JP2013255562A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収体全体の柔軟性が向上していると共に、排泄直後以降の体液の拡散性も向上する吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明のおむつ1は、表面シート2、裏面シート3、これら両シート2,3間に配された縦長の吸収体4を備えている。吸収体4は吸収性コア41を有している。吸収性コア41は、裏面シート3側に凸の坪量の高い複数の凸部411及び各凸部411を囲んで坪量が低く裏面シート3側から表面シート2側に向かって凹んだ溝部412からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域410を有している。複数の凸部411の一部は、該凸部411の内に該凸部411の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部411hを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
従来、平面方向に延設された溝が設けられたブロック状の吸収体を用いた吸収性物品が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の吸収性物品の備える吸収体には、長手方向略中央部から腹側部と背側部に延在する縦エンボス凹部が、幅方向に間隔を空けて複数本配されている。このような吸収体を備えていると、縦エンボス凹部により、排泄直後の体液の拡散性が向上する。
しかし、特許文献1に記載の吸収体の有する縦エンボス凹部は、エンボス加工により形成されているため、該縦エンボス凹部部分が高密度となっており、吸収体全体の剛性が高まってしまう。また、特許文献1に記載の吸収体では、排泄直後以降の体液の拡散性を向上させることが難しい。
本出願人は、先に、基板シート上に、複数の吸収部それぞれを互いに離間させ固定部を介して固定させて形成した吸収体を備える吸収性物品を提案した(特許文献2参照)。特許文献2に記載の吸収性物品の備える吸収体は、このように複数の吸収部を基板シート上に配して形成されているので、吸収体全体の剛性が低くなっており柔軟性が向上する。
特開2005−73921号公報 特開2010−268919号公報
しかし、特許文献2に記載の吸収性物品においても、排泄直後以降の体液の拡散性の向上に、吸収体の改善の余地があった。
従って、本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収体を備えた吸収性物品を提供することに関するものである。
本発明は、
肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート、これら両シート間に配された縦長の吸収体を備えた吸収性物品であって、前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、前記吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の凸部及び各該凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、複数の前記凸部の一部は、該凸部の内に該凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部を有している吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、吸収体全体の柔軟性が向上していると共に、排泄直後以降の体液の拡散性も向上する。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型の使い捨ておむつの斜視図である。 図2は、図1に示すおむつをそのサイドシール部で開き、平面に展開した状態を、表面シート側から見た一部破断平面図である。 図3は、図1に示すおむつの吸収本における吸収性コア及び下層吸収性コアの分解斜視図である。 図4は、図3に示す吸収性コアを表面シート側から見た平面図である。 図5は、図3に示す下層吸収性コアを表面シート側から見た平面図である。 図6は、図2のI−I線における吸収性コア及び下層吸収性コアの断面図である。 図7は、図2のII−II線における吸収性コア及び下層吸収性コアの断面図である。 図8は、本発明の実施形態であるパンツ型の使い捨ておむつに用いる吸収体における吸収性コアの製造装置の一例を示す概略図である。 図9は、図8に示す回転ドラムにおける外周面側の一部(凹部)の幅方向に沿った模式断面図である。 図10は、図8に示す回転ドラムの凹部に吸収性材料が堆積した状態を示す模式断面図である。 図11(a)〜(e)は、本発明の吸収性物品に用いられる他の吸収性コアの平面図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき、図1〜図7を参照しながら説明する。図1には本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型の使い捨ておむつの斜視図が示されており、図2には図1に示すおむつの展開状態を表面シート側から見た一部破断平面図が示されており、図3には図1に示すおむつの吸収体における吸収性コア及び下層吸収性コアの分解斜視図が示されており、図4には図3に示す吸収性コアの平面図が示されており、図5には図3に示す下層吸収性コアの平面図が示されている。また、図6には図2のI−I線における吸収性コア及び下層吸収性コアの断面図が示されており、図7には図2のII−II線における吸収性コア及び下層吸収性コアの断面図が示されている。
本実施形態のパンツ型の使い捨ておむつ1(以下、「おむつ1」ともいう。)は、図1〜図2に示すように、おむつ1の外観を構成する外装体10と、外装体10の内面側に固定された吸収体4を有する長方形状の吸収性本体11とを具備している。
おむつ1は、図1〜図2に示すように、縦方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。
本実施形態のおむつ1について、詳述すると、おむつ1の備える外装体10は、図1に示すように、おむつ1の外観を構成しており、図2に示すように、伸長状態において、その縦方向(以下「Y方向」ともいう。Y方向:中心線CLに平行な方向をいう。)に、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部Aと、着用者の背側に配される背側部Bと、腹側部Aと背側部Bとの間に位置し、着用者の股下部に配される股間部Cを有している。尚、おむつ1の横方向を、中心線CLに直交する方向(以下「X方向」ともいう。)として説明し、また、おむつ1の厚み方向を、Z方向として説明する。
また、本明細書において、「肌対向面」とは、おむつ1を構成する表面シート2などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、「非肌対向面」とは、表面シート2などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
外装体10は、図2に示すように、腹側部Aの左右両側縁及び背側部Bの左右両側縁それぞれが股間部Cの左右両側縁よりも横方向(X方向)外方に延出している。そして、股間部Cの左右両側縁が横方向(X方向)内方に向かって円弧状に湾曲しており、全体として縦方向(Y方向)中央部が内方に括れた形状を有している。おむつ1においては、外装体10の腹側部A側の両側縁部それぞれの内面と外装体10の背側部B側の両側縁部それぞれの内面同士を互いに重ね合わせ、公知の接合手段により合掌状に固定することにより、図1に示すように、一対のサイドシール部S,Sが形成されるとともに、ウエスト開口部WO及び一対のレッグ開口部LO,LOが形成される。
外装体10は、図1,図2に示すように、おむつ1の最外表面となる外層シート12及び外層シート12の肌対向面(内面)側に配されている内層シート13を有している。外層シート12は、おむつ1においては、内層シート13の縦方向(Y方向)の前後端縁それぞれから縦方向外方に延出する延出部を有しており、この延出部は、内層シート13の前端縁及び後端縁から肌当接面側に折り返され、吸収性本体11の縦方向(Y方向)前端部及び後端部を被覆している。外装体10を構成する外層シート12と内層シート13との間には、図2に示すように、腹側部A及び背側部Bそれぞれのウエスト開口部WOに沿って伸長状態の複数本のウエスト弾性部材14が配され固着されており、図1に示すようなウエスト弾性領域(ウエストギャザー)が形成されている。また、外層シート12と内層シート13との間には、図2に示すように、一対のレッグ開口部LOそれぞれに沿って伸長状態の複数本のレッグ弾性部材16が配され固着されており、図1に示すようなレッグ弾性領域(レッグギャザー)が形成されている。そして、外層シート12と内層シート13との間には、図2に示すように、ウエスト弾性部材14とレッグ弾性部材16との間に、複数本の胴回り弾性部材15が、外装体10の腹側部Aにおける両側縁部及び背側部Bにおける両側縁部間に亘って伸長状態で固着されており、図1に示すような胴回り弾性領域(胴回りギャザー)が形成されている。尚、おむつ1においては、腹側部A及び背側部Bそれぞれに配された複数本の胴回り部弾性部材15は、吸収性本体11と重なる領域において個々複数個に分断されている。このように分断された弾性部材には、もはや収縮力が発生しない状態となっている。
外装体10の肌対向面(内面)には、図2に示すように、吸収性本体11が公知の接合手段により固定されている。吸収性本体11は、図2に示すように、実質的に縦長の長方形状であり、肌対向面側に配された表面シート2、非肌対向面側に配された裏面シート3、これら両シート2,3間に配された縦長の吸収体4を備えている。吸収性本体11の縦方向(Y方向)に沿う両側部には、おむつ1においては、立体ギャザー形成用シート(不図示)が設けられており、立体ギャザー形成用シート(不図示)の自由端部近傍には、立体ギャザー形成用弾性部材(不図示)が縦方向(Y方向)に伸長した状態で配されている。おむつの着用時には、立体ギャザー形成用弾性部材(不図示)の収縮により立体ギャザー形成用シート(不図示)の自由端部側が起立し、所謂立体ギャザーとなり、横方向(X方向)への体液の流出が阻止されるようになっている。
吸収体4は、図2に示すように、吸収ポリマーを含む吸収性コア41を有しており、おむつ1においては、吸収性コア41の非肌対向面に下層吸収性コア42を有しており、吸収性コア41及び下層吸収性コア42の積層体の全体を包む被覆材(不図示)も有している。即ち、吸収体4は、おむつ1においては、縦方向(Y方向)に長い液保持性の吸収性コア41及び下層吸収性コア42の積層体の全体を、液透過性の親水性シートである被覆材(不図示)で被覆して形成されている。尚、吸収性コア41及び下層吸収性コア42を被覆材(不図示)で被覆する際には、吸収性コア41及び下層吸収性コア42それぞれを被覆材(不図示)で被覆してもよい。また、1枚の被覆材(不図示)の両側部を折り返して被覆材(不図示)の側縁部どうしを重ねるようにして吸収性コア41及び下層吸収性コア42の積層体の全体を包んでもよいし、別々の2枚の被覆材(不図示)を用いて吸収性コア41及び下層吸収性コア42の積層体の全体を包んでもよい。
おむつ1の吸収性コア41は、図2〜図4に示すように、腹側部Aから股間部Cに亘って縦方向(Y方向)に長い形状をしており、腹側部Aにおける全体の幅Waが股間部Cに位置する全体の幅Wcよりも広くなっている。尚、幅Waは最も広い位置で測定した値であり、幅Wcは最も狭い位置で測定した値である。以下具体的に説明すると、吸収性コア41は、縦方向(Y方向)の前端縁41a及び後端縁41bを有している。前端縁41aは、腹側部A寄りに位置し、かつ横方向(X方向)に向けて直線状に延びている。後端縁41bは、背側部B寄りに位置し、かつ横方向(X方向)に向けて直線状に延びている。前端縁41aと後端縁41bとは略平行になっている。また、後端縁41bは、前端縁41aよりも長くなっている。
また、おむつ1の吸収性コア41は、縦方向(Y方向)に延びる一対の側縁41s,41sを有している。側縁41sは、前端縁41a寄りに位置する第1直線部41saと、後端縁41b寄りに位置する第2直線部41sbと、第1直線部41saと第2直線部41sbとを連結する曲線部41scとを有する。一対の第1直線部41sa,41saは互いに平行であり、縦方向(Y方向)に延びている。同様に、一対の第2直線部41sb,41sbも互いに平行であり、縦方向(Y方向)に延びている。一対の第2直線部41sb,41sbの間の距離は、一対の第1直線部41sa,41sa間の距離よりも大きくなっている。また、一対の第2直線部41sb,41sbの間の距離は、後端縁41bの長さとほぼ一致している。一方、一対の第1直線部41sa,41saの間の距離は、前端縁41aの長さとほぼ一致している。第1直線部41saの縦方向(Y方向)に延びる長さは、第2直線部41sbの縦方向(Y方向)に延びる長さよりも短くなっている。第1直線部41saと第2直線部41sbとを連結する曲線部41scは、吸収性コア41の横方向(X方向)内方(中心線CL側)に向けて湾曲した曲線をなしており、第1直線部41saと第2直線部41sbとを滑らかに連結している。
吸収性コア41は、図2〜図4,図6に示すように、相対的に坪量が高く裏面シート3側に凸の複数の凸部411及び各凸部411を囲んで相対的に坪量が低く裏面シート3側から表面シート2側に向かって凹んだ溝部412からなるブロック構造が縦方向(Y方向)に複数配されたブロック領域410を有している。吸収性コア41は、おむつ1においてブロック領域410の外周を囲む非ブロック領域413を更に有している。非ブロック領域413は、高坪量の凸部411と同様に、溝部412より相対的に坪量が高くなっている。
