JP2013253039A - 口腔内溶解型フィルム製剤 - Google Patents

口腔内溶解型フィルム製剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2013253039A
JP2013253039A JP2012129676A JP2012129676A JP2013253039A JP 2013253039 A JP2013253039 A JP 2013253039A JP 2012129676 A JP2012129676 A JP 2012129676A JP 2012129676 A JP2012129676 A JP 2012129676A JP 2013253039 A JP2013253039 A JP 2013253039A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
mass
layer
preparation
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012129676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5952646B2 (ja
Inventor
Tsutomu Awamura
努 粟村
Kazuhiko Okaji
和彦 小梶
Kazuyoshi Surideji
一喜 摺出寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyukyu Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kyukyu Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyukyu Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kyukyu Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2012129676A priority Critical patent/JP5952646B2/ja
Publication of JP2013253039A publication Critical patent/JP2013253039A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5952646B2 publication Critical patent/JP5952646B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】崩壊性が良好で、かつ薬物の味がマスキングされた口腔内溶解型フィルム製剤の提供。
【解決手段】薬物が、水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜240μm、薬物の粒子径が5〜100μmである、口腔内溶解型フィルム製剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、崩壊剤を添加しなくても口腔内での崩壊性に優れ、かつ薬物の味がマスキングされた口腔内溶解型フィルム製剤に関する。
経口投与用製剤のうち、フィルム状製剤、特に口腔内溶解型フィルム製剤は、水なしで服用可能、高齢者等の嚥下能力の低下したヒトでも服用可能、携帯性に優れる等の利点があることから、近年、研究開発され、広く使用されるに至っている(特許文献1〜3等)。
特開平11−116469号公報 特開2004−43450号公報 特開2005−263704号公報
口腔内溶解型フィルム製剤は、製剤が薄く、質量が軽いという特徴がある。このため、製剤設計において添加することができる基剤成分の量に制限が生じる傾向にある。従って、錠剤の場合と異なり、製剤の崩壊性を高めたり、制御するための崩壊剤の添加や、薬物の苦味を抑えるための矯味剤や甘味剤の添加においてもその配合量に自ずと制限が生じてしまうという問題がある。すなわち、薬物が苦味等を有する場合には、その味をマスキングするために矯味剤や甘味剤を多量に添加すると、崩壊性が低下したり、フィルム製剤の形状とならなくなってしまうという問題があった。
従って、本発明の課題は、崩壊性が良好で、かつ薬物の味がマスキングされた口腔内溶解型フィルム製剤を提供することにある。
そこで本発明者は、フィルム製剤全体の量や厚さを大きく変化させることなく、崩壊性と薬物の味のマスキングの両立を図るべく種々検討したところ、意外にも、薬物を粉体の状態で薬物層中に分散させ、かつ製剤の厚さと薬物の粒子径とをコントロールすることによって崩壊速度がコントロールでき、かつ薬物の味をマスキングできることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔4〕を提供するものである。
