JPH08508662A

JPH08508662A - 低密度および低坪量の取得帯域により液体を良好に分配する吸収部材

Info

Publication number: JPH08508662A
Application number: JP6523196A
Authority: JP
Inventors: ペイン，マイケル; ウイリアムパーキンス，ロバーツ; レイモンドムーア，ダニー
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 1993-04-05
Filing date: 1994-03-22
Publication date: 1996-09-17
Also published as: DE69411002D1; CA2159807A1; CZ260495A3; EP0692954A1; ES2117265T3; DE69411002T2; HK1012160A1; BR9406039A; KR960701669A; FI954729A0; WO1994023761A3; CA2159807C; NO953924D0; HUT73574A; WO1994023761A2; KR100322309B1; CZ283819B6; US5348547A; ATE167047T1; AU6368194A

Abstract

(57)【要約】二重層吸収部材を有する吸収物品であって、上部取得層の堆積領域が、分配帯域と、分配帯域よりも低い単位面積当たりの平均密度および平均坪量を有する取得帯域を備えている。取得帯域は、取得帯域が最も有効かつ効果的に液体を迅速に取得することができるように、吸収部材または吸収物品のいずれかの前方に位置決めされている。下部貯蔵層は、親水性繊維材料と、二重層吸収部材の吸収能力と取得速度を高めるため、特別の粒度分布を有する吸収ゲル化材料の離散粒子との混合物を含んでいる。上部取得層は、稠密化された分配帯域における良好な吸い上げ作用を提供する、剛化され捩じられカールされたセルロース繊維の均質な組成物を含んでいる。上部取得層は、次の液体の排出に備え取得帯域を解放しつつ、貯蔵のため下部貯蔵層に液体を迅速かつ均一に分配するのに役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】低密度および低坪量の取得帯域により液体を良好に分配する吸収部材発明の分野本発明は、親水性繊維材料の均質な組成物からなる取得層と、親水性繊維材料と吸収ゲル化材料の離散粒子の混合物とからなる貯蔵層とを有する吸収部材（繊維状ウェブ構造体）に関する。より詳細には、本発明は、吸収部材内の液体を迅速に取得し分配するため、典型的な液体堆積領域に位置決めされた、比較的低平均密度および低平均坪量の取得帯域を備えた取得層を有する二重層吸収部材に関する。発明の背景使い捨ておむつ、成人用失禁パッド、衛生ナプキンなどのような吸収物品は一般に、体液を受入れ保持するため、吸収部材、すなわち繊維の絡み合ったマスから成る繊維状ウェブ構造体を備えている。このような吸収物品が有効に機能するために、吸収部材は、使用箇所から体液を構造体に迅速に取得し、引続き、液体を最大限に収容するように吸収部材内に液体を分配しなければならない。さらに、吸収部材は、負荷を受けたときに、液体を保持することができなければならない。このような吸収部材の有効性を改良する従来の解決策には、吸収部材の全体に或いは一部に吸収ゲル化材料の粒子を分配することが含まれていた。たとえば、１９８６年９月６日にポール・ティー・ワイズマンとステファン・エー・ゴールドマンに付与された米国特許第４，６１０，６７８号（高密度吸収構造体）は、吸収ゲル化材料の粒子（ヒドロゲル）が親水性繊維材料のエアレイド・ウェブ中に分散され特定密度まで圧縮された吸収部材を開示している。さらに、１９８７年６月１６日にポール・ティー・ワイズマン、ドーン・アイ・ヒュートンおよびディル・エー・ジレートに付与された米国特許第４，６７３，４０２号（二重層コアを備えた吸収物品）は、吸収取得層が、親水性繊維状材料と吸収ゲル化材料の離散粒子の均一結合体によって実質的に構成されている下部液体貯蔵層の上に位置する二重層吸収コアを開示している。これらの特許を参考文献としてここに例示する。吸収ゲル化材料と組み合わせた二重層吸収部材を開示している他の参考文献は、１９９１年８月８日に各々公開されたＰＣＴ公開出願WO９１／１１１６２、９１／１１１６３、９１／１１１６５である。これらの出願は、プロクター・アンド・ギャンブル社によって出願されたものであり、参考文献としてここに例示する。１９９１年９月１０日にチャールズ・ジェー・ベルグに付与された米国特許第５，０４７，０２３号（低密度および坪量帯域を有する吸収部材）および１９８９年５月３０日にミグエル・アルマニーとチャールズ・ジェー・ベルグに付与された同第４，８３４，７３５号（低密度および坪量帯域を有する高密度吸収部材）は、所定の稠密度を有する吸収部材に吸収ゲル化材料を組み込んだ吸収物品を開示している。これらの特許を参考文献としてここに例示する。吸収ゲル化材料は、水や身体排出物のような液体をその重量に対して大量に吸収でき、かつ、このような吸収液体を適度な圧力下に保持できるるポリマー材料である。吸収ゲル化材料のこれらの吸収特性は、使い捨ておむつ、成人用失禁パッド、衛生ナプキンなどのような吸収物品に組み込むのに特に有用である。しかしながら、このような吸収ゲル化材料の非常に大きな吸収能力にもかかわらず、使い捨て吸収物品に使用した時の性能は、未だ最適ではない。使い捨て吸収物品における吸収ゲル化材料の有効性は、その形態、配置、寸法および／又は吸収ゲル化材料の粒子が吸収部材に組み込まれる方法に依存している。吸収物品の吸収能力を理論的に向上させる１つの方法は、吸収部材における吸収ゲル化材料の量を増加させることである。しかしながら、あいにく、高濃度の吸収ゲル化材料粒子を含む吸収部材の有効性は、ゲルブロッキング（ゲル阻止）と呼ばれる現象によって影響を受ける。語“ゲルブロッキング”は、吸収ゲル化材料の粒子が湿っている時に生ずる状態であり、粒子の表面が、吸収部材の内部への液体移送を阻止するように膨張することをいう。したがって、吸収部材の内部の湿潤は、極めて緩慢な拡散プロセスによって生ずる。実際問題として、このことは、吸収部材による液体の取得が吸収すべき液体の排出よりも遅く、吸収部材中の吸収ゲル化材料粒子が完全に飽和する前に、或いは液体が拡散し即ち“ ブロッキング”粒子を通り越して吸収部材の残部中に吸い上げられる前に、吸収物品からの漏洩が発生することを意味している。しばしば、液体堆積部から離れた吸収部材の領域の貯蔵能力は、利用されない。多くの吸収部材が漏洩する別の理由として、最初の排出が効果的に吸収されたとしても、引き続く液体の排出を吸収することができないことがある。液体の排出が生じた後、液体は、排出に近接した領域に留まろうとする。これは、その領域の吸収能力が飽和点に到達すると、吸収コアが廃棄された液体を排出領域から遠去かる方へ搬送することができないことによる。高貯蔵能力のために比較的高濃度の吸収ゲル化材料を組み込んだ吸収部材では、一定の厚さを維持しつつ吸収ゲル化材料の量を増加させるため、貯蔵層中に多くの親水性繊維材料を含ませることができないという事実によって、問題が悪化する。吸収ゲル化材料を含有する貯蔵層内に吸い上げ能力を提供し、繊維／吸収ゲル化材料マトリックスを維持する際の繊維状材料の役割は、液体注入から離れた貯蔵層の領域に吸収部材内の液体を取得し分配する他の方法を必要とするため、非常に減少する。かくして、液体取得段階の際、貯蔵層におけるゲルブロッキングを最小にしつつ、内部の液体を迅速に取得し分配する多層吸収部材を提供することが有利である。したがって、本発明の主要な目的は、吸収ゲル化材料の使用において特に有効かつ効果的な改良した吸収部材を提供することである。本発明の別の目的は、比較的高濃度の吸収ゲル化材料を有する貯蔵層に液体を効果的に取得し分配するため、選択的に稠密化された、親水性繊維状材料の取得層を利用することによって、良好な容量と効率を有する吸収部材提供することである。発明の概要本発明は、特に有効かつ効率的な方法で液体の取得および分配をするのに適した吸収部材を有する、使い捨ておむつ、失禁パッド、衛生ナプキンなどのような吸収物品を提供する。このような吸収物品は典型的には、液体透過性のトップシートと、通常は液体不透過性のバックシートと、トップシートとバックシートとの間に位置決めされた吸収コアとを備えている。本発明は、吸収取得層を有する二重層吸収部材に関するものであり、吸収取得層は、親水性繊維状材料と、特別の粒度分布をもつ吸収ゲル化材料の離散粒子との混合物から成る貯蔵層と液体連通する親水性繊維状材料の均質な組成物を含んでいる。取得層の頂部表面積は、貯蔵層の頂部表面積の約０．７〜約１．０倍である。吸収部材は典型的には、少なくとも約７０パーセントの吸収ゲル化材料が吸収物品の前部約２／３部分内に見られるように、吸収物品のバックシートに対して位置決めされている。また、取得層の取得帯域は典型的には、吸収物品の前部約２／３部分内に完全に位置決めされるように、バックシートに対して位置決めされている。取得層は、取得層によって取得された液体を、下に位置する貯蔵層と、廃棄された液体を迅速に取得し一時的に保持するように分配帯域よりも低い平均密度および平均坪量の取得帯域に分配し分散させるため、比較的高密度および高坪量の分配帯域を有している。取得帯域は、次の排出液体を自由に取得するように、液体を貯蔵層および隣接する分配帯域に迅速に分配する。本発明の或る観点よれば、取得帯域は、典型的な液体堆積領域に位置決めされるように、吸収部材の前部の方へ位置決めされている。また、取得帯域は、取得帯域の頂部表面積が吸収部材の取得層の頂部表面積の約５０パーセント以下を含むように、寸法決めされている。本発明の別の観点によれば、粒子が約４００ミクロン以上か或いは等しいメジアン粒子を有するような粒度分布をもつ吸収ゲル化材料の粒子が、ゲルブロッキングを最小にし及び／又は貯蔵層内の開放毛細管構造体を維持するのを助けて典型的な液体堆積領域から吸収部材の残部への液体の搬送を高めるため、親水性繊維状と混合される。さらに、吸収ゲル化材料の粒度分布は、吸収部材に利用される粒子の吸収能力と効率を向上させるように、制御される。比較的低密度および坪量の取得帯域を備えた取得層と組み合わせた、親水性繊維状材料と吸収ゲル化材料の比較的大きな粒子との混合物は、良好な吸収部材を提供する。図面の詳細な説明本明細書は、本発明の要旨を請求する請求の範囲で終わっているが、本発明は添付図面に関連して以下の説明からより良く理解されるであろう。第１図は、本発明の使い捨ておむつの実施例の平面図であり、おむつの下層の吸収部材を明瞭に示すため、トップシートの大部分が切り取られている。第２図は、第１図の線２−２における、使い捨ておむつの吸収部材のみの長さ方向断面図である。第３図は、第１図の線３−３における、使い捨ておむつの吸収部材のみの横方向断面図である。