JP2013253038A - 口腔内溶解型フィルム製剤 - Google Patents
口腔内溶解型フィルム製剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013253038A JP2013253038A JP2012129662A JP2012129662A JP2013253038A JP 2013253038 A JP2013253038 A JP 2013253038A JP 2012129662 A JP2012129662 A JP 2012129662A JP 2012129662 A JP2012129662 A JP 2012129662A JP 2013253038 A JP2013253038 A JP 2013253038A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- preparation
- drug
- compound
- layer
- film preparation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【課題】崩壊性が良好で、かつ薬物の味がマスキングされた口腔内溶解型フィルム製剤の提供。
【解決手段】薬物として7−〔4−(4−ベンゾ〔b〕チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ〕−1H−キノリン−2−オンが、水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜100μm、該薬物の粒子径が5〜60μmである、口腔内溶解型フィルム製剤。
【選択図】なし
【解決手段】薬物として7−〔4−(4−ベンゾ〔b〕チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ〕−1H−キノリン−2−オンが、水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜100μm、該薬物の粒子径が5〜60μmである、口腔内溶解型フィルム製剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、口腔内での崩壊性に優れ、かつ薬物の味がマスキングされた口腔内溶解型フィルム製剤に関する。
7−〔4−(4−ベンゾ〔b〕チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ〕−1H−キノリン−2−オン(以下、化合物1という)は、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用、セロトニン5−HT2A受容体アンタゴニスト作用及びアドレナリンα1受容体アンタゴニスト作用を有し、さらにセロトニン取り込み阻害作用(あるいはセロトニン再取り込み阻害作用)を有し、統合失調症、うつ、双極性障害、認知症などの広範囲の中枢性神経疾患治療薬として有用であることが知られている(特許文献1)。当該化合物1は、経口投与可能であり、錠剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口投与用製剤とすることができることも知られている(特許文献1)。
化合物1の投与対象患者を考慮すると、経口投与が容易で、水なしでも服用可能な剤形が好ましい。経口投与用製剤のうち、フィルム状製剤、特に口腔内溶解型フィルム製剤は、水なしで服用可能、高齢者等の嚥下能力の低下したヒトでも服用可能、携帯性に優れる等の利点があることから、近年、研究開発され、広く使用されるに至っている(特許文献2〜4等)。
そこで化合物1をフィルム製剤とすべく検討したところ、化合物1には苦味があることから、その味をマスキングするために矯味剤や甘味剤を多量に添加すると、それらの添加剤により崩壊性が低下したり、フィルム製剤の形状にならなくなってしまうという問題が生じることが判明した。
従って、本発明の課題は、崩壊性が良好で、かつ化合物1の味がマスキングされた化合物1含有口腔内溶解型フィルム製剤を提供することにある。
そこで化合物1をフィルム製剤とすべく検討したところ、化合物1には苦味があることから、その味をマスキングするために矯味剤や甘味剤を多量に添加すると、それらの添加剤により崩壊性が低下したり、フィルム製剤の形状にならなくなってしまうという問題が生じることが判明した。
従って、本発明の課題は、崩壊性が良好で、かつ化合物1の味がマスキングされた化合物1含有口腔内溶解型フィルム製剤を提供することにある。
そこで本発明者は、フィルム製剤全体の量や厚さを大きく変化させることなく、崩壊性と化合物1の味のマスキングの両立を図るべく種々検討したところ、意外にも、化合物1を粉体の状態で薬物層中に分散させ、かつ製剤の厚さと化合物1の粒子径とをコントロールすることによって崩壊速度がコントロールでき、かつ化合物1の味をマスキングできることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔4〕を提供するものである。