〔1〕薬物が、水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜240μm、薬物の粒子径が5〜100μmである、口腔内溶解型フィルム製剤。
〔2〕製剤の厚さと薬物の粒子径の比が45:1〜1.3:1である〔1〕記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
〔3〕製剤中の薬物の含有量が1〜50質量%である〔1〕又は〔2〕記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
〔4〕製剤の最外層にコーティング層を有する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
本発明の口腔内溶解型フィルム製剤においては、薬物が水溶性高分子含有層中に粉体分散していることにより、薬物自体が崩壊剤としての機能を有している。
薬物自体に崩壊剤としての機能を持たせたこと、及び薬物の粒子径を一定の大きさ以上にすることによって、崩壊剤、嬌味剤及び甘味料等の添加量を無くすか、少なくすることができたので、製剤中に添加できる薬物の割合を高くすることができた。また、本発明は製造時に特別な前処理工程を必要としないので、特別な装置を必要とせず、製造管理上も簡便である。
本発明の口腔内溶解型フィルム製剤は、薬物が水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜240μm、薬物の粒子径が5〜100μmである。
本発明に使用される薬物としては、下記のような薬物が挙げられる。解熱鎮痛消炎剤としてアセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン、エトドラク、エピリゾール、ケトプロフェン、ジクロフェナックナトリウム、ピロキシカム、フルフェナム酸等が挙げられ;ステロイド系抗炎症剤としてプレドニゾロン等が挙げられ;抗潰瘍剤としてエカベトナトリウム、シメチジン、ニザチジン、ラニチジン塩酸塩、ラフチジン、レバミピド、ロキサチジンアセタート塩酸塩等が挙げられ;冠血管拡張剤としてジピリダモール、ジルチアゼム塩酸塩等が挙げられ;末梢血管拡張剤としてヒドララジン塩酸塩、ニセリトロール等が挙げられる。また抗生物質としてアジスロマイシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、クロラムフェニコール、バカンピシリン塩酸塩等が挙げられ;合成抗菌剤としてエノキサシン等が挙げられ;抗ウイルス剤としてアシクロビル等が挙げられる。
また、鎮けい剤として臭化プロパンテリン、スコポラミン臭化水素酸、メチル硫酸N−メチルスコポラミン等が挙げられ;鎮咳剤としてジメモルファンリン酸塩、臭化水素酸デキストロメトルファン、メチルエフェドリン塩酸塩等が挙げられ;去たん剤としてエチルシステイン塩酸塩、ブロムヘキシン塩酸塩等が挙げられ;気管支拡張剤としてアミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン等が挙げられる。
また強心剤としてカフェイン、ドカルパミン等が挙げられ;利尿剤としてアセタゾラミド、アゾセミド、イソソルビド、ヒドロクロロチアジド等が挙げられる。
また筋弛緩剤としてプリジノールメシル酸塩、メトカルバモール等が挙げられ;脳代謝改善剤としてホパンテン酸カルシウム、メクロフェノキセート塩酸塩等が挙げられる。マイナートランキライザーとしてクロルジアゼポキシド、ジアゼパム等が挙げられ;メジャートランキライザーとしてクロルプロマジン等が挙げられる。
また、β−ブロッカーとしてアルプレノロール塩酸塩、プロプラノロール塩酸塩等が挙げられる。抗不整脈剤としてキニジン硫酸塩等が挙げられる。痛風治療剤としてブコローム、プロベネシド等が挙げられる。
また、血液凝固阻止剤としてチクロピジン塩酸塩等が挙げられる。偏頭痛剤としてエルゴタミン酒石酸塩、無水カフェイン等が挙げられ;抗てんかん剤としてカルバマゼピン、トピラマート、バルプロ酸ナトリウム、ラモトリギン等が挙げられる。抗アレルギー剤としてエピナスチン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ジフェンヒドラミン、セチリジン塩酸塩、ベポタスチンベシル酸塩、メキタジン、ロラタジン等が挙げられる。鎮吐剤としてトリメブチンマレイン酸、ベタヒスチンメシル酸、モサプリドクエン酸塩等が挙げられる。降圧剤としてアテノロール、アムロジピンベシル酸塩、アラセプリル、インダパミド等が挙げられる。高脂血症用剤としてシンバスタチン、プラバスタチンナトリウム等が挙げられる。
