(b)C4ジカルボン酸を回収することを含む、C4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を生成するための方法に関する。
本発明はまた、(a)C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択された1又は複数(いくつか)のポリヌクレオチドを用いて、糸状菌宿主細胞を形質転換し、ここで前記糸状菌宿主細胞は、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸を分泌し(又は分泌することができ);(b)前記形質転換された糸状菌宿主細胞を培地において培養し;そして(c)C4ジカルボン酸を回収することを含む、親宿主細胞に対してC4ジカルボン酸生成(例えば、リンゴ酸生成)を高めるための方法にも関する。
本発明はまた、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択された1又は複数(いくつか)のポリヌクレオチドを含む糸状菌宿主細胞にも関し、ここで前記糸状菌宿主細胞は、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を分泌する。
それらの観点のいずれかにおいて、C4ジカルボン酸は、リンゴ酸、琥珀酸、オキサロ酢酸、マロン酸又はフマル酸、又はそれらの組合せである。ある観点においては、C4ジカルボン酸は、リンゴ酸、琥珀酸又はフマル酸、又はそれらの組合せである。ある観点においては、C4ジカルボン酸は、リンゴ酸又はフマル酸、又はそれらの組合せである。ある観点においては、C4ジカルボン酸はリンゴ酸である。
1つの観点においては、糸状菌宿主細胞は、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。もう1つの観点においては、糸状菌宿主細胞は、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。もう1つの観点においては、糸状菌宿主細胞は、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。もう1つの観点においては、糸状菌宿主細胞は、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種ポリヌクレオチド、及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。もう1つの観点においては、糸状菌宿主細胞は、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。もう1つの観点においては、糸状菌宿主細胞は、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。もう1つの観点においては、糸状菌宿主細胞は、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。
本発明の方法においては、組換え糸状菌宿主細胞は、当業界において良く知られている方法を用いて、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及び/又はピリビン酸カルボキシラーゼの生成のために適切な栄養培地において培養される。例えば、前記細胞は、適切な培地において実施される実験室又は産業用発酵器において、及びポリペプチドの発現及び/又は単離を可能にする条件下で、振盪フラスコ培養及び小規模又は大規模発酵(例えば、連続、バッチ、供給−バッチ又は固形状態発酵)により培養され得る。培養は、当業界において知られている方法を用いて、炭素及び窒素源及び無機塩を含む適切な栄養培地において実施される。適切な培地は、商業的供給者から入手でき、公開される組成(例えば、the American Type Culture Collectionのカタログにおける)に従って調製され得るか、又は市販の成分から調製され得る。
C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼはポリペプチドに対して特異的である、当業界において知られている方法を用いて検出され得る。それらの検出方法は、特異的抗体の使用、酵素生成物の形成、又は酵素基質の消出を包含する。例えば、酵素アッセイが、本明細書に記載されるように、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼの活性を決定するために使用され得る。
C4ジカルボン酸、例えばリンゴ酸は、当業界において知られているいずれかの方法を用いて回収され得る。例えば、WO 1998/022611号及びアメリカ特許第7,601,865号を参照のこと。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及び/又はピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む糸状菌宿主細胞により生成される、分泌されたC4カルボン酸のレベルは、同じ条件下で培養される場合、異種第1ポリヌクレオチド、異種第2ポリヌクレオチド及び/又は異種第3ポリヌクレオチドを含まない糸状菌宿主細胞に比較して、少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%又は500%、高められる。
1つの観点においては、糸状菌宿主細胞の培養された調製物は、30 g/L、60 g/L、90 g/L、 120 g/L、150 g/L、175 g/L、200 g/L、225 g/L又は 250 g/Lのいずれかよりも高いレベルでC4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を生成する(又は生成できる)。もう1つの観点においては、糸状菌宿主細胞の培養された調製物は、24、48、72、96、120、144、165又は192時間以内に、30 g/L、60 g/L、90 g/L、 120 g/L、150 g/L、175 g/L、200 g/L、225 g/L又は 250 g/Lのいずれかよりも高いレベルでC4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を生成する(又は生成できる)。例えば、1つの観点においては、糸状菌宿主細胞の培養された調製物は、48時間以内に、30 g/L、60 g/L、90 g/L、 120 g/L、150 g/L、175 g/L、200 g/L、225 g/L又は 250 g/Lのいずれかよりも高いレベルでC4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を生成する(又は生成できる)。もう1つの観点においては、糸状菌宿主細胞の培養された調製物は、144時間以内に、30 g/L、60 g/L、90 g/L、 120 g/L、150 g/L、175 g/L、200 g/L、225 g/L又は 250 g/Lのいずれかよりも高いレベルでC4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を生成する(又は生成できる)。本発明におけるそれらの観点又は方法の観点のいずれかにおいて、糸状菌宿主細胞の培養された調製物は、約7.0、例えば6.0 〜7.0、6.0 〜 6.5、6.5〜7.0以下か又は等しいpH、又は約6.5以下のpHで、C4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を生成する(又は生成できる)。
C4ジカルボン酸トランスポーター及びC4ジカルボン酸トランスポーターをコードするポリヌクレオチド:
本発明においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、本発明の実施のために適切であるいずれかのC4ジカルボン酸トランスポーターであり得る。1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、高い力価でリンゴ酸を生成する培養条件下で過剰発現されるトランスポーターである。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、(a)配列番号8、34又は36と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むC4ジカルボン酸トランスポーター;(b)配列番号7、33、35、37又はその完全な長さの相補的鎖と低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(c)配列番号7、33、35又は37と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(d)配列番号8、34又は36の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むC4ジカルボン酸トランスポーター変異体;又は(e)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のC4ジカルボン酸トランスポーターのフラグメントである。
第1の観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、(a)配列番号8と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むC4ジカルボン酸トランスポーター;(b)配列番号7又はその完全な長さの相補的鎖と低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(c)配列番号7と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(d)配列番号8の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むC4ジカルボン酸トランスポーター変異体;又は(e)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のC4ジカルボン酸トランスポーターのフラグメントである。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、配列番号8に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一を有するアミノ酸配列を含む(この後、“相同C4ジカルボン酸トランスポーター”と称する)。1つの観点においては、相同C4ジカルボン酸トランスポーターは、10未満のアミノ酸、例えば5未満のアミノ酸、4未満のアミノ酸、3未満のアミノ酸、2未満のアミノ酸、又は1つのアミノ酸、配列番号8とは異なるアミノ酸配列を含む。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号8のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はC4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するそのフラグメントを含む。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。もう1つの観点においては、C4カルボン酸トランスポーターは、配列番号8のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はC4でカルボン酸トランスポーター活性を有するそのフラグメントから成る。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号8のアミノ酸配列から成る。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号8の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつか)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含む変異体である。好ましくは、アミノ酸変更は、タンパク質の折りたたみ及び/又は活性に実質的に影響を及ぼさない保存性アミノ酸置換又は挿入;典型的には1〜約30個のアミノ酸の小さな欠失;小さなアミノ−又はカルボキシル−末端延長、例えばアミノ末端メチオニン残基の延長;約20〜25個までの残基の小さなリンカーペプチドの延長;又は実効電荷又は他の機能、例えばポリヒスチジン系、抗原性エピトープ又は結合ドメインを変えることにより精製を促進する小さな延長であるマイナーな性質のものである。
保存性置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン及びメチオニン)のグループ内である。一般的に、非活性を変更しないアミノ酸置換は当業界において知られており、そしてたとえば、H. Neurath and R.L. Hill, 1979, The Proteins, Academic Press, New York により記載されている。最も通常生じる交換は次のものである: Ala/Ser, Val/Ile, Asp/Glu, Thr/Ser, Ala/Gly, Ala/Thr, Ser/Asn, Ala/Val, Ser/Gly, Tyr/Phe, Ala/ Pro, Lys/Arg, Asp/Asn, Leu/Ile, Leu/Val, Ala/Glu及びAsp/Gly並びにそれらの逆。
他方では、アミノ酸変化は、ポリペプチドの生理化学的性質が変更されるような性質のものである。例えば、アミノ酸変化は、ポリペプチドの熱安定性を改良し、基質変異性を変更し、pH最適性を変え、そして同様のことをする。
親ポリペプチドにおける必須アミノ酸は、当業界において知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発、又はアラニン−走査突然変異誘発に従って同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081-1085, 1989)。後者の技法においては、単一のアラニンの突然変異が分子におけるあらゆる残基に導入され、そして得られる変異体分子は、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するために、C4ジカルボン酸トランスポーター活性について試験される。また、Hilton など., J. Biol. Chem. 271: 4699-4708, 1996を参照のこと。酵素の活性部位又は他の生物学的相互作用はまた、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異に関して、核磁気共鳴、結晶学、電子回折、又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、構造の物理的分析によっても決定され得る。例えば、de Vos など., Science 255: 306-312, 1992; Smith など., J. Mol. Biol. 224: 899-904, 1992; Wlodaver など., FEBS Lett. 309: 59-64, 1992を参照のこと。必須アミノ酸の本体はまた、本発明のポリペプチドに関連するポリペプチドとの同一性の分析からも推定され得る。
単一又は複数のアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入は、突然変異誘発、組換え及び/又はシャフリング、続く適切なスクリーニング方法、例えばReidhaar-Olson and Sauer, 1988, Science 241 : 53-57; Bowie and Sauer, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 : 2152-2156; WO 95/17413号;又はWO 95/22625号により開示される既知の方法を用いて、生成され、そして試験され得る。使用され得る他の方法は、エラープロンPCR、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30: 10832-10837, 1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号;Huse, WIPO Publication WO92/06204号)及び特定領域の突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46: 145, 1986; Ner など., DNA 7: 127, 1986)を包含する。
突然変異誘発/シャフリング方法は、宿主細胞により発現された、クローン化され、突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために、高い処理量の自動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る(Ness など. , 1999, Nature Biotechnology 17: 893-896)。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発されたDNA分子は、宿主細胞から回収され、そして当業界における標準方法を用いて急速に配列決定され得る。それらの方法は、ポリペプチドにおける重要な個々のアミノ酸残基の急速な決定を可能にする。
ある観点においては、配列番号8の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、10よりも多くなく、例えば1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8又は9よりも多くない。もう1つの観点においては、配列番号8の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9又は10である。
もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、配列番号8のフラグメントである。配列番号8のフラグメントは、このアミノ酸配列のアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失される1又は複数(いくつかの)のアミノ酸を有するポリペプチドである。1つの観点においては、フラグメントは、配列番号8の少なくとも320個のアミノ酸残基、例えば好ましくは少なくとも340個のアミノ酸残基、又は少なくとも360個のアミノ酸残基を含む。
C4ジカルボン酸トランスポーターは、もう1つのポリペプチドが発明のポリペプチドのN−末端又はC−末端で融合されている、融合されたポリペプチド又は切断できる融合ポリペプチドであり得る。融合されたポリペプチドは、本発明のポリヌクレオチドにもう1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを融合することにより生成される。融合ポリペプチドを生成するための技法は、当業界において知られており、そしてポリペプチドをコードするコード配列を、それらが整合して存在し、そして融合されたポリペプチドの発現が同じプロモーター及びターミネーターの制御下にあるよう連結することを包含する。融合タンパク質はまた、融合が後翻訳的に創造されるインテイン技法を用いて構成され得る(Cooper など., 1993, EMBO J. 12: 2575-2583; Dawson など. , 1994, Science 266: 776-779)。
さらに融合ポリペプチドは、2種のポリペプチド間に切断部位を含むことができる。融合タンパク質の分泌に基づいて、前記部位が切断され、2種のポリペプチドが開放される。切断部位の例は、Martin など. , 2003, J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 3 : 568-576; Svetina など. , 2000, J. Biotechnol. 76: 245-251; Rasmussen-Wilson など., 1997, Appl. Environ. Microbiol. 63 : 3488-3493; Ward など., 1995, Biotechnology 13 : 498-503; Contreras など., 1991, Biotechnology 9 : 378-381; Eaton など. , 1986, Biochemistry 25 : 505-512; Collins-Racie など., 1995, Biotechnology 13 : 982-987; Carter など., 1989, Proteins: Structure, Function, and Genetics 6: 240-248; 及び Stevens, 2003, Drug Discovery World 4 : 35-48に開示される部位を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、配列番号7、その副配列、又は前記の十分な長さの相補的鎖とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる(J. Sambrook, E.F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, 前記)。前記副配列は、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。配列番号7の副配列又はその相同体は、1又は複数(いくつか)のヌクレオチドが5’−及び/又は3’−末端から欠失されているヌクレオチド配列である。1つの観点においては、副配列は配列番号7の少なくとも960個のヌクレオチド、例えば少なくとも1020個のヌクレオチド又は少なくとも1080個のヌクレオチドを含む。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドをコードする、少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列番号7に対する配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれらから成るポリヌクレオチドによりコードされる。
第2の観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、(a)配列番号34と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むC4ジカルボン酸トランスポーター;(b)配列番号33又はその完全な長さの相補的鎖と低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(c)配列番号33と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(d)配列番号34の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むC4ジカルボン酸トランスポーター変異体;又は(e)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のC4ジカルボン酸トランスポーターのフラグメントである。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、配列番号34に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一を有するアミノ酸配列を含む(この後、“相同C4ジカルボン酸トランスポーター”と称する)。1つの観点においては、相同C4ジカルボン酸トランスポーターは、10未満のアミノ酸、例えば5未満のアミノ酸、4未満のアミノ酸、3未満のアミノ酸、2未満のアミノ酸、又は1つのアミノ酸、配列番号34とは異なるアミノ酸配列を含む。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号34のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はC4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するそのフラグメントを含む。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号34のアミノ酸配列を含む。もう1つの観点においては、C4カルボン酸トランスポーターは、配列番号34のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はC4でカルボン酸トランスポーター活性を有するそのフラグメントから成る。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号34のアミノ酸配列から成る。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、上記のように、配列番号34の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつか)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含む変異体である。ある観点においては、配列番号34の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、10よりも多くなく、例えば1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8又は9よりも多くない。もう1つの観点においては、配列番号34の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9又は10である。
もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、配列番号34のフラグメントである。1つの観点においては、フラグメントは、配列番号34の少なくとも334個のアミノ酸残基、例えば少なくとも354個のアミノ酸残基、又は少なくとも374個のアミノ酸残基を含む。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、配列番号33、その副配列、又は前記の十分な長さの相補的鎖とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる(J. Sambrook, E.F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, 前記)。前記副配列は、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。配列番号33の副配列又はその相同体は、1又は複数(いくつか)のヌクレオチドが5’−及び/又は3’−末端から欠失されているヌクレオチド配列である。1つの観点においては、副配列は配列番号33の少なくとも1002個のヌクレオチド、例えば少なくとも1062個のヌクレオチド又は少なくとも1122個のヌクレオチドを含む。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドをコードする、少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列番号33に対する配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれらから成るポリヌクレオチドによりコードされる。
第3の観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、(a)配列番号36と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むC4ジカルボン酸トランスポーター;(b)配列番号35又は37、又はその完全な長さの相補的鎖と低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(c)配列番号35又は37と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(d)配列番号36の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むC4ジカルボン酸トランスポーター変異体;又は(e)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のC4ジカルボン酸トランスポーターのフラグメントである。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、配列番号36に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一を有するアミノ酸配列を含む(この後、“相同C4ジカルボン酸トランスポーター”と称する)。1つの観点においては、相同C4ジカルボン酸トランスポーターは、10未満のアミノ酸、例えば5未満のアミノ酸、4未満のアミノ酸、3未満のアミノ酸、2未満のアミノ酸、又は1つのアミノ酸、配列番号36とは異なるアミノ酸配列を含む。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号36のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はC4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するそのフラグメントを含む。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号36のアミノ酸配列を含む。もう1つの観点においては、C4カルボン酸トランスポーターは、配列番号36のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はC4でカルボン酸トランスポーター活性を有するそのフラグメントから成る。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、配列番号36のアミノ酸配列から成る。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、上記のように、配列番号36の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつか)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含む変異体である。ある観点においては、配列番号36の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、10よりも多くなく、例えば1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8又は9よりも多くない。もう1つの観点においては、配列番号36の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9又は10である。
もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、配列番号36のフラグメントである。1つの観点においては、フラグメントは、配列番号36の少なくとも375個のアミノ酸残基、例えば少なくとも395個のアミノ酸残基、又は少なくとも415個のアミノ酸残基を含む。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、配列番号35又は37、その副配列、又は前記の十分な長さの相補的鎖とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる(J. Sambrook, E.F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, 前記)。前記副配列は、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。配列番号35,37の副配列又はその相同体は、1又は複数(いくつか)のヌクレオチドが5’−及び/又は3’−末端から欠失されているヌクレオチド配列である。1つの観点においては、副配列は配列番号35又は37の少なくとも1125個のヌクレオチド、例えば少なくとも1185個のヌクレオチド又は少なくとも1245個のヌクレオチドを含む。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドをコードする、少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列番号35又は37に対する配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれらから成るポリヌクレオチドによりコードされる。
配列番号7、33、35又は37のポリヌクレオチド;又はその副配列;及び配列番号8、34又は36のアミノ酸配列;又はそのフラグメントは、当業界において良く知られている方法に従って、異なった属又は種の菌株からのC4ジカルボン酸トランスポーターをコードするDNAを同定し、そしてクローン化するための核酸プローブを企画するために使用され得る。特に、そのようなプローブは、そこにおける対応する遺伝子を同定し、そして単離するために、標準のサザンブロット方法に従って、興味ある属又は種のゲノム又はcDNAとのハイブリダイゼーションのために使用され得る。そのようなプローブは、完全な配列よりも相当に短いが、しかし少なくとも14個、例えば少なくとも25個、少なくとも35個、又は少なくとも70個の長さのヌクレオチドであるべきである。1つの観点においては、核酸プローブは少なくとも100個の長さのヌクレオチド、例えば、少なくとも200個、少なくとも300個、少なくとも400個、又は少なくとも500個の長さのヌクレオチドであり得る。さらに長いプローブ、例えば少なくとも600個、少なくとも700個、少なくとも800個、又は少なくとも900個の長さのヌクレオチドである核酸プローブが使用され得る。DNA及びRNAの両プローブが使用され得る。プローブは典型的には、対応する遺伝子を検出するためにラベルされる(例えば、32P, 3H, 35S, ビオチン、又はアビジンにより)。そのようなプローブは、本発明により包含される。
そのような他の生物から調製されたゲノムDNA又はcDNAライブラリーは、上記に記載されるプローブとハイブリダイズし、そしてC4ジカルボン酸トランスポーターをコードするポリペプチドをコードするDNAについてスクリーンされ得る。そのような生物からのゲノム又は他のDNAは、アガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動、又は他の分離技法により分離され得る。ライブラリーからのDNA又は分離されたDNAが、ニトロセルロース又は他の適切なキャリヤー材料に移行され、そしてその上に固定され得る。配列番号7、33、35又は37、又はその副配列と相同であるクローン又はDNA、又はその副配列を同定するためには、キャリヤー材料がサザンブロットに使用される。本発明のためには、ハイブリダイゼーションは、ポリヌクレオチドが配列番号7、33、35又は37で示されるポリヌクレオチドに対応するラベルされたヌクレオチド;その相補的鎖;又は前記のものの副配列に、低〜非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズすることを示す。プローブがハイブリダイズする分子は、例えばX−線フィルム又は当業界において知られているいずれか他の検出手段を用いて検出され得る。
1つの観点いおいては、核酸プローブは、配列番号7、33、35、37又はその部分配列である。もう1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号8, 34又は36をコードするポリヌクレオチド配列;又はその副配列である。1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号7である。もう1つの観点いおいては、核酸プローブは、配列番号8をコードするポリヌクレオチド配列又はその副配列である。もう1つの観点いおいては、核酸プローブは配列番号33である。もう1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号34をコードするポリヌクレオチド配列又はその副配列である。1つの観点においては、核酸プローブは配列番号36又は37である。1つの観点においては、核酸プローブは配列番号35である。もう1つの観点いおいては、核酸プローブは配列番号37である。もう1つの観点いおいては、核酸プローブは、配列番号36をコードするポリヌクレオチド配列又はその副配列である。
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長さの長いプローブに関して、非常に低い〜非常に高い緊縮条件は、最適には12〜24時間の標準のサザンブロット方法に従っての、5×SSPE、 0.3%SDS、 200μg/ml の剪断され、そして変性されたサケ精子DNA、及び25%ホルムアミド(非常に低い及び低い緊縮に関して)、35%ホルムアミド(中位及び中−高緊縮に関して)、又は50%ホルムアミド(高い及び非常に高い緊縮に関して)における42℃でのプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションとして定義される。
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長いプローブに関しては、キャリヤー材料は最終的に、2×SSC、 0.2%SDS溶液を用いて、45℃(非常に低い緊縮)、50℃(低いの緊縮)、55℃(中位の高い緊縮)、60℃(中くらいに高い緊縮)、65℃(高い緊縮)又は70℃(非常に高い緊縮)で、それぞれ15分間、3度洗浄される。
約15個〜約70個の長さのヌクレオチドである短いプローブに関しては、緊縮条件は、0.9MのNaCl、0.09Mのトリス−HCl, pH7.6、 6mM のEDTA、 0.5のNP-40、1×Denhardt’s溶液、1mMのピロリン酸ナトリウム、1mMの一塩基性リン酸ナトリウム、0.1mMのATP及び0.2mgの酵母RNA(1ml当たり)における、Bolton and McCarthy(1962、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 48: 1390)に従って計算されたTmよりも約5℃〜約10℃低い温度で、最適には12〜24時間の標準のサザンブロット方法に従ってのプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション、及び後−ハイブリダイゼーション洗浄として定義される。
約15個〜約70個の長さのヌクレオチドである短いプローブに関しては、キャリヤー材料は、6×SSC及び0.1%SDSにより15分間、1度、及び6×SSCを用いて、計算されたTmよりも約5℃〜約10℃低い温度でそれぞれ15分間、2度、洗浄される。
C4ジカルボン酸トランスポーターは、いずれかの属の微生物から得られる。本発明のためには、用語“〜から得られる”とは、所定の源に関して本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーターがその源により又は前記源からのポリヌクレオチドが挿入されている細胞により生成されることを意味する。
C4ジカルボン酸トランスポーターは、細菌性C4ジカルボン酸トランスポーターであり得る。例えば、C4ジカルボン酸トランスポーターは、グラム陽性細菌ポリペプチド、例えばバチルス(Bacillus)、ストレプトコーカス(Streptococcus)、ストレプトミセス(Streptomyces)、スタフィロコーカス(Staphylococcus)、エンテロコーカス(Enterococcus)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ラクトコーカス(Lactococcus)、クロストリジウム(Clostridium)、ゲオバシラス(Geobacillus)又はオセアノバチルス(Oceanobacillus)C4ジカルボン酸トランスポーター、又はグラム陰性細菌ポリペプチド、例えばE. コリ(E. coli)、シュードモナス(Pseudomonas)、サルモネラ(Salmonella)、カムフィロバクター(Campylobacter)、ヘリコバクター(Helicobacter)、フラボバクテリウム(Flavobacterium)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、イリオバクター(llyobacter)、ネイセリア(Neisseria)又はウレアプラズマ(Ureaplasma) C4ジカルボン酸トランスポーターであり得る。
1つの観点においては、前記C4ジカルボン酸トランスポーターは、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウジ(Bacillus clausii)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウス(Bacillus megaterium)、バチルス・プミラス(Bacillus pumilus)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)又はバチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)C4ジカルボン酸トランスポーターであり得るである。
もう1つの観点においては、前記C4ジカルボン酸トランスポーターは、ストレプトコーカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)、ストレプトコーカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコーカス・ウベリス(Streptococcus uberis)、又はストレプトコーカス・エクイsubsp. ズーエピデミカス(Streptococcus egui subsp. Zooepidemicus)C4ジカルボン酸トランスポーターである。
もう1つの観点においては、前記C4ジカルボン酸トランスポーターは、ストレプトミセス・アクロモゲネス(Streptomyces achromogenes)、ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)、ストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)又はストレプトミセス・リビダンズ(Streptomyces lividans)C4ジカルボン酸トランスポーターである。
C4ジカルボン酸トランスポーターは、菌類C4ジカルボン酸トランスポーターであ。1つの観点においては、菌類C4ジカルボン酸トランスポーターは、酵母C4ジカルボン酸トランスポーター、例えばカンジダ(Candida)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizos accharomyces)、又はヤロウイア(Yarrowia)C4ジカルボン酸トランスポーターであり得る。
1つの観点においては、前記C4ジカルボン酸トランスポーターは、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)C4ジカルボン酸トランスポーター、例えば配列番号36のシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)C4ジカルボン酸トランスポーターである。
もう1つの観点においては、前記C4ジカルボン酸トランスポーターは、糸状菌C4ジカルボン酸トランスポーター、例えばアクレモニウム(Acremonium)、アガリカス(Agaricus)、アルターナリア(Alternaria)、アスペルギラス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、ボツリオススパエリア(Botryospaeria)、セリポリオプシス(Ceriporiopsis)、カエトミジウム(Chaetomidium)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、クラビセプス(Claviceps)、コクリオボラス(Cochliobolus)、コプリノプシス(Coprinopsis)、コプトテルメス(Coptotermes)、コリナスカス(Corynascus)、クリホネクトリア(Cryphonectria)、クリプトコーカス(Cryptococcus)、ジプロジア(Diplodia)、エクシジア(Exidia)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)、ギベレラ(Gibberella)、 ホロマスチゴトイデス(Holomastigotoides)、ヒューミコラ(Humicola)、イルペクス(Irpex)、レンチヌラ(Lentinula)、レプトスパエリア(Leptospaeria)、マグナポリス(Magnaporthe)、メラノカルパス(Melanocarpus)、メリピラス(Meripilus)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネオカノマスチックス(Neocallimastix)、ネウロスポラ(Neurospora)、パエシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ファネロカエテ(Phanerochaete)、ピロミセス(Piromyces)、ポイトラシア(Poitrasia)、シュードプレクタニア(Pseudoplectania)、シュードトリコニンファ(Pseudotrichonympha)、リゾムコル(Rhizomucor)、シゾフィラム(Schizophyllum)、シタリジウム(Scytalidium)、タラロミセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、トリコダーマ(Trichoderma)、トリコファエア(Trichophaea)、ベルチシリウム(Verticillium)、ボルバリエラ(Volvariella)又はキシラリア(Xylaria) C4ジカルボン酸トランスポーターであり得る。
もう1つの観点においては、前記C4ジカルボン酸トランスポーターは、サッカロミセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ジアスタチカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)又はサッカロミセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)C4ジカルボン酸トランスポーターである。
もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、アクレモニウム・セルロリチカス(Acremonium cellulolyticus)、アスペルギラス・アキュレアタス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギラス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギラス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギラス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギラス・ホエチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギラス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギラス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギラス・ソジャエ(Aspergillus sojae)、クリソスポリウム・カラチノフィラム(Chrysosporium keratinophilum)、クリソスポリウム・ルクノウエンセ(Chrysosporium lucknowense)、クリソスポリウム・トロピカム(Chrysosporium tropicum)、クリソスポリウム・メルダリウム(Chrysosporium merdarium)、クリソスポリウム・イノプス(Chrysosporium inops)、クリソスポリウム・パンニコラ(Chrysosporium pannicola)、クリソスポリウム・クイーンズランジカム(Chrysosporium queenslandicum)、クリソスポリウム・ゾナタム(Chrysosporium zonatum)、フサリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フサリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フサリウム・クロックウェレンズ(Fusarium crookwellense)、フサリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)、フサリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearium)、フサリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フサリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フサリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・レチキュラタム(Fusarium reticulatum)、フサリウム・ロゼウム(Fusariumu roseum)、フサリウム・サムブシウム(Fusarium sambucinum)、フサリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フサリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フサリウム・トルロサム(Fusarium torulosaum)、フサリウム・トリコセシオイデス(Fusarium trichothecioides)、フサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ヒュミコラ・グリセア(Humicola grisea)、ヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、ヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、イレペクス・ラクテウス(Irpex lacteus)、ムコル・ミエヘイ(Mucor miehei)、ミセリオプラソ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・プルプロゲナム(Penicillium purpurogenum)、ファネロカエテ・キソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、チエラビア・アクロマチカ(Thielavia achromatica)、チエラビア・アルボミセス(Thielavia albomyces)、チエラビア・アルボピロラ(Thielavia albopilosa)、チエラビア・オウストラレインシス(Thielavia australeinsis)、チエラビア・フィメチ(Thielavia fimeti)、チエラビア・ミクロスポラ(Thielavia microspora)、チエラビア・オビスポラ(Thielavia ovispora)、チエラビア・ペルビアナ(Thielavia peruviana)、チエラビア・スペデドニウム(Thielavia spededonium)、チエラビア・セトサ(Thielavia setosa)、チエラビア・サブサーモフィラ(Thielavia subthermophila)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、トリコダーマ・ハルジアナル(Trichoderma harzianum)、トリコダーマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコダーマ・ロンジブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコダーマ・レセイ(Trichoderma reesei)、又はトリコダーマ・ビリデ(Trichoderma viride)C4ジカルボン酸トランスポーターである。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、アスペルギラスC4ジカルボン酸トランスポーターである。もう1つの観点いおいては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、アスペルギラス・オリザエC4ジカルボン酸トランスポーター、例えば配列番号8のアスペルギラス・オリザエC4ジカルボン酸トランスポーターである。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターは、アスペルギラス・テレウスC4ジカルボン酸トランスポーター、例えば配列番号34のアスペルギラス・テレウスC4ジカルボン酸トランスポーターである。
前述の種に関しては、本発明は完全及び不完全状態の両者、及び他の分類学的同等物、例えばアナモルフを、それらが知られている種の名称にかかわらず、包含することが理解されるであろう。当業者は適切な同等物の正体を容易に理解するであろう。
それらの種の株は、次の多くの培養物寄託所から容易に入手できる:American Type Culture Collection (ATCC)、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSM)、Centraalbureau Voor Schimmelcaltures (CBS)及びAgricultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Research Center (NRRL)。
C4ジカルボン酸トランスポーターはまた、他の源、例えば天然源(例えば、土壌、堆肥、水、等)から単離された微生物から、又は上記プローブを用いて、天然材料(例えば、土壌、堆肥、水、等)から直接的に得られたDNAサンプルから同定され、そして得られる。天然の生息地から微生物及び天然の生息地からの直接的なDNAを単離する技法は当業界において良く知られている。次に、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードするポリヌクレオチドは、もう1つの微生物のゲノム又はcDNAライブラリー又は混合されたDNAサンプルを同様にスクリーニングすることによって誘導され得る。C4ジカルボン酸トランスポーターをコードするポリヌクレオチドが本明細書に記載のように適切なプローブにより検出されると、配列は当業者に知られている技法を用いることによって同定され、又はクローン化され得る(例えば、J. Sambrook, E.F. Fritsch, and T. Maniatus, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d edition, Cold Spring Harbor, New Yorkを参照のこと)。
C4ジカルボン酸トランスポーターはまた、もう1つのポリペプチドが前記ポリペプチド又はそのフラグメントのN−末端又はC−末端で融合されている、融合された又は切断可能な融合ポリペプチドも包含することができる。融合されたポリペプチドは、もう1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(又はその一部)を、ポリヌクレオチド配列(又はその一部)に融合することによって生成される。融合ポリペプチドを生成するための技法は、当業界において知られており、そしてポリペプチドをコードするコード配列を、それらが整合して存在し、そして融合されたポリペプチドの発現が同じプロモーター及びターミネーターの制御下にあるよう、連結することを包含する。融合タンパク質はまた、融合が後翻訳的に創造されるインテイン技法を用いても構成され得る(Cooper など., 1993, EMBO J. 12: 2575-2583; Dawson など., 1994, Science 266: 776-779)。
C4ジカルボン酸トランスポーターをコードするポリヌクレオチドを単離し、又はクローン化するために使用される技法は、当業界において知られており、そしてゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製、又はそれらの組み合わせを包含する。そのようなゲノムDNAからのポリヌクレオチドのクローニングは、例えば良く知られているポリメラーゼ鎖反応(PCR)、又は共有する構造特徴を有するクローン化されたDNAフラグメントを検出するために発現ライブラリーの抗体スクリーニングを用いることによってもたらされ得る。例えば、Innisなど., 1990, PCR: A Guide to Methods and Application; Academic Press, New York を参照のこと。他の核酸増幅方法、例えばリガーゼ鎖反応(LCR)、連結された活性化転写(LAT)及び核酸配列に基づく増幅(NASBA)が使用され得る。ポリヌクレオチドは、アスペルギラス株、又は他の又は関連する生物からクローン化され得、そして従って、ヌクレオチド配列のポリペプチドコード領域の対立遺伝子又は種変異体であり得る。
1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号7、33、35又は37を含むか又はそれらから成る。もう1つの観点いおいては、単離されたポリヌクレオチドは配列番号7を含むか又はそれから成る。もう1つの観点いおいては、単離されたポリヌクレオチドは融合番号33を含むか又はそれから成る。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは配列番号35又は37を含むか又はそれから成る。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号8、34又は36を含むか又はそれから成るC4ジカルボン酸トランスポーターをコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号8を含むか又はそれから成るC4ジカルボン酸トランスポーターをコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号34を含むか又はそれから成るC4ジカルボン酸トランスポーターをコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号36を含むか又はそれから成るC4ジカルボン酸トランスポーターをコードする。従って、本発明は、配列番号8、34又は36のアミノ酸配列を含むか又はそれから成るが、しかしそれぞれ配列番号7、33、 35又は37とは、遺伝子コードの縮重により異なるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を包含する。本発明はまた、C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、それぞれ配列番号8、34又は36のフラグメントをコードする、配列番号7、33、35又は37の前配列にも関する。
もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号7、33、35又は37において少なくとも1つの突然変異を含むか又はそれから成る変異ポリヌクレオチドであり得、ここで前記変異ヌクレオチド配列はそれぞれ、配列番号8、34又は36をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号7において少なくとも1つの突然変異を含むか又はそれから成る変異ポリヌクレオチドであり得、ここで前記変異ヌクレオチド配列はそれぞれ、配列番号8をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号33において少なくとも1つの突然変異を含むか又はそれから成る変異ポリヌクレオチドであり得、ここで前記変異ヌクレオチド配列はそれぞれ、配列番号34をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号35又は37において少なくとも1つの突然変異を含むか又はそれから成る変異ポリヌクレオチドであり得、ここで前記変異ヌクレオチド配列はそれぞれ、配列番号36をコードする。
もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、活性C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする、配列番号7、33、35又は37に対して、少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれから成る。
例えば、1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、活性C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする、配列番号7に対して、少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれから成る。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、活性C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする、配列番号33に対して、少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれから成る。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、活性C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする、配列番号35又は37に対して、少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれから成る。
もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチドは、本明細書に定義されるように、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、(i)配列番号7、33、35又は37、その対立遺伝子変異体又は副配列、又は前記の完全な長さの相補的鎖とハイブリダイズする(Sambrook など., 1989,前記)。
例えば、1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチドは、本明細書に定義されるように、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、配列番号7、その対立遺伝子変異体又は副配列、又は前記の完全な長さの相補的鎖とハイブリダイズする(Sambrook など., 1989,前記)。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチドは、本明細書に定義されるように、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、配列番号33、その対立遺伝子変異体又は副配列、又は前記の完全な長さの相補的鎖とハイブリダイズする(Sambrook など., 1989,前記)。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチドは、本明細書に定義されるように、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、配列番号35又は37、その対立遺伝子変異体又は副配列、又は前記の完全な長さの相補的鎖とハイブリダイズする(Sambrook など., 1989,前記)。
1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチドは、(a)配列番号7、33、35又は37、又はその完全な長さの相補的鎖と、非常に低い、低い、中位の、中位の高い、高い又は非常に高い緊縮条件下でDNA集団とをハイブリダイズし;そして(b)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドをコードする前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる。
例えば、1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチドは、(a)配列番号7、又はその完全な長さの相補的鎖と、非常に低い、低い、中位の、中位の高い、高い又は非常に高い緊縮条件下でDNA集団とをハイブリダイズし;そして(b)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドをコードする前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチドは、(a)配列番号33、又はその完全な長さの相補的鎖と、非常に低い、低い、中位の、中位の高い、高い又は非常に高い緊縮条件下でDNA集団とをハイブリダイズし;そして(b)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドをコードする前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる。もう1つの観点においては、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチドは、(a)配列番号35又は37、又はその完全な長さの相補的鎖と、非常に低い、低い、中位の、中位の高い、高い又は非常に高い緊縮条件下でDNA集団とをハイブリダイズし;そして(b)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有するポリペプチドをコードする前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる。
本発明を実施するために使用され得る他のC4ジカルボン酸トランスポーターは例えば、アスペルギラス・フラバスC4ジカルボン酸トランスポーター(AFLA_107340)を包含する。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするポリヌクレオチド:
本発明においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、本発明を実施するために適切であるいずれかのリンゴ酸デヒドロゲナーゼであり得る。1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、宿主細胞のサイトゾルに存在する。
本発明を実施するために使用され得るリンゴ酸デヒドロゲナーゼは、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:アスペルギラス・フミガタスリンゴ酸デヒドロゲナーゼ (AFUA_2G13800; Nierman など. , 2005, Nature 438: 1151-1156); アスペルギラス・ニジュランスリンゴ酸デヒドロゲナーゼ (AN5031.1, AN6499.1; Sims など., 2004, Mycol. Res. 108 : 853-857); アスペルギラス・ニガーリンゴ酸デヒドロゲナーゼ (An l lg07190, Anl2g00160, Anl5g00070; Pel など., 2007, Nature Biotechnology 25: 221-231); アスペルギラス・オリザエ NRRL 3488 リンゴ酸デヒドロゲナーゼ (配列番号19のゲノムDNA配列及び配列番号20の推定されるアミノ酸配列); フィトフィトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans )リンゴ酸デヒドロゲナーゼ (PITG 15476.1 ; Calcagno など., 2009, Mycological Research 113 : 771-781); 及び サッカロミセス・セレビシアエリンゴ酸デヒドロゲナーゼ (YOL126C; Minard and McAlister-Henn, 1991, Mol. Cell. Biol. 11 : 370-380; YDL078C; McAlister-Henn など., 1995, Journal of Biological Chemistry 270: 21220-21225)。
1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、(a)配列番号18又は20と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(b)(i)配列番号17又は19、(ii)配列番号17又は19に含まれるcDNA配列;又は(iii)(i)又は(ii)の完全な長さの相補的鎖と、低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(c)配列番号17又は19と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(d)配列番号18又は20の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつか)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体;及び(e)リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、(a)(b)(c)又は(d)のリンゴ酸デヒドロゲナーゼのフラグメントである。
1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、配列番号18又は20に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一を有するアミノ酸配列を含むか又はそれから成る(この後、“相同リンゴ酸デヒドロゲナーゼ”と称する)。1つの観点においては、相同リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、10未満のアミノ酸、例えば5未満のアミノ酸、4未満のアミノ酸、3未満のアミノ酸、2未満のアミノ酸、又は1つのアミノ酸、配列番号18又は20とは異なるアミノ酸配列を含む。
1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一を有するアミノ酸配列を含むか又はそれから成る。1つの観点においては、相同リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、10未満のアミノ酸、例えば5未満のアミノ酸、4未満のアミノ酸、3未満のアミノ酸、2未満のアミノ酸、又は1つのアミノ酸、配列番号18とは異なるアミノ酸配列を含む。
もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、配列番号20に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一を有するアミノ酸配列を含むか又はそれから成る。1つの観点においては、相同リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、10未満のアミノ酸、例えば5未満のアミノ酸、4未満のアミノ酸、3未満のアミノ酸、2未満のアミノ酸、又は1つのアミノ酸、配列番号20とは異なるアミノ酸配列を含む。
実質的に相同のリンゴ酸デヒドロゲナーゼは、前記のように、1又は複数(いくつか)のアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入を有することができる。
1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18又は20のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するそのフラグメントを含む。もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18又は20のアミノ酸配列を含む。もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18のアミノ酸配列を含む。もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号20のアミノ酸配列を含む。もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18又は20のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するそのフラグメントから成る。もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18又は20のアミノ酸配列から成る。もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18のアミノ酸配列から成る。もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号20のアミノ酸配列から成る。
もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、上記のように、配列番号18又は20の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつか)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含む変異体である。ある観点においては、配列番号18又は20の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、10よりも多くなく、例えば1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8又は9よりも多くない。もう1つの観点においては、配列番号18又は20の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9又は10である。
もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、配列番号18又は20のフラグメントである。1つの観点においては、配列番号18のフラグメントは、少なくとも290個のアミノ酸残基、例えば少なくとも305個のアミノ酸残基、又は少なくとも320個のアミノ酸残基を含む。1つの観点においては、配列番号20のフラグメントは、少なくとも280個のアミノ酸残基、例えば少なくとも295個のアミノ酸残基、又は少なくとも310個のアミノ酸残基を含む。
もう1つの観点いおいては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、(i)配列番号17又は19、(ii)配列番号17又は19に含まれるcDNA配列、(iii)(i)又は(ii)の副配列、又は(iv)(i), (ii)又は(iii)の完全な長さの相補的鎖とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる(J . Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989,前記)。前記副配列は、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。
配列番号17又は19の副配列、又はその相同体は、1又は複数(いくつか)のヌクレオチドが5’−及び/又は3’−末端から欠失されているヌクレオチド配列である。1つの観点においては、配列番号17の副配列は、少なくとも870個のヌクレオチド、例えば少なくとも915個のヌクレオチド又は少なくとも960個のヌクレオチドを含む。もう1つの観点においては、配列番号19の副配列は、少なくとも840個のヌクレオチド、例えば少なくとも885個のヌクレオチド又は少なくとも930個のヌクレオチドを含む。
配列番号17又は19のポリヌクレオチド;又はその副配列;及び配列番号18又は20のアミノ酸配列;又はそのフラグメントは、上記のように、異なった属又は種の菌株からのリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするDNAを同定し、そしてクローン化するための核酸プローブを企画するために使用され得る。そのようなプローブは、本発明により包含される。
そのような他の生成物から調製されるゲノムDNA又はcDNAライブラリーは、上記のように、上記プローブとハイブリダイズし、そしてリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするDNAについてスクリーンされ得る。
1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号17又は19である。もう1つの観点においては、核酸プローブは配列番号17である。もう1つの観点いおいては、核酸プローブは配列番号19である。もう1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号18又は20をコードするポリヌクレオチド配列、又はその副配列である。もう1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号18をコードするポリヌクレオチド配列、又はその副配列である。もう1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号20をコードするポリヌクレオチド配列、又はその副配列である。
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長いプローブに関しては、非常に低い〜非常に高い緊縮及び洗浄条件は、前記のように定義される。
約15〜約70個の長さのヌクレオチドの短いプローブに関しては、緊縮及び洗浄条件は、前記のようにして定義される。
もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、配列番号17又は19に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれから成るポリヌクレオチドによりコードされる。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、いずれかの属の微生物から得られる。本発明のためには、用語“〜から得られる”とは、所定の源に関して、本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼが、前記源により、又は前記源からのポリヌクレオチドが挿入されている細胞により生成されることを意味する。
1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、本明細書に記載される微生物から得られる細菌、酵母、又は糸状菌リンゴ酸デヒドロゲナーゼであり得る。
もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、アスペルギラス・オリザエリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、例えば配列番号18又は20のアスペルギラス・オリザエリンゴ酸をデヒドロゲナーゼである。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼはまた、他の源、例えば天然材料(例えば、土壌、堆肥、水、等)から単離された微生物、又は上記のように、天然材料(例えば、土壌、堆肥、水、等)から直接的に得られたDNAサンプルから同定され、そして入手され得る。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼはまた、上記のように、融合されたポリペプチド又は切断できる融合ポリペプチドも包含することができる。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするポリヌクレオチドを単離するか又はクローン化するために使用される技法は、上記に記載される。
もう1つの観点いおいては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、リンゴ酸デヒドロゲナーゼのインビボでのミトコンドリア移入を低める、アミノ酸配列の1又は複数(いくつか)の修飾を含む親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体である。
もう1つの観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、(i)配列番号18の位置2〜17に相当するか又は対応する位置での欠失又はその一部、及び(ii)配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含む親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体であり;ここで前記欠失及び置換はリンゴ酸デヒドロゲナーゼのインビボでのミトコンドリア移入を低め、それにより、サイドゾルにおけるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体のレベルを高める。そのような変異体は、下記に詳しく記載される。
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体の企画のための慣例:
本発明のために、配列番号18で開示されるリンゴ酸デヒドロゲナーゼのアミノ酸配列が、もう1つのリンゴ酸デヒドロゲナーゼにおけるその対応するか又は相当するアミノ酸残基を決定するために使用される。もう1つのリンゴ酸デヒドロゲナーゼのアミノ酸配列が配列番号18のリンゴ酸デヒドロゲナーゼのアミノ酸配列と一列整列され、そしてその一列整列に基づいて、配列番号18のリンゴ酸デヒドロゲナーゼのアミノ配列におけるいずれかのアミノ酸残基に対応するアミノ酸位置番号が決定され得る。
ポリペプチド配列の一列整列は、例えば"ClustalW" (Thompson, J. D., Higgins, D. G. and Gibson, TJ. , 1994, CLUSTAL W: Improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting, positions-specific gap penalties and weight matrix choice, Nucleic Acids Research 22: 4673-4680)を用いて製造され得る。DNA配列の一列整列は、鋳型としてポリペプチド一列整列を用い、DNA配列からのその対応するコドンによりアミノ酸を置換することにより行われ得る。
通常使用の対様配列比較アルゴリズムは、約20〜30%の配列同一性の点を越えて逸脱されなかったポリペプチド配列間の類似性を検出するために適切である(Doolittle, 1992, Protein Sci. 1 : 191-200; Brenner など., 1998, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 6073-6078)。しかしながら、同じ折りたたみ及び類似する生物学的機能を有する真に相同のポリペプチドはしばしば、従来の配列に基づく比較がそれらの関係を検出するのに失敗する点に逸脱する(Lindahl and Elofsson, 2000, J. MoI. Biol. 295: 613-615)。配列に基づく調査におけるより高い感度が、データベースを調べるためにポリペプチドファミリー(プロフィール)の確立的表示を利用する調査プログラムを用いて達成され得る。例えば、PSI−BLASTプログラムは、反復したデータベース調査工程を通してプロフィールを生成し、そして離れた相同体を検出することができる(Atschul など., 1997, Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402)。より高い感度が、興味あるポリペプチドについてのファミリー又はスーパーファミリーがタンパク質構造体データベースにおいて1又は複数(いくつか)の代表物を有する場合、達成され得る。プログラム、例えばGenTHREADER (Jones 1999, J. MoI. Biol. 287: 797-815; McGuffin and Jones, 2003, Bioinformatics 19: 874-881 )は、問題の配列について構造的折りたたみを予測する神経ネットワークへの入力としての種々の源(PSI―BLAST、二次構造予測、構造的配列プロフィール及び溶媒和能力)からの情報を利用する。同様に、Gough など., 2000, J. MoI. Biol. 313: 903-919の方法は、SCOPデータベースに存在するスーパーファミリーモデルと、未知の構造体の配列とを一列整列するために使用され得る。それらの一列整列は、興味あるポリペプチドについての相同体モデルを生成するために使用され得、そしてそのようなモデルは、この目的のために開発された種々の手段を用いて、精度について評価され得る。
既知構造のタンパク質に関して、いくつかの手段及び資源が、構造的な一列整列を検索し、そして生成するために利用できる。例えば、タンパク質のSCOPスーパーファミリは構造的に一列整列されており、そしてそれらの一列整列はアクセスでき、そしてダウンロードできる。複数のタンパク質構造体は、種々のアルゴリズム、例えば距離一列整列マトリックス(Holm and Sander, 1998, Proteins 33:88-96)又は組合せ拡張(Shindyalov and Bourne, 1998, Protein Eng. 1 1 :739-747)を用いて一列整列され得、そしてそれらのアルゴリズムの実施はさらに、可能性ある構造的相同体を発見するために、興味ある構造体と共に、構造データベースを質問するために利用され得る(例えば、Holm and Park, 2000, Bioinformatics 16:566-567)。それらの構造的一列整列は、同じ構造のスーパーファミリー内のタンパク質における構造的に及び機能的に対応するアミノ酸残基を予測するために使用され得る。相同性モデルリング及びプロフィール調査に由来する情報と共に、この情報は、1つのタンパク質から密接した又は離れた相同体に、興味ある突然変異を移動する場合、突然変異誘発する残基を予測するために使用され得る。
本発明の種々のリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体を記載する場合、下記命名法が参照の容易さのために採用される。すべての場合、許容されるIUPAC単一文字又は三文字アミノ酸略語が使用される。
置換:アミノ酸置換に関しては、次の命名法が使用される:オリジナルアミノ酸、位置、置換されたアミノ酸。従って、位置226でアラニンによるトレオニンの置換は、“Thr 226Ala”又は“T226A”として命名される。複数の突然変異は加算マーク(“+”)により分けられ、例えば"Gly205Arg + Ser411 Phe" 又は "G205R + S411F"は、それぞれ、位置205及び441で、アルギニン(R)によりグリシン(G)を置換し、そしてフェニルアラニン(F)によりセリン(S)を置換する突然変異を表す。
欠失:アミノ酸欠失に関しては、次の命名法が使用される:オリジナルアミノ酸、位置。従って、位置195でのグリシンの欠失は、“Gly195”又は“G195”として示される。複数の欠失は、加算マーク(“+”)により分離され、例えば"Glyl95* + Ser411*"又は"G195* + S411*"のように示される。
挿入:アミノ酸挿入に関しては、次の命名法が使用される:オリジナルアミノ酸、位置、オリジナルアミノ酸、新規の挿入されたアミノ酸。従って、位置195でのグリシンの後へのリシンの挿入は、"Glyl95GlyLys"又は "G195GK"で表される。アミノ酸の複数挿入は、[オリジナルアミノ酸、位置、オリジナルアミノ酸、新規の挿入されたアミノ酸#1、新規の挿入されたアミノ酸#2;等]により表される。例えば、位置195でのグリシンの後へのリシン及びアラニンの挿入は、"Glyl95GlyLysAla" 又は "G195GKA"として示される。
そのような場合、挿入されたアミノ酸残基は、その挿入されたアミノ酸残基の前のアミノ酸残基の位置番号への小文字の追加により番号付けされる。従って、上記例においては、配列は次の通りである:
Figure 2013503631
親リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及び親リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするポリヌクレオチド:
本発明においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、宿主細胞のミトコンドリアにおいてインビボで移入されるいずれかのリンゴ酸デヒドロゲナーゼであり得る。
1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、(a)配列番号18と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(b)(i)配列番号17、(ii)配列番号17に含まれるcDNA配列;又は(iii)(i)又は(ii)の完全な長さの相補的鎖と、少なくとも低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(c)配列番号17と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼであり、ここで前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは1又は複数(いくつか)のミトコンドリア標的化配列を含む(Claros and Vincens, 1996, 前記)。
1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、配列番号18に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一を有するアミノ酸配列を含むか又はそれから成る(この後、“相同デヒドロゲナーゼ”と称する)。1つの観点においては、相同デヒドロゲナーゼは、10未満のアミノ酸、例えば5未満のアミノ酸、4未満のアミノ酸、3未満のアミノ酸、2未満のアミノ酸、又は1つのアミノ酸、配列番号18とは異なるアミノ酸配列を含む。
実質的に相同の親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、前記のように、1又は複数(いくつか)のアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入を有することができる。
1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するそのフラグメントを含む。もう1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18のアミノ酸配列を含む。もう1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するそのフラグメントから成る。もう1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18のアミノ酸配列から成る。
配列番号18のフラグメントは、このアミノ酸配列のアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失される1又は複数(いくつか)のアミノ酸を有するポリペプチドである。1つの観点においては、フラグメントは、配列番号18の少なくとも295個のアミノ酸残基、例えば少なくとも310個のアミノ酸残基又は少なくとも325個のアミノ酸残基を含む。
もう1つの観点いおいては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、(i)配列番号17、(ii)配列番号17に含まれるcDNA配列、(iii)(i)又は(ii)の副配列、又は(iv)(i), (ii)又は(iii)の完全な長さの相補的鎖とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる(J. Sambrook, E. F. Fritsch, a nd T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d edition, Cold Spring Harbor, New York)。前記副配列は、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。
配列番号17の副配列、又はその相同体は、1又は複数(いくつか)のヌクレオチドが5’−及び/又は3’−末端から欠失されているヌクレオチド配列である。1つの観点においては、副配列は、配列番号17の少なくとも885個のヌクレオチド、例えば少なくとも930個のヌクレオチド又は少なくとも975個のヌクレオチドを含む。
親酵素はまた、リンゴ酸デヒドロゲナーゼの対立遺伝子変異体又は人工変異体でもあり得る。
配列番号17のポリヌクレオチド;又はその副配列;及び配列番号18のアミノ酸配列;又はそのフラグメントは、上記のように、異なった属又は種の菌株からの親リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするDNAを同定し、そしてクローン化するための核酸プローブを企画するために使用され得る。
そのような他の生成物から調製されるゲノムDNA又はcDNAライブラリーは、上記のように、上記プローブとハイブリダイズし、そしてリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするDNAについてスクリーンされ得る。
1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号17である。もう1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号18をコードするポリヌクレオチド配列、又はその副配列である。
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長いプローブに関しては、非常に低い〜非常に高い緊縮及び洗浄条件は、前記のように定義される。
約15〜約70個の長さのヌクレオチドの短いプローブに関しては、緊縮及び洗浄条件は、前記のようにして定義される。
もう1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、配列番号17に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれから成るポリヌクレオチドによりコードされる。
親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、いずれかの属の微生物から得られる。本発明のためには、用語“〜から得られる”とは、所定の源に関して、本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチドによりコードされる親リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、前記源により、又は前記源からのポリヌクレオチドが挿入されている細胞により生成されることを意味する。
1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、C4ジカルボン酸トランスポーターセクションに記載される微生物から得られる細菌、酵母、又は糸状菌リンゴ酸デヒドロゲナーゼであり得る。
もう1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、アスペルギラス・オリザエリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、例えば配列番号18のアスペルギラス・オリザエリンゴ酸をデヒドロゲナーゼである。
親リンゴ酸デヒドロゲナーゼはまた、他の源、例えば天然材料(例えば、土壌、堆肥、水、等)から単離された微生物、又は上記のように、天然材料(例えば、土壌、堆肥、水、等)から直接的に得られたDNAサンプルから同定され、そして入手され得る。
親リンゴ酸デヒドロゲナーゼはまた、上記のように、融合されたポリペプチド又は切断できる融合ポリペプチドも包含することができる。
親リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするポリヌクレオチドを単離するか又はクローン化するために使用される技法は、上記に記載される。
1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは配列番号17を含むか又はそれから成る。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18を含むか又はそれから成る親リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする。本発明はまた、遺伝子コードの縮重により配列番号17とは異なる、配列番号18のアミノ酸配列を含むか又はそれから成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も包含する。本発明はまた、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、配列番号18のフラグメントをコードする、配列番号17の副配列にも関する。
もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、変異ヌクレオチド配列が配列番号18をコードする、配列番号17に少なくとも1つの突然変異を含むか又はそれから成る変異ポリヌクレオチドであり得る。
もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する親ポリペプチドをコードする、配列番号17に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれから成る。
