JP2013503265A - 鉄クロム合金の製造法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、合金から製造された半製品をサーモメカニカル処理することによる、ラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が析出した鉄クロム合金からの部品の製造法において、第一の工程において、合金を溶解焼鈍温度以上の温度で溶解焼鈍し、次いで、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却し、第二の工程において、半製品の機械加工を0.05〜99%の範囲で実施し、かつ後続の工程において、加工された半製品から完成された部品を0.1℃/分〜1000℃/分で加熱して550℃〜1000℃の適用温度にすることによって、ラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物を意図的かつ微細に分布させる方法に関する。

Description

本発明は、溶融冶金的に製造されたフェライト系鉄クロム合金に関する。
DE10025108A1には、Y、Ce、Zr、Hf及びAlの群からの少なくとも1の酸素親和性元素2質量%まで、酸化クロムと高温でMCr24型のスピネル相を形成するMn、Ni及びCoの群からの元素M 2質量%まで、Crをベースとする酸化物の導電性を向上させるTi、Hf、Sr、Ca及びZrの群からの他の元素2質量%までを含有する、酸化クロム形成性鉄合金を含む高温材料が記載されている。クロム含分は12〜28%の濃度範囲内で存在すべきである。前記高温材料のための利用分野は、高温形燃料電池におけるバイポーラプレートである。
EP1298228A1は、以下の組成:C 0.2%以下、Si 1%以下、Mn 1%以下、Ni 2%以下、Cr 15〜30%、Al 1%以下、Y 0.5%以下、SE 0.2%以下、及びZr 1%以下、鉄残分、及び製造に応じた不純物を有する高温形燃料電池のための鋼に関する。
前記の合金は共に耐熱性が低く、かつ700℃以上の温度に対する耐クリープ性が不十分である。しかしながら前記合金は、辛うじて700℃を上回って約900℃までの範囲内では傑出した耐酸化性及び耐食性を有している。
DE102006007598A1により、元素ニオブ、モリブデン、タングステン又はタンタルにより形成されていてよい少なくとも1の金属合金元素Mを有するFe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6型の金属間相の析出物を含む耐クリープ性フェライト鋼が公知である。前記鋼は、有利には燃料電池スタックにおけるバイポーラプレート用に使用されるべきである。
EP1536031A1により、以下:C ≦0.2%、Si 0.02〜1%、Mn ≦2%、Cr 10〜40%、Mo 0.03〜5%、Nb 0.1〜3%、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sn、Zr及びHfの群からの少なくとも1の元素 ≦1%、残分鉄、及び不可避の不純物を含有し、その際、前記組成が以下の式:0.1≦Mo/Nb≦30を満たすべきである、燃料電池のための金属材料が公知である。
EP1882756A1には、特に燃料電池に使用可能なフェライトクロム鋼が記載されている。該クロム鋼は、以下の組成:C 最大0.1%、Si 0.1〜1%、Mn 最大0.6%、Cr 15〜25%、Ni 最大2%、Mo 0.5〜2%、Nb 0.2〜1.5%、Ti 最大0.5%、Zr 最大0.5%、SE 最大0.3%、Al 最大0.1%、N 最大0.07%、残分Fe、及び溶融に応じた不純物を有しており、その際、Zr+Tiの含分は少なくとも0.2%である。
前記の全ての合金は、DE10025108A1及びEP1298228A2と比較して、特に、転位運動、ひいては材料の塑性変形を阻止する析出物の形成によって、700℃以上の温度での改善された耐熱性及び高められた耐クリープ性を有している。前記析出物は、例えばDE102006007598A1の場合には、ラーベス相、組成Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6(ここで、Mはニオブ、モリブデン、タングステン又はタンタルであってよい)を有する金属間化合物からなる。この場合、1〜8%、有利に2.5〜5%の体積割合が達成されることが好ましい。しかしながら、例えばEP1536031A1に記載されているような他の析出物、例えばFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子、又は、Nb、W、Moを有する炭化物も存在していてよい。前記の全ての粒子は、材料の変形を阻害する点で共通している。
上記の従来技術から、Y、Zr、Ti、Hf、Ce、La、及び、Fe−Cr合金の耐酸化性に強くプラスに影響を与え得る類似の反応性元素のわずかな添加は公知である。
DE102006007598A1、EP1536031A1及びEP1882756A1に記載されている合金は、高温形燃料電池のためのインターコネクタプレートとしての適用のために最適化されている:該インターコネクタプレートは、クロム10〜40%を有するフェライト合金の使用によって、セラミック部品アノード及び電解質に出来る限り適合された膨張係数を有する。
高温形燃料電池のインターコネクタ鋼に対する他の要求は、すでに上記したクリープ強度に加え、極めて良好な耐食性、酸化物層の良好な伝導性及びわずかなクロム蒸発である。
高温形燃料電池のための改質器及び熱交換器に対する要求は、出来る限り良好なクリープ強度、極めて良好な耐食性及びわずかなクロム蒸発である。酸化物は、上記部品に関しては伝導性でなくともよい。
例えば内燃機関の排気管のための部品、又は蒸気ボイラー、過熱器、タービンのための部品、及び発電所の他の部品に対する要求は、出来る限り良好なクリープ強度、極めて良好な耐食性である。ここで、クロム蒸発は燃料電池におけるような被毒現象を生じさせることがなく、かつ、保護酸化物はそのような部品に関しては伝導性でなくともよい。
DE102006007598A1において、例えば酸化クロム被覆層の形成によって卓越した耐食性が達成されている。付加的に、酸化クロム被覆層上にMn、Ni、Co又はCuを有するスピネルが生じることによって、カソードを被毒する揮発性の酸化クロムないしオキシ水酸化クロムの発生がより少なくなる。Siがラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6中で強固に結合することによって、酸化ケイ素からの非伝導性の下層が酸化クロム被覆層の下方に生じることもない。耐食性は、Al含分を低く抑え、かつアルミニウムの内部酸化による腐食の増大を回避することによって、更に改善される。わずかなTi添加物によって、付加的に表面の強化がもたらされ、かつ、酸化物層の膨らみ、及び、酸化を増大させる酸化物層への金属領域の封入が妨げられる。更に、酸素親和性元素、例えばLa、Ce、Y、Zr等の添加によって、耐食性が更に向上する。
市場から、特に、引張試験において室温で>13%のひずみの塑性変形として測定される許容可能な変形性の保持下に、少なくとも同等に良好な耐酸化性ないし耐食性を伴って脆性破壊を回避するための、適用温度での少なくとも18%のひずみでの高められた耐熱性及びクリープ強度と、合金の高められた使用温度とを要求する製品に対して、高い要求が課されている。
更に、以下の試験法が用いられる。
クリープにおいて、試験体を一定の温度で一定の静止した張力下におく。前記張力を、比較が可能となるように、初期試験体断面積に関する初期引張応力として示す。クリープ試験において、最も単純なケースでは、試験体の破断までの時間tB−破断時間−を測定する。その場合、試験を、試験の過程で試験体に関してひずみの測定をせずに実施することができる。その後、破断ひずみを試験の終了後に測定する。
試験体を室温でクリープ機に取り付け、かつ張力を負荷せずに所望の温度に加熱する。試験温度に達した後、試験体を負荷なしに1時間温度平衡に保持する。その後、試験体に張力を負荷し、かつ試験時間を開始する。
破断時間を、クリープ強度に関する尺度とみなすことができる。所定の温度及び初期引張応力での破断時間が長いほど、材料の耐クリープ性は高い。破断時間及びクリープ強度は、温度の上昇及び初期引張応力の増大に伴って低下する(例えば"Buergel"第100頁を参照のこと)。
変形性を、引張試験においてDIN 50145により室温で測定する。ここで、ひずみ限界Rp0.2、引張強さRM及び破断までのひずみを測定する。ひずみAを、破断した試験体に関して、元の測定距離L0の延長から決定する:
Figure 2013503265
ここで、Luは破断後の測定長である。
測定長に応じて、破断ひずみに指数を付与する:
Figure 2013503265
又は、例えば自由に選択された測定長L=100mmに関してAL=100。(d0 初期直径、S0 平面試験体の初期断面積)。室温での引張試験におけるひずみAの大きさを、変形性に関する尺度とみなすことができる。
