JP2017131279A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
Description
本明細書の説明において、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の装着時及び装着後の少なくとも一方をいう。吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、身体側表面とは、吸収体23等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、衣類側表面とは、吸収体23等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。体液とは、尿、血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。さらに、吸収性物品1の用途は、特に限定されるものではなく、一般には、幼児又は成人用を問わず、テープ止めタイプの使い捨ておむつ、パンツタイプの使い捨ておむつ、尿取りパッド、軽失禁パッド、生理用品等であってもよいが、本発明は、パンツタイプの使い捨ておむつと併用される尿取りパッドに好適に適用される。本発明の吸収性物品1は、長手方向の長さが300mm以上600mm以下、幅方向の長さが100mm以上200mm以下である吸収性物品に、特に好適に適用することができる。
トップシート21は、体液が吸収体へと移動するような液透過性を備えた基材から形成すればよく、例えば、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシート21には、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート21には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。さらに、強度及び加工性の点から、トップシート21の坪量は、18g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。トップシート21の形状としては特に制限はないが、漏れがないように体液を吸収体23へと誘導するために必要とされる、吸収体23を覆う形状であればよい。
バックシート22は、吸収体23が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成すればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
吸収体23は、基材としての吸収性繊維と、高吸収性ポリマー(SAP)と、を含有することが好ましい。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体23の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、100g/m2以上800g/m2以下の坪量とすることが好ましい。
本発明の吸収性物品1において、吸収体23は、長手方向に沿って延びる直線状の複数の凸型立体形状部231を有している。この凸型立体形状部231は、吸収体23の幅方向両端部のそれぞれに、少なくとも1本ずつ配置されて、少なくとも1対の防漏壁を形成している。凸型立体形状部231は、具体的には、図1及び3に示すように、吸収体23の長手方向に沿って、4本の凸型立体形状部231を平行に配置してもよいし、図5に示すように、吸収体23の長手方向に沿って、4本の凸型立体形状部231を平行に配置し、さらに、これらの凸型立体形状部231と直交する方向に延びる凸型立体形状部231を、吸収体23の長手方向両端部に設けてもよい。幅方向に延びる凸型立体形状部231を設けることにより、体液の背漏れ及び腹漏れが防止される。なお、凸型立体形状部231の本数は、4本に限定されず、凸型立体形状部231の寸法に関する所定の要件を充足する範囲内で、これよりも少なくてもよく、これよりも多くてもよい。このような凸型立体形状部231を有していることにより、体液の縦方向の拡散性が改善されて体液の吸収速度が向上し、漏れ等も効果的に防止することができるとともに、液戻り性も改善することができる。
吸収性物品1の製造方法は、周知の方法を採用することができ、例えば、(A)吸収性繊維を高吸収性ポリマーとともに積繊して吸収体マットを作成し、吸収体23を形成する工程、(B)トップシート21と立体ギャザー24をホットメルト系接着剤で固定・一体化する工程、(C)トップシート21、立体ギャザー24、及びバックシート22の内側にホットメルト系接着剤を塗工する工程、(D)集合ドラムにおいて、吸収体23の上部にトップシート21を、吸収体23の下部にバックシート22を配置し、各構成部材を固定・一体化する工程、(E)吸収性物品1の半製品をカッター装置により製品寸法でカットし、個々の吸収性物品1を切り離す工程、を有する製造方法等を挙げることができる。そして、本発明において吸収性物品1の吸収体23を成形する際には、吸収体23のトップシート21側に、所定の凸型立体形状部231を形成すればよい。
(吸収体の作製)
パルプシートを粉砕して解繊したフラッフパルプ20gと、高吸収性ポリマー6gとをともに積繊した吸収体マットを準備し、長さ400mm、幅120mmにカットし、トップシート側に、表1に示すような凸型立体形状部を形成した吸収体を用意した。この吸収体を用いて、長さ450mm、幅160mmの尿取りパッドを作製し、実施例1のサンプルとした。なお、トップシートとしては、エアスルー不織布(坪量22g/m2)を用い、バックシートとしては、通気性ポリエチレンフィルム(坪量35g/m2)を用いると共に、トップシート、バックシート、吸収体を一体化する際に、ホットメルト接着剤を用いてトップシートと吸収体上面とを接合した。得られた尿取りパッドの吸収速度、液戻り量、液拡散長を以下に従って測定・評価すると共に、モニターテストの官能評価により、横漏れし難さ、背漏れ及び腹漏れし難さ、股下部のフィット性を評価した。得られた結果を表1に示す。
外径80mmの円柱の中央に内径30mmの穴が開いており、重さ2kgとした測定冶具を、トップシートを上に向けた状態で、尿取りパッドの長手方向、かつ幅方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水150mlを投下し、生理食塩水が尿取りパッドに接触した時点から、測定治具中央円内の円周に生理食塩水が完全に吸い込まれるまでを終点として時間を計測し、吸収速度とした。
吸収性物品の中央に生理食塩水300mlを注入し、10分経過後に、予め重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製No.2ろ紙、直径55mm)を注入部の中心に置き、ろ紙の上に687gの錘を載せた(圧力;35gf/cm2)。錘を載せてから1分経過後に、ろ紙の重量を測り、試験前後のろ紙の重量差(g)を液戻り量とした。液戻り量は、N=10サンプルについて行ったものの平均値とした。液戻り量が少ないほど吸収性能に優れる。
吸収性物品を、トップシートを上に向けた状態で生理食塩水300mLlを注水し、10分後にトップシート上の液が到達した部位の最大幅と最大長さを測定した。
20名のパネラーにより、吸収性物品の着用時の横漏れについて、「横漏れがある」または「横漏れがない」の選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。
◎:「横漏れがない」が16人以上20人以下のとき
○:「横漏れがない」が11人以上15人以下のとき
△:「横漏れがない」が6人以上10人以下のとき
×:「横漏れがない」がいないか、1人以上5人以下のとき
20名のパネラーにより、吸収性物品の着用時の背漏れ・腹漏れについて、「背漏れ、腹漏れがある」または「背漏れ、腹漏れがない」の選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。
◎:「背漏れ、腹漏れがない」が16人以上20人以下のとき
○:「背漏れ、腹漏れがない」が11人以上15人以下のとき
△:「背漏れ、腹漏れがない」が6人以上10人以下のとき
×:「背漏れ、腹漏れがない」がいないか、1人以上5人以下のとき
20名のパネラーにより、吸収性物品の着用時のフィット性について、「フィット性がよい」、「どちらでもない」、「フィット性がわるい」の何れか選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。
◎:「フィット性がよい」が16人以上20人以下のとき
○:「フィット性がよい」が11人以上15人以下のとき
△:「フィット性がよい」が6人以上10人以下のとき
×:「フィット性がよい」がいないか、1人以上5人以下のとき
吸収体とトップシートを接合するにあたり、凸型立体形状部の頂面及び吸収体の幅方向両端部とトップシートとをホットメルト接着剤で接合して吸収体の溝部を接合せず(実施例2)、さらに、凸型立体形状部の配置を変更し(実施例3)、又は凸型立体形状部を形成しなかった(比較例1)点以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を作成し、実施例1と同一の試験・評価を行った。なお、実施例2及び3の吸収性物品の平面図及び断面図を図3から6に示した。
21 トップシート
22 バックシート
23 吸収体
231 凸型立体形状部
24 立体ギャザー
24a 立体ギャザー用弾性部材
24b 立体ギャザーシート
Y 長手方向
X 幅方向
Claims (6)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体とを有する吸収性物品であって、
前記吸収体は、長手方向に沿って延びる直線状の複数の凸型立体形状部を有し、
前記凸型立体形状部は、吸収体の幅方向両端部のそれぞれに、少なくとも1本ずつ配置されて、防漏壁を形成し、
前記凸型立体形状部は、その幅方向の寸法が3mm以上30mm以下、高さが2mm以上10mm以下であり、長さが、吸収体の長手方向の全長に対して80%以上であり、
前記凸型立体形状部は、幅方向に隣り合う凸部同士が10mm以上離間して配置されている、吸収性物品。 - 前記トップシートが、前記凸型立体形状部の外表面と接触して、前記吸収体の上面とホットメルト接着剤により接合されている、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記トップシートが、前記凸型立体形状部の凸部頂面と接触して、前記凸部頂面とホットメルト接着剤により接合されている、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記凸型立体形状部の左右両端部における最外縁は、立体ギャザーの固定部よりも内側に配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品。
- 長手方向の寸法が300mm以上600mm以下であり、幅方向の寸法が100mm以上200mm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の吸収性物品。
- パンツタイプの紙おむつと併用されるパンツ用尿取りパッドである、請求項1から5のいずれかに記載の吸収性物品。
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