もう1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、(i)配列番号17、(ii)配列番号17に含まれるcDNA配列、又は(iii)(i)又は(ii)の完全な長さの相補的鎖;又はそれらの対立遺伝子変異体又は副配列と、上記に定義されるようにハイブリダイズする(Sambrook など., 1989, 前記)。
もう1つの観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドは、(a)DNA集団を、非常に低い、低い、中位の、中位の高い、高い又は非常に高い緊縮条件下で、(i)配列番号17、(ii)配列番号17に含まれるcDNA配列、又は(iii)(i)又は(ii)の完全な長さの相補的鎖によりハイブリダイズし;そして(b)リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する親ポリペプチドをコードする前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる。
本発明を実施するために使用され得る他の親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:アスペルギラス・ニジュランスリンゴ酸デヒドロゲナーゼ (AN6717.1; SIMS など., 2004, Mycol. Res. 108 : 853-857); アスペルギラス・ニガーリンゴ酸デヒドロゲナーゼ (Anl6g00120; Pel など., 2007, Nature Biotechnology 25 : 221-231); フィトフィトラ・インフェスタンス リンゴ酸デヒドロゲナーゼ (PITG 13614.1; Calcagno など., 2009, Mycological Research 113 : 771-781); サッカロミセス・セレビシアエリンゴ酸デヒドロゲナーゼ (YKL085W; McAlister-Henn and Thompson, 1987, J Bacteriol. 169: 5157-5166); タラロマイセス・エメルソニイ(Talaromyces emersonii )リンゴ酸デヒドロゲナーゼ (AF439996, AF487682; Maloney など., 2004, Eur. J. Biochem. 271 : 3115-3126);及び ウスチラゴ・マイジス(Ustilago maydis )リンゴ酸デヒドロゲナーゼ (um00403, um11161; McCann and Snetselaar, 2008, Fungal Genetics and Biology 45 : S77-S87)。
変異体の調製:
親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体は、当業界において知られているいずれかの突然変異誘発方法、例えば特定部位の突然変異誘発、合成遺伝子構成、半合成遺伝子構成、等に従って調製され得る。
特定部位の突然変異誘発は、1又はいくつかの突然変異が親リンゴ酸デヒドロゲナーゼを、コードするポリヌクレオチド分子における定義された部位で創造される技法である。この技法はインビトロ又はインビボで実施され得る。
合成遺伝子構成は、興味あるポリペプチド分子をコードするよう企画されたポリヌクレオチド分子のインビトロ合成を必要とする。遺伝子合成は、多くの技法、例えばTian, など., (Tian, など., Nature 432:1050-1054)により記載される多重マイクロチップに基づく技法、及びオリゴヌクレオチドが光−プログラムできるマイクロフルイディックチップ上で合成され、そしてアセンブリーされる類似する技法を用いて実施され得る。
特定部位の突然変異誘発は所望する突然変異を含むオリゴヌクレオチドプライマーの使用を包含するPCRによりインビトロで達成され得る。特定部位の突然変異誘発はまた、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドにおける1つの部位での制限酵素による切断、及びポリヌクレオチドにおける突然変異を含むオリゴヌクレオチドの続く連結を包含するカセット突然変異誘発によりインビトロで実施され得る。通常、プラスミド及びオリゴヌクレオチドで消化する制限酵素は同じであり、プラスミド及び挿入体の付着端のお互いへの連結を可能にする。例えば、Scherer and Davis, 1979, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76: 4949-4955; 及びBarton など., 1990, Nucleic Acids Research 18: 7349-4966を参照のこと。
特定部位の突然変異誘発は、当業界において知られている方法により、インビボで達成され得る。例えば、アメリカ特許第7,314,712号;Storici など., 2001 , Nature Biotechnology 19: 773-776; Kren など., 1998, Nat. Med. 4: 285-290;及びCalissano and Macino, 1996, Fungal Genet. Newslett. 43: 15-16を参照のこと。
いずれかの特定部位の突然変異誘発方法が本発明において使用され得る。親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体を調製するために使用され得る多くの市販のキットが入手できる。
単一又は複数のアミノ酸置換、欠失、及び/又は挿入は、突然変異誘発、続く適切なスクリーニング方法、例えばReidhaar-Olson and Sauer (Science 241: 53-57, 1988), Bowie and Sauer (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2152-2156, 1989), WO95/17413号又はWO95/22625号により開示される既知の方法を用いて、生成され、そして試験され得る。使用され得る他の方法は、エラープローンPCR、ファージディスプレイ(例えば、Lowman など. , 1991, Biochem. 30 : 10832-10837; アメリカ特許第5,223,409号; WO 92/06204号)及び特定領域の突然変異誘発(Derbyshire など., 1986, Gene 46 : 145; Ner など., 1988, DNA 7 : 127)を包含する。
半合成遺伝子構成は、合成遺伝子構成、及び/又は特定部位の突然変異誘発、及び/又はランダム突然変異誘発、及び/又はシャフリングの観点を組合すことにより達成される。半合成構成は、PCR技法と組合して、合成されるポリヌクレオチドフラグメントを用いる方法により特徴づけられる。従って、遺伝子の定義される領域が新たに合成され得、そして他の領域は部位特異的変異誘発プライマーを用いて増幅され得、そしてさらなる他の領域はエラープローンPCR又は非エラープローンPCR増幅にゆだねられ得る。
合成遺伝子構成は、興味あるポリペプチドをコードするよう企画されたポリヌクレオチド分子のインビトロ合成を必要とする。遺伝子合成は、多くの技法、例えばian など. (2004, Nature 432 : 1050-1054)により記載される多重マイクロチップに基づく技法、及びオリゴヌクレオチドが光−プログラムできるマイクロフルイディック上で合成され、そしてアセンブルされる類似する技法を開いて実施され得る。
突然変異誘発/シャフリング方法は、宿主細胞においてクローン化され、突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために、高い処理量の自動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る(Ness など., 1999, Nature Biotechnology 17 : 893-896)。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発されたDNA分子は、宿主細胞から回収され、そして当業界における標準の方法を用いて急速に配列決定され得る。それらの方法は、ポリペプチドにおける重要な個々のアミノ酸残基の急速な決定を可能にする。
変異体及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド:
本発明においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体は、(i)配列番号18の位置2〜17に相当するか又は対応する位置での欠失又はその一部、及び(ii)配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含むことができる。好ましい観点においては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する変異体は、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、例えば配列番号18のアミノ酸配列に対して、少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するアミノ酸を含む。好ましい観点においては、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、配列番号18である。
1つの観点においては、本発明の変異体は、配列番号18の位置2〜17に相当する位置での欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含む。もう1つの観点においては、本発明の変異体は、配列番号18の位置2〜17に相当する1又は数個(いくつか)の位置での欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含む。もう1つの観点においては、本発明の変異体は、配列番号18の位置2〜17での欠失、及び配列番号18の位置48での置換を含む。もう1つの観点においては、本発明の変異体は、配列番号18の位置2〜17に相当する1又は数個(いくつか)の位置での欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含む。もう1つの観点においては、変異体は、配列番号18の位置2〜17に相当する位置でのAla、Arg、 Asn、 Asp、 Cys、 Gln、 Glu、 Gly、 His、 Ile、 Leu、 Lys、 Met、 Phe、 Pro、 Ser、 Thr、 Trp、 Tyr又は Valの欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置でのAla、 Arg、 Asn、 Asp、 Cys、 Gln、 Glu、 Gly、 His、 Ile、 Leu、 Lys、 Met、 Phe、 Pro、 Ser、 Thr、 Trp、 Tyr又は Valによる置換を含む。もう1つの観点においては、変異体は、配列番号18の位置2〜17に相当する1又は数個(いくつか)の位置でのAla、 Arg、 Asn、 Asp、 Cys、 Gln、 Glu、 Gly、 His、 Ile、 Leu、 Lys、 Met、 Phe、 Pro、 Ser、 Thr、 Trp、 Tyr又は Valの欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置でのAla、 Arg、 Asn、 Asp、 Cys、 Gln、 Glu、 Gly、 His、 Ile、 Leu、 Lys、 Met、 Phe、 Pro、 Ser、 Thr、 Trp、 Tyr又は Valによる置換を含む。もう1つの観点においては、変異体は、配列番号18の位置2〜17に相当する位置でのPhe、 Ala、 Ala、 Arg、 Gln、 Ser、 Phe、 Asn、 Leu、 Leu、 Gln、 Lys、 Arg、 Ala、 Phe又はSerの欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換としてのTyrを含む。もう1つの観点においては、変異体は、配列番号18の位置2〜17に相当する1又は複数(いくつか)の位置でのPhe、 Ala、 Ala、 Arg、 Gln、 Ser、 Phe、 Asn、 Leu、 Leu、 Gln、 Lys、 Arg、 Ala、 Phe又はSerの欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換としてのTyrを含む。もう1つの観点においては、変異体は、配列番号18の欠失Phe2* + Ala3* + Ala4* + Arg5* + Gln6* + Ser7* + Phe8*. Asn9* + Leu 10* + Leu11* + Gln12* + Lys13* + Arg 14* + Ala 15* + Phe16* + Ser17*、及び配列番号18の置換Arg48Tyrを含む。もう1つの観点においては、変異体は、配列番号18の1つ又は数個の欠失Phe2* + Ala3* + Ala4* + Arg5* + Gln6* + Ser7* + Phe8*. Asn9* + Leu10* + Leu11* + Gln12* + Lys13* + Arg 14* + Ala 15* + Phe16* + Ser17*、及び配列番号18の置換Arg48Tyrを含む。
変異体はさらに、アミノ酸配列の1又は複数(いくつか)の欠失、置換及び/又は挿入を含むことができる。
本発明はまた、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体をコードする単離されたポリヌクレオチドにも関し、ここで前記ポリヌクレオチドは、(i)配列番号18の位置2〜17に相当する位置での欠失又はその一部、及び(ii)配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含む親リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードし、そして前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼは、(a)配列18と、少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;又は(b)少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下で、(i)配列番号17、(ii)配列番号17に含まれるcDNA配列、又は(iii)(i)又は(iii)の完全な長さの相補的鎖とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼであり、ここで前記変異体はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する。
1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の位置2〜17に相当する位置での欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の位置2〜17に相当する1又は数個(いくつか)の位置での欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の位置2〜17での欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の位置2〜17に相当する1又は数個(いくつか)の位置での欠失、及び配列番号18の位置48での置換を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の位置2〜17に相当する位置でのAla、 Arg、 Asn、 Asp、 Cys、 Gln、 Glu、 Gly、 His、 Ile、 Leu、 Lys、 Met、 Phe、 Pro、 Ser、 Thr、 Trp、 Tyr又はValの欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置でのAla、 Arg、 Asn、 Asp、 Cys、 Gln、 Glu、 Gly、 His、 Ile、 Leu、 Lys、 Met、 Phe、 Pro、 Ser、 Thr、 Trp、 Tyr又はValによる置換を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の位置2〜17に相当する1又は数個(いくつか)の位置でのAla、 Arg、 Asn、 Asp、 Cys、 Gln、 Glu、 Gly、 His、 Ile、 Leu、 Lys、 Met、 Phe、 Pro、 Ser、 Thr、 Trp、 Tyr又はVal欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置でのAla、 Arg、 Asn、 Asp、 Cys、 Gln、 Glu、 Gly、 His、 Ile、 Leu、 Lys、 Met、 Phe、 Pro、 Ser、 Thr、 Trp、 Tyr又はValによる置換を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の位置2〜17に相当する位置でのPhe、 Ala、 Ala、 Arg、 Gln、 Ser、 Phe、 Asn、 Leu、 Leu、 Gln、 Lys、 Arg、 Ala、 Phe又はSerの欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換としてのTyrを含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の位置2〜17に相当する1又は数個(いくつか)の位置でのPhe、 Ala、 Ala、 Arg、 Gln、 Ser、 Phe、 Asn、 Leu、 Leu、 Gln、 Lys、 Arg、 Ala、 Phe又はSerの欠失、及び配列番号18の位置48に相当する位置での置換としてのTyrを含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の欠失Phe2* + Ala3* + Ala4* + Arg5* + Gln6* + Ser7* + Phe8*. Asn9* + Leu 10* + Leu 11* + Gln 12* + Lys13* + Arg 14* + Ala 15* + Phe16* + Ser17*、及び配列番号18の置換Arg48Tyrを含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号18の1又は複数(いくつか)の欠失Phe2* + Ala3* + Ala4* + Arg5* + Gln6* + Ser7* + Phe8*. Asn9* + Leu10* + Leu11* + Gln 12* + Lys13* + Arg14* + Ala 15* + Phe16* + Ser17*、及び配列番号18の置換Arg48Tyrを含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードする。
ピルビン酸カルボキシラーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードするポリヌクレオチド:
本発明においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、本発明を実施するために適切であるいずれかのピルビン酸カルボキシラーゼであり得る。1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、宿主細胞のサイトゾルに存在する。
1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、(a)配列番号27と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むピルビン酸カルボキシラーゼ;(b)(i)配列番号26、(ii)配列番号26に含まれるcDNA配列;又は(iii)(i)又は(ii)の完全な長さの相補的鎖と、低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;(c)配列番号26と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;(d)配列番号26の成熟ポリペプチドの1又は数個(いくつか)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含むピルビン酸カルボキシラーゼ変異体;及び(e)ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する、(a)(b)(c)又は(d)のピルビン酸カルボキシラーゼのフラグメントである。
1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する、配列番号27に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一を有するアミノ酸配列を含むか又はそれから成る(この後、“相同ピルビン酸カルボキシラーゼ”と称する)。1つの観点においては、相同ピルビン酸カルボキシラーゼは、10未満のアミノ酸、例えば5未満のアミノ酸、4未満のアミノ酸、3未満のアミノ酸、2未満のアミノ酸、又は1つのアミノ酸、配列番号27とは異なるアミノ酸配列を含む。
実質的に相同のピルビン酸カルボキシラーゼは、前記のように、1又は数個(いくつか)のアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入を有することができる。
1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、配列番号27のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するそのフラグメントを含む。もう1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。もう1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、配列番号27のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体;又はピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するそのフラグメントから成る。もう1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、配列番号27のアミノ酸配列から成る。
1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、上記のように、配列番号27の成熟ポリペプチドの1又は数個(いくつか)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含む変異体である。ある観点においては、配列番27の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、10よりも多くなく、例えば1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8又は9よりも多くない。もう1つの観点においては、配列番号27の成熟ポリペプチドのアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9又は10である。
もう1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する、配列番号27のフラグメントである。1つの観点においては、配列番号27のフラグメントは、少なくとも1020個のアミノ酸残基、例えば少なくとも1080個のアミノ酸残基、又は少なくとも1140個のアミノ酸残基を含む。
もう1つの観点いおいては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、(i)配列番号26、(ii)配列番号26に含まれるcDNA配列、(iii)(i)又は(ii)の副配列、又は(iv)(i), (ii)又は(iii)の完全な長さの相補的鎖とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる(J . Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989,前記)。前記副配列は、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。
配列番号26の副配列、又はその相同体は、1又は数個(いくつか)のヌクレオチドが5’−及び/又は3’−末端から欠失されているヌクレオチド配列である。1つの観点においては、配列番号26の副配列は、少なくとも3060個のヌクレオチド、例えば少なくとも3240個のヌクレオチド又は少なくとも3420個のヌクレオチドを含む。
配列番号26のポリヌクレオチド;又はその副配列;及び配列番号27のアミノ酸配列;又はそのフラグメントは、上記のように、異なった属又は種の菌株からのピルビン酸カルボキシラーゼをコードするDNAを同定し、そしてクローン化するための核酸プローブを企画するために使用され得る。そのようなプローブは、本発明により包含される。
そのような他の生成物から調製されるゲノムDNA又はcDNAライブラリーは、上記のように、上記プローブとハイブリダイズし、そしてピルビン酸カルボキシラーゼをコードするDNAについてスクリーンされ得る。
1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号26である。もう1つの観点においては、核酸プローブは、配列番号27をコードするポリヌクレオチド配列、又はその副配列である。
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長いプローブに関しては、非常に低い〜非常に高い緊縮及び洗浄条件は、前記のように定義される。
約15〜約70個の長さのヌクレオチドの短いプローブに関しては、緊縮及び洗浄条件は、前記のようにして定義される。
もう1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、配列番号26に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれから成るポリヌクレオチドによりコードされる。
ピルビン酸カルボキシラーゼは、いずれかの属の微生物から得られる。本発明のためには、用語“〜から得られる”とは、所定の源に関して、本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼが、前記源により、又は前記源からのポリヌクレオチドが挿入されている細胞により生成されることを意味する。
1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、本明細書に記載される微生物から得られる細菌、酵母、又は糸状菌ピルビン酸カルボキシラーゼであり得る。
もう1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼは、アスペルギラス・オリザエピルビン酸カルボキシラーゼ、例えば配列番号27のアスペルギラス・オリザエピルビン酸カルボキシラーゼである。
ピルビン酸カルボキシラーゼはまた、他の源、例えば天然材料(例えば、土壌、堆肥、水、等)から単離された微生物、又は上記のように、天然材料(例えば、土壌、堆肥、水、等)から直接的に得られたDNAサンプルから同定され、そして入手され得る。
ピルビン酸カルボキシラーゼはまた、上記のように、融合されたポリペプチド又は切断できる融合ポリペプチドも包含することができる。
ピルビン酸カルボキシラーゼはまた、ミトコンドリアピルビン酸カルボキシラーゼの変異体でもあり得、その結果、ミトコンドリア中へのインビボ移入が低められ、それによりサイドゾル中のピルビン酸カルボキシラーゼ変異体のレベルが高められる。
ピルビン酸カルボキシラーゼをコードするポリヌクレオチドを単離するか又はクローン化するために使用される技法は、上記に記載される。
1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは配列番号26を含むか又はそれから成る。もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号27を含むか又はそれから成るピルビン酸カルボキシラーゼをコードする。本発明はまた、遺伝子コードの縮重により配列番号26とは異なる、配列番号27のアミノ酸配列を含むか又はそれから成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も包含する。本発明はまた、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する、配列番号27のフラグメントをコードする、配列番号26の副配列にも関する。
もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、変異ヌクレオチド配列が配列番号27をコードする、配列番号26に少なくとも1つの突然変異を含むか又はそれから成る変異ポリヌクレオチドであり得る。
もう1つの観点においては、単離されたポリヌクレオチドは、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性をコードする、配列番号26に対して少なくとも60%、例えば少なくとも 65%、 少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 91%、 少なくとも 92%、 少なくとも 93%、 少なくとも 94%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%又は少なくとも 99%の程度の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれから成る。
もう1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも非常に低い緊縮条件、例えば低い緊縮条件、中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件、又は非常に高い緊縮条件下で、(i)配列番号26、(ii)配列番号26に含まれるcDNA配列、又は(iii)(i)又は(ii)の完全な長さの相補的鎖;又はそれらの対立遺伝子変異体又は副配列と、上記に定義されるようにハイブリダイズする(Sambrook など., 1989, 前記)。
もう1つの観点においては、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドは、(a)DNA集団を、非常に低い、低い、中位の、中位の高い、高い又は非常に高い緊縮条件下で、(i)配列番号26、(ii)配列番号26に含まれるcDNA配列、又は(iii)(i)又は(ii)の完全な長さの相補的鎖によりハイブリダイズし;そして(b)ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる。
本発明を実施するために使用され得る他のピルビン酸カルボキシラーゼは、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:アスペルギラス・クラバタス(Aspergillus clavatus) NMRRL 1 ピルビン酸カルボキシラーゼ (XP_001271664; Direct Submission, Submitted (26-OCT-2006), The Institute for Genomic Research, 9712 Medical Center Drive, Rockville, MD 20850, USA); アスペルギラス・フミガタス Af293 ピルビン酸カルボキシラーゼ (XP_752054; Nierman など., 2005, Nature 438: 1151-1156); アスペルギラス・ニジュランスFGSC A4 ピルビン酸カルボキシラーゼ (XP_662066; Galagan など., 2005, Nature 438 : 1105- 1115); アスペルギラス・ニガーピルビン酸カルボキシラーゼ (Anl5g02820; Pel など., 2007, Nature Biotechnology 25: 221 - 231 ; ASPNG 5061 ; Panneman など., Submitted (JUL-1998) to the EMBL/GenBank/DDBJ databases); アスペルギラス・テレウス(Aspergillus terreus )ピルビン酸カルボキシラーゼ (093918; Direct Submission, Submitted (OCT-1998) The Institute for Genomic Research, 9712 Medical Center Drive, Rockville, MD 20850, USA); マグナポルサ・グリセア(Magnaporthe grisea )70-15 ピルビン酸カルボキシラーゼ (XP_367852; Direct Submission, Submitted (26-SEP-2005) Broad Institute of MIT and Harvard, 320 Charles Street, Cambridge, MA 02142, USA); ネウロスポラ・クラサ OR74A ピルビン酸カルボキシラーゼ (XP_965636; Galagan など., 2003, Nature 422 : 859-868); リゾパス・オリザエ(Rhizopus oryzae)ピルビン酸カルボキシラーゼ (RO3G_06931.1); サッカロミセス・セレビシアエピルビン酸カルボキシラーゼ (NP_009777; Gaffeau など. , 1996, Science 274: 546-547); シゾサッカロミセス・ポンベ ピルビン酸カルボキシラーゼ (NP_595900; Direct Submission, Submitted (29-JUN-2007) European Schizosaccharomyces genome sequencing project, Sanger Institute, The Wellcome Trust Genome Campus, Hinxton, Cambridge CB10 ISA);及びウスチラゴ・マイジス ピルビン酸カルボキシラーゼ (um01054; McCann and Snetselaar, 2008, Fungal Genetics and Biology 45 : S77-S87)。
核酸構造体:
本発明はまた、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする単離されたポリヌクレオチド、及び/又はピルビン酸カルボキシラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチド(制御配列と適合できる条件下で適切な宿主細胞におけるコード配列の発現を指図する1又は数個(いくつか)の制御配列に操作可能的に連結される)を含む核酸構造体にも関する。
C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及び/又はピルビン酸カルボキシラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドは、ポリペプチドの発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中へのその挿入の前、ポリヌクレオチド配列の操作は、発現ベクターに依存して、所望されるか又は必要とされる。組換えDNA方法を用いてポリヌクレオチド配列を修飾するための技法は、当業界において良く知られている。
制御配列は、適切なプロモーター配列、すなわちC4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及び/又はピルビン酸カルボキシラーゼをコードするポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞により認識されるヌクレオチド配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を仲介する転写制御配列を含む。プロモーターは、宿主細胞において転写活性を示すいずれかのヌクレオチド配列、例えば変異体の、切断された、及びハイブリッドプロモーターであり得、そして宿主細胞に対して相同であるか又は異種である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られる。
糸状菌宿主細胞における核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・オリザエ翻訳延長因子、アスペルギラス・オリザエホスホグリセリン酸キナーゼ、アスペルギラス・オリザエグリセロールー3-リン酸デヒドロゲナーゼ、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー酸安定性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・アワモリグルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミエヘイリパーゼ、アスペルギラス・オリザエ アルカリプロテアーゼ、アスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアセトアミダーゼ、フサリウム・ベネナタムアミログルコシダーゼ(WO00/56900号)、フサリウム・ベネナタムDaria(WO00/56900号)、フサリウム・ベネナタムQuinm(WO00/56900号)、フサリウム・オキシスポラムトリプシン様プロテアーゼ(WO96/00787号)、トリコダーマ・レセイβ−グルコシダーゼ、トリコダーマ・レセイセロビオヒドロラーゼI、トリコダーマ・レセイセロビオヒドロラーゼII、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼI、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼII、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼIII、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼIV、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼV、トリコダーマ・レセイキシラナーゼI、トリコダーマ・レセイキシラナーゼII、トリコダーマ・レセイβ−キシロシダーゼ、及びNA2-tpiプロモーター(アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ及びアスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターのハイブリッド)についての遺伝子から得られたプロモーター;並びにそれらの変異の、切断され、及びハイブリッドのプロモーターである。
制御配列はまた、適切な転写ターミネーター配列、すなわち転写を終結するために宿主細胞により認識される配列でもあり得る。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の3’側末端に操作可能的に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのターミネーターが本発明において使用され得る。
糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、アスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼ及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼについての遺伝子から得られる。
制御配列はまた、適切なリーダー配列、すなわち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’末端に操作可能的に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのリーダー配列が、本発明において使用され得る。
糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランストリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子から得られる。
制御配列はまた、ポリアデニル化配列、すなわちヌクレオチド配列の3’末端に操作可能に連結され、そして転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためにシグナルとして宿主細胞により認識される配列でもあり得る。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのポリアデニル化配列が,本発明において使用される。
糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギキラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、フサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ及びアスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼについての遺伝子から得られる。
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードし、そしてそのコードされたポリペプチドを細胞の分泌路中に方向づけるシグナルペプチドコード配列でもあり得る。ヌクレオチド配列のコード配列の5’側末端は、本来、分泌されたポリペプチドをコードするコード配列のセグメントと翻訳読み取り枠を整合して、天然において連結されるシグナルペプチドコード配列を含むことができる。他方では、コード配列の5’側末端は、そのコード配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード配列を含むことができる。そのコード配列が天然において、シグナルペプチドコード配列を含まない外来性シグナルペプチドコード配列が必要とされる。他方では、外来性シグナルペプチドコード配列は、ポリペプチドの増強された分泌を得るために、天然のシグナルペプチドコード配列を単純に置換することができる。しかしながら、選択の宿主細胞の分泌路中に、すなわち培養培地中に分泌される、発現されたポリペプチドを方向づけるいずれかのシグナルペプチドコード配列が、本発明に使用され得る。
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端で位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード配列であり得る。得られるポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチド(又はある場合、チモーゲン)として知られている。プロポリペプチドは一般的に不活性であり、そしてプロポリペプチドからプロペプチドの触媒又は自己触媒分解により成熟した活性ポリペプチドに転換され得る。プロペプチドコード配列は、サッカロミセス・セレビシアエα−因子、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ、及びミセリオプソラ・サーモフィリア ラッカーゼについての遺伝子から得られる(WO95/33836号)。
シグナルペプチド及びプロペプチド配列の両者がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド配列は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド配列は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
宿主細胞の増殖に関して、ポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することがまた所望される。調節システムの例は、調節化合物の存在を包含する、化学的又は物理的刺激に応答して、遺伝子の発現の開始又は停止を引き起こすそれらのシステムである。糸状菌における、TAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼプロモーター及びアスペルギラス・オリザエグルコアミラーゼプロモーターが、調節配列として使用さえ得る。調節配列の他の列は、遺伝子増幅を可能にするそれらの配列である。真核システムにおいては、それらの調節配列は、メトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属により増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。それらの場合、ポリペプチドをコードする核酸配列が、調節配列により操作可能的に連結される。
発現ベクター:
本発明はまた、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする単離されたポリヌクレオチド、及び/又はピルビン酸カルボキシラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチド、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含む組換え発現ベクターにも関する。上記の種々の核酸及び制御配列は、1又は数個(いくつか)の便利な制限部位でポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入又は置換を可能にするためにそれらの部位を含むことができる組換え発現ベクターを生成するために一緒に連結され得る。他方では、ポリヌクレオチド配列は、前記ヌクレオチド配列又は前記配列を含む核酸構造体を、発現のための適切なベクター中に挿入することによって発現され得る。発現ベクターを創造する場合、そのコード配列はベクターに位置し、その結果、コード配列は発現のための適切な制御配列により操作可能的に連結される。
組換え発現ベクターは、組換えDNA方法に便利にゆだねられ得、そしてヌクレオチド配列の発現をもたらすことができるいずれかのベクター(例えば、プラスミド又はウィルス)であり得る。ベクターの選択は典型的には、ベクターが導入される予定である宿主細胞とベクターとの適合性に依存するであろう。ベクターは、線状又は閉環された環状プラスミドであり得る。
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち染色体存在物として存在するベクター(その複製は染色体複製には無関係である)、例えばプラスミド、染色体外要素、ミニクロモソーム又は人工染色体であり得る。ベクターは自己複製を確かめるためのいずれかの手段を含むことができる。他方では、ベクターは、糸状菌細胞中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、宿主細胞のゲノム中に導入される全DNA又はトランスポゾンを一緒に含む、単一のベクター又はプラスミド、又は複数のベクター又はプラスミドが使用され得る。
ベクターは、形質転換された、トランスフェクトされた、形質導入された、又は同様の細胞の容易な選択を可能にする1又は数個(いくつか)の選択マーカーを含む。選択マーカーは、1つの遺伝子であり、その生成物は、殺生物剤又はウィルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性に対する原栄養要求性、及び同様のものを提供する。
糸状菌宿主細胞に使用するための選択マーカーは、次の群から選択されるが、但しそれらだけには限定されない;amdS (アセトアミダーゼ)、argB (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar (ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph (ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD (硝酸レダクターゼ)、pyrG (オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC (硫酸アデニルトランスフェラーゼ) 及びtrpC (アントラニル酸シンターゼ)、並びにそれらの同等物。アスペルギラス・ニジュランス又はアスペルギラス・オリザエのamdS及びpyrG遺伝子及びストレプトミセス・ヒグロスコピカスのbar遺伝子が、アスペルギラス細胞への使用のために好ましい。
ベクターは好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの安定した組み込み、又は細胞のゲノムに無関係に細胞におけるベクターの自律的複製を可能にする要素を含む。
宿主細胞のゲノム中への組み込みのためには、ベクターは、相同又は非相同組換えによるゲノム中への組み込みのためのベクター中のポリペプチド、又はいずれか他の要素をコードするポリヌクレオチド配列に依存する。他方では、ベクターは、染色体における正確な位置で、宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組み込みを方向づけるための追加のヌクレオチド配列を含むことができる。正確な位置での組み込みの可能性を高めるために、組み込み要素は、相同組換えの可能性を高めるためにその対応する標的配列と高い程度の配列同一性を有する十分な数の核酸、例えば100〜10,000個の塩基対、例えば400〜10,000個の塩基対、又は800〜10,000個の塩基対を含むことができる。組み込み要素は、宿主細胞のゲノムにおける標的配合と相同であるいずれかの配列であり得る。さらに、組み込み要素は、非コード又はコードヌクレオチド配列であり得る。他方では、ベクターは非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
