JPH08225370A - 圧電セラミックスの製造方法 - Google Patents

圧電セラミックスの製造方法

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JPH08225370A
JPH08225370A JP29887394A JP29887394A JPH08225370A JP H08225370 A JPH08225370 A JP H08225370A JP 29887394 A JP29887394 A JP 29887394A JP 29887394 A JP29887394 A JP 29887394A JP H08225370 A JPH08225370 A JP H08225370A
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piezoelectric ceramics
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JP29887394A
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Yasushi Sawada
靖 澤田
Hiroyuki Sato
博之 佐藤
Etsuro Yasuda
悦朗 安田
Haruo Ishioka
晴夫 石岡
Manabu Osuga
学 大須賀
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Soken Inc
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Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで、圧電特性を低下させることな
く、圧電セラミックスの焼結密度を高め、機械的強度を
向上させる。 【構成】 圧電セラミックスの原料粉末を仮焼する工程
と、仮焼物を粉砕して得られた比表面積Swの仮焼粉1
00重量部に対し、有機系添加物を0.1Sw〜0.2
Sw重量部の範囲で添加して造粒する工程と、得られた
造粒粉を、ヤング率が0.1〜1GPaの範囲にある材
料で内表面をライニングした成形型を用いて成形する工
程と、得られた成形体を焼成する工程とによって圧電セ
ラミックスを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクチュエータ等、各
種電子機器に使用可能な圧電セラミックスの製造方法に
関し、特に、機械的強度を高めた圧電セラミックスの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PZTをはじめとする圧電セラミックス
は、印加電圧を機械的な力に変換するという作用を有し
(逆圧電効果)、この電圧の印加による圧電セラミック
スの伸縮を利用したアクチュエータが実用化されてい
る。しかしながら、大きな発生力が必要とされるアクチ
ュエータ用の素子として使用する場合、伸縮を繰り返す
ことによって圧電セラミックスにクラックが発生するこ
とがあり、クラック発生部位で短絡が生じて、アクチュ
エータが作動しなくなるおそれがあった。
【0003】クラックの発生を防止するには、圧電セラ
ミックスの機械的強度を向上させること、すなわち焼結
密度を高めることが重要である。従来より、焼結密度を
向上させる方法としては、例えば、(1)圧電セラミッ
クスを加圧しながら焼成するホットプレス方法、または
(2)圧電セラミックス原料にSiO2 、過剰PbO
等、易焼結性の無機添加物を混合して焼成する方法等が
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方法では、製品を量産する場合に大型装置が必
要で、製品コストの上昇が避けられない。また、上記
(2)の方法では、無機添加物は焼成後も焼結体中に残
留するため、所望の圧電特性を得るために厳密に調製さ
れるべき圧電セラミックス原料に、他の成分が混合する
ことになる。従って、焼結密度は向上するものの、電界
分布が不均一になったり、絶縁抵抗が低下するなど、圧
電特性が低下するという不具合があった。
【0005】しかして、本発明の目的は、コストの上昇
や圧電特性の低下を伴わずに、圧電セラミックスの焼結
密度を高め、その機械的強度を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、圧電セラミックスの原料粉末を仮焼す
る工程と、仮焼物を粉砕して得られた比表面積Swの仮
焼粉100重量部に対し、有機系添加物を0.1Sw〜
0.2Sw重量部の範囲で添加して造粒する工程と、得
られた造粒粉を、ヤング率が0.1〜1GPaの範囲に
ある材料で内表面をライニングした成形型を用いて成形
する工程と、得られた成形体を焼成する工程とによって
圧電セラミックスを製造する(請求項1)。ここで、上
記有機系添加物とは分散剤およびバインダーであり(請
求項2)、上記成形型のライニング材には、具体的には
ポリテトラフルオロエチレンや11−ナイロンが用いら
れる(請求項3)。
【0007】図1に本発明の圧電セラミックスの製造フ
ローチャートを示す。本発明方法により製造される圧電
セラミックスは、例えばPbSrTiO3 −PbSrZ
