JP2013257229A - 回転体の回転角検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】モータからの漏洩磁束などの変化による影響も考慮して補正用誤差を選択することにより回転角の検出精度を向上させる。
【解決手段】回転角検出システムは、軸倍角Nのロータを有するレゾルバと、レゾルバから得られた回転角の波形の誤差補正を行う制御部とを備える。制御部は、ロータの各回転周期を分割したN個の区間のうち、補正対象区間の直前区間の誤差波形と、直前区間より前の回転周期に属する同じ回転角度範囲の第1区間の誤差波形との第1偏差ΔErr1が、直前区間の誤差波形と、第1区間よりも後の区間である異なる回転角度範囲の区間の誤差波形との第2偏差ΔErr2よりも大きいとき、基準区間の誤差波形の重みを小さくするとともに基準区間よりも後の区間の誤差波形の重みを大きくした補正用誤差Δθtransitを用いて誤差補正を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、レゾルバを用いて回転体の回転角を検出するシステムに関する。
従来、レゾルバを用いて回転体の回転角を検出する技術が知られている。レゾルバから得られる検出値は、検出回路内の素子のバラツキおよびレゾルバのロータとステータ間の軸心のずれ等に起因する誤差を含んでおり、より高精度な回転角を得るためにレゾルバが検出した回転角を補正する手法が提案されている。
例えば、特開2011−252789号(以下、特許文献1という)には、レゾルバを用いて回転角を算出する装置の制御装置は、取得部31、算出部32、学習部33、算出部34を含み、取得部はレゾルバが実際に出力するレゾルバ信号θを取得し、算出部は理想角と実際のレゾルバ信号との差をレゾルバ誤差値として算出し、学習部は今回周期よりも1周期前からN(Nは2以上の整数)周期前までのN個のレゾルバ誤差値の波形に対してそれらの間の散らばりを平均化するための「なまし処理」を施してレゾルバ誤差学習値の波形を算出し、算出部は今回周期のレゾルバ信号と、レゾルバ誤差値と、学習部が学習したレゾルバ誤差学習値とに基づいて、補正後のレゾルバ信号を算出することが記載されている。
また、特開2011−107022号公報(以下、特許文献2という)には、レゾルバ装置において、一周期中の回転角データのうち少なくとも2つである特定角の各々について、現在より3回転前周期で特定角が得られてから前々回周期で特定角が得られるまでの所要時間T2に対する現在より2回前周期で特定角が得られてから前回周期で特定角が得られるまでの所要時間T1の時間変化率が判定閾値以下のときには、前回周期でレゾルバが略等速で回転していたと判定して前回周期で得られた回転角データと理想角データとの差分を用いて現在周期での回転角データを補正することが記載されている。
さらに、特開2010−96708号公報(以下、特許文献3という)には、ステータと軸倍角n(nは自然数)のロータとを有するレゾルバがモータの回転子の回転角を機械角のn倍の角度で検出する角度検出装置において、区間番号演算部は、検出角度が回転子の1回転期間を等間隔に分割したn個の区間のうち、いずれの区間に属するかを判定して、区間毎に検出角度を補正することが記載されている。
特開2011−252789号公報 特開2011−107022号公報 特開2010−96708号公報
上記特許文献1ないし3に記載されるレゾルバを用いた回転角の検出では、レゾルバが比較的近くに配置されているモータからの漏洩磁束等の影響によってレゾルバ信号に含まれる誤差波形が過渡的に変化することがある。そうした過渡的な誤差波形の変化に応じてレゾルバ信号の誤差補正を適切に行わないと、回転角の検出精度が悪くなる可能性がある。
本発明の目的は、モータからの漏洩磁束などの変化による影響も考慮して補正用誤差を選択し、検出精度を向上させることである。