自律複製のためには、ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてのベクターの自律的な複製を可能にする複製の起点を含む。複製の起点は、細胞において機能する自律複製を仲介するいずれかのプラスミド複製体であり得る。用語“複製の起点”又は“プラスミド複製体”とは、本明細書においては、プラスミド又はベクターのインビボでの複製を可能にするヌクレオチド配列として定義される。
糸状菌細胞において有用な複製の起点の例は、AMA1及びANS1である(Gems など., 1991 , Gene 98:61-67; Cullen など., 1987, Nucleic Acids Research 15: 9163-9175; WO 00/24883号)。AMA1遺伝子の単離及び前記遺伝子を含むプラスミド又はベクターの構成は、WO00/24883号に開示される方法に従って達成され得る。
ポリヌクレオチドの1以上のコピーが、遺伝子生成物の生成を高めるために宿主細胞中に挿入され得る。ポリヌクレオチドのコピー数の上昇は、宿主細胞ゲノム中に配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって、又はポリヌクレオチドと共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含むことによって得られ、ここで細胞は選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、そしてそれにより、ポリヌクレオチドの追加のコピーが、適切な選択剤の存在下で前記細胞を培養することによって選択され得る。
組換え発現ベクターを構成するために上記要素を連結するために使用される方法は、当業者に良く知られている(例えば、Sambrookなど., 1989, 前記を参照のこと)。
宿主細胞;
本発明はまた、ポリペプチドの組換え生成において都合良く使用される、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする単離されたポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする単離されたポリヌクレオチド、及び/又はピルビン酸カルボキシラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチド、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含む組換え糸状菌宿主細胞にも関する。そのようなポリヌクレオチドを含むベクターは、そのベクターが染色体組み込み体として、又は前記のような自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入される。用語“宿主細胞”とは、複製の間に生じる突然変異のために、親細胞と同一ではない親細胞のいずれかの子孫を包含する。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコードする遺伝子及びその源に、かなりの程度依存するであろう。
宿主細胞は、C4ジカルボン酸の組換え生成において有用ないずれかの糸状菌細胞であり得る。
“糸状菌”は、細区分真菌類(Eumycota)及び卵菌(Oomycota)のすべての糸状形を包含する(Hawksworth など. , In, Ainsworth and Bisby's Dictionary of The Fungi, 8th edition, 1995, CAB International, University Press, Cambridge, UKにより定義されるように)。糸状菌は一般的に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複合多糖類から構成される菌子体壁により特徴づけられる。栄養成長は、菌子拡張によってであり、そして炭素代謝は絶対好気性である。対照的に、酵母、例えばサッカロミセス・セレビシアエによる栄養成長は、単細胞葉状体の発芽によってであり、そして炭素代謝は発酵性である。
さらにより好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、アウレオバシジュウム(Aureobasidium)、ベルカンデラ(Bjerkandera)、セリポリオプシス(Ceriporiopsis)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、コプリナス(Coprinus)、コリオラス(Coriolus)、クリプトコーカス(Cryptococcus)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、マグナポルセ(Magnaporthe)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネオカリマスチックス(Neocallimastix)、ネウロスポラ(Neurospora)、パエシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicilium)、ファネロカエト(Phanerochaete)、フェビア(Phlebia)、ピロミセス(Piromyces)、プレウロタス(Pleurotus)、リゾパス(Rhizopus)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロミセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、トラメテス(Trametes)又はトリコダーマ(Trichoderma)細胞である。
最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アスペルギラス・アワモリ、アスペルギラス・フラバス、アスペルギラス・フミガタス、アスペルギラス・ホエチダス、アスペルギラス・ジャポニカ、アスペルギラス・ニジュランス、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・オリザエ、アスペルギラス・パラスチカス又はアスペルギラス・ソジャエ細胞である。もう1つの最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、フサリウム・バクトリジオイデス、フサリウム・セレアリス、フサリウム・クロックウェレンズ 、フサリウム・クルモラム、フサリウム・グラミネアラム、フサリウム・グラミナム、フサリウム・ヘテロスポラム、フサリウム・ネグンジ、フサリウム・オキシスポラム、フサリウム・レチキュラタム、フサリウム・ロゼウム、フサリウム・サムブシウム、フサリウム・サルコクロウム、フサリウム・スポロトリキオイデス、フサリウム・スルフレウム、フサリウム・トルロサム、フサリウム・トリコセシオイデス又はフサリウム・ベネナタム細胞である。さらに最も好ましい観点においては、糸状菌親宿主細胞は、ベルカンデラ・アダスタ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブロサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・スベルミスポラクリソスポリウム・カラチノフィラム(Chrysosporium keratinophilum)、クリソスポリウム・ルクノウエンセ(Chrysosporium lucknowense)、クリソスポリウム・トロピカム(Chrysosporium tropicum)、クリソスポリウム・メルダリウム(Chrysosporium merdarium)、クリソスポリウム・イノプス(Chrysosporium inops)、クリソスポリウム・パンニコラ(Chrysosporium pannicola)、クリソスポリウム・クイーンズランジカム(Chrysosporium queenslandicum)、クリソスポリウム・ゾナタム(Chrysosporium zonatum)、コプリナス・シネレス(Coprinus cinereus)、コリオラス・ヒルスタス(Coriolus hirsutus)、ヒューミコラ・インソレンス、ヒューミコラ・ラヌギノサ、ムコル・ミエヘイ、ミセリオプソラ・サーモフィリア、ネウロスポラ・クラサ、ペニシリウム・プルプロゲナム、ファネロカエト・キソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フェビア・ラジアタ(Phlebia radiata)、プレウロタス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、リゾパス・オリザエ、チエラビア・テレストリス、トラメテス・ビロサ(Trametes villosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコダーマ・ハルジアナム、トリコダーマ・コニンギ、トリコダーマ・ロンジブラキアタム、トリコダーマ・レセイ又はトリコダーマ・ビリデ細胞である。
好ましい観点においては、アスペルギラス宿主細胞は、アスペルギラス・オリザエである。
糸状菌宿主細胞は、プロトプラスト形成、プロトプラストの形質転換、及びそれ自体知られている態様での細胞壁の再生を包含する工程により形質転換され得る。アスペルギラス及びトリコダーマ宿主細胞の形質転換のための適切な方法は、アメリカ特許第 5,536,661号 、及び Yelton など., 1984, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81 : 1470-1474に記載される。フサリウム種を形質転換するための適切な方法は、Malardier など. , 1989, Gene 78: 147-156、及びアメリカ特許第 5,837,847号により記載される。
図1は、pShTh60の制限地図を示す。 図2は、pShTh104の制限地図を示す。 図3は、アスペルギラス・オリザエNRRL 3488 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子(mae3)のゲノムDNA配列及び推定されるアミノ酸配列(それぞれ、配列番号7及び8)を示す。 図4は、pShTh73の制限地図を示す。 図5は、アスペルギラス・オリザエNRRL 3488 リンゴ酸デヒドロゲナーゼ1遺伝子(mdh1)のゲノムDNA配列及び推定されるアミノ酸配列(それぞれ、配列番号17及び18)を示す。 図6は、pShTh71の制限地図を示す。 図7は、アスペルギラス・オリザエNRRL 3488 リンゴ酸デヒドロゲナーゼ3遺伝子(mdh3)のゲノムDNA配列及び推定されるアミノ酸配列(それぞれ、配列番号19及び20)を示す。 図8は、pSaMF21の制限地図を示す。 図9A及び9Bは、アスペルギラス・オリザエNRRL 3488 ピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(pyc)のゲノムDNA配列及び推定されるアミノ酸配列(それぞれ、配列番号26及び27)を示す。 図10は、pRYANlの制限地図を示す。 図11は、pAtC4Tの制限地図を示す。 図12は、pShThl22AtC4tの制限地図を示す。 図13は、アスペルギラス・テレウスC4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子(atc4t)のゲノムDNA配列及び推定されるアミノ酸配列(それぞれ、配列番号33及び34)を示す。 図14は、p0941304_sspMAEl_pMKの制限地図を示す。 図15は、pSaMF27の制限地図を示す。 図16A及び16Bは、シゾサッカロミセス・プンベC4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子(mae1)のゲノムコドン−最適化されたDNA配列(CO)、推定されるアミノ酸配列、及びゲノム野生型DNA配列(WT)(それぞれ、配列番号35、36及び37)を示す。
本発明は次の例により、さらに記載されるが、それらは本発明の範囲を制限するものではない。
緩衝液及び基質として使用される化学物質は、少なくとも試薬品種の市販の製品であった。
菌類株:
アスペルギラス・オリザエNRRL 3488(又はATCC 56747)を、C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子、ピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、mdh1及びmdh3の源として、及びリンゴ酸の生成のために使用した。
培地:
YEG培地を、20gのグルコース、5gの酵母抽出物、及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成した。
COVEプレートを、1Mのスクロース、2%COVE塩溶液、10mMのアセトアミド、15mMのCsCl及び25g/lのAgar Nobleから構成した。
COVE塩溶液を、26gの KCl、26g のMgS04・7H20、76gの KH2P04、50mlのCOVE微量元素溶液、及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成した。
COVE微量元素溶液を、0.04g のNa2B4O7・10H2O、0.04gの CuS04・5H20、1.2 gの FeS04・7H20、0.7gの MnS04・H20、0.8g のNa2Mo02・2H20、10gの ZnS04・7H20及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成した。
種培地Bを、30gのグルコース、3gのBactoペプトン、560 mgの KH2P04、 560 mg のK2HP04、925mgの NaH2P04・H20、820 mgの Na2HP04、75mgの MgS04・7H20、75 mgの CaCl2・H20、0.75mlの1000倍の微量栄養素溶液及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成した。
酸生成培地Cを、100 gのグルコース、80g のCaC03、 6 gのBactoペプトン、150 mgの KH2P04、150 mgの K2HP04、100 mgの MgS04・7H20、100 mgの CaCl2・H20、1 mlの 1000倍の微量栄養素溶液及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成した。
1000倍の微量栄養溶液を、5g のNaCl、5gの FeS04・7H20、1g のクエン酸及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成した。
PDAプレートを、39g/lのジャガイモデキストロース寒天から構成した。
2XYT+ampプレートを、16gのトリプトン、10g の酵母抽出物、5g のNaCl、100mg のアンピシリン、15g のBacto寒天及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成した。
実施例1:アスペルギラス・オリザエNRRL3488 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子mae3のクローニング及び発現ベクターpShThl04/mae3の構成:
リンゴ酸トランスポーター遺伝子mae3を、アスペルギラス・オリザエATCC42149予測のC4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子モデル番号AO090023000318 (Galagan など. , 2005, Nature 438 : 1105- 1115)に相同のプライマーを用いてのPCR増幅により、アスペルギラス・オリザエNRRL3488ゲノムDNAからクローン化した。
アスペルギラス・オリザエNRRL3488からのゲノムDNAを、振盪フラスコにおいて100mlのYEG培地に2×106個の胞子を接種し、そしてフラスコを37℃で一晩、200rmpで振盪しながらインキュベートすることにより単離した。菌糸体を、MIRACLOTH(登録商標) (Calbiochem, San Diego, CA, USA)により裏張りされた漏斗を用いて濾過により収穫し、そして約2gの菌糸体を回収し、そして液体窒素下で凍結した。菌糸体を冷乳鉢及び乳棒での粉砕により破壊した。ゲノムDNAを、粉末化された菌糸体から、DNeasy(登録商標) Plant Maxi Kit (QIAGEN Inc., Valencia, CA, USA)を用いて、その製造業者の説明書に従って単離した。アスペルギラス・オリザエmae3遺伝子を、下記に示されるプライマー065266及びプライマー065267を用いて増幅した:
プライマー065266:
5'-GTGATAGAACATCGTCCATAATGCTGACACCTCCCAAGTT- 3' (配列番号1)
プライマー065267:
5'- AGTCACCTCTAGTTAATTAATTACTAATCAGATACATCCTCAT- 3' (配列番号2)。
増幅反応を、EXPAND(登録商標) High Fidelity PCRシステム (Roche, Indianapolis, IN, USA)を用いて、その製造業者の説明に従って実施した。個々のPCR反応は、50μlの最終体積で、47ngのアスペルギラス・オリザエNRRL3488ゲノムDNA、200 μMの dNTPs、50 pM のプライマー065266、50pMのプライマー065267、1X EXPAND(登録商標) 反応緩衝液(Roche, Indianapolis, IN, USA)及び2.6単位のEXPAND(登録商標) High Fidelity酵素混合物(Roche, Indianapolis, IN, USA)を含んだ。増幅反応を、次のプログラムされたEPPENDORF(登録商標) MASTERCYCLER(登録商標) (Eppendorf Scientific Inc., Westbury, New York, USA)においてインキュベートした:94℃で2分間、1サイクル;それぞれ94℃で15秒、60℃で30秒、及び72℃で1分、30サイクル;及び72℃で7分、1サイクル。
PCR生成物を、50mMのトリス塩基−50mMの酢酸塩−0.1MのニナトリウムEDTA(TAG)緩衝液を用いて、1%アガロースゲル電子泳動により精製した。約1.1kbのフラグメントをゲルから切除し、そしてQIAQUICK(登録商標) ゲル抽出キット(QIAGEN Inc., Valencia, CA, USA)を用いて、アガロースから抽出した。DNA配列分析を、下記に示されるプライマー996270、065067、065130、065129を用いてmae3コード配列の統合性を確かめるために使用した:
プライマー996270:
5'-CTATAGCGAAATGGATTGATTGTCT-3' (配列番号3)
プライマー065067 :
5'-TGACCTTCCACGCTGACCAC-3' (配列番号4)
プライマー065130:
5'-CTAATCAGATACATCCTCA-3' (配列番号5)
プライマー065129:
5'-ATGCTGACACCTCCCAAGT-3' (配列番号6)。
次に、1.1kbのフラグメントを、Sex A1/緑豆ヌクレアーゼ及びPac I消化されたpShTh60(図1)中に、IN-FUSIONTM クローニングキット(Clontech, Mountain View, CA, USA)を用いて、その製造業者の説明に従って、クローン化し、プラスミドpShTh104(図2)をもたらした。プラスミドpShTh60は、アスペルギラス・オリザエPgkプロモーター及びアスペルギラス・ニガーグルコアミラゼーターミネーターを含む発現ベクターである。プラスミドpShTh104を、QIAfilter Maxi Plasmid Isolation Kit (QIAGEN Inc., Valencia, CA, USA)を用いて単離した。
実施例2:アスペルギラス・オリザエNRRL3488 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子mae3の特徴化:
アスペルギラス・オリザエNRRL3488 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子mae3のDNA配列決定を、色素−ターミネーター化学によるプライマーウォーキング技法(Giesecke など. , 1992, J. Virol. Methods 38: 47-60)を用いて、ABI3130XL DNA分析器 (Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA, USA)により実施した。
アスペルギラス・オリザエNRRL3488 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子mae3のヌクレオチド配列(配列番号7)及び推定されるアミノ酸配列(配列番号8)は、図3に示される。1143bpのゲノムコード配列(停止コドンを含む)は、42kDaの予測される質量を有する、380個のアミノ酸のポリペプチドをコードする。その遺伝子はイントロンを含まない。
公開データベースにおけるアミノ酸配列の比較対様グローバルアライメントを、10のギャップ開始ペナルティ、0.5のギャップ伸長ペナルティー及びEBLOSUM62マトリックスを有するEMBOSSのNeedleプログラムにおいて実施されるように、Needleman-Wunsch アルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)を用いて決定した。前記アライメントは、アスペルギラス・オリザエNRRL3488 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子の推定されるアミノ酸配列がシゾサッカロミセス・ポンベC4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子(mea1; GenBank受託番号U21002)の推定されるアミノ酸配列に対して29.5%の配列同一性を共有することを示した。
実施例3:pShTh104によるアスペルギラス・オリザエNRRL3488の形質転換:
アスペルギラス・オリザエNRRL3488のプロトプラストを、約2×107子の胞子を、100mlのYEG培地に接種し、そして27℃で16〜18時間、140rpmでフラスコをインキュベートすることにより調製した。菌糸体を、MIRACLOTH(登録商標)により裏張りされた無菌漏斗に培養物を注ぎ、そして50mlの0.7MのKClによりすすぐことにより集めた。洗浄された菌糸体を、0.7MのKCl(フィルター殺菌された)1ml当たり、5 mgのGLUCANEXTM (Novozymes A/S, Bagsvaerd, Denmark) 及び0.5 mgのキチナーゼ (Sigma Chemical Co., St. Louis, MO, USA)から構成されるプロトプラスト溶液20mlを含む125mlのフラスコにおいて再懸濁し、そして80rpmで混合しながら、34℃で30分間インキュベートした。プロトプラスト溶液を、MIRACLOTH(登録商標)により裏張りされた無菌漏斗に注ぎ、そして50mlのSTC緩衝液(1 Mのソルビトール- 10 mMのトリス-HCI pH 6.5-10 mMの CaCl2)によりすすいだ。フロースルーを2つの50mlポリプロピレン管に集め、これを室温で10分間、1300xgで遠心分離した。上清液を捨て、そしてプロトプラストペレットを、20mlのSTC緩衝液に再懸濁した。プロトプラストを、20mlのSTC緩衝液へのペレットの再懸濁及び室温で10分、1300xgでの遠心分離を2回行うことにより洗浄した。最終ペレットを、2mlのSTC緩衝液に再懸濁した。プロトプラストを、10μlのサンプルを除き、そして血球計算器(VWR, West Chester, PA, USA)によりそれらを計数することにより計数した。体積をSTC緩衝液により調節し、2×107/mlのプロトプラスト濃度を得た。
6種の形質転換反応を、個々の発明ベクターに対して調製した。個々の形質転換反応に関して、100μlのプロトプラスト調製物を12mlのポリプロピレン管に移した。5μgのpShTh104及び250μlのポリエチレングリコール(PEG)を添加し、そして管を回転することにより軽く混合した。反応を37℃で30分間インキュベートした。形質転換体を、3mlのSTC緩衝液により希釈し、そしてその全量をCOVEプレート上にプレートした。プレートを30℃で7〜10日間インキュベートした。得られる形質転換体中の30の形質転換体を、個々のCOVEプレートに移し、そして34℃で5日間インキュベートした。胞子ストックを、胞子を0.1%のTWEEN(登録商標)80に集めることにより調製した。培養物を、それぞれのグリセロールストック(800μlの胞子ストック、200μlの0.1%TWEEN(登録商標)80)を調製することにより貯蔵し、そして−80℃で凍結した。
実施例4:振盪フラスコ培養でのリンゴ酸の製造:
実施例3に記載される個々の形質転換体及び対照としてのアスペルギラス・オリザエNRRL3488からの胞子を、個々のCOVEプレート上にプレートし、そして34℃で5〜7日間、胞子形成を可能にした。胞子を、0.1%TWEEN(登録商標)80に集め、そして血球計算器を用いて計数した。種培養物を、100mlの種培地Bを含む、250mlのフラスコにおいて調製し、そして2×108個の合計胞子により接種した。種培養物を、200rpmで振盪しながら、30℃で約17時間、増殖した。酸生成培養物を、50mlの酸生成培地C及び3mlの17時間種培養物を含む、250mlのバッフル無しのフラスコにおいて調製した。培養物を、200rpmで振盪しながら、30℃で2〜10日間インキュベートした。
実施例5:振盪フラスコ培養物中のリンゴ酸のHPLC定量化:
実施例4の振盪フラスコ培養物についてのリンゴ酸の定量化を、1200 Series Binary LC System and 1200 Series Diode Array Detector (DAD) (Agilent Technologies, Santa Clara, CA USA)を用いて、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)により実施した。逆相分離を、Aqua 5μ C18 125A 205 x 4.6 mm IDカラム 及び AQ C18 4 x 3.0 mm Security Guard Cartridge (Phenomenex, Inc., Torrance, CA, USA)を用いて実施した。移動相は、10%メタノール(HPLグレード)及び145mMのリン酸緩衝液(pH1.5)から成った。
全培養物サンプルを除き、そして850mlの64mMのリン酸緩衝液及び150mlのメタノールから構成されるHPLC Running緩衝液(pH1.65)により1:10に希釈した。次に、サンプルを、25m×0.45μmのポリエーテルスルホン膜(Whatman, Florham Park, NJ, USA)を通して濾過し、そして1.5mlの濾液を、酸分析のためにHPLCバイアル中に配置した。残存する量の振盪フラスコ培養物を、3層の寒冷しゃを通して濾過し、そして10体積の無菌再蒸留水により3度すすぎ、不溶性CaCO3を除去した。細胞ペレットを寒冷しゃから収穫し、15mlの培養物管中に配置し、そして-20℃で貯蔵した。
RP-HPLCを、25℃のカラム温度及び11分の実行時間を伴って、0.7ml/分の流速(均一濃度)で10μlの注入体積を用いて実施した。検出を、360nm, 40nmのバンド幅での参照を伴って、210nm、8nmのバンド幅で設定した。ボイド時間は、3.8分であることが決定された。逆相法の定量的能力を、49.2〜3.98mMの範囲の濃度を伴って、連続的に希釈されたリンゴ酸標準の反復注入の実施により、リンゴ酸について決定した。反復注入についての相対的標準偏差(RSD)は、5%以下であった。リンゴ酸は、R2≧0.9999を示した。
表1は、5日の振盪フラスコ増殖の後、対照としてのアスペルギラス・オリザエNRRL 3488のリンゴ酸生成に比較して、形質転換体アスペルギラス・オリザエShThl040-8及びアスペルギラス・オリザエShTh1040-28のリンゴ酸力価の相対的上昇を示す。それぞれ異種mae 3 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子を含む、アスペルギラス・オリザエShThl040-8及びアスペルギラス・オリザエShTh1040-28は、アスペルグラス・オリザエNRRL3488に比較して、リンゴ酸離力価の2.1倍及び2.2倍の上昇をもたらした。
Figure 2013503631
実施例6:アスペルギラス・オリザエShTh1040株の発酵:
ShTh1040-8、ShTh1040-28と命名されたアスペルギラス・オリザエ形質転換体、及びアスペルギラス・オリザエNRRL3488(対照)を、PDAプレート上で32℃で約7日間、増殖した。0.1%のTWEEN(登録商標)80を含む50mMの無菌リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)の5〜6mlの体積を、個々のプレートに添加し、そして胞子を、接種用ループにより削り落とすことにより懸濁した。個々の懸濁液を、ピペットにより、50mlの円錐形管に移した。個々の管に関して、25mlの無菌リン酸ナトリウム緩衝液を、75mlの種培地を含む、500mlのバッフルなしのフラスコに添加し、次にこれを2mlの胞子懸濁液により接種した。種培地は、40gのグルコース、 4.0g の(NH4)2S04、 0.75 gの KH2P04、 0.75 gの K2HP04、 0.1 g のMgS04・7H20、 0.1 gの CaCl2・2H20、 0.005 gの FeS04・7H20、 0.005 gの NaCl、及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成された。次に、フラスコを32℃及び180rpmで約24時間インキュベートした。3種の種フラスコを組合し、タンク当り必要とされる144mlの接種物を供給した。
1.8Lの培地を含む3Lの発酵器を、アスペルギラス・オリザエ形質転換体ShTh1040-8、アスペルギラス・オリザエ形質転換体ShTh 1040-28又はアスペルギラス・オリザエNRRL 3488のいずれかの3種の組合された種フラスコからの144ml(8%)の種培養物ブイヨンを導入することにより、それぞれ接種した。培地は、120 gのグルコース、90 g のCaC03、 6 gの Bactoペプトン、0.150 gの KH2P04、 0.150 gの K2HP04、 0.10 gの MgSO・7H20、 0.10 gの CaCl2・2H20、0.005 gの FeS04・7H20、0.005 g のNaCl、及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成された。
発酵器を、32±0.1℃で平衡化し、そして500rpmで撹拌した。入口空気流を1v/v/mで維持した。酸又は塩基添加は、pH調節のために使用されなかった。
サンプリングを毎日、実施し、そしてリンゴ酸生成について分析した。発酵は、7日後、完結された。
実施例7:発酵のリンゴ酸のHPLC定量化:
実施例6の発酵についてのリンゴ酸の定量化を、実施例5に記載のようにして実施した。
表2は、対照としてアスペルギラス・オリザエNRRL3488のリンゴ酸生成に比較して、形質転換体アスペルギラス・オリザエShTh l040-8及びアスペルギラス・オリザエShThl040-28のリンゴ酸力価の相対的上昇を示す。異種mae3 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子をそれぞれ含むアスペルギラス・オリザエShThl040-8及びアスペルギラス・オリザエShThl040-28は、アスペルギラス・オリザエNRRL3488に比較して、それぞれ、リンゴ酸力価の1.98倍及び2.18倍の上昇を示した。
Figure 2013503631
実施例8:アスペルギラス・オリザエNRRL 3488リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のクローニング及び発現ベクターpShTh71及びpShTh73の構成:
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子mdh1及びmdh3を、公開されたアスペルギラス・オリザエATCC42149ゲノム配列(Galagan など., 2005, Nature 438: 1105-1115)に見出されるmdh1及びmdh3遺伝子モデル(それぞれ、AO090005000438、AO090701000013)に相同のプライマーを用いてのPCR増幅により、アスペルギラス・オリザエNRRL3488ゲノムDNAからクローン化した。
アスペルギラス・オリザエmdh1遺伝子を、プライマー062390及び062391を用いて増幅し、そしてアスペルギラス・オリザエmdh3遺伝子を、プライマー062388を用いて増幅した。アスペルギラス・オリザエNRRL3488を、2×106個の胞子により、振盪フラスコ中の100mlのYEG培地を接種し、そして200rpmでの振盪下で37℃で一晩、フラスコをインキュベーションすることにより増殖した。菌糸体を、MIRACLOTH(登録商標)により裏張りされた漏斗を用いて収穫し、そして約2gの組織を回収し、そして液体窒素下で凍結した。菌糸体を冷乳鉢及び乳棒での粉砕により破壊した。ゲノムDNAを、粉末化された菌糸体から、DNeasy(登録商標) Plant Maxi キットを用いて、その製造業者の説明書に従って単離した:
プライマー062390:
5'-ACACAACTGGCCATGTTCGCTGCTCGCCAGTCTTTCAACCTCCTCCAGA-3' (配列番号 9)
プライマー062391 :
5'-AGTCACCTCTAGTTAATTAATTATTAAGGGTTGGCCTTGACGAAGTCAATACCCTTCTGA-3' (配列番号 10)
プライマー062388:
5 '- ACACAACTGGCCATGGTCAAAGCTGGTGAGTTAGCAATCCTTAACAGAT- 3 ' (配列番号11)
プライマー062389:
5'-AGTCACCTCTAGTTAATTAATTATTACTTTGGTGGTGGGTTCTTAACGAAGTCGATGCCT-3' (配列番号12)。
増幅反応を、EXPAND(登録商標) High Fidelity PCRシステムを用いて、その製造業者の説明に従って実施した。個々のPCR反応は、50μlの最終体積で、47ngのアスペルギラス・オリザエNRRL3488ゲノムDNA、200 μMの dNTPs、50 pM の順方向プライマー、50pMの逆方向プライマー、1X EXPAND(登録商標) 反応緩衝液及び2.6単位のEXPAND(登録商標) High Fidelity酵素混合物を含んだ。増幅反応を、次のプログラムされたEPPENDORF(登録商標) MASTERCYCLER(登録商標)においてインキュベートした:94℃で2分間、1サイクル;それぞれ94℃で15秒、62.2℃で30秒、及び72℃で1分、10サイクル;それぞれ94℃で15秒、62.2℃で30秒、及び72℃で1分及び0.5秒(それぞれ連続したサイクル)、20サイクル;及び72℃で7分、1サイクル。
個々の増幅反応からのPCR生成物を、TAE緩衝液(50mMのトリス塩基−50mMの酢酸塩−0.1MのニナトリウムEDTA)を用いて、1%アガロースゲル電子泳動により精製した。個々の増幅反応からの約1.3kbのフラグメントをゲルから切除し、そしてQIAQUICK(登録商標) ゲル抽出キットを用いて、アガロース抽出した。ABI3130XL DNA分析器を用いての DNA配列分析を試用し、下記に示されるプライマー62399、62400、62396、62393を用いてmdhl及びmdh3コード配列の統合性を確かめた:
プライマー62399 :
5'-CTTTGGTGTCACCACACTGG-3' (配列番号13)
プライマー62400 :
5'-GGGATTTGAACAGCAGAAGG-3' (配列番号14)
プライマー62396 :
5'- CTTAGCAAGGTCGCGGACAATGG-3' (配列番号15)
プライマー62393 :
5'-GGCACTGGGAATTGAATAC-3' (配列番号16)。
次に、それぞれの1.3kbのフラグメントを、In-FusionTM クローニングキットを用いて、その製造業者の説明書に従って、NcoI及びPacI消化されたpBM120a(WO2008/008950号)中にクロン化し、それぞれmdh1及びmdh3についてのプラスミドpShTh73(図4)及びpShTh71(図6)をもたらした。プラスミドpBM120aは、NA2-tpiプロモーター(アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ及びアスペルギラス・ニジュランストリオースリン酸イソメラーゼのための遺伝子からのプロモーターのハイブリッド)及びアスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼターミネーターを含む発現ベクターである。プラスミドpShTh71及びpShTh73を、QIAfilter Maxi プラスミド単離キットを用いて単離した。
実施例9:アスペルギラス・オリザエNRRL3488リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の特徴化:
アスペルギラス・オリザエNRRL3488 リンゴ酸デヒドロゲナーゼmdhl及びmdh3遺伝子のDNA配列決定を、色素−ターミネーター化学によるプライマーウォーキング技法(Giesecke など. , 1992, J. Virol. Methods 38: 47-60)を用いて、ABI3130XL DNA分析器により実施した。
アスペルギラス・オリザエNRRL3488 リンゴ酸デヒドロゲナーゼmdhl及びmdh3遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号17)及び推定されるアミノ酸配列(配列番号18)は、図5に示される。1294bpのゲノムコード配列(停止コドンを含む)は、36kDaの予測される質量を有する、340個のアミノ酸のポリペプチドをコードする。コード配列は、85 bp (67-151 bp)、73 bp (270-342 bp)、60 bp (493-552 bp)及び53 bp (648-700 bp)の4種のイントロンにより中断される。mdh1遺伝子のG+C含有率は、コード領域に関して、56.5%及び60.4%である。
公開データベースにおけるアミノ酸配列の比較対様グローバルアライメントを、10のギャップ開始ペナルティ、0.5のギャップ伸長ペナルティー及びEBLOSUM62マトリックスを有するEMBOSSのNeedleプログラムにおいて実施されるように、Needleman-Wunsch アルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)を用いて決定した。前記アライメントは、アスペルギラス・オリザエNRRL3488 リンゴ酸デヒドロゲナーゼmdhl遺伝子の推定されるアミノ酸配列がサッカロミセス・セレビシアエリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(MDH1; GenBank受託番号YK1085W)の推定されるアミノ酸配列に対して69.1%の配列同一性(ギャップを除く)を共有することを示した。
アスペルギラス・オリザエNRRL3488 リンゴ酸デヒドロゲナーゼmdh3遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号19)及び推定されるアミノ酸配列(配列番号20)は、図7に示される。1430bpのゲノムコード配列(停止コドンを含む)は、35kDaの予測される質量を有する、330個のアミノ酸のポリペプチドをコードする。コード配列は、57 bp (14-70 bp)、70 bp ( 103-172 bp)、74 bp (284-357 bp)、68 bp (446-513 bp)、58 bp (892-949 bp)、48 bp (1035-1082 bp)及び62 bp (1228-1289 bp)の7種のイントロンにより中断される。Mdh3遺伝子のG+C含有率は、コード領域に関して、50.3%である。
公開データベースにおけるアミノ酸配列の比較対様グローバルアライメントを、10のギャップ開始ペナルティ、0.5のギャップ伸長ペナルティー及びEBLOSUM62マトリックスを有するEMBOSSのNeedleプログラムにおいて実施されるように、Needleman-Wunsch アルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)を用いて決定した。前記アライメントは、アスペルギラス・オリザエNRRL3488 リンゴ酸デヒドロゲナーゼmdh3遺伝子の推定されるアミノ酸配列がサッカロミセス・セレビシアエリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(MDH3; GenBank受託番号YD1078C)の推定されるアミノ酸配列に対して47.8%の配列同一性(ギャップを除く)を共有することを示した。
実施例10:プラスミドpShTh74及びpShTh75の構成:
アスペルギラス・オリザエNRRL3488MDH1のアミノ酸2〜17をコードする推定上のミトコンドリア標的配列の欠失を含むプラスミドpShTh74を構成した。アミノ酸2〜17をコードする推定されるミトコンドリア標的配列の欠失及びMDH1のR48Yの置換を含むプラスミドpShTh75を構成した。両突然変異は、mdh1遺伝子生成物のミトコンドリへの標的化及び移入を妨げることが意図され、その結果、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体が細胞質に局在化される。
プラスミドpShTh74を、下記に示されるオリゴヌクレオチドプラスミドプライマー063183及びプライマー062391(実施例8)を用いて、アスペルギラス・オリザエNRRL3488ゲノムDNAからのmdh1遺伝子のPCR増幅により構成した:
プライマー063183 :
5'- ACACAACTGGCCATGGCCTCTGCCAGCCAGGTGTG-3' (配列番号21)。
増幅反応を、47ngのアスペルギラス・オリザエNRRL3488ゲノムDNA、200 μMの dNTPs、 50 pMの順方向プライマー、50 pMの逆方向プライマー、1X EXPAND(登録商標)反応緩衝液及び2.6単位のEXPAND(登録商標) High Fidelity酵素混合物から構成した。増幅反応を、次のプログラムされたEPPENDORF(登録商標) MASTERCYCLER(登録商標)においてインキュベートした:94℃で3分間、1サイクル:94℃で15秒、62.2で30秒及び72℃で1分、29サイクル;及び72℃で7分、1サイクル。
PCR生成物を、TAE緩衝液中、1%アガロースゲル電気泳動により精製した。1.2kbのフラグメントをゲルから切除し、そしてQIAQUICK(登録商標)ゲル抽出キットを用いて、アガロース抽出し、そして次に、NcoI及びPacI消化されたpBM120a(WO2008/008950号)中に、In-FusionTM クローニングキットを用いてクローン化し、プラスミドpShTh74をもたらした。ABI3130XL DNA分析器を用いてのDNA配列分析により、mdh1 DNAフラグメントの統合性を確かめた。
プラスミドpSHTh74を、下記に示されるプライマー063184及び063186を用いて、アミノ酸突然変異R48Yを含むよう、QUIKCHANGE(登録商標) II SL 特定部位の突然変異誘発キット(Stratagene, La Jolla, CA, USA)を用いてpShTh75に突然変異誘発した。チロシンへのアルギニン残基の突然変異は、ミトコンドリア膜を通してのタンパク質の標的化及び輸送を助ける両親媒性ヘリックスの破壊をもたらす。
プライマー063184:
5'-CCTCAAGCTCAACCCCTACGTTTCTGAGCTTGCCCTCTAC- 3' ( 配列番号22)
プライマー063186:
5'-GTAGAGGGCAAGCTCAGAAACGTAGGGGTTGAGCTTGAGG-3' (配列番号23)。
プラスミドpShth74及びpShTh75を、QIAfilter Maxi プラスミド単離キットを用いて単離した。
実施例11:発現ベクターpSaMF21の構成:
プラスミドpSaMF21を、NAD−依存性リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(mdh3)遺伝子配列(DOGAN : AO090701000013)、すなわちアスペルギラス・オリザエからの1430bpのフラグメントを含むよう企画した。プラスミドを、Sex AI及びPac Iによる制限消化によりpShTh60(図1)を線状化することにより構成した。消化されたベクターを、TBE緩衝液中、0.8%アガロースゲル電子泳動により分離し、そしてQIAQUICK(登録商標) ゲル抽出ジットを用いて精製した。mdh3遺伝子を、下記プライマー067522及び067525を、用いて、pShTh71から増幅した:
プライマー067522:
5'-AGAACATCGTCCATAATGGTCAAAGCTGGTGAGTTA-3' (配列番号28)
プライマー067525 :
5'- GTGTCAGTCACCTCTAGTTATTACTTTGGTGGTGGGTTCT- 3' (配列番号29)。
PCR反応は、5 μlの 10X反応緩衝液、 1μlの pShTh71鋳型 (87 ng/μl)、 1μl のプライマー 067522 (100 ng/μl)、 1μlのプライマー067525 (100 ng/μl)、 1μlの dNTP 混合物 (10 mM)、 45.5μlの脱イオン水及び0.5μlの Herculase(登録商標) HotStart DNAポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA,USA)から構成された。増幅反応を、下記のようにプログラムされたEPPENDORF(登録商標) MASTERCYCLER(登録商標)においてインキュベートした:95℃で2分、1サイクル;それぞれ、95℃で10秒、58℃で30秒、及び72℃1.5分、10サイクル;それぞれ、95℃で10秒、50℃で30秒及び72℃で1.5分+10秒、20サイクル。PCR反応を、Dpn Iによる1時間の制限消化にゆだね、いずれかのプラスミドDNA鋳型を劣化した。次に、PCR生成物を、MinElute(登録商標) PCR 精製キット (QIAGEN Inc., Valencia, CA, USA)を用いて精製した。精製されたPCR生成物を、2 μlの 5X 緩衝液、0.5μlの 精製されたPCR生成物 (110 ng/μl)、1.7μlの ゲル-精製されたSex AI及びPac I制限消化された pShTh60 (図1 ; 78 ng/μl)、1μlの In-FusionTM 酵素及び4.8 μlの脱イオン水から構成されるIn-FusinTM Advantage反応を用いて、ベクター中に挿入した。反応を、37℃で15分、続いて50℃で15分インキュベーションし、その後、それを氷上に5分間、置き、そして40μlのTE緩衝液により希釈し、pSaMF21(図8)をもたらした。連結反応の2μlアリコートを用いて、ONE SHOT(登録商標) TOP10化学的コンピテントE.コリ細胞(Invitrogen, San Diego, CA, USA)を、その製造業者の説明書に従って形質転換した。形質転換体を、2×YT+ampプレート上にプレートし、そして37℃で一晩インキュベートした。得られる形質転換体を取り、そしてDNA配列決定にゆだね、mdh遺伝子がベクター中に都合よく組込まれたことを確かめた。
実施例12:アスペルギラス・オリザエNRRL 3488及びアスペルギラス・オリザエATCC 56747ピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子のクローニング:
ピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(pyc)を、公開されたアスペルギラス・オリザエATCC 42149ゲノム配列(Galaganなど., 2005,前記; DDBJ受託番号 AP007150-AP007177) (uniprot受託番号Q2UGL1)に見出される推定上のピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子モデル番号AO090023000801に対して相同のプライマーを用いて、PCR増幅により、アスペルギラス・オリザエNRRL3488及びアスペルギラス・オリザエATCC 56747ゲノムDNAからクローン化した。
アスペルギラス・オリザエpyc遺伝子を、下記に示されるプライマー061929及び061930を用いて増幅した。アスペルギラス・オリザエ(NRR3488及びATCC 56747)ゲノムDNAを、実施例1に記載のようにして単離した。
