JP2013234914A - 回転角度検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】実際のロータの角度区間と、システムで認識される角度区間とのずれによる検出精度の悪化を抑制する。
【解決手段】回転体の回転角検出システムは、軸倍角N(Nは自然数)のレゾルバと、レゾルバ信号に基づく回転体の検出角を補正する補正部32とを備える。この補正部32は、回転体の回転角を検出角として検出する検出部60と、回転体の回転周期をもとに理想角を算出する算出部62と、回転体の検出角がどの角度区間に属するかを推定する推定部64と、推定部64により推定された角度区間と実際の角度区間との間にずれが生じているかを判定する判定部66と、区間ずれの有無により各角度区間ごとの誤差又は前記誤差のうちの最大値と最小値との間の値を補正後誤差として出力する出力部68と、上記誤差または上記補正後誤差によってレゾルバの検出角を調整する調整部70とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、レゾルバを用いて回転体の回転角を検出する回転角度検出システムに関する。
従来、レゾルバを用いて回転体の回転角を検出する手法が知られている。レゾルバから得られる検出値は、検出回路内の素子のバラツキおよびレゾルバのロータとステータ間の軸心のずれ等に起因する誤差を含んでおり、より高精度な回転角を得るためにレゾルバが検出した回転角を補正する手法が提案されている。
例えば、特開2010−96708号公報(以下、特許文献1という)には、ステータと軸倍角N(Nは自然数)のロータとを有するレゾルバがモータの回転子の回転角を機械角のN倍の角度で検出する角度検出装置において、区間番号演算部は、検出角度が回転子の1回転期間を等間隔に分割したN個の角度区間のうち、いずれの区間に属するかを判定して、角度区間毎に検出角度を補正することが記載されている。
また、特開2011−252789号公報(以下、特許文献2という)には、レゾルバを用いて回転角を算出する装置の制御装置は、取得部31、算出部32、学習部33、算出部34を含み、取得部はレゾルバが実際に出力するレゾルバ信号θを取得し、算出部は理想角と実際のレゾルバ信号との差をレゾルバ誤差値として算出し、学習部は今回周期よりも1周期前かN(Nは2以上の整数)周期前までのN個のレゾルバ誤差値の波形に対してそれらの間の散らばりを平均化するための「なまし処理」を施してレゾルバ誤差学習値の波形を算出し、算出部は今回周期のレゾルバ信号と、レゾルバ誤差値と、学習部が学習したレゾルバ誤差学習値とに基づいて、補正後のレゾルバ信号を算出することが記載されている。
特開2010−96708号公報 特開2011−252789号公報
上記特許文献1に記載されるように、レゾルバ信号に含まれる角度誤差が角度区間ごとに異なるレゾルバを用いた角度検出装置においては、角度区間ごとに誤差波形を算出してレゾルバ信号から求められる検出角度を補正することが検出精度を良くするうえで好ましい。
しかし、この場合、角度検出装置が認識する区間番号と、レゾルバのロータ(すなわちモータの回転子)の実際の区間番号とがずれることが起こり得る。このような事態は、例えば、外乱によってレゾルバ信号が乱れてロータ回転周期の信号を取得できなかった場合や、あるいは、モータを搭載した車両がパワーオフされている間にモータの回転子が回転した場合等によって生じる。このような場合に、既に学習した区間誤差のうち実際のロータの角度区間に対応しない角度区間の誤差波形を用いて補正することがあり、そうすると補正後の検出角度の精度が却って悪くなることになる。
これに対し、上記特許文献2に記載される回転角を算出する装置では、各区間のレゾルバ誤差値と、今回周期よりも1周期前からN周期前までのN個のレゾルバ誤差値の波形になまし処理を施して算出したレゾルバ誤差学習値とを用いてレゾルバ信号を補正することで、外乱による検出角度に対する影響を小さくしている。ただし、特許文献2の回転角を算出する装置では、常になまし処理されたレゾルバ誤差学習値を用いて補正を行うために、各区間に対応する誤差波形を用いてレゾルバ信号を区画ごとに補正する場合に比べて、検出精度が若干低下することになる。
本発明の目的は、レゾルバを用いて回転体の角度を検出する回転角検出システムにおいて、実際のロータの角度区間と、システムで認識される角度区間とのずれによる検出精度の悪化を抑制することである。