吸収性コア41は、溝部412の底部が、図6に示すように、厚み方向(Z方向)において、表面シート2側(吸収体4の肌対向面側)に偏在している。おむつ1の吸収性コア41は、図6に示すように、吸収性コア41の非肌対向面側が凹凸のあるブロック構造となり、吸収性コア41の肌対向面側が平坦となっている。
吸収性コア41の溝部412は、おむつ1においては、図2〜図4に示すように、縦方向(Y方向)に延びる縦溝412Yと、横方向(X方向)に延びる横溝412Xとからなる。従って、吸収性コア41のブロック領域410は、おむつ1においては、図2,図4に示すように、縦方向(Y方向)に延びる縦溝412Yと、横方向(X方向)に延びる横溝412Xと、縦溝412Y及び横溝412Xで区画された部位(格子の目の位置)に配され且つ縦溝412Y及び横溝412Xそれぞれの部位より坪量の高い複数の縦長の高坪量の凸部411とからなるブロック構造が、腹側部Aから股間部Cに亘って縦方向(Y方向)に連続して配されて形成されている。尚、おむつ1においては、溝部412を構成する縦溝412Yは、縦方向(Y方向)に平行に延びているが、縦方向(Y方向)に延びていれば曲線であってもよく、傾斜して延びていてもよい。溝部412を構成する横溝412Xも同様である。
吸収性コア41のブロック領域410は、おむつ1においては、図2〜図4に示すように、腹側部A側のブロック領域410の幅Wa1が、股間部Cのブロック領域410の幅Wc1よりも大きく形成されている。具体的に説明すると、図4に示すように、おむつ1のブロック領域410は、おむつ1の腹側部A側に配される腹側のブロック領域410a、おむつ1の股間部Cに配される股間のブロック領域410cの2つに大別できる。そして、腹側のブロック領域410a及び矩形状の股間のブロック領域410cが、縦方向(Y方向)に連続して配されている。腹側のブロック領域410aは、股間のブロック領域410cよりも幅方向(X方向)外方に延出している。尚、幅Wa1は最も広い位置で測定した値であり、幅Wc1は最も狭い位置で測定した値である。
上述したように、おむつ1においては、図2〜図4に示すように、ブロック領域410の外周を囲むように非ブロック領域413が配されている。非ブロック領域413とブロック領域410とは、ブロック領域410の最外周に位置する溝部412(縦溝412Y,横溝412X)によって区画されている。
図6,図7に示すように、吸収性コア41の凸部411及び溝部412(横溝412X,縦溝412Y)は一体成形されており、非ブロック領域413も凸部411及び溝部412(横溝412X,縦溝412Y)と一体成形されている。ここで「一体成形されている」とは、凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413が、接着剤や熱融着等の接合手段を介さずに互いに分離不可能に一体化されており、同一の材料から一体的に形成されていることを意味する。このように凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413が一体成形されていると、体液がスムーズに移動し得る連続性を有するようになる。このような吸収性コア41及び吸収体4の製造方法については後で説明する。
吸収性コア41の複数の高坪量の凸部411は、その一部が、該凸部411の内に該凸部411の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部411hを有している。具体的に説明すると、おむつ1においては、図2〜図4に示すように、ブロック領域410の中心線CL上に位置する複数の凸部411が、各縦長の凸部411毎に、各凸部411の縦方向(Y方向)の全長に亘る高密度凸部411hを有している。そのため、高密度凸部411hは該凸部411の輪郭に接している。また、高密度凸部411hは、その横方向(X方向)の長さが凸部411の横方向(X方向)の長さよりも短く、凸部411の内に配されている。
複数の凸部411の一部が有する高密度凸部411hは、おむつ1においては、図6に示すように、エンボス加工を施すことにより形成されている。このエンボス加工は、吸収体4と表面シート2とを一体化する所謂圧搾溝を形成するものではなく、吸収体4(又は、吸収性コア41)に施すものであり生理用品などに見られる強固に圧縮された液拡散防止のエンボス加工とは異なり、液を集めてさらに液を伝達するものである。したがって、本発明のエンボス加工は吸収性コア41のみに形成されたものであっても同様の効果を奏するものである。おむつ1の高密度凸部411hは、図6に示すように、厚み方向(Z方向)において、吸収性コア41の平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、凸部411を貫通しないように凸部411の内に形成されている。このようにエンボス加工により形成された高密度凸部411hは、高密度凸部411hの配された凸部411における他の部分よりも密度が高くなっている。従って、図6に示すように、高密度凸部411hの密度は、高密度凸部411hを有しない凸部411の密度よりも高く、高密度凸部411hを有しない凸部411の密度は、溝部412(縦溝部412Y)の密度と同じかそれよりも高くなっている。
吸収性コア41の複数の溝部412は、その一部が、おむつ1においては、図7に示すように、該溝部412の内に該溝部412の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度溝部412hを有している。具体的に説明すると、おむつ1においては、図2〜図4に示すように、ブロック領域410の中心線CLに直交する複数の横溝部412Xの中心線CL上に位置する部分が、各横溝部412X毎に、各横溝部412Xの縦方向(Y方向)の全長に亘る高密度溝部412hを有している。そのため、高密度溝部412hは該横溝部412Xの輪郭に接している。また、高密度溝部412hは、その横方向(X方向)の長さが横溝部412Xの横方向(X方向)の長さよりも当然短く、横溝部412Xの内に配されている。
複数の溝部412の一部が有する高密度溝部412hは、おむつ1においては、図7に示すように、凸部411の高密度凸部411hと同様に、エンボス加工を施すことにより形成されている。おむつ1の高密度溝部412hは、図7に示すように、厚み方向(Z方向)において、吸収性コア41の平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、凸部411を貫通しないエンボス加工により溝部412(横溝部412X)の内に形成されている。このようにエンボス加工により形成された高密度溝部412hは、高密度溝部412hの配された溝部412(横溝部412X)における他の部分よりも密度が高くなっている。
そして、溝部412(横溝部412X)の高密度溝部412hと凸部411の高密度凸部411hとは連続している。上述したように、おむつ1においては、高密度溝部412hと高密度凸部411hとが、図3,図6,図7に示すように、吸収性コア41の平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、中心線CL上に位置する部分に連続してエンボス加工を施すことによって形成されているので、高密度溝部412hと高密度凸部411hとが連続している。即ち、溝部412(横溝部412X)の高密度溝部412hと凸部411の高密度凸部411hとは、中心線CL上に交互に形成されており、縦方向(Y方向)に連続して形成されている。
尚、おむつ1においては、図2〜図4に示すように、非ブロック領域413の縦方向(Y方向)の背側部B寄りの端部においても、中心線CL上に位置する部分に、相対的に密度の高い高密度な部分が形成されている。該部分は、高密度溝部412h及び高密度凸部411hに縦方向(Y方向)に連続して形成されている。
ブロック領域410を構成する凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)並びに高密度溝部412h及び高密度凸部411hのサイズ・坪量等について更に詳述する。
凸部411は、おむつ1においては、図2〜図4に示すように、平面視して、縦方向(Y方向)に長い矩形状に形成されている。尚、おむつ1においては、凸部411を平面視して、矩形状に形成されているが、四隅が円弧状となっていてもよく、多角形状、楕円、それらの組み合わせ等であってもよい。
おむつ1の凸部411は、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、図4に示すように、その縦方向(Y方向)の長さL1が、5mm以上、好ましくは10mm以上、そして、30mm以下、好ましくは25mm以下、より具体的には、5mm以上30mm以下であることが好ましく、10mm以上25mm以下であることが更に好ましい。また、その横方向(X方向)の長さL2が、3mm以上、好ましくは8mm以上、そして、30mm以下、好ましくは25mm以下、より具体的には、3mm以上30mm以下であることが好ましく、8mm以上25mm以下であることが更に好ましい。尚、長さL1,L2は、最も広い位置で測定した値である。
おむつ1の溝部412は、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、図4に示すように、横方向(X方向)に延びる線状の横溝412Xの幅L3が、1mm以上、好ましくは2mm以上、そして、20mm以下、好ましくは10mm以下、より具体的には、1mm以上20mm以下であることが好ましく、2mm以上10mm以下であることが更に好ましい。また、縦方向(Y方向)に延びる線状の縦溝412Yの幅L4が、1mm以上、好ましくは2mm以上、そして、20mm以下、好ましくは10mm以下、より具体的には、1mm以上20mm以下であることが好ましく、2mm以上10mm以下であることが更に好ましい。尚、幅L3,L4は、吸収性コア41の凹凸構造における凹部の底部の位置での測定値である。
また、おむつ1の高密度溝部412h及び高密度凸部411hは、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、図4に示すように、横方向(X方向)の長さL5が、0.5mm以上、好ましくは1mm以上、そして、5mm以下、好ましくは3mm以下、より具体的には、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることが更に好ましい。
横溝412Xと縦溝412Yとは、同じ厚みで形成されており、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の厚みは、凸部411の厚みの、2%以上、好ましくは3%以上、そして、80%以下、好ましくは70%以下、より具体的には、2%以上80%以下であることが好ましく、3%以上70%以下であることが更に好ましい。具体的には、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の厚みは、0.5mm以上、好ましくは0.7mm以上、そして、5mm以下、好ましくは4mm以下、より具体的には、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、0.7mm以上4mm以下であることが更に好ましい。凸部411の厚みは、1.5mm以上、好ましくは2.5mm以上、そして、8mm以下、好ましくは6mm以下、より具体的には、1.5mm以上8mm以下であることが好ましく、2.5mm以上6mm以下であることが更に好ましい。非ブロック領域413の厚みは、凸部411の厚みと同様である。
尚、凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の厚みは、所定のサイズにサンプルをカットし、5kPaで測定部位を10分間加圧し、除重後すぐに測定を行う。
測定箇所は、1枚辺り3点以上とし、おむつサンプル2枚(測定箇所6点以上)の平均で厚みを求める。例えばおむつ1を、フェザー社製刃剃刀で、図2に示す縦方向(Y方向)、又は横方向(X方向)に切断し、この切断されたサンプルの断面を測定する。肉眼にて測定し難い場合には、前記切断されたサンプルの断面を、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で観察し、測定してもよい。
高密度凸部411hと高密度溝部412hとは、おむつ1においては、同じ深さのエンボスを施すことにより形成されており、該エンボスの深さは、凸部411の厚みの10%以上80%以下であることが好ましい。具体的には、該エンボスの深さは、0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、そして、6mm以下、好ましくは5mm以下、より具体的には、0.2mm以上6mm以下であることが好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが更に好ましい。高密度凸部411hの厚み(図6参照)は、1mm以上、好ましくは1.5mm以上、そして、7mm以下、好ましくは5mm以下、より具体的には、1mm以上7mm以下であることが好ましく、1.5mm以上5mm以下であることが更に好ましい。高密度溝部412hの厚み(図7参照)は、1mm以上、好ましくは1.5mm以上、そして、4mm以下、好ましくは3.5mm以下、より具体的には、1mm以上4mm以下であることが好ましく、1.5mm以上3.5mm以下であることが更に好ましい。
尚、高密度凸部411h及び高密度溝部412hの厚みは、上述した凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の厚みを測定するのと同様な方法で行うことができる。
溝部412(横溝412X,縦溝412Y)は、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、おむつ全体の柔らかさを向上させる観点から、その坪量が、凸部411の坪量の、1%以上、好ましくは3%以上、そして、80%以下、好ましくは70%以下、より具体的には、1%以上80%以下であることが好ましく、3%以上70%以下であることが更に好ましい。
