JP2013258429A - 静電チャック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静電チャック10を製造する方法であって、(a)静電電極前駆体24を内面に着脱可能に取り付けた第1成形型31に、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、ゲル化剤を化学反応させてセラミックスラリーをゲル化させたあと離型することにより、第1セラミック成形体41に静電電極前駆体24が埋め込まれた埋込電極付きセラミック成形体41Xを作製する工程と、(b)第2セラミック成形体42を作製する工程と、(c)埋込電極付きセラミック成形体41Xと第2セラミック成形体42を用いて積層仮焼体50を作製し、該積層仮焼体50をホットプレス焼成する工程と、を含む。
【選択図】図2
Description
所定形状の静電電極又はその前駆体を挟み込むようにして1対のセラミック仮焼体を重ね合わせた積層仮焼体をホットプレス焼成することにより静電チャックを作製する静電チャックの製法であって、
(a)前記静電電極又はその前駆体を内面に着脱可能に取り付けた第1成形型に、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、前記ゲル化剤を化学反応させて前記セラミックスラリーをゲル化させたあと離型することにより、第1セラミック成形体に前記静電電極又はその前駆体が埋め込まれた埋込電極付きセラミック成形体を作製する工程と、
(b)第2セラミック成形体を作製する工程と、
(c)前記埋込電極付きセラミック成形体と前記第2セラミック成形体を用いて前記積層仮焼体を作製し、該積層仮焼体をホットプレス焼成する工程と、
を含むものである。
所定形状の静電電極又はその前駆体を挟み込むようにして1対のセラミック仮焼体を重ね合わせた積層仮焼体をホットプレス焼成することにより静電チャックを作製する静電チャックの製法であって、
(a)前記静電電極又はその前駆体と同形状の凸部を内面に着脱不能に設けた第1成形型に、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、前記ゲル化剤を化学反応させて前記セラミックスラリーをゲル化させたあと離型することにより、前記凸部に対応する凹部を備えた第1セラミック成形体を作製し、前記凹部に前記静電電極又はその前駆体を形成することにより埋込電極付きセラミック成形体を作製する工程と、
(b)第2セラミック成形体を作製する工程と、
(c)前記埋込電極付きセラミック成形体と前記第2セラミック成形体を用いて前記積層仮焼体を作製し、該積層仮焼体をホットプレス焼成する工程と、
を含むものである。
所定形状の静電電極又はその前駆体を挟み込むようにして1対のセラミック仮焼体を重ね合わせた積層仮焼体をホットプレス焼成することにより静電チャックを作製する静電チャックの製法であって、
(a)第1セラミック成形体を作製し、該第1セラミック成形体の表面に前記静電電極又はその前駆体を形成することにより、凸電極付きセラミック成形体を得る工程と、
(b)統合用成形型の内面に、前記凸電極付きセラミック成形体の電極形成面とは反対側の面を着脱可能に取り付け、その後、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを前記統合用成形型に流し込み、前記ゲル化剤を化学反応させて前記セラミックスラリーをゲル化させることにより第2セラミック成形体を作製し、その後離型することにより前記凸電極付きセラミック成形体と前記第2セラミック成形体との積層複合体を得る工程と、
(c)前記積層複合体を用いて前記積層仮焼体を作製し、該積層仮焼体をホットプレス焼成する工程と、
を含むものである。
ゲルキャスト法とは、成形型に、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、ゲル化剤を化学反応させてセラミックスラリーをゲル化させたあと離型することにより、セラミック成形体を作成する方法のことをいう。ゲルキャスト法は、少なくとも、本発明の第1及び第2の静電チャックの製法における工程(a)、第3の静電チャックの製法における工程(b)で利用される。
セラミック仮焼体を作製するには、セラミック成形体を乾燥したあと脱脂してから仮焼する。