本発明に係る回転体の回転角検出システムは、レゾルバと、前記レゾルバから得られた回転角の波形の誤差補正を行う制御部とを備え、前記レゾルバは、軸倍角N(Nは自然数)のロータを有し、前記制御部は、前記ロータの各回転周期を分割したN個の区間のうち、補正対象とする区間より前の回転周期に属し、かつ前記補正対象とする区間と各回転周期における回転角度の範囲が同じである基準区間における誤差波形と、前記基準区間よりも後の区間における誤差波形とにそれぞれ所定の重みをつけて平均した波形を補正用誤差として用いて誤差補正を行う、回転体の回転角検出システムであって、前記制御部は、前記補正対象とする区間の直前区間における誤差波形と、前記直前区間より前の回転周期に属しかつ前記直前区間と各回転周期における回転角度の範囲が同じ区間である第1区間における誤差波形との第1偏差が、前記直前区間における誤差波形と、前記第1区間よりも後の区間でありかつ前記直前区間と各回転周期における回転角度の範囲が異なる区間における誤差波形との第2偏差よりも大きいとき、前記それぞれ所定の重みに比べて、前記基準区間における誤差波形につける重みを小さくするとともに、前記基準区間よりも後の区間における誤差波形につける重みを大きくした補正用誤差を用いて誤差補正を行うものである。
本発明に係る回転体の回転角検出システムにおいて、前記第1偏差および前記第2偏差は、前記誤差波形の絶対値の最大値の差、または、前記誤差波形の積分値の差であってもよい。
また、本発明に係る回転体の回転角検出システムにおいて、前記基準区間よりも後の区間は前記直前区間であり、前記第1区間よりも後の区間でありかつ前記直前区間と各回転周期における回転角度の範囲が異なる区間は、前記直前区間の直前の区間であってもよい。
さらに、本発明に係る回転体の回転角検出システムは、前記第1偏差が前記第2偏差よりも大きいことが所定回数続いたとき、前記それぞれの所定の重みに比べて、前記基準区間における誤差波形につける重みを小さくするとともに、前記基準区間よりも後の区間における誤差波形につける重みを大きくした補正用誤差を用いて誤差補正を行ってもよい。
本発明に係る回転体の回転角検出システムによれば、モータからの漏洩磁束などの変化による影響も考慮して補正用誤差を選択することにより回転角の検出精度を向上させることができる。
モータ駆動制御システムの全体構成図である。 (a)はレゾルバの構成を概略的に示す図であり、(b)は上から順にモータシャフトの回転角、レゾルバの検出角、各区間の検出誤差を示すグラフである。 制御装置の機能ブロック図である。 前回周期と今回周期における各区間のレゾルバ信号とレゾルバ誤差値とを示す図である。 制御装置の誤差導出部において実行される処理手順を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施の形態(以下、実施形態という)について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、本発明の一実施形態である回転体の回転角検出システムが適用されるモータ駆動制御システム100の全体構成図である。図1に示すように、モータ駆動制御システム100は、直流電圧発生部10と、平滑コンデンサC0と、インバータ14と、モータ20と、制御装置(制御部)30とを備える。
モータ20は、例えば、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車や燃料電池車等の電気エネルギによって車両駆動力を発生する自動車をいうものとする)の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための走行用電動機である。あるいは、このモータ20は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成されてもよく、電動機および発電機の機能を併せ持つように構成されてもよい。さらに、モータ20は、エンジンに対して電動機として動作し、例えば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態において、モータ20は、交流駆動の電動機、発電機、および電動発電機(モータジェネレータ)を含むものである。
直流電圧発生部10は、直流電源Bと、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。直流電源Bは、代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の蓄電装置により構成される。また、平滑コンデンサC1は、直流電源Bに出入りする直流電流を平滑化する機能を有する。
コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、正極線7および負極線5の間に直列に接続される。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