ラーベス相ないしFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物を、金属組織学的研磨に際し、V2A酸洗液でのエッチング又はシュウ酸での電解エッチングにより視認可能とすることができる。V2A酸洗液でのエッチングの場合、更に、粒子ないし粒界が視認できるようにエッチングする。光学顕微鏡で観察した場合、約0.5μmのサイズ以上の粒子のみが視認可能である。より小さいものは識別できないものの、十分に存在はしている。金属組織学は補助的に説明のために用いたものであるため、措置の有効性は、実際的には破断時間ないしクリープ強度により評価される。
高温材料技術の手引書Ralf Buergel, 第3改訂版, Viehweg出版, 2006年12月(以下、"Buergel"とする)には、第196頁〜第199頁及び第3.7表に、"金属材料のクリープ強度の向上のために可能な措置"が記載されている。
以下の措置:
−"面心立方材料の高い溶融点"
−"高いEモジュラス"
−"低い積層欠陥エネルギーを有する材料"
は、言及されたパラメータを改善するために用いることはできない。それというのも、該措置は材料タイプの交換を必要とするが、それはここでは不可能でありかつ課題でもないためである。
以下の措置:
−"混晶硬化"
−"粒子硬化"
−"高い粒子体積割合"
−"当該合金元素のわずかな拡散係数を有する粒子"
は、DE102006007598A1及び/又はEP1536031A1及び/又はEP1882756A1に既に記載されている。
以下の措置:
−"マトリックス中でのわずかな溶解性を有する粒子"
−"マトリックスに対するわずかな界面エンタルピーを有する凝集粒子"
は、考慮の対象となる析出物には適用されない。
同様に、以下の措置:
−"粒界析出物としての炭化物又はホウ化物;酸化物及び硫化物を回避する"
−"プラスの効果を有する粒界元素を厳密に制御された計量供給で添加する、例えばB、C、Zr、Ce"
−"合金のより高い純度"
−"(例えばSのための)ゲッター元素を添加する"
−"高い耐食性"
は、既にDE102006007598A1及び/又はEP1536031A1及び/又はEP1882756A1に記載されている。
以下の措置:
−"鋳造組織におけるわずかなデンドライトアームスペーシング"
−"主要負荷方向での、方向付けられた粒子構造"
−"単結晶"
−"自重負荷された、及び回転する部品におけるわずかな密度"
は、前記合金タイプないし製造法ないし使用には適用できない。
析出硬化された鉄クロム合金のクリープ強度を改善するという課題のために、以下の措置:
1)"粗粒組織"
2)"析出物による粒界のかみ合い"
3)"最適化された熱処理(最適な粒径を調節する、鋳造組織における偏析を排除する、場合により粒界粗さを意図的に調節する)"
4)"冷間加工を回避する"
を考慮することができる。
本発明は、室温での許容可能な変形性を保持しながら、析出硬化されたフェライト合金の高い耐熱性ないしクリープ強度を従来技術に対して更に向上させることのできる、析出硬化された鉄クロム合金から生じる部品の製造法を提供することを課題としている。
更に、室温での許容可能な変形性を保持しながら、高い耐熱性ないしクリープ強度を達成するために使用することのできる、サーモメカニカル処理された鉄クロム合金からなる部品/半製品が提供されることが好ましい。
最終的に、そのようにして製造された部品/半製品を、550℃を上回る温度範囲内での実際的な技術利用ケースに利用できることが好ましい。
前記課題は、一方では、合金から製造された半製品をサーモメカニカル処理することによる、ラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が析出した鉄クロム合金からの部品の製造法において、第一の工程において、合金を溶解焼鈍温度以上の温度で溶解焼鈍し、次いで、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却し、第二の工程において、半製品の機械加工を0.05〜99%の範囲で実施し、かつ後続の工程において、加工された半製品から完成された部品を0.1℃/分〜1000℃/分で加熱して550℃〜1000℃の適用温度にすることによって、ラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物を意図的かつ微細に分布させる方法により解決される。
前記課題は、他方では、合金から製造された半製品をサーモメカニカル処理することによる、ラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が析出した鉄クロム合金からの部品の製造法において、第一の工程において、合金を溶解焼鈍温度以上の温度で溶解焼鈍し、次いで、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却し、第二の工程において、半製品の機械加工を0.05〜99%の範囲で実施し、かつ後続の工程において、加工された半製品をtmin〜tmaxの時間にわたり550℃〜1060℃の温度範囲内で保護ガス又は空気下に熱処理し、次いで静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却するか、又は800℃までの熱処理については炉内で冷却することによって、ラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物を意図的かつ微細に分布させ、ここで、tmin及びtmaxは以下の式:
Figure 2013503265
により算出されるものとし、かつ、所望の部品を前記熱処理の前又は後に完成させる方法により解決される。
時間tmin及びtmaxは分で示され、かつ熱処理温度Tは℃で示される。
本発明による方法の有利な態様は、従属の方法に応じた下位請求項に記載されている。
第一の工程には、溶解焼鈍のために以下の温度範囲及び時間:
>1050℃で6分超
>1060℃で1分超
が好適である。
材料特性の生じた変化については、更なる記載の過程で詳説する。
更に、前記課題は、以下の化学組成(質量%):
Cr 12〜30%
Mn 0.001〜2.5%
Nb 0.1〜2%
W 0.1〜5%
Si 0.05〜1%
C 0.002〜0.1%
N 0.002〜0.1%
S 最大で0.01%
Fe 残分
並びに、通常の溶融に条件付けられた不純物
からなる金属部品又は半製品であって、該金属部品又は半製品が、サーモメカニカル処理に引き続き、変形された組織構造を有しており、ここで、ラーベス相が微細に分布した形で該組織構造の組織転位に埋め込まれており、その際、例えば35MPaで750℃でのクリープ試験において、及び少なくとも18%のひずみで、粗粒状の完全に再結晶化した組織の破断時間を少なくとも1.5倍上回る破断時間が該組織構造において調節されている、金属部品又は半製品によっても解決される。
他の応力及び温度でのクリープ試験については同等の結果が得られ、その際、クリープ試験のための温度は有利には500〜1000℃の範囲内である。
ここで、上記の措置1〜4を考察する。
ここで驚異的にも、措置4"冷間加工"とは対照的に、予備加工及び後続の調節された焼鈍処理によって、クリープ試験において試験体の破断時間の延長を生じさせ得ることが判明し、この破断時間の延長は、粗粒組織(措置1)についての破断時間の1.5倍超、有利に3倍超である。
更に、第三の工程 −ラーベス相の析出− に関して、加工された半製品ないし場合により該半製品から完成された部品を0.1℃/分〜1000℃/分で550℃〜1060℃の熱処理温度にする加熱と、後続の、tmin〜tmaxの時間にわたる前記温度での保護ガス又は空気下での熱処理とを組合せ、次いで静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却するか、又は、800℃までの熱処理については炉内で冷却し、その後、場合により所望の部品を完成させることが提案され、その際、tmin及びtmaxは以下の式:
Figure 2013503265
により算出されるものとする。
更に、第三の工程 −ラーベス相の析出− に関して、半製品ないし該半製品から完成された部品を、tmin〜tmaxの時間にわたり550〜1060℃の温度範囲内で保護ガス又は空気下に熱処理し、次いで静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却するか、又は、800℃までの熱処理については炉内で冷却し、その後、場合により所望の部品を完成させ、その際、tmin及びtmaxは以下の式:
Figure 2013503265
により算出されるものとし、かつ、完成した部品を0.1℃/分〜1000℃/分で加熱することにより550℃〜1000℃の適用温度にすることが可能である。
本発明のもう1つの思想によれば、以下の組成(質量%):
Cr 12〜30%
Mn 0.001〜2.5%
Nb 0.1〜2%
W 0.1〜5%
Si 0.05〜1%
C 0.002〜0.03%
N 0.002〜0.03%
S 最大で0.01%
Fe 残分
並びに、通常の溶融に条件付けられた不純物
の合金からの半製品をサーモメカニカル処理する。
本発明による方法を用いて、半製品を、薄片、テープ、ロッド、鍛造部品、管又はワイヤの形で製造することができ、かつ、部品を各々の適用に必要な種々の形で完成させることができる。