rO3 −PbSrYNbO3 、BaTiO3 、PbLa
ZrTiO3 等の複合酸化物セラミックスである。本発
明方法では、まず、所望の組成となるように原料粉を混
合した後、焼成温度より低い温度で仮焼を行なう。次い
で、この仮焼物を粉砕し、得られた仮焼粉に有機系添加
物を添加して造粒を行なう。
【0008】上記造粒工程で添加する有機系添加物とし
ては、通常、仮焼粉末の凝集を防ぐ分散剤と、成形体を
焼成するまでの間に成形体がハンドリングに耐えられる
強度を確保するためのバインダーとが使用される。ここ
で、分散剤としては、例えば縮合ナフタレン、スルホン
酸アンモニウム等が、バインダーとしては、例えばポリ
ビニルアルコール等が挙げられる。
【0009】本発明では、仮焼物を粉砕して得た、比表
面積Swの仮焼粉100重量部に対し、これら有機系添
加物を添加総量が0.1Sw〜0.2Sw重量部の範囲
となるように添加する。添加総量の下限値は造粒粉が球
形となるための最低量で、上記範囲を下回ると造粒粉が
不定形となり、造粒粉の流動性が低下する。流動性の低
下は成形型への充填性を悪化させ、成形体中の隙間を増
加させる。また、添加総量の上限値は成形中に造粒粉が
十分潰れるための最大量で、この範囲を越えると造粒粉
が硬くなり、成形しても十分に潰れなくなる。この場
合、成形体中の隣合う造粒粉間に隙間が生じ、この隙間
は焼成後も残留するので、緻密な焼結体が得られない。
なお、ここで比表面積を変数としたのは、仮焼粉の比重
や粒径が異なる場合でも、造粒工程で仮焼粉の単位面積
当たりの有機系添加物の付着量を一定とするためであ
る。
【0010】造粒粉は、次いで図2に示す成形型を用い
て成形される。成形型2は、筒状金型22の内周面をラ
イニング材21でライニングしてなり、この成形型2内
に造粒粉1を充填し、上下の成形パンチ3で圧縮するこ
とにより成形体とする。ライニング材21は成形圧力を
緩和して離型を容易にする作用を有し、ヤング率が0.
1〜1GPaの範囲にある材料、例えばポリテトラフル
オロエチレン等のフッ素樹脂、または11−ナイロン等
のポリアミド樹脂等で構成される。ここで、ヤング率が
0.1GPa未満であると成形圧力によるライニング材
21の変形が大きくなり、成形時に成形パンチ3と成形
型2とのクリアランスが大きくなって、充填した粉が型
外へ噴き出し、所望の形状が得られない。また、ヤング
率が1GPaを越えると圧力を緩和する効果が小さく、
離型が困難になる。
【0011】なお、ライニング材21は、成形圧力によ
るライニング材21の変形を確保するためにある程度以
上の厚みが必要であり、通常、肉厚30mm程度の金型
22に対し、ライニング材21の肉厚を10mm程度と
するのがよい。また、成形型2のライニングは、例えば
ライニング材21を外径が金型22の内径よりやや大き
くなるように成形し、これをプレス機によって金型22
内に圧入することによって行なわれる。あるいはライニ
ング材21を金型22内周面に接着剤によって接合して
もよい。
【0012】得られた成形体は、さらに焼成して圧電セ
ラミックス焼結体とする。焼成は、通常、常圧で、材料
に応じた所定の焼成温度にて行なわれる。以上の工程に
より、本発明では相対密度98%以上の緻密な焼結体を
得ることができる。
【0013】
【作用】本発明では、仮焼物を粉砕して得た仮焼粉に、
分散剤、バインダー等の有機系添加物を添加して造粒を
行なう。特にこれら有機系添加物を所定量添加すること
で、成形時の造粒粉の圧壊性がよくなり、また球形の粉
末を得ることができるため流動性が増して成形型への充
填性が向上する。このため、成形体の気孔率が小さくな
り、焼結密度が向上する。また、これら有機系添加物は
焼成過程で燃焼除去されるため、焼結体中に残留する無
機添加物のように圧電特性に影響を及ぼすおそれはな
い。
【0014】ところで、上記のようにして得られた造粒
粉を通常の金型で成形すると、成形型の内周面と成形体
との摩擦抵抗が大きいため離型が難しく、成形体に割れ
が生じるおそれがある。これを防止するため、本発明で
はヤング率が0.1〜1GPaの材料をライニングした
成形型を用いており、成形圧力を緩和して成形体の型表
面への付着を防ぎ、離型を容易とすることができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。上記図1の製造フローチャートに基づき、PbSr
TiO3 −PbSrZrO3 −PbSrYNbO3 の組
成を有する複合酸化物よりなる圧電セラミックスを製造
した。まず、原料粉としてPbO:62.0重量部、T
iO2 :10.6重量部、ZrO2 :21.3重量部、
SrCO3 :5.2重量部、Y2 3 :0.2重量部、
Nb2 5 :0.7重量部を混合し、850℃で仮焼を
行なった。この仮焼物を粉砕粒径が1/10μm 〜1/
100μm になるまで粉砕した。得られた仮焼粉の比表
面積Swは25m2 /gであった。
【0016】得られた仮焼粉に、分散剤として縮合ナフ
タレンスルホン酸アンモニウム(第一工業製薬株式会社
製、商品名セラモD134)を2重量部、バインダーと
してポリビニルアルコール(和光純薬工業株式会社製)
を0.5重量部添加し、スプレードライヤー方式で数μ
m 〜数10μm の球状粉末に造粒した。この時、有機系
添加物の総量が仮焼粉の比表面積Swに対し0.1Sw