この実施形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、ダイオードD1,D2が配置されている。リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと直流電源Bの正極に接続された電力線6との間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、正極線7および負極線5の間に接続され、コンバータ12およびインバータ14間で授受される直流電流を平滑化する機能を有する。
インバータ14は、正極線7および負極線5の間に並列に設けられる三相(U、V、W相)の各相の上下アーム(スイッチング素子)から成る。各相の上下アームのオン/オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8によって制御される。
モータ20は、代表的には、3相の永久磁石型同期電動機であり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成される。さらに、各相コイルの他端は、インバータ14の各相の上下アームの中間点と接続されている。
コンバータ12は、基本的には、各スイッチング周期内でスイッチング素子Q1およびQ2が相補的かつ交互にオン/オフするように制御される。コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bが出力する直流電圧Vbを直流電圧VH(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)へ昇圧する。この昇圧動作は、スイッチング素子Q2のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1およびダイオードD1を介して、正極線7へ供給することにより行なわれる。
また、コンバータ12は、降圧動作時には、直流電圧VHを直流電圧Vbに降圧する。この降圧動作は、スイッチング素子Q1のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q2およびダイオードD2を介して、電力線6へ供給することにより行なわれる。これらの昇圧動作または降圧動作における電圧変換比(VHおよびVbの比)は、上記スイッチング周期に対するスイッチング素子Q1,Q2のオン期間比(デューティ比)により制御される。
制御装置30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成され、当該メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、モータ駆動制御システム100の動作を制御する。なお、制御装置30は、本実施形態におけるモータ20のロータ(回転体に相当する、図示せず)の回転角を検出する装置の一部を構成している。
モータ20には、レゾルバ40が設けられている。レゾルバ40もまた回転角を検出する装置の一部を構成する。レゾルバ40は、後述するレゾルバロータの回転角、すなわちモータ20の回転角を示すレゾルバ信号θを制御装置30へ出力する。
次に、図2を参照してレゾルバ40について説明する。図2(a)はレゾルバの構成を概略的に示す図であり、図2(b)は上から順にモータシャフトの回転角、レゾルバの検出角、各区間の検出誤差を示すグラフである。
レゾルバ40は、図2(a)に示すように、モータ20の回転軸22に固定されるロータ42と、ロータ42に対向配置されるステータ44とを備える。本実施形態におけるレゾルバ40のロータ42は、周方向に等間隔で形成された3つの突極部43a,43b,43cを外周部に備え、各突極部43a,43b,43c間をつなぐ周方向部分1〜3(図中では○で囲んだ番号として表示)がそれぞれ略円弧状の曲面を成している。したがって、本実施形態では、レゾルバ40の軸倍角N(Nは自然数)が3である場合を例示する。
一方、本実施形態のレゾルバ40のステータ44は、ロータ42に対向する内周部にM個の検出コイル46を周方向に等間隔で備える。各検出コイル46は、渡り導線48を介してそれぞれ直列接続されており、2つの出力端子49a,49bから出力信号を取り出せる周知の構成を有する。ここで、本実施形態では、検出コイル46の個数Mが、上記ロータ42の極数Nに対して非整数倍に設定されている。本実施形態では、ステータ44に8つの検出コイル46が設けられた例が示されている。