本発明に係る回転体の回転角検出システムは、軸倍角N(Nは自然数)のロータを有し、前記回転体の回転に伴う信号を出力するレゾルバと、前記信号に基づく前記回転体の回転角を補正する補正部とを備え、前記補正部は、前記信号をもとに前記回転体の回転角を検出角として検出する検出部と、前記回転体の回転周期をもとに理想角を算出する算出部と、前記回転体の前記回転周期を分割したN個の角度区間のうち、前記検出角がどの角度区間に属するかを推定する推定部と、前記推定部により推定された角度区間と実際の角度区間との間にずれが生じているかを判定する判定部と、前記判定部により前記ずれが生じていないと判定されたときには、補正すべき前記検出角の回転周期よりも前の回転周期において各角度区間ごとに学習した前記検出角および前記理想角の差を誤差として出力し、前記判定部により前記ずれが生じていると判定されたときには、前記誤差のうちの最大値と最小値との間の値を補正後誤差として出力する出力部と、前記誤差または前記補正後誤差によって前記レゾルバの前記検出角を調整する調整部と、を備えるものである。ここで、各角度区間の誤差のうちの最大値と最小値との間の値である補正後誤差には、上記最大値および最小値は含まれない。
本発明に係る回転角検出システムにおいて、前記出力部は、前記判定部により前記ずれが生じていると判定されたときに、前記誤差の平均値を補正後誤差として出力するのが好ましい。
また、本発明に係る回転角検出システムにおいて、前記出力部は、前記判定部により前記ずれが生じていると判定されたときに、前記誤差の平均値を補正後誤差として出力してもよい。
さらに、本発明に係る回転角検出システムにおいて、前記判定部は、前記信号にチャタリングが発生したとき、前記信号に基づいて生成される区間信号に乱れが生じたとき、および、当該システムが搭載される車両のパワースイッチが一旦オフされたことを示す信号を受信したとき、の少なくとも何れかのときに、前記ずれが生じていると判定してもよい。
本発明に係る回転角検出システムによれば、ロータの実際の角度区間とシステムが認識する角度区間とにずれが生じているときにはロータの現在回転周期の前の回転周期で学習した各角度区間の誤差のうちの最大値と最小値との間の値を補正後誤差として出力し、この補正後誤差を用いてレゾルバの検出角を一時的に調整することで、角度区間ずれに伴う回転角の検出精度の悪化を抑制することができる。
モータ駆動制御システムの全体構成図である。 (a)はレゾルバの構成を概略的に示す図であり、(b)は上から順にモータシャフトの回転角、レゾルバの検出角、各区間の検出誤差を示すグラフである。 回転角度検出システムで認識される角度区間と、レゾルバロータの実際の角度区間とがずれた場合の誤差補正の様子を説明するための図である。 制御装置に含まれる補正部の機能ブロック図である。 制御装置の補正部において実行される処理手順を示すフローチャートである。 本実施形態における誤差補正の様子を示す、図3に対応する図である。 (a)は各角度区間の誤差波形を重ね合わせたときの平均値を補正後誤差として設定する様子を模式的に示す図、(b)は各角度区間の誤差波形を重ね合わせたときの最大値と最小値との平均値を補正後誤差として設定する様子を模式的に示す図、(c)は各角度区間の誤差波形を重ね合わせたときの最大値と最小値との間に補正後誤差を設定する様子を模式的に示す図である。
以下に、本発明に係る実施の形態(以下、実施形態という)について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、本発明の実施の形態に従う回転角検出システムが適用されるモータ駆動制御システム100の全体構成図である。図1に示すように、モータ駆動制御システム100は、直流電圧発生部10と、平滑コンデンサC0と、インバータ14と、モータ20と、制御装置30とを備える。
モータ20は、例えば、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車や燃料電池車等の電気エネルギによって車両駆動力を発生する自動車をいうものとする)の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための走行用電動機である。あるいは、このモータ20は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成されてもよく、電動機および発電機の機能を併せ持つように構成されてもよい。さらに、モータ20は、エンジンに対して電動機として動作し、例えば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態において、「交流電動機」は、交流駆動の電動機、発電機、および電動発電機(モータジェネレータ)を含むものである。