第４図は、第１図に示した使い捨ておむつの吸収部材の斜視図である。第５図は、第３図と同様な横方向断面図であり、吸収部材内の典型的な液体の流れを概略的に示したものである。発明の詳細な説明本発明の吸収部材を、使い捨て吸収物品での使用に関連してここに記載する。しかしながら、本発明の吸収部材の適用は、使い捨て吸収物品に限定されるものではないことを理解すべきである。ここで使用する語“使い捨て吸収物品”は、身体から排出される種々の滲出物を吸収し収容するため、装着者の身体に当てて或いは近接して配置され、一度使用した後は廃棄することを意図している（すなわち、洗濯したり再使用したりすることを意図していない）物品を意味する。使い捨て吸収物品の好適な実施例である、おむつ２０が、第１図に示されている。ここで使用される語“おむつ”は、一般的に幼児や失禁症の人が下半身に装着する下着を意味する。しかしながら、本発明は、失禁ブリーフ、失禁パッド、衛生ナプキンなどの他の使い捨て吸収物品にも使用できることを理解すべきである。第１図は、本発明のおむつ２０を広げた非収縮状態（すなわち、全ての弾性収縮を取り除いた状態）で示した平面図であり、おむつ２０の構造をより明瞭に示すため部分的に切り取られており、かつ、装着者に接する部分が手前側にある。おむつ２０は、前部ウエストバンド領域２２、背部ウエストバンド領域２４、股部領域２６、及び、長さ方向縁部が３０で示され端縁部が３２で示されているおむつ２０の外縁によって構成される周囲２８を有するものとして、第１図に示されている。おむつは更に、横方向中心線３４と、長さ方向中心線３６とを有している。おむつ２０は好適には、液体透過性のトップシート３８と、典型的には液体不透過性のバックシート４０と、吸収部材４２と、弾性部材４４とを備えている。トップシート３８、バックシート４０、吸収部材４２および弾性部材４４が種々の周知の形体で組み立てられるが、好適なおむつの形体が、１９７５年１月１４日にＫ．Ｂ．ブールに付与された米国特許第３，８６０，００３号（使い捨ておむつの収縮側部分）に記載されており、この特許を参考文献としてここに例示する。第１図は、おむつ２０の好適な実施例を示しており、トップシート３８とバックシート４０が同一の広がりを有しており、吸収部材よりも全体として大きな長さと幅を有している。トップシート３８は、バックシート４０と関連してその上に重ねられており、これにより、おむつ２０の周囲２８を形成している。周囲２８は、おむつ２０の外周すなわち縁部を構成している。周囲２８は、端縁部３２と、長さ方向縁部３０とを備えている。第２図および第３図は、第１図に示した吸収部材４２のみの、それぞれ長さ方向および横方向断面図である。おむつ２０は、周囲２８から横方向中心線３４に向かって、おむつ２０の長さの約２パーセント〜約１０パーセント（好適には、約５パーセント）の距離それぞれ延びた、前部および背部ウエストバンド２２、２４を有している。ウエストバンド領域は、装着時に装着者のウエストを取り囲む、おむつ２０の上部分を備えている。股部分２６は、ウエストバンド領域２２、２４間のおむつ２０の部分であり、装着時に装着者の脚部の間に位置決めされ装着者の下半身を覆う、おむつ２０の部分を備えている。かくして、股部分２６は、おむつ２０又は他の使い捨て吸収物品のための典型的な液体堆積領域を構成する。トップシート３８、柔軟で柔らかい感触で、装着者の皮膚に刺激的でない。さらに、トップシート３８は、その厚さを通して液体を容易に浸透させる液体透過性のものである。適当なトップシート３８が、多孔質フォーム、網状フォーム、孔開きプラスチックフォーム、天然繊維（たとえば、木または綿繊維）、合成繊維（たとえば、ポリエステルまたはポリプロピレン繊維）のような広範な材料、或いは天然繊維と合成繊維の組合せで製造することができる。好適には、トップシート３８は、装着者の皮膚を吸収部材４２中の液体から隔離する疎水性材料で作られている。特に好適なトップシート３８は、米国デラウェア州ウィルミングトンのハーキュルス社によって販売されているハーキュルス１５１型ポリプロピレンのような約１．５のデニールを有するステープル長ポリプロピレン繊維から成る。ここで使用される語“ステープル長繊維”は、少なくとも約１５．９mm（０．６２インチ）の長さの繊維を意味している。トップシート３８を製造するのに使用される多数の製造技術がある。たとえば、トップシート３８は、織布、不織布、スパンボンデッド、カードなどからなる。好適なトップシートはすかれ、繊維技術の当業者にとって周知の手段によって熱結合される。好適には、トップシート３８は、重量が約１８〜約２５g/m2、最小乾燥引張り強度が機械方向において約４００g/cm、湿潤引張強度が横断機械方向において少なくとも約５５g/cmである。バックシート４０は典型的には、液体不透過性であり、他の可撓性液体不透過性材料を使用しても良いが、好適には、薄いプラスチックフィルムで形成されている。バックシート４０は、吸収部材４２中に吸収され収容された滲出物が、ベッドのシーツや下着のような、おむつ２０に接触している物品を濡らさないようにする。他の可撓性の液体不透過性材料を使用しても良いが、好適には、バックシート４０は、厚さが約０．０１２mm（０．５ミル）〜約０．０５１mm（２．０ミル）のポリエチレンフィルムである。ここで使用される“可撓性”は、柔軟で且つ装着者の身体の全体形状および輪郭に容易に順応する材料を意味する。適当なポリエチレンフィルムが、米国インディアナ州テールオートのトレデガー・インダストリー社によって、インフレートフィルムについては呼称RR8220ブレンド、キャストフィルムについては呼称RR5475ブレンドとして製造されている。また、バックシート４０は、滲出物がバックシート４０を通過するのを阻止しつつ、蒸気を吸収部材４２から逃がすのがよい。バックシート４０の寸法は、吸収部材４２の寸法および選定したおむつの設計によって決定される。好適な実施例では、バックシート４０は、おむつの周囲２８全体に、吸収部材４２を超えて少なくとも約１．３cm〜約２．５cm（約０．５インチ〜約１．０インチ）の距離延びた変形砂時計形状を有する。トップシート３８とバックシート４０は、任意の適当な方法で一緒に接合されている。ここで使用される語“結合”は、トップシート３８をバックシート４０に直接固定することによってバックシート４０に直接結合する形体と、バックシート４０に固定されている中間部材にトップシート３８を固定することによってトップシート３８をバックシート４０に間接的に固定する形体とを含む。好適な実施例では、トップシート３８とバックシート４０は、接着剤のような取付け手段（図示せず）や他の公知の取付け手段によって、周囲２８に互いに直接固定されている。たとえば、トップシート３８をバックシート４０に固定するのに、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン層、または接着剤の分離ライン、スパイラル、スポットの列を使用しても良い。テープタブファスナ４６が典型的には、装着者におむつを保持するためのファスナ手段を提供するため、おむつ２０の背部ウエストバンド領域２４に付けられている。テープタブファスナ４６が１つだけ、第１図に示されている。テープタブファスナ４６は、１９７４年１１月１９日にＫ．Ｂ．ブールに付与された米国特許第３，８４８，５９４号に開示されているファスニングテープのような、周知のもので良く、この特許を参考文献としてここに例示する。これらのテープタブファスナ４６、またはピンのような他のおむつファスニング手段は典型的には、おむつ２０の隅部に近接して付けられている。弾性部材４４は、弾性部材４４がおむつ２０を装着者の脚部に向かって引っ張り保持するように、おむつ２０の周囲２８に隣接して、好適には各長さ方向縁部３０に沿って配置されている。或いは、弾性部材４４は、脚部カフスというよりもウエストバンドを提供するように、おむつ２０の端縁部３２の一方又は両方に隣接して配置しても良い。たとえば、適当なウエストバンドが、１９８５年５月７日にデビット・ケィ・キービットとトーマス・エフ・オスターヘイジに付与された米国特許第４，５１５，５９５号に開示されており、参考文献としてここに例示する。別の適当なウエストバンド構造体は、装着者に動的にフィットし且つ良好な収容特性を提供する、弾性腰部特徴を有するものである。このようなウエストバンド構造体が、１９９２年９月２９日にケネス・ビー・ブール、サンドラ・エイチ・クリア、ダニエリア・ティー・ファルコンに付与された米国特許第５，１５１，０９２号に開示されており、この特許を参考文献としてここに例示する。さらに、弾性的に収縮可能な弾性部材を有する使い捨ておむつを製造するのに適した方法および装置が、１９７８年３月２８日にケー・ビー・ブールに付与された米国特許第４，０８１，３０１号（個々にストレッチされた弾性ストランドを、使い捨て吸収製品の所定の隔離部分に連続的に付けるための方法および装置）に記載されており、この特許をここに参考文献として例示する。弾性部材４４は、通常は非拘束状態で弾性部材４４が効果的に収縮しおむつ２０を縮めるように、弾性的に収縮可能な状態でおむつ２０に固定されている。弾性部材４４は、少なくとも２つの方法で、弾性的に収縮可能な状態に固定することができる。たとえば、弾性部材４４は、おむつ２０が非収縮状態にある状態で、引っ張って固定することができる。或いは、おむつ２０を、たとえばプリーティングによって収縮させ、弾性部材４４が非緩和状態または非ストレッチ状態にある状態で、弾性部材４４をおむつ２０に固定し連結しても良い。第１図に示した実施例では、弾性部材４４は、股部領域２６において、おむつ２０の長さの実質的に全体に延びている。或いは、弾性部材４４は、おむつ２０の長さ全体、或いは弾性的に収縮可能なラインを提供するのに適した他の長さ、延びていても良い。弾性部材４４の長さは、おむつ２０の設計によって決められる。弾性部材４４は、多数の形体を取ることができる。たとえば、弾性部材の幅は約０．２５mm（０．０１インチ）〜約２５mm（１．０インチ）以上に変えることができる。弾性部材４４は、弾性材料の単一のストランドから成るものでも良く、或いは、弾性部材の幾つかの平行または非平行ストランドから成るものでも良く、或いは、弾性部材４４は矩形でも湾曲していても良い。さらに、弾性部材４４は公知の幾つかの方法でおむつ２０に付けることができる。たとえば、弾性部材４４は、種々の接合パターンを使用して、おむつ２０に超音波接合、又は熱圧着しても良く、或いは、弾性部材４４をおむつ２０に単に接着しても良い。吸収部材４２はトップシート３８とバックシート４０との間に位置決めされ、おむつ２０を形成している。本発明の吸収部材は、吸収性のゲル化材料の繊維と粒子の混在物から成る繊維ウェブ又はバットである。吸収部材４２は一般に、圧縮でき、順応し、装着者の皮膚に刺激を与えず、液体および一定の身体滲出物を吸収し保持することができる。この目的のために、吸収部材は、少なくとも２つの構造要素または層から成るが、２層またはシートの材料は必ずしも限定されているものではないことを理解すべきである。かくして、吸収部材４２は実際には、後述するように、不可欠な種類の材料の幾つかのシート又はウェブのラミネート又は組合せから成るのが良い。かくして、ここで使用される語“部材”は、語 “部材”又は“層”を含んでいる。さらに、各シート又はウェブ（又は部材又は層）は、材料の単一の一体片を形成する必要はなく、互いに流体連通するものである限り、長さ方向または幅方向に一緒に結合される多数の小さなストリップ又は成分で形成されるもので良い。第４図は、本発明の吸収部材４２の好適な実施例の斜視図である。第１図〜第５図に示されるように、吸収部材４２は、上部取得層７２と、下部貯蔵層８２とを備えている。上部取得層は更に、稠密な境界面を表す二重の点線９２の前方のクロスハッチングによって示された取得帯域５６と、分配帯域５８とを有している。下部貯蔵層８２は、第４図においては、背部分４８および前部分５０を有するものとして示されている。前部分５０は、端部領域５２および堆積領域５４を有するものとして示されている。さらに、前部分５０は、２つの横方向に間隔を隔てた耳部領域６０、６２および中央領域６４から成る３つの領域に、横断方向に分割されている。下部貯蔵領域８２は更に、横方向中心線６６と、長さ方向中心線６８とを有している。下部貯蔵領域８２は、背部分４８と、背部分４８に隣接した前部分５０とを有している。下部貯蔵層８２の背部分４８と前部分５０は、下部貯蔵層８２の端縁部７０から横方向中心線６６に向かってそれぞれ延びており、前部分５０は、下部貯蔵層８２の長さの約１／２〜約３／４（好適には、２／３）の距離延びている。前部分５０は好適には、おむつ又は他の吸収物品内に配置された時、吸収部材４２の典型的な液体堆積の領域の全てを包含するように、下部貯蔵層８２の全体長さの１／２よりも大きい。。前部分５０は、端部領域５２と、堆積領域５４とを有している。端部領域５２は、下部貯蔵層８２の各端縁部７０から横方向中心線６６に向かって、下部貯蔵層８２の長さの約２〜約１０パーセント（好適には、約５パーセント）の距離延びた前部分５０の部分を備えている。堆積領域５４は、端部領域５２と背部分４８に隣接し、これらの間に位置決めされ、吸収部材４２の典型的な液体堆積領域を囲む前部分５０の部分を備えている。前部分５０は更に、２つの横方向に間隔を隔てた耳部領域６０、６２と、耳部領域６０と６２との間に配置された中央領域６４とを有している。耳部領域６０、６２は、周囲２８の長さ方向縁部３０から長さ方向中心線に向かって、下部貯蔵層８２の幅の約１／１０〜約１／３の距離延びた部分を備えている。かくして、耳部領域６０、６２は、装着者の腰部および胴の側部へり部分に係合する部分であり、中央領域６４は、装着者の腰部および胴の中間部分に係合する。かくして、中央領域は、典型的な液体堆積の横断領域を構成する。下部貯蔵層８２は、種々の寸法および形状（例えば、矩形、砂時計形状、非対称形など）で多様な材料から製造される。しかしながら、下部貯蔵層８２の全吸収能力は、吸収物品すなわちおむつの意図した使用の設計液体負荷と調和すべきである。さらに、幼児から成人までの使用に適合するように、下部貯蔵層８２の寸法および吸収能力を変えることができる。上部取得層７２は好適には、選択的に密度を高めた親水性繊維材料の均質な組成物から構成されている。下部貯蔵層８２は好適には、親水性繊維材料と、特別の粒子寸法分布を有する特定量の吸収ゲル化材料の分離粒子の混合物から構成されており、好適には、均一な密度を有している。第４図に示されるように、少なくとも典型的な液体堆積領域には、上部取得層７２から下部貯蔵層８２の側縁部までに、マージン８３、８４がある。このようなマージンは好適には、吸収部材の縁部までの液体の漏洩の可能性を最小にするため、少なくとも０．２インチ（０．５cm）、より好適には、少なくとも０．５インチ（１．２５cm）である。特定の装着者の最も適当な排出領域（例えば、男性装着者では前縁部に向かって、女性装着者ではより中央部に向かって）にのみマージンを維持すればよいけれども、マージンは好適には、吸収部材の長さ全体にわたって延びている。吸収部材４２の上部取得層７２と下部貯蔵層８２には、種々の種類の親水性繊維材料を使用することができる。普通の吸収製品に使用するのに適した親水性繊維材料は、本発明の吸収部材４２の使用に適している。このような親水性繊維材料の例として、セルロース繊維、改質セルロース繊維、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート（ダクロン）、親水性ナイロン（ハイドロフィル）のようなポリエステル繊維などがある。その他の親水性繊維材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタンなどのようなポリオレフィンから得られた表面活性処理またはシリカ処理された熱可塑性プラスチック繊維のような、親水性化された疎水性繊維がある。（これらの構造体は、本発明にとって重要である、優秀な吸上性質を提供する。）入手容易性およびコストのため、セルロース繊維（特に、エアフェルトとも呼ばれる木材パルプ繊維）が好適である。一定の吸収部材に特に有用である他のセルロース繊維材料は、セルロース繊維を架橋剤で架橋することによって作られる、剛化され、捩じられ、カールされたセルロース繊維である。かかる一般的な種類のセルロース繊維は例えば、１９６５年１２月２１日に付与された米国特許第３，２２４，９２６号（ベルナーディン）、１９６６年３月２２日に付与された同第３，２４１，５５３号（シュタイガー）、１９６９年４月２２日に付与された同第３，４４０，１３５号（チャン）、１９７２年４月２６日に付与された同第３，６５８，６１３号（シュタイガー）、１９７６年１月１３日に付与された同第３，９３２，２０９号（シャタジー）、１９７７年７月１２日に付与された同４，０３５，１４７号（サンジェニス等）に記載されており、これらの特許を参考文献としてここに例示する。吸収部材の親水性繊維成分として有用な、或る種の剛化され、捩じられ、カールされたセルロース繊維は、例えばＣ２−Ｃ８のジアルデヒドで比較的脱水状態で内部架橋されたセルロース繊維から成る。このような繊維は、乾燥繊維と湿潤繊維の捩れ数（少なくとも４．５捩れノード／mmドライ、湿潤時よりも少ない少なくとも０．５捩れノード／mm、好適には少なくとも約３．０捩れノード／mmウェット）によって、そして、その流動保持特性（３０パーセント以下の平均イソプロピルアルコール保持値、２８〜５０パーセントの平均水保持値）によって定義することができる。この種の剛化され、捩じられ、カールされたセルロース繊維は、１９８８年１月７日に発行された欧州特許公開第２５１，６７６号および１９８８年１月１３日に発行された同第２５２，６５０号に一層詳細に記載されている。プロクター・アンド・ギャンベル社によって出願されたこれらの出願を、ここに参考文献として例示する。さらに、１９８９年４月１８日にディーン等に付与された米国特許第４，８２２，４５３号、１９８９年１２月２９日にディーン等に付与された同第４，８８８，０９３号、１９９０年２月６日にムーア等に付与された同第４，８９８，６４２号にも又、このような架橋プロセス、並びに繊維に加えられる剛性、捩れ、カールの定量化に関する議論が詳細に記載されており、参考文献としてここに例示する。吸収部材の親水性繊維成分として有用であり且つ好ましい、別の種類の剛化され、捩じられ、カールされたセルロース繊維は、クエン酸のようなＣ２−Ｃ９ポリカルボン酸で内部架橋されたセルロース繊維を備えており、これらの繊維は比較的脱水状態にある。このような繊維も又、乾燥繊維と湿潤繊維の捩れ数（少なくとも２．５捩れノード／mmドライ、湿潤時よりも少ない少なくとも１．０捩れノード／mm、好適には少なくとも約１．５捩れノード／mmウェット）によって、そして、その流動保持特性（２８〜５０パーセントの平均水保持値）によって定義することができる。この種の剛化され、捩じられ、カールされたセルロース繊維は、１９９２年８月１１日にカーライスル・エム・ヘロンとディビッド・ジェイ・クーパーに付与された米国特許第５，１３７，５３７号に詳細に記載されており、この特許を参考文献としてここに例示する。下部貯蔵層８２に利用される親水性繊維材料は、本発明の利点を達成するために、１つ以上の上述の材料を備えており、上部取得層７２は好適には、上述のような、化学的に剛化され、捩じられ、カールされたセルロース繊維の均質な組成物である。下部貯蔵層８２は、これらの繊維で形成されるが、好適には、製造コストを最小にするため、エアフェルトで作られる。何故ならば、吸上能力が下部貯蔵層８２の主要機能ではないからである。幾つかの用途では、本発明の吸収部材、特に上部取得層に、一定量の疎水性繊維材料を含むのが望ましい。このような疎水性材料には、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート繊維のような剛性繊維、ならびに、二成分、三成分および混合繊維が含まれる。このような疎水性繊維材料ならびに親水性および親水化された疎水性（合成または天然）繊維材料の使用は、ＰＣＴ出願ＷＯ９１／１１１６２、９１／１１１６３および９１／１１１６５に詳細に記載されている。混入に適した他の繊維材料には、１９９０年１０月１０日に発行された欧州特許公開第３９１，８１４号に詳細に記載されているような、毛細管繊維が含まれる。これは、イーストマン・コダック社によって出願されており、参考文献としてここに例示する。このような疎水性状の付加的な繊維材料は、ウェブが実質的に親水性のままであるように、比較的少量（典型的には、ウェブの全体坪量の３０パーセント程度）存在するのが好適である。このような疎水性繊維材料の、本発明の吸収部材への添加は、吸上性能を向上させるとともに、容量、構造一体性および弾性を向上させる。ここで使用される語“親水性”は、繊維上に堆積した液体によって湿潤される繊維または繊維表面を意味する。材料の湿潤を考慮した技術の実態は、接触角および液体と固体の表面張力による親水性（および湿潤度）の定義を可能にする。これは、ロバート・エフ・グールドによって編集され、１９６４年に版権を得た米国化学会の刊行物「接触角、湿潤性、付着性」で詳細に議論されている。液体と繊維または表面との接触角が９０度よりも小さいとき、或いは液体が繊維の表面上て自然に拡散しようとするとき（通常、両方の条件が共存している）、繊維または繊維の表面が液体によって湿潤されると言われる。下部貯蔵層８２は好適には、親水性繊維材料に加えて、特定量の離散した、好適には非脆性、非繊維状粒子の吸収性ゲル化材料を含んでいる。（ここでは非繊維状粒子は、長さ対直径比が約１０以下である特定種類の“粒状”材料を表すものとして使用されている。）吸収性ゲル化材料は、液体との接触時に、液体を吸収してヒドロゲルを形成する材料である。このようにして、本発明の下部貯蔵層に排出された液体が粒子によって取得され保持され、これにより、良好な吸収能力および／又は良好な液体保持性能を備えた吸収部材を提供する。使用される吸収ゲル化材料の粒子は一般に、実質的に水不溶性で、僅かに架橋され、部分的に中和され、ヒドロゲル形成されたポリマー材料を含んでいる。このような吸収ゲル化材料は、重合可能で、不飽和の酸含有モノマーから調製することができる。かくして、このようなモノマーには、炭素オレフィンニ重結合に少なくとも１つの炭素を含むオレフィン化された不飽和酸および無水物が含まれる。より詳細には、これらのモノマーは、オレフィン化された不飽和カルボン酸と酸無水物、オレフィン化された不飽和スルホン酸およびその混合物から選定することができる。本発明において使用される吸収ゲル化材料を調製するのに用いるのに適した不飽和酸性モノマーには、１９８８年４月１９日にケリン・エー・ブラント・ステファン・エー・ゴールドマン、トマス・エー・イングリンに付与された米国特許第RE３２，６４９号（吸収構造体に使用されるヒドロゲル形成ポリマー組成物）にリストアップされているものが含まれており、この特許を参考文献としてここに例示する。好適なモノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、および２−アクリルアミド−２−メチルプロパンスルホン酸が含まれる。吸収ゲル化材料を調製するのに、アクリル酸が特に好適である。ヒドロゲル形成吸収ゲル化材料においては、不飽和の酸含有モノマーから形成されたポリマー成分を、ヒターチまたはセルロースのような他の種類のポリマー成分にグラフトさせることができる。この種のアクリル酸グラフトスターチ材料も、ここで使用するのに特に好適である。普通のモノマーから調製することができる好適な吸収ゲル化材料には、加水分解されたアクリロニトリルグラフトスターチ、アクリル酸グラフトスターチ、ポリアクリル酸エステル、無水マレイン酸コポリマー、およびこれらの化合物が含まれる。ポリアクリル酸エステルおよびアクリル酸グラフトスターチが、特に好適である。貯蔵層に使用される吸収ゲル化材料の基本的なポリマー成分の性質が如何なるものであれ、このような材料は一般的に、僅かに架橋されている。架橋は、本発明で使用される吸収ゲル化材料を実質的に水不溶性にするのに役立ち、かくして架橋は部分的に、使用される吸収ゲル化材料から形成されるヒドロゲルのゲル容積および抽出ポリマー特性を決定する。適当な架橋剤は、当該技術分野では周知であり、たとえば、１９７８年２月２８日にマスダ等に付与された米国特許第４，０７６，６６３号に詳細に記載されているものが含まれ、この特許をここに参考文献として例示する。好適な架橋剤は、ポリオールを備えた不飽和モノまたはポリカルボン酸のジまたはポリエステル、ビスアクリルアミド、ジまたはトリアリルアミンである。特に好適な架橋剤は、Ｎ，Ｎ′−メチルエネビスアクリルアミド、トリメチルロールプロパントリアクリレート、およびトリアリルアミンである。架橋剤は一般に、吸収ゲル化材料の約０．００１モルパーセント〜約５モルパーセントを含んでいる。より好適には、架橋剤は、使用される吸収ゲル化材料の約０．０１モルパーセント〜３モルパーセントを含んでいる。本発明の構造体に使用される、僅かに架橋された吸収ゲル化材料は一般に、部分的に中和された形態で利用される。この発明の目的のため、このような材料は少なくとも２５モルパーセントの時、部分的に中和されたものとみなされ、ポリマーを形成するのに使用される好適には少なくとも５０モルパーセントのモノマーは、塩形成カチオンで中和された酸根含有モノマーである。適当な酸形成カチオンには、アルカリ金属、アンモニウム、置換アンモニウム、およびアミンが含まれる。酸根含有モノマーを中和するのに使用される全モノマーのこの割合を、ここでは“中和度”と称する。中和度は好適には、９８パーセントを超えない。貯蔵層に使用される吸収ゲル化材料は、吸収部材が遭遇する液体を吸収するために、比較的に高い容量を有していなければならない。このような材料の吸収容量は、本発明に使用するために選定されたポリマーゲル化材料の“ゲル容積”を参照することによって、量を定めることができる。本発明の目的のため、ゲル容積は、所定の吸収ゲル化材料によって吸収された尿の量によって定義され、吸収ゲル化材料のグラム当たりの尿のグラムとして規定される。尿中のゲル容積は、約２０部分の尿で試験された約０．１〜０．２部分の乾燥した吸収ゲル化材料の懸濁液を形成することによって、決定することができる。この懸濁液は、膨潤平衡が得られるように、約１時間静かに攪拌し周囲温度に維持される。上述の米国特許第RE３２，６４９号の試験編に詳細に記載されている方法を使用して、吸収ゲル化材料のグラム当たりの尿のグラム中の吸収ゲル化材料のゲル容積は、懸濁液中の吸収ゲル化材料の重量部分、および、懸濁液の全体容積に対する、形成ヒドロゲルから除外された液体容積の比率から計算される。（吸収ゲル化材料またはヒドロゲル形成ポリマーのグラムは、ゲル容積の計算において、乾燥重量を基礎にして修正される。）本発明に使用される貯蔵層、特におむつ、成人用失禁製品またはトレーニングパンツに使用される貯蔵層は一般に、吸収ゲル化材料のグラム当たり少なくとも２０グラムの尿のゲル容積を有する吸収ゲル化材料を使用している。貯蔵層が木材パルプ繊維のようなセルロース繊維で作られているときには、幾分大きなゲル容積（すなわち、ゲル化剤のグラム当たり約２５〜６０グラムの尿のゲル容積）を有する吸収ゲル化材料を使用するのが望ましい。たとえば、上述の剛化されカールされたセルロース繊維のような、或る種のセルロース繊維から作られた貯蔵層は、幾分小さなゲル容積の吸収ゲル化材料を使用する場合には、液体を吸収する際に一層効果的である。一般に低ゲル容積の吸収ゲル化材料は、（上述の米国特許第４，６５４，０３９号に記載されている方法で剪断係数によって量を定められるような）一般的に大きなゲル強度のヒドルゲルを形成する傾向がある。かくして、親水性繊維が剛化されカールされたセルロース繊維である貯蔵層では、吸収ゲル化材料のグラム当たり約２０〜３５グラムの尿のゲル容積を有する吸収ゲル化材料を使用するのが好ましい。貯蔵層において特に有用な吸収ゲル化材料の別の特徴は、このような吸収ゲル化材料に存する抽出可能なポリマー材料の量に関するものである。抽出可能なポリマーの量は、吸収ゲル化材料のサンプルを抽出平衡に到達するのに必要なかなりの期間（少なくとも１６時間）尿溶液と接触させ、次いで、上層液から形成ヒドロゲルを濾過し、最後に濾液のポリマー含有量を決めることによって、決定することができる。ここで使用した吸収ゲル化材料の抽出可能なポリマー含有量を決定するのに使用した特別の手順は、上述の米国特許第RE３２，６４９号にも記載されている。貯蔵層に特に有用な吸収ゲル化材料は、尿中の平衡抽出分含有量が約１７パーセント以下、好適には吸収ゲル化材料の重量の約１０パーセント以下のものである。本発明の貯蔵層８２では吸収ゲル化材料が良好に機能するけれども、高ゲル強度を有する吸収ゲル化材料が特に有用である。ゲル強度は、吸収ゲル化材料の粒子が変形せず、下部貯蔵層２８の毛細空隙を容認できない程度まで満たし、これにより、構造体の吸収容量と構造体全体の液体分配の両方を妨げるようなものでなければならない。ゲル強度は、粒子が液体を吸収すると、応力を受けて変形または拡散する、吸収ゲル化材料の粒子の傾向を意味する。所定の種類の吸収ゲル化材料について、ゲル容積が増加するにつれて、ゲル強度は徐々に減少する。許容できる大きなゲル容積の吸収ゲル化材料の実現と合致した、ポリマー材料が出来るだけ大きなゲル強度を有する下部貯蔵層８２を利用するのが望ましいことが分かった。（吸収部材および吸収物品に組み込まれる吸収ゲル化材料に関連して）ゲル強度、すなわちゲル変形傾向が、吸収ゲル化材料の剪断係数と直接相関していることが分かった。したがって、十分なゲル強度を有する吸収ゲル化材料のポリマー材料は、吸収ゲル化材料の粒子の剪断係数によってゲル強度を規定することによって、適切に特徴付けることができる。剪断係数は通常、たとえば、応力レオメーターを使用して所定のサンプルに加えられる応力（ａ）とサンプルが示す歪み（ｂ）との比率を決定する方法によって、測定される。この方法で試験された吸収ゲル化材料のサンプルは、尿によってゲル容積まで膨潤される。上述の米国特許第RE３２，６４９号に詳細に記載されている方法を使用して、応力／歪みの比が決定される。次いで、この比から、サンプルの剪断係数（ダイン／cm²）が計算される。本発明で特に有用であることが分かった吸収ゲル化材料は剪断係数が少なくとも約２，０００ダイン／cm² である。より好適には、吸収ゲル化材料は、剪断係数が２，５００〜約９２，０００ダイン／cm²、最も好適には、約５，０００〜約３５，０００ダイン／cm²である。本発明の重要な特徴は、一定の粒度特性を有する、非繊維質の（好適には、非脆性の）粒子の形態での貯蔵層における上述の吸収ゲル化材料の利用である。特に、従前普通に使用されているものよりも大きな粒子の形態で本発明の特別の貯蔵層に吸収ゲル化材料を組み込むことによって、吸収部材内での吸収能力、取得および分配における予期しない改良を実現できることが分かった。一般的に、この比較的大きな寸法の吸収ゲル化材料の粒子の提供は、微細な粒子を除去し減少させ、および/又は繊維材料と共に貯蔵層に導入される大きな粒子を作り出す、１つ以上の製造技術の使用を必要としている。吸収ゲル化材料の粒径の上限も提供することができる。何故ならば、大きすぎるゲル化剤粒子が、消費者の審美的な観点から好まれないからである。特に、本発明による貯蔵層は好適には、所定のメジアン粒度およびこのメジアン粒度から逸脱した一定粒度の吸収ゲル化材料粒子を有している。本発明の目的のため、粒度は、篩粒度分析によって決定される粒子の寸法として定義される。さらに、本発明の目的のため、吸収ゲル化材料粒子の所定のサンプルのメジアン粒度は、サンプルを質量を基準として半分に分割する粒度として定義される。篩粒度分析およびメジアン粒度分析に関する詳細は、上述の米国特許第５，０４７，０２３号に記載されている。本発明の貯蔵層に使用される吸収ゲル化材料粒子は好適には、約４００ミクロン以上か或いは４００ミクロンに等しいメジアン粒度を有している。好適には、粒子のメジアン粒度は、約４２０ミクロン以上か或いは４２０ミクロンに等しい。より好適には、粒子のメジアン粒度は、約５００ミクロン以上か或いは５００ミクロンに等しい。消費者の審美的な観点から非常に大きな粒子が望ましくないので、メジアン粒度は、その範囲が示されるような上限を有しているのが良い。かくして、好適なメジアン粒度は、約４００〜約１６８０ミクロンであり、より好適には、約４００〜約１４１０ミクロンであり、非常に好適には約４００〜約１１９０ミクロンである。好適には、使用した吸収ゲル化材料粒子は又、メジアン粒度から逸脱した一定の最大粒度を有している。特に、吸収ゲル化材料粒子の約１６重量パーセント以下が２００ミクロン以下の粒度を有しており、および／又は、これらの粒子の約１６重量パーセント以下が１６８０ミクロン以上の粒度を有しているのが好ましい。より好適には、吸収ゲル化材料粒子の約１６重量パーセント以下が２１０ミクロン以下の粒度を有しており、および／又は、これらの粒子の約１６重量パーセント以下が１４１０ミクロン以上の粒度を有している。最も好適には、吸収ゲル化材料粒子の約１６重量パーセント以下が約１１９０ミクロン以上の粒度を有している。本発明の特に好適な実施例では、吸収ゲル化材料の粒子は、約８４１ミクロン以上かそれと同等のメジアン粒度を有している。約８４１ミクロン以上かそれと同等のメジアン粒度を有する粒子は、本発明に使用するのに特に好適である。何故ならば、これらの粒子が、平面吸上を高めるため吸収部材内に大きな毛細管を提供し、そして吸収部材により大きな噴出容量を提供するように吸収を緩慢にするからである。好適には、メジアン粒度は、約８４１〜約１６８０ミクロンであり、より好適には、約８４１〜約１４１０ミクロンであり、最も好適には、約８４１〜約１１９０ミクロンである。好適には、吸収ゲル化材料の粒子は又、メジアン粒度から逸脱した一定最大寸法を有している。特に、粒子重量の約０〜約２０パーセントが、約８４１ミクロン以下の粒度を有するのが好適である。より好適には、粒子の約０〜約１０パーセント、最も好適には約０〜約５パーセントが、約８４１ミクロン以下の粒度を有する。上述のメジアン粒度と粒度分布の限度内では、標準的な篩分析によって有用なゲル化剤粒子についての好適な粒度特性を表示することができる。典型的な篩分析では、サンプルすなわち複数のゲル化剤粒子が、減少するスクリーン開口寸法のスクリーンのセットを通して取り除かれ、各スクリーンに留まった及び／又は各スクリーンを通過したサンプルの重量パーセントが決定される。このような篩分析を行うための標準的な方法が、たとえば米国試験材料協会（ＡＳＴＭ）によって確立されている。このような試験の１つは、（Ｗ．Ｓ．テイラー社によって製造された）ロタップ試験篩シェイカーと、Ｕ．Ｓ．篩シリーズまたはテイラー標準篩シリーズによって表される一連のスクリーンを使用する。このような技術を使用した粒度分布の決定は、「ペリーの化学技術者ハンドブック・第６版」（マグローヒル社、１９８４年）の２１頁１３行〜２１頁１９行に詳細に記載さされており、この刊行物を参考文献としてここに例示する。吸収ゲル化材料を調製するのに使用したプロセス技術を制御することによって、吸収ゲル化材料粒子を所要の粒度分布に、或いは所要の粒度分布に近づけるように調整することができる。このことは、しばしば、吸収ゲル化材料が重合化され乾燥され細断され研磨され、および／又は凝集される状態を変化させ監視することを伴う。如何なるプロセスであれ、一旦吸収ゲル化材料粒子が形成されると、上述の粒度条件を外れた吸収ゲル化材料粒子成分を除去するため、スクリーニングのような一層の処理が必要となる。上述の寸法範囲で使用するのに特に適した吸収ゲル化材料粒子は、粒子間の架橋された結合体である。このような結合粒子は、粒子間架橋剤を先駆粒子のポリマー材料と反応させて、結合体を形成する先駆粒子間で架橋結合を形成するのに十分な先駆粒子の物理的関連を維持しつつ、添加される粒子間架橋剤により２つ以上の上述の独立した先駆粒子を一緒に結合することによって形成される。このような結合体、並びにこれらを形成する方法が、１９９２年９月２２日にラーマン等に付与された米国特許第５，１４９，３３４号に詳細に記載されており、この特許を参考文献としてここに例示する。吸収ゲル化材料の重合化−乾燥−細断技術によって調製されるものよりも大きな粒子を調製するための或る好適な技術は、大きな凝集塊を作るために、小さな粒子の凝集を伴う。凝集技術をこのようにして使用して、吸収ゲル化材料粒子のメジアン粒度を高め、粒子を貯蔵層に使用するのに適した凝集形態にすることができる。凝集技術は当該技術分野では周知であり、小径粒子に付加した水分の使用、或いは、バインダー又は他の種類の凝集媒体の使用を伴っても良く、伴わなくとも良い。貯蔵層に使用される吸収ゲル化材料粒子は、凝集形態であるか否かにかかわらず、非脆性のものでなければならない。本発明の目的のため、このような粒子が製造中に遭遇する力に耐え、および／又は、ばらばらになり完全に分離して小さな成分粒子になることなしに使用するのに十分安定である場合には、このような粒子は、非脆性のものである。このことは、粒子が粒度の上述の限度を超える程度までばらばらにされ小さな粒子にならないのに十分な程、粒子が安定していなければならないことを意味する。本発明の下部貯蔵層８２に使用される親水性繊維材料と吸収ゲル化材料粒子の相対的な量は、下部貯蔵層８２の重量パーセントで表すのが最も好都合である。下部貯蔵層８２は好適には、吸収ゲル化材料の下部貯蔵層８２のうち、約２〜約６０重量パーセント、好適には約３０〜約６０重量パーセント、最も好適には約４０重量パーセントを含んでいる。吸収ゲル化材料のこの形体は又、粒子に対する繊維の重量比によって表すこともできる。これらの比は、約４０：６０〜約９８：２であるのが良い。最も大きな粒子の吸収ゲル化材料について、最適の繊維 −粒子重量比は、約４０：６０〜約７０：３０である。コスト・パフォーマンス分析に基づくと、下部貯蔵層８２に使用するのに、約４０：６０が最も好ましい。さらに、吸収ゲル化材料の粒子は、下部貯蔵領域８２の異なる領域および厚さ全体にわたって、種々の重量比に分散されるのが良い。たとえば、吸収ゲル化材料粒子の比較的大きな粒子を、背部分４８または端部領域５２にではなく、下部貯蔵層８２の堆積領域５４にのみ配置するのが良い。しかしながら、上部取得層７２との相互作用のため、下部貯蔵層８２は、実質的に均一な組成および構造を有するのが好ましい。吸収ゲル化材料の比較的大きな粒子が下部貯蔵層８２に維持されるとき、粒子は、堆積領域５４から下部貯蔵層８２の残部への液体の搬送を高めるように下部貯蔵層８２が湿潤される時の開放毛細管構造体を維持するのを助ける。さらに、比較的大きな粒子が小さな粒子よりも塊上でゆっくりと液体を得るので、下部貯蔵層８２の取得速度が高められ、ゲルの閉塞が最少になり堆積領域５４の噴出容量が高められる。かくして、少なくとも堆積領域５４、そして好適には下部貯蔵層８２全体は、親水性繊維材料と吸収ゲル化材料の比較的大きな粒子の均一に分配された混合物を収容する。他の領域または帯域よりも吸収ゲル化材料粒子が集中している領域または帯域に比較的大きな粒子が分配されるかもしれないが、粒子は、下部貯蔵層８２全体にわたって実質的に均一に分散されるのが最も好ましい。たとえば、最低集中箇所が液体を受け入れる貯蔵層の表面またはその近くであり（すなわち、頂面）、最高集中箇所が下部貯蔵層の頂面（特に堆積領域）またはその近くである、厚さ方向に沿った集中勾配であるのが良い。上部取得層７２は、取得帯域５６と、取得帯域５６の少なくとも一部と液体連通する分配帯域５８とを備えている。取得帯域５６は、堆積領域５４の少なくとも一部の上に位置しており、第１図〜第５図において二重点線の前方のクロスハッチングによって示されている。分配帯域５８は一般に、上部取得帯域７２の残部を備えている。取得帯域５６と分配帯域５８との間の毛管現象の差異は、吸収部材４２全体の全体効率および有効性にとって重要であることが分かった。液体毛管現象が幾つかの方法（例えば、孔径、密度、坪量など）で規定することができるが、構造体の密度と坪量は、本発明の上部取得層７２における液体毛管現象を規定するのに好適なパラメータである。かくして、取得帯域５６は、好適な毛細管力勾配を形成するために、分配帯域５８よりも相対的に小さな平均密度と単位面積当たりの坪量の両方を有しなければならない。かくして、取得帯域５６の平均密度に対する分配帯域５８の平均密度の比率は好適には、約２：１に等しいか或いは大きく、より好適には約２．５：１、最も好適には約３：１である。理論によって拘束されることなしに、分配帯域５８に比較して、取得帯域５６の低毛細管現象、低平均密度、低平均坪量は、下部貯蔵層８２へのより最適な液体取得比と、吸収部材４２全体にわたる比較的大きな液体吸上比の両方を達成するのに意義がある。分配帯域５８が稠密化されるとき、液体吸上比はより速くなる。分配帯域５８が稠密化すると、稠密化された繊維の孔径が小さいことによる大きな毛細管力のため、分配帯域５８全体にわたって（Ｘ−Ｙ方向）液体の吸上が良好になる。分配帯域５８が稠密化すると、さらに、構造体の嵩が減少する（これは、消費者の審美的観点から見ると好ましい。）堆積帯域５４における吸収ゲル化材料の使用に関して、典型的な液体堆積領域に、より多量の吸収ゲル化材料が配置されると、最大のゲル阻止作用が達成され、これにより、液体取得比が減少する。かくして、下部貯蔵層８２全体にわたって高速で液体を分配するための手段を提供することが重要である。下部貯蔵層８２または分配層５８よりも単位面積当たりの平均密度と平均坪量が小さな取得帯域５６は、小さな導入領域または箇所ではなく比較的広い領域を介して液体が下部貯蔵層８２に導入されることを確保することによって、このような手段を提供する。下部貯蔵層８２は組成と構造が実質的に均一であることが好ましいので、上部取得層７２を介してこのよう広い領域に略等しい分配で液体が導入されると、ゲル阻止の影響を最少にしつつ、下部貯蔵層８２の貯蔵容量が最大に利用される。取得帯域５６と分配帯域５８との間の界面における毛細管力勾配は又、吸収部材４２の収容特性を向上させる。取得帯域５６に堆積された液体は、取得帯域５６の作用によって、構造体に迅速に取得される傾向がある。分配帯域５８が取得帯域５６よりも大きな毛細管を有しているので、取得された液体は分配帯域５８に引き込まれ、次いで稠密化された分配帯域５８で達成される良好な吸上速度によって、分配帯域５８の他の部分に排出される。以下の議論は、本発明の重要な特徴である良好な吸上現象を詳細に説明するものである。取得層の低密度領域の繊維は、高密度領域の繊維よりも拘束されていない。架橋結合によって剛化された繊維は、湿潤時に、部分的に捩じられずカールされない。これらの繊維は、湿潤時に剛なままであり、普通の剛化されていない繊維のようには崩壊しない。これは、液体を取得し分配し続ける恒久的な構造体を作り出す。湿潤時に、これらの架橋された繊維を含むウェブは膨張する。取得層の高密度部分の繊維は、取得層の低密度部分の繊維よりも、かなり膨張する。架橋された繊維は湿潤時に部分的に捩じられずカールされず、かかる繊維の非捩じれと非カールにより、液体伝播状態を作り出す。架橋されたセルロース繊維を含むウェブ内でのかかる液体運動のため、構造体は液体を“吸い上げる”。吸上げの程度は、セルロース繊維の架橋に使用される架橋剤の量によって制御することができる。吸上げは又、構造体の架橋繊維に及ぼされる圧縮度により構造体を物理的に変えることによって制御することができる。密度が大きいければ大きい程、低密度におけるよりも繊維がより拘束された形体にあるため、構造体は液体をより多く伝播させることができる。ここでは分配帯域と呼ばれている取得層の高密度の“稠密化”領域では、架橋繊維は、ここで取得帯域と呼ばれている取得層の低密度領域における架橋繊維よりも多くの“ポテンシャルエネルギー”を蓄積している。ここでポテンシャルエネルギーは、捩じられカールされた繊維が、湿潤時に部分的に捩じられずカールされていない形態に解放された乾燥状態にある性質を説明するのに使用される。低密度領域（取得帯域）と高密度領域（分配帯域）は、互いに液体連通状態に置かれており、２つの領域間に形成される密度界面は、境界部にわたる良好な液体伝播のための毛細管力勾配を提供する。取得層の両方の領域は液体を取得し且つ分配することができるが、同じ構造体内の低密度領域と高密度領域の特定の組合せは、貯蔵コアと組み合わせて架橋繊維構造体を利用するため、より有効で効果的な方法を作り出す。高密度領域すなわち分配帯域は、低密度領域すなわち取得帯域から遠去かる方へ液体を迅速に吸引するように機能し、取得層の残部全体にわたって液体を再分配する。この吸上げプロセスは、引き続く液体負荷のため、取得帯域を解放するのに役立ち、比較的広い領域にわたって液体を貯蔵層に導入する拡散効果を提供する。低密度の取得帯域が最終的な密度を有するけれども、分配帯域に液体を通した後は液体は実質的に自由であるので、流入する液体は、事実上穴またはシンクであるかのように、取得帯域に引っ張られ、その結果、吸収部材への液体の迅速な取得が継続される。かかる吸上げ挙動は、吸収物品に組み込まれたときに、吸収部材の良好な動作にとって極めて重要である。かかる物品を装着したとき、常に、吸収部材は、側方から見たとき、幾分Ｕ形の形状をしており、装着者が真っ直ぐ立ったとき、吸収部材の端部は股部領域の上方に上がる。装着者が横になったとき、特に腹ばいになったとき、吸収部材の一端は、液体堆積領域の上方に上げられる。装着者が横向きに横たわったとき、吸収部材の少なくとも約１／２は、液体堆積領域の上方に上げられる。液体は、重力の影響により下方に流れようとするが、この結果しばしば、液体堆積領域の上方の吸収部材の領域は液体を殆ど受け入れず或いは蓄積しないが、堆積領域の下方の領域は限度一杯まで充填される。かくして、吸収物品の如何なる領域を堆積領域の上方に配置しても、重力の作用と格闘し、液体を“上方”に搬送しようとする。本発明による吸収部材は、比較的高濃度の吸収ゲル化材料粒子を有する貯蔵層の上に位置する、好適には剛化され捩じられカールされたセルロース繊維のみから構成される取得層の結合によってこの重要な機能を達成する。取得帯域と分配帯域との間の境界にわたる密度勾配の使用、ならびに、分配帯域の稠密化により、取得層は、装着時に堆積領域よりも高い吸収部材の領域まで、液体を吸い上げることができる。かくして、実質的に貯蔵層全体の貯蔵能力が得られ易く、かくして、吸収物品の性能と効率を全体として著しく向上させる。第５図は、本発明による吸収部材４２と関連した典型的な液体搬送現象を概略的に示している。矢印１００によって示されるように、液体の典型的な排出が取得帯域５６に導入され、液体の流下が取得帯域５６の繊維状材料によって減速される。液体の一部が下部貯蔵層８２に流下するが、かなりの量の液体が、２つの帯域間の密度不連続面すなわち界面を表す二重点線９２を横断して、分配帯域に引かれ、そこで、下部貯蔵層８２の残部に広い領域に分配され導入される。かくして、下部貯蔵層８２の貯蔵能力は有効に利用され、取得帯域５６は解放されて次に流入する液体を取得する。吸収ゲル化材料の粒子の利用のため、下部貯蔵層８２は液体を貯蔵し収容する。これらの粒子は、吸収物品の通常の装着の際に生ずる均一な適度の圧力の下で貯蔵液体を保持する。したがって、上部取得層によって取得され下部貯蔵層によって貯蔵された液体は確実に収容され、周囲の材料に逃げないようにされる。かくして、分配帯域５８よりも低い単位面積当たりの平均密度と平均坪量を有する取得帯域５６を備えた上部取得層７２が、吸収部材４２全体に迅速に液体を取得し分配することによって、漏洩抑制を向上させる。簡単のため、第５図は、取得層および貯蔵層を第１図〜第４図に類似した平らな形体で表しているが、吸収部材内の液体の流れの概略表示は、実際の使用におけるようなＵ形の形状にされた時でさえも、表示されたように動作することが分かっている。さらに、取得帯域５６は、付加的な機構を提供し、これにより、既に濡れている吸収部材４２は、さらに排出された液体を収容し一層容易に取得する。化学的に剛化され、捩じられ、カールされたセルロース繊維の性質は、湿潤時に膨張することである。かくして、上部取得層７２が濡れているとき、化学的に剛化され捩じられカールされたセルロース繊維は、取得帯域５６と分配帯域５８の両方で膨張する。しかしながら、高平均密度、高平均坪量の分配帯域５８には単位容積当たり多数の化学的に剛化され捩じられカールされたセルロース繊維があり、かつ、かかる繊維が分配帯域５８において一層密に圧縮された状態にあるので、分配帯域５８は、取得帯域５６よりも大きな厚さ、膨張する傾向がある。かくして、取得帯域５６が分配帯域５８によって少なくとも部分的に側方に囲まれている場合には、ウェルすなわちホール効果が作り出される。この“ウェル”は、液体がウェルに引かれる傾向があり事実上ゼロ密度取得領域となるので、液体の第２の堆積にとって好都合である。これは、装着者が腹ばいになって眠るような、おむつを一晩中使用する際に特に有利である。何故ならば、排出液体が取得帯域５６に分配され分配帯域５８に吸い上げられる際、重力が排出液体をウェルに引っ張ろうとするからである。かくして、取得帯域５６は、湿った吸収部材にとって付加的な利点を提供する。上部取得帯域７２の形体に応じて、湿分または流れやすい排便の収容と隔離を助けるのに、このウェルすなわちホール効果を利用することができる。第１図〜第５図に示されるように、現在好適な形体では、取得帯域は、取得層を略横断して延び好適には全体として真っ直ぐな線に沿って取得層を分割する密度界面の前方に、上部取得層全体を備えている。分配帯域は、密度界面の後方に、上部取得層全体を備えている。この形体は、搬送液体に及ぼされる前−後駆動力を最大にし、下部貯蔵層の後部分に液体を搬送する際、取得層の吸上げ能力を最大にする。取得層が分配帯域の一部によって囲まれている場合には、液体の一部が、比較的大きな後部分ではなく、下部貯蔵層の縁部に向かって外方へ引っ張られ、その結果、漏洩の可能性が増大し、選択的に稠密化された取得層の最大利用可能吸上能力を完全に利用するのに失敗する。かくして、分配帯域５８は、上部取得層７２の比較的大きな毛細管（高密度および高坪量）の部分となる。分配帯域５８の主要な機能は、分配帯域５８に直接堆積されるか、或いは取得帯域５６と分配帯域５８との間に形成された毛細管力勾配を介して分配帯域５８に移送された排出液体を吸収し、かつ、装着者の運動によって生ずる圧力の下でこのような液体を保持することである。下部貯蔵層８２は好適には、取得帯域５６に関連して比較的高密度と高坪量を有している。下部貯蔵層８２の密度と坪量の値には、吸収ゲル化材料の粒子の重量が含まれており、密度と坪量の値は、下部貯蔵層８２の全体にわたって分散した粒子の量に応じて変動する。かくして、下部貯蔵層は一般に、密度が約０．０６〜０．４g/cm³であり、より好適には、約１５重量パーセントの吸収ゲル化材料粒子を含む下部貯蔵層８２については、約０．０〜９０．２０g/cm³である。このような下部貯蔵層８２の坪量は、約０．０２〜約０．１８６g/cm²であり、好適には、約０．０３８〜約０．１２g/cm²である。約５０重量パーセントの吸収ゲル化材料粒子を含む下部貯蔵層８２については、密度は、坪量が約０．０３４〜約０．３１g/cm²の場合には、約０．１〜０．６８g/cm³である。下部貯蔵層８２の密度は、未包装で折り畳まれておらず切開された新しいおむつで測定した坪量と厚さから測定される。厚さは、１０g/cm²の“軽い”荷重を受けるサンプルを使って、標準ゲージを用いて測定される。坪量は、一定寸法のサンプルを打ち抜き、標準スケールでサンプルを計量することによって測定され、サンプルの重量と面積が坪量を決定する。（密度と坪量の値には、吸収ゲル化材料の粒子の重量が含まれることに留意すべきである。）下部貯蔵層８２は、多数の寸法と形状を取ることができるが、所定寸法の吸収物品について最大容量を提供するため、トップシートとバックシートとの間の領域を実質的に占めるように下部貯蔵層８２を寸法決めし形状を決めるのが好ましい。背部分４８と端部領域５２が貯蔵帯域を含んでいる必要はないが、第２図〜第５図に示されるような下部貯蔵層８２の特に好適な実施例では、下部貯蔵層８２の全体が液体貯蔵に利用される。上述のように、二重層吸収コアの下部貯蔵層８２は、例えば、円形、矩形、台形、長方形、砂時計形状、ドッグボーン形状、楕円形を含む、快適にフィットする所望形状にすることができる。所望ならば、吸収ゲル化材料の粒子が下部貯蔵層から移動するのを最少にするために、ティッシュペーパーや合成ファインポアのような高湿潤強度包囲体ウェブで、下部貯蔵層８２を包囲することができる。このような包囲体の別の目的は、二重層吸収コアの使用時の一体性を良好に増大させることである。このようなウェブは、下部貯蔵層８２に接着させることができる。この接着作業を実施するための適当な手段には、１９８６年３月４日にミネトーラとタッカーに付与された米国特許第４，５７３，９８６号に記載されている接着スプレー法が含まれており、この特許を参考文献としてここに例示する。現在好適な実施例では、第１図〜第５図に示されるように、二重層吸収コアの下部貯蔵層８２の形状は、ハーフドッグボーン形状として記載されているものである。この形状は、装着者に快適にフィットしつつ、貯蔵能力の良好な全体利用を提供する。特に好適な実施例では、スプレーで接着されたティッシュで覆われた下部貯蔵層８２が利用される。下部貯蔵層８２が一般におむつ又は他の吸収物品の形状を構成する通常の場合には、バックシート３８の通常の長さは、下部貯蔵層８２の最長の長さ方向寸法まで接近される。しかしながら、嵩の減少や最少コストが重要となる幾つかの用途では（たとえば、成人用失禁物品）、下部貯蔵層８２は、おむつ又は失禁用構造体の一般形状とはならない。むしろ、装着者の性器領域のみを覆うように配置するのが一般的であり、この場合には、上部取得層７２と略同じ表面積を有している。この場合に、上部取得層７２およびこれと同じ面にある下部貯蔵層８２は物品の前の方へ配置されている。取得帯域５６は、比較的小さな毛細管、したがって、好適には、分配帯域５８よりも小さな平均密度と平均坪量を有している。取得帯域５６は、廃棄される液体を迅速に収集し一時的に保持するのに役立つ。このような液体は一般に噴出状に廃棄されるので、取得帯域５６は、液体接触箇所から吸収部材４２の他の部分に運ぶことによって、液体を迅速に取得し搬送しなければならない。取得帯域５６は好適には、密度が約０．０３〜０．２４g/cm³、より好適には、約０．０５〜０．１５g/cm³である。このような取得帯域５６の坪量は好適には、約０．０１５〜０．１g/cm²、より好適には、０．０１８〜０．０６g/cm²である。取得帯域５６の密度は、未包装で折り畳まれておらず切開された新しいおむつで測定した坪量と厚さから計算される。厚さは、１０g/cm²の“軽い”荷重を受けるサンプルを使って、標準ゲージを用いて測定される。坪量は、一定寸法のサンプルを打ち抜き、標準スケールでサンプルを計量することによって測定され、サンプルの重量と面積が坪量を決定する。上述のように、取得帯域５６の平均密度に対する分配帯域５８の平均密度の比は好適には、約２：１に等しいかこれよりも大きく、より好適には約２．５：１、最も好適には約３：１である。それ故、所定の密度および坪量取得帯域については、分配帯域の所要の密度および坪量は、これらの比によって固定される。たとえば、取得帯域５６の密度が０．０７g/cm³である場合には、３：１の密度比を利用すれば、対応する分配帯域５８の密度は、０．２１g/cm³となる。取得帯域５６がゼロに等しい密度および坪量（すなわち、穴または空隙）を有しているが、このような実施例は、最小密度および坪量を有する取得帯域５６として好まれることはない。トップシート３８を通る液体の搬送は、取得帯域５６の繊維とトップシート３８との初期接触の欠如のため、ゼロ密度および坪量の取得帯域５６を有する吸収部材４２においては減少することが分かった。かくして、液体はトップシート３８にプールし即ち集められる傾向があり、これにより、装着者には湿った感触を与える。かくして、取得帯域５６は、或る最小密度および坪量を有するのが好ましい。取得帯域５６の密度と坪量がその面積および厚さにわたって変動することがあるが、このような実施例も好ましいものではない。取得帯域５６は好適には、その面積および厚さにわたって、実質的に均一な密度と均一な坪量を有する。この密度と坪量は、取得帯域５６と分配帯域５８との間の界面を横断する均一な毛細管力勾配を形成し、これは一様な液体搬送を提供する。取得帯域５６の形状、寸法および配置は、廃棄された液体を迅速に取得する際、吸収部材４２の有効性を決定するのに重要である。本発明によれば、取得帯域５６は、典型的な液体堆積領域に関して、特別な位置関係に配置すべきである。取得帯域５６の一部を下部貯蔵層８２の背部分４８の上に位置決めする際、取得層５６は、取得層５６が典型的な液体堆積領域すなわち堆積領域５４に位置決めされるように、全体として下部貯蔵層８２の前部分５０に配置するのが好ましい。かくして、取得帯域５６は、接触帯域のところで液体を迅速に取得することができるように、液体の廃棄箇所の近くに配置されている。取得帯域５６の全体として前方の配置は、下部貯蔵層８２の長さに沿って特定箇所の前方であると思われる取得帯域５６の頂部表面積の百分率を規定することによって、定められる。取得帯域５６の配置が特定箇所の前方に位置決めされた取得帯域の容積に関して定められる際、取得帯域５６の頂部表面積がより好ましい定義となることが分かっている。何故ならば、頂部表面積が実際に液体取得に利用される初期面積を構成するからである。さらに、上部取得層７２の厚さが好適には均一であり、取得帯域５６が全体として矩形の横断面を有しているので、頂部表面積の定義は、好適な実施例では、容積測定の定義と等しい。かくして、取得帯域５６の配置は、明細書全体を通じて、頂部表面積に関連するものとして言及されている。（すなわち、取得帯域の頂部表面積の百分率は、所定の領域に配置されている。）かくして、本発明によれば、背部分４８および端部領域５２を含む下部貯蔵層８２のいずれかに残部が配置されたとしても、取得帯域５６の少なくとも一部が堆積領域５４の上に配置される。しかしながら、取得帯域５６は好適には、取得帯域５６の頂部表面積が下部貯蔵層８２の前部分５０の上に完全に位置決めされるように、下部貯蔵層８２に対して位置決めされる。より好適には、取得帯域５６は、取得帯域５６の頂部表面積が下部貯蔵層８２の堆積領域５４の上に完全に位置決めされるように、下部貯蔵層８２に対して位置決めされる。一層好適には、取得帯域５６の頂部表面積の少なくとも３０パーセントが、下部貯蔵層８２の前部分の前半部（下部貯蔵層８２全体の略前方１／３）の上に位置決めされる。取得帯域５６の前方配置は、おむつ２０または他の吸収物品の長さに沿って特定箇所の前方であると思われる取得帯域５６の頂部表面積の百分率を規定することによって、定められる。かくして、取得帯域５６は好適には、取得帯域５６の頂部表面積の少なくとも一部がおむつ２０の股部領域２６にあるように、バックシート４０に対して下部貯蔵層８２の上に位置決めされる。より好適には、取得帯域５６は、その頂部表面積がおむつ２０の前方２／３のところに、より好適には前方１／２のところに完全に位置決めされるように、位置決めされる。頂部表面積は又、最も好適には、おむつ２０の股領域２６に完全に位置決めされている。（ここで使用される、おむつ２０または他の吸収物品の“部分”は、おむつ２０の長さを構成するライン上の所定箇所の前方に見られる、折り畳まれていないおむつ２０または吸収物品の頂部表面積に言及することによって定義される。）このような取得帯域５６の位置決めを決定する目的のため、下部貯蔵層８２またはおむつ２０の長さは、細長い構造体の通常の最長の長さ方向寸法として取られる。この通常の最長の寸法は、装着者に付けられるときに、構造体に対して定めることができる。装着時、バックシートの両端は、端が装着者のウエストの回りに円を形成するように、一緒に締められる。かくして、下部貯蔵層８２またはおむつ２０の通常の長さは、装着者のウエスト背部の中央の縁部の箇所から、股部を通って、装着者のウエスト前部の中央の下部貯蔵層８２またはおむつ２０の反対縁部の箇所に至る、下部貯蔵層８２またはおむつ２０を通って延びる線の長さである。取得帯域５６の頂部表面積は、２つの技術のいずれかを使用して見つけられる。第１の最も簡単な方法は、アリスト・グリッド・ランプ・プロダクツ社によって製造されているトランスルミネータモデルのような標準的なライトボックス上に吸収部材４２を配置することである。隣接する分配帯域５８よりも平均密度および坪量が小さいので、取得帯域５６は、より多くの光が取得帯域５６を通過するという事実のため、より明るく輝くように見える。すると、所得帯域５６の頂部表面積を測定するため、取得帯域５６を方眼紙上にマッピングすることができる。別の方法は、取得帯域５６の頂部表面積を決定するため、上部取得層７２の密度輪郭をマッピングすることを含んでいる。上部取得層７２は切断されて、小さな領域を有するサンプルにされる。各サンプルの密度と坪量は、上述の技術を使用して計算される。かくして、取得帯域５６の頂部表面積を測定するため、比較的大きな密度と大きな坪量のサンプルに対して、比較的小さな密度と小さな坪量のサンプルが図示される。取得帯域５６は、たとえば、円形、矩形、三角形、台形、長方形、砂時計の形状、漏斗形状、ドッグボーン形状、フォックス形状、楕円形状を含む、吸収部材４２またはおむつ２０の吸収条件に適合する所望の形状を有する。取得帯域５６の好適な形状は、取得帯域５６と分配帯域５８との間の相対的な毛細管現象の差が十分に利用されるように、これらの帯域の間の界面の長さを増加させるものである。取得帯域５６の現在好適な形状は、ハーフドッグボーン形状と言われるものであり、特に第１図および第４図に示されるように、幅広端が吸収部材の前方に面しており、幅狭端全体が分配帯域５８に隣接している。さらに、分配帯域５８は取得帯域５６を完全に囲むことを必要としておらず（すなわち、取得帯域５６の側方領域の少なくとも一部と液体連通状態にある）、本発明の或る実施例では、分配帯域５８は、２つの帯域間の毛細管の差を完全に利用するように、取得帯域５６を部分的に又は完全に側方に包囲している。取得帯域５６は又、取得帯域５６の一部の領域がその頂部表面積よりも小さいか或いは大きい（すなわち、取得帯域５６が、上部取得層７２の頂面よりも小さいか或いは広い）場合を含む、多数の異なる横断面積および形体を有している。たとえば、取得層５６は、円錐形、台形、Ｔ形または矩形の横断面積を有する。第２図および第３図に示されるように、取得帯域５６は好適には、均一な取得帯域５６を提供するように、矩形の横断面積を有している。取得帯域５６は、隣接する分配帯域５８よりも異なる厚さを有しており、および／又は、上部取得層７２の厚さ全体を貫通していない。しかしながら、第２図および第３図に示されるような好適な実施例では、取得帯域５６は好適には、上部取得層７２の厚さ全体に延びており、隣接する分配帯域５８の厚さと等しい厚さを有している。取得帯域５６は下部貯蔵層８２の上面に沿ったいずれかに横方向に位置決めされており、取得帯域５６は、下部貯蔵層８２の前部分５０または堆積領域５４上に横方向に中心決めされたときに最も効果的に機能する。かくして、取得帯域５６は好適には、下部貯蔵層８２の長さ方向中心線６８の回りに中心決めされる。より詳細には、取得帯域５６は、取得帯域５６のいずれもが耳部領域６０、６２の上に配置されないように、下部貯蔵層８２の前部分５０または堆積領域５４の中央領域６４の上にのみ、横方向に位置決めされる。このような上部取得層７２は好適には、厚み成形吸収部材プレフォームに空気を通し、次いで上部取得層７２を固定ギャップカレンダーロールで圧延して、上部取得層７２の選択的な稠密化を行い且つ密度界面に密度勾配を形成することによって、作られる。厚み成形された上部取得層７２は最初に、分配帯域５８を構成する高坪量の領域と、取得帯域５６を構成する低坪量の領域とを有する。次いで、上部取得層７２は好適には、均一な厚さに圧延される。かくして、単位面積当たりの低平均密度と低平均坪量の取得帯域５６が、高平均密度と高平均坪量の分配帯域５８に対して作り出される。しかしながら、その結果得られる取得層７２の厚さは、均一であることを必要としない。カレンダーロールまたは他の同等の適当な方法を利用して、取得帯域５６と分配帯域５８の異なる最終厚さが得られる。密度界面９２での密度勾配の形成は、上部取得層７２を形成する際に重要な因子とみなされる。均一な厚さのカレンダーリングが現在のところ好ましい。何故ならば、２つの帯域の均一な厚さが、密度界面での２つの帯域の接触面積を最大にする（すなわち、接触面積比が１：１である）からである。同様に、下部貯蔵層８２は好適には、均一な厚さの吸収部材プレフォームに空気を通すことによって形成される。さらに、吸収ゲル化材料の離散粒子は、プレフォームされた下部貯蔵層８２全体にわたって吸収ゲル化材料を均一に分散させるために、プレフォームへの堆積の前に、繊維の空気同伴流に加えられる。かくして、その結果得られる下部貯蔵層８２は好適には、親水性性材料と吸収ゲル化材料の離散粒子との均一な混合物を含んでいる。使用に際して、前ウエスト領域２２が装着者の前に位置するように、背部ウエストバンド領域２４を装着者の背中の下に位置決めし、装着者の脚部の間におむつ２０の残部を引っ張ることによって、装着者におむつ２０が付けられる。次いで、テープタブファスナ４６の端部を、好適にはおむつ２０の外向き領域に固定する。使用時に、比較的低い平均密度と低平均坪量の取得帯域５６をもつ上部取得層７２を有する使い捨ておむつ又は他の吸収物品は、取得帯域５６に迅速に液体を取得し、吸収部材４２の残部のこれらの液体を分配し、そして、分配帯域５８間の優先的な毛細管現象および下部貯蔵層８２の吸収ゲル化材料の比較的大きな粒子により、乾燥させようとする。かくして、このような吸収部材４２は、このような吸収物品の縁部のまわりの漏洩を軽減するのを助ける。