具体的には、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)(高密度溝部412hを有する溝部412を除く)は、その坪量が、10g/m2以上、好ましくは20g/m2以上、そして、300g/m2以下、好ましくは200g/m2以下、より具体的には、10g/m2以上300g/m2以下であることが好ましく、20g/m2以上200g/m2以下であることが更に好ましい。
また、凸部411(高密度凸部411hを有する凸部411を除く)は、その坪量が、80g/m2以上、好ましくは150g/m2以上、そして、500g/m2以下、好ましくは400g/m2以下、より具体的には、80g/m2以上500g/m2以下であることが好ましく、150g/m2以上400g/m2以下であることが更に好ましい。非ブロック領域413の坪量は、凸部411の坪量と同様である。
凸部411及び溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の坪量は次のようにして測定される。
<坪量の測定方法>
凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の坪量の測定方法は以下の通りである。
吸収性コア41における凸部411と溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の境界線に沿ってフェザー社製片刃剃刀を用いて切断する。切断して得られた凸部411の小片について、重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を凸部411の小片の面積で除して小片の坪量を算出する。小片5個の坪量の平均を凸部411の坪量とする。非ブロック領域413の坪量も凸部411の坪量と同様にして算出する。
次いで、凸部411と溝部412(縦溝412Y)の縦方向(Y方向)に延びた境界線に沿って、長さ50mm、幅は溝部412(縦溝412Y)の幅の設計寸法に合わせて、フェザー社製片刃剃刀を用いて、細いストライプ状の溝部412(縦溝412Y)の小片を切り出す。得られた小片を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた平均重量を溝部412(縦溝412Y)の小片の面積で除して小片の坪量を算出する。小片5個の坪量の平均を溝部412(縦溝412Y)の坪量とする。溝部412(横溝412X)についても、溝部412(縦溝412Y)と同様にして坪量を算出する。
おむつ1の吸収性コア41においては、凸部411(高密度凸部411hを有する凸部411を除く)及び非ブロック領域413は、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)(高密度溝部412hを有する溝部412を除く)に比して同じかそれより高密度に形成されている。
溝部412(横溝412X,縦溝412Y)(高密度溝部412hを有する溝部412を除く)は、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、柔らかさ、可とう性の観点から、その密度が、凸部411(高密度凸部411hを有する凸部411を除く)の密度の、10%以上、好ましくは20%以上、そして、100%以下、好ましくは90%以下、より具体的には、10%以上100%以下であることが好ましく、20%以上90%以下であることが更に好ましい。
具体的には、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)(高密度溝部412hを有する溝部412を除く)は、その密度が、0.001g/cm3以上、好ましくは0.002g/cm3以上、そして、0.5g/cm3以下、好ましくは0.35g/cm3以下、より具体的には、0.001g/cm3以上0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.002g/cm3以上0.35g/cm3以下であることが更に好ましい。
また、凸部411(高密度凸部411hを有する凸部411を除く)は、その密度が、0.01g/cm3以上、好ましくは0.02g/cm3以上、そして、0.5g/cm3以下、好ましくは0.35g/cm3以下、より具体的には、0.01g/cm3以上0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.02g/cm3以上0.35g/cm3以下であることが更に好ましい。非ブロック領域413の密度は、凸部411の密度と同様である。
凸部411、非ブロック領域413及び溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の密度は、上述した方法により求めた凸部411、非ブロック領域413及び溝部412の坪量を、上述した方法により求めたそれぞれの厚みで除して算出される。
凸部411の高密度凸部411hは、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、排尿速度が遅い場合や排尿ポイントから離れるなどしておしっこの勢いがなくなった領域において液拡散性を向上させる観点から、その密度が、凸部411(高密度凸部411hを有する凸部411を除く)の密度の、105%以上、好ましくは110%以上、そして、550%以下、好ましくは450%以下、より具体的には、105%以上550%以下であることが好ましく、110%以上450%以下であることが更に好ましい。
具体的には、高密度凸部411hは、その密度が、0.02g/cm3以上、好ましくは0.05g/cm3以上、そして、0.55g/cm3以下、好ましくは0.40g/cm3以下、より具体的には、0.02g/cm3以上0.55g/cm3以下であることが好ましく、0.05g/cm3以上0.40g/cm3以下であることが更に好ましい。
高密度凸部411hの密度をこのような範囲にすることで液を集めやすく対向するブロックに液を伝達しやすくなるため隣り合うブロックを次々と液が運ばれていくことになる。高密度凸411hの密度が凸部411の密度に対して低くなると液が集まらなくなり液の伝達が起こりにくくなり好ましくない。一方、高密度凸411hの密度が0.55g/cm3を超えて高くなると生理用品に見られる圧縮溝と同様に液を止める作用が大きく液を伝達させにくくなるために好ましくない。
より具体的には、凸部411において高密度凸部411hの密度が、凸部411(高密度凸部411hを除く)の550%より大きくなるか、または密度が0.55g/cm3以を越えると、液を拡散させる毛管力は向上するものの液を通す空隙が著しく低下してしまうため、液を受け渡せる液量が極端に低下する。その結果、凸部411から向かい合う凸部411への液移行量が低下してしまう。一方、高密度部411hが凸部411の密度の105%未満となり凸部411との密度差が低いと、凸部411(高密度凸部411hを除く)から高密度凸部411hへ働く毛管力が低いため、液を高密度凸部411hに液を集めにくく、向かい合う凸部411に液を移行させる力が低いため液拡散性が充分ではない。
溝部412の高密度溝部412hは、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、排尿速度が遅い場合や排尿ポイントから離れるなどしておしっこの勢いがなくなった領域において液拡散性を向上させる観点、及び柔軟性を向上させる観点から、その密度が、溝部412(高密度溝部412hを有する溝部412を除く)の密度の、105%以上、好ましくは110%以上、そして、550%以下、好ましくは450%以下、より具体的には、105%以上550%以下であることが好ましく、110%以上450%以下であることが更に好ましい。
具体的には、高密度溝部412hは、その密度が、0.002g/cm3以上、好ましくは0.005g/cm3以上、そして、0.55g/cm3以下、好ましくは0.40g/cm3以下、より具体的には、0.002g/cm3以上0.55g/cm3以下であることが好ましく、0.005g/cm3以上0.40g/cm3以下であることが更に好ましい。
凸部411の高密度凸部411h及び溝部412の高密度溝部412hの密度は次のようにして測定される。
<高密度凸部411h及び高密度溝部412hの密度の測定方法>
まず、上述した凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の厚みの測定するのと同様の要領で、高密度凸部411h及び高密度溝部412hを含む凸部411、溝部412、フェザー社製片刃剃刀を用いて切断し、断面を目視にて観察する。その際、肉眼での観察が難しい場合には、上述の厚みの測定と同様にマイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で観察してもよい。これにより、高密度凸部411h及び高密度溝部412h部分における断面の繊維間距離が凸部411及び溝部412に対して狭くなっていることがわかれば、相対的に密度が高くなっていることを知ることができ、その部位がエンボス加工した部位と一致しているか確認することもできる。
さらに詳細に密度を測定する場合には以下の方法をとる。上述した凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の坪量の測定方法と同様にして、坪量を測定する。具体的には、エンボス加工を施した凸部411におけるエンボスの外縁に沿ってフェザー社製片刃剃刀を用いて切断する。切断して得られた高密度凸部411hの小片10個をそれぞれ電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定し、高密度凸部411hの小片1個の平均重量を求める。求めた平均重量を高密度凸部411hの小片1個当りの平均面積で除して高密度凸部411hの坪量を算出する。次いで、該高密度凸部411hの坪量を上述した方法により求めた厚みで除して、高密度凸部411hの密度が算出される。
同様に、エンボス加工を施した溝部412(横溝412X)におけるエンボスの外縁に沿ってフェザー社製片刃剃刀を用いて切断する。切断して得られた高密度溝部412hの小片10個をそれぞれ電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定し、高密度溝部412hの小片1個の平均重量を求める。求めた平均重量を高密度溝部412hの小片1個当りの平均面積で除して高密度溝部412hの坪量を算出する。次いで、該高密度溝部412hの坪量を上述した方法により求めた厚みで除して、高密度溝部412hの密度が算出される。
上述したように、おむつ1の吸収体4は、図2,図3に示すように、吸収性コア41の非肌対向面に下層吸収性コア42を有している。下層吸収性コア42は、吸収性コア41の外周縁よりも外方に延出しており、その輪郭が吸収性コア41の輪郭よりも大きく形成されている。吸収性コア41及び下層吸収性コア42は、おむつ1においては、吸収性コア41の縦方向(Y方向)に延びる中心線CLと下層吸収性コア42の縦方向(Y方向)に延びる中心線CLとを略一致させて積層されている。
おむつ1の下層吸収性コア42は、図2,図3,図5に示すように、背側部Bから腹側部Aに亘って縦方向(Y方向)に長い形状をしており、腹側部Aにおける全体の幅Wa’と背側部Bにおける全体の幅Wb’と股間部Cに位置する全体の幅Wc’とが同じ幅となっている。以下具体的に説明すると、下層吸収性コア42は、縦方向(Y方向)の前端縁42a及び後端縁42bを有している。前端縁42aは、腹側部A寄りに位置し、かつ横方向(X方向)に向けて直線状に延びている。後端縁42bは、背側部B寄りに位置し、かつ横方向(X方向)に向けて直線状に延びている。前端縁42aと後端縁42bとは略平行になっている。また、前端縁42aと後端縁42bとはほぼ同じ長さになっている。更に下層吸収性コア42は、縦方向(Y方向)に延びる一対の側縁42s,42sを有している。一対の側縁42s,42sは略平行になっており、縦方向(Y方向)に向けて直線状に延びている。このように、下層吸収性コア42は、平面視して縦方向(Y方向)に長辺を有する矩形の形状をしている。
下層吸収性コア42は、図2,図3,図5,図6に示すように、相対的に坪量が高く裏面シート3側に凸の複数の下層凸部421及び各下層凸部421を囲んで相対的に坪量が低く裏面シート3側から表面シート2側に向かって凹んだ下層溝部422からなるブロック構造が縦方向(Y方向)に複数配されたブロック領域420を有している。下層吸収性コア42は、おむつ1においては、ブロック領域420の外周を囲む非ブロック領域423を更に有している。非ブロック領域423は、高坪量の下層凸部421と同様に、下層溝部422より相対的に坪量が高くなっている。
下層吸収性コア42は、吸収性コア41と同様に、下層溝部422の底部が、図6に示すように、厚み方向(Z方向)において、表面シート2側(吸収体4の肌対向面側)に偏在している。おむつ1の下層吸収性コア42は、図6に示すように、下層吸収性コア42の非肌対向面側が凹凸のあるブロック構造となり、下層吸収性コア42の肌対向面側が平坦となっている。
下層吸収性コア42の下層溝部422は、おむつ1においては、図2,図3,図5に示すように、縦方向(Y方向)に延びる縦溝422Yと、横方向(X方向)に延びる横溝422Xとからなる。従って、下層吸収性コア42のブロック領域420は、おむつ1においては、図2,図5に示すように、縦方向(Y方向)に延びる縦溝422Yと、横方向(X方向)に延びる横溝422Xと、縦溝422Y及び横溝422Xで区画された部位(格子の目の位置)に配され且つ縦溝422Y及び横溝422Xそれぞれの部位より坪量の高い複数の縦長の高坪量の凸部421とからなるブロック構造が、背側部Bから腹側部Aに亘って縦方向(Y方向)に連続して配されて形成されている。尚、おむつ1においては、下層溝部422を構成する縦溝422Yは、縦方向(Y方向)に平行に延びているが、縦方向(Y方向)に延びていれば曲線であってもよく、傾斜して延びていてもよい。下層溝部422を構成する横溝422Xも同様である。
