JP2013255562A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のおむつ1は、表面シート2、裏面シート3、これら両シート2,3間に配された縦長の吸収体4を備えている。吸収体4は吸収性コア41を有している。吸収性コア41は、裏面シート3側に凸の坪量の高い複数の凸部411及び各凸部411を囲んで坪量が低く裏面シート3側から表面シート2側に向かって凹んだ溝部412からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域410を有している。複数の凸部411の一部は、該凸部411の内に該凸部411の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部411hを有している。
【選択図】図2
Description
肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート、これら両シート間に配された縦長の吸収体を備えた吸収性物品であって、前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、前記吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の凸部及び各該凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、複数の前記凸部の一部は、該凸部の内に該凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部を有している吸収性物品を提供するものである。
おむつ1は、図1〜図2に示すように、縦方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。
また、本明細書において、「肌対向面」とは、おむつ1を構成する表面シート2などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、「非肌対向面」とは、表面シート2などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
凸部411は、おむつ1においては、図2〜図4に示すように、平面視して、縦方向(Y方向)に長い矩形状に形成されている。尚、おむつ1においては、凸部411を平面視して、矩形状に形成されているが、四隅が円弧状となっていてもよく、多角形状、楕円、それらの組み合わせ等であってもよい。
おむつ1の溝部412は、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、図4に示すように、横方向(X方向)に延びる線状の横溝412Xの幅L3が、1mm以上、好ましくは2mm以上、そして、20mm以下、好ましくは10mm以下、より具体的には、1mm以上20mm以下であることが好ましく、2mm以上10mm以下であることが更に好ましい。また、縦方向(Y方向)に延びる線状の縦溝412Yの幅L4が、1mm以上、好ましくは2mm以上、そして、20mm以下、好ましくは10mm以下、より具体的には、1mm以上20mm以下であることが好ましく、2mm以上10mm以下であることが更に好ましい。尚、幅L3,L4は、吸収性コア41の凹凸構造における凹部の底部の位置での測定値である。
また、おむつ1の高密度溝部412h及び高密度凸部411hは、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、図4に示すように、横方向(X方向)の長さL5が、0.5mm以上、好ましくは1mm以上、そして、5mm以下、好ましくは3mm以下、より具体的には、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることが更に好ましい。
尚、凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の厚みは、所定のサイズにサンプルをカットし、5kPaで測定部位を10分間加圧し、除重後すぐに測定を行う。
測定箇所は、1枚辺り3点以上とし、おむつサンプル2枚(測定箇所6点以上)の平均で厚みを求める。例えばおむつ1を、フェザー社製刃剃刀で、図2に示す縦方向(Y方向)、又は横方向(X方向)に切断し、この切断されたサンプルの断面を測定する。肉眼にて測定し難い場合には、前記切断されたサンプルの断面を、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で観察し、測定してもよい。
尚、高密度凸部411h及び高密度溝部412hの厚みは、上述した凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の厚みを測定するのと同様な方法で行うことができる。
具体的には、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)(高密度溝部412hを有する溝部412を除く)は、その坪量が、10g/m2以上、好ましくは20g/m2以上、そして、300g/m2以下、好ましくは200g/m2以下、より具体的には、10g/m2以上300g/m2以下であることが好ましく、20g/m2以上200g/m2以下であることが更に好ましい。
また、凸部411(高密度凸部411hを有する凸部411を除く)は、その坪量が、80g/m2以上、好ましくは150g/m2以上、そして、500g/m2以下、好ましくは400g/m2以下、より具体的には、80g/m2以上500g/m2以下であることが好ましく、150g/m2以上400g/m2以下であることが更に好ましい。非ブロック領域413の坪量は、凸部411の坪量と同様である。
凸部411及び溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の坪量は次のようにして測定される。
凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の坪量の測定方法は以下の通りである。
吸収性コア41における凸部411と溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の境界線に沿ってフェザー社製片刃剃刀を用いて切断する。切断して得られた凸部411の小片について、重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を凸部411の小片の面積で除して小片の坪量を算出する。小片5個の坪量の平均を凸部411の坪量とする。非ブロック領域413の坪量も凸部411の坪量と同様にして算出する。
次いで、凸部411と溝部412(縦溝412Y)の縦方向(Y方向)に延びた境界線に沿って、長さ50mm、幅は溝部412(縦溝412Y)の幅の設計寸法に合わせて、フェザー社製片刃剃刀を用いて、細いストライプ状の溝部412(縦溝412Y)の小片を切り出す。得られた小片を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた平均重量を溝部412(縦溝412Y)の小片の面積で除して小片の坪量を算出する。小片5個の坪量の平均を溝部412(縦溝412Y)の坪量とする。溝部412(横溝412X)についても、溝部412(縦溝412Y)と同様にして坪量を算出する。
溝部412(横溝412X,縦溝412Y)(高密度溝部412hを有する溝部412を除く)は、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、柔らかさ、可とう性の観点から、その密度が、凸部411(高密度凸部411hを有する凸部411を除く)の密度の、10%以上、好ましくは20%以上、そして、100%以下、好ましくは90%以下、より具体的には、10%以上100%以下であることが好ましく、20%以上90%以下であることが更に好ましい。
具体的には、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)(高密度溝部412hを有する溝部412を除く)は、その密度が、0.001g/cm3以上、好ましくは0.002g/cm3以上、そして、0.5g/cm3以下、好ましくは0.35g/cm3以下、より具体的には、0.001g/cm3以上0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.002g/cm3以上0.35g/cm3以下であることが更に好ましい。
また、凸部411(高密度凸部411hを有する凸部411を除く)は、その密度が、0.01g/cm3以上、好ましくは0.02g/cm3以上、そして、0.5g/cm3以下、好ましくは0.35g/cm3以下、より具体的には、0.01g/cm3以上0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.02g/cm3以上0.35g/cm3以下であることが更に好ましい。非ブロック領域413の密度は、凸部411の密度と同様である。
凸部411、非ブロック領域413及び溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の密度は、上述した方法により求めた凸部411、非ブロック領域413及び溝部412の坪量を、上述した方法により求めたそれぞれの厚みで除して算出される。
具体的には、高密度凸部411hは、その密度が、0.02g/cm3以上、好ましくは0.05g/cm3以上、そして、0.55g/cm3以下、好ましくは0.40g/cm3以下、より具体的には、0.02g/cm3以上0.55g/cm3以下であることが好ましく、0.05g/cm3以上0.40g/cm3以下であることが更に好ましい。
高密度凸部411hの密度をこのような範囲にすることで液を集めやすく対向するブロックに液を伝達しやすくなるため隣り合うブロックを次々と液が運ばれていくことになる。高密度凸411hの密度が凸部411の密度に対して低くなると液が集まらなくなり液の伝達が起こりにくくなり好ましくない。一方、高密度凸411hの密度が0.55g/cm3を超えて高くなると生理用品に見られる圧縮溝と同様に液を止める作用が大きく液を伝達させにくくなるために好ましくない。
より具体的には、凸部411において高密度凸部411hの密度が、凸部411(高密度凸部411hを除く)の550%より大きくなるか、または密度が0.55g/cm3以を越えると、液を拡散させる毛管力は向上するものの液を通す空隙が著しく低下してしまうため、液を受け渡せる液量が極端に低下する。その結果、凸部411から向かい合う凸部411への液移行量が低下してしまう。一方、高密度部411hが凸部411の密度の105%未満となり凸部411との密度差が低いと、凸部411(高密度凸部411hを除く)から高密度凸部411hへ働く毛管力が低いため、液を高密度凸部411hに液を集めにくく、向かい合う凸部411に液を移行させる力が低いため液拡散性が充分ではない。
具体的には、高密度溝部412hは、その密度が、0.002g/cm3以上、好ましくは0.005g/cm3以上、そして、0.55g/cm3以下、好ましくは0.40g/cm3以下、より具体的には、0.002g/cm3以上0.55g/cm3以下であることが好ましく、0.005g/cm3以上0.40g/cm3以下であることが更に好ましい。
凸部411の高密度凸部411h及び溝部412の高密度溝部412hの密度は次のようにして測定される。