なお、本実施形態ではロータ極数Nと検出コイルの数Mとが非整数倍の関係にあるレゾルバを例示するが、これらの数N,Mは整数倍となるよう構成されてもよい。また、上記では1相出力タイプのレゾルバを例示するが、互いに位相が90度ずれた2つの検出信号が出力される2相出力タイプのレゾルバが用いられてもよい。
レゾルバ40がN倍角の場合、レゾルバ40は、モータ20が1回転する間(すなわちレゾルバ40のロータが1回転する間)に、位相が360度変化するレゾルバ信号θをN回繰り返し出力する。言い換えれば、モータ20が1/N回転する間にレゾルバ信号θの位相は360度変化する。図2(b)の上段と中段にその様子が示されている。以下の説明で用いる「レゾルバ周期」又は「区間」とは、レゾルバ信号θの電気位相が360度変化する周期を意味するものとする。
図2(b)の下段には、レゾルバ信号θに含まれる検出誤差Δθを示している。検出誤差Δθは、図示されるように、ロータ42の機械1周期をN分割した区間1〜Nにおいてそれぞれ一致しない場合がある。これは、ロータ42の寸法公差、レゾルバ40のステータ44がロータ42と同心状に組み付けられていないこと、ロータ42の極数Nと検出コイル46の数Mとが非整数倍の関係にあること等に起因して生じるものである。
また、レゾルバ40から出力される信号には、上記レゾルバ信号θの他に、1回転信号が含まれる。この1回転信号とは、ロータ42が機械1回転周期ごとに生成されるパルス信号であり、ロータ42に付されているノースマークを検出したタイミングで出力される。以下、この1回転周期信号を基準周期信号という。この基準周期信号は、後述するレゾルバ誤差の影響を受けることがない。
さらに、レゾルバ40から出力されるレゾルバ信号θに基づき算出される検出角が、3倍角の場合には360度、720度、1080度に到達するごとに区間信号が生成される。この区間信号は、レゾルバ周期信号に相当するものであり、本実施形態の3倍角のレゾルバ40では3回に1回の区間信号が上記基準周期信号に一致する。
具体的には、図2(a)を参照すると、ステータ44の内周において原点位置Xが予め規定されており、この原点位置Xを各突極部43a,43b,43cが通過するごとに区間信号が生成されることになり、以下においては突極部43a,43b間の円弧状部分が原点位置Xを通過しているときを区間1、突極部43b,43c間の円弧状部分が原点位置Xを通過しているときを区間2、突極部43c,43a間の円弧状部分が原点位置Xを通過しているときを区間3という。
一般に、レゾルバ40が出力するレゾルバ信号θには、ロータ42の実回転角に対して、ロータ42の回転に同期した誤差成分(以下、「レゾルバ誤差」という)が含まれることが知られている。このレゾルバ誤差の影響を排除するためには、レゾルバ誤差を検出し、レゾルバ誤差をレゾルバ信号θから除く補正(以下、「キャンセル補正」ともいう)を行なうことが望ましい。
上記のような誤差補正は、レゾルバ信号θから算出される検出角から、一定の回転速度(角速度)でロータ42が機械1周期だけ回転するとした場合における理想角を減じて算出することができる。そして、このような誤差補正は、図2(b)を参照して上述したように、区間1〜Nごとに異なることがあるので、各区間ごとに検出角から各区間の理想角を減じて誤差補正を行うことが検出精度をより高めるうえで好ましい。
しかし、レゾルバ40が比較的近くに配置されているモータ20からの漏洩磁束等の影響を受けることによってレゾルバ信号θに含まれる誤差波形が過渡的に変化することがある。例えば、モータ20の回転速度またはトルクが急増したときにモータ20からの漏洩磁束が一時的に大きくなり、その影響によってレゾルバ信号θに含まれる誤差が過渡的に大きく変化した場合や、レゾルバ40の温度変化による影響によってレゾルバ信号θに含まれる誤差が過渡的に変化した場合等が想定される。そうした過渡時には1周期前の対応する区間(すなわち区間番号が同じ区間)で学習した誤差波形を用いて今回補正対象となる区間について補正を行うと、レゾルバ40を用いた回転角の検出精度が悪くなる可能性がある。そこで、このような過渡時における誤差補正の精度を向上させるための本実施形態の回転角を検出する装置では、下記に述べるような構成を採用している。