プライマー061929:
5'- ACACAACTGGCCATGGCGGCTCCGTTTCGTCA- 3' (配列番号24)
プライマー061930
5'- AGTCACCTCTAGTTAATTAATTATTACGCTTTGACGATCTTGCAG - 3' (配列番号25)。
増幅反応を、EXPAND(登録商標) High Fidelity PCR システムを用いて、その製造業者の説明書に従って実施した。増幅反応は、47 ngの アスペルギラス・オリザエゲノムDNA、200 μMの dNTPs、50 pMの順方向プライマー、50 pMの逆方向プライマー、1X EXPAND(登録商標)反応緩衝液及び2.6単位のEXPAND(登録商標) High Fidelity 酵素混合物(50 μlの最終体積)から構成された。増幅反応を、次のようにしてプログラムされたEPPENDORF(登録商標) MASTERCYCLER(登録商標)においてインキュベートした:94℃で2分、1サイクル;それぞれ、94℃で15秒、60℃で30秒、及び72℃で1分、10サイクル;それぞれ、94℃で15秒、60℃で30秒及び72℃で1分+0.5秒、それぞれ連続サイクルで15サイクル;及び72℃で7分、1サイクル。
増幅反応からのPCR生成物を、TAE緩衝液中、1%アガロースゲル電気泳動により精製した。それぞれ3.5kbのフラグメントをゲルから切除し、そしてQIAQUICK(登録商標)ゲル抽出キットを用いて、アガロース抽出した。
実施例13:アスペルギラス・オリザエNRRL3488及びATCC56747ピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子の特徴化:
アスペルギラス・オリザエNRRL3488及びATCC56747ピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(pyc)のDNA配列決定を、色素−ターミネーター化学によるプライマーウォーキング技法(Giesecke など. , 前記)を用いて、ABI3130XL DNA分析器により実施した。
アスペルギラス・オリザエピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号26)及び推定されるアミノ酸配列(配列番号27)は、図9A及び9Bに示される。アスペルギラス・オリザエNRRL3488及びATCC56747ピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子の両者は同じヌクレオチド配列を有する。3643bpのゲノムコード配列(1つの停止コドンを含む)は、131kDaの予測される質量を有する、1193個のアミノ酸のポリペプチドをコードする。コード配列は、61 bp(3475-3535 bp)の1種のイントロンにより中断される。前記遺伝子のG+C含有率は、57.1%である。
公開データベースにおけるアミノ酸配列の比較対様グローバルアライメントを、10のギャップ開始ペナルティ、0.5のギャップ伸長ペナルティー及びEBLOSUM62マトリックスを有するEMBOSSのNeedleプログラムにおいて実施されるように、Needleman-Wunsch アルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, 前記)を用いて決定した。前記アライメントは、アスペルギラス・オリザエNRRL3488及びATCC56747ピルビン酸カルボキシラーゼpyc遺伝子の推定されるアミノ酸配列がサッカロミセス・セレビシアエピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(PYCl; GenBank受託番号YGI062W)の推定されるアミノ酸配列に対して68.4%の配列同一性を共有することを示した。
実施例14:発現ベクターpRyanlの構成:
プラスミドpRyanlを、ピルビン酸カルボキシラーゼ(pyc)遺伝子配列(DOGAN : AO090023000801)、すなわちアスペルギラス・オリザエからの3646bpのフラグメント(2個の停止コドンを含む)を含むよう構成した。プラスミドを、Sex AI及びPac Iによる制限消化によりpShTh60(図1)を線状化することにより構成した。消化されたベクターを、TBE緩衝液中、0.8%アガロースゲル電子泳動により分離し、そしてQIAQUICK(登録商標) ゲル抽出キットを用いて精製した。pyc遺伝子を、下記に示されるプライマー066549 及び067388を用いて、アスペルギラス・オリザエNRRL3488ゲノムDNAから増幅した:
プライマー066549:
5'- TAGAACATCGTCCATAATGGCGGCTCCGTTTCGTCA -3' (配列番号30)
プライマー067388 :
5'- GTGTCAGTCACCTCTAGTTATTATTACGCTTTGACGATCT - 3' (配列番号31)。
PCR反応は、5 μlの 10X反応緩衝液、 1μlのアスペルギラス・オリザエNRRL3488ゲノムDNA (110ng/μl)、 1μl のプライマー066549 (100 ng/μl)、 1μlのプライマー067388 (100 ng/μl)、 1μlの dNTP 混合物 (10 mM)、45.5μlの脱イオン水及び0.5μlの Herculase(登録商標) HotStart DNAポリメラーゼから構成された。増幅反応を、下記のようにプログラムされたEPPENDORF(登録商標) MASTERCYCLER(登録商標)においてインキュベートした:95℃で2分、1サイクル;それぞれ、95℃で10秒、58℃で30秒、及び72℃3.5分、10サイクル;それぞれ、95℃で10秒、58℃で30秒及び72℃で3.5分+10秒、20サイクル。次に、PCR生成物を、MinElute(登録商標) PCR 精製キットを用いて精製した。
精製されたPCR生成物を、2 μlの 5X 緩衝液、1μlの 精製されたPCR生成物 (144ng/μl)、2μlの ゲル-精製されたSex AI及びPac I制限消化された pShTh60 (図1 ; 78 ng/μl)、1μlの In-FusionTM 酵素及び4μlの脱イオン水から構成されるIn-FusinTM Advantage反応を用いて、ベクター中に挿入した。反応を、37℃で15分、続いて50℃で15分インキュベーションし、その後、それを氷上に5分間、置き、そして40μlのTE緩衝液により希釈し、pRYANl(図10)をもたらした。連結反応の2μlアリコートを用いて、ONE SHOT(登録商標) TOP10化学的コンピテントE.コリ細胞を、その製造業者の説明書に従って形質転換した。形質転換体を、2XYT+ampプレート上にプレートし、そして37℃で一晩インキュベートした。得られる形質転換体を採取し、そしてDNA配列決定にゆだね、pyc遺伝子がベクター中に都合よく組込まれたことを確かめた。ヌクレオチド1308を、CからTに変更したが、しかしタンパク質配列には影響を及ぼさなかった。
実施例15:pShThl04、pSaMF21及びpRyanlによるアスペルギラス・オリザエNRRL3488(SaMF2103)の形質転換:
プラスミドpShThl04、pSaMF21及びpRyanlにより、アスペルギラス・オリザエNRRL 3488を形質転換し、mac3 C4ジカルボン酸トランスポーター、mdh3 NBD−依存性リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、及び上記に記載されるpycピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子を含む菌株のC4ジカルボン酸生成についてアッセイした。
100μlのプロトプラスト調製物(実施例3に記載のようにして調製された)を、12mlのポリプロピレン管に移した。これに、2.6μgの pSaMF21、5.5μgの pShTh l04、4.73 μgの pRyan l及び 250 μlの PEG 溶液(60% w/v ポリエチレングリコール(PEG)、 10 mMの トリス pH6.5、 10 mMの CaCl)を添加し、続いて軽く混合し、そして37℃で30分間インキュベートした。個の形質転換体を、9mlのSTC緩衝液により希釈し、続いて、COVEプレート上に3回の別々の3mlアリコートをプレートした。次に、個々のプレートを、34℃で7〜10日間インキュベートした。60個のSaMF2103形質転換体を個々のCOVEプレートに移し、そして34℃で5日間インキュベートした。胞子ストックを、0.1%TWEEN(登録商標)80に胞子を集めることにより調製した。培養物を、それぞれのグリセロールストック(800μlの胞子ストック、200μlの0.1%TWEEN(登録商標)80)を調製することにより貯蔵し、そして-80℃で凍結した。
5種の最高リンゴ酸生成株(SaMF2103-14、29、37、39、53)からのDNAの抽出を、約2×107個の胞子を100mlのYEG培地に接種し、そして34℃で16〜18時間、160rpmでフラスコをインキュベートすることにより実施した。菌糸体を、無菌真空濾過ユニットに培養物を注ぐことにより集めた。バイオマスを、液体窒素において約10秒間インキュベートし、次にMIRACLOTH(登録商標)により裏張りされた2層チーズクロス上に配置した。このクロスを袋の中に折りたたみ、そしてハンマーにより、12〜15回、押しつぶした。粉砕されたバイオマスを、5mlの無菌円錐形管に移し、これに、10 mlの1X 溶解緩衝液 (100 mMの EDTA、10 mMの トリス pH 8.0、1% Triton X-100、0.5 Mのグアニジン-HCl、200 mMの NaCl) 及び 3μl の100 mg/ml RNase Aを添加した。室温での5分のインキュベーションの後、150mlの20mg/mlのプロテイナーゼ K (QIAGEN Inc., Valencia, CA, USA)を添加し、逆にすることにより混合し、そして50℃で1時間インキュベートした。管を7240xgで20分間、遠心分離した。上清液を、4mlのQBT緩衝液により予備−平衡化されたMidi-Tip (QIAGEN Inc., Valencia, CA, USA)中に注ぎ、そして重力下で流動した。先端を、15mlのQC 緩衝液 (QIAGEN Inc., Valencia, CA, USA)により洗浄し、そして5mlのQC 緩衝液 (QIAGEN Inc., Valencia, CA, USA)により溶出した。それらに、3.5mlのイソプロパノールを添加し、そして混合し、次に4℃で20分間、12,380xgで遠心分離した。上清液を捨て、そしてペレットを2mlの冷70%エタノールにより洗浄し、その後、4℃で10分間、12,380xgで遠心分離した。ペレットを空気乾燥し、次に100μlのEB緩衝液(QIAGEN Inc., Valencia, CA, USA)に再懸濁した。DNA濃度は、71 ng/μl のSaMF2103-14、 220 ng/μlの SaMF2103-29、 210 ng/μl のSaMF2103-37、 230 ng/μl のSaMF2103-39、 233 ng/μlに SaMF2103-53であった。
プライマー062012:
5'- GGAAACGTCAAGCGGCTTGC- 3' (配列番号32)。
pShTh104発現カセットの存在について試験するためのPCR反応は、2.5 μl の10X 反応緩衝液、 1 μlの 鋳型 (80-300 ng/ μl)、 0.5 μlの プライマー065067 (実施例1; 50 pM)、 0.5 μlのプライマー065130 (実施例1 ; 50 pM)、 0.5 μl のdNTP 混合物(10 mM)、 19.75 μlの脱イオン水及び0.25 μlの Herculase(登録商標) HotStart DNA ポリメラーゼから構成された。pSaMF21発現カセットの存在について試験するためのPCR反応は、2.5 μl の10X 反応緩衝液、 1 μlの 鋳型 (80-300 ng/ μl)、 0.5 μlの プライマー065067 (実施例1; 50 pM)、 0.5 μlのプライマー062400 (実施例8; 50 pM)、 0.5 μl のdNTP 混合物(10 mM)、 19.75 μlの脱イオン水及び0.25 μlの Herculase(登録商標) HotStart DNA ポリメラーゼから構成された。pRyanl発現カセットの存在について試験するためのPCR反応は、2.5 μl の10X 反応緩衝液、 1 μlの 鋳型 (80-300 ng/ μl)、 0.5 μlの プライマー065067 (実施例1; 50 pM)、 0.5 μlのプライマー062012 (上記を参照のこと; 50 pM)、 0.5 μl のdNTP 混合物(10 mM)、 19.75 μlの脱イオン水及び0.25 μlの Herculase(登録商標) HotStart DNA ポリメラーゼから構成された。アスペルギラス・オリザエNRRL3488ゲノムDNA(110ng/μl)を、すべての3種の発現カセットのための負の対照の鋳型として使用し、そしてプラスミド(20ng/μlの希釈された)を、正の対照の鋳型として使用した。増幅反応を、次のようにプログラムされたEPPENDORF(登録商標) MASTERCYCLER(登録商標)においてインキュベートした:95℃で2分、1サイクル;それぞれ、95℃で10秒、55℃で30秒、及び72℃で1.5分、10サイクル;それぞれ、95℃で10秒、50℃で30秒、及び72℃で1.5分+10秒(サイクル当たり)、20サイクル。個々のサンプル(この順序では、pShTh l04、pSaMF21、pRyanl)からのPCR生成物(5μl)を、0.8%アガロースゲル電気泳動により分析した。試験される5種のサンプル(及び正の対照)が予測されるバンドサイズを有したが、アスペルギラス:オリザエNRRL3488対照サンプルは有さなかった。
実施例16:振盪フラスコ培養におけるリンゴ酸の生成:
実施例15に記載される個々の形質転換体及び対照としてのアスペルギラス・オリザエNRRL3488からの胞子を、個々のPDAプレート上にプレートし、そして34℃で5〜7日間、胞子形成を可能にした。胞子を、0.1%TWEEN(登録商標)80に集めた。種培養物を、100mlの種培地Bを含む、250mlのフラスコにおいて調製し、そして300μlの胞子ストックにより接種した。種培養物を、200rpmで振盪しながら、30℃で約22時間、増殖した。酸生成培養物を、50mlの酸生成培地C及び3mlの17時間種培養物を含む、250mlのバッフル無しのフラスコにおいて調製した。培養物を、200rpmで振盪しながら、30℃で3日間インキュベートした。
異種mae3 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子、異種mdh3 NBD−依存性リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、及び異種pycピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(実施例15)を含むアスペルギアス・オリザエSaMF2103形質転換体は、アスペルギラス・オリザエNRRL3488対照に比較して、2.6倍での力価でのリンゴ酸上昇をもたらした。
実施例17:アスペルギラス・オリザエShTh1040及びSaMF2103株の発酵:
アスペルギラス・オリザエShTh1040−44(それぞれは、mae3 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子を含む;実施例3)、及びSaMF2103−37及びSaMF2103−39(それぞれは、mae3 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子、mdh3 NBD−依存性リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、及びpycピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子を含む;実施例15)を、PDAプレート上で34℃で約7日間、増殖した。0.2%のTWEEN(登録商標)80を含む50mMの無菌リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)の5〜6mlの体積を、個々のプレートに添加し、そして胞子を、接種用ループにより削り落とすことにより懸濁した。個々の懸濁された胞子を、ピペットにより、50mlの円錐形管に移した。個々の管に関して、25mlの50mMの無菌リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)を、75mlの種培地を含む、500mlのバッフルなしのフラスコに添加し、次にこれを2mlの胞子懸濁液により接種した。種培地は、40gのグルコース、 6gのBactoペプトン、0.75 gの KH2P04、0.1 g のMgS04・7H20、 0.1 gの CaCl2・2H20、 0.005 gの FeS04・7H20、 0.005 gの NaCl、及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成された。次に、フラスコを34℃及び180rpmで約24時間インキュベートした。3種の種フラスコを組合し、タンク当り必要とされる144mlの接種物を供給した。1.8Lの培地を含む3Lの発酵器を、アスペルギラス・オリザエ形質転換体ShTh1040-31、アスペルギラス・オリザエ形質転換体ShTh 1040-44、アスペルギラス・オリザエ形質転換体SaMF2103-37又はアスペルギラス・オリザエ形質転換体SaMF2103-39のいずれかの3種の組合された種フラスコからの144ml(8%)の種培養物ブイヨンを導入することにより、選択の菌株によりそれぞれ接種した。培地は、120 gのグルコース、120g のCaC03、 9gの Bactoペプトン、0.150 gの KH2P04、 0.150 gの K2HP04、 0.10 gの MgSO・7H20、 0.10 gの CaCl2・2H20、0.005 gの FeS04・7H20、0.005 g のNaCl、1.22mgのビオチン及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成された。
発酵器を、34±0.1℃で平衡化し、そして500rpmで撹拌した。入口空気流を1v/v/mで維持した。酸又は塩基添加は、pH調節のために使用されなかった。20%グルコースから成る供給物を、約43時間で開始して、約7.3g/時の速度で発酵中の個々のタンクに投与した。追加の100gのCaCO3を、発酵の5日間、個々のタンクに導入した。サンプルを毎日、採取し、そしてリンゴ酸生成について分析した。発酵は、8日後に完結された。
実施例18:発酵のリンゴ酸のHOLC定量化:
実施例17の発酵についてのリンゴ酸の定量化を、実施例5に記載のようにして実施した。
表3は、アスペルギラス・オリザエ形質転換体ShThl040-44、SaMF2103-37、 SaMF2103-39、及びShThl040-31の相対的リンゴ酸力価を示す。個々のタイプの形質転換体の相対的ランキングは、振盪フラスコ結果と一致する。異種mae3 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子、異種mdh3 NBD−依存性リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、及び異種pycピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(実施例15)を含むが、しかし異種mdh3 NBD−依存性リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、又は異種pycピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子を含まない(実施例3)ShTh1040形質転換体よりも高いリンゴ酸力価を生成した。
Figure 2013503631
実施例19:アスペルギラス・テレウスC4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子のクローニング及び発現ベクターpShThl22AtC4Tの構成:
1182bpのアスペルギラス・テレウスC4ジカルボン酸トランスポータータンパク質遺伝子atc4t(ATEG_00085)を、pAtC4T中に合成的に構成した(図11; DNA2.0, Menlo Park, CA, USA)。atc4t遺伝子を、下記に示されるプライマー069739及び069740を用いて、pAtC4Tから増幅した:
プライマー069739:
5'-GTGTGATAGAACATCGTCCATAATGTTTGAGAACACTGCCCC-3' (配列番号38)
プライマー069740:
5'-GTCAGTCACCTCTAGTTAATTAATTACTCCACCACATCCTCGTC-3' (配列番号39)。
PCR反応混合物は、50 ngのpAtC4T鋳型、 200μMの dNTP混合物、 50 pMのプライマー069739、 50 pMの プライマー069740、 1X Poll反応緩衝液 (New England Biolabs、 MA、 USA)、 3% DMSO、 1単位のVent DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)、及び50μl の脱イオン水から構成された。PCR反応を、次のようにプログラムされたEPPENDORF MASTERCYCLER(登録商標)においてインキュベートした:94℃で3分、1サイクル;94℃で15秒、59℃で30秒、及び72℃で1分、35サイクル;及び72℃で5分、1サイクル。PCR生成物を、TAE緩衝液中、1%アガロースゲル電気泳動により精製し、そしてQIAQUICK(登録商標)ゲル抽出キットを用いて精製した。
プラスミドpShTh60(図1)をSex AI及びPac Iにより消化し、TBE緩衝液(10.8 g/Lのトリス塩基、5.5 g/L の硼酸、2 mM EDTA、pH 8.0)中、0.8%アガロースゲル電気泳動により分離し、そしてQIAQUICK(登録商標)ゲル抽出キットを用いて精製した。次に、上記に精製されたPCR生成物を、InFusionTM クローニングキットを用いて、その説明書に従って、消化されるベクター中に挿入し、プラスミドpShThl22AtC4T(図12)をもたらした。プラスミpShThl22AtC4Tを、QIAfilter Maxi プラスミド単離キットを用いて単離した。DNA配列分析を用いて、上記例に記載されるプライマー996270及び065067を用いてatc4tコード配列の統合性を確かめた。
atc4t遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号33)及び推定されるアミノ酸配列(配列番号34)は、図13に示される。1182bpのゲノムコード配列(停止コドンを含む)は、43.2kDaの予測される質量及び6.54の等電点pHを有する、393個のアミノ酸のポリペプチドをコードする。その遺伝子はイントロンを含まない。
実施例20:pShThl2AtC4Tを用いてのアスペルギラス・オリザエNRRL3488の形質転換:
実施例19におけるpShThl2AtC4Tベクターを、Pme Iによる制限消化により形質転換のために調製した。約5kbの発現カセットを、TBE緩衝液中、0.8%アガロースゲル電気泳動により、ベクター配列から分離し、そしてQIAQUICK(登録商標)ゲル抽出キットを用いて精製した。
4種の形質転換反応を調製した。個々の反応に関して、プロトプラスト調製物(実施例3に記載のようにして調製された)の100μl溶液を、12mlのポリプロピレン管に移し、これに、2〜5μgの上記消化されたプラスミドベクター及び250μlのポリエチレングリコール溶液(60%w/vのポリエチレングリコール(PEG)、10mMのトリス pH6.5、10mMのCaCl)を添加し、続いて軽く混合し、そして37℃で30分間インキュベートした。個々の形質転換反応を6mlのSTCにより希釈し、続いてCOVEプレート上に3種の別々のアリコートを添加した。次に、個々のプレートを、34℃で7〜10日間インキュベートした。得られる形質転換体を、個々のCOVEプレートに移し、そして34℃で5日間インキュベートした。胞子ストックを、胞子を0.1%TWEEN(登録商標)80に集めることにより調製した。培養物を、個々のグリセロールストック(800μlの胞子ストック、200μlの0.1%TWEEN(登録商標)80)を調製することにより貯蔵し、そして-80℃で凍結した。
実施例21:振盪フラスコ培養におけるリンゴ酸の生成:
実施例20に記載される個々の形質転換体(ShThl220)及び対照としてのアスペルギラス・オリザエNRRL3488からの胞子を、個々のPDAプレート上にプレートし、そして34℃で5〜7日間、胞子形成を可能にした。胞子を、0.05%TWEEN(登録商標)80に集めた。種培養物を、100mlの種培地Bを含む、250mlのフラスコにおいて調製し、そして300μlの胞子ストックにより接種した。種培養物を、200rpmで振盪しながら、30℃で約22時間、増殖した。酸生成培養物を、50mlの酸生成培地C及び3mlの17時間種培養物を含む、250mlのバッフル無しのフラスコにおいて調製した。培養物を、200rpmで振盪しながら、30℃で3日間インキュベートした。
異種アスペルギラス・テレウス C4ジカルボン酸トランスポータータンパク質遺伝子atc4tを含むアスペルギアス・オリザエShTh1220形質転換体は、アスペルギラス・オリザエNRRL3488対照に比較して、1.9倍までの力価でのリンゴ酸上昇をもたらした。
実施例22:アスペルギラス・オリザエShTh1220株の発酵:
アスペルギラス・オリザエShThl220-ll、ShThl220-22 及びShThl220-25を、PDAプレート上で34℃で約7日間、増殖した。0.2%のTWEEN(登録商標)80を含む50mMの無菌リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)の5〜6mlの体積を、個々のプレートに添加し、そして胞子を、接種用ループにより削り落とすことにより懸濁した。個々の懸濁された胞子を、ピペットにより、50mlの円錐形管に移した。個々の管に関して、25mlの50mMの無菌リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)(0.2%のTWEEN(登録商標)80を含む)を、75mlの種培地を含む、500mlのバッフルなしのフラスコに添加し、次にこれを2mlの胞子懸濁液により接種した。種培地は、40gのグルコース、 6gのBactoペプトン、0.75 gの KH2P04、0.75gのK2HP04、0.1 g のMgS04・7H20、 0.1 gの CaCl2・2H20、 0.005 gの FeS04・7H20、 0.005 gの NaCl、及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成された。次に、フラスコを34℃及び180rpmで約24時間インキュベートした。3種の種フラスコを組合し、タンク当り144mlの接種物を供給した。1.8Lの培地を含む3Lの発酵器を、アスペルギラス・オリザエ形質転換体ShThl220-ll、アスペルギラス・オリザエ形質転換体ShThl220-22、又はアスペルギラス・オリザエ形質転換体ShThl220-25のいずれかの3種の組合された種フラスコからの144ml(8%)の種培養物ブイヨンを導入することにより、選択の菌株によりそれぞれ接種した。培地は、60gのグルコース、120g のCaC03、 9gの Bactoペプトン、0.150 gの KH2P04、 0.150 gの K2HP04、 0.10 gの MgSO・7H20、 0.10 gの CaCl2・2H20、0.005 gの FeS04・7H20、0.005 g のNaCl、1.22mgのビオチン及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成された。
発酵器を、34±0.1℃で平衡化し、そして500rpmで撹拌した。入口空気流を1v/v/mで維持した。酸又は塩基添加は、pH調節のために使用されなかった。25%グルコースから成る供給物を、約43時間で開始して、約7.3g/時の速度で発酵中の個々のタンクに投与した。約92時間の発酵の後、供給速度を、約9.3 g/時に早め、そして次に、約164時間で約7.3g/時に戻した。追加の100gのCaCO3を、発酵の5日間、個々のタンクに導入した。サンプルを毎日、採取し、そしてリンゴ酸生成について分析した。発酵は、8日後に完結された。
実施例23:発酵のリンゴ酸のHPLC定量化:
実施例22の発酵についてのリンゴ酸の定量化を、実施例5に記載のようにして実施した。
表4は、ShTh1040-22のリンゴ酸生成に比較して、アスペルギラス・オリザエ形質転換体ShThl220-ll、ShThl220-22及び ShThl220-25の相対的リンゴ酸力価を示す。個々の形質転換体の相対的ランキングは、ShTh1220形質転換体(異種アスペルギラス・テレウスC4ジカルボン酸トランスポータータンパク質遺伝子atc4tを含む)がShTh1040形質転換体(異種mae3 C4ジカルボン酸とアンスポーター遺伝子を含み、そして異種C4ジカルボン酸トランスポーターを欠いているアスペルギラス・オリザエNRRL3488対照よりも高められた力価を有することが実施例7に示されている)に類似するリンゴ酸力価を生成したことを示すことにより、振盪フラスコ結果と一致する。
Figure 2013503631
実施例24:シゾサッカロミセス・ポンベC4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子のクローニング及び発現ベクターpSaMF27の構成:
推定上のシゾサッカロミセス・ポンベC4ジカルボン酸トランスポータータンパク質遺伝子mae1(GenBank: U21002.1)を、アスペルギラス・オリザエにおける発現のためにコドン最適化し、そしてp0941304_sspMAEl_pMK中に合成的に構成した(図14; GENEART, Burlingame, CA, USA)。mae1遺伝子を、下記に示されるプライマー068320及び068808を用いて、p0941304_sspMAEl_pMKから増幅した:
プライマー068320 :
5'-GAACATCGTCCATAATGGGAGAATTGAAGGAAATTC-3' (配列番号40)
プライマー068808 :
5'-GGTGTCAGTCACCTCTAGTTATTATTAGACCGACTCGTGT-3' (配列番号41)。
PCR反応は、5 μlの 10X反応緩衝液、 1μlの 0941304_sspMAEl_pMK 鋳型 (50 ng/μl)、 1μl のプライマー 068320 (100 ng/μl)、 1μlのプライマー068808 (100 ng/μl)、 1μlの dNTP 混合物(10 mM)、 45.5μlの 脱イオン水、及び0.5μl のHerculase(登録商標) HotStart DNA ポリメラーゼから構成された。増幅反応を、次のようにプログラムされたEPPENDORF(登録商標) MASTERCYCLER(登録商標)においてインキュベートした:95℃で2分、1サイクル;それぞれ、95℃で10秒、55℃で30秒及び72℃で1.5分、10サイクル;それぞれ、95℃で10秒、55℃で30秒及び72℃で1.5分+10秒(サイクル当たり)、20サイクル。PCR反応を、DpnIによる制限消化に1時間ゆだね、いずれかのプラスミドDNA鋳型を劣化し、次にQiagen MinElute(登録商標) PCR精製キットを用いて精製した。
プラスミドpShTh60(図1)を、Sex AI及びPac Iにより消化し、次にTBE緩衝液中、0.8%アガロースゲル電気泳動により分離し、そしてQIAQUICK(登録商標)ゲル抽出キットを用いて精製した。次に、精製されたPCR生成物を、2μl の5X 緩衝液、 0.5μl の精製されたPCR 生成物 (148 ng/μl)、2.5μlの 消化されそしてゲル精製されたpShTh60 (78 ng/μl)、1μlの InFusionTM酵素及び 4μl 脱イオン水から構成される反応において、In-Fusion AdvantageTM反応キットを用いて、前記消化されたベクターに5分間、配置し、そして40μlのTE緩衝液により希釈し、pSaMF27(図15)をもたらした。
上記連結反応の2μlアリコートを用いて、ONE SHOT(登録商標) TOP10化学的コンピテントE.コリ細胞を、その製造業者の説明書に従って形質転換した。形質転換体を、2×YT+ampプレート上にプレートし、そして37℃で一晩インキュベートした。得られる形質転換体を採取し、そしてプライマー065067及び996270(上記例を参照のこと)を用いて、DNA配列決定にゆだね、mae1遺伝子がベクター中に都合良く組込まれたことを確かめた。
シゾサッカロミセス・ポンベmae1遺伝子のコドン最適化されたヌクレオチド配列(CO)、推定されるアミノ酸配列及び野生型ヌクレオチド配列(WT)が図16A及び16B(それぞれ、配列番号35、36及び37)に示される。そのコード配列は1317bp(停止コドンを含む)である。コードされる推定タンパク質は、439個のアミノ酸であり、そして49.4kDaの予測される質量及び8.24の等電点pHを有する。遺伝子はイントロンを含まない。SignalP プログラム(Nielsen などl., 1997, Protein Engineering 10: 1-6)を用いて、49個の残基のシグナルペプチドを推定した。このプログラムに基づいて、推定される成熟タンパク質は389個のアミノ酸を含み、そして43.7kDaの予測される分子質量及び7.67の等電点pHを有する。
実施例25:pSaMF27を用いてのアスペルギラス・オリザエNRRL3488の形質転換:
実施例24におけるpSaMF27ベクターを、Pme Iによる37℃での1時間の制限消化により形質転換のために調製した。約5103bpの発現カセットを、TBE緩衝液中、0.8%アガロースゲル電気泳動及びQIAQUICK(登録商標) ゲル抽出キットにより、その製造業者の説明書に従って精製した。
3種の形質転換反応を調製した。個々の反応に関して、プロトプラスト調製物(実施例3に記載のようにして調製された)100μlを、12mlのポリプロピレン管に移した。これに、5μgのアンピシリンマーカーを有さない、線状化されたpSaMF27ベクター及び250μlのポリエチレングリコール(PEG)、10mMのトリス pH6.5、10mMのCaCl)を添加し、続いて軽く混合し、そして37℃で30分間インキュベートした。個々の形質転換反応を3mlのSTCにより希釈し、続いてCOVEプレート上にプレートした。次に、個々のプレートを、34℃で7〜10日間インキュベートした。得られる形質転換体を、個々のCOVEプレートに移し、そして34℃で5日間インキュベートした。胞子ストックを、胞子を0.1%TWEEN(登録商標)80に集めることにより調製した。培養物を、個々のグリセロールストック(800μlの胞子ストック、200μlの0.1%TWEEN(登録商標)80)を調製することにより貯蔵し、そして-80℃で凍結した。
実施例26:振盪フラスコ培養におけるリンゴ酸の生成:
実施例25に記載される個々の形質転換体及び対照としてのアスペルギラス・オリザエNRRL3488からの胞子を、個々のPDAプレート上にプレートし、そして34℃で5〜7日間、胞子形成を可能にした。胞子を、0.05%TWEEN(登録商標)80に集めた。種培養物を、100mlの種培地Bを含む、250mlのフラスコにおいて調製し、そして300μlの胞子ストックにより接種した。種培養物を、200rpmで振盪しながら、30℃で約22時間、増殖した。酸生成培養物を、50mlの酸生成培地C及び3mlの17時間種培養物を含む、250mlのバッフル無しのフラスコにおいて調製した。培養物を、200rpmで振盪しながら、30℃で3日間インキュベートした。
異種S.ポンベ C4ジカルボン酸トランスポータータンパク質遺伝子maelを含むアスペルギアス・オリザエSaMF27形質転換体は、アスペルギラス・オリザエNRRL3488対照に比較して、1.9倍までの力価でのリンゴ酸上昇をもたらした。
実施例27:アスペルギラス・オリザエSaMF27株の発酵:
アスペルギラス・オリザエShTh1040-44、SaMF27-2、SaMF27-4及びSaMF27-7を、PDAプレート上で34℃で約7日間、増殖した。0.2%のTWEEN(登録商標)80を含む50mMの無菌リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)の5〜6mlの体積を、個々のプレートに添加し、そして胞子を、接種用ループにより削り落とすことにより懸濁した。個々の懸濁された胞子を、ピペットにより、50mlの円錐形管に移した。個々の管に関して、25mlの50mMの無菌リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)(0.2%のTWEEN(登録商標)80を含む)を、75mlの種培地を含む、500mlのバッフルなしのフラスコに添加し、次にこれを2mlの胞子懸濁液により接種した。種培地は、40gのグルコース、 6gのBactoペプトン、0.75 gの KH2P04、0.75gのK2HP04、0.1 g のMgS04・7H20、 0.1 gの CaCl2・2H20、 0.005 gの FeS04・7H20、 0.005 gの NaCl、及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成された。次に、フラスコを34℃及び180rpmで約24時間インキュベートした。3種の種フラスコを組合し、タンク当り144mlの接種物を供給した。1.8Lの培地を含む3Lの発酵器を、アスペルギラス・オリザエ形質転換体ShTh 1040-44、アスペルギラス・オリザエ形質転換体SaMF27-2、アスペルギラス・オリザエ形質転換体SaMF27-4又はアスペルギラス・オリザエ形質転換体SaMF27-7のいずれかの3種の組合された種フラスコからの144ml(8%)の種培養物ブイヨンを導入することにより、選択の菌株によりそれぞれ接種した。培地は、120gのグルコース、120g のCaC03、 9gの Bactoペプトン、0.150 gの KH2P04、 0.150 gの K2HP04、 0.10 gの MgSO・7H20、 0.10 gの CaCl2・2H20、0.005 gの FeS04・7H20、0.005 g のNaCl、1.22mgのビオチン及び全体を1Lにするための量の脱イオン水から構成された。
発酵器を、34±0.1℃で平衡化し、そして500rpmで撹拌した。入口空気流を1v/v/mで維持した。酸又は塩基添加は、pH調節のために使用されなかった。20%グルコースから成る供給物を、約43時間で開始して、約7.3g/時の速度で発酵中の個々のタンクに投与した。追加の100gのCaCO3を、発酵の5日目、個々のタンクに導入した。サンプルを毎日、採取し、そしてリンゴ酸生成について分析した。発酵は、8日後に完結された。
実施例28:発酵のリンゴ酸のHPLC定量化:
実施例27の発酵についてのリンゴ酸の定量化を、実施例5に記載のようにして実施した。
表5は、ShTh1040-44のリンゴ酸生成に比較して、アスペルギラス・オリザエ形質転換体SaMF27-2、SaMF27-4及びSaMF27-7の相対的リンゴ酸力価を示す。個々の形質転換体の相対的ランキングは、SaMF27形質転換体(異種S.ポンベC4ジカルボン酸トランスポータータンパク質遺伝子maelを含む)がShTh1040形質転換体(異種mae3 C4ジカルボン酸トランスポーター遺伝子を含み、そして異種C4ジカルボン酸トランスポーターを欠いているアスペルギラス・オリザエNRRL3488対照よりも高められた力価を有することが実施例7に示されている)に類似するリンゴ酸収率を示すことにより、振盪フラスコ結果と一致する。
Figure 2013503631
さらに、本発明は次の番号付けられたパラグラフにより記載され得る:
[1] (a)C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択された1又は複数(いくつか)のポリヌクレオチドを含む糸状菌宿主細胞を培養し、ここで前記糸状菌宿主細胞が、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸を分泌し(又は分泌することができ);そして(b)C4ジカルボン酸を回収することを含んで成る、C4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を生成するための方法。
[2] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、(a)配列番号8、34又は36と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むC4ジカルボン酸トランスポーター;(b)配列番号7、33、35、37又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(c)配列番号7、33、35又は37と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(d)配列番号8、34又は36の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むC4ジカルボン酸トランスポーター変異体;及び(e)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のC4ジカルボン酸トランスポーターのフラグメントから成る群から選択される、第1項記載の方法。
[3] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号8と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第1又は2項記載の方法。
[4] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号34と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第1〜3のいずれか1項記載の方法。
[5] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号36と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第1〜4のいずれか1項記載の方法。
[6] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号7又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第1〜5のいずれか1項記載の方法。
[7] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号33又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第1〜6のいずれか1項記載の方法。
[8] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号35或いは37又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第1〜7のいずれか1項記載の方法。
[9] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号7と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりによりコードされる、第1〜8のいずれか1項記載の方法。
[10] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号33と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりによりコードされる、第1〜9のいずれか1項記載の方法。
[11] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号35又は37と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりによりコードされる、第1〜8のいずれか1項記載の方法。
[12] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号8を含むか又はそれから成る、第1〜11のいずれか1項記載の方法。
[13] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号34を含むか又はそれから成る、第1〜11のいずれか1項記載の方法。
[14] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号36を含むか又はそれから成る、第1〜11のいずれか1項記載の方法。
[15] C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする前記異種第1ポリヌクレオチドが、前記第1ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、第1〜14のいずれか1項記載の方法。
[16] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(a)配列番号18又は20と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(b)(i)配列番号17又は19、(ii) 配列番号17又は19に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(c)配列番号17又は19と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(d)配列番号18又は20の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体;及び(e)リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のリンゴ酸デヒドロゲナーゼのフラグメントから成る群から選択される、第1〜15のいずれか1項記載の方法。
[17] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第1〜16のいずれか1項記載の方法。
[18] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号20と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第1〜17のいずれか1項記載の方法。
[19] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(i)配列番号17、(ii) 配列番号17に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第1〜18のいずれか1項記載の方法。
[20] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(i)配列番号19、(ii) 配列番号19に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第1〜19のいずれか1項記載の方法。
[21] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号17と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる、第1〜20のいずれか1項記載の方法。
[22] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号19と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる、第1〜21のいずれか1項記載の方法。
[23] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18を含むか又はそれから成る、第1〜22のいずれか1項記載の方法。
[24] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号20を含むか又はそれから成る、第1〜22のいずれか1項記載の方法。
[25] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(i)配列番号18のアミノ酸位置2〜17に相当するか又は対応する位置での欠失又はその一部、及び(ii)配列番号18のアミノ酸48に相当する位置での置換を含む親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体であり;ここで前記欠失及び置換はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体のインビボでのミトコンドリア移入を低め、それにより、サイドゾルにおけるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体のレベルを高め、そして前記糸状菌宿主細胞が、同じ条件下で培養される場合、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードするポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸(例えばリンゴ酸)を分泌する(分泌できる)、第1〜15のいずれか1項記載の方法。