まず、上述した凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の厚みの測定するのと同様の要領で、高密度凸部411h及び高密度溝部412hを含む凸部411、溝部412、フェザー社製片刃剃刀を用いて切断し、断面を目視にて観察する。その際、肉眼での観察が難しい場合には、上述の厚みの測定と同様にマイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で観察してもよい。これにより、高密度凸部411h及び高密度溝部412h部分における断面の繊維間距離が凸部411及び溝部412に対して狭くなっていることがわかれば、相対的に密度が高くなっていることを知ることができ、その部位がエンボス加工した部位と一致しているか確認することもできる。
さらに詳細に密度を測定する場合には以下の方法をとる。上述した凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の坪量の測定方法と同様にして、坪量を測定する。具体的には、エンボス加工を施した凸部411におけるエンボスの外縁に沿ってフェザー社製片刃剃刀を用いて切断する。切断して得られた高密度凸部411hの小片10個をそれぞれ電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定し、高密度凸部411hの小片1個の平均重量を求める。求めた平均重量を高密度凸部411hの小片1個当りの平均面積で除して高密度凸部411hの坪量を算出する。次いで、該高密度凸部411hの坪量を上述した方法により求めた厚みで除して、高密度凸部411hの密度が算出される。
同様に、エンボス加工を施した溝部412(横溝412X)におけるエンボスの外縁に沿ってフェザー社製片刃剃刀を用いて切断する。切断して得られた高密度溝部412hの小片10個をそれぞれ電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定し、高密度溝部412hの小片1個の平均重量を求める。求めた平均重量を高密度溝部412hの小片1個当りの平均面積で除して高密度溝部412hの坪量を算出する。次いで、該高密度溝部412hの坪量を上述した方法により求めた厚みで除して、高密度溝部412hの密度が算出される。
このように吸収性コア41の高密度凸部411hおよび高密度溝部412hをそれぞれ下層吸収性コア42の下層高密度凸部421hおよび下層高密度溝部422hに対して高くすることで吸収体4の肌対向面側液拡散を向上させてドライ感を良くするとともに非肌対向面側でじっくり吸収して充分な液貯蔵性を付与することができる。
下層凸部421は、おむつ1においては、図2,図3,図5に示すように、吸収性コア41の凸部411と同じく、平面視して、縦方向(Y方向)に長い矩形状に形成されている。尚、おむつ1においては、下層凸部421を平面視して、矩形状に形成されているが、四隅が円弧状となっていてもよく、多角形状、楕円、それらの組み合わせ等であってもよい。また、下層凸部421の形状と凸部411の形状とは、同じでなくてもよい。
また、おむつ1の下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)の輪郭は、吸収性コア41の溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の輪郭と同じであり、横方向(X方向)に延びる線状の横溝412Xの幅L3と、縦方向(Y方向)に延びる線状の縦溝412Yの幅L4と同じである。
また、下層吸収性コア42の下層高密度溝部422h及び下層高密度凸部421hは、吸収性コア41の高密度溝部412h及び高密度凸部411hと形成位置が同じであり、高密度溝部412h及び高密度凸部411hの横方向(X方向)の長さL5と同じである。
尚、下層凸部421、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)及び非ブロック領域423の厚みは、上述した、吸収性コア41の凸部411、溝部412(横溝412X,縦溝412Y)及び非ブロック領域413の厚みと同様にして測定する。
尚、下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hの厚みは、上述した、吸収性コア41の高密度凸部411h及び高密度溝部412hの厚みと同様にして測定する。
具体的には、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)(下層高密度溝部422hを有する下層溝部422を除く)は、その坪量が、10g/m2以上、好ましくは20g/m2以上、そして、300g/m2以下、好ましくは200g/m2以下、より具体的には、10g/m2以上300g/m2以下であることが好ましく、20g/m2以上200g/m2以下であることが更に好ましい。
また、下層凸部421(下層高密度凸部421hを有する下層凸部421を除く)は、その坪量が、80g/m2以上、好ましくは150g/m2以上、そして、500g/m2以下、好ましくは400g/m2以下、より具体的には、80g/m2以上500g/m2以下であることが好ましく、150g/m2以上400g/m2以下であることが更に好ましい。非ブロック領域423の坪量は、下層凸部421の坪量と同様である。
尚、下層凸部421及び下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)の坪量は、上述した、吸収性コア41の凸部411及び溝部412(横溝412X,縦溝412Y)の坪量と同様にして測定する。
下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)(下層高密度溝部422hを有する下層溝部422を除く)は、吸収性物品が例えば使い捨ておむつに用いられる場合においては、柔らかさ及び壊れにくさの観点から、その密度が、下層凸部421(下層高密度凸部421hを有する下層凸部421を除く)の密度の、10%以上、好ましくは20%以上、そして、100%以下、好ましくは90%以下、より具体的には、10%以上100%以下であることが好ましく、20%以上90%以下であることが更に好ましい。
具体的には、下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)(下層高密度溝部422hを有する下層溝部422を除く)は、その密度が、0.001g/cm3以上、好ましくは0.002g/cm3以上、そして、0.5g/cm3以下、好ましくは0.35g/cm3以下、より具体的には、0.001g/cm3以上0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.002g/cm3以上0.35g/cm3以下であることが更に好ましい。
また、下層凸部421(下層高密度凸部421hを有する下層凸部421を除く)は、その密度が、0.01g/cm3以上、好ましくは0.02g/cm3以上、そして、0.5g/cm3以下、好ましくは0.35g/cm3以下、より具体的には、0.01g/cm3以上0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.02g/cm3以上0.35g/cm3以下であることが更に好ましい。非ブロック領域423の密度は、下層凸部421の密度と同様である。
下層凸部421、非ブロック領域423及び下層溝部422(横溝422X,縦溝422Y)の密度は、上述した方法により求めた下層凸部421、非ブロック領域423及び下層溝部422の坪量を、上述した方法により求めたそれぞれの厚みで除して算出される。
具体的には、下層高密度凸部421hは、その密度が、吸収性コア41の高密度凸部411hよりも低く、0.02g/cm3以上、好ましくは0.05g/cm3以上、そして、0.55g/cm3以下、好ましくは0.40g/cm3以下、より具体的には、0.02g/cm3以上0.55g/cm3以下であることが好ましく、0.05g/cm3以上0.40g/cm3以下であることが更に好ましい。
具体的には、下層高密度溝部422hは、その密度が、吸収性コア41の高密度溝部412hよりも低く、0.002g/cm3以上、好ましくは0.005g/cm3以上、そして、0.55g/cm3以下、好ましくは0.40g/cm3以下、より具体的には、0.002g/cm3以上0.55g/cm3以下であることが好ましく、0.005g/cm3以上0.40g/cm3以下であることが更に好ましい。
尚、下層凸部421の下層高密度凸部421h及び下層溝部422の下層高密度溝部422hの密度は、上述した、吸収性コア41の凸部411の高密度凸部411h及び溝部412の高密度溝部412hの密度と同様にして測定される。
下層吸収性コア42は、使い捨ておむつ1に用いられる場合においては、縦方向(Y方向)の全長が250mm以上550mm以下であり、横方向(X方向)の全幅が50mm以上200mm以下であることが好ましい。
尚、前記全長は最も長い位置で測定した値であり、前記全幅は最も広い位置で測定した値である。股間部Cにおいては、最も狭い位置で測定した値である。
下層吸収性コア42のブロック領域420は、使い捨ておむつ1に用いられる場合においては、その面積が、下層吸収性コア42の全面積の、30%以上、好ましくは50%以上、そして、90%以下、好ましくは70%以下、より具体的には、30%以上90%以下であることが好ましく、50%以上70%以下であることが更に好ましい。
図8には、吸収性コア41及び下層吸収性コア42の製造方法の一実施態様及びそれに用いる製造装置が示されている。以下、両吸収性コアを総称して、単に「コア40」と呼ぶ。コア40の製造装置は、矢印R1方向に回転駆動される回転ドラム50と、回転ドラム50の外周面にコア40の原料である吸収ポリマーを含む吸収性材料45を供給するダクト60と、回転ドラム50の下流側の斜め下方に配置され、矢印R2方向に回転駆動されるトランスファーロール70と、回転ドラム50の周方向におけるダクト60とトランスファーロール70との間に配置されたバキュームボックス65と、バキュームボックス65と回転ドラム50との間及びトランスファーロール70と回転ドラム50との間を通るように配された、シート状の通気性部材であるメッシュベルト75と、トランスファーロール70の下方に配されたバキュームコンベア80とを備えている。
先ず、回転ドラム50内の空間56、及びバキュームボックス65内を、それぞれに接続された排気装置を作動させて負圧にする。このように、空間56内を負圧にすることで、ダクト60内に、吸収性材料45を回転ドラム50の外周面に搬送させる空気流が生じるからである。次に、回転ドラム50及びトランスファーロール70を回転させ、また、バキュームコンベア80を作動させる。そして、前記繊維材料導入装置を作動させて、ダクト60内に、解繊したパルプ(繊維材料)及び吸収ポリマーを供給する。これらの吸収性材料45は、ダクト60内を流れる空気流に乗り、飛散状態となって回転ドラム50の外周面に向けて供給される。
外装体10を構成する外層シート12と内層シート13としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、外層シート12及び内層シート13としては、撥水性の不織布等を用いることができる。
吸収性本体11を構成する表面シート2、裏面シート3、立体ギャザー形成用シート(不図示)としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、液透過性の不織布や、開孔フィルム、これらの積層体等を用いることができる。裏面シート3としては、樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。立体ギャザー形成用シート(不図示)としては、伸縮性のフィルム、不織布、織物またはそれらの積層シート等を用いることができる。
ウエスト弾性部材14、胴回り弾性部材15、レッグ弾性部材16及び立体ギャザー形成用弾性部材(不図示)としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状の伸縮性材料を用いることができる。
おむつ1は、図3,図4,図6に示すように、吸収性コア41が相対的に坪量の高い複数の凸部411と相対的に坪量の低い複数の溝部412とからなるブロック領域410を有しているので、吸収体全体の柔軟性が向上し、着用者の身体の形状に沿い易くフィット性が向上する。そして、おむつ1は、図3,図4,図6に示すように、複数の凸部411の一部に、該凸部411の内に該凸部411の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部411hを有している。その為、排泄直後の体液の拡散性が低下してきた際においても、毛管現象により、体液を密度の高い高密度凸部411hに集め易く、体液を集めた高密度凸部411hが凸部411の輪郭に接しているので、近接する他の凸部411の高密度凸部411hに体液を移行させ易い。このように、排泄直後の体液の拡散の勢いが低下してきた排泄直後以降の体液の拡散性を向上させることができる。
また、上述のおむつ1の吸収性コア41においては、図4に示すように、高密度凸部411hが、凸部411の縦方向(Y方向)の全長に亘って形成されているが、全長に亘る必要はなく、凸部411の輪郭の一部に接していればよい。同様に、図4に示すように、高密度溝部412hが、横溝部412Xの縦方向(Y方向)の全長に亘って形成されているが、全長に亘る必要はなく、横溝部412Xの輪郭の一部に接していればよい。図5に示す下層吸収性コア42の下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hについても同様である。
図11(c)に示す吸収性コア41においては、高密度凸部411hと高密度溝部412hとを交互に配して形成された直線Ldが中心線CL上に等間隔を空けて複数本配されており、高密度凸部411hと高密度溝部412hとを交互に配して形成された直線Leも中心線CL上に等間隔を空けて複数本配されている。前記間隔は、3mm以上、好ましくは5mm以上、そして、50mm以下、好ましくは30mm以下、より具体的には、3mm以上50mm以下であることが好ましく、5mm以上30mm以下であることが更に好ましい。直線Ldと直線Leとの交差角度βは、10°以上、好ましくは30°以上、そして、80°以下、好ましくは60°以下、より具体的には、10°以上80°以下であることが好ましく、30°以上60°以下であることが更に好ましい。このような吸収性コア41によれば、体液が縦方向(Y方向)及び横方向(X方向)の隅々まで拡散し易くなる。
また、上述のおむつ1においては、図6,図7に示すように、エンボス加工を施して、吸収性コア41に高密度凸部411h及び高密度溝部412hを形成し、下層吸収性コア42に下層高密度凸部421h及び下層高密度溝部422hを形成しているが、エンボス加工に限定されるものではない。例えば、本出願人が、先に提案した「吸収性物品用の吸収体」(特開2010−136899号公報)において記載した吸収体の製造方法を用いればエンボス加工による溝を形成することなく、例えば吸収性コア41に高密度凸部411h及び高密度溝部412hを形成することができる。
<1>肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート、これら両シート間に配された縦長の吸収体を備えた吸収性物品であって、
前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の凸部及び各該凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、
複数の前記凸部の一部は、該凸部の内に該凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部を有している吸収性物品。
<3>前記非ブロック領域は、前記溝部より相対的に坪量が高くなっている前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>前記吸収性コアは、前記溝部の底部が、厚み方向において、前記吸収体の肌対向面側に偏在している前記<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>前記吸収性コアは、該吸収性コアの非肌対向面側が凹凸のある前記ブロック構造となり、該吸収性コアの肌対向面側が平坦となっている前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>前記吸収性コアの前記ブロック領域は、腹側部側の該ブロック領域の幅が、股間部の該ブロック領域の幅よりも大きく形成されている前記<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>前記吸収性コアの前記凸部及び前記溝部は一体成形されており、前記非ブロック領域も該凸部及び前記溝部と一体成形されている前記<2>又は<3>に記載の吸収性物品。
<8>前記高密度凸部は、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>前記高密度凸部は、厚み方向において、前記吸収性コアの平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、前記凸部を貫通しないように該凸部の内に形成されている前記<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>前記高密度凸部の密度は、該高密度凸部を有しない前記凸部の密度よりも高い前記<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収性物品。
<11>前記高密度凸部を有しない凸部の密度は、前記溝部よりも高くなっている前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>前記凸部は、その縦方向の長さが、5mm以上60mm以下であるか、又は15mm以上40mm以下であり、その横方向の長さが、5mm以上60mm以下であるか、又は15mm以上40mm以下である前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>前記高密度溝部は、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<13>に記載の吸収性物品。
<15>前記高密度溝部と前記高密度凸部とが、前記吸収性コアの平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、前記吸収性物品の縦方向に延びる中心線上に位置する部分に連続してエンボス加工を施すことによって形成されている前記<14>に記載の吸収性物品。
<16>前記非ブロック領域の縦方向の背側部寄りの端部の、前記中心線上に位置する部分に、相対的に密度の高い高密度な部分が形成されている前記<2>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>前記相対的に密度の高い高密度な部分は、前記高密度溝部及び前記高密度凸部に縦方向に連続して形成されている前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>前記エンボスの深さは、前記凸部の厚みの10%以上80%以下である前記<8>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>前記溝部は、縦方向に延びる線状の縦溝と、横方向に延びる線状の横溝とからなり、該横溝の幅が、0.5mm以上20mm以下であるか、又は1mm以上10mm以下であり、該縦溝の幅が、0.5mm以上20mm以下であるか、又は1mm以上10mm以下である前記<1>〜<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>前記高密度溝部及び前記高密度凸部は、横方向の長さが、0.5mm以上5mm以下であるか、又は1mm以上3mm以下である前記<13>〜<19>の何れか1に記載の吸収性物品。
<21>前記横溝と前記縦溝とは、同じ厚みで形成されており、前記溝部の厚みは、前記凸部の厚みの2%以上80%以下である前記<19>又は<20>に記載の吸収性物品。
前記下層吸収性コアは、前記吸収性コアの外周縁よりも外方に延出しており、その輪郭が前記吸収性コアの輪郭よりも大きい前記<1>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>前記吸収性コア及び前記下層吸収性コアは、該吸収性コアの縦方向に延びる中心線と該下層吸収性コアの縦方向に延びる中心線とを略一致させて積層されている前記<22>に記載の吸収性物品。
<24>前記下層吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の下層凸部及び各該下層凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ下層溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、
複数の前記下層凸部の一部は、該下層凸部の内に該下層凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度凸部を有している前記<22>又は<23>に記載の吸収性物品。
<25>前記下層吸収性コアは、前記ブロック領域の外周を囲む非ブロック領域を有している前記<22>〜<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
<26>前記下層吸収性コアにおける前記非ブロック領域は、前記下層溝部より相対的に坪量が高くなっている前記<25>に記載の吸収性物品。
<27>前記下層吸収性コアは、前記下層溝部の底部が、厚み方向において、前記吸収体の肌対向面側に偏在している前記<22>〜<26>の何れか1に記載の吸収性物品。
<28>前記下層吸収性コアは、該下層吸収性コアの非肌対向面側が凹凸のある前記ブロック構造となり、該下層吸収性コアの肌対向面側が平坦となっている前記<22>〜<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
<29>前記下層吸収性コアの前記ブロック領域は、腹側部側のブロック領域の幅及び背側部側のブロック領域の幅それぞれが、股間部のブロック領域の幅よりも大きく形成されている前記<22>〜<28>の何れか1に記載の吸収性物品。
<30>前記下層吸収性コアの前記下層凸部及び前記下層溝部は一体成形されており、前記非ブロック領域も該下層凸部及び該下層溝部と一体成形されている前記<25>〜<29>の何れか1に記載の吸収性物品。
<31>前記下層高密度凸部は、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<24>〜<30>の何れか1に記載の吸収性物品。
<32>前記下層高密度凸部は、前記吸収性コアを介して、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<24>〜<30>の何れか1に記載の吸収性物品。
<33>前記下層高密度凸部は、厚み方向において、前記吸収性コアを介して、該下層吸収性コアの平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、前記下層凸部を貫通しないように該下層凸部の内に形成されている前記<24>〜<32>の何れか1に記載の吸収性物品。
<34>前記下層高密度凸部の密度は、該下層高密度凸部を有しない前記下層凸部の密度よりも高い前記<24>〜<33>の何れか1に記載の吸収性物品。
<35>前記下層高密度凸部を有しない前記下層凸部の密度は、前記下層溝部の密度よりも高くなっている前記<34>に記載の吸収性物品。
<36>複数の前記下層溝部の一部は、該下層溝部の内に該下層溝部の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度溝部を有しており、該下層高密度溝部と前記下層凸部の前記下層高密度凸部とは連続している前記<24>〜<35>の何れか1に記載の吸収性物品。
<37>前記下層高密度溝部は、エンボス加工を施すことにより形成されている前記<36>に記載の吸収性物品。
<38>前記下層高密度溝部と前記下層高密度凸部とが、前記下層吸収性コアの平坦な肌対向面側から非肌対向面側に、中心線上に位置する部分にエンボス加工を施すことによって形成され、該下層高密度溝部と該下層高密度凸部とが連続している前記<37>の何れか1に記載の吸収性物品。
<39>前記下層高密度凸部及び前記下層高密度溝部を中心線上に交互に配して形成された直線は、前記下層吸収性コアの前記ブロック領域の縦方向の全域に亘って形成されている前記<36>〜<38>の何れか1に記載の吸収性物品。
<40>前記下層吸収性コアは、縦方向に延びる縦溝と、横方向に延びる横溝とからり、該横溝と該縦溝とは、同じ厚みで形成されており、前記下層溝部の厚みは、前記下層凸部の厚みの2%以上80%以下である前記<24>〜<39>の何れか1に記載の吸収性物品。
<41>前記下層吸収性コアにおける前記エンボスの深さは、前記下層凸部の厚みの10%以上80%以下である前記<37>又は<38>に記載の吸収性物品。
<42>前記吸収性コアの前記凸部における前記高密度凸部は、その密度が、前記下層吸収性コアの前記下層凸部における前記下層高密度凸部の密度よりも高い前記<24>〜<41>の何れか1に記載の吸収性物品。
<43>前記吸収性コアにおける腹側部側のブロック領域の形状と、前記下層吸収性コアにおける腹側部側の前記ブロック領域の形状とを一致させて積層されており、該吸収性コアにおける股間部のブロック領域の形状と下層吸収性コアにおける股間部のブロック領域の形状とを一致させて積層されている前記<22>〜<42>の何れか1に記載の吸収性物品。
<44>前記吸収体は、前記吸収性物品の腹側部及び股間部において、前記吸収性コアの前記ブロック領域を構成する前記凸部及び前記溝部それぞれの形成位置が、前記下層吸収性コアの前記ブロック領域を構成する前記下層凸部及び前記下層溝部それぞれの形成位置と一致しており、形状が一致している前記<24>〜<43>の何れか1に記載の吸収性物品。
<45>前記吸収性コア及び前記下層吸収性コアとしては、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸収ポリマーの粒子を保持させたものを用いる前記<22>〜<44>の何れか1に記載の吸収性物品。
<46>前記吸収体は、前記吸収性コア及び前記下層吸収性コアの全体を、液透過性の親水性シートである被覆材で被覆して形成されている前記<22>〜<45>の何れか1に記載の吸収性物品。
<47>前記下層吸収性コアの前記下層高密度溝部及び前記下層高密度凸部は、前記吸収性コアの前記高密度溝部及び前記高密度凸部と形成位置が同じであり、該高密度溝部及び該高密度凸部の横方向の長さと同じである前記<36>〜<46>の何れか1に記載の吸収性物品。
<49>前記外装体の腹側部側の両側縁部それぞれの内面と該外装体の背側部側の両側縁部それぞれ固定することにより、一対のサイドシール部が形成されるとともに、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成される前記<48>に記載の吸収性物品
<50>前記吸収性物品は、パンツ型使い捨ておむつである前記<1>〜<49>の何れか1に記載の吸収性物品。
吸収体は吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、前記吸収性コアは、前方端部幅100mm、後方端部幅100mm、装着時に股間部分となる中央域の幅が70mmの全長400mmの略砂時計形状の外観形状を有し、パルプ/吸収ポリマー比率が7/10[g/枚]、吸収性コア全体の坪量が490g/m2とした。吸収性コアの中心部に横方向に3、縦方向に15のブロックを有するブロック領域を配し、その際の低坪量部(溝部)が幅2mmの格子状で、坪量290g/m2、厚み4mm、密度0.07g/cm3であり、高坪量部(ブロック部)は長手方向長さ20mm、幅方向長さ10mmの長方形の形状で、厚み6mm、坪量570g/m2で、密度0.10g/cm3のものを用いた。得られた吸収体にエンボスの太さ1mmでクロス状(図11(c)のエンボス同士の交差角βが60度)ピッチ7mmのエンボスロールを用いて高密度凸部の密度0.22g/cm3、高密度溝部の密度0.10g/cm3になるようにエンボス加工を施した。この吸収体を、花王(株)製の商品名メリーズに用いている表面シートと裏面シートに挟んで固定したものを実施例1の使い捨ておむつとした。
実施例1で得た使い捨ておむつの有する吸収体に対し、実施例1と同じエンボスロールを用いて条件を変えて高密度凸部の密度0.33g/cm3、高密度溝部の密度0.16g/cm3になるようにエンボスを施した以外は同じに吸収体を作製し、該吸収体を用いて、実施例1と同様にして実施例2の使い捨ておむつを作製した。
実施例1で得た使い捨ておむつの有する吸収体に対し、エンボスの太さ1mmでクロス状(図11(c)エンボス同士の交差角βが60度)ピッチ30mmのエンボスローを用いて、高密度凸部の密度が0.20g/cm3、高密度溝部の密度が0.09g/cm3になるようにエンボスを施した以外は実施例1と同じに吸収体を作製し、該吸収体を用いて、実施例1と同様にして実施例2の使い捨ておむつを作製した。
実施例1で得た使い捨ておむつの有する吸収体に対してエンボスを施さない吸収体を作製し、該吸収体を用いて、実施例1と同様にして比較例1の使い捨ておむつを作製した。
実施例1で得た使い捨ておむつの有する吸収体に対し、実施例1と同じエンボスロールを用いて条件を変えて高密度凸部の密度0.67g/cm3、高密度溝部の密度0.31g/cm3になるようにエンボスを施した以外は実施例1と同じに吸収体を作製し、該吸収体を用いて、実施例1と同様にして比較例2の使い捨ておむつを作製した。
なおこの時の高密度凸部の密度は、生理用品等で用いられている防漏溝(ラウンドエンボス)に相当するものである。
実施例1〜3、比較例1〜2の使い捨ておむつに関し、下記方法に従って、液拡散性について評価した。評価環境は室温20℃、湿度60%RHであった。それらの結果を下記表1に示す。以下に、測定方法および評価方法を説明する。
実施例1〜3、比較例1〜2の使い捨ておむつの有する吸収体の長手方向中央部、幅方向中央部に、液として濃度0.005%の赤色2号にて着色した生理食塩水10gを2.5g/secで注入し、注入から1分後の液の拡散面積を測定した。
拡散面積の測定は、吸収体の着色部分をOHPフィルムに写し取り、株式会社ローパー製のImage―Pro plus6.2 Installationを用いて画像解析を行い測定した。
測定結果は、液の拡散面積が広いほど、吸収体の利用効率が高いことを示す。
表1に示すとおり、実施例1〜3の使い捨ておむつは、エンボスのない使い捨ておむつ(比較例1)に比べ、拡散面積が向上、液拡散性が向上していることがわかる。これは、適切な密度の範囲でエンボスを施すことにより、高坪量部の他の部位より高密度の領域ができ、この部位の毛管力が他の部位に比べ相対的に高いことから、液が集まり、低坪量部を超えて、向かいあう高坪量領域に液を受け渡せていることを示している。一方、比較例2の使い捨ておむつでは、一般的な防漏溝と同程度の密度の高密度部を設けているので、エンボス部の密度が高すぎるため、毛管力が向上し液を拡散させる力はあるものの、繊維間距離が狭すぎることで、液を受け渡せる量が極端に減り、その結果液拡散性が向上しないことが分かった。
10 外装体
11 吸収性本体
12 外層シート
13 内層シート
14 ウエスト弾性部材
15 胴回り弾性部材
16 レッグ弾性部材
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収性コア
410 ブロック領域
410b ブロック領域410の背側部
410c ブロック領域410の股間部
411 凸部
411h 高密度凸部
412 溝部
412X 横方向(X方向)に延びる線状の横溝
412Y 縦方向(Y方向)に延びる線状の縦溝
412h 高密度溝部
413 非ブロック領域
42 下層吸収性コア
420 ブロック領域
420a ブロック領域410の腹側部
420b ブロック領域410の背側部
420c ブロック領域410の股間部
421 下層凸部
421h 下層高密度凸部
422 下層溝部
422X 横方向(X方向)に延びる線状の横溝
422Y 縦方向(Y方向)に延びる線状の縦溝
422h 下層高密度溝部
423 非ブロック領域
424 側部開口部
40 コア
45 吸収性材料
46 堆積物
49 吸収体前駆体
50 回転ドラム
51 ドラム凹部
52 メッシュプレート
53 難通気性部材
54,55 領域
60 ダクト
65 バキュームボックス
70 トランスファーロール
75 メッシュベルト
80 バキュームコンベア
90 加圧手段
A 腹側部,B 背側部,C 股間部
CL おむつの縦方向に延びる中心線
Claims (6)
- 肌対向面側に配された表面シート、非肌対向面側に配された裏面シート、これら両シート間に配された縦長の吸収体を備えた吸収性物品であって、
前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の凸部及び各該凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、
複数の前記凸部の一部は、該凸部の内に該凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度凸部を有している吸収性物品。 - 複数の前記溝部の一部は、該溝部の内に該溝部の輪郭に接する相対的に密度の高い高密度溝部を有しており、該高密度溝部と前記凸部の前記高密度凸部とは連続している請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、前記吸収性コアの非肌対向面に下層吸収性コアを有しており、
前記下層吸収性コアは、前記吸収性コアの外周縁よりも外方に延出しており、その輪郭が前記吸収性コアの輪郭よりも大きい請求項1又は2に記載の吸収性物品。 - 前記下層吸収性コアは、相対的に坪量が高く前記裏面シート側に凸の複数の下層凸部及び各該下層凸部を囲んで相対的に坪量が低く前記裏面シート側から前記表面シート側に向かって凹んだ下層溝部からなるブロック構造が縦方向に複数配されたブロック領域を有し、
複数の前記下層凸部の一部は、該下層凸部の内に該下層凸部の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度凸部を有している請求項3に記載の吸収性物品。 - 複数の前記下層溝部の一部は、該下層溝部の内に該下層溝部の輪郭に接する相対的に密度の高い下層高密度溝部を有しており、該下層高密度溝部と前記下層凸部の前記下層高密度凸部とは連続している請求項4に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性コアの前記凸部における前記高密度凸部は、その密度が、前記下層吸収性コアの前記下層凸部における下層高密度凸部の密度よりも高い請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品。
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