静電電極は、導電性材料を所定形状に整えることにより形成してもよいし、電極ペーストを所定形状に整えたあと焼成することにより形成してもよい。なお、電極ペーストを所定形状に整えたものを、静電電極の前駆体という。電極ペーストは、特に限定するものではないが、例えば、導電材料とセラミック粉末とバインダーと溶媒とを含むものとしてもよい。導電材料としては、例えば、タングステン、タングステンカーバイト、白金、銀、パラジウム、ニッケル、モリブデン等が挙げられる。セラミック粉末としては、例えば、セラミック仮焼体と同種のセラミック材料からなる粉末が挙げられる。バインダーとしては、例えば、エチルセルロースやポリメタクリル酸メチルやポリビニルブチラールなどが挙げられる。溶媒としては、例えば、テルピネオールなどが上げられる。印刷方法は、例えば、スクリーン印刷法などが挙げられる。なお、静電電極ペーストとヒーター電極ペーストは、同じ組成のものを使用してもよいが、異なる組成のものを使用してもよい。
ホットプレス焼成では、少なくとも最高温度(焼成温度)において、プレス圧力を30〜300kgf/cm2とすることが好ましく、50〜250kgf/cm2とすることがより好ましい。また、最高温度は、セラミック粉末の種類、粒径などにより適宜設定すればよいが、1000〜2000℃の範囲に設定することが好ましい。雰囲気は、大気雰囲気、不活性雰囲気、真空雰囲気の中から、セラミック粉末の種類に応じて適宜選択すればよい。ホットプレス焼成により厚み方向に50%程度収縮する。
図1は、静電チャック10の縦断面図、円内は部分拡大図である。静電チャック10は、図1に示すように、静電電極14とヒーター電極16とを内蔵している。静電電極14は、円盤状の電極であり、ウェハー載置面10aに近い側に設けられている。ヒーター電極16は、中央付近の図示しない2点を始点と終点とする線状部材であり、始点から一筆書きの要領で静電チャック10の平面全体に行き渡るように配線されたあと終点に戻る形状となっている。図1は、静電チャック10の断面図であるため、ヒーター電極16は不連続に現れているが、平面視すれば連続した線状となっている。
(1)第1の静電チャックの製法に関する実施形態
静電チャック10の製法について、図2を用いて以下に説明する。図2は、第1の静電チャックの製法の一例を示す製造工程図である。この製法は、要約すれば、図2(j)に示すように、静電電極前駆体24を挟み込むようにして第1及び第2セラミック仮焼体51,52を重ね合わせると共に、ヒーター電極前駆体26を挟み込むようにして第2及び第3セラミック仮焼体52,53を重ね合わせた積層仮焼体50を、ホットプレス焼成することにより静電チャック10を作製する。以下、具体的な手順について説明する。
まず、第1成形型31を用意する(図2(a)参照)。この第1成形型31は、第1セラミック仮焼体51に対して収縮率を考慮した大きさの内部空間(第1セラミック仮焼体51よりよりわずかに大きな内部空間)を有している。また、内面にはフッ素系樹脂によるコーティングあるいはライニング処理を施してあり、電極および成形体の着脱性は良好である。そして、第1成形型31の下型の内面に、電極ペーストをスクリーン印刷して静電電極14より線方向で数%程度大きな寸法となる静電電極前駆体24を形成する(図2(b)参照)。この静電電極前駆体24は、フッ素系樹脂によるコーティングあるいはライニング処理のため、第1成形型31の内面に対して着脱可能である。また、静電電極前駆体24の外周面は、フラットな垂直面となっている。次に、第1成形型31に、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、ゲル化剤を化学反応させてセラミックスラリーをゲル化させたあと離型する。これにより、静電電極前駆体24が埋め込まれた第1セラミック成形体41、つまり埋込電極付きセラミック成形体41Xを得る(図2(c)参照)。静電電極前駆体24は、上面及び側面が第1セラミック成形体41に覆われているが、下面は露出していて第1セラミック成形体41の下面と同一平面を形成している。