〔1〕薬物として7−〔4−(4−ベンゾ〔b〕チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ〕−1H−キノリン−2−オン(化合物1)が、水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜100μm、該薬物の粒子径が5〜60μmである、口腔内溶解型フィルム製剤。
〔2〕製剤の厚さと前記薬物の粒子径の比が45:1〜1.3:1である〔1〕記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
〔3〕製剤中の前記薬物の含有量が1〜50質量%である〔1〕又は〔2〕記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
〔4〕製剤の最外層にコーティング層を有する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
〔1〕薬物として7−〔4−(4−ベンゾ〔b〕チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ〕−1H−キノリン−2−オン(化合物1)が、水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜100μm、該薬物の粒子径が5〜60μmである、口腔内溶解型フィルム製剤。
〔2〕製剤の厚さと前記薬物の粒子径の比が45:1〜1.3:1である〔1〕記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
〔3〕製剤中の前記薬物の含有量が1〜50質量%である〔1〕又は〔2〕記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
〔4〕製剤の最外層にコーティング層を有する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
本発明の口腔内溶解型フィルム製剤においては、薬物(化合物1)が水溶性高分子含有層中に粉体分散していることにより、化合物1自体が崩壊剤としての機能を有している。
化合物1自体に崩壊剤としての機能を持たせたこと、及び化合物1の粒子径を一定の大きさ以上にすることによって、崩壊剤、嬌味剤及び甘味料等の添加量を無くすか、少なくすることができたので、製剤中に添加できる化合物1の割合を高くすることができた。また、本発明は製造時に特別な前処理工程を必要としないので、特別な装置を必要とせず、製造管理上も簡便である。
化合物1自体に崩壊剤としての機能を持たせたこと、及び化合物1の粒子径を一定の大きさ以上にすることによって、崩壊剤、嬌味剤及び甘味料等の添加量を無くすか、少なくすることができたので、製剤中に添加できる化合物1の割合を高くすることができた。また、本発明は製造時に特別な前処理工程を必要としないので、特別な装置を必要とせず、製造管理上も簡便である。
本発明の口腔内溶解型フィルム製剤は、化合物1が水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜100μm、化合物1の粒子径が5〜60μmである。
本発明に使用される化合物1は、特許文献1に記載されており、前記のように広い治療スペクトラムを有し、統合失調症、うつ、双極性障害、認知症などの中枢神経疾患の治療薬として有用である。
化合物1の製剤中の含有量は、当該化合物1の一回投与量として認められた量の範囲内であればよく、通常一回投与量として0.001mg〜50mg程度が好ましい。
また、化合物1の薬物層中の含有量は、崩壊性、味のマスキング効果、製剤の取り扱い性、服用感等の点から、1〜60質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。
さらに、化合物1の製剤中の含有量は、崩壊性、味のマスキング効果、製剤の取り扱い性、服用感の点から、1〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%がさらに好ましい。
また、化合物1の薬物層中の含有量は、崩壊性、味のマスキング効果、製剤の取り扱い性、服用感等の点から、1〜60質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。
さらに、化合物1の製剤中の含有量は、崩壊性、味のマスキング効果、製剤の取り扱い性、服用感の点から、1〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%がさらに好ましい。
本発明のフィルム製剤においては、化合物1は水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体の状態で分散しており、化合物1の粒子径は5〜60μmである。本発明においては、化合物1が薬物層中にこの粒子径の粉体状態で分散していることにより、優れた崩壊性が得られる。化合物1の粒子径が60μmを超えると薬物層分散液の展延時に、化合物1の粉体が塗工コーターに引っかかり、いわゆる線引きが発生し、均一で綺麗な薬物層を得ることができない。また、化合物1の粒子径が60μmを超えると、薬物層に10μm以上の凹凸ができ、薬物層同士を上手く貼り合わせることができないことがある。また、薬物層上にコーティング層溶液を展延して乾燥し、コーティング層を形成するときに、綺麗に形成できなくなる恐れがある。一方、化合物1の粒子径が5μmより小さいと化合物1粉体の口腔内での溶解が速くなり、化合物1の不快味を感じる。また、製剤を服用したときに、口腔内で唾液が製剤に染み込みにくくなり崩壊性が低下する。
好ましい化合物1の粒子径は10〜60μmである。
ここで、化合物1の粒子径は、例えば回折式の粒度分布測定装置(例えば、(株)島津製作所製SALDシリーズ、日機装(株)製マイクロトラックシリーズ、東日コンピュータアプリケーションズ(株)製 LDSAシリーズ)により測定することができる。測定条件(分散方式、分散溶媒等)は化合物1の物理化学的特性を考慮した適正な方法であれば、特に問わない。
本発明における化合物1の粒子径は、特に断らない限り、最大粒子径(D100)を用いる。
好ましい化合物1の粒子径は10〜60μmである。
ここで、化合物1の粒子径は、例えば回折式の粒度分布測定装置(例えば、(株)島津製作所製SALDシリーズ、日機装(株)製マイクロトラックシリーズ、東日コンピュータアプリケーションズ(株)製 LDSAシリーズ)により測定することができる。測定条件(分散方式、分散溶媒等)は化合物1の物理化学的特性を考慮した適正な方法であれば、特に問わない。
本発明における化合物1の粒子径は、特に断らない限り、最大粒子径(D100)を用いる。
本発明の口腔内溶解型フィルム製剤は、前記薬物層のみからなる単層製剤であっても良いが、通常薬物層の両側(最外層)にコーティング層を有する3層のフィルム製剤であるのが好ましい。尚、薬物層とコーティング層の間に、製剤に他の機能を付与するための層が挿入されていても良い。
本発明のフィルム製剤においては、製剤の厚さが50〜100μmであることが、崩壊性と味のマスキング効果を得るうえで重要である。製剤の厚さが100μmを超えると、口腔内での溶解又は崩壊が遅くなったり、製剤が崩壊した後も口腔内にいわゆる粘つき感が残る等服用感を悪くする。一方、厚さが50μm未満だと、取り扱い性が悪くなったり、必要量の化合物1を含有させることが困難となる。好ましい製剤の厚さは50〜90μmであり、さらに好ましくは50〜85μmである。
本発明のフィルム製剤は、前記のように、薬物層の片面及び/又は両面には必要に応じて最外部にコーティング層を設けたり、薬物層とコーティング層の間に他の機能を有する層を設けることができる。
従って、本発明における製剤の厚さは、薬物層及びコーティング層等を含む合計の厚さである。また、薬物層とコーティング層の間に他の機能を有する層を設けた場合は、これら層の厚みも含める。なお、コーティング層の両面合計の厚さは10〜40μmが好ましい。また薬物層の厚さは40〜90μmが好ましく、40〜70μmがより好ましい。
従って、本発明における製剤の厚さは、薬物層及びコーティング層等を含む合計の厚さである。また、薬物層とコーティング層の間に他の機能を有する層を設けた場合は、これら層の厚みも含める。なお、コーティング層の両面合計の厚さは10〜40μmが好ましい。また薬物層の厚さは40〜90μmが好ましく、40〜70μmがより好ましい。
本発明のフィルム製剤においては、製剤の厚さと化合物1の粒子径の比は崩壊性と味のマスキング効果の点から、45:1〜1.3:1が好ましく、30:1〜1.4:1がより好ましい。
本発明の薬物層に用いられる水溶性高分子としては、可食性の水溶性高分子であればよく、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、別名:ヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム(CMC−Na、別名:カルメロース・ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース・カルシウム(CMC−Ca、別名:カルメロース・カルシウム)、カルボキシメチルセルロース・カリウム(CMC−K、別名:カルメロース・カリウム)、カルボキシメチルセルロース(CMC、別名:カルメロース)、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP、別名:ポビドン)、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール(PVA)、プルラン、α化デンプン、キサンタンガム等が挙げられる。これらは、単独で又は組み合わせて使用することができる。中でも、口腔内におけるフィルム製剤の崩壊性の観点から、特にHPC、HPMCが好適である。なお、HPC及びHPMCの粘度は特に限定されるものではないが、例えば、HPCの場合、20℃における2%水溶液の動粘度が2.0〜10mPa・s、特に3.0〜10mPa・sであるものが好ましく、HPMCの場合、20℃における2%水溶液の動粘度が3.0〜10mPa・s、特に3.0〜6mPa・sであるものが好ましい。かかる動粘度は、第16改正日本薬局方に記載の試験方法に基づく値である。
薬物層中の水溶性高分子の含有量は、崩壊性の点から、10〜98質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜80質量%がさらに好ましい。
本発明フィルム製剤の薬物層には、前記成分以外に糖類、可塑剤、甘味料、矯味剤、着色剤、pH調整剤、界面活性剤、安定化剤、香料の他、水、エタノール等の溶媒が含まれていてもよい。糖類としては、マルトース、還元麦芽糖水アメ、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられる。可塑剤としては、ポリエチレングリコール(別名:マクロゴール)、グリセリン、ソルビトール、クエン酸トリエチル等が挙げられる。甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスムファムカリウム、スクラロース、グリチルリチン酸二カリウム等が挙げられる。矯味剤としては、l−メントール等が挙げられる。着色剤としては、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、食用色素等が挙げられる。その他、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。安定化剤としては、塩化カルシウム等が挙げられる。
コーティング層は、通常のフィルム製剤のコーティング層であればよく、水溶性高分子、糖類、可塑剤、甘味料、矯味剤、着色剤、香料の他、水、エタノール等の溶媒が含まれていてもよい。ここで用いられる水溶性高分子、糖類、可塑剤、甘味料、矯味剤及び着色剤としては、前記薬物層の成分として列挙したものが挙げられる。コーティング層の20〜98質量%、さらに30〜90質量%、特に40〜90質量%は水溶性高分子であるのが好ましい。
本発明のフィルム製剤の大きさは、服用しやすいものであれば特に限定されるものではないが、例えば、1〜7cm2程度の大きさにすることが好ましい。また、その形状も服用しやすいものであれば特に限定されるものではないが、例えば、円形、楕円形、方形等を適宜選択することが可能である。
本発明のフィルム製剤は、迅速に溶解又は崩壊することが可能であり、かつ水への溶解性に優れるものである。例えば、口腔内における溶解又は崩壊時間は1分以内、特に30秒以内であることが好ましく、また水に対する溶解時間は3分以内、特に1分以内であることが好ましい。
また、本発明のフィルム製剤は、複数個の製剤が行列状に配置され、該製剤の形状を画定する切断線が設けられたシート状の形態とすることも可能であり、その一方面には樹脂フィルムが設けられていてもよい。このような製剤は、患者が1つの製剤を切断線に沿って分離しながら樹脂フィルムから剥離し服用することが可能である。かかる樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリイミド、ポリプロピレン、セルローストリアセテート、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、トリアセテート、フッ素樹脂(ETFE、PFA、FEP)等の樹脂からなるフィルムから適宜選択して使用することができる。中でも、特にPETが好ましい。
本発明の口腔内溶解型フィルム製剤の単層製剤は、薬物層分散液を剥離フィルム上に展延して乾燥し得られた薬物層を所定の大きさに切断することができる。また、薬物層の両側にコーティング層を有するフィルム製剤は、コーティング層を形成し、その上に薬物層を形成させ、次いでこの2層を、薬物層を内側にして貼り合わせて積層することにより製造することができる。即ち、コーティング層の形成は、コーティング層溶液を調製し、剥離フィルム上に展延して乾燥すればよい。次に、薬物層の形成は、薬物層分散液をコーティング層上に展延して乾燥すればよい。得られた薬物層とコーティング層の積層体は、薬物層同士が対向するようにラミネート機で熱圧着させれば、薬物層の両側にコーティング層を有するフィルム製剤が製造できる。この製造方法により得られたフィルム製剤の同一組成の薬物層同士を貼り合わせて積層した薬物層は、1層とする。
また、前述の薬物層とコーティング層の積層体の薬物層上に、コーティング層溶液を展延して乾燥しコーティング層を形成する方法でも、製造できる。尚、本発明のフィルム製剤の製造方法は、これら製造方法に限定されるものではない。
また、前述の薬物層とコーティング層の積層体の薬物層上に、コーティング層溶液を展延して乾燥しコーティング層を形成する方法でも、製造できる。尚、本発明のフィルム製剤の製造方法は、これら製造方法に限定されるものではない。
薬物層分散液は、前記薬物層に必要な成分を水及び/又はエタノールを含有する溶媒に分散することにより得ることができる。コーティング層溶液も、薬物層分散液と同様に調製でき、コーティング層の形成手段も薬物層と同様である。溶媒は水、エタノール及び水−エタノール溶液等を用いることができる。なお、溶媒量は、使用する添加物により適宜増減できる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
水/エタノール(10質量部/10質量部)混液溶媒に化合物 1(0.5質量部)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL、日本曹達(株)、7.6質量部)、マルチトール(3.37質量部)、スクラロース(0.03質量部)を加えて攪拌混合し、薬物層分散液を得た。
また、精製水/エタノール(9質量部/9質量部)混合溶媒に、ヒプロメロース(信越化学工業(株)、4.38質量部)、スクラロース(0.02質量部)、酸化チタン(0.8質量部)、マルチトール(2.4質量部)を加えて攪拌混合し、コーティング層溶液を得た。
先ず、ポリエステル製剥離フィルム上にコーティング層溶液を展延し乾燥してコーティング層を形成した後、該コーティング層上に薬物層溶液を展延し乾燥して薬物層を積層させ、2層構造体を得た。
この2層構造体を2式作製し、2つの2層構造体の薬物層同士が対向するようにラミネート機で熱圧着させ、コーティング層/薬物層/コーティング層の3層構造体を得た。この3層構造体を12mm×18mmに切断し、フィルム製剤を得た。なお、薬物は薬物層中に粉体で分散していることは、肉眼で確認できる。
水/エタノール(10質量部/10質量部)混液溶媒に化合物 1(0.5質量部)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL、日本曹達(株)、7.6質量部)、マルチトール(3.37質量部)、スクラロース(0.03質量部)を加えて攪拌混合し、薬物層分散液を得た。
また、精製水/エタノール(9質量部/9質量部)混合溶媒に、ヒプロメロース(信越化学工業(株)、4.38質量部)、スクラロース(0.02質量部)、酸化チタン(0.8質量部)、マルチトール(2.4質量部)を加えて攪拌混合し、コーティング層溶液を得た。
先ず、ポリエステル製剥離フィルム上にコーティング層溶液を展延し乾燥してコーティング層を形成した後、該コーティング層上に薬物層溶液を展延し乾燥して薬物層を積層させ、2層構造体を得た。
この2層構造体を2式作製し、2つの2層構造体の薬物層同士が対向するようにラミネート機で熱圧着させ、コーティング層/薬物層/コーティング層の3層構造体を得た。この3層構造体を12mm×18mmに切断し、フィルム製剤を得た。なお、薬物は薬物層中に粉体で分散していることは、肉眼で確認できる。
得られた実施例1のフィルム製剤を、パネラー3名によりハンドリング(取り扱いやすさ)を評価した。
また、崩壊時間を以下のとおり評価した。
<崩壊試験法>
崩壊試験器を使用した。(富山産業,NT−20HS)
装置は、高さ138〜160mmで浸漬部の内径が97〜115mmの1000mL低形ビーカー、37±2℃で温度調節可能な恒温槽、1分間29〜32往復、振幅53〜57mmで上下する試験器及び電動機からなっている。ビーカーに入れる試験液の量は、試験器が最も上がったとき、試験器の網面が液面から下へ少なくとも15mm以上離れるようにし、試験器の最も下がったとき、網面はビーカーの底から25mm以上で、試験器が完全に沈むことがあってはならない。電動機の上方及び下方への移動時間は等しく、また上下の方向転換は、急ではなく滑らかに行われるようにする。試験器は垂直軸に沿って動作するようにし、水平方向に軸が動いたり移動したりしないようにする。
<試験器>
試験器には、長さ77.5±2.5mm、内径20.7〜23mm、厚さ1.0〜2.8mmの両端が開口した透明な管6本と、これらの管を上下方向からはさみ垂直に立てておくための直径88〜92mm、厚さ5〜8.5mmの2枚のプラスチック板があり、これらの板には、それぞれ直径22〜26mmの穴が6個、中心から等距離かつ等間隔で開いている。下のプラスチック板の下面には、網目の開き1.8〜2.2mm、線径0.57〜0.66mmの平らなステンレス網を取り付ける。試験器は、2枚のプラスチック板を貫く3本の支柱を用いて、組み立て固定する。試験器は、ガラス管と網が規格に合っている限り、他の部分の多少の変更は可能である。試験器はその中心軸に沿って上下運動できるように、電動機に適当な方法で吊るす。
<試験方法>
本品6枚をとり、シンカーにそれぞれ入れ、試験液に水を用い、試験液を900mLを入れ、37±2℃に保ち試験を実施し、試料が原形をとどめなくなるまでの時間を測定した。
評価基準を表1に示す。また評価結果(スコアの平均)を表2に示す。
また、崩壊時間を以下のとおり評価した。
<崩壊試験法>
崩壊試験器を使用した。(富山産業,NT−20HS)
装置は、高さ138〜160mmで浸漬部の内径が97〜115mmの1000mL低形ビーカー、37±2℃で温度調節可能な恒温槽、1分間29〜32往復、振幅53〜57mmで上下する試験器及び電動機からなっている。ビーカーに入れる試験液の量は、試験器が最も上がったとき、試験器の網面が液面から下へ少なくとも15mm以上離れるようにし、試験器の最も下がったとき、網面はビーカーの底から25mm以上で、試験器が完全に沈むことがあってはならない。電動機の上方及び下方への移動時間は等しく、また上下の方向転換は、急ではなく滑らかに行われるようにする。試験器は垂直軸に沿って動作するようにし、水平方向に軸が動いたり移動したりしないようにする。
<試験器>
試験器には、長さ77.5±2.5mm、内径20.7〜23mm、厚さ1.0〜2.8mmの両端が開口した透明な管6本と、これらの管を上下方向からはさみ垂直に立てておくための直径88〜92mm、厚さ5〜8.5mmの2枚のプラスチック板があり、これらの板には、それぞれ直径22〜26mmの穴が6個、中心から等距離かつ等間隔で開いている。下のプラスチック板の下面には、網目の開き1.8〜2.2mm、線径0.57〜0.66mmの平らなステンレス網を取り付ける。試験器は、2枚のプラスチック板を貫く3本の支柱を用いて、組み立て固定する。試験器は、ガラス管と網が規格に合っている限り、他の部分の多少の変更は可能である。試験器はその中心軸に沿って上下運動できるように、電動機に適当な方法で吊るす。
<試験方法>
本品6枚をとり、シンカーにそれぞれ入れ、試験液に水を用い、試験液を900mLを入れ、37±2℃に保ち試験を実施し、試料が原形をとどめなくなるまでの時間を測定した。
評価基準を表1に示す。また評価結果(スコアの平均)を表2に示す。
表2より、粒子径(D100)が5〜60μmの化合物1が薬物層中に分散しており、かつ製剤の厚さが50〜100μmのフィルム製剤は、崩壊性が良好であり、さらにハンドリング及び崩壊時間も良好であった。
Claims (4)
- 薬物として7−〔4−(4−ベンゾ〔b〕チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ〕−1H−キノリン−2−オンが、水溶性高分子を含有する薬物層中に粉体分散しており、製剤の厚さが50〜100μm、該薬物の粒子径が5〜60μmである、口腔内溶解型フィルム製剤。
- 製剤の厚さと前記薬物の粒子径の比が45:1〜1.3:1である請求項1記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
- 製剤中の前記薬物の含有量が1〜50質量%である請求項1又は2記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
- 製剤の最外層にコーティング層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の口腔内溶解型フィルム製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012129662A JP2013253038A (ja) | 2012-06-07 | 2012-06-07 | 口腔内溶解型フィルム製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012129662A JP2013253038A (ja) | 2012-06-07 | 2012-06-07 | 口腔内溶解型フィルム製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013253038A true JP2013253038A (ja) | 2013-12-19 |
Family
ID=49950891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012129662A Pending JP2013253038A (ja) | 2012-06-07 | 2012-06-07 | 口腔内溶解型フィルム製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013253038A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105106142A (zh) * | 2015-09-22 | 2015-12-02 | 成都欣捷高新技术开发有限公司 | 一种含有依匹哌唑的冻干口服制剂及其制备方法 |
CN105395528A (zh) * | 2015-12-25 | 2016-03-16 | 北京康立生医药技术开发有限公司 | 依匹哌唑口腔速溶膜 |
WO2022176981A1 (ja) * | 2021-02-19 | 2022-08-25 | 大正製薬株式会社 | 経口フィルム製剤 |
WO2022218356A1 (zh) * | 2021-04-13 | 2022-10-20 | 上海博志研新药物技术有限公司 | 一种布瑞哌唑口溶膜组合物、其制备方法及应用 |
WO2023240971A1 (zh) * | 2022-06-16 | 2023-12-21 | 江苏慧聚药业股份有限公司 | 药物组合物及依匹哌唑口溶膜 |
-
2012
- 2012-06-07 JP JP2012129662A patent/JP2013253038A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105106142A (zh) * | 2015-09-22 | 2015-12-02 | 成都欣捷高新技术开发有限公司 | 一种含有依匹哌唑的冻干口服制剂及其制备方法 |
CN105395528A (zh) * | 2015-12-25 | 2016-03-16 | 北京康立生医药技术开发有限公司 | 依匹哌唑口腔速溶膜 |
WO2022176981A1 (ja) * | 2021-02-19 | 2022-08-25 | 大正製薬株式会社 | 経口フィルム製剤 |
JP7168133B1 (ja) * | 2021-02-19 | 2022-11-09 | 大正製薬株式会社 | 経口フィルム製剤 |
WO2022218356A1 (zh) * | 2021-04-13 | 2022-10-20 | 上海博志研新药物技术有限公司 | 一种布瑞哌唑口溶膜组合物、其制备方法及应用 |
WO2023240971A1 (zh) * | 2022-06-16 | 2023-12-21 | 江苏慧聚药业股份有限公司 | 药物组合物及依匹哌唑口溶膜 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5213446B2 (ja) | ジクロフェナクを含む医薬組成物 | |
JP5379121B2 (ja) | プルランを含む速溶性医薬組成物 | |
JP5819827B2 (ja) | 舌下および口腔投与用フィルム組成物 | |
JP5604304B2 (ja) | 口腔内崩壊性固形製剤 | |
JP6448096B2 (ja) | 舌下及び頬用フィルム組成物 | |
US20110054043A1 (en) | Film composition | |
US10588856B2 (en) | Orally disintegrating tablet coated with film | |
US20100047343A1 (en) | Multiparticulate formulation having tramadol in immediate and controlled release form | |
JP2013253038A (ja) | 口腔内溶解型フィルム製剤 | |
JPWO2016051782A1 (ja) | 苦味を有する薬剤の苦味をマスキングした経口投与製剤 | |
JP5952646B2 (ja) | 口腔内溶解型フィルム製剤 | |
US10335443B2 (en) | Orodispersible film | |
JP2010158173A (ja) | 可食性フィルム、可食性フィルム用組成物及び可食性フィルム積層体の製造方法 | |
JP5624472B2 (ja) | ロペラミド塩酸塩含有フィルム製剤 | |
Arora et al. | A review on new generation orodispersible films and its novel approaches | |
JP5787762B2 (ja) | コーティングフィルム、及びそれを用いた顆粒、錠剤 | |
JP6482552B2 (ja) | 界面活性剤および多価アルコールを有さず直ちに湿潤可能な経口フィルム剤形 | |
TWI612978B (zh) | 口溶膜 | |
CN106176691A (zh) | 一种草酸艾司西酞普兰口溶膜剂及其制备方法 | |
CN111202721A (zh) | 含有昂丹司琼或其盐的口腔崩解型膜制剂及其制备方法 | |
Patel et al. | Emerging trends in oral dispersible tablet | |
TW200835527A (en) | Orally disintegrating tablet and bitter taste-masked formulation comprising risperidone | |
WO2015101639A1 (en) | Orodispersible film | |
Dave et al. | A review on promising novel drug delivery system-bioadhesive drug delivery system | |
JP2019151569A (ja) | ルビプロストンを含む口腔内崩壊フィルム剤 |