溶解焼鈍温度以上の温度、有利に≧1050℃で6分超、あるいは>1060℃で1分超、溶解焼鈍し、次いで、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却した後、変形前の最終状態で、半製品において、ラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が、合金中にわずかに存在しているのみか、又は全く存在していないことが、特に有利である。
半製品の加工は、熱間加工により行うことができる。しかしながらまた、加工を冷間加工によりもたらすこともできる。
第一の場合、半製品を>1070℃の開始温度で熱間加工し、その際、該半製品を1000℃〜500℃で0.05〜95%機械的変形させ、有利に該半製品を1000℃〜500℃で0.5〜90%機械的変形させる。
第二の場合、半製品の冷間加工の程度は、0.05〜99%、有利に0.05〜95%又は0.05〜90%である。
本発明のもう1つの思想によれば、半製品の機械加工は20〜99%であり、かつその後、加工された半製品をtmin〜tmaxの期間にわたり950〜1060℃の温度範囲内で保護ガス又は空気下に熱処理し、次いで静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却し、その後、所望の部品を完成させることが提案されるが、ここで、tmin及びtmaxは以下の式:
Figure 2013503265
により算出されるものとし、かつ、tmin及びtmaxは分であり、かつ熱処理温度Tは摂氏である。既に記載した合金は、固体酸化物形燃料電池のためのインターコネクタとして使用されるべきであり、その場合には0.001〜0.5%のアルミニウム含分が有利である。
他の利用分野、例えば伝導性酸化物層を必要としない燃料電池のための改質器又は熱交換器においては2〜6%のアルミニウム含分が有利であり、それというのもその場合には、酸化クロム層に対してまたも明らかにより低い成長速度と、更にはクロムマンガンスピネルよりもなおもよりわずかな酸化クロム蒸発とを有する、封入された酸化アルミニウム層が形成され得るためである。
伝導性酸化物もクロム蒸発に対する特別な要求も有しない利用分野に関しては、双方のバリエーションを考慮することができる。この場合特に、アルミニウム含分の増大に伴って合金の加工性及び溶接性が悪化し、かつより高いコストが生じることを考慮すべきである。従って、酸化物層が酸化クロムとクロムマンガンスピネルとからなる場合には、アルミニウム0.001〜0.5%の使用によって十分な耐酸化性が保証され得る。酸化アルミニウム層の形成により保証されるようなより高い耐酸化性が要求される場合には、2.0〜6.0%のアルミニウム含分が有利である。前記の2つの合金バリエーションは、例えば、内燃機関の排気管のための部品、又は蒸気ボイラー、過熱器、タービンのための部品、及び発電所の他の部品として使用可能である。
有利なアルミニウム範囲は特に2.5%〜5.0%の範囲であり、この範囲ではなおも良好な加工性が顕著である。
既に記載した合金に、更に以下の元素:
La 0.02〜0.3%
Ti 0.01〜0.5%
Mg 0.0001〜0.07%
Ca 0.0001〜0.07%
P 0.002〜0.03%
Ni/Co/Cu 0.01〜3%
B 0.005%まで
を単独でか又は組み合わせて導入することができる。
合金中に付加的に導入できる元素の含分は、以下のように調節することができる:Mg 0.0001〜0.05%、Ca 0.0001〜0.03%、P 0.002〜0.03%。
更に、合金は1以上の元素Ce、La、Pr、Ne、Sc、Y、Zr又はHfを(質量%で)0.02〜0.3%の含分で含有することができる。
必要に応じて、合金は1以上の元素Ce、Pr、Ne、Sc、Y、Zr又はHfを(質量%で)0.02〜0.2%の含分で含有することができる。
所望の効果を達成するために、Nb含分は0.3〜1.0%であり、かつSi含分は0.15〜0.5%である。
必要に応じて、元素タングステンは完全か又は部分的に少なくとも1の元素Mo又はTaにより置換されてよい。
必要に応じて、合金は更にV最大0.2%及び/又はS最大0.005%を含有することもできる。酸素割合はこの場合0.01%以下であるべきである。
必要に応じて、合金は更にホウ素最大0.003%を含有することもできる。
更に、合金はそれぞれ以下の元素を最大0.01%有するべきである:Zn、Sn、Pb、Se、Te、Bi、Sb。
一方では言及された合金組成物からなり、かつ他方では本発明による方法により製造された部品/半製品は、有利に、燃料電池中のインターコネクタとして、又は、例えば燃料電池のサブユニットにおける改質器又は熱交換器といった部品における材料として使用することができる。
これとは別に、本発明による方法により製造された部品/半製品、あるいは合金自体を、内燃機関の排気管における部材、又は蒸気ボイラー、過熱器、タービンのための部材、及び発電所の他の部品、又は化学プロセス工業における部品として使用することも可能である。
本発明による方法により、溶融冶金的に製造された合金において、サーモメカニカル処理により、ラーベス相を組織構造の転位上に意図的かつ微細に分布して析出させることができる。
本発明の詳細及び利点を、以下の実施例において詳説する。
以下に、本発明による方法工程をより詳細に考察する。
サーモメカニカル処理におけるラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が析出した鉄クロム合金の第一の工程は、溶解焼鈍温度を上回る焼鈍でなければならず、それにともなってラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が溶解され、かつ、析出のために後続のサーモメカニカル処理に供される。溶解焼鈍温度は合金に依存するが、しかしながら有利には、1050℃を上回って6分超の時間にわたり、あるいは、1060℃を上回って1分超であり、これに、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中での冷却が続く。前記溶解焼鈍温度を上回る厳密な温度制御は、特性を決定的づけるものではない。焼鈍は空気中又は保護ガス下に行うことができる。これは溶融温度を下回るのが好ましく、有利に<1350℃である。また、焼鈍時間はコストの理由から有利に<24時間であることが好ましいが、出力に応じてより長くてもよい。溶解焼鈍に、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中での冷却が続き、その際、わずかなラーベス相のみが新たに生じるに過ぎない。
付加的に、特に比較的厚肉の部品の場合には、部品の全ての部分が所定の温度で必要な最短焼鈍時間に達するように留意すべきである。このことは、焼鈍時間の開始点を決定する際に考慮しなければならない。
第二の工程において、高められた転位密度が材料にもたらされねばならない。高められた転位密度は加工された組織又は回復した組織を有し、その際、転位が小角粒界中に配置されている。
従って、第二の工程は材料に転位をもたらすような加工でなければならず、その後、後続の焼鈍処理において、ラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が均一に分布するように配慮する。
前記変形は冷間加工であってよいが、しかしながら熱間加工であってもよく、その際、熱間加工の場合には、組織が圧延の際にすでに完全に再結晶することのないように配慮しなければならない。このことは、最終加工のための変形領域及び該加工が行われる温度を制限することによって行われる。1000℃超の変形の場合、材料は加工の際にすでに再結晶ないし回復する傾向にあるため、加工は有利に1000℃を下回って行われなければならない。500℃を下回る温度の場合、フェライトにおいて生じる475℃脆化の範囲内にある。そこでは、該材料はよりわずかなひずみ及びより高い耐加工性を有し、これにより加工はあまり有利ではなくなり、かつ経済性は低下する。
所定のサイズを下回る析出物は、あまり有効でない(例えば、"Buergel"第141頁を参照のこと)。従って、変形により生じた転位密度は高すぎてはならず、それというのも、その場合には確かに極めて多くの、しかしながら弱い析出物が生じ、かつ過剰の転位が自由に移動可能であり、ひいては予備加工が有害となるためである。すなわち有利に、最も高度な変形は≦1000℃の熱間加工の部分に関しては90%であり、かつ冷間加工については90%である。
20〜99%の範囲内での加工の場合、950℃〜1050℃での焼鈍によって組織の回復が生じ得る。それにより転位密度が低下するため、またもやラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物の分布に対するプラスの効果が生じる。
ラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が加工された材料に導入し得る方法は、半製品から必要な部品を完成させ、その後、完成された部品を0.1℃/分〜1000℃/分での加熱により、550℃〜1000℃の適用温度にすることである。加熱の間に、ラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が組織中に微細に分布して析出する。微細な分布は、低い温度範囲内での核形成、それに続く、より高い温度での核のある程度の成長により生じる。従って加熱速度は1000℃/分よりも高くてはならず、それというのも、その場合にはこのプロセスのための時間が短すぎるためである。0.1℃/分より低い加熱速度は、非経済的である。