図3は制御装置30の機能ブロック図である。図4は、前回周期と今回周期における各区間のレゾルバ信号とレゾルバ誤差値とを示す図である。図5は、制御装置30の誤差導出部において実行される処理手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、制御装置30は、角度検出部60、理想角算出部62、誤差導出部64、および、補正部66を含む。これらの各部は、好ましくはソフトウェア処理によって実現されるが、一部がハードウェア動作によって実現されてもよい。
角度検出部60は、レゾルバ信号θからロータ42の回転角を検出する機能を有する。ここで検出される回転角には、上述したような寸法公差による誤差、組付誤差、軸倍角Nの非整数倍の誤差等が含まれる。
理想角算出部62は、各区間の理想角θiを算出する機能を有する。具体的には、各区間の区切りを示す区間信号の立上がりエッジ間の時間、すなわち電気1周期の時間Tを計測し、この時間Tで電気角360度を一定勾配で割り当てて理想角θiとする。このように算出される理想角θiは、図4中に傾斜した破線で示すように、各区間1〜3においてそれぞれ一定勾配を有する直線状に描くことができる。
誤差導出部64は、検出角θから上記理想角θiを減算して、各区間1〜3ごとに対応するレゾルバ誤差Δθを算出する機能を有する。ここで算出されたレゾルバ誤差Δθは、制御装置30に設けられるRAM等の記憶部に記憶されて随時に更新されるが、少なくとも2回転周期分の各区間1〜3のレゾルバ誤差Δθ1〜Δθ3が保持されるように構成される。
補正部66は、検出角θに対して上記レゾルバ誤差Δθ1〜Δθ3を用いて各区間1〜3ごとにキャンセルする補正を行って補正後検出角φを出力する機能を有する。ここで出力される補正後検出角φが上述したようにモータ20の駆動制御に用いられる。ただし、後述するように、通常時と判定される場合には誤差導出部64から出力される通常時誤差を補正用誤差として用いて検出角θを補正し、他方、過渡時と判定される場合には誤差導出部64から出力される過渡時誤差を補正用誤差として用いて検出角θを補正する。
続いて、誤差導出部64における処理について、図4,5を参照して詳細に説明する。ここでは、図4に示すように、レゾルバ20のロータ42の現在の回転位置が今回周期における区間2にあって、この区間2が今回の補正対象となる区間(以下、「今回区間」という)である場合を例として以下で説明する。また、図5に示される処理は、誤差導出部64において所定時間ごとに繰り返し実行される。
まず、誤差導出部64は、ステップS10において、1周期前区間間誤差である第1偏差ΔErr1を算出する。この第1偏差ΔErr1は、今回区間2と同じ今回周期の直前の区間1で学習した誤差波形Err_1pの絶対値の最大値と、当該区間1の直前の区間3よりさらに前の区間であって前回周期の対応する区間1で学習した誤差波形Err_1p_oldの絶対値の最大値との差分または偏差として求められる。
次に、誤差導出部64は、ステップS12において、直前区間間誤差である第2偏差ΔErr2を算出する。この第2偏差Err2は、今回区間2と同じ今回周期の直前の区間1で学習した誤差波形Err_1pの絶対値の最大値と、当該区間1の直前の区間3、すなわち前回周期の最後の区間3で学習した誤差波形Err_3pの絶対値の最大値との差分または偏差として求められる。
なお、上記においては第1偏差および第2偏差は、各区間の誤差波形の絶対値の最大値の差分として求められると説明したが、これに限定されるものではなく、各区間における誤差積分値の差分として求められてもよい。
次に、誤差導出部64は、ステップS14において、第1偏差ΔErr1と第2偏差ΔErr2とを比較する。そして、第1偏差ΔErr1が第2偏差ΔErr2よりも大きいとき(ステップS14でYES)、過渡時であると判定して、後述するステップS16に進む。他方、第1偏差ΔErr1が第2偏差ΔErr2以下であるとき(ステップS14でNO)、通常時であると判定して、後述するステップ18進む。
ここで、第1偏差ΔErr1が第2偏差ΔErr2以下であるとき、言い換えれば、第2偏差ΔErr2が第1偏差ΔErr1よりも大きいときに通常時と判定するのは、ロータ42が略等速で回転するレゾルバ40から出力されるレゾルバ信号θにおいて前回周期および今回周期の対応する区間1同士の誤差波形は略同様であることが常態であると想定されるためである。これを逆にいうと、第1偏差ΔErr1が第2偏差ΔErr2より大きいときには、モータ20からの漏洩磁束等の影響によってレゾルバ信号θに含まれる誤差が変化している過渡時であると判定することができる。