上述のように、上部取得層７２の主要な目的は、廃棄された液体を迅速に収集し保持し、かつ、最初の接触から上部取得層７２の他の部分に吸い上げることによって、このような液体を搬送することである。上部取得層７２の主要な機能がトップシート３８を通過する液体を受け入れること、このような液体を上部取得層７２の他の領域、そして下部貯蔵層７２に搬送することであるので、上部取得層７２は好適には、吸収ゲル化材料から完全に解放されている。２つの機能（すなわち、吸い上げと液体貯蔵）が吸収部材の２つの異なる層に割り当てられるので、最良の全体性能を得るように、各性能を最適化することができる。或いは、上部取得層は少量の吸収ゲル化材料を収容することができるが、液体搬送と貯蔵の機能が上部取得層７２と下部貯蔵層８２とにそれぞれ分けられているので、本発明においては、上部取得層７２で液体の貯蔵を行わないのが好ましい。それ故、上部取得層における吸収ゲル化材料の使用は、剛化され捩じられカールされたセルロース繊維の吸上げ挙動を阻止しようとし、液体注入に応答して上部取得層の動作可能性を減少させるので、一般的には好ましくない。上部取得層７２の全体形状および寸法と、下部貯蔵層８２に対する関係は、おむつ２０又は他の吸収物品の有効性を決定する際に、幾分重要となる。上部取得層７２は、折り畳まない形体で、例えば、矩形、楕円形、長方形、非対称形、砂時計形状などの所望形状とすることができる。第１図および第４図に示されるように、上部取得層７２の現在好適な形状は、ハーフドッグボーン形状といわれるものであり、ハーフドッグボーン形状の取得帯域５６を有し、分配帯域５８が全体として矩形の形状となるように吸収物品の背部ウエストバンド領域に向かって後方へ延びている。現在好適な上部取得層７２の全体形状は、現在好適な下部貯蔵層８２の全体形状にそっくりである。本発明の上部取得層７２は、下部取得層８２と同じ大きさを必要としておらず、好適には、下部貯蔵層８２の頂部表面積よりも実質的に小さな頂部表面積を有している。一般に、上部取得層７２の頂部表面積は、下部貯蔵層８２の頂部表面積の約０．７倍〜約１．０倍である。最も好適には、上部取得層７２の頂部表面積は、下部貯蔵層８２の頂部表面積の約０．７５倍である。上部取得層７２の寸法が下部貯蔵層８２の寸法に近似する場合には、貯蔵することができるよりも多くの液体が貯蔵層の縁部に吸い上げられる可能性が増大し、吸収物品の縁部から漏洩する可能性が増大することとなる。これは、上述の剛化され捩じられカールされたセルロース繊維のような、吸い上げ速度の大きな繊維材料を利用するときに、特に当てはまる。第４図に示されるような、側マージン８３、８４の使用は、吸収部材の縁部に吸い上げられる液体のため、漏洩の可能性を減少させるのを助ける。それ故、上部取得層と下部貯蔵層との間の面積差は好適には、少なくとも液体排出領域において、側マージンを作り出す。一方、上部取得層７２が下部貯蔵層よりも小さすぎる場合には、下部貯蔵層の周囲部分は液体を受け入れず、したがって、貯蔵に利用されることはない。下部貯蔵層の頂部表面積の約０．７５倍の頂部表面積を有する上部取得層の使用は、漏洩阻止と貯蔵能力との良好なバランスを提供することが分かっている。組立を容易にするために、上部取得層と下部貯蔵層は略同じ呼称長さを有し、かつ、組立時に全体として整合する端部を有しているのが好ましい。十分な取得能力を提供するために、取得帯域５６の頂部表面積が二重層吸収コアの上部取得層７２の頂部表面積全体よりもかなり少ない。取得帯域５６の頂部表面積（および／又は容量）は好適には、上部取得層７２の頂部表面積（および／又は）の約５０パーセント以下である。より好適には、取得帯域５６の頂部表面積は、上部取得層７２の頂部表面積の約３５パーセント以下であり、最も好適には、上部取得層７２の頂部表面積の約３０パーセントである。分配帯域に対する取得帯域の配置および面積は、例えば、男性または女性、成人または子供、日中使用または夜間使用のような装着者のニーズに合うように、修正される。或る状況の下では、取得帯域および分配帯域の密度を変えることなしに、上部取得層の繊維の孔径を変えることが可能であり又は好ましいが、本発明による上部取得層では、かかる変更は一般的に好ましいものではない。繊維の孔径を変える１つの方法として、取得帯域にはより小さな孔径をもつ硬木フラッフを利用し、分配帯域にはより大きな孔径の軟木フラッフを利用することが考えられる。このような変更が好ましいものではない主な理由は、硬木フラッフは一般に、軟木フラッフよりも長さが短いからである。上述のように、繊維力剛化され捩じられカールされたとき、短い繊維は、繊維が圧縮された時のポテンシャルエネルギーの蓄積が少なく、したがって、液体が繊維と相互作用するとき、膨張しにくく、捩じられにくく、カールされにくい。また、分配帯域の稠密化を使用することなしには、蓄積されたポテンシャルエネルギーの増加は達成されないであろう。蓄積されたポテンシャルエネルギーが少なければ、密度界面での吸い上げも少なく、本発明による吸収部材の取得ポテンシャルは、最大にならない。本発明の特定の実施例を説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、種々の変形および修正をなし得ることは、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内の全ての変形および修正が、添付の請求の範囲に包含されることを意図している。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩＤ０４Ｈ 1/42 2119−3ＢＡ４１Ｂ 13/02 Ｄ (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者ムーア，ダニーレイモンドアメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、チェスター、ラコウタ、スプリングス、ドライブ、7691

Claims

【特許請求の範囲】１．背部分と該背部分と隣接した前部分とを有する多層吸収部材であって、前記前部分が、端部領域と、該端部領域および前記背部分と隣接し、端部領域と背部分との間に位置決めされた堆積領域とを有する吸収部材において、（ａ）親水性繊維材料と吸収ゲル化材料の離散粒子との混合物から成り、第１の頂部表面積を有する少なくとも１つの貯蔵層と、（ｂ）該貯蔵層と液体連通するように位置決めされた少なくとも１つの取得層とを備え、該取得層が、親水性繊維材料の均質な組成物を含み、該均質な組成物が、剛化され捩じられカールされたセルロース繊維を含み、前記取得層が、第１の密度および第１の平均坪量を有し、液体を取得するための取得帯域を含み、該取得帯域が、前記堆積領域内に少なくとも部分的に位置決めされており、前記取得層が更に、密度界面のところで前記取得帯域と液体連通し、液体を分配するための稠密化された分配帯域を含み、前記密度界面が、前記取得層を略横断して延びており、前記分配帯域が、前記第１の平均密度の少なくとも２倍、好適には少なくとも２．５倍、最も好適には３．０倍の第２の平均密度と、前記第１の平均坪量の少なくとも２倍、好適には２．５倍、最も好適には３．０倍の第２の平均坪量とを有しており、前記取得層が、前記第１の頂部表面積の０．７倍〜１．０倍、好適には０．７５倍の第２の頂部表面積を有しており、これにより、前記取得帯域を介して前記取得層に導入された液体が、毛細管作用により、前記密度界面を横切って、前記分配帯域に引かれ、次いで前記貯蔵層に分配される、ことを特徴とする吸収部材。２．前記貯蔵層が、吸収ゲル化材料の前記粒子の３０〜６０重量パーセント、好適には４０重量パーセントを含むことを特徴とする請求の範囲第１項に記載の吸収部材。３．前記取得帯域が、前記第２の頂部表面積の５０パーセント以下、好適には３５パーセント以下、より好適には３０パーセント以下を含んでおり、前記取得層が好適には、均一な全体厚さを有していることを特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載の吸収部材。４．前記取得層が、剛化され捩じられカールされたセルロース繊維の均質な組成物から実質的に構成されていることを特徴とする請求の範囲第１項〜第３項のいずれかに記載の吸収部材。５．吸収ゲル化材料の前記粒子が、４００ミクロン〜１４１０ミクロンのメジアン粒度を有していることを特徴とする請求の範囲第１項〜第４項のいずれかに記載の吸収部材。６．前部ウエストバンド領域と、背部ウエストバンド領域と股部領域とを有する吸収物品において、（ａ）バックシートと、（ｂ）該バックシートに隣接して位置決めされた多層吸収部材とを備え、該吸収部材が、親水性繊維材料と吸収ゲル化材料の離散粒子との混合物から成り、第１の頂部表面積を有する少なくとも１つの貯蔵層と、該貯蔵層と液体連通するように位置決めされた少なくとも１つの取得層とを備え、該取得層が、親水性繊維材料の均質な組成物を含み、該均質な組成物が、剛化され捩じられカールされたセルロース繊維を含み、前記取得層が、液体を取得するための取得帯域を含み、該取得帯域が、前記股部領域に少なくとも部分的に位置決めされるように、吸収物品に対して位置決めされており、前記取得帯域が、第１の密度および第１の平均坪量を有しており、前記取得帯域が、前記堆積領域に位置決めされており、前記取得層が更に、密度界面のところで前記取得帯域と液体連通し、液体を分配するための稠密化された分配帯域を備えており、前記密度界面が、前記取得層を略横断して延びており、前記分配帯域が、前記第１の平均密度の少なくとも２倍、好適には少なくとも２．５倍、最も好適には３．０倍の第２の平均密度と、前記第１の平均坪量の少なくとも２倍、好適には２．５倍、最も好適には３．０倍の第２の平均坪量とを有しており、前記取得層が、前記第１の頂部表面積の０．７倍〜１．０倍、好適には０．７５倍の第２の頂部表面積を有しており、これにより、前記取得帯域を介して前記取得層に導入された液体が、毛細管作用により、前記密度界面を横切って、前記分配帯域に引かれ、次いで前記貯蔵層に分配される、ことを特徴とする吸収物品。７．前記吸収物品が更に、前記バックシートと関連したトップシートを備えており、前記吸収部材が前記トップシートと前記バックシートとの間に位置決めされている、ことを特徴とする請求の範囲第６項に記載の吸収物品。８．前記貯蔵層が、吸収ゲル化材料の前記粒子の３０〜６０重量パーセント、好適には４０重量パーセントを含むことを特徴とする請求の範囲第６項または第７項に記載の吸収物品。９．前記取得帯域が、前記第２の頂部表面積の５０パーセント以下、好適には３５パーセント以下、より好適には３０パーセント以下を含んでおり、前記取得層が好適には、均一な全体厚さを有していることを特徴とする請求の範囲第６項〜第８項のいずれかに記載の吸収物品。１０．吸収ゲル化材料の前記粒子が、４００ミクロン〜１４１０ミクロンのメジアン粒度を有していることを特徴とする請求の範囲第６項〜第９項のいずれかに記載の吸収部材。