第二の方法は、材料の別個の熱処理である。そのために、加工された半製品/部品をtmin〜tmaxの期間にわたって550℃〜1060℃の温度範囲内で保護ガス又は空気下に熱処理し、次いで静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却するか、又は800℃までの熱処理については炉内で冷却し、ここで、
Figure 2013503265
であり、tmin及びtmaxのデータは分であり、かつ熱処理温度Tは℃である。この場合、所望の部品を前記熱処理の前又は後に完成させることができる。
焼鈍の際には、特に比較的厚肉の半製品/部品の場合、部品の全ての部分が、所定の温度で必要な最短焼鈍時間に達するように留意すべきである。このことは、焼鈍時間の開始点を決定する際に考慮しなければならない。同様に、半製品/部品のいずれの範囲も、必要な最大焼鈍時間を超えないように留意すべきである。
minよりも短い時間では、ラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物の形成には不十分である。tmaxよりも長い時間では、析出物が強度に粗くなり、それにより粒子がもはや明らかに耐クリープ性に寄与し得なくなる恐れがある。tmaxよりも長い時間の場合、550℃〜1060℃の上方の温度範囲内では回復した組織が生じる可能性があり、これは完全になおも有効であり得る。しかしながら、回復の経過に伴って転位密度は更に低下するため、析出物の分布はますます不均一になり、かつクリープ強度に対するプラスの効果は最終的に消滅する。550℃〜1060℃の範囲内のより低い温度の場合、tmaxを上回る時間は更に非経済的である。
焼鈍は、保護ガス(低い酸素分圧を有するアルゴン、水素及び類似の雰囲気)下に行うことができる。冷却は、経済的な理由から、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で行われ、特に800℃を上回る温度については炉冷を回避することが好ましいが、<800℃の温度では炉冷も可能である。
クロム含分により、材料の耐酸化性及び熱膨張係数が決定される。材料の耐酸化性は、封止された酸化クロム層の形成に基づく。12%を下回って、特により高い運転温度の場合にはよりいっそう鉄含有酸化物が生じるが、これは耐酸化性を悪化させる。従って、クロム含分は≧12%に調節される。クロム30%超では、材料の加工性及びその使用可能性は、脆化相、特にシグマ相の形成が増大することにより損なわれる。従って、クロム含分は≦30%に制限される。クロム含分の増大に伴い、膨張係数は低下する。
従って、特に燃料電池における適用のために、膨張係数を燃料電池中のセラミックスに適合した範囲内に調節することができる。これはおよそ22〜23%のクロム含分である。しかしながら、例えば改質器又は発電所といった他の適用のためには、前記制限は存在しない。
マンガンの添加によって、酸化クロム層上にクロムマンガンスピネルの形成が生じるが、これは材料上で2%未満の比較的わずかなアルミニウム含分に対して生じる。このクロムマンガンスピネルはクロム蒸発を低減させ、かつ接触抵抗を改善させる。そのために少なくとも0.001%のマンガン含分が必要である。2.5%超のマンガンでは、極めて厚いクロムマンガンスピネル層の形成により耐酸化性が損なわれる。
ニオブ、モリブデン、タングステン又はタンタルは、鉄含有合金中で析出物の形成に関与することができ、これは、例えば炭化物及び/又はラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6中のMである。モリブデン、タングステン又はタンタルは付加的に良好な混晶硬化体であり、ひいてはクリープ強度の改善に寄与する。この場合、下限はそれぞれ、有効となるようにある程度の量が存在していなければならないことにより決定され、上限は加工性により決定される。従って、
Nb 0.1〜2%
W 0.1〜5%
の有利な範囲が存在する。Wは、完全にか又は部分的にMo及び又はTaで置換されてもよい:0.1〜5%。
ケイ素は、鉄含有合金において析出物、例えばラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6の形成に関与し得る。ケイ素は析出物の増大及びこのラーベス相の安定性をもたらし、ひいてはクリープ強度に寄与する。ラーベス相の形成の際に、ケイ素は完全にこのラーベス相中に結合される。それゆえに、酸化クロム層の下方で酸化ケイ素層の形成はもはや生じない。同時に、酸化物層へのMの組み込みが低減され、それにより、耐酸化性に対するMのマイナスの影響が阻害される。Siは少なくとも0.05%存在しなければならず、それに伴って所望の効果が生じる。Siの含分が多すぎる場合には、Siのマイナスの効果がまたもや生じ得る。従って、Si含分は1%に制限される。
アルミニウムは1%を下回る含分の場合に耐酸化性を悪化させ、それというのも、これは内部酸化を導くためである。しかしながら、1%よりも大きいアルミニウム含分は、酸化クロム層の下方に、非伝導性でありかつひいては接触抵抗を低減させる酸化アルミニウム層の形成をもたらす。従って、酸化クロムビルダーが所望されるか又はその耐酸化性が十分である場合には、アルミニウム含分は≦0.5%に制限される。このための一例は、例えばインターコネクタプレートとしての適用である。しかしながら、少なくとも0.001%のある程度のアルミニウム含分は、溶融物の脱酸に必要である。伝導性酸化物が必要でなく、同時に、酸化クロム層によりもたらされるものよりも更に明らかに高い耐酸化性が要求される場合には、合金は、少なくとも2%のアルミニウム含分により、封止された酸化アルミニウム層を形成し得る(DE10120561)。6.0%以上のアルミニウム含分は、加工上の問題、ひいては高められたコストを招く。
炭素は、炭化物析出物をもたらし、ひいてはクリープ強度に寄与する。加工性を損なわないためには、炭素含分は<0.1%であることが好ましい。しかしながら該含分は>0.002%であることが好ましく、それに伴って効果が生じ得る。
加工性を悪化させる窒化物の形成を回避するために、窒素含分は最大0.1%であることが好ましい。材料の加工性を保証するためには、該含分は0.002%を上回ることが好ましい。
硫黄の含分は出来る限りわずかであることが好ましく、それというのも、この界面活性元素は耐酸化性を損なうためである。従って、Sは最大0.01%と定められる。
酸素親和性元素、例えばCe、La、Pr、Ne、Sc、Y、Zr、Hfは、酸化物成長が低減されかつ酸化物層の付着が改善されることによって、耐酸化性を改善する。耐酸化性を向上させるYの作用を得るためには、1以上の元素Ce、La、Pr、Ne、Sc、Y、Zr、Hfの0.02%の最小含分は合理的である。上限はコストの理由から0.3質量%とされる。
チタンは、各々の酸素親和性元素と同様に、酸化の際に酸化物層に取り込まれる。更に、これは内部酸化の原因となる。しかしながら、この場合に生じる酸化物は小さくかつ微細に分布しているため、表面の硬化を生じさせ、かつ酸化物層の膨らみ、及び、酸化の間の金属範囲の封入を妨ぐ(DE102006007598A1を参照のこと)。この膨らみは不利であり、それというのも、この場合に生じる亀裂は酸化速度の向上を生じさせるためである。従って、Tiは耐酸化性の改善に寄与する。Ti含分の有効性のためには少なくとも0.01%のTiが存在していなければならないが、0.5%を上回ってはならず、それというのも、その含分では作用はもはや改善されないが、コストは増大するためである。
リンの含分は0.030%より小さいことが好ましく、それというのも、この界面活性元素は耐酸化性を損なうためである。P含分が低すぎるとコストが高くなる。従って、P含分は≧0.002%である。
マグネシウム及びカルシウムの含分は、0.0001〜0.05質量%ないし0.0001〜0.03質量%の分布範囲に調節することができる。
3%以上のコバルト含分は耐酸化性を損なうことが判明した。下限はコストの理由から0.01質量%とされる。ニッケル及び銅に関しては、コバルトと同じことが当てはまり、ホウ素は最大0.005%に制限されるが、これは、該元素が耐酸化性を低減させるためである。