第1のセラミック成形体41とは別に第2セラミック成形体42を作製する。まず、第2成形型32を用意する(図2(d)参照)。この第2成形型32は、第2セラミック仮焼体52に対して収縮率を考慮した大きさの内部空間(第1セラミック仮焼体52よりよりわずかに大きな内部空間)を有している。そして、第2成形型32に、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、ゲル化剤を化学反応させてセラミックスラリーをゲル化させたあと離型する。これにより、第2セラミック成形体42が得られる(図2(e)参照)。
第1のセラミック成形体41及び第2セラミック成形体42とは別に第3セラミック成形体43を作製する。まず、第3成形型33を用意する(図2(f)参照)。この第3成形型33は、第3セラミック仮焼体53に対して収縮率を考慮した大きさの内部空間(第1セラミック仮焼体53よりよりわずかに大きな内部空間)を有している。また、内面にはフッ素系樹脂によるコーティングあるいはライニング処理を施してあり、電極および成形体の着脱性は良好である。そして、第3成形型33の上型の内面に、電極ペーストをスクリーン印刷して静電電極16より線方向で数%程度大きな寸法となるヒーター電極前駆体26を形成する(図2(g)参照)。このヒーター電極前駆体26は、フッ素系樹脂によるコーティングあるいはライニング処理のため、第3成形型33の内面に対して着脱可能である。また、ヒーター電極前駆体26の側面は垂直面となっている。次に、第3成形型33に、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、ゲル化剤を化学反応させてセラミックスラリーをゲル化させたあと離型する。これにより、ヒーター電極前駆体26が埋め込まれた第3セラミック成形体43、つまり埋込電極付きセラミック成形体43Xが得られる(図2(h)参照)。ヒーター電極前駆体26は、下面及び側面が第3セラミック成形体43に覆われているが、上面は露出していて第3セラミック成形体43の上面と同一平面を形成している。
次に、埋込電極付きセラミック成形体41X,43Xと第2セラミック成形体42とを積層して積層成形体40とする。具体的には、これらを、第1セラミック成形体41と第2セラミック成形体42とで静電電極前駆体24を挟み込み、第2セラミック成形体42と第3セラミック成形体43とでヒーター電極前駆体26を挟み込むように積層することにより、積層成形体40とする(図2(i)参照)。この積層成形体40を乾燥したあと脱脂し、更に仮焼することにより、積層仮焼体50とする(図2(j)参照)。そして、この積層仮焼体50をホットプレス焼成することにより、静電チャック10を得る(図2(k)参照)。
以上詳述した静電チャック10の製法によれば、所定形状の静電電極14やヒーター電極16の端面が変形するのを抑制することができる。具体的には、静電電極前駆体24を内面に着脱可能に取り付けた第1成形型31にセラミックスラリーを流し込みゲル化する際、反応初期のスラリーは粘度が低く流動性が高いため、静電電極又はその前駆体24の端部を削ってしまうのを抑制できると共に、電極界面にセラミック粉体が隙間無く且つ均一に充填し、ホットプレス焼成時に電極の変形を抑制できると考えられる。この点は、ヒーター電極前駆体26についても同様である。
上述した実施形態では、第1〜第3セラミック成形体41〜43を乾燥・脱脂・仮焼を行わずにそのまま積層して積層成形体40とし、この積層成形体40を乾燥・脱脂・仮焼を行うことにより積層仮焼体50としたが、最終的に積層仮焼体50が得られるのであれば第1〜第3セラミック成形体41〜43の乾燥・脱脂・仮焼をどの段階で行うかは問わない。例えば、第1〜第3セラミック成形体41〜43の少なくとも1つを乾燥だけ行ったあと積層してもよいし、第1〜第3セラミック成形体41〜43の少なくとも1つを乾燥・脱脂を行ったあと積層してもよいし、第1〜第3セラミック成形体41〜43の1つか2つを乾燥・脱脂・仮焼を行ったあと積層してもよい。いずれの場合も、積層体には乾燥・脱脂・仮焼の少なくとも1工程を終了していないものが含まれるため、その終了していない工程を積層体に施す必要がある。あるいは、第1〜第3セラミック成形体41〜43を3つとも個別に乾燥・脱脂・仮焼したあと積層してもよい。その場合には、積層後の乾燥・脱脂・仮焼が不要となる。