交感神経興奮剤としてエチレフリン塩酸塩等が挙げられる。アルツハイマー痴呆治療剤としてドネペジル塩酸塩等が挙げられる。抗腫瘍剤としてカペシタビン、テガフール等が挙げられる。アルカロイド系麻薬としてコデイン等が挙げられる。ビタミン剤としてアスコルビン酸カルシウム、チアミン硝酸塩、ニコチン酸アミド、ピリドキシン塩酸塩、フルスルチアミン塩酸塩、リボフラビン等が挙げられる。頻尿治療剤としてソリフェナシンコハク酸塩、フラボキサート塩酸塩、プロピベリン塩酸塩等が挙げられる。アンジオテンシン変換酵素阻害剤としてアラセプリル等が挙げられる。勃起不全治療剤としてアバナフィル、シルデナフィルクエン酸塩、タダラフィル、バルデナフィル塩酸塩等が挙げられる。維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤としてシナカルセト塩酸塩等が挙げられる。不眠症治療薬としてゾルピデム酒石酸塩等が挙げられる。抗プラスミン剤としてトラネキサム酸等が挙げられる。切迫流・早産治療薬としてリトドリン塩酸塩等が挙げられる。利胆剤としてウルソデオキシコール酸等が挙げられる。抗うつ剤としてパロキセチン塩酸塩等が挙げられる。糖尿病治療剤としてピオグリタゾン塩酸塩、ミチグリニドカルシウム等が挙げられる。統合失調症治療薬としてリスペリドン等が挙げられる。
このうち、ドネペジル及びその塩、ゾルピデム及びその塩、オロパタジン及びその塩、ロラタジン、ケトチフェン及びその塩がより好ましく、ドネペジル塩酸塩、ゾルピデム酒石酸塩、オロパタジン塩酸塩、ロラタジン、ケトチフェンフマル酸塩がさらに好ましい。
これらの薬物の製剤中の含有量は、当該薬物の一回投与量として認められた量の範囲内であればよく、通常一回投与量として0.001mg〜50mg程度が好ましい。
また、これらの薬物の薬物層中の含有量は、崩壊性、味のマスキング効果、製剤の取り扱い性、服用感等の点から、1〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましい。
さらに、これらの薬物の製剤中の含有量は、崩壊性、味のマスキング効果、製剤の取り扱い性、服用感の点から、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、6〜30質量%がさらに好ましい。
本発明のフィルム製剤においては、これらの薬物は水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体の状態で分散しており、当該薬物の粒子径は5〜100μmである。本発明においては、薬物が薬物層中にこの粒子径の粉体状態で分散していることにより、優れた崩壊性が得られる。薬物の粒子径が100μmを超えると薬物層分散液の展延時に、薬物の粉体が塗工コーターに引っかかり、いわゆる線引きが発生し、均一で綺麗な薬物層を得ることができない。また、薬物の粒子径が100μmを超えると、薬物層に10μm以上の凹凸ができ、薬物層同士を上手く貼り合わせることができないことがある。また、薬物層上にコーティング層溶液を展延して乾燥し、コーティング層を形成するときに、綺麗に形成できなくなる恐れがある。一方、薬物の粒子径が5μmより小さいと薬物粉体の口腔内での溶解が速くなり、薬物の不快味を感じる。また、製剤を服用したときに、口腔内で唾液が製剤に染み込みにくくなり崩壊性が低下する。
好ましい薬物の粒子径は10〜100μmであり、より好ましくは10〜80μmであり、さらに好ましくは10〜60μmである。
ここで、薬物の粒子径は、例えば回折式の粒度分布測定装置(例えば、(株)島津製作所製SALDシリーズ、日機装(株)製マイクロトラックシリーズ)により測定することができる。測定条件(分散方式、分散溶媒等)は薬物の物理化学的特性を考慮した適正な方法であれば、特に問わない。
本発明における薬物粒子径は、薬物粒子の小さいほうから積算して90%に当たる粒子径(D90)を用いる。
本発明の口腔内溶解型フィルム製剤は、前記薬物層のみからなる単層製剤であっても良いが、通常薬物層の両側(最外層)にコーティング層を有する3層のフィルム製剤であるのが好ましい。尚、薬物層とコーティング層の間に、製剤に他の機能を付与するための層が挿入されていても良い。
本発明のフィルム製剤においては、製剤の厚さが50〜240μmであることが、崩壊性と味のマスキング効果を得るうえで重要である。製剤の厚さが240μmを超えると、口腔内での溶解又は崩壊が遅くなったり、製剤が崩壊した後も口腔内にいわゆる粘つき感が残る等服用感を悪くする。一方、厚さが50μm未満だと、取り扱い性が悪くなったり、必要量の薬物を含有させることが困難となる。好ましい製剤の厚さは50〜200μmであり、さらに好ましくは50〜180μmである。