[26] 前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(a)配列番号18と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(b)配列番号17又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;及び(c)配列番号17と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼから成る群から選択される、第25項記載の方法。
[27] 前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18を含むか又はそれから成る、第26項記載の方法。
[28] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体が、配列番号18のアミノ酸配列と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第25〜27のいずれか1項記載の方法。
[29] 前記変異体が、配列番号18の欠失Phe2* + Ala3* + Ala4* + Arg5* + Gln6* + Ser7* + Phe8*. Asn9* + Leu 10* + Leu11* + Gln12* + Lys13* + Arg 14* + Ala 15* + Phe16* + Ser17*、及び配列番号18の置換Arg48Tyrを含む、第25〜28のいずれか1項記載の方法。
[30] リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする前記異種第2ポリヌクレオチドが、前記第2ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、第1〜29のいずれか1項記載の方法。
[31] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、(a)配列番号27と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むピルビン酸カルボキシラーゼ;(b)(i)配列番号26、(ii) 配列番号26に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;(c)配列番号26と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;(d)配列番号26の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むピルビン酸カルボキシラーゼ変異体;及び(e)ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のピルビン酸カルボキシラーゼのフラグメントから成る群から選択される、第1〜30のいずれか1項記載の方法。
[32] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号27と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第1〜31のいずれか1項記載の方法。
[33] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、(i)配列番号26、(ii) 配列番号26に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第1〜32のいずれか1項記載の方法。
[34] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号26と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる、第1〜33のいずれか1項記載の方法。
[35] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号27を含むか又はそれから成る、第1〜34のいずれか1項記載の方法。
[36] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、ミトコンドリアピルビン酸カルボキシラーゼの変異体である、第1〜35のいずれか1項記載の方法。
[37] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドが、第3ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、第1〜36のいずれか1項記載の方法。
[38] 前記糸状菌宿主細胞が、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチドを含む、第1〜37のいずれか1項記載の方法。
[39] 前記糸状菌宿主細胞が、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチドを含む、第1〜37のいずれか1項記載の方法。
[40] 前記糸状菌宿主細胞が、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第1〜37のいずれか1項記載の方法。
[41] 前記糸状菌宿主細胞が、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチドを含む、第1〜37のいずれか1項記載の方法。
[42] 前記糸状菌宿主細胞が、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第1〜37のいずれか1項記載の方法。
[43] 前記糸状菌宿主細胞が、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド、及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第1〜37のいずれか1項記載の方法。
[44] 前記糸状菌宿主細胞が、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド、及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第1〜37のいずれか1項記載の方法。
[45] 前記糸状菌宿主細胞が、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、ビジェルカンデラ(Bjerkandera)、セリポリオプシス(Ceriporiopsis)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、 コプリナス(Coprinus)、コリオラス(Coriolus)、クリプトコーカス(Cryptococcus)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、マグナポリス(Magnaporthe)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネオカノマスチックス(Neocallimastix)、ネウロスポラ(Neurospora)、パエシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ファネロカエテ(Phanerochaete)、フィレビア(Phlebia)、ピロマイセス(Piromyces)、プレウロタス(Pleurotus)、 リゾパス(Rhizopus)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロマイセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、トラメテス(Trametes)又はトリコダーマ(Trichoderma)細胞から成る群から選択される、第1〜44のいずれか1項記載の方法。
[46] 前記糸状菌宿主細胞が、アスペルギラス宿主細胞、例えばアスペルギラス・オリザエである、第45項記載の方法。
[47] 前記C4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)のレベルが、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%又は500%、高められる、第1〜46のいずれか1項記載の方法。
[48] (a)C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択された1又は複数(いくつか)のポリヌクレオチドを用いて、糸状菌宿主細胞を形質転換し、ここで前記糸状菌宿主細胞は、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸を分泌し(又は分泌することができ);(b)前記形質転換された糸状菌宿主細胞を培地において培養し;そして(c)C4ジカルボン酸を回収することを含んで成る、C4ジカルボン酸(例えばリンゴ酸)生成を高めるための方法。
[49] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、(a)配列番号8、34又は36と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むC4ジカルボン酸トランスポーター;(b)配列番号7、33、35、37又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(c)配列番号7、33、35又は37と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(d)配列番号8、34又は36の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むC4ジカルボン酸トランスポーター変異体;及び(e)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のC4ジカルボン酸トランスポーターのフラグメントから成る群から選択される、第48項記載の方法。
[50] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号8と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第48又は49項記載の方法。
[51] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号34と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第48〜50のいずれか1項記載の方法。
[52] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号36と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第48〜51のいずれか1項記載の方法。
[53] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号7又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第48〜52のいずれか1項記載の方法。
[54] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号33又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第48〜53のいずれか1項記載の方法。
[55] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号35或いは37又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第48〜54のいずれか1項記載の方法。
[56] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号7と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりによりコードされる、第48〜55のいずれか1項記載の方法。
[57] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号33と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりによりコードされる、第48〜56のいずれか1項記載の方法。
[58] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号35又は37と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりによりコードされる、第48〜57のいずれか1項記載の方法。
[59] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号8を含むか又はそれから成る、第48〜58のいずれか1項記載の方法。
[60] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号34を含むか又はそれから成る、第48〜59のいずれか1項記載の方法。
[61] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号36を含むか又はそれから成る、第48〜58のいずれか1項記載の方法。
[62] C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする前記異種第1ポリヌクレオチドが、前記第1ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、第48〜61のいずれか1項記載の方法。
[63] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(a)配列番号18又は20と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(b)(i)配列番号17又は19、(ii) 配列番号17又は19に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(c)配列番号17又は19と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(d)配列番号18又は20の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体;及び(e)リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のリンゴ酸デヒドロゲナーゼのフラグメントから成る群から選択される、第48〜62のいずれか1項記載の方法。
[64] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第48〜63のいずれか1項記載の方法。
[65] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号20と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第48〜64のいずれか1項記載の方法。
[66] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(i)配列番号17、(ii) 配列番号17に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第48〜65のいずれか1項記載の方法。
[67] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(i)配列番号19、(ii) 配列番号19に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第48〜66のいずれか1項記載の方法。
[68] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号17と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる、第48〜67のいずれか1項記載の方法。
[69] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号19と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる、第48〜68のいずれか1項記載の方法。
[70] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18を含むか又はそれから成る、第48〜69のいずれか1項記載の方法。
[71] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号20を含むか又はそれから成る、第48〜69のいずれか1項記載の方法。
[72] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(i)配列番号18のアミノ酸位置2〜17に相当するか又は対応する位置での欠失又はその一部、及び(ii)配列番号18のアミノ酸48に相当する位置での置換を含む親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体であり;ここで前記欠失及び置換はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体のインビボでのミトコンドリア移入を低め、それにより、サイドゾルにおけるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体のレベルを高め、そして前記糸状菌宿主細胞が、同じ条件下で培養される場合、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードするポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸例えばリンゴ酸を分泌する(分泌できる)、第48〜71のいずれか1項記載の方法。
[73] 前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(a)配列番号18と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(b)配列番号17又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;及び(c)配列番号17と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼから成る群から選択される、第72項記載の方法。
[74] 前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18を含むか又はそれから成る、第73項記載の方法。
[75] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体が、配列番号18のアミノ酸配列と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第72〜74のいずれか1項記載の方法。
[76] 前記変異体が、配列番号18の欠失Phe2* + Ala3* + Ala4* + Arg5* + Gln6* + Ser7* + Phe8*. Asn9* + Leu 10* + Leu11* + Gln12* + Lys13* + Arg 14* + Ala 15* + Phe16* + Ser17*、及び配列番号18の置換Arg48Tyrを含む、第72〜75のいずれか1項記載の方法。
[77] リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする前記異種第2ポリヌクレオチドが、前記第2ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、第48〜76のいずれか1項記載の方法。
[78] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、(a)配列番号27と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むピルビン酸カルボキシラーゼ;(b)(i)配列番号26、(ii) 配列番号26に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;(c)配列番号26と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;(d)配列番号27の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むピルビン酸カルボキシラーゼ変異体;及び(e)ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のピルビン酸カルボキシラーゼのフラグメントから成る群から選択される、第48〜77のいずれか1項記載の方法。
[79] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号27と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第48〜78のいずれか1項記載の方法。
[80] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、(i)配列番号26、(ii) 配列番号26に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第48〜79のいずれか1項記載の方法。
[81] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号26と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる、第48〜80のいずれか1項記載の方法。
[82] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号27を含むか又はそれから成る、第48〜81のいずれか1項記載の方法。
[83] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、ミトコンドリアピルビン酸カルボキシラーゼの変異体である、第48〜82のいずれか1項記載の方法。
[84] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドが、第3ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、第48〜83のいずれか1項記載の方法。
[85] 前記糸状菌宿主細胞が、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチドを含む、第48〜84のいずれか1項記載の方法。
[86] 前記糸状菌宿主細胞が、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチドを含む、第48〜84のいずれか1項記載の方法。
[87] 前記糸状菌宿主細胞が、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第48〜84のいずれか1項記載の方法。
[88] 前記糸状菌宿主細胞が、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチドを含む、第48〜84のいずれか1項記載の方法。
[89] 前記糸状菌宿主細胞が、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第48〜84のいずれか1項記載の方法。
[90] 前記糸状菌宿主細胞が、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド、及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第48〜84のいずれか1項記載の方法。
[91] 前記糸状菌宿主細胞が、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド、及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第48〜84のいずれか1項記載の方法。
[92] 前記糸状菌宿主細胞が、アクレモニウム、アスペルギラス、アウレオバシジウム、ビジェルカンデラ、セリポリオプシス、クリソスポリウム、 コプリナス、コリオラス、クリプトコーカス、フィリバシジウム、フサリウム、ヒューミコラ、マグナポリス、ムコル、ミセリオプソラ、ネオカノマスチックス、ネウロスポラ、パエシロミセス、ペニシリウム、ファネロカエテ、フィレビア、ピロマイセス、プレウロタス、 リゾパス、シゾフィラム、タラロマイセス、サーモアスカス、チエラビア、トリポクラジウム、トラメテス又はトリコダーマ細胞から成る群から選択される、第48〜91のいずれか1項記載の方法。
[93] 前記糸状菌宿主細胞が、アスペルギラス宿主細胞、例えばアスペルギラス・オリザエである、第92項記載の方法。
[94] 前記C4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)のレベルが、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%又は500%、高められる、第48〜93のいずれか1項記載の方法。
[95] C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドから成る群から選択された1又は複数(いくつか)のポリヌクレオチドを含む糸状菌宿主細胞(ここで前記糸状菌宿主細胞は、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)を分泌する(分泌できる))。
[96] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、(a)配列番号8、34又は36と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むC4ジカルボン酸トランスポーター;(b)配列番号7、33、35、37又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(c)配列番号7、33、35又は37と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;(d)配列番号8、34又は36の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むC4ジカルボン酸トランスポーター変異体;及び(e)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のC4ジカルボン酸トランスポーターのフラグメントから成る群から選択される、第95項記載の糸状菌宿主細胞。
[97] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号8と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第95又は96項記載の糸状菌宿主細胞。
[98] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号34と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第95〜97のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[99] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号36と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第95〜98のいずれか1項記載の方法。
[100] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号7又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第95〜99のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[101] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号33又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第95〜100のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[102] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号35或いは37又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第95〜101のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[103] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号7と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりによりコードされる、第95〜102のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[104] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号33と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりによりコードされる、第95〜103のいずれか1項記載の方法。
[105] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号35又は37と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりによりコードされる、第95〜104のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[106] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号8を含むか又はそれから成る、第95〜105のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[107] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号34を含むか又はそれから成る、第95〜105のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[108] 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号36を含むか又はそれから成る、第95〜105のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[109] C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする前記異種第1ポリヌクレオチドが、前記第1ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、第95〜108のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[110] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(a)配列番号18又は20と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(b)(i)配列番号17又は19、(ii) 配列番号17又は19に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(c)配列番号17又は19と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(d)配列番号18又は20の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体;及び(e)リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のリンゴ酸デヒドロゲナーゼのフラグメントから成る群から選択される、第95〜109のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[111] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第95〜110のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[112] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号20と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第95〜111のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[113] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(i)配列番号17、(ii) 配列番号17に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第95〜112のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[114] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(i)配列番号19、(ii) 配列番号19に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第95〜113のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[115] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号17と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる、第95〜114のいずれか1項記載の方法。
[116] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号19と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる、第95〜115のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[117] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18を含むか又はそれから成る、第95〜116のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[118] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号20を含むか又はそれから成る、第95〜116のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[119] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(i)配列番号18のアミノ酸位置2〜17に相当するか又は対応する位置での欠失又はその一部、及び(ii)配列番号18のアミノ酸48に相当する位置での置換を含む親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの変異体であり;ここで前記欠失及び置換はリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体のインビボでのミトコンドリア移入を低め、それにより、サイドゾルにおけるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体のレベルを高め、そして前記糸状菌宿主細胞が、同じ条件下で培養される場合、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体をコードするポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸例えばリンゴ酸を分泌する(分泌できる)、第95〜109のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[120] 前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(a)配列番号18と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(b)配列番号17又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;及び(c)配列番号17と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼから成る群から選択される、第119項記載の糸状菌宿主細胞。
[121] 前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号73を含むか又はそれから成る、第120項記載の糸状菌宿主細胞。
[122] 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体が、配列番号18のアミノ酸配列と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第119〜121のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[123] 前記変異体が、配列番号18の欠失Phe2* + Ala3* + Ala4* + Arg5* + Gln6* + Ser7* + Phe8*. Asn9* + Leu 10* + Leu11* + Gln12* + Lys13* + Arg 14* + Ala 15* + Phe16* + Ser17*、及び配列番号18の置換Arg48Tyrを含む、第119〜122のいずれか1項記載の方法。
[124] リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする前記異種第2ポリヌクレオチドが、前記第2ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、第119〜123のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[125] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、(a)配列番号27と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むピルビン酸カルボキシラーゼ;(b)(i)配列番号26、(ii) 配列番号26に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;(c)配列番号26と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;(d)配列番号27の成熟ポリペプチドの1又は複数(いくつかの)のアミノ酸の置換、置換、欠失及び/又は挿入を含むピルビン酸カルボキシラーゼ変異体;及び(e)ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のピルビン酸カルボキシラーゼのフラグメントから成る群から選択される、第95〜124のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[126] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号27と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第95〜125のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[127] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、(i)配列番号26、(ii) 配列番号26に含まれるcDNA配列、又は(iii) (i)又は(ii)の十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、第95〜126のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[128] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号26と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる、第95〜127のいずれか1項記載の方法。
[129] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号27を含むか又はそれから成る、第95〜128のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[130] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、ミトコンドリアピルビン酸カルボキシラーゼの変異体である、第95〜129のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[131] 前記ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドが、第2ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、第95〜130のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[132] C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチドを含む、第95〜131のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[133] リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチドを含む、第95〜131のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[134] ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第95〜131のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[135] C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチドを含む、第95〜131のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[136] C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第95〜131のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[137] リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド、及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第95〜131のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[138] C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチド、リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチド、及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、第95〜131のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[139] アクレモニウム、アスペルギラス、アウレオバシジウム、ビジェルカンデラ、セリポリオプシス、クリソスポリウム、 コプリナス、コリオラス、クリプトコーカス、フィリバシジウム、フサリウム、ヒューミコラ、マグナポリス、ムコル、ミセリオプソラ、ネオカノマスチックス、ネウロスポラ、パエシロミセス、ペニシリウム、ファネロカエテ、フィレビア、ピロマイセス、プレウロタス、 リゾパス、シゾフィラム、タラロマイセス、サーモアスカス、チエラビア、トリポクラジウム、トラメテス又はトリコダーマ細胞から成る群から選択される、第95〜138のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[140] 前記糸状菌宿主細胞が、アスペルギラス宿主細胞、例えばアスペルギラス・オリザエである、第139項記載の糸状菌宿主細胞法。
[141] 前記C4ジカルボン酸(例えば、リンゴ酸)のレベルが、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーター、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ及びピルビン酸カルボキシラーゼをコードする1又は複数(いくつか)の異種ポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%又は500%、高められる、第95〜140のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞。
[142] (i)配列番号18のアミノ酸位置2〜17相当する位置での欠失又はその一部、及び(ii)配列番号18のアミノ酸48に相当する位置での置換を含む、親リンゴ酸デヒドロゲナーゼの単離された変異体。
[143] 前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、(a)配列番号18と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;(b)配列番号17又はその十分な長さの相補的鎖と、少なくとも低い緊縮条件、例えば中位の緊縮条件、中位の高い緊縮条件、高い緊縮条件又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;及び(c)配列番号17と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼから成る群から選択される、第142項記載の変異体。
[144] 前記親リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18を含むか又はそれから成る、第142項記載の変異体。
[145] 親リンゴ酸デヒドロゲナーゼのアミノ酸配列と、少なくとも60%の配列同一性、例えば少なくとも 65%、少なくとも 70%、 少なくとも 75%、 少なくとも 80%、 少なくとも 85%、 少なくとも 90%、 少なくとも 95%、 少なくとも 96%、 少なくとも 97%、 少なくとも 98%、 少なくとも 99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、第142〜144のいずれか1項記載の変異体。
[145] 配列番号18の欠失Phe2* + Ala3* + Ala4* + Arg5* + Gln6* + Ser7* + Phe8*. Asn9* + Leu 10* + Leu11* + Gln12* + Lys13* + Arg 14* + Ala 15* + Phe16* + Ser17*、及び配列番号18の置換Arg48Tyrを含む、第142〜145のいずれか1項記載の変異体。
[146] 第142〜146のいずれか1項の変異体をコードする単離されたポリヌクレオチド。
[147] 第147項のポリヌクレオチドを含む核酸構造体。
[148] 第147項のポリヌクレオチドを含む組換え発現バクター。
[149] 第147項のポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞。
[150] 前記C4ジカルボン酸がリンゴ酸である、第1〜94のいずれか1項の方法。
[151] 前記C4ジカルボン酸がリンゴ酸である、第95〜140のいずれか1項の糸状菌宿主細胞。
本明細書に記載される発明は、本明細書に開示される特許の態様により範囲を限定されるものではない。何故ならば、それらの態様は本発明のいくつかの観点を例示するものである。いずれかの同等の態様が本発明の範囲内で意図される。実際、本明細書に示され、そして記載されるそれらの修飾の他に、本発明の種々の修飾は、前述の記載から当業者に明らかになるであろう。そのような修飾はまた本発明の範囲内にある。