ステップS14において通常時であると判定されたとき、誤差導出部64は、続くステップS18で、今回区間より前の回転周期に属し、かつ今回区間と回転角度の範囲が同じである基準区間における誤差波形と、基準区間よりも後の区間における誤差波形とにそれぞれ所定の重みをつけて平均した波形を通常誤差Δθnormalとして出力する。より詳しくは、機械1周期前である前回周期において今回区間2と対応する区間2(基準区間に相当)で学習した誤差波形Err_2pと、該区間2よりも後に区間である、今回区間の直前の区間1の誤差波形Err_1pとに、例えばそれぞれ90%および10%という重みをつけて加重平均した波形を通常誤差Δθnormalを出力する。これにより、制御装置30の補正部66は、前回周期の対応区間の誤差波形ΔErr_2pが主として反映された通常誤差Δθnormalを用いて今回区間2のレゾルバ信号θを補正する。
これに対し、ステップS14で過渡時であると判定されたとき、誤差導出部64は、続くステップS16で、上記それぞれ所定の重みに比べて、前回周期の対応する区間2における誤差波形につける重みを小さくするとともに、該区間2よりも後の区間における誤差波形につける重みを大きくした補正用誤差を過渡時誤差Δθtransitとして出力する。より詳しくは、前回周期の対応する区間2の誤差波形Err_2pにつける重みを例えば10%と小さくするとともに、今回区間2により近い区間である例えば直前の区間1で学習した誤差波形ΔErr_1pにつける重みを例えば90%と大きくして、それらを加重平均して算出される過渡時誤差Δθtransitを出力する。これにより、制御装置30の補正部66は、直前区間1の誤差波形ΔErr_1pが主として反映された過渡時誤差Δθtransitを用いて今回区間2のレゾルバ信号θを補正する。
上述したように、本実施形態の回転角を検出する装置によれば、レゾルバ信号θに過渡時の乱れがあって誤差波形が変化していると判定されるとき、今回補正区間に時間的に近い区間で学習した誤差波形を主として用いて今回区間の補正を行うことで、過渡時においても回転角の検出を精度良く行なうことができる。このように、モータ20の漏洩磁束などの変化による影響も考慮して補正用誤差として過渡時誤差または通常誤差を選択することによりモータロータの回転角の検出精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、レゾルバ信号θだけに基づいて過渡時かどうかの判定を行うことから、モータの回転数やトルク指令や駆動電流等の他の情報を考慮して過渡時の判定を行う場合に比べて、処理負担を軽減できるともに処理時間も短縮できる。したがって、レゾルバ信号θの補正を適時に且つ迅速に行ううえで有利である。
また、本実施形態では過度時であるか否かの判定において補正対象となる今回区間の直前の区間の誤差波形を考慮することで、過渡時の判定を適時に精度よく行うことができる。
また、上記第2偏差ΔErr2を今回補正区間の直前の区間の誤差波形とそれに隣接する更に直前の区間の誤差波形との偏差とすることで、過渡時の判断を適宜に精度よく行うことができる。
また、上記第1偏差ΔErr1を今回補正区間の直前の区間の誤差波形とそれに対応する前回周期の対応区間の誤差波形との偏差とすることで、過渡時の判断を精度よく行うことができる。
さらに、過渡時誤差Δθtransitを今回補正区間の直前の区間の誤差波形の重みを大きくして導出することで、過渡時の誤差補正を精度よく行うことができる。加えて、通常誤差Δθnormalを今回補正区間に対応する前回周期の対応区間に学習した誤差波形の重みを大きくして導出することで、通常時の誤差補正も精度良く行うことができる。
なお、本発明に係る回転角を検出する装置は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更または改良が可能である。
上記においては、第2偏差ΔErr2を今回補正区間の直前の区間の誤差波形と、この直前区間に隣接する更に直前の区間の誤差波形とに基づいて算出したが、これに限定されるものではなく、今回補正区間の直前の区間の誤差波形と、この直前区間より前であって2つ以上の過去区間の誤差波形とに基づいて第2偏差を算出してもよい。
また、上記においては、第1偏差ΔErr1を今回区間の直前の区間の誤差波形と、この直前区間に対応する前回周期の対応区間の誤差波形とに基づいて算出したが、これに限定されるものではなく、例えば、今回区間の直前の区間の誤差波形と、この直前区間に対応する前回周期および前々回周期の2つの対応区間の誤差波形の平均値等とに基づいて第1偏差を算出してもよい。