下層吸収性コア42のブロック領域420は、おむつ1においては、図2,図3,図5に示すように、腹側部A側のブロック領域420の幅Wa1’及び背側部B側のブロック領域420の幅Wb1’それぞれが、股間部Cのブロック領域420の幅Wc1’よりも大きく形成されている。具体的に説明すると、図5に示すように、おむつ1のブロック領域420は、おむつ1の腹側部A側に配される腹側のブロック領域420a、おむつ1の背側部B側に配される背側のブロック領域420b、おむつ1の股間部Cに配される股間のブロック領域420cの3つに大別できる。そして、腹側のブロック領域420a、矩形状の股間のブロック領域420c及び背側のブロック領域420bが、縦方向(Y方向)に連続して配されている。腹側のブロック領域420a及び背側のブロック領域420bは、それぞれ、股間のブロック領域420cよりも幅方向(X方向)外方に延出している。おむつ1においては、腹側のブロック領域420aの幅Wa1’と背側のブロック領域420bの幅Wb1’とは同じである。また、股間のブロック領域420cの幅Wc1’が最も狭くなっている。尚、幅Wa1’,Wb1’は、最も広い位置で測定した値であり、幅Wc1’は、最も狭い位置で測定した値である。おむつ1においては、図2,図5に示すように、下層吸収性コア42を構成するブロック領域420は、股間部Cが内方に括れている。
上述したように、おむつ1の下層吸収性コア42においては、図2,図3,図5に示すように、ブロック領域420の外周を囲むように非ブロック領域423が配されている。非ブロック領域423とブロック領域420とは、ブロック領域420の最外周に位置する下層溝部422(縦溝422Y,横溝422X)によって区画されている。
下層吸収性コア42の縦方向(Y方向)に沿う両側部それぞれの非ブロック領域423には、下層吸収性コア42の縦方向(Y方向)に延びる側部開口部424が形成されている。側部開口部424は、下層吸収性コア42の厚み方向全域を貫通している。側部開口部424は、股間のブロック領域420cの形成位置の横方向(X方向)外方に形成されている。側部開口部424は、縦方向(Y方向)に直線状に延び、かつ互いに平行な内側辺424a及び外側辺424bを有する扁平な略台形の形状をしている。内側辺424aは外側辺424bよりも短くなっている。非ブロック領域423の内側辺424aは、図2に示すように、先に述べた吸収性コア41の第2直線部41sbに沿って形成されている。
図6,図7に示すように、下層吸収性コア42の下層凸部421及び下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)は一体成形されており、非ブロック領域423も下層凸部421及び下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)と一体成形されている。ここで「一体成形されている」とは、吸収性コア41と同様に、下層凸部421、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)及び非ブロック領域423が、接着剤や熱融着等の接合手段を介さずに互いに分離不可能に一体化されており、同一の材料から一体的に形成されていることを意味する。このように下層凸部421、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)及び非ブロック領域423が一体成形されていると、体液がスムーズに移動し得る連続性を有するようになる。このような下層吸収性コア42及び吸収体4の製造方法については後で説明する。
上述したように、おむつ1の吸収体4においては、図2,図3に示すように、吸収性コア41及び下層吸収性コア42は、吸収性コア41の縦方向(Y方向)に延びる中心線CLと下層吸収性コア42の縦方向(Y方向)に延びる中心線CLとを略一致させて積層されている。そして、図2,図3に示すように、吸収性コア41における腹側部A側のブロック領域410aの形状と下層吸収性コア42における腹側部A側のブロック領域420aの形状とを一致させて積層されており、吸収性コア41における股間部Cのブロック領域410cの形状と下層吸収性コア42における股間部Cのブロック領域420cの形状とを一致させて積層されている。即ち、吸収体4は、吸収性物品の腹側部A及び股間部Cにおいて、吸収性コア41のブロック領域410を構成する凸部411及び溝部412(横溝412X,縦溝412Y)それぞれの形成位置が、下層吸収性コア42のブロック領域420を構成する下層凸部421及び下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)それぞれの形成位置と一致しており、形状が一致している。
下層吸収性コア42の複数の高坪量の下層凸部421は、その一部が、該下層凸部421の内に該下層凸部421の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度凸部421hを有している。具体的に説明すると、おむつ1においては、図2,図3,図5に示すように、ブロック領域420の中心線CL上に位置する複数の下層凸部421が、各縦長の下層凸部421毎に、各下層凸部421の縦方向(Y方向)の全長に亘る下層高密度凸部421hを有している。そのため、下層高密度凸部421hは該下層凸部421の輪郭に接している。また、下層高密度凸部421hは、その横方向(X方向)の長さが下層凸部421の横方向(X方向)の長さよりも短く、下層凸部421の内に配されている。
複数の下層凸部421の一部が有する下層高密度凸部421hは、おむつ1においては、上述したように、図6に示すように、吸収性コア41を介して、エンボス加工を施すことにより形成されている。このエンボス加工は、吸収体4と表面シート2とを一体化する所謂圧搾溝を形成するものではなく、吸収体4のみに施すものである。おむつ1の下層高密度凸部421hは、図6に示すように、厚み方向(Z方向)において、吸収性コア41を介して、下層吸収性コア42の平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、下層凸部421を貫通しないように下層凸部421の内に形成されている。このようにエンボス加工により形成された下層高密度凸部421hは、下層高密度凸部421hの配された下層凸部421における他の部分よりも密度が高くなっている。従って、図6に示すように、下層高密度凸部421hの密度は、下層高密度凸部421hを有しない下層凸部421の密度よりも高く、下層高密度凸部421hを有しない下層凸部421の密度は、下層溝部422(縦溝部422Y)の密度と同じかそれよりも高くなっている。
下層吸収性コア42の複数の下層溝部422は、その一部が、おむつ1においては、図7に示すように、該下層溝部422の内に該下層溝部422の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度溝部422hを有している。具体的に説明すると、おむつ1においては、図2,図3,図5に示すように、ブロック領域420の中心線CLに直交する複数の横溝部422Xの中心線CL上に位置する部分が、各横溝部422X毎に、各横溝部422Xの縦方向(Y方向)の全長に亘る下層高密度溝部422hを有している。そのため、下層高密度溝部422hは該横溝部422Xの輪郭に接している。また、下層高密度溝部422hは、その横方向(X方向)の長さが横溝部422Xの横方向(X方向)の長さよりも当然短く、横溝部422Xの内に配されている。
複数の下層溝部422の一部が有する下層高密度溝部422hは、おむつ1においては、図7に示すように、下層凸部421の下層高密度凸部421hと同様に、吸収性コア41を介して、エンボス加工を施すことにより形成されている。おむつ1の下層高密度溝部422hは、図7に示すように、厚み方向(Z方向)において、吸収性コア41を介して、下層吸収性コア42の平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、下層凸部421を貫通しないエンボス加工により下層溝部422(横溝部422X)の内に形成されている。このようにエンボス加工により形成された下層高密度溝部422hは、下層高密度溝部422hの配された下層溝部422(横溝部422X)における他の部分よりも密度が高くなっている。
そして、下層溝部422(横溝部422X)の下層高密度溝部422hと下層凸部421の下層高密度凸部421hとは連続している。上述したように、おむつ1においては、下層高密度溝部422hと下層高密度凸部421hとが、図3,図6,図7に示すように、吸収性コア41を介して、下層吸収性コア42の平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、中心線CL上に位置する部分にエンボス加工を施すことによって形成されているので、下層高密度溝部422hと下層高密度凸部421hとが連続している。即ち、下層溝部422(横溝部422X)の下層高密度溝部422hと下層凸部421の下層高密度凸部421hとは、中心線CL上に交互に形成されており、縦方向(Y方向)に連続して形成されている。
また、前記エンボス加工を施すことによって形成されているので、下層吸収性コア42における下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hそれぞれの形成位置は、おむつ1においては、図2,図6,図7に示すように、吸収性コア41における高密度凸部411h及び高密度溝部412hそれぞれの形成位置と一致している。そして、図2に示すように、下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hを中心線CL上に交互に配して形成された直線の方が、縦方向(Y方向)の長さが、高密度凸部411h及び高密度溝部412hを中心線CL上に交互に配して形成された直線の長さよりも長く形成されている。下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hを中心線CL上に交互に配して形成された直線は、おむつ1においては、図5に示すように、下層吸収性コア42のブロック領域420の縦方向(Y方向)の全域に亘って形成されている。
更に、上述したように、おむつ1においては、吸収性コア41を介して、下層吸収性コア42にエンボス加工を施しているので、図6,図7に示すように、吸収性コア41におけるエンボスの深さの方が、下層吸収性コア42におけるエンボスの深さよりも深くなっている。その為、図6に示すように、吸収性コア41の凸部411における高密度凸部411hは、その密度が、下層吸収性コア42の下層凸部421における下層高密度凸部421hの密度よりも高くなっている。また、図7に示すように、吸収性コア41の溝部412(横溝部412X)の高密度溝部412hは、その密度が、下層吸収性コア42の下層溝部422(横溝部422X)における下層高密度溝部422hの密度よりも高くなっている。
このように吸収性コア41の高密度凸部411hおよび高密度溝部412hをそれぞれ下層吸収性コア42の下層高密度凸部421hおよび下層高密度溝部422hに対して高くすることで吸収体4の肌対向面側液拡散を向上させてドライ感を良くするとともに非肌対向面側でじっくり吸収して充分な液貯蔵性を付与することができる。
下層吸収性コア42のブロック領域420を構成する下層凸部421、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)並びに下層高密度溝部422h及び下層高密度凸部421hのサイズ・坪量等について更に詳述する。
下層凸部421は、おむつ1においては、図2,図3,図5に示すように、吸収性コア41の凸部411と同じく、平面視して、縦方向(Y方向)に長い矩形状に形成されている。尚、おむつ1においては、下層凸部421を平面視して、矩形状に形成されているが、四隅が円弧状となっていてもよく、多角形状、楕円、それらの組み合わせ等であってもよい。また、下層凸部421の形状と凸部411の形状とは、同じでなくてもよい。
おむつ1の下層凸部421は、その輪郭が吸収性コア41の凸部411の輪郭と同じであり、凸部411の縦方向(Y方向)の長さL1と、凸部411の横方向(X方向)の長さL2と同じである。
また、おむつ1の下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)の輪郭は、吸収性コア41の溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の輪郭と同じであり、横方向(X方向)に延びる線状の横溝412Xの幅L3と、縦方向(Y方向)に延びる線状の縦溝412Yの幅L4と同じである。
また、下層吸収性コア42の下層高密度溝部422h及び下層高密度凸部421hは、吸収性コア41の高密度溝部412h及び高密度凸部411hと形成位置が同じであり、高密度溝部412h及び高密度凸部411hの横方向(X方向)の長さL5と同じである。
下層吸収性コア42の横溝422Xと縦溝422Yとは、同じ厚みで形成されており、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)の厚みは、下層凸部421の厚みの2%以上80%以下であることが好ましい。具体的には、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)の厚みは、0.5mm以上、好ましくは0.7mm以上、そして、5mm以下、好ましくは4mm以下、より具体的には、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、0.7mm以上4mm以下であることが更に好ましい。下層凸部421の厚みは、1.5mm以上、好ましくは2.5mm以上、そして、8mm以下、好ましくは6mm以下、より具体的には、1.5mm以上8mm以下であることが好ましく、2.5mm以上6mm以下であることが更に好ましい。非ブロック領域423の厚みは、下層凸部421の厚みと同様である。