Claims (20)

  1. C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチドを含む糸状菌宿主細胞であって、前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、
    (a)配列番号8、34又は36と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むC4ジカルボン酸トランスポーター;
    (b)配列番号7、33、35、37又はその完全な長さの相補的鎖と低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;
    (c)配列番号7、33、35又は37と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるC4ジカルボン酸トランスポーター;
    (d)配列番号8、34又は36の成熟ポリペプチドの1又は数個(いくつかの)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含むC4ジカルボン酸トランスポーター変異体;及び
    (e)C4ジカルボン酸トランスポーター活性を有する、(a)、(b)、(c)又は(d)のC4ジカルボン酸トランスポーターのフラグメントから成る群から選択され;そして
    前記糸状菌宿主細胞が、同じ条件下で培養される場合、前記C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチドを含まない糸状菌宿主細胞に比較して、高められたレベルのC4ジカルボン酸を分泌できることを特徴とする糸状菌宿主細胞。
  2. 前記C4ジカルボン酸トランスポーターが、配列番号8、34又は36を含むか又はそれらから成る、請求項1に記載の糸状菌宿主細胞。
  3. 前記C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチドが、第3ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、請求項1又は2に記載の糸状菌宿主細胞。
  4. リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチドをさらに含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の糸状菌宿主細胞。
  5. 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、
    (a)配列番号18又は20と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;
    (b)(i)配列番号17又は19、(ii)配列番号17又は19に含まれるcDNA配列;又は(iii)(i)又は(ii)の完全な長さの相補的鎖と、低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;
    (c)配列番号17又は19と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;
    (d)配列番号18又は20の成熟ポリペプチドの1又は数個(いくつか)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含むリンゴ酸デヒドロゲナーゼ変異体;及び
    (e)リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性を有する、(a)(b)(c)又は(d)のリンゴ酸デヒドロゲナーゼのフラグメントから成る群から選択される、請求項4に記載の糸状菌宿主細胞。
  6. 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼが、配列番号18又は20を含むか又はそれらから成る、請求項4に記載の糸状菌宿主細胞。
  7. 前記リンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードする異種第2ポリヌクレオチドが、第2ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、請求項4〜6の何れか一項に記載の糸状菌宿主細胞。
  8. 前記糸状菌宿主細胞が、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドを含む、請求項1〜7の何れか一項に記載の糸状菌宿主細胞。
  9. 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、
    (a)配列番号27と少なくとも60%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むピルビン酸カルボキシラーゼ;
    (b)(i)配列番号26、(ii)配列番号26に含まれるcDNA配列;又は(iii)(i)又は(ii)の完全な長さの相補的鎖と、低緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;
    (c)配列番号26と少なくとも60%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるピルビン酸カルボキシラーゼ;
    (d)配列番号27の成熟ポリペプチドの1又は数個(いくつか)のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含むピルビン酸カルボキシラーゼ変異体;及び
    (e)ピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する、(a)(b)(c)又は(d)のピルビン酸カルボキシラーゼのフラグメントから成る群から選択される、請求項8に記載の糸状菌宿主細胞。
  10. 前記ピルビン酸カルボキシラーゼが、配列番号27を含むか又はそれらから成る、請求項8に記載の糸状菌宿主細胞。
  11. 前記ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種第3ポリヌクレオチドが、第3ポリヌクレオチドに対して外来性のプロモーターに操作可能的に結合される、請求項8〜10の何れか一項に記載の糸状菌宿主細胞。
  12. 前記宿主細胞が、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、ビジェルカンデラ(Bjerkandera)、セリポリオプシス(Ceriporiopsis)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、 コプリナス(Coprinus)、コリオラス(Coriolus)、クリプトコーカス(Cryptococcus)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、マグナポリス(Magnaporthe)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネオカノマスチックス(Neocallimastix)、ネウロスポラ(Neurospora)、パエシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ファネロカエテ(Phanerochaete)、フィレビア(Phlebia)、ピロマイセス(Piromyces)、プレウロタス(Pleurotus)、 リゾパス(Rhizopus)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロマイセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、トラメテス(Trametes)及びトリコダーマ(Trichoderma)細胞から成る群から選択される、請求項1〜11の何れか一項に記載の糸状菌宿主細胞。
  13. 前記宿主細胞が、アスペルギラス宿主細胞である、請求項12に記載の糸状菌宿主細胞。
  14. 前記宿主細胞が、アスペルギラス・オリザエである、請求項13に記載の糸状菌宿主細胞。
  15. 宿主細胞が、同じ条件下で培養される場合、C4ジカルボン酸トランスポーターをコードするポリヌクレオチドを有さない糸状菌宿主細胞に比較して、少なくとも50%以上、C4ジカルボン酸を分泌することができる、請求項1〜14の何れか一項に記載の糸状菌宿主細胞。
  16. 前記C4ジカルボン酸がリンゴ酸である、請求項1〜15の何れか一項に記載の糸状菌宿主細胞。
  17. (a)請求項1〜16のいずれか1項記載の糸状菌宿主細胞を培地において培養し;そして
    (b)C4ジカルボン酸を回収することを含んで成る、C4ジカルボン酸の生成方法。
  18. (a)C4ジカルボン酸トランスポーターをコードする異種第1ポリヌクレオチドを用いて、糸状菌宿主細胞を形質転換し、請求項1〜16の何れか一項に記載の糸状菌宿主細胞をもたらし;
    (b)前記形質転換された糸状菌宿主細胞を培地において培養し;そして
    (c)C4ジカルボン酸を回収することを含んで成る、C4ジカルボン酸生成の増強方法。
  19. 前記生成されるC4ジカルボン酸が、150g/l以上の濃度で存在する、請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記培地のpHが6.0〜7.0である、請求項17〜19の何れか一項に記載の方法。
JP2012527943A 2009-09-01 2010-08-27 糸状菌におけるリンゴ酸生成の改良方法 Expired - Fee Related JP5833553B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US23896209P 2009-09-01 2009-09-01
US61/238,962 2009-09-01
US32722410P 2010-04-23 2010-04-23
US61/327,224 2010-04-23
US35697110P 2010-06-21 2010-06-21
US61/356,971 2010-06-21
PCT/US2010/047002 WO2011028643A1 (en) 2009-09-01 2010-08-27 Methods for improving malic acid production in filamentous fungi