本発明のフィルム製剤は、前記のように、薬物層の片面及び/又は両面には必要に応じて最外部にコーティング層を設けたり、薬物層とコーティング層の間に他の機能を有する層を設けることができる。これらの層は、薬物が潮解性や吸湿性を有する場合、薬物が酸素や水分と触れたときに安定性が悪くなる場合等に有効である。
従って、本発明における製剤の厚さは、薬物層及びコーティング層等を含む合計の厚さである。また、薬物層とコーティング層の間に他の機能を有する層を設けた場合は、これら層の厚みも含める。なお、コーティング層の両面合計の厚さは10〜40μmが好ましい。また薬物層の厚さは40〜230μmが好ましく、40〜190μmがより好ましく、40〜170μmがさらに好ましい。
本発明のフィルム製剤においては、製剤の厚さと薬物の粒子径の比は崩壊性と味のマスキング効果の点から、45:1〜1.3:1が好ましく、30:1〜1.4:1がより好ましく、30:1〜1.5:1がさらに好ましく、30:1〜1.8:1がさらに好ましく、20:1〜1.8:1がさらに好ましい。
本発明の薬物層に用いられる水溶性高分子としては、可食性の水溶性高分子であればよく、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、別名:ヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム(CMC−Na、別名:カルメロース・ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース・カルシウム(CMC−Ca、別名:カルメロース・カルシウム)、カルボキシメチルセルロース・カリウム(CMC−K、別名:カルメロース・カリウム)、カルボキシメチルセルロース(CMC、別名:カルメロース)、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP、別名:ポビドン)、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール(PVA)、プルラン、α化デンプン、キサンタンガム等が挙げられる。これらは、単独で又は組み合わせて使用することができる。中でも、口腔内におけるフィルム製剤の崩壊性の観点から、特にHPC、HPMCが好適である。なお、HPC及びHPMCの粘度は特に限定されるものではないが、例えば、HPCの場合、20℃における2%水溶液の動粘度が2.0〜10mPa・s、特に3.0〜10mPa・sであるものが好ましく、HPMCの場合、20℃における2%水溶液の動粘度が3.0〜10mPa・s、特に3.0〜6mPa・sであるものが好ましい。かかる動粘度は、第16改正日本薬局方に記載の試験方法に基づく値である。
薬物層中の水溶性高分子の含有量は、崩壊性の点から、10〜98質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜80質量%がさらに好ましい。
本発明フィルム製剤の薬物層には、前記成分以外に糖類、可塑剤、甘味料、矯味剤、着色剤、pH調整剤、界面活性剤、安定化剤、香料の他、水、エタノール等の溶媒が含まれていてもよい。糖類としては、マルトース、還元麦芽糖水アメ、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられる。可塑剤としては、ポリエチレングリコール(別名:マクロゴール)、グリセリン、ソルビトール、クエン酸トリエチル等が挙げられる。甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスムファムカリウム、スクラロース、グリチルリチン酸二カリウム等が挙げられる。矯味剤としては、l−メントール等が挙げられる。着色剤としては、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、食用色素等が挙げられる。その他、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。安定化剤としては、塩化カルシウム等が挙げられる。
コーティング層は、通常のフィルム製剤のコーティング層であればよく、水溶性高分子、糖類、可塑剤、甘味料、矯味剤、着色剤、香料の他、水、エタノール等の溶媒が含まれていてもよい。ここで用いられる水溶性高分子、糖類、可塑剤、甘味料、矯味剤及び着色剤としては、前記薬物層の成分として列挙したものが挙げられる。コーティング層の20〜98質量%、さらに30〜90質量%、特に40〜90質量%は水溶性高分子であるのが好ましい。
本発明のフィルム製剤の大きさは、服用しやすいものであれば特に限定されるものではないが、例えば、1〜7cm2程度の大きさにすることが好ましい。また、その形状も服用しやすいものであれば特に限定されるものではないが、例えば、円形、楕円形、方形等を適宜選択することが可能である。
本発明のフィルム製剤は、迅速に溶解又は崩壊することが可能であり、かつ水への溶解性に優れるものである。例えば、口腔内における溶解又は崩壊時間は1分以内、特に30秒以内であることが好ましく、また水に対する溶解時間は3分以内、特に1分以内であることが好ましい。
また、本発明のフィルム製剤は、複数個の製剤が行列状に配置され、該製剤の形状を画定する切断線が設けられたシート状の形態とすることも可能であり、その一方面には樹脂フィルムが設けられていてもよい。このような製剤は、患者が1つの製剤を切断線に沿って分離しながら樹脂フィルムから剥離し服用することが可能である。かかる樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリイミド、ポリプロピレン、セルローストリアセテート、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、トリアセテート、フッ素樹脂(ETFE、PFA、FEP)等の樹脂からなるフィルムから適宜選択して使用することができる。中でも、特にPETが好ましい。
本発明の口腔内溶解型フィルム製剤の単層製剤は、薬物層分散液を剥離フィルム上に展延して乾燥し得られた薬物層を所定の大きさに切断することができる。また、薬物層の両側にコーティング層を有するフィルム製剤は、コーティング層を形成し、その上に薬物層を形成させ、次いでこの2層を、薬物層を内側にして貼り合わせて積層することにより製造することができる。即ち、コーティング層の形成は、コーティング層溶液を調製し、剥離フィルム上に展延して乾燥すればよい。次に、薬物層の形成は、薬物層分散液をコーティング層上に展延して乾燥すればよい。得られた薬物層とコーティング層の積層体は、薬物層同士が対向するようにラミネート機で熱圧着させれば、薬物層の両側にコーティング層を有するフィルム製剤が製造できる。この製造方法により得られたフィルム製剤の同一組成の薬物層同士を貼り合わせて積層した薬物層は、1層とする。
また、前述の薬物層とコーティング層の積層体の薬物層上に、コーティング層溶液を展延して乾燥しコーティング層を形成する方法でも、製造できる。尚、本発明のフィルム製剤の製造方法は、これら製造方法に限定されるものではない。
薬物層分散液は、前記薬物層に必要な成分を水及び/又はエタノールを含有する溶媒に分散することにより得ることができる。コーティング層溶液も、薬物層分散液と同様に調製でき、コーティング層の形成手段も薬物層と同様である。溶媒は水、エタノール及び水−エタノール溶液等を用いることができる。尚、溶媒量は、薬物及び使用する添加物により適宜増減できる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
試験例1
[実施例1]
エタノール25質量部に、ドネペジル塩酸塩5質量部、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL、日本曹達(株))9.3質量部、スクラロース1質量部、l−メントール0.16質量部、マクロゴール400 1.50質量部を加えて攪拌混合し、薬物層分散液を得た。
また、精製水/エタノール(15質量部/15質量部)混合溶媒に、ヒプロメロース(信越化学工業(株))6質量部、スクラロース0.1質量部、酸化チタン2質量部を加えて攪拌混合し、コーティング層溶液を得た。
先ず、ポリエステル製剥離フィルム上にコーティング層溶液を展延し乾燥してコーティング層を形成した後、該コーティング層上に薬物層分散液を展延し乾燥して薬物層を積層させ、2層構造体を得た。
この2層構造体を2式作製し、2つの2層構造体の薬物層同士が対向するようにラミネート機で熱圧着させ、コーティング層/薬物層/コーティング層の3層構造体を得た。この3層構造体を14mm×20mmに切断し、フィルム製剤を得た。なお、薬物は薬物層中に粉体で分散していることは、肉眼で確認できる。
[実施例2〜3及び比較例1〜2]
表2記載の成分を用いて実施例1と同様にして、フィルム製剤を得た。
[実施例4]
エタノール25質量部に、ゾルピデム酒石酸塩5質量部、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL、日本曹達(株))8質量部、ポビドン1質量部、水酸化ナトリウム0.515質量部、l−メントール0.05質量部、マクロゴール400 0.75質量部を加えて攪拌混合し、薬物層分散液を得た。
また、精製水/エタノール(15質量部/15質量部)混合溶媒に、ヒプロメロース(信越化学工業(株))8.5質量部、トレハロース1質量部、スクラロース0.5質量部、サッカリンナトリウム0.25質量部、酸化チタン1質量部を加えて攪拌混合し、コーティング層溶液を得た。
先ず、ポリエステル製剥離フィルム上にコーティング層溶液を展延し乾燥してコーティング層を形成した後、該コーティング層上に薬物層分散液を展延し乾燥して薬物層を積層させ、2層構造体を得た。
この2層構造体を2式作製し、2つの2層構造体の薬物層同士が対向するようにラミネート機で熱圧着させ、コーティング層/薬物層/コーティング層の3層構造体を得た。この3層構造体を14mm×20mmに切断し、フィルム製剤を得た。なお、薬物は薬物層中に粉体で分散していることは、肉眼で確認できる。
[比較例3]
表3記載の成分を用いて実施例4と同様にして、フィルム製剤を得た。
[実施例5]
エタノール25質量部に、オロパタジン塩酸塩2.5質量部、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL、日本曹達(株))15質量部、スクラロース1質量部、l−メントール0.3質量部、マクロゴール400 1.5質量部、塩化カルシウム1質量部を加えて攪拌混合し、薬物層分散液を得た。
また、精製水/エタノール(5.4質量部/12.6質量部)混合溶媒に、ヒプロメロース(信越化学工業(株))3.3質量部、マクロゴール400 0.5質量部、色素0.005質量部を加えて攪拌混合し、コーティング層溶液を得た。
先ず、ポリエステル製剥離フィルム上にコーティング層溶液を展延し乾燥してコーティング層を形成した後、該コーティング層上に薬物層分散液を展延し乾燥して薬物層を積層させ、2層構造体を得た。
この2層構造体を2式作製し、2つの2層構造体の薬物層同士が対向するようにラミネート機で熱圧着させ、コーティング層/薬物層/コーティング層の3層構造体を得た。この3層構造体を14mm×20mmに切断し、フィルム製剤を得た。なお、薬物は薬物層中に粉体で分散していることは、肉眼で確認できる。
[実施例6及び比較例4〜5]
表4記載の成分を用いて実施例5と同様にして、フィルム製剤を得た。
[実施例7]
精製水30質量部に、ロラタジン10質量部、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL、日本曹達(株))10質量部、ポビドン1質量部、粉末還元麦芽糖水アメ1.4質量部、ポリソルベート80 0.2質量部、グリセリン脂肪酸エステル0.002質量部、マクロゴール400 2質量部を加えて攪拌混合し、薬物層分散液を得た。
また、精製水/エタノール(15質量部/15質量部)混合溶媒に、ヒプロメロース(信越化学工業(株))8.5質量部、酸化チタン1質量部、サッカリンナトリウム0.5質量部を加えて攪拌混合し、コーティング層溶液を得た。
先ず、ポリエステル製剥離フィルム上にコーティング層溶液を展延し乾燥してコーティング層を形成した後、該コーティング層上に薬物層分散液を展延し乾燥して薬物層を積層させ、2層構造体を得た。
この2層構造体を2式作製し、2つの2層構造体の薬物層同士が対向するようにラミネート機で熱圧着させ、コーティング層/薬物層/コーティング層の3層構造体を得た。この3層構造体を14mm×20mmに切断し、フィルム製剤を得た。なお、薬物は薬物層中に粉体で分散していることは、肉眼で確認できる。
[実施例8及び比較例6〜7]
表5記載の成分を用いて実施例7と同様にして、フィルム製剤を得た。
[実施例9]
精製水30質量部に、ケトチフェンフマル酸塩1.38質量部、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達(株))7.62質量部、クエン酸トリエチル 1質量部を加えて攪拌混合し、薬物層分散液を得た。
また、精製水/エタノール(12質量部/12質量部)混合溶媒に、ヒプロメロース(信越化学工業(株))5.29質量部、酸化チタン1質量部、スクラロース1.5質量部、トレハロース1質量部、グリチルリチン酸二カリウム0.6質量部、l−メントール0.12質量部、クエン酸トリエチル1.71質量部を加えて攪拌混合し、コーティング層溶液を得た。
先ず、ポリエステル製剥離フィルム上にコーティング層溶液を展延し乾燥してコーティング層を形成した後、該コーティング層上に薬物層分散液を展延し乾燥して薬物層を積層させ、2層構造体を得た。
この2層構造体を2式作製し、2つの2層構造体の薬物層同士が対向するようにラミネート機で熱圧着させ、コーティング層/薬物層/コーティング層の3層構造体を得た。この3層構造体を14mm×20mmに切断し、フィルム製剤を得た。なお、薬物は薬物層中に粉体で分散していることは、肉眼で確認できる。
[実施例10及び比較例8]
表6記載の成分を用いて実施例9と同様にして、フィルム製剤を得た。
得られた実施例1〜10及び比較例1〜8のフィルム製剤を、パネラー3名によりハンドリング(取り扱いやすさ)、溶解時間、服用感(残渣感)及び味を評価した。溶解性は、各フィルム製剤を口中で溶解して表1の基準により評価した。
評価基準を表1に示す。また評価結果(スコアの平均)を表2〜表6に示す。
Figure 2013253039
Figure 2013253039
Figure 2013253039
Figure 2013253039
Figure 2013253039
Figure 2013253039
表2〜表6より、粒子径(D90)が5〜100μmの薬物が薬物層中に分散しており、かつ製剤の厚さが50〜240μmのフィルム製剤は、崩壊性が良好であり、味もマスキングされており、さらにハンドリング及び服用感も良好であった。

Claims (4)

  1. 薬物が、水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜240μm、薬物の粒子径が5〜100μmである、口腔内溶解型フィルム製剤。
  2. 製剤の厚さと薬物の粒子径の比が45:1〜1.3:1である請求項1記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
  3. 製剤中の薬物の含有量が1〜50質量%である請求項1又は2記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
  4. 製剤の最外層にコーティング層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
JP2012129676A 2012-06-07 2012-06-07 口腔内溶解型フィルム製剤 Active JP5952646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012129676A JP5952646B2 (ja) 2012-06-07 2012-06-07 口腔内溶解型フィルム製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012129676A JP5952646B2 (ja) 2012-06-07 2012-06-07 口腔内溶解型フィルム製剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013253039A true JP2013253039A (ja) 2013-12-19
JP5952646B2 JP5952646B2 (ja) 2016-07-13

Family

ID=49950892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012129676A Active JP5952646B2 (ja) 2012-06-07 2012-06-07 口腔内溶解型フィルム製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5952646B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015205851A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 日本合成化学工業株式会社 フィルム状医薬品
JP2017101007A (ja) * 2015-12-04 2017-06-08 株式会社ダイセル 口腔内崩壊性シート状製剤
KR101790666B1 (ko) * 2017-06-27 2017-10-26 (주)조안엠앤에스 애완동물용 구강용해필름
JP2021536466A (ja) * 2018-09-07 2021-12-27 アクエスティブ セラピューティクス インコーポレイテッド 厳密な活性剤溶解プロファイルを有する口腔用フィルム組成物及び剤形
CN115869290A (zh) * 2022-12-07 2023-03-31 杭州成邦医药科技有限公司 一种西替利嗪口腔膜剂及其制备方法
CN115869290B (zh) * 2022-12-07 2024-05-28 杭州成邦医药科技有限公司 一种西替利嗪口腔膜剂及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005342154A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Kyukyu Yakuhin Kogyo Kk 塊状物質含有積層フィルム状の可食性口腔内投与剤の製造方法および塊状物質含有積層フィルム状の可食性口腔内投与剤
JP2011225532A (ja) * 2010-03-30 2011-11-10 Nitto Denko Corp フィルム状製剤及びその製造方法
JP2011530499A (ja) * 2008-08-08 2011-12-22 バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト プロゲスチンを含有する薬物送達システム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005342154A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Kyukyu Yakuhin Kogyo Kk 塊状物質含有積層フィルム状の可食性口腔内投与剤の製造方法および塊状物質含有積層フィルム状の可食性口腔内投与剤
JP2011530499A (ja) * 2008-08-08 2011-12-22 バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト プロゲスチンを含有する薬物送達システム
JP2011225532A (ja) * 2010-03-30 2011-11-10 Nitto Denko Corp フィルム状製剤及びその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015205851A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 日本合成化学工業株式会社 フィルム状医薬品
JP2017101007A (ja) * 2015-12-04 2017-06-08 株式会社ダイセル 口腔内崩壊性シート状製剤
KR101790666B1 (ko) * 2017-06-27 2017-10-26 (주)조안엠앤에스 애완동물용 구강용해필름
WO2019004642A1 (ko) * 2017-06-27 2019-01-03 (주)조안엠앤에스 애완동물용 구강용해필름
JP2021536466A (ja) * 2018-09-07 2021-12-27 アクエスティブ セラピューティクス インコーポレイテッド 厳密な活性剤溶解プロファイルを有する口腔用フィルム組成物及び剤形
CN115869290A (zh) * 2022-12-07 2023-03-31 杭州成邦医药科技有限公司 一种西替利嗪口腔膜剂及其制备方法
CN115869290B (zh) * 2022-12-07 2024-05-28 杭州成邦医药科技有限公司 一种西替利嗪口腔膜剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5952646B2 (ja) 2016-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100890180B1 (ko) 경구투여제 및 경구투여제 유지체
JP5199244B2 (ja) 経口投与剤の製造方法
CN105682639A (zh) 口腔可分散膜
JP4953673B2 (ja) 経口投与剤
WO2011118454A1 (ja) 固形製剤
WO2010110321A1 (ja) 付着防止組成物、固形製剤及びその製造方法
JP2005289867A (ja) 経口投与剤
JP5952646B2 (ja) 口腔内溶解型フィルム製剤
WO2010110322A1 (ja) 固形製剤
EP2550961A1 (en) Solid preparation
JP2010158173A (ja) 可食性フィルム、可食性フィルム用組成物及び可食性フィルム積層体の製造方法
JP4860312B2 (ja) 経口投与剤
Gijare et al. Orodispersible Films: A systematic patent review
JP6023164B2 (ja) 口腔内溶解型フィルム製剤
JP5525678B2 (ja) 経口投与剤
JP2013253038A (ja) 口腔内溶解型フィルム製剤
WO2010110320A1 (ja) 固形製剤
JP5101191B2 (ja) フィルム状製剤およびその製造方法
JP2006160617A (ja) 経口投与剤
JP5497358B2 (ja) 可食性積層フィルムおよびその製造方法
JP4587785B2 (ja) 経口投与剤
JP2010138123A (ja) フェンタニル含有口腔内粘膜貼付製剤
JP2009263297A (ja) 経口固形組成物
JP2014189547A (ja) 嚥下物被覆体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5952646

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250