静電チャック10の製法について、図6を用いて以下に説明する。図6は、第2の静電チャックの製法の一例を示す製造工程図である。この製法は、第1セラミック成形体41及び第3セラミック成形体43の作製方法が異なる以外は、第1の静電チャックの製法と同じであるため、以下には異なる手順を中心に説明する。
まず、第1成形型131を用意する(図6(a)参照)。この第1成形型131は、第1セラミック仮焼体51に対して収縮率を考慮した大きさの内部空間を有しているが、下型の内面に、静電電極前駆体24と同形状の凸部131aが着脱不能に設けられている。この第1成形型131の内部空間に、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、ゲル化剤を化学反応させてセラミックスラリーをゲル化させたあと離型する。これにより、静電電極前駆体24に対応する凹部41aを備えた第1セラミック成形体41を得る(図6(b)参照)。次に、この凹部41aに電極ペーストを用いてスクリーン印刷することにより、静電電極前駆体24を形成する。これにより、静電電極前駆体24が埋め込まれた第1セラミック成形体41、つまり埋込電極付きセラミック成形体41Xを得る(図6(c)参照)。
図6(d),(e)の手順は、図2(d),(e)を用いて説明した第1の静電チャックの製法と同様であるため、説明を省略する。
まず、第3成形型133を用意する(図6(f)参照)。この第3成形型133は、第3セラミック仮焼体53に対して収縮率を考慮した大きさの内部空間(第3セラミック仮焼体53よりよりわずかに大きな内部空間)を有している。上型の内面に、ヒーター電極前駆体26と同形状の凸部133aが着脱不能に設けられている。この第3成形型133の内部空間に、セラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、ゲル化剤を化学反応させてセラミックスラリーをゲル化させたあと離型する。これにより、ヒーター電極前駆体26に対応する凹部43aを備えた第3セラミック成形体43を得る(図6(g)参照)。次に、この凹部43aに電極ペーストを用いてスクリーン印刷することにより、ヒーター電極前駆体26を形成する。これにより、ヒーター電極前駆体26が埋め込まれた第3セラミック成形体43、つまり埋込電極付きセラミック成形体43Xを得る(図6(h)参照)。
図6(i)〜(k)の手順は、図2(i)〜(k)を用いて説明した第1の静電チャックの製法と同様であるため、説明を省略する。
以上詳述した静電チャック10の製法によれば、所定形状の静電電極14やヒーター電極16の端面が変形するのを抑制することができる。具体的には、凹部41aを備えた第1セラミック成形体41を作製し、その第1セラミック成形体41の凹部41aに静電電極前駆体24を形成する。このとき、第1セラミック成形体41はセラミック粉体を分散させたセラミックスラリーをゲル化して作製されているため、静電電極又はその前駆体の端部を削ってしまうのを抑制できると共に、電極界面にセラミック粉体が隙間無く且つ均一に充填し、ホットプレス焼成時に電極の変形を抑制できると考えられる。また、静電電極前駆体24は外部に突出しているものではないため、静電電極前駆体24の端部が他の部材と擦れて変形するおそれはない。以上の結果、所定形状の静電電極14の端面が変形するのを抑制することができたと考えられる。この点は、ヒーター電極前駆体26についても同様である。
上述した実施形態では、第1〜第3セラミック成形体41〜43を乾燥・脱脂・仮焼を行わずにそのまま積層して積層成形体40とし、この積層成形体40を乾燥・脱脂・仮焼を行うことにより積層仮焼体50としたが、最終的に積層仮焼体50が得られるのであれば第1〜第3セラミック成形体41〜43の乾燥・脱脂・仮焼をどの段階で行うかは問わない。例えば、第1〜第3セラミック成形体41〜43の少なくとも1つを乾燥だけ行ったあと積層してもよいし、第1〜第3セラミック成形体41〜43の少なくとも1つを乾燥・脱脂を行ったあと積層してもよいし、第1〜第3セラミック成形体41〜43の1つか2つを乾燥・脱脂・仮焼を行ったあと積層してもよい。いずれの場合も、積層体には乾燥・脱脂・仮焼の少なくとも1工程を終了していないものが含まれるため、その終了していない工程を積層体に施す必要がある。あるいは、第1〜第3セラミック成形体41〜43を3つとも個別に乾燥・脱脂・仮焼したあと積層してもよい。その場合には、積層後の乾燥・脱脂・仮焼が不要となる。