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013503631A true JP2013503631A (ja) 2013-02-04
JP5833553B2 JP5833553B2 (ja) 2015-12-16

Family

ID=43017152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012527943A Expired - Fee Related JP5833553B2 (ja) 2009-09-01 2010-08-27 糸状菌におけるリンゴ酸生成の改良方法

Country Status (10)

Country Link
US (3) US8741611B2 (ja)
EP (2) EP3103876A1 (ja)
JP (1) JP5833553B2 (ja)
CN (1) CN102597224B (ja)
AU (1) AU2010289725A1 (ja)
BR (1) BR112012004594A2 (ja)
CA (1) CA2772695A1 (ja)
DK (1) DK2473600T3 (ja)
MX (1) MX2012002532A (ja)
WO (1) WO2011028643A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018051837A1 (ja) * 2016-09-15 2018-03-22 花王株式会社 変異糸状菌、及びそれを用いたc4ジカルボン酸の製造方法

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103003298B (zh) 2010-06-04 2016-02-10 诺维信股份有限公司 在丝状真菌中产生c4二羧酸
CA2803343C (en) 2010-06-21 2018-08-07 Novozymes, Inc. Aspergillus aculeatus derived polypeptides having c4-dicarboxylic acid transporter activity and polynucleotides encoding same
IN2013CN00459A (ja) 2010-06-21 2015-07-03 Novozymes Inc
US8722387B2 (en) 2011-02-28 2014-05-13 Novozymes, Inc. Microorganisms for C4-dicarboxylic acid production
CN103917649A (zh) 2011-08-19 2014-07-09 诺维信股份有限公司 用于生产c4-二羧酸的重组微生物
CN104379734B (zh) 2012-05-18 2018-05-15 诺维信公司 具有改进的转化效率的细菌突变体
WO2014052630A1 (en) 2012-09-27 2014-04-03 Novozymes, Inc. Bacterial mutants with improved transformation efficiency
JP2016165225A (ja) 2013-07-09 2016-09-15 味の素株式会社 有用物質の製造方法
EP3257934A4 (en) * 2015-02-15 2019-10-16 Tianjin Institute Of Industrial Biotechnology, Chinese Academy of Sciences NEW DIBASIAN ORGANIC ACID PRODUCING STRAIN AND MANUFACTURE AND USE THEREOF
CN105861574B (zh) * 2016-04-25 2019-04-02 江南大学 一种利用米曲霉发酵产l-苹果酸的方法
CN106778062B (zh) * 2016-11-29 2019-04-02 西南大学 出芽短梗霉基因组尺度代谢网络模型及其应用
WO2019133632A1 (en) 2017-12-27 2019-07-04 St. Jude Children's Research Hospital Methods of treating disorders associated with castor
SG11202006047RA (en) 2017-12-27 2020-07-29 St Jude Childrens Res Hospital Inc Small molecule modulators of pantothenate kinases
CN111073864B (zh) * 2018-10-19 2022-06-28 中国科学院天津工业生物技术研究所 提高苹果酸产量的新突变蛋白
CN109628472A (zh) 2018-11-23 2019-04-16 山东理工大学 一种用于提高卷枝毛霉产油量的二羧酸转运体
CN109628473A (zh) * 2018-11-23 2019-04-16 山东理工大学 一种用于提高卷枝毛霉产油量的碳四二羧酸转运体
WO2021030835A1 (en) * 2019-08-12 2021-02-18 Zymergen Inc. Engineered biosynthetic pathways for production of 3-amino-4-hydroxybenzoic acid by fermentation
CN110734865B (zh) * 2019-12-02 2022-11-01 南京昊禾生物科技有限公司 一种低pH条件下高产苹果酸的黑曲霉基因工程菌株及应用
CN111269950B (zh) * 2020-02-26 2022-03-08 安徽丰原发酵技术工程研究有限公司 发酵生产l-苹果酸的培养基及其制备方法与应用
CN111676146B (zh) * 2020-07-03 2022-02-01 江南大学 一株耐酸酿酒酵母及其应用
EP4262814A1 (en) * 2020-12-16 2023-10-25 St. Jude Children's Research Hospital, Inc. Methods of treating disorders associated with castor
WO2023093794A1 (zh) * 2021-11-24 2023-06-01 中国科学院天津工业生物技术研究所 一种高产l-苹果酸的耐酸酵母菌株及其构建方法和应用
CN114806902B (zh) * 2022-05-12 2024-04-02 王玮 一种获取非转基因的里氏木霉定向基因工程改良株的方法和应用

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5536661A (en) * 1987-03-10 1996-07-16 Novo Nordisk A/S Process for the production of protein products in aspergillus
WO2008144626A1 (en) * 2007-05-18 2008-11-27 Microbia Precision Engineering, Inc. Malic acid production in recombinant yeast
WO2009011974A1 (en) * 2007-05-18 2009-01-22 Microbia Precision Engineering, Inc. Organic acid production by fungal cells
JP2009516526A (ja) * 2005-11-21 2009-04-23 テイト アンド ライル イングレディエンツ アメリカス インコーポレイテッド 組換え酵母におけるリンゴ酸の生産
WO2009065778A1 (en) * 2007-11-20 2009-05-28 Dsm Ip Assets B.V. Succinic acid production in a eukaryotic cell

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3063910A (en) 1960-02-03 1962-11-13 Kyowa Hakko Kogyo Kk Method of producing l-malic acid by fermentation
US5223409A (en) 1988-09-02 1993-06-29 Protein Engineering Corp. Directed evolution of novel binding proteins
IL99552A0 (en) 1990-09-28 1992-08-18 Ixsys Inc Compositions containing procaryotic cells,a kit for the preparation of vectors useful for the coexpression of two or more dna sequences and methods for the use thereof
DE4343591A1 (de) 1993-12-21 1995-06-22 Evotec Biosystems Gmbh Verfahren zum evolutiven Design und Synthese funktionaler Polymere auf der Basis von Formenelementen und Formencodes
US5605793A (en) 1994-02-17 1997-02-25 Affymax Technologies N.V. Methods for in vitro recombination
KR970703426A (ko) 1994-06-03 1997-07-03 제임스 쉐한 정제된 Myceliophthora 락카제 및 그것을 암호화 하는 핵산(PURIFIED MYCELIOPHTHORA LACCASES AND NUCLEIC ACIDS ENCODING SAME)
AU2705895A (en) 1994-06-30 1996-01-25 Novo Nordisk Biotech, Inc. Non-toxic, non-toxigenic, non-pathogenic fusarium expression system and promoters and terminators for use therein
US5766439A (en) 1996-10-10 1998-06-16 A. E. Staley Manufacturing Co. Production and recovery of organic acids
US20090119022A1 (en) * 1998-09-25 2009-05-07 Timberlake William E Emericella Nidulans Genome Sequence On Computer Readable Medium and Uses Thereof
US7504490B1 (en) * 1998-10-16 2009-03-17 Oscient Pharmaceuticals Corporation Nucleic acid and amino acid sequences relating to Apergillus fumigatus for diagnostics and therapeutics
ATE332968T1 (de) 1998-10-26 2006-08-15 Novozymes As Erstellung und durchmusterung von interessierenden dna-banken in zellen von filamentösen pilzen
EP2278016B1 (en) 1999-03-22 2012-09-26 Novozymes Inc. Promoter sequences derived from Fusarium Venenatum and uses thereof
JP2005500841A (ja) 2001-07-27 2005-01-13 アメリカ合衆国 オリゴヌクレオチドを用いるインビボ部位指定変異誘発のためのシステム
BRPI0506554A (pt) 2004-01-29 2007-02-27 Zeachem Inc recuperação de ácidos orgánicos
US8586330B2 (en) 2006-07-14 2013-11-19 Novozymes A/S Methods for producing secreted polypeptides having biological activity
EP2304039B1 (en) 2008-06-17 2019-08-21 Genomatica, Inc. Microorganisms and methods for the biosynthesis of fumarate, malate, and acrylate
CA2730595C (en) 2008-07-08 2014-12-16 Dsm Ip Assets B.V. Low ph dicarboxylic acid production
WO2010111344A2 (en) * 2009-03-24 2010-09-30 Microbia, Inc. Methods and microorganisms for production of c4-dicarboxylic acids
JP2012223091A (ja) 2009-08-25 2012-11-15 Ajinomoto Co Inc L−アミノ酸の製造法
WO2011066304A2 (en) 2009-11-25 2011-06-03 Codexis, Inc. Engineered beta-class carbonic anhydrase polypeptides and uses thereof
CA2803343C (en) * 2010-06-21 2018-08-07 Novozymes, Inc. Aspergillus aculeatus derived polypeptides having c4-dicarboxylic acid transporter activity and polynucleotides encoding same
IN2013CN00459A (ja) * 2010-06-21 2015-07-03 Novozymes Inc

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5536661A (en) * 1987-03-10 1996-07-16 Novo Nordisk A/S Process for the production of protein products in aspergillus
JP2009516526A (ja) * 2005-11-21 2009-04-23 テイト アンド ライル イングレディエンツ アメリカス インコーポレイテッド 組換え酵母におけるリンゴ酸の生産
WO2008144626A1 (en) * 2007-05-18 2008-11-27 Microbia Precision Engineering, Inc. Malic acid production in recombinant yeast
WO2009011974A1 (en) * 2007-05-18 2009-01-22 Microbia Precision Engineering, Inc. Organic acid production by fungal cells
WO2009065778A1 (en) * 2007-11-20 2009-05-28 Dsm Ip Assets B.V. Succinic acid production in a eukaryotic cell

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018051837A1 (ja) * 2016-09-15 2018-03-22 花王株式会社 変異糸状菌、及びそれを用いたc4ジカルボン酸の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DK2473600T3 (en) 2016-10-03
WO2011028643A1 (en) 2011-03-10
US20110053233A1 (en) 2011-03-03
CA2772695A1 (en) 2011-03-10
US8999685B2 (en) 2015-04-07
JP5833553B2 (ja) 2015-12-16
MX2012002532A (es) 2012-04-11
BR112012004594A2 (pt) 2016-06-21
AU2010289725A1 (en) 2012-04-05
EP3103876A1 (en) 2016-12-14
CN102597224B (zh) 2015-07-15
US8741611B2 (en) 2014-06-03
EP2473600B1 (en) 2016-06-29
US20140234925A1 (en) 2014-08-21
EP2473600A1 (en) 2012-07-11
US20150024446A1 (en) 2015-01-22
CN102597224A (zh) 2012-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5833553B2 (ja) 糸状菌におけるリンゴ酸生成の改良方法
US8663956B2 (en) Recombinant microorganisms for production C4-dicarboxylic acids
EP2582829B1 (en) Methods for improved c4-dicarboxylic acid production in filamentous fungi
US9447440B2 (en) Microorganisms for C4-dicarboxylic acid production
EP2576606B1 (en) C4 dicarboxylic acid production in filamentous fungi
EP2769985B1 (en) Aspergillus aculeatus derived polypeptides having C4-dicarboxylic acid transporter activity and polynucleotides encoding same
WO2020002575A1 (en) Polypeptides having pectin lyase activity and polynucleotides encoding same
WO2011161207A1 (en) Polynucleotides having promoter activity

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141202

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151029

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5833553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees