JP2013256348A - 船舶用エレベータ - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数が少なく、傾斜運転の検査期間を含むエレベータの船内施工が容易でエレベータの総施工時間も短縮して船舶の建造コストも低下し、エレベータの設置スペースのコンパクト化が図れて、既存船舶への施工も容易な船舶用エレベータを提供する。
【解決手段】船体の壁にH型鋼である2本の平行離間したガイドレールを固定し、両レールの上端部間のベース梁にケージ昇降装置を固定し、片持ちアームを介してケージを両レールに片持ちする。ケージのガイドレール対向側の壁板とカウンターウエイトとを連結する複数のチェーンを昇降装置で上下移動し、ケージとウエイトとを逆に昇降させ、両H型鋼の内方部分をウエイトの昇降ガイドとし、その外方部分をケージの昇降ガイドとした。
【選択図】図1

Description

この発明は船舶用エレベータ、詳しくはフェリーなどの船舶に設置される船舶用エレベータに関する。
自動車やバスなどでの乗下船が可能なフェリー(船舶)として、乗客をフェリーの船体の下部に区画された車両格納階と、それより上方の客室階との間で昇降させるため、船舶用エレベータを配備したものが知られている。
この船舶用エレベータとして、ワイヤ吊下げ式エレベータまたは、例えば特許文献1に記載されたようなチェーン昇降方式のエレベータを採用することが考えられる。すなわち、特許文献1の船舶用エレベータは、上層階と下層階とに連通された昇降路を区画する角筒形状の囲壁と、乗客の乗降が可能で、かつ昇降路を昇降するケージと、客室の最上階より上方の昇降路の天井部分に設けられ、かつ一端部がカウンターウエイトに固定されて他端部がケージの天井板に固定されたチェーンと、チェーンをスプロケットの回転により上下方向に移動してケージを昇降させるケージ昇降装置とを備えたものである。ケージ昇降装置によりスプロケットを回転してチェーンを上下方向に移動させることで、移動方向がケージと逆になるカウンターウエイトの上下動を伴ってケージを昇降させる。
特開2011−42435号公報
ところで、船舶に配備されるチェーン昇降式のエレベータは、航海中に波をうけて船舶が揺れてもエレベータが正常に作動する必要があるため、エレベータが傾いた状態で性能に支障がないことが規則(船舶設備規程第304条)で要求されている。そのため、船舶用エレベータは船体に設置する前に、その製造工場内でエレベータの仮組み立てを行い、その後、前記傾斜運転テストを実施し、合格後にエレベータをケージ、駆動装置、ガイドレール、吊下げワイヤまたはチェーンなどに分解して船内に搬入してから本組み立てを行っている。その結果、船舶用エレベータの船内施工に要する総作業期間が長くなり、船舶の建造コストも高騰していた。
また、従来のチェーン昇降式の船舶用エレベータでは、上述したように昇降中のゲージの揺れを防止する囲壁が必要であった。しかしながら、船体の内部空間は限られており、特にフェリーの車両区画にエレベータを設置する場合、囲壁が車両室に突出するため、車両の積載スペースを狭めていた。
さらに、従来のワイヤまたはチェーン昇降式の船舶用エレベータにあっては、エレベータの最上階の天井より上方にケージ昇降装置を設けていた。そのため、船舶用エレベータの設置スペースが大きくなり、またその施工工事に際して、その最上階の天井に孔をあけてワイヤまたはチェーンの吊下窓を形成する必要があるため、船舶用エレベータの施工に長時間を要していた。
このように、船舶用エレベータには囲壁が必要であるとともに、エレベータの最上階の天井より上方にケージ昇降装置を配置する必要があったため、既存の船舶に対して後付けで船舶用エレベータを配備することは、その作業がおおがかりとなって困難であった。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、ケージの昇降ガイドとなる従来の囲壁に代えて、昇降路の一側を形成する船体の壁に固定され、かつケージを片持ち状態で昇降するガイドとなる垂直方向に長くて平行に離間した2本のガイドレールを採用し、またケージ昇降装置の取り付け位置を、2本のガイドレールの上端部に横架されたベース梁の長さ方向の中間部とし、さらにカウンターウエイトの昇降空間を両ガイドレールのあいだの空間とすることに想到した。しかも、H型鋼を2本のガイドレールに採用し、ウェブを中心にして両ガイドレールを内外方向に区分し、そのうちの内方部分を、ローラ支持材の複数のガイドローラを介したカウンターウエイトの取り付け領域として利用する一方、その外方部分を、片持ちアームの複数のガイドローラを介したケージの取り付け領域として利用することで、上述した従来の課題が全て解消されることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、部品点数が少なく、これによりエレベータの傾斜運転の検査期間を含む船舶用エレベータの船内施工の作業が容易でかつエレベータの総施工時間も短縮して、船舶の建造コストの低減化も図れ、またエレベータの設置スペースのコンパクト化が図れて、既存船舶への施工も容易な船舶用エレベータを提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、船体内の複数階を連通する昇降路で、乗船者が乗降するケージを、ケージ昇降装置によって複数の駆動スプロケットを回転させて、一端部がカウンターウエイトに連結され、かつ他端部が前記ケージに固定された複数本のチェーンを上下方向に移動して昇降させることで、前記乗船者を所定の階まで移送する船舶用エレベータにおいて、1枚のウェブと2枚のフランジとをH型に接合したH型鋼からなり、かつ垂直方向に長く前記ケージの昇降をガイドする2本のガイドレールを、前記昇降路の一部を形成する前記船体の壁に、それぞれの前記ウェブの内面が平行に対向する離間状態で固定し、前記ケージのうち、前記2本のガイドレールとの対向部分には、この対向したガイドレールのうちの前記2枚のフランジのウェブより外方部分の内面に当接される複数の第1のガイドローラがそれぞれの先部に配設され、かつ前記ケージを前記2本のガイドレールに片持ちする複数本の片持ちアームが離間して突設され、前記2本のガイドレールの上端部間にベース梁を横架し、該ベース梁の長さ方向の中間部に前記ケージ昇降装置を固定し、該ケージ昇降装置から前記ベース梁の長さ方向の両端に向かって延びた2本の出力軸に、前記複数の駆動スプロケットをそれぞれ固定し、前記複数本のチェーンの他端部は、前記ケージのガイドレール対向側の壁板にそれぞれ固定され、前記カウンターウエイトは、前記2本のガイドレールのあいだの空間に、前記カウンターウエイトからこの対応した前記ガイドレールに向かって突出する複数本のローラ支持材に配設した複数の第2のガイドローラを、前記2本のガイドレールのうち、前記2枚のフランジのウェブより内方部分の内面に当接した状態で昇降自在に収納され、前記ケージ昇降装置により前記複数のチェーンを上下方向に移動させることで、前記カウンターウエイトを前記2本のガイドレールのあいだの空間で上下方向に移動して、前記ケージを前記昇降路で、前記2本のガイドレールに対する片持ち状態で昇降させる船舶用エレベータである。
請求項1に記載の発明によれば、ケージ昇降装置により駆動スプロケットを回転させることでカウンターウエイトを、2本のガイドレールのあいだの空間で、ケージの昇降方向とは逆の方向に上下移動させるとともに、昇降路でケージを昇降させる。その結果、従来では必須の構成要件であった囲壁が不要となってエレベータの部品点数が減少し、これによりエレベータの傾斜状態での運転の安全性を検査するための工場でのエレベータの仮組み立て作業および解体作業と、船体内でのエレベータの本組み立て(施工)作業とが容易になり、エレベータの総施工時間の短縮も図ることができ、さらには囲壁が存在しない分だけ船体の内部空間を広く利用することができるとともに、このような構成から船舶の建造コストを低下させることができる。
また、ケージ昇降装置はベース梁の長さ方向の中間部に固定され、カウンターウエイトも2本のガイドレールのあいだの空間に常に存在する。さらには、両ガイドレールとしてH型鋼を採用し、ウェブを中心にして両ガイドレールを内外方向に区分し、そのうちの内方部分を、ローラ支持材の複数の第2のガイドローラを介したカウンターウエイトの取り付け領域として利用し、またその外方部分を、片持ちアームの複数の第1のガイドローラを介したケージの取り付け領域として利用している。その結果、従来のように、ケージ昇降装置の収納スペースの分だけ昇降路をエレベータの最上階より上方に長くする必要がなく、かつエレベータの主要な構成体を2本のガイドレールのあいだの空間にコンパクトに納めることができる。これにより、船舶用エレベータの設置スペースを小さくすることができるとともに、新造の船舶への設置のみでなく、既存の船舶への後付けも容易となる。
船舶用エレベータが配備される船舶としては、例えばフェリーの他、各種の客船、各種の貨物船などを採用することができる。
船体の内部空間は、2階、3階またはそれ以上の階に区分されている。
ここでいう昇降路とは、船体内の複数の階の一部(床板や天井板の一部)を縦に貫通することで形成され、かつ囲壁が存在しない空間である。昇降路は、船体の全ての階にわたって形成しても、その一部の階(複数階)のみに形成してもよい。
ここでいうケージとは、2本のガイドレールに沿って片持ち状態で昇降する搬送かごで、乗船者専用のものだけでなく、荷物用または人荷兼用のものでもよい。
ケージのガイドレール対向側の壁板のうち、チェーンの他端部が固定される位置は任意である。例えば、この壁板のうちの上部、高さ方向の中間部、下部の何れにチェーンの他端部を固定してもよい。
2本のガイドレールはH型鋼で、昇降路の一部を形成する船体の壁に、ガイドレールの全長にわたって平行に離間して固定される。ここでいう船体の壁としては、例えば船体の内壁(各階の部屋間の隔壁を含む)を採用することができる。
2本のガイドレールの長さは、例えば、エレベータの最下階から最上階までである。
ベース梁の素材および形状などは任意である。例えば、H型鋼、C型鋼、アングル、角パイプなどを採用することができる。
ケージの片持ちアームの使用本数は、2本以上であれば任意である。ケージの片持ち状態での昇降安定性を高めるため、例えばケージの側壁の両端部に片持ちアームを対配置(1対または2対以上)した方が好ましい。
各片持ちアームに配設される第1のガイドローラの個数は、2個以上であれば任意である。また、各片持ちアームでの各第1のガイドローラの配置も任意である。
「ガイドレールのうちの2枚のフランジのウェブより内方部分の内面」とは、ウェブを中心として、内方部分(2本のガイドレールの対向側のC字形部分)と、外方部分(2本のガイドレールの対向側とは反対側の逆C字形部分)とに区分されるH型鋼(ガイドレール)において、その内方部分を形成する両フランジの幅方向の半分同士の各対向面をいう。
一方、「ガイドレールのうちの2枚のフランジのウェブより外方部分の内面」とは、H型鋼において、その外方部分を形成する両フランジの幅方向の残り半分同士の対向面をいう。
ケージのうち、2本のガイドレールとの対向部分には、ケージを2本のガイドレールに片持ちする複数本の片持ちアームが離間して突設されている。複数本の片持ちアームの先部には、この対向したガイドレールのうち、2枚のフランジのウェブより外方部分の内面に当接される複数の第1のガイドローラが配設されている。
カウンターウエイトは、チェーンに吊下されたケージを昇降させる際に、ケージの移動が許容範囲に収まり、エレベータの運転を安定させる錘である。複数のチェーンの一端部は、カウンターウエイトの例えば上端部にその幅方向に向かって離間して固定されている。カウンターウエイトの上下移動用の通路となるのは、2本のガイドレールのあいだの空間である。
ローラ支持材の使用本数は、2本以上であれば任意である。ただし、2本のガイドレールのあいだの空間でのカウンターウエイトの上下方向への移動の安定性を高めるため、カウンターウエイトの幅方向(横方向)の両端部に、ローラ支持材を対配置(1対または2対以上)してもよい。
各ローラ支持材に配設される第2のガイドローラの個数は、2個以上であれば任意である。また、各ローラ支持材に対する複数の第2のガイドローラの配置位置も任意である。
チェーンの使用本数は、例えば2本、4本などの複数である。
ケージ昇降装置の駆動源としては、駆動スプロケットを回転させる、例えば電動モータなどのアクチュエータを採用することができる。
請求項2に記載の発明は、前記複数の駆動スプロケットは、前記ケージ昇降装置の2本の出力軸に1つずつ固定される2つのダブルスプロケットで、前記複数本のチェーンは、2本1組で前記2つのダブルスプロケットにそれぞれ掛けられている請求項1に記載の船舶用エレベータである。
請求項2に記載の発明によれば、ケージを吊下するチェーンとして2本1組で合計4本使用し、各組のチェーンを、ケージ昇降装置の両側に配置されたダブルスプロケット(駆動スプロケット)にそれぞれ架け渡すように構成している。そのため、仮に1本のチェーンが破断しても、残ったチェーンが正常に機能するため、安定したケージおよびカウンターウエイトの昇降を維持することができる。
ここでいうダブルスプロケット(シングルダブルスプロケット)とは、2枚の同一のスプロケットが同一の軸体に固定され、1対1の関係で2本のチェーンが2枚の同一スプロケットに噛合される二重単一のスプロケットである。
ダブルスプロケットはベース梁の長さ方向の両端部に配置されるため、各組のチェーンは、その一端部が、カウンターウエイトの幅方向(前記昇降路の一側壁の幅方向)の両端部に固定されるとともに、その他端部が、ケージのガイドレール対向側の壁板の幅方向(昇降路の一側壁の幅方向)の両端部に固定される。
請求項3に記載の発明は、前記複数の片持ちアームは、前記ケージの上部と下部とにそれぞれ1対ずつ配設され、前記複数の片持ちアームには、それぞれ2個の前記第1のガイドローラが、前記2本のガイドレールの2枚のフランジに押し当て状態で、その船体の壁側とそのケージ側とで一対となるように離間して配設され、前記複数のローラ支持材は、前記カウンターウエイトの上部と下部とにそれぞれ1対ずつ配設され、前記複数のローラ支持材には、それぞれ2個の前記第2のガイドローラが、前記2本のガイドレールの2枚のフランジに押し当て状態で、その船体の壁側とそのケージ側とで一対となるように離間して配設された請求項1または請求項2に記載の船舶用エレベータである。
請求項1に記載の発明によれば、船舶用エレベータは、ケージの片持ち昇降のガイドとなる垂直方向に長い2本のガイドレールを、昇降路の一部を形成する船体の壁に平行な離間状態で固定し、両ガイドレールの上端部間に横架されたベース梁にケージ昇降装置を固定し、ケージ昇降装置からベース梁の長さ方向の両端へ延びた2本の出力軸に駆動スプロケットをそれぞれ固定し、両駆動スプロケットに、ケージの昇降ガイド構造体側の壁板とカウンターウエイトとを連結する複数本のチェーンをそれぞれ架け渡し、カウンターウエイトを2本のガイドレールのあいだの空間で昇降させ、両ガイドレールにH型鋼を採用し、H型鋼の内方部分(C字鋼形状の部分)を、カウンターウエイトの昇降ガイド部分として利用する一方、H型鋼の外方部分(逆C字鋼形状の部分)を、ケージの昇降ガイド部分として利用するように構成している。
そのため、ケージ昇降装置により各駆動スプロケットを回転することで、複数のチェーンを介して、昇降路でケージが2本のガイドレールに沿って片持ち状態で昇降するとともに、カウンターウエイトが2本のガイドレールのあいだの空間でケージの昇降とは逆の方向に移動する。その結果、従来のエレベータでは必須の構成体であった囲壁が不要となり、エレベータの部品点数が減少して、エレベータの傾斜状態での運転の安全性を検査するための工場でのエレベータの仮組み立て作業および解体作業と、船舶でのエレベータの本組み立て作業とが容易になり、作業時間の短縮も図ることができる。さらには、囲壁が存在しない分だけ船体の内部空間を広く利用することもできる。このような部品点数の低減および施工時間の短縮などによって、船舶用エレベータの船体への配備コスト、ひいては船舶の建造コストを低下させることができる。
また、上述したように、ケージ昇降装置はベース梁の長さ方向の中間部に固定され、カウンターウエイトも2本のガイドレールのあいだの空間に常時存在する。さらに、両ガイドレールとしてH型鋼を採用し、ウェブを中心にして両ガイドレールを内外方向に区分し、そのうちの内方部分を、ローラ支持材の複数の第1のガイドローラを介したカウンターウエイトの昇降ガイド部分として利用し、またその外方部分を、片持ちアームの複数のガイドローラを介したケージの昇降ガイド部分として利用している。その結果、従来のように、ケージ昇降装置の収納スペースの分だけ昇降路をエレベータの最上階より上方まで長くする必要がなく、かつエレベータの主要な構成体を2本のガイドレールのあいだの空間にコンパクトに納めることができる。これにより、船舶用エレベータの設置スペースを小さくできるとともに、新造の船舶への設置のみでなく、既存の船舶への後付けも容易となる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、ケージ吊下用のチェーンとして2本1組で合計4本使用し、各組のチェーンを、ダブルスプロケット(駆動スプロケット)を回転して上下方向へ移動させる構成を採用したため、仮に1本のチェーンが破断しても、ケージの安定した昇降を維持することができる。
また、2組のチェーンのうち、充分な安全強度を付与した1組のチェーンに主な荷重をかけ、他の同様に充分な安全強度を付与した組のチェーンに作用する荷重を小さくすれば、万一切断したときのチェーンをあらかじめ設定することができ、安全性を高めることができる。
この発明の実施例1に係る船舶用エレベータの一部破断部分を含む側面図である。 この発明の実施例1に係る船舶用エレベータが配備されたフェリーの側面図である。 この発明の実施例1に係る船舶用エレベータの一部破断部分を含む正面図である。 図1のS4−S4位置での概略断面図である。 この発明の実施例1に係る船舶用エレベータのケージ昇降装置の拡大正面図である。 この発明の実施例1に係る船舶用エレベータのケージ昇降装置の拡大平面図である。 この発明の実施例1に係る船舶用エレベータのケージ昇降装置の拡大側面図である。 この発明の実施例1に係る船舶用エレベータのカウンターウエイトの拡大正面図である。 この発明の実施例1に係る船舶用エレベータのカウンターウエイトの拡大平面図である。 この発明の実施例1に係る船舶用エレベータのカウンターウエイトの拡大側面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。ここでは、フェリーに配備された船舶用エレベータを例にとる。ただし、これに限定されない。
図1〜図3において、10はこの発明の実施例1に係る船舶用エレベータ(以下、エレベータ)で、このエレベータ10は、フェリー(船舶)11の複数階を連通する昇降路12で、乗船者が乗降するケージ13を、ケージ昇降装置14によって複数のダブルスプロケット(駆動スプロケット)15を回転させることで、一端部がカウンターウエイト16に連結され、かつ他端部がケージ13に固定された複数本のチェーン17を同時に上下方向に移動してケージ13を昇降させることにより、乗船者を所定の階まで移送するものである。
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
図2に示すように、フェリー11の船体18の内部空間には、車両格納階の最下階から客室の最上階を連通して昇降路12が形成されている。図3に示すように、昇降路12は車両甲板および旅客区画共鋼壁によって各階のフロア空間から分離され、前壁の各階部分には自動ドア19が配設されている。
図1および図4に示すように、ケージ13は縦長な矩形ボックスで、天井板の上方には、前方に向かって下方傾斜した支持材(丸棒、管体、型材)20が固定されている。ケージ13の前板には、乗船者の乗降用の別の自動ドア19Aが取り付けられている。ケージ13の背板である構造材(ケージのガイドレール対向側の壁板(型材))21のうちの2本のガイドレール22との対向部分、すなわち構造材21の上部の幅方向の両端部と、構造材21の下端部の幅方向の両端部とには、対応するガイドレール22に向かって水平に延びる板形状の片持ちアーム23がそれぞれ突設されている。各片持ちアーム23の先部の内面には、2個の第1のガイドローラ24が、その船体18の壁18a側に配置された第1のガイドローラ24Aと、そのケージ13側に配置された第1のガイドローラ24Bとが一対となるように離間して配設されている。また、両片持ちアーム23の突設位置より構造材21の中心部近くには、2本1組で使用される1組のチェーン17の他端部が固定される一対のチェーン固定金具25がそれぞれ突設されている。
図1、図4〜図7に示すように、昇降路12には、これの一部を形成する船体18の壁18aに、1枚のウェブ26と2枚のフランジ27とをH型に接合したH型鋼からなり、かつ垂直方向に長くケージ13の昇降をガイドする2本の前記ガイドレール22が、それぞれのウェブ26の内面が平行に対向する離間状態で固定されている。
2本のガイドレール22の上端部間には、水平方向に延びるベース梁28が横架されている。
また、ベース梁28の長さ方向の中間部には、ケージ昇降装置14が固定されている。ケージ昇降装置14は、2本のガイドレール22間でのベース梁28の長さ方向における重量バランスやエレベータ10のコンパクト性を高めるため、減速機29の上部に電動モータ30が垂直に連結されたものを採用している。減速機29からは、ベース梁28の長さ方向の両端に向かい、かつそれぞれ一対の離間した軸受31を介して回転自在に支持された2本の出力軸32が延びている。両出力軸32のうちの軸受31の間の部分には、同一直径同一歯数の2枚の部分スプロケット15aを同一軸体上で離間して連結したダブルスプロケット15がそれぞれ固定されている。各組のチェーン17は、対応するダブルスプロケット15に架け渡されている。
図1、図4および図8〜図10に示すように、カウンターウエイト16は正面視して矩形状の錘で、その上面にはC型鋼からなる上枠33が固定されている。上枠33の幅方向(エレベータ10の幅方向)の両端部には、2組のチェーン17の他端部がそれぞれ固定されている。
カウンターウエイト16の両側面には、その全長にわたって開口方向を外に向けたC型鋼(ローラ支持材)34が平行に離間して配設されている。両C型鋼34の外側のフランジ35のうち、その長さ方向の両側部間には、ブラケット36を介して、回転軸が水平でガイドレール22のウェブ26の内面上を転動する第3のガイドローラ37が配設されている。また、両C型鋼34の外側のフランジの長さ方向の両側部間には、大判のコの字形ブラケット36Aを介して、2個1組の第2のガイドローラ38が配設されている。各組の第2のガイドローラ38は、対応するガイドレール(H型鋼)22の2枚のフランジ27のウェブ26より内方部分の内面に、それぞれ当接している。また、図1および図10に示すように、各組の第2のガイドローラ38は、その船体18の壁18a側に配置された第2のガイドローラ38Aと、そのケージ13側に配置された第2のガイドローラ38Bとが一対となるように離間して配設されている。
次に、図1〜図10を参照して、この発明の実施例1に係る船舶用エレベータ10の作用を説明する。
図1に示すように、例えば車両格納階から所定の船室階にエレベータ10を利用して移動する場合には、車両格納階の自動ドア19およびケージ13の別の自動ドア19Aを通して乗船者がケージ13に乗り込む。その後、電動モータ30により減速機29の2本の出力軸32を所定方向に回転して一対のダブルスプロケット15を同期回転し、2組4本のチェーン17を所定方向に同一速度で移動させて、昇降路12内でケージ13を所定階まで昇降させる。これに伴い、カウンターウエイト16が、2本のガイドレール22のあいだの空間で、ケージ13の昇降方向とは逆の方向に上下移動し、ケージ13の重さの釣り合いを保つ。その結果、従来では必須の構成要件であった囲壁が不要となり、エレベータ10の部品点数が減少する。これにより、エレベータ10の傾斜状態での運転の安全性を検査するための工場でのエレベータ10の仮組み立て作業および解体作業と、船体18内でのエレベータ10の本組み立て(施工)作業とが容易になり、エレベータ10の総施工時間の短縮も図ることができ、さらには囲壁が存在しない分だけ船体18の内部空間を広く利用することができる。このような構成から、フェリー11の建造コストを低下させることができる。
また、ケージ昇降装置14はベース梁28の長さ方向の中間部に固定され、カウンターウエイト16も2本のガイドレール22のあいだの空間に常に存在する。さらには、両ガイドレール22としてH型鋼を採用し、ウェブ26を中心にして両ガイドレール22を内外方向に区分して、そのうちの内方部分を、第2のガイドローラ38を介したカウンターウエイト16の上下動のガイド部分として利用する。また、その外方部分を、第1のガイドローラ24を介したケージ13の昇降のガイド部分として利用する。その結果、従来のように、ケージ昇降装置14の収納スペースの分だけ昇降路12をエレベータ10の最上階より上方に長くする必要がなく、かつエレベータ10の主要な構成体を2本のガイドレール22の内外周辺にコンパクトに納めることができる。これにより、エレベータ10の設置スペースを小さくできるとともに、新造のフェリー11への設置のみでなく、既存のフェリー11への後付けも容易となる。
また、ケージ13を吊下するチェーン17として2本1組で合計4本を使用し、各組みのチェーン17を、ダブルスプロケット15を回転して上下方向へ移動させるように構成したため、仮に組配置された2本のチェーン17のうちの1本が破断しても、ケージ13の安定した昇降を維持することができる。
この発明は、船舶における昇降エレベータの設置を容易にすることで、船舶のバリアフリー化を促進する技術として有用である。
10 船舶用エレベータ、
11 フェリー、
12 昇降路、
13 ケージ、
14 ケージ昇降装置、
15 ダブルスプロケット(駆動スプロケット)、
16 カウンターウエイト、
17 チェーン、
18 船体、
18a 船体の壁、
21 背板(ケージのガイドレール対向側の壁板)、
22 ガイドレール、
23 片持ちアーム、
24 第1のガイドローラ、
26 ウェブ、
27 フランジ、
28 ベース梁、
32 出力軸、
34 C型鋼(ローラ支持材)、
38 第2のガイドローラ。

Claims (3)

  1. 船体内の複数階を連通する昇降路で、乗船者が乗降するケージを、ケージ昇降装置によって複数の駆動スプロケットを回転させて、一端部がカウンターウエイトに連結され、かつ他端部が前記ケージに固定された複数本のチェーンを上下方向に移動して昇降させることで、前記乗船者を所定の階まで移送する船舶用エレベータにおいて、
    1枚のウェブと2枚のフランジとをH型に接合したH型鋼からなり、かつ垂直方向に長く前記ケージの昇降をガイドする2本のガイドレールを、前記昇降路の一部を形成する前記船体の壁に、それぞれの前記ウェブの内面が平行に対向する離間状態で固定し、
    前記ケージのうち、前記2本のガイドレールとの対向部分には、この対向したガイドレールのうちの前記2枚のフランジのウェブより外方部分の内面に当接される複数の第1のガイドローラがそれぞれの先部に配設され、かつ前記ケージを前記2本のガイドレールに片持ちする複数本の片持ちアームが離間して突設され、
    前記2本のガイドレールの上端部間にベース梁を横架し、
    該ベース梁の長さ方向の中間部に前記ケージ昇降装置を固定し、
    該ケージ昇降装置から前記ベース梁の長さ方向の両端に向かって延びた2本の出力軸に、前記複数の駆動スプロケットをそれぞれ固定し、
    前記複数本のチェーンの他端部は、前記ケージのガイドレール対向側の壁板にそれぞれ固定され、
    前記カウンターウエイトは、前記2本のガイドレールのあいだの空間に、前記カウンターウエイトからこの対応した前記ガイドレールに向かって突出する複数のローラ支持材に設けた第2のガイドローラを、前記2本のガイドレールのうち、前記2枚のフランジのウェブより内方部分の内面に当接した状態で昇降自在に収納され、
    前記ケージ昇降装置により前記複数のチェーンを上下方向に移動させることで、前記カウンターウエイトを前記2本のガイドレールのあいだの空間で上下方向に移動して、前記ケージを前記昇降路で、前記2本のガイドレールに対する片持ち状態で昇降させる船舶用エレベータ。
  2. 前記複数の駆動スプロケットは、前記ケージ昇降装置の2本の出力軸に1つずつ固定される2つのダブルスプロケットで、
    前記複数本のチェーンは、2本1組で前記2つのダブルスプロケットにそれぞれ掛けられている項1に記載の船舶用エレベータ。
  3. 前記複数の片持ちアームは、前記ケージの上部と下部とにそれぞれ1対ずつ配設され、
    前記複数の片持ちアームには、それぞれ2個の前記第1のガイドローラが、前記2本のガイドレールの2枚のフランジに押し当て状態で、その船体の壁側とそのケージ側とで一対となるように離間して配設され、
    前記複数のローラ支持材は、前記カウンターウエイトの上部と下部とにそれぞれ1対ずつ配設され、
    前記複数のローラ支持材には、それぞれ2個の前記第2のガイドローラが、前記2本のガイドレールの2枚のフランジに押し当て状態で、その船体の壁側とそのケージ側とで一対となるように離間して配設された請求項1または請求項2に記載の船舶用エレベータ。
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