静電チャック110の製法について、図8を用いて以下に説明する。図8は、第3の静電チャックの製法の一例を示す製造工程図である。
まず、図8(a),(b)に示すように、第1セラミック成形体141に凸状の静電電極前駆体124を形成した凸電極付きセラミック成形体141Yと、第3セラミック成形体143に凸状のヒーター電極前駆体126を形成した凸電極付きセラミック成形体143Yを作製する。前者は、上述した図3(a),(b)の工程を経て第1セラミック成形体141を作製した後、その下面に電極ペーストをスクリーン印刷して静電電極前駆体124を形成することにより、作製する。後者は、上述した図3(f),(g)の工程を経て第3セラミック成形体143を作製した後、その上面に電極ペーストをスクリーン印刷してヒーター電極前駆体126を形成することにより、作製する。
内部空間が静電チャック110に対して収縮率を考慮した大きさの統合用成形型38を用意する(図8(c)参照)。そして、統合用成形型38の上型の内面に、凸電極付きセラミック成形体141Yの電極形成面とは反対側の面を取り付けると共に、統合用成形型38の下型の内面に、凸電極付きセラミック成形体143Yの電極形成面とは反対側の面を取り付ける(図8(d)参照)。次に、統合用成形型38にセラミック粉体、溶媒、分散剤及びゲル化剤を含むセラミックスラリーを流し込み、ゲル化剤を化学反応させてセラミックスラリーをゲル化させる。これにより、第2セラミック成形体142が形成されるため、積層成形体140が完成する。その後、この積層成形体140を統合用成形型38から離型する(図8(e)参照)。
積層成形体140を乾燥したあと脱脂し、更に仮焼することにより、積層仮焼体150とする(図8(f)参照)。そして、この積層仮焼体150をホットプレス焼成することにより、静電チャック110を得る(図8(g)参照)。
上述した静電チャック110の製法によれば、所定形状の静電電極114及びヒーター電極116の端面が変形するのを抑制することができる。具体的には、統合用成形型38の内面に凸電極付きセラミック成形体141Y,143Yを着脱可能に取り付けた後、セラミックスラリーを統合用成形型38に流し込みゲル化する際、反応初期のスラリーは粘度が低く流動性が高いため静電電極114やヒーター電極116の端面を削ってしまうのを抑制できると共に、電極界面にセラミック粉体が隙間無く且つ均一に充填し、ホットプレス焼成時に電極の変形を抑制できると考えられる。
上述した実施形態では、第1及び第3セラミック成形体141,143を乾燥・脱脂・仮焼を行わずに統合用成形型38にセットしたが、第1及び第3セラミック成形体141,143の乾燥・脱脂・仮焼をどの段階で行うかは問わない。例えば、第1及び第3セラミック成形体141,143の少なくとも1つにつき、乾燥だけ行ったあと統合用成形型38にセットしてもよいし、乾燥・脱脂を行ったあと統合用成形型38にセットしてもよいし、乾燥・脱脂・仮焼を行ったあと統合用成形型38にセットしてもよい。いずれの場合も、統合用成形型38から取り出した後の積層体には乾燥・脱脂・仮焼が終了していない第2のセラミック成形体142が含まれるため、積層体に乾燥・脱脂・仮焼を行う必要がある。なお、予め乾燥・脱脂・仮焼のいずれかを行う場合、その時期は電極ペーストを印刷する前でも後でもよい。
図2にしたがって、静電チャックを作製した。まず、直径355mm、高さ3.0mmの円盤状の内部空間を有する第1成形型と、直径355mm、高さ6.0mmの円盤状の内部空間を有する第2成形型と、直径355mm、高さ3.0mmの円盤状の内部空間を有する第3成形型を用意した。
図3にしたがって、静電チャックを作製した。まず、実施例1と同様の第1〜第3成形型を用意した。そして、第2成形型の上型の内面に電極ペーストをスクリーン印刷し、実施例1と同様の静電電極前駆体とした。また、第2成形型の下型に電極ペーストをスクリーン印刷し、実施例1と同様のヒーター電極前駆体とした。