直流電圧発生部10は、直流電源Bと、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。直流電源Bは、代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の蓄電装置により構成される。また、平滑コンデンサC1は、直流電源Bに出入りする直流電流を平滑化する機能を有する。
コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、正極線7および負極線5の間に直列に接続される。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
この実施形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、ダイオードD1,D2が配置されている。リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと直流電源Bの正極に接続された電力線6との間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、正極線7および負極線5の間に接続され、コンバータ12およびインバータ14間で授受される直流電流を平滑化する機能を有する。
インバータ14は、正極線7および負極線5の間に並列に設けられる三相(U、V、W相)の各相の上下アーム(スイッチング素子)から成る。各相の上下アームのオン/オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8によって制御される。
モータ20は、代表的には、3相の永久磁石型同期電動機であり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成される。さらに、各相コイルの他端は、インバータ14の各相の上下アームの中間点と接続されている。
コンバータ12は、基本的には、各スイッチング周期内でスイッチング素子Q1およびQ2が相補的かつ交互にオン/オフするように制御される。コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bが出力する直流電圧Vbを直流電圧VH(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)に昇圧する。この昇圧動作は、スイッチング素子Q2のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1およびダイオードD1を介して、正極線7へ供給することにより行なわれる。
また、コンバータ12は、降圧動作時には、直流電圧VHを直流電圧Vbに降圧する。この降圧動作は、スイッチング素子Q1のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q2およびダイオードD2を介して、電力線6へ供給することにより行なわれる。これらの昇圧動作または降圧動作における電圧変換比(VHおよびVbの比)は、上記スイッチング周期に対するスイッチング素子Q1,Q2のオン期間比(デューティ比)により制御される。
制御装置30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成され、当該メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、モータ駆動制御システム100の動作を制御する。制御装置30は、モータ20のロータ(回転体に相当する、図示せず)の回転角検出システムの一部を構成する補正部を含んでいる。この補正部の詳細については後述する。
モータ20には、レゾルバ40が設けられている。レゾルバ40もまた回転角検出システムの一部を構成する。レゾルバ40は、後述するレゾルバロータの回転角、すなわちモータ20の回転角を示すレゾルバ信号θを制御装置30へ出力する。
次に、図2を参照してレゾルバ40について詳しく説明する。図2(a)はレゾルバの構成を概略的に示す図であり、図2(b)は上から順にモータシャフトの回転角、レゾルバの検出角、各区間の検出誤差を示すグラフである。
レゾルバ40は、図2(a)に示すように、モータ20の回転軸22に固定されるロータ42と、ロータ42に対向配置されるステータ44とを備える。本実施形態におけるレゾルバ40のロータ42は、周方向に等間隔で形成された4つの突極部43a,43b,43c,43dを外周部に備える。したがって、本実施形態ではレゾルバ40の軸倍角N(Nは2以上に整数)は4である場合を例示する。