尚、下層凸部421、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)及び非ブロック領域423の厚みは、上述した、吸収性コア41の凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の厚みと同様にして測定する。
下層吸収性コア42の下層高密度凸部421hと下層高密度溝部422hとは、おむつ1においては、吸収性コア41を介して、同じ深さのエンボスを施すことにより形成されており、該エンボスの深さは、下層凸部421の厚みの10%以上80%以下であることが好ましい。具体的には、該エンボスの深さは、0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、そして、6mm以下、好ましくは5mm以下、より具体的には、0.2mm以上6mm以下であることが好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが更に好ましい。下層高密度凸部421hの厚み(図6参照)は、1mm以上、好ましくは1.5mm以上、そして、7mm以下、好ましくは5mm以下、より具体的には、1mm以上7mm以下であることが好ましく、1.5mm以上5mm以下であることが更に好ましい。下層高密度溝部422hの厚み(図7参照)は、1mm以上、好ましくは1.5mm以上、そして、4mm以下、好ましくは3.5mm以下、より具体的には、1mm以上4mm以下であることが好ましく、1.5mm以上3.5mm以下であることが更に好ましい。
尚、下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hの厚みは、上述した、吸収性コア41の高密度凸部411h及び高密度溝部412hの厚みと同様にして測定する。
下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)(下層高密度溝部422hを有する下層溝部422を除く)は、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、柔らかさと壊れにくさの観点から、その坪量が、下層凸部421(下層高密度凸部421hを有する下層凸部421を除く)の坪量の、1%以上、好ましくは3%以上、そして、80%以下、好ましくは70%以下、より具体的には、1%以上80%以下であることが好ましく、3%以上70%以下であることが更に好ましい。
具体的には、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)(下層高密度溝部422hを有する下層溝部422を除く)は、その坪量が、10g/m2以上、好ましくは20g/m2以上、そして、300g/m2以下、好ましくは200g/m2以下、より具体的には、10g/m2以上300g/m2以下であることが好ましく、20g/m2以上200g/m2以下であることが更に好ましい。
また、下層凸部421(下層高密度凸部421hを有する下層凸部421を除く)は、その坪量が、80g/m2以上、好ましくは150g/m2以上、そして、500g/m2以下、好ましくは400g/m2以下、より具体的には、80g/m2以上500g/m2以下であることが好ましく、150g/m2以上400g/m2以下であることが更に好ましい。非ブロック領域423の坪量は、下層凸部421の坪量と同様である。
尚、下層凸部421及び下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)の坪量は、上述した、吸収性コア41の凸部411及び溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の坪量と同様にして測定する。
おむつ1の吸収性コア41においては、下層凸部421(下層高密度凸部421hを有する下層凸部421を除く)及び非ブロック領域423は、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)(下層高密度溝部422hを有する下層溝部422を除く)に比して同じかあるいはそれより高密度に形成されている。
下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)(下層高密度溝部422hを有する下層溝部422を除く)は、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、柔らかさ及び壊れにくさの観点から、その密度が、下層凸部421(下層高密度凸部421hを有する下層凸部421を除く)の密度の、10%以上、好ましくは20%以上、そして、100%以下、好ましくは90%以下、より具体的には、10%以上100%以下であることが好ましく、20%以上90%以下であることが更に好ましい。
具体的には、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)(下層高密度溝部422hを有する下層溝部422を除く)は、その密度が、0.001g/cm3以上、好ましくは0.002g/cm3以上、そして、0.5g/cm3以下、好ましくは0.35g/cm3以下、より具体的には、0.001g/cm3以上0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.002g/cm3以上0.35g/cm3以下であることが更に好ましい。
また、下層凸部421(下層高密度凸部421hを有する下層凸部421を除く)は、その密度が、0.01g/cm3以上、好ましくは0.02g/cm3以上、そして、0.5g/cm3以下、好ましくは0.35g/cm3以下、より具体的には、0.01g/cm3以上0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.02g/cm3以上0.35g/cm3以下であることが更に好ましい。非ブロック領域423の密度は、下層凸部421の密度と同様である。
下層凸部421、非ブロック領域423及び下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)の密度は、上述した方法により求めた下層凸部421、非ブロック領域423及び下層溝部422の坪量を、上述した方法により求めたそれぞれの厚みで除して算出される。
下層凸部421の下層高密度凸部421hは、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、おむつ全体の柔らかさ、液拡散性、液モレ防止の観点から、その密度が、下層凸部421(下層高密度凸部421hを有する下層凸部421を除く)の密度の、105%以上、好ましくは110%以上、そして、550%以下、好ましくは450%以下、より具体的には、105%以上550%以下であることが好ましく、110%以上450%以下であることが更に好ましい。
具体的には、下層高密度凸部421hは、その密度が、吸収性コア41の高密度凸部411hよりも低く、0.02g/cm3以上、好ましくは0.05g/cm3以上、そして、0.55g/cm3以下、好ましくは0.40g/cm3以下、より具体的には、0.02g/cm3以上0.55g/cm3以下であることが好ましく、0.05g/cm3以上0.40g/cm3以下であることが更に好ましい。
下層溝部422の下層高密度溝部422hは、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、おむつ全体の柔らかさ、液拡散性、液モレ防止の観点から、その密度が、下層溝部422(下層高密度溝部422hを有する下層溝部422を除く)の密度の、105%以上、好ましくは110%以上、そして、550%以下、好ましくは450%以下、より具体的には、105%以上550%以下であることが好ましく、110%以上450%以下であることが更に好ましい。
具体的には、下層高密度溝部422hは、その密度が、吸収性コア41の高密度溝部412hよりも低く、0.002g/cm3以上、好ましくは0.005g/cm3以上、そして、0.55g/cm3以下、好ましくは0.40g/cm3以下、より具体的には、0.002g/cm3以上0.55g/cm3以下であることが好ましく、0.005g/cm3以上0.40g/cm3以下であることが更に好ましい。
尚、下層凸部421の下層高密度凸部421h及び下層溝部422の下層高密度溝部422hの密度は、上述した、吸収性コア41の凸部411の高密度凸部411h及び溝部412の高密度溝部412hの密度と同様にして測定される。
吸収性コア41は、使い捨ておむつ1に用いられる場合においては、縦方向(Y方向)の全長が、125mm以上550mm以下であり、横方向(X方向)の全幅が50mm以上200mm以下であることが好ましい。吸収性コア41の股間部Cにおける、横方向(X方向)の全幅は25mm以上115mm以下であることが好ましい。
下層吸収性コア42は、使い捨ておむつ1に用いられる場合においては、縦方向(Y方向)の全長が250mm以上550mm以下であり、横方向(X方向)の全幅が50mm以上200mm以下であることが好ましい。
尚、前記全長は最も長い位置で測定した値であり、前記全幅は最も広い位置で測定した値である。股間部Cにおいては、最も狭い位置で測定した値である。
吸収性コア41のブロック領域410は、使い捨ておむつ1に用いられる場合においては、その面積が、吸収性コア41の全面積の、30%以上、好ましくは50%以上、そして、90%以下、好ましくは70%以下、より具体的には、30%以上90%以下であることが好ましく、50%以上70%以下であることが更に好ましい。
下層吸収性コア42のブロック領域420は、使い捨ておむつ1に用いられる場合においては、その面積が、下層吸収性コア42の全面積の、30%以上、好ましくは50%以上、そして、90%以下、好ましくは70%以下、より具体的には、30%以上90%以下であることが好ましく、50%以上70%以下であることが更に好ましい。
次に、おむつ1の備える吸収体4における吸収性コア41及び下層吸収性コア42の好適な製造方法を説明する。
図8には、吸収性コア41及び下層吸収性コア42の製造方法の一実施態様及びそれに用いる製造装置が示されている。以下、両吸収性コアを総称して、単に「コア40」と呼ぶ。コア40の製造装置は、矢印R1方向に回転駆動される回転ドラム50と、回転ドラム50の外周面にコア40の原料である吸収ポリマーを含む吸収性材料45を供給するダクト60と、回転ドラム50の下流側の斜め下方に配置され、矢印R2方向に回転駆動されるトランスファーロール70と、回転ドラム50の周方向におけるダクト60とトランスファーロール70との間に配置されたバキュームボックス65と、バキュームボックス65と回転ドラム50との間及びトランスファーロール70と回転ドラム50との間を通るように配された、シート状の通気性部材であるメッシュベルト75と、トランスファーロール70の下方に配されたバキュームコンベア80とを備えている。
回転ドラム50は、図8に示すように、円筒状をなし、モータ等の原動機からの動力を受けて、その外周面を形成する部材が水平軸回りを回転する。回転ドラム50の内側(回転軸側)の非回転部分には内部を減圧可能な空間56が形成されている。空間56には、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、空間56内を負圧に維持可能である。他方、回転ドラム50の内側(回転軸側)の空間57及び58には、装置外の空気を取り込み可能な配管(図示せず)が接続されている。
図8に示すように、回転ドラム50の外周面には、製造するコア40の形状に対応する形状のドラム凹部51が複数個、R1方向に等間隔を空けて形成されている。各ドラム凹部51の底面部には、図9に示すように、多数の細孔が形成されたメッシュプレート52と、金属製又は樹脂製の難通気性部材53とが配されている。ここで、難通気性部材53は、メッシュプレート52上に突出するように設けられており、上述した溝部412(横溝412X,縦溝412Y),下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)の形状及び位置に対応するように配されている。図8に示すように、このように配された難通気性部材53により区画されたメッシュプレート52のみからなる領域54が、凸部411,下層凸部421に対応する部分となり、難通気性部材53により区画された部分の外周全域におけるメッシュプレート52のみからなる領域55が、非ブロック領域413,423に対応する部分となる。また、ドラム凹部51が形成されていない、回転ドラム50の外周面の部分は、金属製の剛体からなる回転ドラム50のフレーム体からなり、非通気性である。
ダクト60は、図8に示すように、その一端側が、負圧に維持される空間56上に位置する回転ドラム50の外周面を覆っており、図示しない他端側には、繊維材料導入装置を有している。繊維材料導入装置は、例えば、シート状の木材パルプを粉砕して解繊パルプとし、その解繊したパルプ(繊維材料)をダクト内に送り込む粉砕器を備え、ダクト60の途中に吸収ポリマーを導入する吸収ポリマー導入部を備えている。
トランスファーロール70は、通気性を有する円筒状の外周部を有しており、モータ等の原動機からの動力を受けて、その外周部がR2方向に回転する。トランスファーロール70の内側(回転軸側)の非回転部分には、内部を減圧可能な空間71が形成されている。空間71には、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、空間71内を負圧に維持可能である。
バキュームボックス65は、回転ドラム50の回転方向R1において、ダクト60の下流側端部61と、トランスファーロール70との間に配置されている。バキュームボックス65は、箱状の形状を有し、回転ドラム50に対向する部位に、回転ドラム50方向に向かって開口する開口部を有している。バキュームボックス65は、排気管67を介して、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置の作動により、バキュームボックス65内を負圧に維持可能である。
メッシュベルト75は、網目を有する帯状の通気性ベルトが無端状に連結されたものであり、複数のフリーロール及びトランスファーロール70に案内されて所定の経路を連続的に移動する。メッシュベルト75は、トランスファーロール70の回転によって駆動される。メッシュベルト75は、バキュームボックス65の前記開口部の前を通過している間は、回転ドラム50の外周面に接触しており、トランスファーロール70と回転ドラム50とが最も接近している最接近部付近で、回転ドラム50の外周面から離れてトランスファーロール70上へと移行する。
バキュームコンベア80は、駆動ロール81及び従動ロール82に架け渡された無端状の通気性ベルト83と、通気性ベルト83を挟んでトランスファーロール70と対向する位置に配されたバキュームボックス84とを備えている。
次に、上述した吸収体4の製造装置を用いてコア40を連続的に製造する方法について説明する。
先ず、回転ドラム50内の空間56、及びバキュームボックス65内を、それぞれに接続された排気装置を作動させて負圧にする。このように、空間56内を負圧にすることで、ダクト60内に、吸収性材料45を回転ドラム50の外周面に搬送させる空気流が生じるからである。次に、回転ドラム50及びトランスファーロール70を回転させ、また、バキュームコンベア80を作動させる。そして、前記繊維材料導入装置を作動させて、ダクト60内に、解繊したパルプ(繊維材料)及び吸収ポリマーを供給する。これらの吸収性材料45は、ダクト60内を流れる空気流に乗り、飛散状態となって回転ドラム50の外周面に向けて供給される。
ダクト60に覆われた部分を搬送されている間に、回転ドラム50のドラム凹部51に、吸収性材料45が吸引される。吸収性材料45は、図10に示すように、ドラム凹部51の各領域54及び領域55のメッシュプレート52上に徐々に堆積する。こうして得られた堆積物46においては、難通気性部材53上に吸収性材料45が堆積してなる部位(難通気性部材53対応部)46aが、相対的に吸収性材料45の堆積量が少なく、その他の部位(領域54対応部)46b及び部位(領域55対応部)46cが、相対的に吸収性材料45の堆積量が多くなっており、堆積物46全体として凹凸のあるブロック構造を有するようになる。
そして、回転ドラム50が回転して、ドラム凹部51がバキュームボックス65の対向位置にくると、ドラム凹部51内の堆積物46がバキュームボックス65からの吸引によって、メッシュベルト75に吸い付けられた状態となる。ドラム凹部51内の堆積物46は、その状態で、トランスファーロール70と回転ドラム50との最接近部の直前まで搬送され、該最接近部付近で、トランスファーロール70側からの吸引により、メッシュベルト75に吸い付けられた状態のままドラム凹部51より離型し、トランスファーロール70上へと移行する。
こうして、メッシュベルト75と共にトランスファーロール70上に移行したブロック構造を有する堆積物46は、トランスファーロール70上のメッシュベルト75に吸着されたまま、バキュームコンベア80との受け渡し部(トランスファーロール70の最下端部)まで搬送され、該受け渡し部において、バキュームボックス84による吸引によりバキュームコンベア80上へと移行する。
このようにして得られた長尺状の堆積物46を所定の間隔で切断して、吸収体1個分の寸法に切断された吸収体前駆体49を連続的に製造する。次いで、こうして得られた吸収体前駆体49を加圧手段90によって圧縮し、吸収体前駆体49を構成する堆積物46の厚みを積極的に減少させて、目的とするコア40を得る。加圧手段90は、図8に示すように、一対のロール91,92を備え、ロール91,92間に導入された被加圧物を上下面から加圧して厚み方向に圧縮可能に構成されている。
加圧手段90によって吸収体前駆体49を圧縮すると、吸収性材料が相対的に多く厚みの大きい部位(領域54対応部)46b及び部位(領域55対応部)46cは、吸収性材料45が相対的に少なく厚みの小さい部位(難通気性部材53対応部)46aよりも強く圧縮される。その結果、上述した製造装置を用いて製造されたコア40においては、堆積物46における部位(領域54対応部)46b(凸部)及び部位(領域55対応部)46cが、コア40において相対的に密度の高い凸部411,下層凸部421及び非ブロック領域413,423となり、堆積物46における部位(難通気性部材53対応部)46a(凹部)が、コア40において相対的に密度の低い溝部412(横溝412X,縦溝412Y),下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)となる。
以上のようにして製造された下層吸収性コア42上に製造された吸収性コア41を積層させて積層体を連続的に製造し、液透過性の親水性シートである被覆材で被覆し、吸収体4を製造した後、搬送方向に延びる吸収体4の中心位置にて、各積層体毎に吸収性コア41側から下層吸収性コア42側に向かってエンボス加工を施す。エンボス加工は、例えば周方向に複数の凸部を間欠的に配した凸ロールとフラットロールとの間に、前記吸収体4を搬送し、前記吸収体4を前記凸部で厚み方向に加圧して行う。尚、前記各凸部は、下層吸収性コア42のブロック領域423に対応するように配されている。その結果、吸収性コア41には、複数の凸部411の一部に高密度凸部411hが形成され、複数の溝部412の一部に高密度溝部412hが形成される。そして、下層吸収性コア42には、複数の下層凸部421の一部に下層高密度凸部421hが形成され、複数の下層溝部422の一部に下層高密度溝部422hが形成される。
本実施形態の使い捨ておむつ1の形成材料について説明する。
外装体10を構成する外層シート12と内層シート13としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、外層シート12及び内層シート13としては、撥水性の不織布等を用いることができる。
吸収性本体11を構成する表面シート2、裏面シート3、立体ギャザー形成用シート(不図示)としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、液透過性の不織布や、開孔フィルム、これらの積層体等を用いることができる。裏面シート3としては、樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。立体ギャザー形成用シート(不図示)としては、伸縮性のフィルム、不織布、織物またはそれらの積層シート等を用いることができる。
吸収体4を構成する吸収性コア41及び下層吸収性コア42としては、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸収ポリマーの粒子を保持させたもの等を用いることができる。吸収体4を構成する被覆材(不図示)としては、親水性シート、例えば、透水性の薄紙(ティッシュペーパー)や透水性の不織布からなるコアラップシート等を用いることができる。
ウエスト弾性部材14、胴回り弾性部材15、レッグ弾性部材16及び立体ギャザー形成用弾性部材(不図示)としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状の伸縮性材料を用いることができる。
サイドシール部Sの接合には、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる接着剤や、ヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等の融着手段が用いられる。吸収性本体11と外装体10の内層シート13との固定や、表面シート2、裏面シート3、立体ギャザー形成用シート(不図示)の固定も同様に、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等の融着手段が用いられる。
上述した本発明の本実施形態の使い捨ておむつ1を使用した際の作用効果について説明する。
おむつ1は、図3,図4,図6に示すように、吸収性コア41が相対的に坪量の高い複数の凸部411と相対的に坪量の低い複数の溝部412とからなるブロック領域410を有しているので、吸収体全体の柔軟性が向上し、着用者の身体の形状に沿い易くフィット性が向上する。そして、おむつ1は、図3,図4,図6に示すように、複数の凸部411の一部に、該凸部411の内に該凸部411の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部411hを有している。その為、排泄直後の体液の拡散性が低下してきた際においても、毛管現象により、体液を密度の高い高密度凸部411hに集め易く、体液を集めた高密度凸部411hが凸部411の輪郭に接しているので、近接する他の凸部411の高密度凸部411hに体液を移行させ易い。このように、排泄直後の体液の拡散の勢いが低下してきた排泄直後以降の体液の拡散性を向上させることができる。
また、おむつ1は、図3,図4,図7に示すように、複数の溝部412の一部は、該溝部412(横溝412X)の内に該溝部412の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度溝部412hを有しており、高密度溝部412hと凸部411の高密度凸部411hとは連続している。その為、毛管現象により体液を集めた凸部411の高密度凸部411hから、連続する溝部412の高密度溝部412hを介して、更に該溝部412に連続する他の凸部411の高密度凸部411hに、体液を移行させ易くなる。従って、排泄直後以降の体液の拡散性を更に向上させることができる。
また、おむつ1は、図3に示すように、吸収性コア41の非肌対向面に、吸収性コア41の輪郭よりも大きい下層吸収性コア42を有しているので、体液の吸収容量を十分に確保できドライ感が向上する。また、下層吸収性コア42が相対的に坪量の高い複数の下層凸部421と相対的に坪量の低い複数の下層溝部422とからなるブロック領域420を有しているので、積層体であるにも拘わらす、吸収体全体の柔軟性が向上し、着用者の身体の形状に沿い易くフィット性が向上する。
また、おむつ1は、図3,図5,図6に示すように、複数の下層凸部421の一部が、該下層凸部421の内に該下層凸部421の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度凸部421hを有している。その為、吸収性コア41から下層吸収性コア42に移行してきた体液を毛管現象により密度の高い下層高密度凸部421hに集め易く、体液を集めた下層高密度凸部421hが下層凸部421の輪郭に接しているので、近接する他の下層凸部421の下層高密度凸部421hに体液を移行させ易くなり、排泄直後以降の体液の拡散性を向上させることができる。
また、おむつ1は、図3,図5,図7に示すように、複数の下層溝部422の一部は、該下層溝部422(横溝422X)の内に該下層溝部422の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度溝部422hを有しており、下層高密度溝部422hと下層凸部421の下層高密度凸部421hとは連続している。その為、毛管現象により体液を集めた下層凸部421の下層高密度凸部421hから、連続する下層溝部422の下層高密度溝部422hを介して、更に該下層溝部422に連続する他の下層凸部421の下層高密度凸部421hに、体液を移行させ易くなる。従って、排泄直後以降の体液の拡散性を更に向上させることができる。このように、吸収性コア41及び下層吸収性コア42それぞれの排泄直後以降の体液の拡散性が向上し、吸収体4の体液吸収の利用率が向上する。
また、おむつ1の凸部411における高密度凸部411hは、図6,図7に示すように、その密度が、下層吸収性コア42の下層凸部421における下層高密度凸部421hの密度よりも高いので、吸収体4の肌対向面側液拡散を向上させてドライ感を良くするとともに非肌対向面側でじっくり吸収して充分な液貯蔵性を付与することができるとの効果を奏する。
また、おむつ1は、図2に示すように、吸収性コア41における高密度凸部411h及び高密度溝部412hそれぞれの形成位置と、下層吸収性コア42における下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hそれぞれの形成位置とが、一致しており、下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hを中心線CL上に交互に配して形成された直線が下層吸収性コア42のブロック領域420の縦方向(Y方向)の全域に亘って形成されている。その為、着用者が体液を排泄する排泄部領域を越えて、外方に体液を前記直線に沿って拡散し易い。
本発明の吸収性物品は、上述の本実施形態の使い捨ておむつ1に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、上述のおむつ1においては、図2,図3に示すように、吸収体4が吸収性コア41と下層吸収性コア42との積層体を有しているが、吸収性コア41又は下層吸収性コア42のみの単層体を有していてもよい。
また、上述のおむつ1の吸収性コア41においては、図4に示すように、高密度凸部411hが、凸部411の縦方向(Y方向)の全長に亘って形成されているが、全長に亘る必要はなく、凸部411の輪郭の一部に接していればよい。同様に、図4に示すように、高密度溝部412hが、横溝部412Xの縦方向(Y方向)の全長に亘って形成されているが、全長に亘る必要はなく、横溝部412Xの輪郭の一部に接していればよい。図5に示す下層吸収性コア42の下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hについても同様である。
また、上述のおむつ1の吸収性コア41においては、図2〜図4に示すように、腹側のブロック領域410a及び股間のブロック領域410cが、縦方向(Y方向)に連続して配されているが、間隔を空けていてもよい。下層吸収性コア42のブロック領域420も同様である。
また、上述のおむつ1においては、図2に示すように、吸収性コア41における高密度凸部411hと高密度溝部412hとを交互に配して形成された線が、中心線CL上に中心線CLに沿って直線に形成され、下層吸収性コア42における下層高密度凸部421hと下層高密度溝部422hとを交互に配して形成された線も、中心線CL上に中心線CLに沿って直線に形成されているが、何れの前記線もそれに限られるものではない。例えば、図11(a)〜(e)に示すような形状であってもよい。以下、図11(a)〜(e)について説明する。尚、図11(a)〜(e)は、何れも吸収性コア41を例に図示しているが、下層吸収性コア42についても同様である。
図11(a)に示す吸収性コア41においては、ブロック領域410の中心線CL上に位置する複数の凸部411の各凸部411毎に、各凸部411の縦方向(Y方向)の全長に亘る高密度凸部411hが形成されており、溝部412には形成されていない。その為、吸収性コア41における高密度凸部411hによる線Laが、中心線CL上に中心線CLに沿って間欠的に形成されている。このような吸収性コア41によれば、体液が縦方向(Y方向)に拡散し易くなる。
図11(b)に示す吸収性コア41においては、高密度凸部411hと高密度溝部412hとを交互に配して形成された2本の直線Lb,Lcが、ブロック領域410の中心で交差するように配されており、X字状に配されている。直線Lbと直線Lcとの交差角度αは、10°以上、好ましくは30°以上、そして、80°以下、好ましくは60°以下、より具体的には、10°以上80°以下であることが好ましく、30°以上60°以下であることが更に好ましい。このような吸収性コア41によれば、体液が縦方向(Y方向)及び横方向(X方向)に拡散し易くなる。
図11(c)に示す吸収性コア41においては、高密度凸部411hと高密度溝部412hとを交互に配して形成された直線Ldが中心線CL上に等間隔を空けて複数本配されており、高密度凸部411hと高密度溝部412hとを交互に配して形成された直線Leも中心線CL上に等間隔を空けて複数本配されている。前記間隔は、3mm以上、好ましくは5mm以上、そして、50mm以下、好ましくは30mm以下、より具体的には、3mm以上50mm以下であることが好ましく、5mm以上30mm以下であることが更に好ましい。直線Ldと直線Leとの交差角度βは、10°以上、好ましくは30°以上、そして、80°以下、好ましくは60°以下、より具体的には、10°以上80°以下であることが好ましく、30°以上60°以下であることが更に好ましい。このような吸収性コア41によれば、体液が縦方向(Y方向)及び横方向(X方向)の隅々まで拡散し易くなる。
図11(d)に示す吸収性コア41においては、高密度凸部411hと高密度溝部412hとを交互に配して形成された直線Lfが、ブロック領域410の中心線CL上に配されており、高密度凸部411hと高密度溝部412hとを交互に配して形成された一対の曲線Lg,Lhが、ブロック領域410の中心線CLを挟んで、中心線CL側に凸の円弧を描くように、対称に配されている。このような吸収性コア41によれば、体液が縦方向(Y方向)及び横方向(X方向)の隅々まで拡散し易くなる。
図11(e)に示す吸収性コア41においては、高密度凸部411hと高密度溝部412hとを交互に配して形成された複数本の直線Lが、着用者が体液を排泄する排泄部領域を除いて、排泄部領域から外方に放射状に延びている。このような吸収性コア41によれば、体液が排泄部領域から縦方向(Y方向)及び横方向(X方向)の隅々まで拡散し易くなる。
また、上述のおむつ1においては、図2,図4に示すように、吸収体4を構成する吸収性コア41の溝部412が、横方向(X方向)に延びる線状の横溝412Xと、縦方向(Y方向)に延びる線状の縦溝412Yとにより、全体として格子状に形成されているが、該格子状の形状に限定されるものではない。下層吸収性コア42の下層溝部422についても同様である。
また、上述のおむつ1の下層吸収性コア42の下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hは、吸収性コア41を介して、エンボス加工を施すことにより形成されているが、吸収性コア41及び下層吸収性コア42それぞれにエンボス加工を施してもよい。
また、上述のおむつ1においては、図6,図7に示すように、エンボス加工を施して、吸収性コア41に高密度凸部411h及び高密度溝部412hを形成し、下層吸収性コア42に下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hを形成しているが、エンボス加工に限定されるものではない。例えば、本出願人が、先に提案した「吸収性物品用の吸収体」(特開2010−136899号公報)において記載した吸収体の製造方法を用いればエンボス加工による溝を形成することなく、例えば吸収性コア41に高密度凸部411h及び高密度溝部412hを形成することができる。
また、上述のおむつ1は、図2に示すように、パンツ型の使い捨ておむつであるが、展開型の使い捨ておむつでもよい。
上述した実施形態に関し、さらに以下の吸収性物品を開示する。
<1>肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート、これら両シート間に配された縦長の吸収体を備えた吸収性物品であって、
前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の凸部及び各該凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、
複数の前記凸部の一部は、該凸部の内に該凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部を有している吸収性物品。
<2>前記吸収性コアは、前記ブロック領域の外周を囲む非ブロック領域を有している前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>前記非ブロック領域は、前記溝部より相対的に坪量が高くなっている前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>前記吸収性コアは、前記溝部の底部が、厚み方向において、前記吸収体の肌対向面側に偏在している前記<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>前記吸収性コアは、該吸収性コアの非肌対向面側が凹凸のある前記ブロック構造となり、該吸収性コアの肌対向面側が平坦となっている前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>前記吸収性コアの前記ブロック領域は、腹側部側の該ブロック領域の幅が、股間部の該ブロック領域の幅よりも大きく形成されている前記<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>前記吸収性コアの前記凸部及び前記溝部は一体成形されており、前記非ブロック領域も該凸部及び前記溝部と一体成形されている前記<2>又は<3>に記載の吸収性物品。
<8>前記高密度凸部は、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>前記高密度凸部は、厚み方向において、前記吸収性コアの平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、前記凸部を貫通しないように該凸部の内に形成されている前記<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>前記高密度凸部の密度は、該高密度凸部を有しない前記凸部の密度よりも高い前記<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収性物品。
<11>前記高密度凸部を有しない凸部の密度は、前記溝部よりも高くなっている前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>前記凸部は、その縦方向の長さが、5mm以上60mm以下であるか、又は15mm以上40mm以下であり、その横方向の長さが、5mm以上60mm以下であるか、又は15mm以上40mm以下である前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>複数の前記溝部の一部は、該溝部の内に該溝部の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度溝部を有しており、該高密度溝部と前記凸部の前記高密度凸部とは連続している前記<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>前記高密度溝部は、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<13>に記載の吸収性物品。
<15>前記高密度溝部と前記高密度凸部とが、前記吸収性コアの平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、前記吸収性物品の縦方向に延びる中心線上に位置する部分に連続してエンボス加工を施すことによって形成されている前記<14>に記載の吸収性物品。
<16>前記非ブロック領域の縦方向の背側部寄りの端部の、前記中心線上に位置する部分に、相対的に密度の高い高密度な部分が形成されている前記<2>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>前記相対的に密度の高い高密度な部分は、前記高密度溝部及び前記高密度凸部に縦方向に連続して形成されている前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>前記エンボスの深さは、前記凸部の厚みの10%以上80%以下である前記<8>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>前記溝部は、縦方向に延びる線状の縦溝と、横方向に延びる線状の横溝とからなり、該横溝の幅が、0.5mm以上20mm以下であるか、又は1mm以上10mm以下であり、該縦溝の幅が、0.5mm以上20mm以下であるか、又は1mm以上10mm以下である前記<1>〜<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>前記高密度溝部及び前記高密度凸部は、横方向の長さが、0.5mm以上5mm以下であるか、又は1mm以上3mm以下である前記<13>〜<19>の何れか1に記載の吸収性物品。
<21>前記横溝と前記縦溝とは、同じ厚みで形成されており、前記溝部の厚みは、前記凸部の厚みの2%以上80%以下である前記<19>又は<20>に記載の吸収性物品。
<22>前記吸収体は、前記吸収性コアの非肌対向面に下層吸収性コアを有しており、
前記下層吸収性コアは、前記吸収性コアの外周縁よりも外方に延出しており、その輪郭が前記吸収性コアの輪郭よりも大きい前記<1>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>前記吸収性コア及び前記下層吸収性コアは、該吸収性コアの縦方向に延びる中心線と該下層吸収性コアの縦方向に延びる中心線とを略一致させて積層されている前記<22>に記載の吸収性物品。
<24>前記下層吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の下層凸部及び各該下層凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ下層溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、
複数の前記下層凸部の一部は、該下層凸部の内に該下層凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度凸部を有している前記<22>又は<23>に記載の吸収性物品。
<25>前記下層吸収性コアは、前記ブロック領域の外周を囲む非ブロック領域を有している前記<22>〜<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
<26>前記下層吸収性コアにおける前記非ブロック領域は、前記下層溝部より相対的に坪量が高くなっている前記<25>に記載の吸収性物品。
<27>前記下層吸収性コアは、前記下層溝部の底部が、厚み方向において、前記吸収体の肌対向面側に偏在している前記<22>〜<26>の何れか1に記載の吸収性物品。
<28>前記下層吸収性コアは、該下層吸収性コアの非肌対向面側が凹凸のある前記ブロック構造となり、該下層吸収性コアの肌対向面側が平坦となっている前記<22>〜<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
<29>前記下層吸収性コアの前記ブロック領域は、腹側部側のブロック領域の幅及び背側部側のブロック領域の幅それぞれが、股間部のブロック領域の幅よりも大きく形成されている前記<22>〜<28>の何れか1に記載の吸収性物品。
<30>前記下層吸収性コアの前記下層凸部及び前記下層溝部は一体成形されており、前記非ブロック領域も該下層凸部及び該下層溝部と一体成形されている前記<25>〜<29>の何れか1に記載の吸収性物品。
<31>前記下層高密度凸部は、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<24>〜<30>の何れか1に記載の吸収性物品。
<32>前記下層高密度凸部は、前記吸収性コアを介して、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<24>〜<30>の何れか1に記載の吸収性物品。
<33>前記下層高密度凸部は、厚み方向において、前記吸収性コアを介して、該下層吸収性コアの平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、前記下層凸部を貫通しないように該下層凸部の内に形成されている前記<24>〜<32>の何れか1に記載の吸収性物品。
<34>前記下層高密度凸部の密度は、該下層高密度凸部を有しない前記下層凸部の密度よりも高い前記<24>〜<33>の何れか1に記載の吸収性物品。
<35>前記下層高密度凸部を有しない前記下層凸部の密度は、前記下層溝部の密度よりも高くなっている前記<34>に記載の吸収性物品。
<36>複数の前記下層溝部の一部は、該下層溝部の内に該下層溝部の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度溝部を有しており、該下層高密度溝部と前記下層凸部の前記下層高密度凸部とは連続している前記<24>〜<35>の何れか1に記載の吸収性物品。
<37>前記下層高密度溝部は、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<36>に記載の吸収性物品。
<38>前記下層高密度溝部と前記下層高密度凸部とが、前記下層吸収性コアの平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、中心線上に位置する部分にエンボス加工を施すことによって形成され、該下層高密度溝部と該下層高密度凸部とが連続している前記<37>の何れか1に記載の吸収性物品。
<39>前記下層高密度凸部及び前記下層高密度溝部を中心線上に交互に配して形成された直線は、前記下層吸収性コアの前記ブロック領域の縦方向の全域に亘って形成されている前記<36>〜<38>の何れか1に記載の吸収性物品。
<40>前記下層吸収性コアは、縦方向に延びる縦溝と、横方向に延びる横溝とからり、該横溝と該縦溝とは、同じ厚みで形成されており、前記下層溝部の厚みは、前記下層凸部の厚みの2%以上80%以下である前記<24>〜<39>の何れか1に記載の吸収性物品。
<41>前記下層吸収性コアにおける前記エンボスの深さは、前記下層凸部の厚みの10%以上80%以下である前記<37>又は<38>に記載の吸収性物品。
<42>前記吸収性コアの前記凸部における前記高密度凸部は、その密度が、前記下層吸収性コアの前記下層凸部における前記下層高密度凸部の密度よりも高い前記<24>〜<41>の何れか1に記載の吸収性物品。
<43>前記吸収性コアにおける腹側部側のブロック領域の形状と、前記下層吸収性コアにおける腹側部側の前記ブロック領域の形状とを一致させて積層されており、該吸収性コアにおける股間部のブロック領域の形状と下層吸収性コアにおける股間部のブロック領域の形状とを一致させて積層されている前記<22>〜<42>の何れか1に記載の吸収性物品。
<44>前記吸収体は、前記吸収性物品の腹側部及び股間部において、前記吸収性コアの前記ブロック領域を構成する前記凸部及び前記溝部それぞれの形成位置が、前記下層吸収性コアの前記ブロック領域を構成する前記下層凸部及び前記下層溝部それぞれの形成位置と一致しており、形状が一致している前記<24>〜<43>の何れか1に記載の吸収性物品。
<45>前記吸収性コア及び前記下層吸収性コアとしては、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸収ポリマーの粒子を保持させたものを用いる前記<22>〜<44>の何れか1に記載の吸収性物品。
<46>前記吸収体は、前記吸収性コア及び前記下層吸収性コアの全体を、液透過性の親水性シートである被覆材で被覆して形成されている前記<22>〜<45>の何れか1に記載の吸収性物品。
<47>前記下層吸収性コアの前記下層高密度溝部及び前記下層高密度凸部は、前記吸収性コアの前記高密度溝部及び前記高密度凸部と形成位置が同じであり、該高密度溝部及び該高密度凸部の横方向の長さと同じである前記<36>〜<46>の何れか1に記載の吸収性物品。
<48>前記吸収性物品は、外装体と、該外装体の内面側に固定された前記吸収体を有する吸収性本体とを具備している前記<1>〜<47>の何れか1に記載の吸収性物品。
<49>前記外装体の腹側部側の両側縁部それぞれの内面と該外装体の背側部側の両側縁部それぞれ固定することにより、一対のサイドシール部が形成されるとともに、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成される前記<48>に記載の吸収性物品
<50>前記吸収性物品は、パンツ型使い捨ておむつである前記<1>〜<49>の何れか1に記載の吸収性物品。
以下に、上述の本発明の吸収性物品の実施例および比較例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例によって何ら制限されるものではない。
本発明における吸収性物品の一例として、以下に示すおむつを用いて評価を行った。実施例および比較例に用いたおむつは、表面シート、裏面シート、その間に配された吸収体より構成されている。おむつに用いた吸収体は所定の坪量、ブロック寸法および溝寸法で吸収性コアを作成した後に吸収体の肌対向面から図11(c)と同様なエンボスパターンで加圧して凸部および溝部に高密度領域を付与した。得られたサンプルを用いて液拡散性を測定した。
[実施例1]
吸収体は吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、前記吸収性コアは、前方端部幅100mm、後方端部幅100mm、装着時に股間部分となる中央域の幅が70mmの全長400mmの略砂時計形状の外観形状を有し、パルプ/吸収ポリマー比率が7/10[g/枚]、吸収性コア全体の坪量が490g/m2とした。吸収性コアの中心部に横方向に3、縦方向に15のブロックを有するブロック領域を配し、その際の低坪量部(溝部)が幅2mmの格子状で、坪量290g/m2、厚み4mm、密度0.07g/cm3であり、高坪量部(ブロック部)は長手方向長さ20mm、幅方向長さ10mmの長方形の形状で、厚み6mm、坪量570g/m2で、密度0.10g/cm3のものを用いた。得られた吸収体にエンボスの太さ1mmでクロス状(図11(c)のエンボス同士の交差角βが60度)ピッチ7mmのエンボスロールを用いて高密度凸部の密度0.22g/cm3、高密度溝部の密度0.10g/cm3になるようにエンボス加工を施した。この吸収体を、花王(株)製の商品名メリーズに用いている表面シートと裏面シートに挟んで固定したものを実施例1の使い捨ておむつとした。
[実施例2]
実施例1で得た使い捨ておむつの有する吸収体に対し、実施例1と同じエンボスロールを用いて条件を変えて高密度凸部の密度0.33g/cm3、高密度溝部の密度0.16g/cm3になるようにエンボスを施した以外は同じに吸収体を作製し、該吸収体を用いて、実施例1と同様にして実施例2の使い捨ておむつを作製した。
[実施例3]
実施例1で得た使い捨ておむつの有する吸収体に対し、エンボスの太さ1mmでクロス状(図11(c)エンボス同士の交差角βが60度)ピッチ30mmのエンボスローを用いて、高密度凸部の密度が0.20g/cm3、高密度溝部の密度が0.09g/cm3になるようにエンボスを施した以外は実施例1と同じに吸収体を作製し、該吸収体を用いて、実施例1と同様にして実施例2の使い捨ておむつを作製した。
[比較例1]
実施例1で得た使い捨ておむつの有する吸収体に対してエンボスを施さない吸収体を作製し、該吸収体を用いて、実施例1と同様にして比較例1の使い捨ておむつを作製した。
[比較例2]
実施例1で得た使い捨ておむつの有する吸収体に対し、実施例1と同じエンボスロールを用いて条件を変えて高密度凸部の密度0.67g/cm3、高密度溝部の密度0.31g/cm3になるようにエンボスを施した以外は実施例1と同じに吸収体を作製し、該吸収体を用いて、実施例1と同様にして比較例2の使い捨ておむつを作製した。
なおこの時の高密度凸部の密度は、生理用品等で用いられている防漏溝(ラウンドエンボス)に相当するものである。
〔性能評価〕
実施例1〜3、比較例1〜2の使い捨ておむつに関し、下記方法に従って、液拡散性について評価した。評価環境は室温20℃、湿度60%RHであった。それらの結果を下記表1に示す。以下に、測定方法および評価方法を説明する。
<液拡散性の測定方法>
実施例1〜3、比較例1〜2の使い捨ておむつの有する吸収体の長手方向中央部、幅方向中央部に、液として濃度0.005%の赤色2号にて着色した生理食塩水10gを2.5g/secで注入し、注入から1分後の液の拡散面積を測定した。
拡散面積の測定は、吸収体の着色部分をOHPフィルムに写し取り、株式会社ローパー製のImage―Pro plus6.2 Installationを用いて画像解析を行い測定した。
測定結果は、液の拡散面積が広いほど、吸収体の利用効率が高いことを示す。
Figure 2013255562
<実施例の効果>
表1に示すとおり、実施例1〜3の使い捨ておむつは、エンボスのない使い捨ておむつ(比較例1)に比べ、拡散面積が向上、液拡散性が向上していることがわかる。これは、適切な密度の範囲でエンボスを施すことにより、高坪量部の他の部位より高密度の領域ができ、この部位の毛管力が他の部位に比べ相対的に高いことから、液が集まり、低坪量部を超えて、向かいあう高坪量領域に液を受け渡せていることを示している。一方、比較例2の使い捨ておむつでは、一般的な防漏溝と同程度の密度の高密度部を設けているので、エンボス部の密度が高すぎるため、毛管力が向上し液を拡散させる力はあるものの、繊維間距離が狭すぎることで、液を受け渡せる量が極端に減り、その結果液拡散性が向上しないことが分かった。
1 使い捨ておむつ
10 外装体
11 吸収性本体
12 外層シート
13 内層シート
14 ウエスト弾性部材
15 胴回り弾性部材
16 レッグ弾性部材
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収性コア
410 ブロック領域
410b ブロック領域410の背側部
410c ブロック領域410の股間部
411 凸部
411h 高密度凸部
412 溝部
412X 横方向(X方向)に延びる線状の横溝
412Y 縦方向(Y方向)に延びる線状の縦溝
412h 高密度溝部
413 非ブロック領域
42 下層吸収性コア
420 ブロック領域
420a ブロック領域410の腹側部
420b ブロック領域410の背側部
420c ブロック領域410の股間部
421 下層凸部
421h 下層高密度凸部
422 下層溝部
422X 横方向(X方向)に延びる線状の横溝
422Y 縦方向(Y方向)に延びる線状の縦溝
422h 下層高密度溝部
423 非ブロック領域
424 側部開口部
40 コア
45 吸収性材料
46 堆積物
49 吸収体前駆体
50 回転ドラム
51 ドラム凹部
52 メッシュプレート
53 難通気性部材
54,55 領域
60 ダクト
65 バキュームボックス
70 トランスファーロール
75 メッシュベルト
80 バキュームコンベア
90 加圧手段
A 腹側部,B 背側部,C 股間部
CL おむつの縦方向に延びる中心線

Claims (6)

  1. 肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート、これら両シート間に配された縦長の吸収体を備えた吸収性物品であって、
    前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、
    前記吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の凸部及び各該凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、
    複数の前記凸部の一部は、該凸部の内に該凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部を有している吸収性物品。
  2. 複数の前記溝部の一部は、該溝部の内に該溝部の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度溝部を有しており、該高密度溝部と前記凸部の前記高密度凸部とは連続している請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収体は、前記吸収性コアの非肌対向面に下層吸収性コアを有しており、
    前記下層吸収性コアは、前記吸収性コアの外周縁よりも外方に延出しており、その輪郭が前記吸収性コアの輪郭よりも大きい請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記下層吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の下層凸部及び各該下層凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ下層溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、
    複数の前記下層凸部の一部は、該下層凸部の内に該下層凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度凸部を有している請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 複数の前記下層溝部の一部は、該下層溝部の内に該下層溝部の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度溝部を有しており、該下層高密度溝部と前記下層凸部の前記下層高密度凸部とは連続している請求項4に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収性コアの前記凸部における前記高密度凸部は、その密度が、前記下層吸収性コアの前記下層凸部における下層高密度凸部の密度よりも高い請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品。
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