図8に示した第3の静電チャックの製法にしたがって、静電チャックを作製した。まず、実施例1と同様の第1及び第3成形型を用意すると共に、積層成形体に見合った大きさの内部空間を有する統合用成形型を用意した。そして、実施例1と同様のセラミックスラリーを第1及び第3成形型に流し込み、セラミックスラリーをゲル化させたあと離型した。これにより、第1及び第3セラミック成形体を得た。続いて、第1セラミック成形体の下面に電極ペーストをスクリーン印刷して、凸状の静電電極前駆体の付いた第1セラミック成形体とした。また、第3セラミック成形体の上面に電極ペーストをスクリーン印刷して、凸状のヒーター電極前駆体の付いた第3セラミック成形体とした。
実施例3において、電極ペーストを印刷する前の第1及び第3セラミック成形体を、100℃で10時間乾燥した後、最高温度500℃で10時間脱脂し、更にアルゴン雰囲気において最高温度820℃で1時間仮焼することにより、第1及び第3セラミック仮焼体としたあと、それぞれに電極ペーストを印刷した以外は、実施例3と同様にして静電チャックを作製した。得られた静電チャックは、炭素含有量が0.1重量%以下、相対密度が98%以上であった。また、静電電極の端面は、縦断面をみたとき、図1の角度θが176°の膨出面であり、変形はほとんどみられなかった。
図9に示した第3の静電チャックの製法にしたがって、静電チャックを作製した。まず、実施例1と同様の第2成形型を用意すると共に、積層成形体に見合った空間を有する統合用成形型を用意した。そして、実施例1と同様のセラミックスラリーを第2成形型に流し込み、セラミックスラリーをゲル化させたあと離型した。これにより、第2セラミック成形体を得た。続いて、第2セラミック成形体の上面及び下面にそれぞれ実施例1の電極ペーストをスクリーン印刷して、凸状の静電電極前駆体及び凸状のヒーター電極前駆体の付いた第2セラミック成形体を得た。
実施例5において、電極ペーストを印刷する前の第2セラミック成形体を、100℃で10時間乾燥した後、最高温度500℃で10時間脱脂し、更に、アルゴン雰囲気において最高温度820℃で1時間仮焼することにより、第2セラミック仮焼体としたあと、両面に電極ペーストを印刷した以外は、実施例5と同様にして静電チャックを作製した。得られた静電チャックは、炭素含有量が0.1重量%以下、相対密度が98%以上であった。また、静電電極の端面は、縦断面をみたとき、図1の角度θが176°の膨出面であり、変形はほとんどみられなかった。
まず、誘電層となる上部アルミナ焼結体と下層となる下部アルミナ焼結体を用意した。上部アルミナ焼結体は、以下のようにして作製した。すなわち、純度99.7%のアルミナ粉末と焼結助剤であるMgO原料粉とを、MgOの含有量が0.04wt%となるように秤量した。これらの原料粉にバインダであるポリビニルアルコール(PVA)、水及び分散剤を添加し、トロンメルで16時間混合し、スラリーを作製した。このスラリーをスプレードライヤを用いて噴霧乾燥し、その後、500℃で5時間保持してバインダを除去し、平均約80μmのアルミナ造粒顆粒を作製した。このアルミナ造粒顆粒を金型に充填し、200kg/cm2の圧力でプレス成形を行った。続いて、この成形体をカーボン製のサヤにセットし、ホットプレス焼成法を用いて焼成した。焼成は、100kg/cm2の加圧下で、かつ窒素加圧雰囲気(150kPa)で行い、300℃/hで昇温し、1600℃で2時間保持し誘電体層に相当する部分のアルミナ焼結体を得た。このアルミナ焼結体を研削加工し、直径φ300mm、厚さ6mmの円盤状の上部アルミナ焼結体を作製した。この際の一方の面は表面粗さRaが0.8μm以下の平滑面となるように仕上げた。なお、下部アルミナ焼結体も、これに準じて作製した。続いて、実施例1と同様の電極ペーストを、上部アルミナ焼結体の上にスクリーン印刷することにより、静電電極前駆体とした。また、下部アルミナ焼結体の上にスクリーン印刷することにより、ヒーター電極前駆体とした。
まず、中間層となる中部アルミナ焼結体を、比較例1の上部アルミナ焼結体に準じて作製した。続いて、実施例1と同様の電極ペーストを、中部アルミナ焼結体の上下両面にスクリーン印刷することにより、それぞれ静電電極前駆体、ヒーター電極前駆体とした。
Claims (1)
- 静電電極が内蔵された静電チャックであって、
前記静電電極の端面は、縦断面をみたとき、フラット面であるか又は膨出面であって該膨出面の上隅と膨出先端と下隅とを結んだ角度θが160≦θ<180°である、
静電チャック。
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