実施例1において熱間加工された材料の組織。 1075℃で20分間焼鈍し、かつ静止空気中で冷却した後の、実施例1における熱間加工した材料の組織。粒度137μm。 600℃〜1000℃でそれぞれ20分間焼鈍し、かつ静止空気中で冷却した後の、実施例2における材料の組織。 920℃で連続炉中で空気中で焼鈍し、引き続き静止空気中でそれぞれ20分間冷却し、かつ静止空気中で冷却した後の、実施例3における材料の組織。(エッチング V2A酸洗液) 1050℃/3.4分で保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却した後の、実施例4におけるチャージ161061の組織。 1050℃/3.4分で保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却し、かつ1050℃/20分で空気下に焼鈍し、引き続き静止空気中で冷却した後の、実施例4におけるチャージ161061の組織、粒度134μm(V2A酸洗液でのエッチング)。 1050℃/3.4分で保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却した後の、実施例5におけるチャージ161995の組織。 1050℃/3.4分で保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却し、かつ1075℃/20分で空気下に焼鈍し、引き続き静止空気中で冷却した後の、実施例5におけるチャージ161995の組織、粒度139μm。 1075℃で22分間焼鈍し、かつ静止空気中で冷却した後の、実施例5における熱間加工した材料の組織。粒度134μm〜162μm。 1075℃で22分間焼鈍し、その後静止空気中で冷却し、次いで700℃で4時間焼鈍し、次いで静止空気中で冷却した後の、実施例5における熱間加工した材料の組織。粒度136μm。 1050℃で2.8分間保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却した後の、実施例7におけるチャージ161995の組織。 1050℃で2.8分間保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却し、次いで1075℃で10分間空気下に焼鈍し、引き続き静止空気中で冷却した後の、実施例7におけるチャージ161995の組織。粒度108μm。
実施例に基づき、本発明の対象を詳説する。
第1表に、以下の実施例に用いたチャージの分析を示す。これらのチャージをアーク炉中で約30tの量で溶融させ、その後、取鍋に注ぎ込み、かつVOD装置中で脱炭及び脱酸処理並びに真空処理を行い、かつ注ぎ込んでブロックにした。その後、このブロックを熱間圧延し、最終厚さに応じて中間焼鈍を伴って冷間圧延した。熱間圧延の後、酸化物層を酸洗液により除去した。
第1表に示したような分析を伴う材料は、主にラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6及び明らかに低下した量の炭化物を析出する。
実施例1
この実施例において、第1表に示されたチャージ161061からの材料は、1070℃超で7分超の期間にわたって溶解焼鈍した後、静止空気中で冷却し、熱間圧延して12mm厚の薄片にしたものであり、その際、機械加工を>1070℃の開始温度で開始し、かつ500℃〜1000℃で圧延により78%の機械的変形を行った。
図1は、そのように変形された組織の典型的な外観を示す。シュウ酸での電解エッチングによりエッチングされた面において、わずかなラーベス相が析出しているに過ぎないことが顕微鏡で視認できる。
その後、そのように加工された材料を1075℃で20分間焼鈍し、静止空気中で冷却したところ、ラーベス相の約137μmの粒度の析出物がわずかに得られるのみであり(図2)、これは典型的な粗粒構造である。
この材料に対して上記のように35MPaの開始応力で750℃の温度でクリープ試験を実施すると、試験体は12.8時間後に69.8%のひずみAで破断する(第2表)。室温の場合、そのように焼鈍された材料は35%のひずみを有しており、これはフェライトに関して極めて良好な値である。
他方で、熱間圧延された材料(予備加工と同じ意味をもつ)から、クリープ試験のための試験体を部品のためのシミュレーションとして完成させ、かつこれを約60℃/分で750℃の適用温度に加熱し、その後、クリープ試験を35MPaの開始応力で750℃の温度で実施すると、試験体は驚異的にも255時間後にようやく29%のひずみAで破断し、これは、破断までの時間が20倍延長されたことを意味する。部品の完成は極めて容易に可能であり、それというのも、上記のように熱間加工された状態は、室温での引張試験において19%のひずみを有しており、これは良好な値でありかつこれにより材料が良好に加工可能となるためである。
この実施例は明らかに、予備加工及び粗粒組織を伴った組織が、破断時間ないしクリープ強度に関して優れていることを示しており、このことは、"Buergel"第196頁〜第199頁、第3.7表に記載されているような従来技術と矛盾する。
実施例2
この実施例において、実施例1からの熱間圧延された材料を用いて、焼鈍を、600℃〜1000℃でそれぞれ20分間、ないし、幾つかの温度については240ないし1440分間(式1及び2によるtmin及びtmaxについては第3表を参照のこと)空気中で実施し、次いで、静止空気中での冷却を行った。熱処理の後、薄片から試験体を完成させ、その後、クリープ試験を35MPaの応力で750℃で上記の通り実施した。結果を第3表にまとめる。
1000℃で20分後、79.5%のひずみAで、わずか10.4hの破断時間が達成される。600℃〜950℃で20分後、22.7%より大きいひずみAで100時間を上回る、少なくとも7倍高められた破断時間が達成される。20分焼鈍した際の最も長い破断時間は、850℃で564時間で達成される。240分焼鈍した際の最も長い破断時間は、800℃で396時間で達成される。その上更に、700℃で1440分後に645hの破断時間が達成される。図3は、20分間にわたる種々の焼鈍後の組織を示す。図3における組織は、球状に再結晶していない。850℃(破断時間の最大)まで、組織は変形された組織の典型的な外観を有する。約900℃以上で明らかに回復が認められるが、このことは、球状に再結晶した組織と比較して転位密度が更に高められていることを意味している。回復した組織において、転位は部分的に小角粒界に再配列した。これは予備加工と類似の作用を有している。シュウ酸での電解エッチングによりエッチングされた面において、約750℃以上でラーベス相が顕微鏡により視認可能なほど析出していることが十分に見て取れ、その際、該相は850℃(破断時間の最大)までますます密でかつ均一に析出する。約900℃以上で、該相は粒状の析出物に加えて小角粒界ないし粒界上にも目立って認めることができ、それにより小角粒界ないし粒界のかみ合いがもたらされるが、これはクリープ強度の向上のための措置2に相当する(上記を参照のこと)。1000℃で、極めて大きな粒子が回復の経過により生じているのが見て取れるため、転位密度が強度に低減されており、かつ破断時間の増大はもはや生じない。破断時間の最大は、密に均一に析出したラーベス相を有する変形された組織において生じる。
室温で、20分焼鈍した薄片は600℃〜950℃の全ての温度で少なくとも13%のひずみを有しており、これはフェライト合金に関しては満足のいくものとみなすことができ、かつこれにより材料が加工可能となる。ひずみは700℃〜800℃の範囲内で最も低く、かつそれぞれより低いか又はより高い焼鈍温度に向かって改善される。それというのも、より低い温度では確かにすでにラーベス相が析出しているもののまだ顕微鏡では視認できず、それに伴って比較的わずかな体積割合を有しているが、その代わりに極めて微細に分布しているためである。より高温の場合、より大きな体積割合が析出しているが、その代わりにより粒子がより若干粗く、かつ小角粒界及び粒界上に認め得る。
1000℃での焼鈍は、tmax=19.6分を上回って20分の焼鈍時間を伴う。従って、これは本発明による範囲内にはなく、参照となる。破断時間はたった10.4時間である。600℃〜950℃の温度での20分の焼鈍時間は、本発明による範囲内tmin〜tmaxにある。それに基づき、破断時間は本発明によれば、1075℃/20分の焼鈍、次いで静止空気中での冷却の後に生じる実施例1からの粗粒の球状の再結晶した状態と比較して、明らかに7倍超高められていた。
実施例3
この実施例において、第1表に示されたチャージ161061からの材料は、1070℃超で7分超の期間にわたって溶解焼鈍した後、静止空気中で冷却し、熱間圧延して12mm厚の薄片にしたものであり、その際、加工を>1070℃の開始温度で開始し、かつ1000℃〜500℃で圧延により60%の機械的変形を行った。その後、そのように加工された薄片を大工業的に連続炉中で920℃で28分間にわたって空気中で焼鈍し、かつこれを静止空気中で冷却したところ、この材料から完成された引張試験体は、35MPaの開始応力で750℃の温度でのクリープ試験において、38%のひずみAで391時間の破断時間を有している(第4表)。組織は球状に再結晶しているのではなく、回復している。該組織は、析出物を粒状でかつ小角粒界ないし粒界上に有している(図4)。破断時間は、1075℃で20分間にわたる焼鈍の後に137μmの粒度を有する球状に再結晶した粗粒組織を伴って達成された実施例1における時間の30倍の時間である。920℃での焼鈍は、本発明による範囲内tmin=0.32分〜tmax=162.6分において28分の焼鈍時間を伴う。
室温で、そのように処理された薄片は、18%の極めて良好なひずみ、475MPaのひずみ限界、及び655MPaの引張強さを有しており(第4表を参照のこと)、これにより材料は良好に加工可能となる。
実施例4