一方、本実施形態のレゾルバ40のステータ44は、ロータ42に対向する内周部にM個の検出コイル46を周方向に等間隔で備える。各検出コイル46は、渡り導線48を介してそれぞれ直列接続されており、2つの出力端子49a,49bから出力信号を取り出せる周知の構成を有する。ここで、本実施形態では、検出コイル46の個数Mは、上記ロータ42の極数Nに対して非整数倍に設定されている。図2(a)では、ステータ44に9つの検出コイル46が設けられた例が示されている。
なお、本実施形態ではロータ極数Nと検出コイルの数Mとが非整数倍の関係にあるレゾルバを例示するが、これらの数N,Mは整数倍となるよう構成されてもよい。また、上記では1相出力タイプのレゾルバを例示するが、互いに位相が90度ずれた2つの検出信号が出力される2相出力タイプのレゾルバが用いられてもよい。
レゾルバ40がN倍角の場合、レゾルバ40は、モータ20が1回転する間(すなわちレゾルバ40のロータが1回転する間)に、位相が360度変化するレゾルバ信号(レゾルバ角)θをN回繰り返し出力する。言い換えれば、モータ20が1/N回転する間にレゾルバ信号θの位相は360度変化する。図2(b)の上段と中段にその様子が示されている。以下の説明で用いる「レゾルバ周期」又は「角度区間」とは、レゾルバ信号θの電気位相が360度変化する周期を意味するものとする。
図2(b)の下段には、レゾルバ信号θに含まれる検出誤差Δθを示している。検出誤差Δθは、図示されるように、ロータ42の機械1回転周期(本発明における「回転周期」に相当する)をN分割した区間1〜Nにおいてそれぞれ一致しない場合がある。これは、ロータ42の寸法公差、レゾルバ40のステータ44がロータ42と同心状に組み付けられていないこと、ロータ42の極数Nと検出コイル46の数Mとが非整数倍の関係にあること等に起因して生じるものである。
また、レゾルバ40から出力される信号には、上記レゾルバ信号θの他に、1回転信号が含まれる。この1回転信号とは、ロータ42が機械1回転周期ごとに生成されるパルス信号であり、ロータ42に付されているノースマークを検出したタイミングで出力される。以下、この1回転周期信号を基準周期信号という。この基準周期信号は、後述するレゾルバ誤差の影響を受けることがない。
さらに、レゾルバ40から出力されるレゾルバ信号θに基づき算出される検出角が、4倍角の場合には360度、720度、1080度、1440度に到達するごとに区間信号が生成される。この区間信号は、レゾルバ周期信号に相当するものであり、本実施形態の4倍角のレゾルバ40では4回に1回の区間信号が上記基準周期信号に一致する。
一般に、レゾルバ40が出力するレゾルバ信号θには、ロータ42の実回転角に対して、ロータ42の回転に同期した誤差成分(以下、「レゾルバ誤差」という)が含まれることが知られている。このレゾルバ誤差の影響を排除するためには、レゾルバ誤差を検出し、レゾルバ誤差をレゾルバ信号θから除く補正(以下、「キャンセル補正」ともいう)を行なうことが望ましい。
上記のような誤差補正は、レゾルバ信号θから算出される検出角から、一定の回転速度(角速度)でロータ42が機械1回転周期だけ回転するとした場合における理想角を減じて算出することができる。そして、このような誤差補正は、図2(b)を参照して上述したように、角度区間1〜Nごとに異なることがあるので、各角度区間ごとに、検出角から各角度区間の理想角を減じて誤差補正を行うことが検出精度をより高めるうえで好ましい。
しかし、この場合、制御装置30が認識する区間番号と、レゾルバ40のロータ42(すなわちモータの回転子)の実際の角度区間番号とがずれることが起こり得る。このような事態は、例えば、外乱によってレゾルバ信号が乱れてロータ回転周期の信号を取得できなかった場合や、モータ20を搭載した車両がパワーオフされている間にモータ20の回転子が回転した場合等によって生じる。このような場合に、既に学習した各角度区間の誤差波形のうち実際のロータの角度区間に対応しない角度区間の誤差波形を用いて補正すると、補正後の検出角の精度が却って悪くなることがある。このような区間ずれによる誤差補正精度の悪化について図3を参照して次に説明する。
図3は、制御装置30で認識される角度区間と、レゾルバロータの実際の角度区間とがずれた場合の誤差補正の様子を説明するための図である。図3中の最上段はレゾルバ角度θを示し、4倍角であるレゾルバ40では電気位相360度ごとに4つの角度区間1ないし4に区分される。図3中の上から2段目は、レゾルバ誤差Δθを示し、各角度区間1ないし4ごとに誤差波形が算出されて記憶される。また、このような角度区間ごとの誤差補正は、随時更新されて、最新の誤差波形がレゾルバ角度θの補正に用いられるように構成されている。
図3中の上から3段目は、区間のずれが発生したときの本来の誤差波形と区間ずれした誤差波形とを重ねて示したものであり、本来の誤差波形が破線で、ずれた誤差波形が「学習誤差」として実線で描かれている。ここでは、矢印50で示すように、制御装置30において認識される角度区間が後半側、すなわち角度区間番号が1つ大きい側へずれた場合を例示する。
この場合、角度区間1について見ると、ロータ42の実際の角度区間が「1」であるにもかかわらず、制御装置30では1つ前の角度区間である「4」であると認識しているために、既に学習している角度区間4の誤差波形を用いてレゾルバ角度θを補正することになる。そうすると、最終的に誤差補正されたレゾルバ角度φに含まれる残留誤差Δθremainが本来の誤差よりも大きく増幅されてしまう場合には検出精度の悪化を招くことになる。
そこで、本実施形態では、区間ずれが発生するか又は区間ずれの可能性があるときには補正後誤差を用いてレゾルバ信号を補正することによって検出精度の悪化を抑制するように下記のような構成を採用している。
図4は制御装置30に含まれる補正部32の機能ブロック図である。図5は、補正部32の出力部68において実行される処理手順を示すフローチャートである。図7(a)は各角度区間の誤差波形を重ね合わせたときの平均値を補正後誤差として設定する様子を模式的に示す図、図7(b)は各角度区間の誤差波形を重ね合わせたときの最大値と最小値との平均値を補正後誤差として設定する様子を模式的に示す図、図7(c)は各角度区間の誤差波形を重ね合わせたときの最大値と最小値との間に補正後誤差を設定する様子を模式的に示す図である。
制御装置30の補正部32は、レゾルバ40から出力される信号に基づいて検出されるレゾルバロータ42の回転角を補正する機能を有する。この補正部32は、図4に示すように、検出部60、算出部62、推定部64、判定部66、出力部68、および、調整部70を含む。これらの各部60〜70は、好ましくはソフトウェア処理によって実現されるが、一部がハードウェア動作によって実現されてもよい。
検出部60は、レゾルバ信号θからロータ42の回転角を検出角として検出する機能を有する。ここで検出される回転角には、上述したような寸法公差による誤差、組付誤差、軸倍角Nの非整数倍の誤差等が含まれる。
算出部62は、レゾルバロータ42の回転周期をもとに理想角θiを算出する機能を有する。具体的には、算出部62は、レゾルバロータ42の回転周期を分割した各角度区間1〜Nの区切りを示す区間信号の立上がりエッジ間の時間、すなわち電気1周期の時間Tを計測し、この時間Tで電気角360度を一定勾配で割り当てて理想角θiとする。このように算出される理想角θiは、各角度区間1〜Nにおいてそれぞれ一定勾配を有する直線状に描くことができる。
推定部64は、検出部60によって検出される検出角が上記N個の角度区間のうち、どの角度区間に属するかを推定する機能を有する。具体的には、推定部64は、レゾルバ40から出力される信号に基づいて生成される区間信号をカウントすることによって、レゾルバロータ42が現在属する角度区間を推定することができる。
判定部66は、推定部64によって推定される角度区間と、実際の角度区間との間にずれが生じているかを判定する機能を有する。具体的には、判定部66は、レゾルバ信号θにチャタリングが発生したとき、レゾルバ信号θに基づいて生成される区間信号に乱れが生じたとき、および、本実施形態の回転角検出システムが搭載される車両のパワースイッチが一旦オフされたことを示す信号を制御装置30が受信したとき、の少なくとも何れかのときに、ロータ42の実際の角度区間と制御装置30が認識する角度区間とにずれが生じている又はその可能性があると判定することができる。
ここで、レゾルバ信号θのチャタリングとは、外乱によってレゾルバ信号θにノイズが乗ることによって振れることを意味する。このようなチャタリングは、出力部68によって導出されるレゾルバ誤差Δθが所定の閾値を超えたときに判定される。あるいは、レゾルバ誤差Δθが所定時間内に前記閾値を超える回数によって上記チャタリングを判定してもよいし、レゾルバ誤差Δθが前記閾値を超えた状態の継続時間によって上記チャタリングを判定してもよい。このようなチャタリングが発生すると、その間にカウントされるべきパルス信号が拾えないこと等によって、ロータ42の実際の角度区間と制御装置30が認識する角度区間とにずれが生じる又はその可能性があるからである。
また、「区間信号に乱れが生じたとき」とは、区間信号が生成されるときに外乱によるノイズが入ることによって区間信号の認識ができない場合等を意味し、このように区間信号のカウントができない場合には制御装置30における角度区間の認識が実際の角度区間からずれる可能性がある。ロータ42の1回転周期でN個(本実施形態では4つ)の区間信号がカウントされないとき、または、N個を超える区間信号がカウントされたとき等がこの場合に該当する。
さらに、「パワースイッチが一旦オフされたとき」に角度区間のずれが生じている又はその可能性があると判定するのは、車両がパワーオフされてレゾルバ20が非作動状態にあるときに車両の僅かな移動によってモータ20の回転軸22が回転していることがあるからである。パワースイッチのオン信号およびオフ信号は、車両に搭載された上位ECUから制御装置30に入力されるため、これに基づいてパワースイッチが一旦オフされたことを判別することができる。
出力部68は、上記判定部66により区間ずれが生じていないと判定されたときには、補正すべき検出角の回転周期よりも前の回転周期において各角度区間1〜Nごとに学習した検出角および理想角の差をレゾルバ誤差Δθとして出力し、一方、上記判定部66により区間ずれが生じている又はその可能性があると判定されたときには、上記誤差のうちの最大値と最小値の間の値を補正後誤差として出力する機能を有する。具体的には、出力部68は、次のようにしてレゾルバ誤差Δθまたは補正後誤差を出力する。
図5は、出力部68において実行される処理手順を示すフローチャートである。出力部68では、図5に示す処理が所定時間ごとに繰り返し実行される。
まず、ステップS10において、区間ずれが生じている又はその可能性があるかにつき判定する。この判定では、上記判定部66による判定結果が参照される。ここで肯定的判定(YES)であれば次のステップS12に進み、否定的判定(NO)であれば、後述するステップS16に進む。
ステップS10において区間ずれが生じていると判定されたとき、続くステップS12において、平均化誤差Δθmeanが算出されて補正後誤差として出力される。具体的には、出力部68は、レゾルバロータ42の現在回転周期の前の回転周期で学習した各角度区間誤差Δθ1〜ΔθNを1区間の誤差として平均して上記平均化誤差Δθmeanを求める。このようにして導出した平均化誤差Δθmeanを補正後誤差として補正部66に出力する。
図6および図7(a)に、平均化誤差Δθmeanを導出する様子が模式的に示される。ここでは、軸倍角Nが4であるレゾルバ40の角度区間1〜4が例示されている。出力部68は、前回の回転周期における各角度区間1〜4のレゾルバ誤差Δθ1、Δθ2、Δθ3およびΔθ4を1つの角度区間に重ね合わせて平均化して補正後誤差(すなわちΔθmean=(Δθ1+Δθ2+Δθ3+Δθ4)/4)として出力する。
図5を再び参照すると、出力部68は、続くステップS14において所定時間が経過するまで、上記のような平均化誤差Δθmeanである補正後誤差を出力する。ここで、所定時間は、レゾルバ信号θに対する外乱による影響がなくなることが見込める予め設定された時間であり、例えば、1ないし数秒程度の時間期間として規定されてもよいし、あるいは、基準周期信号のカウント数として規定されてもよい。
そして、出力部68は、ステップS14において所定時間が終了すると、続くステップ16において、出力部68は各角度区間ごとの誤差Δθ1、Δθ2、・・・、ΔθNを出力する。
なお、補正部32では、上記補正後誤差である平均化誤差Δθmeanおよび上記各角度区間ごとの誤差Δθ1、Δθ2、・・・、ΔθNをRAM等に記憶して随時に更新される。この場合、少なくとも2回転周期分の各角度区間1〜Nのレゾルバ誤差Δθ1〜ΔθNが保持されるように構成されるのが好ましい。
調整部70は、レゾルバ40による検出角θに対して、上記出力部68から出力される各角度区間のレゾルバ誤差Δθ1〜ΔθN、または、上記補正後誤差を用いて、各角度区間1〜Nごとにキャンセルする補正を行って補正後検出角φを出力する機能を有する。ここで調整されて出力される補正後検出角φが上述したようにモータ20の駆動制御に用いられる。
図6中の下段に、上記平均化誤差Δθmeanを用いてレゾルバ角度θを誤差補正した後に含まれる残留誤差Δθremainが示される。図3中の下段に示される残留誤差Δθremainと対比すると明らかなように、本実施形態によれば、ロータ42の実際の角度区間と制御装置30が認識する角度区間とにずれが生じているか又はその可能性があるときにはロータ42の現在回転周期の前の回転周期で学習した各区間誤差Δθ1、Δθ2、Δθ3、Δθ4の平均化誤差Δθmeanを補正後誤差として用いてレゾルバ角度θを一時的に補正することで、角度区間ずれに伴う回転角の検出精度の悪化を抑制することができる。
また、角度区間ずれの可能性がないときは角度区間1ないし4ごとに学習された誤差波形Δθ1、Δθ2、Δθ3、Δθ4を用いてレゾルバ角度θの誤差補正を行うので、レゾルバ20を用いての回転角の検出精度を良好なものにできる。
なお、本発明に係る回転角検出システムは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更または改良が可能である。
例えば、上記実施形態においては、出力部68が出力する補正後誤差が各誤差波形Δθ1、Δθ2、Δθ3、Δθ4の平均化誤差Δθmeanである場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図7(b)に示すように、各誤差波形を1つの角度区間に重ね合わせたときの最大値(例えばΔθ1)と最小値(例えばΔθ4)との平均値を補正後誤差としてもよいし、あるいは、図7(c)に示すように、各誤差波形を1つの角度区間に重ね合わせたときの最大値(例えばΔθ1)と最小値(例えばΔθ4)との間(ハッチングで示される領域)にある任意の値を選択して補正後誤差としてもよい。このようにした場合でも、角度区間ずれに伴う回転角の検出精度の悪化を抑制する効果が見込める。
5 負極線、6 電力線、7 正極線、10 直流電圧発生部、12 コンバータ、14 インバータ、20 モータ、22 回転軸、30 制御装置、32 補正部、40 レゾルバ、42 ロータ、43a,43b,43c,43d 突極部、44 ステータ、46 検出コイル、48 渡り導線、49a,49b 出力端子、60 検出部、62 算出部、64 推定部、66 判定部、68 出力部、70 調整部、100 モータ駆動制御システム、B 直流電源、C0,C1 平滑コンデンサ、D1,D2 ダイオード、L1 リアクトル、N ロータ極数、M 検出コイル数、Q1,Q2 電力用半導体スイッチング素子、S1−S8 スイッチング制御信号、θ レゾルバ信号またはレゾルバ角度、Δθ1−ΔθN 各角度区間のレゾルバ誤差、θi 理想角、Δθmean 平均化誤差、Δθremain 残留誤差。

Claims (4)

  1. 回転体の回転角検出システムであって、
    軸倍角N(Nは自然数)のロータを有し、前記回転体の回転に伴う信号を出力するレゾルバと、
    前記信号に基づく前記回転体の回転角を補正する補正部とを備え、
    前記補正部は、
    前記信号をもとに前記回転体の回転角を検出角として検出する検出部と、
    前記回転体の回転周期をもとに理想角を算出する算出部と、
    前記回転体の前記回転周期を分割したN個の角度区間のうち、前記検出角がどの角度区間に属するかを推定する推定部と、
    前記推定部により推定された角度区間と実際の角度区間との間にずれが生じているかを判定する判定部と、
    前記判定部により前記ずれが生じていないと判定されたときには、補正すべき前記検出角の回転周期よりも前の回転周期において各角度区間ごとに学習した前記検出角および前記理想角の差を誤差として出力し、前記判定部により前記ずれが生じていると判定されたときには、前記誤差のうちの最大値と最小値との間の値を補正後誤差として出力する出力部と、
    前記誤差または前記補正後誤差によって前記レゾルバの前記検出角を調整する調整部と、
    を備えることを特徴とする、回転角検出システム。
  2. 請求項1に記載の回転角検出システムにおいて、
    前記出力部は、前記判定部により前記ずれが生じていると判定されたときに、前記誤差の平均値を補正後誤差として出力する、回転角検出システム。
  3. 請求項1に記載の回転角検出システムにおいて、
    前記出力部は、前記判定部により前記ずれが生じていると判定されたときに、前記誤差の最大値と最小値との平均値を補正後誤差として出力する、回転角検出システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転角検出システムにおいて、
    前記判定部は、前記信号にチャタリングが発生したとき、前記信号に基づいて生成される区間信号に乱れが生じたとき、および、当該システムが搭載される車両のパワースイッチが一旦オフされたことを示す信号を受信したとき、の少なくとも何れかのときに、前記ずれが生じていると判定する、回転角検出システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2019142875A1 (ja) * 2018-01-19 2020-05-28 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置、及び電動パワーステアリング装置用モータの回転角検出方法
CN113391087A (zh) * 2020-03-13 2021-09-14 三菱电机株式会社 转速检测装置
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