さらに、上記においては、第1偏差が第2偏差よりも大きいときに過渡時であると判定したが、これに限定されるものではない。例えば、第1偏差が第2偏差よりも大きいことが所定回数続いたときに過渡時であると判定してもよい。ここで所定回数は、2回以上とすることができる。このようにすれば、突発的なノイズ等がレゾルバ信号に乗っても、それを過渡時と判定しないようにすることができ、過渡時の判定精度が向上する利点がある。
5 負極線、6 電力線、7 正極線、10 直流電圧発生部、12 コンバータ、14 インバータ、20 モータ、22 回転軸、30 制御装置、40 レゾルバ、42 ロータ、43a,43b,43c 突極部、44 ステータ、46 検出コイル、48 渡り導線、49a,49b 出力端子、51 基準Z信号、52a,52b,53a,53b Z信号、60 角度検出部、62 理想角算出部、64 誤差導出部、66 補正部、100 モータ駆動制御システム、B 直流電源、C0,C1 平滑コンデンサ、D1,D2 ダイオード、Err1 第1偏差、Err2 第2偏差、L1 リアクトル、N ロータ極数、M 検出コイル数、Q1,Q2 電力用半導体スイッチング素子、S1−S8 スイッチング制御信号、θ レゾルバ信号またはレゾルバ角度、θi 理想角、Δθnormal 通常誤差、Δθtransit 過渡時誤差。

Claims (4)

  1. レゾルバと、前記レゾルバから得られた回転角の波形の誤差補正を行う制御部とを備え、
    前記レゾルバは、軸倍角N(Nは自然数)のロータを有し、
    前記制御部は、前記ロータの各回転周期を分割したN個の区間のうち、補正対象とする区間より前の回転周期に属し、かつ前記補正対象とする区間と各回転周期における回転角度の範囲が同じである基準区間における誤差波形と、前記基準区間よりも後の区間における誤差波形とにそれぞれ所定の重みをつけて平均した波形を補正用誤差として用いて誤差補正を行う、回転体の回転角検出システムであって、
    前記制御部は、
    前記補正対象とする区間の直前区間における誤差波形と、前記直前区間より前の回転周期に属しかつ前記直前区間と各回転周期における回転角度の範囲が同じ区間である第1区間における誤差波形との第1偏差が、
    前記直前区間における誤差波形と、前記第1区間よりも後の区間でありかつ前記直前区間と各回転周期における回転角度の範囲が異なる区間における誤差波形との第2偏差よりも大きいとき、
    前記それぞれ所定の重みに比べて、前記基準区間における誤差波形につける重みを小さくするとともに、前記基準区間よりも後の区間における誤差波形につける重みを大きくした補正用誤差を用いて誤差補正を行う、
    回転体の回転角検出システム。
  2. 請求項1に記載の回転体の回転角検出システムにおいて、
    前記第1偏差および前記第2偏差は、前記誤差波形の絶対値の最大値の差、または、前記誤差波形の積分値の差である、回転体の回転角検出システム。
  3. 請求項1に記載の回転体の回転角検出システムにおいて、
    前記基準区間よりも後の区間は前記直前区間であり、前記第1区間よりも後の区間でありかつ前記直前区間と各回転周期における回転角度の範囲が異なる区間は、前記直前区間の直前の区間である、回転体の回転角検出システム。
  4. 請求項1に記載の回転体の回転角検出システムにおいて、
    前記第1偏差が前記第2偏差よりも大きいことが所定回数続いたとき、前記それぞれの所定の重みに比べて、前記基準区間における誤差波形につける重みを小さくするとともに、前記基準区間よりも後の区間における誤差波形につける重みを大きくした補正用誤差を用いて誤差補正を行う、回転体の回転角検出システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2019142875A1 (ja) * 2018-01-19 2020-05-28 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置、及び電動パワーステアリング装置用モータの回転角検出方法
CN111207778A (zh) * 2018-11-22 2020-05-29 Tdk株式会社 角度传感器和角度传感器系统

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