この実施例では、チャージ161061及びチャージ161995からの材料は、1070℃超で7分超の期間にわたり溶解焼鈍し、その後、吹き付けられた保護ガス中で冷却し、かつ熱間圧延及び酸化物層の除去を行った後に、冷間圧延により1.5mm厚の薄片としたものであり、その際、53%の冷間加工を施与した。その後、1050℃で3.4分間の焼鈍を保護ガス下に連続炉中で行い、引き続き冷たい保護ガス流中で冷却した。チャージ161061(図5)並びにチャージ161995は、それにより、伸ばされた粒(図7)と、図4よりも明らかに少なく見て取れるもののラーベス相の析出物とを有する、回復した組織を示している。その後、材料の一部をもう一度1050℃で20分間空気下に焼鈍し、続いて静止空気中で冷却した。それにより2つのチャージとも球状に再結晶化し、チャージ161061は134μmの粒度を有し(図6)、チャージ161995は139μmの粒度を有する。析出したラーベス相はわずかに認められるに過ぎない。
第5a表及び第5b表は、クリープ試験及び室温での引張試験の結果を示す。1050℃で3.4分間焼鈍した後、チャージ161061は、750℃で35MPaの開始負荷でのクリープ試験において、50%のひずみAで25.9時間の破断時間を有するが、更に1050℃で20分間焼鈍した後には極めて粗い粒子が生じ、83%のひずみAで7.9時間というたった三分の一の破断時間を有するに過ぎない。
同様に、チャージ161995は、750℃で35MPaの開始負荷でのクリープ試験において、89%で33.5時間の破断時間を有するが、更に1075℃で20分間焼鈍した後には極めて粗い粒子が生じ、92%のひずみAで7.9時間というたった四分の一の破断時間を有するにすぎない。室温での引張試験におけるひずみは、1050℃及び焼鈍時間3.4分で、チャージ161061については28%であり、かつチャージ161995については26%であり、これはフェライトに関して極めて良好であり、これにより材料は極めて良好に加工可能となる。ひずみは、粗粒組織の場合には、チャージ161061については31%、チャージ161995については29%と、更に高くなる。
これは、約1050℃の温度での焼鈍時間の影響を示している。数分という短時間の焼鈍の場合には、なおも転位(変形)及び十分なラーベス相が材料中に存在しており、この結果、この実施例ではクリープ試験において破断までの3〜4倍延長された時間がもたらされる。より長い焼鈍の場合、ラーベス相は、チャージ161061が示すように十分に溶解し、かつ組織は、クリープ試験の際に破断までの相応する短い時間を伴って球状に再結晶している。
1050℃で20分間の焼鈍は、tmax=6.0分を上回って20分の焼鈍時間を伴う。従ってこれは本発明による範囲内になく、1075℃で20分間の焼鈍の際と同様に参照となる。1050℃で3.4分間の焼鈍は、tmin=0.32分〜tmax=6.0分の本発明による範囲内の3.4分の焼鈍時間を伴い、かつ本発明によれば、クリープ試験において明らかに高められた破断時間を示す。
実施例5
この実施例において、チャージ161061からの材料は、1070℃超で7分超の期間にわたり溶解焼鈍し、その後、静止空気中で冷却して、熱間圧延により12mm厚の薄片としたものであり、その際、加工を>1070℃の開始温度で開始し、かつ1000℃〜500℃で圧延して70%の機械的変形を行った。
その後、そのように加工された材料に対して、1075℃で22分間溶解焼鈍を行い、かつ静止空気中で冷却し、そのようにして、ラーベス相の約134〜162μmの粒度の析出物をわずかにのみ有する極めて粗粒状の組織が得られる(図9)。この材料に対して40MPaの開始応力で700℃の温度でクリープ試験を実施した場合、試験体は228時間後に51%のひずみAで破断する(第6表)。クリープ試験を60MPaで実施した場合、試験体は8.1時間後に43%のひずみAで破断する。室温の場合、そのように焼鈍された材料は35%のひずみを有しており、これはフェライトのために極めて良好な値である。
1075℃で22分間溶解焼鈍した材料に対して更に700℃で4時間焼鈍し、次いで静止空気中で冷却すると、組織中でラーベス相が分布して析出する(図10)。その後、700℃で40MPaの開始応力でクリープ試験を実施した場合、試験体は72.6%のひずみAで早くも104時間後に、つまり1075℃で22分間溶解焼鈍した後よりも本質的に短い時間で破断する。60MPaでクリープ試験を実施した場合、試験体は63%のひずみAで6.3時間後に、つまり同様に1075℃で22分間溶解焼鈍した後よりも本質的に短い時間の後に破断する。
このことは、破断時間の延長を得るためには、ラーベス相の析出が、高められた転位密度を有する組織、つまり加工又は回復した組織において行われねばならないことを裏付けている。溶解焼鈍された組織における析出物は、まさに逆のこと、つまり破断時間の短縮をもたらす。これは、転位欠乏した粗粒組織における析出と比較して、高められた転位密度を有する組織、すなわち変形又は回復した組織において析出した場合、極めて微細な析出物がより均一に分布していることが原因である。
実施例6
この実施例では、実施例2と同様に、実施例1からの熱間圧延された材料を用いて、焼鈍を、750℃〜1000℃でそれぞれ20分間、ないし、幾つかの温度については120分、240分、480分、960分、1440分ないし5760分間(式1及び2によるtmin及びtmaxについては第7表を参照のこと)空気中で実施し、次いで、静止空気中での冷却を行った。熱処理の後、薄片から試験体を完成させ、その後、クリープ試験を40MPaの応力で750℃で、上記の通り実施した。試験時間の短縮のために、実施例2と比較してより高い応力を選択した。目的は、焼鈍に好適な熱処理時間を確認することであった。結果を第7表にまとめる。
1000℃で20分後、78.7%のひずみAで、わずか8.8hの破断時間が達成される。実施例2では、1000℃で20分、及び750℃で35MPaでのクリープ試験により、1075℃で20分間溶解焼鈍し、かつ静止空気中で冷却した後と同等の短い破断時間が達成されたため、この値は、溶解焼鈍した状態の破断時間に関する参照と仮定することができる。本発明によるバリエーションは、この破断時間を少なくとも1.5倍上回ることが好ましい。
750℃〜900℃で20分後、27%より大きいひずみAで100時間を上回る、少なくとも10倍高められた破断時間が達成される。20分焼鈍した際の最も長い破断時間は、850℃で296時間で達成される。120分焼鈍した際の最も長い破断時間は、800℃で227時間で達成される。240分焼鈍した際の最も長い破断時間は、750℃で182時間で達成され、その際、700℃についての値は存在しない。480分焼鈍した際の最も長い破断時間は、800℃で169時間で達成される。960分については、750℃についての破断時間のみを測定したところ、24.2%のひずみで139時間の値であった。1440分及び5760分後、750℃及び800℃では、これらの温度で最大に達成された破断時間を明らかに下回る破断時間が達成されるに過ぎない。例えば800℃の場合、480分の処理時間後の169時間の破断時間は、1440分の処理時間後に46時間の値に低下し、5760分の処理時間後に17.5時間の値に低下するが、但し、これはなおも本発明による範囲内にある。処理時間の更なる増大は破断時間を更に低減させるため、tmaxは有利には7059分に関して5750分の時間を若干超過する。750〜900℃の熱処理温度及び20分〜5760分の時間に関するひずみは、いずれも24.2%〜43%であり、脆性破壊を回避するために要求される18%を上回っている。20分間の焼鈍後の組織については実施例2で述べたことが当てはまり、それというのも、同じ焼鈍であるためである。クリープ試験における40MPaというより高い応力の場合であっても、密で均一に析出したラーベス相を有する変形した組織において、破断時間の最大が生じる。
室温で、20分焼鈍した薄片は、実施例2と同様に600℃〜900℃の全ての温度で少なくとも13%のひずみを有しており、これはフェライト合金に関しては満足がいくものとみなすことができ、かつこれにより材料が加工可能となる。
実施例7
この実施例では、53%の冷間加工後に1050℃で3.4分間保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、次いで冷たい保護ガス流中で冷却した、チャージ161995の1.5mm厚の材料を使用した。同様に、40%の冷間加工の後に1050℃で2.8分間保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、次いで冷たい保護ガス流中で冷却することによって、チャージ161995から2.5mm厚の材料を製造した。それにより、2.5mm厚の材料も、図7における実施例4からの材料と同様に伸ばされた粒子(図11)と、図4よりも明らかに少なく見て取れるもののラーベス相の析出物とを有する回復した組織を示す。その後、材料の一部をもう一度1050℃で10分間空気下に焼鈍し、次いで静止空気中で冷却した。それにより、材料は108μmの粒度で球状に再結晶している。析出したラーベス相はわずかに認められるに過ぎない。1050℃/2.8分及び最終熱処理としての1075℃/10分での材料を、その後、2.8〜40%の加工率で圧延した。その後、750℃で35MPaでクリープ試験を実施し、かつ引張試験を室温で行った。結果を第8表にまとめる。
1050℃で3.4分間焼鈍した後、チャージ161995は、750℃で35MPaの開始負荷でのクリープ試験において、89%のひずみAで33.5時間の破断時間を有するが、更に1050℃で10分間焼鈍した後、極めて粗い粒子が生じ、50.4%のひずみAで10.8時間というたった三分の一の破断時間を有するに過ぎない。