となるようにした。
【0017】この造粒粉を上記図2の成形型2に充填
し、プレス圧2MPaで成形した。ここで、成形型2の
ライニング材21としては、ヤング率0.4GPaのポ
リテトラフルオロエチレンを用いた。得られた成形体を
常圧、1150℃で焼成し、本発明の焼結体を得た。こ
の焼結体の相対密度および圧電定数を測定し、結果を表
1に実施例1として示した。
【0018】次に、上記有機系添加物の添加量を表1の
ように変更し、その添加総量が0.2Swとなるように
した以外は上記実施例1と同様の方法で焼結体を作製し
た(実施例2)。相対密度および圧電定数を測定した結
果を表1に併記する。また、比較のため、有機系添加物
の添加総量が0.23Swとなるようにし、ライニング
材21を有しない成形型2を用いて成形したものについ
て、同様の方法で焼結体を作製した。結果を比較例とし
て表1に併記する。
【0019】
【表1】
【0020】表1に明らかなように、有機系添加物を所
定量添加し、ヤング率が所定範囲にあるライニング材を
配した成形型を用いることで、相対密度が98%に向上
していることがわかる。さらに実施例1および比較例の
焼結体につき、曲げ強度試験を行なったところ、図3に
示すように、機械的信頼性を示すワイブル係数が比較例
の26から実施例1では35に、また任意の破壊確立に
おける曲げ強度も向上しており、製品の信頼性を大きく
向上できる。
【0021】次いで、ライニング材21のヤング率が成
形性に及ぼす影響を調べるため、成形型2のライニング
材21をヤング率1GPaの11−ナイロンに変更し、
上記実施例1と同様にして成形体を作製した。得られた
成形体は、成形性、離型性ともに良好で、これを焼成し
て得られた焼結体の相対密度は上記実施例と同程度であ
った。なお、ライニング材21をヤング率2.5GPa
のMCナイロン11に変更したところ、成形は可能であ
ったが、離型ができなかった。また、ヤング率0.01
GPaのウレタンゴムに変更したところ、離型は可能で
あったが、ライニング材21の変形が大きく、所望形状
に成形できなかった。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明方法によれば、高
コストの加圧焼成によらずに、高い焼結密度を有する焼
結体を得ることができる。従って、材料の破壊起点とな
る焼結体中の気孔を減らすことができるので、高い機械
的強度が必要とされる圧電セラミックスの製造方法とし
て極めて有用で、その機械的信頼性を大幅に向上させる
ことができる。また、無機添加物を使用しないので、無
機物が焼結体中に残留して圧電特性を低下させることが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法のフローチャートである。
【図2】本発明で使用される成形型の構造を示す断面図
である。
【図3】本発明実施例における曲げ強度試験結果を示す
図である。
【符号の説明】
1 造粒粉 2 成形型 21 ライニング材 22 金型 3 成形パンチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石岡 晴夫 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 大須賀 学 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスの原料粉末を仮焼する
    工程と、仮焼物を粉砕して得られた比表面積Swの仮焼
    粉100重量部に対し、有機系添加物を0.1Sw〜
    0.2Sw重量部の範囲で添加して造粒する工程と、得
    られた造粒粉を、ヤング率が0.1〜1GPaの範囲に
    ある材料で内表面をライニングした成形型を用いて成形
    する工程と、得られた成形体を焼成する工程とからなる
    ことを特徴とする圧電セラミックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記有機系添加物が分散剤およびバイン
    ダーである請求項1記載の圧電セラミックスの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記成形型のライニング材が、ポリテト
    ラフルオロエチレンまたは11−ナイロンである請求項
    1または2記載の圧電セラミックスの製造方法。
JP29887394A 1994-11-07 1994-11-07 圧電セラミックスの製造方法 Withdrawn JPH08225370A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005159040A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Kyocera Corp 圧電素子および燃料噴射装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005159040A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Kyocera Corp 圧電素子および燃料噴射装置

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