1050℃/2.8分の後に加工した材料から、クリープ試験のための試験体を部品のためのシミュレーションとして完成させ、かつこれを約60℃/分で750℃の適用温度に加熱し、その後、クリープ試験を35MPaの開始応力で750℃の温度で実施したところ、破断ひずみは、5〜40%の加工の場合、45%を上回る破断ひずみで約10時間の値に低下する。
それに対して、1050℃/10分の後に加工した材料から、クリープ試験のための試験体を部品のためのシミュレーションとして完成させ、かつこれを約60℃/分で750℃の適用温度に加熱し、その後、クリープ試験を35MPaの開始応力で750℃の温度で実施したところ、破断ひずみは、2.9〜40%の加工の場合49〜137時間の値に増加し、このことは、1050℃/2.8分の後に加工した材料に対する破断時間の4倍超の増大を意味し、その際、10%で最大が生じ、かつ破断ひずみは18.9〜60%である。
しかしながら、10%以上の加工度では、室温での引張試験における破断ひずみは8%未満であるため、材料の加工可能性は次第に悪化している。即ち、冷間成形のための有利な加工率は0.05〜10%である。更に、この実施例は、加工前の焼鈍を低すぎる温度か又は短すぎる時間で実施した場合(ここでは1050℃で2.8分間)、加工後の破断ひずみの増大が生じないことを示している。1050℃超で6分超(ここでは1075℃で7分間)焼鈍した後に、破断ひずみの増大が生じた。
表/図の表記/記述を以下の通り示す:
第1表 試験した合金の組成(全て質量%でのデータ)。
第2表 12mm厚の薄片に対する実施例1における熱間圧延及び熱処理についての、750℃で35MPAでのクリープ試験及び室温での引張試験の結果。(R:従来技術による参照、E:本発明による)
第3表 12mm厚の薄片に対する実施例1からの熱間圧延及び実施例2からの熱処理についての、750℃で35MPAでのクリープ試験及び室温での引張試験の結果。(R:従来技術による参照、E:本発明による)
第4表 12mm厚の薄片に対する、実施例3についての750℃で35MPAでのクリープ試験及び室温での引張試験の結果。(R:従来技術による参照、E:本発明による)
第5表 1.5mm厚のテープに対する、実施例4についての750℃で35MPAでのクリープ試験及び室温での引張試験の結果。(R:従来技術による参照、E:本発明による)
第6表 12mm厚の薄片に対する、実施例5についての700℃でのクリープ試験及び室温での引張試験の結果。(R:従来技術による参照、E:本発明による)
第7表 12mm厚の薄片に対する、実施例6における熱間圧延及び熱処理についての、750℃で40MPAでのクリープ試験及び室温での引張試験の結果。(R:従来技術による参照、E:本発明による)
第8表 チャージ161995からの1.5mm〜2.5mm厚のテープに対する、実施例7についての750℃で35MPAでのクリープ試験及び室温での引張試験の結果。(R:従来技術による参照、E:本発明による)
図1 実施例1において熱間加工された材料の組織。
図2 1075℃で20分間焼鈍し、かつ静止空気中で冷却した後の、実施例1における熱間加工した材料の組織。粒度137μm。
図3 600℃〜1000℃でそれぞれ20分間焼鈍し、かつ静止空気中で冷却した後の、実施例2における材料の組織。
図4 920℃で連続炉中で空気中で焼鈍し、引き続き静止空気中でそれぞれ20分間冷却し、かつ静止空気中で冷却した後の、実施例3における材料の組織。(エッチング V2A酸洗液)
図5 1050℃/3.4分で保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却した後の、実施例4におけるチャージ161061の組織。
図6 1050℃/3.4分で保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却し、かつ1050℃/20分で空気下に焼鈍し、引き続き静止空気中で冷却した後の、実施例4におけるチャージ161061の組織、粒度134μm(V2A酸洗液でのエッチング)。
図7 1050℃/3.4分で保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却した後の、実施例5におけるチャージ161995の組織。
図8 1050℃/3.4分で保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却し、かつ1075℃/20分で空気下に焼鈍し、引き続き静止空気中で冷却した後の、実施例5におけるチャージ161995の組織、粒度139μm。
図9 1075℃で22分間焼鈍し、かつ静止空気中で冷却した後の、実施例5における熱間加工した材料の組織。粒度134μm〜162μm。
図10 1075℃で22分間焼鈍し、その後静止空気中で冷却し、次いで700℃で4時間焼鈍し、次いで静止空気中で冷却した後の、実施例5における熱間加工した材料の組織。粒度136μm。
図11 1050℃で2.8分間保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却した後の、実施例7におけるチャージ161995の組織。
図12 1050℃で2.8分間保護ガス下に連続炉中で焼鈍し、かつ冷たい保護ガス流中で冷却し、次いで1075℃で10分間空気下に焼鈍し、引き続き静止空気中で冷却した後の、実施例7におけるチャージ161995の組織。粒度108μm。
Figure 2013503265
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Claims (45)

  1. 合金から製造された半製品をサーモメカニカル処理することによる、ラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が析出した鉄クロム合金からの部品の製造法において、第一の工程において、合金を溶解焼鈍温度以上の温度で溶解焼鈍し、次いで、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却し、第二の工程において、半製品の機械加工を0.05〜99%の範囲で実施し、かつ後続の工程において、加工された半製品から完成された部品を0.1℃/分〜1000℃/分で加熱して550℃〜1000℃の適用温度にすることによって、ラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物を意図的かつ微細に分布させることを特徴とする方法。
  2. 合金から製造された半製品をサーモメカニカル処理することによる、ラーベス相及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が析出した鉄クロム合金からの部品の製造法において、第一の工程において、合金を溶解焼鈍温度以上の温度で溶解焼鈍し、次いで、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却し、第二の工程において、半製品の機械加工を0.05〜99%の範囲で実施し、かつ後続の工程において、加工された半製品をtmin〜tmaxの時間にわたり550℃〜1060℃の温度範囲内で保護ガス又は空気下に熱処理し、次いで静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却するか、又は800℃までの熱処理については炉内で冷却することによって、ラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物を意図的かつ微細に分布させ、ここで、tmin及びtmaxは以下の式:
    Figure 2013503265
    により算出されるものとし、かつ、所望の部品を前記熱処理の前又は後に完成させることを特徴とする方法。
  3. 第一の工程において、合金を≧1050℃の温度で6分超にわたり溶解焼鈍する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 第一の工程において、合金を≧1060℃の温度で1分超にわたり溶解焼鈍する、請求項1又は2記載の方法。
  5. 以下の組成(質量%):
    Cr 12〜30%
    Mn 0.001〜2.5%
    Nb 0.1〜2%
    W 0.1〜5%
    Si 0.05〜1%
    C 0.002〜0.1%
    N 0.002〜0.1%
    S 最大で0.01%
    Fe 残分
    並びに、通常の溶融に条件付けられた不純物
    の半製品をサーモメカニカル処理し、その際、室温で引張試験において>13%の塑性ひずみとして測定される機械加工性が与えられている、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 溶解焼鈍温度以上の温度、有利に≧1050℃で6分超、あるいは≧1060℃で1分超、溶解焼鈍し、次いで、静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却した後、変形前の最終状態で、半製品において、ラーベス相Fe2(M,Si)又はFe7(M,Si)6及び/又はFe含有粒子及び/又はCr含有粒子及び/又はSi含有粒子及び/又は炭化物が、合金中にわずかに存在しているのみか、又は全く存在していない、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 半製品の加工を熱間加工により行う、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 半製品の熱間加工を>1070℃の開始温度で開始し、その際、該半製品を1000℃〜500℃で0.05〜90%機械的変形させる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 半製品の熱間加工を>1070℃の開始温度で開始し、その際、該半製品を1000℃〜500℃で0.05〜95%機械的変形させる、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 半製品の熱間加工を>1070℃の開始温度で開始し、その際、該半製品を1000℃〜500℃で0.05〜90%機械的変形させる、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 半製品の熱間加工に冷間加工が引き続く、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 半製品の加工を冷間加工により行う、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 半製品の冷間加工の程度が0.05〜99%である、請求項12記載の方法。
  14. 製品の冷間加工が0.05〜95%である、請求項12又は13記載の方法。
  15. 製品の冷間加工が0.05〜90%である、請求項12から14までのいずれか1項に記載の方法。
  16. 半製品の機械加工が20〜99%であり、かつその後、加工された半製品をtmin〜tmaxの期間にわたり950〜1060℃の温度範囲内で保護ガス又は空気下に熱処理し、次いで静止保護ガス又は空気、運動している(吹き付けられた)保護ガス又は空気中で、又は水中で冷却し、その後、所望の部品を完成させるが、但し、
    Figure 2013503265
    であり、かつ、tmin及びtmaxのデータは分であり、かつ熱処理温度Tは℃である、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 合金が付加的に(質量%で)La 0.02〜0.3%を含有する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
  18. 合金が付加的に(質量%で)Ti 0.01〜0.5%を含有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 合金が付加的に1以上の元素Ce、Pr、Ne、Sc、Y、Zr又はHf 0.02〜0.3%を含有する、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
  20. 合金が付加的に(質量%で)Al 0.001〜0.5%を含有する、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
  21. 合金が付加的に(質量%で)Al 2.0〜6.0%を含有する、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
  22. 合金が付加的に(質量%で)Al 2.5〜5.0%を含有する、請求項21記載の方法。
  23. 合金が付加的に1以上の元素Mg 0.0001〜0.07%、Ca 0.0001〜0.07%、P 0.002〜0.03%を含有する、請求項1から22までのいずれか1項に記載の方法。
  24. 合金が更に1以上の元素Ni、Co又はCu 0.01〜3.0%を含有する、請求項1から23までのいずれか1項に記載の方法。
  25. 合金が更にB 0.005%までを含有する、請求項1から24までのいずれか1項に記載の方法。
  26. サーモメカニカル処理され、かつラーベス相が微細に分布した形で析出している鉄クロム合金が、以下の組成(質量%)
    Cr 12〜30%
    Mn 0.001〜2.5%
    Nb 0.1〜2%
    W 0.1〜5%
    Si 0.05〜1%
    C 0.002〜0.03%
    N 0.002〜0.03%
    S 最大で0.005%
    Fe 残分
    並びに、通常の溶融に条件付けられた不純物
    を有する、請求項1から25までのいずれか1項に記載の方法。
  27. 合金が付加的に(質量%で)元素La 0.02〜0.2%を含有する、請求項1から26までのいずれか1項に記載の方法。
  28. 合金が付加的に(質量%で)Ti 0.02〜0.2%を含有する、請求項1から27までのいずれか1項に記載の方法。
  29. 合金が付加的に(質量%で)1以上の元素Ce、Pr、Ne、Sc、Y、Zr又はHf 0.02〜0.2%を含有する、請求項1から28までのいずれか1項に記載の方法。
  30. 合金が付加的に(質量%で)1以上の元素Mg 0.0001〜0.05%、Ca 0.0001〜0.03%、P 0.002〜0.03%を含有する、請求項1から29までのいずれか1項に記載の方法。
  31. 合金が更に(質量%で)B 0.003%までを含有する、請求項1から30までのいずれか1項に記載の方法。
  32. (質量%で)Nb含分が0.3〜1.0%であり、かつSi含分が0.15〜0.5%である、請求項1から31までのいずれか1項に記載の方法。
  33. W含分が完全か又は部分的に少なくとも1の元素Mo及び/又はTaにより置換される、請求項1から32までのいずれか1項に記載の方法。
  34. 合金が(質量%で)V 最大0.2%及び/又はS 最大0.005%を含有する、請求項1から33までのいずれか1項に記載の方法。
  35. 合金が(質量%で)O 最大0.01%を含有する、請求項1から34までのいずれか1項に記載の方法。
  36. 合金がそれぞれ(質量%で)元素Zn、Sn、Pb、Se、Te、Bi及びSbのそれぞれを最大0.01含有する、請求項1から35までのいずれか1項に記載の方法。
  37. 半製品を、薄片、テープ、ロッド、鍛造部品、管又はワイヤにより形成する、請求項1から36までのいずれか1項に記載の方法。
  38. 熱処理を部品の完成後になって初めて行う、請求項1から37までのいずれか1項に記載の方法。
  39. 半製品のサーモメカニカル処理によって、半製品及び/又は部品の特に高いクリープ強度が、室温での引張試験における同時の>13%のひずみを伴って生じる、請求項1から38までのいずれか1項に記載の方法。
  40. 以下の化学組成(質量%)
    Cr 12〜30%
    Mn 0.001〜2.5%
    Nb 0.1〜2%
    W 0.1〜5%
    Si 0.05〜1%
    C 0.002〜0.1%
    N 0.002〜0.1%
    S 最大で0.01%
    Fe 残分
    並びに、通常の溶融に条件付けられた不純物
    からなる金属部品又は半製品において、該金属部品又は半製品が、サーモメカニカル処理に引き続き、変形された組織構造を有しており、ここで、ラーベス相が微細に分布した形で該組織構造の組織転位に埋め込まれており、その際、特に35MPaで750℃でのクリープ試験において、及び少なくとも18%のひずみで、粗粒状の完全に再結晶化した組織の破断時間を少なくとも1.5倍上回る破断時間が該組織構造において調節されていることを特徴とする、金属部品又は半製品。
  41. 以下の化学組成(質量%)
    Cr 12〜30%
    Mn 0.001〜2.5%
    Nb 0.1〜2%
    W 0.1〜5%
    Si 0.05〜1%
    C 0.002〜0.1%
    N 0.002〜0.1%
    S 最大で0.01%
    Fe 残分
    並びに、通常の溶融に条件付けられた不純物
    からなる金属部品又は半製品において、該金属部品又は半製品が、サーモメカニカル処理に引き続き、変形された組織構造を有しており、ここで、ラーベス相が微細に分布した形で該組織構造の組織転位に埋め込まれており、その際、特に35MPaで750℃でのクリープ試験において、及び少なくとも18%のひずみで、粗粒状の完全に再結晶化した組織の破断時間を少なくとも3倍上回る破断時間が該組織構造において調節されていることを特徴とする、金属部品又は半製品。
  42. 燃料電池におけるインターコネクタとしての、請求項1から41までのいずれか1項に記載の方法により製造された部品の使用。
  43. 例えば改質器又は熱交換器といった部品における材料としての、又は燃料電池のサブユニットにおける材料としての、請求項1から41までのいずれか1項に記載の方法により製造された部品の使用。
  44. 内燃機関の排気管における、請求項1から41までのいずれか1項に記載の方法により製造された部品の使用。
  45. 蒸気ボイラー、過熱器、タービン、及び発電所の他の部品のための、又は化学プロセス工業における、請求項1から41までのいずれか1項に記載の方法により製造された部品の使用。
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